JP2004214843A - デジタルアンプ及びそのゲイン調整方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ソフトクリップを行うことができるとともに、再生信号のS/N比を劣化させることなく、ゲインを可変にできるデジタルアンプを提供する。
【解決手段】入力されたデジタル信号を増幅するデジタルアンプ100は、デジタル信号に対して音量制御を行う音量調整部5と、音量調整部5により音量制御されたデジタル信号に対して、圧縮特性を付加してゲイン調整を行うゲイン調整部101とを有する。また、ゲイン調整部は、入力信号をxとする時、次式、y=a{1−1(1−[x])n}の演算を行って、出力信号yに圧縮特性を付加する。
【選択図】 図1
【解決手段】入力されたデジタル信号を増幅するデジタルアンプ100は、デジタル信号に対して音量制御を行う音量調整部5と、音量調整部5により音量制御されたデジタル信号に対して、圧縮特性を付加してゲイン調整を行うゲイン調整部101とを有する。また、ゲイン調整部は、入力信号をxとする時、次式、y=a{1−1(1−[x])n}の演算を行って、出力信号yに圧縮特性を付加する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力されたデジタル信号を増幅するデジタルアンプ及びそのゲイン調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、デジタルアンプが注目を浴びている。これは、音楽ソースがデジタルソースになってきたことに伴い、車等でさまざまな機器をローカルエリアネットワークで結ぶという車載LANが採用されている。特に、高級車を中心に大きく広まってきている。
【0003】
また、DSP技術の拡大により、オーディオ用高効率PWM(Pulse Width Modulation)変調アンプ(クラスDアンプ)へのDSP応用が進んでおり、これにより、高音質化が実現されている。この技術は、従来の三角波を基準とした比較器出力を基本としたアナログPWM技術に対し、デジタルアンプとして広く普及しているものである。
【0004】
次に、このような従来のデジタルアンプについて、図4を用いて説明する。図4は、従来のデジタルアンプを説明するための図である。図4に示すように、デジタルアンプ1は、アナログ入力部2と、ADコンバータ3と、デジタル入力部4と、DSPオーディオコントロール5と、デジタルボリュームコントロール6と、PCM−PWM変換部7と、クラスDアンプ8とを有する。また、9はスピーカを示している。
【0005】
デジタルパワーアンプ1は、パルス幅を変調することにより入力信号を増幅して出力電圧とするものである。アナログ入力部2は、音声入力信号をアナログ信号で受け付ける。ADコンバータ3は、音声入力信号をアナログ/デジタル変換して、所定ビット(例えば16ビット)のデジタル信号を出力するものである。デジタル入力部4は、音声入力信号をデジタル信号で受け付ける。
【0006】
DSPオーディオコントロール5は、入力されたデジタル信号に対して、各種のオーディオ制御を実行する。デジタルボリュームコントロール6は、DSPオーディオコントロール5からのデジタル信号に対して、音量制御を行う。PCM−PWM変換部7は、nビットのデジタルデータが入力されると、その値に応じたデューティ比を有するパルス信号を生成する。クラスDアンプ8は、高速なスイッチング動作によって信号を増幅する。
【0007】
次に、このような従来技術と同様の技術が記載された特許文献1について説明する。図5は、特許文献1記載のデジタルアンプを説明するための図である。図5に示すように、従来のデジタルアンプ30は、電源電圧E,−Eを検出するAD変換器32と、出力電圧Voを検出するAD変換器34と、AD変換器34で検出された出力電圧Vo、AD変換器32で検出された電源電圧E,−E及び入力電圧Viに基づきパルス幅を算出するDSP36とを備えている。
【0008】
このDSP36は、出力電圧Voに基づき負荷抵抗値Rを算出し、負荷抵抗値R、電源電圧E,−E及び入力電圧Viに基づきパルス幅を算出する。これにより、パルス幅が電源電圧変動に応じて補正されるので、電源電圧変動による出力電圧Voの変動を抑制するというものである。また、AD変換器40は、アナログ音声信号からなる入力電圧Viを入力端子38を介して入力し、デジタル信号に変換してDSP36へ出力する。
【0009】
DSP36は、所定の計算式に基づきパルス幅を決定して、パルス幅を示す所定ビットの並列デジタル信号をPWM発生論理回路42へ出力する。PWM発生論理回路42は、そのパルス幅のパルスを発生し、その正負極性に対応したゲートドライバ441、442を介して、パワーMOSFET461を駆動する。その結果、出力端子48における出力電圧Voがパルス幅に応じて上昇又は下降することにより、出力端子48に接続されたスピーカ(図示せず)を鳴らし、出力信号の歪みを飛躍的に改善するというものである。
【0010】
この特許文献1記載のデジタルアンプでは、DSP技術を基本としているため、信号処理系内では最大信号値がいわゆるDSPの最大値を超えることは無く、常に歪が極めて少ない状態が作られ、最大のS/N(信号対雑音)比が実現できるように管理されている。この為、原理的には、ほとんど無歪の出力が、ほぼアンプ部電源電圧に等しい振幅で得ることができるようになっている。
【0011】
また、本出願人により、入力オーディを信号に圧縮特性を付加するとともに、デジタル信号処理に用いられている式における指数nを可変することにより圧縮特性を変更し、デジタル方式でありながら、アナログ方式による圧縮特性と同等の特性をオーディオ信号に付加するデジタル可変プロセッサが提案されている(特許文献2)。
【0012】
【特許文献1】
特開2002−151974号公報
【特許文献2】
特開平5−344078号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のデジタルアンプでは、アンプ部の電源電圧と出力パワーが完全に一致するため、電源電圧が倍になれば、デジタルアンプのゲインも倍になってしまうことから、デジタルアンプのゲインは、出力部の電源電圧によって決定されてしまう。このようなデジタルアンプにおいても、DSPによる信号処理部において、入力信号にあらかじめ1よりも小さい係数を掛け、見かけ上のゲインを小さくしておき、デジタルアンプのゲイン設定に応じて係数を変更することでユーザに対し可変ゲイン機能を提供する事も可能である。しかし、この場合、最大ゲイン設定時以外では、再生信号のS/N比が劣化してしまい、製品の最大性能を常に提供する事はできないという問題がある。
【0013】
また、アナログ回路の場合は、処理している信号のレベルが大きすぎる場合には、リモートに飽和するため、歪みがそれほど大きくなることはないが、デジタル処理の場合には、信号レベルが量子化ビット数の最大値を超えてオーバーフローすると、その量子化ビット数の最大値で信号波形が切り取られて(クリップされて)しまい、波形の歪みが大きくなくなってしまうという問題点があった。
【0014】
そこで、本発明は上記従来技術の問題点を解決し、ソフトクリップを行うことができるデジタルアンプ及びそのゲイン調整方法を提供することを目的とする。さらに、再生信号のS/N比を劣化させることなく、ゲインを可変にできるデジタルアンプ及びそのゲイン調整方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、本発明によれば、入力されたデジタル信号を増幅するデジタルアンプにおいて、前記デジタル信号に対して音量制御を行う音量調整部と、前記音量調整部により音量制御されたデジタル信号に対して、圧縮特性を付加してゲイン調整を行うゲイン調整部と、を有するデジタルアンプにより達成される。
【0016】
本発明のデジタルアンプによれば、ゲイン調整部によって、音量調整部から入力されたデジタル信号に対して圧縮特性を付加してゲイン調整を行うようにしたため、出力信号を徐々にクリップするというソフトクリップを行うことができる。これにより、デジタルアンプでありながら、アナログアンプにみられるような過大入力状態と同じ動作を得ることができ、大出力時のソフトクリップコントロールを実現することができる。
【0017】
また、上記構成のデジタルアンプにおいて、前記ゲイン調整部は、入力信号をxとする時、次式、
y=a{1−1(1−[x])n}
の演算を行って、出力信号yに圧縮特性を付加し、
但し、[x]は入力信号xの絶対値、nは圧縮特性を規定する指数、aはx≧0なるときに〈1〉、x<0なるときに〈−1〉なる値をとる係数とすることも可能である。
【0018】
本発明のデジタルアンプによれば、前記ゲイン調整部は、入力信号をxとする時、次式、y=a{1−1(1−[x])n}の演算を行って、出力信号yに圧縮特性を付加するので、出力信号yを徐々にクリップするようにゲインを調整することができ、デジタルアンプでありながら、アナログアンプにみられるような過大入力状態と同じ動作を得ることができる。これにより、大出力時のソフトクリップコントロールを実現することができる。
【0019】
また、上記構成のデジタルアンプにおいて、前記指数nを可変することにより圧縮特性を変更するも可能である。本発明のデジタルアンプによれば、前記指数nを可変することにより圧縮特性を変更するようにしたので、デジタルアンプの電源電圧によるゲインを可変することができる。これにより、再生信号のS/N比を劣化させることなく、デジタルアンプのゲインを調整することができる。
【0020】
また、上記構成のデジタルアンプにおいて、ゲイン調整機能の操作に応じて前記指数nを可変することも可能である。本発明のデジタルアンプによれば、ゲイン調整機能の操作に応じて前記指数nを可変するようにしたので、例えば、ユーザがゲイン調整機能を操作することにより、その操作に応じて、指数nを任意に変更することができ、これにより、ユーザは任意に、前記ゲイン調整部によるゲインを調整することができる。
【0021】
また、上記構成のデジタルアンプにおいて、更に、入力信号をxとする時、次式、
y=a{1−1(1−[x])n}
により与えられる入出力関係に対応する入出力変換表を記憶する記憶部を備え、前記ゲイン調整部は、前記記憶部に記憶された前記入出力変換表を参照して、ゲイン調整を行うことも可能である。
【0022】
本発明のデジタルアンプによれば、入力信号をxとする時、次式、
y=a{1−1(1−[x])n}により与えられる入出力関係に対応する入出力変換表を記憶する記憶部を備えるようにして、前記ゲイン調整は、前記記憶部に記憶された前記入出力変換表を参照して、ゲイン調整を行うようにしたので、計算式では求めることができないゲインの中間値、例えば、1[dB]、5[dB]などの変換値を持つことも可能である。これにより、最適な値に基づいて、再生信号のS/N比を劣化させることなく、デジタルアンプのゲイン調整を行うことができる。
【0023】
また、前記ゲイン調整部は、DSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)により上記機能を実現することも可能である。
【0024】
また、上記課題は本発明によれば、入力されたデジタル信号を増幅するデジタルアンプのゲイン調整方法において、前記デジタル信号に対して音量制御を行う音量調整段階と、前記音量調整段階により音量制御が行われたデジタル信号に対して圧縮特性を付加してゲイン調整を行うゲイン調整段階と、を有するデジタルアンプのゲイン調整方法によって達成される。
【0025】
本発明のデジタルアンプのゲイン調整方法によれば、音量調整段階により、デジタル信号に対して音量制御を行い、ゲイン調整段階により、音量調整段階により音量制御が行われたデジタル信号に対して、圧縮特性を付加してゲイン調整を行うようにしたので、例えば、ゲイン調整段階によって、出力信号を徐々にクリップするようにゲイン調整を行うことにより、大出力時のソフトクリップコントロールを実現することができる。
【0026】
また、前記ゲイン調整段階は、請求項7記載のデジタルアンプのゲイン調整方法において、入力信号をxとする時、次式、
y=a{1−1(1−[x])n}
の演算を行って、出力信号yに圧縮特性を付加し、但し、[x]は入力信号xの絶対値、nは圧縮特性を規定する指数、aはx≧0なるときに〈1〉、x<0なるときに〈−1〉なる値をとる係数とすることも可能である。
【0027】
本発明のデジタルアンプのゲイン調整方法によれば、前記ゲイン調整段階は、入力信号をxとする時、次式、y=a{1−1(1−[x])n}の演算を行って、出力信号yに圧縮特性を付加するので、出力信号yを徐々にクリップするようにゲインを調整することができる。これにより、大出力時のソフトクリップコントロールを実現することができる。
【0028】
また、上記デジタルアンプのゲイン調整方法において、前記指数nを可変することにより圧縮特性を変更することも可能である。本発明のデジタルアンプのゲイン調整方法によれば、前記指数nを可変することにより圧縮特性を変更するようにしたので、デジタルアンプの電源電圧によるゲインを可変することができる。これにより、再生信号のS/N比を劣化させることなく、デジタルアンプのゲインを調整することができる。
【0029】
また、上記デジタルアンプのゲイン調整方法において、ゲイン調整機能の操作に応じて前記指数nを可変することを特徴とする。本発明のデジタルアンプのゲイン調整方法によれば、ゲイン調整機能の操作に応じて前記指数nを可変することができるようにしたので、例えば、ユーザがゲイン調整機能を操作することにより、その操作に応じて、指数nを任意に変更することができる、これにより、ユーザは、再生信号のS/N比を劣化させることなく、前記ゲイン調整段階によるゲインを任意に調整することができる。
【0030】
また、前記ゲイン調整段階は、前記デジタルアンプのゲイン調整方法において、入力信号をxとする時、次式、
y=a{1−1(1−[x])n}
により与えられる入出力関係に対応する入出力変換表を記憶する記憶部を参照し、ゲイン調整を行うことも可能である。
【0031】
本発明のデジタルアンプのゲイン調整方法によれば、入力信号をxとする時、次式、y=a{1−1(1−[x])n}により与えられる入出力関係に対応する入出力変換表を記憶する記憶部を参照して、入力されたデジタル信号に対するゲイン調整を行うようにしたので、ゲインの中間値、例えば、1[dB]、5[dB]などの変換値をゲイン調整に用いることができる。これにより、最適な値に基づいて、デジタルアンプのゲイン調整を行うことができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した一実施の形態について、図面を参照しながら説明する。本実施の形態に係るデジタルアンプは、アナログと同じような歪み方をデジタルのクラスDアンプで実現するものである。図1は、本実施の形態に係るデジタルパワーアンプ100を説明するための図である。デジタルパワーアンプ100は、パルス幅を変調することにより入力電圧を増幅して出力電圧とするものである。
【0033】
図1に示すように、デジタルパワーアンプ100は、アナログ入力部2と、ADコンバータ3と、デジタル入力部4と、DSPオーディオコントロールと5、デジタルボリュームコントロール6と、ソフトクリップゲイン調整部101と、PWM変換部7と、クラスDアンプ8と、記憶部103とを有する。また、図1において、9はスピーカ、102はDSP、104は操作手段を示している。
【0034】
アナログ入力部2は、音声入力信号をアナログ信号で受け付ける。ADコンバータ3は、音声入力信号をアナログ/デジタル変換して、所定ビット(例えば16ビット)のデジタル信号を出力するものである。つまり、アナログ入力部2から入力されたアナログオーディオ信号はADコンバータ3によってディジタルオーディオ信号に変換されたのちDSPオーディオコントローラ5に入力される。
【0035】
デジタル入力部4は、音声入力信号をデジタル信号で受け付ける。つまり、デジタル入力部4から入力されたディジタルオーディオ信号は直接DSPコントローラ5に入力される。DSPオーディオコントローラ5は、入力されたデジタル信号に対して、各種のオーディオ制御を実行するものである。また、ユーザは操作手段104を操作することにより、DSPオーディオコントローラへ制御信号を供給することができる。ここで、各種のオーディオ制御としては、バランス制御、フェーダ制御、音質制御、グラフィック・イコライザ制御及び音場制御等である。デジタルボリュームコントロール6は、音量調整部であって、DSPオーディオコントロール5からのデジタル信号に対して、音量制御を行うものである。
【0036】
ソフトクリップゲイン調整部101は、ゲイン調整部であって、デジタルボリュームコントローラにより音量制御されたデジタル信号に対してゲイン調整を行うとともに、大出力時のソフトクリップコントロールを行う。
【0037】
また、このソフトクリップゲイン調整部101は、入力信号をxとする時、式
y=a{1−1(1−[x])n}・・・(1)
の演算を行って、出力信号yに圧縮特性を付加する。但し、[x]は入力信号xの絶対値、nは圧縮特性を規定する指数、aはx≧0なるときに〈1〉、x<0なるときに〈−1〉なる値をとる係数である。これにより、大出力時のソフトクリップコントロールを実現することができる。
【0038】
また、指数nを可変することにより圧縮特性を変更するようにすることもできる。デジタルアンプの電源電圧によるゲインを可変することができる。これにより、再生信号のS/N比を劣化させることなく、デジタルアンプのゲインを調整できる。ユーザのゲイン調整機能の操作に応じて指数nを可変するようにしてもよい。なお、DSPオーディオコントローラ5、デジタルボリュームコントローラ6、ソフトクリップゲイン調整部101をDSPにより行うこともできる。
【0039】
PCM−PWM変換部7は、nビットのデジタルデータが入力されると、その値に応じたデューティ比を有するパルス信号を生成する。クラスDアンプ8は、高速なスイッチング動作によって信号を増幅する。
【0040】
記憶部103は、入力信号をxとする時、式
y=a{1−1(1−[x])n}
により与えられる入出力関係に対応する入出力変換表を記憶する。ソフトクリップゲイン調整部101は、記憶部103に記憶された入出力変換表を参照して、ゲイン調整を行うようにすることもできる。なお、この記憶部103は、ROM(リードオンリーメモリ)等を用いることができる。
【0041】
次に、上述したソフトクリップゲイン調整部101について詳細に説明する。図2は、ソフトクリップゲイン調整部のブロック図を示す図である。図2に示すように、ソフトクリップゲイン調整部101は、正負判定部11、係数化処理部12、絶対値処理部13、第1の減算処理部14、べき乗処理部15、第2の減算処理部16、そして乗算処理部17を有している。
【0042】
また、ソフトクリップゲイン調整部101は、入力信号xに対して、
y=a{1−1(1−[x])n}
なる演算を行って、出力信号yに圧縮特性を付加する。尚、上式においては便宜上、絶対値記号を[]として示している。従って[x]は信号xの絶対値を示している。またnは、圧縮特性を規定する指数であり、設定すべき圧縮特性に応じて可変設定される。またaは、入力信号xの極性に応じて設定される係数であり、x≧0なるときに〈1〉、x<0なるときに〈−1〉なる値として設定される。
【0043】
具体的には、正負判定部11は、入力信号xの正負を判定する。正負判定部11は、例えば〈x≧0〉であるか否かを判定し、この判定結果を係数化処理部12に出力する。係数化処理部12は、正負判定部11からの判定結果に従って、係数aの値を設定する。即ち、係数化処理部12は、前述したように入力信号xが〈x≧0〉であるとき、その係数aの値を〈1〉として設定する。一方、係数化処理部12は、入力信号xが〈x<0〉であるときには係数aの値を〈−1〉として設定する。この係数aの値は、出力信号yに対する極性情報として乗算処理部17に与えられる。
【0044】
絶対値処理部13は、入力信号xの振幅(レベル)の絶対値を[x]として求め、求めた絶対値[x]を第1の減産処理部14に出力する。第1の減算処理部14は、絶対値処理部13からの絶対値[x]を定数〈1〉から減算することで、入力信号xの最大振幅値を〈1〉として正規化したときの補数を求める。この補数〈1−[x]〉に従って、入力信号xのレベルに応じた減衰量を対数的に付与し、その信号レベルに応じた圧縮特性を設定するべく、べき乗処理部15では設定された指数nに応じて上記補数〈1−[x]〉をべき乗処理している。
【0045】
具体的には、べき乗処理部15は、指数nが〈2〉である場合には、〈1−[x]〉×〈1−[x]〉=〈1−[x]〉2なるべき乗処理を実行する。また、べき乗処理部15は、指数nが〈3〉である場合には、〈1−[x]〉×〈1−[x]〉×〈1−[x]〉=〈1−[x]〉3なるべき乗処理を実行する。また、べき乗処理部15は、指数nが〈4〉である場合には、〈1−[x]〉×〈1−[x]〉×〈1−[x]〉×〈1−[x]〉=〈1−[x]〉4としてべき乗処理を実行する。
【0046】
つまり、べき乗処理部15のべき乗処理により、入力信号xに対して与えるべき減衰量が、その信号レベルに応じて求められている。そして信号レベルが高いほど減衰量が小さく、信号レベルが低いほど減衰量が大きくなるような逆圧縮特性が設定されている。
【0047】
第2の減算処理部16は、上述した如く求められる減衰量を、その正規化された値〈1〉から減算することで、実際に入力信号xに対して付与するべき減衰量を設定するものである。この減算処理によって、入力信号xのレベルが高いほど減衰量が大きく、その信号レベルが低いほど減衰量が小さくなるような図3に示すような圧縮特性が設定され、入力信号xのレベルに応じて可変された信号が1−〈1−[x]〉nとして求められている。この第2の減算処理部16から出力される信号は乗算処理部17に導かれ、前述した係数aが乗ぜられて入力信号xの極性に応じた極性の出力信号yに変換されて出力される。
【0048】
上述した信号処理を実行するソフトクリップゲイン調整部101によれば、簡単な処理にて、つまり除算処理を要することなく入力信号xを、指数nで規定される圧縮特性のを付加することができる。
【0049】
すなわち、本実施の形態に係るデジタルアンプによれば、ソフトクリップゲイン調整部101は、入力信号をxとする時、次式、y=a{1−1(1−[x])n}の演算を行って、出力信号yに圧縮特性を付加するので、出力信号yを徐々にクリップするようにゲインを調整することができる、これにより、デジタルアンプでありながら、アナログアンプにみられるような過大入力状態と同じ動作を得ることができる。大出力時のソフトクリップコントロールを実現することができる。
【0050】
また、ユーザが操作手段104、例えば、ゲイン調整機能操作手段の操作に応じて、上述した式の指数nを可変するようにしてもよい。これにより、ユーザがゲイン調整機能を操作することにより、指数nを任意に変更することができ、ユーザは前記ゲイン調整部によるゲインを任意に調整することができる。
【0051】
次に、図1から図3を用いて、本実施の形態の対数表示による入出力特性について説明する。図3は、本実施の形態の対数表示による入出力特性を示す図である。図3に示すように、横軸は入力値x(入力信号)であり、縦軸は出力値y(出力信号)を示している。また、図3において、Aは指数n=1の場合の入出力特性、Bは指数n=2の場合の入出力特性、Cは指数n=3の場合の入出力特性を示している。
【0052】
ソフトクリップゲイン調整部101をデジタルアンプ101のボリューム調整の後に設置し、ユーザは操作手段104を操作することにより、DSPオーディオコントローラ5を介して、ソフトクリップゲイン調整部101によるアルゴリズムの指数nを、n=0、1、2、・・・と可変する。
【0053】
例えば、入力信号x=0.9を例にとって説明すると、指数n=1の場合には、第1の減算処理部14により、〈1−[x]〉=1−0.9=0.1となる。また、べき乗処理部15により、〈1−[x]〉1=0.1となる。このため、第2の減算処理部16により、{1−1(1−[x])1}=0.9となる。そして、乗算処理部17により、y=a{1−1(1−[x])1}=0.9となる。
【0054】
また、指数n=2の場合には、第1の減算処理部14により、〈1−[x]〉=1−0.9=0.1となる。また、べき乗処理部15により、〈1−[x]〉2=0.01となる。このため、第2の減算処理部16により、{1−1(1−[x])2}=0.99となる。そして、乗算処理部17により、y=a{1−1(1−[x])2}=0.99となる。
【0055】
また、指数n=3の場合には、第1の減算処理部14により、〈1−[x]〉=1−0.9=0.1となる。また、べき乗処理部15により、〈1−[x]〉3=0.001となる。このため、第2の減算処理部16により、{1−1(1−[x])3}=0.999となる。そして、乗算処理部17により、y=a{1−1(1−[x])3}=0.999となる。
【0056】
このように、リニアな信号が2乗となるため、入出力特性は、図3に示すA、B、Cのように、ゲインGはn=2の場合には+6dB、n=3の場合には+9dBとなり、徐々に1に収束するというようになだらかなカーブを描くようになる。これにより、ソフトクリップ状態になる。
【0057】
デジタルアンプ101の電源電圧によるゲインをG[dB]とすると、それぞれG、G+6、G+9、G+12、・・・、[dB]と可変する事が可能となる。加えて、それぞれの設定に対し、出力信号は徐々にクリップしていく事となる。これにより、アナログアンプに見られるような過大入力状態と同じ動作を得る事ができる。
【0058】
デジタルアンプ101のボリューム調整の後にソフトクリップゲイン調整部101を設置し、ソフトクリップゲイン調整部1による処理に上記式(1)を用いることにより、デジタルアンプであっても、アナログと同じようにスムーズに飽和するという動作になる。これにより、デジタル系のコンプレッサと同じような動きをさせることができる。
【0059】
本実施の形態に係るデジタルアンプによれば、デジタルであっても、入力信号として、ソースで足りる大きな信号が入ってきた場合に、設定されるボリュームが低いときには、何も行わずに、リニアな信号を出力する。一方、設定されるボリュームがあがって、出力信号が飽和に近い状態になると、上述したようなソフトクリップの動きをする。これにより、デジタルアンプでありながら、アナログ的な動きを加えることができる。
【0060】
さらに、デジタルアンプ100のゲインGは、電源電圧できまるが、本実施の形態に係るデジタルアンプによれば、指数nを変更することで、任意にゲインをかえることができる。デジタルで統一されたオーディオシステムの中で、ボリュームコントロールの後段に、ソフトクリップゲイン調整部を設けることにより、上述したソフトクリップが可能となる。従来、この処理をDSPで行っており、信号の整合化するために、ボリュームコントロールの前段で、最大の性能をたもったまま、DAコンバータを通してボリュームコントロールするようにしていたが、本実施の形態では、デジタルアンプのアプリケーションで、ボリュームコントロールをとった後のデジタル信号に、このソフトクリップ処理を加えることによって、上述のソフトクリップを実現することができる。
【0061】
また、上述の指数nの変更は、ゲイン調整機能として設定することができる。すなわち、ゲインを調整することにより、指数nの値が変わるようにすることができる。この指数nは、ユーザが選べるように指数nの値を可変にしている。どのようなレンジであっても、歪みのない音で聞きたいというユーザ用には、指数nの値を1に設定するようにし、一方、ボリュームが大きくなった際に歪んでもいいから、パワー感がほしいというユーザには、指数nの値を2、又は3に設定するようにする。なお、本実施の形態では、式(1)における指数nをユーザの操作手段104の操作に応じて、可変にできるようにしたが、これに限定されることなく、この指数nを固定にすることもできる。
【0062】
以上、本発明の一実施の形態を説明した。本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。
【0063】
【発明の効果】
以上説明した本発明によれば、ゲイン調整部によって、デジタル信号に対して圧縮特性を付加してゲインを調整するようにしたため、出力信号を徐々にクリップするというソフトクリップを行うことができる。また、ゲイン調整部による指数nを可変することにより圧縮特性を変更するようにしたので、デジタルアンプの電源電圧によるゲインを可変できるようにしたため、再生信号のS/N比を劣化させることなく、デジタルアンプのゲイン調整を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係るデジタルパワーアンプ100を説明するための図である。
【図2】ソフトクリップゲイン調整部のブロック図を示す図である。
【図3】本実施の形態の対数表示による入出力特性を示す図である。
【図4】従来のデジタルアンプを説明するための図である。
【図5】特許文献1記載のデジタルアンプを説明するための図である。
【符号の説明】
100 デジタルアンプ
2 アナログ入力部
3 ADコンバータ
4 デジタル入力部
5 オーディオコントローラ
6 デジタルボリュームコントローラ
7 PCM−PWM変換器
8 クラスDアンプ
101 ソフトクリップゲイン調整部
102 DSP
103 記憶部
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力されたデジタル信号を増幅するデジタルアンプ及びそのゲイン調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、デジタルアンプが注目を浴びている。これは、音楽ソースがデジタルソースになってきたことに伴い、車等でさまざまな機器をローカルエリアネットワークで結ぶという車載LANが採用されている。特に、高級車を中心に大きく広まってきている。
【0003】
また、DSP技術の拡大により、オーディオ用高効率PWM(Pulse Width Modulation)変調アンプ(クラスDアンプ)へのDSP応用が進んでおり、これにより、高音質化が実現されている。この技術は、従来の三角波を基準とした比較器出力を基本としたアナログPWM技術に対し、デジタルアンプとして広く普及しているものである。
【0004】
次に、このような従来のデジタルアンプについて、図4を用いて説明する。図4は、従来のデジタルアンプを説明するための図である。図4に示すように、デジタルアンプ1は、アナログ入力部2と、ADコンバータ3と、デジタル入力部4と、DSPオーディオコントロール5と、デジタルボリュームコントロール6と、PCM−PWM変換部7と、クラスDアンプ8とを有する。また、9はスピーカを示している。
【0005】
デジタルパワーアンプ1は、パルス幅を変調することにより入力信号を増幅して出力電圧とするものである。アナログ入力部2は、音声入力信号をアナログ信号で受け付ける。ADコンバータ3は、音声入力信号をアナログ/デジタル変換して、所定ビット(例えば16ビット)のデジタル信号を出力するものである。デジタル入力部4は、音声入力信号をデジタル信号で受け付ける。
【0006】
DSPオーディオコントロール5は、入力されたデジタル信号に対して、各種のオーディオ制御を実行する。デジタルボリュームコントロール6は、DSPオーディオコントロール5からのデジタル信号に対して、音量制御を行う。PCM−PWM変換部7は、nビットのデジタルデータが入力されると、その値に応じたデューティ比を有するパルス信号を生成する。クラスDアンプ8は、高速なスイッチング動作によって信号を増幅する。
【0007】
次に、このような従来技術と同様の技術が記載された特許文献1について説明する。図5は、特許文献1記載のデジタルアンプを説明するための図である。図5に示すように、従来のデジタルアンプ30は、電源電圧E,−Eを検出するAD変換器32と、出力電圧Voを検出するAD変換器34と、AD変換器34で検出された出力電圧Vo、AD変換器32で検出された電源電圧E,−E及び入力電圧Viに基づきパルス幅を算出するDSP36とを備えている。
【0008】
このDSP36は、出力電圧Voに基づき負荷抵抗値Rを算出し、負荷抵抗値R、電源電圧E,−E及び入力電圧Viに基づきパルス幅を算出する。これにより、パルス幅が電源電圧変動に応じて補正されるので、電源電圧変動による出力電圧Voの変動を抑制するというものである。また、AD変換器40は、アナログ音声信号からなる入力電圧Viを入力端子38を介して入力し、デジタル信号に変換してDSP36へ出力する。
【0009】
DSP36は、所定の計算式に基づきパルス幅を決定して、パルス幅を示す所定ビットの並列デジタル信号をPWM発生論理回路42へ出力する。PWM発生論理回路42は、そのパルス幅のパルスを発生し、その正負極性に対応したゲートドライバ441、442を介して、パワーMOSFET461を駆動する。その結果、出力端子48における出力電圧Voがパルス幅に応じて上昇又は下降することにより、出力端子48に接続されたスピーカ(図示せず)を鳴らし、出力信号の歪みを飛躍的に改善するというものである。
【0010】
この特許文献1記載のデジタルアンプでは、DSP技術を基本としているため、信号処理系内では最大信号値がいわゆるDSPの最大値を超えることは無く、常に歪が極めて少ない状態が作られ、最大のS/N(信号対雑音)比が実現できるように管理されている。この為、原理的には、ほとんど無歪の出力が、ほぼアンプ部電源電圧に等しい振幅で得ることができるようになっている。
【0011】
また、本出願人により、入力オーディを信号に圧縮特性を付加するとともに、デジタル信号処理に用いられている式における指数nを可変することにより圧縮特性を変更し、デジタル方式でありながら、アナログ方式による圧縮特性と同等の特性をオーディオ信号に付加するデジタル可変プロセッサが提案されている(特許文献2)。
【0012】
【特許文献1】
特開2002−151974号公報
【特許文献2】
特開平5−344078号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のデジタルアンプでは、アンプ部の電源電圧と出力パワーが完全に一致するため、電源電圧が倍になれば、デジタルアンプのゲインも倍になってしまうことから、デジタルアンプのゲインは、出力部の電源電圧によって決定されてしまう。このようなデジタルアンプにおいても、DSPによる信号処理部において、入力信号にあらかじめ1よりも小さい係数を掛け、見かけ上のゲインを小さくしておき、デジタルアンプのゲイン設定に応じて係数を変更することでユーザに対し可変ゲイン機能を提供する事も可能である。しかし、この場合、最大ゲイン設定時以外では、再生信号のS/N比が劣化してしまい、製品の最大性能を常に提供する事はできないという問題がある。
【0013】
また、アナログ回路の場合は、処理している信号のレベルが大きすぎる場合には、リモートに飽和するため、歪みがそれほど大きくなることはないが、デジタル処理の場合には、信号レベルが量子化ビット数の最大値を超えてオーバーフローすると、その量子化ビット数の最大値で信号波形が切り取られて(クリップされて)しまい、波形の歪みが大きくなくなってしまうという問題点があった。
【0014】
そこで、本発明は上記従来技術の問題点を解決し、ソフトクリップを行うことができるデジタルアンプ及びそのゲイン調整方法を提供することを目的とする。さらに、再生信号のS/N比を劣化させることなく、ゲインを可変にできるデジタルアンプ及びそのゲイン調整方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、本発明によれば、入力されたデジタル信号を増幅するデジタルアンプにおいて、前記デジタル信号に対して音量制御を行う音量調整部と、前記音量調整部により音量制御されたデジタル信号に対して、圧縮特性を付加してゲイン調整を行うゲイン調整部と、を有するデジタルアンプにより達成される。
【0016】
本発明のデジタルアンプによれば、ゲイン調整部によって、音量調整部から入力されたデジタル信号に対して圧縮特性を付加してゲイン調整を行うようにしたため、出力信号を徐々にクリップするというソフトクリップを行うことができる。これにより、デジタルアンプでありながら、アナログアンプにみられるような過大入力状態と同じ動作を得ることができ、大出力時のソフトクリップコントロールを実現することができる。
【0017】
また、上記構成のデジタルアンプにおいて、前記ゲイン調整部は、入力信号をxとする時、次式、
y=a{1−1(1−[x])n}
の演算を行って、出力信号yに圧縮特性を付加し、
但し、[x]は入力信号xの絶対値、nは圧縮特性を規定する指数、aはx≧0なるときに〈1〉、x<0なるときに〈−1〉なる値をとる係数とすることも可能である。
【0018】
本発明のデジタルアンプによれば、前記ゲイン調整部は、入力信号をxとする時、次式、y=a{1−1(1−[x])n}の演算を行って、出力信号yに圧縮特性を付加するので、出力信号yを徐々にクリップするようにゲインを調整することができ、デジタルアンプでありながら、アナログアンプにみられるような過大入力状態と同じ動作を得ることができる。これにより、大出力時のソフトクリップコントロールを実現することができる。
【0019】
また、上記構成のデジタルアンプにおいて、前記指数nを可変することにより圧縮特性を変更するも可能である。本発明のデジタルアンプによれば、前記指数nを可変することにより圧縮特性を変更するようにしたので、デジタルアンプの電源電圧によるゲインを可変することができる。これにより、再生信号のS/N比を劣化させることなく、デジタルアンプのゲインを調整することができる。
【0020】
また、上記構成のデジタルアンプにおいて、ゲイン調整機能の操作に応じて前記指数nを可変することも可能である。本発明のデジタルアンプによれば、ゲイン調整機能の操作に応じて前記指数nを可変するようにしたので、例えば、ユーザがゲイン調整機能を操作することにより、その操作に応じて、指数nを任意に変更することができ、これにより、ユーザは任意に、前記ゲイン調整部によるゲインを調整することができる。
【0021】
また、上記構成のデジタルアンプにおいて、更に、入力信号をxとする時、次式、
y=a{1−1(1−[x])n}
により与えられる入出力関係に対応する入出力変換表を記憶する記憶部を備え、前記ゲイン調整部は、前記記憶部に記憶された前記入出力変換表を参照して、ゲイン調整を行うことも可能である。
【0022】
本発明のデジタルアンプによれば、入力信号をxとする時、次式、
y=a{1−1(1−[x])n}により与えられる入出力関係に対応する入出力変換表を記憶する記憶部を備えるようにして、前記ゲイン調整は、前記記憶部に記憶された前記入出力変換表を参照して、ゲイン調整を行うようにしたので、計算式では求めることができないゲインの中間値、例えば、1[dB]、5[dB]などの変換値を持つことも可能である。これにより、最適な値に基づいて、再生信号のS/N比を劣化させることなく、デジタルアンプのゲイン調整を行うことができる。
【0023】
また、前記ゲイン調整部は、DSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)により上記機能を実現することも可能である。
【0024】
また、上記課題は本発明によれば、入力されたデジタル信号を増幅するデジタルアンプのゲイン調整方法において、前記デジタル信号に対して音量制御を行う音量調整段階と、前記音量調整段階により音量制御が行われたデジタル信号に対して圧縮特性を付加してゲイン調整を行うゲイン調整段階と、を有するデジタルアンプのゲイン調整方法によって達成される。
【0025】
本発明のデジタルアンプのゲイン調整方法によれば、音量調整段階により、デジタル信号に対して音量制御を行い、ゲイン調整段階により、音量調整段階により音量制御が行われたデジタル信号に対して、圧縮特性を付加してゲイン調整を行うようにしたので、例えば、ゲイン調整段階によって、出力信号を徐々にクリップするようにゲイン調整を行うことにより、大出力時のソフトクリップコントロールを実現することができる。
【0026】
また、前記ゲイン調整段階は、請求項7記載のデジタルアンプのゲイン調整方法において、入力信号をxとする時、次式、
y=a{1−1(1−[x])n}
の演算を行って、出力信号yに圧縮特性を付加し、但し、[x]は入力信号xの絶対値、nは圧縮特性を規定する指数、aはx≧0なるときに〈1〉、x<0なるときに〈−1〉なる値をとる係数とすることも可能である。
【0027】
本発明のデジタルアンプのゲイン調整方法によれば、前記ゲイン調整段階は、入力信号をxとする時、次式、y=a{1−1(1−[x])n}の演算を行って、出力信号yに圧縮特性を付加するので、出力信号yを徐々にクリップするようにゲインを調整することができる。これにより、大出力時のソフトクリップコントロールを実現することができる。
【0028】
また、上記デジタルアンプのゲイン調整方法において、前記指数nを可変することにより圧縮特性を変更することも可能である。本発明のデジタルアンプのゲイン調整方法によれば、前記指数nを可変することにより圧縮特性を変更するようにしたので、デジタルアンプの電源電圧によるゲインを可変することができる。これにより、再生信号のS/N比を劣化させることなく、デジタルアンプのゲインを調整することができる。
【0029】
また、上記デジタルアンプのゲイン調整方法において、ゲイン調整機能の操作に応じて前記指数nを可変することを特徴とする。本発明のデジタルアンプのゲイン調整方法によれば、ゲイン調整機能の操作に応じて前記指数nを可変することができるようにしたので、例えば、ユーザがゲイン調整機能を操作することにより、その操作に応じて、指数nを任意に変更することができる、これにより、ユーザは、再生信号のS/N比を劣化させることなく、前記ゲイン調整段階によるゲインを任意に調整することができる。
【0030】
また、前記ゲイン調整段階は、前記デジタルアンプのゲイン調整方法において、入力信号をxとする時、次式、
y=a{1−1(1−[x])n}
により与えられる入出力関係に対応する入出力変換表を記憶する記憶部を参照し、ゲイン調整を行うことも可能である。
【0031】
本発明のデジタルアンプのゲイン調整方法によれば、入力信号をxとする時、次式、y=a{1−1(1−[x])n}により与えられる入出力関係に対応する入出力変換表を記憶する記憶部を参照して、入力されたデジタル信号に対するゲイン調整を行うようにしたので、ゲインの中間値、例えば、1[dB]、5[dB]などの変換値をゲイン調整に用いることができる。これにより、最適な値に基づいて、デジタルアンプのゲイン調整を行うことができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した一実施の形態について、図面を参照しながら説明する。本実施の形態に係るデジタルアンプは、アナログと同じような歪み方をデジタルのクラスDアンプで実現するものである。図1は、本実施の形態に係るデジタルパワーアンプ100を説明するための図である。デジタルパワーアンプ100は、パルス幅を変調することにより入力電圧を増幅して出力電圧とするものである。
【0033】
図1に示すように、デジタルパワーアンプ100は、アナログ入力部2と、ADコンバータ3と、デジタル入力部4と、DSPオーディオコントロールと5、デジタルボリュームコントロール6と、ソフトクリップゲイン調整部101と、PWM変換部7と、クラスDアンプ8と、記憶部103とを有する。また、図1において、9はスピーカ、102はDSP、104は操作手段を示している。
【0034】
アナログ入力部2は、音声入力信号をアナログ信号で受け付ける。ADコンバータ3は、音声入力信号をアナログ/デジタル変換して、所定ビット(例えば16ビット)のデジタル信号を出力するものである。つまり、アナログ入力部2から入力されたアナログオーディオ信号はADコンバータ3によってディジタルオーディオ信号に変換されたのちDSPオーディオコントローラ5に入力される。
【0035】
デジタル入力部4は、音声入力信号をデジタル信号で受け付ける。つまり、デジタル入力部4から入力されたディジタルオーディオ信号は直接DSPコントローラ5に入力される。DSPオーディオコントローラ5は、入力されたデジタル信号に対して、各種のオーディオ制御を実行するものである。また、ユーザは操作手段104を操作することにより、DSPオーディオコントローラへ制御信号を供給することができる。ここで、各種のオーディオ制御としては、バランス制御、フェーダ制御、音質制御、グラフィック・イコライザ制御及び音場制御等である。デジタルボリュームコントロール6は、音量調整部であって、DSPオーディオコントロール5からのデジタル信号に対して、音量制御を行うものである。
【0036】
ソフトクリップゲイン調整部101は、ゲイン調整部であって、デジタルボリュームコントローラにより音量制御されたデジタル信号に対してゲイン調整を行うとともに、大出力時のソフトクリップコントロールを行う。
【0037】
また、このソフトクリップゲイン調整部101は、入力信号をxとする時、式
y=a{1−1(1−[x])n}・・・(1)
の演算を行って、出力信号yに圧縮特性を付加する。但し、[x]は入力信号xの絶対値、nは圧縮特性を規定する指数、aはx≧0なるときに〈1〉、x<0なるときに〈−1〉なる値をとる係数である。これにより、大出力時のソフトクリップコントロールを実現することができる。
【0038】
また、指数nを可変することにより圧縮特性を変更するようにすることもできる。デジタルアンプの電源電圧によるゲインを可変することができる。これにより、再生信号のS/N比を劣化させることなく、デジタルアンプのゲインを調整できる。ユーザのゲイン調整機能の操作に応じて指数nを可変するようにしてもよい。なお、DSPオーディオコントローラ5、デジタルボリュームコントローラ6、ソフトクリップゲイン調整部101をDSPにより行うこともできる。
【0039】
PCM−PWM変換部7は、nビットのデジタルデータが入力されると、その値に応じたデューティ比を有するパルス信号を生成する。クラスDアンプ8は、高速なスイッチング動作によって信号を増幅する。
【0040】
記憶部103は、入力信号をxとする時、式
y=a{1−1(1−[x])n}
により与えられる入出力関係に対応する入出力変換表を記憶する。ソフトクリップゲイン調整部101は、記憶部103に記憶された入出力変換表を参照して、ゲイン調整を行うようにすることもできる。なお、この記憶部103は、ROM(リードオンリーメモリ)等を用いることができる。
【0041】
次に、上述したソフトクリップゲイン調整部101について詳細に説明する。図2は、ソフトクリップゲイン調整部のブロック図を示す図である。図2に示すように、ソフトクリップゲイン調整部101は、正負判定部11、係数化処理部12、絶対値処理部13、第1の減算処理部14、べき乗処理部15、第2の減算処理部16、そして乗算処理部17を有している。
【0042】
また、ソフトクリップゲイン調整部101は、入力信号xに対して、
y=a{1−1(1−[x])n}
なる演算を行って、出力信号yに圧縮特性を付加する。尚、上式においては便宜上、絶対値記号を[]として示している。従って[x]は信号xの絶対値を示している。またnは、圧縮特性を規定する指数であり、設定すべき圧縮特性に応じて可変設定される。またaは、入力信号xの極性に応じて設定される係数であり、x≧0なるときに〈1〉、x<0なるときに〈−1〉なる値として設定される。
【0043】
具体的には、正負判定部11は、入力信号xの正負を判定する。正負判定部11は、例えば〈x≧0〉であるか否かを判定し、この判定結果を係数化処理部12に出力する。係数化処理部12は、正負判定部11からの判定結果に従って、係数aの値を設定する。即ち、係数化処理部12は、前述したように入力信号xが〈x≧0〉であるとき、その係数aの値を〈1〉として設定する。一方、係数化処理部12は、入力信号xが〈x<0〉であるときには係数aの値を〈−1〉として設定する。この係数aの値は、出力信号yに対する極性情報として乗算処理部17に与えられる。
【0044】
絶対値処理部13は、入力信号xの振幅(レベル)の絶対値を[x]として求め、求めた絶対値[x]を第1の減産処理部14に出力する。第1の減算処理部14は、絶対値処理部13からの絶対値[x]を定数〈1〉から減算することで、入力信号xの最大振幅値を〈1〉として正規化したときの補数を求める。この補数〈1−[x]〉に従って、入力信号xのレベルに応じた減衰量を対数的に付与し、その信号レベルに応じた圧縮特性を設定するべく、べき乗処理部15では設定された指数nに応じて上記補数〈1−[x]〉をべき乗処理している。
【0045】
具体的には、べき乗処理部15は、指数nが〈2〉である場合には、〈1−[x]〉×〈1−[x]〉=〈1−[x]〉2なるべき乗処理を実行する。また、べき乗処理部15は、指数nが〈3〉である場合には、〈1−[x]〉×〈1−[x]〉×〈1−[x]〉=〈1−[x]〉3なるべき乗処理を実行する。また、べき乗処理部15は、指数nが〈4〉である場合には、〈1−[x]〉×〈1−[x]〉×〈1−[x]〉×〈1−[x]〉=〈1−[x]〉4としてべき乗処理を実行する。
【0046】
つまり、べき乗処理部15のべき乗処理により、入力信号xに対して与えるべき減衰量が、その信号レベルに応じて求められている。そして信号レベルが高いほど減衰量が小さく、信号レベルが低いほど減衰量が大きくなるような逆圧縮特性が設定されている。
【0047】
第2の減算処理部16は、上述した如く求められる減衰量を、その正規化された値〈1〉から減算することで、実際に入力信号xに対して付与するべき減衰量を設定するものである。この減算処理によって、入力信号xのレベルが高いほど減衰量が大きく、その信号レベルが低いほど減衰量が小さくなるような図3に示すような圧縮特性が設定され、入力信号xのレベルに応じて可変された信号が1−〈1−[x]〉nとして求められている。この第2の減算処理部16から出力される信号は乗算処理部17に導かれ、前述した係数aが乗ぜられて入力信号xの極性に応じた極性の出力信号yに変換されて出力される。
【0048】
上述した信号処理を実行するソフトクリップゲイン調整部101によれば、簡単な処理にて、つまり除算処理を要することなく入力信号xを、指数nで規定される圧縮特性のを付加することができる。
【0049】
すなわち、本実施の形態に係るデジタルアンプによれば、ソフトクリップゲイン調整部101は、入力信号をxとする時、次式、y=a{1−1(1−[x])n}の演算を行って、出力信号yに圧縮特性を付加するので、出力信号yを徐々にクリップするようにゲインを調整することができる、これにより、デジタルアンプでありながら、アナログアンプにみられるような過大入力状態と同じ動作を得ることができる。大出力時のソフトクリップコントロールを実現することができる。
【0050】
また、ユーザが操作手段104、例えば、ゲイン調整機能操作手段の操作に応じて、上述した式の指数nを可変するようにしてもよい。これにより、ユーザがゲイン調整機能を操作することにより、指数nを任意に変更することができ、ユーザは前記ゲイン調整部によるゲインを任意に調整することができる。
【0051】
次に、図1から図3を用いて、本実施の形態の対数表示による入出力特性について説明する。図3は、本実施の形態の対数表示による入出力特性を示す図である。図3に示すように、横軸は入力値x(入力信号)であり、縦軸は出力値y(出力信号)を示している。また、図3において、Aは指数n=1の場合の入出力特性、Bは指数n=2の場合の入出力特性、Cは指数n=3の場合の入出力特性を示している。
【0052】
ソフトクリップゲイン調整部101をデジタルアンプ101のボリューム調整の後に設置し、ユーザは操作手段104を操作することにより、DSPオーディオコントローラ5を介して、ソフトクリップゲイン調整部101によるアルゴリズムの指数nを、n=0、1、2、・・・と可変する。
【0053】
例えば、入力信号x=0.9を例にとって説明すると、指数n=1の場合には、第1の減算処理部14により、〈1−[x]〉=1−0.9=0.1となる。また、べき乗処理部15により、〈1−[x]〉1=0.1となる。このため、第2の減算処理部16により、{1−1(1−[x])1}=0.9となる。そして、乗算処理部17により、y=a{1−1(1−[x])1}=0.9となる。
【0054】
また、指数n=2の場合には、第1の減算処理部14により、〈1−[x]〉=1−0.9=0.1となる。また、べき乗処理部15により、〈1−[x]〉2=0.01となる。このため、第2の減算処理部16により、{1−1(1−[x])2}=0.99となる。そして、乗算処理部17により、y=a{1−1(1−[x])2}=0.99となる。
【0055】
また、指数n=3の場合には、第1の減算処理部14により、〈1−[x]〉=1−0.9=0.1となる。また、べき乗処理部15により、〈1−[x]〉3=0.001となる。このため、第2の減算処理部16により、{1−1(1−[x])3}=0.999となる。そして、乗算処理部17により、y=a{1−1(1−[x])3}=0.999となる。
【0056】
このように、リニアな信号が2乗となるため、入出力特性は、図3に示すA、B、Cのように、ゲインGはn=2の場合には+6dB、n=3の場合には+9dBとなり、徐々に1に収束するというようになだらかなカーブを描くようになる。これにより、ソフトクリップ状態になる。
【0057】
デジタルアンプ101の電源電圧によるゲインをG[dB]とすると、それぞれG、G+6、G+9、G+12、・・・、[dB]と可変する事が可能となる。加えて、それぞれの設定に対し、出力信号は徐々にクリップしていく事となる。これにより、アナログアンプに見られるような過大入力状態と同じ動作を得る事ができる。
【0058】
デジタルアンプ101のボリューム調整の後にソフトクリップゲイン調整部101を設置し、ソフトクリップゲイン調整部1による処理に上記式(1)を用いることにより、デジタルアンプであっても、アナログと同じようにスムーズに飽和するという動作になる。これにより、デジタル系のコンプレッサと同じような動きをさせることができる。
【0059】
本実施の形態に係るデジタルアンプによれば、デジタルであっても、入力信号として、ソースで足りる大きな信号が入ってきた場合に、設定されるボリュームが低いときには、何も行わずに、リニアな信号を出力する。一方、設定されるボリュームがあがって、出力信号が飽和に近い状態になると、上述したようなソフトクリップの動きをする。これにより、デジタルアンプでありながら、アナログ的な動きを加えることができる。
【0060】
さらに、デジタルアンプ100のゲインGは、電源電圧できまるが、本実施の形態に係るデジタルアンプによれば、指数nを変更することで、任意にゲインをかえることができる。デジタルで統一されたオーディオシステムの中で、ボリュームコントロールの後段に、ソフトクリップゲイン調整部を設けることにより、上述したソフトクリップが可能となる。従来、この処理をDSPで行っており、信号の整合化するために、ボリュームコントロールの前段で、最大の性能をたもったまま、DAコンバータを通してボリュームコントロールするようにしていたが、本実施の形態では、デジタルアンプのアプリケーションで、ボリュームコントロールをとった後のデジタル信号に、このソフトクリップ処理を加えることによって、上述のソフトクリップを実現することができる。
【0061】
また、上述の指数nの変更は、ゲイン調整機能として設定することができる。すなわち、ゲインを調整することにより、指数nの値が変わるようにすることができる。この指数nは、ユーザが選べるように指数nの値を可変にしている。どのようなレンジであっても、歪みのない音で聞きたいというユーザ用には、指数nの値を1に設定するようにし、一方、ボリュームが大きくなった際に歪んでもいいから、パワー感がほしいというユーザには、指数nの値を2、又は3に設定するようにする。なお、本実施の形態では、式(1)における指数nをユーザの操作手段104の操作に応じて、可変にできるようにしたが、これに限定されることなく、この指数nを固定にすることもできる。
【0062】
以上、本発明の一実施の形態を説明した。本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。
【0063】
【発明の効果】
以上説明した本発明によれば、ゲイン調整部によって、デジタル信号に対して圧縮特性を付加してゲインを調整するようにしたため、出力信号を徐々にクリップするというソフトクリップを行うことができる。また、ゲイン調整部による指数nを可変することにより圧縮特性を変更するようにしたので、デジタルアンプの電源電圧によるゲインを可変できるようにしたため、再生信号のS/N比を劣化させることなく、デジタルアンプのゲイン調整を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係るデジタルパワーアンプ100を説明するための図である。
【図2】ソフトクリップゲイン調整部のブロック図を示す図である。
【図3】本実施の形態の対数表示による入出力特性を示す図である。
【図4】従来のデジタルアンプを説明するための図である。
【図5】特許文献1記載のデジタルアンプを説明するための図である。
【符号の説明】
100 デジタルアンプ
2 アナログ入力部
3 ADコンバータ
4 デジタル入力部
5 オーディオコントローラ
6 デジタルボリュームコントローラ
7 PCM−PWM変換器
8 クラスDアンプ
101 ソフトクリップゲイン調整部
102 DSP
103 記憶部
Claims (11)
- 入力されたデジタル信号を増幅するデジタルアンプにおいて、
前記デジタル信号に対して音量制御を行う音量調整部と、
前記音量調整部により音量制御されたデジタル信号に対して、圧縮特性を付加してゲイン調整を行うゲイン調整部と、を有することを特徴とするデジタルアンプ。 - 前記ゲイン調整部は、入力信号をxとする時、次式、
y=a{1−1(1−[x])n}
の演算を行って、出力信号yに圧縮特性を付加し、
但し、[x]は入力信号xの絶対値、nは圧縮特性を規定する指数、aはx≧0なるときに〈1〉、x<0なるときに〈−1〉なる値をとる係数であることを特徴とする請求項1記載のデジタルアンプ。 - 前記デジタルアンプは、前記指数nを可変することにより圧縮特性を変更することを特徴とする請求項2記載のデジタルアンプ。
- 前記デジタルアンプは、ゲイン調整機能の操作に応じて前記指数nを可変することを特徴とする請求項3記載のデジタルアンプ。
- 前記デジタルアンプは更に、入力信号をxとする時、次式、
y=a{1−1(1−[x])n}、
但し、[x]は入力信号xの絶対値、nは圧縮特性を規定する指数、aはx≧0なるときに〈1〉、x<0なるときに〈−1〉なる値をとる係数、
により与えられる入出力関係に対応する入出力変換表を記憶する記憶部を備え、
前記ゲイン調整部は、前記記憶部に記憶された前記入出力変換表を参照して、ゲイン調整を行うことを特徴とする請求項1記載のデジタルアンプ。 - 前記ゲイン調整部は、DSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のデジタルアンプ。
- 入力されたデジタル信号を増幅するデジタルアンプのゲイン調整方法において、
前記デジタル信号に対して音量制御を行う音量調整段階と、
前記音量調整段階により音量制御が行われたデジタル信号に対して圧縮特性を付加してゲイン調整を行うゲイン調整段階と、を有することを特徴とするデジタルアンプのゲイン調整方法。 - 前記ゲイン調整段階は、入力信号をxとする時、次式、
y=a{1−1(1−[x])n}
の演算を行って、出力信号yに圧縮特性を付加し、
但し、[x]は入力信号xの絶対値、nは圧縮特性を規定する指数、aはx≧0なるときに〈1〉、x<0なるときに〈−1〉なる値をとる係数であることを特徴とする請求項7記載のデジタルアンプのゲイン調整方法。 - 前記デジタルアンプのゲイン調整方法は、前記指数nを可変することにより圧縮特性を変更することを特徴とする請求項7記載のデジタルアンプのゲイン調整方法。
- 前記デジタルアンプのゲイン調整方法は、ゲイン調整機能の操作に応じて前記指数nを可変することを特徴とする請求項9記載のデジタルアンプのゲイン調整方法。
- 前記ゲイン調整段階は、入力信号をxとする時、次式、
y=a{1−1(1−[x])n}、
但し、[x]は入力信号xの絶対値、nは圧縮特性を規定する指数、aはx≧0なるときに〈1〉、x<0なるときに〈−1〉なる値をとる係数、
により与えられる入出力関係に対応する入出力変換表を記憶する記憶部を参照し、ゲイン調整を行うことを特徴とする請求項7記載のデジタルアンプのゲイン調整方法。
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