JP4222742B2 - 移動体無線端末 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動体無線端末に関し、詳細には、マナーモードを設定すべきかどうかを自動的に判断する移動体無線端末に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、PHS(Personal Handyphone System)、携帯電話やポケットベルの普及により、市街や公共の場でこれらの通信端末装置を使用する機会が増えている。それに伴い、電車内や病院、映画館/劇場などで、これらの呼び出し音、キー操作音などが周囲の人々に不快感を与える事、電磁波障害で電子機器が誤動作を起こす事等の問題も増加しており、社会問題になっている。
これらの対応策として、公共の施設などで、移動体無線端末の発信、着信動作を起こさせないように設定するマナーモードをバイブレーション等によって実現している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このマナーモードの設定は、使用者の意志や使用者のモラルに任されており、使用者がこの設定を忘れたり、故意に設定しなかったりすることは否めない。
この移動体無線端末の使用を自粛させる手段として、実用新案登録第3059934号公報がある。本考案によると、各種医療機関の病室や待合室、コンサートホール、映画館、会議場、電車内等の予期せぬ事故や迷惑等を招くような場所に音声警告装置を設置しておき、この音声警告装置は、移動体無線端末の発着信電波、待機中の発生電波を検出し、この各種電波の受信時にその移動体無線端末の使用の自粛を促す音声メッセージを出力するようにしている。
また、特開2000−50353公報によると、携帯電話機がユーザによってマナーモードの指示を受けた場合、現在基地局から送信されている制御情報を間欠受信して、その制御情報に含まれる基地局識別番号を記憶し、受信される制御情報中の基地局識別番号と記憶された基地局識別番号とが一致するか否かを判定し、一致する場合にはマナーモードを設定し、一致しないときにはマナーモードを解除している。
また、特開2000−188781公報によると、移動体無線端末のサービスエリアを無数の無線ゾーンに分割し、そのゾーンごとに識別子を割り振った基地局を設置しておき、移動体無線端末はマナーモード設定ゾーンと通話可能なゾーンの識別子を記憶しておき、その移動体無線端末が認識した識別子に該当する動作モードに設定するようにする。
また、特許第3012629号公報によると、あらかじめユーザの操作により携帯電話端末にマナーモード設定用と解除用の基地局番号を記憶させておき、携帯電話端末は、基地局から報知された基地局番号がそれらと一致するか比較することによって、マナーモード設定および解除を自動的に行い、マナーモード設定中には着信があったとき、着信報知音を鳴らさず、マナーモード中でありユーザ(着信者)が自身で着信応答できない旨のメッセージを発信者へ伝えるようにしている。
しかしながら、上述した従来技術では、基地局を設置するためのコストがかかったり、携帯電話機等に膨大な基地局番号を予め入力しておかなれればならない等、フレキシブルに対応できないという問題がある。
本発明の目的は、上述の問題を解決するために、電車、映画館、劇場内で「ポケットベル、携帯電話の電源をお切り下さい」等のアナウンスが流されていることを利用して、このような端末利用者の周辺環境の音声を認識し、移動体端末を使用しても良環境であるかを自動的に判定し、使用者に伝達したりあるいはマナーモードに設定したり、自動的に電源を切断する移動体無線端末を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の問題を解決するために、本発明の請求項1の移動体無線端末は、複数の動作モードを有する移動体無線端末において、周辺環境の音声を入力するためのマイクロフォンと、この入力された音声を音響的パラメータに分析する音声分析部と、前記端末を使用してよい環境かどうかを判定するための複数の語彙に対するパターンを予め記憶した認識語彙辞書と、前記音声分析部から得た入力音声に対するパターンと前記認識語彙辞書に記憶されている複数のパターンとを比較して、類似度の高い語彙があれば該当する文字列に変換して出力する音声認識部と、該出力された文字列をもとに、前記端末を使用してはいけないかどうかを判定する判定部と、前記判定部で使用してはいけないと判定された場合に、使用者への警告、あるいは、自動的にマナーモードまたは電源を切断するといういずれかのモードを予め設定する動作モード選択部とを備え、前記判定部は、前記音声認識部で認識された文字列中に2つ以上のキーワードを見つけると、前記端末を使用してはいけないと判定し、前記動作モード選択部で予め設定した動作モードを実行する。
【0005】
また、本発明の請求項2は、請求項1に記載の移動体無線端末において、前記端末を使用してはいけないと判断するための語彙を使用者が登録する認識語彙登録部を設け、利用者の所望する語彙を登録することによってより正確な判定ができるようにした。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を用いて本発明の実施例の構成および動作を詳細に述べる。
<実施例1>
図1は、本発明の一実施例である実施例1を示す移動体無線端末のブロック図である。
本実施例1は、移動体無線端末の周辺環境の音声を取り込み、その音声を認識し、その端末を使用しても良環境であるか自動的に判定し、使用してはいけない場合、使用者にバイブレーション等の機能を用いて警告をするものである。
このために、図1の移動体無線端末は、マイクロフォン(以下、マイクと略す)1、切り替えスイッチ2、音声分析部3、音声符号化部4、音声認識部5、認識語彙辞書6、判定部7、スピーカ8、音声復号化部9、データ送受信部10、アンテナ11、表示パネル12、振動部13、表示制御部14とから構成される。
先ず、移動体無線端末が通話時には、マイク1から取り込んだ音声を切り替えスイッチ2を経て、入力された音声を音声符号化部4にて符号化し、データ送受信部10によってアンテナ11から基地局へ送信する。また、基地局から送られてきたデータは、アンテナ11で受信し、データ送受信部10を経て、音声復号化部9で送られてきた音声符号データを音声に変換し、スピーカ8へ出力することによって使用者に伝わる。
一方、移動体無線端末で通話していないときには、マイク1により入力された周辺環境の音声は切り替えスイッチ2を経て、音声分析部3に送られ、パラメータ列(例えばケプストラム、パワー等の係数)に変換され、音声認識部5で認識対象となる語彙があらかじめ登録されている認識語彙辞書6と比較された後、類似度の高い語彙があればその文字列に変換して判定部7に送る。
上述の認識語彙辞書6には、例えば、「携帯電話」、「電源」、「お切り」、「心臓ペースメーカー」等の語彙に対するパラメータ列と、その語彙に対応する文字コード列とを記憶させておく。
次に、判定部7では、この音声認識部5で認識された文字列中に「携帯電話」、「電源」、「お切り」、「心臓ペースメーカー」等のキーワードがないかチェックし、2つ以上当てはまれば、移動体無線端末を使用してはいけない環境であると判定する。
この判定結果、使用してはいけないと判定されたとき、振動部13で移動体無線端末をバーブレーションさせて使用者へ注意を喚起する。さらに、表示制御部14を介して使用者に移動体無線端末を使用してはいけない環境であるというメッセージを表示パネル12へ表示させて警告する。
これにより、使用者はその環境では移動体無線端末を使用してはいけないと悟り、マナーモードに設定するように仕向けることができる。
【0007】
<実施例2>
図2は、本発明の実施例2を示す移動体無線端末のブロック図である。
図2において、実施例1と同様な動作を行う部分には、実施例1と同一番号を付し、その動作の説明を省略する。
本実施例2は、移動体無線端末の周辺環境の音声を取り込み、その音声を認識し、その端末を使用しても良環境であるか自動的に判定し、使用してはいけない場合、自動的にマナーモードに設定してしまうものである。
先ず、通話時でない場合、実施例1と同様にして、端末の周辺環境から取り込まれた音声が判定部7によって使用してはいけないと判定されたとき、表示制御部13を介して表示パネル12にマナーモード中であることを表示すると共に、データ送受信部10を制御して発着信を行えないように制御させる。
これにより、使用者の手を煩わせることなくマナーモードに設定することができる。
【0008】
<実施例3>
図3は、本発明の実施例3を示す移動体無線端末のブロック図である。
図3において、実施例1と同様な動作を行う部分には、実施例1と同一番号を付し、その動作の説明を省略する。図3において、15は電源制御部である。
本実施例3は、移動体無線端末の周辺環境の音声を取り込み、その音声を認識し、その端末を使用しても良環境であるか自動的に判定し、使用してはいけない場合、自動的に電源を切断するものである。
先ず、通話時でない場合、実施例1と同様にして、端末の周辺環境から取り込まれた音声が判定部7によって使用してはいけないと判定されたとき、電源制御部15に端末の電源を切る命令を出して、その端末の使用できなくするものである。
これにより、マナーモードでも微弱に発生していた電磁波を完全に消失させることが可能となる。
【0009】
<実施例4>
図4は、本発明の実施例4を示す移動体無線端末のブロック図である。
図4において、実施例1と同様な動作を行う部分には、実施例1と同一番号を付し、その動作の説明を省略する。図4において、16は動作制御スイッチ、17は動作モード選択部である。
実施例4は、移動体無線端末の使用者が実施例1乃至実施例3の警告、マナーモードあるいは電源切断のうちいずれにするかをあらかじめ選択し、設定することができる。
例えば、移動体無線端末の使用者があらかじめその端末の動作モード選択ボタンを押下することにより、動作モード選択部17を起動し、表示パネル12に3種類のメッセージ「警告」、「マナーモード」あるいは「電源切断」を表示する。この中から使用者はいずれかを選択すると、その選択に合うように動作制御スイッチ16を設定する。
設定した後、移動体無線端末はマイク1から周辺環境の音声を取り込み、その取り込んだ音声が判定部7で移動体無線端末を使用しても良環境であるかどうかを判定し、使用してはいけないと判断されたときには、動作制御スイッチ16のスイッチの状態によって、振動部13、表示制御部14または電源制御部15のいずれかを動作させる。
これにより、使用者の置かれている状態に適した動作が可能となる。
上記した実施例1乃至実施例4では、移動体無線端末を使用してもよい環境かどうかを判断するための語彙を認識語彙辞書6へあらかじめ登録しておかなければならない。この認識対象となる語彙を端末の使用者が設定できるようにした。
例えば、その端末から語彙登録用のボタンを押下することにより、認識語彙登録部18を起動させ、マイク1からその登録したい語彙を発声し、その語彙の文字列を表示パネル12やキーボードから入力することにより認識語彙辞書6に登録する。
これにより、より正確に移動体無線端末を使用してよいかを判定できるようになる。
【0010】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、移動体無線端末の周辺環境の音声を認識し、その端末を使用して良いかを端末自身が判定することにより、より低コストで、使用者にマナーモードを促すことができる。
さらに、使用者の手を煩わすことなくマナーモードを設定することができる。さらに、マナーモードでも微弱に発生していた電磁波を電源切断により完全に消失させることができる。
さらに、使用者の好み、また、使用者の置かれた状況に応じて警告、マナーモード、電源切断等の動作を使い分けることができるので、よりフレキシブルに富んだ端末を提供できる。
また、認識対象となる語彙を使用者が変更できるので、使用者の環境に合わせた音声認識を行え、より正確な判定が行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の機能構成を示すブロック図である。
【図2】実施例2の機能構成を示すブロック図である。
【図3】実施例3の機能構成を示すブロック図である。
【図4】実施例4の機能構成を示すブロック図である。
【図5】実施例5の認識語彙登録部の機能構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 マイクロフォン(マイク)
2 切り替えスイッチ
3 音声分析部
4 音声符号化部
5 音声認識部
6 認識語彙辞書
7 判定部
8 スピーカ
9 音声復号化部
10 データ送受信部
12 表示パネル
13 振動部(バイブレーション機能)
14 表示制御部
15 電源制御部
16 動作制御スイッチ
17 動作モード選択部
18 認識語彙登録部
Claims (2)
- 複数の動作モードを有する移動体無線端末において、周辺環境の音声を入力するためのマイクロフォンと、この入力された音声を音響的パラメータに分析する音声分析部と、前記端末を使用してよい環境かどうかを判定するための複数の語彙に対するパターンを予め記憶した認識語彙辞書と、前記音声分析部から得た入力音声に対するパターンと前記認識語彙辞書に記憶されている複数のパターンとを比較して、類似度の高い語彙があれば該当する文字列に変換して出力する音声認識部と、該出力された文字列をもとに、前記端末を使用してはいけないかどうかを判定する判定部と、前記判定部で使用してはいけないと判定された場合に、使用者への警告、あるいは、自動的にマナーモードまたは電源を切断するといういずれかのモードを予め設定する動作モード選択部とを備え、前記判定部は、前記音声認識部で認識された文字列中に2つ以上のキーワードを見つけると、前記端末を使用してはいけないと判定し、前記動作モード選択部で予め設定した動作モードを実行することを特徴とする移動体無線端末。
- 請求項1に記載の移動体無線端末において、前記端末を使用してはいけないと判断するための語彙を使用者が登録する認識語彙登録部を設け、利用者の所望する語彙を登録することによってより正確な判定ができるようにしたことを特徴とする移動体無線端末。
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