JP4218036B2 - 内燃機関の火炎噴出防止用トラップ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の火炎噴出防止用トラップ装置に関する。より詳しく言うと、過熱された内燃機関の誤爆の際、外部に放出される火炎を順次多重吸収し減圧することにより、火炎が外部に放出されることを効果的に相殺することが可能な、内燃機関の火炎噴出防止用トラップ装置に関する。
一般に、船舶や車両などでは、燃料を機関内で燃焼させ、発生した高温、高圧のガスを直接仕事エネルギーに転換させる内燃機関を使用するが、通常の内燃機関の構造は、多数のシリンダ装置を備えているエンジン部で動力を発生させ、この動力を機械的運動エネルギーに転換するシステムで出来ている。
エンジン部には、伝動装置としてクランク部(crank portion)が連結されている。クランク部は、クランクケースによって取り囲まれている。クランクケースの内部は、エンジンの高温、高圧ガスによって比較的高い温度および圧力を維持する。ところが、クランクケースの内部圧力が規定の圧力(通常0.03〜0.05kg/cm)以上に上昇すると、過剰な圧力分だけ内部ガスを外部に流出させてクランクケースの内部を常時正常圧力に維持させることもできるようにしている。
クランクケースの内部に誤爆による火炎が発生した場合には、火炎が外部に広く流出してクランクケース周辺の各種機械装置だけでなく、人体にも致命的な被害を及ぼす。これを防止するために、内燃機関のエンジン部周囲には、爆発の際に火炎が外部に噴出されるのを遮断できる火炎噴出防止用トラップ装置が設置される。
火炎噴出防止用トラップ装置は、外部に流出する火炎を多数のストラップが形成する板面の間を通過させながら吸収および減衰させるようにしているが(例えば特許文献1参照)、従来のような火炎噴出防止用トラップ装置は、多数のストラップが単純に重なっている構造で出来ているため、火炎の熱気および高圧を効果的に相殺することができないという問題点があった。
特開平10−280975号公報
そこで、本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、内燃機関の誤爆の際、外部に放出される火炎を効果的に吸収および相殺することが可能な、内燃機関の火炎噴出防止用トラップ装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、クランクケースの開口部の外周に設置され、多数の鉄線部材が交差し合い重なり合っている網構造によって、前記クランクケースの外部に流出する火炎を1次的に吸収および分散させる1次火炎吸収網部と、前記1次火炎吸収網部の外側に拡張された空の空間部を提供し、前記1次火炎吸収網部を通過して分散および弱化した火炎の圧力を減少させる減圧拡散空間部と、前記減圧拡散空間部の外側に前記1次火炎吸収網部と同様の網構造で設置され、前記1次火炎吸収網部と前記減圧拡散空間部で1次的に吸収、減圧された火炎を2次的に吸収および分散させる2次火炎吸収網部と、板面に放射状に凸凹が設けられた多数のストラップが重なり合っている構造で前記2次火炎吸収網部の外側に設置され、前記2次火炎吸収網部を通過した残余の火炎を、前記ストラップの間に設けられた導出孔を通過させがら3次的に吸収し、酸素欠乏に起因する不燃焼によって無火花状態で吐き出す火炎導出ダクト部とを含んでなる、内燃機関の火炎噴出防止用トラップ装置が提供される。
ここで、1次火炎吸収網部は、内外側に接する多数のボルトによる形状維持がなされつつ固定設置されることが好ましい。
したがって、内燃機関の誤爆の際、外部に放出される火炎の熱気を多数の火炎吸収網およびダクトによって1、2、3次的に多段階で吸収および減衰させ、火炎吸収網の間に空間部を形成して内圧を効果的に減衰させることにより、火炎が外部に放出されることを効果的に防止することができるという利点がある。
また、火炎が多数の火炎吸収網と減圧空間部を経て均一に分散放出されながら優れた減圧および冷却性能を実現し、更に、火炎吸収網とダクト自体に加えられる衝撃を最小化して寿命をより向上させることができるという他の利点がある。
本発明は、内燃機関の誤爆の際、外部に放出される火炎の熱気を多数の火炎吸収網およびダクトによって1、2、3次的に多段階で吸収および減衰させ、火炎吸収網の間に空間部を形成して内圧を効果的に減衰させることにより、火炎が外部に放出されることを効果的に防止することができるという効果がある。
また、火炎が多数の火炎吸収網と減圧空間部を経て均一に分散放出されながら、優れた減圧および冷却性能を実現し、更に、火炎吸収網とダクト自体に加えられる衝撃を最小化させて寿命をより向上させることができるという他の効果がある。
発明の実施の形態
以下に添付図面を参照しながら、本発明について詳細に説明する。
図1は本発明に係る内燃機関の火炎噴出防止用トラップ装置の一実施例を示す側方断面図、図2は図1の平断面図である。
本発明に係る内燃機関の火炎噴出防止用トラップ装置は、クランクケースの開口部に隣接した内側から順次1次火炎吸収網部10、減圧拡散空間部20、2次火炎吸収網部30、火炎導出ダクト部40を設置し、外部への放出火炎を多段階で吸収し減圧させることができるようにする構成を持つ。
前記1次火炎吸収網部10は、多数の鉄線部材が交差し合い重なり合っている網構造を有し、火炎が噴出されるクランクケースの開口部の外周に最も隣接して設置される構成要素である。火炎は鉄線部材の間を通過するが、空気の流れが多数の鉄線部材にぶつかって停滞するため、鉄線部材の各隙間を介して分散しながらエネルギーが消耗されて圧力が減少し、前記鉄線部材との接触によって熱気が1次的に冷却して火花の力が弱化する。
前記減圧拡散空間部20は、前記1次火炎吸収網部10の外側に拡張された空の空間部を提供する構成要素であるが、前記1次火炎吸収網部10を通過した火炎は、急に拡張された空間内へ導入されることで圧力が急激に減少し、前記減圧拡散空間部20全体に均一な圧力を形成して、前記2次火炎吸収網部30に導入されるようにする。
前記2次火炎吸収網部30は、前記1次火炎吸収網部10と同様に、多数の鉄線部材が交差し合い重なり合っている網構造を有し、前記1次火炎吸収網部10の外側に前記減圧拡散空間部20を形成しながら隔置され、前記減圧拡散空間部20で均一に分散および減圧された火炎が多数の鉄線部材の間を2次的に通過しながら、前記1次火炎吸収網部10と同一の原理で前記鉄線部材との接触によって再吸収および再冷却され、分散して圧力および火花の力がさらに減少する。
前記火炎導出ダクト部40は、火炎を最終的に吸収および減衰させる構成要素であって、板面に放射状に凸凹が設けられた多数のストラップ41は、前記2次火炎吸収網部30の外側に円筒状に設置され、重なり合うことで、内外側へ進行する火炎が同じ経路を辿るように多数の導出孔42を形成する。
前記火炎導出ダクト部の導出孔42は、前記ストラップ41の凸凹が上下側壁を形成して広い表面積を提供することにより、内部で冷たい空気と接触する面積を拡張させる。これにより、前記火炎導出ダクト部40を通過する火炎が効果的に3次的に冷却され、流速の速い火炎は、それぞれの導出孔42が形成する長い各経路を通過しながら瞬間的に酸素の欠乏に陥る。この酸素欠乏により、火炎はそれ以上火花ではなく、煙として外部に吐き出される。
前記1次火炎吸収網部10を前記2次火炎吸収網部30の内側に隔置するにおいて、内面と外面がそれぞれ多数の内側支持ボルト11と外側支持ボルト12の外周面に接するようにして固定設置されることにより、前記1次火炎吸収網部10を円筒状に維持させ、前記2次火炎吸収網部30に対して一定の離隔距離を保つようにし且つ火炎の放出経路を阻害しないようにする。
本発明に係る内燃機関の火炎噴出防止用トラップ装置は、外部に放出される火炎の熱気を前記1次火炎吸収網部10、前記2次火炎吸収網部30、前記火炎導出ダクト部40を順次通過させることにより、1、2、3次的に多段階で吸収および冷却させるとともに、火炎の圧力に対しては前記1次火炎吸収網部10、前記2次火炎吸収網部30だけでなく、特に前記減圧拡散空間部20で圧力を急減させ、空間部全体にわたって圧力を均一に形成させることにより、火炎が外部に放出されることを効果的に防止する。
火炎が前記減圧拡散空間部20で均一に分散することにより、前記2次火炎吸収網30と前記火炎導出ダクト部40に圧力によって加えられる衝撃も最小化される。よって、装置自体の寿命もより向上させることができる。
本発明に係る内燃機関の火炎噴出防止用トラップ装置の一実施例を示す側方断面図である。 図1の平面図である。
符号の説明
10 1次火炎吸収網部
11 内側支持ボルト
12 外側支持ボルト
20 減圧拡散空間部
30 2次火炎吸収網部
40 火炎導出ダクト部
41 ストラップ
42 導出孔

Claims (2)

  1. クランクケースの開口部の外周に設置され、多数の鉄線部材が交差し合い重なり合っている網構造によって、前記クランクケースの外部に流出する火炎を1次的に吸収および分散させる1次火炎吸収網部と、前記1次火炎吸収網部の外側に拡張された空の空間部を提供し、前記1次火炎吸収網部を通過して分散および弱化した火炎の圧力を減少させる減圧拡散空間部と、前記減圧拡散空間部の外側に前記1次火炎吸収網部と同様の網構造で設置され、前記1次火炎吸収網部と前記減圧拡散空間部で1次的に吸収、減圧された火炎を2次的に吸収および分散させる2次火炎吸収網部と、板面に放射状に凸凹が設けられた多数のストラップが重なり合っている構造で前記2次火炎吸収網部の外側に設置され、前記2次火炎吸収網部を通過した残余の火炎を、前記ストラップの間に設けられた導出孔を通過しながら3次的に吸収し、酸素欠乏に起因する不燃焼によって無火花状態で吐き出す火炎導出ダクト部とを含んでなり、前記1次火炎吸収網部、前記2次火炎吸収網部、前記火炎導出ダクト部および前記減圧拡散空間部が、同心円の円筒形状に形成されていることを特徴とする、内燃機関の火炎噴出防止用トラップ装置。
  2. 前記1次火炎吸収網部は、内外側に接する多数のボルトによる形状維持がなされつつ固定設置されることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の火炎噴出防止用トラップ装置。
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