JP4220834B2 - 整流装置 - Google Patents
整流装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4220834B2 JP4220834B2 JP2003140807A JP2003140807A JP4220834B2 JP 4220834 B2 JP4220834 B2 JP 4220834B2 JP 2003140807 A JP2003140807 A JP 2003140807A JP 2003140807 A JP2003140807 A JP 2003140807A JP 4220834 B2 JP4220834 B2 JP 4220834B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- hook
- wire
- rectifier
- commutator
- pressure equalizing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Landscapes
- Motor Or Generator Current Collectors (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、整流子の整流子片の片側に形成されたフックに導線が電気的に接続される整流装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図13は従来の電動機の要部正断面図、図14ないし図16は整流装置の要部拡大図であって、コイルがフックに係止されるまでの各段階を示した図である。 この電動機は、円筒状のヨークと、このヨーク内に周方向に間隔をおいて4個固定されたフェライトで構成された永久磁石と、ヨーク内に軸受により回転自在に設けられたシャフト1と、このシャフト1に固定された電機子2と、電機子2の片側に設けられた整流装置3とを備えている。なお、ヨーク及び永久磁石は図示されていない。
【0003】
電機子2は、軸線方向に延びた複数のスロットを有する鉄心4と、銅線にエナメル被覆された導線である、第1のコイル6a、第2のコイル6b及び第3のコイル6cがスロットに巻回されて構成された巻線5とを備えている。巻線5は、導線を例えば10回ターンし、次に1スロットずらして再び10回ターンすることを繰り返す、所謂重巻方式で構成されている。
【0004】
整流装置3は、シャフト1の端部に固定され周方向に複数配列されたスロット数と同数の整流子片7及び整流子片7を支持したベース16からなる整流子8と、この整流子8の表面にスプリングの弾性力により当接しているとともに等分間隔で4個配設されたブラシとを備えている。整流子片7の各フック10には、同電位であるべき整流子片7同士を電気的に接続し、かつ整流子8の側面に密接して均圧線9が係止されている。エナメル被覆された均圧線9は、巻線5の回路間に生じる誘起電圧の差で生じるブラシに流れる循環電流を防止するものである。
【0005】
上記電動機では、均圧線9がフック10に係止して側面に取り付けられた整流子8に、鉄心4が固定されたシャフト1が挿入される。次に、鉄心4のスロットにコイル6a、6b、6cを重巻方式で巻回して巻線5が形成されるが、その巻回途中、整流子片7の各フック10にコイル6a、6b、6cが係止される。その後、各フック10は、均圧線9及びコイル6a、6b、6cとそれぞれ同時に電気的に接続される。
【0006】
図14はフック10が折曲される前の整流装置3の要部断面図、図15は均圧線9及びコイル6a、6b、6cがフック10に係止されたときの図、図16はフック10が折曲された後、フック10が均圧線9及びコイル6a、6b、6cと電気的に接続されたときの図である。この電気的な接続は所謂ヒュージングにより行われる。つまり、フック10の一面に電極を押圧して均圧線9及びコイル6a、6b、6cを整流子片7に圧着した状態で、フック10に電極を介して低電圧、大電流を流すことで、均圧線9及びコイル6a、6b、6cのエナメル被覆はジュール熱で燃焼され、フック10が均圧線9及びコイル6a、6b、6cと電気的に接続される。
【0007】
上記構成の重巻方式の電動機では、整流子片7に当接するブラシを介して外部から電流を巻線5に供給することにより、シャフト1に固定された電機子2、均圧線9及び整流子8は電磁作用により、シャフト1とともに回転する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記構成の整流装置3では、整流子片7のブラシ当接面及び整流子片7のフック10の対向面は互いに平坦であり、コイル6a、6b、6cが押圧変形されたときに、フック10の先端部のコイル6aの変形率はフック10の根元部のコイル6cの変形率よりも大きい、つまりコイル6a、6b、6cの変形率が一様でなく、下記のような問題点があった。
イ.整流子片7と均圧線9との電気的接触の信頼性の確保及び均圧線9の機械的強度の信頼性の確保のために、根元部の均圧線9に、適度の変形を加えてときに、フック10の先端部側のコイル6aの変形が大きくなり、コイル6aの過度の変形によりコイル6aの機械的強度の信頼性が不足し、断線し易くなる。特に、フック10に係止されるコイルの数が増加する程、この傾向が顕著である。
ロ.整流子片7とコイル6a、6b、6cとの電気的接触の信頼性の確保及びコイル6a、6b、6cの機械的強度の信頼性の確保のために、コイル6a、6b、6cを適度の変形に抑えた場合、根元部にある均圧線9の変形が不足し、均圧線9の電気的接触の信頼性が不足することになる。特に、均圧線9が黄銅線、丹銅線等の機械的強度が高く、変形しにくい材質を用いた場合には、この傾向が顕著である。また、均圧線9の線径が小さいときもこの傾向が顕著である。
また、コイル6a、6b、6cの変形率の制御はフック10の押し潰し量でなされているが、その押し潰し量にはばらつきがあり、コイル6a、6b、6cの変形率の制御が困難であるという問題点もあった。
【0009】
この発明は、上記のような問題点を解決することを課題とするものであって、導線と整流子片との電気的接触の信頼性が確保され、また導線の機械的強度の信頼性が確保された整流装置を得ることを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る清流装置は、電機子が固定されたシャフトに固定されるベース及びこのベースの外周面に周方向に複数配列された整流子片を含む整流子を有し、前記整流子片の片側に形成され折曲されたフックに複数本の導線が係止され、ヒュージングによって電気的に接続される整流装置であって、前記整流子片には、根元部から離れるに従って深さ寸法が大きい傾斜面を有した凹部が形成されており、この凹部には、先端部が前記整流子片の周面に当接する前記フックの折曲により圧縮変形された複数本の前記導線が収納されている。
【0011】
この発明に係る整流装置では、凹部は、フックの根元部に形成され整流子のブラシが当接する部位の径よりも大径の大径部に設けられている。
【0012】
この発明に係る整流装置は、電機子が固定されたシャフトに固定されるベース及びこのベースの外周面に周方向に複数配列された整流子片を含む整流子を有し、前記整流子片の片側に形成され折曲されたフックに複数本の導線が係止され、ヒュージングによって電気的に接続される整流装置であって、前記フックには、根元部から離れるに従って深さ寸法が大きい傾斜面を有した凹部が形成されており、この凹部には、先端部が前記整流子片の周面に当接する前記フックの折曲により圧縮変形された複数本の前記導線が収納されている。
【0013】
この発明に係る整流装置は、凹部には導線の圧縮変形を助長する圧縮変形助長手段が形成されている。
【0014】
この発明に係る整流装置では、圧縮変形助長手段は段部である。
【0015】
この発明に係る整流装置では、複数の導線には線径の異なる導線が含まれている。
【0016】
この発明に係る整流装置では、複数の導線には材質の異なる導線が含まれている。
【0017】
この発明に係る整流装置では、複数の導線は、電機子の巻線を構成する複数本のコイルと、このコイルより線径が小さく同電位であるべき整流子片同士を電気的に接続する均圧線である。
【0018】
この発明に係る整流装置では、複数の導線は、電機子の巻線を構成する複数本のコイルと、このコイルと材質が異なり同電位であるべき整流子片同士を電気的に接続する均圧線である。
【0019】
この発明に係る整流装置では、均圧線は表面に絶縁被膜が形成された黄銅線である。
【0020】
この発明に係る整流装置では、均圧線は表面に絶縁被膜が形成された丹銅線である。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について説明するが、図13ないし図16と同一または相当部については同一符号を付して説明する。
参考例1.
図1(a)ないし図1(c)はこの発明の参考例1の整流装置20の要部断面図であり、整流装置20は、シャフト1の端部に固定され周方向に複数配列されたスロット数と同数の整流子片22及び整流子片22を支持したベース16からなる整流子21と、この整流子21の表面にスプリングの弾性力により当接しているとともに等分間隔で4個配設されたブラシとを備えている。また、ブラシが当接する整流子片22の周面22aのフック10側には電機子2のコイル6a、6b、6cを収納する凹部24が形成されている。
【0022】
この整流装置20では、コイル6a、6b、6cが凹部24に収納されているので、フック10が折曲され、フック10がコイル6a、6b、6cと電気的に接続された、所謂ヒュージング後を示す図1(c)から分かるように、フック10の先端部側のコイル6aと根元部側のコイル6cとは同一の変形率で変形しており、整流子片22と、コイル6a、6b、6cとの電気的接触の信頼性が確保され、またコイル6a、6b、6cの機械的強度の信頼性が確保される。
また、フック10が折曲されたとき、フック10の先端部10aが凹部24の周縁部に当接するので、電極がフック10を過度に押圧したときでも、凹部24内のコイル6a、6b、6cの過度の変形が防止される。
また、ヒュージング時は、フック10の先端部10aと整流子片22の周面22aとの当接部に電流が集中して流れるので、その発熱による、フック10の変形易さ及び溶融により当接部での接合強度の向上と安定化を図ることができる。
なお、コイルの本数、線径が変わった場合には、凹部の深さ、幅を変えることで、適正なコイルの変形率を確保することができる。
【0023】
実施の形態1.
図2(a)ないし図2(c)はこの発明の実施の形態1の整流装置30の要部断面図であり、この整流装置30では、整流子片31のフック10側に凹部32が形成されている点は参考例1と同様であるが、この凹部32の底面の深さがフック10の根元部から反電機子2に向かうに従って深くなるように傾斜して点が参考例1と異なる。
一般に、フック10を折曲する場合、フック10の根元部ではある曲率半径を有する形状で変形され、折曲後の凹部32内ではフック10の根元部の方が先端部側と比較して広い空隙部を有する。
【0024】
この実施の形態1では、凹部32の底面に傾斜を設けることにより、フック10の折曲後の凹部32内の空隙部の寸法は、空隙部内の反電機子2側のコイル6aと、電機子2側のコイル6cとでは変わりがなく、そのため各コイル6a、6b、6cの変形率は同じであり、コイル6a、6b、6cと整流子片31との電気的接触の信頼性が確保され、またコイル6a、6b、6cの機械的強度の信頼性が確保される。
また、凹部32の底面が傾斜しているので、フック10を底面とほぼ平行になるまで折曲されたときには、図2(c)に示すように、フック10の先端部10aが整流子片31の周面31aに食い込んでおり、より強い強度で先端部10aと周面31aとが接合され、電機子2の回転による遠心力でフック10からコイル6a、6b、6cがより外れにくくなる。
【0025】
参考例2.
図3(a)ないし図3(c)はこの発明の参考例2の整流装置35の要部断面図であり、この整流装置35では、整流子片36に形成された凹部37に隣接して段部38が設けられており、均圧線9の圧縮変形を助長する圧縮変形助長手段である段部38に線径がコイル6a、6b、6cよりも小さく、かつ絶縁被膜が形成された黄銅線で構成された均圧線9が載置されている点が参考例1と異なる。この均圧線9は絶縁被膜された丹銅線でもよい。
【0026】
フック10の根元部にある均圧線9の線径がコイル6の線径よりも小さい場合には、均圧線9の変形率はコイル6の変形率よりも小さくなる虞があるが、段部38を設けたことにより、均圧線9の変形率がコイル6の変形率と同様にすることができ、コイル6、均圧線9と整流子片36との電気的接触の信頼性が低下し、
またコイル6、均圧線9の機械的強度の信頼性が低下することを防止することができる。
特に、整流子片36、コイル6a、6b、6cが銅で構成され、均圧線9が銅よりも機械的強度が高い黄銅線や丹銅線で構成された場合には、均圧線36はコイル6a、6b、6cと比較して押圧変形しにくいが、段部38の高さを調整することで均圧線9を適正に変形することができる。
【0027】
実施の形態2.
図4(a)ないし図4(c)はこの発明の実施の形態2の整流装置40の要部断面図であり、この整流装置40では、整流子片41に形成された凹部42に隣接して段部43が設けられており、この段部38に線径がコイル6a、6b、6cよりも小さい線径の均圧線9が載置されている点が実施の形態1と異なる。
【0028】
この実施の形態では、凹部42が実施の形態1と同様に、凹部42の底面の深さがフック10の根元部から反電機子2側に向かうに従って深くなるように傾斜しているので、フック10の折曲後の凹部42内の空隙部の寸法は、空隙部内の反電機子2側のコイル6aと、電機子2側のコイル6cとでは変わりがなく、各コイル6a、6b、6cの変形率は同じであり、コイル6a、6b、6cと整流子片41との電気的接触の信頼性が確保され、またコイル6a、6b、6cの機械的強度の信頼性が確保される。
また、凹部42の底面が傾斜しているので、フック10を底面とほぼ平行になるまで折曲されたときには、図4(c)に示すように、フック10の先端部10aが整流子片41の周面41aに食い込んでおり、より強い強度で先端部10aと周面41aとが接合され、電機子2の回転による遠心力でフック10からコイル6a、6b、6cがより外れにくくなる。
また、フック10の根元部にある均圧線9の線径がコイル6の線径よりも小さいが、段部43を設けたことにより、均圧線9の変形率がコイル6a、6b、6cの変形率と同様にすることができる。
【0029】
参考例3.
図5(a)ないし図5(c)はこの発明の参考例3の整流装置50の要部断面図であり、この整流装置50では、コイル6a、6b、6cを収納する凹部52がフック51に形成され点が参考例1と異なる。この整流装置50は、他の構成については参考例1の構成と同様であり、作用、効果については参考例1と同様である。
【0030】
実施の形態3.
図6(a)ないし図6(c)はこの発明の実施の形態3の整流装置55の要部断面図であり、この整流装置55では、コイル6a、6b、6cを収納する凹部57がフック56に形成されている点が実施の形態1と異なる。
この整流装置55は、他の構成については実施の形態1の構成と同様であり、作用、効果については実施の形態1と同様である。
【0031】
参考例4.
図7(a)ないし図7(c)はこの発明の参考例4の整流装置60の要部断面図であり、この整流装置60では、フック61に形成された凹部62に隣接して段部63が設けられており、この段部63と整流子片7の根元部との間に線径がコイル6a、6b、6cよりも小さい線径の均圧線9が挟持されている点が参考例2と異なる。
この整流装置60は、他の構成については参考例2の構成と同様であり、作用、効果については参考例2と同様である。
【0032】
実施の形態4.
図8(a)ないし図8(c)はこの発明の実施の形態4の整流装置65の要部断面図であり、この整流装置65では、フック66に底面が傾斜した凹部67が形成されており、またこの凹部67に隣接して段部68が設けられており、この段部68と整流子片7の根元部との間に線径がコイル6a、6b、6cよりも小さい線径の均圧線9が挟持されている点が実施の形態2と異なる。
この整流装置65は、他の構成については実施の形態2の構成と同様であり、作用、効果については実施の形態2と同様である。
【0033】
参考例5.
図9(a)ないし図9(c)はこの発明の参考例5の整流装置70の要部断面図であり、この整流装置70では、フック71に深さが一定寸法の凹部72が形成されており、またこの凹部72に隣接して段部73が設けられており、この段部73とフック71の根元部との間に線径がコイル6a、6b、6cよりも小さい線径の均圧線9が挟持されている点が参考例2と異なる。
この整流装置70は、他の構成については参考例2の構成と同様であり、作用、効果については参考例2と同様である。
【0034】
実施の形態5.
図10(a)ないし図10(c)はこの発明の実施の形態5の整流装置75の要部断面図であり、この整流装置75では、フック76に底面が傾斜した凹部77が形成されており、この凹部77に隣接して段部78が設けられており、この段部78とフック76の根元部との間に線径がコイル6a、6b、6cよりも小さい線径の均圧線9が挟持されている点が実施の形態2と異なる。
この整流装置75は、他の構成については実施の形態2の構成と同様であり、作用、効果については実施の形態2と同様である。
【0035】
実施の形態6.
図11(a)ないし図11(c)はこの発明の実施の形態6の整流装置80の要部断面図であり、この整流装置80では、整流子片84の根元部にはブラシが当接する部位よりも大径の大径部82が形成されている。この大径部82にはフック81の折曲により圧縮変形された複数本のコイル(図示せず)を収納した凹部83が形成されている。凹部83にはフック81の根元部から離れるに従って深さ寸法が大きい傾斜面が形成されている。
【0036】
整流装置80は図12から分かるように、整流子片84のフック81が放射線状に延びており、隣接したフック81間の距離は径方向外側であればそれだけ大きい。この実施の形態6では、コイルが係止される凹部83が大径部82に形成されているので、隣接した凹部83間の距離も、上記各実施の形態と比較して大きくなり、それだけ線径の大きなコイルをフック81に係止することができ、それだけコイルに大電流を流すことができ、高出力の電動機を得ることができる。
【0037】
なお、上記各実施の形態では、凹部の縁部に段部を設けたが、例えば、コイル間に線径の小さい均圧線があるときには、この均圧線が当接する凹部の部位に段部を設けてもよい。
また、圧縮変形助長手段は凹部に周縁部に形成された段部に限定されるものではなく、例えば突起であってもよい。
また、凹部を有する整流子片、凹部及び段部を有する整流子片では、整流子片の切削加工時に、同時に凹部、段部を形成することができ、新たな加工工程は不要である。なお、段部の加工は鍛造でもよい。
また、上記実施の形態では、導線として、コイル、均圧線の場合について説明したが、勿論このものに限定されるものではない。
また、この整流装置は電動機に適用される場合について説明したが、勿論発電機にも適用できる。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の請求項1に係る整流装置によれば、整流子片にフックの折曲により圧縮変形された複数本の導線を収納する凹部が形成されており、前記凹部にはフックの根元部から離れるに従って深さ寸法が大きい傾斜面が形成されているので、導線と整流子片との電気的接触の信頼性が確保され、また導線の機械的強度の信頼性が確保される。
また、フックが折曲されたとき、フックの先端部が凹部の周縁部に当接するので、フックが過度に押圧されたときでも、凹部内の導線の過度の変形が防止される。
また、ヒュージングにより導線と整流子片とが係止されているので、フックの先端部と整流子片の周面との当接部に電流が集中して流れ、その発熱による、フックの変形易さ及び溶融により当接部での接合強度が向上する。
また、導線の本数、線径が変わった場合には、凹部の深さ、幅を変えることで、導線の適正な変形率を簡単に得ることができる。
また、凹部にフックの根元部から離れるに従って深い寸法の傾斜面が形成されているので、フックの折曲後の凹部内の空隙部の寸法を、各部位で同じ値に容易にすることができ、そのため導線の変形率を同じにすることができ、導線と整流子片との電気的接触の信頼性がより向上し、また導線の機械的強度の信頼性もより向上する。
また、凹部の底面が傾斜しているので、フックを底面とほぼ平行になるまで折曲されて、フックの先端部を整流子片の周面に食い込ませることが可能となり、より強い強度で先端部と周面とが接合される。
【0039】
また、この発明に係る整流装置によれば、凹部はフックの根元部に形成され整流子のブラシが当接する部位の径よりも大径の大径部に設けられているので、隣接した凹部間の距離も大きくなり、それだけ線径の大きな導線をフックに係止することができ、例えば高出力の電動機を得ることができる。
【0040】
また、この発明に係る整流装置によれば、フックにフックの折曲により圧縮変形された複数本の導線を収納する凹部が形成されており、前記凹部にはフックの根元部から離れるに従って深さ寸法が大きい傾斜面が形成されているので、請求項1と同様の効果を得ることができる。
【0041】
また、この発明に係る整流装置によれば、凹部に導線の圧縮変形を助長する圧縮変形助長手段が形成されているので、他の導線よりも線径が小さい導線が含まれているときでも、その小さい導線を他の導線と同様に圧縮させることができる。
【0042】
また、この発明に係る整流装置によれば、圧縮変形助長手段は段部であるので、圧縮変形助長手段を簡単に形成することができる。
【0043】
また、この発明に係る整流装置によれば、複数の導線に線径の異なる導線が含まれている場合には、それぞれの導線を同様に変形圧縮させることができ、導線と整流子片との電気的接触の信頼性が確保され、また導線の機械的強度の信頼性が確保される。
【0044】
また、この発明に係る整流装置によれば、複数の導線に材質の異なる導線が含まれている場合には、それぞれの導線を同様に変形圧縮させることができ、導線と整流子片との電気的接触の信頼性が確保され、また導線の機械的強度の信頼性が確保される。
【0045】
また、この発明に係る整流装置によれば、複数の導線が、電機子の巻線を構成する複数本のコイルと、このコイルより線径が小さく同電位であるべき整流子片同士を電気的に接続した均圧線である場合には、コイル及び均圧線と、整流子片との電気的接触の信頼性が確保され、またコイルの機械的強度の信頼性が確保される。
【0046】
また、この発明に係る整流装置によれば、複数の導線は、電機子の巻線を構成する複数本のコイルと、このコイルと材質が異なり同電位であるべき整流子片同士を電気的に接続する均圧線である場合には、コイル及び均圧線と、整流子片との電気的接触の信頼性が確保され、またコイルの機械的強度の信頼性が確保される。
【0047】
また、この発明に係る整流装置によれば、均圧線は表面に絶縁被膜が形成された黄銅線であるので、銅と比較して、硬度及び機械的強度が高く、また熱及び電気伝導度が低いが、均圧線は十分に変形され、また電気抵抗が大きいだけ銅線と比較して線径が大きくなり、フックと均圧線との接触面積が増大し、フックと均圧線との電気的な接続の信頼性が向上する。
【0048】
この発明に係る整流装置によれば、均圧線は表面に絶縁被膜が形成された丹銅線であるので、銅と比較して、硬度及び機械的強度が高く、また熱及び電気伝導度が低いが、均圧線は十分に変形され、また電気抵抗が大きいだけ線径が大きくなり、フックと均圧線との接触面積が増大し、フックと均圧線との電気的な接続の信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1はこの発明の参考例1の整流装置の要部断面図で、(a)はフックが折曲される前の図、(b)はフックにコイル及び均圧線が係止されたときの図、(c)はフックと、コイル及び均圧線とが電気的に接続されたときの図である。
【図2】 図2はこの発明の実施の形態1の整流装置の要部断面図で、(a)はフックが折曲される前の図、(b)はフックにコイル及び均圧線が係止されたときの図、(c)はフックと、コイル及び均圧線とが電気的に接続されたときの図である。
【図3】 図3はこの発明の参考例2の整流装置の要部断面図で、(a)はフックが折曲される前の図、(b)はフックにコイル及び均圧線が係止されたときの図、(c)はフックと、コイル及び均圧線とが電気的に接続されたときの図である。
【図4】 図4はこの発明の実施の形態2の整流装置の要部断面図で、(a)はフックが折曲される前の図、(b)はフックにコイル及び均圧線が係止されたときの図、(c)はフックと、コイル及び均圧線とが電気的に接続されたときの図である。
【図5】 図5はこの発明の参考例3の整流装置の要部断面図で、(a)はフックが折曲される前の図、(b)はフックにコイル及び均圧線が係止されたときの図、(c)はフックと、コイル及び均圧線とが電気的に接続されたときの図である。
【図6】 図6はこの発明の実施の形態3の整流装置の要部断面図で、(a)はフックが折曲される前の図、(b)はフックにコイル及び均圧線が係止されたときの図、(c)はフックと、コイル及び均圧線とが電気的に接続されたときの図である。
【図7】 図7はこの発明の参考例4の整流装置の要部断面図で、(a)はフックが折曲される前の図、(b)はフックにコイル及び均圧線が係止されたときの図、(c)はフックと、コイル及び均圧線とが電気的に接続されたときの図である。
【図8】 図8はこの発明の実施の形態4の整流装置の要部断面図で、(a)はフックが折曲される前の図、(b)はフックにコイル及び均圧線が係止されたときの図、(c)はフックと、コイル及び均圧線とが電気的に接続されたときの図である。
【図9】 図9はこの発明の参考例5の整流装置の要部断面図で、(a)はフックが折曲される前の図、(b)はフックにコイル及び均圧線が係止されたときの図、(c)はフックと、コイル及び均圧線とが電気的に接続されたときの図である。
【図10】 図10はこの発明の実施の形態5の整流装置の要部断面図で、(a)はフックが折曲される前の図、(b)はフックにコイル及び均圧線が係止されたときの図、(c)はフックと、コイル及び均圧線とが電気的に接続されたときの図である。
【図11】 図11はこの発明の実施の形態6の整流装置の要部断面図で、(a)はフックが折曲される前の図、(b)はフックにコイル及び均圧線が係止されるときの図(コイル、均圧線は省略されている。)、(c)はフックと、コイル及び均圧線とが電気的に接続されるときの図(コイル、均圧線は省略されている。)である。
【図12】 図11の整流装置の正面図である。
【図13】 従来の整流装置が組み込まれた電動機の要部断面図である。
【図14】 従来の整流装置の要部断面図で、フックが折曲される前の図である。
【図15】 従来の整流装置の要部断面図で、フックに均圧線及びコイルが係止されたときの図である。
【図16】 従来の整流装置の要部断面図で、フックと、コイル及び均圧線とが電気的に接続されたときの図である。
【符号の説明】
1 シャフト、2 電機子、4 鉄心、6a、6b、6c コイル、22,31,36,41,84 整流子片、9 均圧線、20,31,35,40,50,55,60,65,70,75,80 整流装置、21 整流子、10,51,56,61,66,71,76,81 フック、38,43,63,68,73,78 段部、24,32,37,42,52,57,62,67,72,77,83 凹部、82 大径部。
Claims (11)
- 電機子が固定されたシャフトに固定されるベース及びこのベースの外周面に周方向に複数配列された整流子片を含む整流子を有し、前記整流子片の片側に形成され折曲されたフックに複数本の導線が係止され、ヒュージングによって電気的に接続される整流装置であって、
前記整流子片には、根元部から離れるに従って深さ寸法が大きい傾斜面を有した凹部が形成されており、この凹部には、先端部が前記整流子片の周面に当接する前記フックの折曲により圧縮変形された複数本の前記導線が収納されている整流装置。 - 凹部は、フックの根元部に形成され整流子のブラシが当接する部位の径よりも大径の大径部に設けられている請求項1に記載の整流装置。
- 電機子が固定されたシャフトに固定されるベース及びこのベースの外周面に周方向に複数配列された整流子片を含む整流子を有し、前記整流子片の片側に形成され折曲されたフックに複数本の導線が係止され、ヒュージングによって電気的に接続される整流装置であって、
前記フックには、根元部から離れるに従って深さ寸法が大きい傾斜面を有した凹部が形成されており、この凹部には、先端部が前記整流子片の周面に当接する前記フックの折曲により圧縮変形された複数本の前記導線が収納されている整流装置。 - 凹部には導線の圧縮変形を助長する圧縮変形助長手段が形成されている請求項1ないし請求項3の何れかに記載の整流装置。
- 圧縮変形助長手段は段部である請求項4に記載の整流装置。
- 複数の導線には線径の異なる導線が含まれている請求項1ないし請求項5の何れかに記載の整流装置。
- 複数の導線には材質の異なる導線が含まれている請求項1ないし請求項6の何れかに記載の整流装置。
- 複数の導線は、電機子の巻線を構成する複数本のコイルと、このコイルより線径が小さく同電位であるべき整流子片同士を電気的に接続する均圧線である請求項6に記載の整流装置。
- 複数の導線は、電機子の巻線を構成する複数本のコイルと、このコイルと材質が異なり同電位であるべき整流子片同士を電気的に接続する均圧線である請求項7または請求項8に記載の整流装置。
- 均圧線は表面に絶縁被膜が形成された黄銅線である請求項8または請求項9に記載の整流装置。
- 均圧線は表面に絶縁被膜が形成された丹銅線である請求項8または請求項9に記載の整流装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003140807A JP4220834B2 (ja) | 2003-05-19 | 2003-05-19 | 整流装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003140807A JP4220834B2 (ja) | 2003-05-19 | 2003-05-19 | 整流装置 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000140713A Division JP3443385B2 (ja) | 2000-05-12 | 2000-05-12 | 整流装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003304667A JP2003304667A (ja) | 2003-10-24 |
JP4220834B2 true JP4220834B2 (ja) | 2009-02-04 |
Family
ID=29398348
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003140807A Expired - Lifetime JP4220834B2 (ja) | 2003-05-19 | 2003-05-19 | 整流装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4220834B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7824498B2 (en) | 2004-02-24 | 2010-11-02 | Applied Materials, Inc. | Coating for reducing contamination of substrates during processing |
JP5171876B2 (ja) * | 2010-04-21 | 2013-03-27 | 三菱電機株式会社 | 回転電機 |
-
2003
- 2003-05-19 JP JP2003140807A patent/JP4220834B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003304667A (ja) | 2003-10-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3578142B2 (ja) | 接続構造とその接続方法及びそれを用いた回転電機並びに交流発電機 | |
JP3443385B2 (ja) | 整流装置 | |
WO2006137125A1 (ja) | 回転電動機の電機子、回転電動機及びその製造方法 | |
JP2002084723A (ja) | 車両用交流発電機 | |
JP3559178B2 (ja) | 回転電機及びその製造方法 | |
US20150318768A1 (en) | Contact element for an electric machine | |
JP5849827B2 (ja) | 端子金具およびこの端子金具を備えたモータ | |
JP2005341640A (ja) | 電動機のステータ | |
CN100391086C (zh) | 旋转电机的定子 | |
JP3347033B2 (ja) | インサート導体及びブラシホルダの製造方法 | |
JP5533930B2 (ja) | 回転電機 | |
US4835430A (en) | Commutator connection in an electric motor | |
JP4220834B2 (ja) | 整流装置 | |
JP3450732B2 (ja) | 回転電機 | |
JP5237767B2 (ja) | 整流子及び該整流子を備える電機子及びモータ並びに該電機子の製造方法及びモータの製造方法 | |
JP3256688B2 (ja) | 整流装置 | |
JP5987399B2 (ja) | モータ | |
US7317269B2 (en) | Low voltage electronic motor wire termination | |
US7679257B2 (en) | Planar commutator, rotor and direct current electric motor | |
JP2002335652A (ja) | ブラシ装置 | |
KR100424873B1 (ko) | 정류장치 | |
JP2006121883A (ja) | モータ、中性線端子及びその中性線の締結方法 | |
JP3183655B2 (ja) | 回転電機及びその製造方法 | |
JP5692271B2 (ja) | 回転子およびこれを備えた回転電機 | |
WO2017046954A1 (ja) | 回転電機の製造方法、回転電機のステータ、及びそのステータを備える回転電機 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050728 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080701 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080901 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20081111 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20081114 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111121 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4220834 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121121 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121121 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131121 Year of fee payment: 5 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |