JP4223328B2 - 電磁アクチュエータ及びその駆動方法 - Google Patents

電磁アクチュエータ及びその駆動方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可動部がローレンツ力の作用により揺動する電磁アクチュエータ及びその駆動方法に関し、特に、駆動モードと誘導起電圧の検出モードを適切に組み合わせて種々の動作モードで駆動できる電磁アクチュエータ及びその駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の電磁アクチュエータには、周縁部にコイルを敷設し揺動可能に軸支された可動部の揺動軸方向に平行な対辺部に静磁界を作用させ、駆動用コイルを流れる電流と静磁界との相互作用により上記対辺部にローレンツ力を作用させて可動部を共振揺動させるものがある。
【0003】
特に、一つのコイルに駆動電流として電磁アクチュエータの共振駆動周波数の1/2の周期でパルス状の駆動電流を供給して駆動すると共に、駆動電流がOFF状態の半周期に可動部が慣性によって自由揺動する際に駆動コイルに発生する誘導起電圧を検出して、可動部の振れ角を検出するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、可動部に二つのコイルを個別に設け、一方のコイルを可動部の駆動専用コイルとして用いて正弦波状の駆動電流を供給し、他方のコイルを可動部が揺動状態にあるとき、コイルに発生する誘導起電圧を検出する検出専用コイルとして用いて可動部の振れ角を検出するようにしたものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−305471号公報(第6〜7頁、図3)
特開平11−305162号公報(第6頁、図16)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような従来の電磁アクチュエータにおいて、前者は、コイルが一つであるのため駆動電流を供給する駆動モードと誘導起電圧(振れ角)を検出する検出モードとを交互に行い単に駆動と検出機能を発揮させるだけの基本的な動作モードでしか制御できない。また、後者の場合は、二つのコイルがそれぞれ駆動用と検出用の専用コイルであるため、同様に単に駆動と検出機能を発揮させるだけの基本的な動作モードでしか制御できない。したがって、駆動モードと検出モードを適切に組み合わせて、例えば起動時若しくは振れ角変更時の駆動力増強や停止時等における制動、またはコイル断線等の故障時における機能維持を図ったり、また可動部の共振周波数に自動追従するように動作させる等の種々の動作モードで駆動できる電磁アクチュエータはなかった。
【0007】
そこで、本発明は上記問題点に着目してなされたもので、駆動モードと誘導起電圧の検出モードを適切に組み合わせて種々の動作モードで駆動できる電磁アクチュエータ及びその駆動方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このために、請求項1の発明は、揺動可能に軸支された可動部の揺動軸方向に平行な対辺部に、コイルを流れる駆動電流と静磁界との相互作用によりローレンツ力を作用させ、可動部を揺動させる電磁アクチュエータであって、前記コイルを、個別に設けた少なくとも二つの第1及び第2コイルで構成し、該各コイルにそれぞれ駆動電流を供給可能な複数の駆動電流供給手段と、前記第1及び第2コイルに接続され、前記可動部が揺動状態にあるとき、前記第1及び第2コイルに発生する誘導起電圧を検出する第1及び第2誘導起電圧検出手段と、前記少なくとも第1及び第2コイルに正弦波状の駆動電流の供給を可能とし、前記第2誘導起電圧検出手段で検出された前記第2コイルの誘導起電圧に基づいて前記第1コイルに供給する駆動電流を制御し、前記第1誘導起電圧検出手段で検出された前記第1コイルの誘導起電圧に基づいて前記第2コイルに供給する駆動電流を制御する電流制御部と、前記第1及び第2駆動電流供給手段による駆動電流の供給動作を前記可動部の揺動周期の半周期ごとに切換える切換部とを有する制御手段と、を備えて構成した。
【0009】
このような構成により、複数の駆動電流供給手段で個別に設けた少なくとも二つの第1及び第2コイルにそれぞれ正弦波状の駆動電流を供給可能とし、第1及び第2コイルに接続された第1及び第2誘導起電圧検出手段で可動部が揺動状態にあるとき、第1及び第2コイルに発生する誘導起電圧を検出し、制御手段の切換部第1及び第2駆動電流供給手段による駆動電流の供給動作を可動部の揺動周期の半周期ごとに切換え、制御手段の制御部で第2誘導起電圧検出手段で検出された第2コイルの誘導起電圧に基づいて第1コイルに供給する駆動電流を制御し、第1誘導起電圧検出手段で検出された第1コイルの誘導起電圧に基づいて第2コイルに供給する駆動電流を制御する
【0010】
具体的には、請求項2のように、前記電流制御部が、第2誘導起電圧検出手段で検出した誘導起電圧のピーク電圧と振れ角の設定値に対応する入力電圧との差分に応じた制御出力を第1駆動電流供給手段に出力する第1出力部と、第1誘導起電圧検出手段で検出した誘導起電圧のピーク電圧と振れ角の設定値に対応する入力電圧との差分に応じた制御出力を第2駆動電流供給手段に出力する第2出力部と、を備える構成とするとよい。さらに、請求項3のように、前記第1及び第2出力部にそれぞれ入力する前記入力電圧及び各ピーク電圧を調整して、前記第1及び第2コイルの特性ばらつきを補正する補正回路を備えて構成してもよい。
【0011】
また、請求項4のように、前記第1駆動電流供給手段は、前記第2誘導起電圧検出手段で検出された誘導起電圧と前記第1出力部の制御出力とを乗算する第1乗算器と、該第1乗算器の出力に応じた駆動電流を第1コイルに供給する第1電流ドライバとを備え、前記第2駆動電流供給手段は、前記第1誘導起電圧検出手段で検出された誘導起電圧と前記第2出力部の制御出力とを乗算する第2乗算器と、該第2乗算器の出力に応じた駆動電流を第2コイルに供給する第2電流ドライバとを備えて構成するとよい。
【0012】
さらに、請求項5のように、前記第1誘導起電圧検出手段は、前記第1コイルに発生した誘導起電圧を検出して増幅する第1検出増幅器と、該第1検出増幅器の出力のピーク電圧を検出する第1ピークホールド回路とを備え、前記第2誘導起電圧検出手段は、前記第2コイルに発生した誘導起電圧を検出して増幅する第2検出増幅器と、該第2検出増幅器の出力のピーク電圧を検出する第2ピークホールド回路とを備えて構成するとよい。
【0013】
さらにまた、請求項6のように、前記切換部は、前記第1または第2誘導起電圧検出手段により検出された誘導起電圧のゼロクロスを検出してスイッチング信号を出力する位相検出回路と、該位相検出回路のスイッチング信号に基づいて前記第1及び第2出力部の制御出力を切換えて出力するスイッチ回路とを備えて構成するとよい。または、請求項7のように、前記第1及び第2誘導起電圧検出手段で検出された正弦波の誘導起電圧を半波整流して前記第1及び第2駆動電流供給手段に供給する整流器を備え、該第1及び第2駆動電流供給手段の駆動電流の供給動作を切換える構成としてもよい。
【0014】
そして、請求項8のように、前記第1及び第2コイルは、いずれか一方を前記可動部の表面に、他方をその裏面に、それぞれ可動部の周縁部に沿って敷設された構成とするとよい。または、請求項9のように、前記可動部の揺動軸線を挟んで該可動部に敷設した構成としてもよく、請求項10のように、前記可動部の周縁部に沿っていずれか一方のコイルを外側に、他方のコイルを内側に敷設した構成としてもよい。
【0015】
また、請求項11の発明は、揺動可能に軸支された可動部の揺動軸方向に平行な対辺部に、コイルを流れる駆動電流と静磁界との相互作用によりローレンツ力を作用させ、可動部を揺動させる電磁アクチュエータであって、前記コイルを、個別に設けた複数のコイルで構成し、該各コイルにそれぞれ駆動電流を供給可能な複数の駆動電流供給手段と、前記可動部が揺動状態にあるとき、コイルに発生する誘導起電圧を検出する少なくとも一つの誘導起電圧検出手段と、前記複数の駆動電流供給手段の電流供給を制御すると共に、前記誘導起電圧検出手段による誘導起電圧の検出の有無から、前記複数のコイルのいずれかに故障が発生したものと判断し、他のコイルで可動部の駆動を継続するように制御する制御手段と、を備えて構成した。
【0016】
具体的には、請求項12のように、前記コイルは、二つの第1及び第2コイルからなり、一つの誘導起電圧検出手段を前記第2コイルに接続して備えるよい。また、前記制御手段は、請求項13のように、前記第1コイルへ常時駆動電流を供給する共に、第2コイルの動作モードを、駆動モードと検出モードとを選択的に切換えて可動部の振れ角を制御する構成とするとよい。この場合、前記制御手段は、請求項14のように、前記第2コイルを検出モードとし、前記誘導起電圧検出手段で検出される誘導起電圧に基づいて第1コイルの駆動電流を制御する構成としてもよい。または、前記制御手段は、請求項15のように、前記第2コイルに対して可動部の揺動周期に同期してON/OFFを繰り返すパルス状の駆動電流を供給し、駆動電流のOFF期間に誘導起電圧検出手段で検出される誘導起電圧に基づいて次のON期間で前記第2コイルに供給する駆動電流を制御する構成としてもよい。
【0017】
また、前記制御手段は、請求項16のように、可動部を駆動する所定時期に前記第2コイルを駆動モードとし、前記第1コイルに発生するローレンツ力と同方向のローレンツ力を発生させるように駆動電流を供給する構成としてもよい。さらに、前記制御手段は、請求項17のように、可動部を駆動する所定時期に前記第2コイルを駆動モードとし、前記第1コイルに発生するローレンツ力と逆方向のローレンツ力を発生させるように駆動電流を供給する構成としてもよい。
【0018】
そして、請求項18の構成において、前記コイルは二つの第1及び第2コイルからなり、前記誘導起電圧検出手段は、前記第1及び第2コイルに接続する第1及び第2誘導起電圧検出手段からなる構成とした。この場合、請求項19のように、前記制御手段は、前記第1及び第2コイルに対してそれぞれ可動部の揺動周期に同期してON/OFFを繰り返すパルス状の駆動電流を互いに半周期ずらして供給し、前記第1コイルの駆動電流のOFF期間に第1誘導起電圧検出手段で検出される誘導起電圧に基づいて次のON期間で前記第1コイルに供給する駆動電流を制御する一方、前記第2コイルの駆動電流のOFF期間に第2誘導起電圧検出手段で検出される誘導起電圧に基づいて次のON期間で前記第2コイルに供給する駆動電流を制御する構成とするとよい。
【0020】
また、請求項20の発明は、揺動可能に軸支された可動部の揺動軸方向に平行な対辺部に、コイルを流れる駆動電流と静磁界との相互作用によりローレンツ力を発生させ、可動部を揺動させる電磁アクチュエータの駆動方法であって、駆動電流を供給可能な個別に設けた少なくとも二つの第1及び第2コイルにそれぞれ正弦波状の駆動電流を供給し、前記可動部が揺動状態にあるとき、前記第1及び第2コイルに発生する誘導起電圧をそれぞれ検出し、該検出された前記第2コイルの誘導起電圧に基づいて前記第1コイルに供給する駆動電流を制御し、検出された前記第1コイルの誘導起電圧に基づいて前記第2コイルに供給する駆動電流を制御し、前記第1及び第2コイルに供給する駆動電流の供給動作を前記可動部の揺動周期の半周期ごとに切換えるようにした。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1に、本発明に係る電磁アクチュエータの第1実施形態を示し、光スキャナーに適用した場合の概略構成図を示す。
図1において、本第1実施形態の電磁アクチュエータは、共振駆動するものであり、可動部1と、トーションバー2,2と、静磁界発生手段3,3と、コイル4と、駆動制御装置5と、を備えて構成される。
【0025】
可動部1は、揺動して光ビームを偏向するものであり、後述のトーションバー2,2により揺動可能に軸支された薄い板状を成し、中央部に光ビームを反射するアルミニウム等で形成された反射部6を備えている。
【0026】
上記可動部1の対向する両側部には、一対のトーションバー2,2が設けられている。このトーションバー2,2は、可動部1を揺動可能に軸支すると共に、該可動部1とは反対側の端部を可動部1の外側に設けられた枠部7に保持されている。そして、上記可動部1と、トーションバー2,2と、枠部7とは、シリコン基板を異方性エッチングして一体的に形成される。
【0027】
また、上記トーションバー2,2の軸方向に平行な可動部1の対辺部に近接する上記枠部7上には、静磁界発生手段3,3が互いに反対磁極を対向させて、可動部1を間にして両側に設けられている。この静磁界発生手段3,3は、後述のコイル4の上記対辺部分に静磁界を作用させるものであり、例えば永久磁石からなる。
【0028】
さらに、上記可動部1の表面部には、その周縁部に沿ってコイル4が敷設されている。このコイル4は、該コイル4を流れる電流と静磁界発生手段3,3から発生する静磁界との相互作用により、トーションバー2,2の軸方向に平行な可動部1の対辺部にローレンツ力を作用させ可動部1を揺動させるものであり、個別に設けた第1及び第2コイル4a,4bから成る。そして、第1コイル4a(図1中実線で記載)は可動部1の表面に、また第2コイル4b(同図中破線で記載)は裏面に、互いに巻線方向を反対向きにして敷設されている。そして、共にその両端部はトーションバー2,2を介して枠部7上に設けられた電極部8a-1,8a-2及び8b-1,8b-2に繋がっている。なお、コイル4は、図1に示すものに限られず、例えば、図2に示すように、第1コイル4a及び第2コイル4bを可動部1の揺動軸線を挟んで該可動部1にそれぞれ敷設してもよい。この場合、第1及び第2コイル4a,4bの左右配置バランスをよくすることができる。また、図3に示すように、可動部1の周縁部に沿って第1コイル4aの内側に第2コイル4bが敷設されるようにしてもよい。この場合は、第1及び第2コイル4aを同時に形成することができるので製造工程が短縮できる。なお、上記第1及び第2コイル4a,4bの巻線方向は、いずれも互いに反対方向で示しているが、同方向であってもよい。また、第1及び第2コイル4a,4bの敷設位置は逆でもよい。
【0029】
そして、上記コイル4には駆動制御装置5が繋がっている。この駆動制御装置5は、可動部1を共振駆動するものであり、図4に示すように第1及び第2コイル4a,4bにそれぞれ駆動電流を供給する第1及び第2駆動電流供給手段9a,9bと、第2コイル4bに接続し、可動部1が揺動状態にあるとき、第2コイル4bに発生する誘導起電圧を検出する誘導起電圧検出手段10と、該誘導起電圧検出手段10で検出した誘導起電圧E0を基に第1及び第2コイル4a,4bに供給する駆動電流Id-1,Id-2の大きさを制御する駆動制御信号D1,D2を供給すると共に、第2コイル4bへの駆動電流Id-2の供給動作を後述の各種動作モードに基づいて制御する制御手段11と、を備えている。そして、上記動作モードは、外部からのモード切換指令信号により必要に応じて切換できるようになっている。
【0030】
次に、本第1実施形態の電磁アクチュエータの動作及び駆動方法を、図4〜図7を参照して説明する。
先ず、図4に示すようにモード切換指令信号を制御手段11に供給して動作モードを設定する。この場合、例えば駆動時の駆動力を増強するモードが設定されたときには、図5に示すように正弦波状の駆動制御信号D1が供給され、該駆動制御信号D1に基づいて第1駆動電流供給手段9aで生成された正弦波状の駆動電流Id-1が、図1に示す枠部7上に設けられた電極部8a-1,8a-2を介して第1コイル4aに常時供給され、可動部1が共振駆動される。また、同時に、駆動初期の一定時間tだけ制御手段11から第2駆動電流供給手段9bに対して上記駆動制御信号D1と同位相の正弦波状の駆動制御信号D2が供給され、第1コイル4aと同方向のローレンツ力が発生するように、例えば駆動電流Id-1と同位相の駆動電流Id-2が電極部8b-1,8b-2を介して第2コイル4bに供給される。これにより、駆動力を増強して可動部1の揺動の立上り動作を速くする。
【0031】
次に、上記一定時間t経過後の所定時期以外では、制御手段11から第2駆動電流供給手段9bに供給される駆動制御信号D2がゼロとなり、第2コイル4bへの駆動電流の供給動作が停止する。これにより、可動部1が静磁界中を揺動するのに伴って第2コイル4bに発生する誘導起電圧E0を誘導起電圧検出手段10で検出することが可能となる。
【0032】
そして、上記誘導起電圧E0を誘導起電圧検出手段10により検出して制御手段11に送り、上記誘導起電圧E0に基づいて可動部1の振れ角を一定とするように駆動制御信号D1の波高値を定め、駆動電流Id-1の大きさを制御する。
【0033】
また、例えば制動モードが設定されたときには、図6に示すように可動部1の揺動を停止させる直前の一定時間tだけ正弦波状の駆動制御信号D2を第2駆動電流供給手段9bに供給して誘導起電圧検出モードにある第2コイル4bへ第1コイル4aの駆動電流Id-1とは逆位相の駆動電流Id-2を供給する。これにより、停止時に第2コイル4bの駆動電流Id-2がブレーキの作用をし、可動部1を素早く停止されることができる。
【0034】
さらに、例えば振れ角の微調整モードを設定したときには、図7に示すように第1コイル4aに常時一定の正弦波状の駆動電流Id-1を供給し、第2コイル4bへの駆動電流の供給動作を駆動制御信号D2により可動部1の揺動周期の半周期ごとに駆動電流の供給及び停止を繰り返し、該停止期間に検出された誘導起電圧E0に基づいて生成したパルス状の駆動制御信号D2により、次の供給期間のパルス状の駆動電流Id-2の大きさを制御し、この駆動電流Id-2により可動部1の触れ角を微調整する。この場合、パルス状の駆動制御信号D2は、正弦波の信号を図示省略の波形整形回路を通して生成することができる。これにより、一つの駆動制御装置5によりこの微調整モードを含む上述の各種動作モードを実行することができる。また、第1駆動電流供給手段9aを大電力の電子部品で構成する一方、第2駆動電流供給手段9bを高精度で制御が可能な小電力の電子部品で構成すれば、可動部1を大電力で大振幅駆動することができると共に可動部1の振れ角を精密制御することができる。なお、この場合、誘導起電圧検出手段10で検出した誘導起電圧E0により同期信号を生成し、駆動制御信号D2の発生タイミングを合わせるようにするとよい。
【0035】
そして、例えば故障時の機能維持モードが設定されたときには、制御部11で故障を判断すると、直ちに第2コイル4bに対してパルス状の駆動電流を供給する。この場合、パルス状駆動電流供給後の電流停止期間に誘導起電圧検出手段10で誘導起電圧E0を検出しなかったときは、第2コイル4b側の故障と判断し、第1コイル4aのみで可動部1を駆動する。一方、誘導起電圧検出手段10で誘導起電圧E0を検出したときは、第1コイル4a側の故障と判断して、上記第2コイル4bに対してパルス状の駆動電流を供給し、第2コイル4bのみで可動部1の駆動と誘導起電圧(振れ角)の検出を行う。これにより、一方のコイルの断線または回路故障時にも機能維持を図ることができる。
【0036】
このように、本第1実施形態の電磁アクチュエータによれば、第1コイル4aへ常時駆動電流Id-1を供給する共に、第2コイル4bへの駆動電流Id-2の供給を各種動作モードに基づいて行うことにより、駆動及び振れ角検出の基本動作モードに加えて駆動力の増強や制動、または可動部の振れ角の微調整、または故障時の機能維持等の各種動作モードで駆動することができる。
【0037】
なお、第2コイル4bに第1コイル4aに発生するローレンツ力と同方向のローレンツ力を発生さて駆動力を増強する所定時期としては、上述の駆動初期に限られず、例えば可動部1の振れ角を瞬時に大きくさせたいとき等も考えられる。また、第2コイル4bに第1コイル4aに発生するローレンツ力と逆方向のローレンツ力を発生さて制動をかける所定時期としては、上述の駆動停止直前に限られず、例えば急激に振れ角を変化させた場合に発生するダンピングを抑制するためにダンパ機能を発生させたいとき等も考えられる。
【0038】
また、従来技術と同じように、例えば第1コイル4aを駆動専用に使用し、第2コイル4bを誘導起電圧検出専用に使用する基本動作モードを選択的に適用することも可能である。
【0039】
そして、上記第1実施形態は、各種動作モードを選択的に切換えて任意に設定可能な多機能な駆動制御装置5を備えたものに限られず、基本動作モードの他に一つの機能を発揮する固定機能の駆動制御装置5を備えたものであってもよい。
【0040】
次に、本発明に係る電磁アクチュエータの第2実施形態を、図8を参照して説明する。なお、第1実施形態と同一の要素については同一の符号を用いて示し、ここでは第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図8は、第2実施形態の駆動制御装置5を示すブロック図である。図4に示す第1実施形態の駆動制御装置5と異なる点は、第1及び第2コイル4a,4bの双方に第1及び第2誘導起電圧検出手段10a,10bをそれぞれ接続して備えている点である。
【0041】
次に、このように構成した第2実施形態の電磁アクチュエータの動作及び駆動方法を、図8及び図9を参照して説明する。
先ず、図8に示すようにモード切換指令信号により動作モードを設定する。例えば、駆動及び振れ角検出の基本動作モードが設定された場合には、制御手段11から第1駆動電流供給手段9aに対して可動部1の揺動周期Tで繰り返すパルス波の駆動制御信号D1を供給する。これに基づいて、第1駆動電流供給手段9aでは、図9に示すように周期TでON/OFFするパルス状の駆動電流が生成され第1コイル4aに供給される。
【0042】
一方、第2駆動電流供給手段9bに対しては、制御手段11から可動部1の揺動周期Tで繰り返すパルス状の駆動制御信号D2を駆動制御信号D1に対してT/2遅れて供給する。
【0043】
この場合、図9に示すように駆動制御信号D1がONして第1駆動電流供給手段9aが駆動電流Id-1を供給しているときには、駆動制御信号D2がOFFして第2駆動電流供給手段9bが駆動電流Id-1の供給を停止しているため、可動部1は第1コイル4aの駆動電流Id-1によって駆動される。このとき、第2コイル4bには、可動部1の揺動に伴って誘導起電圧E2が発生し、これは第2誘導起電圧検出手段10bで検出されて制御手段11に送られる。
【0044】
そして、制御手段11においては、上記誘導起電圧E2に基づいて可動部1の振れ角を一定とするように駆動制御信号D2の波高値を定め、第2駆動電流供給手段9bの次の駆動電流供給期間における第2コイル4bの駆動電流Id-2の大きさを制御する。
【0045】
同様にして、第2駆動電流供給手段9bが駆動電流を供給している時期には、第1駆動電流供給手段9aが供給動作を停止しているため、可動部1は第2コイル4bの駆動電流Id-2によって駆動され、このとき第1コイル4aに発生する誘導起電圧E1が第1誘導起電圧検出手段10aで検出されて制御手段11に送られる。
【0046】
そして、制御手段11においては、上記誘導起電圧E1に基づいて可動部1の振れ角を一定とするように駆動制御信号D1の波高値を定め、第1駆動電流供給手段9aの次の駆動電流供給期間における第1コイル4aの駆動電流Id-1の大きさを制御する。
【0047】
なお、この場合、誘導起電圧検出手段10a,10bで検出した誘導起電圧E1,E2により同期信号を生成し、駆動制御信号D1,D2の発生タイミングを合わせるようにするとよい。
【0048】
また、モード切換指令信号により、例えば駆動力増強モードを設定した場合には、駆動時に第1及び第2コイル4a,4bへ駆動電流を同時に供給してそれぞれ同方向のローレンツ力を発生する駆動電流が供給される。そして、所定時間経過後は、上述の基本動作モードで駆動する。
【0049】
さらに、例えば制動モードを設定した場合には、揺動停止直前に可動部1の揺動方向と反対方向のローレンツ力を発生させる駆動電流が第1または第2コイル4a,4bに供給される。
【0050】
そして、例えば故障時の機能維持モードを設定した場合には、駆動電流の供給が停止期間に第1及び第2コイル4a,4bのいずれか一方に誘導起電圧を検出しなくなったとき、該コイルに断線故障が発生したと判断して他方のコイルのみで継続して駆動する。
【0051】
このように、本第2実施形態の電磁アクチュエータによれば、第1及び第2コイル4a,4bに対してそれぞれ可動部の揺動周期に同期して駆動電流の供給及び停止を繰り返すパルス状の駆動電流を互いに半周期ずらして供給し、停止期間にそれぞれ第1及び第2コイル4a,4bに検出される誘導起電圧E,Eに基づいて次の供給期間の駆動電流を制御するよにしているので駆動及び振れ角検出の基本動作モードに加えて、駆動力の増強及び制動や機能維持等の各種動作モードに基づく動作をさせることができる。
【0052】
また、二つのコイル4で駆動と振れ角検出を常時に行っているので、一つのコイルで駆動と振れ角検出を時分割して行う従来方式に比べ駆動制御が安定する。
【0053】
さらに、可動部1に個別に設けた第1及び第2コイルに対して、交互に駆動電流を供給して駆動するようにしているので、コイルに発生する熱が分散される。特に、第1及び第2コイル4a,4bを可動部1の表裏面にそれぞれ形成した場合には、コイルの発熱が可動部1の表裏面でバランスし、温度分布のばらつきによる可動部1の反り変形の発生を抑制することができる。
【0054】
そして、二つのコイル4には、駆動用コイルと誘導起電圧検出用コイルの別がないため、駆動制御装置5に対する配線において特別な注意を払う必要がなく、製造作業が容易となる。
【0055】
次に、本発明に係る電磁アクチュエータの第3実施形態を、図10〜図12を参照して説明する。なお、第2実施形態と同一の要素については同一の符号を用いて示し、ここでは、第2実施形態と異なる部分について説明する。
図10は、本第3実施形態の駆動制御装置5の構成を示すブロック図である。
この駆動制御装置5は、コイル4に供給する正弦波の駆動電流を制御して可動部1を所定の振れ角で共振揺動をさせるものであり、可動部1が共振揺動の状態にあるとき、可動部1の揺動周期の半周期は、第2コイル4bに発生する誘導起電圧に基づいて生成した駆動電流を第1コイル4aに供給し、次の半周期は、第1コイル4aに発生する誘導起電圧に基づいて生成した駆動電流を第2コイル4bに供給し、上記駆動電流の供給動作を第1及び第2コイル4a,4bに対して半周期毎に切換えて可動部1を駆動する構成としている。
【0056】
より具体的には、例えば図10に一例を示すように、駆動制御装置5は、制御手段11と、第1及び第2駆動電流供給手段9a,9bと、第1及び第2誘導起電圧検出手段10a,10bと、を備えて構成している。
【0057】
ここで、制御手段11は、第1及び第2コイル4a,4bに対する駆動電流の供給動作をON/OFFして切換えると共に、可動部1の振れ角が一定となるように駆動電流の大きさを制御するものであり、図10に示すように電流制御部12と、切換部13とを備えている。
【0058】
上記電流制御部12は、図11に示すように、第2コイル4bに発生する誘導起電圧E2のピーク電圧Ep-2と振れ角の設定値に対応する入力電圧としての振れ角設定入力Viとの差分に応じた制御出力(以下増幅率P1信号と記載)を後述のスイッチ回路20のスイッチ20bに出力する第1出力部としての差動増幅器23aと、第1コイル4aに発生する誘導起電圧E1のピーク電圧Ep-1と上記振れ角設定入力Viとの差分に応じた制御出力(以下増幅率P2信号と記載)をスイッチ回路20のスイッチ20aに出力する第2出力部としての差動増幅器23bと、第1補正回路21a,21b及び第2補正回路22a,22bと、を備えて構成している。
【0059】
第1補正回路21a,21b及び第2補正回路22a,22bは、差動増幅器23a,23bにそれぞれ入力する振れ角設定入力V及び各ピーク電圧を調整して、第1及び第2コイル4a,4bの特性ばらつきを補正する補正回路であり、このうち第1補正回路21a,21bは振れ角設定入力Vを調整し、第2補正回路22a,22bは第1コイル4a及び第2コイル4bにおける誘導起電圧E,Eの大きさを調整するものである。なお、第1補正回路21a,21b及び第2補正回路22a,22bのいずれか一方のみを設けてコイル特性のばらつきを補正するようにしてもよい。
【0060】
一般に、可動部1の振れ角は、コイル4を流れる駆動電流Id-1,Id-2で決まる。しかし、コイル4の形成位置やコイル4の長さ等、第1コイル4a及び第2コイル4bの形成状態の不一致に基づくコイル特性のばらつき、またはコイル4に作用する静磁界の不均一により、第1コイル4a及び第2コイル4bを流れる駆動電流Id-1,Id-2が等しくても可動部1の振れ角は必ずしも同じとならない。そこで、可動部1の振れ角が第1コイル4a及び第2コイル4bについて同一となるように、第1補正回路21a,21b及び第2補正回路22a,22bを調整して駆動電流Id-1,Id-2の大きさを調整できるようにしたものである。
【0061】
より具体的には、第1補正回路21a,21bは振れ角設定入力Viに第1コイル4aまたは第2コイル4bのコイル特性のばらつきを補正する補正係数α1,α2を乗算して調整するようにしており、また、第2補正回路22a,22bは、第1コイル4aまたは第2コイル4bのコイル特性に基づく誘導起電圧E1,E2のばらつきを各誘導起電圧のピーク電圧Ep-1,Ep-2に補正係数β1,β2を乗算して調整できるようにしている。
【0062】
そして、差動増幅器23aは、調整された振れ角設定入力α1iと誘導起電圧E2の調整されたピーク電圧β1p-2とを比較して、そのレベル差に応じた増幅率P1信号を出力し、また、差動増幅器23bは、調整された振れ角設定入力α2iと誘導起電圧E1の調整されたピーク電圧β2p-1とを比較して、そのレベル差に応じた増幅率P2信号を出力する。
【0063】
また、上記電流制御部12は、後述の切換部13を介して第1及び第2駆動電流供給手段9a,9bに繋がっている。この第1駆動電流供給手段9aは、後述の第2誘導起電圧検出手段10bで検出された第2コイル4bの誘導起電圧E2を増幅率P1信号に基づいて増幅して駆動電流Id-1を生成し第1コイル4aに供給するものであり、第1乗算器14aと、第1定電流ドライバ15aを備えて構成している。また、第2駆動電流供給手段9bは、後述の第1誘導起電圧検出手段10aで検出された第1コイル4aの誘導起電圧E1を増幅率P2信号に基づいて増幅して駆動電流Id-2を生成し第2コイル4bに供給するものであり、第2乗算器14bと、第2定電流ドライバ15bを備えて構成している。なお、第1及び第2定電流ドライバ15bは、コイル4の抵抗値のばらつきの影響を排除してコイル4の必要部分に所定のローレンツ力を発生させるために定電流を生成する定電流ドライバとするとよいが、これに限定されない。
【0064】
ここで、上記第1乗算器14aは、電流制御部12の制御出力である増幅率P1信号と第2コイル4bにおける誘導起電圧E2の後述の加算器18を通過した誘導起電圧E2’とを乗算して駆動電圧Ed-1を得るものであり、また、上記第2乗算器14bは、電流制御部12の制御出力である増幅率P2信号と第1コイル4aにおける誘導起電圧E1とを乗算して駆動電圧Ed-2を得るものである。
【0065】
また、上記第1及び第2乗算器14a,14bには、それぞれ対応する第1及び第2定電流ドライバ15a,15bが繋がっている。この第1及び第2定電流ドライバ15a,15bは、上記駆動電圧Ed-1,Ed-2に基づいて駆動電流Id-1,Id-2を第1コイル4a及び第2コイル4bに供給するものであり、第1定電流ドライバ15aが図1に示す電極部8a-1,8a-2を介して第1コイル4aに、また第2定電流ドライバ15bが電極部8b-1,8b-2を介して第2コイル4bに繋がっている。
【0066】
また、上記第1及び第2コイル4a,4bには、それぞれ対応する第1及び第2誘導起電圧検出手段10a,10bが繋がっている。この第1及び第2誘導起電圧検出手段10a,10bは、可動部1が揺動状態にあるとき第1及び第2コイル4a,4bの両端に発生する誘導起電圧E1,E2をそれぞれ検出して出力するものであり、第1誘導起電圧検出手段10aは、第1検出増幅器16a及び第1ピークホールド回路17aを備えて構成し、第2誘導起電圧検出手段10bは、第2検出増幅器16b及び第2ピークホールド回路17bを備えて構成している。なお、図1に示すコイル構成の例では、第1及び第2コイル4a,4bの巻線方向が逆向きとなっているため、各コイルで発生する誘導起電圧E1,E2の位相は、逆位相となっている。
【0067】
ここで、第1及び第2検出増幅器16a,16bは、それぞれ対応する第1及び第2コイル4a,4bに発生する誘導起電圧を検出して、誘導起電圧E1,E2を出力するものであり、それぞれ図示省略のインピーダンス変換回路を含む。そして、第1検出増幅器16aは、上記第2乗算器14bに繋がっており、正弦波の誘導起電圧E1を供給している。また、第2検出増幅器16bは、初期駆動信号を供給するための加算器18を介して上記第1乗算器14aに繋がっており、正弦波の誘導起電圧E2の加算器18を通過した誘導起電圧E2’を供給している。なお、初期駆動信号は、可動部1を所定の共振周波数で初期駆動させるためのものであり、第1コイル4aまたは第2コイル4bのいずれか一方の側に供給することができればよく、図10では一例として、誘導起電圧E2の供給線路上に加算器18を挿入して初期駆動信号が導入できるようにしている。なお、加算器18は、例えば図12に示すように、初期駆動信号入力側及び第2検出増幅器16b側に挿入した抵抗素子24,24で構成するとよい。
【0068】
さらに、上記第1及び第2検出増幅器16a,16bには、それぞれ対応する第1及び第2ピークホールド回路17a,17bが繋がっている。この第1及び第2ピークホールド回路17a,17bは、それぞれ対応する第1及び第2検出増幅器16a,16bの出力である誘導起電圧E1,E2のピーク電圧Ep-1,Ep-2を検出するものであり、この第1及び第2ピークホールド回路17a,17bの出力端はそれぞれ電流制御部12に繋がっている。
【0069】
また、上記第1及び第2誘導起電圧検出手段10a,10bの第1及び第2検出増幅器16a,16bには、それぞれ切換部13が繋がっている。この切換部13は、第1及び第2コイル4a,4bへの駆動電流の供給を、可動部1の揺動周期の半周期毎に切換えるものであり、位相検出回路としての第1及び第2位相検出コンパレータ19a,19bとスイッチ回路20とから成る。
【0070】
ここで、第1及び第2位相検出コンパレータ19a,19bは、図13に示すように、正弦波の上記誘導起電圧E1,E2のゼロクロスa〜hを検出して、可動部1の揺動周期の半周期幅に等しいパルス幅のスイッチング信号S1,S2を出力するものであり、第1位相検出コンパレータ19aは、第1検出増幅器16aに、また第2位相検出コンパレータ19bは第2検出増幅器16bに繋がっている。なお、前述したように誘導起電圧E1,E2の位相が逆位相となっているので、上記スイッチング信号S1,S2も逆位相である。
【0071】
また、上記第1及び第2位相検出コンパレータ19a,19bには、スイッチ回路20が繋がっている。このスイッチ回路20は、電流制御部12の制御出力である増幅率P1,P2信号を上記スイッチング信号S1,S2に基づいて可動部1の揺動周期の半周期毎に切換えて出力するものであり、スイッチ20a,20bを備えている。このスイッチ20aは、上記スイッチング信号S1に基づいて、またスイッチ20bは、スイッチング信号S2に基づいてスイッチング動作し、いずれもスイッチング信号S1,S2の立上りを検出してONし、立下りを検出してOFFする。したがって、前述したように、上記スイッチング信号S1,S2は逆位相の関係にあるので、スイッチ20a,20bのスイッチング動作は互いに逆の動作となり、一方がONしたとき他方はOFFする。これにより、上記電流制御部12から増幅率P1,P2信号を可動部の揺動周期の半周期毎に切換えて出力することができる。なお、上記スイッチ回路20は、スイッチ20a,20bが、スイッチング信号S1,S2のいずれか一方のみに基づいて互いに連動するものであってもよい。
【0072】
次に、このように構成された第3実施形態の電磁アクチュエータの動作及び駆動方法を説明する。
第3実施形態の電磁アクチュエータの駆動方法は、個別に設けた第1及び第2コイル4a,4bに正弦波の駆動電流Id-1,Id-2をそれぞれ供給し、可動部1が揺動状態にあるとき、第1及び第2コイル4a,4bに発生する誘導起電圧をそれぞれ検出し、該検出された第2コイル4bの誘導起電圧E2に基づいて第1コイル4aに供給する駆動電流Id-1を制御し、検出された第1コイル4aの誘導起電圧E1に基づいて第2コイル4bに供給する駆動電流Id-2を制御し、第1及び第2コイル4a,4bに供給する駆動電流Id-1,Id-2の供給動作を可動部1の揺動周期の半周期ごとに切換えて行うものである。
【0073】
以下、図14を参照して詳細に説明する。
先ず、図示省略の初期駆動信号発生部から、所定周期のパルス状初期駆動信号が、図10に示す加算器18を介して誘導起電圧E2側の線路に供給される。そして、該線路を通して第1駆動電流供給手段9aの第1乗算器14aの一方の端子部に一定期間だけ供給される。なお、このとき、可動部1は停止しているので第2コイル4bの誘導起電圧E2はゼロであり、第1乗算器14aの一方の端子部には、パルス状初期駆動信号のみが供給される。また、可動部1が揺動開始前には、図10に示すように、スイッチ回路20はスイッチ20bがONし、スイッチ20aがOFF状態にある。したがって、電流制御部12からは振れ角設定入力Viに相当する増幅率P1信号が出力し、第1乗算器14aの他方の端子部に供給される。これにより、初期駆動信号導入直後の、図14に示す可動部1の揺動周期の半周期Aにおいては、第1乗算器14aからパルス状の初期駆動電圧Ed-1が生成し、第1定電流ドライバ15aからパルス状の駆動電流Id-1が第1コイル4aに供給されることになる。他方、上記スイッチ20aがOFF状態にあるため増幅率P2信号は出力しない、したがって、第2乗算器14bの出力はゼロで、駆動電流Id-2は生成しない。これにより、A期間については、第1コイル4aを流れるパルス状の駆動電流Id-1のみによって可動部1が揺動を開始する。
【0074】
以下、図14に示す可動部1の揺動周期の半周期B〜Lについて、各期間の駆動制御装置5の動作を説明する。
先ず、図14中B期間においては、第1コイル4aの誘導起電圧E1のゼロクロス点a,bが切換部13の第1位相検出コンパレータ19aで検出され、点aで立上り、点bで立下がるスイッチング信号S1が出力する(図13参照)。これにより、該B期間だけスイッチ回路20のスイッチ20aがONする。このとき、電流制御部12には、図10に示すように、第1誘導起電圧検出手段10aの第1ピークホールド回路17aから第1コイル4aの誘導起電圧E1のピーク電圧Ep-1が入力しており、このピーク電圧Ep-1は電流制御部12において振れ角設定入力Viと比較され、そのレベル差に応じた増幅率P2信号が電流制御部12から出力される。そして、スイッチ20aを通って、第2駆動電流供給手段9bの第2乗算器14bに伝えられる。なお、B期間において、誘導起電圧E1のピーク値が検出されるまでは、ピーク電圧Ep-1は時間の経過と共に変化する。しかし、一旦誘導起電圧E1のピーク値が検出されると、ピーク電圧Ep-1は一定値を維持し、後述のD期間における可動部1の振れ角を制御する。
【0075】
また、第2駆動電流供給手段9bの第2乗算器14bには、第1検出増幅器16aからB期間に第1コイル4aで発生した正弦波状の誘導起電圧E1が供給される。これにより、第2乗算器14bにおいては、上記増幅率P2信号と上記誘導起電圧E1とが乗算されて正弦波状の駆動電圧Ed-2が生成する(図14参照)。そして、該駆動電圧Ed-2に基づく駆動電流Id-2が第2定電流ドライバ15bから第2コイル4bに供給される。
【0076】
一方、スイッチ20bには、切換部13の第2位相検出コンパレータ19bから第2コイル4bの誘導起電圧E2に基づくスイッチング信号S2が入力する。このスイッチング信号S2は、上記スイッチング信号S1とは逆位相となっており、点aで立下り、点bで立上る(図13参照)ものでスイッチ20bをOFFにする。したがって、スイッチ20bから増幅率P1信号は出力しない。これにより、第1駆動電流供給手段9aにおいては、第1乗算器14aの出力はゼロとなり、第1コイル4aに対する駆動電流Id-1は生成しない。その結果、可動部1は、図14中B期間の半周期については、第2コイル4bを流れる正弦波状の駆動電流Id-2によって駆動される。
【0077】
次に、図14中C期間の半周期においては、第2コイル4bの誘導起電圧E2のゼロクロス点b,cが切換部13の第2位相検出コンパレータ19bで検出され、点bで立上り、点cで立下がるスイッチング信号S2が出力される(図13参照)。これにより、該C期間だけスイッチ回路20のスイッチ20bがONする。このとき、電流制御部12には、図10に示すように、第2誘導起電圧検出手段10bの第2ピークホールド回路17bから第1コイル4bの誘導起電圧E2のピーク電圧Ep-2が入力しており、このピーク電圧Ep-2は電流制御部12において振れ角設定入力Viと比較され、そのレベル差に応じた増幅率P1信号が電流制御部12から出力される。そして、スイッチ20bを通って、第1駆動電流供給手段9aの第1乗算器14aに伝えられる。なお、B期間と同様に、C期間においては、誘導起電圧E2のピーク値が検出されるまでは、ピーク電圧Ep-2は時間の経過と共に変化する。しかし、一旦誘導起電圧E2のピーク値が検出されると、ピーク電圧Ep-2は一定値を維持し、後述のE期間における可動部1の振れ角を制御する。このように、ピーク電圧Ep-1,Ep-2は、それぞれ1周期後の可動部1の振れ角を制御することになる。
【0078】
また、第1駆動電流供給手段9aの第1乗算器14aには、第2検出増幅器16bからC期間に第2コイル4bで発生した誘導起電圧E2の加算器18を通過した誘導起電圧E2’が供給される。なお、図14に示すように、C期間は、加算器18を介してパルス状の初期駆動信号が導入されているので、第1乗算器14aに供給される誘導起電圧E2’は、誘導起電圧E2に初期駆動信号が加算されたものとなる。これにより、第1乗算器14aにおいては、上記増幅率P1信号と上記初期駆動信号が加算された誘導起電圧E2’とが乗算されてパルス状の駆動電圧Ed-1が生成する。そして、該駆動電圧Ed-1に基づくパルス状の駆動電流Id-1が第2定電流ドライバ14aから第1コイル4aに供給される。
【0079】
一方、スイッチ20aには、切換部13の第1位相検出コンパレータ19aから第1コイル4aの誘導起電圧E1に基づく上記スイッチング信号S2とは逆位相の点bで立下り、点cで立上るスイッチング信号S1(図13参照)が入力し、スイッチ20aをOFFにする。したがって、スイッチ20aおける増幅率P2信号は出力しない。これにより、第2駆動電流供給手段9bにおいては、第2乗算器14bの出力はゼロとなり、第2コイル4bに対する駆動電流Id-2は生成しない。その結果、可動部1は、C期間の半周期については、第1コイル4aを流れるパルス状の駆動電流Id-1によって駆動される。
【0080】
さらに、第1コイル4aに対する初期駆動信号の供給が終了した直後の図14中D期間の半周期においては、上述のB期間と同様にして、第1位相検出コンパレータ19aで第1コイル4aの誘導起電圧E1のゼロクロス点c,dが検出されて点cで立上り、点dで立下がるスイッチング信号S1が出力される(図13参照)。他方、第2位相検出コンパレータ19bからは、上記スイッチング信号S1とは逆位相の点cで立下り、点dで立上るスイッチング信号S2が出力される(図13参照)。したがって、D期間だけスイッチ回路20のスイッチ20aがONし、スイッチ20bがOFFする。これにより、電流制御部12からは、第1コイル4aの誘導起電圧E1に基づく増幅率P2信号が出力し、第2駆動電流供給手段9bの第2乗算器14bに伝えられる。このとき、増幅率P1信号は出力しない。
【0081】
一方、第2乗算器14bには、第1検出増幅器16aからD期間に第1コイル4aで発生した正弦波状の誘導起電圧E1が供給されるので、第2乗算器14bにおいて上記増幅率P2信号と上記誘導起電圧E1とが乗算されて正弦波状の駆動電圧Ed-2が生成する。そして、該駆動電圧Ed-2に基づく駆動電流Id-2が第2定電流ドライバ15bから第2コイル4bに供給される。他方、増幅率P1信号が出力しないため第1乗算器14aの出力はゼロとなり、第1コイル4aに対する駆動電流Id-1は生成しない。これにより、可動部1は、D期間の半周期については第2コイル4bを流れる正弦波状の駆動電流Id-2によって駆動される。
【0082】
さらにまた、図14中E期間の半周期においては、上述のC期間と同様にして、第2位相検出コンパレータ19bで第2コイル4bの誘導起電圧E2のゼロクロス点d,eが検出されて点dで立上り、点eで立下がるスイッチング信号S2が出力される(図13参照)。他方、第1位相検出コンパレータ19aからは、上記スイッチング信号S2とは逆位相の点dで立下り、点eで立上るスイッチング信号S1が出力される(図13参照)。したがって、E期間だけスイッチ回路20のスイッチ20bがONし、スイッチ20aがOFFする。これにより、電流制御部12からは、第2コイル4bの誘導起電圧E2に基づく増幅率P1信号が出力され、第1コイル4a側の第1乗算器14aに伝えられる。このとき、増幅率P2信号は出力しない。
【0083】
一方、第1乗算器14aには、第2検出増幅器16bからE期間に第2コイル4bで発生した正弦波状の誘導起電圧E2が加算器18を通って誘導起電圧E2’として供給されるので、第1乗算器14aにおいて上記増幅率P1信号と上記誘導起電圧E2’とが乗算されて正弦波状の駆動電圧Ed-1が生成する。そして、該駆動電圧Ed-1に基づく駆動電流Id-1が第2定電流ドライバ14aから第1コイル4aに供給される。他方、増幅率P2信号が出力しないため第2乗算器14bの出力はゼロとなり、第2コイル4bに対する駆動電流Id-2は生成しない。これにより、可動部1は、E期間の半周期については、第1コイル4aを流れる正弦波状の駆動電流Id-1によって駆動される。なお、E期間については、可動部の揺動は、C期間と異なり初期駆動電流は供給されていないため、第2コイル4bに発生した誘導起電圧E2に基づく正弦波駆動となり、且つ振れ角設定入力Viで制御されて所定の振れ角動作となる。
【0084】
以下、可動部1の駆動は、F,H,J,L期間については、上記D期間と同様にして第1コイル4aの誘導起電圧E1を電流制御部12の増幅率P2信号に基づいて増幅して得られた駆動電流Id-2を第2コイル4bに供給して、またG,I,K期間については、上記E期間と同様にして第2コイル4bの誘導起電圧E2を電流制御部12の増幅率P1信号に基づいて増幅して得られた駆動電流Id-1を第1コイル4aに供給して行なわれる。これにより、可動部1は、正弦波の共振駆動をすることになる。
【0085】
このように、第3実施形態によれば、可動部1が揺動状態にあるとき、個別に設けた二つのコイルのうち、第2コイル4bに発生した誘導起電圧E2に基づいて駆動電流Id-1を第1コイル4aに供給し、第1コイル4aに発生した誘導起電圧E1に基づいて駆動電流Id-2を第2コイル4bに供給し、この駆動電流Id-1,Id-2の供給動作を可動部1の揺動周期の半周期ごとに切換えて正弦波駆動するようにしたことにより、可動部1の揺動を正弦波の共振駆動とすることができる。これにより、駆動及び振れ角検出の基本動作モードに加えて可動部1の揺動が共振周波数に自動追従するモードにより駆動することができ、周波数の設定が不要となる。
【0086】
また、駆動電流Id-1,Id-2を通電していない半周期の期間に第1または第2コイル4a,4bに発生する誘導起電圧E1,E2を検出するようにしたことにより、正弦波駆動でありながら、誘導起電圧を検出する専用のコイルを設けることなく駆動用として利用可能なコイルに発生する誘導起電圧を検出して可動部1の振れ角を制御することができる。
【0087】
また、二つのコイル4には、駆動用コイルと誘導起電圧検出用コイルの別がないため、駆動制御装置5に対する配線において特別な注意を払う必要がなく、製造作業が容易となる。さらに、二つのコイルを、例えば可動部1の表裏面にそれぞれ設けた場合には、各コイルへの駆動電流の供給が半周期毎に切換えて行なわれるため、コイルに発生する熱が可動部1の表裏面でバランスし、温度分布のばらつきに基づく可動部1の反り変形の発生を抑制することができる。
【0088】
さらに、第1コイル4a及び第2コイル4bのコイル特性のばらつきをバランス調整して適切に調整された駆動電流を二つのコイル4に供給することができるので、可動部1の振れ角を安定化させることができる。
【0089】
次に、本発明の第4実施形態の電磁アクチュエータについて説明する。ここでは、第3実施形態と同一の要素は同一符号で示し、異なる部分についてのみ説明する。
図15は、第4実施形態の駆動制御装置の概略構成を示すブロック図である。
この駆動制御装置5は、図10に示す制御手段11の第1及び第2コンパレータ19a,19b及びスイッチ回路20に替えて、第1及び第2乗算器14a,14bの各誘導起電圧入力側に、例えばダイオード等の半波整流器25a,25bを第1及び第2乗算器14a,14bに正の電流が流入するように挿入している。
【0090】
第4実施形態によれば、可動部1が揺動状態にあるとき、電流制御部12から第1及び第2コイル4a,4bにおける誘導起電圧E1,E2が振れ角設定入力Viと比較され、そのレベル差に応じた直流電圧の増幅率P1,P2信号が出力されて、それぞれ対応する第1及び第2乗算器14a,14bに常時供給される。
【0091】
一方、第1検出増幅器16a,15bの出力である正弦波状の誘導起電圧E1,E2は、半波整流器25a,25bにより半波整流されてE1',E2'となり、E1'は第2乗算器14bに、E2'は第1乗算器14aに供給される。
【0092】
次に、このように構成された第4実施形態の電磁アクチュエータの動作及び駆動方法を、図16を参照して説明する。
図16に示すように、例えば、可動部1が第3実施形態と同様にして初期駆動に費やされた揺動周期の半周期A〜C期間経過後のD期間は、第1コイル4aの誘導起電圧E1の整流出力E1'と電流制御部12の増幅率P2信号とが第2乗算器14bで乗算されて正弦波状の駆動電圧Ed-2を生成する。他方、同期間の第2コイル4bの誘導起電圧E2の整流出力E2'はゼロであるため第1乗算器14aの出力はゼロとなり、駆動電圧Ed-1は生成しない。したがって、コイル4に供給される駆動電流は、駆動電圧Ed-2に基づく駆動電流Id-2のみとなり、可動部1は、D期間の半周期については、第2コイル4bを流れる正弦波状の駆動電流Id-2によって駆動される。
【0093】
次に、図16に示すE期間については、第2コイル4bの誘導起電圧E2の整流出力E2'と電流制御部12の増幅率P1信号とが第1乗算器14aで乗算されて正弦波状の駆動電圧Ed-1を生成する。他方、同期間の第1コイル4aの誘導起電圧E1の整流出力E1'はゼロであるための第2乗算器14bの出力はゼロとなり、駆動電圧Ed-2は生成しない。したがって、コイル4に供給される駆動電流は、駆動電圧Ed-1に基づく駆動電流Id-1のみとなり、可動部1は、E期間の半周期については、第1コイル4aを流れる正弦波状の駆動電流Id-1によって駆動される。
【0094】
以下、可動部1の駆動は、F,H,J,L期間については、上記D期間と同様にして第1コイル4aの誘導起電圧E1の整流出力E1'を電流制御部12の増幅率P2信号に基づいて増幅して得られた駆動電流Id-2を第2コイル4bに供給して、またG,I,K期間については、上記E期間と同様にして第2コイル4bの誘導起電圧E2の整流出力E2'を電流制御部12の増幅率P1信号に基づいて増幅して得られた駆動電流Id-1を第1コイル4aに供給して行なわれる。これにより、可動部1は、正弦波の共振駆動をすることになる。
【0095】
上記第4実施形態によれば、第3実施形態と同様に、可動部1の揺動を正弦波の共振駆動とすることができ、駆動及び振れ角検出の基本動作モードに加えて可動部1の揺動が共振周波数に自動追従するモードにより駆動することができる。
【0096】
また、第1及び第2コンパレータ19a,19b及びスイッチ回路20が不要であるため駆動制御装置5の構成が簡単となり、コストの低減を図ることができる。
【0097】
なお、可動部1に敷設したコイルは上述の二つのコイルに限定されず、三つ以上であってもよい。
また、本発明の電磁アクチュエータは、上述の光スキャナーに限られず、電磁駆動するものであればいかなるものであってもよい。また、コイル4は可動部1に設ける必要はなく、可動部1に薄膜の永久磁石を形成し、可動部1の揺動軸方向に平行な対辺部の外方部位に第1及び第2コイル4a,4bを設けてもよい。
【0098】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の電磁アクチュエータによれば、駆動及び振れ角検出等の基本動作モードに加えて、故障時における機能維持を図ったり、また正弦波で駆動されて共振駆動する可動部の共振周波数に自動追従するように動作させる等の特殊機能を付加的に発揮して種々の動作モードで駆動することができる。
【0099】
可動部に駆動電流を供給できる二つのコイルを個別に設け、それぞれ可動部の揺動周期に同期してON/OFFを繰り返すパルス状の駆動電流を互いに半周期ずらして供給する構成とすれば、二つのコイルで駆動と振れ角検出を常時行うことができ、一つのコイルで駆動と振れ角検出を時分割して行う従来方式に比べ駆動制御を安定させることができる。
【0100】
また、本発明の電磁アクチュエータの駆動方法によれば、可動部が静磁界中において揺動状態にあるとき、個別に設けた少なくとも二つの第1及び第2コイルのそれぞれに可動部の揺動周期の半周期毎に切換えて駆動電流を供給すると共に、この各駆動電流を、通電していない側のコイルに発生する誘導起電圧に基づいて生成するようにしたことにより、可動部の揺動を正弦波の共振駆動とすることができる。したがって、可動部の揺動は共振周波数に自動追従することになり、周波数の設定が不要となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による電磁アクチュエータの第1実施形態を概略構成を示す斜視図である。
【図2】 二つのコイルについて他の構成例を示す説明図である。
【図3】 二つのコイルについて更に他の構成例を示す説明図である。
【図4】 第1実施形態の駆動制御装置の構成を示すブロック図である。
【図5】 第1実施形態の駆動方法を説明するタイミングチャートである。
【図6】 第1実施形態の別の駆動方法を説明するタイミングチャートである。
【図7】 第1実施形態の更に別の駆動方法を説明するタイミングチャートである。
【図8】 本発明による電磁アクチュエータの第2実施形態の駆動制御装置の構成を示すブロック図である。
【図9】 第2実施形態の駆動方法を説明するタイミングチャートである。
【図10】 本発明による電磁アクチュエータの第3実施形態の駆動制御装置の構成を示すブロック図である。
【図11】 図10の制御手段の具体例を示す概略構成図である。
【図12】 図10の加算器の具体例を示す概略構成図である。
【図13】 誘導起電圧とスイッチング信号の関係を示す説明図である。
【図14】 第3実施形態の駆動方法を説明するタイミングチャートである。
【図15】 本発明による電磁アクチュエータの第4実施形態の駆動制御装置の構成を示すブロック図である。
【図16】 第4実施形態の駆動方法を説明するタイミングチャートである。
【符号の説明】
1…可動部
2…トーションバー
3…静磁界発生手段
4…コイル
4a…第1コイル
4b…第2コイル
5…駆動制御装置
9a…第1駆動電流供給手段
9b…第2駆動電流供給手段
10…誘導起電圧検出手段
10a…第1誘導起電圧検出手段
10b…第2誘導起電圧検出手段
11…制御手段
12…電流制御部
13…切換部
14a…第1乗算器
14b…第2乗算器
15a…第1定電流ドライバ
15b…第2定電流ドライバ
16a…第1検出増幅器
16b…第2検出増幅器
17a…第1ピークホールド回路
17b…第2ピークホールド回路
19a…第1位相検出コンパレータ(位相検出回路)
19b…第2位相検出コンパレータ(位相検出回路)
20…スイッチ回路
20a,20b…スイッチ
21a,21b…第1補正回路
22a,22b…第2補正回路
23a,23b…差動増幅器(第1及び第2出力部)
25a,25…半波整流器

Claims (20)

  1. 揺動可能に軸支された可動部の揺動軸方向に平行な対辺部に、コイルを流れる駆動電流と静磁界との相互作用によりローレンツ力を作用させ、可動部を揺動させる電磁アクチュエータであって、
    前記コイルを、個別に設けた少なくとも二つの第1及び第2コイルで構成し、該各コイルにそれぞれ駆動電流を供給可能な複数の駆動電流供給手段と、
    前記第1及び第2コイルに接続され、前記可動部が揺動状態にあるとき、前記第1及び第2コイルに発生する誘導起電圧を検出する第1及び第2誘導起電圧検出手段と、
    前記少なくとも第1及び第2コイルに正弦波状の駆動電流の供給を可能とし、前記第2誘導起電圧検出手段で検出された前記第2コイルの誘導起電圧に基づいて前記第1コイルに供給する駆動電流を制御し、前記第1誘導起電圧検出手段で検出された前記第1コイルの誘導起電圧に基づいて前記第2コイルに供給する駆動電流を制御する電流制御部と、前記第1及び第2駆動電流供給手段による駆動電流の供給動作を前記可動部の揺動周期の半周期ごとに切換える切換部とを有する制御手段と、
    を備えて構成したことを特徴とする電磁アクチュエータ。
  2. 前記電流制御部は、第2誘導起電圧検出手段で検出した誘導起電圧のピーク電圧と振れ角の設定値に対応する入力電圧との差分に応じた制御出力を第1駆動電流供給手段に出力する第1出力部と、第1誘導起電圧検出手段で検出した誘導起電圧のピーク電圧と振れ角の設定値に対応する入力電圧との差分に応じた制御出力を第2駆動電流供給手段に出力する第2出力部と、を備えて構成したことを特徴とする請求項1に記載の電磁アクチュエータ。
  3. 前記電流制御部は、前記第1及び第2出力部にそれぞれ入力する前記入力電圧及び各ピーク電圧を調整して、前記第1及び第2コイルの特性ばらつきを補正する補正回路を備えて構成したことを特徴とする請求項2に記載の電磁アクチュエータ。
  4. 前記第1駆動電流供給手段は、前記第2誘導起電圧検出手段で検出された誘導起電圧と前記第1出力部の制御出力とを乗算する第1乗算器と、該第1乗算器の出力に応じた駆動電流を第1コイルに供給する第1電流ドライバとを備え、前記第2駆動電流供給手段は、前記第1誘導起電圧検出手段で検出された誘導起電圧と前記第2出力部の制御出力とを乗算する第2乗算器と、該第2乗算器の出力に応じた駆動電流を第2コイルに供給する第2電流ドライバとを備えて構成したことを特徴とする請求項2または3に記載の電磁アクチュエータ。
  5. 前記第1誘導起電圧検出手段は、前記第1コイルに発生した誘導起電圧を検出して増幅する第1検出増幅器と、該第1検出増幅器の出力のピーク電圧を検出する第1ピークホールド回路とを備え、前記第2誘導起電圧検出手段は、前記第2コイルに発生した誘導起電圧を検出して増幅する第2検出増幅器と、該第2検出増幅器の出力のピーク電圧を検出する第2ピークホールド回路とを備えて構成したことを特徴とする請求項2〜4のいずれか一つに記載の電磁アクチュエータ。
  6. 前記切換部は、前記第1または第2誘導起電圧検出手段により検出された誘導起電圧のゼロクロスを検出してスイッチング信号を出力する位相検出回路と、該位相検出回路のスイッチング信号に基づいて前記第1及び第2出力部の制御出力を切換えて出力するスイッチ回路と、を備えて構成したことを特徴とする請求項2〜5のいずれか一つに記載の電磁アクチュエータ。
  7. 前記切換部は、前記第1及び第2誘導起電圧検出手段で検出された正弦波の誘導起電圧を半波整流して前記第1及び第2駆動電流供給手段に供給する整流器を備え、該第1及び第2駆動電流供給手段の駆動電流の供給動作を切換える構成としたことを特徴とする請求項2〜5のいずれか一つに記載の電磁アクチュエータ。
  8. 前記第1及び第2コイルは、いずれか一方を前記可動部の表面に、他方をその裏面に、それぞれ可動部の周縁部に沿って敷設した構成としたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の電磁アクチュエータ。
  9. 前記第1及び第2コイルは、前記可動部の揺動軸線を挟んで該可動部に敷設した構成としたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の電磁アクチュエータ。
  10. 前記第1及び第2コイルは、前記可動部の周縁部に沿っていずれか一方のコイルを外側に、他方のコイルを内側に敷設した構成としたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の電磁アクチュエータ。
  11. 揺動可能に軸支された可動部の揺動軸方向に平行な対辺部に、コイルを流れる駆動電流と静磁界との相互作用によりローレンツ力を作用させ、可動部を揺動させる電磁アクチュエータであって、
    前記コイルを、個別に設けた複数のコイルで構成し、該各コイルにそれぞれ駆動電流を供給可能な複数の駆動電流供給手段と、
    前記可動部が揺動状態にあるとき、コイルに発生する誘導起電圧を検出する少なくとも一つの誘導起電圧検出手段と、
    前記複数の駆動電流供給手段の電流供給を制御すると共に、前記誘導起電圧検出手段による誘導起電圧の検出の有無から、前記複数のコイルのいずれかに故障が発生したものと判断し、他のコイルで可動部の駆動を継続するように制御する制御手段と、
    を備えて成したことを特徴とする電磁アクチュエータ。
  12. 前記コイルは、二つの第1及び第2コイルからなり、一つの誘導起電圧検出手段を前記第2コイルに接続して備えたことを特徴とする請求項11に記載の電磁アクチュエータ。
  13. 前記制御手段は、前記第1コイルへ常時駆動電流を供給する共に、第2コイルの動作モードを、駆動モードと検出モードとを選択的に切換えて可動部の振れ角を制御する構成としたことを特徴とする請求項12に記載の電磁アクチュエータ。
  14. 前記制御手段は、前記第2コイルを検出モードとし、前記誘導起電圧検出手段で検出される誘導起電圧に基づいて第1コイルの駆動電流を制御する構成としたことを特徴とする請求項13に記載の電磁アクチュエータ。
  15. 前記制御手段は、前記第2コイルに対して可動部の揺動周期に同期してON/OFFを繰り返すパルス状の駆動電流を供給し、駆動電流のOFF期間に誘導起電圧検出手段で検出される誘導起電圧に基づいて次のON期間で前記第2コイルに供給する駆動電流を制御する構成としたことを特徴とする請求項13に記載の電磁アクチュエータ。
  16. 前記制御手段は、可動部を駆動する所定時期に前記第2コイルを駆動モードとし、前記第1コイルに発生するローレンツ力と同方向のローレンツ力を発生させるように駆動電流を供給する構成としたことを特徴とする請求項13〜15のいずれか一つに記載の電磁アクチュエータ。
  17. 前記制御手段は、可動部を駆動する所定時期に前記第2コイルを駆動モードとし、前記第1コイルに発生するローレンツ力と逆方向のローレンツ力を発生させるように駆動電流を供給する構成としたことを特徴とする請求項13〜16のいずれか一つに記載の電磁アクチュエータ。
  18. 前記コイルは二つの第1及び第2コイルからなり、前記誘導起電圧検出手段は、前記第1及び第2コイルに接続する第1及び第2誘導起電圧検出手段からなる構成としたことを特徴とする請求項11に記載の電磁アクチュエータ。
  19. 前記制御手段は、前記第1及び第2コイルに対してそれぞれ可動部の揺動周期に同期してON/OFFを繰り返すパルス状の駆動電流を互いに半周期ずらして供給し、前記第1コイルの駆動電流のOFF期間に第1誘導起電圧検出手段で検出される誘導起電圧に基づいて次のON期間で前記第1コイルに供給する駆動電流を制御する一方、前記第2コイルの駆動電流のOFF期間に第2誘導起電圧検出手段で検出される誘導起電圧に基づいて次のON期間で前記第2コイルに供給する駆動電流を制御する構成としたことを特徴とする請求項18に記載の電磁アクチュエータ。
  20. 揺動可能に軸支された可動部の揺動軸方向に平行な対辺部に、コイルを流れる駆動電流と静磁界との相互作用によりローレンツ力を発生させ、可動部を揺動させる電磁アクチュエータの駆動方法であって、
    駆動電流を供給可能な個別に設けた少なくとも二つの第1及び第2コイルにそれぞれ正弦波状の駆動電流を供給し、前記可動部が揺動状態にあるとき、前記第1及び第2コイルに発生する誘導起電圧をそれぞれ検出し、該検出された前記第2コイルの誘導起電圧に基づいて前記第1コイルに供給する駆動電流を制御し、検出された前記第1コイルの誘導起電圧に基づいて前記第2コイルに供給する駆動電流を制御し、前記第1及び第2コイルに供給する駆動電流の供給動作を前記可動部の揺動周期の半周期ごとに切換えるようにしたことを特徴とする電磁アクチュエータの駆動方法。
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