JP4218125B2 - ブレーキ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の車輪に制動力を付与するブレーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のブレーキ装置は、特開平11−20663号公報に開示されるように、マスタシリンダと、前記マスタシリンダにブレーキ液を供給するリザーバと、前記リザーバから作動流体としてのブレーキ液の供給を受けると共に前記マスタシリンダに作動流体圧を付与するアキュムレータとを備えるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらこの従来のブレーキ装置は、リザーバにおいて、マスタシリンダに必要なブレーキ液に加え、アキュムレータに蓄えるブレーキ液の確保が必須であり、リザーバの大型化を招く恐れを有している。
【0004】
車両において大型のリザーバタンクを備えることは車両搭載上の制約となり、リザーバキャップからのあふれに対しても複雑な迷路構造が必要となるなどコストの増大の要因ともなる。
【0005】
本発明は、小型化及びコストの低減を図ったブレーキ装置を提供することを、その技術的課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、第1の手段として、メインリザーバに貯留された大気圧の作動流体を加圧することでブレーキ液圧を車輪のホイールシリンダに出力する少なくとも一つのマスタシリンダと、前記マスタシリンダに作動流体圧を付与することにより前記マスタシリンダから前記ホイールシリンダに出力するブレーキ液圧を発生可能とする少なくとも一つの圧力源と、当該圧力源から前記マスタシリンダに付与される作動流体圧をブレーキ操作部材の操作量に応じて所定圧に制御するレギュレータとを備えたブレーキ装置において、前記圧力源はポンプ装置であり、前記ポンプ装置はその吐出ポートが前記レギュレータに連通されると共にその吸入ポートが前記ポンプ装置に作動流体を供給するリザーバに連通されており、当該リザーバは、前記メインリザーバとは異なるものであるとともに当該メインリザーバと前記レギュレータとを連通する経路とは当該レギュレータをはさんで独立した経路で前記吸入ポートに連通されており、さらに、作動流体の貯溜室の容積が可変であることを特徴とするブレーキ装置を構成した。
【0007】
好ましくは、第2の手段として、前記リザーバは、前記マスタシリンダから前記ホイールシリンダにブレーキ液圧を供給する経路とは前記レギュレータをはさんで独立した経路で前記吸入ポートに連通されていることを特徴とする第1の手段のブレーキ装置が望ましい。
また、好ましくは、第3の手段として、前記リザーバは前記貯溜室が大気に直接的には開放不能とされることを特徴とする第1の手段又は第2の手段のブレーキ装置が望ましい。
【0009】
好ましくは、第4の手段として、前記マスタシリンダと前記リザーバとを連通すると共に前記ポンプ装置が配設される第1作動流体経路と、前記第1作動流体経路に前記ポンプ装置を跨いで並列に連通接続される第2作動流体経路と、前記第2作動流体経路に配設される第1バルブとを備えたことを特徴とする第1の手段〜第3の手段の何れか一に記載のブレーキ装置が望ましい。
【0010】
好ましくは、第5の手段として、前記マスタシリンダと前記リザーバとを連通すると共に前記ポンプ装置が配設される第1作動流体経路と、前記第1作動流体経路における前記ポンプ装置と前記マスタシリンダとの間の流体経路と前記マスタシリンダの圧力室とを連通する第1連通経路と、前記第1作動流体経路における前記ポンプ装置と前記リザーバとの間の経路と前記マスタシリンダの圧力室とを連通する第2連通路と、前記第1連通路を連通制御する第1制御手段と、前記第2連通路を連通制御する第2制御手段とを備えたことを特徴とする第1の手段〜第4の手段のの何れか一に記載のブレーキ装置が望ましい。
【0012】
好ましくは、第6の手段として、前記レギュレータ或いは前記第1バルブの内で少なくともどちらか一方は開閉型リニア制御バルブであり、その開閉作動が電気的に制御可能とされることを特徴とする第1の手段〜第5の手段の何れか一に記載のブレーキ装置が望ましい。
【0013】
好ましくは、第7の手段として、前記マスタシリンダはブレーキ操作部材の操作に応じて作動され、前記ブレーキ操作部材の操作量を検出する少なくとも一つの検出手段を備え、前記ポンプ装置は前記検出手段の検出結果に基づいて作動流体圧を前記マスタシリンダに付与することを特徴とする第1の手段〜第6の手段の何れか一に記載のブレーキ装置が望ましい。
【0014】
第1の手段のブレーキ装置は、ポンプ装置が容積可変リザーバから作動流体の供給を受けると共にマスタシリンダに作動流体圧を付与する。また、この容量可変リザーバは、メインリザーバとレギュレータとを連通する経路とは当該レギュレータをはさんで独立した経路でポンプ装置の吸入ポートに連通されている。
【0015】
第2の手段のブレーキ装置は、第1の手段の作用に加えて、リザーバは、マスタシリンダからホイールシリンダにブレーキ液圧を供給する経路とは前記レギュレータをはさんで独立した経路でポンプ装置の吸入ポートに連通されている。
第3の手段のブレーキ装置は、第1の手段又は第2の手段の作用に加えて、リザーバはその貯溜室が大気に直接的には開放不能とされる。
【0017】
第4の手段のブレーキ装置は、第1の手段〜第3の手段の何れか一に記載の作用に加えて、第1バルブの作動により、ポンプ装置から吐出される作動流体がリザーバに流入可能となる。
【0018】
第5の手段のブレーキ装置は、第1の手段〜第4の手段の何れか一に記載の作用に加えて、第1制御手段と第2制御手段との作動により、第1作動流体経路、ポンプ装置、及びリザーバがマスタシリンダの圧力室に連通可能とされる。
【0020】
第6の手段のブレーキ装置は、第1の手段〜第5の手段の何れか一に記載の作用に加えて、リニア制御バルブは、その開閉が電気的に制御可能とされる。
【0021】
第7の手段のブレーキ装置は、第1の手段〜第6の手段の何れか一に記載の作用に加えて、ポンプ装置は検出手段の検出結果に基づいて作動流体圧をマスタシリンダに付与する。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施の形態により具体的に説明する。
【0023】
(実施の形態1)
図1は本発明の一実施の形態に係る液圧ブレーキ装置1の概略図である。図1に示すように、ブレーキ装置100は、ブレーキペダル2の踏み込み操作に伴う踏力(入力)をブレーキ液圧に変換するマスタシリンダMCと、マスタシリンダMCにブレーキ液を供給するマスタシリンダリザーバ4(メインリザーバ)と、マスタシリンダMCに作動流体圧を付与することによりブレーキペダル2の踏み込み操作を助勢して踏力を倍力する圧力源としてのポンプ装置42と、ポンプ装置42に作動流体としてのブレーキ液を供給するポンプリザーバ43(リザーバ)と、ポンプ装置42からマスタシリンダMCに付与される作動流体圧をブレーキペダル2の操作量に応じて所定圧に制御するレギュレータRGと、ポンプ装置42からレギュレータRGに付与される作動流体圧を制御するリニア制御バルブ104(第1バルブ)とを有している。
【0024】
ポンプ装置42は、レギュレータRGを介してマスタシリンダMCとポンプリザーバ43とを連通する第1液圧経路Aにおいて、レギュレータRGとポンプリザーバ43との間に配設されている。又、リニア制御バルブ104は、ポンプ装置42を跨ぎ第1液圧経路Aに並列に連通される第2液圧経路Bに配設されている。
【0025】
図2は図1のマスタシリンダMC及びレギュレータRG部分の断面図である。図2に示すようにシリンダボデー1内にマスタシリンダMCとレギュレータRGが構成されている。本実施形態のマスタシリンダMCは二つの圧力室R2,R4が形成されたタンデムマスタシリンダで、所謂ダイアゴナル配管が構成されている。
【0026】
即ち、車両後方側(図2の右側)に設けられたブレーキ操作部材たるブレーキペダル2に踏力が加えられると、この踏力がプッシュロッド3を介してブレーキ作動力として伝えられ、これに応じてマスタシリンダMCの二つの圧力室R2,R4からの出力ブレーキ液圧が、例えばアンチスキッド制御等を行うための電磁弁、コントローラ等を含む液圧制御装置PCを介して、夫々車両前方右側及び後方左側の得制動力発生装置たる車輪FR,RLのホイールシリンダWfr,Wrl、並びに前方左側及び後方右側の車輪FL,RRのホイールシリンダWfl,Wrrに出力されるように構成されている。
【0027】
このとき、ポンプ装置42から作動流体圧がマスタシリンダMCに向けて吐出され、レギュレータRGによりブレーキペダル2の操作量に応じて所定圧に調圧された後に作動流体圧がマスタシリンダMCに付与され、後述するようにブレーキペダル2の操作が助勢されると共に踏力が倍力される。
【0028】
シリンダボデー1には、内径が異なる孔1a,1b,1c等から成る段付孔が形成されており、この中にマスタピストン10,20及び制御ピストン30が収容され、マスタピストン10,20の間に圧力室R2が形成され、マスタピストン20と制御ピストン30との間に圧力室R4が形成されている。尚、孔1aの後端はこれより大きい内径を有するパワー室R1に連通している。最も径が小さい孔1bと、これより大径の孔1aの両者に、制御ピストン30の両端部が夫々液密的摺動自在に嵌合されている。
【0029】
マスタピストン10は、図3に拡大して示すように、その前方端部の外面にランド部11が形成され、これに断面カップ形状で環状のシール部材12と環状のシール部材13が装着されて孔1aに軸方向或いは前後方向(図3中左右方向)に液密的摺動自在に嵌合され、前端面がマスタピストン20の後端面に対向するように配設されている。
【0030】
従って、シール部材12,13によってパワー室R1と圧力室R2が液密的に分離されている。マスタピストン10の本体部14は円筒状のスリーブ15によって支持されている。このスリーブ15の内面及び外面には環状の溝が形成されると共に、これから軸方向に一定距離隔てた内面にも環状の溝が形成されている。
【0031】
これらの溝には夫々環状のシール部材16,17及び断面カップ形状で環状のシール部材18が収容されており、パワー室R1に対するシール性が確保されている。更に、マスタピストン10の先端面から軸方向に凹部10aが形成されており、先端部にはリテーナ19が装着されている。
【0032】
マスタピストン20の外周には、後端部にランド部21が形成されると共に、軸方向に所定距離隔てた前方側(図3中左方側)にはランド部21と同径のランド部22が形成されており、これらのランド部21,22には、夫々断面カップ形状で環状のシール部材23,24が配設されて孔1aに液密的摺動自在に嵌合されている。また、マスタピストン20の両端から軸方向に凹部20a,20bが形成されると共に、マスタピストン20の径方向に穴20cが形成され、その底部で連通孔20dを介して凹部20aに連通している。
【0033】
ランド部21,22間に形成された環状の給液室R3はポート1eを介してマスタシリンダマスタシリンダリザーバ4に連通しており、給液室R3は穴20c、連通孔20d及び凹部20aを介して圧力室R2に連通し得る。更に、マスタピストン20の先端部にはリテーナ29が装着されている。
【0034】
マスタピストン20の後端側にはリテーナ25が装着され、これに弁体26が係止されて弁体26のマスタピストン10方向への移動が規制されている。弁体26の先端にはゴム等の弾性部材が被着され、連通孔20dに当接してこれを密閉し得るように構成されている。
【0035】
弁体26の他端側にはロッド27が一体的に形成され、その後端に係止部28が形成されており、係止部28は凹部10a内を移動可能に配置され、リテーナ19に係止されてマスタピストン20方向への移動が規制されている。そして、マスタピストン10のリテーナ19とマスタピストン20のリテーナ25との間にスプリング5が張設され、両者間が離隔する方向に付勢されている。尚、マスタピストン20の後退位置は、シリンダボデー1に固定された係止ピン7によって規制される。
【0036】
図4に拡大して示すように、制御ピストン30の外周には、後端部に大径のランド部31が形成されると共に、軸方向或いは前後方向(図4中左右方向)に所定距離隔てた前方側(図4中左方側)には小径のランド部32が形成されており、ランド部31に断面カップ形状で環状のシール部材33が配設されて孔1aに液密的摺動自在に嵌合され、ランド部32は孔1bに摺動自在に嵌合されている。
【0037】
而して、シール部材33によって、圧力室R4と給液室R5が液密的に分離され、シール部材34によって、給液室R5と後述のレギュレータ室R6が液密的に分離されている。即ち、シール部材33とシール部材34との間に給液室R5が形成され、給液室R5はポート1tを介してマスタシリンダリザーバ4に連通接続されている。
【0038】
制御ピストン30には、軸方向の両端部に凹部30a及び段付凹部30bが形成されると共に、径方向(図4中上下方向)に貫通する連通孔30cが形成されている。この連通孔30cは連通孔30dを介して凹部30aの底部に連通している。
【0039】
制御ピストン30の後端側にはリテーナ35が装着され、これに前述の弁体26と同一構成の弁体36が係止されて弁体36のマスタピストン10方向への移動が規制されている。弁体36の他端側(図4中右側)にはロッド37が一体的に形成され、その後端に係止部38が形成されており、係止部38は凹部20b内を移動可能に配置され、リテーナ29に係止されて制御ピストン30方向への移動が規制されている。
【0040】
一方、制御ピストン30の段付凹部30bの底部には、後述するスプール53の後端部が保持されている。また、マスタピストン20のリテーナ29と制御ピストン30のリテーナ35との間にはスプリング6が張設され、両者間が離隔する方向に付勢されている。
【0041】
図2に示すように、シリンダボデー1の前方(図2中左方)にはレギュレータRGが形成されており、このレギュレータRGに圧力源としてのポンプ装置42が接続され、その出力パワー液圧が適宜制御されてパワー室R1にレギュレータ液圧、即ち、調圧された出力パワー液圧が出力される。
【0042】
電動モータ41によって駆動されるポンプ装置42は、その吸入ポートがポンプリザーバ43に連通されると共にその吐出ポートがポート1pを介してレギュレータRGに連通されており、パワー液圧がレギュレータRGひいてはマスタシリンダMCに供給されるように構成されている。ポンプ装置42ひいては電動モータ41は電子制御装置102に電気的に接続されており、その作動は電子制御装置102により制御される。
【0043】
ポンプリザーバ43は、リザーバ本体部43aと、リザーバ本体部43aに形成された摺動孔43aa内を摺動可能に配設されると共に摺動孔43aaを貯溜室43cと空間部43dとに区画するピストン43bと、空間部43dに配設されると共にピストン43bを貯溜室43cの容積を減少させる方向に付勢するスプリング43eとを有している。即ち、ポンプリザーバ43の貯溜室43cは液圧経路Bに連通されて大気には直接開放されていないものであり、貯溜室43cの容積がピストン43bの移動により可変とされるものである。
【0044】
電気作動式のリニア制御バルブ104は常閉のリニアソレノイドバルブであり、電子制御装置102に電気的に接続されている。電子制御装置102により作動されることによって開弁して、液圧路Aにおけるポンプ装置42とレギュレータRGとの間の液圧路と、液圧路Aにおけるポンプリザーバ43とポンプ装置42との間の液圧路との連通を液圧路Bを介して可能とするものであり、リニア制御バルブ104への通電量に応じてその開弁度が増減される。
【0045】
レギュレータRGは、図4に拡大して示すように、孔1bに連通する段付の孔1c内に段付円筒体のスリーブ51が嵌着されている。スリーブ51の外周には複数の環状溝が形成されており、夫々に環状のシール部材が嵌合されている。また、隣接するシール部材間にはスリーブ51の径方向に連通孔51e,51fが形成されており、これらを介してスリーブ51の中空部が夫々ポート1s、液圧路P1に連通接続されている。
【0046】
スリーブ51の後端面と制御ピストン30の前端面との間にはレギュレータ室R6が形成され、液圧路P2を介してパワー室R1(図2及び図3)に連通接続されている。スリーブ51の中空部内は孔51a,51b,51c,51dから成る段付孔に形成されており、最小径の孔51b内は、連通孔51e及びポート1sを介してマスタシリンダリザーバ4に連通するドレン室R7となっている。
【0047】
孔51aには更にスリーブ52が収容されており、その中空部内には段付孔52aが形成されており、これに直交する径方向に、レギュレータ室R6に連通する連通孔52bが形成されている。
【0048】
スリーブ52の段付孔52aにはスプール53が前後方向に摺動自在に収容されている。また、孔51bにはプランジャ54が収容されており、その基部54aが孔51bに摺動自在に支持され、その後端面にスプール弁機構50のスプール53の先端面が当接するように配設されている。
【0049】
更に、孔51cには、円柱状に形成された例えばゴム製の弾性部材70が嵌合されており、プランジャ54はこれを貫通して先端がポペット弁機構60内に延出している。プランジャ54の基部54aと弾性部材70との間には環状の伝達部材71が介装されており、これに当接する面と反対側の弾性部材70の面には環状の凹部が形成されている。
【0050】
更に、弾性部材70の前端面にはプレート72が配設され、弾性部材70に対してその全面に亘り均一に液圧が付与されるように構成されている。孔51c内の弾性部材70とポペット弁機構60との間にはパワー出力室R8が形成され、スリーブ51の連通孔51fを介して液圧路P1に連通している。
【0051】
この液圧路P1は図2に明らかなようにパワー室R1に連通接続され、パワー室R1は液圧路P2を介してレギュレータ室R6に連通接続されている。換言すれば、パワー出力室R8、液圧路P1、パワー室R1、液圧路P2及びレギュレータ室R6によって調圧室が構成されている。
【0052】
そして、図2及び図3に示すように、液圧路P1のパワー室R1への接続部には本発明の一方向弁たる逆止弁80が配設されている。この逆止弁80は、有底筒体のケース81の底部に弁座82が形成され、ケース81内にボール弁83が収容され、スプリング84によってボール弁83が弁座82に着座する方向に付勢されるように構成されている。一方向弁としては逆止弁80に限らず他の弁装置を用いることとしてもよい。
【0053】
レギュレータRGのスプール弁機構50は減圧弁手段を構成し、図5に拡大して示すように、段付円柱形状のスプール53を備え、その大径部に複数のラビリンス溝が形成されている。また、スプール53の中間部にはリテーナ54が支承され、このリテーナ54は制御ピストン30の段付凹部30b内で支承されている。そして、リテーナ54とスリーブ52との間にはスプリング55が張架され、スプール53が制御ピストン30の段付凹部30bの底面に当接するように付勢されている。
【0054】
スプール53のスリーブ52への嵌合部において、連通孔52bは常時レギュレータ室R6に開口し、スプール53の初期位置ではドレン室R7と連通するが、スプール53の前進作動に応じてその大径部によって流路面積が制限され、遂には連通孔52bが遮蔽されるように構成されている。
【0055】
図4に示すように、ドレン室R7はスリーブ51の連通孔51e、そしてポート1sを介してマスタシリンダリザーバ4(図2)に連通されている。従って、スプール53の初期位置ではレギュレータ室R6内もマスタシリンダリザーバ4と連通し、大気圧のブレーキ液が充填されている。尚、減圧弁手段としては、このスプール弁機構50に限らず他の態様でもよく、その配置もレギュレータRG内ではなく例えばパワー室R1に近接配置することしてもよい。
【0056】
レギュレータRGのポペット弁機構60は増圧弁手段を構成し、図6に拡大して示すように構成されている。スリーブ61は有底円筒体で、軸方向或いは前後方向(図6中左右方向)に中空部61aが形成されると共に、これに連通する径方向(図6中上下方向)の連通孔61bが形成され、更に中空部61aに平行にスリーブ61を貫通する連通孔61cが形成されている。
【0057】
また、スリーブ61の底部中央には軸方向に連通孔61dが形成されており、中空部61a側に弁座61eが形成されている。スリーブ61の外周には複数の環状溝が形成されており、夫々に環状のシール部材が嵌合され、隣接するシール部材間に連通孔61bが形成されており、この連通孔61bを介して中空部61aが図2及び図4に示すポート1pに連通接続されている。
【0058】
スリーブ61の中空部61a内には弁部材63、リテーナ64、スプリング65及びフィルタ66が収容され、中空部61aに段付円柱状のスリーブ62の小径部が嵌着されると、スリーブ61の中空部61a内にパワー入力室R9が形成される。尚、このパワー入力室R9は連通孔61dを介してパワー出力室R8(図4)と連通し得る。
【0059】
スリーブ62には軸方向に穴62aが形成されており、この穴62aに直交する径方向に連通孔62bが形成されている。弁部材63は先端に弁体63aが形成され、鍔部63bを介して、大径部63c、中径部63d及び小径部63eから成る段付円柱体が形成されており、中径部63d部分がスリーブ62の穴62aに摺動自在に支持される。尚、穴62aの開口面積は弁体63aの弁座61eへの着座面積と略等しくなるように設定されている。
【0060】
弁部材63はフィルタ66と共にスリーブ61の中空部61a内に収容され、スプリング65が弁部材63の鍔部63bとリテーナ64との間に張設されると、弁体63aが弁座61eに着座する方向に付勢される。この状態で、弁部材63の中径部63dが穴62aに支持されるように、スリーブ62の小径部がスリーブ61の中空部61aに嵌着される。
【0061】
このとき、スリーブ61の前端面とスリーブ62の後端面との間には間隙62cが形成され、穴62aが連通孔62b及び間隙62c並びにスリーブ61の連通孔61cを介して、パワー出力室R8、即ち弁座61eに着座する弁部材63の弁体63aの頂面側に連通している。これにより、弁部材63に対しては両端部から軸方向に略等しい圧力が加わることになるので、弁部材63に対する負荷は極めて小さいものとなる。尚、弁部材63の弁体63aに対向するようにプランジャ54が配置されているが、図6に示す初期位置では弁体63aとプランジャ54の先端との間に若干のクリアランスが形成される。
【0062】
而して、図2及び図4に示す初期位置では、レギュレータ室R6内はスリーブ52の連通孔52a,52b及びスリーブ51の連通孔51e、そしてポート1sを介してマスタシリンダリザーバ4に連通しており、大気圧となっているが、制御ピストン30の前進移動に伴ってスプール53が前進すると、図7に示すようにスリーブ52の連通孔52bがスプール53の外周面によって遮蔽され、代わって図8に示すようにポペット弁機構60の弁部材63が開弁する。
【0063】
これにより、ポンプ装置42から出力されるパワー液圧が先ず液圧路P1及び逆止弁80を介してパワー室R1に供給され、更に液圧路P2を介してレギュレータ室R6内に供給されて各室内が増圧される。制御ピストン30の前方のランド部32に加わるレギュレータ液圧による力が後方のランド部31に加わるマスタシリンダ液圧による力を上回ると、制御ピストン30が後方に移動し、ポペット弁機構60の弁部材63が閉弁すると共にスプール弁機構50のスプール53が開弁するので、レギュレータ室R6(及びパワー室R1、パワー出力室R8並びに液圧路P1,P2)内が減圧される。このような作動が繰り返されることによって、同室内が所定のレギュレータ液圧に調圧される。
【0064】
ブレーキペダル2には、ブレーキペダル2へ印加される踏力を検出する踏力センサ101と、ブレーキペダル2の踏み込み量を検出するペダルストロークセンサ108とが配設されている。又、ポート1yとホイールシリンダWfr,Wrlとを連通する液圧配管には、マスタシリンダMCの出力液圧を検出する圧力センサ103が配設されている。踏力センサ101、ペダルストロークセンサ108、及び圧力センサ103は、それぞれ電子制御装置102に電気的に接続されている。
【0065】
次に、上記の構成になる液圧ブレーキ装置100の全体作動を説明する。図2乃至図4はブレーキペダル2の非操作時の状態を示すもので、この状態から、ブレーキペダル2が操作され、プッシュロッド3を介してマスタピストン10が前方(図2の左方)に押圧されると、マスタピストン20に弁体26が当接し、弁体26の弾性部材によって連通孔20dが閉塞され、圧力室R2と給液室R3との連通が遮断され密閉状態となる。
【0066】
また、制御ピストン30に弁体36が当接し、弁体36の弾性部材によって連通孔30dが閉塞され、圧力室R4と給液室R5との連通が遮断され密閉状態となる。このように、圧力室R2と給液室R3との連通及び圧力室R4と給液室R5との連通が遮断された状態で、マスタピストン10がブレーキペダル2の操作力によって駆動されると、マスタピストン10,20はスプリング5を介して、マスタピストン20と制御ピストン30はスプリング6を介して、夫々図3及び図4の状態に保持されているので、これらは一体となって前進する。
【0067】
従って、制御ピストン30に支持されたスプール53によって連通孔52bが閉塞され、マスタシリンダリザーバ4との連通が遮断される。同時に、ブレーキペダル2の踏み込み操作が踏力センサ101及びペダルストロークセンサ108により検出され、これらの検出結果に基づいて電子制御装置102によりブレーキ操作有りと判断されると、電子制御装置102はポンプ装置42を駆動する。
【0068】
ポンプ装置42が駆動されることにより、ポンプ装置42はポンプリザーバ43からブレーキ液を吸引すると共にポート1pを介してパワー入力室R9に吐出する。又、ポンプ装置42の駆動と共に、踏力センサ101、ペダルストロークセンサ108、及び圧力センサ103の検出結果に基づいて電子制御装置102はリニア制御バルブ104を作動する。
【0069】
リニア制御バルブ104が作動されることにより、ポンプ装置42から吐出されたブレーキ液の一部が、液圧経路A、液圧経路B、リニア制御バルブ104を介してポンプリザーバ43の貯溜室43cに流入することになる。即ち、リニア制御バルブ104の作動によって、踏力センサ101及び圧力センサ103の検出結果に応じ、ポンプ装置42からレギュレータRGひいてはパワー入力室R9に付与されるパワー液圧が調圧されることになる。
【0070】
ポンプ装置42から出力されるパワー液圧は逆止弁80及び液圧路P1を介してパワー室R1に供給される。これにより、運転者によるブレーキペダル2及びプッシュロッド3を介してマスタピストン10へ印加されている踏力に加えて、ポンプ装置42のパワー液圧がマスタピストン10に印加されることになる。
【0071】
従って、マスタピストン10及び20が前進し、圧力室R2,R4内が更に圧縮され、ポート1x,1yからマスタシリンダ液圧が出力される。このとき、制御ピストン30のランド部31のシール径はランド部32のシール径より大きいので、制御ピストン30の移動に伴いマスタシリンダ液圧より大のレギュレータ液圧が発生するように制御される。
【0072】
而して、ブレーキペダル2の操作に応じてパワー出力室R8から液圧路P1を介してパワー室R1に供給されるパワー液圧によってマスタピストン10の移動が助勢されることとなる。或いは、ポンプ装置42からのパワー液圧がマスタピストン10に印加されることにより、ブレーキペダル2の踏み込み操作が助勢され且つ踏力が倍力されてマスタシリンダ液圧が昇圧されることになる。
【0073】
この間、レギュレータ室R6内のレギュレータ液圧によって制御ピストン30に付与される力が、圧力室R2,R4内のマスタシリンダ液圧によって制御ピストン30に付与される力より大であれば、スプール弁機構50のスプール53が開弁しポペット弁機構60の弁部材63が閉弁する方向に、制御ピストン30が移動し、レギュレータ室R6内が減圧される。
【0074】
制御ピストン30に付与される力の関係が上記と逆になると、スプール弁機構50のスプール53が閉弁しポペット弁機構60の弁部材63が開弁する方向に、制御ピストン30が移動し、レギュレータ室R6内が増圧される。このような制御ピストン30の移動とこれに伴うスプール弁機構50及びポペット弁機構60の開閉作動の繰り返しによってレギュレータ液圧がマスタシリンダ液圧より所定値以上高い圧力に調圧される。
【0075】
具体的には、制御ピストン30の小径のランド部32の受圧面積に付与されるレギュレータ液圧による力と、大径のランド部31の受圧面積に付与されるマスタシリンダ液圧による力とが等しくなるように制御され、マスタシリンダ液圧より所定値以上高く、且つマスタシリンダ液圧に略比例したレギュレータ液圧が出力され、ブレーキペダル入力とマスタシリンダ液圧の間に、第1のブレーキ液圧特性が得られる。更に、パワー出力室R8内のパワー液圧によって弾性部材70が変形すると、この弾性部材70が伝達部材71に当接し、弁部材63が弁座61eに着座する方向に押圧されると共に、スプール53は連通孔52bへの開口面積が増大する方向に押圧される。これにより、レギュレータ液圧が減圧され、ブレーキペダル入力とマスタシリンダ液圧の間に、第1のブレーキ液圧特性の増圧勾配より緩やかな増圧勾配を有する第2のブレーキ液圧特性が得られる。
【0076】
以上説明したように、本実施の形態の液圧ブレーキ装置100によれば、マスタシリンダMCに作動流体圧を付与し、ブレーキ操作或いはマスタピストン10、20の作動を助勢するために必要とされる作動流体圧或いはブレーキ液量(作動流体量)は、ポンプ装置42から継続的に供給されることから、従来のもののような大型のリザーバを必要としない。
【0077】
更に、ポンプリザーバ43の貯溜室43cの容積を可変としたことにより、ポンプ装置42の吸入ポートにはピストン43bを付勢するスプリング43eによる付勢力に基づくブレーキ液圧が常に作用し、ポンプ装置42の吸入作動を円滑に行うことを可能としている。
【0078】
更に、マスタシリンダMCにブレーキ液を供給するマスタシリンダリザーバ4とは独立的に、ポンプ装置42にブレーキ液を供給するポンプリザーバ43を備えたことにより、マスタシリンダリザーバ4はマスタシリンダMCに必要なブレーキ液量だけを確保すれば良いことからマスタシリンダリザーバ4を小型化することができ、車両搭載性の向上を図ることができる。
【0079】
更に、マスタシリンダリザーバ4の小型化により、リザーバキャップからのブレーキ液のあふれに対してもリザーバ4において複雑な迷路構造を必要としないことから、コストの低減を図ることができる。
【0080】
更に、マスタシリンダリザーバ4の小型化によりブレーキ装置100の小型化及びコストの低減を可能としている。
【0081】
更に、リニア制御弁104の作動によってポンプ装置42からレギュレータRGに付与されるブレーキ液圧が調圧されることから、適正なブレーキ液圧をレギュレータRGひいてはマスタシリンダMCに付与することができ、ブレーキ装置100の作動を円滑に行うことを可能としている。
【0082】
更に、ポンプ装置42が踏力センサ101及び圧力センサ103の検出結果に基づいて作動されることから、ポンプ装置42の作動タイミングの適正化を図ることができ、より良いブレーキ装置100の作動を得ることを可能としている。
【0083】
従って、小型化及びコストの低減を図ったブレーキ装置100を提供することを可能としている。
【0084】
本実施の形態においては、マスタシリンダMCはタンデム型の構成とされているが、特にこの構成に限定されるものではなく、例えば、シングル型のマスタシリンダを用いた本発明のブレーキ装置においても同様の作用効果が得られる。
【0085】
又、本実施の形態においては、レギュレータRGは機械式の構成とされているが、特にこの構成に限定されるものではなく、ブレーキペダル2の操作に関連してポンプ装置42からマスタシリンダMCに付与されるパワー液圧を制御可能なものであれば良い。例えば、リニア制御バルブを用いた本発明のブレーキ装置においても同様の作用効果が得られる。
【0086】
又、本実施の形態においては、リニア制御バルブ104は電気作動式の構成とされているが、特にこの構成に限定されるものではなく、ブレーキペダル2の操作に関連してポンプ装置42からレギュレータRGひいてはマスタシリンダMCに付与されるパワー液圧を制御可能なものであれば良い。例えば、機械式のレギュレータ装置を用いた本発明のブレーキ装置においても同様の作用効果が得られる。
【0087】
又、本実施の形態においては、リニア制御バルブl04は、踏力センサ101、ペダルストロークセンサ108、及び圧力センサ103の検出結果に基づいて作動される構成とされているが、特にこの構成に限定されるものではなく、ブレーキ操作に関する量を検出可能な手段の検出結果に基づいて作動されるものであればよく、例えば、ブレーキペダル2の操作の有無を検出するブレーキスイッチ、又は、ブレーキペダル2の踏み込み速度を検出するペダル速度センサ等の検出結果に基づき作動されるリニア制御バルブ104を備えた本発明のブレーキ装置においても同様の作用効果が得られる。
【0088】
(実施の形態2)
図9は本発明の一実施の形態であるブレーキ装置100の概略図である。実施の形態1と同様の部材には同符号が付してある。尚、リニア制御バルブ105以外の構成は実施の形態1と略同様であるので詳細な説明は省略する。
【0089】
図9に示すように、液圧路Bにおける液圧路Aのポンプ装置42とレギュレータRGとの間の経路と連通する側の経路と、圧力室R2とを連通する液圧路Cが配設されている。液圧路Cには常閉の電気作動式リニア制御バルブ105(第2バルブ)が配設されている。リニア制御バルブ105は図示しない電子制御装置に電気的に接続されており、電子制御装置によりその作動が制御される。
【0090】
ブレーキ装置100の各装置にブレーキ液を充填する方法として、先ず各装置及び液圧経路を真空とした後にブレーキ液を充填する真空充填法が知られている。この真空充填法の一例として、マスタシリンダリザーバ4の給油口からブレーキ装置100の各種液圧経路及び装置内の空気を除去し、次いで、マスタシリンダリザーバ4の給油口からブレーキ液を各種液圧経路及び装置に充填する。
【0091】
この真空充填時おけるブレーキ装置100の空気排出時において、リニア制御バルブ105及びリニア制御バルブ104が電子制御装置により作動されて開状態とされることにより、液圧経路A、B、ポンプ装置42、及びポンプリザーバ43が圧力室R2、ひいては、マスタシリンダリザーバ4に連通される。従って、液圧経路A、B、ポンプ装置42、及びポンプリザーバ43内の空気がマスタシリンダリザーバ4の給油口から排出可能となる。
【0092】
以上説明したように、本実施の形態のブレーキ装置100によれば、液圧経路Cにリニア制御バルブ105を備えたことにより、真空充填法をより容易に行うことができる。
【0093】
本実施の形態においては、液圧路Cには電気作動式のリニア制御バルブ105が配設されているが、特にこの構成に限定されるものではなく、例えば、機械式の開閉制御弁が配設される本発明のブレーキ装置においても同様の作用効果が得られる。
【0094】
又、本実施の形態においては、液圧路Cは圧力室R2と液圧路Bとを連通しているが、特にこの構成に限定されるものではなく、例えば、圧力室R4と液圧路Bとを連通する液圧路を備えた本発明のブレーキ装置においても同様の作用効果が得られる。
【0095】
以上、本発明を上記実施の態様に則して説明したが、本発明は上記態様にのみ限定されるものではなく、本発明の原理に準ずる各種態様を含むものである。
【0096】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、マスタシリンダに作動流体圧を付与するために必要とされる作動流体圧或いは作動流体量は、ポンプ装置により継続的に供給されることから、従来のもののような大型のリザーバを必要としない。
【0097】
更に、容積可変型リザーバとしたことにより、ポンプ装置には予め加圧された作動流体圧を供給できることから、ポンプ装置の作動を円滑に行うことを可能としている。
【0098】
従って、小型化及びコストの低減を図ったブレーキ装置を提供することを可能としている。また、マスタシリンダに作動流体を供給するメインリザーバとは独立的に、ポンプ装置に作動流体を供給するリザーバを備えたことにより、さらに、ブレーキ装置の小型化及びコストの低減を可能としている。
【0099】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明の効果に加えて、ポンプ装置は、マスタシリンダからホイールシリンダにブレーキ液圧を供給する経路とは前記レギュレータをはさんで独立した経路でリザーバから作動流体を吸入する。
また、請求項3の発明によれば、請求項1又は請求項2の発明の効果に加えて、リザーバのより良い形態を示している。
【0101】
請求項4の発明によれば、請求項1〜請求項3の何れか一に記載の発明の効果に加えて、ブレーキ装置の円滑な作動を可能としている。
【0102】
請求項5の発明によれば、請求項1〜請求項4の何れか一に記載の発明の効果に加えて、ブレーキ装置において作動流体を充填する際の方法の一つである真空充填法をより容易に行うことを可能としている。
【0104】
請求項6の発明によれば、請求項1〜請求項5の何れか一に記載の発明の効果に加えて、リニア制御バルブのより良い形態を示している。
【0105】
請求項7の発明によれば、請求項1〜請求項6の何れか一に記載の発明の効果に加えて、ポンプ装置のより良い作動形態を示している。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の液圧ブレーキ装置100の概略図。
【図2】図1のマスタシリンダMC及びレギュレータRG部分の断面図。
【図3】図2のマスタシリンダMC部分の拡大図。
【図4】図2のレギュレータRG部分の拡大図。
【図5】図4のスプール弁機構50部分の拡大図。
【図6】図4のポペット弁機構60部分の拡大図。
【図7】図5のスプール弁機構の作動状態を示す図。
【図8】図6のポペット弁機構60の作動状態を示す図。
【図9】実施の形態2のブレーキ装置100の概略図。
【符号の説明】
4 マスタシリンダリザーバ(メインリザーバ)
42ポンプ装置
43 ポンプリザーバ(リザーバ)
100 ブレーキ装置
101 踏力センサ
103 圧力センサ
104 リニア制御バルブ
105 リニア制御バルブ
A 第1液圧経路
B 第2液圧経路
C 第3液圧経路
MC マスタシリンダ
RG レギュレータ
Claims (7)
- メインリザーバに貯留された大気圧の作動流体を加圧することでブレーキ液圧を車輪のホイールシリンダに出力する少なくとも一つのマスタシリンダと、前記マスタシリンダに作動流体圧を付与することにより前記マスタシリンダから前記ホイールシリンダに出力するブレーキ液圧を発生可能とする少なくとも一つの圧力源と、当該圧力源から前記マスタシリンダに付与される作動流体圧をブレーキ操作部材の操作量に応じて所定圧に制御するレギュレータとを備えたブレーキ装置において、前記圧力源はポンプ装置であり、前記ポンプ装置はその吐出ポートが前記レギュレータに連通されると共にその吸入ポートが前記ポンプ装置に作動流体を供給するリザーバに連通されており、当該リザーバは、前記メインリザーバとは異なるものであるとともに当該メインリザーバと前記レギュレータとを連通する経路とは当該レギュレータをはさんで独立した経路で前記吸入ポートに連通されており、さらに、作動流体の貯溜室の容積が可変であることを特徴とするブレーキ装置。
- 前記リザーバは、前記マスタシリンダから前記ホイールシリンダにブレーキ液圧を供給する経路とは前記レギュレータをはさんで独立した経路で前記吸入ポートに連通されていることを特徴とする請求項1に記載のブレーキ装置。
- 前記リザーバは前記貯溜室が大気に直接的には開放不能とされることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のブレーキ装置。
- 前記マスタシリンダと前記リザーバとを連通すると共に前記ポンプ装置が配設される第1作動流体経路と、前記第1作動流体経路に前記ポンプ装置を跨いで並列に連通接続される第2作動流体経路と、前記第2作動流体経路に配設される第1バルブとを備えたことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか一に記載のブレーキ装置。
- 前記マスタシリンダと前記リザーバとを連通すると共に前記ポンプ装置が配設される第1作動流体経路と、前記第1作動流体経路における前記ポンプ装置と前記マスタシリンダとの間の流体経路と前記マスタシリンダの圧力室とを連通する第1連通経路と、前記第1作動流体経路における前記ポンプ装置と前記リザーバとの間の経路と前記マスタシリンダの圧力室とを連通する第2連通路と、前記第1連通路を連通制御する第1制御手段と、前記第2連通路を連通制御する第2制御手段とを備えたことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか一に記載のブレーキ装置。
- 前記レギュレータ或いは前記第1バルブの内で少なくともどちらか一方は開閉型リニア制御バルブであり、その開閉作動が電気的に制御可能とされることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか一に記載のブレーキ装置。
- 前記マスタシリンダはブレーキ操作部材の操作に応じて作動され、前記ブレーキ操作部材の操作量を検出する少なくとも一つの検出手段を備え、前記ポンプ装置は前記検出手段の検出結果に基づいて作動流体圧を前記マスタシリンダに付与することを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか一に記載のブレーキ装置。
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