JP2007167908A - マグネシウム合金成形用焼付き防止剤、及びマグネシウム合金成形用離型剤、マグネシウム合金の成形方法 - Google Patents

マグネシウム合金成形用焼付き防止剤、及びマグネシウム合金成形用離型剤、マグネシウム合金の成形方法 Download PDF

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Abstract

【課題】Caや希土類元素が添加されたマグネシウム合金を鋳造する際に、金型への焼付きの発生を防止するとともに、マグネシウム合金ダイカスト製品の耐食性を低下させることの無いマグネシウム合金成形用焼付き防止剤、及びマグネシウム合金成形用離型剤を提供する。
【解決手段】Sn粉体を溶液中に分散させたマグネシウム合金成形用焼付き防止剤としている。また、Sn粉体を溶液中に分散させたマグネシウム合金成形用離型剤としている。
【選択図】無し

Description

本発明は、マグネシウム合金成形用焼き付き防止剤、及びマグネシウム合金成形用離型剤、マグネシウム合金の成形方法に関する。
一般に、マグネシウム合金は、実用的な合金材料の中で最も軽く、室温及び高温時の強度特性に優れているため、各種用途で使用されている。
また、近年、地球環境の問題がクローズアップされ、自動車の軽量化のために、カルシウム(Ca)や希土類元素を多量に添加した、耐クリープ性の高いマグネシウム合金材料が多く開発されている。
このようなマグネシウム合金材料を鋳造(ダイカスト)する際の問題点として、金型内での焼付きが発生しやすいことが知られている。
また、自動車のエンジン周辺の部品はいずれも大型であり、鋳造時の湯廻り不良を防止するため、金型温度を240℃以上の高温に設定する必要があるが、上述のCaや希土類元素を添加した合金を鋳造する場合、更に焼付きが生じやすくなる。これは、Caや希土類元素を含むマグネシウム合金溶湯は流動性が低くなるため、金型に設けられた狭いゲートを溶湯が通過する際の摩擦抵抗が大きくなり、キャビティ表面、中でもゲート近傍が局部的に高温になりやすいことによるものである。
上述のような焼付きを防止するため、マグネシウム合金の焼付き防止効果を有するとされるシリコンオイルを、離型剤に高濃度に含有させて用いることも考えられるが、このような離型剤を使用しても、焼付きを完全に防止することはできなかった。
鋳造時の焼付きを防止するため、黒鉛やタルク等を主成分とする粉体を添加した離型剤が提案されている(例えば、特許文献1)。
しかしながら、特許文献1に記載の、黒鉛を主成分とした粉体を含有する離型剤を使用した場合、焼付きの発生は改善されるものの、ダイカストで得た製品の耐食性が低下するという問題があり、実用的ではない。また、タルクを粉体主成分とした離型剤を使用した場合、潤滑性に劣ることから、金型キャビティ内に高速で流入してくるマグネシウム溶湯によって金型キャビティから容易に剥離してしまうため、充分な効果が得られない。
このような問題に対処するため、雲母微粉末を希釈水溶液中に分散させ、水ガラスを添加して水溶性エマルジョンを呈してなる離型剤が提案されている(例えば、特許文献2)。
この離型剤は、Caや希土類元素が添加されたマグネシウム合金を鋳造する場合であっても、金型への焼付きや、ダイカスト完成品の耐食性の低下を最小限に留めることができるというものである。
特開2000−301287号公報 特開2004−230446号公報
しかしながら、特許文献2に記載の離型剤を用いてマグネシウム合金の鋳造を行った場合であっても、依然として、金型キャビティ内に高速で流入するマグネシウム溶湯によって、離型剤がキャビティ表面から簡単に剥離してしまう虞があった。本発明者が検討したところ、これは、粉体の主成分である雲母と金型材料との親和性があまり高くないため、離型剤の金型キャビティ表面への接着力が弱いことが考えられる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、Caや希土類元素が添加されたマグネシウム合金を鋳造する際に、金型への焼付きの発生を防止するとともに、マグネシウム合金ダイカスト製品の耐食性を低下させることの無いマグネシウム合金成形用焼付き防止剤、及びマグネシウム合金成形用離型剤を提供することを目的とする。
本発明者は、金型への焼付きの発生を防止するとともに、マグネシウム合金ダイカスト製品の耐食性を低下させることの無いマグネシウム合金成形用焼付き防止剤、及びマグネシウム合金成形用離型剤を得るべく鋭意検討を重ね、以下の発明を得るに至った。
(1)請求項1に記載の発明
Sn粉体を溶液中に分散させたことを特徴とするマグネシウム合金成形用焼付き防止剤。
(2)請求項2に記載の発明
Sn粉体を溶液中に分散させたことを特徴とするマグネシウム合金成形用離型剤。
(3)請求項3に記載の発明
前記マグネシウム合金が、質量%でCa:0.5〜5%、または希土類元素:0.3〜3%の内、少なくとも1種以上を含有するものであることを特徴とする請求項1に記載のマグネシウム合金成形用焼付き防止剤。
(4)請求項4に記載の発明
前記マグネシウム合金が、質量%でCa:0.5〜5%、または希土類元素:0.3〜3%の内、少なくとも1種以上を含有するものであることを特徴とする請求項2に記載のマグネシウム合金成形用離型剤。
(5)請求項5に記載の発明
請求項1〜4に記載のマグネシウム合金成形用焼付き防止剤、またはマグネシウム合金成形用離型剤を用いて成形することを特徴とするマグネシウム合金の成形方法。
Caや希土類元素が添加されたマグネシウム合金を鋳造する際、離型剤の金型キャビティ表面への接着力が弱いと、ゲートからキャビティ内に高速で流入するマグネシウム合金溶湯によって離型剤が剥離してしまい、焼付きを防止できなくなるとともに、離型性が悪くなる。
本発明のマグネシウム合金成形用焼付き防止剤、及びマグネシウム合金成形用離型剤では、金型キャビティに用いられる鉄(Fe)との親和性の高い錫(Sn)の粉体を溶液中に分散させることにより、焼付き防止剤又は離型剤中のSn粉体が、金型キャビティ表面に対して高い親和力で被膜を形成することができることを見出した。
本発明のマグネシウム合金成形用焼付き防止剤によれば、Sn粉体を溶液中に分散させて構成している。また、本発明のマグネシウム合金成形用離型剤によれば、Sn粉体を溶液中に分散させて構成している。
Sn粉体を含有した焼付き防止剤又は離型剤を金型キャビティ表面に塗布することにより、キャビティ表面に強固な被膜が形成される。これにより、マグネシウム合金が金型へ焼付くのを防止するとともに、マグネシウム合金ダイカスト製品の耐食性を低下させることなく、マグネシウム合金を鋳造することができるマグネシウム合金成形用焼付き防止剤、及びマグネシウム合金成形用離型剤が得られる。
従って、本発明の焼付き防止剤又は離型剤を用いてマグネシウム合金の鋳造を行うことにより、高品質のマグネシウム合金ダイカスト製品を、効率良く製造することができる。
以下、本発明に係るマグネシウム合金成形用焼付き防止剤、及びマグネシウム合金成形用離型剤の実施の形態について説明する。
なお、本実施形態では、マグネシウム合金成形用離型剤(以下、離型剤と略称することがある)の例を挙げて説明する。
[マグネシウム合金成形用離型剤]
本発明の離型剤は、Sn粉が溶液中に分散されてなる。
本発明の離型剤は、Sn粉体を含有することにより、金型キャビティ表面に噴霧等の手段で塗布した際に粉体被膜を形成し、マグネシウム合金溶湯が金型キャビティ表面と直に接触するのを避け、焼付きを防止するとともに、ダイカスト製品の離型性を高める。
本実施形態では、離型剤溶液中にSn粉体を添加して溶液中に分散させることにより、マグネシウム合金成形用離型剤とすることができる。
Sn粉体を添加する離型剤溶液としては特に限定されないが、例えば、シリコンオイルを主成分として界面活性剤(有機系バインダ)を添加したもの等、従来から用いられている離型剤溶液を使用することができる。
本発明の離型剤は、Sn粉体を添加することにより、離型剤を金型キャビティ表面に塗布した際に、離型剤中に分散したSn粉体がキャビティ表面に被膜を形成する。
発明者が検討したところ、この被膜の形成は、離型剤中の有機系バインダによる接着力よりも、金型の材質(Fe)とSnとの親和性の高さによるところが大きいことが明らかとなった。
Feとの親和性が高いSnは、Feとの反応によって金型キャビティ表面に強固な被膜が形成する。このため、金型キャビティ内にマグネシウム合金溶湯が高速で流入した場合でも、被膜がキャビティ表面から剥離するのを防止することができる。
従って、マグネシウム合金溶湯と金型キャビティ表面とが直に接触するのを防止することができ、離型不良や焼付きの発生を防止することができる。
離型剤溶液中に添加するSn粉体の量は、離型剤溶液1Lに対して1〜100gの範囲内とすることが好ましく、ダイカスト金型における焼付けの発生頻度等に応じて、Sn粉体の添加量を適宜変更して使用することができる。
Sn粉体の添加量が、離型剤溶液1Lに対して1g未満だと、金型キャビティ表面に強固な膜を形成するのが困難になり、焼付き防止作用が得られにくくなる。
Sn粉体の添加量が、離型剤溶液1Lに対して100gを超えると、金型キャビティ表面への被膜形成作用及び焼付き防止の効果が飽和する。また、金型キャビティ表面への塗布を、噴霧器を用いて行った場合にノズルが詰まりやすくなったり、キャビティ内の隅にSn粉体が凝集して残存し、ダイカスト製品に悪影響を与える虞がある。
Sn粉体のサイズは特に限定されないが、金型キャビティ表面で反応しやすく、且つキャビティ全面に均一に付着しやすいように粉末、または微粉末とすることが好ましく、サイズが500メッシュ以下の微粉末であることが最も好ましい。
また、添加するSnは粉末状のものには限定されず、例えば、Sn薄片を添加して溶液中に分散させても良いので、本発明のSn粉体とは、薄片状のものを含む概念とする。
また、本実施形態の離型剤は、イソプロパノール(イソプロピルアルコール:IPA)を適量添加することが好ましい。
イソプロパノールを添加することにより、離型剤溶液中のSn粉体を効果的に拡散することができる。また、固体粒子表面に吸着し、凝集している固定粒子を液体で濡れやすくし、表面電荷を増加させたり、立体障害による粒子間の反発力を高める。
なお、本発明の離型剤は、従来から一般的に行われているマグネシウム合金ダイカスト(鋳造)の他、チクソモールド等でも使用することができる。
ダイカストでは、例えば、コールドチャンバータイプ、ホットチャンバータイプの何れのダイカストマシンにおいても、本発明の離型剤を使用することができる。
また、マグネシウム合金を半溶湯として高圧で成形するチクソモールドマシンにおいても、本発明の離型剤を効果的に用いることができる。
[マグネシウム合金]
本実施形態のマグネシウム合金成形用焼付き防止剤、及びマグネシウム合金成形用離型剤を金型キャビティ表面に塗布して鋳造を行うマグネシウム合金は、例えば、質量%でCa:0.5〜5%、または希土類元素:0.3〜3%の内、少なくとも1種以上を含有して構成されている。このマグネシウム合金を溶湯とし、金型に流し込むことによって鋳造を行う。
以下、マグネシウム合金に含有される、マグネシウム以外の成分組成の限定理由について説明する。
「Ca」
カルシウム(Ca)は、鋳造後のマグネシウム合金の耐クリープ性を向上させる作用を有する。
Caの含有量は、質量%で0.5〜5%の範囲内であることが好ましい。
Caの含有量が0.5%未満だと、マグネシウム合金の耐クリープ性向上の作用が得られにくくなる。
Caの含有量が5%を超えると、マグネシウム合金溶湯の流動性が著しく低下し、合金組織中にミクロポロシティが発生し、目標とする機械的特性が得られなくなり、また、焼付きを起こす虞がある。
本発明のマグネシウム合金成形用焼付き防止剤、及びマグネシウム合金成形用離型剤を用いて鋳造を行うマグネシウム合金は、Caを上記範囲で添加することにより、鋳造後のマグネシウム合金の耐クリープ性が向上するため、ダイカスト製品を薄型、軽量化することが可能となる。
「希土類元素」
希土類元素は、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luの各元素であり、上述のCaと同様、マグネシウム合金に適量添加することにより、鋳造後のマグネシウム合金の耐クリープ性を向上させる作用を有する。
希土類元素の含有量は、上記の内の少なくとも1種以上の合計含有量で、質量%で0.3〜3%の範囲内であることが好ましい。
希土類元素の含有量が0.3%未満だと、マグネシウム合金の耐クリープ性向上の効果が得られにくくなる。
希土類元素の含有量が3%を超えると、マグネシウム合金溶湯の流動性が著しく低下し、合金組織中にミクロポロシティが発生し、目標とする機械的特性が得られなくなり、また、焼付きを起こす虞がある。
[マグネシウム合金成形用焼付き防止剤]
本発明のマグネシウム合金成形用焼付き防止剤(以下、焼付き防止剤と略称することがある)は、上述のマグネシウム合金成形用離型剤と同様、Sn粉体が溶液中に分散されてなる。
本発明の焼付き防止剤は、Sn粉体を含有することにより、金型キャビティ表面に噴霧等の手段で塗布した際に粉体被膜を形成し、マグネシウム合金溶湯が金型キャビティ表面と直に接触するのを避け、焼付きを防止する。
本発明の焼付き防止剤は、上述した本発明の離型剤と同様に、焼付き防止溶液中にSn粉体を添加して溶液中に分散させることにより、マグネシウム合金成形用焼付き防止剤とすることができる。
Sn粉体を添加する焼付き防止剤溶液としては、本発明の離型剤と同様、特に限定されず、既存の焼付き防止剤溶液を使用することができる。
本発明の焼付き防止剤のその他の詳細は、上述した本発明の離型剤と同様であり、説明を省略する。
以上説明したように、本発明のマグネシウム合金成形用焼付き防止剤によれば、Sn粉体が溶液中に分散されてなる。また、本発明のマグネシウム合金成形用離型剤によれば、Sn粉体が溶液中に分散されてなる。
Sn粉体を含有した焼付き防止剤又は離型剤を金型キャビティ表面に塗布することにより、キャビティ表面に強固な被膜が形成される。これにより、マグネシウム合金が金型へ焼付くのを防止するとともに、マグネシウム合金ダイカスト製品の耐食性を低下させることなく、アルミニウム合金を鋳造することができるマグネシウム合金成形用焼付き防止剤、及びマグネシウム合金成形用離型剤が得られる。
従って、本発明の焼付き防止剤又は剥離剤を用いてアルミニウム合金の鋳造を行うことにより、高品質のマグネシウム合金ダイカスト製品を、効率良く製造することができる。
以下に実施例を示して、本発明のマグネシウム合金成形用焼付き防止剤、及びマグネシウム合金成形用離型剤を更に詳しく説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものでは無い。
本実施例では、各実施例及び比較例に示す条件でマグネシウム合金成形用離型剤を作製し、これらの離型剤を用いてマグネシウム合金のダイカスト(鋳造)を行い、評価した。
<ダイカスト製造条件>
1%SF+N(1000mL/min)雰囲気中で、表1に示す成分組成のマグネシウム合金を各々溶解し、コールドチャンバータイプのダイカストマシン(型締力135トン)を使用して鋳造を行い、幅=70mm、長さ=150mmで、板厚がゲート側から順に3mm、2mm、1mm(50mm間隔)と変量した階段状平板のダイカスト製品を作製した。
ダイカスト条件は、マグネシウム溶湯温度を740℃、金型キャビティ表面設定温度を180℃、溶湯のゲート通過速度を100〜120m/sの範囲とした。
また、ダイカストにおいては、ショット毎に一定量の離型剤各サンプル(0.08g)を、噴霧器を用いて、金型キャビティ表面に均一に塗布して行った。
<評価方法>
各実施例及び比較例の離型剤サンプルを用い、各成分組成のマグネシウム合金を使用して、上記条件で連続ショットにてダイカスト製造を行い、ショット毎に、金型温度(ゲート中央部)の温度をタッチメータを用いて測定した。
また、ショット毎にダイカスト製造品及び金型キャビティ表面を目視し、焼付きの発生の有無を確認した。
[実施例1]
(離型剤)
離型剤溶液として、シリコンオイルが主成分である市販のグラフェース321(花野商事製)を用い、この離型剤溶液1L(水:グラフェース=80:1)に対して、Sn微粉末25g(500メッシュ)を添加し、さらにイソプロパノール200mLを加えて、本発明のマグネシウム合金成形用離型剤を得た。
(マグネシウム合金)
質量%で2.6%のCaを含有し、また、Al:5.8%、Mn:0.32%、Fe:0.0026%、Cu:0.001%、Ni:0.0005%を含有する成分組成のマグネシウム合金を用いた。
[実施例2]
(離型剤)
実施例1と同様にして、本発明のマグネシウム合金成形用離型剤を得た。
(マグネシウム合金)
質量%で0.5%のCaを含有し、また、Al:5.8%、Mn:0.32%、Fe:0.0026%、Cu:0.001%、Ni:0.0005%を含有する成分組成のマグネシウム合金を用いた。
[実施例3]
(離型剤)
実施例1と同様にして、本発明のマグネシウム合金成形用離型剤を得た。
(マグネシウム合金)
質量%で4.9%のCaを含有し、また、Al:5.8%、Mn:0.32%、Fe:0.0026%、Cu:0.001%、Ni:0.0005%を含有する成分組成のマグネシウム合金を用いた。
[実施例4]
(離型剤)
実施例1と同様にして、本発明のマグネシウム合金成形用離型剤を得た。
(マグネシウム合金)
Caを含有せずに、希土類元素(ミッシュメタル:52.8%Ce、27.4%La、15.0%Nd、4.7%Pr、0.1%Sm)を質量%で0.3%含有した点以外は、実施例1と同様の成分組成を有するマグネシウム合金を用いた。
[実施例5]
(離型剤)
実施例1と同様にして、本発明のマグネシウム合金成形用離型剤を得た。
(マグネシウム合金)
Caを含有せずに、希土類元素(ミッシュメタル:同上)を質量%で2.7%含有した点以外は、実施例1と同様の成分組成を有するマグネシウム合金を用いた。
[比較例1]
(離型剤)
市販の離型剤(グラフェース321:花野商事製)を用い、これを水:離型剤の比で1:80に希釈して、従来のマグネシウム合金成形用離型剤を得た。
なお、Sn粉体は添加しなかった。
(マグネシウム合金)
Caを含有し、実施例1と同様の成分組成を有するマグネシウム合金を用いた。
[試験例1]
(離型剤)
離型剤溶液として、シリコンオイルが主成分である市販のグラフェース321(花野商事製)を用い、この離型剤溶液1Lに対してSn微粉末25g(100メッシュ)を添加し、さらにイソプロパノール200mLを加えて、試験例1のマグネシウム合金成形用離型剤を得た。
(マグネシウム合金)
Caを含有し、実施例1と同様の成分組成を有するマグネシウム合金を用いた。
各実施例及び比較例、試験例の離型剤作製条件、及びマグネシウム合金成分組成の一覧を表1に示す。
Figure 2007167908
<評価結果>
図1及び図2に、各実施例及び比較例、試験例における連続鋳造のショット数と金型ゲート中央部の温度との関係をプロットしたグラフを示す。
図1のグラフに示すように、実施例1の本発明のマグネシウム合金成形用離型剤を金型キャビティ表面に塗布してマグネシウム合金ダイカストを製造した場合には、ショットを繰り返す中で、ゲート温度が最大で224℃まで達したが、50ショットの製造を行っても、焼付きは1度も発生しなかった。また、図2のグラフに示すように、実施例2〜3の本発明の離型剤を用いて、表1に示す量のCaが添加されたマグネシウム合金ダイカストを製造した場合にも、50ショットの製造において焼付きは1度も発生しなかった。
また、実施例4の本発明の離型剤を用いて、希土類元素(ミッシュメタル)が質量%で0.3%添加されたマグネシウム合金ダイカストを製造した場合にも、ショットを繰り返す中で、ゲート温度が最大で224℃まで達したが、50ショットの製造を行っても、焼付きは1度も発生しなかった。また、実施例5に示すように、本発明の離型剤を用いて、希土類元素(ミッシュメタル)が質量%で2.7%添加されたマグネシウム合金ダイカストを製造した場合にも、50ショットの製造において焼付きは1度も発生しなかった。
これに対し、従来のマグネシウム合金成形用離型剤を用いた比較例1では、図1に示すように、4ショット目でゲート温度が206℃まで上昇し、次の5ショット目において焼付きが発生したため、製造を中止した。
また、100メッシュのSn粉末を添加した離型剤を用いた試験例1では、図2に示すように、6ショット目でゲート温度が206℃まで上昇し、次の7ショット目において焼付きが発生したため、製造を中止した。
以上の結果により、Sn粉体を溶液中に分散させた本発明のマグネシウム合金成形用焼付き防止剤、及びマグネシウム合金成形用離型剤が、優れた焼付き防止効果及び離型性を有していることが明らかである。
本発明に係るマグネシウム合金成形用離型剤の実施例を説明する図であり、マグネシウム合金ダイカストの製造を行った際の金型温度とショット数の関係を示すグラフである。 本発明に係るマグネシウム合金成形用離型剤の実施例を説明する図であり、マグネシウム合金ダイカストの製造を行った際の金型温度とショット数の関係を示すグラフである。

Claims (5)

  1. Sn粉体が溶液中に分散されてなることを特徴とするマグネシウム合金成形用焼付き防止剤。
  2. Sn粉体が溶液中に分散されてなることを特徴とするマグネシウム合金成形用離型剤。
  3. 前記マグネシウム合金は、質量%でCa:0.5〜5%、または希土類元素:0.3〜3%の内、少なくとも1種以上が含有されていることを特徴とする請求項1に記載のマグネシウム合金成形用焼付き防止剤。
  4. 前記マグネシウム合金は、質量%でCa:0.5〜5%、または希土類元素:0.3〜3%の内、少なくとも1種以上が含有されていることを特徴とする請求項2に記載のマグネシウム合金成形用離型剤。
  5. 請求項1〜4に記載のマグネシウム合金成形用焼付き防止剤、またはマグネシウム合金成形用離型剤を用いて成形することを特徴とするマグネシウム合金の成形方法。

JP2005369552A 2005-12-22 2005-12-22 マグネシウム合金成形用焼付き防止剤、及びマグネシウム合金成形用離型剤、マグネシウム合金の成形方法 Withdrawn JP2007167908A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102989999A (zh) * 2012-12-25 2013-03-27 常州大学 一种利用物质熔化吸热的锌合金激冷醇基涂料

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