JP4218087B2 - 配管の接続方法及び配管構造 - Google Patents

配管の接続方法及び配管構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、配管の接続方法と配管構造に関し、特に、少なくとも一端部に可溶性仕切り蓋を備えた配管の接合対策に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えばビル等に設置される空気調和装置では、室外ユニット及び室内ユニットを所定の設置個所に据え付けた後、各ユニット間に連絡配管を接続するようにしている。連絡配管は、一般に、銅管より成る所定長さの配管を複数本、その端部同士でろう付けしたものである。
【0003】
各配管には、例えば、ろう材を薄膜状に形成した可溶性の仕切り蓋を両端部に設けるとともに、内部に窒素を封入して、水分や異物の混入を防止したものが用いられている。配管は、一端が挿入側端部、他端が被挿入側端部として構成されている。そして、一の配管の被挿入側端部に他の一の配管の挿入側端部を挿入した後、その挿入部分の全周を均一に加熱して仕切り蓋を溶融させ、必要に応じて差しろうをして、配管同士を接合するようにしている。なお、配管には、一端部にのみ可溶性仕切り蓋が設けられたものが用いられる場合もあり、その場合も配管の接続は同様にして行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の接続方法では、接合部の全周を均一に加熱する際、仕切り蓋の中央部が溶ける前に周縁部分が溶けることがあった。この場合、仕切り蓋の中央部が溶け残ることになるので、特に垂直方向に配置された配管の接続部においては、その溶け残った仕切り蓋の中央部が配管内で落下し、キャピラリーチューブ等が詰まる場合があった。
【0005】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、少なくとも一端部に可溶性仕切り蓋を備えた配管同士を接続する際に、溶け残った仕切り蓋が詰まりの原因となるのを防止することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、可溶性仕切り蓋(50)の周縁部分(5a)を一箇所だけ残して溶融させ、残った中央部分(5b)が自重により倒れて配管(40)の内面に接した状態で、その残った仕切り蓋(50)の中央部分(5b)を全体に溶融するようにしたものである。
【0007】
具体的に、本発明が講じた第1の解決手段は、少なくとも一端部に可溶性仕切り蓋(50)を備えた複数の配管(40)のうち、一の配管(40)の挿入側端部(41)を他の一の配管(40)の被挿入側端部(42)に挿入する挿入工程と、配管(40)の挿入部分(43)を加熱して上記可溶性仕切り蓋(50)を溶融させる溶融工程と、上記挿入側端部(41)と被挿入側端部(42)とを接合する接合工程とを備えた配管の接続方法を前提としている。そして、上記溶融工程を、上記可溶性仕切り蓋(50)の周縁部分(5a)を、一箇所を残して溶融させる第1溶融工程と、該第1溶融工程後に配管(40)の内面に接した可溶性仕切り蓋(50)を全体に溶融させる第2溶融工程とを備えた構成としている。
【0008】
また、本発明が講じた第2の解決手段は、上記第1の解決手段において、上記溶融工程が、加熱用バーナー(60)を上記配管(40)の挿入部分(43)に対して位置を固定した状態で該挿入部分(43)を加熱することにより行われる構成としている。
【0009】
また、本発明が講じた第3の解決手段は、上記第1の解決手段において、上記溶融工程が、加熱用バーナー(60)を上記配管(40)の挿入部分(43)に対して配管(40)の軸と直角の方向へ往復移動させながら該挿入部分(43)を加熱することにより行われる構成としている。
【0010】
また、本発明が講じた第4の解決手段は、上記第1の解決手段において、上記溶融工程が、加熱用バーナー(60)を上記配管(40)の挿入部分(43)に対して配管(40)の軸方向へ往復移動させながら該挿入部分(43)を加熱することにより行われる構成としている。
【0011】
また、本発明が講じた第5の解決手段は、上記第1の解決手段において、上記可溶性仕切り蓋(50)が、ろう材により、配管(40)同士の接合材として構成され、上記溶融工程と接合工程とが同時に行われる構成としている。
【0012】
また、本発明が講じた第6の解決手段は、上記第1の解決手段において、上記配管(40)の挿入部分(43)の近傍における仕切り蓋(50)から配管(40)の軸方向へ所定距離の位置に、仕切り蓋(50)の周縁部分(5a)が一箇所を残して溶融する温度で変色する示温材(70)を設けた構成としている。
【0013】
本発明が講じた第7の解決手段は、少なくとも一端部に可溶性仕切り蓋(50)を備えた配管構造を前提としており、仕切り蓋(50)から配管(40)の軸方向へ所定距離の位置に、温度変化に伴って色が変化する示温材(70)を備えた構成としている。示温材(70)は、仕切り蓋(50)から配管(40)の軸方向へ所定距離の位置に設けた状態で、上記溶融工程中の加熱の際に、仕切り蓋(50)の周縁部分(5a)が一箇所を残して溶融したときに色が変化するものを、適宜選択して使用すると良い。つまり、示温材(70)は、設ける位置と変色特性とを適宜組み合わせて使用すればよい。
【0014】
−作用−
上記第1の解決手段では、まず、挿入工程において、一の配管(40)の挿入側端部(41)が、他の一の配管(40)の被挿入側端部(42)に挿入される。次に、第1溶融工程において、可溶性仕切り蓋(50)の周縁部分(5a)が一箇所を残して溶融するので、溶け残った中央部分(5b)は、自重により倒れて配管(40)の内面と接する。そして、第2溶融工程において、この溶け残った中央部分(5b)が全体に溶融する。配管(40)同士を接合する接合工程は、溶融工程と同時に、または溶融工程の後に行われる。
【0015】
また、上記第2の解決手段では、溶融工程中に、加熱用バーナー(60)を上記配管(40)の挿入部分(43)に対して位置を固定した状態で該挿入部分(43)が加熱されるので、仕切り蓋(50)の周縁部分(5a)において局部的に温度差が生じ、高温部分から順に溶融して行く。そして、その周縁部分(5a)が一箇所を残して溶融したときに、仕切り蓋(50)が自重により倒れて配管(40)の内面と接し、その後、全体的に溶融することになる。
【0016】
また、上記第3及び第4の解決手段では、溶融工程の際に、加熱用バーナー(60)を上記配管(40)の挿入部分(43)に対して配管(40)の軸と直角の方向または軸方向に移動させるようにしているので、仕切り蓋(50)の周縁部分(5a)において局部的に温度差が生じるが、熱は配管(40)の一点に過度に集中しない。
【0017】
また、上記第5の解決手段では、仕切り蓋(50)を、ろう材により配管(40)同士の接合材として形成しているので、溶融工程において上記挿入部分(43)を加熱すると、配管(40)の接合も同時に行うことができる。仕切り蓋(50)をこのようにして使用する場合は、仕切り蓋(50)に、一の配管(40)の挿入側端部(41)と他の一の配管(40)の被挿入側端部(42)との間に挟まれるリング状の部分(51)を設けて、このリング状の部分(51)が溶融工程中に溶け出して配管(40)が接合されるようにしておくとよい。
【0018】
また、上記第6及び第7の解決手段では、配管(40)の挿入部分(43)を加熱して、仕切り蓋の周縁部分が一箇所を残して溶融すると、示温材(70)の色が変化する。
【0019】
【発明の効果】
上記第1の解決手段によれば、仕切り蓋(50)が配管(40)の内面から分離しない。このため、垂直方向に配置された配管(40)の接続部分においても、溶け残った仕切り蓋(50)が配管(40)内で落下しないので、仕切り蓋(50)が詰まりの原因となることを防止できる。
【0020】
また、上記第2の解決手段によれば、仕切り蓋(50)の周縁部分(5a)において、局部的な温度差を大きくすることができる。したがって、溶融工程中に仕切り蓋(50)の一箇所(比較的低温の部分)を確実に残せるから、仕切り蓋(50)の落下防止を確実にすることができる。
【0021】
また、上記第3及び第4の解決手段によれば、仕切り蓋(50)の周縁部分(5a)に局部的な温度差は生じるが、配管(40)の一点に熱が過度には集中しないので、仕切り蓋(50)の落下防止を確実にできるうえに、配管(40)の母材が溶融してしまうことを防止できる。
【0022】
また、上記第5の解決手段によれば、仕切り蓋(50)の溶融と、配管(40)同士の接合とを同時に行えるので、配管作業を効率的に行うことができる。
【0023】
また、上記第6及び第7の解決手段によれば、仕切り蓋(50)の周縁部分(5a)が一箇所を残して溶融したことが、示温材(70)の色の変化によって表示されるので、加熱のし過ぎにより仕切り蓋(50)が落下したり、配管(40)の母材が溶融したりすることを防止できる。
【0024】
さらに、従来の方法では、配管(40)の接合後に仕切り蓋(50)の溶け残りの有無を確認することは容易ではないが、第6及び第7の解決手段によれば示温材(70)の変色が仕切り蓋(50)の溶融の目安になるので、仕切り蓋(50)の溶け残りの有無は確認不要となる。
【0025】
【発明の実施の形態1】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0026】
図1において、(10)は、冷凍装置であるマルチ型空気調和装置であって、1台の室外ユニット(20)に複数台(最大8台)の室内ユニット(30)が冷媒配管である連絡配管(11)により接続されている。
【0027】
室外ユニット(20)は、詳細に図示しないが、圧縮機、四路切換弁、室外ファンを備えた室外熱交換器及び室外電動膨張弁等が冷媒配管によって接続されて成る室外側冷媒回路(21)が設けられている。そして、上記室外ユニット(20)における室外側冷媒回路(21)の冷媒配管には、サービスポート(22)が設けられると共に、両端部に閉鎖弁(23,23)が設けられている。
【0028】
室内ユニット(30)は、詳細に図示しないが、室内ファンを備えた室内熱交換器及び室内電動膨張弁等が冷媒配管によって接続されて成る室内側冷媒回路(31)が設けられており、上記室外側冷媒回路(21)と室内側冷媒回路(31)とが上記連絡配管(11)によって接続されて冷媒系統(12)が構成されている。
【0029】
そして、上記空気調和装置(10)は、冷房運転時において、圧縮機より吐出した冷媒が室外熱交換器で凝縮して室内電動膨張弁で減圧された後、室内熱交換器で蒸発して圧縮機に戻る一方、暖房運転時において、圧縮機より吐出した冷媒が室内熱交換器で凝縮して室外電動膨張弁で減圧された後、室外熱交換器で蒸発して圧縮機に戻る循環となる。
【0030】
上記連絡配管(11)は、複数の配管(40,40,・・・)を接続して形成されている。この配管(40)は、例えば、ガス側連絡配管(11)では4mの長さであって、液側連絡配管(11)では30mの長さで構成されている。
【0031】
そして、上記連絡配管(11)は、室外側冷媒回路(21)及び室内側冷媒回路(31)に対してフレア接続或いはフランジ接続等の継ぎ手(13)を介して接続される一方、各配管(40,40,・・・)同士はろう付けで接続されている。
【0032】
各配管(40)は、図2に示すように、両開口端に可溶性仕切り蓋(50)を備えている。該配管(40)は、内側表面より水分及び絞り油が除去されたクリーンな銅管であって、一端が素材径のままの端部(挿入側端部(41))で、他端は、フレア加工により大径に形成されて、他の配管(40)の挿入側端部(41)と嵌合する被挿入側端部(42)として構成されている。図では、被挿入側端部(42)を誇張して表しているが、被挿入側端部(42)は、その内径寸法が挿入側端部(41)の外径寸法とほぼ一致するように形成されている。
【0033】
可溶性仕切り蓋(50)は、配管(40)の両開口端縁に圧入されている。可溶性仕切り蓋(50)は、金属薄膜であって、具体的に、ろう材で形成されている。該仕切り蓋(50)は、図3に示すように、円錐台状の胴部(51)の一端(内端)に頂面部(52)が連続形成されると共に、胴部(51)の他端(外端)に外向きのフランジ部(53)が連続形成され、断面ハット状に構成されている。なお、可溶性仕切り蓋(50)は、配管(40)の挿入側端部(41)と被挿入側端部(42)とで、サイズの異なるものが用いられている。
【0034】
仕切り蓋(50)の胴部(51)は、配管(40)の端縁内周面に密着すると共に、フランジ部(53)が配管(40)の端面に密着して配管(40)の内部を密封している。そして、上記配管(40)には、不活性ガスとして窒素ガス(4a)が封入されている。
【0035】
次に、この配管(40)の接続方法について説明する。
【0036】
まず、室外ユニット(20)及び室内ユニット(30)をビル等の設置個所に据え付けた後、連絡配管(11)を室外側冷媒回路(21)及び室内側冷媒回路(31)に継ぎ手(13)を介して接続する。その際、連絡配管(11)は、多数本の配管(40)を互いに接続して構成されることになる。
【0037】
そこで、この配管(40)の接続について具体的に説明する。先ず、図4に示すように、一の配管(40)の挿入側端部(41)を他の一の配管(40)の被挿入側端部(42)に挿入する(挿入工程)。なお、図では、被挿入側端部(42)に圧入されている仕切り蓋(50)の胴部(51)の内周面と、挿入側端部(41)の外周面との間に隙間があるように示しているが、実際は、この部分は嵌合している。
【0038】
次いで、配管(40)の挿入部分(43)を加熱して上記可溶性仕切り蓋(50)を溶融させる溶融工程を行う。この溶融工程は、図5に示すように、配管(40)の挿入部分(43)(図では、配管(40)の挿入部分(43)を、便宜上簡略化して示している)を、バーナー(60)で配管(40)の軸と直角の方向から加熱することにより行われる。この実施形態において、バーナー(60)は、配管(40)の挿入部分(43)に対して位置を固定して、該挿入部分(43)を加熱するようにしている。
【0039】
図5(a)は平面図、図5(b)は縦断面図である。図5(a)及び(b)において、a1及びb1は加熱の初期段階を示しており、仕切り蓋(50)は、図示するように、先ず周縁部分(5a)の加熱側から、徐々に溶融を開始する。加熱を続けると、仕切り蓋(50)の周縁部分(5a)の溶融箇所が拡がり、やがて、a2及びb2に示すように、一箇所を残して周縁部分(5a)の全体が溶融した状態となる(以上、第1溶融工程)。そうすると、溶け残った仕切り蓋(50)の中央部分(5b)が自重により倒れて、配管(50)の内面に接したa3及びb3の状態となるので、さらに加熱することにより、仕切り蓋(50)が全体的に溶融する(第2溶融工程)。
【0040】
このようにして仕切り蓋(50)を溶融させた後、配管(40)の挿入部分(43)において、上記挿入側端部(41)と被挿入側端部(42)とが、差しろうをしながら接合される(接合工程)。なお、差しろうは、仕切り蓋(50)から溶け出したろうだけでは接合に不十分な場合に行えば良く、仕切り蓋(50)の形状等によっては、差しろうを行わないようにすることも可能である。このように可溶性仕切り蓋(50)を配管(40)同士の接合材として構成すれば、溶融工程と同時に接合工程を行うことができる。
【0041】
−実施形態1における配管接続の効果−
本実施形態1によれば、以下のような効果が発揮される。即ち、仕切り蓋(50)が配管(40)の内面から分離しないため、垂直方向に配置された配管(40)の接続部分においても、溶け残った仕切り蓋(50)の中央部分(5b)が配管(40)内で落下せず、仕切り蓋(50)が原因でキャピラリーチューブ等が詰まることはない。
【0042】
また、バーナー(60)を配管(40)の挿入部分(43)に対して動かさずに溶融工程を行うようにしているので、仕切り蓋(50)の周縁部分(5a)に、局部的に大きな温度差が生じる。したがって、溶融工程中に仕切り蓋(50)の一箇所(低温部分)を確実に残せるから、仕切り蓋(50)の落下防止を確実にすることができる。さらに、仕切り蓋(50)を配管(40)同士の接合材として構成すれば、仕切り蓋(50)の溶融と、配管(40)同士の接合とを同時に行え、配管作業の効率を高めることができる。
【0043】
なお、本実施形態1において、溶融工程を以下の加熱条件の下で行ったところ、仕切り蓋(50)の周縁部分(5a)のバーナー側と反バーナー側とで約270°Cの温度差が生じ、仕切り蓋(50)がバーナー側から溶融しても反バーナー側は溶融せず、仕切り蓋(50)の落下は発生しなかった。ただし、以下の条件は単なる一例であり、種々に変更可能であることは当然である。
【0044】
(加熱条件)
使用ガス(圧力):アセチレン(0.25kg/cm2)
酸素(3.0kg/cm2)
バーナー火口 :#315
加熱時間 :挿入部が赤色に変色するまで
【0045】
−実施形態1の変形例−
実施形態1は、図6(b)に示すようにバーナー(60)を配管(40)の挿入部分(43)とほぼ同じ高さにしたものであるが、バーナー(60)は、図6(a)及び(c)に示すように、配管(40)の挿入部分(43)から上または下にずらした位置にしてもよい。図6(a)及び(c)において、バーナー(60)を配管(40)の挿入部分(43)からそれぞれ上方及び下方に約30mmずらし、他の条件は実施形態1と同一にして溶融工程を実施したところ、仕切り蓋(50)のバーナー側と反バーナー側での温度差は60°C及び180°C程度まで小さくなったものの、仕切り蓋の落下は発生しなかった。
【0046】
【発明の実施の形態2】
本発明の実施形態2は、図7に示すように、加熱用バーナー(60)を、溶融工程において上記配管(40)の挿入部分(43)に対して配管(40)の軸と直角の方向へ往復移動させながら、該挿入部分(43)を加熱するようにした例である。図7において、(a)に示しているのは、バーナー(60)を、上記挿入部分(43)よりも30mm上方で左右に往復移動させるようにした例、(b)に示しているのは、バーナー(60)を、上記挿入部分(43)とほぼ同じ高さで左右に往復移動させるようにした例、(c)に示しているのは、バーナー(60)を、上記挿入部分(43)よりも30mm下方で左右に往復移動させるようにした例である。
【0047】
−実施形態2の効果−
このように、バーナー(60)を配管(40)の軸と直角の方向に往復移動させながら溶融工程を行うようにすると、仕切り蓋(50)の周縁部分(5a)において局部的に生じる温度差が実施形態1よりも少し小さくなるものの、仕切り蓋(50)はバーナー側から順に溶融するので、その落下は防止できる。しかも、この場合には熱が配管(40)の一点に過度に集中しないから、配管(40)の母材が誤って溶融してしまうことも防止できる。
【0048】
【発明の実施の形態3】
本発明の実施形態3は、図8に示すように、加熱用バーナー(60)を、溶融工程において上記配管(40)の挿入部分(43)に対して配管(43)の軸方向へ往復移動させながら、該挿入部分(43)を加熱するようにした例である。図8において、(a)に示しているのは、バーナー(60)の往復移動の基準点を、上記挿入部分(43)よりも30mm上方に設定した例、(b)に示しているのは、その基準点を上記挿入部分(43)とほぼ同じ高さに設定した例、(c)に示しているのは、その基準点を上記挿入部分(43)よりも30mm下方に設定した例である。
【0049】
−実施形態3の効果−
このように、バーナー(60)を配管(40)の軸方向に往復移動させながら溶融工程を行うようにしても、仕切り蓋(50)の周縁部分(5a)において局部的に温度差が生じるだけでなく、熱が配管(40)の一点に過度に集中するのを防止できるから、仕切り蓋(50)の落下を確実に防止できるうえに配管(40)の母材が溶融してしまうことも確実に防止できる。
【0050】
具体的に、実施形態1と同一の加熱条件の下では、図8(a)の場合に約170°C、図8(b)(c)の場合に約240°Cの温度差が発生し、仕切り蓋(50)の落下は生じなかった。特に、図8(b)の場合には、配管(40)の母材が最も溶融しにくくなり、仕切り蓋(50)が落下しないことと併せて、最良の結果が得られた。
【0051】
【発明の実施の形態4】
本発明の実施形態4は、図9に示すように、配管(40)の挿入部分(43)の近傍に、溶融工程において仕切り蓋(50)の周縁部分(5a)が一箇所を残して溶融する温度まで加熱されたときに変色する示温材(70)を設けたものである。具体的に、示温材(70)としては、200°Cで黄土色から紫色に変色するもの(具体的には、日油技研工業株式会社製のサーモペイント(商標)No.20)を、挿入部分(43)からL=約80〜100mmの位置に設けた。
【0052】
また、本実施形態において、加熱条件は、以下のように設定した。
【0053】
使用ガス(圧力) :アセチレン(0.20〜0.25kg/cm2)
酸素(3.0〜3.5kg/cm2)
バーナー火口 :#250〜315
火炎の種類と大きさ:フェザーFが約60mmの還元炎
火炎と母材の角度 :ほぼ直角
火炎と母材の距離 :約60mm
バーナー基準位置 :挿入部(43)とほぼ同一高さ
バーナー動作 :基準位置を挟んで軸方向へ60mm往復移動
加熱時間 :示温材が変色(黄土色から紫)するまで
加熱対象配管径 :9.52mm, 12.7mm, 15.9mm, 19.1mm,
(8種類) 22.2mm, 25.4mm, 28.6mm, 31.8mm
【0054】
なお、示温材(70)は、配管(40)の挿入部分(43)の加熱温度(本実施形態4では約800°C)に対し、変色温度と装着位置を適宜組み合わせればよいものであって、変色温度が高ければ挿入部分(43)の近くに設け、変色温度が低ければ挿入部分(43)から遠くに設ければよい。また、仕切り蓋(50)の溶け残りの防止を重視する場合、示温材(70)の位置を、その変色温度での適正位置よりも若干遠くに設定し、変色タイミングを少し遅らせるようにすればよい。
【0055】
−実施形態4の効果−
本実施形態4によれば、実施形態3の効果が得られることに加え、仕切り蓋(50)の周縁部分(5a)が一箇所を残して溶融したことが、示温材(70)の色の変化によって表示されるので、加熱のし過ぎにより、仕切り蓋(50)が落下したり、配管(40)の母材が溶融したりすることを防止できる。また、従来の方法では、配管接合後は仕切り蓋(50)の溶け残りの有無は容易に確認できないが、本実施形態4の方法によれば、示温材(70)の変色が目安になり、そのような確認は不要となる。
【0056】
なお、L=80mmの場合、径が19.1mm,22.2mm,25.4mmの配管で、変色タイミングと溶融状態がともに良好で、それよりも小径の配管では仕切り蓋(50)がオーバーヒートぎみになり、逆に大径の配管では変色タイミングが早い(示温材(70)が変色しても仕切り蓋(50)が十分に溶融していない)結果となった。
【0057】
また、L=90mmの場合、径が22.2mm,25.4mm,28.6mm,31.8mmの配管で良好な結果が得られ、特に28.6mmの配管で、変色タイミング、溶融状態ともに良好であった。L=100mmの場合は、径が25.4mm,28.6mm,31.8mmの配管で良好な結果が得られ、特に31.8mmの配管で、変色タイミング、溶融状態ともに良好であった。
【0058】
なお、仕切り蓋(50)の溶け残りによる詰まりの問題は、小径の配管では生じにくく、逆に比較的大径の配管において生じやすい問題であるから、本発明の接合方法は、特に比較的大径の配管において効果的であるといえる。
【0059】
【発明のその他の実施の形態】
本発明は、上記各実施形態について、以下のように構成してもよい。
【0060】
例えば、上記実施形態1においては、配管(40)の両端部に仕切り蓋(50)を設けているが、一端側にのみ仕切り蓋(50)を設けた配管(40)であっても、本発明の接続方法は適用可能である。また、各実施形態では、一端をフレア加工した配管(40)について説明したが、各配管(40)を中間部分で拡径したり、挿入側の配管(40)と被挿入側の配管(40)を異径にしてもよい。さらに、配管(40)は、銅管に限らず、鉄管など各種の材質のパイプであってもよい。
【0061】
また、仕切り蓋(50)は、断面ハット状に限らず、円盤状その他の任意の形状でよく、配管(40)の端部を閉塞できる形状であればよい。また、仕切り蓋(50)の材質は、ろう材に限らず、可溶性の他の素材を用いてもよい。
【0062】
また、配管(40)は、室外ユニット(20)と室内ユニット(30)の連絡配管(11)用に限られるものではなく、室外ユニット(20)の内部の冷媒配管などであってもよい。さらに、配管(40)は、空気調和装置(10)の配管に限らず、その他の各種の配管であってもよい。
【0063】
さらに、実施形態2から4において、バーナー(60)の往復移動の基準位置や移動量は、配管(40)のサイズや材質などに合わせて、上述以外の値に適宜定めるとよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1に係る配管の接続方法が適用される空気調和装置の概略冷媒系統図である。
【図2】図1の空気調和装置に用いる配管の断面図である。
【図3】図2の配管に設けられた可溶性仕切り蓋の断面図である。
【図4】配管の挿入工程を示す断面図である。
【図5】仕切り蓋の溶融工程を示す概略断面図であり、(a)は平面図、(b)は縦断面図を示している。
【図6】実施形態1の溶融工程を示す説明図である。
【図7】実施形態2の溶融工程を示す説明図である。
【図8】実施形態3の溶融工程を示す説明図である。
【図9】実施形態4の溶融工程を示す説明図である。
【符号の説明】
(10) 空気調和装置
(11) 連絡配管
(20) 室外ユニット
(30) 室内ユニット
(40) 配管
(41) 挿入側端部
(42) 被挿入側端部
(43) 挿入部分
(50) 可溶性仕切り蓋
(51) 胴部
(52) 頂面部
(53) フランジ部
(5a) 周縁部分
(5b) 中央部分
(60) バーナー
(70) 示温材

Claims (7)

  1. 少なくとも一端部に可溶性仕切り蓋(50)を備えた複数の配管(40)のうち、一の配管(40)の挿入側端部(41)を他の一の配管(40)の被挿入側端部(42)に挿入する挿入工程と、
    配管(40)の挿入部分(43)を加熱して上記可溶性仕切り蓋(50)を溶融させる溶融工程と、
    上記挿入側端部(41)と被挿入側端部(42)とを接合する接合工程とを備えた配管の接続方法において、
    上記溶融工程が、上記可溶性仕切り蓋(50)の周縁部分(5a)を、一箇所を残して溶融させる第1溶融工程と、該第1溶融工程後に配管(40)の内面に接した可溶性仕切り蓋(50)を全体に溶融させる第2溶融工程とを備えた
    ことを特徴とする配管の接続方法。
  2. 請求項1記載の配管の接続方法において、
    上記溶融工程が、加熱用バーナー(60)を上記配管(40)の挿入部分(43)に対して位置を固定した状態で該挿入部分(43)を加熱することにより行われる
    ことを特徴とする配管の接続方法。
  3. 請求項1記載の配管の接続方法において、
    上記溶融工程が、加熱用バーナー(60)を上記配管(40)の挿入部分(43)に対して配管(40)の軸と直角の方向へ往復移動させながら該挿入部分(43)を加熱することにより行われる
    ことを特徴とする配管の接続方法。
  4. 請求項1記載の配管の接続方法において、
    上記溶融工程が、加熱用バーナー(60)を上記配管(40)の挿入部分(43)に対して配管(40)の軸方向へ往復移動させながら該挿入部分(43)を加熱することにより行われる
    ことを特徴とする配管の接続方法。
  5. 請求項1記載の配管の接続方法において、
    上記可溶性仕切り蓋(50)が、ろう材により、配管(40)同士の接合材として構成され、上記溶融工程と同時に接合工程が行われる
    ことを特徴とする配管の接続方法。
  6. 請求項1記載の配管の接続方法において、
    上記配管(40)の挿入部分(43)の近傍には、仕切り蓋(50)から配管(40)の軸方向へ所定距離の位置に、仕切り蓋(50)の周縁部分(5a)が一箇所を残して溶融する温度で変色する示温材(70)が設けられている
    ことを特徴とする配管の接続方法。
  7. 少なくとも一端部に可溶性仕切り蓋(50)を備えた複数の配管(40)を接合して成る配管構造において、
    該仕切り蓋(50)から配管(40)の軸方向へ所定距離の位置に、温度変化に伴って色が変化する示温材を備えた
    ことを特徴とする配管構造。
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