JP4220202B2 - コンテンツ選択支援装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタル放送やブロードバンド放送などで視聴可能なチャンネル若しくはコンテンツが多数ある場合に、視聴者のコンテンツ選択または選局動作を支援するシステム、その方法、およびそれらを組み込んだ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、視聴者は、新聞の番組欄から視聴を希望する番組を選択し、放送受信機であるテレビのチャンネルを選択した番組を放送している局に合わせることで放送番組を視聴していた。これに対して、近年、一部のアナログテレビ放送受信機や、デジタルテレビ放送受信機では、放送の一部として提供されている電子番組表と呼ばれるElectric Program Guide(以後「EPG」と称す)を利用することにより、視聴者は新聞の番組欄を見る必要なく希望の番組を選択、予約、或いは録画できるようになった(特許文献1参照)。これは、放送受信機による視聴者の選局行動の支援ということができる。
【0003】
また、デジタル放送の普及に伴って、視聴できる番組の数が数百チャンネルにもなると、上記のEPGだけでは、視聴者の選局行動を支援することができない。これに対して、ジャンル別検索や、番組の検索によって、視聴者の選局を支援しようとする技術が提案されている(特許文献2、3参照)。
しかしながら、これらの発明は、膨大な視聴可能番組の中から視聴者が未だ見たことのない番組の選局を効果的に補助するに十分な手段を提供するものではない。
【0004】
そこで、視聴者の典型的な嗜好傾向に基づいて番組検索の支援を行なおうとする発明がされている(特許文献4、5参照)。
これらの発明を総合した概略は、以下のようであると説明できる。図19にデジタル放送受信機(以下「放送受信機」と言う。)のハード的な基本的な構成を示す。放送受信機1900は、少なくとも、アンテナ1912、チューナ1914、TSデコーダ1916、AVデコーダ1918、表示制御器1920、表示機1922、入力器1926、記録装置1928、および制御器1950を含む。
【0005】
アンテナ1912で受信した放送波をチューナ1914で受信し、TSデコーダ1916で、コンテンツの実体である映像音声データとコンテンツに関する付加情報である番組情報Ipに分離する。AVデコーダ1918は映像音声データを映像信号および音声信号にデコードする。なお、コンテンツの受信は放送波を通じた場合だけでなく、インターネットを介して取得してもよい。
なお、分離された番組情報Ipは、制御器1950を介して記録装置1928に蓄積される。これらの番組情報Ipは制御器1950で加工された後に、放送受信機1900によって上記の映像信号等と合成され、そして表示器に表示される。
【0006】
図20に、放送受信機1900に組み込まれている、番組選局支援に係わる部分について、ソフトウェアを主体とした構成を示す。すなわち、放送受信機1900の制御器1950の内部には、放送される番組の情報を管理する番組表管理部Aptがソフトウェアで構成されている。番組表管理部Aptは、番組抽出部2010、番組情報取得部2020、番組表作成部2030を含む。番組情報取得部2020は、TSデコーダ1916から番組情報Ipを取得する。番組情報取得部2020は、取得した番組情報Ipを記録装置1928に出力する。
【0007】
記録装置1928は、番組情報蓄積部2042と抽出番組蓄積部2044を含む。番組情報蓄積部2042は、番組情報取得部2020から入力される番組情報Ipを蓄積する。抽出番組蓄積部2044は、番組情報蓄積部2042に蓄積されている複数の番組情報Ipから、番組抽出部2010によって抽出された番組情報Ipを蓄積する。
【0008】
番組表作成部2030は、番組情報蓄積部2042および抽出番組蓄積部2044から番組情報Ipを読み出す。さらに、番組表作成部2030は、読み出した同番組情報Ipを並べ替えたり、組み合わせたりして加工し、番組表を作成する。そして、番組表作成部2030は、作成した番組表を表示制御器1920を介して表示器1922に表示させる。番組抽出部2010は、ジャンル検索部2012とキーワード検索部2014を含む。ジャンル検索部2012およびキーワード検索部2014は、番組のジャンルWgやキーワードWkで、記録装置1928の番組情報蓄積部2042に記録された番組情報Ipを検索し、抽出する。
【0009】
以下に、番組表管理部Aptの番組情報の抽出および番組表作成について簡単に説明する。番組情報取得部2020は、TSデコーダ1916から番組情報Ipを取得し、記録装置1928の番組情報蓄積部2042に記録させる。番組抽出部2010は、ジャンル検索部2012やキーワード検索部2014を用いて、番組情報蓄積部2042に記録された番組情報Ipから所望の番組に関するデータを抽出して、抽出番組蓄積部2044に記録させる。
【0010】
番組表作成部2030は番組情報蓄積部2042や抽出番組蓄積部2044に記録されたデータから番組表を作成し、表示制御器1920を介して表示器1922に表示させる。また、番組表作成部2030は、番組抽出部2010から、直接に抽出された番組を受け取る場合もある。
これら番組情報取得部2020、番組抽出部2010、番組表作成部2030は主としてプログラムによってソフトウェアとして構成される場合が多いが、ハードウェアで構成してもよいことは言うまでもない。
【0011】
図21に、上述の番組表管理部Aptによる番組抽出の概念を模式的に示す。同図において、符号2110は、放送される番組情報Ipの集合を表す。同図において、番組情報の集合2110には、縦6横6の合計36のブロックを含み、これらブロックのそれぞれが1つの番組情報Ipを表しているとする。つまり、番組情報の集合2210は、放送チャンネルを意味する縦軸と、放送時間を意味する横軸の2次元の並びで表される。
【0012】
個々の番組情報(ブロック)には、キーワードWkやジャンルWg等の番組の内容に関する情報が含まれている。番組抽出部2010は、そのようなジャンルWgやキーワードWkに基づいて、個々の番組が検索の条件に合致しているか否かを判定し、合致したものを抽出した番組情報とする。
符号2120は、番組抽出部2010により番組が抽出された後の番組情報の集合を示す。同図において、斜線が附されているブロックが、番組抽出部2010によって抽出された番組を表している。なお、同図では再び2次元の並びに置き換えた状態を示しているが、抽出された番組情報Ipを羅列することもできる。
【0013】
【特許文献1】
特開昭63−181577号公報
【特許文献2】
特開昭62−060377号公報
【特許文献3】
特開平04−213984号公報
【特許文献4】
特開平10−162025号公報
【特許文献5】
特開平10−162028号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、番組数が数百チャンネルにもなると、2次元EPGに基づいて逐次視聴しながら番組確認をしていたのでは、選局だけですら膨大な時間を要する。ましてや、ブロードバンドなどで、大量のコンテンツのオンデマンドサービスが行われるようになると、コンテンツを選択することですら容易でない。
また、ジャンル別に表示をするとしても、番組数が多ければやはり選局に時間がかかるし、他のジャンルにより興味のある番組がある場合には、それを見逃すことにもなる。
視聴者の嗜好に合わせた選局支援のための装置や方法は今後益々必要性が高まると考えられる。
【0015】
ところが個々人の嗜好の程度という数値化しにくい尺度に基づいて、選局を支援すること事態が、そもそもが困難なことである。また、同じ個人であっても、嗜好の程度が段々変化したりする。このような同一個人の経時的変化に対応するには、視聴者に特別な入力操作を要求せざるを得ない。
【0016】
よって、本願発明は番組と共に送信されてくる番組付加情報、視聴者の基本的な嗜好意思、および視聴者の視聴履歴を活用することにより、視聴者の最新の嗜好を分析し、多くの番組の中からその嗜好に合致する番組を抽出して、視聴者に提示することで、視聴者の番組選局を支援する方法および装置を提供するものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
チャンネルと放送時間という2次元の枠組みで定められる番組情報を、放送番組情報の内容に基づいて、視聴者の嗜好の程度に対応した点数付けを行うことで、点数の順番という1次元の配列に置き換え、その点数が一定値以上であった番組を視聴者の好みの番組であると判断し、視聴者に提示する。
番組情報に含まれる番組情報パラメータ(出演者、ジャンル、放送日時等)に対して、視聴者がどの程度その番組情報パラメータを重視するかという重要度と、視聴履歴中の各番組パラメータにおいて、そのパラメータ要素に対するランキング順位を求め、選局対象になっている番組の番組パラメータに対する視聴者の重要度と、その番組に属する番組パラメータの構成要素のランキング順位から得られるランキングポイントとの互乗和を求めることで、視聴者の嗜好の程度に対応した点数を与え、所定の閾値との比較で視聴者の嗜好に合致したか否かを判断する。
【0018】
【発明の実施の形態】
先ず、図1および図2を参照して、本発明にかかるコンテンツ選択支援システムを組み込んだ放送受信機について説明する。なお、本実施の形態における放送受信機のハードウェア的構成は、図19を参照して詳述した放送受信機1900と同じであるので説明を省く。
図1に示すように、本発明にかかる番組表管理部Actは、図19に示した番組表管理部Aptにおいて、番組表作成部2030が番組表作成部130に置き換えられると共に、番組抽出部2010が嗜好番組抽出部110に置き換えられて構成されている。よって、番組表管理部Actに固有の特徴に重点を置いて説明すると共に、特に必要がない限り番組表管理部Aptと共通の特徴についての説明を省く。
【0019】
なお、本明細書においては、放送受信機を例に説明するが、番組や番組情報の入手は得に放送に限定するものではなく、ブロードバンドなどの通信を通じて取得する場合にも本発明は適用できることは言うまでもない。すなわち、本発明では、ある特定の放送チャンネルで特定の放送時間に受信できるコンテンツを「番組」そしてその番組に関する情報を「番組情報」として説明するがこれらだけに限定されるものではない。従って、通信線若しくは通信波を通じて、予め決められた「チャンネル」や「放送時間」に拘束されることなく取得する「コンテンツ」、若しくは予め容量の大きな記録装置に記録された「コンテンツ」も本願の「番組」に含めることができる。そして、それらの番組に関する情報を番組情報とすることで、本願の選択支援を適用することができる。
【0020】
嗜好番組抽出部110は、嗜好採点部112および嗜好判定部114を含む。嗜好採点部112には、記録装置1928の番組情報蓄積部2042に蓄積されている番組情報Ipが入力される。そして、嗜好採点部112は、入力された個々の番組情報Ipに対する視聴者の嗜好の程度を採点し、その点数となる番組嗜好度EIDを対応する番組情報Ipに付与する。
嗜好判定部114は、嗜好採点部112から、個々の番組情報Ipとその番組情報Ipに対する番組嗜好度EIDとが一対となったデータを受け取る。嗜好判定部114には、内部に予め設定されている閾値dより番組嗜好度EIDの方が大きければ、視聴者の嗜好に合致する番組であると判定し、番組表作成部130へその番組情報Ipと番組嗜好度EIDを通知する。または、抽出番組蓄積部2044に報Ipと番組嗜好度EIDを記録させる。
【0021】
図2を参照して、番組情報Ipの流れという観点から上述の処理について説明する。符号2110は、上述の図21に示した番組情報Ipの集合であり、放送チャンネルを意味する縦軸と、放送時間を意味する横軸の2次元の並びで表される。番組情報Ipの集合2110は、記録装置1928の番組情報蓄積部2042から読み出されて、嗜好番組抽出部110に入力される。
【0022】
嗜好番組抽出部110の嗜好採点部112は、番組情報Ipの集合2110に含まれる個々の番組情報に対して、番組嗜好度という点数を付与して順位付けする。符号212は、嗜好採点部112による順位付けを表している。
【0023】
符号214は、その点数に従って番組情報の集合2110に含まれるすべての番組情報が1列に並べられた状態を示している。このように番組嗜好度という点数順に並べることで、放送チャンネルと放送時間という2次元の情報であった番組情報Ipが、番組嗜好度順という1次元の情報に再編成される。
【0024】
嗜好判定部114の閾値格納部216には、番組嗜好度に対する閾値dが設定されており、この閾値dを境にして番組が視聴者の嗜好に合致するか否かを判定する。視聴者の嗜好に合致すると判定された番組が、嗜好番組抽出部110による抽出対象として認定される。符号218は、このように抽出対象として認定された番組を示している。
【0025】
符号220は嗜好番組抽出部110によって視聴者の嗜好に合致すると判断された番組情報Ipを、再度、放送時間と放送チャンネルという2次元の情報に戻した状態を示している。斜線の部分が抽出された番組情報を示す。なお、この視聴者の嗜好に基づいて抽出された後の番組情報の集合220は、図21に示した抽出後の番組集合と同様にみえるが、抽出された番組情報(斜線部)の抽出基準およびその過程が全く違うことは上述の通りである。つまり、嗜好番組抽出部110によって選別された結果はジャンルもキーワードも統一的ではないが、視聴者の嗜好に合致したという基準で抽出されている点が従来技術と大きく異なる点となる。
また、本実施の形態においては放送受信機を例にしているため、図2で示される放送時間と放送チャンネルという2次元で表される番組情報Ipからの選局支援を例示して説明しているが、大容量の蓄積媒体に記録されたコンテンツだけからなる、若しくは放送時間と放送チャンネル以外の項目によって並べられた集合に対しても、それらコンテンツの内容に関する情報を番組情報とみなすことによって、視聴者の嗜好に合致したコンテンツの選択を支援することもできる。
【0026】
次に図3、図4、図5、図6、図7、図8、図9、図10、図11、および図12を参照して、嗜好番組抽出部110に含まれる嗜好採点部112の構成およびそれら構成要素の動作について説明する。
図3に示すように、嗜好採点部112は、番組嗜好度計算部310、ランキング表作成部320、視聴履歴蓄積部322、および個人評価基準部330を含む。視聴履歴蓄積部322は、視聴者の視聴した番組の番組情報Ipを蓄積する。
【0027】
次に、図4を参照して、番組情報に関する定義について説明する。任意の番組Pには、番組名、出演者名、番組のジャンル、放送チャンネル、および放送時間といった番組情報Ipが番組の放送に先んじて、若しくは番組の放送と同時に付加情報として放送事業者から送信されてくる。この番組情報Ipは、放送電波以外の取得手段、例えばインターネットや着脱可能な記憶媒体などを介して、入力されてもよい。
【0028】
これらの番組情報Ipを構成する事項を番組情報パラメータPipと呼ぶ。従って、番組名や、出演者名は番組情報パラメータPipである。次に番組情報パラメータPipの実体をパラメータ要素Epと呼ぶ。従って、出演者名「A」や番組名「ナショナルショー」はそれぞれ出演者および番組名という番組情報パラメータPipに属するパラメータ要素Epである。
【0029】
図3に戻って嗜好採点部112の動作について概略を説明する。嗜好採点部112には、番組情報蓄積部2042から番組情報Ipが入力され、その番組情報Ipxに対して番組嗜好度EIDxが計算され、番組情報Ipとそれに対する番組嗜好度EIDが出力される。
次に嗜好採点部112を構成するランキング表作成部320、視聴履歴蓄積部322、番組嗜好度計算部310、および個人評価基準部330について、詳細に説明をする。
ランキング表作成部320は、視聴履歴蓄積部322に蓄積されている個々の番組情報Ipの中から同一の番組情報パラメータPipについてパラメータ要素Epの集計を行い、そのランキング表TRを作成する。すなわち、視聴者の視聴履歴を視聴者の嗜好度判断の材料の1つとする。
【0030】
図5を参照して、このランキング表作成部320の動作について説明する。なお、説明の簡便化のために、番組情報Ipの出演者T、ジャンルG、放送日時Bの3つの番組情報パラメータPipを用いて視聴者の番組嗜好度を求めるものとする。もちろん、これら以外の番組情報パラメータPipを用いてもよい。
番組情報Ipは出演者T、ジャンルG、放送日時BからなるものとしてIp(T、G、B)と表わされる。視聴履歴蓄積部322にはn(nは自然数)個の番組があったとする。P、T、G、Bの後ろに番組毎のパラメータであることを区別するために数字を付ける。
【0031】
図5(a)に示すように、視聴履歴蓄積部322にはIp1(T1、G1、B1)、Ip2(T2、G2、B2)、・・・Ipn(Tn、Gn、Bn)のn個の番組情報がある。なお、図4で例示したように、出演者Tなる番組情報パラメータPipには、複数のパラメータ要素Epである出演者(例えば「A」、「B」等)が含まれていても構わない。
ランキング表作成部320は、この中で出演者Tという番組情報パラメータPipだけを抜き取り、その中のパラメータ要素Epの重複度合いを計算する。すなわち、T1からTnまでの中で、「Ta」という出演者の出現回数が最も多いとするとこの「Ta」という出演者のランキングを1位とする。
【0032】
図5(b)に、上述の出現回数を集計した結果であるランキング表TRの例を示す。同図においては、他の番組情報パラメータPipであるジャンルGや放送時間帯Bについても同様にランキング表TRに掲載された状態を示している。便宜上1位に「a」、2位に「b」等の文字を接尾辞として附加しているが、「Ta」と「Ga」は必ずしも同じ番組情報Ipを構成するパラメータ要素Epであるとは限らない。具体的には、「Ta」は「T3」であり、「Ga」は「G6」であることがあり得る。
【0033】
ランキング表作成部320は、このように生成されたランキング表TRに基づいてランキングポイントRPを付与する。ランキングポイントRPとは、ランキングの1位には9ポイント、2位には8ポイント、・・・10位は0(ゼロ)ポイント、それ以下はマイナス1ポイントといったように付与する。このパラメータ要素EpとランキングポイントRPの関係を示すのがランキング表TRであり、ランキング表作成部320はこのランキング表TRを作成する。
【0034】
このように、ランキング表TRは、視聴者が過去に視聴した番組の番組情報パラメータPip毎に、視聴者が番組を見た頻度に応じて、番組パラメータ要素Epに対して順位付けがされ、その順位に応じてポイントが付与された関係を示すものである。なお、本実施の形態においては、順位付けたパラメータ要素EpにランキングポイントRPとして9点等が与えられているが、特にこの「9」に限定されるものではなく、適宜設計的に変更して構わない。
【0035】
このランキング表TRは、視聴履歴蓄積部322に一定期間に渡って蓄積されたn個の番組情報Ipに基づいて求められる。例えば、最新の1週間における視聴履歴の如くである。従って、期間を適宜決めることで視聴者が遠い昔に視聴した番組の視聴履歴が、視聴者の嗜好度の判断に与える影響を調整することができる。そして、視聴者の嗜好が徐々に変化すると、そのような変化がランキング表TRに反映される。つまり、視聴者の嗜好評価であるランキング表TRの内容を、視聴者の嗜好の変化に追従することができる。放送受信機1900としては、ランキング表TRの更新という形で上記の動作が行なわれる。
【0036】
図6に示すフローチャートを参照して、ランキング表作成部320が行うランキング表TRの更新動作について説明する。ランキング表TRの更新は、放送受信機全体を制御する機器からの要求があった場合、視聴者の要求があった場合などに行われる。ランキング表更新のルーチンが開始されると、先ず、
ステップS612において、視聴履歴からn個の番組情報Ipが抽出される。これは、上述の如く、視聴履歴蓄積部322に一定期間内に蓄積された番組情報Ipをn個取得することである。そして、制御は次のステップS614に進む。
【0037】
ステップS614において、特定の番組情報パラメータPipが抽出される。例えば番組情報Ip1から番組情報Ipnの出演者Tという番組情報パラメータPipが抽出される。そして、制御は次のステップS616に進む。
【0038】
ステップS616において、番組情報パラメータPipを構成する集合中のあるパラメータ要素Epの数、例えば出演者T1の出現回数が調べられる。そして、制御は次のステップS618に進む。
【0039】
ステップS618において、上述のステップS616におけるパラメータ要素Epの出現回数の積算結果がランキング表TRに掲載される。ランキング表TRに、前回の調査に基づくパラメータ要素Epが掲載されている場合は、前回のパラメータ要素Epの出現回数と、今回のパラメータ要素Epの出現回数とが比較される。そして、前回のパラメータ要素Epと今回のパラメータ要素Epのすべてが出現回数順に並び替えられた状態で、ランキング表TRが再作成される。そして、制御は次のステップS620に進む。
【0040】
ステップS620において、すべてのパラメータ要素Epについてカウント(おけるステップS616)されたか否かが判断される。まだカウントしていないパラメータ要素Epがある場合は、制御は上述のステップS616に戻ってカウントを繰り返す。そして、すべてのパラメータ要素Epがカウントされた時点で、Yesと判断されて、制御は次のステップS622に進む。
【0041】
ステップS622において、すべて番組情報パラメータPipに関するランキング表TRの更新が完了したか否が判断される。完了していない場合、制御はステップS614に戻って特定の番組情報パラメータPipの抽出が継続される。本実施の形態においては、出演者T、ジャンルG、および放送時間Bについて更新が完了するまでステップS614からステップS622における処理が繰り返される。そして、完了した時点で、ランキング表TRの更新が終了する。
【0042】
次に図3に示した個人評価基準部330の動作について説明する。個人評価基準部330には、番組嗜好度を判断するための番組情報パラメータPipに対する、視聴者個人の興味の程度が予め入力される。例えば、出演者Tに関しては60%、ジャンルGに関しては10%、放送時間帯Bについては30%の如くである。これは、視聴者が番組情報パラメータPipのどの項目をどの程度重要視しているかという程度を表す割合である。
【0043】
しかし、視聴者自身も各番組情報パラメータPipの各項目に対してどの程度自分が重きを置いているかを判断しかねる場合も多い。そこで、本発明においては、個人評価基準部330は以下に示すような方法で各視聴者の各番組情報パラメータPipの各項目に対する思いを数値化する。この方法は一対比較と呼ばれ、3つ以上の複数の事項(項目)それぞれの重要度を数値化するための手法である。一度に、事項(項目)毎の重要性のパーセンテージを決めることができない場合に、その複数の事項(項目)を2つづつ取り出して比較を行うことで、全部の事項の重要度を数値化するものである。
【0044】
本実施の形態においては、3つのある番組情報パラメータPipから2つを取り出し、それらを比較して、「同じくらい」、「若干重要」、「重要」、「かなり重要」、「絶対的に重要」と分ける。そして、それぞれに1、3、5、7、9点といったように一対比較値VCを決める。
【0045】
図7に、上述の如く決められた、視聴者の感じる「程度」と一対比較値VCの関係を示す。例えば、番組情報パラメータPipの項目の2つである出演者TとジャンルGを左から順に並べ、図7に示す一対比較値表TCから一対比較値VCを選択する。一対比較値表TCに関して、「前」は2つ並べられた番組情報パラメータPipの左側を指すものとする。
【0046】
例えば出演者TとジャンルGでは、出演者Tの番組情報パラメータPipの方が重要であり、しかもかなり重要と考える場合には、一対比較値VCとしては7が得られる。反対にジャンルGの方が重要であり出演者Tは若干程度の重要さならば、一対比較値VCを1/3とする。これは、前者(出演者T)の方が後者(ジャンルG)より若干重要という判断に対しては一対比較値VCを3にしているので、判断が逆の場合は、一対比較値VCを逆数として得るものである。
【0047】
図7に示す例にでは、一対比較値VCの値として、1、3、5、7、および9などの数字が用いられているが、設計によって値を変更したり、図7に示す数字の間を補完するために偶数の数字を用いても構わない。
このようにして出演者TとジャンルG、ジャンルGと放送時間帯B、および放送時間帯Bと出演者Tとの間で視聴者が比較を行うことで、一対比較値VCが得られる。
【0048】
図8に、上述の如く得られた一対比較値VCを表として示す。同図において、縦軸は一対比較の前者を示し、横軸は一対比較の後者を示す。縦軸の出演者Tと横軸の出演者Tは同じ番組情報パラメータPipを比較しているので、一対比較値VCは「同じくらい」を表す1が設定される。縦軸のジャンルGと横軸のジャンルGの部分、および縦軸の放送時間帯Bと横軸の放送時間帯Bの部分にも同じく1が設定される。
【0049】
縦軸の出演者Tと横軸のジャンルGの部分には、それぞれをこの順で比較したときの一対比較値VCとしてαが設定される。また縦軸のジャンルGと横軸の放送時間帯Bの部分にはそれぞれをこの順で比較したときの一対比較値VCとしてβが設定される。同様に縦軸の放送時間帯Bと横軸の出演者Tの部分にはこの順で比較したときの一対比較値VCとしてγが設定される。以上のα、β、γは、視聴者自身の入力により、一対比較値表TCに基づいて設定される。
【0050】
残りの部分にはちょうど対角要素の逆数が、図示の毎の1/α、1/β、1/γがそれぞれ設定される。これは、縦軸の出演者Tと横軸のジャンルGの部分の一対比較値VCがαであるときに、縦軸のジャンルGと横軸の出演者Tをこの順で比較すれば、逆の答えになるからである。横軸毎に図に示す計算によって幾何平均値(相乗平均値)を求める。そして、それぞれの幾何平均値の総和SUMに対する割合を、視聴者の番組情報パラメータPipに対するPIP重要度wであるとする。総和SUMは(式1)で表される。ここでは、出演者T、ジャンルG、および放送時間帯BのそれぞれのPIP重要度wをtw、gw、およびbwとする。結果、tw、gw、bwはそれぞれ以下に示す(式2)、(式3)、および(式4)で表される。これらの式から明らかなようにtw、gw、およびbwの総和は常に1となる。
【0051】
【数1】
【0052】
【数2】
【0053】
【数3】
【0054】
【数4】
【0055】
このように、3つ以上の番組情報パラメータPipに対して、一対比較表TCを用意し、番組情報蓄積部2042に蓄積されている番組情報パラメータPipから任意の2つの番組情報パラメータPipを順次取り出しては比較する。そして、その比較に対して一対比較値VCを決め、所定の計算をすることで、視聴者はすべての番組情報パラメータPipに対する重要度の割合配分を意識することなく、それぞれの番組情報パラメータPipの各項目に対してPIP重要度wを割り当てることができる。
【0056】
図9に示すフローチャートを参照して、個人評価基準部の基準設定動作について説明する。個人評価基準部の基準設定動作は、放送受信装置にまだ個人評価基準が設定されていない場合や、視聴者による入力器からの指示によって起動する
【0057】
先ず、ステップS912において、カウンターの変数iが初期化される。本例においては、変数iは1に設定される。そして、制御は次のステップS914に進む。
【0058】
ステップS914において、視聴者の嗜好を判断するために用いる番組情報パラメータPip(i)およびPip(i+1)の2つが表示されると共に、これら2つの番組情報パラメータPipに対する視聴者による好みの程度の入力が促される。ここでは、出演者T、ジャンルG、および放送時間帯Bの3つの番組情報パラメータを用いて説明したが、どの番組情報パラメータPipを嗜好判断のために用いるかは、予め製造者が決めておくか、若しくは視聴者が選択できるようにしてもよい。
そして、制御は次のステップS916に進む。
【0059】
ステップS916において、上述のステップS914において表示された番組情報パラメータPipに対して視聴者が好みの程度を入力したか否かが判断される。視聴者が好みの程度を入力した時点で、制御は次のステップS918に進む。
【0060】
ステップS918において、変数iが1だけインクリメントされる。そして、制御は次のステップS920に進む。
【0061】
ステップS920において、変数iの値がnと同じか否かが判断される。つまり、n個の番組情報パラメータPipに対して、1つ前の番組情報パラメータとの間で一対比較がなされたか否かが判断される。変数iがnでない、つまり変数iがnより小さい場合には、制御は上述のステップS914に戻り、番組情報パラメータPipの表示(S914)、視聴者の一対比較による好み程度入力(S916)という手続きが繰り返される。 最後(n番目)の番組情報パラメータPipまで一対比較が終了したら、制御は次のステップS922に進む。
【0062】
ステップS922において、最後の番組情報パラメータPip(n)と最初の番組情報パラメータPip(1)が表示されると共に、これら2つの番組情報パラメータPipの各項目に対する視聴者による好みの程度の入力が促される。そして、制御は次のステップS924に進む。
【0063】
ステップS924において、視聴者による好みの程度の入力がなされたか否かが判断される。これは、上述のステップS914においては、連続する2つの番組情報パラメータPip(i)とPip(i+1)を比較しているので、最後の番組情報パラメータPip(n)と最初の番組情報パラメータPip(1)との比較は行えていないからである。そして、ステップS924における視聴者による好みの程度の入力が完了した時点で、制御は次のステップS926に進む。
【0064】
ステップS926において、図8に例示した一対比較値表TCに一対比較値VCを書き込まれると共に、PIP重要度wが算出される。
【0065】
図10に、ステップS914やステップS922における処理である一対比較の設定画面を例示する。符号1010、1020、1030、1041、1042、1043、1044、および1045はそれぞれ、一対比較設定画面MCにおける入力窓或いは表示窓を示している。
【0066】
具体的には、表示窓1010には、一対比較を行う番組情報パラメータPipの前者が表示され、表示窓1020には番組情報パラメータPipの後者が表示される。この状態で、後者に対して前者のPIP重要度wの程度を入力窓1041〜1045のそれぞれ提示されている「同じ」、「若干重要」、「重要」、および「かなり重要」の何れかを選択することにより「好みの程度」を入力して、一対比較を行う。
【0067】
なお、視聴者の入力のし易しさを考慮して、入力窓1030には、「前者」若しくは「後者」の何れかを選択して表示させることができるようにしている。これは、視聴者が後者の方が前者よりPIP重要度wが高いと感じたときは、入力窓1030に「後者」を入力し、それに対して入力窓1041〜1045に提示されている「好みの程度」を選択した方が分かり易いからである。この場合は集計の際に一対比較値VCの逆数を、前者の後者に対する一対比較値VCとすればよい。
【0068】
また、この入力画面を入力し終わったら、前者の欄の表示窓1010の表示は「出演者」から「ジャンル」に変更される。同様に、後者の表示窓1020の表示は「ジャンル」から「放送時間」に変更される。
【0069】
図3に戻って、引き続き、嗜好採点部112の動作について説明する。上述の如く、ランキング表作成部320からは、番組情報パラメータPipのパラメータ要素Epに関するランキングとそれに付与されるランキングポイントRPの関係を示すランキング表TRが番組嗜好度計算部310へ送られる。
【0070】
また、個人評価基準部330からは、視聴者が各番組情報パラメータPipをどの程度重要視しているかを示すPIP重要度wが番組嗜好度計算部310へ送られる。番組嗜好度計算部310は、これらのデータと、番組情報蓄積部2042に記録されている番組情報Ipに基づき、評価対象とする番組の嗜好度EIDを計算する。
【0071】
図11に、番組嗜好度計算部310が行う計算の様子を番組情報Ipx(xはn以下の自然数)のデータの流れに基づいて示す。番組情報Ipxはn個ある番組情報の中の特定の1つの番組情報であることを表すために「x」を付けて表す。Ipxの番組情報パラメータにも同じく「x」を付けて表す。従って、番組情報IpxはIpx(Tx、Gx,Bx)と表される。なお、特に個々の番組情報を区別する必要がない場合は、「x」は省略される。番組情報Ipxは出演者Tx、ジャンルGx、放送時間Bxを含む。このTx、Gx、およびBxについて、ランキング表作成部320から受け取ったランキング表TRに基づいてそれぞれのランキングポイントRPを求める。
【0072】
例えば、出演者Txがランキング表TRで第2位であれば、出演者Txという番組情報パラメータPipにおけるこの番組PxのランキングポイントRPtxは8点である。同様にジャンルGxおよび放送時間帯Bxについても、ランキング表TRに基づき、それぞれの番組情報パラメータPipにおけるランキングポイントRPgxおよびBPbxを求める。
【0073】
番組嗜好度計算部310はこれらのランキングポイントRPと、個人評価基準部330から得たPIP重要度wを番組情報パラメータPip毎に乗算し、さらにそれらを加算することで、次式5に基づき、この番組情報Ipxの嗜好度EIDxが得られる。
【0074】
【数5】
【0075】
図12を参照して、番組嗜好度計算部310による番組嗜好度計算動作について説明する。本例において、番組嗜好度計算は、視聴者が嗜好番組の表示を要求した際に実行される。また、放送受信機1900の制御部1950が予め嗜好番組を抽出番組蓄積部2044へ記録しておく場合にも、番組嗜好度計算が実行される。しかし、これらのときに限定されるものではなく、設計によっていつ実行されてもよい。
【0076】
まず、ステップS1212において、番組嗜好度計算部310によって、ランキング表TRがランキング表作成部320から取得される。そして、この取得要求のある毎に、図6に示したランキング表TRの更新を行うか、一定期間は同じランキング表TRを使うのかは適宜決めることができる。そして、制御は次のステップS1214に進む。
【0077】
ステップS1214において、個人評価基準部330からPIP重要度を入手する(S1214)。この場合も図9に示した基準設定の手順をいつ行うかは適宜決めることができる。
【0078】
ステップS1216において、番組情報蓄積部2042から番組情報Ipxを受け取る。そして、制御は次のステップS1218に進む。
【0079】
ステップS1218において、番組情報Ipxの番組情報パラメータPipの構成要素であるパラメータ要素Epについて、番組情報パラメータ毎にランキング表TRと対比することで、ランキングポイントRPが求められる。そして、制御は次のステップS1220に進む。
【0080】
ステップS1220において、上記の(式5)に従って、番組嗜好度EIDxが算出される。そして、制御は次のステップS1222に進む。
【0081】
ステップS1222において、嗜好採点部112から嗜好判定部114に、番組情報Ipxとその番組嗜好度EIDxを対にして送られる。そして、制御は次のステップS1224に進む。
【0082】
ステップS1224において、番組情報蓄積部2042に記録された番組情報Ipをすべて評価し終わったか否かが判断される。具体的には、番組情報Ipnまで計算し終わったか否かを判断する。まだ残っている場合には、制御は上述のステップS1214へ戻る。残っていなければ、制御は終了する。
【0083】
なお、番組情報蓄積部2042に記録されているすべての情報を、嗜好番組か否かの判断の対象とするかどうかに付けいては、適宜決めて構わない。
このようにして、視聴者の過去の視聴履歴と番組情報パラメータPipに対する個人の嗜好の基準を基に、番組情報蓄積部2042に記録された番組情報Ipに対して、嗜好度EIDという点数が付与される。
【0084】
以上、図3〜図12を参照して、嗜好採点部112の構成および動作について説明したように、番組嗜好度計算部310は、ある番組の番組情報Ipxと嗜好度EIDxを対にして出力する。つまり、嗜好採点部112から、これらの対のデータが出力される。
【0085】
次に図13〜図16を参照して、嗜好番組抽出部110を構成する、嗜好判断部114の構成および動作について説明する。
図13に、嗜好判定部114の構成を示す。嗜好判定部114は、条件付データ転送部1310および閾値保持部1320を含む。閾値保持部1320には、予め設定された閾値dが保持されている。条件付データ転送部1310には、嗜好採点部112より番組嗜好度EIDを与えられた番組情報Ipが入力される。
【0086】
条件付データ転送部1310は、入力された番組嗜好度EIDと閾値dを比較して、嗜好度EIDが閾値d以上であればその番組情報Ipを番組表作成部130へ転送する。若しくは、抽出番組蓄積部2044へ蓄積する。すなわち、嗜好度EIDが閾値dより等しい若しくは大きければその番組は視聴者の嗜好に合致した番組であると判断する。
【0087】
図14に示すフローチャートを参照して、嗜好判定部114による視聴者の番組に対する嗜好の程度の判定動作について説明する。本判定動作は、嗜好採点部112と連動するものであるので、嗜好採点部112の動作に伴って動作するものとしてよい。
【0088】
まず、ステップS1412において、条件付データ転送部1310が閾値保持部1320から閾値dを取得する。そして、制御は次のステップS1414に進む。
【0089】
ステップS1414において、条件付データ転送部1310に入力があるか否かが判断される。入力があった場合には、ステップS1416において入力された番組情報Ipに対になっている番組嗜好度EIDが閾値d以上であるか否かが判断される。番組嗜好度EIDxが閾値dより小さければ、制御は上述のステップS1414に戻る。番組嗜好度EIDが閾値d以上であれば、制御はステップS1418に進む。
【0090】
ステップS1418において、この番組情報Ipと番組嗜好度EIDの対を、番組表作成部130或いは抽出番組蓄積部2044の何れかに出力する。 つまり、ステップS1416で番組嗜好度EIDが閾値dより大きくなければ、入力された番組情報Ipと番組嗜好度EIDxのデータは、嗜好判定部114の出力とならず、捨てられる。そして、制御は次のステップS1420に進む。
【0091】
ステップS1420においては、嗜好採点部112からの信号に基づき、嗜好判断部114への入力が終了したか否かが判断される。終了してなければ、制御はステップS1414に戻る。一方、終了している場合には、制御は終了される。
【0092】
図15に、閾値dを設定する際の入力画面Mdの一例を示す。これは本発明の放送受信機1900を購入した際、新たな利用者を設定する際、若しくは閾値dを再度設定しなおす場合などに、受信装置自体または視聴者の意思に基づいて行われる。
例えば本実施の例で見ると、(式5)で与えられる番組嗜好度EIDは、出演者、ジャンル、放送時間帯のランキングポイントであるRPt、RPg、およびRPbの最大値が9であり、tw、gw、およびbwの総和が1.0であるので、その最大値は9となる。従って視聴者は閾値dとして、9以下の実数を設定窓1510に入力器1926を介して入力する。
また、番組嗜好度EIDの最大値を100%と考え、閾値dをパーセンテージで入力させてもよい。この場合入力がX%であったとすると、閾値として設定されるのは、番組嗜好度EID最大値にX%を乗じた値となる。
【0093】
図16に示すフローチャートを参照して、閾値dの設定手順について説明する。本例においては、閾値が設定されていないとき、若しくは視聴者の指示によって、閾値dの設定手順は開始する。
【0094】
ステップS1612において、図15で示した入力画面Mdが表示される。そして、制御は次のステップS1614に進む。
【0095】
ステップS1614においては、視聴者の閾値dの入力待ちを行われる。そして、入力があれば、制御は次のステップS1616に進む。
【0096】
ステップS1616において、閾値dが嗜好判断部114の閾値保持部1320に設定される。そして制御は終了する。
【0097】
図17に示すフローチャートを参照して、上述の説明を踏まえて、本発明の実施の形態にかかる放送受信機1900が、視聴者の嗜好に合致した番組の提示動作について説明する。視聴者の指示により、番組提示動作は開始する。なお、番組提示動作は、番組表作成部130の手続きの一部としてもよいし、番組表の作成とは独立した動作としてもよい。
【0098】
ステップS1712では、評価基準値が設定されているか否かが判断される。評価基準値が設定がされていない、若しくは視聴者がその変更を希望している場合、制御は次のステップS1714に進む。
【0099】
ステップS1417において、評価基準値の設定が実施される。なお、本ステップにおける処理は、既に図9を参照して説明したステップS912〜S926に於ける処理と同じである。そして、制御は次のステップS1716に進む。
【0100】
一方、ステップS1712において、評価基準値が設定されていない、または視聴者がその変更を希望していないと判断される場合、制御は上述のステップS1417をスキップして、ステップS1716に進む。
【0101】
ステップS1716においては、閾値dが設定されているか否かに付けいて判断される。閾値dが設定されていない、若しくは視聴者がその変更を希望している場合は、制御は次のステップS1718に進む。
【0102】
ステップS1718において、閾値dが設定される。なお、本ステップにおける処理は、既に図16を参照して説明したステップS1612〜S1612に於ける処理と同じである。そして制御は次のステップS1720に進む。
【0103】
ステップS1720においては、ランキング表TRが設定若しくは更新が必要か否かが判断される。ランキング表TRの設定若しくは更新がされていない、若しくは視聴者がその更新を希望している場合、制御は次のステップS1722に進む。
【0104】
ステップS1722において、ランキング表TRが更新される。なお、本ステップにおける処理は、既に図6を参照して説明したステップS612〜S622における処理と同じである。そして、制御は次のステップS1724に進む。
【0105】
上述のステップS1720において、ランキング表TRが設定若しくは更新が不要であると判断される場合、制御は上述のステップS1722をスキップして、ステップS1724に進む。
【0106】
ステップS1724において、上述のステップS1714で取得した視聴者の主観で決める評価基準と、上述のステップS1722で所得した視聴履歴に基づいて作成されるランキング表TRと、上述のステップS1718で取得した番組嗜好度EIDがいくらの値以上なら嗜好に合致したと判断させるかを決める閾値dに基づいて、番組情報蓄積部に記録してある番組情報Ipについて番組嗜好度EIDが算出される。なお、本ステップに於ける処理は、既に図12を参照して説明したステップS1212〜S1224における処理と同じである。そして、制御は次のステップS1726に進む。
【0107】
ステップS1726において、番組嗜好度EIDと閾値dを比較して著者の嗜好に合致しているか否かが判断されて、出力(若しくは抽出番組蓄積部に記録)するか否かが決定される。本ステップにおける処理は、既に図14を参照して説明したステップS1412〜S1224における処理と同じである。そして、処理は、次のステップS1728に進む。
【0108】
ステップS1728において、ステップS1726における決定結果が表示器1922に表示される。図1に示した構成図では、嗜好番組抽出部110からの出力を受けて、番組表作成部130が表示制御器1920を介して表示器1922に結果を表示する。若しくは、番組表作成部130が、嗜好番組抽出部11の抽出終了の合図によって、抽出番組蓄積部2044の内容を表示することとなる。しかし、嗜好番組抽出部110が結果を表示するような構成にしてもよいことは言うまでもない。表示が終了したところで、嗜好番組の提示は終了する。
【0109】
この後、提示された嗜好番組について、放送時間と放送チャンネルの2つの次元で整理し再表示したり、ジャンルに基づいて若しくは番組名や出演者について検索したり、並び替えを行ったり、他の情報と合成し表示したり、番組予約や録画予約若しくは選局といった動作に移行するように設計できることは言うまでもない。
【0110】
図18に、視聴者の嗜好に合致した番組の提示をする例を示す。これらは、蓄積部に記録された番組情報Ipの中から嗜好度の高いもの順に表示させた例である。それぞれの番組には番組名、放送日時、放送チャンネルと共に、視聴者の嗜好度を表す欄がある。視聴者はこの値によって、自分の嗜好度が本発明の受信装置によって判断されたことを知る。また、閾値dについての情報を掲載しておくことで、視聴者が嗜好度の範囲を自覚することができ、閾値変更の目安となる。
【0111】
【発明の効果】
本発明にかかる放送受信機によれば、視聴者の視聴履歴と番組パラメータに対する重要度から、番組情報に対して嗜好度という点数付けを行なうことで、デジタル放送等による非常に多くの番組の中から視聴者の嗜好に近い番組を選択表示することができ、視聴者の選局若しくは選択行為を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるコンテンツ選択支援システムにおける番組表管理部のソフトウェア的な構成を示す図である。
【図2】図1に示した番組表管理部の動作を番組情報の流れの観点から示す説明図である。
【図3】図1に示した嗜好採点部の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明にかかる番組情報の構成を示す図である。
【図5】本発明にかかるランキング表の生成の説明図である。
【図6】本発明にかかるランキング表の更新動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明にかかる一対比較値表の説明図である。
【図8】本発明における、一対比較の結果から番組パラメータの幾何平均を求める手続きの説明図である。
【図9】本発明にかかる基準設定手続動作を示すフローチャートである。
【図10】本発明にかかる一対比較による視聴者の基準設定画面の一例を示す図である。
【図11】本発明にかかる番組嗜好度を求める処理の流れを示す図である。
【図12】本発明にかかる番組嗜好度算出動作を示すフローチャートである。
【図13】図1に示した嗜好判定部の構成を示すブロック図である。
【図14】本発明にかかる嗜好判定動作を示すフローチャートである。
【図15】本発明にかかる閾値設定画面の一例を示す図である。
【図16】本発明にかかる閾値設定動作を示すフローチャートである。
【図17】本発明にかかる嗜好番組抽出動作を示すフローチャートである。
【図18】本発明にかかる嗜好番組提示画面の一例を示す図である。
【図19】従来の放送受信機のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図20】従来の番組抽出装置の構成を示すブロック図である。
【図21】従来の番組抽出動作の説明図である。
【符号の説明】
110 番組抽出手段
112 嗜好採点手段
114 嗜好判定手段
310 番組嗜好度計算部
320 ランキング表作成部
322 視聴履歴蓄積部
330 個人評価基準部
1310 条件付データ転送部
1320 閾値保持部
Claims (1)
- コンテンツに関する情報に基づいて、前記コンテンツに対する視聴者の嗜好度を評価する評価手段と、
前記評価に基づいて前記コンテンツが前記視聴者の嗜好に合致したか否かを判断する嗜好判定手段とを有し、
前記評価手段は、視聴履歴から前記コンテンツに関する情報の種類毎に情報の構成要素の出現頻度と出現頻度の順位に対してランキングポイントを対応させるランキングを作成するランキング作成部と、
視聴者の前記情報の種類に対する重要度を求める個人評価基準部と、
評価対象となるコンテンツに関する情報の種類毎の構成要素を前記ランキングと比較することで当該コンテンツに対する情報の種類毎にランキングポイントを求め、前記ランキングポイントと前記視聴者の情報の種類に対する重要度を、情報の種類毎に乗算し、その結果同士を加算することで、嗜好度を求めるコンテンツ嗜好度計算部とを有し、
前記嗜好判定手段は、前記嗜好度と所定の閾値との比較によって視聴者の嗜好に合致したか否かを判断する条件付データ転送部と、
前記閾値を保持する閾値保持部とを有し、
前記個人評価基準部は、前記情報の種類の中から、2つを取り出して作るすべての順列に対して、対比の結果の点数を付与し、前記情報の種類の中のある情報の種類に対する視聴者の重要度を、当該情報の種類以外の情報の種類との対比の結果付与された前記点数の幾何平均を用いて求めるコンテンツ選択支援装置。
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