JP3723522B2 - 金属成形体製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ノートパソコンや携帯電話などの電子機器の金属筐体の成形に利用できる金属成形体製造方法、および、これにより製造される電子機器筐体に関する。
【0002】
【従来の技術】
ノートパソコンや携帯電話などの電気・電子機器では、軽量化、剛性および放熱性の観点より、マグネシウム合金やアルミニウム合金などの軽金属製の筐体が採用される場合が多い。このような電気・電子機器の金属筐体は、通常、ダイカストにより成形される。ダイカスト成形は、溶融された金属である溶湯を、金型によって規定されるキャビティに加圧注入する鋳造法である。ダイカスト成形は、寸法精度に優れているため、鋭角的な稜を必要とする金属成形体や薄肉の金属成形体の製造において、広く採用されている。このようなダイカスト成形技術は、例えば特開平9−272945号公報に開示されている。
【0003】
しかしながら、ダイカスト成形技術では、他の鋳造技術と同様、成形体の薄肉化を図るべくキャビティを幅狭に設定するほど、溶湯の凝固が早急に始まる傾向にある。具体的には、溶湯を金型内のキャビティに射出すると、溶湯からこれが接触する金型へ熱が伝搬する。すなわち、金型により、溶湯の有する熱量の一部が吸収される。したがって、溶湯は、キャビティ内を進行するにつれて、急速に冷却される。すると、溶湯の粘性は上昇し、溶湯の流動性ないし湯回り性は低下する。その結果、キャビティの末端部分まで行き渡る前に溶湯が固化し、成形体において未充填部分が生ずる場合がある。例えば肉厚1.5mm以下の携帯型電子機器の筐体を成形する場合、従来のダイカスト成形技術によると未充填部分の生ずる傾向が強い。
【0004】
一方、ダイカスト成形においては、金型からの製品の離型を良好に行うために、溶湯の射出前に金型のキャビティ規定面に対して予め離型剤が塗布される場合がある。そのような技術は、例えば特開平5−92232号公報に開示されている。当該公報に開示されている離型剤は、粉末状の窒化ホウ素、窒化ケイ素、雲母などの離型剤基材を含んでいる。当該公報によると、このような離型剤が塗布されている金型の内部すなわちキャビティに対して溶湯を射出すると、金型内に射出された金属とキャビティ規定面とが離型剤基材の粒径だけ隔てられ、その結果、金型からの成形体の離型性が向上するとされている。
【0005】
しかしながら、特開平5−92232号公報に開示されている離型剤は、主に離型性を向上させるための構成を備えるものであって、溶湯の湯回り性を向上させて成形体の薄肉化を図るのに適した構成を備えてはいない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、以上に述べた従来の問題点を解消ないし軽減することを課題とし、未充填部分を生ずることなく薄肉化を良好に達成することのできる金属成形体製造方法、および、これにより製造される金属成形体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の側面によると、金属成形体の製造方法が提供される。この方法は、溶融金属の温度より低い融解温度を有し且つ当該溶融金属に溶け込むことによって当該溶融金属の凝固温度を降下させる組成を有する、溶融金属湯回り性向上用の金属材料を金型内に設けるための予備工程と、溶融金属を金型内に射出することによって鋳造部を形成するための成形工程と、を含むことを特徴とする。
【0008】
このような方法によると、例えばダイカスト成形において、未充填部分を生ずることなく良好に薄肉化が達成された金属成形体を製造することができる。金型により規定されるキャビティに対して、溶湯としての溶融金属を射出注入するにあたり、溶融金属に溶け込むことによって当該溶融金属の凝固温度を降下させる組成を有する金属材料を金型内に予め設けておくと、そのような金属材料が設けられていない場合と比較して、キャビティ内における溶融金属の湯回り性は向上する。溶融金属における当該金属材料を溶かし込んだ部分は、溶かし込んでいない部分よりも凝固温度が低くなり、キャビティ内を流動する途中で凝固してしまうのを適切に防止されているからである。したがって、幅狭なキャビティであっても、当該キャビティの末端部にまで溶融金属を適切に充填することができる。その結果、製造される金属成形体において、未充填部分の発生を回避しつつ充分な薄肉化を達成することが可能となるのである。
【0009】
本発明の好ましい実施の形態においては、金属材料は金属粒子である。この場合、予備工程では、当該金属粒子を含む潤滑剤が金型のキャビティ規定面に塗布される
【0010】
このような構成によると、金型内のキャビティにおいて、溶融金属が金属粒子を溶解した後は、当該溶融金属の凝固温度ないし固相温度は降下する。具体的には、溶融金属に溶け込むことによって当該溶融金属の凝固温度を降下させる組成を有する金属粒子がキャビティ規定面に付着しているため、キャビティ内に射出される溶湯において、キャビティ規定面近傍を流れる溶融金属の凝固温度が局所的に降下する。また、金属粒子自体は、キャビティ規定面と溶融金属との間に介在することによって、両者の間に生ずる摩擦を低減する作用を有する。したがって、末端部を含むキャビティの全域に行き渡るまで、溶融金属ないし溶湯の溶融状態を持続させることができる。その結果、製造される金属成形体において、未充填部分が生ずるのを防止することが可能となる。
【0011】
好ましくは、金属粒子は亜鉛または亜鉛合金よりなり、溶融金属はマグネシウムまたはマグネシウム合金である。亜鉛合金の場合、60〜95wt%の亜鉛と、5〜40wt%のスズとからなる組成が好ましい。金属粒子の粒径は1〜100μmであって、潤滑剤における金属粒子の含有率は5〜30wt%であるのが好ましい。
【0012】
また、金属粒子は、好ましくは熱可塑性樹脂により被覆されている。そのような熱可塑性樹脂は、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂からなる群より選択されるのが好ましい。
【0013】
本発明の他の好ましい実施の形態においては、金属材料は金属板である。この場合、予備工程では、当該金属板は金型のキャビティ規定面に配設される
【0014】
このような構成によると、金型内のキャビティにおいて、溶融金属が金属板を溶解した後は、当該溶融金属の凝固温度ないし固相温度は降下する。したがって、末端部を含むキャビティの全域に行き渡るまで、溶融金属の溶融状態を持続させることができる。その結果、製造される金属成形体において、未充填部分が生ずるのを防止することが可能となる。本発明における金属材料として金属板を用いると、キャビティを流れる溶融金属の凝固温度について、金属粒子を用いる場合とは異なる制御が可能である。
【0015】
金属板について、溶融金属に溶け込むことによって当該溶融金属の凝固温度を降下させる組成は、例えば、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、スズなどの単体金属、または、これらを主成分とする合金より構成することが可能である。亜鉛合金の場合、60〜95wt%の亜鉛と、5〜40wt%のスズとからなる組成が好ましい。溶融金属については、マグネシウムまたはマグネシウム合金であるのが好ましい。
【0016】
本発明の第2の側面によると、上述のいずれかの金属成形体製造方法により製造されたことを特徴とする電子機器筐体が提供される。この電子機器筐体は、その製造において、本発明の第1の側面に関して上述したのと同様の効果が奏される。したがって、本発明の第2の側面によると、良好に薄肉化が達成された電子機器筐体を得ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1〜図4は、本発明の第1の実施形態に係る金属成形体製造方法を表す。本実施形態では、例えば電子機器筐体の少なくとも一部が製造される。本実施形態においては、まず、図1に示すように、金型1のキャビティ規定面1cに対して潤滑剤Lが塗布される。潤滑剤Lは、潤滑粒材と潤滑液材とからなり、エアスプレーで噴霧することによってキャビティ規定面1cに塗布することができる。
【0018】
潤滑剤Lを構成する潤滑液材としては、例えばシリコーンオイルや水性エマルジョン離型剤が用いられる。また、シリコーンオイルに対して、界面活性剤、消泡剤、増粘剤などを加えてもよい。
【0019】
潤滑剤Lを構成する潤滑粒材としては、単体亜鉛よりなる亜鉛粒子、亜鉛を主成分とする亜鉛合金よりなる亜鉛合金粒子、または、コア粒子としてのこれら金属粒子が熱可塑性樹脂により覆われている複合粒子が用いられる。潤滑粒材またはそのコア粒子として亜鉛合金粒子を用いる場合、溶湯に対して溶融し易い合金組成のものを用いるのがよい。例えば、40wt%のスズを含む亜鉛合金では、融解温度(液相線温度)は約350℃であって凝固温度(固相線温度)は約200℃であり、溶湯に溶融し易く、溶湯の流動性向上への効果が大きい。
【0020】
複合粒子を構成する熱可塑性樹脂としては、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂などが用いられる。オレフィン系樹脂としては、例えば、ポリプロピレンやポリエチレンが挙げられる。スチレン系樹脂としては、例えば、ポリスチレンやAS樹脂(アクリロニトリル−スチレン共重合体)が挙げられる。アクリル系樹脂としては、一般的なアクリルでもよいし、水溶性アクリルでもよい。これらの樹脂は、単独で用いてもよいし、混合して用いてもよい。これらの樹脂は、溶融温度が150〜300℃程度である。そのため、150〜300℃に加熱されているキャビティ規定面1cに潤滑剤Lを塗布すると、潤滑剤L中において、これらの樹脂は容易に溶融する。また、亜鉛粒子または亜鉛合金粒子を長時間大気下に放置したり、或は、長時間潤滑剤L中に放置すると、亜鉛粒子または亜鉛合金粒子は酸化または水酸化して、潤滑剤Lの潤滑性が劣化したり、潤滑剤Lにおける分散性が低下してしまう場合があるが、複合粒子においては、樹脂被膜の存在により、亜鉛粒子または亜鉛合金粒子であるコア粒子の上述のような酸化および水酸化は適切に防止される。
【0021】
複合粒子の作製においては、まず、加熱溶融した例えば上掲の樹脂材料に対して、コア粒子としての亜鉛粒子または亜鉛合金を添加する。攪拌によって樹脂材料中にコア粒子を分散させた後、これを冷凍する。このようにして用意された、コア粒子を含有して冷凍された樹脂塊を、所望の程度にまで粉砕する。複合粒子の作製においては、このような手法に代えて、適当な溶剤に樹脂材料を溶解し、これにコア粒子を添加・攪拌した後に溶剤を蒸発させることによって、コア粒子表面に樹脂被膜を形成する手法を採用してもよい。
【0022】
潤滑剤Lにおける潤滑粒材の含有率は、5〜30wt%の範囲である。このような範囲であると、潤滑剤Lの流動性を適切に確保することができ、且つ、キャビティ規定面1cに潤滑剤Lを塗布した後に、亜鉛粒子、亜鉛合金粒子またはコア粒子がキャビティ規定面1c上に適当な程度で散在することができる。潤滑粒材としての亜鉛粒子および亜鉛合金粒子の粒径、ならびに、複合粒子のコア粒子の粒径は、1〜100μmの範囲である。潤滑剤Lが塗布される金型1は高温に加熱されるため、潤滑剤Lに含まれる亜鉛粒子、亜鉛合金粒子またはコア粒子の一部は酸化してしまい、溶湯に溶け込むことが可能な亜鉛量が減少してしまう。この減少量を考慮すると、上述の粒径範囲が好ましい。また、上述の粒径範囲は、潤滑液材に対する亜鉛粒子の分散性、および、エアスプレーによる潤滑剤Lの噴霧の観点からも好ましい。例えば、スプレー塗布を行う場合、1μmより小さい粒径では、塗布器具に詰まりを生じ易くなり、100μmより大きい粒径では、潤滑液材への分散性が低下し、キャビティ規定面1cに対して潤滑粒材を適切に塗布するのが困難となる傾向がある。
【0023】
潤滑液材に対する潤滑粒材の添加および混合は、キャビティ規定面1cに対する潤滑剤Lの塗布作業の直前に行われる。また、塗布作業中は、電動攪拌機などにより潤滑剤Lを常時的に攪拌するのが好ましい。攪拌の程度は、潤滑剤Lの粘度に応じて10〜1000rpmとするのが好ましい。潤滑粒材と潤滑液材の比重の差が大きいと、そのような攪拌をしない場合には、短時間のうちに潤滑粒材が沈降する傾向にあるからである。潤滑粒材として複合粒子を用いる場合、コア粒子を被覆するための樹脂として、ポリプロピレンなどの比重の小さい樹脂を用いることにより、潤滑粒材の比重を調節することができる。
【0024】
キャビティ規定面1cに対して潤滑剤Lを塗布すると、キャビティ規定面1cは通常150〜300℃程度にまで加熱されているので、潤滑剤Lが水分を含む場合には先ず水分の蒸発が生ずる。潤滑粒材として複合粒子が含まれている場合には、その熱可塑性樹脂被膜が溶融し、粒子内部のコア粒子すなわち亜鉛粒子または亜鉛合金粒子が露出する。樹脂被膜が溶融して軟質化することによって、コア粒子である亜鉛粒子または亜鉛合金粒子のキャビティ規定面1cへの付着状態が良好となる。
【0025】
上述のようにキャビティ規定面1cに対して潤滑剤Lを塗布した後、図2に示すように、金型1を型締めする。金型1は、固定型1aと、これに対して進退動可能な可動型1bとからなる。本工程において、固定型1aと可動型1bとを突き合わせることによって、キャビティ20が形成される。キャビティ20は、目的とする金属成形体の形状を規定する。また、キャビティ20には、ゲートスペース21およびオーバーフロースペース22が含まれる。ゲートスペース21は、溶融金属である溶湯30をキャビティ20の全体に導き入れる誘導部である。溶湯30は、鋳込スリーブ2内に用意される。
【0026】
溶湯30としては、アルミニウムやマグネシウムなどの、密度5g/cm3以下の軽金属の単体、または、これら軽金属を主成分とする合金を用いることができる。このような溶湯を用いることによって、軽い金属成形体を製造することができる。ノートパソコンや携帯電話などの電気・電子機器では、このような軽金属成形体からなる筐体は特に望ましい。
【0027】
次に、図3に示すように、鋳込スリーブ2に摺動自在に嵌合するプランジャ3によって、溶湯30を所定の圧力でキャビティ20に射出する。溶湯30の温度は、例えば600〜700℃である。このときの金型1の温度は、溶湯30の種類に応じて予め150〜300℃の範囲とされている。溶湯30は、キャビティ20におけるゲートスペース21を経てキャビティ内部へと流入し、オーバーフロースペース22にまで充填される。
【0028】
キャビティ20内を溶湯30が流れると、キャビティ規定面1cに予め塗布されていた潤滑剤Lの一部は溶湯30に巻き込まれる。このとき、潤滑剤Lに含まれる亜鉛粒子または亜鉛合金粒子は、溶湯30の有する熱量によって融解されて溶湯30と混ざり合う。すなわち、潤滑剤Lの亜鉛粒子または亜鉛合金粒子は、キャビティ規定面1cの近傍を流れる溶湯30と局所的に合金化する。例えば、潤滑剤Lの潤滑粒材として亜鉛粒子を用いる場合、または、亜鉛粒子を含む複合粒子を用いる場合、亜鉛の融解温度は約420℃であり、この温度は溶湯30の温度600〜700℃より低いので、潤滑粒材は溶湯30と容易に合金化する。
【0029】
溶湯30の一部に対して亜鉛が溶け込むと、溶湯30における当該合金化領域は、非合金化領域よりも凝固温度は低い。これによりキャビティ規定面1c近傍の溶湯30は凝固しにくくなり、溶湯30全体の流動性ないし湯回り性が向上する。例えば、溶湯30としてアルミニウムまたはアルミニウム合金(例えば、Si系のADC3、Mg系のADC5など)を用いる場合、溶融アルミニウムに対する亜鉛の50wt%合金化により、当該合金の凝固温度は約450℃となる。また、溶湯30としてマグネシウムまたはマグネシウム合金(例えば、Al系のAM60、Al−Zn系のAZ91など)を用いる場合、溶融マグネシウムに対する亜鉛の50wt%合金化により、当該合金の凝固温度は約340℃となる。
【0030】
キャビティ20内を溶湯30が流れても、潤滑剤Lにおける亜鉛粒子または亜鉛合金粒子の一部は、溶湯30に溶け込まずにキャビティ規定面1cに残留する。残留した粒子は、キャビティ規定面1cと溶湯30との間に介在し、流動する溶湯30とキャビティ規定面1cとの間に生ずる摩擦を低減させる。
【0031】
潤滑剤Lに含まれる亜鉛粒子または亜鉛合金粒子に関して上述した2種類の潤滑効果、すなわち、溶湯30との合金化による凝固点降下効果およびキャビティ規定面1cと溶湯30との間に介在することによる摩擦低下効果が重畳的に作用することによって、溶湯30の流動性ないし湯回り性が良好となる。その結果、薄肉成形時の成形圧力の低下や、充填不良の解消、成形体外観の向上などの効果が得られるのである。
【0032】
溶湯30が充分に冷却した後、図4に示すように、固定型1aに対して可動型1bを退動させることによって金型1を開き、複合成形体P1’を取り出す。この段階では、金属成形体には、ゲート部32やオーバーフロー部33など、最終製造物には不要な部位が一体となっている。したがって、カッターやプレスなどを用いて、図4に示す破線に沿って複合成形体P1’を切断し、これら不要部位が切り離される。その結果、金属成形体P1が得られる。
【0033】
図5〜図8は、本発明の第2の実施形態を表す。図5は、本実施形態に係る金属板10の斜視図である。この金属板10は、直角に屈曲しており、主板部15と副板部16とからなる。主板部15は、第1の面15aおよび第2の面15bを有する。金属板10について、例えば、横幅L1は100mm、縦幅L2は50mm、高さL3は2.0mm、板厚L4は0.3mmである。本実施形態では、金属板10は、例えば純度99.99%の亜鉛(Zn)よりなる。
【0034】
図6は、第2の実施形態に係る金属成形体製造方法の一の工程を表す断面図である。本工程では、金属板10を金型1の内部の所定箇所に配設した後、当該金型1を型締めする。このとき、キャビティ20に臨む金型面に予め形成されている所定の溝部1dに対して金属板10の副板部16を圧入し、これによって金属板10を金型1に対して固定する。金属板10における主板部15の第1の面15aが金型1に接し、第2の面15bがキャビティ20に露出するように、金属板10は配設される。また、キャビティ20には、ゲートスペース21およびオーバーフロースペース22が含まれる。本工程では、更に、溶湯30を、鋳込スリーブ2内に用意する。
【0035】
次に、図7に示すように、鋳込スリーブ2に摺動自在に嵌合するプランジャ(図示略)によって、溶湯30を所定の圧力でキャビティ20に射出する。本実施形態では、溶湯30は例えばマグネシウム合金である。マグネシウム合金としては、例えばAZ91D(ASTM規格)を用いることができる。AZ91Dは、おおよそ、Alを9wt%、Znを1wt%、Mgを90wt%含む。このときの金型1の温度は、溶湯30の種類に応じて150〜300℃の範囲とする。溶湯30は、キャビティ20におけるゲートスペース21を経て金属板10に到達する。金属板10に到達した溶湯30は、金属板10の少なくとも一部を溶融する。金属板10の少なくとも一部が溶湯30に溶け込むことによって、溶湯30中のZn存在比が増加し、溶湯30の凝固温度が降下する。そして、凝固しにくくなった溶湯30は、オーバーフロースペース22に充填される。その後、溶湯30が冷却固化することによって、金属板10と一体となった鋳造製品部31が成形される。その結果、複合成形体P2’が形成される。
【0036】
複合成形体P2’が充分に冷却した後、固定型1aに対して可動型1bを退動させることによって金型1を開き、複合成形体P2’を取り出す。この段階では、金属板10に融着する鋳造製品部31には、ゲート部32やオーバーフロー部33など、最終製造物には不要な部位が一体となっている。
【0037】
このようにして一連の成形作業が完了すると、次に再度新しい金属板10をキャビティ20に配設した後、固定型1aと可動型1bとを互いに密着させる。以降、上述した工程を繰り返すことによって複数個の金属成形体が製造される。
【0038】
図8は、第2の実施形態により製造された複合成形体P2’の平面図である。複合成形体P2’は、金属成形体P2としての鋳造製品部31と、ゲート部32と、オーバーフロー部33とからなる。金属板10は、上述の射出工程においてその一部または全体が溶湯30に対して溶け込むので、鋳造製品部31は、図8の斜線領域において、金属板10の一部の形態を伴っている場合もあるし、伴っていない場合もある。
【0039】
鋳造製品部31は、複合成形体P2’の略中央に配置している。鋳造製品部31について、例えば、横幅L5は100mm、縦幅L6は150mm、厚みは0.8mmである。ゲート部32は、上述のキャビティ20において溶湯30を適切に誘導するために下流方向に広がるゲートスペース21に対応する三角形状をしている。このゲート部32とオーバーフロー部33は、カッターやプレスなどを用いて、更なる工程で、切り取られる。
【0040】
本実施形態では、図7を参照して上述した射出工程において、溶湯30としてのマグネシウム合金が金属板10と接触した後、金属板10の少なくとも一部が溶湯30に溶け込み、これらが合金化することによって、溶湯30自体の凝固温度ないし固相温度が降下し、溶湯30の湯回り性が向上する。より具体的には、本実施形態に係る製造プロセスにおいては、溶湯30が凝固する温度は、キャビティ20において金属板10の上流側よりも下流側で低くなる。そのため、溶湯30がキャビティ20の末端部にまで充分に行き渡るようになる。その結果、薄肉の金属成形体が良好に形成される。
【0041】
本実施形態では、金属板10を平板形状の鋳造製品部31に接するように設けた。ただし、金属板10は、そのような鋳造製品部31に限らず、溶湯30が流れ難くなる部位、例えばボス部、リブ部、曲折部、狭間部の上流または周囲に適宜設けてもよい。このような構成によっても、溶湯30に金属板10が溶け込むことに基づく上述の効果を得ることができる。また、本実施形態では、Znからなる金属板10を設けた。しかし、使用される溶湯30の組成とは異なる組成であって、溶湯30に溶け込むことによって溶湯30の凝固温度ないし固相温度を降下させる組成であれば、いずれの組成の金属板10でも使用可能である。例えば、溶湯30に溶け込むことによって溶湯30の凝固温度ないし固相温度を降下させる組成のアルミニウム合金、マグネシウム合金、亜鉛合金、スズ合金などを用いることができる。
【0042】
【実施例】
次に、本発明の実施例について、比較例とともに記載する。実施例1〜7は、上述の第1の実施形態に対応し、実施例8は、第2の実施形態に対応する。
【0043】
【実施例1】
<潤滑剤の調製>
潤滑液材としてのシリコーンオイル(商品名:KF54、信越化学工業製)に対して、粒径が約20μmの亜鉛粒子(商品名:R粉末、白水化学工業製)を5wt%の含有率となるように添加および混合することによって、本実施例の潤滑剤を調製した。本実施例の亜鉛粒子は、気化冷却を経て製造されたものである。
【0044】
<成形体の作製>
鋳造金属としてMg合金(AZ91D)を採用し、小型の成形装置50を使用してサンプル成形板を作製した。図9は、当該成形装置50の概略図である。成形装置50は、真空チャンバ51と、これに連結された真空ポンプ52とを備える。真空チャンバ51内には、るつぼ53および金型54が設置されている。るつぼ53には、加熱ヒータ55が付設されている。るつぼ53は、加熱ヒータ55とともに金型54の方向に傾斜することが可能なように設けられている。金型54は、長さ60mm×幅10mm×厚さ3mmの板材を成形するためのキャビティ54aを規定するものである。
【0045】
本実施例のサンプル成形板の作製に際しては、まず、上述のようにして調製した潤滑剤をビーカ中で攪拌器により攪拌しつつ、型開きしている金型54のキャビティ規定面に対して、当該潤滑剤をエアスプレーを用いて噴霧した。このとき、金型温度は130℃とし、噴霧量は1ml/cm2とした。るつぼ53には、図9に示すように、Mg合金(AZ91D)の小ブロックを挿入した。次に、真空度が10-4Torrに到達するまでチャンバ内を減圧し、その後、鋳造金属が溶融してその表面温度が約650℃になるまでるつぼ53を加熱し、溶湯を用意した。次に、るつぼ53を傾けて、金型54の注入口54bからキャビティ54aへ溶湯を注いだ。金型54内の鋳造金属を充分に冷却した後、金型54から成形体を取出した。このようにして作製されたサンプル成形板について、注入口54bからの溶湯の流動長を測定するとともに、外観を観察した。外観観察については、本実施例ならびに下記の実施例および比較例において、ひけや湯しわ等の欠陥が無い場合を◎、1〜3箇所の欠陥がある場合を○、4箇所以上の欠陥がある場合を△として評価した。本実施例の結果は表1に掲げる。本実施例に係る潤滑剤およびこれに含まれる潤滑粒材についても、表1に併記する。
【0046】
【実施例2,3】
亜鉛粒子の含有率を5wt%に代えて15wt%(実施例2)または30wt%(実施例3)とした以外は実施例1と同様にして、本実施例の潤滑剤を調製した。これら潤滑剤を用いて、各々、実施例1と同様にして、サンプル成形板を作製して流動長測定および外観観察を行った。これらの結果は表1に掲げる。
【0047】
【実施例4】
潤滑液材としてのシリコーンオイル(商品名:KF54、信越化学工業製)に対して、粒径20μmのZn−Sn合金粒子(組成比Zn:Snは9:1)を15wt%の含有率となるように添加および混合することによって、本実施例の潤滑剤を調製した。本実施例のZn−Sn合金粒子は、亜鉛とスズを合金化した後に、当該合金を冷凍粉砕したものであって、約20μmの粒径を有するものである。このようにして調製した潤滑剤を用いて、実施例1と同様にして、サンプル成形板を作製して流動長測定および外観観察を行った。これらの結果は表1に掲げる。
【0048】
【実施例5】
潤滑液材としての水性エマルジョン系離型剤(商品名:キャスターエース、日米製)に対して、粒径20μmのZn−Sn合金粒子(組成比Zn:Snは7:3)を15wt%の含有率となるように添加および混合することによって、本実施例の潤滑剤を調製した。本実施例のZn−Sn合金粒子は、亜鉛とスズを合金化した後に、当該合金を冷凍粉砕したものであって、約8μmの粒径を有するものである。このようにして調製した潤滑剤を用いて、実施例1と同様にして、サンプル成形板を作製して流動長測定および外観観察を行った。これらの結果は表1に掲げる。
【0049】
【実施例6】
<潤滑剤の調製>
潤滑液材としてのシリコーンオイル(商品名:KF54、信越化学工業製)に対して、複合粒子を15wt%の含有率となるように添加および混合することによって、本実施例の潤滑剤を調製した。本実施例の複合粒子の製造においては、まず、熱可塑性樹脂であるポリプロピレンを加熱溶融し、これに対して、粒径約20μmの亜鉛粒子を添加および混合した。混合比は、亜鉛粒子:ポリプロピレンを6:4(重量比)とした。次に、この混合物を冷凍した後、所望の程度にまで冷凍粉砕した。このようにして作製した本実施例の複合粒子は、約20μmの粒径を有する亜鉛粒子と、これを被覆するポリプロピレンとからなる。
【0050】
<成形体の作製>
上述のようにして調製した潤滑剤を用い、且つ、当該潤滑剤を塗布する際の金型温度を130℃に代えて180℃とした以外は実施例1と同様にして、サンプル成形板を作製して流動長測定および外観観察を行った。これらの結果は表1に掲げる。
【0051】
【実施例7】
潤滑液材として、シリコーンオイルに代えて水性エマルジョン系離型剤(商品名:キャスターエース、日米製)を用いた以外は実施例6と同様にして、本実施例の潤滑剤を調製した。この潤滑剤を用いて、実施例1と同様にして、サンプル成形板を作製して流動長測定および外観観察を行った。これらの結果は表1に掲げる。
【0052】
【比較例1】
潤滑剤として、亜鉛粒子が添加されたシリコーンオイルに代えて、シリコーンオイル(商品名:KF54、信越化学工業製)のみを用いた以外は実施例1と同様にして、サンプル成形板を作製した。このサンプル成形板について、実施例1と同様にして、流動長を測定し、外観観察を行った。これらの結果は表1に掲げる。
【0053】
【比較例2】
潤滑剤として、亜鉛粒子が添加されたシリコーンオイルに代えて、水性エマルジョン系離型剤(商品名:キャスターエース、日米製)のみを用いた以外は実施例1と同様にして、サンプル成形板を作製した。このサンプル成形板について、実施例1と同様にして、流動長を測定し、外観観察を行った。これらの結果は表1に掲げる。
【0054】
【表1】
Figure 0003723522
【0055】
【実施例1〜7および比較例1,2の評価】
表1を参照すると、実施例1〜7は、溶湯の流動長すなわち湯回り性において、比較例1,2よりも優れているのが理解できよう。特に実施例2,4,6は、同一の潤滑液材を使用した比較例1に対して、流動長が50%以上向上しており、実施例5,7は、同一の潤滑液材を使用した比較例2に対して、流動長が50%以上向上している。また、複合粒子を用いた実施例6,7は、そうでない実施例1〜よりも更に湯回り性が向上した。外観については、実施例1〜7では、金属光沢を有する成形体が得られたが、比較例1,2では、成形体表面に艶がなかった。
【0056】
【実施例8】
<ダイカスト成形>
金属板としての亜鉛板(Zn純度99.99%、横幅100mm、縦幅50mm、高さ2mm、板厚0.3mm)をダイカスト機の金型内に配設した。そして、金型を閉じ、630℃の溶融状態にあるMg合金(ASTM規格のAZ91D)を射出した。このときの金型温度は250℃とし、加圧圧力を70kgf/cm2とし、射出速度を2.0m/sとした。溶融状態にあるMg合金がキャビティに設けられた亜鉛板と接すると、亜鉛板のZnは、全て溶融してMg合金に溶け込んだ。自然冷却の後、型開きして成形体を得た。このようにして、サンプル成形体を100個製造した。
【0057】
<製品検査>
上述のようにして得られた金属成形体を製品検査に付した。検査は、製品表面の未充填部分の発生、具体的には割れ、欠け、しわ、凹凸等の有無を目視にて判定した。その結果、亜鉛板が用いられる本実施例においては、未充填部分を生じている不良製品は0個であった。
【0058】
【比較例3】
金属板としての亜鉛板を用いない以外は、実施例8と同様にしてサンプル成形体100個を製造した。そして、これらについて、実施例8と同様の基準で、製品検査を行った。その結果、亜鉛板が用いられない本比較例においては、未充填部分を生じている不良製品は67個であった。
【0059】
以上のまとめとして、本発明の構成およびそのバリエーションを以下に付記として列挙する。
【0060】
(付記1)溶融金属に溶け込むことによって当該溶融金属の凝固温度を降下させる組成を有する金属材料を金型内に設けるための予備工程と、
前記溶融金属を前記金型内に射出することによって鋳造部を形成するための成形工程と、を含むことを特徴とする、金属成形体製造方法。
(付記2)前記金属材料は金属粒子であって、前記予備工程では、当該金属粒子を含む潤滑剤が金型のキャビティ規定面に塗布され、前記成形工程では、前記溶融金属は、少なくとも一部の前記金属粒子を融解可能な温度で射出される、付記1に記載の金属成形体製造方法。
(付記3)前記金属粒子は、熱可塑性樹脂により被覆されている、付記2に記載の金属成形体製造方法。
(付記4)前記熱可塑性樹脂は、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂からなる群より選択される樹脂である、付記3に記載の金属成形体製造方法。
(付記5)前記金属粒子の粒径は1〜100μmである、付記2から4のいずれか1つに記載の金属成形体製造方法。
(付記6)前記潤滑剤における前記金属粒子の含有率は、5〜30wt%である、付記2から5のいずれか1つに記載の金属成形体製造方法。
(付記7)前記金属材料は金属板であって、前記予備工程では、当該金属板は金型のキャビティ規定面に配設され、前記成形工程では、前記溶融金属は、前記金属板の少なくとも一部を融解可能な温度で射出される、付記1に記載の金属成形体製造方法。
(付記8)前記金属粒子または前記金属板は、亜鉛または亜鉛合金よりなり、前記溶融金属は、マグネシウムまたはマグネシウム合金である、付記2から7のいずれか1つに記載の金属成形体製造方法。
(付記9)前記亜鉛合金は、60〜95wt%の亜鉛と、5〜40wt%のスズとからなる、付記8に記載の金属成形体製造方法。
(付記10)付記1から9のいずれか1つの方法により成形されたことを特徴とする、電子機器筐体。
【0061】
【発明の効果】
本発明によると、溶融金属により溶融される金属粒子または金属板を用いて当該溶融金属の凝固温度を制御することによって、溶融金属の湯回り性を向上することができる。また、金属粒子を用いる場合には、溶融金属と金型のキャビティ規定面との間に生ずる摩擦が低減することによっても、溶融金属の湯回り性が向上する。これらの結果、本発明によると、未充填部分が発生するのを防止して高品質の薄肉金属成形体を得ることが可能となる。このような金属成形体は、軽量性に優れた電子・電気機器筐体として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る金属成形体製造方法の一の工程を表す。
【図2】図1に続く工程を表す。
【図3】図2に続く工程を表す。
【図4】図3に続く工程を表す。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る金属成形体製造方法に用いられる金属板の斜視図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る金属成形体製造方法の一の工程を表す。
【図7】図6に続く工程を表す。
【図8】第2の実施形態により製造された金属成形体の平面図である。
【図9】実施例および比較例で使用した成形装置の概略図である。
【符号の説明】
P1,P2 金属成形体
P1’,P2’ 複合成形体
L 潤滑剤
10 金属板
15 主板部
16 副板部
20 キャビティ
30 溶湯
31 鋳造製品部

Claims (5)

  1. 溶融金属の温度より低い融解温度を有し、且つ、当該溶融金属に溶け込むことによって当該溶融金属の凝固温度を降下させる組成を有する、溶融金属湯回り性向上用の金属材料を、金型内に設けるための予備工程と、
    前記溶融金属を前記金型内に射出することによって鋳造部を形成するための成形工程と、を含むことを特徴とする、金属成形体製造方法。
  2. 前記金属材料は金属粒子であって、前記予備工程では、当該金属粒子を含む潤滑剤が金型のキャビティ規定面に塗布される、請求項1に記載の金属成形体製造方法。
  3. 前記金属粒子は、熱可塑性樹脂により被覆されている、請求項2に記載の金属成形体製造方法。
  4. 前記金属材料は金属板であって、前記予備工程では、当該金属板は金型のキャビティ規定面に配設される、請求項1に記載の金属成形体製造方法。
  5. 前記金属粒子または前記金属板は、亜鉛または亜鉛合金よりなり、前記溶融金属はマグネシウムまたはマグネシウム合金である、請求項2から4のいずれか1つに記載の金属成形体製造方法。
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