JP4220070B2 - 測量に用いる反射プリズム用開閉装置 - Google Patents

測量に用いる反射プリズム用開閉装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子式若しくは光学式トランシットと光波測距儀を一体化したトータルステーションを用いてターゲットの方位や距離等を測定する測量方法及びその測量に用いる反射プリズムの開閉装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば暗渠を掘進機で掘削しながら推進して行く推進工法の測量方法に関しては、特開昭59−206709号公報に記載されものや、特開平11−23271号公報に記載のものが知られている。この前者の公報に記載された測量方法では、レーザビームを発し、ターゲットに設けられた反射鏡で反射したレーザビームを補足し、そのデータからターゲットまでを測距する測距装置を備えたステーションをヒューム管に設置し、かかるヒューム管を掘進機で掘削された部分に挿入し、このステーション間の方位並びに距離をレーザビームで計測するようにしたものである。
【0003】
また、後者の公報に記載された掘進工法の測量方法は、電子式トランシットと光波測距儀を一体化したトータルステーションの頂部に、入射光をその入射方向に反射する反射プリズムを固定してなる測量器械を、上記発進立坑内の基準点および推進される一連の管体内に推進長に応じて複数台固定設置する。中間の測量器械により、この中間の測量器械と隣り合う前方、後方の測量器械夫々の反射プリズムを視準して、上記前方、中間、後方の測量器械の成す水平夾角および上記中間の測量器械から上記前方、後方の測量器械までの前方距離、後方距離を測定する。
【0004】
次に、上記前方の測量器械により、この前方の測量器械と隣り合う前々方、上記中間の測量器械の夫々の反射プリズムを視準して、上記前々方、前方、中間の測量器械の成す水平夾角および上記前方の測量器械から上記前々方、中間の測量器械までの次の前方距離、次の後方距離を測定する。
そして、上記前方距離と上記次の後方距離が所定の誤差内で一致したとき、さらに前々方の測量器械による同様の視準と測定を上記発進立坑から上記掘進機まで繰り返して、掘進機の位置を求めるようにしたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記各公報に記載された従来の測量方法の前者のものでは、例えば暗渠の曲がりが少なく前方にターゲット以外の反射鏡が左右に重なり合うような場合、レーザビームがターゲット以外の反射鏡で反射することがあり、これを捕捉すると誤差を生じてしまうという問題があった。
【0006】
また、上記各公報に記載された従来の測量方法の後者のものでは、トータルステーションの頂部に反射プリズムの光軸を望遠鏡の光軸に対して直交するように取り付けられているため、隣接するトータルステーション間の方位及び距離を測量する場合、方位を検出する段階でまず、一方の反射プリズムの光軸を他方のトータルステーションに対面させるように回転させてから方位を検出した後、一方から他方のトータルステーションまでの距離を計測し、逆に他方のトータルステーションから一方のトータルステーションまでの方位並びに距離を計測し、両計測値が誤差範囲内にある時にはじめて計測が完了するために、隣接するトータルステーション間の方位及び距離を測量するだけでも時間を要してしまい、暗渠全体の形状(方位並びに距離)を測量するのに多大の時間を要してしまうという問題があった。
このことは、前記したのと同様に例えば曲がりが少なく前方にターゲット以外の反射鏡が左右に重なり合うような場合、反射プリズムは入射方向と反射方向が同じであることから、レーザビームがターゲット以外の反射鏡で反射することがあり、これを捕捉すると誤差を生じてしまうのでこれを防止するために基準位置のトータルステーションとターゲットとの相互間の距離を比較するようにしたことによるものである。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑み提案されたもので、ターゲットの反射プリズム以外からの反射光による誤視準、誤測定を無くして、迅速かつ高精度にターゲットの方位や距離等を測定する測量に用いる反射プリズムの開閉装置に関するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明にかかる測量に用いる反射プリズム用開閉装置は、
基準位置のトータルステーションからターゲットまでの方位、距離もしくはターゲットの変位を測量するトータルステーションによる測量方法に用いられるトータルステーションを、電子式または光学式トランシットと光波測距儀を一体化して形成し、このトータルステーションの一部に入射光をその入射方向に反射する反射プリズムを固定した測量器械を付設するとともに、この反射プリズムはその光軸をトータルステーションのトランシットの光軸と合致させ、反射プリズムの入射光部分に当該部分を開閉するシャッタ機構を配設し、この反射プリズムの入射光部分を開閉するシャッタ機構は、投光装置のケーシングの上端寄り部に嵌合する支持ブラケットと、この支持ブラケットに両端の枢支軸を介して回動自在に支持された側面視円弧状のシャッタと、一方の枢支軸を介してシャッタを回動操作する回動手段とで構成し、上記側面視円弧状のシャッタを方位並びに距離の検出操作に連動する回動手段で開閉可能に構成したことを特徴とするものである。
【0009】
本発明にかかる測量に用いる反射プリズム用開閉装置では、シャッタ機構が、暗渠を掘削する時の掘削機の制御及び掘削された暗渠の形状を測量する方法に用いられるトータルステーションに付設されたものである請求項1に記載の測量に用いる反射プリズム用開閉装置
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかるトータルステーションによる測量に用いる反射プリズム用開閉装置を図面に基づいて説明する。図1は、暗渠を掘進機によりシールド掘削する時にその掘進機の制御並びに掘削された穴の形状を測量する時に使用される測量器械の背面図、図2は側面図、図3は測量器械の正面図であって、図中符号1は測量器械を全体的に示す。
【0011】
この測量器械1は、電子式トランシット2と光波測距儀3を一体化したトータルステーション4と、この把手5の頂部に取付けられ方位検出用光線を発生する発光部6を設けた投光装置7とを備えてなり、この投光装置7には光波測距儀3と協動して測距する反射プリズム8が取付けられている。上記電子式トランシット2は、ターゲットを視準する望遠鏡9と、この望遠鏡9から測距用のレーザビームを上記反射プリズム8に向けて発光させ、反射されたレーザビームによりターゲット間の距離データを解析する解析装置10を望遠鏡9の下部に備えてなる。
【0012】
光波測距儀3の前面部分には投光装置7の発光部6からの方位検出用光線を受ける受光部11が設けられており、この受光部11が発光部6からの方位検出用光線を受けるとこれに基づいてターゲットの方位を特定し、測量器械1をその特定された方向に設定するようになっている。
反射プリズム8は、特開平11−23271号公報(以下、単に公報と言う)にも記載されているような入射方向と反射方向とが同じである周知構造のもので、その入射方向と反射方向が平面視において電子式トランシット2の望遠鏡9の光軸と合致する状態で上記投光装置7のケーシング12部分に取り付けられている。
【0013】
また、投光装置7のケーシング12部分には反射プリズム8の前面部分を開閉するこの反射プリズム8の入射光部分を開閉するシャッタ機構13が設けられている。
このシャッタ機構13は、図4及び図5に示すように投光装置7のケーシング12の上端寄り部に嵌合する支持ブラケット14と、この支持ブラケット14に両端の枢支軸15を介して回動自在に支持された側面視円弧状のシャッタ16と、一方の枢支軸15を介してシャッタ16を回動操作するロータリソレノイド(回動手段)17とからなる。
ロータリソレノイド17は支持ブラケット14の側面部分に固定され、図示は省略したが測量器械1を総合的に制御する制御装置により駆動され、ロータリソレノイド17が“ON”になるとシャッタ16を回動操作して反射プリズム8の前面部分を開くようになっている。
【0014】
上記のように形成された測量器械1を用いて掘進機の姿勢制御並びに暗渠の形状を測量する場合を次に説明する。図6はシールド掘進機20を先導として穿孔された暗渠の側面図を示すものであり、この暗渠21には上記公報にも示される通り、シールド掘進機20の後方にはヒューム管が挿入されるのであるが、便宜上ヒューム管は省略してある。
また、シールド掘進機20の姿勢制御とシールド掘進機20で穿孔された暗渠21の形状を測量するにあたり、シールド掘進機20の後面には反射プリズム8を備えた投光装置7を、暗渠21(ヒューム管内部)に複数の測量器械1を配置する。
【0015】
次に、暗渠21に配置された複数の測量器械1のうち、立坑側(図上左側)の基準位置の測量器械1から隣接する奥側(図上右側)のターゲットとなる測量器械1の方位並びに距離を計測する場合、先ず、シールド掘進機20の後面に取り付けられた反射プリズム8のシャッタ機構13はそのロータリソレノイド17を“OFF”にしてシャッタ16で反射プリズム8の前面部分を閉じ、ターゲットの測量器械1の反射プリズム8のシャッタ機構13のシャッタ16は上げて反射プリズム8の前面部分を開けておく。次に、図7に示すようにターゲット側の測量器械1の投光装置7の発光部6から赤外線からなる方位検出用光線を発射させる。
この発光部6から発射された赤外線を基準位置の測量器械1が図8にAで示すようにサーチ揺動しながらその受光部11が受けると、基準位置の測量器械1がターゲットの測量器械1に正しく対面した状態で停止して正対する。
【0016】
しかして基準位置の測量器械1がターゲットの測量器械1に正対した後、図9に示すように基準位置の測量器械1の望遠鏡9から測距用のレーザビームBをターゲット側の反射プリズム8に向けて発射させ、反射プリズム8で反射されたレーザビームBを基準位置の測量器械1の望遠鏡9が受けると、その発射から受光までの時間及び基準位置の測量器械1の望遠鏡9の仰角θとから解析装置10でその距離が算出される。
ここで、暗渠21が緩く曲がっているような時、ターゲットの測量器械1の反射プリズム8とシールド掘進機20の後面に取り付けられた反射プリズム8とが左右に位置していても、掘進機20の後面の反射プリズム8は閉じられていることから、基準位置の測量器械1の望遠鏡9から発射された測距用のレーザビームBは開かれているターゲットの測量器械1の反射プリズム8でしか反射しないので誤認することが無くターゲットの正しい位置を測量することができることになる。
【0017
こうして、基準位置の測量器械1からのターゲットの測量器械1の方位と距離により暗渠21の形状が測量されるとともに、同様の手順で得られたシールド掘進機20とこれの後続の測量器械1との間の測量された暗渠21の形状が、暗渠の計画されている形状と比較されてシールド掘進機20の姿勢制御にフィードバックされるのである。
尚、上記実施の形態では暗渠を掘進機によりシールド掘削する場合を例に説明してあるが、本発明はこうしたものに限られず、例えば地上にあるターゲットの位置の変化例えば沈降具合等を検出する場合にも実施することができるのは勿論のことである。
また、上記実施の形態では回動手段としてロータリソレノイドを使用するようにしてあるが、こうしたものに限られず、二位置切替えのソレノイドにしたり、モータを使用することもできるのは勿論である。
【0018】
【発明の効果】
以上に説明したように本発明によれば、トータルステーションで測量するターゲットの一部に、入射光をその入射方向に反射する反射プリズムを固定してなる測量器械を設け、反射プリズムの光軸をトータルステーションのトランシットの光軸と合致させるとともに、反射プリズムの入射光部分には当該部分を開閉するシャッタを設け、方位及び距離を計測する部分の反射プリズムの入射光部分のシャッタを開き、トータルステーションと測量器械の何れか一方に、方位及び距離を計測する為に相手側の反射プリズムに向けて方位検出用光線を発する発光部と、発光部からの方位検出用光線を受光する受光部を設け、当該反射光により距離を計測する相手の方位を検出して相互に正対させた後、光波測距儀から相手側の反射プリズムに向けて発射された測距光線の反射により計測される相互のトータルステーション間の距離を測定するようにしてあるので、曲がりが少ない形状で前方にターゲット以外の反射鏡が左右に重なり合うような場合でもターゲット以外の反射鏡はシャッタで閉じておくだけで、レーザビームがターゲット以外の反射鏡での反射を防止でき、誤視準をなくし、誤視準による測量の誤差を無くせると言う利点がある。
【0019】
また、方位検出用光線を発する発光部と反射プリズムで反射された方位検出用光線を受光する受光部を設け、当該反射光により距離を計測する相手の方位を検出して相互に正対させた後、測距光線で測距するようにしてあるので、従来のように、一方の反射プリズムの光軸を他方のトータルステーションに対面させるように回転させてから方位を検出した後、一方から他方のターゲットまでの距離を計測し、逆に他方のターゲットから一方のトータルステーションまでの方位並びに距離を計測し、両計測値を比較して測量するようにしたものに比べ、ターゲットの反射プリズム以外からの反射光による誤視準、誤測定を無くして、短時間のうちに高精度にターゲットの方位や距離等を測定することができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】は本発明にかかる測量器械の背面図である。
【図2】は本発明にかかる測量器械の側面図である。
【図3】は本発明にかかる測量器械の正面図である。
【図4】は本発明にかかる測量器械の反射プリズムに付設されるシャッタ機構の正面図である。
【図5】は本発明にかかる測量器械の反射プリズムに付設されるシャッタ機構の側面図である。
【図6】は本発明にかかる測量器械の使用状態の概略図である。
【図7】は本発明にかかる測量器械の方位の検出作動を示す側面図である。
【図8】は本発明にかかる測量器械の方位を検出する作動を示す平面図である。
【図9】は本発明にかかる測量器械の距離を検出する作動を示す平面図である。
【符号の説明】
1・・・測量器械
2・・・トランシット
3・・・光波測距儀
4・・・トータルステーション
6・・・発光部
8・・・反射プリズム
11・・・受光部
16・・・シャッタ
17・・・回動手段(ロータリソレノイド)

Claims (2)

  1. 基準位置のトータルステーションからターゲットまでの方位、距離もしくはターゲットの変位を測量するトータルステーションによる測量方法に用いられるトータルステーションを、電子式または光学式トランシットと光波測距儀を一体化して形成し、このトータルステーションの一部に入射光をその入射方向に反射する反射プリズムを固定した測量器械を付設するとともに、この反射プリズムはその光軸をトータルステーションのトランシットの光軸と合致させ、反射プリズムの入射光部分に当該部分を開閉するシャッタ機構を配設し、この反射プリズムの入射光部分を開閉するシャッタ機構は、投光装置のケーシングの上端寄り部に嵌合する支持ブラケットと、この支持ブラケットに両端の枢支軸を介して回動自在に支持された側面視円弧状のシャッタと、一方の枢支軸を介してシャッタを回動操作する回動手段とで形成し、上記側面視円弧状のシャッタを方位並びに距離の検出操作に連動する回動手段で開閉可能に構成したことを特徴とする測量に用いる反射プリズム用開閉装置。
  2. シャッタ機構が、暗渠を掘削する時の掘削機の制御及び掘削された暗渠の形状を測量する方法に用いられるトータルステーションに付設されたものである請求項1に記載の測量に用いる反射プリズム用開閉装置
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