JP4220223B2 - 金属成形体の製造方法およびそれに用いる潤滑剤 - Google Patents

金属成形体の製造方法およびそれに用いる潤滑剤 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ノートパソコンや携帯電話などの電子機器の金属筐体などの成形に利用できる金属成形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ノートパソコンや携帯電話などの電気・電子機器では、軽量化、剛性および放熱性の観点より、マグネシウム合金やアルミニウム合金などの軽金属製の筐体が採用される場合が多い。このような電気・電子機器の金属筐体は、通常、ダイカストにより成形される。ダイカスト成形は、溶融された金属である溶湯を、金型によって規定されるキャビティに加圧注入する鋳造法である。ダイカスト成形は、寸法精度に優れているため、鋭角的な稜を必要とする金属成形体や薄肉の金属成形体の製造において、広く採用されている。
【0003】
しかしながら、ダイカスト成形技術では、他の鋳造技術と同様、成形体の薄肉化を図るべくキャビティを幅狭に設定するほど、溶湯の凝固が早急に始まる傾向にある。具体的には、溶湯を金型内のキャビティに射出すると、溶湯からこれが接触する金型へ熱が伝搬する。すなわち、金型により、溶湯の有する熱量の一部が吸収される。したがって、溶湯は、キャビティ内を進行するにつれて、急速に冷却される。それに伴い、溶湯の粘性は上昇し、溶湯の流動性ないし湯回り性は低下する。その結果、キャビティの末端部分まで行き渡る前に溶湯が固化し、成形体において未充填部分が生ずる場合がある。例えば肉厚1.5mm以下の携帯型電子機器の筐体を成形する場合、従来のダイカスト成形技術によると未充填部分の生ずる傾向が強い。
【0004】
一方、ダイカスト成形において、金型からの製品の離型を良好に行う技術として、溶湯の射出前に金型のキャビティ規定面に対して予め離型剤を塗布する技術が公知となっている。(たとえば、特許文献1および2参照。)特許文献1および2に開示されている離型剤は、粉末状の窒化ホウ素、窒化ケイ素、雲母などの離型剤基材を含んでいる。特許文献1および2によると、このような離型剤が塗布されている金型の内部(キャビティ)に対して溶湯を射出すると、キャビティ内に射出された金属とキャビティ規定面とが離型剤基材の粒径だけ隔てられ、その結果、キャビティ規定面と成形体とが直接接触することによる焼付が防止されるとともに、金型からの成形体の離型性が向上するとされている。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−92232号公報
【特許文献2】
特開平6−346075号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1および2に開示されている離型剤は、主に成形体の焼付防止や離型性の向上を図るための構成を備えるものであって、溶湯の湯回り性を向上させて成形体の薄肉化を図るのに適した構成を備えるものではない。
【0007】
本発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、以上に述べた従来の問題点を解消ないし軽減することを課題とし、未充填部分を生ずることなく薄肉化を良好に達成することのできる金属成形体の製造方法、および、それに用いる潤滑剤を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の側面によると、潤滑剤を金型のキャビティ規定面に塗布する塗布工程と、溶融金属を前記金型内に射出することによって金属成形体を成形するための成形工程とを含む金属成形体の製造方法であって、潤滑剤は、コア粒子と、溶融金属に溶け込むことによって当該溶融金属の凝固温度を降下させる組成を有する金属材料を用いてコア粒子の少なくとも一部を被覆するように形成された金属層と、熱可塑性樹脂を用いて金属層が形成されたコア粒子の少なくとも一部を被覆するように形成された樹脂層とを有する複合粒子を含んでいることを特徴としている。
【0009】
このような方法によると、例えばダイカスト成形において、未充填部分を生ずることなく良好に薄肉化が達成された金属成形体を製造することができる。具体的には、金型により規定されるキャビティに対して、溶湯としての溶融金属を射出注入するにあたり、複合粒子を含む潤滑剤をキャビティ規定面に予め塗布しておくと、複合粒子を構成する金属材料が溶融金属の熱により溶けて溶融金属に溶け込む。これにより、溶融金属において金属材料が溶け込んだ部分では、溶融金属と金属材料とが合金を形成して凝固温度が局所的に降下する。凝固温度が降下することにより、キャビティ内を流動する溶融金属が途中で凝固してしまうのを適切に防止することができるため、金属材料を含まない潤滑剤をキャビティ規定面に塗布する場合と比較して、キャビティ内における溶融金属の湯回り性は向上する。したがって、幅狭なキャビティであっても、当該キャビティの末端部にまで溶融金属を適切に充填することができる。その結果、製造される金属成形体において、未充填部分の発生を回避しつつ充分な薄肉化を達成することが可能となる。
【0010】
好ましくは、コア粒子は、偏平形状である。このような構成によると、潤滑剤をキャビティ規定面に塗布した際に、複合粒子とキャビティ規定面との接触面積が向上する。つまり、キャビティ規定面に対する複合粒子のはり付き性が向上する。したがって、複合粒子が自重などによりキャビティ規定面から剥がれるなどの問題がより発生し難くなる。なお、コア粒子の平均粒径は、10〜100μmであることが複合粒子の良好なはり付き性を得る上で好ましい。
【0011】
好ましくは、コア粒子は、雲母、モンモリロナイト、タルクからなる群より選択される素材により構成されている。前記素材により構成されたコア粒子は、へき開し易いのに加え、表面抵抗が比較的小さい。そのため、キャビティ規定面と溶融金属との間に介在することによって、両者の間に生じる摩擦を低減する作用を有する。したがって、溶湯の溶融状態を持続させたまま、末端部を含むキャビティの全域に溶湯を行き渡らせることができる。その結果、製造される金属成形体において、未充填部分が生じるのを防ぐことができる。
【0012】
好ましくは、金属材料は、亜鉛または亜鉛合金であり、溶融金属は、マグネシウムまたはマグネシウム合金である。亜鉛合金の場合、60〜95wt%の亜鉛と、5〜40wt%のスズとからなる組成が好ましい。
【0013】
また、熱可塑性樹脂は、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂からなる群より選択される樹脂であることが好ましい。
【0014】
複合粒子の平均粒径は、1〜100μmであって、潤滑剤における複合粒子の含有率は、5〜30wt%であるのが好ましい。
【0015】
本発明の第2の側面によると、潤滑剤は、潤滑粒材と当該潤滑粒材を分散するための潤滑液材とを含むものであって、潤滑粒材は、コア粒子と、溶融金属に溶け込むことによって当該溶融金属の凝固温度を降下させる組成を有する金属材料を用いて前記コア粒子の少なくとも一部を被覆するように形成された金属層と、熱可塑性樹脂を用いて前記金属層が形成されたコア粒子の少なくとも一部を被覆するように形成された樹脂層とを有する複合粒子であることを特徴としている。
【0016】
ダイカストなどの鋳造法による金属成形体の製造方法において、この潤滑剤を用いることにより、本発明の第1の側面に関して上述したのと同様の効果が奏される。具体的には、キャビティ規定面などに当該潤滑剤を塗布した後、溶融金属の射出成形を行うことにより金属成形体が製造される。したがって、本発明の第2の側面によると、良好な薄肉化が達成された金属成形体を得ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1〜図4は、本実施形態に係る金属成形体の製造方法を表す。本実施形態では、例えば電子機器筐体の少なくとも一部が製造される。本実施形態においては、まず、図1に示すように、金型1のキャビティ規定面1cに対して潤滑剤Lが塗布される。潤滑剤Lは、潤滑粒材と潤滑液材とからなり、エアスプレーで噴霧することによってキャビティ規定面1cに塗布することができる。
【0018】
潤滑剤Lを構成する潤滑液材としては、例えばシリコーンオイルや水性エマルジョン離型剤が用いられる。また、シリコーンオイルに対して、界面活性剤、消泡剤、増粘剤などを加えてもよい。
【0019】
潤滑剤Lを構成する潤滑粒材としては、一例として図5に示すような断面形状を有する複合粒子が用いられる。この複合粒子は、コア粒子10と、溶湯(溶融金属)に溶け込むことによって当該溶湯の凝固温度を降下させる組成を有する金属材料を用いてコア粒子の少なくとも一部を被覆するように形成された金属層11と、熱可塑性樹脂を用いて金属層11が形成されたコア粒子10の少なくとも一部を被覆するように形成された樹脂層12とを有している。
【0020】
コア粒子10の形状は、偏平状である。具体的には、偏平とは、コア粒子10の平面寸法よりも厚み寸法の方が相当に小さいものをいう。より具体的には、コア粒子10の平面視における平均粒径は、たとえば10〜100μmであり、厚み寸法は、たとえば1〜10μmであることが好ましい。図6にコア粒子10の形状の一例を示しており、図6(a)はその平面図、図6(b)はその側面図である。このような形状にすることにより、潤滑剤Lをキャビティ規定面1cに塗布した際に、複合粒子とキャビティ規定面1cとの接触面積が向上して、キャビティ規定面に対する複合粒子のはり付き性が向上する。したがって、複合粒子が自重などによりキャビティ規定面から剥がれるなどの問題がより発生し難くなる。但し、コア粒子10の形状は、図6に示したものに限られない。
【0021】
コア粒子10を構成する素材としては、雲母、モンモリロナイト、タルクなどが用いられる。これらの素材は単独でもよいし、混合して用いてもよい。これらの素材は、へき開し易いのに加え、表面抵抗が比較的小さい。そのため、キャビティ規定面1cと後述する溶湯30との間に介在することによって、両者の間に生じる摩擦を低減する作用を有する。したがって、溶湯の溶融状態を持続したまま、末端部を含むキャビティの全域に溶湯を行き渡らせることができる。
【0022】
金属層11を構成する金属材料としては、亜鉛または亜鉛合金などが用いられる。金属材料として亜鉛合金を用いる場合、溶湯に対して溶融し易い合金組成のものを用いるのがよい。たとえば、40wt%のスズを含む亜鉛合金では、融解温度は約350℃であって、凝固温度は約200℃であり、溶湯に溶融し易く、溶湯の流動性の向上を効果的に図ることができる。
【0023】
樹脂層12を構成する熱可塑性樹脂としては、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂などが用いられる。オレフィン系樹脂としては、例えば、ポリプロピレンやポリエチレンが挙げられる。スチレン系樹脂としては、例えば、ポリスチレンやAS樹脂(アクリロニトリル−スチレン共重合体)が挙げられる。アクリル系樹脂としては、一般的なアクリルでもよいし、水溶性アクリルでもよい。これらの樹脂は、単独で用いてもよいし、混合して用いてもよい。これらの樹脂は、溶融温度が150〜300℃程度である。そのため、150〜300℃に加熱されているキャビティ規定面1cに潤滑剤Lを塗布すると、潤滑剤L中において、これらの樹脂は容易に溶融する。また、金属層を露出した状態で長時間大気下に放置したり、或は、長時間潤滑剤L中に放置すると、金属層を構成する金属材料は酸化または水酸化して、潤滑剤Lの潤滑性が劣化したり、潤滑剤Lにおける分散性が低下してしまう場合があるが、複合粒子においては、樹脂層の存在により、金属層を構成する金属材料の酸化および水酸化は適切に防止される。
【0024】
複合粒子の作製においては、まず、加熱溶融した例えば上掲の金属材料に対して、上掲のコア粒子10を添加する。攪拌によって金属材料中にコア粒子10を分散させた後、これを冷凍する。このようにして用意された、コア粒子10を含有して冷凍された金属塊を、所望の程度にまで粉砕する。次に、加熱溶融した例えば上掲の樹脂に対して金属塊を粉砕することにより得られた金属塊粉砕粒子を添加する。攪拌によって樹脂材料中に金属塊粉砕粒子を分散させた後、これを冷凍する。このようにして用意された、金属塊粉砕粒子を含有して冷凍された樹脂塊を、所望の程度にまで粉砕する。このように2度の冷凍粉砕を経て、複合粒子は作製される。なお、複合粒子の作製方法は、前記のものに限られない。
【0025】
潤滑剤Lにおける潤滑粒材の含有率は、5〜30wt%の範囲である。このような範囲であると、潤滑剤Lの流動性を適切に確保することができ、且つ、キャビティ規定面1cに潤滑剤Lを塗布した後に、複合粒子がキャビティ規定面1c上に適当な程度で散在することができる。潤滑粒材としての複合粒子の粒径は、1〜100μmの範囲である。この粒径範囲は、潤滑液材に対する複合粒子の分散性、および、エアスプレーによる潤滑剤Lの噴霧の観点から好ましい。例えば、スプレー塗布を行う場合、1μmより小さい粒径では、塗布器具に詰まりを生じ易くなり、100μmより大きい粒径では、潤滑液材への分散性が低下し、キャビティ規定面1cに対して潤滑粒材を適切に塗布するのが困難となる傾向がある。なお、コア粒子10の平面視における平均粒径(10〜100μm)より、複合粒子の平均粒径の方がより小さい範囲まで含まれているのは、複合粒子の作製時に行われる冷凍粉砕などによりコア粒子10自体がへき開などを起こす可能性があるためである。
【0026】
潤滑液材に対する潤滑粒材の添加および混合は、キャビティ規定面1cに対する潤滑剤Lの塗布作業の直前に行われる。また、塗布作業中は、電動攪拌機などにより潤滑剤Lを常時的に攪拌するのが好ましい。攪拌の程度は、潤滑剤Lの粘度に応じて10〜1000rpmとするのが好ましい。潤滑粒材と潤滑液材の比重の差が大きいと、そのような攪拌をしない場合には、短時間のうちに潤滑粒材が沈降する傾向にあるからである。複合粒子の樹脂層を形成する熱可塑性樹脂として、ポリプロピレンなどの比重の小さい樹脂を用いることにより、潤滑粒材の比重を調節することもできる。
【0027】
キャビティ規定面1cに対して潤滑剤Lを塗布すると、キャビティ規定面1cは通常150〜300℃程度にまで加熱されているので、潤滑剤Lが水分を含む場合には先ず水分の蒸発が生ずる。また、複合粒子は、その樹脂層12が溶融し、複合粒子内部の金属層11が露出する。樹脂層12が溶融して軟質化することによって、金属層11を有するコア粒子10のキャビティ規定面1cへの付着状態が良好となる。
【0028】
上述のようにキャビティ規定面1cに対して潤滑剤Lを塗布した後、図2に示すように、金型1を型締めする。金型1は、固定型1aと、これに対して進退動可能な可動型1bとからなる。本工程において、固定型1aと可動型1bとを突き合わせることによって、キャビティ20が形成される。キャビティ20は、目的とする金属成形体の形状を規定する。また、キャビティ20には、ゲートスペース21およびオーバーフロースペース22が含まれる。ゲートスペース21は、溶融金属である溶湯30をキャビティ20の全体に導き入れる誘導部である。溶湯30は、鋳込スリーブ2内に用意される。
【0029】
溶湯30としては、アルミニウムやマグネシウムなどの、密度5g/cm3以下の軽金属の単体、または、これら軽金属を主成分とする合金を用いることができる。このような溶湯を用いることによって、軽い金属成形体を製造することができる。ノートパソコンや携帯電話などの電気・電子機器では、このような軽金属成形体からなる筐体は特に望ましい。
【0030】
次に、図3に示すように、鋳込スリーブ2に摺動自在に嵌合するプランジャ3によって、溶湯30を所定の圧力でキャビティ20に射出する。溶湯30の温度は、例えば600〜700℃である。このときの金型1の温度は、溶湯30の種類に応じて予め150〜300℃の範囲とされている。溶湯30は、キャビティ20におけるゲートスペース21を経てキャビティ内部へと流入し、オーバーフロースペース22にまで充填される。
【0031】
キャビティ20内を溶湯30が流れると、キャビティ規定面1cに予め塗布されていた潤滑剤Lの一部は溶湯30に巻き込まれる。このとき、潤滑剤Lに含まれる金属材料は、溶湯30の有する熱量によって融解されて溶湯30と混ざり合う。すなわち、潤滑剤Lの金属材料は、キャビティ規定面1cの近傍を流れる溶湯30と局所的に合金化する。例えば、金属材料として亜鉛を用いる場合、亜鉛の融解温度は約420℃であり、この温度は溶湯30の温度600〜700℃より低いので、金属材料は溶湯30と容易に合金化する。
【0032】
溶湯30の一部に対して金属材料が溶け込むと、溶湯30における当該合金化領域は、非合金化領域よりも凝固温度は低い。これによりキャビティ規定面1c近傍の溶湯30は凝固しにくくなり、溶湯30全体の流動性ないし湯回り性が向上する。例えば、溶湯30としてアルミニウムまたはアルミニウム合金(例えば、Si系のADC3、Mg系のADC5など)を用いる場合、溶融アルミニウムに対する亜鉛の50wt%合金化により、当該合金の凝固温度は約450℃となる。また、溶湯30としてマグネシウムまたはマグネシウム合金(例えば、Al系のAM60、Al−Zn系のAZ91など)を用いる場合、溶融マグネシウムに対する亜鉛の50wt%合金化により、当該合金の凝固温度は約340℃となる。
【0033】
また、コア粒子10の一部は、溶湯30に溶け込まずにキャビティ規定面1cに残留する。残留した粒子は、キャビティ規定面1cと溶湯30との間に介在し、流動する溶湯30とキャビティ規定面1cとの間に生ずる摩擦を低減させる。
【0034】
金属層11を構成する金属材料とコア粒子10に関して上述した2種類の潤滑効果、すなわち、溶湯30との合金化による凝固点降下効果およびキャビティ規定面1cと溶湯30との間に介在することによる摩擦低下効果が重畳的に作用することによって、溶湯30の流動性ないし湯回り性が良好となる。その結果、薄肉成形時の成形圧力の低下や、充填不良の解消、成形体外観の向上などの効果が得られるのである。
【0035】
溶湯30が充分に冷却した後、図4に示すように、固定型1aに対して可動型1bを退動させることによって金型1を開き、複合成形体P1´を取り出す。この段階では、金属成形体には、ゲート部31やオーバーフロー部32など、最終製造物には不要な部位が一体となっている。したがって、カッターやプレスなどを用いて、図4に示す破線に沿って複合成形体P1´を切断し、これら不要部位が切り離される。その結果、金属成形体P1が得られる。
【0036】
【実施例】
次に、本発明の実施例について、比較例とともに説明する。
【0037】
【実施例1】
<複合粒子の製造>
まず、Zn−Sn合金粒子(組成比Zn:Snは9:1)を加熱溶融し、これに対してコア粒子として偏平形状で平均粒径40μmのタルク(商品名:LMS100、富士タルク工業製)を所定の重量比で添加および混合した。そして、この第1混合物を冷凍した後、所望の程度にまで冷凍粉砕して第1粉砕粒子を得た。次に、ポリプロピレンを加熱溶融し、これに対して第1粉砕粒子(Zn−Sn合金により被覆されたタルク)を添加および混合した。混合比は、第1粉砕粒子:ポリプロピレンを6:4(重量比)とした。そして、この第2混合物を冷凍した後、所望の程度にまで冷凍粉砕して第2粉砕粒子(複合粒子)を得た。このようにして作製した本実施例の複合粒子は、偏平形状で平均粒径40μmのタルクからなるコア粒子と、Zn−Sn合金を用いてコア粒子の少なくとも一部を被覆するように形成された金属層と、ポリプロピレンを用いて金属層が形成されたコア粒子の少なくとも一部を被覆するように形成された樹脂層とからなり、その粒子径を表1に示す。なお、本実施例のZn−Sn合金粒子は、亜鉛とスズを合金化した後に、当該合金を冷凍粉砕したものであり、溶湯に溶け込むことによって当該溶湯の凝固温度を降下させる組成を有する金属材料である。
【0038】
<潤滑剤の調製>
潤滑液材としてのシリコーンオイル(商品名:KF54、信越化学工業製)に対して、上述のようにして製造され、かつ10wt%の含有率でタルクを含む複合粒子を20wt%の含有率となるように添加および混合することによって、本実施例の潤滑剤を調製した。本実施例に係る潤滑剤を構成する潤滑液材および潤滑粒材(複合粒子)を表1に掲げた。
【0039】
<潤滑剤の付着性の測定>
図7に示したように、長さ方向が地面に対して垂直となるように配置され、かつ約180℃に加熱された板状金型4(長さ60mm×幅10mm×厚さ3mm)の塗布面4aに上述のようにして調製された潤滑剤を50g塗布した。塗布後、約10秒間放置した。その後、塗布面4aに対して垂直距離で10cm離れた場所からエアガン5(空気圧2kgf/cm2)により空気を3秒間吹き付けた。さらに、その後、塗布面4aに残留した潤滑剤の重量を測定し、その結果を表1に掲げた。
【0040】
<流動長の測定>
鋳造金属としてMg合金(AZ91D)を採用し、流動長測定装置60を使用して本実施例の潤滑剤をキャビティ規定面に塗布した場合の流動長を測定した。図8は、当該測定装置60の概略図である。測定装置60は、真空チャンバ61と、これに連結された真空ポンプ62とを備える。真空チャンバ61内には、るつぼ63および金型64が設置されている。るつぼ63には、加熱ヒータ65が付設されている。るつぼ63は、加熱ヒータ65とともに金型64の方向に傾斜することが可能なように設けられている。金型64は、長さ60mm×幅10mm×厚さ3mmの板材を成形するためのキャビティ64aを規定するものである。
【0041】
本実施例のサンプル成形板の作製に際しては、まず、上述のようにして調製した潤滑剤をビーカ中で攪拌器により攪拌しつつ、型開きしている金型64のキャビティ規定面に対して、当該潤滑剤を、エアスプレーを用いて噴霧した。このとき、金型温度は130℃とし、噴霧量は1ml/cm2とした。るつぼ63には、図8に示すように、Mg合金(AZ91D)の小ブロックを挿入した。次に、真空度が10-4Torrに到達するまでチャンバ内を減圧し、その後、鋳造金属が溶融してその表面温度が約650℃になるまでるつぼ63を加熱し、溶湯を用意した。次に、るつぼ63を傾けて、金型64の注入口64bからキャビティ64aへ溶湯を注いだ。金型64内の鋳造金属を充分に冷却した後、金型64から成形体を取出した。このようにして作製されたサンプル成形板について、注入口64bからの溶湯の流動長を測定し、その結果を表1に掲げた。
【0042】
【実施例2】
複合粒子に含まれるタルクの含有率を10wt%に代えて20wt%とした以外は実施例1と同様にして、本実施例の潤滑剤を調製した。この潤滑剤を用いて、実施例1と同様にして、潤滑剤の付着性の測定および流動長の測定を行った。これらの結果は表1に掲げる。
【0043】
【比較例1】
潤滑剤として、複合粒子が添加されたシリコーンオイルに代えて、シリコーンオイル(商品名:KF54、信越化学工業製)のみを用いた以外は実施例1と同様にして、本比較例の潤滑剤を調製した。この潤滑剤を用いて、実施例1と同様にして、潤滑剤の付着性の測定および流動長の測定を行った。これらの結果は表1に掲げる。
【0044】
【比較例2】
<比較用複合粒子の製造>
まず、ポリプロピレンを加熱溶融し、これに対して粒径が約20μmの亜鉛粒子(商品名:R粉末、白水化学工業製)を添加および混合した。混合比は、亜鉛粒子:ポリプロピレンを6:4(重量比)とした。そして、この混合物を冷凍した後、所望の程度にまで冷凍粉砕して亜鉛粒子をコア粒子とする比較用複合粒子を得た。このようにして作製した本比較例の比較用複合粒子は、亜鉛粒子と、ポリプロピレンを用いて亜鉛粒子の少なくとも一部を被覆するように形成された樹脂層とからなり、その粒子径を表1に示す。なお、本比較例の亜鉛粒子は、気化冷却を経て製造されたものであり、溶湯に溶け込むことによって当該溶湯の凝固温度を降下させる効果を有する金属材料である。
【0045】
潤滑剤として、シリコーンオイルに対して含有率が20wt%の複合粒子に代えて、シリコーンオイルに対して含有率が15wt%の比較用複合粒子を用いた以外は実施例1と同様にして、本比較例の潤滑剤を調製した。この潤滑剤を用いて、実施例1と同様にして、潤滑剤の付着性の測定および流動長の測定を行った。これらの結果は表1に掲げる。
【0046】
【表1】
Figure 0004220223
【0047】
【評価】
表1を参照すると、実施例1,2は、溶湯の流動長すなわち湯回り性において、比較例1,2よりも優れていることがわかった。また、実施例1,2は、潤滑剤の残留量すなわち付着性において、比較例1,2よりも優れていることがわかった。したがって、潤滑剤のキャビティ規定面などへの付着性が向上することにより、潤滑剤がより効果的に機能するとともに、キャビティ内に射出される溶湯の湯回り性が向上することにより、より薄肉化を図った成形体の成形も可能であると考えられる。
【0048】
以上のまとめとして、本発明の構成およびそのバリエーションを以下に付記として列挙する。
【0049】
(付記1)潤滑剤を金型のキャビティ規定面に塗布する塗布工程と、溶融金属を前記金型内に射出することによって金属成形体を成形するための成形工程とを含む金属成形体の製造方法であって、
前記潤滑剤は、コア粒子と、前記溶融金属に溶け込むことによって当該溶融金属の凝固温度を降下させる組成を有する金属材料を用いて前記コア粒子の少なくとも一部を被覆するように形成された金属層と、熱可塑性樹脂を用いて前記金属層が形成されたコア粒子の少なくとも一部を被覆するように形成された樹脂層とを有する複合粒子を含んでいる、金属成形体の製造方法。
(付記2)前記コア粒子は、偏平形状である、付記1に記載の金属成形体の製造方法。
(付記3)前記コア粒子の平均粒径は、10〜100μmである、付記1または2に記載の金属成形体の製造方法。
(付記4)前記コア粒子は、雲母、モンモリロナイト、タルクからなる群より選択される素材により構成されている、付記1〜3のいずれか1つに記載の金属成形体の製造方法。
(付記5)前記金属材料は、亜鉛または亜鉛合金であり、前記溶融金属は、マグネシウムまたはマグネシウム合金である、付記1〜4のいずれか1つに記載の金属成形体の製造方法。
(付記6)前記亜鉛合金は、60〜95wt%の亜鉛と、5〜40wt%のスズとからなる、付記5に記載の金属成形体の製造方法。
(付記7)前記熱可塑性樹脂は、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂からなる群より選択される樹脂である、付記1〜6のいずれか1つに記載の金属成形体の製造方法。
(付記8)前記複合粒子の平均粒径は、1〜100μmである、付記1〜7のいずれか1つに記載の金属成形体の製造方法。
(付記9)前記潤滑剤における前記複合粒子の含有率は、5〜30wt%である、付記1〜8のいずれか1つに記載の金属成形体の製造方法。
(付記10)潤滑粒材と当該潤滑粒材を分散するための潤滑液材とを含む潤滑剤であって、
前記潤滑粒材は、コア粒子と、溶融金属に溶け込むことによって当該溶融金属の凝固温度を降下させる組成を有する金属材料を用いて前記コア粒子の少なくとも一部を被覆するように形成された金属層と、熱可塑性樹脂を用いて前記金属層が形成されたコア粒子の少なくとも一部を被覆するように形成された樹脂層とを有する複合粒子であることを特徴とする、潤滑剤。
【0050】
【発明の効果】
本発明によると金属成形体の製造方法において用いられる潤滑剤は、潤滑粒子として、コア粒子と、溶融金属に溶け込むことによって当該溶融金属の凝固温度を降下させる組成を有する金属材料を用いてコア粒子の少なくとも一部を被覆するように形成された金属層と、熱可塑性樹脂を用いて金属層が形成されたコア粒子の少なくとも一部を被覆するように形成された樹脂層とを有する複合粒子を含んでいる。これにより、キャビティに射出される溶湯の湯回り性を高めることができた。また、偏平形状であるコア粒子を用いることにより、潤滑剤の付着性も高めることができた。したがって、溶湯の湯回り性および潤滑剤の付着性の向上によって、より薄肉化した成形体の作製が可能と考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る金属成形体の製造方法の一の工程を示す概略断面図である。
【図2】図1に続く工程を示す概略断面図である。
【図3】図2に続く工程を示す概略断面図である。
【図4】図3に続く工程を示す概略断面図である。
【図5】図5は、本実施形態に係る金属成形体の製造方法に用いられる潤滑剤に含まれる複合粒子の一例を示す断面図である。
【図6】図6は、本実施形態に係る金属成形体の製造方法に用いられる潤滑剤に含まれる複合粒子を構成するコア粒子の一例を示し、(a)はその平面図であり、(b)はその側面図である。
【図7】実施例および比較例で行った潤滑剤の付着性を測定する方法の一例を表す概略図である。
【図8】実施例および比較例で行った溶湯の流動長を測定する装置の概略図である。
【符号の説明】
P1 金属成形体
P1´ 複合成形体
L 潤滑剤
1 金型
1a 固定型
1b 可動型
1c キャビティ規定面
2 鋳込スリーブ
3 プランジャ
4 板状金型
4a 塗布面
5 エアガン
10 コア粒子
11 金属層
12 樹脂層
20 キャビティ
21 ゲートスペース
22 オーバーフロースペース
30 溶湯
31 ゲート部
32 オーバーフロー部
60 流動長測定装置
61 真空チャンバ
62 真空ポンプ
63 るつぼ
64 金型
64a キャビティ
64b 注入口
65 加熱ヒータ

Claims (5)

  1. 潤滑剤を金型のキャビティ規定面に塗布する塗布工程と、溶融金属を前記金型内に射出することによって金属成形体を成形するための成形工程とを含む金属成形体の製造方法であって、
    前記潤滑剤は、コア粒子と、前記溶融金属に溶け込むことによって当該溶融金属の凝固温度を降下させる組成を有する金属材料を用いて前記コア粒子の少なくとも一部を被覆するように形成された金属層と、熱可塑性樹脂を用いて前記金属層が形成されたコア粒子の少なくとも一部を被覆するように形成された樹脂層とを有する複合粒子を含んでいる、金属成形体の製造方法。
  2. 前記コア粒子は、偏平形状である、請求項1に記載の金属成形体の製造方法。
  3. 前記コア粒子は、雲母、モンモリロナイト、タルクからなる群より選択される素材により構成されている、請求項1または2に記載の金属成形体の製造方法。
  4. 前記金属材料は、亜鉛または亜鉛合金であり、前記溶融金属は、マグネシウムまたはマグネシウム合金である、請求項1〜3のいずれか1つに記載の金属成形体の製造方法。
  5. 潤滑粒材と当該潤滑粒材を分散するための潤滑液材とを含む潤滑剤であって、
    前記潤滑粒材は、コア粒子と、溶融金属に溶け込むことによって当該溶融金属の凝固温度を降下させる組成を有する金属材料を用いて前記コア粒子の少なくとも一部を被覆するように形成された金属層と、熱可塑性樹脂を用いて前記金属層が形成されたコア粒子の少なくとも一部を被覆するように形成された樹脂層とを有する複合粒子であることを特徴とする、潤滑剤。
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