JP4222895B2 - 光偏向器およびこの光偏向器を用いた走査型光学顕微鏡 - Google Patents
光偏向器およびこの光偏向器を用いた走査型光学顕微鏡 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光源からの光を1次元または2次元に走査する光偏向器およびこの光偏向器を用いた走査型光学顕微鏡に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
走査型光学顕微鏡において、観察標本の2次元画像を得る際に標本上の光を走査するための手段として光偏向器が用いられている。
【0003】
そして、最近では、画像を速やかに取得でき、また、例えば、標本が蛍光標本の場合は、蛍光の退色を防ぐため、高速走査の実現が要求され、さらには、正確にかつ高画質の標本の画像を得るため観察標本に振動を与えないようにすることなども要求され、さらには、標本の3次元画像を取得するため、対物レンズと標本の機械的な相対移動がなく、対物レンズの焦点位置の移動ができる技術も要求されている。
【0004】
標本面の高速スキャンを実現したものとして、例えば、特許文献1によるビーム偏向装置が考えられている。このビーム偏向装置は、ミラー装置の回転軸の回りに一緒または互いに独立して回転させる第1の駆動装置と第2の駆動装置を配置し、第2の駆動装置により共振ガルバノメータとして高速スキャンが可能となり、第1の駆動装置により低速スキャン、又は共振周波数より低い任意の周波数のスキャンができるようになっている。
【0005】
また、特許文献2による走査装置も考えられている。この装置は、2次元走査装置をコンパクトにするため、2つの方向に移動できる1つのマイクロミラーを使用したもので、マイクロミラーを共振周波数で作動させるようにしている。
【0006】
また、光を1次元に偏向する光偏向器として、特許文献3に開示されたものが知られている。この光偏向器は、板状部材と第1ばね部とからなる第1振動子と、この第1振動子に接続される応動部と第2ばね部とからなる第2振動子により構成されていて、応動部に駆動力を与えることで、第1振動子が共振周波数で動作するようになっている。このような構成によって、第2振動子の振幅が小さくても第1振動子の振幅を大きくすることができ、また、駆動力を第2振動子に与えるので、第1振動子の板状部材が発熱による熱ひずみを生じることがない。
【0007】
さらに、標本の3次元画像取得の際のZ方向のスキャンに用いられる対物レンズの焦点位置の移動手段についても、特許文献4によるアダプティブ光学装置が提案されている。この装置は、対物レンズと、結像レンズと、光の波面を変調するアダプティブミラーを有していて、アダプティブミラーを変形させることで光の波面を変調させることにより、対物レンズの焦点位置を移動させることができるようにしている。この結果、対物レンズと観察標本の間を相対移動をさせなくても、観察標本の厚さ方向の異なる位置の像を結像レンズによって結像できるようになる。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−166245号公報
【0009】
【特許文献2】
特開2002−131649号公報
【0010】
【特許文献3】
特許第3003429号公報
【0011】
【特許文献4】
特開平11−101942号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、特許文献1は、一つの方向で高速と低速のスキャンが行なえるが、高速用の駆動装置と低速用の駆動装置をそれぞれ個別に備えているので、構造が複雑で大型になる。また、標本面を2方向(XY方向)にスキャンするためには、これらを二組備えなければならないため、さらに大型化、複雑化する。
【0013】
また、特許文献2は、2つの方向に移動できるマイクロミラーを用いているので、1つのマイクロミラーで標本面を2つ方向のスキャンを実現できるが、マイクロミラーは、高速の共振駆動を行なうもので、低速走査(非共振で任意の周波数での動作)を行なうものではない。
【0014】
さらに、特許文献3は、第1振動子を共振周波数で動作させるようにしているが、共振周波数以外の領域で動作させることまで考慮されていない。つまり、特許文献3は、少ない駆動電流で大きな振動(振れ角)を得ることを目的としたもので、非共振で駆動することは考慮されていない。
【0015】
さらにまた、特許文献4は、波面を変調することによって、対物レンズと標本の相対移動のない対物レンズ焦点位置の移動ができるようにしたものである。走査型光学顕微鏡を利用する場合、観察標本の厚さを計測することがしばしばあり、このような場合、標本の上面と下面に対してそれぞれ焦点を合わせて、その焦点の移動距離で標本の厚さを求めるようにしている。ところが、標本が液体の中に入っていて、その状態でスライドガラスとカバーガラスに密封されるような場合、カバーガラスや液体、さらには標本そのものの屈折によって、光の標本中の移動距離が空気中のものと異なることがある。従って、標本の厚さ情報を正しく得るためには、屈折による影響を補正する必要がある。しかし、特許文献4では、光の波面を変調することによって、対物レンズと標本の相対移動のない対物レンズ焦点位置の移動ができるのみで、屈折によって生じた空気中と標本中の対物レンズの焦点移動量の違いを補正することまでできない。
【0016】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、共振で駆動する高速スキャンと、高速スキャンよりも低速領域で且つ任意の周波数を選べる低速スキャンを一つの光偏向器で実現し、各種の有用な顕微鏡動作を実現できる光偏向器およびこの光偏向器を用いた走査型光学顕微鏡を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、一対の第1の支持部材を介して揺動可能に支持された第1の可動部材と、前記第1の可動部材と同一の中心軸上に配置される一対の第2の支持部材を介して前記第1の可動部材に揺動可能に支持された、反射面を有する第2の可動部材と、前記第1および第2の支持部材を介して前記第1および第2の可動部材を揺動させる駆動手段と、を具備し、前記第1の可動部材と前記第2の可動部材が同位相に揺動する第1の駆動状態と、前記第1の可動部材と前記第2の可動部材が逆位相に揺動する第2の駆動状態を有することを特徴としている。
【0018】
請求項2記載の発明は、一対の第1の支持部材を介して揺動可能に支持された第1の可動部材と、前記第1の可動部材と同一の中心軸上に配置される一対の第2の支持部材を介して前記第1の可動部材に揺動可能に支持された、反射面を有する第2の可動部材と、前記第1および第2の支持部材を介して前記第1および第2の可動部材を揺動させる駆動手段と、を具備し、前記第2の可動部材が略第1次の揺動共振周波数よりも低い周波数で揺動する第1の駆動状態と、前記第2の可動部材が第1次以外の揺動共振周波数で揺動する第2の駆動状態を有することを特徴としている。
【0019】
請求項3記載の発明は、レーザ光を発生する光源と、前記光源からのレーザ光を観察標本上に集光させる対物レンズと、前記レーザ光を前記観察標本上で2次元走査する2次元走査手段を備え、前記2次元走査手段の第1走査方向の走査を行う第1の走査手段として請求項1又は2記載の光偏向器を適用した走査型光学顕微鏡である。
【0020】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記光偏向器の前記第1および第2の支持部材の中心軸と直交する方向の振動軸により前記光偏向器全体を第2走査方向に揺動する第2の走査手段を具備したことを特徴としている。
【0021】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明において、前記光源からの光を反射する反射面を変化させることによって、前記対物レンズによる前記観察標本に対するレーザ光の集光位置を第3走査方向に走査する第3の走査手段をさらに有することを特徴としている。
【0022】
請求項6記載の発明は、請求項4または5記載の発明において、前記光偏向器の前記第1および第2の支持部材の中心軸と前記第2の走査手段の振動軸の中心軸との交点で、前記反射ミラー面と垂直方向の中心軸を中心に前記光偏向器を回転可能にした走査方向切替手段をさらに有することを特徴としている。
【0023】
請求項7記載の発明は、請求項4乃至6のいずれかに記載の発明において、前記2次元走査手段を前記対物レンズに応じて該対物レンズの瞳位置に移動させる駆動手段をさらに有することを特徴としている。
【0024】
請求項8記載の発明は、請求項5記載の発明において、少なくとも前記観察標本の屈折率および前記観察標本のカバーガラスの屈折率と厚さの情報を記憶し、これらの情報と前記第3の走査手段の前記反射面の変化量から前記カバーガラスの屈折率を補正した前記観察標本の厚さを求める手段をさらに有することを特徴としている。
【0025】
この結果、本発明によれば、第1の可動部材と第2の可動部材が同位相で揺動する第1次の揺動共振周波数と、第1の可動部材と第2の可動部材が逆位相で揺動する第2次の揺動共振周波数が存在する。第1次の揺動共振と第2次の揺動共振の周波数は、第1及び第2の支持部材の剛性により自由に変えることができる。駆動手段によって第2の可動部材を第2次の揺動共振周波数で揺動することにより高速スキャンを行ない、第1次の共振周波数までの任意の周波数(DCも含む)で駆動することにより低速スキャンを行なうことで、一つの光偏向器で低速スキャンと高速スキャンを実現することができる。
【0026】
ここで、低速スキャンにおいては、後に実施の形態の説明中で述べる通り、第1次の共振周波数以下で用いたほうが駆動効率などの点で望ましい。しかし、必要な駆動感度が維持できているレベルで第1次の共振周波数を超えて用いることもできる。
【0027】
また、本発明によれば、2次元走査手段の第1走査方向の第1の走査手段として請求項1記載の光偏向器を適用することで、一つの方向で低速走査と高速走査のいずれかの走査を実現できる。また、第2の走査手段により光偏向器全体を第2走査方向に走査することで、互いに垂直となる2つの方向の走査が可能となる。
【0028】
さらに、本発明によれば、観察標本の画像の構築状況に応じて、2次元走査手段による走査方向を任意に設定できる。
【0029】
さらに、本発明によれば、2次元走査手段を、観察に使用する対物レンズの瞳と共役の位置に設定することができるので、良好な光学性能を確保することができる。
【0030】
さらに、本発明によれば、カバーガラスや観察標本での光の屈折による影響を補正した観察標本の厚さ情報を正確に入手することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に従い説明する。
【0032】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態が適用される光偏向器の概略構成を示している。図において、11は固定部材で、この固定部材11は、中央部に矩形状の孔部11aが形成されている。
【0033】
固定部材11の孔部11aには、矩形板状の第1の可動部材12が配置されている。第1の可動部材12は、中央部に矩形状の孔部12aが形成されている。また、第1の可動部材12は、一方の相対向する両側縁の中央部を第1の支持部材13a、13bを介して固定部材11に支持されている。
【0034】
これら第1の支持部材13a、13bは、第1の可動部材12をねじり方向に振動(揺動)させるためのもので、ばねなどの弾性部材または半導体材料からなっている。また、第1の可動部材12には、駆動手段としてのコイルパターン(以下、駆動コイルと称する。)14が形成されている。この場合、駆動コイル14の端部は、第1の支持部材13a、13bを通って固定部材11側に導出されている。
【0035】
第1の可動部材12の他方の相対向する両側縁に対応させて、一対の永久磁石15a、15bが配置されている。これら永久磁石15a、15bは、駆動コイル14の配線部14aに対して直交する方向(図示矢印方向)の磁束線aを発生させるようにしている。
【0036】
第1の可動部材12の孔部12aには、矩形板状の第2の可動部材16が配置されている。第2の可動部材16の板面上には、光を反射する反射ミラー17が配置されている。
【0037】
第2の可動部材16は、一方の相対向する両側縁の中央部を第2の支持部材18a、18bを介して第1の可動部材12に支持されている。この場合、第2の支持部材18a、18bの中心軸は、第1の支持部材13a、13bの中心軸と同一の中心軸19上に設定されている。
【0038】
これら第2の支持部材18a、18bは、第2の可動部材16をねじり方向に振動(揺動)させるためのもので、第1の支持部材13a、13bと同じ材料で構成されている。この場合、第2の支持部材18a、18bのねじり剛性は、第1の支持部材13a、13bのねじり剛性より大きくなるように設定されている。
【0039】
このような構成において、駆動コイル14に駆動周波数の交流電流が流れると、この電流方向に直交する永久磁石15a、15bの磁束線aにより、第1の可動部材12の面と垂直な向きに、フレミング左手の法則にしたがったローレンツ力が発生が発生し、第1の可動部材12は、第1の支持部材13a、13bを中心に駆動周波数でねじれ方向に振動(揺動)するようになる。
【0040】
この場合、第2の支持部材18a、18bのねじり剛性は、第1の支持部材13a、13bのねじり剛性より大きくなるように設定されている。
【0041】
これにより、駆動コイルに交流を印加し、その周波数を変化させると、第1の可動部材と第2の可動部材が同位相に揺動する第1次の共振と、第1の可動部材と第2の可動部材が逆位相に揺動する第2次の共振が発生する。それぞれの揺動軸は、第1、第2の支持部材共通の中心軸となる。
【0042】
低速スキャンは、任意の周波数に合わせてスキャンするため、非共振で駆動する必要がある。本構成の光偏向器において、第1の共振周波数を超えた周波数で非共振状態で駆動しようとすれば、駆動感度が落ちるために大きな駆動力が必要になる。しかしながら大きな駆動力を得るために大電流を駆動コイルに印加すれば、コイルが発熱し、光偏向器が破壊する可能性がある。従って、望ましくは、第1次の共振周波数以下で用いたほうが良い。ただし、必要な駆動感度が維持できているレベルで第1次の共振周波数を超えて用いても良い。低速スキャンは、上記周波数範囲で所望の周波数で第2の可動部材に形成された反射面を用いて光を偏向することができる。
【0043】
高速スキャンは、共振周波数で駆動され、本構成では、高速スキャンは、第2次の共振周波数を持って駆動される。第1次の共振周波数は低速スキャンで用いられる周波数領域であり、低速スキャンと高速スキャンの速度差が明確にできないからである。高速スキャンは、共振周波数で駆動されるため、共振時のQ値分の利得があり、非共振駆動する低速スキャンより駆動感度が高く、低電流で駆動できる。このように高速スキャンは、第2の可動部材上に形成された反射面を用いて第2次の共振周波数で光を偏向することができる。
【0044】
さらに、第1次の共振周波数は、第1の支持部材のねじり剛性と第1及び第2の可動部材の慣性モーメントの総和によって決まり、第2次の共振周波数は、第2の支持部材のねじり剛性と第2の可動部材と第1の可動部材の慣性モーメント差によって決まる。低速スキャンと高速スキャンの速度差を大きくすることが望まれる場合には、第2の支持部材のねじり剛性を大きくし、第1の支持部材のねじり剛性を小さくすることで達成できる。このように本構成は、低速スキャンの駆動周波数と高速スキャンの駆動周波数を自由に決定することができる。
【0045】
なお、本実施の形態では、可動部材15(請求項における「第1の可動部材」に相当)に駆動手段としての駆動コイルを配置しているが、例えば可動板12(請求項における「第2の可動部材」に相当)に駆動コイルを設けることもできる。
【0046】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。
【0047】
この第2の実施の形態は、第1の実施の形態で述べた光偏向器を走査型光学顕微鏡に応用した例を示している。
【0048】
図2は、第2の実施の形態が適用される走査型光学顕微鏡の概略構成を示している。図において、20はレーザ光源で、このレーザ光源20は、観察標本21を照射するレーザ光を発生するものである。
【0049】
レーザ光源20からのレーザ光は、レーザビームコリメートする光学系22を通り、ビームスプリッタ23に入射する。そして、ビームスプリッタ23で反射したレーザ光は、反射ミラー24に入射するようになっている。
【0050】
反射ミラー24で反射されるレーザ光は、可変ミラー25に導かれる。可変ミラー25は、観察標本21に対しZ方向のスキャナに用いられるもので、光学系上、後述する対物レンズ29の瞳と共役位置に配置されている。
【0051】
可変ミラー25で反射されるレーザ光は、瞳リレーレンズ251を介して2次走査手段としてのXYスキャナ26に入射される。XYスキャナ26は、観察標本21に対しXYスキャンのために用いられるもので、このXYスキャナ26についても、光学系上、対物レンズ29の瞳と共役位置に配置されている。
【0052】
そして、XYスキャナ26で反射されたレーザ光は、投影レンズ27、結像レンズ28を通して、対物レンズ29に入射し、観察標本21に到達し、観察標本21を照射するようになっている。
【0053】
一方、観察標本21から発した光は、前述の逆光路を通りビームスプリッタ23を透過し、ピンホール30に収束される。ピンホール30は対物レンズ29の焦点と光学的に共役であるので、観察標本21からの光のうち合焦の成分はピンホール30を通過するが、非合焦の成分は広がってしまい、ほとんどピンホール30を透過できない。ピンホール30を透過した焦点のあっている成分は、光検出器31に入力されて光電変換され、観察標本21の画像が取得されることになる。
【0054】
図3は、XYスキャナ26の概略構成を示している。この場合、XYスキャナ26は、第1走査方向の走査を行う第1の走査手段としてのXスキャナ26a、第2走査方向の走査を行う第2の走査手段としてのYスキャナ26bおよび走査方向切替手段としてのスキャン方向切替部26cで構成されている。このうちのXスキャナ26aは、第1の実施の形態で述べた光偏向器が適用されている。かかる光偏向器については、図1と同一部分には同符号を付して説明を省略する。
【0055】
また、Yスキャナ26bは、駆動部32に振動軸33を設けたもので、駆動部32の駆動により、振動軸33を図示A方向に振動可能にしている。
【0056】
Yスキャナ26bの振動軸33の先端には、Xスキャナ26aが設けられている。この場合、Xスキャナ26aは、中心軸19が振動軸33の中心軸34と直交する方向になるように振動軸33先端に取り付けられている。つまり、Xスキャナ26aは、Yスキャナ26bの振動軸33と直交する方向の中心軸19を中心に振動可能に設けられている。これにより、Xスキャナ26aの反射ミラー17は、駆動部32の駆動により振動軸33の中心軸34を中心に図示A方向にも振動できるようになっている。
【0057】
Yスキャナ26bには、スキャン方向切替部26cが設けられている。スキャン方向切替部26cは、XYスキャナ26全体を回転させる回転駆動部材から構成されるもので、このスキャン方向切替部26cを操作することにより、XYスキャナ26全体を、反射ミラー17上の中心軸19と振動軸33の中心軸34の交点で、反射ミラー17面と垂直方向の中心軸35を中心に回転できるようになっている。
【0058】
一方、第3走査方向に走査する第3の走査手段として、Z方向のスキャナに用いられる可変ミラー25には、例えば、波面変換素子が用いられる。この波面変換素子は、素子自体に電圧を印加することで反射面を微小に変化させることのできるもので、この反射面を変化させ光学的なパワーを可変させることにより、観察標本21の光軸方向のレーザ光の集光位置の移動を、対物レンズ29と観察標本21の機械的な位置関係を移動させることなく可能にしたものである。つまり、図4に示すように可変ミラー25の反射面を変化させることによって、図示破線で示すように、レーザ光の角度が変わり、対物レンズ29の結像位置における焦点位置も変わることによってZ方向のスキャンができるようになっている。
【0059】
このような構成によれば、XYスキャナ26のXスキャナ26aは、第1の実施の形態で述べたように、反射ミラー17を第1の支持部材13a、13bと第2の支持部材18a、18b共通の中心軸19に対して低速回転と高速回転のいずれでも駆動できるので、この時の反射ミラー17の回転を利用して、レーザ光を偏向すれば、一つの方向で低速スキャンと高速スキャンの両方のスキャンを実現することが可能となる。また、XYスキャナ26のYスキャナ26bにおいて、振動軸33の中心軸34を中心に反射ミラー17を回転できるので、これらXスキャナ26aとYスキャナ26bの動作により互いに垂直となる2つの方向のスキャンが可能となる。
【0060】
さらに、可変ミラー25により反射面を変化させ、対物レンズ29の焦点位置を移動させることで、Z方向のスキャンも可能となる。
【0061】
そして、スキャン方向切替部26cによって、XYスキャナ26が中心軸35を中心に回転可能となっているので、観察標本21の画像の構築状況に応じて、XYスキャナ26によるスキヤン方向を任意に設定でき、同時に、低速スキャンまたは高速スキャンを選択的に設定できるようになる。
【0062】
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。
【0063】
この第3の実施の形態は、第1の実施の形態で述べた光偏向器を走査型光学顕微鏡に応用した他の例を示している。
【0064】
図5は、第3の実施の形態が適用される走査型光学顕微鏡の概略構成を示すもので、図2と同一部分には、同符号を付している。
【0065】
この場合、41は駆動手段としての駆動部で、この駆動部41は、対物レンズ29の倍率などの種類に基づいてXYスキャナ26、瞳リレーレンズ251、可動ミラー25を光軸方向(矢印B方向)に移動させるものである。
【0066】
駆動部41には、記録演算部42が接続されている。記録演算部42は、標本観察に使用する対物レンズ29の瞳位置と基準対物レンズの瞳位置情報を記録したもので、標本観察に使用する対物レンズ29が識別されると、この対物レンズ29の瞳位置情報を読み出し、基準対物レンズの瞳位置情報に基づいてXYスキャナ26の移動量を演算するようになっいる。記録演算部42には、対物レンズ識別部43が接続されている。対物レンズ識別部43は、顕微鏡光路上に挿入された対物レンズ29の種類などを識別し、その識別信号を記録演算部42に出力するようになっている。
【0067】
このような構成によると、観察に使用する対物レンズ29を顕微鏡光路にセットすると、対物レンズ識別部43が対物レンズ29の種類を認識し、この識別信号を記録演算部42に出力する。記録演算部42は、標本観察に使用する対物レンズ29が識別されると、この対物レンズ29の瞳位置情報を読み出し、基準対物レンズの瞳位置情報に基づいてXYスキャナ26の移動量を演算する。このXYスキャナ26の移動量は、駆動部41に送られる。これにより、XYスキャナ26が光軸方向に前後移動し、XYスキャナ26の位置は、標本観察に使用する対物レンズ29の瞳と共役の位置になるように設定される。
【0068】
従って、このようにすれば、XYスキャナ26を、常に標本観察に使用する対物レンズ29の瞳と共役の位置に設定することができるので、良好な光学性能を確保することができる。
【0069】
なお、必要に応じて、XYスキャナ26の位置を検出する位置センサを設け、制御系を通じてXYスキャナ26の位置を制御するようにしても有効である。この場合、より高精度にXYスキャナ26の位置を設定することが可能となる。また、この実施の形態はXYスキャナ26の配置に関するものであるが、可動ミラー25に同じ考え方を採用すれば、常に使用される対物レンズ29の瞳と共役の位置に可変ミラー25を配置することも可能となる。
【0070】
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態を説明する。
【0071】
この第4の実施の形態は、第1の実施の形態で述べた光偏向器を走査型光学顕微鏡に応用したさらに他の例を示している。
【0072】
図6は、第4の実施の形態が適用される走査型光学顕微鏡の概略構成を示すもので、図2と同一部分には、同符号を付している。
【0073】
この場合、51は記録演算部で、記録演算部51には、観察標本21を密封するカバーガラスの屈折率や厚さの情報を始め、観察標本21自身や観察標本21が入っている液体の屈折率、さらに、対物レンズ29に使用するオイルの屈折率などの情報が記録されている。また、記録演算部51は、これら情報を適宜入力できるようにもなっており、さらに、これらの情報と可変ミラー25の変形量から観察標本21の厚さ寸法を演算するなどの機能も有し、これらの結果を表示器52に表示できるようにしている。
【0074】
このような構成とすると、第2の実施の形態で説明したように、可変ミラー25によるZスキャンにより対物レンズ29の結像位置における焦点位置を変えることができるが、このときの可変ミラー25の変形量と焦点位置の移動量関係は、光学シミュレーションツールを利用した計算で簡単に知ることができる。
【0075】
一方、いくつかの媒体を通った光の光路長を光の空気中の移動距離Lに換算すると、Lは媒体屈折率と媒体厚さの積の総和で求められる。すなわち、媒体の屈折率と厚さをそれぞれnとtとした場合、
L=Σn*t
となる。これにより、図7のように、カバーガラス211の屈折率と厚さをそれぞれn1、t1とし、観察標本21の屈折率と厚さをそれぞれn2、t2とし、さらに可変ミラー25によるZスキャンの移動量をTとすると、
T=n1*t1+n2*t2
となる。ここで、n1、t1、n2は、分かっているもので、Tも上述したように可変ミラー25の変形量から分かるので、観察標本21の厚さ寸法は、
t2=(T−n1*t1)/n2
から知ることができる。
【0076】
従って、このようにすれば、可変ミラー25の反射面を変化させることでZスキャンを行い、このときの可変ミラー25の変化量と、予め記録演算部51に記録されたカバーガラス211の屈折率と厚さ情報および観察標本21の屈折率情報に基づいて観察標本21の厚さ寸法を演算することによって、カバーガラス211や観察標本21での光の屈折による影響を補正した観察標本21の厚さ情報を正確に入手することができる。
【0077】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、実施段階では、その要旨を変更しない範囲で種々変形することが可能である。例えば、本発明による光偏向器は、走査型光学顕微鏡に好適だか、他の用途にも使用することができる。 さらに、上記実施の形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示されている複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出できる。例えば、実施の形態に示されている全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題を解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出できる。
【0078】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、共振で駆動する高速スキャンと、高速スキャンよりも低速領域で且つ任意の周波数を選べる低速スキャンを一つの光偏向器で実現し、各種の有用な顕微鏡動作を実現できる光偏向器およびこの光偏向器を用いた走査型光学顕微鏡を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態が適用される光偏向器の概略構成を示す図。
【図2】本発明の第2の実施の形態が適用される走査型光学顕微鏡の概略構成を示す図。
【図3】第2の実施の形態に用いられるXYスキャナの概略構成を示す図。
【図4】第2の実施の形態に用いられる可変ミラーの作用を説明する図。
【図5】本発明の第3の実施の形態が適用される走査型光学顕微鏡の概略構成を示す図。
【図6】本発明の第4の実施の形態が適用される走査型光学顕微鏡の概略構成を示す図。
【図7】第4の実施の形態のカバーガラスと観察標本の屈折率と厚さの関係を示す図。
【符号の説明】
11…固定部材、11a…孔部、12…第1の可動部材
12a…孔部、13a.13b…第1の支持部材
14…駆動コイル、14a…配線部
15a.15b…永久磁石、16…第2の可動部材
17…反射ミラー、18a.18b…第2の支持部材
19…中心軸、20…レーザ光源
21…観察標本、22…光学系、23…ビームスプリッタ
24…ダイクロイックミラー、25…可変ミラー、251…瞳リレーレンズ
26…XYスキャナ、26a…Xスキャナ、26b…Yスキャナ
26c…スキャン方向切替部、27…投影レンズ
28…結像レンズ、29…対物レンズ、30…ピンホール
31…光検出器、32…駆動部、33…振動軸
34…中心軸、35…中心軸、41…駆動部
42…記録演算部、43…対物レンズ識別部
51…記録演算部、52…表示器、211…カバーガラス
Claims (8)
- 一対の第1の支持部材を介して揺動可能に支持された第1の可動部材と、
前記第1の可動部材と同一の中心軸上に配置される一対の第2の支持部材を介して前記第1の可動部材に揺動可能に支持された、反射面を有する第2の可動部材と、
前記第1および第2の支持部材を介して前記第1および第2の可動部材を揺動させる駆動手段と、を具備し、
前記第1の可動部材と前記第2の可動部材が同位相に揺動する第1の駆動状態と、
前記第1の可動部材と前記第2の可動部材が逆位相に揺動する第2の駆動状態を有することを特徴とする光偏向器。 - 一対の第1の支持部材を介して揺動可能に支持された第1の可動部材と、
前記第1の可動部材と同一の中心軸上に配置される一対の第2の支持部材を介して前記第1の可動部材に揺動可能に支持された、反射面を有する第2の可動部材と、
前記第1および第2の支持部材を介して前記第1および第2の可動部材を揺動させる駆動手段と、を具備し、
前記第2の可動部材が略第1次の揺動共振周波数よりも低い周波数で揺動する第1の駆動状態と、
前記第2の可動部材が第1次以外の揺動共振周波数で揺動する第2の駆動状態を有することを特徴とする光偏向器。 - レーザ光を発生する光源と、
前記光源からのレーザ光を観察標本上に集光させる対物レンズと、
前記レーザ光を前記観察標本上で2次元走査する2次元走査手段を備え、前記2次元走査手段の第1走査方向の走査を行う第1の走査手段として請求項1又は2記載の光偏向器を適用した走査型光学顕微鏡。 - 前記光偏向器の前記第1および第2の支持部材の中心軸と直交する方向の振動軸により前記光偏向器全体を第2走査方向に揺動する第2の走査手段を具備したことを特徴とする請求項3記載の走査型光学顕微鏡。
- 前記光源からの光を反射する反射面を変化させることによって、前記対物レンズによる前記観察標本に対するレーザ光の集光位置を第3走査方向に走査する第3の走査手段をさらに有することを特徴とする請求項4記載の走査型光学顕微鏡。
- 前記光偏向器の前記第1および第2の支持部材の中心軸と前記第2の走査手段の振動軸の中心軸との交点で、前記反射ミラー面と垂直方向の中心軸を中心に前記光偏向器を回転可能にした走査方向切替手段をさらに有することを特徴とする請求項4または5記載の走査型光学顕微鏡。
- 前記2次元走査手段を前記対物レンズに応じて該対物レンズの瞳位置に移動させる駆動手段をさらに有することを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載の走査型光学顕微鏡。
- 少なくとも前記観察標本の屈折率および前記観察標本のカバーガラスの屈折率と厚さの情報を記憶し、これらの情報と前記第3の走査手段の前記反射面の変化量から前記カバーガラスの屈折率を補正した前記観察標本の厚さを求める手段をさらに有することを特徴とする請求項5記載の走査型光学顕微鏡。
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