JP4220124B2 - 置換アッセイにおける改良又は置換アッセイに関する改良 - Google Patents
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Description
発明の属する技術分野
本発明は、とりわけ、サンプル中の目的物質の存在を検出するアッセイを実施する方法と、その方法を実施する装置に関する。
【0002】
発明の背景
サンプル中の目的物質の存在および/または量を検出する様々なアッセイ法が知られている。アッセイの一つの特殊な形式は、「置換アッセイ」であり、これは慣習的にサンプル中の目的分析物の存在が既存の結合パートナー/リガンド複合体からの標識物質(標識結合パートナーまたは標識リガンドのどちらか)の置換を引き起こす。一般に、置換された標識物質の量は目的分析物の濃度に比例する。あるいは、「競合」アッセイを利用してもよく、そのアッセイでは、目的分析物と標識競合物(標識分析物またはアナログ等)間に限られた数の結合部位への結合に対する競合が存在する。
【0003】
一つの特殊なアッセイはWO 91/05262(ミシガン大学)に開示されており、これは典型的に使い捨てのテストストリップを含むアッセイ装置に関し、テスト装置が接触するテスト溶液中の目的分析物の存在が、装置の別の位置でのシグナル(色等)によって示され、分析物の不在は異なる位置に現れる同様のシグナルによって示される。
【0004】
WO91/05262で開示されるように、第一結合手段(固定化抗体等)はテストスティック上の一位置に提供され、目的分析物に対する結合特異性を有する。「シグナル生成分子」に共有結合した分析物を含む「異種二官能性複合体」は、第一結合手段に可逆的に結合している。サンプル中の遊離の目的分析物の存在下で、異種二機能性複合体は第一結合手段から遊離され、「液体伝導手段」(典型的にキャピラリーテストスティック)を介して、複合体が捕獲されるようなシグナル生成分子に対する結合特異性を有する第二結合手段に輸送される。典型的にシグナル生成分子は、テストスティックを適当な基質溶液に浸した時に、テストサンプル中に分析物が存在しない場合は第一結合手段において、分析産物が存在する場合は第二結合手段において色のついた産物(「シグナル」)を形成するような酵素(例えば西洋わさびペルオキシダーゼ)である。シグナル生成分子は、蛍光分子または紫外線吸収剤でもよい。
【0005】
この種の装置では、シグナル生成分子と結合手段間に、シグナル生成分子を含む複合体の単純捕獲以外の相互関係は存在しない。このように、シグナル生成分子(酵素)は、第一結合手段から遊離されるか否かに関わらず、固有にシグナル(色のついた産物)を生成することが可能であり、シグナル生成分子の捕獲作用はシグナル生成の過程において役割を果たさない。
【0006】
アッセイに関した一つの比較的最近の開発は、表面プラズモン共鳴(SPR)を利用する装置の利用である。この現象は現在様々な出版物で記述されており、エバネッセント波(evanescent wave)バイオセンサーの基礎となっている(レビューとして、Hutchinson 1995,Molecular Biotechnology 3,47−54とその中の参考文献を参照のこと)。
【0007】
要約すると、異なる屈折率の2つの媒体間の界面における光入射は、特異的入射角において共鳴「エバネッセント波」を生じる。共鳴は、媒体の屈折率変化に極端に敏感である。屈折率の変化により、共鳴が新しい入射角で生じる。屈折率の変化は、2つの媒体間の界面における薄(典型的に金)膜への大量結合によって生じ:屈折率の変化は金膜への大量結合に比例する。
【0008】
エバネッセント波現象を利用するそのような装置の例として、BIAcore AB(スウェーデン)の販売するBIA lite(商標)とBIA core(商標)機、Fison(イギリス)の販売するIA Sys(商標)装置、およびArtificial Sensor Instruments(スイス、チューリッヒ)の販売するBIOS−1装置が含まれる。
【0009】
WO 92/18867は、目的分析物に対するアッセイであり、置換表面に固定化された第一試薬からの第二試薬との置換を含み、前記置換は目的分析物の存在に反応して起こり、置換された第二試薬は次に検出表面上で検出表面に固定化された第三試薬を変化する反応を起こし、第三試薬の変化はSPR手段によって検出されるアッセイ法を開示している。
【0010】
WO92/18867は主に低分子の分析物(ハプテン等)のアッセイに関わり(1ページ、4〜6行)、先行技術で明らかなそのような分析物のアッセイにおける感度の欠除に取り組んでいる(2ページ、1〜17行)。
【0011】
WO92/18867では典型的に、第一試薬は目的分析物のアナログで、第二試薬は分析物に対する特異的抗体である。あるいは、第一試薬は分析物に対する抗体であり、第二試薬は(低分子量分析物の)アナログと高分子量タンパク質を含むコンジュゲートである。先行技術では、「分析物のアナログとは、その特異的バインダーへの結合について分析物と競合する物質である。アナログの構造は、しばしば、分析物とできるだけ近く、またはさらに完全に同一となるように整列される」と教示している(3ページ、6〜10行)。
【0012】
したがって、WO 92/18867ではアナログと分析物は構造的に「できるだけ近づいて」同じであるべきであると教示しており、第一試薬、第二試薬と目的分析物間の結合親和性比に違いが存在するはずであるという開示あるいは示唆はない。
【0013】
発明の要約
第一態様において、本発明は、サンプル中の目的分析物の存在を検出する方法を提供し、この方法は、上に可逆的に固定化された置換可能な成分を有する第一表面を提供し;第一表面を目的分析物を含むサンプルに曝露して目的分析物は第一表面の置換可能な成分を特異的に置換し;第二表面上で置換可能な成分を捕獲するように、第一表面から置換された置換可能な成分を置換可能な成分に特異的に結合する捕獲成分を有する第二表面と接触させ、前記捕獲によって検出可能なシグナルが生成し;シグナルを検出段階を含み、前記検出は表面プラズモン共鳴以外の方法で実施される。
【0014】
本発明の方法は、あらゆる目的分析物の存在を検出するために利用される。そのような分析物の例として、抗体(診断法において有効でありうる)、核酸(DNAおよび/またはRNA)、ホルモン(タンパク質とステロイドの両種類)、成長因子等が含まれる。特に目的とするのは、エストロン−3−グルクロニド(E3G)、プロゲストゲン−3−グルクロニド(P3G)、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)、黄体形成ホルモン(LH)、および卵胞刺激ホルモン(FSH)等の性および/または受精ホルモンとそのアナログであり、そのような分析物の検出は妊娠検査に有効でありうる。好都合には分析物は、液体サンプル、特に、血液、血清、尿、および唾液等の哺乳動物の体液に存在する。
【0015】
本発明の方法は定性的に(例えば、目的分析物の存在を検出するため)、またはさらに好ましくは、存在する分析物の量が測定できるような定量的に利用されうる。
【0016】
置換可能な成分と捕獲成分は、置換可能な成分が第一表面から置換された時に捕獲成分により第二表面で直ちに特異的に捕獲されるように、特異的結合対のメンバーを有利に含む。多くの特異的結合対が当業者に知られており、例えば、抗原/抗体、相補的な(すなわち特異的塩基対)核酸鎖、酵素/基質、レクチン/糖、ホルモン/レセプター等が含まれる。
【0017】
一般に、第一表面は複数の置換可能な成分を含む。典型的に、置換可能な成分は第一表面に付着したコーティングまたは層を形成する。置換可能な成分は、第一表面に直接付着されてよい。しかし、さらに一般に、置換可能な成分は介在分子を介して間接的に第一表面に付着され、その組み合わせにより置換可能な成分の望ましい程度の可逆的固定化の達成が促進される。
【0018】
典型的に、介在分子は数多くの従来の化学的技術のいずれかにより第一表面に固定化される一方、置換可能な成分は介在分子に比較的弱く付着される(そしてこのように第一表面上に可逆的に固定化される)。望ましくは、介在分子は目的分析物のアナログ(以下で考察するミモトープ(mimotope)等)であり、その配置は、介在分子に対する置換可能な成分の(または他の実施形態では、介在分子の)結合親和性が、置換可能な成分の目的分析物に対する親和性と比較して比較的低い(例えば1〜50%、さらに典型的には1〜10%、好ましくは1〜5%)ものである。したがって、目的分析物の存在下で、分析物は第一表面の置換可能な成分と特異的に置換する傾向がある。有利には、本発明の方法は、目的分析物が置換可能な成分の定量的置換を引き起こすような、置換可能な成分の特異的な親和性に関した置換を含む。親和性比は望ましくは、少量の分析物の存在によって適当量の置換可能な成分が十分に置換されるように選択され、そのの結果、本発明のアッセイ法が高い感度のものとなる。
【0019】
好ましい実施形態において、置換可能な成分は免疫グロブリン分子またはその抗原結合誘導体(Fv,Fab,Fab2,scFv,重鎖可変領域[ラマおよびラクダから入手可能なものであるような「Hcv」]等)を含む。特に好都合な例はモノクローナル抗体、二特異性抗体と「Diabodies」、および免疫グロブリン分子またはその抗原結合誘導体を含む融合(キメラ)ポリペプチドである。融合タンパク質は、酵素(例えば、カタラーゼまたはグルコースオキシダーゼ)、または捕獲成分による特異的捕獲を促進する(例えばミモトープ、すなわち、抗体によって認識されるエピトープの構造的アナログ、またはビオチン、アビジン、あるいは特異的結合対の他のメンバー等のいくつかの他の分子で、捕獲成分は特異的結合対の逆のメンバーを含む)、あるいは第一表面での可逆的固定化を促進する部分等の、一つまたはそれ以上の付加的な機能的ドメインに結合された免疫グロブリン分子(またはその抗原結合誘導体)を含みうる。
【0020】
一般に、捕獲成分は特異的結合対の逆のメンバーを含み(すなわち逆のメンバーとは、置換可能な成分に通常存在する対のメンバーに結合するものである)、簡便に第二表面に固定化される。当業者には周知である従来の化学的方法が、そのような固定化を達成するのに使用しうる。異なる目的分析物に対する本発明の実施を可能にするために、表面が異なる捕獲成分でコーティングされるように、アッセイ完了時に、厳しい化学的処理(例えば、非常に高いまたは非常に低いpH、あるいはカオトロピック剤の使用)により第二表面から捕獲成分を除去することが可能ではあるが、捕獲成分に関する「固定化」という用語は、捕獲成分が通常のアッセイ条件下で第二表面に結合されたままであることを示すように意図されていることが理解されよう。しかしながら、通常は別の分析物と関した使用には第一表面を適当に修飾できるので、一般にそのような処理は必要でない。
【0021】
本発明の重要な特徴は、第二表面の性質である。本発明では、第二表面は、表面が単に支持体として受動的様式で作用する従来の先行技術アッセイとは対照をなすシグナル生成において、「活性」部分として記述されるものを受け取る。本発明においてそれは、検出可能なシグナルの生成を間接的または(好ましくは)直接的に導く、第二表面での置換可能な成分の捕獲作用である。一般に置換可能な成分は、第二表面で捕獲されない限りおよび捕獲されるまではアッセイで実際に観察またはモニターされる検出可能なシグナルを生成することはできず、一般にシグナル生成は置換可能な成分の第二表面との相互作用に依存する。
【0022】
本発明は、先行技術のアッセイ法および装置を超える数多くの利点を提供する。第一に、本発明により、どんな目的分析物の検出への利用に対しても容易に修飾され得る一般的なアッセイ法と装置の利用が可能となる:置換可能な成分が適当な分析物の存在に反応して置換されるためには、同じ第二表面が(生成され検出される同じタイプのシグナルとでは)利用可能であり、比較的安価で単純な第一表面のみが変更される必要がある。第二に、特異的置換段階を組み込むアッセイ法と装置によって、不均一な(例えば、食物粒子、血液細胞、または細菌等の粒子状物質を含む)または粗製であり多くの混入物(例えば、血清、尿等)を含むサンプルのテストが可能となる。さらに、本発明のアッセイは特異的置換段階と特異的捕獲段階の両方を含む。これは、アッセイの全体的な特異性が事実上置換および捕獲段階の特異性の非常に正確な産物であることを意味し、ほとんどの先行技術アッセイによって付与される特異性よりもさらに高い特異性を生み出す。さらに、利用者に関する限り、これは基本的に一段階工程の形式で成し遂げることができる:アッセイを実施する人は単にサンプルを第一表面と接触させる必要があり、それによって検出可能なシグナルの生成へと導く一連の反応が開始する。
【0023】
ある実施形態では、第二表面は、表面における置換可能な成分の捕獲が第二表面でのシグナルの検出可能な変化を生じる質量の増加を起こすような(すなわち、置換可能な成分の捕獲は、既存のシグナルを検出可能な様式で制御または修飾する)エバネッセント波または音波タイプのバイオセンサー(例えば、EP 0 416 730;EP 0 517 001;またはWO 97/04314に開示されているような)の検出表面を形成する。
【0024】
ある実施形態では、第二表面における置換可能な成分の捕獲は検出可能な様式でシグナルの生成を阻害し、そのような阻害が「検出可能なシグナル」を構成する。例えば、置換可能な成分の捕獲は第二表面で進行中の反応を阻害する:一実施形態では、第二表面は検出可能な(例えば色のついた)産物を生成する反応を触媒する複数の酵素分子を含み、置換可能な成分は酵素に対する特異的結合活性を有する免疫グロブリン分子を含み、置換可能な成分の酵素に対する結合がその触媒活性を阻害し(または、例えばアロステリック部位への結合等により、別の方法でそれを修飾し)、よって酵素の作用に検出可能な変化をもたらす。
【0025】
代わりの好ましい実施形態では、第二表面で伝播するエバネッセント波または音波は置換可能な成分と相互作用し、既存のシグナルの変調というよりもむしろ全く新しいシグナルを生成する。例えば、置換可能な成分は、第二表面でのエバネッセント波によって刺激されるフルオロフォア(fluorophor)を含み、蛍光を発する:エバネッセント波の「範囲」が短いため、フルオロフォアは置換可能な成分が第二表面に捕獲されない限り刺激されない。さらに、特異性の程度は、エバネッセント波がフルオロフォアの励起を起こす適当な性質を有するようにフルオロフォアとエバネッセント波の波長が選択される時の相互作用と関連する。
【0026】
好ましい実施形態では、捕獲成分による置換可能な成分の捕獲は捕獲成分の電気化学的性質を変調し、その変調は検出可能なシグナルを含む。適当な方法と物質は、我々の同時係属中欧州特許出願第97309425.3号に開示されている。特に、捕獲成分は典型的に導電性の支持体に固定化された免疫グロブリン分子(好ましくは抗体)またはその抗体結合誘導体を含み、置換可能な成分の捕獲成分への結合が捕獲成分の電気化学的性質を変化させ、例えば電流測定、ボルタメトリック、または電量測定法によって検出可能なシグナルを生成する。好ましくは、捕獲性分と置換可能な成分は、置換可能な成分の捕獲が捕獲成分の電気化学的性質(例えば酸化還元電位)を直接変えるように選択される。
【0027】
本発明のある実施形態では、第一表面と第二表面間の距離は非常に小さく(例えば、50μmから5mmの範囲)、そのように、第一および第二表面間での置換可能な成分(置換された抗体分子等)の単純な拡散は、必要とされる迅速な反応時間を無理なく提供するのに十分である。「ナノテクノロジー」原理を利用する装置では、第一および第二表面間の距離はさらに小さくてよい:そのような装置では、第一および第二表面間の大量輸送の時間を最短にするため、ギャップは単一分子の大きさと同じぐらい小さくてもよい(例えば、典型的な免疫グロブリン分子または二特異性抗体の5〜50nm)。
【0028】
代わりの実施形態では、第一から第二表面への置換可能な成分の拡散が十分でない場合、ある種の「輸送力」を提供して置換可能な成分を第一表面から第二表面に運ぶ必要がある。これは、キャピラリー流動、または大量の液体流動(ポンプ手段を利用)、または例えば置換可能な成分と第二表面間の静電気的誘引によって可能である。
【0029】
第一および第二表面は別々のそれぞれ第一および第二固相によって提供されてもよく、これにより以下で述べるようなフィルターの封入が容易となる。代わりに、第一および第二表面は単一の固体支持体上に提供されてもよい。固相は、実質的には平面または粒子であり、多孔性または不浸透性である。第一および第二表面が単一支持体上に提供される場合、表面は支持体上の遠い部分として存在するか、あるいは支持体の近接部分として存在してよい(例えば、一つの表面が二次元的にもう一方の表面に囲まれている、または二つの表面が親密に互いに入り組む)。粒子性の支持体の例として、当業者には既知である重合体物質(例えば、デキストラン等の多糖類;またはラテックスや他の物質)を含むビーズが含まれる。実質上の平面支持体の例としては、既知のエバネッセント波または音波タイプのバイオセンサーと関連して使用されるセンサーチップが含まれる。
【0030】
ある実施形態では、あるサンプル中に存在する粒子物質を除去するようなフィルター手段を第一および第二表面間に置くことが好ましい。これは、そのような物質がアッセイの結果に悪影響を及ぼすような時に(例えば、第二表面での粒子物質の非特異的結合による)望ましい。適当な微小孔フィルター膜は、当業者には周知である。
【0031】
本発明の第二態様では、先に定義された第一態様の方法を実施するための装置を提供する。一般に、装置は、その上に可逆的に固定化された置換可能な成分を有し、目的分析物の存在下で置換可能な成分が第一表面から置換される第一表面と、置換可能な成分に特異的に結合する捕獲成分を有する第二表面を含む。
【0032】
先に定義された装置は、「永久」シグナル検出手段のような、他の成分と付随して利用するための比較的安価で、使い捨てまたは交換可能な成分(例えばキットの一部分として)の形態をとる。あるいは、本発明の装置は、以下の一つまたはそれ以上を含む実質的に「一個の」装置として提供されてもよく、これは、液体伝導手段;目的分析物の存在下で生成されるシグナルを検出するためのシグナル検出手段;およびシグナル検出手段から出力されるデータを処理するデータ処理手段を含む。
【0033】
流体(fluid)(好ましくは液体(liquid))伝導手段は、以下の一つまたはそれ以上の機能を行ってもよい:第一表面への液体サンプルの導入;すべての置換可能な成分の第一表面から第二表面への輸送;および液体伝導手段を介しての廃棄液体の除去。液体伝導手段の利用に適した動力手段は、例えば回転式または蠕動式ポンプを含む。
【0034】
望ましくは、この装置は液体に懸濁されたまたは溶解された目的分析物(特に、血液、血清、唾液等の体液)との使用に適応する。
【0035】
第三態様では、本発明は、サンプル中の目的分析物の存在を検出する方法を提供し、この方法は、第一表面と置換可能な成分間の介在成分との相互作用によりその上に可逆的に固定化された置換可能な成分を有する第一表面を提供し;第一表面を目的分析物を含むサンプルに曝露して目的分析物が第一表面からの置換可能な成分と特異的に置換し;第二表面上で置換可能な成分を捕獲するように、第一表面から置換された置換可能な成分を置換可能な成分に特異的に結合する捕獲成分を有する第二表面と接触させ、前記捕獲によって検出可能なシグナルが生成し;シグナルを検出する段階を含み、置換可能な成分の目的分析物に対する結合親和性が置換可能な成分の介在成分に対する結合親和性よりも高い。
【0036】
第四態様では、本発明は、サンプル中の目的分析物の存在を検出する方法を提供し、この方法は、第一表面と置換可能な成分間の介在成分との相互作用によりその上に可逆的に固定化された置換可能な成分を有する第一表面を提供し;第一表面を目的分析物を含むサンプルに曝露して、目的分析物が第一表面からの置換可能な成分と特異的に置換し;第二表面上で置換可能な成分を捕獲するように、第一表面から置換された置換可能な成分を置換可能な成分に特異的に結合する捕獲成分を有する第二表面と接触させ、前記捕獲によって検出可能なシグナルが生成し;シグナルを検出する段階を含み、介在成分の目的分析物に対する結合親和性が置換可能な成分の介在成分に対する結合親和性よりも高い。
【0037】
本発明の第三と第四の態様に関して、置換可能な成分が第一表面に可逆的に固定化されている相互作用の結合親和性は、置換可能な成分の置換を起こす傾向がある相互作用の僅か1〜10%(さらに好ましくは1〜5%)であることが好ましい(すなわち、本発明の第三態様の置換可能な成分と目的分析物間の相互作用、または第四態様の介在成分と目的分析物間の相互作用)。本発明の第三および第四態様の方法の好ましい特徴は、方法が適合する限りは、一般に、第一態様の方法のものと同様である。本発明の第三および第四態様では、シグナルを検出する好ましい方法は、WO92/18867に開示されているようにSPRの手段による。本発明は、先に定義された第三および第四態様の方法を実施する装置も提供する。
【0038】
本発明を図解した実施例により、および付随する図に関してさらに説明する。
【0039】
実施例
実施例1
本発明の基本的な概念を説明する簡単な実施形態を、図1で模式的に説明する。図1において、置換可能な成分は第一表面12に可逆的に固定化されている。図1で示される実施形態では、置換可能な成分は二特異性抗体10であり、不可逆的固定化は、二特異性抗体10と従来の化学的方法により第一表面12に固定化された介在分子14間の相互作用により達成される。単純化するため、単一分子14と単一の特異的二特異性抗体10のみを示す。実際には、第一表面12は通常は複数の介在分子14でコーティングされており、複数の二特異性抗体10(それぞれ同じ結合特異性を有する)は表面12に可逆的に固定化されている。置換可能な成分のこの可逆的固定化は、通常のアッセイ条件下で、目的分析物の不在化では置換可能な成分は第一表面に付着されたままであるが、目的分析物の存在下では置換可能な成分はそこから特異的に置換されるというものである。
【0040】
二特異性抗体の一つの結合部位16は、目的分析物18に対する結合特異性を有する。第一表面12に固定化された介在分子14は目的分析物18の構造的アナログであり、二特異性抗体10の結合部位16が分子14に比較的緩く結合し、そのため第一表面12上に二重機能性抗体10を可逆的に固定化している。しかし、結合部位16のアナログ14に対する結合親和性は、目的分析物18に対する結合親和性よりかなり低い(典型的に1〜10%、好ましくは1〜5%)。したがって、第一表面12を目的分析物18を含むサンプルと接触させると、分析物18は結合部位16に対する結合に対してアナログ14とうまく競合し、こように、第一表面12から二特異性抗体10を特異的に置換する。次に、置換された二特異性抗体10は、第二表面20と接触できるようになる。
【0041】
再度図1を参照すると、第二表面20は複数の分子でコーティングされており、それぞれは捕獲成分22を構成する。二特異性抗体10の結合部位16は、捕獲成分22に対する結合特異性を有する。したがって、第一表面から置換された二特異性抗体分子10は、第二表面20で捕獲される。この捕獲により検出可能なシグナルが生成され、それがモニターされる。図1で説明する実施形態では、第二表面20はSPRセンサーの一部を形成する。
【0042】
一般に、シグナルは、捕獲された置換可能な成分10と第二(捕獲)表面20間の相互作用により生成される。例えば、第二表面20はエバネッセント波検出装置の一部を含む:置換可能な成分10の捕獲は、検出可能なシグナルが生成されるような方法で、表面20上で伝播されるエバネッセント波の特徴を修飾する。そのような装置の例には、現在当分野で周知である表面プラズモン共鳴(SPR)の技術、あるいは音波検出システムを利用するものがあり、シグナルは表面20に結合した物質の質量の増加により生成される。
【0043】
しかし、他の検出システムも考えられており、そこでは置換可能な成分(捕獲された時に)と第二表面間に異なる種類の相互作用が生じる。これらには電気活性表面の利用が含まれ、そこでは捕獲成分による置換可能な成分の捕獲が捕獲成分の電気化学的性質を修飾し、その修飾が検出可能なシグナルを含む。適当な方法と物質は、我々の参照C319/Uのもとで、この明細書と同一日に出願された我々の同時係属出願に開示されている。
【0044】
図1で説明する実施形態では、二特異性抗体10は第二表面上の捕獲分子22に結合した時、目的分析物18に付着したままである。質量に基づく検出システムでは(SPR装置のような)、これは特に置換可能な成分自身の質量がが非常に小さい場合に有利である。しかし、他の状況では、特に検出可能なシグナルの生成が質量非依存性である場合には、分析物18の置換可能な成分10への継続的な付着は不利となりうる。
【0045】
実施例2
置換可能な成分の性質とその第一表面への可逆的固定化の方法が、図1で説明された実施形態と異なる代わりの実施形態(図2に部分的に模式的に説明する)も考えられる。機能的に匹敵する成分を、図1と同様の参照数字を用いて図2に注釈する。
【0046】
図2では、表面12に固定化された介在分子(抗体14)との相互作用により、第一表面12に可逆的に固定化された置換可能な成分が提供される。抗体14は、目的分析物18に対して特異的結合親和性を有する。置換可能な成分10は、「ミモトープ」16−抗体14によって結合されるエピトープの構造的アナログである低分子(通常はペプチドであるが、あるいは糖、ステロイド、核酸、または免疫グロブリンにコンジュゲート化できる他の化学的成分)に融合または共有結合された抗体分子から成る。ミモトープ16は、抗体14のミモトープ30に対する結合親和性が分析物18に対する親和性の僅か1〜10%(好ましくは1〜5%)というようなものである。したがって、目的分析物18の存在下では、置換可能な成分10は第一表面12から特異的に置換される。次に置換可能な成分は、基本的に図2に示されるように、典型的に置換可能な成分10の抗体部分の結合部位16’を認識する捕獲分子によって、第二表面(示していない)に捕獲される。好都合には、ミモトープはペプチドであり、融合タンパク質を形成する(免疫グロブリンとペプチドをコードする配列間の遺伝子融合によりコードされる)。あるいは、ミモトープは、従来の化学的技術のいずれかにより(例えば、「バイオコンジュゲート技術」、Hermanson,Academic Press,1996を参照のこと)免疫グロブリン分子(またはその抗原結合部位)に結合されてもよい。
【0047】
図2で説明される実施形態の利点は、第一表面12から置換された時、置換可能な成分10は大部分が通常の抗体分子から成り、目的分析物18に着していない。第二表面での目的分析物18の存在は(図1で説明される実施形態のように)、ある実施形態ではシグナルの生成を時々妨ぐこともある。
【0048】
実施例3
この実施例は、第一表面に位置する固定化抗体フラグメントからのヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)の解離と、第二表面での抗体による捕獲/検出に関する。図3で、この検出原理を模式的に説明する。この実施例は進歩したキットに適したBiacore AB Bialite(商標)を用いて実施し、表面プラズモン共鳴を利用する。
【0049】
まず、CM5センサーチップを以下のように据え付ける:
i.新しいCM5センサーチップをBialite(商標)バイオセンサーに合体させ、HBS(HEPES緩衝食塩水)ランニング緩衝液で平衡化した。温度を25℃に維持し、流速を10μl/分に設定した。
【0050】
ii.液体の流れを、フローセル1「第一表面」とフローセル2「第二表面」の二つのフローセルを連続して通るように設定した。Biacore ABアミンカップリングキットの1−エチル(ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)とN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)活性化化学薬品を利用し、EDC/NHC混合液をサンプルループに注入して40μlを充填することにより、デキストラン表面を活性化した。活性化を繰り返したが、これは図4の(a)で示した部分に見ることができる。第一表面でのBialite(商標)反応は細い線で示され、第二表面での反応は太い線で示される。この線の太さの識別が、次のBialite(商標)トレースで利用される。
【0051】
iii.活性化の後、hCGを認識する50μg/mlの一本鎖抗体フラグメント(scFv3299HisH2)溶液40μlを、フローセル1を通して注入した。次に、hCGを認識する50μg/mlの全抗体(3299)溶液40μlを、フローセル2を通して注入し、さらに50μg/mlのscFv3299HisH2溶液40μlをフローセル1を通して注入した。このカップリング段階は、図4の(b)で示した部分に見ることができる。
【0052】
iv.CM5センサーチップの未反応部位を、40μlの1Mエタノールアミン溶液を2回連続して注入することによりブロックした。これらは、図4の(c)で示した部分に見ることができる。
【0053】
説明として、BstEII−SacI DNAリンカーフラグメントが以下の配列を生じる可動性リンカーをコードするBstEII−SacIフラグメントと置換された以外は、scFv3299の配列はWO96/27612(そこではFvKC−IIと記述される)で開示されるものと同様である:
FR−4 VH リンカー FR−1 VL
TVTVSSggggsggggsggggsDIELT(配列番号1)
リンカーをコードするDNA配列は、Jacksonら(「バクテリオファージfdの表面上への表示を利用した抗体の変異体および他のタンパク質分子の選択」in Protein Engineering:A Practical Approach,eds.Rees,SternbergとWetzel,publ.IRL Press,Oxford,1992)に記述されている。多数の他の抗hCG抗体も同様に適当であることが理解されよう。利用可能な他のものは、Linscottの免疫学的および生物学的試薬の指導書(第9版、1996−7)に載っており、例えば、Biostride Inc.(CA,USA)から入手可能な抗α−hCGモノクローナル、およびBiogenesis Ltd(Poole,Dorset,UK)から入手可能な抗β−hCGモノクローナルが含まれる。
【0054】
hCGの捕獲/検出は以下のように起こる:
v.200μlのhCG(10IU/ml)をhCGを認識する二次モノクローナル抗体(3468と名付けられ、100μg/mlで)20μlとともに、室温で30分間インキュベーションした(再度、3468以外の抗体も適当である)。これは、hCGの効果的な質量を増加させるために行われ、これにより検出感度が上昇する。
【0055】
vi.予め混合した40μlのhCG−3468溶液を、フローセル1を通して注入した。これは、図5Aの(a)で示した部分に見ることができる。
【0056】
vii.注入後直ちに、緩衝液の流れを、第一表面を離れた後に第二表面を通るように変えた。これが起こるポイントは、図5Bの(b)で示される。
【0057】
図5Aは、第一表面から解離するhCG−3468複合体が、抗hCG抗体3299での捕獲により第二表面に結合し検出され得ることを示す(図5B)。実際には第一表面は検出可能なシグナルを生成する必要はなく、これは研究目的のためだけのこの実施例における装置であることが、当業者には理解されよう。通常の装置では、捕獲(第二)表面のみが検出可能なシグナルを生成し、第一表面はどんな適当な固体支持体でもよい。さらに、本発明のアッセイ法では、目的分析物の存在下でのみhCGが表面1から置換されるように条件を調整した。それにもかかわらず、この実施例は本発明の原理を証明する。
【0058】
実施例4
この実施例は、第一表面の低親和性エストロン 3−グルクロニド(E3G)アナログ(エストラジオール 3−グルクロニド[ED3G])からのE3Gを認識する抗体(4155)の特異的置換と、第二表面での免疫グロブリンを認識する抗体による捕獲と検出に関する。図6で、この検出原理を模式的に説明する。
【0059】
4155モノクローナル細胞株は、Ganiら(1994 J.Steroid Biochem.Molec.Biol.48,277−282)に記述されている方法に従って、調製しスクリーニングした。Ganiらの発表は抗プロゲステロン抗体の開発に関するものであるが、基本的にはエストロンとそのアナログに反応する抗体の作製にも同一の技術を利用した。細胞株4155から得られるもの以外の抗体も、当業者によって(そのような技術を利用して)容易に作製され得る:そのような抗体は、質的に同様の性質を有する。さらに、市販の抗エストロングルクロニドモノクローナル抗体(Wallaceville Animal Research Centre,New Zealand)については、Linscottの免疫学的および生物学的試薬の指導書(第9版、1996−7)に記述されている。
【0060】
まず、CM5センサーチップを以下のように据え付ける:
i.新しいCM5センサーチップをBialite(商標)バイオセンサーに合体させ、HBSランニング緩衝液で平衡化した。温度を25℃に維持し、流速を10μl/分に設定した。
【0061】
ii.液体の流れを、第一表面(「表面1」)と第二表面(「表面2」)を連続して通るように設定した。Biacore ABアミンカップリングキットのEDCとNHS活性化化学薬品を利用し、EDC/NHC混合液をサンプルループに注入して40μlを充填することにより、デキストラン表面を活性化した。これは図7の(a)で示した部分に見ることができる。
【0062】
iii.緩衝液の流れが表面2のみを通るように設定し、酢酸ナトリウム緩衝液、pH5.0中のウサギ抗マウスIgGを40μl注入した。これは、図7の(b)で示した部分に見ることができる。
【0063】
iv.表面2へのIgGカップリングの後、緩衝液の流れが表面1のみを通るように変更し、40μlのエチレンジアミン(EDA)(20% v/v)を注入した。これは、図7の(c)で示した部分に見ることができる。
【0064】
v.20μlのED3G(5mg/ml)を80μlのNHS/EDC活性化溶液に添加し、混合して室温で7分間インキュベーションした。次に、この予めインキュベーションしたED3G溶液40μlを表面1を通して注入した(これは図7の(d)で示した部分に見ることができる)。
【0065】
vi.緩衝液の流れが表面2のみを通るように設定し、40μlの1Mエタノールアミン溶液を注入した。これは図7の(e)で示した部分に見ることができる。
【0066】
4155の置換と再捕獲は以下のように行われた:
vii.20μlの100μg/ml 4155溶液を注入することにより、4155を表面1に充填した。
【0067】
viii.様々な流速で2分間、表面1および2を通して1mg/mlのE3G溶液を注入することにより、表面1からの特異的置換と表面2における再捕獲/検出を誘導した。この結果は図8に見ることができ、黒四角はE3Gによる表面1からの4155の特異的置換を示し、白四角は表面2における4155の捕獲を示す。四角のサイズの上昇は流速の上昇を表し、最も小さい四角は2μl/分を表し、次の四角のサイズは5、10、および20μl/分で収集したデータのものである。
【0068】
表面2で捕獲され検出される置換4155のパーセンテージは、明らかに流速に関連している(図9を参照のこと)。流速の上昇は、置換物質のパーセンテージを減少させる。低い流速(5μl/分以下)により、確実にすべての置換物質が捕獲される。
【0069】
この実施例は、第一表面に可逆的に結合した分子の特異的置換と、例えば置換物質を認識する抗体による第二の別の表面での続く置換物質の再捕獲を誘導することにより、いかに分析物(E3G)がアッセイされ得るかを示すものである。
【0070】
実施例5
この実施例は、第一表面の低親和性エストロン 3−グルクロニド(E3G)アナログ(エストラジオール 3−グルクロニド[ED3G])からのE3Gを認識する抗体(4101)の特異的置換と、第二検出表面でのE3Gによる捕獲に関連する。図10は、この検出原理を模式的に説明する。
【0071】
まず、CM5センサーチップを以下のように据え付ける:
i.新しいCM5センサーチップをBialite(商標)バイオセンサーに合体させ、HBSランニング緩衝液で平衡化した。温度を25℃に維持し、流速を10μl/分に設定した。
【0072】
ii.液体の流れを、第一表面(「表面1」)と第二表面(「表面2」)を連続して通るように設定した。Biacore ABアミンカップリングキットのEDCとNHS活性化化学薬品を利用し、EDC/NHC混合液をサンプルループに注入して40μlを充填することにより、デキストラン表面を活性化した。これは図11の(a)で示した部分に見ることができる。
【0073】
iii.40μlのEDA(20% v/v)を、表面1および2を通して注入した。これは、図11の(b)で示した部分に見ることができる。
【0074】
iv.20μlのED3G(5mg/ml)を80μlのNHS/EDC活性化溶液に添加し、混合して室温で7分間インキュベーションした。次に、この予めインキュベーションしたED3G溶液40μlを表面1を通して注入した(これは図11の(c)で示した部分に見ることができる)。
v.20μlのE3G(5mg/ml)を80μlのNHS/EDC活性化溶液に添加し、混合して室温で7分間インキュベーションした。次に、この予めインキュベーションしたE3G溶液40μlを表面2を通して注入した(これは図11の(d)で示した部分に見ることができる)。
【0075】
4101の特異的置換と捕獲は以下のように行われた:
vi.20μlの100μg/ml 4101溶液を表面1を通して注入することにより、4101を表面1に充填した。
【0076】
vii.表面1および2を通して20μlの1mg/mlエストロン 3−硫酸[E3S]溶液を注入することにより、表面1からの4101の置換と表面2における再捕獲/検出を誘導した。表面1からの置換と表面2における再捕獲/検出は、図12に見ることができる。
【0077】
この実施例では、E3Sは分析物を示す。この実施例は、第一表面で分析物の低親和性アナログ(ED3G)に可逆的に結合した分子の置換と、分析物の高親和性アナログ(E3G)に結合することにより第二の別の表面での続く再捕獲と検出を誘導することにより、いかに分析物がアッセイされ得るかを示すものである。
【0078】
実施例6
この実施例は、分析物の添加に応答したグルコースオキシダーゼ/抗体コンジュゲートの置換/捕獲によりもたらされる、色変化の生成を示す。置換されたグルコースオキシダーゼ/抗体コンジュゲートは、KI、西洋わさびペルオキシダーゼ、および捕獲分子のしみ込んだデンプンの薄層に捕獲される。捕獲されたグルコースオキシダーゼ/抗体コンジュゲートはグルコースを利用してH2O2を生成し、ペルオキシダーゼの存在下でこれがヨウ化物を酸化してヨウ素にする。次に生成されたヨウ素はデンプンと反応し、茶色から青への色変化が生じる。
【0079】
二つの表面は、以下のように設定する:
第一表面(「表面1」)
i.2.6mgのエストラジオール 3−グルクロニド(ED3G)を2mlの新たに調製したEDC(0.1M)とNHS(0.02M)溶液に再懸濁して、室温で15分間インキュベーションすることにより、ED3G/オボアルブミンコンジュゲートを準備する。
【0080】
ii.ED3G溶液に2mlのオボアルブミン(10mg/ml)を添加し、定常的に混合しながら室温で2.5時間インキュベーションする。
【0081】
iii.次に、コンジュゲート化したED3G/オボアルブミン溶液を、0.1%アジ化ナトリウムを含む1Lのリン酸緩衝食塩水(「PBSA」)に対して16時間透析する。
【0082】
iv.ウェル内で100μlのED3G−オボアルブミン(PBSAで1:10に希釈)を室温で2時間インキュベーションすることにより、Griener HBウェルを透析したED3G−オボアルブミンコンジュゲートでコーティングする。
【0083】
v.100mMリン酸緩衝液、pH6.5中のグルコースオキシダーゼ1mlとモノクローナル抗体4155(これも100mMリン酸緩衝液、pH6.5中)を、5mg/mlのタンパク質濃度でガラスチューブ中で混合することにより、グルコースオキシダーゼとモノクローナル抗体4155のコンジュゲートを調製する。これに220μlの0.02%グルタルアルデヒドを、定常的に混合しながら1滴ずつ添加する。チューブをアルミホイルで覆い、室温で30分間、回転させながら混合する。250μlの1Mエタノールアミンを添加し、さらに30分間混合を続ける。次にこの溶液を100mM PBSに対して室温で24時間透析し、続いて4℃にて10,000rpmで30分間遠心分離する。
【0084】
vi.次に、ウェル当たり100μlのグルコースオキシダーゼ−4155コンジュゲートを室温で1時間インキュベーションすることにより、Griener HBウェルを準備する。続いてウェルをPBSでリンスし、非結合のグルコースオキシダーゼ/4155コンジュゲートを除去する。ウェルは、必要時まで、100μlのPBSを入れたまま4℃で保存する。
【0085】
第二表面(「表面2」)
i.PBS中に100μlのエストロン 3−グルクロニド(E3G)−オボアルブミンコンジュゲート(ED3G−オボアルブミンコンジュゲートで記述したのと同様に調製)、5%(w/v)デンプン、10mg/ml西洋わさびペルオキシダーゼ、および0.1M KIを含む200μlの溶液を、Greiner HBウェル内で室温で16時間インキュベーションする。表面の色は茶色である。
【0086】
10mMグルコースのPBS溶液中の分析物(1mlの0.1Mエストロン 3−グルクロニド)を準備した表面1のウェルに0.2ml/分で送り込み、それと同時にこのウェルからの溶液を表面2を含むウェルに0.2ml/分で送り込む。表面2を有するウェルがオーバーフローしないように、0.2ml/分で溶液をまたウェルから送り出す。
【0087】
表面1から表面2へのテスト溶液の流動を開始すると、グルコースオキシダーゼによるグルコースの酸化によって生成されるH2O2により、ヨウ化物が酸化されてヨウ素になり、表面2の色が茶色から青に変化する。
【0088】
実施例7
この実施例は、分析物に応答した表面での蛍光強度の変調に関する。分析物が来ると、分子は第一表面から置換される。これらの置換された分子は、第二表面で生成される蛍光強度を変調することができる。
【0089】
二つの表面は、以下のようにセットアップする:
第一表面(「表面1」)
i.2.6mgのED3Gを2mlの新たに調製したEDC(0.1M)とNHS(0.02M)溶液に再懸濁して、室温で15分間インキュベーションすることにより、ED3G/オボアルブミンコンジュゲートを準備する。
【0090】
ii.ED3G溶液に2mlのオボアルブミン(10mg/ml)を添加し、定常的に混合しながら室温で2.5時間インキュベーションする。
【0091】
iii.次に、コンジュゲート化したED3G/オボアルブミン溶液を、1LのPBSAに対して16時間透析する。
【0092】
iv.ウェル内で100μlのED3G−オボアルブミン(PBSAで1:10に希釈)を室温で2時間インキュベーションすることにより、Griener HBウェルを、透析したED3G−オボアルブミンコンジュゲートでコーティングする。
【0093】
v.100mMリン酸緩衝液、pH6.5中のセルロース結合ドメイン(CBD)1mlとモノクローナル抗体4155(これも100mMリン酸緩衝液、pH6.5中)を、5mg/mlのタンパク質濃度でガラスチューブ中で混合することにより、CBD/モノクローナル抗体4155のコンジュゲートを調製する。これに220μlの0.02%グルタルアルデヒドを、定常的に混合しながら1滴ずつ添加する。チューブをアルミホイルで覆い、室温で30分間、回転させながら混合する。250μlの1Mエタノールアミンを添加し、さらに30分間混合を続ける。次にこの溶液を100mM PBSに対して室温で24時間透析し、続いて4℃にて10,000rpmで30分間遠心分離する。必要時まで、上清を4℃で保存する。
【0094】
vi.次に、ウェル当たり100μlのCBD−4155コンジュゲートを室温で1時間インキュベーションすることにより、Griener HB表面を準備する。続いてウェルをPBSで濯ぎ、非結合のCBD/4155コンジュゲートを除去する。
【0095】
第二表面(「表面2」)
i.H3PO4膨潤したAvicel(0.2%)溶液1mlをイナゴマメゴム(gum)(LBG)−FITCコンジュゲート50μlとともに、定常的に混合しながら室温で1時間インキュベーションする。
【0096】
ii.粒子を室温で10分間、1300rpmで遠心分離し、ペレットをPBSに再懸濁することにより、LBG−FITC Avicelを洗浄する。この洗浄手順をもう一度繰り返す。
【0097】
iii.2回目の洗浄後、LBG−FITC充填粒子を50μlのPBSに再懸濁し、必要時まで4℃で保存する。
【0098】
分析物(100μlの1mg/mlE3G)を、準備したGreiner HBウェル(表面1)中で室温で1時間インキュベーションする。次にインキュベーションした溶液をウェルから除去し、LBG−FITC充填粒子に添加する。Avicel粒子上でのCDB−4155によるLBG−FITCの置換による蛍光強度の減少を、蛍光標示式セルソーターを使用して、またはセルソーター(例えば、Coulter Elite(商標)セルソーター)によりモニターする。
【0099】
実施例8
この実施例は、分析物の添加に応答した二特異性抗体フラグメント構築物の置換/捕獲によってもたらされる、電気的変化の生成を示す。それは、第一抗体結合部位(エストロン−3−グルクロニド(E3G)を認識し、マウスモノクローナル抗体4155から誘導する)の、第一表面からの低親和性E3Gアナログ(エストラジオール 3−グルクロニド(ED3G))からの特異的置換と、第二表面に固定化された電気活性分子を認識する第二抗体結合部位を介しての捕獲と検出に関する。第二表面は、単層の電気活性分子でコーティングされた金の電極である。電気活性分子は、ヘキシル付属部分に結合したカルバゾール残基であり、これは次にチオール基によって金表面に結合される。この明細書と同一日に出願された我々の同時係属中欧州特許出願は、いかに選択された抗体の結合が、印加電圧の影響下で電極を流れる電流を変化(変調)することができるのかを説明している。ここでは、電気活性分子への二特異性抗体フラグメントの結合が、もともと導入された分析物の濃度に直接関連する様式で、電流を変調した。
【0100】
4155モノクローナル細胞株は、Ganiら(1994 J.Steroid Biochem.Molec.Biol.48,277−282)に記述されている方法に従って、調製しスクリーニングした。Ganiらの発表は抗プロゲステロン抗体の開発に関するものであるが、基本的にはエストロンとそのアナログに反応する抗体の作製にも同一の技術を利用した。細胞株4155から得られるもの以外の抗体も、当業者によって(そのような技術を利用して)容易に作製され得る:そのような抗体は、質的に同様の性質を有する。電気活性カルバゾール分子、別のハプテンに対するモノクローナル抗体も、この方法を使用して作製することができる。二つの抗体結合特異性の遺伝子のクローニングと、二特異性抗体フラグメントの構築でのその使用は、当業者には周知の方法により容易に達成することができる(例えばWO 97/14719を参照のこと)。
【0101】
二つの表面は、以下のように設定する:
第一表面(「表面1」)
i.2.6mgのエストラジオール 3−グルクロニド(ED3G)を2mlの新たに調製したEDC(0.1M)とNHS(0.02M)溶液に再懸濁して、室温で15分間インキュベーションすることにより、ED3G/オボアルブミンコンジュゲートを準備する。
【0102】
ii.ED3G溶液に2mlのオボアルブミン(10mg/ml)を添加し、定常的に混合しながら室温で2.5時間インキュベーションする。
【0103】
iii.次に、コンジュゲート化したED3G/オボアルブミン溶液を、0.1%アジ化ナトリウムを含むリン酸緩衝食塩水(「PBSA」)1Lに対して16時間透析する。
【0104】
iv.ウェル内で100μlのED3G−オボアルブミン(PBSAで1:10に希釈)を室温で2時間インキュベーションすることにより、Griener HBウェルを透析したED3G−オボアルブミンコンジュゲートでコーティングする。
【0105】
v.次に、ウェル当たり100μlの二特異性抗体フラグメント(PBSA中100μg/ml)溶液を室温で1時間インキュベーションすることにより、Griener HB−ED3G−オボアルブミン表面を準備する。続いてウェルをPBSAで濯ぎ、非結合の二特異性抗体フラグメントを除去する。ウェルは、必要時まで、100μlのPBSAを入れたまま4℃で保存する。
【0106】
第二表面(「表面2」)
i.チオール末端アルキル付属電気活性(カルバゾール)分子を、窒素をパージしたエタノール、またはDMF溶液に溶解した。
【0107】
ii.清潔で純粋な金の表面を、電気活性成分を含む溶液に暗下で24時間浸した。
【0108】
iii.金表面上の電気活性単層を適当な溶媒(例えば、ジクロロメタン)中で洗浄して非結合の分子をすべて除去し、次いで、窒素をパージした適当な溶媒中で一晩保存した。
【0109】
iv.電極を窒素流で乾燥し、電極表面から溶媒を除去した。
【0110】
v.電極を一連の増加希釈アセトニトリル:水混合液に移して単層の分子の向きを改善し、その結果、水性環境下で適当な単層となる。
【0111】
アッセイ
電気化学的測定は、Bryan flat bed x−y recorder(model A25000)とEH&G model 273A Princeton Applied Research Potentiostat/Galvanostatと一緒にPrinceton Applied Research Corporation Scanning Potentiostat(model 362)でのサイクリックボルタンメトリーまたはクロノアンペロメトリーにより(データの処理にはEchemとLotus123を使用して)行う。
【0112】
(a)安定したスキャンが生成されたら、バックグラウンドの電気化学を読み取って保存する。
【0113】
(b)読み取るサンプルを表面1(ウェル)に添加し、室温で15分間インキュベーションする。
【0114】
(c)ウェルからサンプルを除去して表面2(電極表面)に添加し、再度室温で15分間インキュベーションする。
【0115】
(d)MilliQ水で電極表面を洗浄し、上記(b)と同じ条件を用いて電気化学を測定する。システムを標準E3Gサンプルに対してキャリブレーションしてあるならば、電流の変調により、モル濃度単位で表される分析物濃度の測定値が与えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明によるアッセイ法の模式的な説明である。
【図2】 図2は、本発明によるアッセイ法の模式的な説明である。
【図3】 図3は、本発明によるアッセイ法の模式的な説明である。
【図4】 図4は、SPRシグナル出力を示すトレース(時間に対する任意の応答単位)である。
【図5】 図5は、SPRシグナル出力を示すトレース(時間に対する任意の応答単位)である。
【図6】 図6は、本発明によるアッセイ法の模式的な説明である。
【図7】 図7は、SPRシグナル出力を示すトレース(時間に対する任意の応答単位)である。
【図8】 図8は、時間(秒)に対するSPR応答(任意の応答単位)のグラフである。
【図9】 図9は、本発明の一実施形態で捕獲される置換可能な成分の量に対する流速の影響、および低い流速において第一表面から特異的に置換された置換可能な成分の100%がいかに第二表面に捕獲され得るかを示すグラフ(毎分μlの流速に対する、第二表面で捕獲される置換可能な成分の%)である。
【図10】 図10は、本発明によるアッセイ法の模式的な説明である。
【図11】 図11は、SPRシグナル出力を示すトレース(時間に対する任意の応答単位)である。
【図12】 図12は、時間(秒)に対するSPR応答(任意の応答単位)のグラフである。
【配列表】
Claims (17)
- サンプル中の目的分析物の存在を検出する方法であって、可逆的に固定化された置換可能な成分を有する第一表面を提供し;第一表面を目的分析物を含むサンプルに曝露して目的分析物により親和性に関連した様式で第一表面の置換可能な成分を特異的に置換し;第一表面から置換された置換可能な成分をこの置換可能な成分に特異的に結合する捕獲成分を有する第二表面と接触させて第二表面上に置換可能な成分を捕獲し、前記捕獲によって生成した検出可能なシグナルを検出する段階を含み、前記検出はSPR以外の手段で実施され、置換可能な成分が第二表面で捕獲されない限りおよび捕獲されるまでは置換可能な成分はアッセイで検出されるシグナルを生成することができない方法。
- 置換可能な成分が免疫グロブリン分子またはその抗原結合性誘導体からなる、請求項1に記載の方法。
- 置換可能な成分が二特異性抗体または二特異性抗原結合性抗体誘導体からなる、請求項1または2に記載の方法。
- 置換可能な成分が第一表面での可逆的固定化を容易にする部分を含む、請求項1、2、または3に記載の方法。
- 置換可能な成分が融合タンパク質からなる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
- 置換可能な成分が目的分析物のアナログであるミモトープからなる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
- 第一表面が置換可能な成分に比較的緩く結合する複数の介在分子を含み、介在成分の目的分析物に対する結合親和性が置換可能な成分の介在成分に対する結合親和性よりも高い、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
- 介在分子が目的分析物のアナログである、請求項7に記載の方法。
- 介在分子がミモトープである、請求項7に記載の方法。
- 捕獲成分が免疫グロブリン分子またはその抗原結合性変異体からなる、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
- 置換可能な成分と捕獲成分が特異的結合対のメンバーからなる、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
- 検出可能なシグナルがエバネッセント波または音波の生成または変調からなる、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
- 捕獲成分による置換可能な成分の捕獲が捕獲成分の電気化学的性質を直接変調し、その変調が検出可能なシグナルを含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
- 第一および第二表面が別々のそれぞれ第一および第二支持体上に提供される、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
- 第一および第二表面が単一の支持体上に提供される、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
- 第一および/または第二表面が平面、粒子、多孔性である固体支持体上に提供される、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
- 目的分析物が、ステロイドホルモン、タンパク質ホルモン、核酸、ペプチド、細菌性またはウイルス性抗原、および免疫グロブリンから成る群より選択される、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
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