JP4222883B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技盤前面側の遊技領域に配設される前面装飾部材と、該前面装飾部材の窓部から画像表示面及びその近傍の面が臨む画像表示ユニットとからなる中央表示装置を備えた遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像表示ユニットを備えた遊技機として、第1種電動役物付きパチンコ機が有名である。この種のパチンコ機は、遊技球が流下する遊技領域に、画像表示装置の表示面を臨ませ、遊技球が始動入賞口に入賞したことをゲーム開始条件として、画像表示装置の表示面で複数種類の図柄(識別情報)を変動表示する変動表示ゲームを行い、この変動表示ゲームの結果として停止表示された図柄の組み合わせ等よりなる結果態様が、予め定めた特別結果態様であると、遊技者に多大な遊技価値を与える特別遊技を発生させるものである(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−304314号公報
【0004】
上記特許文献1に記載のパチンコ機では、その図3に示されているように、遊技盤中央開口部に前面側から前面飾りパネルが配設され、裏面側から映像表示装置が配設されて、前面飾りパネルの窓から映像表示装置の表示パネルが臨むような構造となっている。すなわち、前面飾りパネルは凹室構造の窓から、変動表示ゲームを行う表示面のみが見える構成となっている。
【0005】
また、この種のパチンコ機は、変動表示ゲームの結果態様が特別結果態様(いわゆる大当たり)であった場合に行う特別遊技として、遊技球の入賞が容易となるように変動入賞装置(いわゆる大入賞口)を開放し、所定条件(大入賞口の開放から所定時間が経過する第1条件か、もしくは大入賞口への入賞個数が所定数に達する第2条件の何れかが達成されるまでに、変動入賞装置内に設けた継続入賞口へ入賞した継続入賞球が発生すること)の成立毎に、大入賞口の開放を所定回数を限度として継続させる遊技を行う。すなわち、特別遊技での継続が効率よく行われることで、遊技者は多くの遊技価値(変動入賞装置への球入賞に基づく賞球)を獲得できるのである。
【0006】
このように、遊技者の獲得利益を大きく左右する特別遊技へ移行できるか否かを決する変動表示ゲームは、遊技者にとっての関心事であることから、画像表示ユニットには遊技者の注意が向けられることとなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の画像表示ユニットでは、凹室内を有効利用するために、凹室下部底面に手前方向に傾斜した平面上のステージを設け、そこで遊技球を転動させることで遊技球の動きを見せたり、或いは、凹室の内側面部に凹室外から凹室内に遊技球を導入する球通路(いわゆるワープ通路)や、装飾部材(ランプやLED等の電気的発光源、または、構造物)を配設する程度で、画像表示ユニットによって遊技者に与える興趣を高めるのに十分な演出効果を上げているとはいえなかった。
【0008】
また、画一的な変動表示ゲーム(識別情報の組み合わせゲーム)の興趣を高めるために、これら凹室内を有効利用して変動表示ゲームを演出したり、変動表示ゲーム自体を有名キャラクタをモチーフとして使用するものもあるが、遊技機としての新鮮味は乏しく、どうしても有名キャラクタの知名度に頼ってしまう傾向にある。
【0009】
そこで、本発明は、変動表示ゲームを行う中央表示装置の画像表示ユニットにより、演出効果を高め得る遊技機の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に係る発明は、遊技盤前面側の遊技領域に配設される前面装飾部材と、該前面装飾部材の窓部から画像表示面及びその近傍の面が臨む画像表示ユニットとからなる中央表示装置を備えた遊技機において、前記画像表示ユニットは、前記窓部に対応するように開口部が開設された取付ベースと、前記取付ベースに配設されると共に、前記画像表示面を回動可能な画像表示機構を収納する収納カバー体と、前記収納カバー体の裏面に配設されると共に、演出動作の実行制御を行う画像表示制御装置と、を備え、前記画像表示機構は、前記画像表示制御装置に制御されると共に、四角形状の画像表示面を構成する画像表示装置と、前記画像表示装置を前面に配設すると共に、前記収納カバー体内面の軸受部に軸支される回動軸を裏面に突設した支持板と、前記画像表示装置の前面側から前記支持板に取付られると共に、前記画像表示面が臨む表示臨設部を有する回転体と、を備え、前記回転体は、前記取付ベースの開口部周縁適所に設けられたガイド部によって回動軸の回動に従って滑動するように保持される外周部を有する前面カバー体と、前記取付ベースに配設された駆動源により駆動する駆動ギアと噛合して当該回転体を回動するための歯を有する円環状のギア部を、前記前面カバー体の外周部より内側周部に設けた裏面カバー体と、から構成することで、前記駆動源の動作により前記窓部から臨む画像表示面を回動可能とし、前記画像表示制御装置は、前記駆動源の駆動制御を行って前記画像表示面が回動するように制御を行い、前記画像表示面が予め定めた基準状態であるときの表示領域に表示した表示内容が標準表示状態を保持するように、前記駆動源の駆動時間に応じた前記画像表示面の回動量に基づいて、前記画像表示面が基準状態から回動した回動量を相殺するように表示内容を逆向きに同じ角度回動させて前記画像表示面に表示し、前記四角形状の画像表示面が基準状態から回動して傾いても、該画像表示面の表示領域の表示内容が前記標準表示状態を保持するようにしたことを特徴とする遊技機。
【0011】
また、請求項2に係る発明は、上記請求項1に記載の遊技機において、前記画像表示制御装置は、当該遊技機の起動時に前記駆動源を動作させて、前記画像表示面の回動に要する時間のプリセット値を更新するようにしたことを特徴とする。
【0012】
また、請求項3に係る発明は、上記請求項1又は請求項2に記載の遊技機において、前記前面装飾部材は、前記画像表示面が回動した際にも当該画像表示面の主要部が臨み得る所要形状の窓部となるように遊技盤を前後に貫通する開口領域を凹室として備える枠体構造のセンターケースと、前記センターケースの凹室上方から側方にかけて前方に突設され る鎧部と、を備え、前記センターケースの凹室の下部底面は、遊技領域より転動した遊技球の流下速度を遅延させるステージ部とし、前記鎧部には、当該鎧部上流から前記凹室内へ遊技球を誘導するワープ通路を形成し、前記ステージ部の下方には、遊技盤を前後に貫通し、遊技球が通過可能な貫通部を形成し、前記回転体の表示臨設部を除く前記画像表示面の周囲の領域の適所には球誘導手段を設け、前記球誘導手段は、前記画像表示面が予め定めた第1状態である時に、前記ワープ通路の出口から出て来た遊技球を導入可能な球導入部と、前記球導入部から導入された遊技球を貯留する球貯留部と、前記画像表示面が予め定めた第2状態である時に、前記球貯留部に貯留された遊技球をステージ部下方の貫通部へ導出する導出部と、を備え、前記画像表示面が第1状態の時に前記球誘導手段の球貯留部に貯留した遊技球を、該画像表示面の回動に伴って移送し、前記画像表示面が第2状態に変換した時に前記球誘導手段の球貯留部に貯留されている遊技球が前記導出部より貫通部へ導出されて、再び遊技領域へ排出され得るようにしたことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る遊技機の実施形態を添付図面に基づき詳細に説明する。
【0014】
遊技媒体としての遊技球を弾発する弾球遊技を行える遊技機(所謂パチンコ機)は、図1に示す遊技盤1を備える。この遊技盤1は弾球遊技の主体となるもので、ガイドレール2で囲まれた遊技領域3に各種の入賞口や遊技装置を設けると共に、非遊技領域などには各種ランプやLED等からなる装飾表示器を設けたものである。
【0015】
図示を省略したロータリーソレノイド等の電気的駆動源によって弾発された遊技球は上記ガイドレール2に沿って遊技領域3内へ到達すると、遊技釘や風車等に当たりつつ流下して行き、遊技領域3内に設けた入賞領域たる各種入賞口4…の何れかに入賞すると、各入賞口4…(例えば、第1入賞口〜第N入賞口)毎に設けた入賞口センサ(図示省略)によって当該入賞球が検出され、この検出信号に基づいて賞球が遊技者に与えられ、入賞口4…等の入賞領域に入賞しなかった球は、アウト口5より外れ球として回収される。
【0016】
なお、入賞口への入賞に対して遊技者に付与するのは賞球に限定されるものではない。例えば、封入球式の遊技機(遊技者が実際の球を取り扱うことなく、機内に封入された球を循環させて弾球遊技を行えるようにした遊技機)においては、仮想的な球数データを追加するような形態で遊技価値を付与するようにしても良い。また、遊技者への付与対象となる遊技価値も、パチンコ球やメダル等の遊技媒体に限らず、種々の景品等を遊技者に与えるようにしても良い。
【0017】
また、遊技領域3には、入賞口4…の他に始動入賞口6を設けてあり、この始動入賞口6に遊技球が入賞して、これを特図始動センサ(図示省略)が検出すると、遊技盤1の略中央に設けた大型の遊技装置(特別図柄表示装置)である中央表示装置7の画像表示面71a(複数の識別情報を変動表示可能な液晶表示器等により構成)を用いて、複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームが開始される。なお、変動表示ゲームの開始・終了や後述する特別遊技など、パチンコ遊技を実現するための諸々の制御は、遊技機制御部(後に詳述)が行う。この遊技機制御部は、遊技制御装置、画像表示制御装置、装飾制御装置、排出制御装置、音制御装置などの各種制御装置から構成される。
【0018】
上記始動入賞口6は、例えば、ソレノイド等の電気的駆動源とリンク機構を介して接続された左右一対の可動片8a,8aを備え、電気的駆動源の作動・停止に応じて、これら可動片8a,8aが直立して遊技球を受け入れ難い閉状態と、可動片8a,8aの上端を互いに離隔させるように開いて遊技球を受け入れ易い開状態とに変換する普通電動役物たる普通変動入賞装置8と一体に設けてある。なお、本例で示す普通変動入賞装置8は、閉状態においても遊技球を受け入れ可能なものとしたが、閉状態においては遊技球を一切受け入れない構造のものとしても良い。また、始動入賞口6は、普通変動入賞装置8のように遊技球の受け入れ状態が変化する入賞具と一体に設けないで、通常の入賞口として独立させて設けても良い。また、遊技領域3に複数の始動入賞口を設け、遊技球が入賞した始動入賞口の種別に応じて、普通変動入賞装置8の開成時間を異ならしめるようにしても良い。
【0019】
上記普通変動入賞装置8には、例えば、数字の0〜9を変動表示可能な7セグメント式表示器等からなる小型の普通図柄表示器8bを設けておき、遊技領域の適所に設けた通過チャッカ9(通過する遊技球を検出する通過センサたる普図始動センサを備えた通過入賞口)へ遊技球が通過入賞すると、通過チャッカ9からの検出出力に基づいて遊技機制御部が普通図柄表示器8bによる変動表示を開始させ、所定時間経過後に停止表示させる普通変動表示ゲームを行う。このときの停止図柄が予め定めた特定図柄(例えば、3もしくは7)であった場合には、普通変動入賞装置8を用いた普通変動遊技開始条件が達成されるものとし、普通変動入賞装置8の可動片8a,8aが比較的短時間だけ開状態に変換し、始動入賞口6への球入賞を容易にする普通変動遊技が行われる。
【0020】
上記始動入賞口6への球入賞に基づき、遊技機制御部が中央表示装置7の画像表示面71aを用いて行う変動表示ゲームとは、例えば、3桁の数字や各種記号等を高速で変換表示した後に、所定の順序で停止表示させてゆき、3桁の停止表示態様が予め定めた特別結果態様(例えば、「0,0,0」「2,2,2」「3,3,3」「7,7,7」等、3桁の数字や記号が全て一致するぞろ目の停止態様)になると、特別遊技への遊技移行条件が達成され、例えば、横長四角形状の大入賞口(内部にて、更に、一般入賞口か特別入賞口の何れかに分別される入賞口。)を開閉板10aにより閉塞した第1状態と大入賞口へ球が入賞し得るように開閉板10aを開いた第2状態(開閉板10aの下辺部を軸にして前傾させるように開く事で、落下してきた遊技球を開閉板10aにより受け止めて大入賞口へ効率良く導く状態)とに変動可能な大入賞口装置たる変動入賞装置10を用いた特別遊技が開始される。
【0021】
なお、特別遊技への移行条件が達成される特別結果態様の中でも特に定めた特賞結果態様(例えば、奇数のぞろ目である「1,1,1」「3,3,3」「5,5,5」「7,7,7」「9,9,9」)になった場合には、変動表示ゲームで特別結果態様が発生する確率が普通の第1確率から、特別結果態様が発生する確率が第1確率よりも高い第2確率へ変更する(所謂、確変モードに変更する)ことで、次の特別遊技移行条件を達成し易くする特典を与えるようにしても良い。また、変動表示ゲーム実行中に始動入賞口6への入賞球が検出された場合、これを所定数(例えば、4個)まで遊技機制御部で記憶しておき、変動表示ゲームの終了後に始動記憶に基づいて、次の変動表示ゲームを実行できるようにしても良い。
【0022】
上記変動表示ゲームの停止結果が特別結果態様となることで行われる特別遊技においては、変動入賞装置10の第2状態変換時間が所定時間(例えば30秒)に達するサイクル終了第1条件と、第2状態へ変換してから大入賞口への入賞球数が所定個数(例えば、10個)に達するサイクル終了第2条件のうち、何れかの条件が達成されると、これを以てサイクル遊技の終了となり、サイクル遊技の実行中、若しくは、サイクル遊技の終了後に設ける所定時間幅の有効タイムが経過するまでに、大入賞口内の特別入賞口へ入った入賞球を検出する継続センサ(図示省略)から継続入賞検出信号が出力されると、サイクル遊技の継続条件が達成され、所定時間幅のウェイトタイム経過後に再びサイクル遊技を行い、サイクル遊技の更新条件が達成されなかった場合には、そのサイクル遊技を以て特別遊技が終了する。
【0023】
このような特別遊技において、サイクル遊技の更新が困難なために1〜2回程度のサイクル遊技で特別遊技が終了してしまうと、短時間で遊技者の獲得利益を高めることができず、遊技者にとって大きな不満となるので、大入賞口内の特別入賞口へは比較的容易に球が入賞し易いようにしておく必要があるものの、サイクル遊技が際限なく更新されて遊技者の獲得利益が著しく増えると、遊技店の損失が大きくなるので、サイクル遊技の継続条件が連続して15回達成され、サイクル遊技が計16回実行されると、以後の継続更新は行わず、16回目のサイクル遊技の終了を以て特別遊技を終了させるものとした。
【0024】
なお、特別遊技の内容は、上述した例に限定されるものではなく、遊技者の獲得利益を高めるという特別遊技の趣旨に沿うように、適宜設定すれば良い。無論、普通変動表示ゲーム、普通変動遊技、変動表示ゲームなども、上述した例に限定されるものではない。また、普通変動表示ゲームを行うための普通図柄表示器8bを別途設けずに、中央表示装置7の画像表示面71aを用いて行うようにしても良い。
【0025】
次に、変動表示ゲームを行うために用いる中央表示装置7の詳細な構造につき説明する。中央表示装置7は、複数の識別情報を変動表示可能な画像表示面71aを有する画像表示ユニット71と(図2参照)、この画像表示ユニット71の前面側に配設されると共に、画像表示面71aを背面に臨ませる窓部72aを有する前面装飾部材72とからなる。
【0026】
上記前面装飾部材72は、凹室11aを有するセンターケース11と、このセンターケース11における凹室11aの上方部から側方部にかけて前方に突設される鎧部12からなる。上記凹室11aは、長四角形状の画像表示面71aに対応する領域だけでなく、その周りの領域(装飾領域)まで適宜に見えるような開口領域となるように、遊技盤1の前後を貫通する空部である。
【0027】
上記画像表示ユニット71は、図2および図3に示すように、画像表示面71aを構成する液晶パネルや回動機構などを一体化したユニット構造で、上記入賞口4…へ入賞した入賞球を集めて入賞球回収機構へ送り出す入賞球集合樋1aを設けた遊技盤1の裏面側に取り付けられる。取付ベース20は、上記窓部72aに対応するように開口部21が開設されており、着脱可能な固定具等を介して遊技盤1の裏面に取り付けられる。
【0028】
また、上記取付ベース20の裏面側(遊技盤1に装着されていない側)には、画像表示機構30(取付ベース20に配設されると共に、画像表示面71aを回動可能な機能を備える機構部)を収納する収納カバー体40が装着され、この収納カバー体40の裏面には、画像表示面71aを構成する画像表示装置31を制御する画像表示制御装置73を配設した。このように、画像表示関連機構(画像表示ユニット71と画像表示制御装置73)を集約化すれば、工場での組み立て時や、遊技店へ出荷した後の保守・点検時の作業が容易となる。
【0029】
上記画像表示機構30は、画像表示面71aとなる液晶パネル等を前面に備える画像表示装置31と、該画像表示装置31の裏面側がビス等で前面側に固定される支持板32と、該支持板32に固定された画像表示装置31の前面側から支持板32に取付られる回転体33とからなる。上記支持板32には、収納カバー体40内面の軸受部41に軸支される回動軸32aを裏面に突設し、この回動軸32aが軸受部41に軸支された状態で画像表示機構30全体が回動可能な構造である。また、回転体33は、例えば、前面カバー体34と裏面カバー体35とからなる。
【0030】
上記回転体33の前面カバー体34には、取付ベース20の開口部21周縁適所(例えば、60゜毎に等間隔で6箇所)に設けられたガイド部22によって保持される外周部34a(歪みの少ない正円形状)を設け、軸受部41に軸支された回動軸32aの回動に従って滑動するようにした。裏面カバー体35には、取付ベース20に配設された駆動源たる駆動モータ50(例えば、パルスモータ)により駆動する駆動ギア51の歯と歯合して当該回転体33を回動するための歯を有する円環状のギア部35aを設け、駆動モータ50の回転方向に応じて、正逆回転が可能なものとした。
【0031】
なお、外周部34aを保持するガイド部22は、外周部34aの周面に摺接して回転する回転体としたが、この構造に限定されるものではない。また、ギア部35aは、上記前面カバー体34の外周部34aより内側周部に位置するように設けて、回転体33の回動時にガイド部22に衝接することの無いようにしたが(図5参照)、これに限定されるものではない。例えば、前面カバー体34の裏面にギア部35aが直接当たる構造とせずに、ガイド部回避壁を設けてガイド部22の障害とならない位置にギア部を形成すれば、前面カバー体3の外周部34aよりも外側にギア部35aのギアの歯を位置させても問題ない。
【0032】
上記前面カバー体34は、図6(a)に示すように、例えば、透光性の合成樹脂等で形成し、画像表示面71aが臨む位置を透明な表示保護部34bとし、該表示保護部34bの四側部から裏面側に突出する表示ガイド壁34cを設け、この表示ガイド壁34cの開口端部は、画像表示面71aが臨む表示臨設部となる。なお、画像表示装置31の画像表示面71aの前側に表示保護部34bを設けたのは、遊技球が画像表示装置31に直接当たって損傷することを防止するためである。
【0033】
また、上記表示ガイド壁34cの外側には装飾領域が形成されるものとする。この装飾領域とは、周壁34dと表示ガイド壁34cで囲まれた領域であり、本図に示す例では、表示ガイド壁34cの4つの角部から夫々周壁34dへ至る区画壁34e…を形成することで、4つの弓形の領域に分割した。この装飾領域の適所には止着用のボス34f…を設ける。
【0034】
上記裏面カバー体35は、図6(a)に示すように、上記前面カバー体34の表示ガイド壁34cを通す表示用貫通孔35bと、ボス34f…を通すボス用貫通孔35c…とを設けてあり、前面カバー体34の裏面側に装着され、回転体33となる(図6(b)参照)。
【0035】
また、本図に示す裏面カバー体35は、前面カバー体34における装飾領域の背面側を閉塞する壁部としての機能を有するもので、前面カバー体34と裏面カバー体35とから構成した回転体33には、装飾領域に4つの装飾部材収納部(画像表示面71aの長辺に沿って形成された第1大装飾部材収納部33a,第2大装飾部材収納部33b、画像表示面71aの短辺に沿って形成された第1小装飾部材収納部33c,第2小装飾部材収納部33d)が形成され、これらの装飾部材収納部に、例えば、着色された微粒のレジンペレット33e…を装飾部材として封入する。すなわち、前面カバー体34と裏面カバー体35とが対向して形成される空隙を装飾部材収納部と成し、該装飾部材収納部へ装飾部材を収納するのである。
【0036】
装飾部材収納部に収納する装飾部材は、レジンペレット33e…に、限らず、粘性の低い素材を粉状、粒状、或いは、棒状の固形物としたものを用いれば、画像表示面71aの回動に応じて、装飾部材収納部内で固形物の停留位置が変移するので、画像表示面71aの回動動作に伴う装飾効果を高めることができる。なお、装飾領域の全面が見えるようにすると、ボス34f…の形成部位まで見えてしまい、不格好であるから、例えば、シールなどの装飾体を前面カバー体34の前面に貼って、装飾体に設けた装飾窓部(透明なシール素材に着色しない透明部分や、不透明なシールに形成した穴など)からのみ装飾部材収納部内の固形物が見えるようにしても良い。
【0037】
上述した回転体33の裏面側に、画像表示装置31を収納した状態で装着される支持板32には、回転体33のボス34f…に各々対応する位置に支持孔32b…を開設し、回転体33の各ボス34f…の頂部に対し、支持板32の各支持孔32b…から固着部材たるネジ32c…で各々ネジ止めし、回転体33と支持板32とを一体化した。斯くすれば、簡素な構成で回転体33と支持板32とを一体化できるので、画像表示機構30全体の軽量化を図ることができ、画像表示機構30における画像表示面71aの回動動作の際に回動軸32aにかかる重量負荷を軽減して、駆動モータ50の動作による画像表示機構30の円滑な回動を期せる。
【0038】
さらに、支持板32の裏面には、回動軸32aを中心点とした仮想円C上で、中心点を通る仮想直線S1と交わる2つの交点に、第1検出体32dと第2検出体32eを各々設けると共に、上記仮想直線S1に直交して中心点を通る仮想直交線S2と交わる2つの交点の何れか一方(図4においては下方の交点部)に第3検出体32fを設けた。すなわち、回動軸32aを中心点とした仮想円C、第1〜第3検出体32d〜32fが駆動モータ50の動作に応じて移動してゆく回動軌跡を意味する。
【0039】
一方、上記第1〜第3検出体32d〜32fを設けた支持板32を含む画像表示機構30を収納する収納カバー体40は、後部に向けて若干狭まるテーパ状の側面部40aと、第1〜第3検出体32d〜32fの回動軌跡よりも径が大きい円形状の背面部40bとから前面開口の収納空部が形成される構造とし、例えば、背面部40bの前面側(収納空部内)に第1検出手段としての第1位置センサ42aと第2検出手段としての第2位置センサ42bを設ける。これら第1,第2位置センサ42a,42bは、一対の検出腕部を備え、一方の検出腕部からの光を他方の検出腕部で検出する非接触型センサであり、検出腕部の間に障害物が入っているか否かを(光が遮断されたか否か)を検出するものである。
【0040】
そして、上記第1位置センサ42aは、画像表示面71aが予め定めた基準状態(例えば、遊技機が遊技可能に設置されたときの画像表示面71aの長辺がほぼ水平となる状態)にある時の第1検出体32dを検出する状態で、且つ、一対の検出腕部を仮想円Cの接線方向に直交するように配置(仮想円C上を移動する第1〜第3検出体32d〜32fの障害とならないように配置)する。同じく、第2位置センサ42bは、画像表示面71aが基準状態にある時の第2検出体32eを検出する状態で、且つ、一対の検出腕部を仮想円Cの接線方向に直交するように配置(仮想円C上を移動する第1〜第3検出体32d〜32fの障害とならないように配置)する。
【0041】
上記のような状態で第1,第2位置センサ42a,42bを背面部40bに配置した収納カバー体40に上記画像表示機構30を収納し、取付ベース20の裏面側から取り付けると、第1,第2位置センサ42a,42bによる第1〜第3検出体32d〜32fの検出状態と、遊技盤1の前面から遊技者に見える画像表示面71aの状態は、図9に示すようになる。
【0042】
すなわち、第1,第2位置センサ42a,42bが各々第1,第2検出体32d,32eを検出する状態においては、画像表示面71aは水平(画像表示面71aの長辺がほぼ水平となる基準状態)となり、この基準となる水平状態から画像表示機構30が右回転して第2位置センサ42bが第3検出体32fを検出し第1位置センサ42aは何も検出していない状態においては、画像表示面71aは右90゜回転の垂直状態(画像表示面71aの長辺がほぼ垂直となる状態)となり、また、水平状態から画像表示機構30が左回転して第1位置センサ42aが第3検出体32fを検出し第2位置センサ42bは何も検出していない状態においては、画像表示面71aは左90゜回転の垂直状態(画像表示面71aの長辺がほぼ垂直となる状態)となる(図9参照)。
【0043】
上述したように、支持板32における第1〜第3検出体32d〜32fの配置状態と、収納カバー体40における第1,第2位置センサ42a,42bの配置状態とを設定しておけば、第1,第2位置センサ42a,42bによる第1〜第3検出体32d〜32fの検出状態によって、画像表示面71aの基本的な3つの状態(基準状態たる水平状態、右90゜回転の垂直状態、左90゜回転の垂直状態)適格に判断できるので、第1位置センサ42aおよび第2位置センサ42bによる第1〜第3検出体32d〜32fの検出状況に基づいて駆動モータ50の動作制御を行えば、画像表示面71aの状態制御を容易に行うことができる。
【0044】
なお、本実施形態に係る遊技機の画像表示ユニット71においては、画像表示装置31への信号授受や電源供給を、支持板32の中継基板32gと収納カバー体40の中継基板43とをケーブル(図示省略)接続して中継するものとしたので、ケーブル長の制限から、画像表示機構30を基準状態から左右方向へ各々90゜程度回転させるに止めた。しかしながら、回転結合器等を用いて画像表示機構30における回転角度の制限を無くし、遊技者から見て画像表示面71aが一定方向へ連続回転するような回動制御を可能としても良い。
【0045】
また、第1〜第3検出体32d〜32fの構造と第1,第2位置センサ42a,42bの構造も、上記の例に限定されるものではなく、例えば、静電誘導による非接触位置検出方式を適用しても良いし、検知片等の接触による位置検出方式を適用しても良い。
【0046】
上記のように構成した画像表示ユニット71の画像表示面71aおよびその近傍の面(回転体33の第1,第2大装飾部材収納部33a,33b、第1,第2小装飾部材収納部33c,33d)が臨む窓部72aを構成する前面装飾部材72の凹室11aは、画像表示面71aが基準状態(水平状態)にあっては画像表示面71aとその上下左右四側方の領域が必要十分に見える状態で、且つ、画像表示面71が90゜回転状態(垂直状態)にあっては画像表示面71aの全面が殆ど視認できると共に少なくとも左右2箇所に装飾領域が見える状態となるような開口領域を有するものとした。
【0047】
すなわち、前面カバー体34の表示保護部34bを介して遊技者から見える画像表示面71aが水平状態の時には、その上方に第1大装飾部材収納部33aの下半分程度が、下方に第2大装飾部材収納部33bの上半分程度が、左方に第1小装飾部材収納部33cの全部が、右方に第2小装飾部材収納部33dの全部が、それぞれ凹室11aの奥に見える状態となり(図10(a)参照)、画像表示面71aが90゜回転した垂直状態の時には、画像表示面71aの全部が見えるものの、その上方および下方の第1小装飾部材収納部33cおよび第2小装飾部材収納部33dは隠れて凹室11aの奥に見えない状態となり、また、左方に第1大装飾部材収納部33a(もしくは第2装飾部材収納部33b)の全部が、右方に第2大装飾部材収納部33b(もしくは第1装飾部材収納部33a)の全部が、それぞれ凹室11aの奥に見える状態となる(図10(b)参照)。
【0048】
なお、画像表示ユニット71における画像表示機構30の回動軸32aを中心とする円形状となるように凹室11aの開口領域を設定した場合には、画像表示面71aと装飾領域(第1,第2大装飾部材収納部33a,33b、第1,第2小装飾部材収納部33c,33d)が全て見える状態で、回転に伴いその位置だけ変化して行くこととなる。これに対して、本実施形態に係る遊技機における中央表示装置7の如く、ほぼ水平な上弦部と下弦部で回転体33の装飾領域が一部見えなくなるように凹室11aの開口領域を設定した場合は、回転体33の回転に伴って装飾領域の一部が上下弦部から現れて見えるようになると共に他の一部は上下弦部に隠れて見えなくなるので、画像表示面71aの回動に伴う窓部72aの表示内容(画像表示面71aや装飾領域の見え方)に大きな変化を与えることができ、装飾効果を高めることができる。
【0049】
また、第1,第2大装飾部材収納部33a,33bおよび第1,第2小装飾部材収納部33c,33dに収納された微粒のレジンペレット33e…は、回転体33の回転に伴って重力方向へ移動して行くので、遊技者から見える装飾領域の状態(第1,第2大装飾部材収納部33a,33b、第1,第2小装飾部材収納部33c,33dの見え方や見える位置)が変わるだけでなく、その内部に収納された装飾部材たるレジンペレット33e…の見え方も変わって行くこととなる。
【0050】
このように、回転体33の表示保護部34bに臨む画像表示装置31の画像表示面71aを回動可能とし、回転体33の画像保護部34bを除く装飾領域に装飾部材たるレジンペレット33eを収納する装飾部材収納部(第1,第2大装飾部材収納部33a,33b、第1,第2小装飾部材収納部33c,33d)を形成し、尚且つ、画像表示ユニット71の画像表示面71aおよびその近傍の面(第1,第2大装飾部材収納部33a,33b、第1,第2小装飾部材収納部33c,33d)が窓部72aに臨むように凹室11aの開口形状を設定することで、画像表示面71aの回転による高い演出効果に加え、第1,第2大装飾部材収納部33a,33bおよび第1,第2小装飾部材収納部33c,33dに収納されたレジンペレット33e…も画像表示面71aの回転に伴って窓部72aからの見え方が多様に変化し、中央表示装置7自体の演出効果を一層高めることができる。
【0051】
なお、装飾領域に形成する装飾部材収納部の形状や構造は、上記のものに限らず、装飾領域の分割形状や分割数を適宜に変更して良い。また、装飾部材収納部に収納する装飾部材も、上記のレジンペレット33e…のような固形物のみに限定されない。例えば、第1,第2大装飾部材収納部33a,33bには、識別可能に着色された互いに混ざり合わない液体(第1液52aと第2液52b)を充填した大装飾部用充填体52を(図11(a)参照)、第1,第2小装飾部材収納部33c,33dには、識別可能に着色された互いに混ざり合わない液体(第1液53aと第2液53b)を充填した小装飾部用充填体53を(図11(b)参照)、各々収納すれば、画像表示面71aの回動に応じて大装飾部用充填体52および小装飾部用充填体53の内部で液体の界面が変移し、画像表示面71aの回動動作に伴う装飾効果を一層高めることができる。
【0052】
これら大装飾部用充填体52および小装飾部用充填体53に封入する液体としては、比重の差が大きなものを用いることで、両液体の境界面を明瞭にすることができる。この時、両方の液体を着色しても良いし、一方の液体を着色して他方を透明とし、裏面カバー体34内面の色が透けて見えるようにしても良い。また、大装飾部用充填体52および小装飾部用充填体53に封入する液体を3種類以上として、液体の境界面が2層以上になるようにしても良い。さらに、封入する液体の粘性によって液体界面の揺れの状態を早くしたり遅くしたりできる。
【0053】
なお、上述した回転体33の前面カバー体34においては、第1,第2大装飾部材収納部33a,33bとなる領域に固着用のボス34fを形成したので、大装飾部用充填体52には、ボス34fを通すためのボス用貫通孔52cを設けた。また、これら大装飾部用充填体52や小装飾部用充填体53に、粉状、粒状、或いは、棒状の固形物を入れても良い。斯くすれば、画像表示面71aの回動に応じて、大装飾部用充填体52や小装飾部用充填体53の内部で液体の界面が変移することと併せて、その充填体の内部で固形物も変移してゆくこととなり、画像表示面71aの回動動作に伴う装飾効果を一層高めることができる。
【0054】
さらに、発光源54a…を有する発光部材54(例えば、LED基板)を装飾部材として、第1,第2大装飾部材収納部33a,33bおよび第1,第2小装飾部材収納部33c,33dに収納する様にしても良い。斯くすれば、画像表示面71aの回動に応じて、発光部材54の位置も変位してゆくこととなり、画像表示面71aの回転動作に伴う装飾効果を一層高めることができる。
【0055】
また、装飾部材収納部に収納する装飾部材は一種類に限らず、複数の装飾部材を混在させて収納しても良い。例えば、発光源54a…を有する発光部材54を第1装飾部材とし、また、粉状、粒状、或いは、棒状の固形物を第2装飾部材として、装飾部材収納部に収納すれば、画像表示面71aの回転動作に伴って、第1装飾部材の発光動作による演出効果と、第2装飾部材の変位による演出効果を同時に期せるので、これらの相乗効果により、装飾性の高い中央表示装置7となる。
【0056】
或いは、発光源54a…を有する発光部材54を第1装飾部材とし、識別可能に着色された互いに混ざり合わない液体を充填した充填体(大装飾部用充填体52や小装飾部用充填体53)を第2装飾部材として、装飾部材収納部に収納すれば、画像表示面71aの回転動作に伴って、第1装飾部材の発光動作による演出効果と、第2装飾部材内部の液体界面の変位による演出効果を同時に期せるので、これらの相乗効果により、装飾性の高い中央表示装置7となる。この場合、粉状、粒状、或いは、棒状の固形物を入れた充填体を第2装飾部材としても良い。
【0057】
なお、上述したように発光部材を装飾領域に設ければ、発光部材が回転体33と共に回転することとなるが、発光部材を固定にして、その発光部材からの光(可視光)を透過させる透過部を回転体33の装飾領域に設けるようにしても良い。例えば、収納カバー体40の側面部40bの適所(例えば、画像表示面71aが基準状態における上下左右4箇所の装飾領域に各々対応する部位)に発光部材装着用開口40c…を開設し、各発光部材装着用開口40c…から各々内部に発光源が臨むように発光部材44…を設け、発光部材44…からの光が回転体33の透過部を経て前面側へ透過可能とする。斯くすれば、画像表示面71aの回動に応じて、透過部の位置が変位して発光部材44…からの光の透過状態が変化することとなり、画像表示面71aの回転動作に伴う装飾効果を一層高めることができる。
【0058】
また、発光部材44は、収納カバー体40の背面部40bに設けて、回転体33の装飾領域へ光を照射する様にしても良いが、上記のように収納カバー体40の側面部40aに配設すれば、透過部が形成される装飾領域(回転体33における表示保護部34bの外側の領域)に対応した部位に効率よく光を当てることができる。また、発光部材44…を側面部40aに配設することで、回転体33までの距離を短くできるので、装飾領域の透過部への照射効率を高められるという利点もある。
【0059】
上述した第1実施形態に係る遊技機が備える画像表示ユニット71においては、前面カバー体34と裏面カバー体35によって回転体33を形成することにより、装飾領域に装飾部材収納部を形成して、視覚的な装飾効果を高めて、遊技者に与える興趣を高めるものとしたが、画像表示面71aの周囲の領域(窓部11aから遊技者に見える領域)の利用法は上記の例に限らず、この領域を有効活用して遊技者の興趣を高めることができれば、如何様に用いても構わない。以下に、パチンコ遊技における遊技移行条件(例えば、変動表示ゲームの開始条件)の達成に大きく関与させる機能として、球誘導手段を画像表示面71aの周囲の領域に設けた例を説明する。
【0060】
図14および図15は、第2実施形態に係る遊技機が備える中央表示装置7′の詳細を示すものである。なお、第1実施形態で説明した中央表示装置7と同様の構造・機能については、同一符号を付して説明を省略する。
【0061】
前面装飾部材72を構成するセンターケース11の凹室11aは、画像表示ユニット71における回転体36の前部を収容し得る円筒状空部の上部と下部を膨出させて上壁面および下壁面がほぼ水平となる上弦部と下弦部としたもので、ほぼ水平な上下壁と弧状の左右壁からなる空間形状に設定した。そして、遊技機の前面側から画像表示ユニット71の回転体36が見える窓部72aとなる凹室11aの開口領域は、画像表示面71aが水平状態でも垂直状態でもその全域が視認できると共に、画像表示面71aの周囲の領域には上弦部および下弦部に隠れて見えない部位と隠れずに見える部位が生ずるように設定してある(図14(a),(b)参照)。
【0062】
上記凹室11aのほぼ水平な下壁である床面はステージ部11bとし、遊技領域3より凹室11a内に転動した遊技球の流下速度を遅延させて、再び遊技領域3へ流下させるように、微妙な傾斜角度で前側へ下り傾斜させてある。また、ステージ部11bの中央下方には、遊技盤1を前後に貫通する貫通部11cを形成し、ここを遊技球が通過可能とした(図15(b)参照)。なお、センターケース11の奥から前へ遊技球が自然流下するように、貫通部11cは、奥から前へ向けて微妙に下降傾斜させてあると共に、貫通部11cの前面側開口の直下方に始動入賞口6を位置させ、貫通部11cから遊技領域3へ至った遊技球が始動入賞口6へ入賞する可能性を高めてある(図15(c)参照)。
【0063】
また、鎧部12には、遊技領域3における鎧部12の上流から凹室11a内へ遊技球を誘導するワープ通路13,13を左右両側に各々形成した。このワープ通路13は、遊技領域3を転動してきた遊技球をワープ入口13aから受け入れて凹室11a内へ導くものである。斯くするために、ワープ通路13の下方部(下流部)は遊技球の出口となるワープ出口13bに向けて、後側が手前側よりも若干低くなる誘導用テーパ部13cを形成しておき、ワープ出口13bからワープ通路13を抜けた遊技球が凹室11a内へ落下し易い構造とした(図15(b)参照)。そして、凹室11aのステージ部11b上へ落下した遊技球は、ステージ部11b上を転動して再び遊技領域3へ流下して行くこととなる。
【0064】
上記したワープ通路13,13から凹室11a内へ導かれた遊技球を受け入れて、変動表示ゲーム開始条件となる始動入賞口6への球入賞の可能性を高めるように機能するのが球誘導手段である。この球誘導手段は、球導入部と球貯留部と球導出部とからなるもので、本実施形態においては、回転体36を構成する前面カバー体37と裏面カバー体38の内部空間を利用して形成するものとした。すなわち、取付ベース20のガイド部22に保持される外周部37aを有する前面カバー体37の表示臨設部たる表示保護部37bを除く装飾領域における内部空間に球貯留部を形成し、画像表示面71aが第1状態(例えば、画像表示面71aの長辺がほぼ垂直な垂直状態)の時にワープ通路13,13から凹室11a内へ導かれた遊技球を球導入部が球貯留部へ導入し、画像表示面71aが第2状態(例えば、画像表示面71aの長辺がほぼ水平な水平状態)の時に球導出部が球貯留部から貫通部11cへ遊技球を導出することで、貫通部11cを経て遊技領域3へ至った遊技球が始動入賞口6へ入賞する可能性を高めるのである。
【0065】
ここで、球誘導手段を設ける回転体36について説明する。前面カバー体37は、例えば、透光性の合成樹脂等で形成し、画像表示面71aが臨む位置を透明な表示保護部37bとし、該表示保護部37bの四側部から裏面側に突出する表示ガイド壁37cを設け、この表示ガイド壁37cの開口端部は、画像表示面71aが臨む表示臨設部となる。この表示ガイド壁37cの外側には装飾領域が形成され、この装飾領域の適所には閉じた形状の壁体である球貯留リブ37eを設け、ギア部38aを備える裏面カバー体38によって裏面開口を閉止すると、装飾領域中に、球貯留リブ37eと裏面カバー体38により閉塞空間が形成されることとなる。なお、回転体36は、上述した回転体33と同様に、前面カバー体37に設けたボス37fを介して支持板32に固定されて画像表示機構30となり、収納カバー体40に収納された状態で取付ベース20に装着される。
【0066】
上記のように構成した回転体36において、画像表示面71aの長辺がほぼ垂直になる第1状態の時にワープ通路13のワープ出口13bから出て来た遊技球を受け止め得るように、回転体36bの前面から前側に突出する球受けガイド板36aを設け、この球受けガイド板36aに乗って後方(回転体36bの前面)へ転動してきた遊技球を招じ入れる球導入口36bを回転体36に開設し、この球導入口36bが球貯留リブ37eと裏面カバー体38により形成された閉塞空間に連通させることで、球導入口36bから導入された遊技球を貯留する導入球貯留空部36cが構成される。
【0067】
すなわち、中央表示装置7′においては、球受けガイド板36aと球導入口36bが「画像表示面71aが予め定めた第1状態である時に、ワープ通路13のワープ出口13bから出て来た遊技球を導入可能な球導入部」として機能し、前面カバー体37の球貯留リブ37eと裏面カバー体38により形成される導入球貯留空部36cが「球導入部から導入された遊技球を貯留する球貯留部」として機能する。
【0068】
なお、本実施形態で示す回転体36においては、水平状態(第2状態)の画像表示面71aが右90゜回転した第1状態でも左90゜回転した第1状態でも、左右のワープ通路13,13からの遊技球を導入して貯留できるように、各球導入口36bの両端部(画像表示面が第1状態においては上下端部、第2状態においては左右端部)に各々球受けガイド板36a,36aを設けると共に、球導入口36bの開口形状および開口位置を対称(画像表示面71aの回転心に対して対称)にした。また、球受けガイド板36aを平坦な板状とせず、球導入口36bへ誘導し易いようにガイド手段(ガイド溝や誘導壁など)を設け、画像表示面71aが第1状態の時には、ワープ通路13を通って凹室11a内へ入った遊技球が極めて高い確率で導入球貯留空部36cへ導入されるようにしても良い。
【0069】
さらに、導入球貯留空部36cは、画像表示面71aの回動中心から遠ざかるにつれて空部が狭まる構造とし、その最遠部に球導出口36dを開設し、且つ、画像表示面71aが第2状態に変換された時には、この球導出口36dがステージ部11bの中央下方に設けた貫通部11cの裏面開口と連通するように開口位置および開口形状を設定してある。従って、画像表示面71aが第1状態の時に導入球貯留空部36cに導入された遊技球が貯まっていれば、画像表示面71aが第2状態に変換された時、導入球貯留空部36c内に貯留された遊技球は球導出口36dを介して貫通部11cへ導出されて遊技領域3へ至り、貫通部11cの前面開口の直下方に位置する始動入賞口6へ高い確率で入賞する。
【0070】
すなわち、中央表示装置7′においては、導入球貯留空部36cに開設した球導出口36dが「画像表示面71aが予め定めた第2状態である時に、球貯留部に貯留された遊技球をステージ部下方の貫通部11cへ導出する導出部」として機能する。
【0071】
なお、本実施形態で示す回転体36においては、画像表示面71aが第1状態の時には、どちら側の球誘導手段における導入球貯留空部36cにも遊技球が貯留される可能性があるので、第1状態から右90゜回転した第2状態においても、左90゜回転した第2状態においても、球導出口36dを介して導入球貯留空部36cから貫通部11cへ遊技球が導出されるように、球貯留リブ37eの形状および形成位置を対称(画像表示面71aの回転心に対して対称)にすると共に、球導出口36dの開設位置も対称とした。
【0072】
このように、回転体36の装飾領域に設けた球誘導手段の球導入部が、画像表示面71aが第1状態である時にワープ通路13のワープ出口13bから出て来た遊技球を導入し、この球導入部から導入された遊技球を球貯留部に貯留し、画像表示面71aが第2状態である時に球貯留部に貯留された遊技球を導出部からステージ部11b下方の貫通部11cへ導出すれば、画像表示面71aが第1状態の時に球誘導手段が貯留した遊技球は、画像表示面71aが回動されて第2状態に変換した時に貫通部へ導出されて、再び遊技領域3へ排出されることとなり、画像表示面71aの回動に連動させて、ワープ通路13から凹室11a内へ誘導された遊技球を貯留可能な状態としたり、貯留した遊技球を遊技領域3へ再び導出することができ、画像表示面71aの回動による演出効果と併せて、遊技球の流下経路を多様に変化させて、興趣を一層高めることができる。
【0073】
加えて、本実施形態における中央表示装置7′の如く、球誘導手段の導出部から遊技球が導出される貫通部11cの開口位置を、特別な入賞口である始動入賞口6の直上方に設定しておくと、普通変動入賞装置8の可動片8a,8aが直立して遊技球を受け入れ難い閉状態である場合にも、貫通部11cから遊技領域3へ戻った遊技球が高い確率で始動入賞口6へ入賞することとなるので、中央表示装置7′における画像表示面71aの回動動作と始動入賞口6への入賞状態を連動させることができ、単なる装飾演出に止まらない、興趣の高い遊技性を持たせることが可能となる。
【0074】
なお、本実施形態においては、前面カバー体37と裏面カバー体38の別部材から構成した回転体36の内部空間を利用して球誘導手段を構成するものとしたが、これに限らず、例えば、回転体とは別部材からなる収納ケースを取り付けて球誘導手段の球貯留部としても良い。また、上述した球誘導手段の例では、画像表示面71aの長辺が垂直方向になる第1状態で遊技球を貯留可能とし、画像表示面71aの長辺が水平方向になる第2状態で貯留した遊技球を開放する構造としたが、画像表示面71aの回動状態に応じて、遊技球の流下経路を変換可能な構造であれば、如何様に構成しても構わない。例えば、画像表示面71aが第1状態の時にのみ、ワープ通路13から遊技球を受け入れて、これをステージ部11b下方の貫通部11cへ導く誘導路を以て球誘導手段としても良い。
【0075】
次に、上記のような中央表示装置7もしくは7′を備える遊技機の諸制御を行う遊技機制御部の詳細につき説明する。本実施形態に係る遊技機の遊技機制御部は、例えば、遊技制御装置60,排出制御装置61,画像表示制御装置73,装飾制御装置62,音制御装置63の装置群からなる。
【0076】
先ず、遊技制御装置60は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を有する遊技用マイコン60a、入力インターフェース60b、出力インターフェース60c、動作用クロック信号を生成して遊技用マイコン60aに供給する発振器60d、などを備えている。
【0077】
上記遊技制御装置60は、始動入賞口への入賞球を検出する特図始動センサ6a,通過チャッカ9の通過球を検出する普図始動センサ9a,大入賞口たる変動入賞装置10内の継続入賞口への入賞球を検出する継続センサ10b,変動入賞装置10内の一般入賞口への入賞球を検出するカウントセンサ10c,各入賞口4…に各々設けられて入賞球を検出する各入賞口センサ4a…からの検出信号が入力インターフェース60bを介して入力されると、これらの検出信号に基づいて遊技用マイコン60aが出力インターフェース60cを介して、普通変動表示ゲームを行うための普通図柄表示器8b,普通変動遊技を行うための普通変動入賞装置8の駆動源たる普電用ソレノイド8c,変動表示ゲームや各種の演出動作の実行制御を行う画像表示制御装置73,特別遊技を行うための変動入賞装置10の駆動源たる大入賞口用ソレノイド10d等へ信号を送り、種々の条件に応じた遊技が行われるように制御する。
【0078】
なお、各種入賞口への球入賞に基づく賞球を遊技者に付与するために、上記遊技制御装置60から排出制御装置61へ賞球情報(入賞数や入賞種別などの情報)の信号を送り、これに基づいて排出制御装置61が球排出装置(図示省略)を制御して、遊技機の球供給皿等へ所定数の賞球を排出する。また、遊技機において遊技者に払い出した賞球数や遊技結果(大当りの発生やその図柄)等の情報は、外部出力端子55から遊技機外へ出力され、当該遊技店の管理コンピュータ等で収集・管理される。
【0079】
画像表示制御装置73は、遊技制御装置60からの指令(表示制御コマンド)に基づいて、画像表示装置31に、識別情報(例えば、図柄としての数字、記号など)による変動表示ゲーム(識別情報を変動表示し、その停止態様の組み合わせにより特別遊技の発生を決めるゲーム)、及び、変動表示ゲームの過程で発生するリーチ状態のリーチ演出の表示、各種情報表示、特別遊技状態中の演出表示など、遊技中の演出動作を制御するものである。
【0080】
この画像表示制御装置73は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、DMAC(Direct Memory Access Controller)、CPUクロック等を生成する発振器73a、VDC(Video Digital Controller)、フォントROM、VDCの電気信号(入力信号)を光信号(出力信号)に変換させる際のγ補正を行うγ補正回路73b、入出力インターフェース73cなどを備えている。
【0081】
このうち、CPUは、その内部に制御部、演算部、各種カウンタ、各種レジスタなどを備えており、遊技制御装置60と入出力インターフェース73cを介して接続され、該遊技制御装置60の制御下で画像表示装置31の制御を行っている。その制御データは発振器73aからのクロック(パルス信号)に同期させてVDCに送られる。
【0082】
ROMには、画像表示装置31の表示制御を行うための表示制御プログラム(変動表示ゲームの演出表示に関する表示制御プログラムを含む)や表示制御データ(変動コマンドに対応して選択される変動パターンのデータ)、装飾制御装置62への装飾制御データ(例えば、画像表示ユニット70に設けた発光部材54,44や遊技盤1に設けたサイドランプなどの各種装飾ランプ・LEDの点滅・点灯制御を行うためのデータ)、音制御装置63への音制御データ(遊技状態に応じて出力させる効果音などを指示するデータ)等が書き込まれている。
【0083】
RAMは、各種データを一時的に記憶する記憶領域やCPUの作業領域などを備えている。
【0084】
DMACは、遊技制御装置60からの表示制御情報に対し、CPUとのアクセスなしで直接各メモリーやVDC等の間で表示制御データのやり取りを行っている。
【0085】
フォントROMには、変動表示ゲーム用の識別情報の表示データ、キャラクタ画像の表示データ、背景画像の表示データ、遊技内容を説明する文字の表示データなどが書き込まれている。
【0086】
VDCは、図示は省略するが、スプライトRAM、パレットRAM、V−RAM等を内部に備えるもので、CPUからの指令信号を受けて、フォントROMから識別情報や、キャラクタ、背景画像等の表示データを取り出して編集し、その指令信号に含まれる配色データに基づいて、その編集した画像データに対し配色の指定をパレットRAMで行い、次いでスプライトRAMにて識別情報、キャラクタ等の画像編集を行い、この編集された画像データ信号はγ補正回路73bで補正され、垂直同期信号(V_SYNC)および水平同期信号(H_SYNC)と同期させて画像表示装置31へ送信する。これで、画像表示装置31に所望の画像が表示されるのである。
【0087】
上記のように、画像表示装置73は、遊技制御装置60の制御の元で、画像表示装置31への表示制御と併せて、装飾制御装置62によるランプ・LEDの制御および音制御装置63による効果音等の制御を行うものとしたので、遊技制御装置60が装飾制御装置62や音制御装置63を直接制御してランプ・LED制御や効果音等の制御を行うよりも、画像表示装置31の表示制御に同期したランプ・LEDや効果音の制御が行ない易くなる。
【0088】
さらに、画像表示制御装置73は、入出力インターフェース73cを介して、第1,第2位置センサ42a,42bからの検出信号が入力されると共に、駆動モータ50(例えば、パルスモータ)へ駆動信号を出力するもので、第1,第2位置センサ42a,42bによる第1〜第3検出体32d〜32fの検出状態から画像表示面71aの状態(水平状態もしくは垂直状態)を把握できると共に、遊技制御装置60からの表示制御コマンドに含まれる回動情報に基づき駆動モータ50の駆動制御を行って、画像表示面71aを回転させる。
【0089】
このように、画像表示装置31に対する表示制御を行う画像表示制御装置73は、画像表示ユニット71における画像表示面71aの回動制御を行う共に、その状態把握が可能な構成としたので、画像表示面71aの回動制御と同期させて、画像表示装置31に送出する画像表示信号を変えて行くことにより、画像表示面71aに表示される表示画像の変わって行く様と画像表示面71aの回転して行く様を関連付けた、高度な演出動作を実現できる。
【0090】
例えば、図17に示すように、水平状態にある画像表示面71aに表示されている回転表示領域56(変動表示ゲーム用の識別情報群からなる表示領域)が、遊技機の前面から窓部72aを見る遊技者にとって、標準表示状態(例えば、識別情報や絵柄などが普通に見える状態)を保持したまま、画像表示面71aが右回り(もしくは左回り)に90゜回転して垂直状態になるように、画像表示装置31を制御する。例えば、停止した2つの識別情報が同じ図柄で揃ったリーチ状態において、残る一つの図柄を変動表示させたままの回転表示領域56が標準表示状態を保つようにして、画像表示面71aを回転させて行くと、インパクトの強いリーチ演出を実現できる。また、画像表示面71aの回転に応じた画像の生成には公知既存の手法を適宜利用すれば良い。
【0091】
上述した演出動作を行う場合、先ず、画像表示制御装置73は、第1位置センサ42aと第2位置センサ42bが第1検出体32dと第2検出体32eを各々検出していることによって把握できる水平状態(長辺が水平方向にある状態)の画像表示面71aに、回転表示領域56が標準表示状態に見える表示信号を画像表示装置31に送信しておく(図17(a)参照)。
【0092】
次いで、画像表示制御装置73は、画像表示面71aを右回転させるように駆動モータ50へ右回転の駆動信号を出力すると共に、駆動モータ50の駆動時間に応じた画像表示面71aの回転角度だけ回転表示領域56を左回転させた表示内容とするように画像表示装置31へ表示信号を送る。これにより、遊技者が窓部72aから画像表示面71aを見ると、画像表示面71aの回転と逆向きに同じ角度だけ回転表示領域56が回転していることから、見かけ上、回転表示領域56は標準表示状態を保持する(図17(b)参照)。
【0093】
そして、駆動モータ50の駆動開始から所定時間が経過すると、画像表示面71aが右90゜回転した状態となり、第2位置センサ42bが第3検出体32fを検出すると、画像表示制御装置73は駆動モータ50の駆動を停止させる。この時、回転表示領域56が左90゜回転した状態に見える表示信号が画像表示制御装置73から画像表示装置31へ送信されているので、右90゜回転して垂直状態となった画像表示面71aを窓部72aから見た遊技者には、回転表示領域56が標準表示状態に見えるのである(図17(c)参照)。
【0094】
また、図17に示す演出動作例においては、画像表示面71aの回転と同期させた回転表示領域56の回転表示制御と併せて、回転表示領域56の縮小制御も行うものとした。すなわち、水平状態の画像表示面71aの横幅一杯に広がった回転表示領域56が、右90゜回転後に垂直状態となった画像表示面71aの横幅内に収まるように、回転表示領域56を回転させる角度に応じて適宜定めた縮率で回転表示領域56全体を縮小してゆくのである。さらに、垂直状態になった画像表示面71aの空き領域(例えば、回転表示領域56の下方)には、付加キャラクタ57を出現させることで、画像表示面71aの回転に伴う演出効果を一層高めるものとした。
【0095】
なお、画像表示面71aが水平状態から垂直状態に変換するのに要するものとして予め定めた動作時間のみで回転表示領域の56の回転表示制御を行った場合、駆動モータ50の劣化等に起因して画像表示面71aの回転速度が変化してしまうと、回転表示領域56を回転表示させた角度と、実際の画像表示面71aの回転角度とに誤差が生じ、回転表示領域56が見かけ上の標準状態を維持できなくなってしまう可能性がある。このような事態を防止するために、例えば、電源投入による遊技機の起動時に駆動モータ50を動作させて画像表示面71aの90゜回転に要する時間のプリセット値を更新したり、より細かい角度毎(例えば、15゜毎)に画像表示面71aの回動状態を検出できるようにしておき、その検出角度毎に回転表示領域56を回転表示させる角度の誤差を修正するような回転表示制御を行っても良い。
【0096】
以上本発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態は全て例示であって、開示された技術に限定されるものではないと考えるべきである。すなわち、本発明の技術的な範囲は、上記の実施形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものではなく、あくまでも特許請求の範囲の記載に従って解釈すべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲内での全ての変更が含まれる。
【0097】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る遊技機によれば、画像表示機構を有する画像表示ユニットを備えることで、回転体の表示臨設部に臨む画像表示装置の画像表示面を回動可能とし、尚且つ、画像表示制御装置は、駆動源の駆動制御を行って画像表示面が回動するように制御を行い、画像表示面が予め定めた基準状態であるときの表示領域に表示した表示内容が標準表示状態を保持するように、駆動源の駆動時間に応じた画像表示面の回動量に基づいて、画像表示面が基準状態から回動した回動量を相殺するように表示内容を逆向きに同じ角度回動させて回動させた表示内容を画像表示面に表示し、四角形状の画像表示面が基準状態から回動して傾いても、画像表示面の表示領域の表示内容が標準表示状態を保持するようにしたので、簡易な制御で標準表示状態の保持が可能となり、画像表示面の回転による高い演出効果に加え、インパクトの強い演出を実現でき、画像表示ユニット自体の演出効果を一層高めることができる。
【0098】
また、請求項2に係る遊技機によれば、画像表示制御装置は、遊技機の起動時に駆動源を動作させて、画像表示面の回動に要する時間のプリセット値を更新するようにしたので、画像表示面が基準状態から回動した回動量と、表示内容の回動量とに誤差が生じて、表示領域の表示内容が標準表示状態を保持できなくなってしまうような事態を防止できる。
【0099】
また、請求項3に係る遊技機によれば、回転体の表示臨設部を除く画像表示面の周囲の領域の適所に設けた球誘導手段の球導入部が、画像表示面が第1状態である時にワープ通路の出口から出て来た遊技球を導入し、この球導入部から導入された遊技球を球貯留部に貯留し、この球貯留部に貯留された遊技球を画像表示面の回動に伴って移送し、画像表示面が第2状態に変換した時に球貯留部に貯留されている遊技球が導出部より貫通部へ導出され、ステージ部下方の貫通部から再び遊技領域へ排出され得るようにしたので、画像表示面の回動に伴う状態変換動作に連動させて、ワープ通路から凹室内へ誘導された遊技球を球誘導手段の球貯留部へ貯留可能な状態としたり、球誘導手段の球貯留部に貯留した遊技球を遊技領域へ再び戻したりすることができ、画像表示面の回動による演出効果と併せて、遊技球の流下経路を多様に変化させて、興趣を一層高めることができる。
【0100】
なお、球誘導手段の導出部から遊技球が導出される貫通部の開口位置を、特別な入賞口(例えば、球入賞が変動表示ゲームの開始条件となる始動入賞口)の直上方に設定しておくと、貫通部から遊技領域へ戻った遊技球が高い確率でその入賞口へ入賞することとなるので、中央表示装置における画像表示面の回動動作と特別な入賞口への入賞状態を連動させることができ、単なる装飾演出に止まらない、興趣の高い遊技性を持たせることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態に係る遊技機が備える遊技盤の正面図である。
【図2】 遊技盤の裏面図である。
【図3】 中央表示装置における画像表示ユニットの分解斜視図である。
【図4】 収納カバー体を外した画像表示ユニットの裏面図である。
【図5】 取付ベースにおける回転体保持部の拡大斜視図である。
【図6】 (a)回転体の分解斜視図である。
(b)回転体の裏面側斜視図である。
【図7】 装飾部材収納部に装飾部材を収納した回転体の正面図である。
【図8】 収納カバー体の正面図である。
【図9】 遊技者から見える画面状態と、回転体の位置検出用センサの検出状態との対応関係説明図である。
【図10】 (a)画像表示面を水平状態とした中央表示装置の正面図である。
(b)画像表示面を垂直状態とした中央表示装置の正面図である。
【図11】 回転体の収納部に収納する充填体の正面図である。
【図12】 回転体の収納部に発光部材を収納した中央表示装置の正面図である。
【図13】 発光部材を側面部に設けた収納カバー体の裏面側斜視図である。
【図14】 (a)球誘導手段を設けた回転体を第1状態とした中央表示装置の正面図である。
(b)球誘導手段を設けた回転体を第2状態とした中央表示装置の正面図である。
【図15】 球誘導手段への球導入動作と球誘導手段からの球排出動作の説明図である。
【図16】 遊技機制御部のブロック図である。
【図17】 画像表示面の右90゜回転に伴う表示例を示す画面イメージ図である。
【符号の説明】
1 遊技盤
3 遊技領域
7 中央表示装置
71 画像表示ユニット
71a 画像表示面
72 前面装飾部材
72a 窓部
11 センターケース
11a 凹室
30 画像表示機構
33 回転体
33a 第1大装飾部
33b 第2大装飾部
33c 第1小装飾部
33d 第2小装飾部
33e レジンペレット(装飾部材)
Claims (3)
- 遊技盤前面側の遊技領域に配設される前面装飾部材と、該前面装飾部材の窓部から画像表示面及びその近傍の面が臨む画像表示ユニットとからなる中央表示装置を備えた遊技機において、
前記画像表示ユニットは、
前記窓部に対応するように開口部が開設された取付ベースと、
前記取付ベースに配設されると共に、前記画像表示面を回動可能な画像表示機構を収納する収納カバー体と、
前記収納カバー体の裏面に配設されると共に、演出動作の実行制御を行う画像表示制御装置と、
を備え、
前記画像表示機構は、
前記画像表示制御装置に制御されると共に、四角形状の画像表示面を構成する画像表示装置と、
前記画像表示装置を前面に配設すると共に、前記収納カバー体内面の軸受部に軸支される回動軸を裏面に突設した支持板と、
前記画像表示装置の前面側から前記支持板に取付られると共に、前記画像表示面が臨む表示臨設部を有する回転体と、
を備え、
前記回転体は、
前記取付ベースの開口部周縁適所に設けられたガイド部によって回動軸の回動に従って滑動するように保持される外周部を有する前面カバー体と、
前記取付ベースに配設された駆動源により駆動する駆動ギアと噛合して当該回転体を回動するための歯を有する円環状のギア部を、前記前面カバー体の外周部より内側周部に設けた裏面カバー体と、
から構成することで、前記駆動源の動作により前記窓部から臨む画像表示面を回動可能とし、
前記画像表示制御装置は、
前記駆動源の駆動制御を行って前記画像表示面が回動するように制御を行い、
前記画像表示面が予め定めた基準状態であるときの表示領域に表示した表示内容が標準表示状態を保持するように、前記駆動源の駆動時間に応じた前記画像表示面の回動量に基づいて、前記画像表示面が基準状態から回動した回動量を相殺するように表示内容を逆向きに同じ角度回動させて前記画像表示面に表示し、
前記四角形状の画像表示面が基準状態から回動して傾いても、該画像表示面の表示領域の表示内容が前記標準表示状態を保持するようにしたことを特徴とする遊技機。 - 前記画像表示制御装置は、当該遊技機の起動時に前記駆動源を動作させて、前記画像表示面の回動に要する時間のプリセット値を更新するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
- 前記前面装飾部材は、
前記画像表示面が回動した際にも当該画像表示面の主要部が臨み得る所要形状の窓部となるように遊技盤を前後に貫通する開口領域を凹室として備える枠体構造のセンターケースと、
前記センターケースの凹室上方から側方にかけて前方に突設される鎧部と、
を備え、
前記センターケースの凹室の下部底面は、遊技領域より転動した遊技球の流下速度を遅延させるステージ部とし、
前記鎧部には、当該鎧部上流から前記凹室内へ遊技球を誘導するワープ通路を形成し、
前記ステージ部の下方には、遊技盤を前後に貫通し、遊技球が通過可能な貫通部を形成 し、
前記回転体の表示臨設部を除く前記画像表示面の周囲の領域の適所には球誘導手段を設け、
前記球誘導手段は、
前記画像表示面が予め定めた第1状態である時に、前記ワープ通路の出口から出て来た遊技球を導入可能な球導入部と、
前記球導入部から導入された遊技球を貯留する球貯留部と、
前記画像表示面が予め定めた第2状態である時に、前記球貯留部に貯留された遊技球をステージ部下方の貫通部へ導出する導出部と、
を備え、
前記画像表示面が第1状態の時に前記球誘導手段の球貯留部に貯留した遊技球を、該画像表示面の回動に伴って移送し、前記画像表示面が第2状態に変換した時に前記球誘導手段の球貯留部に貯留されている遊技球が前記導出部より貫通部へ導出されて、再び遊技領域へ排出され得るようにしたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
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