JP4222339B2 - 表示パネル及びその表示パネルを備えた電子機器 - Google Patents

表示パネル及びその表示パネルを備えた電子機器 Download PDF

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Description

本発明は表示用パネル等に関するものである。特に外部から入射した光が反射することによって低下する視認性を改善するためのものである。
近年、液晶表示装置(LCD)、有機電界発光素子(以下、有機EL素子という)を利用した表示装置などの表示装置は、携帯電話機をはじめとしてコンピュータ、電子手帳、携帯ゲーム機などといった様々な電子機器に利用されている。そのため、利用者は屋内において装置の表示画面を見るだけでなく、屋外においても画面を見る機会が多くなっている。
この場合に問題になるのが、外部からの光が表示画面に入射する場合である。入射した光は画面で反射されて視認されるが、通常、屋内よりも屋外の方がはるかに強い光が画面に入射し、反射され、視認される。そのため、表示装置のコントラストが低くなって、表示画面が見にくくなる。
ここで、以下、特に有機EL素子を利用した場合について考える。有機EL素子は、自己発光であるため視認性がよく、応答速度が速いので、その素子を利用した表示装置は動画を表示するために有望な装置である。ところが、現在の有機EL素子は、長寿命を確保した上で、高い輝度を得ることが難しいものである。そのため、屋外では外部からの光の影響による視認性の低下は避けられない。
そこで、コントラストの向上を図るため、表示装置の封止用カバーの内面及び外面にTiO2 とSiO2 の積層膜などからなる反射防止膜を形成した構造の表示装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。また、カバー表面に円偏光板を取り付け、外部から入射する光の反射を抑えた構造の表示装置が提案されている(例えば特許文献2参照)。また、反応性雰囲気又はCVDにより成層したTaOx (酸化タンタル)を吸収層として光を吸収することで高コントラストを実現しているのもある(例えば特許文献3参照)。また、光吸収拡散性を有する電荷注入層を設けた構造の有機EL素子(例えば特許文献4参照)、黒色吸収体を底面側に形成した表示パネル(例えば特許文献5参照)や、黒色の多層膜を電極に用いた有機EL素子(例えば特許文献6参照)も提案されている。
特開2001−230072号公報 特開平8−321381号公報 特許2901370号公報 特許2931229号公報 米国特許5986401号明細書 特開2003−17274号公報
しかしながら、この様な従来の表示装置の場合、例えば円偏光板のような高価な部材を表示装置に取り付けなければならないため、その分の費用、手間などが費やされ、コストアップとなる。また、3層以上の多層膜により反射率を抑えるようにした表示装置もあるが、積層する膜が多くなるため構造や製造方法が複雑となる。
本発明は上記のような問題を解決するとともに、表示パネルにおける新たな低反射構造の提案、及び従来から知られている低反射構造の更なる改善を行って、屋外においても視認性を高めることができる表示用パネル及びそれを利用した機器を得ることを目的とする。
本発明の表示パネルは、基板上に陽極と陰極とを構成する電極が対向して形成されており、前記陽極と前記陰極との間に画素となる発光層を複数備え、前記基板と反対側が表示画面となる表示パネルであって、前記各発光層間に隔壁が設けられているものにおいて、前記基板と前記発光層との間に黒色層を形成し、前記隔壁の頂面に、チタンから構成される第一低反射層とインジウム合金又はガリウム合金から構成される第二低反射層とを積層してなる低反射層を形成したことを特徴とする。
これによれば、外部から表示パネルに入射した光の反射は、発光層部分では黒色層の光吸収により低減され、隔壁部では第3低反射層と第4低反射層により低減される。
また、基板上に陽極と陰極とを構成する電極が対向して形成されており、前記陽極と前記陰極との間に画素となる発光層を複数備え、前記基板と反対側が表示画面となる表示パネルであって、前記各発光層間に隔壁が設けられているものにおいて、前記基板と前記発光層との間及び前記隔壁の頂面に黒色層を形成したことを特徴とする。
これによれば、外部から表示パネルに入射した光の反射は、発光層部分及び発光層間において黒色層の光吸収により低減される。
また、基板上に陽極と陰極とを構成する電極が対向して形成されており、前記陽極と前記陰極との間に画素となる発光層を複数備え、前記基板と反対側が表示画面となる表示パネルであって、前記各発光層間に隔壁を有し、前記発光層の表示面側に配置されて前記発光層を封止する封止材を備えたものにおいて、前記基板と前記発光層との間に黒色層を形成し、前記封止材の前記隔壁と対向する部分に黒色層を形成したことを特徴とする。
この場合、外部から表示パネルに入射した光の反射は、発光層部分では発光層に対応する黒色層の光吸収により低減され、隔壁部分では封止材に形成された黒色層の光吸収により低減される。
さらに、基板上に陽極と陰極とを構成する電極が対向して形成されており、前記陽極と前記陰極との間に画素となる発光層を複数備え、前記基板と反対側が表示画面となる表示パネルであって、前記各発光層間に隔壁を有し、前記発光層の表示面側に配置されて前記発光層を封止する封止材を備えたものにおいて、前記基板と前記発光層との間に黒色層を形成し、前記封止材の前記隔壁と対向する部分に、チタンから構成される第一低反射層とインジウム合金又はガリウム合金から構成される第二低反射層とを積層してなる低反射層を形成したことを特徴とする。
この場合、外部から表示パネルに入射した光の反射は、発光層部分では黒色層の光吸収により低減され、隔壁部分では封止材に形成された低反射層により低減される。
また、前記隔壁の側面に、絶縁性を有する黒色層を形成したことを特徴とする。
これにより、隔壁の側面に入射する光も黒色層で吸収されるため、表示パネルの光反射が更に低減される。
また、前記チタンから構成される第一低反射層が、酸化チタン、窒化チタン、チタンタングステン合金のいずれかからなる層であることを特徴とする。
酸化チタン、窒化チタン、チタンタングステン合金は、チタン同様又はそれ以上に可視光の光吸収がよく、従ってチタンを用いた場合と同様に、表示パネルの光反射を低減することができる。
また、前記インジウム合金から構成される第二低反射層が、インジウム酸化錫、インジウム酸化セリウム、インジウム酸化亜鉛のいずれかからなる層であることを特徴とする。
これらをチタンからなる層と積層することで、実用的な低反射構造が実現できる。なお、インジウム酸化セウムとインジウム酸化亜鉛は酸素を含まない雰囲気中で成膜を行っても高い導電性が得られる。このため、成膜中の酸素濃度に依存した特性のばらつきが少なく、製造上、高い再現性が得られる。また、安定性の高い材料のため、経時劣化も少ない。そして、インジウム酸化セリウムは仕事関数が発光材料に電荷を供給するのに適しており、高い電荷の注入効率が得られる。また、インジウム酸化亜鉛は仕事関数が発光材料に電荷を注入するのに適しており、高い電荷の注入効率が得られ、しかも膜の内部応力が低いので基板及び発光層、電荷注入層、電荷輸送層との密着性が高く、発光素子の寿命の向上を図ることが出来る。
また、前記第一低反射層としてチタンが100〜400nm形成され、前記第二低反射層としてインジウム酸化錫が60〜100nm形成されていることを特徴とする。
これらの成膜厚さの時に、可視光の反射を特に良く低減できる。
本発明の電子機器は、上記いずれかに記載の表示パネルを備え、該表示パネルに表示機能を行わせるものである。これにより、電子機器の視認性が改善されて、屋外などでも使いやすい電子機器が得られる。
参考例1.
図1は本発明の参考例1に係る表示用パネルの構成を表すための一部の断面図である。図1において1は基板である。本参考例では、基板1には制御素子(駆動素子)となる薄膜トランジスタ(以下、TFT(Thin Film Transistor)という)を設けた半導体膜が付けられているものとする。
図2は表示用パネルを構成する1つの画素を示す平面図である。図2は、主に図1に示した第2低反射層4より下側において基板上に構成された素子などを示している。第1のTFT20は、そのゲート電極21に走査線gateを介して走査信号が供給されている。保持容量capは、第1のTFT20を介してデータ線sigから供給される画像信号を保持可能に構成されている。第2のTFT30には、保持容量capによって保持された画像信号がゲート電極31に供給されている。
第1のTFT20及び第2のTFT30は島状の半導体膜に形成されている。第1のTFT20はゲート電極21が走査線gateの一部として構成され、走査信号が供給される。第1のTFT20のソース・ドレイン領域の一方には層間絶縁膜51のスルーホールを介してデータ線sigが電気的に接続され、他方には、ドレイン電極22が電気的に接続されている。ドレイン電極22は第2のTFT30のゲート電極31と層間絶縁膜51のスルーホールを介して電気的に接続されている。第2のTFT30はそのソース・ドレイン領域の一方において層間絶縁膜51のスルーホールを介してデータ線sigと同時形成された電極コンタクト2と電気的に接続されている。電極コンタクト2は、さらに平坦化絶縁膜52のスルーホールを介して第1低反射層3、第2低反射層4、EL層5(正孔注入輸送層5A及び発光層5B)と電気的に接続されている。
第2のTFT30はそのソース・ドレイン領域のもう一方に層間絶縁膜51のスルーホールを介して共通給電線comが電気的に接続されている。共通給電線comの延設部分39は、第2のTFT30のゲート電極31の延設部分36に対して、層間絶縁膜51を誘電体膜として挟んで対向し、保持容量capを構成している。なお、保持容量capについては共通給電線comとの間に形成した上記構造の他、走査線gateと並列に形成した容量線との間に形成してもよい。また、第1のTFT20のドレイン領域と第2のTFT30のゲート電極31とを利用して保持容量capを構成してもよい。ここでは、各画素の発光を制御する素子としてTFTを用いているが、これに限定されるものではなく、他の制御素子、例えば、TFD(Thin Film Diode)、アモルファスシリコン薄膜トランンジスタなどを用いるようにしてもよい。また、本参考例では、基板1としてシリコンやガラスが利用可能であり、ここではガラスを用いている。
なお、電極はAlなどから構成することも出来るが、ここでは以下に説明する第1低反射層3に電極の機能を兼用させている。
次に、表示パネルの低反射化構造について説明する。本参考例では低反射化構造として、第1低反射層3と第2低反射層4との低反射層を採用する。第1低反射層3の材料として、チタン(純チタン、Ti)を用いるものとする。また、窒化チタン(TiN)、チタン・タングステンの合金(TiW)を用いるようにしてもよい。さらに、チタンは表面が酸化した酸化チタン(TiOx 、Ti2 3 、Ti2 5 も含む)となっていてもよい。これは、TiOx がそれぞれ固有に有する色によって特定の波長領域の光の反射を低減することができるからである。一方、第2低反射層4としては、ITO(Indium Tin Oxide:インジウム酸化錫)、IZO(インジウム酸化亜鉛)、GZO(ガリウム酸化亜鉛)、ICO(InCeO:インジウム酸化セリウム)などを用いることができる。本参考例では、第2低反射層4としてITOを用いるものとする。そして、第1低反射層3と第2低反射層4とからなる低反射層は、EL層5に電荷を供給するための電極の一方としても機能している。なお、本参考例では、この低反射層3,4を陽極とし、後述する導電膜6を陰極としている。
5は画素を構成するEL層であり、例えば、チオフェン系導電性高分子(PEDOT)からなる正孔注入(輸送)層5Aと、発光ポリマー(LEP)の発光層5Bとから構成することができる。EL層5の構造は、他にも、正孔(電子)注入層と輸送層とを区別した構造、EL層5を電子注入層、正孔注入層、発光層の3層で構成した構造など、異なる構成でEL層5が成層されている構造を用いても良い。また、ITOなどの第2低反射層4が正孔注入層を兼ね、チオフェン系導電性高分子は正孔輸送層の機能を有するものとしても良い。6はEL層5に正孔又は電子を注入(供給)するための一対の電極の他方の電極となる導電膜である。本参考例では導電膜6として第2低反射層4と同じく、可視光領域で透明なITO(又はIZO、GZO、ICO)を用いることとする。なお、ITOは仕事関数の数値が比較的高いので、このような場合には、EL層5の電子注入層の界面層に、例えば、BCP(バソックプロイン)にセシウム(Cs)を添加したものやマグネシウム(Mg)と銀(Ag)を真空蒸着したものを用いるようにして、電子が注入されやすいようにするのがよい。また、表示用パネルの各画素のEL層5の発光制御(電荷供給制御)は、各々の画素に設けられたTFTにより、各画素のEL層5に対応する電極(第1低反射層3又は第2低反射層4)を介して行われるので、導電膜6は各画素のEL層5に対して別々に設ける必要はない。なお、ICOは仕事関数の上で電子を注入し易く、また、ITOに比べるとシート抵抗が低いので、表示パネル全体の電荷供給を低電圧で行うのに適している。
7は例えばインクジェットプリンタなどに用いられる液滴吐出方式により高分子有機化合物のEL層5を形成する場合に、吐出された有機化合物を含む溶液の飛散を防止しつつ均一な厚さのEL層5を形成するための隔壁(バンク)である。隔壁7は、例えばポリイミド、アクリルなど、フォトリソグラフィ法でパターン形成できる感光性の有機材料で構成される。8は封止部材となる封止膜である。封止膜8は、例えば窒化シリコン(SiN)、ITOなどを材料とする。EL層5が水分、酸素などに触れると、発光寿命が短くなる。そこで、封止膜8は、EL層5に水分、酸素等が浸入するのを防止するために設けられる。
本参考例1の表示用パネルは、EL層5と基板1の間及び隔壁7の底部に、第1低反射層3と第2低反射層4の2層からなる低反射層を形成して、各層及びそれらの界面の相互作用により低反射化したものである。これにより、表示パネルの構造を過度に複雑にすることなしに外部から入射する光による反射を抑えることができ、屋外でも視認性の高い表示用パネルを得ることができる。
次に、本参考例の表示用パネルを製造する方法について説明する。まず、ガラスの基板1に、制御素子となるTFTを作製する。このTFTの作製方法は、例えば以下のとおりである。まず、プラズマCVD法により厚さが約30〜70nmのアモルファスのシリコンからなる半導体膜を成膜する。次に、アモルファスのシリコン膜からなる半導体膜に対して、固相結晶成長法、レーザアニールなどの結晶化工程を行い、多結晶シリコン膜とする。次に、半導体膜をパターニングして島状とし、その表面に厚さが約60〜150nmのシリコン酸化膜又はシリコン窒化膜からなるゲート絶縁膜37を形成する。
次に、チタン(Ti)、タングステン(W)などの金属膜からなる導電膜をスパッタ法により形成した後、パターニングし、ゲート電極21,31及びゲート電極31の延設部分36を形成する。また、走査線gateも形成する。この状態で、高濃度のリンイオンをドープし、ゲート電極に対して自己整合的にソース・ドレイン領域を形成する。
次に、層間絶縁膜51を形成した後、各スルーホールを形成し、データ線sig、ドレイン電極22、共通給電線com、共通給電線comの延設部分39及び電極コンタクト2を形成する。その結果、第1のTFT20、第2のTFT30及び保持容量capが形成される。このようにして、基板1に制御素子が形成される。ここでは特に示さないが、表示部分以外の部分に駆動回路等、他の回路を同時に形成しても良い。
次に、制御素子形成により生じた段差による影響を低減するため、平坦化絶縁膜52を形成する。ここで、平坦化絶縁膜52は、例えば15cP(1.5×10-2Pa・s),40cc(40ml)のアクリル感光樹脂を滴下し、回転数1000rpmで6秒間スピンすることによって塗布した後、直ちにホットプレート上でプリベークを行い、2〜3μm程度の膜厚を形成する。そして、フォトリソグラフィ法を用いて、所定形状(スルーホールに対応した形状)にパターニングを行い、スルーホールを形成する。その後、平坦化絶縁膜52を構成する感光性アクリル樹脂を膜化し定着させるため熱処理を行う。上記の工程を2回以上繰り返すことにより、平坦化絶縁膜52表面の平坦性(凸部と凹部の最大高低差)は、約0.1μm(触針式表面粗さ計での測定)になった。そして、平坦化絶縁膜52に形成したスルーホールに、後に成層する第1低反射層3と第2のTFT30のソース・ドレイン領域とを電気的に接続する電極コンタクト2を形成する。なお、ここではスピンコート法により平坦化絶縁膜52を形成したが、例えばシリコン酸化膜、シリコン窒化膜などをCVD法によって成膜した後に、アクリルやレジスト等をスピンコート法によって成膜し、エッチバックを施して平坦化してもよい。
図3は第1低反射層3であるTiの膜厚、スパッタ時の圧力と反射率との関係を表す図である。図3は入出射角度が20゜における反射率を表している。また、図4は第1低反射層3であるTiの膜厚、スパッタ時の圧力と最大反射率との関係を表す図である。ここで最大反射率とは、可視光領域(400〜700nm)における反射率の最大値のことである。一般的に最大反射率が低いと可視光領域全般について反射が低いということが考えられる。図3及び図4によれば、反射率はTiの厚さ、スパッタ時の圧力にも依存することになる。
基板1上に制御素子及び電極コンタクト2を形成すると、次に直流マグネトロン方式のスパッタ法により、各画素に対応する位置に第1低反射層3となるTiの薄層を成層する。本参考例では、例えば、アルゴン雰囲気で圧力を0.3Pa、電力を500Wとして成膜を行った。なお、本参考例では直流マグネトロン方式のスパッタ法を用いたが、その成膜方法はスパッタ法に限定されるものでは無く、イオンビーム蒸着法等を用いても良い。ここで、第1低反射層3の厚さは、30nm〜400nmの範囲、好ましくは100nm〜400nmの範囲で成層するようにする。膜厚が40nm以下の場合には反射率が高くなり、厚すぎると内部応力が発生し易く、基板の反りや膜の剥離の原因となったり、素子を破壊する可能性がある。また、加工も難しくなる。
図5は第2低反射層4の層厚と反射率との関係を表す図である。第2低反射層4となるITOは、第1低反射層3と同様にして、直流マグネトロン方式のスパッタ法により成層する。本参考例では、圧力を0.3Pa、電力を100W、アルゴンガスと酸素ガスの流量比を100:1とし、4インチのターゲットを用いて成膜を行った。ここで、図5のように膜厚が変わることにより、反射率の波長依存性が変化する。第2低反射層4の層厚を60〜100nmとすると全波長領域で低い反射率が得られる。特に80nm以下とした場合には、外部から入射する光で影響の大きい450〜500nmの光の反射率が減少する。
なお、上記の条件で形成した第2低反射層4の表面には、ITOの結晶による微細な凹凸が存在する。そのため、この第2低反射層4を電極として、発光層に電荷を注入しようとした場合、この凹凸により局所的に電界が集中して、発光層に局所的に大きな電荷が注入されることがある。このため、発光が不均一となったり、発光寿命が低下したりする。そこで、第2低反射層4の表面を、酸化セリウムやアルミナによって機械的に研磨する。その場合、第2低反射層4の表面は、触針式の表面粗さ計で測定した算術平均粗さRaが0.1nm〜1.0nmとなるようにするのが好ましい。0.1nm以下のRaを得るためには、研磨が非常に難しく、長時間の精度の高い加工が必要となる。一方、1.0以上のRaでは、殆ど発光層への電界の局所的な集中を低減する効果が見られなくなる。このようにして第2低反射層4を成層した後、所望の箇所だけに第1低反射層3及び第2低反射層4を残すため、フォトリソグラフィ法により感光性樹脂により所定のパターンを形成する。そして、この感光性樹脂をマスクとして第2低反射層4(ITO)を王水でエッチングする。さらに、第1低反射層3(Ti)は、フッ酸とフッ化アンモニウムとの比が1:6の緩衝フッ酸液(BHF)でエッチングする。ここでは、第1低反射層3と第2低反射層4との低反射層は発光層5Bを成層する領域よりも広い領域で残すようにする。つまり、隔壁7が形成される予定領域まで伸長させ、隣り合う低反射層との間隔は、発光層間で絶縁可能な範囲のでできるだけ狭い間隔にするのがよい。これにより第1低反射層よりも基板よりの層及び基板裏面からの反射に起因する視認性の低下も抑制できるからである。なお、現在、フォトリソグラフィ法によりパターニングする際、上記間隔の最小値は加工する層の厚さにほぼ一致する値となっており、例えば、第1低反射層3と第2低反射層4の2層の合計厚さが0.1μmであれば、隙間の最小値はほぼ0.1μmとなる。ここで、第1低反射層3及び第2低反射層4の成層工程については、例えばマスク蒸着法により、所望の箇所だけに成層するようにしてもよい。これは、所望の場所に開口部を設けた例えばステンレススチール製の厚さ40〜100μm程度のマスクを基板に密着させた状態で、真空蒸着を行いパターンを形成する方法である。また、クロム(Cr:仕事関数4.5eV)を第2低反射層4の上に成層してもよい。
次に、隔壁を形成しようとする予定領域にCVD法などにより絶縁保護膜61を形成する。絶縁保護膜61は、例えば発光層5Bを0.05μm〜0.2μmの厚みに形成するなら、0.2μm〜1.0μm程度の厚みに形成する。
そして、走査線gate及びデータ線sigに沿って有機材料の隔壁7を形成する。隔壁7は、液滴吐出方式により成膜する場合に、材料となる有機化合物を含む液体が、隣に溢れ出さないための堰となる部分であるため、例えば、発光層5Bを0.05μm〜0.2μmの厚みで形成するなら、1μm〜2μm程度の高さに形成する。隔壁の形成は例えばフォトリソグラフィ法、印刷法など、その他の任意の方法で行うことができる。
そして、隔壁7により区画された領域に対し、液滴吐出(インクジェット)方式により高分子有機化合物を含む溶液を吐出し、EL層5(正孔注入輸送層5A及び発光層5B)を成層する。EL層5は、赤色画素層、緑色画素層、青色画素層に、それぞれ所定の有機化合物材料を含む液体の充填と乾燥を層毎に繰り返して形成する。発光層5Bの具体例として、赤色発光層材料としては、上記PPV前駆体をインク化したものにローダミン、ベリレンなどの色素をドープしたもの、あるいはPPV前駆体(MHE−PPV)をインク化したものを用いる。緑色発光層材料としては、PPV前駆体溶液をDMF、グリセリン、ジエチレングリコールの混合液を希釈してインク化したものを用いる。青色発光層材料としては、ポリフルオレン誘導体をキシレンなどの芳香族系溶媒に溶解しインク化したものを用いる。ついで、PPV前駆体溶液(PPV前駆体溶液をDMF希釈し、インク化したもの)の場合は、減圧下で溶媒を除去し、摂氏150度の加熱処理により共役化させて定着させる。あるいは、各画素に共通して用いることができる材料に関しては、スピンコート法、ディップ法などを用いてEL層5の各層を成層してもよい。また、EL層5の有機EL素子を低分子有機化合物で構成する場合には、EL層5を成層する領域を残して、他の領域をマスクした上で、各層の有機化合物を蒸着することにより成層してもよい。なお、導電膜6からの電子注入効率をよくするために、例えば、マグネシウム/銀(Mg/Ag)からなる電子注入層を真空蒸着法などで成層する場合もある。EL層5が成層されたら、真空蒸着法を用いて少なくとも表示部分となる個所の全面に、ITOの導電膜6を成膜する。
ここで、第1低反射層3がチタン(酸化チタンも含む)の場合、反射率を低減させるには、正孔注入輸送層5A(PEDOT)、発光層5B(LEP)及び導電膜6(ITO)のそれぞれの層厚の組み合わせを、以下の表1のように成層することが好ましい。
Figure 0004222339
そして、導電膜6の上に、透明な樹脂又は薄層による封止膜8を表示パネル全体に形成する。これにより、水分、空気などに触れることにより性質が変化し、発光寿命が短くなってしまうEL層5を保護する。封止膜8としては、例えば、SiON(窒化酸化シリコン)、MgO(酸化マグネシウム)を可視光を透過するような膜厚で真空蒸着法を用いて成膜した後、例えばポリビニルフロライドなどの高分子フィルムを接着剤で接着したり、熱を用いて融着させたりする。また、後述するような透明な樹脂又はガラスで表示部分を覆うこともできる。
図6は第1低反射層3及び第2低反射層4を成層した場合の反射率の波長及び光入出射角との関係を表す図である。図6(a)は第1低反射層3となるチタンをスパッタ法により成膜し、第2低反射層4となるをITOを室温(Room Temperature;RT)でスパッタ法により成膜してその厚さを78nmとしたものである。図6(b)は同条件でスパッタした後、280℃で1時間、大気中で処理したものである。また、図6(c)は第1低反射層3であるチタンだけをスパッタ法で成膜したものである。そして、図6(d)はAl、ITO、Alの3層の層で構成したものである。ここで、図6(d)については、ITOの層厚などの条件を図6(a)の場合と同じようにしている。
図7は第1低反射層3をTi、第2低反射層4をICOで成層した場合の反射率の波長及び光入出射角との関係を表す図である。なお、図7(a)は第2低反射層4となるICOを38nmの厚さに成層したもの、図7(b)は第2低反射層4となるICOを76nmの厚さに成層したものである。ICOは酸化セリウムを20at%(原子(分子)数の割合)含むインジウム酸化セリウムをターゲットとしてスパッタ法により成膜したものである。厚さにより、反射率を低減できる波長及びその光入出射角には差があるが、どちらの場合も視感度の高い500nm付近の波長の光反射率を低減させていることがわかる。また、図6、図7によれば、第1の低反射層3をTiで構成した場合の方が外部から入射する光の反射を抑制できることがわかる。
以上のように参考例1によれば、第1低反射層3と第2低反射層4との低反射層により、表示パネルの表示面(画素領域及び画素周辺領域を含む)で外部から入射した光の反射が低減する。また、低反射化の基本構造を第1低反射層3と第2低反射層4の2層から構成しており、しかもこれらを電極としても利用したので、表示パネルの構成及び製造も簡素化できる。なお、第2低反射層4、EL層5、導電膜6の各層及びそれらの境界での相互作用も総合的な表示パネルの反射の低減に寄与していると考えられる。本発明による低反射化構造は、自己発光である有機EL素子を用いた表示用パネル(表示装置)に特に有効である。
参考例2.
図8、図9は本発明の参考例2に係る表示用パネルの構成を表す一部の断面図である。これらの図において、図1と同じ符号を付しているものは参考例1で説明したものと同一物又は相当物であるので説明を省略する。参考例2は、参考例1の封止膜8に代えて、同じく封止材として機能する樹脂又はガラスなどの透明な封止板8Aを用い、発光層と発光層との間、すなわち隔壁7に対向する封止板8Aの領域に外部から入射する光の反射を低減させる低反射化層を形成したものである。従って、参考例2では、第1低反射層3と第2低反射層4からなる低反射層を、隔壁底部にまで延長して形成しなくてもよい。なお、上記低反射化層は、カーボンブラック、カーボン、カーボン同素体、あるいは酸化クロムなどからなる黒色層か、あるいは先述した第1低反射層と第2低反射層と同様な構成の低反射層からなる。
図8は、上記黒色層としてブラックレジスト9(カーボンブラック含有樹脂)が塗布されて形成されており、外部から隔壁7部に入射した光は、ブラックレジスト9に吸収されて遮光される。従って、この構成の表示パネルは、画素領域では第1低反射層3と第2低反射層4との低反射層により光反射を低減し、画素間の隔壁領域ではブラックレジスト9による光吸収によって光反射を低減する。
図9は、EL層5底部の第1低反射層3と第2低反射層4にそれぞれ対応する第一低反射層3Aと第二低反射層4Aからなる低反射層を、低反射化層として封止板8Aに形成したものである。なお、第一低反射層3Aと第1低反射層3の素材、あるいは第二低反射層4Aと第2低反射層4の素材は必ずしも一致させる必要はなく、参考例1で説明した素材の範囲内で適宜組み合わせることができる。従って、この構成の表示パネルは、画素領域では第1低反射層3と第2低反射層4との低反射層により光反射を低減し、画素間の隔壁領域では第一低反射層3Aと第二低反射層4Aとの低反射層により光反射を低減する。
なお、封止板8Aに対する黒色層の形成は、上記黒色物質の塗布、真空蒸着法、スパッタ法などにより行う。そして、その黒色層の厚さは、ブラックカーボンを含んだブラックレジストの塗布を用いる場合には1〜2μm程度の厚さにし、カーボンやカーボン同素体、酸化クロムなどのスパッタ法や真空蒸着法を用いる場合は0.3〜1μm程度の厚さにすると、工程上作製し易く、十分な低反射化の効果が得られる。また、第一低反射層3Aと第二低反射層4Aとの低反射層は、第1低反射層3と第2低反射層4との低反射層の場合と同様にして形成できる。この場合、参考例1で行った表面研磨は不要である。
上記黒色層や低反射層が形成された封止板8Aを、参考例1に示すようなパネル製造の最終工程で、隔壁7部分に接着剤で貼付る。なお、封止板8Aは、素子を形成した基板に接着する面側に、凹部を設けた形状のものを用いてもよい。その場合、封止板8Aと導電膜の間のスペース15部には、中に入ってくる水分を吸収するための乾燥剤を封入してもよく、また接着剤を充填してもよい。
参考例3.
図10、図11は本発明の参考例3に係る表示用パネルの構成を表す一部の断面図である。これらの図において、図1と同じ符号を付しているものは参考例1で説明したものと同一物又は相当物であるので説明を省略する。この参考例3は、画素間の光反射抑制のため、隔壁7の頂面に低反射化層を形成したものである。すなわち、参考例1,2のように隔壁の底部や封止材に低反射化層を設ける代わりに、隔壁7の表面に低反射化層を形成したものである。従って、参考例3でも、第1低反射層3と第2低反射層4からなる低反射層を、隔壁底部にまで延長して形成する必要はない。なお、上記低反射化層は、カーボンブラック、カーボン、カーボン同素体などからなる黒色層か、あるいは先述した第1低反射層3と第2低反射層4と同様な構成の低反射層からなる。また、必要に応じて、隔壁7の側面に対しても低反射化層を形成してもよいが、絶縁性が必要なため上記低反射層は用いない。
図10は、隔壁7の頂面及び側面にブラックレジスト10(カーボンブラック含有樹脂)が塗布されて形成されており、外部から隔壁7部に入射した光は、このブラックレジスト10に吸収される。従って、この構成の表示パネルは、画素領域では第1低反射層3と第2低反射層4との低反射層により光反射を低減し、画素間の隔壁領域ではブラックレジスト10による光吸収によって光反射を低減する。
図11は、EL層5底部の第1低反射層3と第2低反射層4に、それぞれ対応する第一低反射層3Aと第二低反射層4Aからなる低反射層が、低反射化層として隔壁7の頂面に形成され、隔壁7の側面には図10と同様のブラックレジスト10が形成されている。なお、第一低反射層3Aと第1低反射層3の素材、あるいは第二低反射層4Aと第2低反射層4の素材は必ずしも一致させる必要はなく、参考例1で説明した素材の範囲内で適宜組み合わせ利用してよい。従って、この構成の表示パネルは、画素領域では第1低反射層3と第2低反射層4との低反射層により光反射を低減し、画素間の隔壁領域では第一低反射層3Aと第二低反射層4Aとの低反射層及びブラックレジスト10による光吸収によって光反射を低減する。
実施の形態1.
図12、図13は本発明の実施の形態1に係る表示用パネルの構成を表す一部の断面図である。これらの図において、図1と同じ符号を付しているものは参考例1で説明したものと同一物又は相当物であるので説明を省略する。実施の形態1は、基板1とEL層5との間に、参考例1〜3で採用した第1低反射層3と第2低反射層4からなる低反射層に代えて、光反射抑制のための黒色層を形成したものである。そして、隔壁の頂面に光反射抑制のための低反射化層を形成したものである。なお、上記低反射化層は、カーボンブラック、カーボン、カーボン同素体などからなる黒色層か、あるいは先述した第一低反射層第二低反射層と同様な構成の低反射層からなる。また、必要に応じて、隔壁7の側面に対しても低反射化層を形成してもよいが、そこには絶縁性が必要なため上記低反射層は用いない。
図12は、基板1とEL層5の間の平坦化絶縁膜52の上にブラックレジスト11(カーボンブラック含有樹脂)が塗布されて形成されており、その上部に陽極として電極(ITO)、EL層5(正孔注入輸送層5A、発光層5B)、及び陰極としての導電膜6が形成されている。また、隔壁7の頂面には前述した第一低反射層3Aと第二低反射層4Aからなる低反射層が形成されている。この構成の表示パネルは、画素領域ではブラックレジスト11の光吸収により光反射を低減し、画素間の隔壁領域では第一低反射層3Aと第二低反射層4Aとの低反射層によって光反射を低減する。
図13は、基板1とEL層5の間の平坦化絶縁膜52の上にブラックレジスト11が塗布されて形成されており、その上部に陽極として電極(ITO)、EL層5(正孔注入輸送層5A、発光層5B)、及び陰極としての導電膜6が形成されている。また、隔壁7の頂面及び側面にもブラックレジスト10が塗布されて形成されている。この構成の表示パネルは、画素領域ではブラックレジスト11の光吸収により、そして、画素間の隔壁領域ではブラックレジスト10の光吸収により光反射を低減している。
次に、実施の形態1の表示用パネルを製造する方法について説明する。基板1上にTFT及び平坦化絶縁膜52を形成するまでの工程については、参考例1で説明したことと同様である。次に、平坦化絶縁膜52の上面のEL層5形成予定領域に、絶縁性のブラックレジスト11を塗布する。この塗布は、例えばスピンコーティングにより行うことができる。そして、フォトリソグラフィ法を用いて、所定形状(スルーホールに対応した形状)にパターニングを行い、スルーホールを形成して、TFTと電極11との電極コンタクト2を形成する。
次に、ブラックレジスト11の上に電極12となるITOを、先述の第2低反射層4と同様にして、直流マグネトロン方式のスパッタ法により成層する。さらに、参考例1と同様にして、隔壁7を形成しようとする領域の底部に絶縁保護膜61を形成する。
そして、参考例1と同様の方法で隔壁7を形成し、その隔壁の表面(頂面及び/又は側面)に上述した低反射化層を形成する。この低反射化層は、ブラックレジストをスピンコートしたり、カーボンやカーボン同素体をスパッタ法や真空蒸着法により成膜することにより形成する。また、第一低反射層3AであるTiと第二低反射層4AであるITOとを、ステンレススチールなどのメタルマスクを利用してパターン形成を行うスパッタ法により積層する。この後は、参考例1で説明したEL層5の形成以降の工程を経て、表示パネルを完成させることができる。
参考例3や実施の形態1で、低反射化層として、カーボンやカーボン同素体からなる黒色層を形成する場合には、それらをスパッタ法又は真空蒸着法を用いて形成する。その黒色層の厚さは、ブラックカーボンを含んだブラックレジストの塗布を用いた場合には1〜2μm程度の厚さにし、カーボンやカーボン同素体、酸化クロムなどをスパッタ法や真空蒸着法を用いて成膜した場合は0.3〜1μm程度の厚さとすると、工程上作製し易く、十分な低反射化の効果が得られる。また、第一低反射層3Aと第二低反射層4Aとの低反射層は、第1低反射層3と第2低反射層4との低反射層の場合と同様にして形成すればよい。この場合も参考例1で行った表面研磨は不要である。
さらに、実施の形態1において、画素間の低反射化層を隔壁7の表面に形成する代わりに、参考例2で示したような封止板8Aを利用して、その封止板8Aの隔壁との対向面に低反射化層を形成してもよい。
図14はブラックレジスト11による黒色層の反射率の波長依存性及び光入出射角との関係を表す図である。また、図15はカーボンによる黒色層の反射率と光入出射角との関係を表す図である。これらの図からは、低反射化層として黒色層を用いた場合には、可視光領域における反射率については波長依存性が少ないことがわかる。
なお、上述の参考例や実施の形態では、TFTを用いたアクティブマトリクス方式の表示パネルとして説明したが、本発明はこれに限定するものではなく、パッシブマトリクス方式の表示用パネルにも適用することができる。
また、上述の参考例や実施の形態は、有機EL素子を用いた表示用パネルについて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、無機EL素子を用いた表示用パネル、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、電気泳動装置(EPD)、電子放出装置(EFD)など、同様な平面表示パネルを用いた表示装置でも実現することができる。また、上述の参考例や実施の形態では、発光層5Bの発光光を素子を形成した面側から取り出す、いわゆるトップエミッション構造の表示用パネルについて説明したが、参考例1〜3においては、これに限定されるものではなく、発光光を基板1の素子を形成した面と反対の面側から取り出す、いわゆるボトムエミッション構造についても適用することができる。さらに、光取り出し側のガラスの反射率が4%程度あるため、そのガラスに多層薄膜の反射防止膜を成膜したり、反射防止フィルムを貼付けるなどのAR(Anti-Reflection)処理を施すようにしてもよい。
最後に、上記実施の形態で説明してきた表示パネルを組み込んだ電子機器の例を示す。図16は本発明の実施の形態に係る電子機器を表す図である。図16(a)はPDA(Personal Digital Assistant)、図16(b)は携帯電話、図16(c)はデジタルカメラを表す。また、本実施の形態では図示していないが、コンピュータ、ゲーム機など、表示機能を有し、表示用パネルを用いる電子機器に本発明の表示パネルを利用することができる。本発明の表示パネルを用いた電子機器は、表示部における外部から入射した光の反射が低減または抑制されるため、屋外でもより見易くなる。
参考例1に係る表示用パネルの一部の断面図。 表示用パネルを構成する1つの画素を示す平面図。 Tiの膜厚、スパッタ成膜時の圧力と反射率との関係を表す図。 Tiの膜厚、スパッタ成膜時の圧力と最大反射率との関係を表す図。 Ti/ITOの層厚と反射率との関係を表す図。 各種の層による反射率と光入出射角との関係を表す図。 Ti/ICOの反射率と光入出射角との関係を表す図。 参考例2の第1の例に係る表示用パネルの一部の断面図。 参考例2の第2の例に係る表示用パネルの一部の断面図。 参考例3の第1の例に係る表示用パネルの一部の断面図。 参考例3の第2の例に係る表示用パネルの一部の断面図。 実施の形態1の第1の例に係る表示用パネルの一部の断面。 実施の形態1の第2の例に係る表示用パネルの一部の断面図。 ブラックレジスト膜の反射率と光入出射角との関係を表す図。 カーボン膜の反射率と光入出射角との関係を表す図。 本発明の実施の形態に係る電子機器を表す図。
符号の説明
1…基板、2…電極コンタクト、3…第1低反射層、3A…第一低反射層、4…第2低反射層、4A…第二低反射層、5…EL層、5A…正孔注入輸送層、5B…発光層、6…導電膜、7…隔壁(バンク)、8…封止膜、8A…封止板、9,10,11…ブラックレジスト、12…電極、15…スペース、20,30…TFT、51…層間絶縁膜、52…平坦化絶縁膜、61…絶縁保護膜。

Claims (9)

  1. 基板上に陽極と陰極とを構成する電極が対向して形成されており、前記陽極と前記陰極との間に画素となる発光層を複数備え、前記基板と反対側が表示画面となる表示パネルであって、前記各発光層間に隔壁が設けられているものにおいて、
    前記基板と前記発光層との間に黒色層を形成し、
    前記隔壁の頂面に、チタンから構成される第一低反射層とインジウム合金又はガリウム合金から構成される第二低反射層とを積層してなる低反射層を形成したことを特徴とする表示パネル。
  2. 基板上に陽極と陰極とを構成する電極が対向して形成されており、前記陽極と前記陰極との間に画素となる発光層を複数備え、前記基板と反対側が表示画面となる表示パネルであって、前記各発光層間に隔壁が設けられているものにおいて、
    前記基板と前記発光層との間及び前記隔壁の頂面に黒色層を形成したことを特徴とする表示パネル。
  3. 基板上に陽極と陰極とを構成する電極が対向して形成されており、前記陽極と前記陰極との間に画素となる発光層を複数備え、前記基板と反対側が表示画面となる表示パネルであって、前記各発光層間に隔壁を有し、前記発光層の表示面側に配置されて前記発光層を封止する封止材を備えたものにおいて、
    前記基板と前記発光層との間に黒色層を形成し、
    前記封止材前記隔壁と対向する部分に黒色層を形成したことを特徴とする表示パネル。
  4. 基板上に陽極と陰極とを構成する電極が対向して形成されており、前記陽極と前記陰極との間に画素となる発光層を複数備え、前記基板と反対側が表示画面となる表示パネルであって、前記各発光層間に隔壁を有し、前記発光層の表示面側に配置されて前記発光層を封止する封止材を備えたものにおいて、
    前記基板と前記発光層との間に黒色層を形成し、
    前記封止材前記隔壁と対向する部分に、チタンから構成される第一低反射層とインジウム合金又はガリウム合金から構成される第二低反射層とを積層してなる低反射層を形成したことを特徴とする表示パネル。
  5. 前記隔壁の側面に、絶縁性を有する黒色層を形成したことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の表示パネル。
  6. 前記チタンから構成される第一低反射層が、酸化チタン、窒化チタン、チタンタングステン合金のいずれかからなる層であることを特徴とする請求項1又は4のいずれかに記載の表示パネル。
  7. 前記インジウム合金から構成される第二低反射層が、インジウム酸化錫、インジウム酸化セリウム、インジウム酸化亜鉛のいずれかからなる層であることを特徴とする請求項1又は4のいずれかに記載の表示パネル。
  8. 前記第一低反射層としてチタンが100〜400nm形成され、前記第二低反射層としてインジウム酸化錫が60〜100nm形成されていることを特徴とする請求項1又は4のいずれかに記載の表示パネル。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載の表示パネルを備え、該表示パネルに表示機能を行わせることを特徴とする電子機器。
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