JP4219034B2 - エレベータ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗りかごの駆動にロープを利用する形式のエレベータに係わり、特に、機械室を不要として昇降路の省スペース化を図り得るエレベータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、機械室を必要としないエレベータシステムについて数多くの提案がなされている。例えば、釣合重りにモータを設置してこのモータの動力により乗りかごを昇降させる方式が提案されており、具体的には、特開平6−255959号、特開平7−137963号、特開平7−137964号、特開平9−124259号にこの方式のエレベータが開示されている。
【0003】
図6は、釣合重りにモータを設置する方式の従来のエレベータの概略構成を示しており、このエレベータにおいては、釣合重り1の内部に駆動モータ22が設置され、この駆動モータ22と同軸一体に回転するトラクションシーブ20にロープ5が掛けられている。このロープ5はその一端が昇降路21の上部に固定部材11によって固定されており、トラクションシーブ20に掛けられた後に昇降路21上部の一対の返し車6を経由して乗りかご7の上端にその他端が固定されている。
【0004】
乗りかご7の下部のエレベータケーブルかご下中継点14及びエレベータケーブル建屋中継点16を経由するエレベータケーブル15によって制御盤17と釣合重り1とが連結されている。なお、図6中の符号13は釣合重り1のガイドレール(図示せず)用のブレーキ装置であり、符号12は駆動モータ22に対するブレーキ装置である。
【0005】
そして、図6に示した従来のエレベータにおいては、駆動モータ22によってトラクションシーブ20を回転させて釣合重り1を自ら昇降させ、これによって乗りかご7を昇降させるようにしている。
【0006】
また、他の方式としては、乗りかごにモータを設置し、乗りかごのガイドレールを挟むローラをモータにて回転させて自走するものが提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、釣合重りの内部にモータを設置し、トラクションシーブにてロープを介して乗りかごを駆動する従来の方式では、昇降路寸法の縮小化(機械室レス化)を図る上で効率のよい方式ではあるものの、乗りかごの積載重量の増加に伴って、釣合重り内の限られたスペース内に、乗りかごを駆動し得る大容量のモータと、乗りかごを懸架するのに十分な本数のロープを掛けるトラクションシーブとを配置する必要がある。ロープの本数が増えるとトラクションシーブの厚みを増やす必要があり、結果として釣合重り全体の厚みを増やすことになる。
【0008】
また、乗りかごに設置したモータによって、ガイドレールを挟むローラを回転させ、これによって乗りかごを自走させる従来の方式では、乗りかごの積載重量の増加に伴って増大する必要トルクをモータにて発生でき、乗りかごを支えるだけの摩擦力をローラとガイドレールとの間で確保できるとすれば、釣合重りを無くすことも可能と考えられるが、大トルクを発生させるためにはモータを大きくする必要があり、モータが大きくなればその分だけ重量が増えるため悪循環となってしまう。
【0009】
本発明は、上述した問題点を考慮してなされたものであって、乗りかごの積載重量が増加した場合でも昇降路の縮小化を図り得るエレベータを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、乗りかごの駆動にロープを利用する形式のエレベータにおいて、前記ロープによって懸吊された釣合重りと、前記釣合重りの昇降軌道に沿って延設されたレールと、前記釣合重りに回転自在に設けられ、前記レールを両側から挟み込む一対のローラと、前記釣合重りに設けられ、前記一対のローラのうちの少なくとも一方のローラを回転させるための回転駆動手段と、昇降路の上部に設けられ、前記ロープが掛け渡された昇降路側転向シーブと、を備え、前記回転駆動手段で前記少なくとも一方のローラを回転させて前記レール上を転動させることによって前記釣合重りは前記レールに沿って昇降し、これによって前記乗りかごが前記昇降路内を昇降するように構成され、前記レールは、前記釣合重りの上下方向中心線に対応して延設され、前記釣合重りの昇降動作を案内するガイドレールとしても機能し、前記釣合重りに回転自在に設けられた昇降シーブをさらに有し、前記ロープは、前記昇降シーブに掛け渡されており、前記一対のローラの回転軸心と共通の回転軸心を有して前記一対のローラとは独立して回転可能である一対の前記昇降シーブを前記釣合重りに設け、前記一対のローラは、前記レールに押し付けられる方向に向かって前記一対の昇降シーブと共に移動可能であり、前記乗りかご及び前記釣合重りの重量に起因して前記ロープから前記一対の昇降シーブに伝えられた力によって前記一対のローラが前記レールに押し付けられ、これによって前記一対のローラによる前記レールの挟持力が増大するようにしたことを特徴とする。
【0012】
また、前記ロープは、前記昇降路の上部に設けられた一対の前記昇降路側転向シーブを経由して前記乗りかごにその両端が固定されていることが望ましい。
【0013】
また、前記乗りかごに一対の乗りかご側転向シーブを設け、一対の前記昇降路側転向シーブから送られる前記ロープを前記一対の乗りかご側転向シーブのそれぞれに掛け渡し、前記ロープの両端を前記昇降路の上部に固定することが望ましい。
【0016】
本発明は、乗りかごの駆動にロープを利用する形式のエレベータにおいて、前記ロープによって懸吊された釣合重りと、前記乗りかごの昇降動作を案内するガイドレールと、前記乗りかごの昇降軌道に沿って延設されたレールと、前記乗りかごに回転自在に設けられ、前記レールを両側から挟み込む一対のローラと、前記乗りかごに設けられ、前記一対のローラのうちの少なくとも一方のローラを回転させるための回転駆動手段と、昇降路の上部に設けられ、前記ロープが掛け渡された昇降路側転向シーブと、を備え、前記回転駆動手段で前記少なくとも一方のローラを回転させて前記レール上を転動させることによって前記乗りかごが昇降路内を昇降するように構成され、前記一対のローラの回転軸心と共通の回転軸心を有して前記一対のローラとは独立して回転し得る一対の昇降シーブを前記乗りかごに設け、前記ロープは、前記一対の昇降シーブに掛け渡されており、前記一対のローラは、前記レールに押し付けられる方向に向かって前記一対の昇降シーブと共に移動可能であり、前記乗りかご及び前記釣合重りの重量に起因して前記ロープから前記一対の昇降シーブに伝えられた力によって前記一対のローラが前記レールに押し付けられ、これによって前記一対のローラによる前記レールの挟持力が増大するようにしたことを特徴とする。
【0018】
また、前記回転駆動手段は前記釣合重り又は前記乗りかごに設けられたモータから成り、前記少なくとも一方のローラは前記モータの回転部に設けられていることが望ましい。
【0019】
また、前記レールは断面I形の部材によって構成されており、前記一対のローラは前記断面I形の部材の両側凹部を挟み込むことが望ましい。
【0020】
また、前記昇降路側転向シーブの回転を制動するための転向シーブ制動手段を設けることが望ましい。
【0021】
また、前記ローラの回転を制動するためのローラ制動手段を設けることが望ましい。
【0022】
また、前記レールとの間の摩擦力を利用して前記釣合重り又は前記乗りかごの昇降を制動する昇降制動手段を前記釣合重り又は前記乗りかごに設けることが望ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】
第1実施形態
以下、本発明の第1実施形態によるエレベータについて図1乃至図3を参照して説明する。なお、図6に示した従来のエレベータと同一の構成要素には同一符号を付して説明する。
【0024】
図1は本実施形態によるエレベータの概略を示した全体構成図であり、図2は釣合重りの部分を示した斜視図であり、図3は釣合重りの内部を真上から見た図である。
【0025】
図1に示したように本実施形態によるエレベータは、乗りかご7の駆動にロープ5を利用する形式のエレベータである。乗りかご7は図示しないガイドレールに案内されて上下方向に昇降する。ロープ5は、昇降路21の上部に設けられた一対の昇降路側転向シーブ(返し車)6を経由して乗りかご7にその両端が固定されている。
【0026】
また、ロープ5の中間部によって釣合重り1が懸吊されており、この釣合重り1の昇降軌道に沿って、昇降路21の床面9から天井面8までレール2が延設されている。図2及び図3に示したようにレール2は、釣合重り1の上下方向中心線に対応して延設されている。釣合重り1には、その上下方向中心線に沿って凹部1aが形成されており、この凹部1aにレール2が受け入れられている。
【0027】
また、レール2は、釣合重り1の昇降動作を案内するガイドレールとして機能する。このようにレール2を釣合重り1のガイドレールとして機能させることによって、別途ガイドレールを釣合重り1の両側に設ける必要がなく、したがって、釣合重り1の左右両側にガイドシュー等を設ける必要がなく、重り本体の幅がほぼ釣合重り1の全幅となり、昇降路21の省スペース化と大幅なコストダウンを図ることができる。
【0028】
図1乃至図3に示したように釣合重り1の内部には一対のモータ3より成る回転駆動手段が設けられており、モータ3の回転部の外周又は軸にローラ3aが設けられ、一対のローラ3aがレール2をその両側から挟み込んでいる。ローラ3aは、ゴム等の弾性体より成るタイヤで構成することができる。
【0029】
さらに、一対のモータ3の固定部には一対の昇降シーブ4が設けられており、各昇降シーブ4は各ローラ3aの回転軸心と共通の回転軸心を有し、各ローラ3aとは独立して自由に回転することができる。
【0030】
ロープ5は、一対の昇降シーブ4に掛け渡されており、これらの昇降シーブ4は回転駆動力が付与されるものではなく、乗りかご7の駆動に際してもほとんど回転しないものである。したがって、これらの昇降シーブ4は、図6に示した従来のエレベータにおけるトラクションシーブ20とは異なり、溝形状を簡素化し、薄型化することが可能であり、ひいては、釣合重り1全体の薄型化を図ることが可能となる。
【0031】
また、一対のローラ3は、レール2に押し付けられる方向に向かって一対の昇降シーブ4と共に移動可能である。したがって、ロープ5から昇降シーブ4に伝えられた力によって一対のローラ3がレール2に押し付けられ、これによって一対のローラ3によるレール2の挟持力が増大する。この挟持力は乗りかご7の積載重量の増加と共に増加する。
【0032】
レール2は、図2に示したように断面T形の部材を用いることもできるが、図3に示したように断面I形の部材によって構成することもできる。断面I形の部材を用いた場合、一対のローラ3aで断面I形の部材より成るレール2の両側凹部を挟み込むことによって、レール2からローラ3aが外れることを防止することができる。
【0033】
また、本実施形態においては、モータ3を2台設けて一対のローラ3aの両方に回転駆動力を直接付与するようにしたが、変形例としては、モータ3の設置台数を一台として、一方のローラ3aはモータ3の回転部に設けると共に、他方のローラ3aには回転駆動力を直接付与しないようにすることもできる。モータ3を2台設けた場合には各モータ3の負荷を半減することができるし、また、モータ3を1台とした場合には釣合重り1の内部の省スペース化及び釣合重り1の小型化を図ることができる。
【0034】
また、2つのモータ3の同期を取るために両モータ3の軸間にベルトを渡してもよい。
【0035】
そして、上記構成より成る本実施形態のエレベータにおいては、モータ3を駆動してローラ3aを回転させ、ローラ3aとレール2との間の摩擦力によってローラ3aをレール2に沿って転動させることにより釣合重り1はレール2に沿って自走して昇降し、これによって乗りかご7が昇降路21内を昇降する。
【0036】
乗りかご7の制動は昇降路側転向シーブ6の回転を制動する転向シーブ制動手段(図示せず)を設けることによって行うことができる。転向シーブ制動手段は、例えば、昇降路側転向シーブ6と同軸一体に円盤又は円筒部を設けてバネの力にて制動する構成とすることができる。このように転向シーブ制御手段を設けることにより、釣合重り1の内部の機構を複雑にすることなく、昇降路21の上部の限られたスペースを有効に利用することができる。また、転向シーブ制動手段は一定の位置に固定されるので、その調整、保守作業、手動開放の機構等が容易となる。
【0037】
また、ローラ3aの回転を制動するためのローラ制動手段(図示せず)をモータ3に設けて乗りかご7を制動することもできる。ローラ制動手段は、例えば、モータ3の回転部に制動部材(シュー)を直接両側から押し付ける構成としたり、或いはモータ3の回転部に同軸一体に円盤を設けてこの円盤を制動部材で挟み込む構成とすることができる。このようにローラ制動手段を設けることにより、昇降路21の上部の構成を複雑にすることがなく、また、モータ3の回転を確実に制動することができる。
【0038】
また、レール2に制動部材(シュー)を押し付けることにより生じる摩擦力を利用して釣合重り1の昇降を制動する昇降制動手段(図示せず)を釣合重り1に設けることもできる。このようにすれば、昇降路21の頂部の構成及びモータ3の構成を複雑にすることがなく、また、釣合重り1の動作を確実に制動することができる。
【0039】
以上述べたように本実施形態によるエレベータによれば、乗りかご7を駆動するための駆動源であるモータ3を釣合重り1に搭載したので、昇降路21内にモータ設置のための梁や支持部材等を設ける必要がなく、昇降路21内部の省スペース化を実現することができる。
【0040】
また、本実施形態においては、釣合重り1に設けた一対のローラ3aでレール2を挟持し、モータ3によりローラ3aを回転駆動して釣合重り1及び乗りかご7を昇降駆動するようにした。したがって、乗りかご7の積載重量の増加に応じてモータ重量が大きくなった場合でも、モータ重量は乗りかごではなく釣合重り1に作用し、乗りかご7にモータを設置する場合に比べて、モータ重量の制約を緩和することができる。
【0041】
第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態によるエレベータについて図4を参照して説明する。なお、本実施形態は上述した第1実施形態の構成を一部変更したものであり、以下では、第1実施形態と異なる部分について説明する。
【0042】
図4に示したように本実施形態によるエレベータにおいては、乗りかご7の下部に一対の乗りかご側転向シーブ10が設けられている。そして、一対の昇降路側転向シーブ6から送られるロープ5を一対の乗りかご側転向シーブ10のそれぞれに掛け渡し、ロープ5の両端を昇降路21の天井面8に固定している。
【0043】
上記構成より成る本実施形態によれば、乗りかご7を昇降するために必要なモータ3のトルクが半分となり、モータ3の容量を低減することができる。
【0044】
第3実施形態
次に、本発明の第3実施形態によるエレベータについて図5を参照して説明する。なお、上述した第1実施形態と同一の構成要素には同一符号を付して説明する。
【0045】
図5は本実施形態によるエレベータの概略を示した全体構成図であり、図5に示したように本実施形態においては、モータ3及び昇降シーブ4が釣合重り1ではなく乗りかご7に設けられている。
【0046】
さらに、乗りかご7の昇降動作を案内するガイドレール(図示せず)とは別に、乗りかご7の昇降軌道に沿ってレール2が延設されており、このレール2を一対のローラ3aが両側から挟み込んでいる。
【0047】
ロープ5の一端は固定機構(図示せず)にて釣合重り1に固定されており、また、ロープ5は昇降路21の上部に設けられた一対の昇降路側転向シーブ(返し車)6を経由して乗りかご7の一対の昇降シーブ4に掛け渡されている。釣合重り1はその左右両側に垂設されたガイドレール(図示せず)に沿って昇降する。
【0048】
本実施形態におけるモータ3及び昇降シーブ4の構成は、図2及び図3に示した構成と同一であり、モータ3の回転部の外周又は軸にローラ3aが設けられており、一対のローラ3aがレール2をその両側から挟み込んでいる。さらに、一対のモータ3の固定部には一対の昇降シーブ4が設けられており、各昇降シーブ4は各ローラ3aの回転軸心と共通の回転軸心を有し、各ローラ3aとは独立して自由に回転することができる。
【0049】
ロープ5は、一対の昇降シーブ4に掛け渡されており、これらの昇降シーブ4は回転駆動力が付与されるものではなく、乗りかご7の駆動に際してもほとんど回転しないものである。したがって、これらの昇降シーブ4はトラクションシーブとは異なり、溝形状を簡素化し、薄型化することが可能である。
【0050】
また、一対のローラ3は、レール2に押し付けられる方向に向かって一対の昇降シーブ4と共に移動可能である。したがって、ロープ5から昇降シーブ4に伝えられた力によって一対のローラ3がレール2に押し付けられ、これによって一対のローラ3によるレール2の挟持力が増大する。この挟持力は乗りかご7の積載重量の増加と共に増加する。
【0051】
レール2は、図2に示したように断面T形の部材を用いることもできるが、図3に示したように断面I形の部材によって構成することもできる。断面I形の部材を用いた場合には、一対のローラ3aで断面I形の部材より成るレール2の両側凹部を挟み込むことによって、レール2からローラ3aが外れることを防止することができる。
【0052】
また、本実施形態においては、モータ3を2台設けて一対のローラ3aの両方に回転駆動力を直接付与するようにしたが、変形例としては、モータ3の設置台数を一台として、一方のローラ3aはモータ3の回転部に設けると共に、他方のローラ3aには回転駆動力を直接付与しないようにすることもできる。モータ3を2台設けた場合には各モータ3の負荷を半減することができるし、また、モータ3を1台とした場合には乗りかご7からの突出部分を小さくすることができる。
【0053】
また、2つのモータ3の同期を取るために両モータ3の軸間にベルトを渡してもよい。
【0054】
そして、上記構成より成る本実施形態のエレベータにおいては、モータ3を駆動してローラ3aを回転させ、ローラ3aとレール2との間の摩擦力によってローラ3aをレール2に沿って転動させることにより乗りかご7はレール2に沿って自走して昇降する。
【0055】
乗りかご7の制動は昇降路側転向シーブ6の回転を制動する転向シーブ制動手段(図示せず)を設けることによって行うことができる。転向シーブ制動手段は、例えば、昇降路側転向シーブ6と同軸一体に円盤又は円筒部を設けてバネの力にて制動する構成とすることができる。このように転向シーブ制御手段を設けることにより、昇降路21の上部の限られたスペースを有効に利用することができる。また、転向シーブ制動手段は一定の位置に固定されるので、その調整、保守作業、手動開放の機構等が容易となる。
【0056】
また、ローラ3aの回転を制動するためのローラ制動手段(図示せず)をモータ3に設けて乗りかご7を制動することもできる。ローラ制動手段は、例えば、モータ3の回転部に制動部材(シュー)を直接両側から押し付ける構成としたり、或いはモータ3の回転部に同軸一体に円盤を設けてこの円盤を制動部材で挟み込む構成とすることができる。このようにローラ制動手段を設けることにより、昇降路21の上部の構成を複雑にすることがなく、また、モータ3の回転を確実に制動することができる。
【0057】
また、レール2に制動部材(シュー)を押し付けることにより生じる摩擦力を利用して釣合重り1の昇降を制動する昇降制動手段(図示せず)を乗りかご7に設けることもできる。このようにすれば、昇降路21の頂部の構成及びモータ3の構成を複雑にすることがなく、また、乗りかご7の動作を確実に制動することができる。
【0058】
以上述べたように本実施形態によるエレベータによれば、乗りかご7を駆動するための駆動源であるモータ3を乗りかご7に搭載したので、昇降路21内にモータ設置のための梁や支持部材等を設ける必要がなく、昇降路21内部の省スペース化を実現することができる。
【0059】
また、モータ3及びローラ3aを乗りかご7下部に設置したので、モータ3及びローラ3aの調整作業を乗りかご7より行うことができる。
【0060】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によるエレベータによれば、乗りかごを駆動するための駆動源である回転駆動手段を釣合重りに搭載したので、昇降路内に駆動源設置のための梁や支持部材等を設ける必要がなく、昇降路内部の省スペース化を実現することができる。また、釣合重りに設けた一対のローラでレールを挟持し、回転駆動手段によりローラを回転駆動して釣合重り及び乗りかごを昇降駆動するようにしたので、乗りかごに駆動源を設置する場合に比べて、乗りかごの積載重量の増加に伴う駆動源重量の制約を緩和することができる。
【0061】
また、本発明によるエレベータによれば、乗りかごを駆動するための駆動源である回転駆動手段を乗りかごに搭載したので、昇降路内に駆動源設置のための梁や支持部材等を設ける必要がなく、昇降路内部の省スペース化を実現することができる。また、回転駆動手段及びローラを乗りかごに設置したのでそれらの調整作業を乗りかごより行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態によるエレベータの概略を示した全体構成図。
【図2】本発明の第1実施形態によるエレベータの釣合重りの部分を示した斜視図。
【図3】本発明の第1実施形態によるエレベータの釣合重りの内部を真上から見た図。
【図4】本発明の第2実施形態によるエレベータの概略を示した全体構成図。
【図5】本発明の第3実施形態によるエレベータの概略を示した全体構成図。
【図6】従来のエレベータの概略を示した全体構成図。
【符号の説明】
1 釣合重り
2 レール
3 モータ
3a ローラ
4 昇降シーブ
5 ロープ
6 昇降路側転向シーブ
7 乗りかご
10 乗りかご側転向シーブ
21 昇降路
Claims (9)
- 乗りかごの駆動にロープを利用する形式のエレベータにおいて、前記ロープによって懸吊された釣合重りと、前記釣合重りの昇降軌道に沿って延設されたレールと、前記釣合重りに回転自在に設けられ、前記レールを両側から挟み込む一対のローラと、前記釣合重りに設けられ、前記一対のローラのうちの少なくとも一方のローラを回転させるための回転駆動手段と、昇降路の上部に設けられ、前記ロープが掛け渡された昇降路側転向シーブと、を備え、前記回転駆動手段で前記少なくとも一方のローラを回転させて前記レール上を転動させることによって前記釣合重りは前記レールに沿って昇降し、これによって前記乗りかごが前記昇降路内を昇降するように構成され、
前記レールは、前記釣合重りの上下方向中心線に対応して延設され、前記釣合重りの昇降動作を案内するガイドレールとしても機能し、
前記釣合重りに回転自在に設けられた昇降シーブをさらに有し、前記ロープは、前記昇降シーブに掛け渡されており、
前記一対のローラの回転軸心と共通の回転軸心を有して前記一対のローラとは独立して回転可能である一対の前記昇降シーブを前記釣合重りに設け、前記一対のローラは、前記レールに押し付けられる方向に向かって前記一対の昇降シーブと共に移動可能であり、前記乗りかご及び前記釣合重りの重量に起因して前記ロープから前記一対の昇降シーブに伝えられた力によって前記一対のローラが前記レールに押し付けられ、これによって前記一対のローラによる前記レールの挟持力が増大するようにしたことを特徴とするエレベータ。 - 前記ロープは、前記昇降路の上部に設けられた一対の前記昇降路側転向シーブを経由して前記乗りかごにその両端が固定されていることを特徴とする請求項1記載のエレベータ。
- 前記乗りかごに一対の乗りかご側転向シーブを設け、一対の前記昇降路側転向シーブから送られる前記ロープを前記一対の乗りかご側転向シーブのそれぞれに掛け渡し、前記ロープの両端を前記昇降路の上部に固定したことを特徴とする請求項1記載のエレベータ。
- 乗りかごの駆動にロープを利用する形式のエレベータにおいて、前記ロープによって懸吊された釣合重りと、前記乗りかごの昇降動作を案内するガイドレールと、前記乗りかごの昇降軌道に沿って延設されたレールと、前記乗りかごに回転自在に設けられ、前記レールを両側から挟み込む一対のローラと、前記乗りかごに設けられ、前記一対のローラのうちの少なくとも一方のローラを回転させるための回転駆動手段と、昇降路の上部に設けられ、前記ロープが掛け渡された昇降路側転向シーブと、を備え、前記回転駆動手段で前記少なくとも一方のローラを回転させて前記レール上を転動させることによって前記乗りかごが昇降路内を昇降するように構成され、
前記一対のローラの回転軸心と共通の回転軸心を有して前記一対のローラとは独立して回転し得る一対の昇降シーブを前記乗りかごに設け、前記ロープは、前記一対の昇降シーブに掛け渡されており、前記一対のローラは、前記レールに押し付けられる方向に向かって前記一対の昇降シーブと共に移動可能であり、前記乗りかご及び前記釣合重りの重量に起因して前記ロープから前記一対の昇降シーブに伝えられた力によって前記一対のローラが前記レールに押し付けられ、これによって前記一対のローラによる前記レールの挟持力が増大するようにしたことを特徴とするエレベータ。 - 前記回転駆動手段は前記釣合重り又は前記乗りかごに設けられたモータから成り、前記少なくとも一方のローラは前記モータの回転部に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のエレベータ。
- 前記レールは断面I形の部材によって構成されており、前記一対のローラは前記断面I形の部材の両側凹部を挟み込むことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のエレベータ。
- 前記昇降路側転向シーブの回転を制動するための転向シーブ制動手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載のエレベータ。
- 前記ローラの回転を制動するためのローラ制動手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載のエレベータ。
- 前記レールとの間の摩擦力を利用して前記釣合重り又は前記乗りかごの昇降を制動する昇降制動手段を前記釣合重り又は前記乗りかごに設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載のエレベータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05578699A JP4219034B2 (ja) | 1999-03-03 | 1999-03-03 | エレベータ |
Applications Claiming Priority (1)
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