特許文献1,2に記載された技術によれば、ユーザは表示部を見なくても電池残量が少なくなったことを把握することができる。しかしながら、特許文献1,2に記載された技術では、電池残量が所定容量以下になると、それ以降出力される全ての通話音声や再生音について、音量やピッチ、テンポ、音質等が変えられてしまう。したがって、電池残量が少なくなったことを把握したユーザが、電池残量が尽きるまでの残り少ない時間、曲の再生演奏を楽しみたいと思っても、音量やピッチ、テンポ、音質等が変えられてしまっている状態では、通常の再生時と同じように音楽を楽しむことができない。また、曲のサビの部分を再生中であろうがイントロの部分を再生中であろうが、電池残量が所定容量以下になると、音量やピッチ、テンポ、音質等が変えられてしまうから、特に、サビの部分で音量やピッチ、テンポ、音質等が変えられてしまうと、残り少ない電池残量を有効に活用して曲データの再生演奏を楽しむことができなくなってしまう。
本発明は、以上説明した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、電池残量が少なくなっても極力最後まで通常の再生を行えるようにしつつ、表示部を見なくても電池残量が少なくなったことをユーザが把握できるようにすることである。
上記課題を解決するため、本発明は、電池から供給される電力によって駆動される携帯型再生装置において、前記電池の残量を検出する検出手段と、音データを再生する再生手段と、前記再生手段により再生される音データについて再生速度の変更が許可されている再生区間を特定する特定手段と、前記検出手段により検出された残量が予め定められた閾値以下となった場合、前記再生手段により音データを再生する際の再生速度を、前記特定手段により特定された再生区間外では前記残量が前記閾値より多い場合の通常の再生速度とする一方、前記特定された再生区間内では前記通常の再生速度よりも遅くする再生速度制御手段とを具備することを特徴とする。
本発明によれば、携帯型再生装置は、電池残量が予め定められた閾値以下になると、音データを再生する際の再生速度を、当該音データに対して再生速度の変更が許可されている再生区間内で、通常の再生速度よりも遅くする。
なお、前記特定手段により特定された再生区間内において、再生速度を通常の再生速度よりも遅くする場合、当該再生速度を前記検出手段により検出された残量に応じた大きさとしてもよい。また、前記特定手段により特定された再生区間内において、再生速度を通常の再生速度よりも遅くする時間幅を、前記検出手段により検出された残量に応じた大きさとする時間幅調整手段をさらに具備する構成であってもよい。
また、操作手段と、前記検出手段により検出された残量が前記閾値以下となったことをユーザが確認したことを示す操作信号が前記操作手段から入力されると、以降、前記電池の残量が尽きるまでの間あるいは前記電池が充電されるか交換されるまでの間、前記再生手段により音データを再生する際の再生速度を前記通常の再生速度に戻す解除手段とをさらに具備する構成であってもよい。
さらに、電池から供給される電力によって駆動される携帯型再生装置において、前記電池の残量を検出する検出手段と、音データを再生する再生手段と、前記再生手段により再生される音データについて再生速度の変更が許可されている再生区間を特定する特定手段と、前記検出手段により検出された残量が予め定められた第1の閾値以下となった場合、前記再生手段により音データを再生する際の再生速度を、前記特定手段により特定された再生区間外では前記残量が前記第1の閾値より多い場合の通常の再生速度とする一方、前記特定された再生区間内では前記通常の再生速度よりも遅くする第1の再生速度制御手段と、前記検出手段により検出された残量が前記第1の閾値よりも低い第2の閾値以下となった場合、前記再生手段による音データの再生位置に係らず、前記音データの再生速度を徐々に遅くしていく第2の再生速度制御手段とを具備する構成としてもよい。
また、本発明は、電池から供給される電力によって駆動される携帯型再生装置において、前記電池の残量を検出する検出手段と、音データを再生する再生手段と、前記検出手段により検出された残量が予め定められた閾値以下となった場合、前記再生手段により音データを再生する際の再生速度を、前記音データの再生区間のうち先頭部分または終了部分以外を再生している場合は、前記残量が前記閾値より多い場合の通常の再生速度とする一方、前記先頭部分または終了部分を再生している場合は前記通常の再生速度よりも遅くする再生速度制御手段とを具備することを特徴とする。
本発明によれば、携帯型再生装置は、電池残量が予め定められた閾値以下になると、音データの先頭部分または終了部分を再生する際の再生速度を通常時の再生速度よりも遅くする。
なお、前記再生速度制御手段は、前記検出手段により検出された残量が予め定められた閾値以下となった場合、前記再生手段により音データを再生する際の再生速度を、前記音データの再生区間のうち先頭部分以外を再生している場合は、前記残量が前記閾値より多い場合の通常の再生速度とする一方、前記先頭部分を再生している場合は前記通常の再生速度よりも遅い範囲で徐々に速くしていく構成であってもよい。また、前記再生速度制御手段は、前記検出手段により検出された残量が予め定められた閾値以下となった場合、前記再生手段により音データを再生する際の再生速度を、前記音データの再生区間のうち終了部分以外を再生している場合は、前記残量が前記閾値より多い場合の通常の再生速度とする一方、前記終了部分を再生している場合は前記通常の再生速度よりも遅い範囲で徐々に遅くしていく構成であってもよい。
また、前記先頭部分または終了部分において、再生速度を通常の再生速度よりも遅くする場合、当該再生速度を前記検出手段により検出された残量に応じた大きさとしてもよい。また、前記先頭部分または終了部分において、再生速度を通常の再生速度よりも遅くする時間幅を、前記検出手段により検出された残量に応じた大きさとする時間幅調整手段をさらに具備する構成であってもよい。
さらに、電池から供給される電力によって駆動される携帯型再生装置において、前記電池の残量を検出する検出手段と、音データを再生する再生手段と、前記検出手段により検出された残量が予め定められた第1の閾値以下となった場合、前記再生手段により音データを再生する際の再生速度を、前記音データの再生区間のうち先頭部分または終了部分以外を再生している場合は、前記残量が前記第1の閾値より多い場合の通常の再生速度とする一方、前記先頭部分または終了部分を再生している場合は前記通常の再生速度よりも遅くする第1の再生速度制御手段と、前記検出手段により検出された残量が前記第1の閾値よりも低い第2の閾値以下となった場合、前記再生手段による音データの再生位置に係らず、前記音データの再生速度を徐々に遅くしていく第2の再生速度制御手段とを具備する構成としてもよい。
また、本発明は、電池から供給される電力によって駆動される携帯型再生装置において、前記電池の残量を検出する検出手段と、音データを再生する再生手段と、前記再生手段により再生される音データについて音響効果の付与が許可されている再生区間を特定する特定手段と、前記検出手段により検出された残量が予め定められた閾値以下となった場合、前記再生手段により音データを再生する際に、前記特定手段により特定された再生区間内において、予め定められた音響効果を付与する音響効果付与手段とを具備することを特徴とする。
本発明によれば、携帯型再生装置は、電池残量が予め定められた閾値以下になると、音データを再生する際に、当該音データに対して音響効果の付与が許可されている再生区間内で、予め定められた音響効果を付与する。
なお、前記音響効果付与手段によって付与される音響効果の大きさを、前記検出手段により検出された残量に応じて異ならせる音響効果調整手段をさらに具備する構成であってもよい。また、前記特定手段により特定された再生区間内において、前記音響効果付与手段により音響効果を付与する時間幅を、前記検出手段により検出された残量に応じた大きさとする時間幅調整手段をさらに具備する構成であってもよい。
また、本発明は、電池から供給される電力によって駆動される携帯型再生装置において、前記電池の残量を検出する検出手段と、音データを再生する再生手段と、前記検出手段により検出された残量が予め定められた閾値以下となった場合、前記再生手段により音データを再生する際に、前記音データの再生区間のうち先頭部分または終了部分において、予め定められた音響効果を付与する音響効果付与手段とを具備することを特徴とする。
本発明によれば、携帯型再生装置は、電池残量が予め定められた閾値以下になると、音データの先頭部分または終了部分を再生する際に予め定められた音響効果を付与する。
また、本発明は、電池から供給される電力によって駆動されるコンピュータを、前記電池の残量を検出する検出手段と、音データを再生する再生手段と、前記再生手段により再生される音データについて再生速度の変更が許可されている再生区間を特定する特定手段と、前記検出手段により検出された残量が予め定められた閾値以下となった場合、前記再生手段により音データを再生する際の再生速度を、前記特定手段により特定された再生区間外では前記残量が前記閾値より多い場合の通常の再生速度とする一方、前記特定された再生区間内では前記通常の再生速度よりも遅くする再生速度制御手段として機能させるためのプログラムを提供する。
また、本発明は、電池から供給される電力によって駆動されるコンピュータを、前記電池の残量を検出する検出手段と、音データを再生する再生手段と、前記検出手段により検出された残量が予め定められた閾値以下となった場合、前記再生手段により音データを再生する際の再生速度を、前記音データの再生区間のうち先頭部分または終了部分以外を再生している場合は、前記残量が前記閾値より多い場合の通常の再生速度とする一方、前記先頭部分または終了部分を再生している場合は前記通常の再生速度よりも遅くする再生速度制御手段として機能させるためのプログラムを提供する。
また、本発明は、電池から供給される電力によって駆動されるコンピュータを、前記電池の残量を検出する検出手段と、音データを再生する再生手段と、前記再生手段により再生される音データについて音響効果の付与が許可されている再生区間を特定する特定手段と、前記検出手段により検出された残量が予め定められた閾値以下となった場合、前記再生手段により音データを再生する際に、前記特定手段により特定された再生区間内において、予め定められた音響効果を付与する音響効果付与手段として機能させるためのプログラムを提供する。
また、本発明は、電池から供給される電力によって駆動されるコンピュータを、前記電池の残量を検出する検出手段と、音データを再生する再生手段と、前記検出手段により検出された残量が予め定められた閾値以下となった場合、前記再生手段により音データを再生する際に、前記音データの再生区間のうち先頭部分または終了部分において、予め定められた音響効果を付与する音響効果付与手段として機能させるためのプログラムを提供する。
本発明によれば、電池残量が少なくなっても極力最後まで通常の再生を行えるようにしつつ、表示部を見なくても電池残量が少なくなったことをユーザに把握させることができる。
[A.第1実施形態]
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態に係るポータブルプレイヤ10の構成を示すブロック図である。本実施形態におけるポータブルプレイヤ10は、例えば、ポータブルMP3プレイヤであって、通信インタフェース106を介してパーソナルコンピュータ等の外部機器と通信を行って曲データを取得し、取得した曲データを記憶部107に記憶するとともに、記憶部107に記憶された曲データの中からユーザによって指定された曲データを読み出して再生することができる。
同図において、電池101は、例えば、充電可能なニッカド電池であって、ポータブルプレイヤ10の各部を駆動するための電力を供給する。なお、電池101は、ニッカド電池以外に、例えば、密閉型鉛電池、リチウム・イオン電池等の二次電池や、マンガン乾電池、水銀電池、酸化銀電池等の一次電池であってもよい。電池残量検出部102は、電池101の端子電圧を測定し、測定値を制御部103に出力する。なお、電池101として、ニッカド電池の代りに密閉型鉛電池やリチウム・イオン電池を用いた場合、負荷を接続した状態で電池101の端子電圧を測定しても、電池101の残量を検出することはできない。そこで、このような場合には、電池101の充電時と放電時の電流値を積算する方法を用いて電池101の残量を検出するため、電池残量検出部102は、電池101の充電時と放電時の電流値を測定して制御部103に出力する。
制御部103は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を備え、ROMや記憶部107に記憶されているプログラムを実行することでポータブルプレイヤ10の各部を制御する。また、制御部101は、電池残量検出部102からの測定値を用いて電池101の残量が予め定められた閾値以下であるか否かを判定し、判定結果に応じて曲データの再生動作を制御する。操作部104は、例えば、曲データの再生、停止、早送り、巻戻し等を指示する操作子や、音量を調節するための操作子等を備えている。表示部105には、再生している曲データについての情報や、音量、電池残量等に関する情報が表示される。通信インタフェース106は、パーソナルコンピュータ等の外部機器との通信を制御する。なお、外部機器との通信は、有線通信以外に無線通信や赤外線通信等であってもよい。
記憶部107は、例えば、ハードディスクやEEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)等であって、電池残量の検出や曲データの再生を制御するソフトウェア(プログラム)が記憶されている。また、この記憶部107には、外部機器から取得された曲データが多数記憶される。なお、本実施形態において外部機器から取得される曲データは、MP3形式で圧縮されている。
サウンド処理部108は、図示を省略したPCM(Pulse Code Modulation)音源や、デコード部109、バッファ110、信号処理部111、D/A(Digital/Analog)変換器112、アンプ113等を備え、記憶部107から読み出された曲データを再生し、スピーカやイヤホンジャックが備わる出力部114から曲データに従った楽音や音声を出力する。なお、デコード部109は、記憶部107から読み出された曲データ(MP3ファイル)を伸張する。また、信号処理部111は、曲データについてのデジタル音声信号を生成する。
また、サウンド処理部108は、曲データの再生速度(テンポ)や音律(ピッチ)、音量等を変更することができる。勿論、再生速度や音律、音量の変更は、再生中の曲の一部に対してのみ行うことが可能である。また、サウンド処理部108は、例えば、音を歪ませたり、ノイズを付加する、あるいは、かすれた音にしたり、ピッチや音量を通常の再生時より下げる等して、電池残量が少なくなったことをユーザに報知するための音響効果を、再生中の曲の一部に対して付与することができる。
次に、ポータブルプレイヤ10の動作を説明する。
図2は、ポータブルプレイヤ10において実行される電池残量監視処理のフローチャートである。なお、同図に示す電池残量監視処理は、ポータブルプレイヤ10の電源が投入されている間、予め定められた周期で制御部103(CPU)により実行される。まず、制御部103は、電池残量検出部102に対し、電池101の端子電圧の測定を指示する(ステップS101)。この指示に応じて電池残量検出部102は、電池101の端子電圧を測定し、測定値を制御部103に出力する。
次いで、制御部103は、記憶部107から閾値Aを読み出す(ステップS102)。ここで、記憶部107には、電池残量をチェックする際に用いる閾値として、閾値A(第1の閾値)と閾値B(第2の閾値)が記憶されている。閾値Aは、例えば、ポータブルプレイヤ10をあと10分間使用すると電池残量がなくなることを示す電池101の端子電圧の値である。また、閾値Bは、例えば、ポータブルプレイヤ10をあと30秒間使用すると電池残量がなくなること示す電池101の端子電圧の値である。なお、これらの閾値A,Bの値は、電池残量がなくなるまでのおおよその目安となる残り時間を示すものに過ぎない。なぜなら、電池残量がなくなるまでの残り時間は、厳密には、再生時の音量や、電池101の充電回数、温度等によって左右されるからである。
次いで、制御部103は、ステップS101において電池残量検出部102から取得した端子電圧の測定値と、ステップS102において記憶部107から読み出した閾値Aとを比較する(ステップS103)。その結果、制御部103は、端子電圧の測定値が閾値Aよりも大きかった場合(ステップS104:NO)、すなわち、電池残量がまだ十分にある場合は、電池残量フラグF1の値を“0”のままにして(ステップS105)、電池残量監視処理を終える。なお、電池残量フラグF1は、ポータブルプレイヤ10をあと10分間使用した場合に電池残量がなくなるか否かを示すフラグであって、フラグF1の値が“0”の場合は、ポータブルプレイヤ10をあと10分間使用しても電池残量がなくならないことを示している。また、フラグF1の値が“1”の場合は、ポータブルプレイヤ10をあと10分間使用すると電池残量がなくなってしまうことを示している。
一方、制御部103は、端子電圧の測定値が閾値A以下であった場合は(ステップS104:YES)、ポータブルプレイヤ10をあと10分間使用すると電池残量が尽きてしまうから、電池残量フラグF1の値を“1”にセットする(ステップS106)。次いで、制御部103は、記憶部107から閾値Bを読み出す(ステップS107)。そして、制御部103は、ステップS101において電池残量検出部102から取得した端子電圧の測定値と、ステップS107において記憶部107から読み出した閾値Bとを比較する(ステップS108)。
その結果、制御部103は、端子電圧の測定値が閾値Bよりも大きかった場合(ステップS109:NO)、すなわち、ポータブルプレイヤ10をあと30秒間使用しても電池残量がなくならない場合は、再生中止フラグF2の値を“0”のままにして(ステップS110)、電池残量監視処理を終える。なお、再生中止フラグF2は、ポータブルプレイヤ10をあと30秒間使用した場合に電池残量がなくなるか否かを示すフラグであって、フラグF2の値が“0”の場合は、あと30秒間使用しても電池残量がなくならないことを示している。また、フラグF2の値が“1”の場合は、あと30秒間使用すると電池残量がなくなってしまうことを示している。
一方、制御部103は、端子電圧の測定値が閾値B以下であった場合は(ステップS109:YES)、ポータブルプレイヤ10をあと30秒間使用すると電池残量が尽きてしまうから、再生中止フラグF2の値を“1”にセットして(ステップS111)、電池残量監視処理を終える。なお、電池残量フラグF1や再生中止フラグF2の値は記憶部107に記憶される。また、上述した電池残量監視処理において電池残量を検出する際には、例えば、再生時の音量や電池101の充電回数等を加味して、より正確に電池残量を検出することもできる。また、電池101として、ニッカド電池の代りに密閉型鉛電池やリチウム・イオン電池を用いた場合、電池残量検出部102は、電池101の充電時と放電時の電流値を測定して制御部103に出力し、制御部103は、電池残量検出部102から取得した電池101の充電時と放電時の電流値を積算して電池残量を検出する。
次に、図3は、ポータブルプレイヤ10において実行される再生制御処理のフローチャートである。この再生制御処理は、曲データの再生が指示された場合に制御部103により実行され、その後、曲データの再生期間中において定期的に実行される。なお、勿論であるが、ポータブルプレイヤ10の記憶部107には、再生制御処理が実行される時点よりも前の段階で、パーソナルコンピュータ等の外部機器を用いてサーバからダウンロードされた曲データが少なくとも1曲以上記憶されている。また、以下に説明する再生制御処理の実行に先立って、制御部103は、再生する曲データを記憶部107から読み出してサウンド処理部108へと転送し、これに応じてサウンド処理部108は、転送された曲データについての再生処理を開始し、この曲データに従った楽音や音声を出力部114から順次出力する。
図3に示すように再生制御処理が開始されると、まず、制御部103は、記憶部107から再生中止フラグF2の値を読み出す(ステップS201)。次いで、制御部103は、再生中止フラグF2の値が“0”であるか否かを判別する(ステップS202)。その結果、フラグF2の値が“1”であって、ポータブルプレイヤ10をあと30秒間使用すると電池残量が尽きてしまう場合(ステップS202:NO)、制御部103は、サウンド処理部108に対し、再生位置に係らず一定の割合で徐々に再生速度を低下させるよう指示する(ステップS203)。
この指示に応じてサウンド処理部108、すなわち、より具体的にはサウンド処理部108内の信号処理部111は、曲データの再生速度を徐々に低下させる。また、サウンド処理部108は、再生速度が“0”になると、その旨を制御部103に通知する。制御部103は、再生速度が“0”となった時点で(ステップS204:YES)、電池残量が尽きてしまったことを示す音声メッセージまたは報知音をサウンド処理部108から出力させ(ステップS205)、サウンド処理部108における曲データの再生処理を中止させた後(ステップS206)、再生制御処理を終える。
なお、ステップS202においてNOと判別され、あと30秒以内に電池残量が尽きてしまう場合、制御部103は、比較的多くの電力を消費してしまう、記憶部107からの曲データの読み出しを極力行なわないようにする一方、サウンド処理部108に対しても、比較的多くの電力を消費してしまう、デコード部109での曲データの伸張処理を極力行なわないよう指示する。加えて、制御部103は、サウンド処理部108に対し、現時点においてバッファ110に蓄積されている曲データについての再生制御処理を優先して行うよう指示する。このような制御構成を採用することによって、無駄な電力の消費を極力抑えることができる。
また、近年の携帯型再生装置では、データの読み出しにモータ等の駆動部を必要としない記録媒体(例えばメモリカード)を用いたり、バッファへの先読みが行われているため、電池残量が尽きてしまう最後まで再生速度を一定に保つことができる反面、電池残量が尽きてしまった場合、いきなり再生速度が“0”になり、曲の再生が中止されてしまう。従来のコンパクトカセットプレーヤ等では、モータを駆動して磁気テープに記録された曲データを読み取っていたので、電池残量が残り僅かになると、モータの回転数が下がり、再生速度が徐々に低下してしまうことがあったが、本実施形態におけるポータブルプレイヤ10では、このようなアナログ式の携帯型再生装置において電池残量が尽きてきた場合と同じ状態を再現している。
一方、再生中止フラグF2の値が“0”であって、ポータブルプレイヤ10をあと30秒間使用しても電池残量が尽きない場合(ステップS202:YES)、次いで、制御部103は、記憶部107から電池残量フラグF1の値を読み出す(ステップS207)。そして、制御部103は、電池残量フラグF1の値が“1”であるか否かを判別する(ステップS208)。その結果、電池残量フラグF1の値が“0”であって、ポータブルプレイヤ10をあと10分間使用しても電池残量が尽きない場合(ステップS208:NO)、制御部103は、ステップS211に移行し、予め定められた通常の再生速度で曲データを再生するようサウンド処理部108に指示する(ステップS211)。この指示に応じてサウンド処理部108は、通常時の再生速度で曲データを再生する。
また、制御部103は、電池残量フラグF1の値が“1”であって、ポータブルプレイヤをあと10分間使用すると電池残量が尽きてしまう場合(ステップS208:YES)、曲の先頭部分または終了部分を再生中であるか否かを判別する(ステップS209,S210)。ここで、曲の先頭部分とは、例えば、通常再生時において曲の先頭から4.0秒以内の部分を指す。また、曲の終了部分とは、例えば、通常再生時において曲の終わりから前に遡って4.0秒以内の部分を指す。つまり、ステップS209,S210において制御部103は、曲の先頭から4.0秒以内の部分または曲の終わりから前に遡って4.0秒以内の部分を再生中であるか否かを判別する。勿論、曲の先頭部分や終了部分を規定する時間幅は、上述した4.0秒に限定されず任意に定めることができる。
その結果、制御部103は、曲の先頭部分を再生中でなく、かつ曲の終了部分を再生中でもないと判別した場合は(ステップS209とステップS210の判別結果がともにNOの場合)、予め定められた通常の再生速度で曲データを再生するようサウンド処理部108に指示する(ステップS211)。一方、制御部103は、曲の先頭部分または終了部分を再生中であると判別した場合は(ステップS209:YESまたはステップS210:YES)、再生速度を変更するための処理を行なう(ステップS212)。
ここで、ステップS212で行われる処理について具体的に説明すると、例えば、曲の先頭部分を再生中の場合、制御部103は、曲の先頭部分の再生速度を通常時の再生速度よりも遅くするようサウンド処理部108に指示する。つまり、通常時の再生速度が“10”であったとすると、制御部103は、その半分の“5”の再生速度で曲の先頭部分を再生するようサウンド処理部108に指示する。同様に、曲の終了部分を再生中の場合、制御部103は、曲の終了部分の再生速度を通常時の再生速度よりも遅くするようサウンド処理部108に指示する。この指示に応じてサウンド処理部108は、曲の先頭部分と終了部分の再生速度を通常時の再生速度よりも遅くする。
なお、曲の先頭部分や終了部分を再生する際の再生速度は、通常時の再生速度の半分に限定されるものではなく、通常時の再生速度よりも遅い速度であって、再生速度が低下したことをユーザが認識し得る程度の再生速度であればよい。
また、曲の先頭部分や終了部分の再生速度を通常時の再生速度よりも遅くする場合、たえず一定の再生速度を保つ必要はない。例えば、曲の先頭部分を再生中の場合、通常時の再生速度を“10”とした場合に、再生速度を“1”(速度低)から“9”(速度高)へ徐々に速くするようにしてもよいし、曲の終了部分を再生中の場合は、再生速度を“9”(速度高)から“1”(速度低)へ徐々に遅くするようにしてもよい。
また、電池残量監視処理のステップS101で測定された電池101の端子電圧の値、すなわち電池残量に応じて、曲の先頭部分や終了部分を再生する際の再生速度の大きさを設定してもよい。例えば、電池101の端子電圧が閾値Aと閾値Bの間の比較的高い値である場合は、通常時の再生速度を“10”とした場合に、曲の先頭部分や終了部分を再生する際の再生速度として“7”を、また、電池101の端子電圧が閾値Aと閾値Bの間の比較的低い値である場合は、曲の先頭部分や終了部分を再生する際の再生速度として“3”を設定する構成としてもよい。このような構成とすれば、曲の先頭部分や終了部分の再生速度の大小により、残り少なくなった電池101のおおよその残量が把握できる。
また、電池残量に応じて、再生速度を低下させる曲の先頭部分または終了部分の時間幅を変えてもよい。すなわち、例えば、電池101の端子電圧が閾値Aと閾値Bの間の比較的高い値である場合は、再生速度を下げる曲の先頭部分や終了部分の時間幅を、通常再生時において2.0秒間の区間とするが、電池101の端子電圧が閾値Aと閾値Bの間の比較的低い値である場合は、再生速度を下げる曲の先頭部分や終了部分の時間幅を、通常再生時において4.0秒間の区間とする構成としてもよい。このような構成とすれば、ユーザは、再生中の曲の先頭部分や終了部分において、再生速度が遅くなった時間幅の大小により、残り少なくなった電池101のおおよその残量を把握できる。
以上説明したように本実施形態によれば、ポータブルプレイヤ10は、電池残量が閾値A以下になると、曲の先頭部分と終了部分の再生速度を通常時の再生速度よりも遅くする。よって、ユーザは、ポータブルプレイヤ10の電池残量が少なくなったことを再生速度の変化によって認識することができる。また、電池残量が閾値A以下となった場合でも、以降、電池残量が尽きるまでの間、再生される曲の先頭部分や終了部分以外のほとんどの区間では、通常時の再生動作が維持されるから、残り少ない電池残量を有効に活用して曲の再生演奏を楽しむことができる。
なお、ポータブルプレイヤ10(コンピュータ)は、記憶部107にインストールされているプログラムに従って上述した電池残量監視処理(図2参照)や再生制御処理(図3参照)を実行するが、このプログラムを通信によってポータブルプレイヤ10へと送信し、記憶部107にインストールしてもよい。また、このプログラムをCD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)やDVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録して提供してもよい。また、図3に示した再生制御処理の実行主体は、制御部103でなく、サウンド処理部108(信号処理部111)であってもよい。
[B.第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。なお、本実施形態に係るポータブルプレイヤは、再生速度を通常時の再生速度よりも遅くする区間が第1実施形態において説明した区間(曲の先頭部分と終了部分)とは異なるが、それ以外の部分については、基本的に第1実施形態におけるポータブルプレイヤ10と同じであるので、同一の符号を付し、相違点のみを説明する。
まず、図4(A)および図4(B)は、第2実施形態に係る曲データ20のデータ構成を示す図である。図4(A)に示すように、曲データ本体20bは、「イントロ」、「Aメロ」、「Bメロ」、「間奏1」、「サビ1」……等、複数のメロディパートを組み合わせて構成されている。また、曲データ20は、図4(B)に示すように、ヘッダ情報20aと曲データ本体20bにより構成され、ヘッダ情報20aには、各メロディパートの区間情報が含まれている。ここで、区間情報とは、通常再生時における曲の先頭からの再生経過時間を用いてメロディーパートの開始位置と終了位置を示した情報である。勿論、図4(B)におけるヘッダ情報20aは、タグを用いて曲データ本体20bに埋め込まれていてもよい。
本実施形態に係るポータブルプレイヤ10は、「サビ1」等の、その曲における重要なメロディパート以外の、例えば、「イントロ」や「間奏1」の部分における再生速度を通常時の再生速度よりも遅くする。このため、ポータブルプレイヤ10の記憶部107には、再生速度の変更を許可するメロディパートを指定する情報(メロディパート指定情報)が記憶されている。以降、本実施形態においては、メロディパート指定情報によって「間奏」が指定されている場合について説明するが、勿論、再生速度の変更を許可するメロディパートは、「間奏」以外の、例えば、図4(A)における「イントロ」や、「イントロ」と「間奏1」等であってもよい。また、ユーザが操作部104を操作して記憶部107に記憶されているメロディパート指定情報を変更し、再生速度の変更を許可するメロディパートを別のメロディパートに変更することも可能である。
本実施形態に係るポータブルプレイヤ10の動作は、基本的に第1実施形態における電池残量監視処理(図2参照)および再生制御処理(図3参照)と略同じであり、異なる点は、再生制御処理におけるステップS209〜S212の代わりに、図5に示すステップS301〜S307の処理を行なう点である。なお、図5において、図3に示した再生制御処理と同じ部分には、同一のステップ番号(200番台)を付している。
図5に示すように、本実施形態に係るポータブルプレイヤ10(制御部103)は、ステップS208において電池残量フラグF1の値が“1”であるか否かを判別し、フラグF1の値が“0”であって、ポータブルプレイヤ10をあと10分間使用しても電池残量が尽きない場合は(ステップS208:NO)、ステップS306に移行し、通常時の再生速度で曲データ20を再生するようサウンド処理部108に指示する(ステップS306)。この指示に応じてサウンド処理部108は、通常時の再生速度で曲データ20を再生する。
一方、制御部103は、電池残量フラグF1の値が“1”であって、ポータブルプレイヤをあと10分間使用すると電池残量が尽きてしまう場合(ステップS208:YES)、まず、現時点において再生中の曲データ20を特定する(ステップS301)。次いで、制御部103は、特定した曲データ20のヘッダ情報20aを記憶部107から読み出すとともに(ステップS302)、記憶部107からメロディパート指定情報を読み出す(ステップS303)。
この後、制御部103は、ステップS302において読み出されたヘッダ情報20aの中から、ステップS303において読み出されたメロディパート指定情報によって指定されるメロディパートの区間情報、すなわち、再生速度の変更が許可されている区間の情報を読み出す(ステップS304)。つまり、本実施形態においては「間奏」の区間情報である。そして、制御部103は、「間奏」の区間(再生速度の変更が許可されている区間)を再生中であるか否かを判別する(ステップS305)。
その結果、制御部103は、「間奏」の区間を再生中でないと判別した場合(ステップS305:NO)、通常時の再生速度で曲データ20を再生するようサウンド処理部108に指示する(ステップS306)。一方、制御部103は、「間奏」の区間を再生中であると判別した場合は(ステップS305:YES)、再生速度を変更するための処理を行なう(ステップS307)。すなわち、第1実施形態において説明した再生制御処理(図3参照)のステップS212と同様に、制御部103は、「間奏」の区間内では、再生速度を通常時の再生速度よりも遅くするようサウンド処理部108に指示する。例えば、通常時の再生速度が“10”であったとすると、制御部103は、その半分の“5”の再生速度で「間奏」の区間を再生するようサウンド処理部108に指示する。この指示に応じてサウンド処理部108は、「間奏」の区間内での再生速度を通常時の再生速度の半分にする。
なお、第1実施形態の場合と同様に、「間奏」の区間での再生速度は、通常時の再生速度の半分に限定されるものではなく、通常時の再生速度よりも遅い速度であって、再生速度が低下したことをユーザが認識し得る程度の再生速度であればよい。また、「間奏」の区間内において、たえず一定の再生速度を保つ必要はなく、通常時の再生速度よりも遅い範囲で再生速度を可変制御してもよい。また、「間奏」の区間内において、再生速度の大きさを電池残量に応じて定めてもよい。
以上説明したように本実施形態によれば、ポータブルプレイヤ10は、電池残量が閾値A以下になると、曲データ20中において「サビ」等の、その曲における重要なメロディパート以外となる、例えば「間奏」の区間を特定し、特定した区間内での再生速度を通常時の再生速度よりも遅くする。よって、ユーザは、ポータブルプレイヤ10の電池残量が少なくなったことを再生速度の変化によって認識することができる。また、電池残量が閾値A以下となった場合でも、以降、電池残量が尽きるまでの間、再生される曲データ20中の「間奏」以外のほとんどの区間では、通常時の再生動作が維持されるから、残り少ない電池残量を有効に活用して曲の再生演奏を楽しむことができる。
なお、図6に示すように、再生速度の変更を許可する区間の情報(速度変更許可区間情報)がヘッダ情報30aとして曲データ本体30bに付与されていてもよい。この場合は、曲データ30の提供者が、曲データ30について「サビ」等のその曲における重要なメロディパート以外となる、例えば「間奏」の区間を特定し、特定した区間の開始位置と終了位置を示す速度変更許可区間情報を曲データ本体30bに付与する。勿論、図6におけるヘッダ情報30aは、タグを用いて曲データ本体30bに埋め込まれていてもよい。
また、第2実施形態において、メロディパート指定情報により指定される区間(例えば「間奏」の区間)が曲データ20中に複数ある場合は、これらの各区間のうち、再生速度を通常時の再生速度よりも遅くする区間の数を電池残量に応じて増加減してもよい。
[C.変形例]
(1)上述した第1実施形態では、曲の先頭部分や終了部分の再生速度を通常時の再生速度よりも遅くすることで、電池残量が少なくなったことをユーザに認識させる構成とした。しかしながら、再生速度を低下させる代りに、例えば、サウンド処理部108(信号処理部111)において、曲の先頭部分や終了部分を再生する際に、音を歪ませたり、ノイズを付加する、あるいは、かすれた音にしたり、ピッチや音量を通常時の再生時よりも下げる等して、電池残量が少なくなったことをユーザに認識させる構成としてもよい。つまり、電池残量が閾値A以下になると、電池残量が少なくなったことを報知するための音響効果を曲の先頭部分または終了部分に付与して再生する構成であってもよい。
このような構成としても、ユーザは、ポータブルプレイヤ10の電池残量が少なくなったことを、曲の先頭部分や終了部分に付与された音響効果によって認識することができる。また、電池残量が閾値A以下となった場合でも、以降、電池残量が尽きるまでの間、再生される曲の先頭部分や終了部分以外のほとんどの区間では通常時の再生動作が維持されるから、残り少ない電池残量を有効に活用して曲の再生演奏を楽しむことができる。勿論、再生速度を低下させる場合と同様に、電池残量監視処理のステップS101で測定された電池101の端子電圧の値(電池残量)に応じて、付与する音響効果の大きさや、音響効果を付与する時間幅を変えてもよい。
また、第2実施形態についても同様であり、曲データ20中において「サビ」等の、その曲における重要なメロディパート以外となる、例えば「間奏」の区間について、再生速度を通常時の再生速度よりも遅くする代りに、音を歪ませたり、ノイズを付加する、あるいは、かすれた音にしたり、ピッチや音量を通常時の再生時よりも下げる等して、電池残量が少なくなったことをユーザに認識させる構成としてもよい。勿論、「間奏」の区間内において、付与する音響効果の大きさや、音響効果を付与する時間幅を電池残量に応じて変えてもよい。また、メロディパート指定情報により指定される区間が曲データ20中に複数ある場合、これらの各区間のうち、音響効果を付与する区間の数を電池残量に応じて増加減してもよい。
(2)上述した第1実施形態では、電池残量が少なくなると、曲の先頭部分や終了部分の再生速度を通常時の再生速度よりも遅くする構成とした。しかしながら、このような構成であると、例えば、電池残量が尽きるまでの残り10分間の間に複数の曲が再生された場合、再生速度を遅くする処理が何度も行われることになる。つまり、残り少ない電池残量を極力有効活用し、曲の再生演奏を楽しむという観点からすると、再生速度を遅くする処理が何度も繰り返される分だけ電力消費に無駄が生じる。そこで、制御部103は、曲の先頭部分や終了部分において再生速度を低下させ、電池残量が少なくなったことをユーザに対して報知した後、操作部104からの操作信号を監視し、電池残量が少なくなったことをユーザが確認したことを示す操作信号が入力された場合は、以降、電池残量が尽きるまでの間、あるいは電池101が充電されるか、電池101が一次電池であった場合は新たな電池101と交換されるまでの間、曲の先頭部分または終了部分を再生する場合であっても、再生速度を遅くせずに通常時の再生速度とする構成としてもよい。このような構成とすれば、残り少ない電池残量を極力無駄なく活用できる。
勿論、これは第2実施形態についても同様であり、制御部103は、メロディパート指定情報により指定された区間内おいて再生速度を低下させ、電池残量が少なくなったことをユーザに対して報知した後、操作部104からの操作信号を監視し、電池残量が少なくなったことをユーザが確認したことを示す操作信号が入力された場合は、以降、電池残量が尽きるまでの間、あるいは電池101が充電されるか新たな電池101と交換されるまでの間、メロディパート指定情報によって指定される区間の再生速度を通常時の再生速度とする構成としてもよい。また、再生速度を低下させる代りに音響効果を付与する場合についても同様である。
(3)ポータブルプレイヤ10の表示部105に再生中の曲の歌詞が表示される場合、電池残量が閾値A以下となると、以降、電池残量が尽きてしまうまでの間、表示部105に表示される歌詞がかすれて表示されるようにしてもよい。また、本発明に係る携帯型再生装置は、ポータブルCDプレイヤやポータブルMD(Mini Disk)プレイヤ、ポータブルDVDプレイヤ等であってもよい。すなわち、外部機器と通信を行って曲データを取得するのではなく、曲データが記録されたCDやMD等の着脱自在な記録媒体が本体に装着され、この記録媒体から曲データを読み出して再生する構成であってもよい。勿論、記録媒体はメモリカード等であってもよい。また、電話回線やコンピュータネットワークを介して曲データをサーバ等から直接取得する機能と、このようにして取得した曲データを再生する機能を兼ね備えた携帯電話機やモバイルコンピュータ等に本発明を適用してもよい。また、本発明に係る携帯型再生装置において再生されるデータは、曲データに限定されず、録音された会話データ等の音声データであってもよい。
10…ポータブルプレイヤ、20,30…曲データ、20a,30a…ヘッダ情報、20b,30b…曲データ本体、101…電池、102…電池残量検出部、103…制御部、104…操作部、105…表示部、106…通信インタフェース、107…記憶部、108…サウンド処理部、109…デコード部、110…バッファ、111…信号処理部、112…D/A変換器、113…アンプ、114…出力部。