JP4222563B2 - 弾球遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、パチンコ遊技機等に代表される弾球遊技機に関する。
従来、遊技領域に発射された遊技球の挙動による判定条件の成立に起因して遊技の当たり外れを当否判定手段で判定し、判定結果が当たりになったことに起因して、遊技領域上の可変入球装置を遊技球の入球し難いあるいは入球不可能な第1状態から入球し易い第2状態に開放する構成の弾球遊技機がある。さらに、前記当たりには、小当たりと大当たりが設けられると共に、小当たりや大当たりになった場合に所定条件を満たすことによって、遊技上の特典(例えば、当たりになる確率増大や、当たり外れの判定機会増大)を付与する特典遊技状態となるように構成された弾球遊技機がある。
しかし、前記特典遊技状態を有する従来の弾球遊技機にあっては、小当たりや大当たりを経由して特典遊技状態が発生することが遊技者に容易に判明し、遊技の意外性に乏しく、小当たりや大当たり以外の遊技時における特典に対する期待感に欠けるものであった。しかも、遊技者は、常に遊技の意外性や、特典に対する期待感の優れた遊技機を求める傾向にある。
特開2003−159419号公報
本発明は、前記の点に鑑みなされたものであって、小当たりを起因として特典遊技状態が発生する構成にすると共に、小当たりになったことを遊技者に認識され難くし、あたかも突然に特典が付与されたかのように演出する構成とすることにより、遊技の意外性と特典に対する期待感を常時遊技者に持たせることのできる遊技機の提供を目的とする。
請求項1の発明は、遊技球を遊技領域に発射する発射手段と、前記遊技領域における遊技球の挙動による判定条件の成立に起因して遊技の当たり外れを判定する当否判定手段と、前記当否判定手段による判定結果を複数の図柄の組合せからなる判定図柄で表示する図柄表示手段と、前記遊技領域に発射された遊技球が入球し難いあるいは入球不可能な第1状態と入球し易い第2状態に変化可能な可変入球装置と、前記可変入球装置への遊技球の入球に応じて賞品球を払い出す払出手段と、前記判定結果が当たりであったことに起因して前記可変入球装置を前記第1状態から前記第2状態にする開放とその後に前記第2状態から前記第1状態にする閉鎖を所定回数実行する当たり時開放制御手段と、を備えた弾球遊技機において、前記判定結果が外れとなり、前記図柄表示手段によって外れの判定結果が前記判定図柄で表示される毎に、前記可変入球装置の前記開放と前記閉鎖を所定回数実行する外れ時開放制御手段と、前記外れ時開放制御手段により前記可変入球装置が前記第2状態とされている時には前記可変入球装置への遊技球の入球を阻止する一方、前記当たり時開放制御手段により前記可変入球装置が前記第2状態とされている時に前記可変入球装置への遊技球の入球を許容する入球制限手段と、を備え、前記当たりには大当たりと小当たりが設けられると共に、前記大当たりを表す判定図柄として前記複数の図柄が全て同図柄の組合せが設定される一方、前記小当たりを表す判定図柄として前記複数の図柄全てが同一とならない組合せが設定され、前記判定結果が小当たりであったことに起因して、賞品球以外の遊技上の特典を遊技者に付与する特典遊技状態に設定する特典遊技状態設定手段を備えることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1において、前記図柄表示手段に前記判定図柄が表示されてから前記可変入球装置が開放するまでの経過時間を、前記判定結果が外れの場合と小当たりの場合で略同一に設定したことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は2において、前記判定結果が小当たりの場合の前記可変入球装置の開放回数は、前記判定結果が大当たりの場合の前記可変入球装置の開放回数よりも少なく設定されると共に、前記判定結果が外れの場合の前記可変入球装置の開放回数と同一に設定されていることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1から3の何れか一項において、前記可変入球装置の開放後から閉鎖するまでの開放状態維持時間が、前記判定結果が小当たりの場合と大当たりの場合とで異なると共に、前記判定結果が小当たりの場合と外れの場合とで前記開放状態維持時間が同一に設定されていることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1から4の何れか一項において、前記判定結果が小当たりの場合には、前記判定結果が大当たりの場合に前記払出手段によって払出可能に設定されている賞品球の数よりも少ない数の賞品球が、前記払出手段によって払出可能に設定されていることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1から5の何れか一項において、前記特典遊技状態によって付与される遊技上の特典は、前記当否判定手段の判定結果が当たりとなる確率の増大、あるいは前記当否判定手段の判定機会増大であることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、外れ時にも可変入球装置が開放する構成にされていると共に、大当たりを表す判定図柄として前記複数の図柄が全て同図柄(所謂、ぞろ目)の組合せが設定される一方、特典遊技状態の起因となる小当たりを表す判定図柄として複数の図柄全てが同一とならない組合せが設定されているので、判定図柄から遊技者は外れと小当たりの区別がし難くなり、これによりあたかも当たりとは無関係に突然に特典遊技状態が発生したかのような演出を実現し、遊技の意外性を高めることができる。しかも、外れの際の可変入球装置開放動作中は、入球制限手段によって可変入球装置への入球が制限されるので、この演出の実行により遊技店側が多大なる損失を受けることを抑制することができる。
請求項2の発明によれば、図柄表示手段に判定図柄が表示されてから可変入球装置が開放するまでの経過時間を、判定結果が外れの場合と小当たりの場合で略同一に設定したことにより、可変入球装置の開放時に小当たりの開放動作か外れの開放動作かの判断が困難になり、当たりとは無関係に突然に特典遊技状態が発生したかのような印象を高め、遊技の意外性をさらに高めることができる。
請求項3の発明によれば、判定結果が小当たりの場合の可変入球装置の開放回数は、判定結果が大当たりの場合の可変入球装置の開放回数よりも少なく設定されると共に、判定結果が外れの場合の可変入球装置の開放回数と同一に設定されていることにより小当たりの価値を大当たりの価値より低くすることができ、本発明の弾球遊技機における演出による遊技店側の損失を抑制することができる。
請求項4の発明によれば、可変入球装置の開放後から閉鎖するまでの開放状態維持時間が、判定結果が小当たりの場合と大当たりの場合とで異なると共に、判定結果が小当たりの場合と外れの場合とで開放状態維持時間が同一に設定されていることにより、小当たり時の開放動作か外れ時の開放動作かの判断がさらに困難になる。
請求項5の発明によれば、判定結果が小当たりの場合には、判定結果が大当たりの場合に払出手段によって払出可能に設定されている賞品球の数よりも少ない数の賞品球が、払出手段によって払出可能に設定されていることにより、小当たりの価値を大当たりの価値より低くすることができ、本発明の弾球遊技機における演出による遊技店側の損失を抑制することができる。
請求項6の発明によれば、特典遊技状態によって付与される遊技上の特典は、当否判定手段の判定結果が当たりとなる確率の増大、あるいは当否判定手段の判定機会増大であることにより、特典遊技状態では遊技者に確実に有利な状態となり、遊技に対する意欲を向上させることができる。
以下添付の図面に基づき本発明の好適な実施形態を説明する。図1は本発明の一実施例に係る弾球遊技機を示す正面図、図2は大入賞口取付基板の正面図、右側面図、上面図、図3は遮蔽板の作動図、図4は弾球遊技機の裏面図、図5は同弾球遊技機の主な制御回路の接続を簡略に示すブロック図である。
図1に示す弾球遊技機1は、遊技媒体として遊技球を用いるパチンコ遊技機であって、遊技盤3の縁に遊技球の外側ガイドレール4及び内側ガイドレール5が略円形に立設され、前記内側ガイドレール5によって囲まれた遊技領域6の中心線上にその上部から下部に向かって順に表示装置9、始動入賞口10、大入賞口15、アウト口17が配設されている。また中央左側には風車18、その下方の遊技盤左右に左袖入賞口23と右袖入賞口25、さらにその下方に左落とし入賞口27と右落とし入賞口29が配設されている。また、始動入賞口10の左右には、普通図柄変動開始用左ゲート19及び普通図柄変動開始用右ゲート21が配設されている。前記種々の入賞口に遊技球が入賞(入球)すると所定数の遊技球が賞品球として払い出される。なお、後述の当たりになると大入賞口15が、遊技球の入賞(入球)し難いあるいは入球不可能な第1状態から遊技球が入賞(入球)し易い第2状態に開放される当たり遊技(特別遊技)が実行される。F1は外枠、Gは前枠F2に開閉可能にヒンジで取付けられたガラス枠である。なお、本実施の遊技機1には、プリペイドカードニット56が接続されている。
また、前記遊技機1の前面側には、枠飾り左ランプ35a及び枠飾り右ランプ35bや遊技盤3の周囲に配設されたLED等からなる発光装置、払い出された遊技球を受けるための上側球受け皿36、該上側球受け皿36の飽和時に遊技球を受けるための下側球受け皿37、効果音等を発するスピーカ38、遊技者の発射操作に応じて遊技球を遊技領域6に向けて弾発発射する発射装置53等がそれぞれ組み付けられている。以下、所要の各部についてさらに詳述する。
前記表示装置9は文字又は図柄の少なくとも何れかを表示可能なものであって、液晶,ドットマトリックス若しくはLED表示装置等の表示装置からなり、この実施例では、液晶表示器(TFT−LCDモジュール)で構成され、左下に普通図柄表示部45が組み込まれ、その他の大部分が特別図柄表示部42となっている。前記特別図柄表示部42は、本発明における図柄表示手段に相当する。
前記特別図柄表示部42は、図柄の変動等による演出を行った後、遊技の当たり外れを判定する当否判定手段による判定結果を複数の図柄の組合せからなる判定図柄で停止表示
する。本実施例の特別図柄表示部42は、横に並ぶ3つの表示領域に分割された左側表示領域、中央表示領域、右側表示領域を備え、左側表示領域には左特別図柄が(左判定図柄)、中央表示領域には中特別図柄(中判定図柄)が、右側表示領域には右特別図柄(右判定図柄)が、それぞれ当たりに対する当否判定結果表示用の特別図柄として、変動表示及び停止表示可能とされている。また、前記特別図柄表示部42には、前記特別図柄(判定図柄)に加えて背景画像(キャラクタ,背景,文字等を含む。)が表示されることもあり、該背景画像が特別図柄の変動開始等の所定条件に起因して変動表示可能となっていてもよい。なお、この実施例における前記左側表示領域、中央表示領域、右側表示領域にそれぞれ変動および停止表示される特別図柄は、『1,2,3,4,5,6,7,8』の8通りの図柄とされている。
本実施例では、前記当否判定手段による判定結果が当たりの場合には、大当たりと小当たりがある。大当たりの場合には、前記左側表示領域、中央表示領域、右側表示領域に停止した特別図柄の組合せ(判定図柄)が、ぞろ目の組合せ(‘7,7,7’のように全ての図柄が同図柄の組合せ)からなる大当たり図柄組合せの判定図柄で停止表示され、これによって遊技者に判定結果が大当たりであることを表示し、遊技者に有利な大当たり遊技状態に移行する。前記大当たり遊技状態になると、前記大入賞口15の開閉扉16が開いて遊技領域6の表面を落下してくる遊技球を受け止め易くして大入賞口15へ入賞(入球)し易くする第2状態に大入賞口15を開放し、該大入賞口15への入賞(入球)があると、所定数の遊技球が賞品球として払い出される。さらに、大当たりの場合、前記開閉扉16の開放は、後述のように所定回数繰り返し可能、本実施例では最大15ラウンド(15回)繰り返し可能となっている。一方、小当たりの場合には、前記特別図柄表示部42に、複数図柄全てが同一とならない組合せからなる小当たり図柄組合せの判定図柄で停止表示され、これによって遊技者に当否判定結果が小当たりであることを示し、その後に遊技者に有利な小当たり遊技状態に移行する。前記小当たり遊技状態になると、前記大入賞口15の開閉扉16が開いて遊技領域6の表面を落下してくる遊技球を受け止め易くして大入賞口15へ入賞(入球)し易くする第2状態に大入賞口15を開放し、該大入賞口15への入賞(入球)があると、所定数の遊技球が賞品球として払い出される。また、小当たりの場合には、前記開閉扉16の繰り返し可能な開放回数が大当たりの場合よりも少なくされ、本実施例では、1ラウンド(1回)に設定されている。さらに、小当たりに起因して、賞品球以外の遊技上の特典を付与する特典遊技状態に設定される。特典として、本実施例では、当否判定結果が当たりとなる確率の増大(高確率状態)に設定されている。
前記特別図柄表示部42における特別図柄の変動時間、変動の仕方(例えば変動方向、変動速度、図柄の拡縮や回転、リーチの有無、前記特別図柄とは異なる図柄の出現有無、図柄の種類、変動の仕方)等を定めた変動態様は複数設けられ、前記複数の変動態様から選択された一つの変動態様に基づき、前記特別図柄表示部42で変動及び停止が行われる。
前記リーチは、前記特別図柄表示部42で特別図柄が変動表示開始後、確定停止表示される前段階において、特定の図柄態様、つまり大当たりの組合せが表示されやすい可変表示態様になったと遊技者に思わせる状態をいう。前記リーチ状態の1つとして、前記特別図柄表示部42の各表示領域の内、最終停止図柄を表示する表示領域だけを残して、残りの2つの表示領域で特別図柄が特定の組合せ(例えば同一図柄)となるように停止表示する場合を挙げることができる。この例では、前記特別図柄表示部42で特別図柄が変動表示開始した後、確定停止表示される前段階において、中央表示領域だけを残して、残りの2つの表示領域で図柄が特定の組合せ(例えば同一図柄)となるように停止表示する場合がリーチ状態として設定されている。
前記普通図柄表示部45は、記号或いは絵(キャラクタ)等の小当たり判定用普通図柄を変動表示及び停止表示する。本実施例における普通図柄表示部45に変動及び停止表示される普通図柄は、『0,1,2,3,4,5,6,7,8,9』の10通りの図柄とされている。
前記始動入賞口10は特別図柄表示部42の真下に設けられ、2つの可動片10a,10bが背面の始動入賞口用ソレノイドにより略垂直とされて可動片10a,10b間に入賞(入球)し難い狭小開放状態(通常状態)と略V字形(逆ハの字形)の入賞(入球)し易い拡開開放状態間を変化可能に制御されている。前記始動入賞口10の拡開開放は、前記普通図柄表示部45で普通図柄が変動した後特定の普通図柄で確定停止表示されて普通図柄当たりが成立した時に行われる。
また、前記遊技盤3の背面には、前記始動入賞口10に入賞(入球)した遊技球を検出する始動入賞口検出スイッチ(始動入賞口センサ)が入賞球用通路に設けられており、本実施例では、前記始動入賞口検出スイッチによる入賞球の検出に起因して、前記特別図柄の変動表示が開始するように設定されている。また、前記特別図柄表示部42で特別図柄の変動表示中に、前記始動入賞口10に入賞しても、直ちに新たな特別図柄の変動表示を開始することができないため、前記始動入賞口検出スイッチによる入賞球の検出毎に保留数を1加算する一方、前記特別図柄の変動表示実行毎に前記保留数を1減算する演算を行い、前記加算あるいは減算後の保留数を記憶して前記特別図柄の変動表示開始を一旦保留すると共に、前記保留数を前記特別図柄表示部42の右下に設けられている特別図柄変動数記憶表示器51に表示している。なお、本実施例では、前記保留数の最大値は4個に設定されている。
前記普通図柄変動開始用左ゲート19及び普通図柄変動開始用右ゲート21は、前記遊技盤3の背面に設けられた普通図柄変動開始スイッチで両ゲート19,21を通過する遊技球を検出することに起因して前記普通図柄表示部45で普通図柄の変動を開始させるようになっている。また、前記普通図柄の変動表示中に、前記普通図柄変動開始用左ゲート19及び普通図柄変動開始用右ゲート21を遊技球が通過することによって発生する普通図柄の変動保留記憶数を、最高4回普通図柄変動保留数として記憶し、普通図柄の変動開始による普通図柄の保留記憶数を減らすようになっている。さらにまた、前記左袖入賞口23と右袖入賞口25の入賞球を検出する左袖入賞口用検出スイッチと右袖入賞口用検出スイッチ、前記左落とし入賞口27と右落とし入賞口29の入賞球を検出する左落とし入賞口用検出スイッチと右落とし入賞口用検出スイッチが、それぞれ対応する遊技盤背面に設けられている。
前記大入賞口15は、本発明における可変入球装置に相当するものであって、始動入賞口10の下方に設けられ、前記遊技盤3の背面に設けられた大入賞口開放用ソレノイドによって開閉する開閉扉16を備えている。この大入賞口15は、図2に示すように大入賞口基板60に設けられ、通常は開閉扉16が閉じた状態(第1の状態)とされ、当否判定手段の判定結果が当たりの場合及び外れの場合に開閉扉16が所定時間開いた状態(第2の状態)とされる。当該大入賞口15内の一部には、該大入賞口15が開いた際に開口して入賞可能にする特定領域入賞口52を有する。さらに、該特定領域入賞口52には、所定条件時に特定領域開放用ソレノイドにより開閉される開閉板が設けられている。また、前記特定領域入賞口52には特定入賞球を検出する特定入賞球検出スイッチ(特定領域センサ)が設けられ、該入賞球の検出により大入賞口15を再度開放する継続権利が成立するようにされている。また、大入賞口15内の略中央には、前記大入賞口15に入賞し、かつ前記特定領域入賞口52に入賞しなかった入賞球を検出する入賞球数カウントスイッチ(カウントセンサ)が設けられている。
前記大入賞口基板60には、前記大入賞口15の上方に円弧上の開口部61が形成され、前記開口部61に遮蔽板62が遊技盤3の背面の遮蔽板用ソレノイド63の作動により前進後退可能に設けられている。前記遮蔽板62は、前記遮蔽板用ソレノイド63の作動により前進して前記開口部61から庇のように突出可能とされ、前記突出した際に、前記大入賞口15の上方を覆って、前記遊技領域6を流下する遊技球が開放中の大入賞口15へ入球するのを阻止可能にされている。前記遮蔽板62の前進後退駆動機構は、図3に示すように、前記ソレノイド63の前進後退作動軸に設けられた作動部材67にソレノイド用ピンP1が上向きに立設され、また、前記大入賞基板60の背面側には回動部材64が前後方向への回動を可能として中央部で回動軸65により取り付けられ、前記回動部材64の後端に形成された長孔68に前記ソレノイド用ピンP1が挿通係止され、また前記回動部材64の前端に形成された長孔66には、前記遮蔽板62の後端に上向きに形成された遮蔽板用ピンP2が挿通係止されている。前記回動部材64が、前記遮蔽板用ソレノイド63の作動による作動部材67の前進後退によって回動軸65を中心として前後に回動し、それによって、前記遮蔽板62が前進後退する。前記遮蔽板62及び該遮蔽板62の駆動機構(遮蔽板用ソレノイド63を含む)は、本発明における入球制限手段に相当する。なお、本実施例における前記遮蔽板62は透明な材質で構成され、遊技者が遮蔽板62の存在を認識し難くしているが、それに限られるものではなく、大入賞口基板60と同一色にして、遊技者に認識され難くしてもよい。
前記遮蔽板62は、通常時及び前記当否判定手段による判定結果が外れの場合には、図3の3−Aのように、前記開口部61から遊技盤3の前方へ前進して突出した状態とされて前記大入賞口15の上方を覆い、外れ時に遊技領域6を流下してくる遊技球が大入賞口15へ入球するのを阻止する。それに対して当否判定結果が当たりとなり、前記大入賞口15の開閉扉16が第2状態になって大入賞口15が開放される場合には、図3の3−Bに示すように、前記遮蔽板62が前記開閉扉16の開放に合わせて後退し、前記開口部61内に収納された状態になって大入賞口15の上方を開放し、遊技領域6を流下してくる遊技球を大入賞口15へ入球可能にする。
前記発射装置53は、本発明の発射手段に相当するものであって、操作レバー54の操作により駆動する発射モータを裏側に有し、該発射モータの駆動により遊技球を弾発発射するようになっている。前記発射装置53により発射された発射球は、前記遊技盤3の表面に立設された外側誘導レール4と内側誘導レール5間で構成される発射球誘導路を介して遊技領域6に誘導される。前記遊技領域6に誘導された遊技球は、転動しつつ下方へ流下し、前記各装置及び各入賞口に入賞するか、或いは何処にも入賞しなければ前記アウト口17から遊技盤3の裏側へ排出される。
前記遊技機1が行う遊技について簡単に説明する。前記弾球遊技機1は、電源投入時、前記遮蔽板62が遊技盤3の前面から突出した状態にあって前記大入賞口15の上方を覆い、上方からの遊技球を遮蔽している。その状態で、前記発射装置53により遊技領域6へ向けて発射された遊技球が、前記遊技領域6の種々の入賞口に入賞すると所定数の遊技球が賞品球として後述の賞球払出装置から上側球受け皿36に払い出される。また、前記普通図柄変動開始用左ゲート19及び普通図柄変動開始用右ゲート21を遊技球が通過し、その遊技球が前記普通図柄変動開始スイッチで検出されると、後述の主制御回路へ検出信号が送られ、普通図柄変動保留数が4個未満の場合には、普通図柄当たり判定・停止普通図柄決定用乱数が取得され、その取得乱数値が主制御回路のRAMの普通図柄数値記憶領域に一旦記憶される。そして前記記憶された普通図柄当たり判定・停止普通図柄決定用乱数値が順次読み出され、前記読み出された乱数値に基づいて普通図柄の当たり判定が行われ、前記普通図柄表示部45で普通図柄の変動を開始し、所定時間変動後に停止する。その際、前記普通図柄の当たり判定結果が普通図柄当たりの場合には、普通当たり図柄、この例では奇数で停止し、前記始動入賞口10が拡開開放状態になり、遊技球が入賞し易くなる。そして、前記始動入賞口10に遊技球が入賞すると、所定数(この例では5個)の遊技球が賞品球として前記賞球払出装置から払い出される。
また、前記始動入賞口10に遊技球が入賞し、始動入賞口検出スイッチによって入賞球が検出されると、主制御回路へ検出信号が送られ、特別図柄変動保留数が4個未満の場合には、当否判定用乱数値及び大当たり・小当たり図柄組合せ決定用乱数値等の乱数が取得され、その取得数値が主制御回路のRAMの該当する記憶領域に一旦記憶される。そして、前記記憶された当否判定用乱数値が順次読み出され、読み出された当否判定用乱数値に基づいて当否判定が行われる。また、特別図柄の変動開始前に変動態様が決定され、決定された変動態様にしたがい前記特別図柄柄表示部42で特別図柄が変動を開始する。
前記特別図柄は変動態様で定められている変動時間変動した後に停止し、前記特別図柄表示部42で停止表示された特別図柄(判定図柄)が、大当たり図柄組合せ、この例ではぞろ目(‘7,7,7’のように全図柄が同一)で停止表示されると大当たりになり、遊技者に有利な大当たり遊技状態に移行する。前記大当たり遊技状態になると、前記大入賞口15の開閉扉16が閉鎖状態(第1状態)から開いた状態(第2状態)になると共に、前記遮蔽板用ソレノイド63の作動によって前記遮蔽板62が後退して前記開口部61内に収納され、前記遊技領域6の表面を流下してくる遊技球を前記遮蔽板62に邪魔されることなく大入賞口15へ入賞(入球)可能にし、該大入賞口15への入賞があると、払出装置(払出手段)により所定数(例えば10個)の遊技球が賞品球として払い出される。前記開閉扉16は、所定時間(例えば15秒)経過後、或いは前記特定入賞球検出スイッチと入賞球数カウントスイッチとで検出された入賞球数が所定個数(例えば10個)となった時点で閉じるようにされ、また開閉扉16の閉鎖に合わせて前記遮蔽板62が前記遮蔽板用ソレノイド63の作動によって前進して遊技板3の前面から再び突出し、前記大入賞口15の上方を覆う。
前記大入賞口15の開放中又は大入賞口15が閉じてから約2秒以内に、前記特定領域入賞口52への入賞球を特定入賞球検出スイッチが検出すると、前記開閉扉16が閉鎖した第1状態(入球し難いあるいは入球不可能状態)から前記開閉扉16が開いた第2状態(入球し易い状態)の開放と、前記第2状態から第1状態にする閉鎖を再度実行する継続権利が発生し、所定最高回数(例えば最高15ラウンド)、前記開放と閉鎖が繰り返される。その際、前記開閉扉16の開閉に合わせて前記のように遮蔽板62が後退及び前進を繰り返す。
それに対し、前記特別図柄表示部42で停止表示された確定特別図柄(判定図柄)が、小当たり図柄組合せ、この例では複数の全図柄(左、中、右特別図柄の全て)が同一とならない組合せのうち所定種類(例えば、‘1,2,3’)で停止表示されると、小当たりになり、遊技者に有利な小当たり遊技状態に移行する。前記小当たり遊技状態になると、前記大入賞口15の開閉扉16が閉鎖状態(第1状態)から開いた状態(第2状態)になると共に前記遮蔽板62が前記遮蔽板用ソレノイド63の作動によって後退し、遊技領域6の表面を流下してくる遊技球を大入賞口15へ入賞可能にし、該大入賞口15への入賞があると、払出装置(払出手段)により所定数の遊技球が賞品球として払い出される。小当たり時における前記大入賞口15の開放と閉鎖の繰り返し回数は、前記大当たり時よりも少ない回数(ラウンド)とされ、この実施例では、小当たりの場合1回(1ラウンド)に設定されている。小当たり時の賞品球は、前記大当たり時の賞品球よりも少ない数(例えば5球)に設定されている。また前記開閉扉16は、前記大当たり時の開放状態維持時間よも短い時間、例えば0.3秒経過時に閉じるようにされ、前記開閉扉16の閉鎖に合わせて前記遮蔽板62が前記遮蔽板用ソレノイド63の作動により前進して遊技板3の前面から突出し、前記大入賞口15の上方を覆う。また、小当たりになると、小当たり遊技終了後に、当否判定手段による当たり(大当たりと小当たりの両方を含む)に対する確率がそれまでの通常確率(低確率、1/315)から高い高確率(5/315)の特典遊技状態に設定され、次に大当たりとなるまで特典遊技状態が続く。
また、前記特別図柄表示部42で停止表示された確定特別図柄(判定図柄)が、外れ図柄組合せ、この例では特別図柄表示部42で停止表示される複数の図柄の全てが同一(ぞろ目)とならない図柄組合せのうち、小当たり図柄組合せ(この例では‘1,2,3’)を除いたもの(例えば、‘3,1,2’)で停止表示されると、外れになる。外れになると、前記小当たり時と同様に前記大入賞口15の開閉扉16が開いて大入賞口15が開放される。しかし、前記遮蔽板62は、前記遊技盤3の前面から突出して前記大入賞口15の上方を遮蔽した状態を維持し、遊技領域6を流下してくる遊技球が大入賞口15に入球するのを阻止する。また、外れ時における前記大入賞口15の開放回数(第2の状態になる回数)は、小当たり時と同一、この例では1回に設定されている。外れ時における大入賞口15の開放状態維持時間(開放後から閉鎖するまでの時間)は、前記大当たり時における開放状態維持時間(例えば15秒)よりも短くされると共に、前記小当たり時における開放状態維持時間と同一(例えば0.3秒)に設定されている。なお、前記外れ時の開放状態維持時間を経過すると前記開閉扉16は閉鎖される。
また、前記特別図柄表示部42に判定図柄(大当たり図柄組合せ、小当たり図柄組合せ、外れ図柄組合せ)が表示されてから、前記大入賞口15が開放される(第2状態になる)までの経過時間は、小当たりの場合と外れの場合とで略同一とされている。
遊技を制御するための複数の制御基板や球の誘導装置等は、弾球遊技機1の裏側に設けられている。図4は遊技機1の裏側を示すものであり、制御基板の主なものとして、受電基板100、電源基板110、主制御基板120、表示制御基板130、払出制御基板140、音声制御基板150、ランプ制御基板160、発射制御基板170等が示されている。符号181は払出装置(賞球払出装置と貸球払出装置からなり、本発明の払出手段に相当する。)、183は球無しスイッチ基板(賞球・球貸し兼用)、185は払出中継基板、189は球貯留タンク、191は球誘導樋を示す。前記各制御基板には制御回路が設けられている。例えば、主制御基板120には主制御回路、表示制御基板130には表示制御回路、音声制御基板150には音声制御回路、ランプ制御基板160にはランプ制御回路が設けられている。主な制御回路の電気的接続を、図5のブロック図を用いて簡略に示す。
前記主制御基板120に設けられている主制御回路は、主制御手段に相当すると共に本発明における当否判定手段、当たり時開放制御手段、外れ時開放制御手段、特典遊技状態設定手段等としても機能し、CPU,RAM,ROMを備えたコンピュータを備え、遊技のメイン制御を行う。また、主制御回路は、表示制御回路、払出制御回路、発射制御回路、電源回路、大入賞口(遮蔽板用ソレノイド63を含む)15、始動入賞口10等と接続されてそれらを制御すると共に、始動入賞口検出スイッチの検出信号や普通図柄変動開始スイッチの検出信号、大入賞口15における入賞球数カウントスイッチや特定入賞球検出スイッチの検出信号、さらにはその他の入賞口の検出スイッチによる検出信号を受信する。前記CPUは、制御部,演算部,各種カウンタ,タイマ,各種レジスタ,各種フラグ等を備え、演算制御を行う他、当たりの発生、普通図柄当たりの発生のための乱数等も生成している。前記RAMは、始動入賞口検出スイッチの検出信号及び普通図柄変動開始スイッチの検出信号用の記憶領域、保留数の記憶領域、CPUで生成される各種乱数値、当否判定結果及び各種データを一時的に記憶する記憶領域やフラグ、CPUの作業領域を備える。前記ROMは、遊技上の制御プログラムや制御データ、当たりの判定値、普通図柄当たりの判定値等が書き込まれている。
前記表示制御基板130に設けられている表示制御回路は、前記表示装置9の特別図柄表示部42及び普通図柄表示部45と接続されて特別図柄表示部42及び普通図柄表示部45の制御を行う。前記表示制御回路は、CPU,RAM,ROMを有するコンピュータを備える。前記CPUは、内部に制御部,演算部等を有し演算制御を行うようになっている。前記RAMは、各種データの記憶領域と前記CPUによる作業領域等を有している。また、前記ROMは各種のデータや制御プログラムが格納されている。さらに前記表示制御回路には、前記CPUからの指令に基づいてROMから必要な画像データを読み出して特別図柄や背景等のマップデータを生成するVDPや生成した画像データを格納するVRAMを備える。
前記払出制御基板140に設けられている払出制御回路は、前記払出装置(賞球払出装置と貸球払出装置)を制御する。また、前記音声制御基板150に設けられている音声制御回路はスピーカ38からの音声の発生を制御し、前記ランプ制御基板160に設けられているランプ制御回路は、前記枠飾り左ランプ35a及び枠飾り右ランプ35bや遊技盤3の周囲に配設されたLED等からなる発光装置を制御する。
前記主制御回路に設けられる複数の乱数用カウンタ(乱数)として、本実施例では表1に示すものがある。なお、乱数用カウンタは、表1のものに限定されることなく、適宜の乱数用カウンタを設けてもよい。表1の乱数用カウンタの内容について次に示す。
Figure 0004222563
ラベル−TRND−Aは、遊技の当たり(大当たり及び小当たりを含む)を判定する当否判定手段(本発明の当否判定手段)に用いられる。このラベル−TRND−Aの数値Q1は、遊技機1の電源投入時、‘0’から始まり、所定時間(この例では2.0msec)ごとに1ずつ加算され、数値が‘629’に至ると、次に‘0’に書き換えられて前記加算を繰り返すようになっている。前記ラベル−TRND−Aの数値Q1は、遊技球が前記始動入賞口10に入球(入賞)して前記始動入賞口検出スイッチによって検出された時に取得され、予め決定されている当たり数値、この実施例では通常確率状態時(低確率状態時)には‘5’,‘500’と対比され、高確率状態時(確率変動状態時)には‘5’,‘50’,‘100’,‘200’,‘300’,‘350’,400’,‘450’,‘500’,‘600’と対比されて当たりか否か判断される。
ラベル−TRND−R1は、前記ラベル−TRND−Aによる当否判定結果が外れとなる場合において、前記リーチ状態を経るか否かを決めるリーチ有無決定用のものである。前記ラベル−TRND−R1は、遊技機1の電源投入時、‘0’から始まり、所定時間(2.0msec)ごとに1ずつ加算され、数値が‘49’に至ると、次に‘0’に書き換えられて前記加算を繰り返すようになっている。当該ラベル−TRND−R1の数値Q2は、前記始動入賞口10への入球が前記始動入賞口検出スイッチによって検出された時に取得され、当否判定結果が外れの場合に、その数値が予め決定されているリーチ成立数値と対比されてリーチ変動有無が判断される。なお、この実施例では、前記ラベル−TRND−Aによる当否判定結果が当たりとなる場合には、後述するTRAND−AZ1の数値Q4が‘0’〜‘7’(大当たり)か判断され、Q4=0〜7の場合には、必ずリーチ状態が成立するようになっており、そうでない場合(小当たり)にはリーチにならないようになっているので、リーチの有無に関してこのラベル−TRND−R1は使用されない。
ラベル−TRND−T1は、前記特別図柄表示部42における特別図柄等の変動時間や変動の仕方等を定める変動態様を決定するのに利用される。前記ラベル−TRND−T1の数値Q3は、遊技機1の電源投入時、‘0’から始まり、所定時間(2.0msec)ごとに1ずつ加算され、数値が‘35’に至ると、次に‘0’に書き換えられて再び前記加算を繰り返すようになっている。前記ラベル−TRND−T1の数値は、前記始動入賞口10への入球が前記始動入賞口検出スイッチによって検出された時に取得される。
ラベル−TRND−AZ1は、前記当否判定結果が当たりの場合に、大当たりか小当たりかを決定すると共に、前記特別図柄表示部42に確定停止して揃う大当たり図柄組合せあるいは小当たり図柄組合せを決定するものである。このラベル−TRND−AZ1の数値Q4は、電源投入時に‘0’から始まって所定時間(2.0msec)ごとに‘1’ずつ加算され、‘11’に至ると、次に‘0’に書き換えられて前記加算を繰り返すようになっている。ラベル−TRND−AZ1の数値は、前記始動入賞口10への入球が前記始動入賞口検出スイッチによって検出された時に取得される。前記ラベル−TRND−AZ1の数値Q4には、各数値に大当たりまたは小当たり図柄組合せ(判定図柄)が予め割り当てられている。実施例においては、前記ラベル−TRND−AZ1の数値Q4が‘0’〜‘7’に対しては大当たり図柄組合せが割り当てられ、‘8’〜‘11’に対しては小当たり図柄組合わせが割り当てられている。すなわち、Q4が‘0’の場合には大当たり図柄組合せが‘1,1,1’となる1のぞろ目(全図柄同一)、‘1’の場合には‘2,2,2’となる2のぞろ目、‘2’の場合には‘3,3,3’となる3のぞろ目、‘3’の場合には‘4,4,4’となる4のぞろ目、‘4’の場合には‘5,5,5’となる5のぞろ目、‘5’の場合には‘6,6,6’となる6のぞろ目、‘6’の場合には‘7,7,7’となる7のぞろ目、‘7’の場合には‘8,8,8’となる8のぞろ目からなる大当たり図柄組合せが割り当てられている。一方、Q4が‘8’〜‘11’の場合には‘1,2,3’からなる全図柄が同一とならない小当たり図柄組合せが割り当てられている。
なお、この実施例の弾球遊技機1は、判定図柄が小当たり図柄組合せの場合には、小当たり終了後に確率変動が生じ、次回の当たり発生確率が平常時における通常遊技状態(低確率状態、1/315)よりも高い確率変動状態(高確率状態、5/315)の特典遊技状態に設定され、次回の当たりまで高確率状態の特典遊技状態が継続されるようになっている。また、判定図柄が大当たり図柄組合せである‘0’〜‘8’の何れかのぞろ目であるときには、大当たり終了後、通常遊技状態(低確率状態、1/315)とされ、次回の小当たりまで低確率状態が継続するようになっている。
ラベル−TRND−B1〜B3は、前記ラベル−TRND−Aによる当否判定結果が外れとなる場合において、前記特別図柄表示部42に確定停止表示する外れ図柄組合せ(外れ判定図柄)の決定に用いられるものである。前記ラベル−TRND−B1の数値Q5は左特別図柄、ラベル−TRND−B2の数値Q6は右特別図柄、ラベル−TRND−B3の数値Q7は中特別図柄(最終停止特別図柄)にそれぞれ対応する。
前記ラベル−TRND−B1の数値は、電源投入時に‘0’から始まって所定時間(2.0msec)ごとに‘1’ずつ加算され、‘11’に至ると、次に‘0’に書き換えられて再び前記加算が繰り返される。また、前記ラベル−TRND−B2の数値は、電源投入時に‘0’から始まって、前記ラベル−TRND−B1の数値が‘0’に書き換えられる際に‘1’ずつ加算され、‘11’に至ると、次に‘0’に書き換えられて再び前記加算が繰り返される。さらに、前記ラベル−TRND−B3は、電源投入時に‘0’から始まって、前記ラベル−TRND−B2の数値が‘0’に書き換えられる際に‘1’ずつ加算され、‘11’に至ると、次に‘0’に書き換えられて再び前記加算が繰り返される。これによって、ラベル−TRND−B1〜B3の各数値範囲が同一であっても、当該ラベル−TRND−B1〜B3の数値が同期(同一の組合せで加算)するのを避けることができる。
前記ラベル−TRND−B1〜B3の各数値が‘0’の場合には0、‘1’の場合には1、‘2’の場合には2というように、前記ラベル−TRND−B1〜B3の各数値が、当否判定結果の外れ時に前記特別図柄表示部42に停止表示される左特別図柄、中特別図柄、右特別図柄からなる判定図柄として設定されている。そして、前記始動入賞口検出スイッチによって始動入賞口10への入球が検出されるごとにラベル−TRND−B1〜B3から取得される数値の組合せによって、外れ時に前記特別図柄表示部42に表示される左特別図柄、中特別図柄、右特別図柄からなる判定図柄が定まる。なお、本実施例では、前記特別図柄表示部42に停止表示される全図柄(左、中、右特別図柄)が同一とならない図柄組合せのうち、‘1,2,3’の図柄組合せのみが前記小当たり図柄組合せとして設定されているため、ラベル−TRND−B1〜B3から取得される数値の組合せが、前記小当たり図柄組合せ‘1,2,3’と同一の組合せになる場合には、後述のように他の外れ図柄組合せに変更される。
前記取得されたQ1〜Q7の乱数値については、それぞれ最大4個、前記主制御回路のRAMにおける該当領域に格納され、順次使用される。
ラベル−TRND−Hは、前記普通図柄表示部45に停止表示する普通図柄を決定するとともに普通図柄当たりを判定するもので、遊技機1の電源投入時、‘0’から始まって所定時間(2.0msec)ごとに‘1’ずつ加算され、‘9’に至ると、次に‘0’に書き換えられて再び前記加算が繰り返される。このラベル−TRND−Hの数値Q8は、前記普通図柄変動開始用ゲート19を通過した遊技球を前記普通図柄変動開始スイッチで検出するごとに取得され、最大4個まで前記主制御回路のRAMの普通図柄数値記憶領域に格納される。
また、前記ラベル−TRND−Hの数値Q8には、各数値に対応する普通図柄(停止普通図柄)が予め割り当てられている。実施例においては、ラベル−TRND−Hの取得乱数値が‘1’のときは普通図柄表示部45に停止表示する普通図柄が‘1’となる等、ラベル−TRND−Hの取得乱数値がそのまま普通図柄表示部45に停止表示する普通図柄として割り当てられている。
なお、この実施例では、普通図柄の当たり確率は1/2となっており、具体的には、前記ラベル−TRND−Hの取得乱数値Q8が奇数である場合、普通図柄当たりを形成する。普通図柄当たりになると、普通図柄を当たり図柄で停止させ、通常遊技状態(低確率状態)時には0.5秒間の始動入賞口10の拡開開放を1回、高確率遊技状態時には1.7秒間の始動入賞口10の拡開開放状を3回行うようになっている。また、前記ラベル−TRND−Hの取得乱数値Q8がその他の場合には小当たりとならず、普通図柄が外れで停止し、前記始動入賞口10が前記入賞し難い狭小開放状態のままとされる。
前記主制御回路に設けられる主なフラグとして、この実施例では当たりフラグA1、リーチフラグR1、確率変動フラグB1、扉開放フラグF等が挙げられる。これらのフラグは、初期設定時には全て0にセットされる。
次に、前記弾球遊技機1の主制御回路が実行する処理について説明する。前記主制御回路のCPUは、前記主制御回路のROMに記憶されている各プログラムに従いメイン処理Mを行う。図6はメイン処理Mのフローチャートである。
メイン処理Mでは、まず今回電源が投入されたか否か判断され(S10)、今回電源投入された場合には、初期設定処理(S20)が行われる。
初期設定処理(S20)では、スタックの設定、割り込み時間(この例では2.0msec)の設定、CPUの設定、SIO、PIO、CTCの設定等が行われる。前記初期設定処理(S20)については、電源投入時のみに必要な処理であり、最初の1巡目のみに実行され、その後は実行されずに次の出力処理(S30)に移る。
出力処理(S30)では、前記主制御回路におけるコンピュータのコマンドバッファ(図示せず)内に出力コマンド(制御信号)がある場合、その出力コマンドを対応する制御回路等へ出力する。
入力処理(S40)では、各種のセンサが信号を感知した場合の入力処理が行われる。前記センサには、前記普通図柄変動開始用左ゲート19、普通図柄変動開始用右ゲート21の遊技球通過を検出する普通図柄変動開始スイッチ(普通図柄ゲートセンサ)、前記始動入賞口10に入賞した球を検出する始動入賞口検出スイッチ(始動入賞口センサ)、前記大入賞口15における入賞球を検出する入賞球数カウントスイッチ(カウントセンサ)、特定入賞球検出スイッチ(特定領域センサ)等を挙げることができる。
乱数更新処理(S50)では、前記ラベル−TRND−A、ラベル−TRND−R1、ラベル−TRND−T1、ラベル−TRND−AZ1、ラベル−TRND−B1〜B3、ラベル−TRND−Hの各数値Q1〜Q8に対して更新が繰り返される。図7は前記乱数更新処理(S50)のフローである。この乱数更新処理(S50)では、まず、各カウンタ(ラベル−TRND−B2〜B3を除く。)の各数値Rn(n=1〜5,8)が乱数更新処理の実行ごとに1ずつ加算され(S51)、前記各数値Rnが所定最大値Xに至ると次に再び‘0’に戻る繰り返しを行う(S52,S53)。そして、各カウンタの更新数値が主制御回路のRAMの各カウンタと対応する乱数記憶領域にそれぞれ一旦記憶される(S54)。図7中における『Rn’』は、加算される前の各カウンタの数値を意味する。なお、前述したようにラベル−TRND−B2及びラベル−TRND−B3については、前記したようにラベル−TRND−B1と関連したタイミングで数値が加算され、前記主制御回路のRAMの乱数記憶領域にそれぞれ記憶されるようになっている。
次に前記入力処理(S40)で入力された信号が、始動入賞口検出スイッチ(始動入賞口センサ)による検出信号か否か、すなわち始動入賞口10に入賞したか否か確認される(S60)。始動入賞口10への入賞が検出された場合には、続いて乱数取得処理が行われる(S70)。乱数取得処理(S70)では、図8に示すように、まず前記特別図柄変動保留数が4以上か確認され(S71)、4以上であればこの乱数取得処理(S70)が終了する。前記特別図柄変動保留数が4未満であれば、現在の特別図柄変動保留数に1加算され(S72)、前記主制御回路のRAMに記憶されている前記各種更新乱数値Q1〜Q7が読み出されて取得され(S73)、前記主制御回路のRAMにおける保留数と対応した取得乱数値用のエリアに記憶される(S74)。なお、前記S60において始動入賞口10での入賞が無いと判断された場合、乱数取得処理(S70)は行われず、次の判定条件成立判断(S80)へジャンプする。なお、前記普通図柄当たり判定・停止普通図柄決定用のラベル−TRND−Hの数値Q8は、前記普通図柄変動開始用ゲート19を遊技球が通過して普通図柄変動開始スイッチで検出されたときに取得される。
判定条件成立か否かの判断(S80)では、前記遊技領域6における遊技球の挙動に起因する判定条件が成立しているか否かが確認される。前記遊技領域6における遊技球の挙動に起因する判定条件が成立しているとは、遊技球の挙動に起因して生じる特別遊技が現在実行中ではない、或いは特別図柄変動中ではなく、しかも前記特別図柄変動保留数が1以上であることをいう。そして、前記判定条件成立と判断された場合には、当否判定処理(S90)、リーチ有無決定処理(S100)、確定停止特別図柄決定処理(S110)、変動態様決定処理(S130)、変動中処理(S150)等が実行される。一方、前記S80で判定条件不成立と判断された場合には、変動中処理(S150)にジャンプする。また、ここでいう遊技の挙動とは、遊技球が遊技盤面上の始動入賞口10や普通図柄変動開始用左、右ゲート19,20等に入賞する等、遊技領域における遊技球の動きによって何らかの契機となるものであれば適宜選択可能である。
当否判定処理(S90)では、図9に示すように、まず、確率変動フラグB1が1か否か確認され(S91)、該確率変動フラグB1が1ではなく0の場合、すなわち低確率状態時(1/315)では、前記ラベル−TRND−Aの取得乱数値Q1が当たり数値である‘5’,‘500’と対比され(S92)、前記取得乱数値Q1が前記当たり数値の何れかであれば当たりとなり、当たりフラグA1が1にセットされると共に、該当たりフラグA1(=1)が主制御回路のRAM内に格納される(S93)。一方、前記確率変動フラグB1が1の場合、すなわち高確率状態時(5/315)では、前記取得乱数値Q1が当たり数値である‘5’,‘50’,‘100’,‘200’,‘300’,‘350’,‘400’,‘450’,‘500’,‘600’と対比され(S94)、前記取得乱数値Q1が前記当たり数値の何れかと一致すれば当たりとなり、当たりフラグA1が1にセットされると共に、該当たりフラグA1(=1)が主制御回路のRAM内に記憶される(S93)。
リーチ有無決定処理(S100)では、前記特別図柄表示部42でリーチ状態となるか否かの決定がなされる。図10に示すように、このリーチ有無決定処理(S100)では、当たりフラグA1が1か否か確認され(S101)、当たりフラグA1が1ではなく0、つまり当たり不成立となる場合、前記ラベル−TRND−R1の記憶取得乱数値Q2が読み出され、その取得乱数値Q2が‘24’又は‘49’であるか否か判断される(S102)。そして、取得乱数値Q2が‘24’又は‘49’ではない場合、リーチ無しに決まる。一方、前記取得乱数値Q2が‘24’又は‘49’である場合、リーチ有りに決定され、リーチフラグR1が1にセットされると共に、該リーチフラグR1(=1)が主制御回路のRAM内に格納される(S104)。また、前記S101で当たりフラグA1が1の場合、つまり当たりとなる場合には、さらに前記大当たり・小当たり図柄組合せ決定用のラベル−TRND−AZ1カウンタの記憶取得数値Q4が読み出され、その取得数値Q4が‘0’〜‘7’であるか、すなわち大当たりであるか確認され(S103)、Q4が‘0’〜‘7’の場合、すなわち大当たりの場合には、リーチ有りとなることが決定し、リーチフラグR1が1にセットされると共に、該リーチフラグR1(=1)が主制御回路のRAM内に格納される(S104)。それに対し、前記取得数値Q4が‘0’〜‘7’ではない、すなわち小当たりの場合には、リーチ無しに決定される。
確定停止特別図柄決定処理(S110)では、前記当否判定処理(S90)に基づき前記特別図柄表示部42に確定停止表示する特別図柄の組合せ(判定図柄)の決定が行われる。図11に示すように、この確定停止特別図柄決定処理(S110)では、まず、前記当たりフラグA1の値が1か否か確認される(S111)。A1の値が1と判断された場合、すなわち当たりとなる場合、前記ラベル−TRND−AZ1の記憶取得乱数値Q4が読み出され、その取得乱数値Q4に対して予め決められている図柄の組合せが、特別図柄表示部42に確定停止表示される大当たり図柄組合せあるいは小当たり図柄組合せとして決定される(S112)。
それに対して、前記S111で当たりフラグA1の値が1でない、すなわち前記A1の値が0と確認され、外れと判定された場合には、前記ラベル−TRND−B1〜B3の記憶取得乱数値Q5〜Q7が読み出され、その取得乱数値Q5〜Q7が一致するか否か判断され(S113)、取得乱数値Q5〜Q7が一致する場合、続いてリーチ有り(リーチ外れ)か否か、ここでは前記リーチフラグR1が1か否か確認される(S114)。そして、リーチ無しと判断された場合、前記ラベル−TRND−B2(右特別図柄用)の取得乱数値Q6を1加算し、その値とラベル−TRND−B1,B3の取得乱数値Q5,Q7に対して予め決められている図柄が、特別図柄表示部42に確定停止表示される左特別図柄、中特別図柄、右特別図柄からなる外れ図柄の組合せとして決定される(S115)。一方、前記S114で、リーチ有りと判断された場合、前記ラベル−TRND−B3(中特別図柄用)の取得乱数値Q7を1加算し、その値とラベル−TRND−B1,B2の取得乱数値Q5,Q6に対して予め決められている図柄が確定停止表示される外れ図柄組合せとして決定される(S116)。
また、前記S113で、ラベル−TRND−B1〜B3の取得乱数値Q5〜Q7の内、少なくとも1つが異なる数値となる場合には、ラベル−TRND−B1の取得乱数値Q5とラベル−TRND−B2の取得乱数値Q6が一致するか否か判断され(S117)、両値が一致する場合、さらにリーチ有りか否か判断される(S118)。そして、リーチ無しの場合、前記ラベル−TRND−B2の取得乱数値Q6を1加算し、その値とラベル−TRND−B1,B3の取得乱数値Q5,Q7に対して予め決められている図柄が確定停止表示される外れ図柄組合せとして決定される(S115)。一方、リーチ有りの場合、ラベル−TRND−B1〜B3の取得乱数値Q5〜Q7に対して予め決められている図柄が確定停止表示される外れ図柄として決定される(S119)。
さらに、前記S117でラベル−TRND−B1の取得乱数値Q5とラベル−TRND−B2の取得乱数値Q6が一致しない場合、ラベル−TRND−B1の取得乱数値Q5が‘1’、ラベル−TRND−B2の取得乱数値Q6が‘3’、ラベル−TRND−B3の取得乱数値Q7が‘2’か、すなわち小当たり図柄組合せと同一か確認され(S120)、同一の場合には、ラベル−TRND−B1の取得乱数値Q5が‘3’、ラベル−TRND−B2の取得乱数値Q6が‘2’、ラベル−TRND−B3の取得乱数値Q7が‘1’
に強制的に変更され、その変更後の数値に対して予め決められている図柄が確定停止表示される外れ図柄の組合せとして決定される(S123)。一方、ラベル−TRND−B1の取得乱数値Q5が‘1’、ラベル−TRND−B2の取得乱数値Q6が‘3’、ラベル−TRND−B3の取得乱数値Q7が‘2’ではないと判断されると、続いてリーチ有りか否か判断される(S121)。そして、リーチ有りと判断された場合には、ラベル−TRND−B2の取得乱数値Q6を強制的にラベル−TRND−B1の取得乱数値Q5と同一数値に変更し、かつラベル−TRND−B3の取得乱数値Q7を強制的に前記ラベル−TRND−B1の取得乱数値Q5に1加算した数値に変更し、それらの数値とラベル−TRND−B1の取得乱数値Q5に対して予め決められている図柄が確定停止表示される外れ図柄の組合せとして決定される(S122)。一方、前記S121で、リーチ無しと判断された場合、ラベル−TRND−B1〜B3の取得乱数値Q5〜Q7に対して予め決められている図柄が各表示領域に確定停止表示される外れ図柄として決定される(S119)。その後、前記決定された図柄の組合せ(決定判定図柄)が主制御回路のコマンドバッファに格納される(S124)。
変動態様決定処理(S130)では、図12に示すように、最初に前記当たりフラグA1が1か否かが確認される(S131)。当たりフラグA1が1ではなく0の場合、つまり当たり不成立となる場合には、次にリーチフラグR1が1か否かが確認される(S132)。リーチフラグR1が1ではなく0の場合、つまりリーチ不成立となる場合には、リーチ無しの外れ変動態様1が決定され、変動態様1のコマンドがコマンドバッファにセットされ(S138)、現在の特別図柄変動保留数が1減算されて(S147)、この変動態様決定処理(S130)が終了する。
前記S132で、前記リーチフラグR1が1の場合、つまりリーチ成立となる場合には、次に変動態様決定用カウンタであるラベル−TRND−T1の取得乱数値Q3が、‘0’〜‘20’,‘21’〜‘30’,‘31’〜‘35’の何れの範囲に属するかが判断される(S133,S134)。そして、前記Q3の値が‘0’〜‘20’の場合にはリーチ有りの外れ変動態様2が決定され、変動態様2のコマンドがコマンドバッファにセットされる(S139)。また、前記Q3の値が‘21’〜‘30’の場合にはリーチ有りの外れ変動態様3が決定され、変動態様3のコマンドがコマンドバッファにセットされる(S140)。前記Q3の値が‘31’〜‘35’の場合にはリーチ有りの外れ変動態様4が決定され、変動態様4のコマンドがコマンドバッファにセットされる(S141)。その後、前記リーチフラグR1が0にセットされ(S146)、現在の特別図柄変動保留数が1減算されて(S147)、この変動態様決定処理(S130)が終了する。
一方、前記S131において、当たりフラグA1が1と判断された場合、すなわち当たりの場合には、次にTRND−AZ1の数値Q4の値がQ4=8〜11、すなわち小当たりか確認され(S135)、Q4=8〜11ではない場合、すなわち大当たりの場合には、続いて変動態様決定用カウンタであるラベル−TRND−T1の取得乱数値Q3が、‘0’〜‘2’,‘3’〜‘15’,‘16’〜‘35’の何れの範囲に属するかが判断される(S136,S137)。そして、前記Q3の値が‘0’〜‘2’の場合にはリーチ有りの当たり変動態様5が決定され、変動態様5のコマンドがコマンドバッファにセットされる(S142)。また、前記Q3の値が‘3’〜‘15’の場合にはリーチ有りの当たり変動態様6が決定され、変動態様6のコマンドがコマンドバッファにセットされる(S143)。前記Q3の値が‘16’〜‘35’の場合にはリーチ有りの当たり変動態様7が決定され、変動態様7のコマンドがコマンドバッファにセットされる(S144)。また、前記S135でTRND−AZ1の数値Q4がQ4=8〜11、すなわち小当たりと判断された場合には、リーチ無しの小当たり変動態様8が決定され、変動態様8のコマンドがコマンドバッファにセットされる(S145)。その後、前記リーチフラグR1が0にセットされ(S146)、現在の特別図柄変動保留数が1減算されて(S147)、この変動態様決定処理(S130)が終了する。ここで、変動態様8はリーチとならずにあたかもど外れ(一般的に、リーチとならずに外れる場合を「ど外れ」と称されている。)で特別図柄が停止するような変動態様であり、リーチ無しの外れ変動態様1の変動時間ならびに変動の仕方等(変動態様)とほぼ同一である。そのため、遊技者にはど外れか小当たりかが認識し難くなっている。
変動中処理(S150)では、図13に示すように、前記特別図柄表示部42で変動中の特別図柄が変動態様で定められている変動時間を経過したか確認され(S151)、変動時間を経過していないと判断されるとこの変動中処理(S150)が終了し、一方、変動時間を経過していると判断されると、特別図柄表示部42で変動中の特別図柄が変動を停止し、前記確定停止特別図柄決定処理(S110)で決定された図柄組合せ(判定図柄)が表示され(S152)、この変動中処理(S150)が終了する。
変動停止処理(S160)では、図14に示すように、まず前記特別図柄表示部42で変動している特別図柄の停止時間が経過したか確認され(S161)、停止時間が経過していなければ、この変動停止処理(S160)が終了する。それに対し、停止時間が経過していれば、次に当たりフラグA1が1か、すなわち当否判定結果が当たりか確認され(S162)、A1が1ではない、つまり外れの場合には前記大入賞口15の開閉扉16を開放する(第2状態にする)扉開放設定処理が行われ(S163)、さらに大入賞口15の開放状態維持時間などの外れ設定処理が行われ(S164)、扉開放フラグFが1(大入賞口15が開放していることを示す)にセットされて(S165)、この変動停止処理(S160)が終了する。
一方、前記S162で当たりフラグA1が1と判断された場合、つまり当たりの場合には、前記開閉扉16の開放と遮蔽板62の後退を行う扉・大入賞口開放設定処理が行われ(S166)、続いて当たり図柄組合せが小当たり図柄組合わせ(1ラウンド図柄)か確認され(S167)、小当たり図柄組合わせ(1ラウンド図柄)の場合には、小当たり遊技(1R当たり開始)実行用に特別図柄の変動停止から開閉扉16の開放までの経過時間、前記開放状態維持時間、前記遮蔽板62の後退維持時間(本実施例では前記開放状態維持時間と等しく設定される)、賞品球個数設定等からなる1R当たり開始設定処理が行われ(S168)、一方、当たり図柄組合せが小当たり図柄組合わせ(1ラウンド図柄)ではない、すなわち大当たり図柄組合せと判断された場合には、大当たり遊技(15R当たり開始)実行用に特別図柄の変動停止から開閉扉16の開放までの経過時間、前記開放状態維持時間、前記遮蔽板62の後退維持時間(本実施例では前記開放状態維持時間と等しく設定される)、賞品球個数設定等からなる15R当たり開始設定処理が行われ(S169)、その後この変動停止処理(S160)が終了する。
前記変動停止処理(S160)の外れ設定処理(S164)及び1R当たり開始設定処理(S168)においては、特別図柄の変動停止から開閉扉16の開放までの経過時間及び大入賞口15の開放状態維持時間が、外れ時と小当たり時で略同一に設定される。また、前記1R当たり開始設定処理(S168)及び前記15R当たり開始設定処理(S169)では、前記大入賞口15の開放状態維持時間は異ならせて設定され、賞品球の数は15R当たり開始(大当たり遊技開始)設定処理(S169)よりも、1R当たり開始(小当たり開始)設定処理(S168)の方を少なくして設定される。
当たり処理(S170)は、本発明の当たり時開放制御手段による処理及び特典遊技状態設定手段による処理に相当する。図15に示すように、まず当たりフラグA1が1、すなわち当否判定手段による判定結果が当たりか確認され(S171)、当たりフラグA1が1ではない、すなわち外れの場合には、この当たり処理(S170)が終了する。それに対し、当たりフラグA1が1、すなわち当たりの場合には、確率変動フラグB1が0にセットされる確率変動終了設定処理(S172)が行われ、続いて前記大入賞口15に遊技球が10個入賞(入球)したか確認され(S173)、10個入賞していなければ大入賞口15の開放時間(開放状態維持時間、本実施例では15秒間)を経過したか確認され(S174)、経過していなければこの当たり処理(S170)が終了する。それに対し、開放時間が経過している場合、あるいは前記S173で10個入賞していると判断された場合には、前記大入賞口15の開閉扉16を第2状態から第1状態に閉鎖すると共に前記遮蔽板用ソレノイド63の作動による前記遮蔽板62の前進突出を行わせる扉・大入賞口閉鎖設定処理が行われ(S175)、次に前記変動停止処理のS168で設定された1R当たり(小当たり)開始設定処理、あるいはS169で設定された15R当たり(大当たり)開始設定処理に基づき、最終ラウンド(小当たりの場合には1ラウンド、大当たりの場合には15R)か確認され(S176)、最終ラウンドでなければ次ラウンド開始設定処理(S177)、前記開閉扉16の開放と遮蔽板62の後退を行う扉・大入賞口開放設定処理(S178)が行われ、この当たり処理(S170)が終了する。それに対し、最終ラウンドと判断されると、当たり終了設定処理が行われ(S179)、当たりフラグA1が0にセットされ(S180)、続いて前記特別図柄表示部42で停止表示された判定図柄が1R図柄(小当たり図柄組合せ)、すなわち前記ラベル−TRND−AZ1の取得数値Q4が‘8’〜‘11’か確認され(S181)、1R図柄(小当たり図柄組合せ)とは異なる場合、すなわち15R図柄(大当たり図柄組合せ)の場合には、この当たり処理(S170)が終了し、一方、1R図柄(小当たり図柄組合せ)の場合、すなわち小当たりであった場合には、特典遊技状態(高確率状態)に設定する確率変動開始設定処理(S182)が行われ、この当たり処理(S170)が終了する。
外れ処理(S190)は、本発明の外れ時開放制御手段の処理に相当し、図16に示すように、まず前記扉開放フラグFが1か、すなわち前記大入賞口15の開閉扉16が第2の状態で大入賞口15が開放中か確認され(S191)、扉開放フラグFが1,すなわち前記大入賞口15の開閉扉16が第2の状態で大入賞口15が開放中の場合には、前記変動停止処理(S160)の外れ設定処理(S164)で設定された開閉扉16の開放時間(大入賞口15の開放状態維持時間、本実施例では0.3秒)が経過したか確認され(S192)、経過している場合には前記開閉扉16を第1の状態にして大入賞口15を閉鎖する扉閉鎖設定処理(S193)が行われ、次いで前記扉開放フラグFが0にセットされ(S194)、この外れ処理(S190)が終了する。一方、前記S191で扉開放フラグFが1ではないと判断されたり、前記S192で扉開放時間を経過していないと判断されたりした場合には、その時点でこの外れ処理(S190)が終了する
賞球処理(S200)では、前記遊技盤3上の各種入賞口のセンサからの入賞情報をもとに、前記賞球払出装置から所定の賞品球を払い出すコマンドが前記主制御回路のコマンドバッファに格納される。
その他の処理(S210)では、前記各処理のほかに必要な処理、例えば普通図柄当たりに関する処理や、始動入賞口の拡開開放処理のセット等が行われる。それらの処理は本発明の特徴とは直接関係しないため、詳細な説明を省略する。
本発明の弾球遊技機は前記のように構成したことにより、図柄表示手段(本実施例では特別図柄表示部)で停止表示される判定図柄から遊技者は外れと小当たりの区別がし難くなり、これによりあたかも当たりとは無関係に突然に特典遊技状態(本実施例では高確率状態)が発生したかのような演出を実現し、遊技の意外性を高めることが可能となったのである。しかも、外れの際の可変入球装置開放動作中(本実施例では大入賞口の開放中)は、入球制限手段(本実施例では遮蔽板及びその駆動機構)によって可変入球装置(本実施例では大入賞口)への入球が制限されるので、この演出の実行により遊技店側が多大なる損失を受けることを抑制することが可能になったのである。
さらに、弾球遊技機においては、特典遊技状態は、遊技の当たり(大当たり、小当たりを含む)を起因として付与しなければならないという、弾球遊技機認可上の規則(制限)があるため、本発明では、前記のように小当たりの発生を起因として特典遊技を付与するようにしながらも小当たりが遊技者に認識し難いように構成することにより、あたかも当たりとは無関係に突然に特典遊技状態(本実施例では高確率状態)が発生したかのような演出が可能になったのである。
なお、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。例えば、本実施例では大当たりと小当たりの差を可変入球装置の開放回数と開放状態維持時間及び賞品球数で実現しているが、何れか一つあるいは複数により差を実現してもよい。また、本実施例では、判定図柄において複数の図柄全てが同一とならない図柄組合せのうち、一つの組合せのみを小当たり図柄組合せに設定し、残りの組合せについては、外れ図柄組合せに含まれる構成としたが、それに限られるものではなく、例えば、複数の図柄が同一とならない組合せのうち複数の組合せを小当たり図柄組合せに設定し、残りの組合せを外れ図柄組合せとしてもよい。また、小当たり時の複数の図柄全てが同一とならない組合せは、実施例では‘1,2,3’と全ての図柄を異なる図柄で構成したが、‘1,1,2’のようにリーチ状態とならない組合せで2つの図柄を同一にして構成してもよい。
また、本実施例では、大当たり時における可変入球装置の開放状態維持時間を15秒とすると共に小当たり時及び外れ時における可変入球装置の開放状態維持時間を0.3秒に設定したがそれに限るものではなく、他の時間であってもよい。さらに、本実施例では、小当たりに起因して設定される特典遊技状態を当たりの確率増大としたが、それに限られるものではなく、例えば、当否判定機会の増大としたり、当たりの確率増大と当否判定機会の増大との両方としたり、特別図柄の変動時間短縮としたりしてもよい。
さらにまた、本実施例では入球制限手段を構成する遮蔽板は、通常時及び外れ時に遊技盤の前面から常時突出して可変入球装置(大入賞口)の上方を覆い、小当たり時及び大当たり時における可変入球装置開放時のみ、遊技盤の背面側へ後退して可変入球装置へ遊技球を入球可能にする構成となっているが、外れ時における可変入球装置の開放時のみ遊技盤の前面から突出して可変入球装置(大入賞口)の上方を覆い、他の時には遊技盤の背面側へ後退して可変入球装置(大入賞口)の上方に存在しない状態としてもよい。
また、入球制限手段は本実施例の遮蔽板及びその駆動機構に限られるものではなく、例えば遊技盤の前面から突出した遮蔽板の角度を変更して可変入球装置への入球を制限したり、可変入球装置の開放時間を遊技球の入球困難な程度の短時間にしたりしてもよい。
本発明の一実施例に係る弾球遊技機全体について遊技盤の釘を省略して示す正面図である。 同弾球遊技機における大入賞口取付基板の正面図、右側面図、上面図である。 同弾球遊技機における遮蔽板の作動図である。 同弾球遊技機における裏面図である。 同弾球遊技機における主な制御回路の接続を簡略に示すブロック図である。 同弾球遊技機における主制御回路のメイン処理に関するフローチャートである。 乱数更新処理に関するフローチャートである。 乱数取得処理に関するフローチャートである。 当否判定処理に関するフローチャートである。 リーチ有無決定処理に関するフローチャートである。 確定停止特別図柄決定処理に関するフローチャートである。 変動態様決定処理に関するフローチャートである。 変動中処理に関するフローチャートである。 変動停止処理に関するフローチャートである。 当たり処理に関するフローチャートである。 外れ処理に関するフローチャートである。
符号の説明
1 遊技機
3 遊技盤
6 遊技領域
9 表示装置
10 始動入賞口
42 特別図柄表示部
53 発射装置
62 遮蔽板

Claims (6)

  1. 遊技球を遊技領域に発射する発射手段と、
    前記遊技領域における遊技球の挙動による判定条件の成立に起因して遊技の当たり外れを判定する当否判定手段と、
    前記当否判定手段による判定結果を複数の図柄の組合せからなる判定図柄で表示する図柄表示手段と、
    前記遊技領域に発射された遊技球が入球し難いあるいは入球不可能な第1状態と入球し易い第2状態に変化可能な可変入球装置と、
    前記可変入球装置への遊技球の入球に応じて賞品球を払い出す払出手段と、
    前記判定結果が当たりであったことに起因して前記可変入球装置を前記第1状態から前記第2状態にする開放とその後に前記第2状態から前記第1状態にする閉鎖を所定回数実行する当たり時開放制御手段と、
    を備えた弾球遊技機において、
    前記判定結果が外れとなり、前記図柄表示手段によって外れの判定結果が前記判定図柄で表示される毎に、前記可変入球装置の前記開放と前記閉鎖を所定回数実行する外れ時開放制御手段と、
    前記外れ時開放制御手段により前記可変入球装置が前記第2状態とされている時には前記可変入球装置への遊技球の入球を阻止する一方、前記当たり時開放制御手段により前記可変入球装置が前記第2状態とされている時に前記可変入球装置への遊技球の入球を許容する入球制限手段と、
    を備え、
    前記当たりには大当たりと小当たりが設けられると共に、前記大当たりを表す判定図柄として前記複数の図柄が全て同図柄の組合せが設定される一方、前記小当たりを表す判定図柄として前記複数の図柄全てが同一とならない組合せが設定され、
    前記判定結果が小当たりであったことに起因して、賞品球以外の遊技上の特典を遊技者に付与する特典遊技状態に設定する特典遊技状態設定手段を備えることを特徴とする弾球遊技機。
  2. 前記図柄表示手段に前記判定図柄が表示されてから前記可変入球装置が開放するまでの経過時間を、前記判定結果が外れの場合と小当たりの場合で略同一に設定したことを特徴とする請求項1に記載の弾球遊技機。
  3. 前記判定結果が小当たりの場合の前記可変入球装置の開放回数は、前記判定結果が大当たりの場合の前記可変入球装置の開放回数よりも少なく設定されると共に、前記判定結果が外れの場合の前記可変入球装置の開放回数と同一に設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の弾球遊技機。
  4. 前記可変入球装置の開放後から閉鎖するまでの開放状態維持時間が、前記判定結果が小当たりの場合と大当たりの場合とで異なると共に、前記判定結果が小当たりの場合と外れの場合とで前記開放状態維持時間が同一に設定されていることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の弾球遊技機。
  5. 前記判定結果が小当たりの場合には、前記判定結果が大当たりの場合に前記払出手段によって払出可能に設定されている賞品球の数よりも少ない数の賞品球が、前記払出手段によって払出可能に設定されていることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の弾球遊技機。
  6. 前記特典遊技状態によって付与される遊技上の特典は、前記当否判定手段の判定結果が当たりとなる確率の増大、あるいは前記当否判定手段の判定機会増大であることを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の弾球遊技機。
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