JP4220306B2 - 電力量計 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電力供給者側から電力消費者側に送電される電力の消費量を計測する電力量計に関するものであり、更に詳しくは、計測した電力供給量を無線電話機等を介して遠隔的に集計し、且つ、電力消費者側の電灯線に接続された電気機器を遠隔操作可能な電力量計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電力量計は電力供給者側の送電線から電力消費者側に供給される電力の消費量を計測する機能を有する。電力量計には、この電力消費量を計測する電力量計測部が備えられており、この電力量計測部は、密閉した電力量計の筐体内に内蔵され、消費電力量を計測並びに保持して消費電力を電力量計測部に設けた窓部に表示するようになっている。
【0003】
しかし、従来の電力量計は、各月の消費電力を計測するために、所定の時期に検針係員が各電力消費者に赴いて消費電力を読みとり、所定の用紙に使用電力を記載して電気料金を電力消費者に伝えているために、人手を多数要すると共に、煩雑であり、電気料金のコストダウンの障害となっている。
【0004】
そこで、電力量計測部の他にマイクロコンピュータを設け、このマイクロコンピュータに通信ケーブル等を接続し、電力量計測部が計測した電力消費量を通信ケーブルの端末に設けた外部コンピュータにより読み取るという通信機能付きの電力量計が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、通信機能付き電力量計は、電力消費量を計測するための通信ケーブルを要するので、個々の電力消費者の建物と集計する外部コンピュータとを接続しなければならない問題があり、コスト上昇が著しい。
【0006】
他方、電力を供給する送電線、或いは建物内部の電灯線を用いて通信を行う電力線搬送通信は従来から知られており、この電力線搬送通信により遠隔制御を行うことも行われている。
【0007】
しかし、外部との接続を考慮しないローカルネットワークでは専用プロトコルが使用されるため、遠隔制御も可能な場合もあるが、インターネットなどの広域ネットワークに接続された外部コンピュータから特定の電気機器を遠隔制御することは不可能であった。
【0008】
また、電灯線に接続された電気機器のマイクロコンピュータはアッセンブリー言語や特殊なC言語で記述されたプログラムにより動作する場合が多い。このために、たとえローカルエリアネットワーク内の管理側コンピュータにより前記電気機器を制御する場合であっても、多様な電気機器を認識する認識用プログラムと、個々の電気機器のアッセンブリー言語又はC言語のプログラムと制御可能に応答するプログラムをあらかじめ管理側コンピュータに記憶させておく必要がある。
【0009】
しかし、電気機器は様々なものが製造されるので、管理側のコンピュータにこれらのプログラムをそのたび毎に作成するのは、非常に困難であると共に、作成されたプログラムを記憶する管理側のコンピュータの記憶容量は膨大なものとなるという問題がある。
【0010】
他方、情報通信或いはデータベース等の情報系プログラムとマイクロコンピュータの制御プログラムとは、OSや言語の相違などにより相互に交信をすることが難しいという問題があった。
【0011】
さらに、電力線搬送通信の場合には、送電線が非常に長い場合には送信する信号電圧を高くしたり、末端からの反射或いは予期せぬ断続その他の原因によるノイズが多いという問題があり、これを解消して広大な領域で電力線搬送通信を行う場合には膨大な設備費用を要する。
【0012】
以上のようなことが原因となるために、いわゆるホームオートメーションなどのアイデアは促進されていない。
【0013】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、近時の無線通信電話機が低コストで高精度なデータ通信を行うことが可能なことに着目し、検針の人的労力を減少させると共に、専用通信ケーブルの設置を必要としないことによりコスト低減化を促進し、外部のネットワークからアクセス可能であって、インターネットに接続可能な汎用端末であれば、電力消費者側の電気機器を制御でき、その制御のための専用コンピュータを電力消費者側が設置する必要がなく、電力消費者側の電気機器は新旧を問わず制御可能であり、専用コンピュータ及び汎用端末のそれぞれの記憶容量は少なくて済み、外部からデータ等の改竄等が困難な電力量計を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1にかかる電力量計は、電力の消費量を計測する電力量計測手段を備えた電力量計筐体で、又は、この電力量計筐体と近接して配置される補助的筐体内部のいずれかの筐体内部に、この筐体外部の情報系ネットワーク及び制御系ネットワークと通信する通信手段と、前記情報系ネットワーク上のデータ集計センタ及び制御系ネットワーク上の1以上の電気機器と接続されるサーバコンピュータとを格納し、前記サーバコンピュータは、一意のバーチャルマシン番号情報、状態情報及び操作可能情報と、それらの情報を操作する情報操作メソッドと、対応する電気機器の状態情報及び操作可能情報を参照する情報参照メソッドとを有するオブジェクト指向言語により記述された電気機器クラスと、当該電気機器クラスと連携可能なオブジェクト指向言語により記述されたインターフェースクラスと、前記電気機器クラスと前記インターフェースクラスの対応情報を格納した管理テーブルとを有したサーバプログラムを保有する電力量計であって、
前記サーバプログラムは、情報系ネットワークに接続されたクライアントマシンから送信された一意のバーチャルマシン番号情報に対応する電気機器クラスを、当該クライアントマシンに配送すると共に、前記管理テーブルを参照して対応するインターフェースオブジェクトを生成することで、当該クライアントマシンが、配送された前記電気機器クラスから電気機器オブジェクトを生成し、当該電気機器オブジェクトの情報操作メソッドを操作することにより対応する電気機器の状態情報及び操作可能情報を参照並びに更新する機能を有
前記サーバーコンピュータは、
電力の消費量の集計領域内にある一群の電力量計に巡回して検針する自動検針エージェントプログラムを前記データ集計センタ又は前記検針が終了した前記集計領域内の電力量計から無線電話の無線通信を介して受信し、
この受信した自動検針エージェントプログラムに基づいて、電力消費量を集計し、集計した電力消費量のデータを前記自動検針エージェントプログラムに記憶させ、
前記集計センタにより指定された前記集計領域内の全電力量計の検針が終了したかどうかの判断を行い、
終了していれば前記自動検針エージェントプログラムを前記データ集計センタに送信し、
終了していなければ集計が終了していない前記集計領域内の他の電力量計へ送信し、
前記自動検針エージェントプログラムを送信する際に、送信先の電力量計と前記無線電話の無線通信のトランシーバモードにて通信できるかどうかの判断を行い、通信できる場合は、該トランシーバモードにて前記送信を行い、通信できない場合は、前記無線電話の無線通信の電話回線にて前記送信を行うことを特徴とする。
【0015】
本発明の請求項2の電力量計は、請求項1の電力量計において、
前記クライアントマシンは、前記電気機器オブジェクトを用いて電気機器の状態情報および操作可能情報を参照並びに更新するアプリケーションを有し、当該アプリケーションが終了時に前記クライアントマシンに配送された電気機器オブジェクトを消滅させると、前記サーバプログラムは、対応する前記インターフェースオブジェクトを消滅させる機能を有することを特徴とする。
【0016】
本発明の請求項3の電力量計は、請求項1、2のいずれかの電力量計において、前記サーバプログラムは、前記電気機器に設けられた記憶メディアまたは情報系ネットワークに接続された配送センタから、前記電気機器クラスまたは/および前記インターフェースクラスを複写し、当該サーバプログラムが有する前記電気機器クラスまたは/および前記インターフェースクラスを書き換える機能を有することを特徴とする
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の好ましい実施形態にかかる電力量計を図面に基づいて説明する。
【0018】
図1は、本実施形態の電力量計のブロック回路構成を示したものである。この電力量計1は、電力の消費量を計測する電力量計測手段としての電力量計測器5を備えた筐体2内部に、情報系ネットワークと通信する無線電話機25と、情報系ネットワーク上のデータ集計センタと接続されるサーバコンピュータ12とを格納し、サーバコンピュータ12は、データ集計センタが情報系ネットワークを介して所定期間内の電力消費量データの送信を要求するデータ送信命令を出力したときに、このデータ送信命令に基づいて、データ計測手段である電力量計測器5が集計した電力量データをデータ集計装置に提供するサーバプログラム100を保有している。
【0019】
電力量計1の筐体2には、屋外の送電線から延びる電力線3が延びており、筐体2からは屋内の電灯線4が延びている。筐体2には、電灯線4上に接続されたTV1、TV2等の電気機器の電力使用量を計測する電力量計測器5が内蔵されている。この実施形態では電力量計測器5は筐体2内部に格納されているが、筐体2の外部に設けられていても良い。但し、筐体2の外部に電力量計測器5を設ける場合には電力量計測器5の電力供給側(電力線3上)に筐体2を予備的筐体として設ける。
【0020】
電力量計測器5は、供給電力の消費量に応じて回転する回転板を備えた回転式計測部6と、回転式計測部6の回転板の回転量に基づいて電力消費量を演算計測するマイクロコンピュータ7と、周辺回路と、電力消費量を数値として表示し肉眼で読みとることが可能な数値表示部(図示せず)と、マイクロコンピュータ7が計測した電力消費量データを筐体2内部のサーバコンピュータ12に送信するための通信モジュール8とを有する。
【0021】
電力量計測器5の一次側端子10は、電力遮断用開閉器22を介して電力線3に接続され、電力量計測器5の二次側端子9は電灯線4に接続されている。電灯線4には図示しない配電盤が設けられている。一次側端子10から入力された電流は回転式計測部6を介して二次側端子9から電灯線4に流れる。
【0022】
マイクロコンピュータ7のメモリ(ROM)には電力量計測プログラムが記憶されている。この電力量計測プログラムでは、日々積算される電力消費量を計測し、マイクロコンピュータの内蔵時計により定められる所定日時において積算電力消費量を確定して記憶し、この確定日時の積算電力消費量から前回の確定日時の積算電力消費量を減算し、当月電力消費量を算出する。当月電力消費量は所定の出力命令により出力される。
【0023】
マイクロコンピュータ7のRAMには、日々計測される電力消費量と、計測される日時と、設定された計測日時の当月積算電力消費量と、前回に計測された前回積算電力消費量と、当月積算電力消費量から前回積算電力消費量を減算した当月電力消費量とが記憶される。マイクロコンピュータ7のRAMに記憶された例えば1ヶ月間の電力消費量は所定の命令により更新される。尚、この当月電力消費量の記憶月数を増やして3,6,12ヶ月単位に記憶させて、消費者側で各月の電力消費量を確認できるようにしても良い。
【0024】
この数値情報化された電力消費量データは、サーバコンピュータ12からマイクロコンピュータ7への数値計測要求により、マイクロコンピュータ7からサーバコンピュータ12に送られる。サーバコンピュータ12からのマイクロコンピュータ7への数値計測要求は所定時間間隔で定期的に送信される。
【0025】
サーバコンピュータ12には電力量計測器5のマイクロコンピュータ7とシリアルデータ通信を行うためのインターフェース35が設けられている。電力量計測器5にはサーバコンピュータ12とシリアルデータ通信を行うためのインターフェース11が設けられている。サーバコンピュータ12は、インターフェース35,11を介して電力消費量のデータを取得し、外部記憶装置16に蓄える。
【0026】
筐体2内部のサーバコンピュータ12のボード13上は、AC−DC用電源回路14、マイクロコンピュータ15、マイクロコンピュータ15の外部記憶装置16、クロック回路17、異常監視回路18、停電用バックアップ回路19、制御バス・アドレスバス・データバス等と、プライマリーとセカンダリーを有するバス20を有する。
【0027】
また、ボード13上には電力遮断用開閉器22の開閉のためのインターフェース21、電力線搬送通信モジュール24と接続されるインターフェース23、および電力量計測器5の通信モジュール8と接続されて電力量の計測・制御通信を行うためのインターフェース35が設けられている。
【0028】
AC−DC電源回路14は、スイッチング電源回路を有するものであり、マイクロコンピュータ15、外部記憶装置16、クロック回路17、異常監視回路18、バックアップ用電源回路19、無線電話機25、トランシーバ26、FM受信機27等に給電する。
【0029】
マイクロコンピュータ15は、例えば32ビット、100MHzで動作可能なRISC型マイクロコンピュータであり、複数個のCPU、10MByteのROM、20MByteのRAM、シリアルインターフェース、パラレルインターフェースその他のメモリ制御やクロック監視のための周辺回路を備えている。
【0030】
外部記憶装置16は、EEPROM、ICカード等記憶メディア、HDD、PCIカードなどからなるものであり、広域ネットワークを通して電灯線4上の電気機器を監視・制御する遠隔操作用のサーバプログラムおよび通信プログラム並びに計測データ等を記憶する。
【0031】
クロック回路17は、サーバコンピュータ12の時計であり、計測年月日などを計測・出力する。
【0032】
異常監視回路18は、サーバコンピュータ12自身および電力量計測器5、バックアップ用電源回路8、無線電話機25、トランシーバ26、FM受信機27などの異常を監視しており、異常発生時に例えば、無線電話機25或いはトランシーバ26から電力会社等に異常状態を示す電波を出力したり、外部記憶装置16に異常データを記録する。
【0033】
バックアップ用電源回路19は、停電時に、サーバコンピュータ12、無線電話機25、トランシーバ26、FM受信機27に非常用電力を供給する。
【0034】
バス20は、マイクロコンピュータ15と、外部記憶装置16、クロック回路17、異常監視回路18、バックアップ用電源回路19、無線電話機25、トランシーバ26、FM受信機27等を接続し、それぞれのモジュール及びアドレスを選択して、制御命令・データとの送信を行う。
【0035】
インターフェース21は、サーバコンピュータ12の命令により電力遮断用開閉器22における電力線3と一次側端子10との断続を行う。
【0036】
電力遮断用開閉器22は、サーバコンピュータ12からの命令により、電力線3と電力量計測器5との接続・遮断を行うスイッチ回路を備えている。電力遮断用開閉器22は、電力を供給する通常時は電力線3と一次側端子10とを接続している。引っ越しや電力供給契約を解除した場合には、無線電話機25若しくはトランシーバ26を用いてサーバコンピュータ12に遮断命令を送り、電力線3と一次端子10とを切り離し、電力供給を停止する。また、電力消費者が入居して電力供給を開始するときに、サーバコンピュータ12に接続命令を送って電力線3と一次側端子10とを接続する。この断続操作は、無線電話機25或いはトランシーバ26で受信した通信情報に含まれる制御命令に基づいてサーバコンピュータ12が行う。
【0037】
インターフェース23は、電力線搬送通信モジュール24とマイクロコンピュータ15との通信を行うためのインターフェースである。
【0038】
電力線搬送通信モジュール24は、電灯線4上のTV1、TV2、冷蔵庫Ref1、照明器具Lamp1、2、監視カメラCamera1その他の電気機器とそれぞれ電力線搬送通信を行うためのプロセッサを有する。
【0039】
この電力線搬送通信モジュール24は、電灯線4上の各電気機器をノードとして識別するルータ機能を有する。この実施形態において、このプロセッサは、一例として、Echelon社のNeuronチップを用いるが、電力線搬送通信を行うことが出来るLSIであれば、他のLSIでも良い。
【0040】
電力線搬送通信モジュール24は、電灯線4に接続された電気機器のマイクロコンピュータと電力線搬送通信用のプロトコルにより電力線搬送通信を行う。この電力線搬送通信については後述する。
【0041】
この電力線搬送通信モジュール24により、電力線3から電灯線4に供給される電流にデータ通信用の信号が重畳して送信される。電力線搬送通信モジュール24とインターフェース23は、サーバコンピュータ12と電灯線4上の電気機器との内部通信手段を構成する。
【0042】
無線電話機25は、いわゆる携帯電話機やパーソナルハンディホン(PHS)等のデジタル式電話機であり、シリアルポート29及びバス20を介してマイクロコンピュータ15に接続される。
【0043】
トランシーバ26は、デジタル式トランシーバであり、シリアルポート30及びバス20を介してマイクロコンピュータ15に接続される。トランシーバ26は、電力消費者側のリモートコントロール用トランシーバ及び通信可能領域に存在する他のトランシーバとも交信可能とされ、電力消費量を集計するためのエージェントプログラムや遠隔操作用のオブジェクトプログラムを送受信する。
【0044】
エージェントプログラムは、自らが移動するためのプログラムと移動先で電力消費量を集計するプログラムとを少なくとも有する移動プログラムと、何処に移動するかという移動先記憶領域と、移動先の電力消費量データを記憶する電力消費データ記憶領域と、いつ電力消費量データを集計したかを集計日時記憶領域とを少なくとも備えている。
【0045】
エージェントプログラムは、電力量計測器5が移動して計測した、電力消費者、電力消費量、集計日時等を記憶した後、次の移動先に移動してゆく。エージェントプログラムの次の移動先がトランシーバの通信可能領域内に存在しない場合は、無線電話25を用いて電話回線に入る。
【0046】
エージェントプログラムが無線電話25に移動できなかった場合には、電力量集計センタに戻り、電力消費者、電力消費量、集計日時等の集計済みのデータを渡すと共に、新たな集計領域の移動先データをもらってその移動先に移動する。
【0047】
FM受信機27は、受信したFM放送をデジタル変換し、所定のデジタル信号を受信したときに、緊急信号をシリアルポート31及びバス20を介してマイクロコンピュータ15に出力する。
【0048】
FM放送においてFM受信機27が例えば緊急放送等の緊急信号を受信したときに、その緊急信号をサーバコンピュータ12に送信して電気機器を制御する。電気機器が微弱電流によりスタンバイしているテレビTV1、TV2等の場合には、テレビTV1、TV2を起動させて緊急放送の内容を放映させ、電力消費者に緊急事態であることを音声と共に知覚させる。また、その緊急信号としては地震・台風・豪雨・雷雨・河川の氾濫・竜巻・山林火災等の発生信号等が考えられるが、これに限るものではない。
【0049】
28は、電力量計1の初期調整・データ更新・修理のためのソケットであり、電力量計1のメンテナンス用コンピュータが接続される。メンテナンス用コンピュータは、マイクロコンピュータ15、外部記憶装置16、クロック回路17、異常監視回路18、電力量計測器5、バックアップ用電源回路8、無線電話機25、トランシーバ26、FM受信機27のリセット等の操作のために用いられ、サーバコンピュータ12或いは前述の周辺機器の故障・更新時に、サーバコンピュータ12或いは周辺機器の調整を行う。
【0050】
ソケット28は特殊工具或いは特殊なID等により開閉可能な蓋により閉鎖されている。32はソケット28にリセット等のための装置が接続されたときのインターフェースである。
【0051】
33は、加速度センサ34の出力をマイクロコンピュータ15に伝えるインターフェースである。この加速度センサ34は、地震や電力量計1に加えられた衝撃力等を検知して、電力会社などに通知する。この加速度センサの他に温度センサ、音センサ、光センサ等を設けて、火災の熱或いはサーバコンピュータ12の熱異常等の検知、爆発音、筐体2の開封等を検知させて、電力会社等に通知しても良い。
【0052】
更に、電力量計1の筐体2内部或いは外部に計測した電力量を印字するプリンターを設け、集計した電力量をプリントして出力したり、電力会社或いは公共施設等の広報事項を印字するようにしても良い。また、このプリンタは電灯線4に接続されるプリンターを利用して印字するようにしても良いし、電灯線4から給電される家庭内のFAX装置に出力させても良い。
<電気機器側の電力線搬送通信モジュール>
電力量計1の電力線搬送通信を行うために、電灯線4に接続される電気機器(TV1、TV2、冷蔵庫Ref1、照明器具Lamp1、2、監視カメラCamera1その他)には、電力線搬送通信用LSIであるマイクロコンピュータ36〜41(例えば前述のECHELON社製LONチップ)若しくは電力線搬送通信用モジュールが実装されていることを要する。
【0053】
このマイクロコンピュータ36〜41のプログラムは、Sunマイクロシステムズ社により作成されたjava言語と相互に通信可能なC言語(この実施の形態ではneuron C言語)により記述される。
【0054】
また、マイクロコンピュータ36〜41は、電気機器自身を制御可能する制御プログラムと、電灯線4を介してサーバコンピュータ12とデータ通信可能なプロトコルを有する電力線搬送通信プログラムとを有する。
【0055】
マイクロコンピュータ36〜41の電力線搬送通信プログラムは、電気機器のチップID、対象家庭内の設置位置等を示すインデックス番号、Vmクラス番号(バーチャルマシンクラス番号)、Vmインターフェース番号(バーチャルマシンインターフェースクラス番号)を、機器管理情報として通常もっており、外部からの制御を可能とするために、外部に公開しても良い状態情報や、外部からの操作を許容する操作情報をもっている。これらの機器管理情報及び状態情報や操作情報は、ネットワークを経由して参照可能なネットワーク変数とされる。以下、バーチャルマシンをVmと略記する。Vmクラスファイルは電気機器操作ソフトウェアであり、Vmインターフェースクラスファイルは、Vmクラスファイルと結合して前記電気機器との接続を確立するインターフェースソフトウェアである。
【0056】
例えば、録画機能付きのテレビTV1の場合のネットワーク変数には、チップID、インデックス番号、Vmクラス番号、メーカー、型式、最大出力等のマシン情報、オン・オフ設定、チャンネル設定、音量、録画予約の有無、録画チャンネル、録画開始時間、録画終了時間等の操作情報、現在のオン・オフ情報、現在のチャンネル、現在の音量、録画予約の有無、録画チャンネル、録画開始時間、録画終了時間等の状態情報がある。
【0057】
また、監視カメラCamera1の場合には、チップID、Vmクラス番号、メーカー、型式等のマシン情報、カメラのオンオフ情報、照明、方向制御、ズーム制御、録音等の制御情報、これらの制御の現在状態の状態情報がある。
【0058】
これらのネットワーク変数は、電気機器の種類によって異なり、メーカーによって設定され、設置位置等を示すインデックス番号は、使用者側が設定可能になっている。
<クライアントサーバプログラム>
次に、サーバコンピュータ12の外部記憶装置16に記憶されているクライアントサーバプログラムについて説明する。
【0059】
このサーバコンピュータ12を概略すると、サーバコンピュータ12は、制御系ネットワークである電灯線4を介して情報通信可能な電気機器と接続され、情報系ネットワークを介してクライアントマシンが接続可能とされる情報系・制御系を接続するゲートウェイ機能を有するサーバプログラム100を備えている。サーバプログラム100は、電気機器が電灯線4を介してサーバコンピュータ12に接続されたときに、電気機器を特定するためのチップID及びインデックス番号(特定情報)と状態情報と操作可能情報とを取得する。また、サーバプログラム100は、クライアントマシンが情報系ネットワークを介してサーバコンピュータにアクセスしたときに、クライアントマシン(以下単にクライアントという)に対して、電気機器の状態情報及び操作可能情報を参照・操作するVmクラス(電気機器操作ソフトウェア)を提供すると共に、サーバコンピュータ12側にVmクラスと結合して電気機器との接続を確立するインターフェースクラス(インターフェースクラスソフトウェア)を有する。
【0060】
クライアントサーバプログラムは、サーバコンピュータ12のハードウェアを制御するためにリアルタイム処理が可能であり、マルチタスク・マルチスレッドに対応したオペレーティングシステムプログラム(OS)が実装されている。このOSには、例えば、ITRON、VX−WORKS等がある。
【0061】
このオペレーティングシステムに、無線電話機25、トランシーバ26、FM受信機27等のドライバ、電力線搬送通信用ドライバ、ファイルシステム、時計ドライバ等、電力量計測器5と通信するためのドライバ等の各種ドライバプログラム類、及び、これらのドライバプログラム類とアプリケーションプログラムとを対応させるAPI(アプリケーションプログラミングインターフェース)が実装されている。
【0062】
また、オペレーティングシステムには、分散オブジェクト指向言語(この実施形態では組込javaが実装されているが、プラットホームフリーの他の言語でも良い)で記述された遠隔操作システムプログラムが実装されている。
<遠隔操作システムプログラム>
図2に示すように、サーバコンピュータ12のシステムプログラムには、サーバコンピュータ12自身を制御するコントロールプログラムと、電力量計測器5を制御するプログラムと、自動検針エージェントを送受信するエージェントサーバプログラムと、TCP/IPやPPPに基づいて無線電話機25、トランシーバ26、FM受信機27等によりネットワーク通信を行うブラウザである通信プログラムと、外部の情報系ネットワークと電灯線4に接続された制御系ネットワークとを結ぶゲートウェイ機能を果たすサーバプログラム100を有する。
【0063】
このゲートウェイ機能は、情報系と制御系とを接続する点で、いわゆる情報系ネットワーク同士を接続するゲートウェイと異なり、インターネットなどの外部ネットワークの任意の端末コンピュータからサーバコンピュータ12にアクセスしてサーバコンピュータ12の屋内電灯線ネットワークの電気機器(TV1〜Camera1その他)を閲覧・操作することを可能とするものである。
【0064】
インターネットで接続されたコンピュータ同士がデータ通信を行う情報系通信では、外部の任意のコンピュータが所望の家庭の電気機器などにアクセスして制御系通信を行うことは今のところ完成されていない。
<サーバプログラム>
このサーバプログラム100は、クライアント側の情報端末(クライアントマシン)に情報を提供するための操作プログラムであるVmクラスファイル(以下、Vmクラスと略記する)を管理するOPサーバ110と、クライアント側に電気機器のVmクラスを配送するhttpサーバ120とを有する。
【0065】
OPサーバ110は、電気機器のVmクラス管理テーブル130と、電気機器のVmクラスライブラリ140と、電気機器の電力線搬送通信用のインターフェースライブラリ150とを有する。
【0066】
OPサーバ110は電灯線4上に接続される新たな電気機器から出力される機器情報を検知して電気機器のVm管理テーブル130に登録する電気機器検知用のプログラムを有する。
【0067】
例えば、これらの電気機器情報としては、録画機能付きのテレビTV1や監視カメラCamera1の場合、チップID、インデックス番号、Vmクラス番号がある。これら情報は、制御系ネットワーク上の電気機器を指定するために用いられる。
【0068】
Vm管理テーブル130は、各電気機器を遠隔操作するために電気機器のVmクラス番号を集録したものであり、各電気機器のVmクラス番号に対応するインターフェースクラス番号も合わせて集録されている。Vm管理テーブル130において、Vmクラス番号とインターフェースクラス番号とを関係づけることによって、Vmクラス番号を指定すれば、Vmクラスとそれに対応するインターフェースクラス番号のインターフェースクラスとを結合した状態で呼び出すことができる。
【0069】
Vmクラスライブラリ140には、Vmクラス番号とこのVmクラス番号が指定するVmクラス141〜143・・・が集録されている。
【0070】
Vmクラス141〜143は、図4に参照されるように、電気機器のネットワーク変数に対応するフィールド変数と、これらのフィールド変数を読み取る情報参照メソッド、フィールド変数中の変更或いは設定を許容された変数を操作する情報操作メソッドとを有する。
【0071】
例えば、テレビTV1のフィールド変数は、チップID、インデックス番号、Vmクラス番号メーカー、型式、最大出力等のマシン情報、オン・オフ設定、チャンネル設定、音量、録画予約の有無、録画チャンネル、録画開始時間、録画終了時間等の操作情報、現在のオン・オフ情報、現在のチャンネル、現在の音量、録画予約の有無、録画チャンネル、録画開始時間、録画終了時間等の状態情報である。
【0072】
また、例えば、監視カメラCamera1のフィールド変数は、チップID、Vmクラス番号、メーカー、型式等のマシン情報、カメラのオンオフ情報、照明の明るさ、方向制御、ズーム制御、録音等の制御情報、これらの制御の現在状態の状態情報がある。
【0073】
これらのフィールド変数において、ネットワーク変数中の変動するデータは、一定時間(例えば1000ms)毎に更新される。フィールド変数の設置位置等を示すインデックス番号は、使用者側が設定可能とされ、当初はnullになっている。
【0074】
Vmクラス中のこれらフィールド変数は、状態参照メソッドにより電気機器から参照されて表示可能となり、状態操作メソッドにより電気機器に対して設定・制御可能となる。
【0075】
このVmクラスは、電気機器毎に制御される項目や表示される項目が異なるので、電気機器の製造メーカにより設計され、記述される。そして、このVmクラスは、電気機器のマイクロコンピュータのメモリから呼び出しても良いが、マイクロコンピュータにこのVmクラスを記憶させるのは、メモリ領域の増大となるので、インターネット上にVm配送センタを設け、このVm配送センタからダウンロードさせるか、電気機器に記憶メディア(例えば、ICカードやPCIカード、磁気ディスク、CDROM等)を添付してこの記憶メディアから読み取らせても良い。
【0076】
記憶メディアからVmクラスを読み込むには、記憶メディアを読み取る記憶メディア読み取り装置が必要であるが、この記憶メディア読み取り装置は、電力量計1に内蔵或いは外付けにより設置しても良いし、電灯線4上に接続しても良い。
【0077】
電灯線4上に記憶メディア読み取り装置を接続する場合には、当該読み取り装置には読み取り装置自身を駆動するためのVmクラスを組み込む。しかし、電灯線4上に電力線搬送通信の可能なパーソナルコンピュータ(PC)或いはメディア読み取り装置が接続されていれば、それを利用しても良い。
【0078】
Vmインターフェースクラスライブラリ150は、Vmクラスを電気機器(TV1〜Camera1その他)に接続させるためのVmインターフェースクラス151〜153・・・を集録したものである。
【0079】
このVmインターフェースクラス151〜153・・・は、クライアント側に配送されるVmクラスと対とされており、クライアント側があるVmクラス番号を指定したら、そのVmクラス番号に対応するVmクラスがサーバからクライアント側に配送されると共に、サーバ側では指定したVmクラス番号に対応するVmインターフェースクラスファイルが起動され、クライアント側のVmクラスとサーバ側のインターフェースクラスファイルとが結合する。
【0080】
Vmインターフェースクラス151〜153は、Vmインターフェースクラス番号を有している。このVmインターフェースクラス番号は、Vmクラス番号と対とされている。クライアント側がVmクラス番号を指定したら、そのVmクラス番号に対応するVmインターフェースクラス番号が呼び出され、そのVmインターフェースクラス番号のVmインターフェースクラスファイルが起動される。この呼び出されたVmインターフェースクラスファイルにクライアント側のVmクラスファイルが結合する。
【0081】
Vmインターフェースクラス151〜153・・・は、電灯線4上の電気機器(TV1〜Camera1その他)と電力線搬送通信を行うプロトコルを有している。
【0082】
この実施形態では、電気機器は電力線搬送通信ネットワーク上に位置しているので、電力線搬送通信プロトコルを使用するが、他の規格のプロトコルを用いるネットワークの場合(例えば、無線通信や光通信で構成されるネットワーク、或いは、専用線で構成されるネットワーク等の場合)には、それらが用いるプロトコルを用いる。電力線搬送通信プロトコルにおいても独自のLSIを用いる電気機器の場合には、そのLSIの指定するプロトコルを選択的に使用する。
【0083】
これによって、同じ電灯線4上に規格の違うLSIを持つ電気機器が存在しても、Vmインターフェースクラスはそのプロトコルを用いて電力線搬送通信を行うことができるため、各種の電気機器に対応することが可能となり、汎用性が向上する。
<httpサーバ>
クライアントにVmを提供するhttpサーバ120は、WWWサーバであり、例えば、netscape社のnetscape navigatorやmicrosoft社のinternetexploler、その他のWEBブラウザにより、クライアントがアクセスした時にクライアントの指定するVmクラス番号に基づいてVmクラスをクライアントに配送する。
<クライアントマシン>
クライアントは、ネットワーク上の大小のコンピュータ、パーソナルコンピュータ(PC)、モバイルコンピュータ、携帯型情報端末、文字表示機能付き携帯電話、その他の広域ネットワークを利用可能な情報装置である。
【0084】
クライアントは、サーバコンピュータ12のVmクラスを操作するためのオブジェクト指向言語で記述されたVm操作プログラム(以下、単にVmアプリケーションと略記する)を要する。
【0085】
このVmアプリケーションは、予めクライアント側に組み込まれることが必要であるが、インターネット或いはCDROM・磁気ディスク・磁気カード・ICカードその他の記憶メディアによりクライアント側にダウンロード又はインストールしても良い。
【0086】
Vmアプリケーションは、アクセスする前に、操作する対象となるサーバのURL、Vmクラス番号、インデックス番号を代入する。もっとも、予めこれらのサーバのURL、Vmクラス番号、インデックス番号とクライアント側の電話番号等を固定して組み込んだVmアプリケーションとすれば、サーバ側の認証がし易い利点がある。
【0087】
Vmアプリケーションは、サーバ側にアクセスするためのパスワードその他の操作者自身の認証項目を記入し、サーバ側においても当該操作者のアクセスを許容するための認証要件を予め所望の暗号方式などにより設定しておく。予めクライアントサーバ間で、月日や時間毎或いはアクセス場所によって不定形に変化するように、この認証要件を取り決め、第三者の偽名によるアクセスに対抗するようにしても良い。
【0088】
クライアント側のユーザは、Vmアプリケーションを立ち上げ、Vmアプリケーションが持つサーバのURL、Vm番号、インデックス番号を指定すると、クライアントがWEBブラウザによってサーバにアクセスし、サーバ側からVmクラスを受け取り、目的とする電気機器とサーバを介して接続される。Vmクラスは、Vmインターフェースクラスと結合することにより、電灯線4上の電気機器(TV1〜Camera1)と接続され、Vmオブジェクトとなって電気機器の現状の情報がクライアント側に表示される。
【0089】
クライアント側のユーザが電気機器の操作終了をVmアプリケーションに指示すると、Vmアプリケーションはクライアント側のVmオブジェクトを消滅させる。これにより、サーバ側のVmインターフェースクラスが消滅する。
<電気機器の登録工程>
次に、サーバコンピュータ12に電灯線4上の電気機器が登録される工程を説明する。
【0090】
電灯線4上に電気機器が接続されると、この遠隔操作システムに準拠した電気機器は自己のチップID、インデックス番号、Vmクラス番号を電力線搬送通信ネットワーク上に出力する。OPサーバ110は電気機器検知プログラムにより、接続された電気機器のチップID、インデックス番号、Vmクラス番号を取得し、Vm管理テーブル130に集録する。
【0091】
OPサーバ110の電気機器検知プログラムは、取得したVmクラス番号に符合するVmクラス及びVmインターフェースクラスがあるかどうかを検索し、Vmクラス及びVmインターフェースクラスがVmクラスライブラリ140或いはVmインターフェースクラスライブラリ150になければ、インターネットなどの広域ネットワーク上のVm配送センター、電気機器メーカーからVmクラスとVmインターフェースクラスを取得する。勿論、前述のように、記憶メディアにVmクラス、Vmインターフェースクラスが記録されている場合には、記憶メディアの読み取り装置からVmクラス及びVmインターフェースクラスを取得する。
【0092】
これにより、OPサーバ110は広域ネットワーク上のクライアント側からアクセス可能になる。
<クライアントによる電気機器の操作>
クライアントがOPサーバ110にアクセスして、OPサーバ110に接続された電気機器を操作する場合には、クライアントのOPサーバアクセス用のアプリケーションを起動する。このアプリケーションの起動により、ユーザはアプリケーションに、OPサーバ110のURL、Vmクラス番号、インデックス番号、認証手続きに必要な事項を入力する。
【0093】
これらのアクセスに必要な事項及び認証に必要な事項をセットしたら、アプリケーションからサーバコンピュータ12にアクセスを行う。
【0094】
クライアントのアクセスがあったら、サーバコンピュータ12によるクライアントの認証が行われる。
【0095】
サーバコンピュータ12の認証により、クライアント及びユーザがアクセスが許容されたものであることが確認されると、クライアントはサーバコンピュータ12のOPサーバ110にアクセス可能となる。
【0096】
クライアントがサーバコンピュータ12のOPサーバ110にアクセスすると、OPサーバ110はクライアントに対してアプリケーションの指定するVmクラスを配送すると共に、OPサーバ110に配送したVmクラスのVmインターフェースクラスを起動させる。
【0097】
クライアントのアプリケーションに配送されたVmクラスは、次にOPサーバ110のVmインターフェースクラスとの結合を要求し、クライアントのVmクラスとOPサーバ110のVmインターフェースクラスとが情報系ネットワークを介して結合する。
【0098】
Vmインターフェースクラスは電灯線4上の電気機器のネットワーク変数をクライアントのVmクラスに提供し、Vmクラスのフィールド変数にネットワーク変数が参照されて代入される。これにより、Vmクラス及びVmインターフェースクラスはVmオブジェクト並びにVmインターフェースオブジェクトとなり、電灯線4上の電気機器の現在情報がクライアント側に表示される。このクライアント側に参照されるネットワーク変数は、所定時間毎に変化するが、クライアント側の情報参照メソッドがネットワーク変数を常時参照しているので、ネットワーク変数の変化の度に新しいネットワーク変数を参照できる。
【0099】
クライアント側で情報操作メソッドによりフィールド変数を操作すると、この操作はVmインターフェースを介して電気機器のネットワーク変数に反映される。
【0100】
クライアント側でアプリケーションを終了すると、クライアントのVmオブジェクトは消滅し、OPサーバ110のVmインターフェースオブジェクトも消滅する。
【0101】
以上、説明したようにこの実施形態の電力量計1によれば、制御系ネットワーク上にある電気機器の情報を、広域ネットワーク(例えば、インターネット)上のクライアント側から呼び出して参照並びに操作できる。
【0102】
しかも、サーバコンピュータ12のOPサーバ110からクライアント側にVmクラスが複写により配送されるので、OPサーバ110側のVmクラスが改竄される恐れがないと共に、電気機器のコントロールプログラムの修復やバージョンアップなどによって制御情報や制御方法が変わる場合、OPサーバ110のVmクラスを配送センター或いは記憶メディアから更新すれば、常時新しいヴァージョンのVmクラス及びVmインターフェースクラスを用意できる。
【0103】
この場合、OPサーバ110は、Vmクラスライブラリ140及びVmインターフェースクラスライブラリ150のVmクラス及びVmインターフェースが新しいヴァージョンになっていないかどうかを定期的に問い合わせるようにしても良い。
【0104】
また、クライアント側のアプリケーションをOPサーバ110側から配送するようにすると、クライアント側の機種変換やヴァージョンアップなどにも自在に対応でき、認証が確立される限り、様々なクライアントからサーバコンピュータ12にアクセスすることが可能となる。
【0105】
なお、電気機器が電灯線4から切り離されると、Vm管理テーブル130のVmクラスはノンアクティブになるが、再度電気機器が電灯線4に接続されると、Vm管理テーブル130上の電気機器のVmクラスはアクティブとなり、クライアントコンピュータとサーバコンピュータ12と電気機器との通信接続条件の確立が早い。なお、ここで、電気機器は待機電流により電灯線4と接続されている。
【0106】
また、クライアントのVmクラスは、電気機器のネットワーク変数を参照しているだけであるので、クライアントとサーバコンピュータ12との接続が切れたときに、Vmクラスは消滅すると共に、バイトコードで表示されるため、インターフェースクラスや電気機器のネットワーク変数の改竄等は困難である。
<自動検針エージェントによる電力量の自動検針>
次に、エージェントサーバ130による電力量消費データの収集について説明する。
【0107】
自動検針エージェントは、電力会社などの電力消費量集計センタから電波等の通信回線を介して無線電話25に送信される。
【0108】
自動検針エージェントは、自らの有する移動先データに基づいて電力消費量に関するデータを集計して記憶し、集計後に集計センタに送信するプログラムと、電力消費量関連データを記憶するメモリー領域からなる。
【0109】
電力消費量関連データは、集計領域内にある一群の電力量計1のIDデータと、各電力量計1の電力消費量データと、各電力量計1の電力消費期間その他のデータとを有する。
【0110】
自動検針エージェントを配送する場合、電力消費量を集計する配送元(例えば、電力会社等)で、データを集計する巡回ルートをシミュレーションする。次に、シミュレーションした巡回ルート情報を持つパイロットエージェントを作成する。このパイロットエージェントを携帯電話で発信し、シミュレーションに基づきパイロットエージェントが集計を行う全部の電力量計1についてテスト巡回する。
【0111】
このパイロットエージェントのテスト巡回で問題があれば、異常が生じた箇所の最寄りの携帯電話基地局を経由して配送元にパイロットエージェントを戻し、原因を究明しルートを再構築する。新たなルートを構築したパイロットエージェントを作成したら、再びパイロットエージェントを配送する。
【0112】
全部の電力量計を巡回してパイロットエージェントのテスト巡回に問題がなければ、データを集計したパイロットエージェントの帰還ルートを決定し、自動検針エージェントの最適巡回ルートを決定する。
【0113】
最適巡回ルートを決定したら、自動検針を行う全ての電力量計1に自動検針エージェントの移動元と移動先の情報を登録して、ルーティングの設定を終了する。
【0114】
次に、自動検針エージェントの電力消費量集計の流れを説明する。
【0115】
自動検針エージェントは、まず電力量集計センタより発信されて、所定の電力量計1に受信され、電力消費量関連データの集計を開始し、集計した電力消費量関連データを保持する。
【0116】
次いで、指定した全電力量計の検針が終了したかどうかの判断を行い、全電力量計の検診が終了していなければ、予め登録された移動先情報に従い、他の電力量計1への通信を行う。他の電力量計1に移動した後、携帯電話のトランシーバモードが使用できるかどうかの判断を行う。トランシーバモードが可能であれば無線電話機25のトランシーバモードで他の電力量計1と通信を行う。
【0117】
ここでトランシーバモードが使用できなければ、一般の公衆回線を利用して他の電力量計1に通信を行う。
【0118】
他の電力量計1と通信接続が出来たら、自動検針エージェントを当該他の電力量計1に配送する。
【0119】
配送された電力量計1で再度電力消費量データを集計する。全電力量計1の電力量データが集計できたら、自動検針エージェントは電力量集計センタが指定した他の地域に、配送される。
【0120】
他の地域に配送された自動検針エージェントは、上記工程を繰り返す。
【0121】
電力量集計センタの指定する全地域のデータが集計できたら、自動検針エージェントは電力量集計センタに戻る。勿論、自動検針エージェントは、データの集計量が記憶領域を越えそうになったときに、電力量集計センタに戻って、集計データを引き渡しても良い。
【0122】
このように、電話回線とトランシーバの無線通信を用いて電力消費量関連データを集計した後は、電力量集計センタに戻って、集計したデータを記憶装置に保存する。また、エージェントの移動する先が不明になっても再度集計先を取り寄せて移動するので、集計不能になることを極力少なくすることが出来ると共に、エージェント側で不明になった移動先の位置データは集計センタには存在するので、その不明となった電力量計や不明となった地域を特定でき、その原因(例えば電力量計の故障や停電領域の発見)等を調べたり、修復するに当たっても、対応が容易となる。
【0123】
なお、OPサーバ110は、制御系ネットワークである電灯線4上の若しくはインターネットなどの情報系ネットワーク上の電気機器の有する機能を取得し、その機能を他の電気機器に供給することにより当該他の電気機器の機能を拡張させても良い。また、OPサーバ110は、電灯線4上の電気機器が所定のデータを取得したときに、これをイベントデータとして、電灯線4上の他の電気機器又は情報系ネットワークであるインターネット上の所定のクライアントに提供しても良い。
【0124】
以上説明した電力量計によれば、電力料金の集計センタの電話機から広域ネットワークを介して集金対象の電力量計の通信手段に電話をかけ、当月の電力消費量をデータとして送るように、所定のデータを送信すると、電力量計の通信手段を通してサーバコンピュータは電力量計測部が計測したデータ読み出し、当該データを電力料金のデータ集計センターに送信する。
【0125】
従って、電力消費者の電力消費量が情報系ネットワーク(広域ネットワーク)を介して集計でき、集計のための手間及び集計コストが極力少なくなり、電気料金の集計業務を省力化すると共に集中管理が容易となる。
【0126】
しかも、筐体内にサーバコンピュータと通信手段と電力量計測部を密閉しているので、筐体外部から操作改竄を行うことができない。
【0127】
また、サーバコンピュータが制御系ネットワークと情報系ネットワークとを接続するゲートウェイ機能を有しており、しかも、制御系ネットワークの電気機器がサーバコンピュータに接続されたときに、その電気機器の情報を情報系ネットワークのクライアントマシン側から参照操作できるので、家電機器、各種計測装置、監視装置、加工・組立制御装置、その他の機器をインターネットなどの広域ネットワークを介して遠方から制御可能となる。更に、サーバコンピュータ側の電気機器操作ソフトウェアをクライアントマシンに配送するので、広域ネットワーク上のクライアントマシンの電気機器操作ソフトウェアの同一性が確保されるため、電気機器操作ソフトウェアの更新や修復或いは変更に容易に対応可能であり、インターフェースソフトウェアとの整合性も確実に確保される。
【0128】
更に、電灯線に接続された電気機器(例えば、家電機器、各種計測装置、監視装置、加工・組立制御装置、その他の機器)を制御でき、専用線を新たに設置する必要がないので、システムの構築が容易であり、コストが非常に少ない。
【0129】
また、オブジェクト指向言語によりサーバプログラムが記述されるために、情報系ネットワーク上のクライアントマシンがそのオブジェクト指向言語が動作する環境であれば、このサーバプログラムを利用して特定の電気機器を参照・制御でき、しかも、アクセス終了後はクライアントマシンに配送された電気機器クラスが消滅し、サーバコンピュータ側のインターフェースも消滅するので、電気機器クラスやインターフェースの改竄や破壊が防止されやすい。
【0130】
電力量計が自動検針エージェントプログラムを受け入れ発送可能である場合には、集計センタが自動検針エージェントプログラムを発送すると、自動検針エージェントプログラムが集計データ(電力量、ガス使用量、水道使用量、その他のサービス提供料)を集計して移動する。このために、各種の定期的なデータ集計が迅速且つ広範囲に行うことが可能となり、集計のためのコストが顕著に低下する。
【0131】
また、自動検針エージェントプログラムの変更・更新・改良なども集計センタにより行え、集計先、集計データの種類、集計時期その他の集計事情が変更されても、その対応が容易である。また、一つの自動検針エージェントの発送の際に集計するデータの他種類にすることも可能となる。更に、電力量計内に各家庭或いは法人などの電気機器(例えば、入力端末等、情報機器)から、意見・災害報告・事故報告その他の報告をもデータに入れることにより、迅速な対応などが促進可能となる。
【0132】
更に、エージェントプログラムで集計する際に通信手段を選んでデータ通信を行うことができ、電話回線を用いずにトランシーバを用いて電力量の集計や電気機器の制御が出来、電話費用などを極力少なくすることが出来る。
【0133】
また、エージェントの移動する先が不明になっても再度集計先を取り寄せて移動するので、集計不能になることを極力少なくすることが出来ると共に、不明になった移動先の位置データは集計センタにあるので、その不明となる原因(例えば電力量計の故障や停電領域の発見)等をも調べることが可能となる。
【0134】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1〜請求項3の電力量計によれば、オブジェクト指向言語によりサーバプログラムが記述されるために、情報系ネットワーク上のクライアントマシンがそのオブジェクト指向言語が動作する環境であれば、このサーバプログラムを利用して特定の電気機器を参照・制御でき、しかも、アクセス終了後はクライアントマシンに配送された電気機器クラスが消滅し、サーバコンピュータ側のインターフェースも消滅するので、電気機器クラスやインターフェースの改竄や破壊が防止されやすい。
【0135】
サーバコンピュータが制御系ネットワークと情報系ネットワークとを接続するゲートウェイ機能を有しており、しかも、制御系ネットワークの電気機器がサーバコンピュータに接続されたときに、その電気機器の情報を情報系ネットワークのクライアントマシン側から参照操作できるので、家電機器、各種計測装置、監視装置、加工・組立制御装置、その他の機器をインターネットなどの広域ネットワークを介して遠方から制御可能となる。更に、サーバコンピュータ側の電気機器操作ソフトウェアをクライアントマシンに配送するので、広域ネットワーク上のクライアントマシンの電気機器操作ソフトウェアの同一性が確保されるため、電気機器操作ソフトウェアの更新や修復或いは変更に容易に対応可能であり、インターフェースソフトウェアとの整合性も確実に確保される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施の形態にかかる電力量計のブロック図を示す。
【図2】図2は本発明の実施の形態にかかる電力量計のサーバコンピュータのプログラム構成を示す図。
【図3】図3はOPサーバのVm管理テーブルの概念図。
【図4】図4はクライアントとサーバコンピュータと電気機器とが接続した状態のVmクラス、インターフェース、電気機器のネットワーク変数との対応状態を示す概念図。
【符号の説明】
1 電力量計
2 電力量計筐体
3 電力線
4 電灯線
5 電力量計測器
12 サーバコンピュータ
15 マイクロコンピュータ
16 外部記憶装置
36〜41 電気機器のマイクロコンピュータ
100 サーバプログラム
110 OPサーバ
120 httpサーバ
130 Vm管理テーブル
140 Vmクラスライブラリ
141 VmクラスTV1
142 VmクラスTV2
143 Vmクラスlamp1
150 インターフェースクラスライブラリ
151 インターフェースクラスTV1
152 インターフェースクラスTV2
153 インターフェースクラスlamp2

Claims (3)

  1. 電力の消費量を計測する電力量計測手段を備えた電力量計筐体で、又は、この電力量計筐体と近接して配置される補助的筐体内部のいずれかの筐体内部に、この筐体外部の情報系ネットワーク及び制御系ネットワークと通信する通信手段と、前記情報系ネットワーク上のデータ集計センタ及び制御系ネットワーク上の1以上の電気機器と接続されるサーバコンピュータとを格納し、前記サーバコンピュータは、一意のバーチャルマシン番号情報、状態情報及び操作可能情報と、それらの情報を操作する情報操作メソッドと、対応する電気機器の状態情報及び操作可能情報を参照する情報参照メソッドとを有するオブジェクト指向言語により記述された電気機器クラスと、当該電気機器クラスと連携可能なオブジェクト指向言語により記述されたインターフェースクラスと、前記電気機器クラスと前記インターフェースクラスの対応情報を格納した管理テーブルとを有したサーバプログラムを保有する電力量計であって、
    前記サーバプログラムは、情報系ネットワークに接続されたクライアントマシンから送信された一意のバーチャルマシン番号情報に対応する電気機器クラスを、当該クライアントマシンに配送すると共に、前記管理テーブルを参照して対応するインターフェースオブジェクトを生成することで、当該クライアントマシンが、配送された前記電気機器クラスから電気機器オブジェクトを生成し、当該電気機器オブジェクトの情報操作メソッドを操作することにより対応する電気機器の状態情報及び操作可能情報を参照並びに更新する機能を有
    前記サーバーコンピュータは、
    電力の消費量の集計領域内にある一群の電力量計に巡回して検針する自動検針エージェントプログラムを前記データ集計センタ又は前記検針が終了した前記集計領域内の電力量計から無線電話の無線通信を介して受信し、
    この受信した自動検針エージェントプログラムに基づいて、電力消費量を集計し、集計した電力消費量のデータを前記自動検針エージェントプログラムに記憶させ、
    前記集計センタにより指定された前記集計領域内の全電力量計の検針が終了したかどうかの判断を行い、
    終了していれば前記自動検針エージェントプログラムを前記データ集計センタに送信し、
    終了していなければ集計が終了していない前記集計領域内の他の電力量計へ送信し、
    前記自動検針エージェントプログラムを送信する際に、送信先の電力量計と前記無線電話の無線通信のトランシーバモードにて通信できるかどうかの判断を行い、通信できる場合は、該トランシーバモードにて前記送信を行い、通信できない場合は、前記無線電話の無線通信の電話回線にて前記送信を行う
    ことを特徴とする電力量計。
  2. 請求項1の電力量計において、
    前記クライアントマシンは、前記電気機器オブジェクトを用いて電気機器の状態情報および操作可能情報を参照並びに更新するアプリケーションを有し、当該アプリケーションが終了時に前記クライアントマシンに配送された電気機器オブジェクトを消滅させると、
    前記サーバプログラムは、対応する前記インターフェースオブジェクトを消滅させる機能を有することを特徴とする電力量計。
  3. 請求項1、2のいずれかの電力量計において、
    前記サーバプログラムは、
    前記電気機器に設けられた記憶メディアまたは情報系ネットワークに接続された配送センタから、前記電気機器クラスまたは/および前記インターフェースクラスを複写し、当該サーバプログラムが有する前記電気機器クラスまたは/および前記インターフェースクラスを書き換える機能を有することを特徴とする電力量計。
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