JP4222434B2 - 燃料電池用の膜・電極触媒構造体 - Google Patents
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Description
アノード側触媒層及びカソード側触媒層のうちの少なくとも一方は、
厚み方向において電解質膜に近い側に配置された第1層と、厚み方向において第1層よりも電解質膜に遠い側に配置された第2層とを有しており、
第1層は第1担体と第1担体に担持された第1触媒物質とを有すると共に、第2層は第2担体と第2担体に担持された第2触媒物質とを有しており、
第1層の第1担体は、炭化珪素、窒化アルミニウム、酸化チタン、酸化珪素、窒化ホウ素、ジルコニア、アルミナ、ムライト、窒化珪素、ベリリア、ガラスから選ばれた少なくとも1種を基材としており、
第2層の第2担体はカーボンを基材として形成されていることを特徴とするものである。
アノード側触媒層及びカソード側触媒層のうちの少なくとも一方は、
厚み方向において電解質膜に近い側に配置された第1層と、厚み方向において第1層よりも電解質膜に遠い側に配置された第2層とを有しており、
第1層は、第1担体と第1担体に担持された第1触媒物質とを有すると共に、第2層は第2担体と第2担体に担持された第2触媒物質とを有しており、
第1層の第1担体は、
炭化珪素、窒化アルミニウム、酸化チタン、酸化珪素、窒化ホウ素、ジルコニア、アルミナ、ムライト、窒化珪素、ベリリア、ガラスから選ばれた少なくとも1種を基材とする無機物質で形成された担体と、カーボンの微粒子で形成された担体とを有することを特徴とする。
以下、本発明の第1参考例の概念について図1を参照して説明する。図1は、本参考例に係る燃料電池用の膜・電極触媒構造体の概念図を示す。図1に示すように、燃料電池用の膜・電極触媒構造体は、アノード側触媒層1と、カソード側触媒層2と、アノード側触媒層1及びカソード側触媒層2で挟装されたプロトン伝導性をもつ固体高分子膜形の薄膜状をなす電解質膜6とを備えている。
第1試験例は第1実施例に相当する。第1試験例においては、電解質膜6として、膜厚50マイクロメートルのナフィオン膜を用いた。カソード側触媒層2の第1層21を形成するべく、黒鉛化したカーボンブラック(平均粒径:50ナノメートル)からなるカーボン微粒子で形成された第1担体31に、平均粒径が5.0ナノメートルの白金粒子の第1触媒金属41を担持した白金担持カーボン微粒子を用いた。更に、この白金担持カーボン微粒子とナフィオン溶液(第1電解質部51)とを混合した第1触媒インクを用いた。
第1比較例は第1試験例に対応するものである。第1比較例のMEAについて次のように形成した。即ち、電解質膜として、第1試験例と同様に膜厚50マイクロメートルのナフィオン膜を用いた。カソード側触媒層として、第1試験例に係る第2層22と同様に形成した。そして所定の白金目付量(0.3mgPt/cm2)となるように、つまり第2層22の白金目付量と同じとなるようにした。
以下、本発明の第1実施例について説明する。図4は第1実施例に係る概念図を示す。第1実施例は第1参考例と基本的には同様の構成であり、基本的には同様の作用効果を奏する。本実施例に係る燃料電池用の膜・電極触媒構造体は、図4に示すように、アノード側触媒層1Bと、カソード側触媒層2B と、アノード側触媒層1B及びカソード側触媒層2Bで挟装されたプロトン伝導性をもつ薄膜状の電解質膜6Bとを備えている。
第2試験例は第1実施例に相当する。第2試験例においては、電解質膜6Bとして膜厚50マイクロメートルのナフィオン膜を用いた。カソード側触媒層2の第1層21Bとして、セラミックス(炭化珪素)で形成された微粒子状の第1担体31B(平均粒径:100ナノメートル)に、平均粒径が5.0ナノメートルの白金粒子(第1触媒金属41B)を担持して形成した白金担持セラミックス微粒子を用いた。この白金担持セラミックス微粒子とナフィオン溶液(第1電解質部51B)とを混合した第1触媒インクを用いた。第1触媒インクにおける白金担持セラミックス微粒子は、重量比で白金が10%を占め、セラミックス微粒子が90%占める。そして白金が所定の白金目付量(0.1mgPt/cm2)となるように、第1触媒インクを電解質膜6Bの一方の面にスプレー塗布し、これによりセラミックスを基材とする第1層21Bを形成した。
第2比較例は第1実施例に相当する第2試験例に対応するものである。第2比較例のMEAについて次のように形成した。即ち、第2試験例と同様に電解質膜として膜厚50マイクロメートルのナフィオン膜を用いた。カソード側触媒層として、第2試験例に係る第2層22Bと同様に形成し、白金が所定の白金目付量(0.3mgPt/cm2)となるように、つまり第2層22Bにおける白金目付量となるように形成した。第2比較例に係るアノード側触媒層については、第2試験例に係るアノード1Bの場合と同様に形成した。そして第2試験例の場合と同様にカーボンペーパ(多孔質のガス拡散電極層)を配置し、熱プレスすることにより接合し、第2比較例に係るMEAを形成した。第2比較例に係るMEAについて初期性能及び耐久性能を同様に試験した。図5は初期性能の試験結果を示し、図6は耐久性能の試験結果を示す。
以下、本発明の第2実施例について説明する。図7は第2実施例に係る概念図を示す。第2実施例は第1参考例,第1実施例と基本的には同様の構成であり、基本的には同様の作用効果を奏する。本実施例に係る燃料電池用の膜・電極触媒構造体は、図7に示すように、アノード側触媒層1Cと、カソード側触媒層2Cと、アノード側触媒層1C及びカソード側触媒層2Cで挟装されたプロトン伝導性をもつ薄膜状の電解質膜6Cとを備えている。本実施例は、電解質膜6Cの熱劣化を抑制すべく、カソード側触媒層2Cを改良したものである。カソード側触媒層2Cは、図7に示すように、電解質膜6Cに対面するように電解質膜6Cに近い側に配置された触媒燃焼層として機能する第1層21Cと、第1層21Cよりも電解質膜6Cに遠い側に配置された触媒反応層として機能する第2層22Cとで形成されている。第1層21Cは第2層22Cと近似しているものの、燃料含有ガスのクロスオーバーが生じたとき、クロスオーバーしたガスの触媒燃焼によるダメージを低減させる役割を果たす。
以下、本発明の第3実施例について説明する。図8は第3実施例に係る概念図を示す。電解質膜6Bに対面する触媒燃焼層として機能する第1層21Bには、セラミックスの微粒子(炭化珪素、窒化アルミニウム、酸化チタン、酸化珪素等のうちの少なくとも1種)で形成された粒子状の第1担体31Bの他に、カーボン微粒子で形成された第1担体31Eが混在している。第1担体31Eには第1触媒金属41Eが担持されている。このように触媒燃焼層として機能する第1層21Bは、カーボン微粒子で形成された第1担体31Eを有するため、導電性を期待できる。
Claims (5)
- 触媒物質を有するアノード側触媒層と、触媒物質を有するカソード側触媒層と、前記アノード側触媒層及び前記カソード側触媒層で挟装されたプロトン伝導性をもつ電解質膜とを備えた燃料電池用の膜・電極触媒構造体において、
前記アノード側触媒層及び前記カソード側触媒層のうちの少なくとも一方は、
厚み方向において前記電解質膜に近い側に配置された第1層と、厚み方向において前記第1層よりも前記電解質膜に遠い側に配置された第2層とを有しており、
前記第1層は第1担体と前記第1担体に担持された第1触媒物質とを有すると共に、前記第2層は第2担体と前記第2担体に担持された第2触媒物質とを有しており、
前記第1層の第1担体は、炭化珪素、窒化アルミニウム、酸化チタン、酸化珪素、窒化ホウ素、ジルコニア、アルミナ、ムライト、窒化珪素、ベリリア、ガラスから選ばれた少なくとも1種を基材としており、
前記第2層の前記第2担体はカーボンを基材として形成されていることを特徴とすることを特徴とする燃料電池用の膜・電極触媒構造体。 - 触媒物質を有するアノード側触媒層と、触媒物質を有するカソード側触媒層と、前記アノード側触媒層及び前記カソード側触媒層で挟装されたプロトン伝導性をもつ電解質膜とを備えた燃料電池用の膜・電極触媒構造体において、
前記アノード側触媒層及び前記カソード側触媒層のうちの少なくとも一方は、
厚み方向において前記電解質膜に近い側に配置された第1層と、厚み方向において前記第1層よりも前記電解質膜に遠い側に配置された第2層とを有しており、
前記第1層は第1担体と前記第1担体に担持された第1触媒物質とを有すると共に、前記第2層は第2担体と前記第2担体に担持された第2触媒物質とを有しており、
前記第1層の第1担体は、
炭化珪素、窒化アルミニウム、酸化チタン、酸化珪素、窒化ホウ素、ジルコニア、アルミナ、ムライト、窒化珪素、ベリリア、ガラスから選ばれた少なくとも1種を基材とする無機物質で形成された担体と、カーボンの微粒子で形成された担体とを有することを特徴とする燃料電池用の膜・電極触媒構造体。 - 請求項1または2において、前記第1担体の平均サイズは20ナノメートル以上で500ナノメートル以下であることを特徴とする燃料電池用の膜・電極触媒構造体。
- 請求項1〜3のうちの一項において、前記第1層はプロトン伝導性をもつ高分子材料を基材とする第1電解質部を有すると共に、前記第2層はプロトン伝導性をもつ高分子材料を基材とする第2電解質部を有することを特徴とする燃料電池用の膜・電極触媒構造体。
- 請求項1〜4のうちの一項において、前記カーボンは、カーボンブラック、黒鉛、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、カーボン繊維のうちの少なくとも1種であることを特徴とする燃料電池用の膜・電極触媒構造体。
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