実施例1
図1は、本発明の一実施例に係る現像装置を備えた画像形成装置を示す概略構成図、図2は、図1に備えられた現像装置の現像スリーブを拡大して示す斜視図である。
本画像形成装置の構成は、その現像装置10が図2に示す構成の現像スリーブ30を有する点を除き、図5に示した従来の画像形成装置と基本的に同じなので、説明の煩雑を避けるために、図1において図5と同じ部材には同じ符号を付して、必要のない限りその説明を省略する。
図2に示すように、本発明によれば、現像スリーブ30は、非磁性スリーブ基体32上に外層として導電性弾性層34を形成してなっている。本実施例では、スリーブ基体32は、厚さ0.8mm、外径15mm、真直度約20μmのアルミニウム製の円筒体とされ、導電性弾性層34はこれに厚さ約500μmに設けた。
上記の導電性弾性層34は、ウレタンゴムに導電性カーボンブラック、例えばconductex 975 ub(コロンビアカーボン社製)を添加したものを混練し、溶媒希釈して塗料液とし、その塗料液をスリーブ基体32上にスプレー塗工し、塗膜を乾燥し、加硫して硬化することにより形成される。
上記の硬化により得られた導電性弾性層34の体積抵抗率は、同時にポリエチレンテレフタレート上に形成した導電性弾性層を四端子法の抵抗率測定器(例えば三菱油化製 LORESTA AP INTERIGENT)で測定することにより得られ、体積抵抗率は104Ω・cm程度であった。
現像装置10の現像容器12内に収容された一成分現像剤であるトナー11は、上記の導電性弾性層34を有する現像スリーブ30上にその内側のマグネットローラ15により担持され、現像スリーブ30の回転により、感光ドラム1と現像スリーブ30とが所定の微小間隙でき対向した現像領域13に搬送される。その搬送の途中、トナー11は、磁性ブレード16により層厚を規制されて所定の厚さの薄いトナー層11aとされる。現像領域13に搬送されたトナー11は、感光ドラム1上に形成された静電潜像の現像に供され、潜像がトナー像として可視化される。
現像の際、現像スリーブ30にはバイアス電源18によって現像バイアスが印加され、現像剤には、これを現像スリーブ30から感光ドラム1に転移させる方向の電界、感光ドラム1から現像スリーブ30に逆向きに転移させる方向の電界が交互に作用する。これにより良好な現像画像が得られる。
現像バイアスは、例えば暗部電位が−700V、明部電位が−100Vの潜像を負に帯電したトナーで、プロセススピード47.1mm/秒、SD間隙200μmで反転現像する場合、次の条件にすることにより、良好な現像画像が得られる。使用した現像スリーブ30の長手方向の長さは、有効長で220mmであった。
交番電圧 :矩形波、800V
交番周波数:2000Hz
直流電圧 :−500V
尚、現像スリーブ30の導電性弾性層34の実質の抵抗値は、弾性層34の体積抵抗率×厚さのオーダー、即ち102Ωのオーダー(104Ω・cm×500μm÷1cm3=500Ω)で比較的低いので、高圧を負荷しても十分に耐えられる領域であり、現像バイアスの交番電圧のピーク・ツウ・ピークは数10〜数100ボルトの範囲であるから、現像バイアスの印加による現像が十分に可能である。
本発明では、上記のように、現像装置10の現像スリーブ30に外層として導電性弾性層34を設けたので、その現像装置10を組込んだ画像形成装置の運送時に、振動により現像スリーブ30が感光ドラム1に接触しても、感光ドラム1の表面に傷が付くのを防止でき、感光ドラム1の傷による画像欠陥の発生をなくすことができる。
本実施例において、振動数:10〜100Hz、加速度:1G、スイープ時間:5分等のJIS−Z0232に基づく物流テストを行った後、画像形成を行った結果、現像スリーブの接触による感光ドラムの傷付きに起因した画像欠陥は認められなかった。
以上では、現像スリーブ30の導電性弾性層34は、体積抵抗率が104Ω・cmとしたが、一般に、導電性弾性層34の体積抵抗率の上限値は、使用するバイアス電源18の出力の最大値によって決定されるので、バイアス電源18の出力によっては更に高体積抵抗率の導電性弾性層を有する現像スリーブを使用することができることはいうまでもない。
本発明では、導電性弾性層34の体積抵抗率が108Ω・cm以下の現像スリーブを使用することができ、上記したのと同様な効果を得ることができた。導電性弾性層34の体積抵抗率が108Ω・cmを超えると、局所的に抵抗の不均一性からリークが発生し易くなり、画像上の欠陥が発生し易くなる。抵抗率の下限についての制限はない。
更に本発明では、SD間隙を200μm以下としているので、現像スリーブ30の体積抵抗率を従来の現像スリーブよりも高くして使用することができる。即ち、現像スリーブ30上の現像されるトナー(現像に供されるトナー)と感光ドラム1との距離が近くなるために、トナーの現像性が向上するから、現像スリーブ30の体積抵抗率を従来の現像スリーブよりも高くできる。上記のトナーと感光ドラム間の距離が近くなると現像性が向上するのは、現像されるトナー、つまり現像スリーブから最も遠く、感光ドラムに最も近いトナーに、感光ドラムの表面電位で形成される電界が近いことが、その一つの要因として考えられる。
本発明者等が行ったシミュレーションの結果によると、感光ドラム表面の暗部電位が−700V、明部電位が−150Vであるサイン波的な表面電位分布(通常のOPC)を考えると、感光ドラムの表面から約100〜150μmがその電界が及ぶ距離である。換言すれば、現像スリーブ上のトナー層の厚さを考えると、SD間隙は100〜150μm以下、多目に見積もって200μm以下が現像性の高い領域となる。
このことは、当業者に周知のV−D曲線(現像バイアスの直流電圧V対現像濃度Dの関係曲線)を実験的に調べることで明確になる。即ち現像性が高ければ、V−D曲線は低コントラスト側にシフトするが、SD間隙が200μm以下ではそのようにシフトしており、SD間隙200μm以下で現像性が高いことが明らかである。
本発明に従う導電性弾性層34を設けた現像スリーブ30と、従来の金属(アルミ)のままの現像スリーブとを、本発明のSD間隙の範囲内の200μmの条件で現像に使用し、画像形成試験を行ったときの、現像性及び現像スリーブ接触による感光ドラム損傷の防止効果等を、試験No.1〜2として表1に示す。
表1に示されるように、本発明の実施例である試験No.1では、現像スリーブの表面に本発明に従った導電性弾性層を設け、且つ感光ドラムとのSD間隔を本発明の範囲内の200μmにしたので、現像スリーブの接触による感光ドラム損傷防止及び現像性に良好以上の優れた効果が得られた。
実施例2
図3は、本発明の現像装置の他の実施例を示す概略図である。本実施例では、現像剤規制部材として弾性体からなる弾性ブレード26を使用したことが特徴である。本実施例の現像装置10のその他の構成は、図1に示した実施例1の現像装置10と基本的に同じで、図3において図1に付した符号と同一の符号は同一の部材を示す。
本実施例において、弾性ブレード26は現像スリーブ30上の現像容器12の位置に固定され、現像スリーブ30上に垂下してその回転方向と逆のカウンタ方向に当接されている。弾性ブレード26は、SUS等の弾性金属又はウレタンゴム等の弾性ゴムの板からなっている。
本発明における現像スリーブ30は、従来のアルミやステンレス製の現像スリーブと比べると弾性ブレードとの接触面積が広く取れるため、金属製等の弾性ブレード26を有効に使用することができる。
本発明に従う導電性弾性層34を設けた現像スリーブ30と、従来の金属のままの現像スリーブに対し、ウレタンゴム製又はSUS薄板製の弾性ブレード26を組合せて使用し、実施例1の試験と同様な条件で現像し、6000枚までの画像形成試験を行った。そのときの弾性ブレードの違いによる現像スリーブへの傷の発生に対する効果を、試験No.3〜5として表2に示す。
上記の弾性ブレードの厚さは、ウレタンゴム製が1.0mm、SUS薄板製が0.1mmである。各弾性ブレードは現像スリーブに引抜き圧30g/cmとなるような圧力で当接した。引抜き圧とは、現像スリーブと弾性ブレードとの間に、厚さ30μmの2枚の板で挟んだ厚さ30μmのSUS板を挟み込み、そのSUS板を引抜くときの力をSUS板の長さ1cm当たりに換算したものである。
表2に示されるように、従来の現像スリーブでは条件範囲が狭いSUS薄板製の弾性ブレードでも、本発明の現像スリーブでは傷が発生されづらく、本発明の現像スリーブと組合せると、十分に実用の域にあることが理解される。
このように、本発明では、現像スリーブ30の表面に導電性弾性層34を設けたことにより、弾性ブレード26を容易に使用することができるようになるが、更にその導電性弾性層34を設けたことにより、弾性ブレード26で規制されるトナーの現像スリーブへの微視的当接面積が増大するので、トナーの摩擦帯電による比電荷量(μC/g)が若干増加して、現像効率が増すことも分った。
以上では、現像剤規制部材としてSUS薄板やウレタンゴムの弾性ブレード26を使用したが、金属ローラー等の現像剤規制部材を使用してもよく、同様に有効である。
実施例3
本実施例では、図1及び2を参照して説明した実施例1の現像装置10において、その一成分現像剤であるトナー11として、体積平均粒径9μm以下の微細トナーを使用した際に、本発明による効果を説明する。
トナー11の粒径が小さくなるに従って、現像スリーブ30との鏡映力によりトナーが現像に寄与しにくくなり、現像性が低下する現象がある。この現象は交番電界を印加する条件下では、SD間隙に対しての依存度が特に顕著である。
本実施例では、トナーの現像性の観点から、全面ベタ黒のパターン画像を現像して画像形成試験を行い、そのとき得られたベタ黒濃度を調べた。トナーには体積平均粒径が約9μmの微細トナーを用いた。その他の条件は、実施例1の試験と同じにした。SD間隙は、微細トナーの現像性のSD間隙に対する依存性を示すために、200μm、300μmの2つを試した。
その結果を図4に示す。図4において、横軸は現像バイアスの交番電圧分の電圧値(kV)、縦軸は全面ベタ黒濃度(光学濃度O.D.)である。現像バイアスの直流分は、本発明、従来の共に−500Vとした。
図4に示すように、本発明に係る現像スリーブを使用した場合には、SD間隙を200μmとすることにより、体積平均粒径9μmの微細トナーに対し有効であるあることが分る。同様に、体積平均粒径が6.5μm、5.0μmのトナーを使用して画像形成試験をしたが、同じような結果が得られた。
本発明において、このような結果が得られるのは、トナーが微細になるに従ってその現像性が低下することからも妥当である。
以上の実施例1〜3では、いずれも、現像バイアスの交番電圧の周波数は2kHz(2000Hz)としたが、0.6kHz〜2.4kHzの範囲で良好な結果が得られた。又実施例2で現像剤規制部材として用いた弾性ブレード26は、現像スリーブ30に対してその回転と逆方向に当接したが、回転と同方向の準方向に当接してもよく、同様に有効であった。
又現像スリーブ30の導電性弾性層34は、ウレタンゴムをその基材として使用したが、これに限られず、例えばEPDMやネオプレンゴム等の通常の導電生ゴム材を使用することができる。一般に導電性弾性層34は、感光ドラム1よりも軟らかく且つ体積抵抗率が108Ω・cm以下を有すればよい。
又導電性弾性層34の形成方法は、スプレー法の他、ディップ法でもよく、或いは導電性弾性層34をチューブに形成しておいて、それをスリーブ基体上に被せるようにしてもよい。
導電性弾性層34の厚さは500μmとしたが、5〜1000μmまで十分に適用できた。導電性弾性層34の厚さが1000μmを超えると、現像スリーブ30内のマグネットローラ15の現像極からの磁力の強さが弱まるので、導電性弾性層34の厚さの上限には限界がある。
現像スリーブ30の基体32としてはアルミ製の円筒体を用いたが、カーボンファイバー等と樹脂とによる繊維強化複合材料の円筒体を基体に使用することができる。又絶縁性樹脂の円筒体の表面上に導電層を一層設けて、これをスリーブ基体としてもよい。
本発明は、トナーの帯電極性に依存せずに成立するのは言うまでもない。
以上説明したように、実施例1〜3では、現像スリーブ30が導電性の基体32の表面上に導電性弾性層34を設けてなっており、その導電性弾性層34が体積抵抗率108Ω・cm以下で且つ感光ドラム1の表面よりも低い硬度を有するので、感光ドラム1に対する現像スリーブ30の間隙が狭く、画像形成装置の輸送時に現像スリーブ30が感光ドラム1に接触しても、感光ドラム1に傷が付くのを防止でき、感光ドラム1の傷による画像欠陥の発生をなくすことができる。
実施例4
図6は、本発明の更に他の実施例に係る現像装置を備えた画像形成装置を示す概略構成図である。本実施例の現像装置では、現像バイアスの交番電流値を所望値に一定に制御できる機能を有するバイアス電源28を備えたことが大きな特徴である。本実施例のその他の構成は、図1の実施例1と基本的に同様で、図6において図1に付した符号と同一の符号は同一の部材を示す。
本実施例で解決する課題を説明する。図5に示した従来の現像装置では、現像バイアス電源18により現像スリーブ20に現像バイアスの交番電圧として定電圧の交番電圧を印加しているために、現像スリーブ20の回転位置により感光ドラム1との間のSD間隔が変動する場合、それに応じて交番電界の強さが変動して、現像スリーブ20のピッチで画像ムラが発生したり、現像効率が変動して、ハーフトーン画像や全ベタ画像の濃度変動が発生していた。
例えば図11に示すように、高い濃度のA部分と低い濃度のB部分が交互に現れるスリーブピッチの濃度ムラは、濃度の高いA部分がSD間隙が狭い場合に対応し、濃度の低いB部分がSD間隙が広い場合に対応する。この濃度ムラは、全面ベタ黒画像よりも1ドット1スペースのような濃い目のハーフトーン画像の場合に顕著に認められる。
SD間隙の変動は、例えばカートリッジタイプの現像装置を使用している画像形成装置においては、カートリッジの製造工程上でカートリッジ毎に発生することがある。この場合、カートリッジ毎に濃度変動として現れる。
本実施例では、画像形成装置の輸送時の現像スリーブによる感光ドラムの傷付きを防止すると共に、現像装置の製造に伴うSD間隙のバラつきや環境変化による現像特性の変化をも改善するものである。
図6に示す本実施例の現像装置10は、SD間隙のバラつきや環境変化による現像特性の変化を改善するために、上述したように、現像バイアスの交番電流を所望値に一定に制御できるバイアス電源28を備えている。このバイアス電源28は、定電流の交番電流を発生し、且つこれに所望の定電圧直流電圧を重畳して出力できるAC定電流+DC定電圧の高圧電源となっている。電源28の交番出力の範囲は、交番周波数が0.6〜2.4kHz、交番電流値が0.05〜3.0mA程度である。図7に、バイアス電源28のバイアス発生回路図を示す。
図7において、現像バイアスの交番電流として使用する波形信号が入力端子41に入力される。この入力信号は可変増幅器42で増幅され、この出力電流を交番電流検出・設定器43で検出し、増幅器42にフィードバックして出力電流値が一定となるように制御し、これにより増幅器42からの出力に所望の波形の定電流の交番電流が得られる。一方、入力端子44に例えば20kHzの信号が入力され、その入力信号をDC可変器45で直流電圧値を設定した可変増幅器46に入力して増幅し、その後段のダイオード47で整流して、定電圧の直流電圧が得られる。この直流定電圧は上記の交番定電流に加えられ、これらが重畳した現像バイアスが出力端子48から出力される。尚、交番電流検出・設定器43から可変増幅器46にフィードバックをかけて、直流電圧の定電圧制御を行うことも可能である。
交番電流波形としては、矩形波、サイン波、三角波等が使用される。
現像時、上記のような交番電流が一定、直流電圧が一定の現像バイアスを現像スリーブ30に印加することにより、現像装置のSD間隙及び現像スリーブ30の導電性弾性層34の体積抵抗率の変化があっても、トナーには所定の現像バイアスを良好に印加できる。トナーには、これを現像スリーブ30から感光ドラム1に転移させる方向の電界、感光ドラム1から現像スリーブ30に逆向きに転移させる方向の電界が交互に作用し、これにより良好な現像画像が得られる。
例えば暗部電位が−700V、明部電位が−100Vの潜像を負に帯電したトナーで、プロセススピード47.1mm/秒、SD間隙200μmで反転現像する場合、現像バイアスを、
交番定電流:矩形波、0.6mA
交番周波数:2000Hz
直流定電圧:−500V
の条件にすることにより、良好な現像画像が得られる。
上記の交番電流値は図7の回路の交番電流検出・設定器43で検出することができるが、ここでは、現像スリーブ30とアースとの間にデジタル式のRMSメータ(実効値メータ)を挿入して測定した値を示した。使用したデジタルRMSメータは、Fluke社の8062A TRUE RMS METERであった。
本発明では、現像スリーブ30の導電性弾性層34の実質の抵抗値は、102Ωのオーダーで比較的低く、高圧を負荷しても十分に耐えられ、現像バイアスの交番電圧のピーク・ツウ・ピーク電圧は数10〜数100ボルトの範囲であるから、上記のような現像バイアスの印加による現像が十分に可能であるのは、前述した通りである。
本実施例では、現像スリーブ30に印加する現像バイアスの交番電流を定電流値に制御しているために、SD間隙が変化したときに発生するスリーブピッチの濃度ムラは発見できなかった(1ドット1スペースの横ラインのハーフトーン画像で発見が容易である)。又現像スリーブ30の表面に導電性弾性層34を設けているので、振動数:10〜100Hz、加速度:1G、スイープ時間:5分等のJIS−Z0232に基づく物流テストを行った後、画像形成を行っても、現像スリーブの接触による感光ドラムの傷付きに起因した画像欠陥は認められなかった。
本実施例の最大の効果は、環境による依存度を極力なくすことにある。換言すれば、現像スリーブ30の抵抗値の環境依存度をなくすことで、SD間隙を小さくして行ったときの現像性の向上効果を常に発揮させることにある。
即ち現像スリーブ30の導電性弾性層34は、25℃/55%の通常の環境(J/J環境)下で体積抵抗率が104Ω・cmであるのが、例えば15℃/10%の低温低湿環境(L/L環境)下では体積抵抗率が通常1〜2桁上昇し、105Ω・cm程度になる。
本実施例における制御方法で現像バイアスを制御して現像し、画像形成することにより、L/L環境でJ/J環境と同様な画像が得られた。このときの交番電圧のピーク・ツウ・ピーク電圧は数100〜数1000Vの範囲であり、現像バイアスの印加による現像が十分に可能であった。
導電性弾性層を設けた現像スリーブを用い、交番電流の定電流制御を行っていない場合には、現像スリーブと感光ドラムの間の電界がL/L環境とJ/J環境とで変化するために、現像濃度が変化する。交番電圧を印加する現像方式においては、交番電界による現像性の変化があることは周知の事実である。本実施例では、上記のように、このような現像性のL/L環境とJ/J環境とで変化が解消される。
以上では、現像スリーブ30は、導電性弾性層34の体積抵抗率が104Ω・cmのものを使用したが、導電性弾性層34の体積抵抗率が108Ω・cm以下の現像スリーブを使用することができ、上記したのと同様な効果を得ることができた。尚、SD間隙が200μmを超える場合には、導電性弾性層の効果は少なくなり、現像性の向上も大きく期待できないが、理論的には実施することが可能である。
実施例5
図8は、本発明の現像装置の更に他の実施例における現像バイアス電源のバイアス発生回路を示す図である。本実施例では、図7の実施例4の現像バイアス電源28のバイアス発生回路において、交番電流値の最大値を規定するリミッタ回路49を設けたことが特徴である。
リミッタ回路49は、その基準電圧と交番電流検出・設定器43による電圧とを比較して可変増幅器42の作動をオンオフし、増幅器42に最大値が一定値以下の交番電流を出力させるように制御するものである。
従来より、SD間隙に対して交番電圧をパッシェン(Paschen)の法則に従う以上の電圧を印加すると、リーク現象が発生することが知られている。このリーク現象は、全面ベタ黒をプリントしたときに、軽微な場合、白ポチとして現れ、激しい場合、図12に示すように、楕円状のリーク跡として現れる。
定電圧の交番電圧を印加した状態下においては、現像スリーブの振れが生じると、上記の図12に示すように、D領域ではリークが発生しないが、C領域でリークが発生する。C領域は実施例4の図12に示した濃度の高いA部分と同様SD間隙が狭く、D領域は濃度の低いB部分と同様SD間隙が広い。定電圧の交番電圧を印加すると、C領域のように狭いSD間隙では、パッシェンの電界強度を超える電界の強さが発生するために、リークが発生すると考えられる。
本発明においては、実施例4に示した現像バイアスの交番電流の定電流制御により、図12に示したようなスリーブピッチのリーク現象の発生はかなり軽減されるが、しかし、一定値以上の交番電流値を流すと図12と同様なリーク現象を生じる。然もSD間隙の広狭に応じて交番電圧が変動するために、図12に示すスリーブピッチのリークから全面リークになる可能性が高い。
しかし、上記のリーク現象は、交番電流値を下げることで回避できる。そこで、本実施例では、一定値以上の交番電流を流さないような電流制限回路、つまりリミッタ回路49を現像バイアス電源28のバイアス発生回路内に設けて、リーク現象を解消するようにした。
リークが生じる現像バイアスの限界値の一例を挙げれば、交番周波数が2000Hz、交番電流値が約2.0mAである。この限界値は矩形波を用い、SD間隙が200μmのときの値である。リークが生じる限界値は、SD間隙を小さくして行くと若干の変動が認められ、又印加する交番波形の種類によっても変化が認められる。従って上記の数値はあくまでも一例である。
実施例6
本実施例では、実施例4において、図3に示した実施例2のときのように、現像剤規制部材として弾性ブレード26を用いたことが特徴である。
本実施例において、実施例2のときと同様、実施例1の試験と同様な条件で現像し、6000枚までの画像形成試験を行った。現像バイアスの交番電流の定電流制御等、その他の条件は実施例4と同様にした。その結果を比較例と共に、試験No.6〜8として表3に示す。
表3に示されるように、従来の現像スリーブでは当接条件が厳しくて、その条件範囲が狭いSUS薄板製の弾性ブレードでも、本発明の現像スリーブと組合せると、現像スリーブに傷を起こしづらく、十分に実用の域にある。
このように、本実施例では、現像スリーブの表面に導電性弾性層を設けたことにより、弾性ブレードを容易に使用でき、又現像剤の現像スリーブへの微視的当接面積が増大して、トナーの摩擦帯電による比電荷量(μC/g)が若干増加して現像効率が増し、然も現像バイアスの交番電流の定電流制御をしているので、環境に依存することなく常に良好な濃度の画像が得られる。
実施例7
本実施例では、実施例4において、一成分現像剤であるトナー11として、実施例3のときと同様、体積平均粒径9μm以下の微細トナーを使用したことが特徴である。
本実施例において、実施例3のときと同様な条件で、全面ベタ黒のパターン画像の画像形成試験を行った。SD間隙は200μmと100μmの2種類を試した。現像バイアスの交番電流の定電流制御等、その他の条件は実施例4と同様にした。
その結果を図9に示す。図9において、横軸は現像バイアスの交番電流値、縦軸は全面ベタ黒濃度(光学濃度O.D.)である。又交番電圧を変化させたときの現像性の結果を図10に示す。図10において、横軸は現像バイアスの交番電圧値である。縦軸は同じく全面ベタ黒濃度(光学濃度O.D.)である。現像バイアスの直流電圧は、本発明、従来の共に−500Vとした。
図9及び図10を比較すると明らかなように、本実施例により、体積平均粒径9μmの微細トナーを用いた場合にも、SD間隙の変動による交番電流一定の方法が有効であることが分る。同様に、体積平均粒径が6.5μm、5.0μmのトナーを使用して画像形成試験をしたが、同じような結果が得られた。本発明において、このような結果が得られるのは、トナーが微細になるに従ってその現像性が低下することからも妥当である。
以上の実施例4〜7では、いずれも、現像バイアスの交番電圧の周波数は2kHz(2000Hz)としたが、0.6kHz〜2.4kHzの範囲で良好な結果が得られた。又実施例6で現像剤規制部材として用いた弾性ブレード26は、現像スリーブ30に対してその回転と逆方向に当接したが、回転と同方向の準方向に当接してもよく、同様に有効であった。
又現像スリーブ30の導電性弾性層34として、ウレタンゴムをその基材として使用したが、これに限られず、実施例1〜3のときと同様、例えばEPDMやネオプレンゴム等の通常の導電生ゴム材を使用することができる。更に一般に導電性弾性層34は感光ドラム1よりも軟らかく、且つ体積抵抗率が108Ω・cm以下を有すればよい。
同様に、導電性弾性層34の形成方法は、スプレー法によらずディップ法でもよく、或いは導電性弾性層34をチューブに形成しておいて、それをスリーブ基体上に被せるようにしてもよい。導電性弾性層34の厚さは500μmとしたが、5〜1000μmまで十分に適用できた。導電性弾性層34の厚さ1000μmを超えると、現像スリーブ30内のマグネットローラ15の現像極からの磁力の強さが弱まるので、導電性弾性層34の厚さの上限には限界がある。
更に現像スリーブ30の基体としてはアルミ製のスリーブを用いたが、カーボンファイバー等と樹脂とによる繊維強化複合材料のスリーブを基体に使用することができる。又絶縁性樹脂のスリーブの表面上に導電層を一層設けて、これを本発明の現像スリーブ30のスリーブ基体としてもよいことは、前述した通りである。
以上説明したように、実施例4〜7によれば、現像スリーブ30の表面に体積抵抗率108Ω・cm以下で且つ感光ドラム1の表面よりも低い硬度を有する導電性弾性層34を設け、更に現像スリーブ30に印加する現像バイアスの交番電流を定電流制御するようにしたので、画像形成装置の輸送時の現像スリーブ30による感光ドラム1の傷付きを防止すると共に、現像装置10の製造に伴うSD間隙のバラつきや環境変化があっても現像特性の変化を改善して、濃度のバラつきのない良好な画像を得ることができる。
実施例8
図13は、本発明の現像装置の更に他の実施例における現像バイアス電源を示す図である。本実施例は、定電流制御及び定電圧制御された現像バイアスを切換えて印加できる現像バイアス電源38を設けたことが大きな特徴である。本実施例のその他の構成は図1の実施例1と基本的に同じなので、現像装置の図面及びその各部の説明は省略し、必要に応じて図1を参照して説明を加える。
本実施例で、現像バイアス電源38は、交番電源(AC電源)50と、CPU51と、定電流制御器52と、定電圧制御器53と、定電流/定電圧切換え器54と、電流検出手段55と、電圧検出手段56を備え、交流電源50は現像スリーブ30に出力線L1により接続され、制御器52と53とは切換え器54を介して交流電源50の入力側に接続され、切換え器54には制御器52、53を切換えるCPU51からの切換え信号線L2が接続されている。又定電流制御器52は接続線L3により交流電源50の出力側に接続され、上記の定電流制御器52は、その接続線L3に接続されると共に接地される。定電圧制御器53はそれぞれA/D変換器57a、57bを介した接続線L4a、L4bによりCPU51に接続され、その一方の接続線L4aと交流電源50の出力線L1との間に、上記の電圧検出手段56とこれと直列のダイオード58とが介挿されている。
現像バイアス電源38の交番出力の範囲は、交番周波数が0.6〜2.4kHz、交番電流値が0.2〜3.0mA程度が好ましく、このときの交番電圧のピーク・ツウ・ピーク電圧は0.4kV〜2.0kV程度である。但し、このピーク・ツウ・ピーク値はSD間隙によって変化する。交番波形は矩形波、サイン波、三角波等が使用される。更に現像バイアスの直流電圧は、感光ドラム1上に形成された潜像の暗部電位と明部電位との間に存在するような電圧が好ましい。
現像時、上記の現像バイアスを次に示すように制御して現像スリーブ30に印加することにより、トナーには、これを現像スリーブ30から感光ドラム1に転移させる方向の電界、感光ドラム1から現像スリーブ30に逆向きに転移させる方向の電界が交互に作用し、これにより良好な現像画像が得られる。
例えば暗部電位が−700V、明部電位が−100Vの潜像を負に帯電したトナーで、プロセススピード47.1mm/秒、SD間隙300μmで反転現像する場合、現像バイアスを、
非画像領域
交番定電流:矩形波、2.0mA
交番周波数:1800Hz
直流定電圧:−500V
画像領域
交番定電圧:約1600V(上記交番定電流印加時の交番電圧約1600
V(ピーク・ツウ・ピーク電圧)をホールドしたもの)
交番周波数:1800Hz
直流定電圧:−500V
の条件にすることにより、良好な現像画像が得られる。
次にSD間隙の大きさと交番電流値の依存性について、一例として交番周波数が1.8kHz一定のときのデータを図14に示す。図14において、交番電流値は、現像バイアス電源38と現像スリーブ30との間に交流電流計を直列に介挿して計測したもので、各プロットの縦線は、現像スリーブの数回転分での値の範囲を、各プロットのポイントはその平均値を示す。使用した電流計は、Fluke社の8062A TRUE RMS METER(実効値メータ)であった。又SD間隙は、約10μm程度の振れ精度の保持部材によって保持した。
図14から分るように、一定の交番電圧を印加しても、カートリッジ差などによるSD間隙の変化によって交番電流値が変化する。換言すれば、交番電流値を測定することで、SD間隙を知ることができる。
図14から交番電流値が2mA一定のときのSD間隙と交番電圧との関係を作成して図示すると、図15のようになる。図15によれば、交番電流を一定にした状態でそのときの交番電圧を求めれば、SD間隙が一義的に求まる。
本実施例では、この特性を利用して現像装置のSD間隙を検知し、SD間隙の変化に左右されずに、常に一定の交番電界を形成できるようにしたことが特徴である。
図16に、本実施例による現像バイアスの印加を行なうときの画像形成装置の基本的なシーケンスを示す。図16に示すように、メインモータONにより前回転が開始されると、ほぼ同時に図13の感光ドラム1に帯電装置により帯電が開始され、感光ドラム1の表面が−700Vに帯電される。このとき、現像スリーブ30には現像バイアス用の現像バイアス電源38により2mAの交番定電流が印加される。このときの交番電圧値を電源38内で検知する(SD間隙検知)。この動作は各紙間時において行なう。
次に感光ドラム1の帯電面に画像変調されたレーザビーム等が照射され、感光ドラム1に静電潜像が形成される。感光ドラム1が回転して、潜像が現像装置10の現像領域13の現像位置(現像スリーブ30と対向する位置)に到達するまでのタイミングで、現像バイアスの交番成分が、定電流制御時に検知して既にホールドした交番電圧値での定電圧制御に切換えられる。引き続くプロセスで静電潜像が負帯電トナーにより反転現像され、感光ドラム1上にトナー像が形成される。トナー像は図1の転写装置3により図示しない転写材上に転写され、次いで図示しない定着装置によりトナー像が転写材に定着された後、画像形成装置の機外に排出される。
本実施例では、以上のような現像バイアスを印加したので、SD間隙が変動してもライン幅、ライン濃度が一定の画像を得ることができる。又SD間隙は250〜350μm程度にしたが、SD間隙が50〜500μmの範囲まで同様に有効で、ライン幅、ライン濃度が一定であった。又交番周波数も600〜2400Hzにおいて同様の効果を確認できた。
本実施例でのライン幅における効果を従来例と比較して図17にグラフで示す。又転写材上の反射濃度における効果のグラフを同様に従来例と比較して図18にグラフで示す。図17及び図18に示されるように、本実施例によれば、SD間隙の変化によらずに、ライン幅、反射濃度が一定であることが分る。
本発明では、前述したように、現像スリーブ30の導電性弾性層34の実質の抵抗値は、102Ωのオーダーで比較的低く、高圧を負荷しても十分に耐えられ、現像バイアスの交番電圧のピーク・ツウ・ピーク電圧は数10〜数100ボルトの範囲であるから、現像バイアスの印加による現像が十分に可能である。
又現像スリーブ30の表面に導電性弾性層34を設けているので、振動数:10〜100Hz、加速度:1G、スイープ時間:5分等のJIS−Z0232に基づく物流テストを行った後、画像形成を行っても、現像スリーブの接触による感光ドラムの傷付きに起因した画像欠陥は認められない。
実施例9
本実施例においては、実施例8において、現像スリーブ30の現像部位の感光ドラム1の非画像域との対応時に、現像バイアスの交番電流を定電流制御して、そのとき検知してホールドした検知交番電圧VDOを、予め定めた関数に代入して電圧値VDT=f(VDO)を求め、現像部位の画像領域との対応時に、この電圧値VDTで定電圧制御して、感光ドラム1と現像スリーブ30とのSD間隙に交番電界を印加するようにしたことが特徴である。その他の構成は実施例8と同様である。
本実施例でのSD間隙と定電圧制御時の交番電圧との関係を図19に示す。図19において実線が本実施例9であり、ホールド値を関数fに代入したものである。又先の実施例8の場合を比較のために破線で示す。
本実施例での関数fをVDT=f(VDO)=αVDO+βとすると、傾きαは、
250μm≦SD間隙≦350μmのとき α=1
SD間隙<250μm又は350μm<SD間隙のとき α=1.5
である。
即ち、SD間隙が250〜350μmのときはα=1で、実施例8のときと似たような定電圧値となる。SD間隙が250μm未満又は350μm超ではα=1.5で、検知値よりも使用電圧を多少大きくした。定数βは各場合によって定まる数値である。
本実施例9における効果を図20及び図21に示す。図20は、本実施例におけるSD間隙とライン幅の関係を示したものである。本実施例は、ライン幅を従来例は勿論、実施例8よりも更に一定にすることができた。これは、SD間隙が350μm超では交番電界を実施例8のときよりも強めに、SD間隙が250μm未満では弱めに設定したことが有効に作用したものである。
図21は、SD間隙とベタ黒濃度との関係を示したものである。本実施例では、SD間隙が350μm超での強度の低下防止に効果的である。
以上のように、本実施例では、検知電圧を所定の関数に代入して交番電圧を決定するようにしたので、更に広い範囲のSD間隙で安定した画像を得ることができた。
尚、上記のα、βは説明のために用いた一例であり、これに限らない。又関数VDT=f(VDO)は一次関数としたが、これ以外の関数であってもよいことは、発明の趣旨から当然である。
実施例10
本実施例では、実施例8において、図3に示した実施例2のときのように、現像剤規制部材として弾性ブレード26を用いたことが特徴である。
本実施例において、実施例2のときと同様、実施例1の試験と同様な条件で現像し、6000枚までの画像形成試験を行った。現像バイアスの交番電流の定電流制御等、その他の条件は実施例8と同様にした。その結果を比較例と共に、試験No.9〜11として表4に示す。
表4に示されるように、従来の現像スリーブでは当接条件が厳しくて、その条件範囲が狭いSUS薄板製の弾性ブレードでも、本発明の現像スリーブと組合せるとトナー融着が起こりづらく、十分に実用の域にある。
実施例11
本実施例では、実施例8において、現像バイアスの交番電圧値に対し最大値を規定する制限回路を設けたことが特徴である。
実施例5のところで述べたように、SD間隙に対して交番電圧をパッシェン(Paschen)の法則に従う以上の電圧を印加すると、リーク現象が発生することが知られている。実施例8では、定電流制御時にSD間隙に応じて交番電圧値が変化するので、リーク現象は発生しづらいが、それでも定電流制御時にリークがまれに生じることがある。そこで、本実施例では、交番電圧の最大値を制限して、リークを確実に防止するようにした。
本実施例では、交番電圧の最大値が、図15のグラフにおける各SD間隙200、300、400μmの交番電圧値(Vpp)に200Vを加えた値の電圧を、瞬間的にも超えないように制限回路を設けた。これにより、リークの防止は完全になり、本発明の他の効果も同様に得ることができた。
実施例12
本実施例においては、実施例8において、現像スリーブ30の現像部位が感光ドラム1の非画像域に対応しているときに、現像バイアスの交番電界を所定の値で定電圧制御して、そのとき流れた交番電流i0を検知し、その電流値i0をある関数に代入して電圧値VDT=g(i0)を求め、現像部位が画像領域に対応したときにその電圧値VDTで定電圧制御して、感光ドラム1と現像スリーブ30とのSD間隙に交番電界を印加するようにしたことが特徴である。その他の構成は実施例8と同様である。
本実施例において、現像部位が非画像領域に対応しているとき、Vpp=800Vで定電圧制御して、そのときの交番電流値i0を検知した。先の図14によれば、この交番電流i0の値によりSD間隙の大きさが一義的に決まるので、現像時の交番電圧がSD間隙の大きさにより、実施例8と同様になるように、関数VDT=g(i0)を決定した。
これにより実施例8と同様な効果を得ることができた。
実施例13
本実施例では、実施例8において、現像バイアス電源38の制御シーケンスを示す図22に示すように、前回転時のみ、交番電流を定電流制御し、そのときの電圧を検知して、紙間では行わないようにしたことが特徴である。その他は実施例8と同様にした。本実施例においても実施例8と同様な効果が得られた。
以上説明したように、実施例8〜13によれば、例えば現像スリーブ30の現像部が感光ドラム1の非画像領域に対応するときに、現像スリーブ30に印加する現像バイアスを一定の交流電圧値で定電流制御し、そのときの交番電圧値を検知して、現像部が画像領域に対応するときに、その検知した交番電圧値で定電圧制御するというように、現像バイアスを制御したので、現像スリーブ30の表面に体積抵抗率108Ω・cm以下で感光ドラム1の表面よりも低い硬度を有する導電性弾性層34を設けたことによる、画像形成装置の輸送時の現像スリーブ30による感光ドラム1の傷付き防止と共に、現像装置10の製造に伴うSD間隙のバラつきや環境変化による現像特性の変化を改善し、濃度のバラつき防止を更に確実にして、良好な画像を得ることができる。