JP4220717B2 - エレベータ用ガイドレールの加工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、エレベータ用ガイドレールの加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図15はエレベータ用ガイドレールの斜視図である。エレベータ用ガイドレール30は、エレベータの昇降路内に乗かごの昇降方向に全長にわたって設置される。そして、昇降路の長さに従い通常は所定本数が継ぎ足されて設置される。ガイドレール30は、平板状の基部31と基部31の中心線上に垂直に立設された平板状の垂直部32からなる断面逆T字型をなし長手方向に長尺である。図15に示されるガイドレール30は、一般的なガイドレールを示し、基部31の幅は80〜140mm、垂直部32の高さは55〜110mm、及び長手方向の長さは5000mmである。
【0003】
ガイドレール30は、昇降路内で乗かごをガイドするために、案内面として垂直部32の両側面32a,32b及び頂面32cは精度良く形成されている必要がある。そのため、これらの面は、工作機械で研削されて形成される。
【0004】
図16は従来のエレベータ用ガイドレールの加工機の要部を示す斜視図である。ガイドレール30は、加工機の送り台であるテーブル41上に、基部31の両縁部をチャック装置42で締め付けられて固定されている。チャック装置42は、ガイドレール30の長手方向に複数個設けられている。
【0005】
ガイドレール30は、刃物台43と刃物台43に取り付けられた刃物44によって研削される。刃物台43は、垂直部32の両側面32a,32bを挟むように位置する断面コ字型をなし、両側面32a,32bと対向する対向面の所定の位置に刃物44が固定されている。刃物台43は、テーブル41から独立して図示しない支持体によって(地上に対して不動の)基台から支持されている。テーブル41は、ガイドレール30の長手方向に矢印Jに示されるように往復運動をする。
【0006】
図17は従来のエレベータ用ガイドレールが加工される様子を示す説明図である。まず、(1)テーブル41上にガイドレール30が固定されて加工が開始される。次に、(2)テーブル41が矢印K方向に概略ガイドレール30の長さだけ水平に移動してガイドレール30の両側面が高さ方向に所定の幅(切削幅)だけ切削される。次に、(3)テーブル41が矢印L方向に移動して元の位置に戻る。次に、(4)刃物台43が垂直方向である矢印M方向に切削幅だけ下がる。そして、(5)上記の(2)〜(4)が繰りかえされ、順次下方へ加工してゆく。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このような構成の従来のエレベータ用ガイドレールの加工機及びそれを用いた加工方法においては、テーブル41にガイドレール30を複数本平行に固定し、これらを同時に加工することで生産性を高めている。しかしながら、刃物44の切削幅が小さく、またガイドレール30は長手方向に長いので、テーブル41が多数回往復運動するのに多くの時間がかかり生産性が低かった。
【0008】
また、従来の加工方法においては、ガイドレール30をテーブル41に複数のチャック装置42を用いて固定するが、切削荷重が大きいと、チャック装置42から遠い部分、すなわち図18の点線45の部分等でビビリが発生し加工精度が悪くなり、一方、チャック装置42で締め付けられている部分の近傍は、荷重が集中して加工材料が変形して加工精度が悪くなるので問題であった。
【0009】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、加工時間が短縮されて生産性を向上することができ、また、加工精度を向上させることができるエレベータ用ガイドレールの加工方法を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明のエレベータ用ガイドレールの加工方法においては、平板状の基部及び基部の略中心線上に垂直に立設された平板状の垂直部からなる断面逆T字型をなし長手方向に長尺のエレベータ用ガイドレールの垂直部の両側面及び頂面を切削するエレベータ用ガイドレールの加工方法であって、ガイドレールの基部が固定されガイドレールの長手方向に水平移動しガイドレールの長手方向に沿って複数配置された電磁吸着式固定具を有する送り台と、ガイドレールの垂直部の両側面及び頂面を同時に切削する回転式切削具とを備えた加工機を用い、複数の電磁吸着式固定具を位置に応じてオンとオフに切り換えながら行う。
【0011】
また、ガイドレールを送り台に固定する際、ガイドレールの長手方向の中央部近傍の電磁吸着式固定具のみをオンとし、その後、他の部分の電磁吸着式固定具をオンとする。
また、電磁吸着式固定具の単位長さあたりの吸引力を、下記算式においてθ=0.005として算出したWの値以上とする
W=θ×24E・I/(L×L×L)
但し
E:ガイドレール素材の縦弾性係数
I:ガイドレール素材の断面二次モーメント
L:ガイドレール素材の長さ
θ:ガイドレール素材の曲がり率
ここでθ=δ/(L/2)
δ:ガイドレールの曲がり偏位
【0012】
また、加工機は、回転式切削具の近傍に切粉回収装置をさらに備え、ガイドレールを切削する際、送り台の移動と同期させて切粉回収装置の回収部近傍の電磁吸着式固定具のみを順次オフにする。
【0013】
また、ガイドレールの加工後に、まず所定の位置の電磁吸着式固定具のみをオンにし、次にこれに隣接する位置の電磁吸着式固定具のみをオンにし、オンする位置を順次移動させて切粉を集める。
【0014】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1はこの発明のエレベータ用ガイドレールの加工機を示す斜視図である。また、図2は回転式切削具の部分を拡大して示す正面図である。図3は複数のガイドレールが同時に加工される様子を示す模式図である。図4はガイドレールの固定された様子を示す送り台を上方から見た図である。
図1において、この発明のエレベータ用ガイドレールの加工機は、ガイドレール30の基部31が固定されガイドレール30の長手方向に水平移動する送り台1と、ガイドレール30の垂直部32の両側面32a,32b及び頂面32cを同時に切削する回転式切削具2を有している。
【0015】
回転式切削具2は、図2に良く示されるように、まず垂直部32を挟むようにして設けられた第1の円盤状工具としてのフライスカッター3と第2の円盤状工具としてのフライスカッター4を有している。フライスカッター3は、支持部3cから水平に突出する回転軸3aに接続されて矢印B方向に回転する。一方、フライスカッター4は、図示しない支持部から水平に突出する回転軸4cに接続されて矢印B方向に回転する。
【0016】
第1の円盤状工具としてのフライスカッター3は、垂直部32の側面32aに対向する対向面3bの外周部に全周にわたって等間隔に刃物5を有している。同じく、第2の円盤状工具としてのフライスカッター4は、垂直部32の側面32bに対向する対向面4bの外周部に全周にわたって等間隔に刃物5を有している。フライスカッター3の対向面3bの中心には、円筒状切削具としてのエンドミル6が回転軸を一致させて水平方向に接続されている。エンドミル6は、外周面に螺旋状の刃を有する。
【0017】
ガイドレール30は、図3に示されるように送り台1上にと複数本が並べて固定され、この複数本が同時に加工される。同時に加工される本数が多ければ多いほど生産性は向上するが、あまり多くなると加工機のフレーム20の幅が大きくなり所定の強度が得られなくなるため、実際には6本〜12本程度の同時加工が行われている。
【0018】
送り台1は、図4に示されるように、ガイドレール30の長手方向に沿って整列して設けられた電磁吸着式固定具としてのマグネット7を複数有している。マグネット7は、送り台1の内部に埋め込まれて配設されている。マグネット7は、固定される各ガイドレール30に対応して複数列が整列して設けられている。各列の隣り合うマグネット7間の間隔は、各列間の間隔より狭い間隔とされている。また、マグネット7の幅aは、ガイドレール30の幅bよりも狭い幅とされている。このような関係は、各列の磁束が実線7aのように形成されるためであり、もし各列間の間隔が狭いと、磁束がとなりの列の磁束と連結し一点鎖線7aのように形成されてしまい、ガイドレール30を良好に固定できなくなるからである。
【0019】
図5はエレベータ用ガイドレールが加工される様子を示す説明図である。まず、(1)テーブル1上にガイドレール30がマグネット7によって吸着固定されて加工が開始される。次に、(2)回転式切削具2が回転している状態で、テーブル1が矢印C方向にゆっくり移動を始める。(3)テーブル1がそのままゆっくり進み概略ガイドレール30の長さだけ移動してガイドレール30の垂直部32の両側面32a,32b及び頂面32cの加工が完了する。
【0020】
図6は送り台1にガイドレール30を載置する様子を示す説明図である。ガイドレール30の鋼材は通称「大曲がり」と呼ばれるように基部31を内側にして円弧状に大きく反り返って形成されている。この「大曲がり」のガイドレール30を送り台1に矢印D方向のように載置することとなる。
【0021】
図7は本実施の形態の送り台1にガイドレール30を固定する様子を示す説明図である。まず、(1)ガイドレール30の長手方向の中央部近傍(図中矢印Eの部分)のマグネットのみをオンとし、その後、(2)他の部分のマグネットをオンとする。すなわち、全面のマグネットをオンとする。
【0022】
これに対して、図8は単純に始めから全面のマグネットをオンとした場合を示す図である。ガイドレール30の端部がまず送り台1に密着する。そして、その後、図中点線で示す浮き上がった中央部を送り台1に密着するためには、摩擦力に逆らって端部を矢印G方向に滑らせる力が必要となる。そのため、中央部で大きな吸着力が必要となってしまう。
【0023】
図9は本実施の形態の固定に必要な吸着力の一例を試算した例を説明する図である。
W:単位長さあたりの吸着力
E:ガイドレール素材の縦弾性係数
I:ガイドレール素材の断面二次モーメント
L:ガイドレール素材の長さ
θ:ガイドレール素材の曲がり率
δ:ガイドレールの曲がり偏位、但し、θ=δ/(L/2)
とし、実際に考えられる吸着力の値を見積もると、
W=1540N/mmとなる。
【0024】
すなわち、図9のような状況で、中央をθ=0となるまで押し込むのに必要な一様分布荷重Wは、
【0025】
【数1】
【0026】
30Kレールの場合、E=21000Kg/mm2、I=400cm4とすると、W=1540N/mm、ここで、
θ=δ/(L/2)=1/(400/2)=0.005
である。
【0027】
図10は本実施の形態の切粉回収の方法を示す説明図である。加工機は、回転式切削具2の近傍に切粉回収装置8を有している。切粉回収装置8の回収部8aは回転式切削具2を追従し、切削直後の切粉9を吸引する。そして、加工中に送り台1を移動する際、送り台1の移動と同期させて切粉回収装置8の回収部8a近傍のマグネット7aのみを順次オフにする。そのため、切粉9が散乱することがなく加工中に切粉9を効率良く回収することができ作業性が向上する。そして、加工中に回収できない切粉9aもマグネット7に引きつけられて飛散することがない。
【0028】
図11は加工中に回収できなかった切粉の回収方法を示す図である。ガイドレール30の加工後に、まず所定の位置のマグネット7aのみをオンにし、次にこれに隣接する位置のマグネット7のみをオンにし、オンする位置を矢印I方向に順次移動させて切粉を集める。このように、1つだけオンにするマグネット7を順次切り換えて移動させることにより切粉を一箇所に集めることができる。
【0029】
なお、本実施の形態では、ガイドレール30を送り台1に載せる、あるいは送り台1から降ろす際に、人手ではなく自動搬送機を用いる。図12は自動搬送機のワーク搬送ハンド10がガイドレール30を送り台1に載置する様子を示す側面図である。図12において、ガイドレール30を置く際のワーク搬送ハンド10の近傍位置には、マグネット7が配置されていない。これは、ワーク搬送ハンド10に切粉が付着しないようにするためである。
【0030】
実施の形態2.
図13はこの発明のエレベータ用ガイドレールの加工機の他の例を示す回転式切削具の部分を拡大して示す正面図である。図14は回転式切削具の部分を拡大して示す側面図である。本実施の形態においては、実施の形態1で用いられた円筒状切削具としてのエンドミル6がない。その代わりに、頂面32cを切削する工具として、第3の円盤状工具としてのフライスカッター11を有している。フライスカッター11は、図示しない支持部から垂直方向に延びる回転軸11aに接続され矢印N方向に回転する。フライスカッター11は、頂面32cに対向する対向面11bの外周部に全周にわたって等間隔に刃物5を有している。
【0031】
このような構成の回転式切削具においても、実施の形態1と概略同様の効果を得ることができる。そしてさらには、3個の切削具が各々独立に設けられているので刃物の補正等が容易にでき管理が楽である。また、一般的なフライスカッターを用いることができるので、コストダウンを図ることができる。
【0032】
【発明の効果】
この発明に係るエレベータ用ガイドレールの加工機は、平板状の基部及び基部の略中心線上に垂直に立設された平板状の垂直部からなる断面逆T字型をなし長手方向に長尺のエレベータ用ガイドレールの垂直部の両側面及び頂面を切削するエレベータ用ガイドレールの加工機であって、ガイドレールの基部が固定されガイドレールの長手方向に水平移動する送り台と、ガイドレールの垂直部の両側面及び頂面を同時に切削する回転式切削具とを備えている。そのため、長尺のエレベータ用ガイドレールを送り台の一回の移動で加工することができ、加工時間が短縮されて生産性が向上する。
【0033】
また、回転式切削具は、垂直部を挟むようにして垂直部の両側面に対向して設けられ対向面の所定の位置に刃を有する第1,第2の円盤状工具と、第1あるいは第2の円盤状工具の回転軸に接続して設けられ円筒状をなし垂直部の頂面に接触する外周面に刃を有する円筒状切削具とを有する。そのため、ガイドレールの垂直部の両側面及び頂面を精度良く加工することができる。
【0034】
また、回転式切削具は、垂直部を挟むようにして垂直部の両側面に対向して設けられ対向面の所定の位置に刃を有する第1,第2の円盤状工具と、前記垂直部の頂面に対向して設けられ対向面の所定の位置に刃を有する第3の円盤状工具とを有する。そのため、ガイドレールの垂直部の両側面及び頂面を精度良く加工することができるとともに、工具の取り扱いが容易である。
【0035】
また、送り台は、ガイドレールを固定する電磁吸着式固定具を備えている。そのため、ガイドレールを強力に固定することができ、精度良く加工することができる。
【0036】
また、電磁吸着式固定具は、送り台にガイドレールの長手方向に沿って複数配置されている。そのため、ガイドレールを全長にわたり強力に固定することができ、ビビリが生じることがないので精度良く加工することができる。
【0037】
また、複数の電磁吸着式固定具は、個別にオンとオフとを切り替え可能である。そのため、切粉の処理を効率良く行うことができる。
【0038】
また、回転式切削具の近傍に切粉回収装置をさらに備えている。そのため、切粉が散乱することがなく加工中に切粉を効率良く回収することができ作業性が向上する。
【0039】
また、ガイドレールを送り台の固定位置に搬送して載置する搬送装置をさらに備え、ガイドレールを送り台の固定位置に置く際の搬送装置のワーク搬送ハンドの近傍を避けた位置に電磁吸着式固定具が配置されている。そのため、ワーク搬送ハンドに切粉が付着することがなく作業性が向上する。
【0040】
また、この発明のエレベータ用ガイドレールの加工方法においては、平板状の基部及び基部の略中心線上に垂直に立設された平板状の垂直部からなる断面逆T字型をなし長手方向に長尺のエレベータ用ガイドレールの垂直部の両側面及び頂面を切削するエレベータ用ガイドレールの加工方法であって、ガイドレールの基部が固定されガイドレールの長手方向に水平移動しガイドレールの長手方向に沿って複数配置された電磁吸着式固定具を有する送り台と、ガイドレールの垂直部の両側面及び頂面を同時に切削する回転式切削具とを備えた加工機を用い、複数の電磁吸着式固定具を位置に応じてオンとオフに切り換えながら行う。そのため、加工中の切粉の回収を効率よく行うことができ作業性が向上する。
【0041】
また、ガイドレールを送り台に固定する際、ガイドレールの長手方向の中央部近傍の電磁吸着式固定具のみをオンとし、その後、他の部分の電磁吸着式固定具をオンとする。そのため、比較的小さな吸着力の電磁吸着式固定具で、「大曲がり」のガイドレールを中央部が浮き上がることなく固定することができる。
【0042】
また、加工機は、回転式切削具の近傍に切粉回収装置をさらに備え、ガイドレールを切削する際、送り台の移動と同期させて切粉回収装置の回収部近傍の電磁吸着式固定具のみを順次オフにする。そのため、電磁吸着式固定具に切粉が付着することなく、加工中の切粉の回収を効率よく行うことができ作業性が向上する。
【0043】
また、ガイドレールの加工後に、まず所定の位置の電磁吸着式固定具のみをオンにし、次にこれに隣接する位置の電磁吸着式固定具のみをオンにし、オンする位置を順次移動させて切粉を集める。そのため、加工後に残った切粉を自動的に効率よく集めることができる。
【0044】
また、電磁吸着式固定具の単位長さあたりの吸引力を、下記算式においてθ=0.005として算出したWの値以上とする
W=θ×24E・I/(L×L×L)
但し
E:ガイドレール素材の縦弾性係数
I:ガイドレール素材の断面二次モーメント
L:ガイドレール素材の長さ
θ:ガイドレール素材の曲がり率
ここでθ=δ/(L/2)
δ:ガイドレールの曲がり偏位
そのため、比較的小さな吸着力の電磁吸着式固定具で、「大曲がり」のガイドレールを中央部が浮き上がることなく固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明のエレベータ用ガイドレールの加工機を示す斜視図である。
【図2】 回転式切削具の部分を拡大して示す正面図である。
【図3】 複数のガイドレールが同時に加工される様子を示す模式図である。
【図4】 ガイドレールの固定された様子を示す送り台を上方から見た図である。
【図5】 エレベータ用ガイドレールが加工される様子を示す説明図である。
【図6】 送り台にガイドレールを載置する様子を示す説明図である。
【図7】 本実施の形態の送り台にガイドレールを固定する様子を示す説明図である。
【図8】 単純に始めから全面のマグネットをオンとしてガイドレールを固定する様子を示す説明図である。
【図9】 固定に必要な吸着力の一例を試算した例を説明する図である。
【図10】 切粉回収の方法を示す説明図である。
【図11】 加工中に回収できなかった切粉の回収方法を示す図である。
【図12】 自動搬送機のワーク搬送ハンドがガイドレールを送り台に載置する様子を示す側面図である。
【図13】 この発明のエレベータ用ガイドレールの加工機の他の例を示す回転式切削具の部分を拡大して示す正面図である。
【図14】 回転式切削具の部分を拡大して示す側面図である。
【図15】 エレベータ用ガイドレールの斜視図である。
【図16】 従来のエレベータ用ガイドレールの加工機の要部を示す斜視図である。
【図17】 従来のエレベータ用ガイドレールが加工される様子を示す説明図である。
【図18】 ガイドレールの中央部でビビリが発生する様子を説明する図である。
【符号の説明】
1 送り台、2 回転式切削具、3 フライスカッター(第1の円盤状工具)、4 フライスカッター(第1の円盤状工具)、5 刃物、6 エンドミル(円筒状切削具)、7 マグネット(電磁吸着式固定具)、8 切粉回収装置、10 ワーク搬送ハンド、11 フライスカッター(第1の円盤状工具)、30 ガイドレール、31 基部、32 垂直部、32a,32b 側面、32c 頂面。
Claims (4)
- 平板状の基部及び該基部の略中心線上に垂直に立設された平板状の垂直部からなる断面逆T字型をなし長手方向に長尺のエレベータ用ガイドレールの前記垂直部の両側面及び頂面を切削するエレベータ用ガイドレールの加工方法であって、
前記ガイドレールの前記基部が固定され該ガイドレールの長手方向に水平移動し前記ガイドレールの長手方向に沿って複数配置された電磁吸着式固定具を有する送り台と、
前記ガイドレールの前記垂直部の両側面及び頂面を同時に切削する回転式切削具とを備えた加工機を用い、
前記複数の電磁吸着式固定具を位置に応じてオンとオフに切り換えながら行うエレベータ用ガイドレールの加工方法であり、
前記ガイドレールを前記送り台に固定する際、前記ガイドレールの長手方向の中央部近傍の前記電磁吸着式固定具のみをオンとし、その後、他の部分の前記電磁吸着式固定具をオンとする
ことを特徴とするエレベータ用ガイドレールの加工方法。 - 前記電磁吸着式固定具の単位長さあたりの吸引力を、下記算式においてθ=0.005として算出したWの値以上とする
W=θ×24E・I/(L×L×L)
但し
E:ガイドレール素材の縦弾性係数
I:ガイドレール素材の断面二次モーメント
L:ガイドレール素材の長さ
θ:ガイドレール素材の曲がり率
ここでθ=δ/(L/2)
δ:ガイドレールの曲がり偏位
ことを特徴とする請求項1に記載のエレベータ用ガイドレールの加工方法。 - 平板状の基部及び該基部の略中心線上に垂直に立設された平板状の垂直部からなる断面逆T字型をなし長手方向に長尺のエレベータ用ガイドレールの前記垂直部の両側面及び頂面を切削するエレベータ用ガイドレールの加工方法であって、
前記ガイドレールの前記基部が固定され該ガイドレールの長手方向に水平移動し前記ガイドレールの長手方向に沿って複数配置された電磁吸着式固定具を有する送り台と、
前記ガイドレールの前記垂直部の両側面及び頂面を同時に切削する回転式切削具とを備えた加工機を用い、
前記複数の電磁吸着式固定具を位置に応じてオンとオフに切り換えながら行うエレベータ用ガイドレールの加工方法であり、
前記加工機は、前記回転式切削具の近傍に切粉回収装置をさらに備え、
前記ガイドレールを切削する際、前記送り台の移動と同期させて前記切粉回収装置の回収部近傍の前記電磁吸着式固定具のみを順次オフにする
ことを特徴とするエレベータ用ガイドレールの加工方法。 - 平板状の基部及び該基部の略中心線上に垂直に立設された平板状の垂直部からなる断面逆T字型をなし長手方向に長尺のエレベータ用ガイドレールの前記垂直部の両側面及び頂面を切削するエレベータ用ガイドレールの加工方法であって、
前記ガイドレールの前記基部が固定され該ガイドレールの長手方向に水平移動し前記ガイドレールの長手方向に沿って複数配置された電磁吸着式固定具を有する送り台と、
前記ガイドレールの前記垂直部の両側面及び頂面を同時に切削する回転式切削具とを備えた加工機を用い、
前記複数の電磁吸着式固定具を位置に応じてオンとオフに切り換えながら行うエレベータ用ガイドレールの加工方法であり、
前記ガイドレールの加工後に、まず所定の位置の前記電磁吸着式固定具のみをオンにし 、次にこれに隣接する位置の前記電磁吸着式固定具のみをオンにし、オンする位置を順次移動させて切粉を集める
ことを特徴とするエレベータ用ガイドレールの加工方法。
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