JP4217069B2 - 選択的環状ペプチド - Google Patents

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Description

【0001】
肥満は、先進国の重大な健康問題として広く認識されており、米国において流行の状態に達している。米国人口の50%を越えた者が体重過剰と見なされ、25%を越えた者が臨床的肥満と診断され、心臓病、インスリン非依存性糖尿病(NIDDM)、高血圧および特定の癌に対するかなりの危険性がある。この流行病は、米国だけでも毎年700億ドルを越える突出した肥満治療費用が予想されているので、ヘルスケアシステムにかなりの負担を与えている。肥満治療方法は、食物摂取量の減少、またはエネルギー消費量の増加を含む。
【0002】
メラノコルチン−4−受容体(MC4−R)作動薬活性を有するα−メラノサイト刺激ホルモン(αMSH)の環状ヘプタペプチド類似体が、脳の第3脳室内にまたは腹膜内に注射されると、マウスの食物摂取の長期にわたる抑制をもたらすことが、実証されている。この効果は、MC4−R拮抗薬と一緒に投与すると逆になる(Fanら、Nature(1997年)第385巻:165〜168頁)。したがって、MC4−R活性の作動薬は、肥満の治療または予防において有用である。
【0003】
同類の構成員間で35〜60%の類似性に及ぶ配列類似性に基づいて、5種類のメラノコルチン受容体が知られているが(Coneら、Rec.Prog.Hormone Res.(1996年)第51巻:287〜318頁)、これらの受容体は、機能が異なる。例えば、MC1−Rは、MC1−Rの有効な作動薬であるαMSHに反応して、色素沈着を制御する、G−蛋白が結合した受容体である(Coneら、前掲書)。MC1−R受容体の作動により、メラノサイトが刺激され、それがユーメラニンを発生させ、皮膚癌の危険性を高める。MC1−Rの作動は、神経作用も有し得る。MC2−R活性の刺激により、副腎組織の癌が発生し得る。MC3−RおよびMC5−Rの作動の効果は、まだ知られていない。すべてのメラノコルチン受容体が、メラノサイト刺激ホルモン(MSH)のペプチドホルモンクラスに反応する。これらのペプチドは、メラノコルチン類(α、βおよびγ)、アドレノコルチコトロピンホルモン(ACTH)および種々のエンドルフィン類(例えば、リポトロピン)の3種のクラスのホルモンに加工される、131のアミノ酸からなるプロホルモンであるプロ−オピオメラノコルチン(POMC)から誘導される(Coneら、前掲書)。それらの異なる機能のゆえに、複数のメラノコルチン受容体の活性が同時に作動することは、望まれない副作用を引き起こす可能性がある。したがって、MC4−Rの作動薬は、1種以上の他のメラノコルチン受容体に対するよりも、MC4−Rに対してより選択的であることが望ましい。
【0004】
Haskell−Luevanoら(Peptides(1996年)第17(6)巻、995〜1002頁)は、トリペプチド(D)Phe−Arg−Trpを含むと共にカエル(Rana pipiens)皮膚の生物学的検定においてメラノトロピック(皮膚暗色化)活性を示すペプチドを開示している。Haskell−Luevanoら(前掲書)は、以下に記載の式IまたはIIで示される、いかなる化合物も開示していない。
【0005】
Bednarekら(Peptides(1999年)第20巻:401〜409頁)およびBednarekら(Biochem.Biophys.Res.Comm.(1999年)第261巻:209〜213頁)は、環状ペピチドMT−IIの類似体を開示している。これらは、以下に記載の式IまたはIIで示されるいかなる化合物も開示していない。
【0006】
本発明は、下記式で示される化合物、および薬学的に許容されるその塩を提供する。
【0007】
【化44】
Figure 0004217069
【0008】
式Iで示される化合物中、R1およびR12は、XおよびYと一緒になってフェニル環を形成し、Xは、Cであり、そしてYは、Cであるか、あるいは
1は水素、
【0009】
【化45】
Figure 0004217069
【0010】
であり;そして
12は、水素であり、XおよびYは、それぞれCであり、XとYとの間の結合は二重結合であるか、またはXおよびYは、それぞれCHであり、XとYとの間の結合は一重結合であり;R2は、1〜5個の炭素原子を有するアルキル、2〜5個の炭素原子を有するアルケニル、または2〜5個の炭素原子を有するアルキニルであり;R14は、1〜5個の炭素原子を有するアルキルであり;nは、0または1であり;そしてQは、
【0011】
【化46】
Figure 0004217069
【0012】
であり(式中、R3、R4およびR5は、独立して水素、ハロ、1〜4個の炭素原子を有するアルキル、ヒロドキシ、または1〜4個の炭素原子を有するアルコキシであり、ここで、R4が水素でない場合、R3およびR5はいずれも水素であり;そしてR6は、水素、1〜3個の炭素原子を有するアルキル、1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ、フェノキシまたはハロであり;R11およびR13は、それぞれ独立して水素、3または4個の炭素原子を有するアルキル、5または6個の炭素原子を有するシクロアルキルであるか、あるいはR11およびR13は、いずれもフェニルである);R7は、OまたはNHであり;R8は、水素またはメチルであり;R9は、
【0013】
【化47】
Figure 0004217069
【0014】
であり;
10は、水素またはメチルであり;pは0または1であり;mは、0、1、2または3であり;Zは、
【0015】
【化48】
Figure 0004217069
【0016】
であり;そして
17は、水素または低級アルキル、好ましくはメチルである。
【0017】
式Iで示される化合物中の点線で示す結合は、XおよびYがそれぞれCH−である場合、水素化される。一方、点線で示す結合が存在する場合、YおよびXが、R1およびR12と一緒になってフェニル環を形成することはなく、XおよびYはいずれも4価炭素原子である。
【0018】
本発明は、また、下記式で示される化合物、および薬学的に許容されるその塩も提供する。
【0019】
【化49】
Figure 0004217069
【0020】
式IIで示される化合物中、R1は、水素、
【0021】
【化50】
Figure 0004217069
【0022】
であり;
2は、1〜5個の炭素原子を有するアルキル、2〜5個の炭素原子を有するアルケニル、または2〜5個の炭素原子を有するアルキニルであり;R14は、1〜5個の炭素原子を有するアルキルであり;nは0または1であり;R3、R4およびR5のうち1個は、水素、ハロ、1〜3個の炭素原子を有するアルキル、または1〜3個の炭素原子を有するアルコキシであり、残りは、水素である。R7はOまたはNHである。R8は、水素またはメチルである。R9は、
【0023】
【化51】
Figure 0004217069
【0024】
であり;
10は、水素またはメチルであり;pは、0または1であり;mは、0、1、2または3であり;Zは、
【0025】
【化52】
Figure 0004217069
【0026】
である。
17は、水素または低級アルキル、好ましくはメチルである。
【0027】
式IおよびIIで示される化合物ならびにペンタ−シクロ(Asp−Lys)−Asp−Apc−(D)Phe−Ala−Trp−Lys−NH2およびペンタ−シクロ(Asp−Lys)−Asp−Apc−(D)Phe−Arg−(2S,3S)βメチル−Trp−Lys−NH2は、MC4−Rの作動薬である。MC4−R活性の作動薬が、ヒト肥満のマウスモデルにおいて、食物摂取量の低下を引き起こすことが知られている。したがって、こららの化合物は、肥満の治療または予防において有用である。
【0028】
以下に例示する式IおよびIIで示されるすべての化合物ならびにペンタ−シクロ(Asp−Lys)−Asp−Apc−(D)Phe−Ala−Trp−Lys−NH2およびペンタ−シクロ(Asp−Lys)−Asp−Apc−(D)Phe−Arg−(2S,3S)βメチル−Trp−Lys−NH2を、生物学的活性試験Aにおける以下のインビトロ検定において、MC4−R作動活性およびMC1−R作動活性について試験した。試験したすべての化合物が、MC4−R作動薬活性についてのEC50が、500mM未満であり、すべて、MC1−R作動薬活性よりも、少なくとも10倍大きなMC4−R作動薬活性を示した。これに対して、Ac−Nle−シクロ(Asp−Lys)−Asp−His−(D)Phe−Arg−Trp−Lys−NH2は、ほぼ同じMC1−R作動薬活性とMC4−R作動薬活性を示した。
【0029】
命名法および略称
「アルキル」という用語は、直鎖または分岐鎖アルキル基を意味し、「低級アルキル」という用語は、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を意味する。「アルケニル」という用語は、直鎖または分岐鎖アルケニル基を意味する。「アルキニル」という用語は、直鎖または分岐鎖アルキニル基を意味する。
【0030】
「アルコキシ」という用語は、アルキルが前述に定義されたとおりである式:アルキル−O−で示される基を意味する。「フェノキシ」という用語は、フェニル−O−で示される基を意味する。特記されない限り、「フェニル」は、非置換フェニル環を意味し、「フェノキシ」は、非置換フェノキシ基を意味する。
【0031】
「ハロ」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードから選択される基を意味する。
【0032】
「薬学的に許容される塩」という用語は、遊離塩基または遊離酸の、生物学的効果および特性を維持する塩であって、生物学的にまたは他の点で望ましくないことが存在しないものを意味する。これらの塩は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等のような無機酸とで;および酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸、N−アセチルシステイン等のような有機酸とで形成される。さらに、これらの塩は、遊離酸に無機塩基または有機塩基を添加することにより調製することができる。無機塩基から誘導される塩には、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム等の塩があるが、限定されるものではない。有機塩基から誘導される塩には、第一級、第二級および第三級アミン、天然に由来する置換アミンを含む置換アミン、環状アミン、および塩基性イオン交換樹脂、例えば、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、リシン、アルギニン、N−エチルピペリジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂等の塩があるが、限定されるものではない。
【0033】
以下のような式IAで示される化合物、および薬学的に許容されるその塩がある。
【0034】
【化53】
Figure 0004217069
【0035】
(式中、R1、R3、R4、R5、R7、R8、R9、R10、R12、X、Y、Z、mおよびpは、前述のとおりである)
【0036】
式IAで示される化合物において、R1およびR12は、XおよびYと一緒になってフェニル環を形成し、または
1は水素、
【0037】
【化54】
Figure 0004217069
【0038】
であり;そして
12は、水素であり、XおよびYは、それぞれCであって、XとYとの間の結合は二重結合である、またはXおよびYは、それぞれCHであって、XとYとの間の結合は一重結合であり;R2は、1〜5個の炭素原子を有するアルキル、2〜5個の炭素原子を有するアルケニル、または2〜5個の炭素原子を有するアルキニルであり;R14は、1〜5個の炭素原子を有するアルキルであり;そしてnは、0または1である。R3、R4およびR5は、独立して水素、ハロ、1〜4個の炭素原子を有するアルキル、ヒロドキシまたは1〜4個の炭素原子を有するアルコキシであり、ここで、R4が水素でない場合、R3およびR5は、いずれも水素である。R7は、OまたはNHである。R8は、水素またはメチルである。R9は、
【0039】
【化55】
Figure 0004217069
【0040】
であり;
10は、水素またはメチルであり;pは、0または1であり;mは、0、1、2または3であり;Zは、
【0041】
【化56】
Figure 0004217069
【0042】
であり;そして
17は、水素または低級アルキル、好ましくはメチルである。
【0043】
式IA中の点線で示される結合は、水素化することができる。点線で示される結合が水素化された場合、XおよびYは、いずれも−CH−である。一方、点線で示される結合が存在する場合、YおよびXがR1およびR12と一緒になってフェニル環を形成することはなく、XおよびYは、いずれも4価炭素原子である。
【0044】
式IAで示される化合物の一つの実施態様において、XおよびYが、それぞれCHであり、XとYとの間の結合が、水素化された一重結合であり;Zが、
【0045】
【化57】
Figure 0004217069
【0046】
であり;
7が、Oであり;R1が、
【0047】
【化58】
Figure 0004217069
【0048】
であり;
2が、1〜5個の炭素原子を有するアルキルであり;そしてR10およびR12が、いずれも水素である。そのような化合物の例には、ペンタ−シクロ(Asp−Lys)−Asp−Apc−(D)Phe−Cit−Trp−Lys−NH2がある。
【0049】
式IAで示される化合物のもう一つの好ましい実施態様においては、Zが、
【0050】
【化59】
Figure 0004217069
【0051】
であり;
7が、NHであり;R1が、水素、
【0052】
【化60】
Figure 0004217069
【0053】
であり、
2が、アルキルであり;そしてR10およびR12が、いずれも水素である。
【0054】
式IAで示される化合物の他の実施態様においては、Zが、
【0055】
【化61】
Figure 0004217069
【0056】
であり;
7が、NHであり;R1が、
【0057】
【化62】
Figure 0004217069
【0058】
であり;
2が、アルキルであり;そしてR10およびR12が、いずれも水素である。
【0059】
より具体的な実施態様において、XおよびYが、それぞれCHであり、XとYとの間の結合が水素化された一重結合であり;nが、0であり;そしてR9が、
【0060】
【化63】
Figure 0004217069
【0061】
である。
【0062】
そのような化合物の例には、ペンタ−シクロ(Asp−Lys)−Asp−Apc−(D)Phe−Arg−(2)Nal−Lys−NH2およびペンタ−シクロ(Asp−Lys)−Asp−Apc−(D)Phe−Arg−N−メチル(2)Nal−Lys−NH2がある。
【0063】
式IAで示される化合物のもう一つのより具体的な実施態様において、Zが、
【0064】
【化64】
Figure 0004217069
【0065】
であり;
7が、NHであり;R1が、
【0066】
【化65】
Figure 0004217069
【0067】
であり;
2が、アルキルであり;R10およびR12が、いずれも水素であり;R9が、
【0068】
【化66】
Figure 0004217069
【0069】
であり;そして
17が、水素または低級アルキル、好ましくはメチルである。
【0070】
そのような化合物には、XおよびYが、それぞれCHであり、XとYとの間の結合が一重結合であり;R3、R4およびR5のうち一つが水素、ハロまたはアルキルであり、残りが水素である化合物があり、例えば、
【0071】
【表7】
Figure 0004217069
【0072】
がある。
【0073】
式IAで示される化合物のもう一つの具体的な実施態様は、XおよびYが、それぞれCHであり、XとYとの間の結合が一重結合であり;R1が、
【0074】
【化67】
Figure 0004217069
【0075】
であり;R3、R4およびR5のうち一つがアルコキシであり、残りが水素であり;nが、0である化合物であり、例えば、
【0076】
【表8】
Figure 0004217069
【0077】
である。
【0078】
式IAで示される化合物の実施態様は、R1、R3、R4、R5、R8およびR10が、水素であり;R7がNHであり;R9が、
【0079】
【化68】
Figure 0004217069
【0080】
であり;
17が、水素または低級アルキル、好ましくはメチルであり;そしてpが0である化合物を含み、例えばシクロ(コハク酸−Lys)−コハク酸−Apc−(D)Phe−Arg−Trp−Lys−NH2、シクロ(マレイン酸−Lys)−マレイン酸−Apc−(D)Phe−Arg−Trp−Lys−NH2、シクロ(コハク酸−Dpr)−コハク酸−Apc−(D)Phe−Arg−Trp−Dpr−NH2およびシクロ(マレイン酸−Dpr)−マレイン酸−Apc−(D)Phe−Arg−Trp−Dpr−NH2である。
【0081】
式IAで示される化合物の他の実施態様において、R1およびR12が、XおよびYと一緒になってフェニル環を形成する。そのような化合物に例には、シクロ(フタル酸−Lys)−フタル酸−Apc−(D)Phe−Arg−Trp−Lys−NH2、シクロ(フタル酸−Dpr)フタル酸−Apc−(D)Phe−Arg−Trp−Dpr−NH2およびAc−Nle−シクロ(Cys−Cys)−Cys−Apc−(D)Phe−Arg−Trp−Cys−NH2がある。
【0082】
式IBの化合物は、以下のように示され、そして薬学的に許容されるその塩である。
【0083】
【化69】
Figure 0004217069
【0084】
式IBで示される化合物において、R1は、水素、
【0085】
【化70】
Figure 0004217069
【0086】
であり;
2は、1〜5個の炭素原子を有するアルキル、2〜5個の炭素原子を有するアルケニル、または2〜5個の炭素原子を有するアルキニルである。R14は、1〜5個の炭素原子を有するアルキルである。nは、0または1である。R6は、水素、1〜3個の炭素原子を有するアルキル、1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ、フェノキシまたはハロであり;R7は、OまたはNHである。R8は水素またはメチルである。R9は、
【0087】
【化71】
Figure 0004217069
【0088】
であり;
10は、水素またはメチルであり;pは、0または1であり;mは、0、1、2または3であり;Zは、
【0089】
【化72】
Figure 0004217069
【0090】
であり;そして
17は、水素または低級アルキル、好ましくはメチルである。
【0091】
式IBで示される化合物の一つの実施態様において、すなわち、式IB1で示される化合物において、Zが、
【0092】
【化73】
Figure 0004217069
【0093】
であり;
7が、NHであり;R1が、
【0094】
【化74】
Figure 0004217069
【0095】
であり;
2が、アルキルであり;R8およびR10が、それぞれ水素であり;R9が、
【0096】
【化75】
Figure 0004217069
【0097】
であり、R17が、前述のとおりである。
【0098】
式IB1で示されるそのような化合物のより具体的な実施態様においては、R6が、水素またはアルキルである。そのような化合物の例には、
【0099】
【表9】
Figure 0004217069
【0100】
がある。
【0101】
式IB1で示されるそのような化合物のもう一つのより具体的な実施態様においては、R6がハロである。そのような化合物の例には、ペンタ−シクロ(Asp−Lys)−Asp−4−ClAppc−(D)Phe−Arg−Trp−Lys−NH2がある。
【0102】
式IB1で示されるそのような化合物のもう一つのより具体的な実施態様においては、R6がアルコキシまたはフェノキシである。そのような化合物の例には、ペンタ−シクロ(Asp−Lys)−Asp−4−PhOAppc−(D)Phe−Arg−Trp−Lys−NH2およびペンタ−(Asp−Lys)−Asp−3−MeO−Appc−(D)Phe−Arg−Typ−Lys−NH2がある。
【0103】
式ICの化合物は、以下のように示されるもの、および薬学的に許容されるその塩である。
【0104】
【化76】
Figure 0004217069
【0105】
式ICで示される化合物において、
1は、水素、または
【0106】
【化77】
Figure 0004217069
【0107】
であり;
2は、1〜5個の炭素原子を有するアルキル、2〜5個の炭素原子を有するアルケニル、または2〜5個の炭素原子を有するアルキニルである。R14は、1〜5個の炭素原子を有するアルキルである。nは、0または1であり;R11およびR13は、それぞれ独立して水素、3もしくは4個の炭素原子を有するアルキル、または5もしくは6個の炭素原子を有するシクロアルキルであり、あるいは、R11およびR13は、いずれもフェニルであり;R7は、OまたはNHであり;R8は、水素またはメチルであり;R9は、
【0108】
【化78】
Figure 0004217069
【0109】
であり;
10は、水素またはメチルであり;pは0または1であり;mは、0、1、2または3であり;Zは、
【0110】
【化79】
Figure 0004217069
【0111】
であり;そして
17は、水素または低級アルキル、好ましくはメチルである。
【0112】
式ICで示される化合物の一つの実施態様において、すなわち式IC1で示される化合物において、Zが、
【0113】
【化80】
Figure 0004217069
【0114】
であり;
7が、NHであり;R1が、
【0115】
【化81】
Figure 0004217069
【0116】
であり;
2が、アルキルであり;R8およびR10が、それぞれ水素であり;R9が、
【0117】
【化82】
Figure 0004217069
【0118】
である。
【0119】
式IC1で示されるそのような化合物の、一つのより具体的な実施態様においては、R11およびR13のうち1個がアルキルまたはシクロアルキルであり、他が水素である。そのような化合物の例には、ペンタ−シクロ(Asp−Lys)−Asp−Achc−(D)Phe−Arg−Trp−Lys−NH2およびペンタ−シクロ(Asp−Lys)−Asp−Abc−(D)Phe−Arg−Trp−Lys−NH2がある。
【0120】
式IC1で示されるそのような化合物のもう一つのより具体的な実施態様においては、R11およびR13のうち1個がフェニルであり、他が水素またはフェニルである。そのような化合物の例には、ペンタ−シクロ(Asp−Lys)−Asp−4−Adpc−(D)Phe−Arg−Trp−Lys−NH2がある。
【0121】
式IIで示される化合物の一つの実施態様において、すなわち式IIAで示される化合物において、Zが、
【0122】
【化83】
Figure 0004217069
【0123】
であり;
1が、
【0124】
【化84】
Figure 0004217069
【0125】
であり;
2が、アルキルであり;
3、R4、R5、R8およびR10が、それぞれ水素であり;
6が、水素、ハロ、1〜3個の炭素原子を有するアルキル、または1〜3個の炭素原子を有するアルコキシであり;
9が、
【0126】
【化85】
Figure 0004217069
【0127】
であり;そして
17が、前述のとおりである。
【0128】
式II−Aで示される化合物の一つの実施態様においては、先の段落において記載したように、R7がNHである。より具体的な実施態様においては、R7がNHであり、R6が、水素またはアルキルである。そのような化合物の例には、ペンタ−シクロ(Asp−Lys)−Asp−(D,L)−Atc−(D)Phe−Arg−Trp−Lys−NH2、ペンタ−(Asp−Lys)−Asp−5−Me−(D,L)Atc−(D)Phe−Arg−Trp−Lys−NH2、ペンタ−(Asp−Lys)−Asp−5−Et−(D,L)Atc−(D)Phe−Arg−Trp−Lys−NH2およびペンタ−(Asp−Lys)−Asp−5−iPr−(D,L)Atc−(D)Phe−Arg−Trp−Lys−NH2がある。
【0129】
式IIAで示される化合物のもう一つの具体的な実施態様においては、R7がNHであり、R6がハロである。そのような化合物の例には、ペンタ−(Asp−Lys)−Asp−5−BrAtc−(D)Phe−Arg−Trp−Lys−NH2およびペンタ−(Asp−Lys)−Asp−5−ClAtc−(D)Phe−Arg−Trp−Lys−NH2がある。
【0130】
式II−Aで示される化合物の他の具体的な実施態様においては、R7がNHであり、R6がアルコキシである。ペンタ−(Asp−Lys)−Asp−5−MeO−(D,L)Atc−(D)Phe−Arg−Trp−Lys−NH2、ペンタ−(Asp−Lys)−Asp−5−EtO−(D,L)Atc−(D)Phe−Arg−Trp−Lys−NH2およびペンタ−(Asp−Lys)−Asp−5−iPrO−(D,L)Atc−(D)Phe−Arg−Trp−Lys−NH2
【0131】
式IIで示される化合物の他の実施態様は、Z、R1〜R5およびR8〜R10が前述のとおりであり、R7がOであり、R6がハロである、式IIで示される化合物である。そのような化合物の例には、ペンタ−(Asp−Lys)−Asp−5−BrAtc−(D)Phe−Cit−Trp−Lys−NH2およびペンタ−(Asp−Lys)−Asp−5−ClAtc−(D)Phe−Cit−Trp−Lys−NH2がある。
【0132】
式IIで示される化合物の他の実施態様において、すなわち式IIBで示される化合物は、Zが、−S−S−であり;
1が、
【0133】
【化86】
Figure 0004217069
【0134】
であり;
3、R4、R5、R8およびR10が、水素であり;R6が、水素またはハロであり;R7が、NHであり;そしてR9が、
【0135】
【化87】
Figure 0004217069
【0136】
であり、ここでR17は、前述のとおりである。
【0137】
式IIBで示されるそのような化合物の例には、Ac−Nle−シクロ(Cys−Cys)−Cys−(D,L)Atc−(D)Phe−Arg−Trp−Cys−NH2およびペンタ−シクロ(Cys−Cys)−Cys−5−Br(D,L)Atc−(D)Phe−Arg−Trp−Cys−NH2がある。
【0138】
本発明は、次の化合物をも提供する:ペンタ−シクロ(Asp−Lys)−Asp−Apc−(D)Phe−Ala−Trp−Lys−NH2およびペンタ−シクロ(Asp−Lys)−Asp−Apc−(D)Phe−Arg−(2S,3S)βメチル−Trp−Lys−NH2
【0139】
ペプチドを定義するために用いる命名法は、当技術分野において典型的に用いられるものであり、N末端においてアミノ基が左側に現れ、カルボキシル基がC末端において右側に現われる。天然アミノ酸とは、蛋白中に見出される天然産のアミノ酸;すなわち、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Ser、Thr、Lys、Arg、Asp、Asn、Glu、Gln、Cys、Met、Phe、Tyr、Pro、TrpおよびHisの一つを意味する。アミノ酸が異性体形状を有する場合、それは、特記しない限り、表されるアミノ酸のL型である。
【0140】
以下の略号またはシンボルは、アミノ酸、保護基、溶媒、試薬等を表すのに用いられる。
符号 意味
β−Ala ベータ−アラニン
(2)−Nal (2)−ナフチルアラニン
Atc 2−アミノテトラリン−2−カルボン酸
5−BrAtc 5−ブロモ−2−アミノテトラリン−2−カルボン酸
5−ClAtc 5−クロロ−2−アミノテトラリン−2−カルボン酸
5−MeOAtc 5−メトキシ−2−アミノテトラリン−2−カルボン酸
5−EtOAtc 5−エトキシ−2−アミノテトラリン−2−カルボン酸
5−iPrOAtc 5−イソプロポキシ−2−アミノテトラリン−2−カルボン酸
5−MeAtc 5−メチル−2−アミノテトラリン−2−カルボン酸
5−EtAtc 5−エチル−2−アミノテトラリン−2−カルボン酸
5−iPrAtc 5−イソプロピル−2−アミノテトラリン−2−カルボン酸
5−DmaAtc 5−ジメチルアミノ−2−アミノテトラリン−2−カルボン酸
DBr D−2,4−ジアミノブタン酸DPr D−2,3−ジアミノプロピオン酸Sar サルコシン(N−メチルグリシン)Cit シトルリンApc 1−アミノ−4−フェニルシクロヘキサン−1−カルボン酸
4−HOApc 1−アミノ−4−(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキサン−1−カルボン酸
4−MeOApc 1−アミノ−4−(4−メトキシフェニル)−シクロヘキサン−1−カルボン酸
3−MeOApc 1−アミノ−4−(3−メトキシフェニル)−シクロヘキサン−1−カルボン酸
4−EtOApc 1−アミノ−4−(4−エトキシフェニル)−シクロヘキサン−1−カルボン酸
4−iPrOApc 1−アミノ−4−(4−イソプロポキシフェニル)−シクロヘキサン−1−カルボン酸
4−MeApc 1−アミノ−4−(4−メチルフェニル)−シクロヘキサン−1−カルボン酸
4−ClApc 1−アミノ−4−(4−クロロフェニル)−シクロヘキサン−1−カルボン酸
Appc 4−アミノ−1−フェニルピペリジン−4−カルボン酸2−MeAppc 4−アミノ−1−(2−メチルフェニル)−ピペリジン−4−カルボン酸
2−iPrOAppc 4−アミノ−1−(2−イソプロポキシフェニル)−ピペリジン−4−カルボン酸
3−MeAppc 4−アミノ−1−(3−メチルフェニル)−ピペリジン−4−カルボン酸
3−MeOAppc 4−アミノ−1−(3−メトキシフェニル)−ピペリジン−4−カルボン酸
4−MeAppc 4−アミノ−1−(4−メチルフェニル)−ピペリジン−4−カルボン酸
4−CIAppc 4−アミノ−1−(4−クロロフェニル)−ピペリジン−4−カルボン酸
4−PhOAppc 4−アミノ−1−(4−フェノキシフェニル)−ピペリジン−4−カルボン酸
Achc 1−アミノ−4−シクロヘキシルシクロヘキサン−1−カルボン酸
Adpc 1−アミノ−4−ジフェニルシクロヘキサン−1−カルボン酸
Abc 1−アミノ−4−tert−ブチルシクロヘキサン−1−カルボン酸
3−Amb 3−アミノメチル安息香酸
4−Amb 4−アミノメチル安息香酸
2−Aba 2−アミノ安息香酸
Bu ブチル
Penta ペンタノイル
Fmoc 9−フルオレニルメトキシカルボニル
Pmc 2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スルホニル
Trt トリチル(トリフェニルメチル)
CH2Cl2 塩化メチレン
CH3CN アセトニトリル
DMF ジメチルホルムアミド
DIPEA N,N−ジイソプロピルエチルアミン
TFA トリフルオロ酢酸
HOBT N−ヒドロキシベンゾトリアゾール
DIC N,N′−ジイソプロピルカルボジイミド
BOP ベンゾトリアール−1−イルオキシ−トリス−(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスファート
PyBroP ブロモ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウムヘキサフルオロホスファート
HBTU 2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート
FAB−MS 高速原子衝撃質量分析法
ES−MS エレクトロスプレー質量分析法
【0141】
前記括弧内の置換アミノ酸は、ペプチド配列の類似体を示す。N−末端アミノ基の誘導を、ハイフンで分離されたN−末端置換の左に示す。すなわち、例えば、Ac−His−(D)Phe−Arg−Trp−Gly−NH2は、N−末端の水素をアセチル基が置換したアミノ酸配列を有するペプチドを示す。ハイフンまたは括弧に続く末尾「−OH」および「−NH2」は、それぞれ、ポリペプチドの遊離酸およびアミド型を示す。
【0142】
これら代表的化合物用の前駆体として用いられる線状ペプチドは、アミノ酸の間のペプチド結合の形成のための、任意の既知の従来の手順により、容易に合成することができる。そのような従来の手順には、例えば、アミノ酸、または保護されたカルボキシル基もしくは他の反応性基を有する残基の遊離αアミノ基と、もう一つのアミノ酸、または保護されたアミノ基もしくは他の反応性基を有する残基の遊離第一級カルボキシル基との間に、縮合を生じさせる溶液相による手順がある。
【0143】
線状ペプチドを合成するためのプロセスは、所望の配列中の各アミノ酸をもう一つのアミノ酸またはその残基に引き続き添加する手順により、または所望のアミノ酸配列を有するペプチドフラグメントを、最初に従来法により合成し、次に縮合して所望のペプチドを提供する手順により、行うことができる。
【0144】
前駆体の線状ペプチドを合成するためのそのような従来の手順には、例えば、任意の固相ペプチド合成法がある。そのような方法において、新規化合物の合成は、所望のアミノ酸残基を、固相の一般的原理に従って、成長下のペプチド鎖に逐次組み込むことにより行うことができる〔Merrifield,R.B.,J.Amer.Chem.Soc.1963年、第85巻、2149〜2154頁;Baranyら、The peptides,Analysis,Synthesis and Biology、第2巻、Gross,E.およびMeienhofer,J.編、Academic Press 1〜284頁(1980年)〕。
【0145】
ペプチドの化学的合成で一般的なのは、種々のアミノ酸部分の反応性側鎖基を、保護基が完全に除去されるまで化学反応がその部位で生じるのを防止する、適切な保護基で保護することである。通常、アミノ酸またはフラグメントのαアミノ基を保護すると同時に、カルボキシル基を反応させ、続いて、αアミノ保護基を選択的に除去し、その部位において続いて反応を起させることも一般的である。特定の保護基を固相合成法について開示したが、溶液相合成におけるそれぞれのアミノ酸について従来用いられていた保護基により、各アミノ酸を保護することができることに注目すべきである。
【0146】
αアミノ基は、芳香族ウレタン型保護基、例えばベンジルオキシカルボニル(Z)および置換ベンジルオキシカルボニル、例えば、p−クロロベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル、p−ブロモベンジルオキシカルボニル、p−ビフェニルイソプロポキシカルボニル、9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)およびp−メトキシベンジルオキシカルボニル(Moz);脂肪族ウレタン型保護基、例えば、t−ブチルオキシカルボニル(Boc)、ジイソプロピルメトキシカルボニル、イソプロポキシカルボニルおよびアリルオキシカルボニルから選択される適切な保護基で、保護することができる。ここで、αアミノ保護のためには、Fmocが最も好ましい。
【0147】
グアノジノ基は、ニトロ、p−トルエンスルホニル(Tos)、Z、ペンタメチルクロマンスルホニル(Pmc)、アダマンチルオキシカルボニルおよびBocから選択される適切な保護基により、保護することができる。アルギニン(Arg)用には、Pmcが最も好ましい。
【0148】
イソプロパノール(iPrOH)、塩化メチレン(CH2Cl2)、ジメチルホルムアミド(DMF)およびN−メチルピロリジノン(NMP)のすべての溶媒は、Fisher社またはBurdick & Jackson社から購入し、さらに蒸留することなく用いた。トリフルオロ酢酸は、Halocarbon社またはFluka社から購入し、さらに精製することなく用いた。ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)およびジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)は、Fluka社またはAldrich社から購入し、さらに精製することなく用いた。ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)、ジメチルスルフィド(DMS)および1,2−エタンジチオール(EDT)は、Sigma Chemical Co.から購入し、さらに精製することなく用いた。保護アミノ酸は、概してL型であり、Bachem社、Advanced ChemTech社またはNeosystem社から購入した。これらの試薬の純度は、使用前に、薄層クロマトグラフィー、NMRおよび融点により確かめた。ベンズヒドリルアミン樹脂(BHA)は、Bachem社またはAdvanced Chemtech社から得られるスチレン−1%ジビニルベンゼン(100〜200メッシュまたは200〜400メッシュ)のコポリマーである。これらの樹脂の合計窒素含量は、通常、0.3〜1.2ミリ当量/gであった。
【0149】
Constametric IおよびIIIポンプ、Gradient Master溶媒プログラマーおよびミキサー、およびSpectromonitor III可変波長UV検出器からなるLDC装置において、高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)を行った。Vydac C18カラム(0.4×30cm)を用いて、逆相方式で分析的HPLCを行った。Vydacカラム(2×25cm)において、分取HPLC分離を行った。
【0150】
線状ペプチドは、好ましくは、Merrifieldにより一般的に記載されている方法〔J.Amer.Chem.Soc.,1963年、第85巻、2149頁〕により固相合成を用いて調製したが、前述のように、当技術分野において知られている他の同等の化学合成を用いることができる。固相合成は、保護されたαアミノ酸を、適切な樹脂に結合させることにより、ペプチドのC末端から始める。そのような出発物質は、αアミノ保護アミノ酸をエステル結合によってp−ベンジルオキシベンジルアルコール(Wang)樹脂に結合させることにより、またはp−〔(R,S)−α−〔1−(9H−フルオレン−9−イル)メトキシホルムアミド〕−2,4−ジメチルオキシベンジル〕フェノキシ酢酸(リンクリンカー)のようなFmoc−リンカーと、ベンズヒドリルアミン(BHA)樹脂との間のアミド結合により調製することができる。ヒドロキシメチル樹脂の調製は、当技術分野においてよく知られている。Fmoc−リンカー−BHA樹脂支持材は市販されており、合成される所望のペプチドが、C末端に非置換アミドを有する場合に、一般的に用いられる。
【0151】
本発明の化合物は、ラクタムまたはジスルフィド結合の形成により調製される環状ペプチドなので、前駆体の線状ペプチドは、分子内アミド結合またはジスルフィド結合の形成がなされるように、最終的に誘発され得る線状ペプチド中の位置に、適切な側鎖残基を有する適切なアミノ酸または擬似体を配するように集められる。ラクタムは、C末端アミノ酸残基の側鎖アミノ官能性を、遠位カルボン酸残基と結合させることにより形成され、一方、ジスルフィド結合は、前駆体の線状ペプチドのC末端およびN末端において、またはその近くに略導入された2個のシステイン残基の酸化的結合により形成される。例えば、ラクタムペプチドの調製においては、前駆体の線状ペプチド内で、N−キャップをカルボキシル残基、例えば構造Xを組み込むためのテンプレートとして用いることができ、またヘキサペプチドの場合、ペプチドは、適切に保護された側鎖カルボン酸基を含むアミノ酸、例えば、アスパラギン酸やグルタミン酸のうちの1種から選択されるように設計される。線状ヘプタペプチドにおいて、アスパラギン酸またはグルタミン酸が、N末端から二番目の残基として組み込まれる。すべての前駆体線状ペプチド、すなわち、ヘプタ−、ヘキサ−およびペンタペプチドにおいて、C末端残基は、脱保護されたときにアミド結合を形成することができる、適切に保護された塩基性側鎖残基を有する、天然または非天然アミノ酸、例えば、リシン、オルニチン、2,3−ジアミノプロピオン酸、2,4−ジアミノブタン酸から選択される。ジスルフィド結合を含む環状ペプチドを形成するためには、前駆体が線状ヘキサペプチドの場合、ペプチドは、適切にS保護されたシステイン残基が、C末端残基とN末端残基の両方として組み込まれるように設計され、前駆体が線状ヘプタペプチドの場合、適切にS保護されたシステイン残基が、例えばXにおけるように、C末端残基および最後から二番目のN末端残基の両方として組み込まれる。
【0152】
一般に、線状ペプチドを形成するために、2〜5当量相当のアミノ酸または擬似体のFmoc保護型および適切なカップリング剤を用いて、アミノ酸または擬似体をFmoc−リンカー−BHA樹脂にカップリングする。カップリング後、樹脂を洗浄して、減圧下に乾燥してもよい。樹脂へのアミノ酸の担持は、少量のFmocアミノ酸樹脂のアミノ酸分析により、または、UV分析によりFmoc基の決定により決められる。あらゆる未反応のアミノ基は、樹脂を塩化メチレン中の無水酢酸およびジイソプロピルエチルアミンと反応させることにより、キャップすることができる。
【0153】
樹脂は、複数の繰り返しサイクルを経てアミノ酸を順次増やしてゆく。αアミノFmoc保護基は、塩基性条件下に除去される。DMF中のピペリジン、ピペラジンまたはモルホリン(20〜40%v/v)を、この目的で用いることができる。好ましくは、DMF中の40%ピペリジンを使用する。
【0154】
αアミノ保護基の除去の後に、続いて、保護されたアミノ酸が所望の順序で段階的に結合されて、中間体である保護されたペプチド樹脂が得られる。ペプチドの固相合成において、アミノ酸をカップリングするのに用いられる活性化剤は、当該技術分野においてよく知られている。例えば、そのような合成用の適切な試薬には、べンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリ(ジメチルアミノ)ホスホニウム・ヘキサフルオロホスファート(BOP)、ブロモトリスピロリジノホスホニウム・ヘキサフルオロホスファート(PyBroP)、2−(1H−べンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム・ヘキサフルオロホスファート(HBTU)およびジイソプロピルカルボジイミド(DIC)がある。ここで好ましいのは、HBTUおよびDICである。BaranyおよびMerrifieldにより記載されている他の活性化剤〔The Peptides、第2巻、J.Meienhofer編、Academic Press、1979年、1〜284頁〕を利用することができる。1−ヒドロキシべンゾトリアゾール(HOBT)、N−ヒドロキシスクシンイミド(HOSu)および3,4−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−4−オキソ−1,2,3−ベンゾトリアジン(HOOBT)のような種々の試薬を、カップリング混合物に添加して、合成サイクルを最適化することができる。ここで好ましいのはHOBTである。
【0155】
典型的合成サイクル用のプロトコールは、以下のとおりである。
プロトコール1
工程 試薬 時間
1 DMF 2×30分
2 40%ピペリジン/DMF 1分
3 40%ピペリジン/DMF 15分
4 DMF 2×30分
5 iPrOH 2×30分
6 DMF 3×30分
7 カップリング 60分〜18時間
8 DMF 2×30秒
9 iPrOH 1×30秒
10 DMF 1×30秒
11 CH2Cl2 2×30秒
【0156】
すべての洗浄および結合用の溶媒の体積を測定すると、樹脂1g当たり10〜20mlであった。合成中のカップリング反応を、カイゼルニンヒドリンテストによりモニターして完了の程度を決めた〔Kaiserら、Anal.Biochem.1970年、第34巻、595〜598頁〕。Fmoc−Arg(Pmc)について、および立体障害された酸による第二級アミンへのカップリングについて、遅い反応速度が観察された。あらゆる不完全なカップリング反応が、新しく調製された活性化アミノ酸と再び組み合わされ、または前述のように無水酢酸でペプチド樹脂を処理することによりキャップされた。充分に組み立てられたペプチド樹脂を、減圧下に数時間乾燥した。
【0157】
各化合物について、ブロッキング基を除去し、以下の手順により線状ペプチドを分解した。ペプチド樹脂を、室温で、樹脂1gに対してエタンジチオール100μL、ジメチルスルフィド100μL、アニソール300μLおよびトリフルオロ酢酸9.5mLを用いて120分間処理する。樹脂を濾去し、濾液を冷たいエチルエーテルで沈殿させる。沈殿を遠心分離し、エーテル層をデカンテーションする。残渣を2倍または3倍体積のEt2Oで洗い、再び遠心分離する。所望であれば、粗線状ペプチドを分取HPLCで精製する。ペプチドを最少体積のAcOH/H2Oまたは0.1%TFA/H2O中の最小の容量でカラムに適用する。傾斜溶離は、通常、8mL/minの流速で、10%B緩衝液から出発し、90分間でBを10〜60%にする(緩衝液A:0.1%TFA/H2O、緩衝液B:0.1%TFA/CH3CN)。280nmでUV検出を行う。画分を1.0〜2.5分の間隔で収集し、分析的HPLCで検査する。高純度と判断された画分を溜めて、凍結乾燥する。
【0158】
ラクタムを調製するために、適切な非精製線状ペプチドを適切な不活性溶媒、例えば、N−メチルピロリドンまたはDMF、好ましくはDMF中に溶解し、第三級アミン塩基、例えば、N−メチルモルホリンの添加により、見掛けのpH8.0に調節し、次に、アミド結合形成試薬、好ましくはBOPで処理する。反応は、40〜0℃、好ましくはほぼ室温で行うのが好都合である。粗環状ペプチドの精製を、分取HPLCにより行う。傾斜溶離は、通常、8mL/minの流速で、20%B緩衝液から出発し、90分間でBを20〜60%にする(緩衝液A:0.1%TFA/H2O、緩衝液B:0.1%TFA/CH3CN)。280nmでUV検出を行う。画分を集め、分析的HPLCでモニターする。高純度と判断された画分を溜めて、凍結乾燥する。
【0159】
環状ジスルフィドペプチドを調製するために、2個の適切に位置付けられたシステイン残基を含む、精製されたHPLC精製線状ペプチドを、かなり高い希釈水準で、適切な不活性溶媒混合物、例えば、DMSO水溶液に溶解し、溶液を、水酸化アンモニウムを注意深く添加することにより、pH8.0に調節する。次に、酸素を撹拌下の溶液に吹き込む。反応は、40〜0℃、好ましくはほぼ室温で行うのが好都合で、環化の進行を分析的HPLCでモニターする。反応が完了したと判断された後、溶液を凍結乾燥し、粗環状ペプチドを、分取HPLCで精製する。傾斜溶離は、通常、8mL/minの流速で、20%B緩衝液から出発し、90分間でBを20〜60%にする(緩衝液A:0.1%TFA/H2O、緩衝液B:0.1%TFA/CH3CN)。280nmでUV検出を行う。画分を集め、分析的HPLCでモニターする。高純度と判断された画分を溜めて、凍結乾燥する。
【0160】
粗ペプチドの精製を分取HPLCで行う。ペプチドを最少の容量のAcOH/H2Oまたは0.1%TFA/H2O中でカラムに適用する。傾斜溶離は、通常、8mL/minの流速で、10%B緩衝液から出発し、90分間でBを10〜60%にする(緩衝液A:0.1%TFA/H2O、緩衝液B:0.1%TFA/CH3CN)。280nmでUV検出を行う。画分を1.0〜2.5分の間隔で収集し、分析的HPLCで検査する。高純度と判断された画分を溜めて、凍結乾燥する。
【0161】
最終生成物の純度を、前述のような逆相カラム上の分析的HPLCによって調べる。すべての生成物の純度は、約95〜99%であると判断される。すべての最終生成物を、高速原子衝突質量分析(FAB−MS)またはエレクトロスプレー質量分析(ES−MS)にも付した。すべての生成物は、許容限度内に予想された親M+Hイオンを産生した。
【0162】
代表的化合物の合成のための製造法は、所望の配列中の各アミノ酸をもう1個のアミノ酸またはその残基に引き続き添加する手順により、または所望のアミノ酸配列を有するペプチドフラグメントを最初に従来法により合成し、次に縮合して所望のペプチドを提供する手順により行うことができる。
【0163】
本発明の新規化合物を合成するためのそのような従来の手順には、例えば、任意の固相ペプチド合成法がある。そのような方法において、新規化合物の合成は、所望のアミノ酸残基を、固相法の一般的原理に従って、成長下のペプチド鎖に逐次組み込むことにより行うことができる〔Merrifield,R.B.,J.Amer.Chem.Soc.1963年、第85巻、2149〜2154頁;Baranyら、The peptides,Analysis,Synthesis and Biology、第2巻、Gross、E.およびMeienhofer、J.編、Academic Press 1〜284頁(1980年)〕。
【0164】
ペプチドの化学的合成で一般的なのは、種々のアミノ酸部分の反応性側鎖基を、保護基が完全に除去されるまで化学反応がその部位で生じるのを防止する、適切な保護基で保護することである。通常、アミノ酸またはフラグメントのαアミノ基を保護すると同時にカルボキシル基において反応させ、続いて、αアミノ保護基を選択的に除去し、その部位において続いて反応を起させることも一般的である。特定の保護基を固相合成法について開示したが、溶液相合成におけるそれぞれのアミノ酸について従来用いられていた保護基により、各アミノ酸を保護することができることに注目すべきである。
【0165】
αアミノ基は、芳香族ウレタン型保護基、例えばベンジルオキシカルボニル(Z)および置換ベンジルオキシカルボニル、例えば、p−クロロベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル、p−ブロモベンジルオキシカルボニル、p−ビフェニル−イソプロポキシカルボニル、9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)およびp−メトキシベンジルオキシカルボニル(Moz);脂肪族ウレタン型保護基、例えば、t−ブチルオキシカルボニル(Boc)、ジイソプロピルメトキシカルボニル、イソプロポキシカルボニルおよびアリルオキシカルボニルから選択される適切な保護基で保護することができる。ここで、αアミノ保護のためにFmocが最も好ましい。
【0166】
グアノジノ基は、ニトロ、p−トルエンスルホニル(Tos)、Z、ペンタメチルクロマンスルホニル(Pmc)、アダマンチルオキシカルボニルおよびBocから選択される適切な保護基により保護することができる。アルギニン(Arg)用には、Pmcが最も好ましい。
【0167】
イソプロパノール(iPrOH)、塩化メチレン(CH2Cl2)、ジメチルホルムアミド(DMF)およびN−メチルピロリジノン(NMP)のすべての溶媒は、Fisher社またはBurdick & Jackson社から購入し、さらに蒸留することなく用いた。トリフルオロ酢酸は、Halocarbon社またはFluka社から購入し、さらに精製することなく用いた。ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)およびジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)は、Fluka社またはAldrich社から購入し、さらに精製することなく用いた。ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)、ジメチルスルフィド(DMS)および1,2−エタンジチオール(EDT)は、Sigma Chemical Co.から購入し、さらに精製することなく用いた。保護アミノ酸は、概してL型であり、Bachem社、Advanced ChemTech社またはNeosystem社から購入した。これらの試薬の純度は、使用前に、薄層クロマトグラフィー、NMRおよび融点により確かめた。ベンズヒドリルアミン樹脂(BHA)は、Bachem社またはAdvanced Chemtech社から得られるスチレン−1%ジビニルベンゼン(100〜200メッシュまたは200〜400メッシュ)のコポリマーである。これらの樹脂の合計窒素含量は、通常、0.3〜1.2ミリ当量/gであった。
【0168】
Constametric IおよびIIIポンプ、Gradient Master溶媒プログラマーおよびミキサー、およびSpectromonitor III可変波長UV検出器からなるLDC装置において、高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)を行った。Vydac C18カラム(0.4×30cm)を用いて逆相方式で分析的HPLCを行った。Vydacカラム(2×25cm)において分取HPLC分離を行った。
【0169】
ペプチドは、好ましくは、Merrifieldにより一般的に記載されている方法〔J.Amer.Chem.Soc.,1963年、第85巻、2149頁〕により固相合成を用いて調製したが、前述のように、当技術分野において知られている他の同等の化学合成を用いることができる。固相合成は、保護されたαアミノ酸を適切な樹脂に結合させることにより、ペプチドのC末端から始める。そのような出発物質は、αアミノ保護アミノ酸をエステル結合によりp−ベンジルオキシベンジルアルコール(Wang)樹脂に結合させることにより、またはp−〔(R,S)−α−〔1−(9H−フルオレン−9−イル)−メトキシホルムアミド〕−2,4−ジメチルオキシベンジル〕フェノキシ酢酸(リンクリンカー)のようなFmoc−リンカーと、ベンズヒドリルアミン(BHA)樹脂との間のアミド結合により調製することができる。ヒドロキシメチル樹脂の調製は、当技術分野においてよく知られている。Fmoc−リンカー−BHA樹脂支持材は市販されており、合成される所望のペプチドが、C末端に非置換アミドを有する場合に、一般的に用いられる。
【0170】
一般に、2〜5当量相当のアミノ酸または擬似体のFmoc保護型および適切なカップリング剤を用いて、アミノ酸または擬似体がFmoc−リンカー−BHA樹脂にカップリングされる。カップリング後、樹脂を洗浄して、減圧下に乾燥してもよい。樹脂へのアミノ酸の担持は、少量のFmocアミノ酸樹脂のアミノ酸分析により、または、UV分析によりFmoc基の決定により決められる。未反応アミノ基は、樹脂を塩化メチレン中の無水酢酸およびジイソプロピルエチルアミンと反応させることにより、キャップすることができる。
【0171】
樹脂は、複数の繰り返しサイクルを経てアミノ酸を順次増やしてゆく。αアミノFmoc保護基は、塩基性条件下に除去される。DMF中のピペリジン、ピペラジンまたはモルホリン(20〜40%v/v)を、この目的で用いることができる。好ましくは、DMF中の40%ピペリジンを使用する。
【0172】
αアミノ保護基の除去の後に、続いて、保護されたアミノ酸が所望の順序で段階的に結合されて、中間体である保護されたペプチド樹脂が得られる。ペプチドの固相合成において、アミノ酸をカップリングするのに用いられる活性化剤は、当該技術分野においてよく知られている。例えば、そのような合成用の適切な試薬には、べンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリ(ジメチルアミノ)ホスホニウム・ヘキサフルオロホスファート(BOP)、ブロモトリスピロリジノホスホニウム・ヘキサフルオロホスファート(PyBroP)、2−(1H−べンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム・ヘキサフルオロホスファート(HBTU)およびジイソプロピルカルボジイミド(DIC)がある。ここで好ましいのは、HBTUおよびDICである。BaranyおよびMerrifieldにより記載されている他の活性化剤〔The Peptides,第2巻、J.Meienhofer編、Academic Press、1979年、1〜284頁〕を利用することができる。1−ヒドロキシべンゾトリアゾール(HOBT)、N−ヒドロキシスクシンイミド(HOSu)および3,4−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−4−オキソ−1,2,3−ベンゾトリアジン(HOOBT)のような種々の試薬を、カップリング混合物に添加して、合成サイクルを最適化することができる。ここで好ましいのはHOBTである。
【0173】
典型的合成サイクル用のプロトコールは以下のとおりである。
プロトコール1
工程 試薬 時間
1 DMF 2×30秒
2 40%ピペリジン/DMF 1分
3 40%ピペリジン/DMF 15分
4 DMF 2×30秒
5 iPrOH 2×30秒
6 DMF 3×30秒
7 カップリング 60分〜18時間
8 DMF 2×30秒
9 iPrOH 1×30秒
10 DMF 1×30秒
11 CH2Cl2 2×30秒
【0174】
すべての洗浄および結合用の溶媒の体積を測定すると、樹脂1g当たり10〜20mlであった。合成中のカップリング反応を、カイゼルニンヒドリンテストによりモニターして完了の程度を決めた〔Kaiserら、Anal.Biochem.1970年、第34巻、595〜598頁〕。Fmoc−Arg(Pmc)について、および立体障害された酸による第二級アミンへのカップリングについて遅い反応速度が観察された。あらゆる不完全なカップリング反応が、新しく調製された活性化アミノ酸と再び組み合わされ、または前述のように無水酢酸でペプチド樹脂を処理することによりキャップされた。充分に組み立てられたペプチド樹脂を、減圧下に数時間乾燥した。
【0175】
各化合物について、ブロッキング基を除去し、以下の手順によりペプチドを分解した。ペプチド樹脂を、室温で、樹脂1gに対してエタンジチオール100μL、ジメチルスルフィド100μL、アニソール300μLおよびトリフルオロ酢酸9.5mLを用いて120分間処理する。樹脂を濾去し、濾液を冷たいエチルエーテルで沈殿させる。沈殿を遠心分離し、エーテル層をデカンテーションする。残渣を2倍または3倍体積のEt2Oで洗い、再び遠心分離する。粗生成物を減圧下に乾燥する。
【0176】
粗ペプチド製剤の精製
粗ペプチドの精製を、分取HPLCで行った。ペプチドを最少の容積のAcOH/H2Oまたは0.1%TFA/H2O中でカラムに適用した。傾斜溶離は、通常、8mL/minの流速で、10%B緩衝液から出発し、90分間でBを10〜60%にした(緩衝液A:0.1%TFA/H2O、緩衝液B:0.1%TFA/CH3CN)。280nmでUV検出を行った。画分を1.0〜2.5分の間隔で収集し、分析的HPLCで検査する。高純度と判断された画分を溜めて、凍結乾燥する。
【0177】
最終生成物の純度を、前述のような逆相カラム上の分析的HPLCによって調べた。すべての生成物の純度は、約95〜99%であると判断された。すべての最終生成物を、高速原子衝突質量分析(FAB−MS)またはエレクトロスプレー質量分析(ES−MS)にも付した。すべての生成物は、許容限度内に予想された親M+Hイオンを産生した。
【0178】
前述の技術を利用して、以下の反応スキームに従って、本発明の化合物を合成することができる。
【0179】
【化88】
Figure 0004217069
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【0180】
本発明の環状ペプチド(構造1)の合成における、最後から二番目の中間体としてここで用いられる線状ペプチドは、先の部分において説明した従来の固相ペプチド合成法により調製される。各サイクルは、次の2個の手順からなる;樹脂結合鎖における末端窒素からのFmoc保護基の分解、およびその後のFmoc保護アミノ酸によるアミン官能基のアシル化である。サイクルは、通常、プロトコール1に概説する段階的手順に従って行われる。脱保護は、適切な不活性溶媒、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)またはN−メチルピロリドン(NMP)中において、有機塩基、例えば、ピペラジン、モルホリンまたはピペリジン、好ましくはピペリジンを用いて達成される。カップリング反応は、アミド結合形成のために開発された多くの条件の一つ、例えば、不活性溶媒、例えばDMF中における有機塩基、例えばジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)の存在下におけるO−ベンゾチアゾール−1−イルN,N,N′,N′−テトラメチルウロニウム・ヘキサフルオロホスファート(HBTU)により行うことができる。または、本例において、DMFのような適切な不活性溶媒中において、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)のような活性化剤と共にカルボジイミド、例えばジイソプロピルカルボジイミド(DIC)を用いて、アミド基を形成することができる。
【0181】
反応スキームAにおいて、ZがNHCOである構造1の環状ペプチド用の線状ポリペプチド前駆体の調製の第一のサイクルいおいて、構造2で表されるFmor−リンカー−BHA樹脂を脱保護し、構造3のFmoc−アミノ酸と縮合させて樹脂結合化合物4を得る。環状ペプチドのこの合成において、Fmoc−アミノ酸3が、脱保護されたときに分子内アミド結合の形成に参加し得る適切に保護された塩基性側鎖である、重要な構造的要件を含むことが必要である。成長下のペプチド鎖を延長するために、第二のサイクルは、Fmoc−アミノ酸5を取り入れて構造6の化合物を与える。第三のサクルにおいて、樹脂結合ペプチド6を処理すると、R8が水素である構造7aの中間体が得られる。R8がメチルである構造7bの中間体は、スキームCに示すように合成される。
【0182】
構造7bの中間体は、スキームCに記載されるように構造7aの化合物から調製する。この手順において、プロトコール1の工程1〜5に記載されるように、構造6の化合物を処理することによって調製された構造7aの化合物を、アリールスルホニルクロリド、好ましくは、2−ニトロベンゼンスルホニルクロリド23と反応させて、構造24の化合物を製造する。この反応は、適切な不活性溶媒、好ましくはDMF中で、プロトン受容体、例えば、ピリジン、トリエチルアミン(TEA)またはDIPEA、好ましくはDIPEAの存在下に行われる。洗浄された構造24の樹脂結合化合物中に形成されたスルホンアミド結合のN−メチル化が、ミツノブ条件下に達成されて、構造25の化合物が製造される。この反応の実施において、構造24のスルホンアミドが、溶媒としてメタノールを用いて、アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)およびトリフェニルホスフィンの存在下にメタノールと反応する。反応完了後、構造25の樹脂結合N−メチルスルホンアミドを洗浄して、残留試薬および副生物が含まれないようにする。
【0183】
反応スキームAに示す次の工程において、適切な溶媒、好ましくはDMF中において、25を2−メルカプトエタノールおよび有機強塩基の1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデカ−7−エン(DBU)と反応させることにより、2−ニトロベンゼンスルホニル残基を構造25から除去して、構造7bの樹脂結合中間体を得る。反応スキームAの第三サイクルを、構造7aまたは7bの化合物をFmoc−Arg(Pmc)−OH(8)またはFmoc−Cit−OH(9)と反応させて、構造10の樹脂結合化合物を得ることにより完了させる。
【0184】
反応スキームBに示す次の2個のサイクルは、まず、構造10のペプチドをアミノ酸であるFmoc−(D)−Phe−OHと反応させて、構造11の化合物を生成し、次にこの構造11の化合物を、構造12または13のアミノ酸擬似体の一つと反応させて、これらのアミノ酸を樹脂結合ペプチドに組み込んで、どのアミノ酸擬似体を用いたかに依存して、構造14または15の樹脂結合ペンタペプチドを得ることにより実施する。本発明の環状ペプチドの形成に最終的に参加するのに適している線状ペンタペプチドに、カルボン酸側鎖を含むさらなるアミノ酸を組み込むことは、2つの方法により達成される。
【0185】
a.反応スキームBに見られるように、適切に保護された酸側鎖を有するFmocアミノ酸を、樹脂結合ペンタペプチド14および15に組み込む。このように、サイクル6(反応スキームB)において、Fmoc−Asp(OtBu)−OH(16)またはFmoc−Glu(OtBu)−OH(17)が、成長しているペプチド鎖中に組み込まれて、構造18および19を有する樹脂結合ヘキサペプチドが、それぞれまたは選択的に得られる。
【0186】
b.樹脂結合ペンタペプチド14および15が、構造28′(反応スキームF)の環状無水物、例えば、無水マレイン酸または無水フタル酸でN−キャッピングされて、構造29および30の化合物が、それぞれまたは選択的に得られる。
【0187】
c.反応スキームBに見られるように、樹脂結合ヘキサペプチド18および19は、さらに、さらなるアミノ酸と反応して、ヘプタペプチドを形成することができ、その後N−キャッピングされる。これは、通常の方法で、アミノ酸残基、好ましくはFmoc−Nle−OHを組み込むことにより達成され、21および22が得られる。
【0188】
ヘプタペプチドまたはヘキサペプチドをN−キャッピングすると、化合物1の末端アミド官能基が形成される。このようにして、置換基X、Y、R12およびR1が作られる。樹脂結合ヘキサペプチド(18,19)またはヘプタペプチド(21,22)をN−キャッピングするために、ポリペプチドをまず、DMF中のピペリジンで処理してFmoc保護基を除去し、次にアシル化剤と反応させる。構造1の化合物を製造してから、XおよびYがCHで、R1
【0189】
【化89】
Figure 0004217069
【0190】
であるZを形成するための反応スキームDに示すように、構造18の樹脂結合ポリペプチドを脱保護しおよびN−アシル化して構造27の樹脂結合アミドを得る、または脱保護後に、イソシアネートと反応させて構造28の尿素を形成する。N−アシル化は、当業者に周知の種々の方法により実施される。これらの方法には、以下のものがある。
【0191】
(i)DMFのような適切な溶媒中、HBTUおよび有機塩基、好ましくはDIPEAの存在下に、末端アミノ官能基を、カルボン酸R2−CO2Hと反応させる。
(ii)ジクロロメタンのような適切な溶媒中、ピリジン、TEAおよびDIPEAのような有機塩基、好ましくはDIPEAの存在下に、末端アミノ官能基を、カルボン酸クロリドR2−COClと反応させる。または、
(iii)反応スキームFに示すように、末端アミノ官能基を、構造28′のカルボン酸無水物と反応させる。この反応は、ジクロロメタンまたはDMFのような適切な溶媒中、有機塩基、好ましくはDIPEAの存在下に行われる。
【0192】
構造18の化合物が構造28の尿素に転換される、反応スキームDにおけるN−キャッピング反応は、構造28の化合物中の末端アミノ基を、イソシアネートR2−NCOと反応させることにより行われる。この反応は、ジクロロメタンまたはDMFのような適切な溶媒中、有機塩基、好ましくはDIPEAの存在下に行われる。アシル化および尿素形成反応が完了すると、樹脂結合生成物27および28を洗浄して、残留試薬および副生物を含まないようにする。同様の条件を用いて、構造33、35および37のN−アシル化化合物ならびに構造34、36および38の尿素の形成(反応スキームE)により、構造19、21および22の樹脂結合ペプチドのN−キャッピングを行う。しかしながら、構造21および22の化合物を製造する反応スキームB中の、構造20の化合物以外の既知のアミノ酸を利用することにより、Nleから誘導されるものとは異なる基R14を提供するように、反応スキームEを修正することができる。
【0193】
反応スキームGおよびHは、N−キャップしたポリペプチド29、30、33〜38における残りの保護基の分解、および同時に起こる固体支持体からのペプチドの分解を示している。この反応は、場合により、ジクロロメタンのような不活性溶媒および微量(1%)の水の存在下で、場合により1種または2種以上のカルボカチオンスカベンジャー、例えば、エタンジチオール、ジメチルスルフィド、トリエチルシランおよびアニソールの存在下に、有機強酸、好ましくはトリフルオロ酢酸を用いることによって行われる。ポリペプチド分解溶液を濾過して、固体支持体を含まないようにし、次に適切な溶媒、好ましくはジエチルエーテルで希釈し、形成された固形物を濾過により収集する。反応スキームHで製造された構造39〜44の固体ポリペプチドを、分取C18カラムを用いることにより、逆相クロマトグラフィーで精製することができる。
【0194】
このように分子内アミド結合を形成するのに現在利用できる適切な官能基で、N−キャップされた線状ポリペプチドを、当技術分野において周知のアミド形成反応条件に付す。したがって、線状ポリペプチド31、32(反応スキームG)および39〜44(反応スキームI)のそれぞれが、不活性溶媒、例えば、DMSOに溶解され、第三級アミン塩基、例えば、N−メチルモルホリンを添加することにより、溶液の見掛けのpHが8に調節され、その後、アミド形成試薬、例えば、BOPが添加される。反応は、0〜40℃、好ましくはほぼ室温で行うことが好都合である。反応は、完了したと判断されるまで続けられる。平均的技術を有する人が反応の進行をモニターするために用いる一般的方法は、例えば、TLCまたは分析的HPLCである。反応溶媒を減圧下に除去した後、反応スキームIに示すように、ZがNHCOである構造Iの粗環状ペプチドを、分取C18カラムを用いて逆相クロマトグラフィーにより精製することができる。このようにして、ZがNHCO橋である構造1の化合物が製造される。
【0195】
ZがS−Sである構造1の環状ジスルフィドペプチドは、ZがNHCOである構造1のラクタムの調製のための上述の反応スキームA〜Hに類似した反応スキームにおいて概説される方法論により調製される。最後から二番目の線状ポリペプチドは、保護されたチオール側鎖残基、例えばFmoc−Cys(Trt)−OHを含むアミノ酸が、成長している樹脂結合ポリペプチドの適切な位置、好ましくはサイクル1および6において組み込まれること以外は同様にして、組み立てられる。樹脂結合線状ポリペプチドのこの調製を、反応スキームJおよびKに示す。先に説明し、スキームLに示すように、樹脂結合線状ポリペプチド52は、Fmoc保護基を除去した後、56を与えるアシル化により、または尿素57を形成するイソシアネートとの反応により、N−キャッピングすることができる。同様にして、樹脂結合ヘキサペプチド53、ならびに樹脂結合ヘプタペプチド54および55が、対応するN−アシル化誘導体58、60および62、ならびに尿素誘導体59、61および63(反応スキームM)に転換される。
【0196】
反応スキームNにおいて、N−キャップされた樹脂結合線状ヘキサペプチド56を、場合によりジクロロメタンのような不活性溶媒の存在下で、場合により1種以上のカルボカチオンスカベンジャー、例えば、エタンジチオール、ジメチルスルフィド、トリエチルシタンおよびアニソールの存在下に、強酸、好ましくはトリフルオロ酢酸で処理する。これにより、すべての側鎖保護基の分解、および固体支持体からの線状ペプチドの分解が引き起こされる。反応は、0〜35℃、好ましくは室温で行われるのが好都合である。ポリペプチド分解溶液を、濾過された固体支持体を含まないようにし、次に適切な溶媒、好ましくはジエチルエーテルで希釈し、形成された固体を濾過により収集する。このように製造された構造64の固体ポリペプチドは、場合により、分取C18カラムを用いて逆相クロマトグラフィーにより精製することができる。線状ヘキサペプチド64は、次に、当業者に周知の、チオールにジスルフィド結合を形成させることができる、酸化的条件下に処理される。したがって、64の希釈水溶液は、穏やかで弱い無機塩基、好ましくは水酸化アンモニウムを用いてpH8.0に調節され、次に、環化が完了したと判断されるまで、標準的方法、例えばTLCまたはHPLCを用いて酸素を容器に吹き込む。凍結乾燥により反応溶媒を除去した後、このように調製され、単離された粗環状ペプチド(I;Z=S−S)を、分取C18カラムを用いて、逆相クロマトグラフィーにより精製することができる。
【0197】
反応スキームHおよびIに関して前述したのと同様の条件下に、反応スキームOおよびPに示すような樹脂結合線状ポリペプチド58〜63を脱保護し、固体支持体から解離して線状ペプチド65〜70を与え(反応スキームO)、次にこれを前述のように酸化的に環化して、対応する構造1の化合物を得る(反応スキームP)。
【0198】
前述のペプチドの調製において用いられるFmoc−アミノ酸ならびにポリペプチドをN−キャッピングするのに用いられるアシル化剤およびイソシアネートは、市販されている既知の化合物である。反応スキームBで用いられる、その種である構造13の化合物を含むFmoc−アミノ酸12は、有機化学の当業者に周知の方法によって、ここに記載されたように調製される。スキームQには、環状ケトンから構造12の化合物のFmoc−アミノ酸種の調製が概説されている。構造12ならびに構造13、79および80のこれらの種は、スキームQの手順に概説されているように、構造75の種と同様に調製される。構造71の4−フェニルシクロヘキサノン類を、炭酸アンモニウムおよびシアン化カリウムによる処理で、構造72のヒダントインに転換される。反応は、水性エタノール混合物中で50〜90℃、好ましくは80〜90℃の温度で行われる。ヒダントインから構造73のアミノ酸への直接加水分解には、還流温度で、強塩基、例えば、6N水酸化ナトリウム溶液または水酸化バリウムで長期間処理することが必要である。または、構造72の化合物を、構造74のビス−Boc誘導体に転換することができる。反応は、不活性溶媒、好ましくはテトラヒドロフラン(THF)中、有機アミン塩基、好ましくはTEAおよび触媒の4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)の存在下、0℃〜室温、好ましくは室温で重炭酸tert−ブチル〔(Boc)2O〕を用いて行われる。構造74のビス−Bocヒダントインは、構造73のアミノ酸に容易に転換される。反応は、不活性溶媒、好ましくはジメトキシエタン(DME)中、0〜50℃、好ましくはほぼ室温で1N水酸化ナトリウムを用いて達成される。構造73の化合物中のFmoc基によるアミノ官能基の保護は、構造12の化合物のFmoc−アミノ酸種である構造75の化合物を与える種々の反応条件下に行われる。反応は、好都合には、THFまたはジオキサン、好ましくはジオキサンと炭酸ナトリウム水溶液との混合物中にアミノ酸73を含む溶液を、0℃〜室温、好ましくは室温で、9−フルオレニルメトキシクロロホルマート(FmocCl)で処理することにより行われる。あるいは、N−(9−フルオレニルメトキシカルボニロキシ)スクシンイミド(FmocOSu)を、有機第三級アミン塩基、好ましくはTEAを含むアセトニトリル水溶液にアミノ酸73を含む溶液に添加する。反応は、0℃〜室温、好ましくは室温で行う。もう一つの異なる手順において、74から73への転換において、加水分解混合物からDMEを蒸発させ、反応生成物をpH11に調節する。73のナトリウム塩の得られる溶液を、次に、その場で、ジオキサン中のFmocOSuまたはFmocClにより、0℃〜室温、好ましくは室温で処理する。反応スキームQと同様の方法で、テトラロン76、N−アリール−4−ケトピペリジン77およびシクロヘキサノン誘導体78を、対応する構造13、79および80のFmoc−アミノ酸に転換することができ、これらはすべて、73と一緒に、反応スキームBで利用される構造12の亜属を形成する。
【0199】
反応スキームQにおいて、亜属構造82においてR4が線状または分岐低級アルコキシを表し、R2およびR3の両方が水素である構造73の化合物を、反応スキームRに示すように、構造81の化合物のO−アルキル化により調製することができる。R16が非分岐状低級アルキル部分を表す場合、アルキル化は、アルカリ金属炭酸塩、例えば、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムの存在下に、構造R16ハライドの第一アルキルハライドを用いることにより行われる。アルキルハライドは、クロロ、ブロモまたはヨード誘導体、好ましくはアルキルヨージドであり得る。反応は、SN2置換反応を促進する不活性溶媒、例えば、アセトン、2−ブタノンまたはN,N−ジメチルホルムアミド、好ましくはアセトン中で、室温から溶液の還流温度の間の温度、好ましくは還流温度で、好都合に行うことができる。R16が分岐状低級アルキル基、例えば2−プロピルを表す場合、構造82の化合物を製造するための構造81の化合物のアルキル化は、アルカリ金属炭酸塩、例えば炭酸カリウムの存在下に、構造R16ハライドの第二級アルキルハライドを用いて行われる。第二級アルキルハライドは、好ましくは第二級アルキルヨージド、例えば2−ヨードプロパンである。反応は、不活性溶媒、好ましくはN,N−ジメチルホルムアミド中で、室温から溶媒の還流温度の間、好ましくは約100℃で好都合に行うことができる。
【0200】
反応スキームQにおける出発物質である構造71の4−アリールシクロヘキサノンは、有機化学の当業者に周知の方法により調製することができる。スキームSに概説するように、X1がブロモまたはヨードを表す構造83のアリールハライドを、アルキル金属試薬、好ましくはt−ブチルリチウムで処理すると、金属交換反応を生じて、対応する構造84のアリールリチウムが得られる。反応は、ジエチルエーテルまたはテトラヒドロフランのような不活性無水溶媒、好ましくはテトラヒドロフラン中に構造83の化合物を含む溶液に、アルキルリチウムの溶液を添加することにより、−78℃で好都合に行われる。このように製造される構造84のアリールリチウムは、次に、その場で、シクロヘキサン−1,4−ジオール(85)のモノケタールの、適切な不活性溶媒の溶液、例えばテトラヒドロフラン溶液で処理し、反応温度を−60℃より低い温度、好ましくは約−78℃に維持して、構造86のカルビノールを得る。構造87の化合物は、構造86のカルビノールの脱水により得られる。反応は、不活性溶媒、例えばベンゼンまたはトルエン、好ましくはベンゼン中の有機強酸触媒、好ましくはp−トルエンスルホン酸を用いて、溶媒の還流温度で好都合に行われる。形成された水は、反応を完了可能にするために、ディーンシュタルク装置により反応混合物から除去される。構造88の化合物は、構造87のオレフィンの水素化により製造される。反応は、不活性溶媒、例えばエタノールまたは酢酸エチル中、水素雰囲気下に、貴金属触媒、例えば炭素担持パラジウムを用いて好都合に行われる。水素化は、通常、室温および40psiの水素下に行われるが、構造87中のアリール環が水素化分解し易い基を含む場合、例えば、R3、R4またはR5がクロロを表す場合、反応圧力は約5psiに維持される。構造88の化合物は、ヒドロキシル基の還元的除去により構造86のカルビノールから直接得ることもできる。この反応において、不活性溶媒、例えば、ジクロロメタン中に構造86の化合物(R3=R4=HおよびR5=OMe)を含む溶液を、三フッ化ホウ素エーテラートのようなルイス酸、および還元剤、例えば、トリエチルシランにより、0℃〜室温で処理する。構造88の化合物中のケタール保護基の除去により、式71で示されるケトンが得られ、これは、構造12の化合物の構造75のFmoc−アミノ酸種を調製するための反応スキームQのための出発物質である。反応は、アセトンまたは2−ブタノン、好ましくはアセトン中で、酸触媒、例えば、4N塩酸またはp−トルエンスルホン酸の存在下に、室温〜反応混合物の還流温度、好ましくは還流温度で好都合に行われる。
【0201】
構造13の化合物を調製するための出発物質である、反応スキームQに示される構造76の5−置換−β−テトラロンは、既知の化合物である、あるいは、知られていない場合、有機化学の当業者に周知の方法により、調製することができる。本例の場合、構造76の化合物は、基本的に、反応スキームTおよびUに概説する2つの方法により調製される。スキームTに示すように、構造90の2−置換ヒドロケイ皮酸は、構造91の対応するカルボン酸クロリドに転換される。この転換は、いくつかの方法により、例えば、ベンゼンまたはジクロロメタンのような不活性溶媒、好ましくはジクロロメタン中、場合によっては触媒量のN,N−ジメチルホルムアミドの存在下に、ヒドロケイ皮酸を塩化オキサリルで処理することにより行うことができる。反応は、0℃〜室温、好ましくは室温で好都合に行うことができる。あるいは、構造90の化合物を、不活性溶媒、例えばベンゼンまたはトルエン、好ましくはトルエン中、室温ないし溶液の還流温度、好ましくは還流温度で、塩化スルフリルのようなアシルクロリド形成試薬と反応させる。構造92のジアゾケトンを、不活性溶媒、例えばジクロロメタン中、このように形成された構造91のアシルハライドを、過剰量の新しく調製したジアゾメタンのエーテル溶液で処理することにより調製する。試薬の組合せは、氷浴温度で行うのが好都合であり、反応は、次に、0℃〜室温、好ましくは室温で行われる。反応スキームTに示すように、構造76のテトラロンを得るための構造92のジアゾケトンの環化は、不活性溶媒、例えば、ジクロロメタン中の酢酸ロジウム(II)により促進される。反応は、通常、室温〜溶液の還流温度、好ましくは還流温度で行われる。
【0202】
6が線状または分岐状の低級アルコキシ基を表す、反応スキームQ中の出発物質である構造76の化合物は、構造93の化合物から反応スキームUに示すように調製することができる。反応スキームUにおいて、R15 が非分岐状低級アルキル部分を表す構造94の化合物は、アルカリ金属炭酸塩、例えば、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムのような塩基の存在下に、第一級アルキルヨージドまたはブロミド、好ましくはヨージドを用いて、構造93のナフタレンジオールの全部のO位置をアルキル化することにより調製される。反応は、不活性溶媒、好ましくはN,N−ジメチルホルムアミド中、室温〜100℃、好ましくは35℃で行うことができる。R15 が分岐状低級アルキルを表す構造97の化合物は、構造94の2−テトラロンから2段階で調製される。構造95のテトラロンは、p−シメンのような適切な高沸点溶媒中における、パラジウム金属(炭素担持、10%)のような貴金属触媒の存在下の脱水素に付され、構造96の芳香族化された化合物が得られる。次に、構造96のナフトールは、アルカリ金属炭酸塩、好ましくは炭酸セシウムのような塩基の存在下に、第二級アルキルヨージドを用いてOアルキル化されて、構造97の化合物が得られる。反応は、不活性溶媒、好ましくはN,N−ジメチルホルムアミド中、室温〜100℃、好ましくは約40℃で行うのが好都合である。
【0203】
構造76のテトラロンは、構造94および97の化合物を、溶解性金属条件下に還元し、続いて中間体のエノールエーテルを酸触媒による加水分解によって製造される。変換は、低級アルコール、好ましくはエタノール中に基質を含む、沸騰している溶液に、出発物質が消費されるまで、大過剰のナトリウムまたはカリウムのようなアルカリ金属、好ましくはナトリウムを少量ずつ添加することにより好都合に行われる。構造76のテトラロンは、単離された中間体エノールエーテルの溶液を、強酸触媒、好ましくはp−トルエンスルホン酸で処理することによって得られる。加水分解は、低級アルコール、好ましくはエタノールと水との混合物中、室温〜溶液の還流温度、好ましくは還流温度で好都合に行われる。
【0204】
構造12の化合物のFmoc−アミノ酸種である、式79で示される化合物の製造における出発物質として反応スキームQで利用される、構造77の化合物の調製において、構造98の化合物が、出発物質として用いられる。これを、反応スキームVに示す。反応スキームVにおいて、構造100の化合物は、それ自体知られている反応により調製することができる。例えば、これらは、構造98の第二級アミンを、アリールブロミドまたはヨージド、好ましくは構造99のアリールヨージド(反応スキームV)にカップリングすることにより調製することができる。カップリング反応は、キレート化ホスフィン配位子、好ましくはトリ−o−トリルホスフィン、およびナトリウムtert−ブトキシドのようなヒンダードアルコキシドの存在下に、貴金属触媒、好ましくはトリ(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムの触媒作用を受ける。反応は、不活性雰囲気中、ジオキサンまたはトルエンのような無水溶媒、好ましくはジオキサンを用いて、60℃〜還流温度、好ましくは90℃で行うのが好都合である。化合物100中のカルボニル保護基を除去して、構造77の化合物を得ることは、有機化学の分野で周知の種々の方法により行うことができる。例えば脱保護は、アセトンまたは2−ブタノンのような低沸点ケトン中に化合物100を含む溶液を、鉱酸水溶液、例えば6N塩酸により、室温〜混合物の還流温度、好ましくは還流温度で処理することにより、達成することができる。構造100の化合物は、このように鉱酸水形態で処理すると、反応スキームVにおいて、構造77の化合物を形成する。反応スキームQの説明で示したように、構造77の化合物は、Qが、
【0205】
【化90】
Figure 0004217069
【0206】
である構造12の酸の種である、構造79の化合物用の中間体である。
【0207】
反応スキームAにおいて、構造5のアミノ酸は、R9が、
【0208】
【化91】
Figure 0004217069
【0209】
である既知の化合物である。
【0210】
一方、R9中のR17が低級アルキルである、すなわちR9が、
【0211】
【化92】
Figure 0004217069
【0212】
である構造5のアミノ酸は、式101で示される化合物から、以下の反応スキームVを介して調製される。
【0213】
【化93】
Figure 0004217069
【0214】
反応スキームWに示すように、Boteju,L.W.、Wenger K.およびHruby,V.J.、Tet.Lett.、第33巻、7491頁(1992年)によって先に記載された方法により、β−メチル(Nin−Mes)トリプトファン109を調製した。第一工程において、トランス−インドール−3−アクリル酸101中の窒素が、対応するメシチレンスルホンアミド102への転換により保護される。反応は、不活性溶媒、好ましくはテトラヒドロフラン中にアルキルまたはアリールリチウム試薬、例えば、フェニルリチウムまたはn−ブチルリチウム、好ましくはn−ブチルリチウムを含む過剰(>2当量)の溶液で、インドール酸101を−40℃〜約−100℃、最も都合よくは、−78℃で処理することにより行われる。反応は約−78℃に維持されるが、形成された、ジリチウム化された種は、次に、塩化メシチレンスルホニルで処理されて、メシチレンスルホンアミド102が得られる。N−保護されたインドールアクリル酸102は、次に、キラルな助剤(R)−4−フェニル−2−オキサゾリジノン(調製には、Nicolasら、J.Org Chem.1993年、第58巻、766〜770頁を参照)のN−リチウム化種104とカップリングして、キラルなアクリルアミド105を得る。カップリングは、102から形成された混成酸無水物を介して行う。混成酸無水物103を形成するために、N−保護されたインドールアクリル酸102を、第三級アミン塩基、例えばトリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミン、好ましくはトリエチルアミンの存在下に、適切なアシルクロリド、例えば、クロロギ酸t−ブチル、2,4,6−トリクロロベンゾイルクロリドまたは塩化ピバロイル、好ましくは塩化ピバロイルと反応させた。酸無水物103を形成するための適切なアシルクロリドの選択を可能にする基準は、充分に達成されており、有機化学の当業者により知られている。酸無水物の形成を、不活性溶媒、例えば、テトラヒドロフラン中、−100〜0℃、好ましくは約−78℃の初期温度で行う。反応は、−78〜0℃、好ましくは約0℃の温度で完了させられる。このように形成された混成酸無水物103を、次に、(R)−4−フェニル−2−オキサゾリジノンを不活性溶媒、例えばテトラヒドロフラン中に含む溶液を、アルキルまたはアリールリチウム試薬、例えばフェニルリチウムまたはn−ブチルリチウム、好ましくはn−ブチルリチウムを不活性溶媒、例えばヘキサン中に含む等モル量の溶液により、−100〜0℃、好ましくは約−78℃で処理することにより、先に調製したN−リチウム化(R)−4−フェニル−2−オキサゾリジノン104の溶液と、インサイチューで反応させる。キラルなアクリルアミド105を産出するカップリング反応は、−100〜0℃、好ましくは約−78℃の初期温度で行われ、すべての試薬が組み合わされた後、反応を−78℃〜室温、好ましくはほぼ室温で進行させる。
【0215】
キラルなアクリルアミド105から106への変換の重要点は、106における2個の新しい隣接したキラルセンターの、制御された発生である。反応は、臭化第一銅−ジメチルスルフィド複合体および臭化メチルマグネシウムからその場で形成されるメチル銅酸エステル(methyl cuprate)を、105中に存在するマイケル受容体であるα,β−不飽和カルボニル系に立体選択的に1,4−共役付加(マイケル付加)することを含む。得られる金属キレート化エノラートを、次に、ハロゲン化剤、好ましくはN−ブロモスクシンアミドで直接ハロゲン化して106を得る。ここでも、マイケル付加の場合と同様に、臭素原子の混入は、α,β−不飽和アシルオキサゾリジノン系および中間体の金属キレート化エノラートの両方のsi面を、侵入してくる試薬の攻撃から効果的に遮蔽するキラルな助剤上のかさ高いフェニル基により、立体選択的に制御される。メチル銅酸エステルの調製のために、臭化メチルマグネシウムをジエチルエーテル中に含む溶液を、不活性溶媒、例えば、硫化ジメチルまたはテトラヒドロフラン、好ましくはそれらの混合物中に臭化第一銅−ジメチルスルフィド(1:1)複合体を含む溶液に添加する。反応は、−78℃〜室温、好ましくは−4℃で行う。臭化メチルマグネシウムの代わりに、任意の低級アルキルブロミドを添加して、メチル以外の低級アルキル基であるR17を形成することができる。この形成されたメチル銅酸エステル溶液に、その場でα,β−不飽和アシロキサゾリジノン105を、不活性溶媒、好ましくはテトラヒドロフラン中に含む溶液に添加する。メチル銅酸エステルの添加は、最初は−30℃〜室温、好ましくは−4℃で行い、次に、室温で行う。反応が完了したと判断(例えば、TLCまたはHPLCによる分析)されると、次に−100〜−40℃、好ましくは約−78℃に冷却し、その時点で、ハロゲン化剤、好ましくはN−ブロモスクシンイミドの不活性溶媒溶液、例えばテトラヒドロフラン溶液を添加する。反応を、次に、0℃〜室温、好ましくはほぼ室温で進めて、単離した後、臭化物106を得る。該臭化物を、アジドイオンで置換し、それに付随して構造は逆転される。この変換は、不活性溶媒、例えばアセトニトリル中で、臭化物106をテトラブチルアンモニウムアジドと反応させることにより達成されて、アジド107が得られる。反応は、80℃〜室温、好ましくはほぼ室温で好都合に行われる。107およびアルカリ金属水酸化物、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたは水酸化リチウム、好ましくは水酸化リチウムを、過酸化水素の存在下に処理すると、キラルな助剤が加水分解されて、アジド酸108が得られる。加水分解反応は、不活性溶媒、好ましくは水中で、0℃〜室温、好ましくは約0℃で行われる。α−アジド酸108を水素化すると、β−メチル(Nin−Mes)トリプトファンが得られ、これは、ただちに対応するN(α)−Fmoc−β−メチル(Nin−Mes)トリプトファン109に転換される。108の水素化は、貴金属触媒、好ましくは10%Pd/Cを用いて、不活性溶媒、例えば低級アルカノール、好ましくはメタノール中、低圧(<2気圧)と室温で行う。濾過により触媒を除去した後、揮発成分を除去し、生成物を不活性溶媒、例えばテトラヒドロフランまたは水、好ましくはこれらの混合物中に溶解し、穏やかな無機塩基、例えばアルカリ金属重炭酸塩、好ましくは重炭酸ナトリウム、およびFmoc N−保護基形成試薬、例えば、9−フルオレニルメチルクロロホルメート(Fmoc−Cl)または9−フルオレニルメチル−N−スクシンイミジルカーボネート(Fmoc−Osu)、好ましくはFmoc−Osuで処理して109を得る。反応は、0℃〜室温、好ましくはほぼ室温で行うのが好都合である。式109で示される化合物は、反応スキームAにおける構造5のアミノ酸の種である。
【0216】
本発明は、前駆体線状ペプチドのZ位にラクラム結合またはジスルフィド結合を形成することにより、下記式で示される化合物を調製するプロセスにも関する。
【0217】
【化94】
Figure 0004217069
【0218】
(式中、R1〜R12,m,p,Q,X,YおよびZは、前述に定義されたとおりである)。
【0219】
薬学的組成物
本発明は、先に定義した化合物、および治療に不活性なキャリアを含んでなる薬学的組成物にも関する。
【0220】
式IおよびIIで示される化合物、ならびに本発明により調製されたペンタ−シクロ(Asp−Lys)−Asp−Apc−(D)Phe−Ala−Trp−Lys−NH2およびペンタ−シクロ(Asp−Lys)−Asp−Apc−(D)Phe−Arg−(2S,3S)βメチル−Trp−Lys−NH2は、当技術分野において知られている方法により、適切なキャリアまたはビヒクルと一緒に投与し、または吸入させるのに適した薬学的組成物中で調製することができる。
【0221】
前述の化合物は、例えば非経口投与用の薬剤として、例えば薬学的製剤の状態で用いることができる。これらは、例えば非経口的に、例えば注射溶液または輸液溶液として投与することができる。
【0222】
薬学的製剤の製造は、当業者に周知の方法において、前述の化合物を、場合により他の治療価値のある物質と組み合わせて、適切な非毒性の不活性な治療適合性固体または液体キャリア材料、および所望であれば薬学的アジュバントと一緒に投与する形にして、実施することができる。
【0223】
適切なキャリア材料は、無機キャリア材料のみならず、有機キャリア物質もある。
【0224】
通常の安定化剤、防腐剤、湿潤および乳化剤、稠度向上剤、風味向上剤、浸透圧を変化させるための塩、緩衝物質、可溶化剤、着色剤およびマスキング剤ならびに酸化防止剤が、薬学的アジュバントとして考えられる。
【0225】
前述の化合物の投与量は、制御すべき疾患、患者の年齢および個々の症状、ならびに投与方法に依存して、広い限定内で変化させることができ、もちろん、それぞれの特定の場合の個々の要求に合わせられる。成人患者には、約1mg〜約1,000mg、特に約10mg〜約500mgの日用量が考えられる。投与量に依存して、日用量を複数の投与単位に分けて投与することが好都合である。
【0226】
薬学的製剤は、前述の化合物を、約1〜500mg、好ましくは5〜200mg含むことが好都合である。
【0227】
肥満の処置
本発明により調製される化合物は、インビトロで選択的にMC−4受容体作動活性を示す。MC4−R活性の作動薬は、ヒト肥満のマウスモデルにおいて食物摂取の低下を引き起こすことが知られている。したがって、これらの化合物を投与すると、体重の制御に重要なMC4−R活性を作動する。本発明の化合物を含む薬学的組成物は、望ましくない程上昇した体重を有するヒトまたは動物患者に、種々の方法で、単独で、またはII型糖尿病のような、望ましくない医学的症状もしくは疾患の一部として投与するのに効果的な強さで調製することができる。種々の投与技術を用いることができる。活性化合物の平均量は変化することができ、特に、権威のある医者または獣医の薦めおよび処方に基づくべきである。
【0228】
したがって、本発明は、メラノコルチン−4−受容体活性に関連する疾患の治療および/または予防のための薬剤の調製のための、前述の化合物の使用にも関する。さらに、本発明は、メラノコルチン−4−受容体活性に関連する疾患の治療および/または予防のための方法であって、前述の化合物をヒトまたは動物に投与することを含んでなる方法に関する。本化合物は、特に肥満の治療および/または予防のために有用である。本発明は、また、前述のようなプロセスにより製造されたときの、前記化合物にも関する。さらに、本発明は、治療活性物質としての、特に、メラノコルチン−4−受容体に関わる疾患、例えば、肥満の治療および/または予防用の治療用活性物質としての前述の化合物の使用に関する。
【0229】
実施例
本発明は、以下の実施例により、より良く理解される。ここで記載する実施例は、本発明を説明するが、制限するものではない。実施例セクションで現される特定の化合物の構造において、水素は通常、便宜上省略する。
【0230】
実施例1
Fmoc−1−アミノ−4−フェニルシクロヘキサン−1−カルボン酸(Fmoc−Apc)の調製
【0231】
工程1:
【0232】
【化95】
Figure 0004217069
【0233】
ガラス耐圧瓶中の、4−フェニルシクロヘキサノン(10.0g、57.5mmol)のエタノール(100mL)と水(33mL)中の溶液に、炭酸アンモニウム(33g、344mmol、6当量)およびシアン化カリウム(5.6g、86.2mmol、1.5当量)を添加した。混合物を、80〜90℃で24時間加熱した。冷却した反応混合物を氷水(400ml)に加え、30分間激しく撹拌した。得られた沈殿を、吸引濾過し、水で充分に洗い、乾燥して、ヒダントインAを白色固体として得た(14.0g、収率100%)。1H NMR(DMSO−d6):8.63(s,1H),7.23〜7.36(m,4),7.15(m,1),2.50(m,1H),2.10(m,1H),1.85(d,1H)および1.55〜1.80(m,6H)。
【0234】
工程2:
【0235】
【化96】
Figure 0004217069
【0236】
ヒダントインA(10.0g)をNaOH水溶液(6N、350mL)中に懸濁させ、130℃で2〜3日加熱した。加水分解が完了したとき、反応混合物を濃HClで中和して、僅かに酸性(pH約6)にした。得られたスラリーを、濾過し、水洗し、乾燥して、1−アミノ−4−フェニルシクロヘキサンカルボン酸(APC)を白色固体として得て(25g、収率>100%、無機塩が混入)、それを次の工程に直接用いた。少量の粗生成物を、HPLCで精製した。
【0237】
【表10】
Figure 0004217069
【0238】
工程3:
【0239】
【化97】
Figure 0004217069
【0240】
直前の工程からの粗1−アミノ−4−フェニルシクロヘキサンカルボン酸(APC)(25g)をジオキサン(300mL)および10%Na2CO3水溶液(150ml)中に懸濁し、一夜激しく撹拌した。反応混合物を濃縮してジオキサンを除去し、6N HClで中和して僅かに酸性(pH5〜6)にし、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗い、Na2SO4で乾燥した。溶媒を除去して粗生成物を得、これを次にフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc〜CH2Cl2/MeOH)により精製して、純Fmoc−シス−APC(18.2g、2工程についての合計収率72%)およびFmoc−トランス−APC(2.1g、8%)を得た。
【0241】
【表11】
Figure 0004217069
【0242】
実施例2
Fmoc−1−アミノ−4−(4−メトキシフェニル)シクロヘキサン−1−カルボン酸(Fmoc−4−MeOApc−OH)の調製
【0243】
工程1:
【0244】
【化98】
Figure 0004217069
【0245】
4−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサノン(5.0g、26.3mmol)のアセトン(100mL)溶液を、K2CO3(14.5g、105mmol、4当量)およびヨードエタン(4.9mL、11.2g、78.6mmol、3当量)で処理した。反応液を65℃で一夜加熱した。溶媒を除去した後、残渣をH2Oで処理し、EtOAcで抽出した。有機抽出物を合わせ、ブラインで洗い、Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して分光分析的に純粋な4−(4−メトキシフェニル)シクロヘキサノン(5.34g、100%)を得た。
【0246】
【表12】
Figure 0004217069
【0247】
工程2:
【0248】
【化99】
Figure 0004217069
【0249】
ガラス耐圧瓶中の、4−(4−メトキシフェニル)シクロヘキサン(3.86g、18.9mmol)のエタノール(50mL)と水(15mL)中の溶液に、炭酸アンモニウム(14.5g、151mmol、8当量)およびシアン化カリウム(2.0g、30.7mmol、1.6当量)を添加した。混合物を80〜90℃で24時間加熱した。冷却した反応混合物を氷水(300ml)に添加し、30分間激しく撹拌した。得られた沈殿を吸引濾過し、水で充分に洗い、乾燥してヒダントインBを白色固体として得た(4.75g、収率91%)。MS(エレクトロスプレー)m/e 273(M−H)、C151823についての計算値:274。
【0250】
工程3:
【0251】
【化100】
Figure 0004217069
【0252】
ヒダントインB(18.7g、68.25mmol)の無水THF(450mL)中の懸濁液に、重炭酸ジ−tert−ブチル(37.2g、170.5mmol、2.5当量)、トリエチルアミン(10.5mL、7.59g、75.0mmol、1.1当量)およびDMAP(460mg、3.65mmol)を順次添加した。添加から約15分後、反応液は透明な黄色溶液に変化し、これを室温で一夜撹拌した。反応混合物を減圧下に濃縮して固体を得て、これを次にEtOAc(800mL)に取り込み、1N HCl(3×50mL)、飽和Na2CO3水溶液(2×50mL)およびブライン(2×50mL)で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮した。淡黄色の粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc、90/10→70/30)により精製して、純ビス−BocヒダントインCを白色固体として得た(27.6g、87%)。
【0253】
【表13】
Figure 0004217069
【0254】
工程4:
【0255】
【化101】
Figure 0004217069
【0256】
ビス−BocヒダントインC(15.08g、31.78mmol)をDME(500ml)に溶解して、透明溶液を得た。この溶液に、1N NaOH(290ml、290mmol)を添加し、反応液を室温で一夜撹拌して、僅かに曇った混合物を得た。HPLCは反応の完了を示した。反応混合物を減圧下に濃縮してDMEを除去し、Et2Oで抽出した。精製することなく、得られた1−アミノ−4−(4−メトキシフェニル)シクロヘキサンカルボン酸(4−MeOAPC)を含む水層に、6N HClを加えてpHを11〜12に調節した。この溶液(約300mL)に、DME(300mL)、およびFmoc−OSu(16.7g、49.42mmol)のDME(200mL)溶液を添加し、反応液を室温で一夜撹拌した。反応混合物を減圧下に濃縮してDMEを除去し、3N HClで酸性にし、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗い、無水Na2SO4で乾燥し、濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(CH2Cl2/MeOH、98/2→90/10)で精製して、粗生成物Fmoc−4−MeOAPCを白色固体として得た(12.4g、ビス−BocヒダントインCからの収率83%)。
【0257】
【表14】
Figure 0004217069
【0258】
実施例3
Fmoc−1−アミノ−4−(4−エトキシフェニル)シクロヘキサン−1−カルボン酸(Fmoc−4−EtOApc−OH)の調製
【0259】
工程1
【0260】
【化102】
Figure 0004217069
【0261】
4−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサノン(5.0g、26.3mmol)のアセトン(100mL)溶液に、K2CO3(14.5g、105mmol、4当量)およびヨードエタン(10.5mL、20.5g、131mmol、5当量)を添加した。反応液を65℃で一夜加熱した。溶媒を除去後、残渣をH2Oで処理し、EtOAcで抽出した。有機抽出物を合わせ、ブラインで洗い、Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、分光分析的に純粋な4−(4−エトキシフェニル)シクロヘキサノン(5.74g、100%)を得た。
【0262】
【表15】
Figure 0004217069
【0263】
工程2:
【0264】
【化103】
Figure 0004217069
【0265】
ガラス耐圧瓶中の、4−(4−エトキシフェニル)シクロヘキサノン(4.15g、19.01mmol)のエタノール(50mL)と水(15mL)中の溶液に、炭酸アンモニウム(14.5g、151mmol、8当量)およびシアン化カリウム(2.05g、31.42mmol、1.6当量)を添加した。混合物を80〜90℃で19時間加熱した。冷却した反応混合物を氷水(300ml)に添加し、30分間激しく撹拌した。得られた沈殿を吸引濾過し、水で充分に洗い、乾燥して、ヒダントインDを白色固体として得た(5.17g、収率94%)。MS(エレクトロスプレー)m/e 287(M−H)、C162023についての計算値:288。
【0266】
工程3:
【0267】
【化104】
Figure 0004217069
【0268】
ヒダントインD(4.22g、14.65mmol)の無水THF(100mL)中の懸濁液に、重炭酸ジ−tert−ブチル(7.98g、36.60mmol、2.5当量)、トリエチルアミン(2.3mL、1.63g、16.11mmol、1.1当量)およびDMAP(89.4mg、0.73mmol)を順次添加した。添加から約15分後、反応液は透明な黄色溶液に変化し、これを室温で一夜撹拌した。反応混合物を減圧下に濃縮して固体を得て、これを次にEtOAc(300mL)に取り込み、1N HCl(3×20mL)、飽和Na2CO3水溶液(2×20mL)およびブライン(2×20mL)で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮した。淡黄色の粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc、90/10→70/30)により精製して、純ビス−BocヒダントインEを白色固体として得た(7.01g、98%)。1H NMR(CDCl3):7.27(dt,2H),6.87(dt,2H),4.02(q,2H),1.59,(s,9H)1.43(t,3H)および1.38(s,9H);MS(エレクトロスプレー)m/e 999(2M+Na)+、C263627についての計算値:488。
【0269】
工程4:
【0270】
【化105】
Figure 0004217069
【0271】
ビス−BocヒダントインE(6.58g、13.46mmol)をDME(200mL)に溶解して、透明溶液を得た。この溶液に、1N NaOH(121mL、121mmol)を添加し、反応液を室温で一夜撹拌して、僅かに曇った混合物を得た。HPLCは反応の完了を示した。反応混合物を減圧下に濃縮してDMEを除去し、Et2Oで抽出した。精製することなく、得られた1−アミノ−4−(4−メトキシフェニル)シクロヘキサンカルボン酸(4−EtOAPC)を含む水層に、6N HClを加えて、pHを11〜12に調節した。この溶液(約130mL)に、DME(100mL)、およびFmoc−OSu(6.83g、20.24mmol)のDME(30mL)溶液を添加し、反応液を室温で一夜撹拌した。反応混合物を減圧下に濃縮してDMEを除去し、3N HClで酸性にし、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗い、無水Na2SO4で乾燥し、濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(CH2Cl2/MeOH、98/2→90/10)で精製して、純生成物Fmoc−4−EtOAPCを白色固体として得た(5.56g、ビス−BocヒダントインEからの収率85%)。
【0272】
【表16】
Figure 0004217069
【0273】
実施例4
Fmoc−1−アミノ−4−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン−1−カルボン酸(Fmoc−4−HOApc−OH)の調製
【0274】
工程1:
【0275】
【化106】
Figure 0004217069
【0276】
ガラス耐圧瓶中の、4−(4−エトキシフェニル)シクロヘキサノン(2.00g、10.52mmol)のエタノール(30mL)と水(10mL)中の溶液に、炭酸アンモニウム(6.17g、64.2mmol、6当量)およびシアン化カリウム(1.07g、15.8mmol、1.5当量)を添加した。混合物を80〜90℃で一夜加熱した。冷却した反応混合物を氷水(200ml)に添加し、30分間激しく撹拌した。得られた沈殿を吸引濾過し、水で充分に洗い、乾燥して、ヒダントインFを白色固体として得た(2.56g、収率94%)。MS(エレクトロスプレー)m/e 261(M+H)+、C141623についての計算値:260。
【0277】
工程2:
【0278】
【化107】
Figure 0004217069
【0279】
ヒダントインF(2.10g、8.06mmol)をNaOH水溶液(6N、100mL)中に懸濁させ、130℃で2〜3日加熱した。加水分解が完了したとき、反応混合物を濃HClで中和して、僅かに酸性(pH約6)にした。得られたスラリーを濾過し、水洗し、乾燥して1−アミノ−4−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンカルボン酸(4−HOAPC)を白色固体として得た(3.1g、収率>100%、無機塩が混入)。MS(エレクトロスプレー)m/e 236(M+H)+、C1317NO3についての計算値:235。
【0280】
工程3:
【0281】
【化108】
Figure 0004217069
【0282】
直前の工程からの粗1−アミノ−4−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンカルボン酸(4−HOAPC)(3.1g)を、ジオキサン(100mL)と10%Na2CO3水溶液(50ml)中に懸濁し、一夜激しく撹拌した。反応混合物を濃縮してジオキサンを除去し、6N HClで中和して、僅かに酸性(pH5〜6)にし、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を、ブラインで洗い、Na2SO4で乾燥した。溶媒を除去して粗生成物を得て、これを次にフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc〜CH2Cl2/MeOH)により精製して、純Fmoc−4−HoAPC(2.76g、2工程についての合計収率:75%)を得た。
【0283】
【表17】
Figure 0004217069
【0284】
実施例5
Fmoc−1−アミノ−4−(4−イソプロポキシフェニル)シクロヘキサン−1−カルボン酸(Fmoc−4−iPrOApc−OH)の調製
【0285】
工程1:
【0286】
【化109】
Figure 0004217069
【0287】
4−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサノン(6.0g、31.6mmol)のDMF(90mL)溶液に、K2CO3(21g、158mmol、5当量)および2−ヨードプロパン(15mL、26.8g、158mmol、5当量)を添加した。反応液を100℃で一夜加熱した。溶媒を除去した後、残渣にH2Oを加え、EtOAcで抽出した。有機抽出物を合わせ、ブラインで洗い、Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、分光分析的に純粋な4−(4−イソプロポキシフェニル)シクロヘキサノン(7.02g、95%)を得た。1H NMR(CDCl3):7.14(dt,2H),6.84(dt,2H),4.3(七重線,1H),2.97(tt,1H),2.46〜2.52(m,4H),2.16〜2.24(m,2H),1.83〜1.98(m,2H)および1.33(d,6H)。
【0288】
工程2:
【0289】
【化110】
Figure 0004217069
【0290】
ガラス耐圧瓶中の、4−(4−イソプロポキシフェニル)シクロヘキサノン(5.1g、21.98mmol)のエタノール(90mL)と水(30mL)中の溶液に、炭酸アンモニウム(12.6g、131mmol、6当量)およびシアン化カリウム(2.14g、32.9mmol、1.5当量)を添加した。混合物を80〜90℃で24時間加熱した。冷却した反応混合物を氷水(400ml)に添加し、30分間激しく撹拌した。得られた沈殿を吸引濾過し、水で充分に洗い、乾燥して、ヒダントインGを白色固体として得た(6.60g、収率99%)。
【0291】
【表18】
Figure 0004217069
【0292】
工程3:
【0293】
【化111】
Figure 0004217069
【0294】
ヒダントインG(5.8g、19.20mmol)の無水THF(180mL)中の懸濁液に、重炭酸ジ−tert−ブチル(10.46g、48.0mmol、2.5当量)、トリエチルアミン(2.9mL、2.13g、21.12mmol、1.1当量)およびDMAP(140mg、1.15mmol)を順次添加した。添加から約15分後、反応液は透明な黄色溶液に変化し、これを室温で一夜撹拌した。反応混合物を減圧下に濃縮して固形物を得て、これを次にEtOAc(600mL)に取り込み、1N HCl(3×40mL)、飽和Na2CO3水溶液(2×40mL)およびブライン(2×40mL)で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮した。粗淡黄色生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc、90/10→80/20)により精製して、純ビス−BocヒダントインHを白色固体として得た(9.4g、98%)。
【0295】
【表19】
Figure 0004217069
【0296】
工程4:
【0297】
【化112】
Figure 0004217069
【0298】
ビス−BocヒダントインH(4.34g、8.64mmol)をDME(100mL)に溶解して、透明溶液を得た。この溶液に1N NaOH(78mL、78mmol)を添加し、反応液を室温で一夜撹拌して、かなり透明な混合物を得た。HPLCは、反応の完了を示した。反応混合物を減圧下に濃縮してDMEを除去し、Et2Oで抽出した。精製することなく、得られた1−アミノ−4−(4−イソプロポキシフェニル)シクロヘキサンカルボン酸(4−iPrOAPC)を含む水層に、6N HClを加えて、pHを11〜12に調節した。この溶液(約9mL)に、DME(120mL)、およびFmoc−OSu(3.49g、10.34mmol、1.2当量)のDME(20mL)溶液を添加し、反応液を室温で一夜撹拌した。反応混合物を減圧下に濃縮してDMEを除去し、3N HClで酸性にし、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を、ブラインで洗い、無水Na2SO4で乾燥し、濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc→CH2Cl2/MeOH)で精製して、粗生成物Fmoc−4−iPrOAPCを白色固体として得た(3.23g、ビス−BocヒダントインHからの収率75%)。
【0299】
【表20】
Figure 0004217069
【0300】
実施例6
Fmoc−1−アミノ−4−(4−メチルフェニル)シクロヘキサン−1−カルボン酸(Fmoc−4−MeApc−OH)の調製
【0301】
工程1:
【0302】
【化113】
Figure 0004217069
【0303】
4−ヨードトルエン(10.9g、50.0mmol)の無水THF(180mL)溶液に、n−BuLi(1.6M、31.0mL、50mmol)のヘキサン溶液を、−78℃で20分間かけて添加した。反応液をさらに20分間撹拌してから、1,4−シクロヘキサンジオンモノエチレンケタール(6.0g、38.46mmol)の無水THF(100mL)溶液を滴下した。−78℃で2時間撹拌後、反応液をNH4Cl水溶液でクエンチし、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗い、Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して分光分析的に純粋な生成物Iを白色固体として得た(9.34g、収率98%)。1H NMR(CDCl3):7.41(m,2H),7.16(d,2H),3.98(m,4H),2.34(s,3H);MS(EI)m/e 248(M+),C15203についての計算値:248。
【0304】
工程2:
【0305】
【化114】
Figure 0004217069
【0306】
ディーンシュタルクトラップを設けたフラスコ中の、アルコールI(9.10g、36.65mmol)の乾燥ベンゼン(200mL)溶液に、p−トルエンスルホン酸一水和物(650mg)を添加し、反応液を100℃で3時間加熱した。反応液を室温に冷却し、EtOAc(500mL)で希釈し、Na2CO3水溶液(50mL)およびブライン(3×50mL)で洗い、Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、分光分析的に純粋な生成物J(8.36g、収率100%)を得て、これを精製することなく次の工程に用いた。MS(EI)m/e 230(M+)、190(M−OCH2CH2O)、C15182についての計算値:230。
【0307】
工程3:
【0308】
【化115】
Figure 0004217069
【0309】
オレフィンJ(7.49g)のEtOAc(180mL)溶液に、Pd/C(炭素上5重量%、800mg)を添加し、反応を40psiの水素雰囲気下に室温で3時間行った。触媒を濾去し、濾液を濃縮して、分光分析的に純粋な生成物Kを無色油状物として得た(7.40g、収率100%)。MS(EI)m/e 232(M+)、188(M−OCH2CH2)、C15202についての計算値:232。
【0310】
工程4:
【0311】
【化116】
Figure 0004217069
【0312】
ケタールK(6.90g)のアセトン(140mL)溶液に、4N HCl(60mL)を添加し、65℃で4時間加熱した。溶媒を除去し、残渣をEtOAcで希釈し、4N HClで中和した。水溶液をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を、ブラインで洗い、乾燥し、濃縮した。得られた粗4−(4−メチルフェニル)シクロヘキサンを、精製することなく次の工程に用いた(5.57g、定量的収率)。MS(EI)m/e 188(M+)、C1316Oについての計算値:188。
【0313】
工程5:
【0314】
【化117】
Figure 0004217069
【0315】
ガラス耐圧瓶中の、4−(4−メチルフェニル)シクロヘキサノン(5.32g、28.3mmol)のエタノール(90mL)と水(30mL)中の溶液に、炭酸アンモニウム(16.3g、169.8mmol、6当量)およびシアン化カリウム(3.68g、56.5mmol、2当量)を添加した。混合物を80〜90℃で一夜加熱した。冷却した反応混合物を氷水(400ml)に添加し、30分間激しく撹拌した。得られた沈殿を吸引濾過し、水で充分に洗い、乾燥して、ヒダントインLを白色固体として得た(6.3g、収率86%)。MS(エレクトロスプレー)m/e 517(2M+H)、C1518ClN22についての計算値:258。
【0316】
工程6:
【0317】
【化118】
Figure 0004217069
【0318】
ヒダントインL(5.82g、22.55mmol)の無水THF(250mL)中の懸濁液に、重炭酸ジ−tert−ブチル(12.3g、56.4mmol、2.5当量)、トリエチルアミン(3.5mL、2.5g、24.7mmol、1.1当量)およびDMAP(275mg、2.25mmol)を順次添加した。反応液は透明な黄色溶液に変化し、これを室温で一夜撹拌した。反応混合物を減圧下に濃縮して固形物を得て、これを次にEtOAc(500mL)に取り込み、1N HCl(3×50mL)、飽和Na2CO3水溶液(2×50mL)およびブライン(2×50mL)で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮した。淡黄色の粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc、90/10→70/30)により精製して、純ビス−BocヒダントインMを白色固体として得た(10.03g、収率100%)。1H NMR(CDCl3):7.26(d,2H),6.87(d,2H),3.00(m,1H),2.32(s,3H),1.59(s,9H)および1.37(s,9H)。
【0319】
工程7:
【0320】
【化119】
Figure 0004217069
【0321】
ビス−BocヒダントインM(6.40g、13.97mmol)をDME(200mL)に溶解して、透明溶液を得た。この溶液に、1N NaOH(120mL、120mmol)を添加し、反応液を室温で一夜撹拌して、僅かに曇った混合物を得た。HPLCは反応の完了を示した。反応混合物を減圧下に濃縮してDMEを除去し、Et2Oで抽出した。精製することなく、得られた1−アミノ−4−(4−メチルフェニル)シクロヘキサンカルボン酸(4−MeAPC)を含む水層に、6N HClを加えて、pHを11〜12に調節した。この溶液(約140mL)に、DME(240mL)、およびFmoc−Osu(5.10g、15.13mmol、1.1当量)のDME(40mL)溶液を添加し、反応液を室温で一夜撹拌した。反応混合物を減圧下に濃縮してDMEを除去し、3N HClで酸性にし、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗い、無水Na2SO4で乾燥し、濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(CH2Cl2/MeOH、98/2→90/10)で精製して、純生成物Fmoc−4−MeAPCを白色固体として得た(4.35g、ビス−BocヒダントインMからの収率69%)。1H NMR(DMSO−d6):7.88(d,2H),7.75(d,2H),7.24〜7.43(m,4H),7.02〜7.14(m,4H),4.25(m,3H),2.24(s,3H)。
【0322】
実施例7
Fmoc−1−アミノ−4−(4−クロロフェニル)シクロヘキサン−1−カルボン酸(Fmoc−4−ClApc−OH)の調製
【0323】
【化120】
Figure 0004217069
【0324】
工程1:
【0325】
4−クロロフェニルブロミド(7.5g、39.2mmol)の無水THF(180mL)溶液を−78℃に冷却し、n−BuLi(1.6M、25mL、40mmol)のヘキサン溶液を、20分間かけて滴下した。反応液をさらに30分間撹拌してから、1,4−シクロヘキサンジオンモノエチレンケタール(6.0g、38.46mmol)の無水THF(100mL)溶液を滴下した。−78℃で1時間撹拌し、反応液をNH4Cl水溶液でクエンチし、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を、ブラインで洗い、Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、分光分析的に純粋な生成物Nを白色固体として得た(9.40g、収率91%)。
【0326】
【表21】
Figure 0004217069
【0327】
工程2:
【0328】
【化121】
Figure 0004217069
【0329】
ディーンシュタルクトラップを設けたフラスコ中の、アルコールN(6.78g、25.30mmol)の乾燥ベンゼン(120mL)溶液に、p−トルエンスルホン酸一水和物(960mg)を添加し、反応液を還流下に3時間加熱した。反応液を室温に冷却し、EtOAc(500mL)で希釈し、Na2CO3水溶液(50mL)およびブライン(3×50mL)で洗い、Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して分光分析的に純粋な生成物O(6.30g、収率100%)を得て、これを精製することなく次の工程に用いた。MS(EI)m/e 250(M+)、190(M−OCH2CH2O)、C1415ClO2についての計算値:250。
【0330】
工程3:
【0331】
【化122】
Figure 0004217069
【0332】
オレフィンO(6.11g)のEtOAc(120mL)溶液に、Pd/C(炭素上5重量%、600mg)を添加し、反応を5psiの水素雰囲気下に室温で3時間行った。触媒を濾去し、濾液を濃縮して、分光分析的に純粋な生成物Pを無色油状物(6.10g、収率100%)として得た。MS(EI)m/e 252(M+)、C1417ClO2についての計算値:252。
【0333】
工程4:
【0334】
【化123】
Figure 0004217069
【0335】
ケタールP(5.81g、23.06mmol)のアセトン(200mL)溶液に、p−トルエンスルホン酸一水和物(876mg)を添加し、60℃で一夜加熱した。溶媒を除去し、残渣をEtOAcに取り込み、Na2CO3水溶液およびブラインで洗い、乾燥し、濃縮して、粗生成物を黄色油状物(5.38g、収率>100%)として得た。フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc、80/20→60/40)により精製して、4−(4−クロロフェニル)シクロヘキサノンを淡黄色油状物(4.54g、収率95%)として得た。MS(EI)m/e 208(M+)、C1213ClO2についての計算値:208。
【0336】
工程5:
【0337】
【化124】
Figure 0004217069
【0338】
ガラス耐圧瓶中の、4−(4−クロロフェニル)シクロヘキサノン(4.26g、20.48mmol)のエタノール(90mL)と水(30mL)中の溶液に、炭酸アンモニウム(13.8g、144mmol、7当量)およびシアン化カリウム(3.56g、54.77mmol、2.5当量)を添加した。混合物を80〜90℃で一夜加熱した。冷却した反応混合物を氷水(400ml)に添加し、30分間激しく撹拌した。得られた沈殿を吸引濾過し、水で充分に洗い、乾燥して、ヒダントインQを白色固体として得た(5.58g、収率98%)。MS(エレクトロスプレー)m/e 277(M−H)、C1415ClN22についての計算値:278
【0339】
工程6:
【0340】
【化125】
Figure 0004217069
【0341】
ヒダントインQ(5.15g、18.5mmol)の無水THF(250mL)中の懸濁液に、重炭酸ジ−tert−ブチル(10.1g、46.3mmol、2.5当量)、トリエチルアミン(2.8mL、2.07g、20.45mmol、1.1当量)およびDMAP(226mg、1.85mmol)を順次添加した。反応液は透明な黄色溶液に変化し、これを室温で一夜撹拌した。反応混合物を減圧下に濃縮して固形物を得て、これを次にEtOAc(500mL)に取り込み、1N HCl(3×50mL)、飽和Na2CO3水溶液(2×50mL)およびブライン(2×50mL)で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮した。淡黄色の粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc、90/10→70/30)により精製して、純ビス−BocヒダントインRを白色固体として得た(8.05g、収率91%)。MS(エレクトロスプレー)m/e 542(M+Ma+MeCN)、C2431ClN26についての計算値:478。
【0342】
工程7:
【0343】
【化126】
Figure 0004217069
【0344】
ビス−BocヒダントインR(6.41g、13.97mmol)をDME(200mL)に溶解して、透明溶液を得た。この溶液に、1N NaOH(120mL、120mmol)を添加し、反応液を室温で一夜撹拌して、僅かに曇った混合物を得た。HPLCは反応の完了を示した。反応混合物を減圧下に濃縮してDMEを除去し、Et2Oで抽出した。精製することなく、得られた1−アミノ−4−(4−クロロフェニル)シクロヘキサンカルボン酸(4−ClAPC)を含む水層に、6N HClを加えて、pHを11〜12に調節した。この溶液(約180mL)に、DME(240mL)、およびFmoc−Osu(5.31g、15.74mmol、1.1当量)のDME(30mL)溶液を添加し、反応液を室温で一夜撹拌した。反応混合物を減圧下に濃縮してDMEを除去し、3N HClで酸性にし、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗い、無水Na2SO4で乾燥し、濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(CH2Cl2/MeOH、98/2→90/10)で精製して、純生成物Fmoc−4−ClAPCを白色固体として得た(5.04g、ビス−Bocヒダントインからの収率76%)。1H NMR(DMSO−d6):7.88(d,2H),7.74(d,2H),7.19〜7.42(m,8H),4.20〜4.31(m,3H);MS(エレクトロスプレー)m/e 474(M−H)、C2826ClNO4についての計算値:475。
【0345】
実施例8
Fmoc−1−アミノ−4−(3−メトキシフェニル)シクロヘキサン−1−カルボン酸(Fmoc−3−MeOApc−OH)の調製
【0346】
工程1:
【0347】
【化127】
Figure 0004217069
【0348】
3−ヨードアニソール(11.7g、50.0mmol、1.3当量)の無水THF(180mL)溶液に、n−BuLi(1.6M、31.0mL、50mmol、1.3当量)のヘキサン溶液を、−78℃で25分間かけて添加した。反応液をさらに30分間撹拌してから、1,4−シクロヘキサンジオンモノエチレンケタール(6.0g、38.46mmol)の無水THF(100mL)溶液を滴下した。−78℃で2時間撹拌後、反応液をNH4Cl水溶液でクエンチし、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を、ブラインで洗い、Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、分光分析的に純粋な生成物Sを白色固体として得た(9.34g、収率98%)。1H NMR(CDCl3):7.26(dd,1H),7.06〜7.11(m,2H),6.79(dd,1H),3.98(m,4H),3.81(s,3H)。
【0349】
工程2:
【0350】
【化128】
Figure 0004217069
【0351】
窒素雰囲気下の、アルコールS(5.6g、21.21mmol)の撹拌しつつある無水CH2Cl2(200mL)溶液に、塩−氷浴温度で、トリエチルシラン(10.2mL、7.4g、63.63mmol、3当量)および三フッ化ホウ素エーテラート(21.5mL、24.1g、169.7mmol、8当量)を順次添加した。次に反応混合物を室温まで暖め、3時間撹拌してから、10%K2CO3水溶液およびH2Oで洗い、Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、脱酸素化合物を油状物(4.91g)として得た。これは直接用いるのに充分な純度であった。この粗中間体をアセトン(130mL)に溶解し、4N HCl(60mL)を添加し、65℃で4時間加熱した。溶媒を減圧下に除去し、残渣をEtOAcで希釈し、4N NaOH溶液で中和した。水層をEtOAcで抽出し、合わせた有機抽出物を、ブラインで洗い、乾燥し、濃縮した。得られた残渣をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(80/20→60/40)で精製して、4−(3−メトキシフェニル)シクロヘキサノン(3.67g、全収率85%)を黄色油状物として得た。1H NMR(CDCl3):7.25(dt,1H),6.75〜6.86(m,3H),3.81(s,3H),3.00(tt,1H);MS(EI)m/e 204(M+)、C13162についての計算値:204。
【0352】
工程3:
【0353】
【化129】
Figure 0004217069
【0354】
ガラス耐圧瓶中の、4−(3−メトキシフェニル)シクロヘキサノン(3.10g、15.20mmol)のエタノール(60mL)と水(20mL)中の溶液に、炭酸アンモニウム(8.75g、91.20mmol、6当量)およびシアン化カリウム(1.98g、30.40mmol、2当量)を添加した。混合物を80〜90℃で一夜加熱した。冷却した反応混合物を氷水(300ml)に添加し、30分間激しく撹拌した。得られた沈殿を吸引濾過し、水で充分に洗い、乾燥して、ヒダントインTを白色固体として得た(4.08g、収率98%)。1H NMR(DMSO−d6):7.11(d,1H),6.70〜6.94(m,3H),3.72(s,3H);MS(エレクトロスプレー)m/e 316(M+MeCN+H)、C151823についての計算値:274。
【0355】
工程4:
【0356】
【化130】
Figure 0004217069
【0357】
ヒダントインT(5.29g、19.30mmol)の無水THF(250mL)懸濁液に、重炭酸ジ−tert−ブチル(10.5g、48.16mmol、2.5当量)、トリエチルアミン(3.0mL、2.17g、21.52mmol、1.1当量)およびDMAP(235mg、1.92mmol)を順次添加した。反応液は、透明な黄色溶液に変化し、これを室温で一夜撹拌した。反応混合物を減圧下に濃縮して固形物を得て、これを次にEtOAc(500mL)に取り込み、1N HCl(3×50mL)、飽和Na2CO3水溶液(2×50mL)およびブライン(2×50mL)で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮した。淡黄色の粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc、80/20→60/40)により精製して、純ビス−BocヒダントインUを白色固体として得た(8.70g、収率95%)。MS(エレクトロスプレー)m/e 538(M+MeCN+Na)、C253427についての計算値:474。
【0358】
工程5:
【0359】
【化131】
Figure 0004217069
【0360】
ビス−BocヒダントインU(2.30g、4.84mmol)をDME(80mL)に溶解して、透明溶液を得た。この溶液に、1N NaOH(44ml、44mmol)を添加し、反応液を室温で一夜撹拌して、僅かに曇った混合物を得た。HPLCは反応の完了を示した。反応混合物を減圧下に濃縮してDMEを除去し、Et2Oで抽出した。精製することなく、得られた1−アミノ−4−(3−メトキシフェニル)シクロヘキサンカルボン酸(3−MeOAPC)を含む水層に、6N HClを加えてpHを11〜12に調節した。この溶液(約40mL)に、ジオキサン(80mL)およびFmoc−Cl(1.73g、6.76mmol、1.4当量)を添加し、反応液を室温で一夜撹拌した。反応混合物を減圧下に濃縮してDMEを除去し、3N HClで酸性にし、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を、ブラインで洗い、無水Na2SO4で乾燥し、濃縮した。粗生成物を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(CH2Cl2/MeOH、98/2→90/10)で精製して、Fmoc−3−MeOAPCを白色固体として得た(1.98g、ビス−BocヒダントインUからの収率87%)。1H NMR(DMSO−d6):7.88(d,2H),7.75(d,2H),7.40(td,2H),7.30(td,2H),7.21(m,1H),6.71〜6.80(m,3H),3.72(s,3H);MS(エレクトロスプレー)m/e 494(M+Na)、C2929NO5についての計算値:471。
【0361】
実施例29
Fmoc−(D,L)−5−ブロモ−2−アミノテトラリン−2−カルボン酸(Fmoc−(D,L)5−Br−Atc−OH)の調製
【0362】
工程1:
【0363】
【化132】
Figure 0004217069
【0364】
3−(2−ブロモフェニル)プロピオン酸(2−ブロモベンジルブロミドから2工程で調製、2.0g、8.73mmol)、塩化オキサリル(1.14ml、13.1mmol)および塩化メチレン(20ml)の混合物を氷浴中で冷却し、N,N−ジメチルホルムアミド(34μL、0.44mmol)を滴下した。混合物を室温で3時間撹拌した。減圧下に濃縮して、3−(2−ブロモフェニル)プロパノイルクロリドを得て、これを塩化メチレンに取り込み、粗生成物のままで次の工程に用いた。
【0365】
工程2:
【0366】
【化133】
Figure 0004217069
【0367】
前記酸クロリド(粗生成物、8.73mmol)の塩化メチレン溶液を、氷浴中で冷却したジアゾメタン(1−メチル−3−ニトロ−1−ニトロソグアニジン5.70gから得られた)のエーテル(40ml)溶液に、ゆっくり添加した。次に、混合物を室温まで暖め、一夜撹拌した。混合物を減圧下に濃縮し、カラムクロマトグラフィー(10→20%酢酸エチル/ヘキサン)で精製して、1−ジアゾ−4−(2−ブロモフェニル)ブタン−2−オン(1.88g、2工程で85%)を得た。1H NMR(CDCl3):δ7.50(1H,d,フェニル),7.24(2H,m,フェニル),7.06(1H,m,フェニル),5.21(1H,ブロードs,ジアゾ),3.05(2H,t,ベンジル性),2.62(2H,m)。
【0368】
工程3:
【0369】
【化134】
Figure 0004217069
【0370】
塩化メチレン(120ml)中の酢酸ロジウム(II)二量体(15mg、0.068mmol)の還流下の混合物に、1−ジアゾ−4−(2−ブロモフェニル)ブタン−2−オン(1.74g、6.85mmol)の塩化メチレン(30ml)溶液を添加した。添加完了後、混合物をさらに20分間還流した。混合物を室温まで冷却し、トリフルオロ酢酸(1.5ml)を添加し、混合物を室温で1時間撹拌した。反応液を飽和重炭酸ナトリウム溶液でクエンチした。層を分離し、塩化メチレン層を、飽和重炭酸ナトリウム溶液でもう一度洗った。合わせた水層を、塩化メチレンで逆抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下に濃縮して、褐色油状物を得た。カラムクロマトグラフィー(10→15%酢酸エチル/ヘキサン)で精製して5−ブロモ−β−テトラロン(1.18g、収率77%)を無色油状物として得た。1H NMR(CDCl3):δ7.46(1H,t,フェニル),7.05〜7.09(2H,m,フェニル),3.58(2H,s,ベンジル性),3.22(2H,t,ベンジル性),2.54(2H,t)。
【0371】
工程4:
【0372】
【化135】
Figure 0004217069
【0373】
密封した厚壁耐圧フラスコ中の、5−ブロモ−β−テトラロン(1.18g、5.24mmol)、シアン化カリウム(512mg、7.86mmol)、炭酸アンモニウム(3.0g、31.22mmol)、エタノール(25ml)および水(5ml)の混合物を、80℃の油浴中で4日間加熱した。室温まで冷却後、白色スラリーを氷水中に注ぎ、室温で2〜3時間撹拌した。濾過し、その後、風乾してヒダントインV(1.31g、85%)を得た。1H NMR(DMSO−d6):δ10.71(1H,ブロード,NH),8.28(1H,ブロードs,NH),7.0〜7.5(3H,m,フェニル)。LRMS(エレクトロスプレー):C1211BrN22についての計算値:294;実測値:293(M−H)、295(M−H)
【0374】
工程5:
【0375】
【化136】
Figure 0004217069
【0376】
密封した厚壁耐圧フラスコ中の、ヒダントインV(1.287g、4.36mmol)とBa(OH)2・H2O(4.20g、22.2mmol)の、水(25ml)中に含む混合物を、125℃の油浴中で4日間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、激しい撹拌下に、4N硫酸を用いて、pH約3まで酸性にした。懸濁液を、沸騰している水浴中で1時間撹拌し、室温まで冷却した。白色懸濁液を濾過し、沈殿を水で濯いだ。合わせた濾液と洗浄液を、減圧下に約20mlまで濃縮した。濃水酸化アンモニウム溶液で中和して、白色沈殿を得て、これを濾過し、水で洗い、減圧下に一夜乾燥してラセミ5−ブロモ−2−アミノテトラリン−2−カルボン酸(893mg、収率76%)を得た。LRMS(エレクトロスプレー)C1112BrNO2についての計算値:269;実測値:270(M+H)、272(M+H)、268(M−H)、270(M−H)。
【0377】
工程6:
【0378】
【化137】
Figure 0004217069
【0379】
ラセミ5−ブロモ−2−アミノテトラリン−2−カルボン酸(882mg、3.27mmol)、トリエチルアミン(0.60ml、4.30mmol)、9−フルオレニルメチルスクシンイミジルカーボネート(Fmoc−OSu、1.32g、3.91mmol)の、アセトニトリル(30ml)および水(30ml)中の混合物を、室温で一夜撹拌した。翌日、反応液をTLC分析すると、出発物質のアミノ酸の存在が示された。9−フルオレニルメチルスクシンイミジルカーボネート(0.25g)、トリエチルアミン(0.6ml)およびアセトニトリル(5ml)を添加し、混合物を室温でさらに1日撹拌した。反応混合物を減圧下に濃縮してアセトニトリルの大部分を除去し、10%クエン酸水溶液でpH約3まで酸性にし、白色エマルションを塩化メチレンで2回抽出した。合わせた有機層を、水およびブラインで洗い、硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過し、濃縮して粗油状物を得て、これをカラムクロマトグラフィー(2→5→10%メタノール/塩化メチレンで溶離)によって精製して、ラセミFmoc−5−ブロモ−2−アミノテトラリン−2−カルボン酸(1.09g、収率68%)を白色固体として得た。HRMS(FAB):C2622BrNNaO4(M+Na)についての計算値:514.0630;実測値:514.0643。
【0380】
実施例10
Fmoc−(D,L)−5−クロロ−2−アミノテトラリン−2−カルボン酸(Fmoc−(D,L)5−ClAtc−OH)の調製
【0381】
工程1:
【0382】
【化138】
Figure 0004217069
【0383】
3−(2−クロロフェニル)プロピオン酸(5.0g、27.1mmol)、塩化チオニル(10.9ml、149mmol)およびトルエン(75ml)の混合物を、2時間還流した。減圧下に濃縮して3−(2−クロロフェニル)プロパノイルクロリドを得、これを塩化メチレンに取り込み、さらに精製することなく次の工程に用いた。
【0384】
工程2:
【0385】
【化139】
Figure 0004217069
【0386】
前記酸クロリド(粗生成物、27.1mmol)の塩化メチレン溶液を、氷浴中で冷却された、ジアゾメタン(1−メチル−3−ニトロ−1−ニトロソグアニジン17.8gから得られた)のエーテル(120ml)溶液にゆっくり添加した。次に混合物を室温まで暖め、一夜撹拌した。混合物を減圧下に濃縮して、1−ジアゾ−4−(2−クロロフェニル)ブタン−2−オン(5.87g、2工程で>100%)を淡黄色油状物として得た。化合物をさらに精製することなく次の工程に用いた。1H NMR(CDCl3):δ7.05〜7.32(4H,m,フェニル),5.13(1H,ブロードs,ジアゾ),3.00(2H,t,ベンジル性),2.57(2H,m)。
【0387】
工程3:
【0388】
【化140】
Figure 0004217069
【0389】
酢酸ロジウム(II)二量体(60mg、0.27mmol)の還流下の塩化メチレン(400ml)中の混合物に、粗1−ジアゾ−4−(2−ブロモフェニル)ブタン−2−オン(5.87g、理論値27.1mmol)の塩化メチレン(50ml)溶液をゆっくり添加した。添加完了後、混合物をさらに20分間還流した。混合物を室温まで冷却し、トリフルオロ酢酸(6.0ml)を添加し、混合物を室温で2時間撹拌した。反応液を飽和重炭酸ナトリウム溶液でクエンチした。層を分離し、塩化メチレン層を飽和重炭酸ナトリウム溶液でもう一度洗った。合わせた水層を塩化メチレンで逆抽出した。合わせた有機層を、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下に濃縮して、褐色油状物を得た。カラムクロマトグラフィー(10→15%酢酸エチル/ヘキサン)で精製して、5−ブロモ−β−テトラロン(3.32g、工程1〜3についての収率68%)を淡褐色油状物として得た。1H NMR(CDCl3):δ7.30(1H,m,フェニル),7.15(1H,t,フェニル),7.05(1H,d,フェニル),3.60(2H,s,ベンジル性),3.22(2H,t,ベンジル性),2.56(2H,t)。
【0390】
工程4:
【0391】
【化141】
Figure 0004217069
【0392】
密封した厚壁耐圧フラスコ中の、5−クロロ−β−テトラロン(880mg、4.87mmol)、シアン化カリウム(500mg、7.67mmol)、炭酸アンモニウム(2.85g、29.7mmol)、エタノール(25ml)および水(5ml)の混合物を、80℃の油浴中で66時間加熱した。室温まで冷却後、スラリーを氷水中に注ぎ込み、室温で2〜3時間撹拌した。濾過し、続いて風乾して、ヒダントインW(0.92g、75%)を淡ベージュ色固体として得た。1H NMR(DMSO−d6):δ10.70(1H,ブロード,NH),8.25(1H,ブロードs,NH),7.0〜7.3(3H,m,フェニル)。LRMS(エレクトロスプレー)C1211ClN22についての計算値:250;実測値:249(M−H),251(M−H)。
【0393】
工程5:
【0394】
【化142】
Figure 0004217069
【0395】
密封した厚壁耐圧フラスコ中の、ヒダントインW(880mg、3.51mmol)とBa(OH)2・H2O(3.40g、18mmol)を水(50ml、希釈用)中に含む混合物を、125℃の油浴中で2日間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、激しい撹拌下に4N硫酸を用いてpH約3まで酸性にした。懸濁液を、沸騰している水浴中で2時間撹拌し、室温まで冷却した。白色懸濁液を濾過し、沈殿を水で濯いだ。合わせた濾液と洗浄液を、減圧下に約50mlまで濃縮した。濃水酸化アンモニウム溶液で中和して、白色沈殿を得て、これを濾過し、水で洗い、減圧下に一夜乾燥して、ラセミ5−クロロ−2−アミノテトラリン−2−カルボン酸(788mg、収率99%)を得た。LRMS(エレクトロスプレー)C1112ClNO2についての計算値:225;実測値:226(M+H)、228(M+H)、224(M−H)、226(M−H)。
【0396】
工程6:
【0397】
【化143】
Figure 0004217069
【0398】
ラセミ5−クロロ−2−アミノテトラリン−2−カルボン酸(402mg、1.78mmol)、トリエチルアミン(0.38ml、2.73mmol)、9−フルオレニルメチルスクシンイミジルカーボネート(Fmoc−OSu、904mg、2.68mmol)を、アセトニトリル(20ml)と水(20ml)中に含む混合物を、室温で2日間撹拌した。2日後、反応液をTLC分析すると、出発物質のアミノ酸の存在が示された。9−フルオレニルメチルスクシンイミジルカーボネート(0.12g)およびトリエチルアミン(0.1ml)を添加し、混合物を室温でさらに1日撹拌した。反応混合物を減圧下に濃縮してアセトニトリルの大部分を除去し、10%クエン酸水溶液でpH約3まで酸性にし、白色エマルションを酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層を、水およびブラインで洗い、硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過し、濃縮して粗油状物を得て、これをカラムクロマトグラフィー(3→6→8%メタノール/塩化メチレンで溶離)により精製して、ラセミFmoc−5−クロロ−2−アミノテトラリン−2−カルボン酸(540mg、収率68%)を白色固体として得た。HRMS(EI):C2622ClNO4(M)についての計算値:447.1237;実測値:447.1234。
【0399】
実施例11
Fmoc−(D,L)−5−メトキシ−2−アミノテトラリン−2−カルボン酸(Fmoc−(D,L)5−MeAtc−OH)の調製
【0400】
工程1:
【0401】
【化144】
Figure 0004217069
【0402】
ラセミ5−メトキシ−2−アミノテトラリン−2−カルボン酸(Obrecht,D.ら、Helv.Chim Acta.1992年、第75巻、1666頁に従って調製)(802mg、3.62mmol)、トリエチルアミン(0.62ml、4.45mmol)、9−フルオレニルメチルスクシンイミジルカーボネート(Fmoc−OSu、1.47g、4.36mmol)を、アセトニトリル(25ml)と水(25ml)中に含む混合物を、室温で30分間撹拌した。反応液をTLC分析すると、出発物質のアミノ酸の存在が示された。9−炭酸フルオレニルメチルスクシンイミジルカーボネート(379mg)およびトリエチルアミン(0.6ml)を添加し、混合物を室温でさらに24時間撹拌した。反応混合物を減圧下に濃縮してアセトニトリルの大部分を除去し、10%クエン酸水溶液でpH約3まで酸性にし、白色エマルションを酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層を、水およびブラインで洗い、硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過し、濃縮して粗油状物を得て、これをカラムクロマトグラフィー(1→3→5→10%メタノール/塩化メチレンで溶離)により精製して、ラセミFmoc−5−メトキシ−2−アミノテトラリン−2−カルボン酸(1.14g、収率71%)を、灰色がかった白色固体として得た。HRMS(FAB):C2726NO5(M+H)についての計算値:447.1812;実測値:444.1814。
【0403】
実施例12
Fmoc−(D,L)−5−エトキシ−2−アミノテトラリン−2−カルボン酸(Fmoc−(D,L)5−EtAtc−OH)の調製
【0404】
工程1:
【0405】
【化145】
Figure 0004217069
【0406】
1,6−ジヒドロキシナフタレン(5.02g、31.3mmol)、無水炭酸カリウム(52.0g、376mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド(50ml)およびヨードエタン(15ml、188mmol)の混合物を、35℃の油浴中で24時間撹拌した。反応混合物を濾過し、固体残渣をエチルエーテルで完全に濯いだ。濾液と洗浄液を合わせ、減圧下に濃縮して溶媒の大部分を除去した。褐色残渣を水とエーテルとで分配し、層を分離した。エーテル層を水で洗った。合わせた水層をエーテルで逆抽出した。エーテル抽出物を合わせ、ブラインで洗い、硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過し、濃縮して、未精製の褐色固体(6.74g、収率99%)を得た。熱いメタノールから粗生成物を再結晶して、1,6−ジヒドロキシナフタレン(4.36g、収率64%、第一の生成物)を淡褐色固体として得た。1H NMR(CDCl3):δ8.20(1H,d,フェニル),7.06〜7.36(4H,m,フェニル),6.66(1H,dd,フェニル),4.10〜4.23(4H,2組のq、2CH2),1.45〜1.56(6H,2組のt、2CH3)。
【0407】
工程2:
【0408】
【化146】
Figure 0004217069
【0409】
1,6−ジエトキシナフタレン(4.15g、19.2mmol)の還流下の無水エタノール(100ml)溶液に、ナトリウム金属の小片(6.8g、296mmol)を60分間かけて注意深く添加した。混合物をさらに90分間還流した。TLCは、未反応の出発物質の存在を示した。さらなるナトリウム金属(1.0g、43.5mmol)を添加し、反応混合物をさらに60分間還流した。反応液を室温まで冷却し、水でクエンチし、濃塩酸で酸性にした。混合物を減圧下に濃縮してエタノールの大部分を除去した。水性混合物をエーテルで3回抽出した。合わせた有機層を、水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過し、濃縮して褐色固体を得て、これを1:1エタノール/水(200ml)に溶解し、次に、p−トルエンスルホン酸(400mg)を添加した。混合物を210分間還流した。さらなるp−トルエンスルホン酸(100mg)を添加し、混合物をさらに60分間還流した。室温まで冷却後、エタノールの大部分を減圧下に除去した。水性混合物をエーテルで3回抽出し、合わせた有機層を、水および飽和塩化ナトリウム溶液で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過し、濃縮して褐色油状物を得て、これをカラムクロマトグラフィー(7%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、5−エトキシ−β−テトラロン(2.43g、収率67%)を淡黄色油状物として得た。1H NMR(CDCl3):δ7.15(1H,t,フェニル),6.76(1H,d,フェニル),6.72(1H,d,フェニル),4.05(2H,q,CH2),3.56(2H,s,ベンジル性),3.10(2H,t,ベンジル性),2.53(2H,t),1.44(3H,t,CH3)。
【0410】
工程3:
【0411】
【化147】
Figure 0004217069
【0412】
密封した厚壁耐圧フラスコ中の、5−エトキシ−β−テトラロン(2.23g、11.7mmol)、シアン化カリウム(1.20g、18.4mmol)、炭酸アンモニウム(6.75g、70.2mmol)、エタノール(80ml)および水(20ml)の混合物を、80℃の油浴中で3日間加熱した。室温まで冷却後、スラリーを氷水中に注ぎ込み、室温で2〜3時間撹拌した。濾過し、続いて風乾してヒダントインX(2.69g、88%)をベージュ色固体として得た。
【0413】
【表22】
Figure 0004217069
【0414】
工程4:
【0415】
【化148】
Figure 0004217069
【0416】
密封した厚壁耐圧フラスコ中の、ヒダントインX(2.57g、9.87mmol)とBa(OH)2・H2O(9.40g、49.6mmol)を水(200ml、希釈兼用)中に含む混合物を、105℃の油浴中で39時間加熱した。さらなるBa(OH)2・H2O(9.40g、49.6mmol)を添加し、混合物を125℃の油浴中でさらに21時間過熱した。反応混合物を室温まで冷却し、激しい撹拌下に4N硫酸を用いてpH約3まで酸性にした。懸濁液を、沸騰している水浴中で1時間撹拌し、室温まで冷却した。白色懸濁液を濾過し、沈殿を水で濯いだ。合わせた濾液と洗浄液を減圧下に約75mlまで濃縮した。濃水酸化アンモニウム溶液で中和して、白色沈殿を得て、これを濾過し、水で洗い、風乾して、ラセミ5−エトキシ−2−アミノテトラリン−2−カルボン酸(2.34g、定量的収率)を淡ベージュ色固体として得た。LRMS(エレクトロスプレー)C1317NO3についての計算値:235;実測値:236(M+H)、234(M−H)。
【0417】
工程5:
【0418】
【化149】
Figure 0004217069
【0419】
ラセミ5−エトキシ−2−アミノテトラリン−2−カルボン酸(2.22g、9.44mmol)、トリエチルアミン(2.00ml、14.3mmol)、9−フルオレニルメチルスクシンイミジルカーボネート(Fmoc−OSu、4.81g、14.3mmol)をアセトニトリル(75ml)と水(75ml)中に含む混合物を、室温で2日間撹拌した。反応液をTLC分析すると、出発物質のアミノ酸の存在が示された。9−フルオレニルメチルスクシンイミジルカーボネート(645mg)およびトリエチルアミン(1.0ml)を添加し、混合物を室温でさらに1日撹拌した。反応混合物を減圧下に濃縮してアセトニトリルの大部分を除去し、10%クエン酸水溶液でpH約3まで酸性にし、白色エマルションを酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層を、水およびブラインで洗い、硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過し、濃縮して粗油状物を得て、これをカラムクロマトグラフィー(3→5→10%メタノール/塩化メチレンで溶離)により精製して、ラセミFmoc−5−エトキシ−2−アミノテトラリン−2−カルボン酸(4.66g、>定量的収量)を白色固体として得た。HRMS(FAB):C2828NO5(M+H)についての計算値:458.1967;実測値:458.1985。
【0420】
実施例13
Fmoc−(D,L)−5−イソプロポキシ−2−アミノテトラリン−2−カルボン酸(Fmoc−(D,L)5−iPrOAtc−OH)の調製
【0421】
工程1:
【0422】
【化150】
Figure 0004217069
【0423】
6−メトキシ−1−テトラロン(5.07g、28.8mmol)および10%Pd/C(3.53g、3.32mmol)を乾燥p−シメン(250ml)中に含む混合物を、アルゴン雰囲気下に38時間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却し、セライトで濾過し、残渣をp−シメンで完全に濯いだ。濾液と洗浄液を合わせ、1N塩化ナトリウム溶液(2×70ml)で2回抽出した。合わせた水性抽出物を、6N塩酸でpH約3まで酸性にし、エーテルで3回抽出した。合わせた有機層を水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過し、濃縮することにより、粗5−ヒドロキシ−6−メトキシナフタレン(2.31g、収率46%)が淡褐色固体として得られ、これをさらに精製することなく次の工程に用いた。LRMS(エレクトロスプレー)C11102についての計算値:174;実測値:173(M−H)。
【0424】
工程2:
【0425】
【化151】
Figure 0004217069
【0426】
5−ヒドロキシ−6−メトキシナフタレン(2.10g、12.1mmol)、炭酸セシウム(19.7g、60.5mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド(12ml)および2−ブロモプロパン(3.50ml、36.9mmol)の混合物を、40℃の油浴中で一夜撹拌した。反応混合物を濾過し、固体残渣をエチルエーテルで完全に濯いだ。濾液と洗浄液を合わせ、減圧下に濃縮して溶媒の大部分を除去した。褐色の残渣を水とエーテルとに分配し、層を分離した。エーテル層を水で洗った。合わせた水層をエーテルで逆抽出した。エーテル抽出物を合わせ、ブラインで洗い、硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過し、濃縮して粗生成物を得て、これをカラムクロマトグラフィー(2.5→5%酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、1−イソプロポキシ−6−メトキシナフタレン(2.23g、収率86%)を淡褐色油状物として得た。1H NMR(CDCl3):δ8.17(1H,d,フェニル),7.05〜7.38(4H,m,フェニル),6.72(1H,dd,フェニル),4.73(1H,m,iPrのCH),3.92(3H,s,OCH3),1.42(6H,d,iPrの2CH3)。
【0427】
工程3:
【0428】
【化152】
Figure 0004217069
【0429】
1−イソプロポキシ−6−メトキシナフタレン(2.23g、10.3mmol)の還流下の無水エタノール(50ml)溶液に、ナトリウム金属の小片(3.6g、157mmol)を45分間かけて注意深く添加した。混合物をさらに120分間還流した。反応液を室温まで冷却し、水でクエンチし、濃塩酸で酸性にした。混合物を減圧下に濃縮してエタノールの大部分を除去した。水性混合物をエーテルで3回抽出した。合わせた有機層を、水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過し、濃縮して赤色がかった油状物を得て、これを1:1エタノール/水(90ml)に溶解し、次に、p−トルエンスルホン酸(200mg)を添加した。混合物を60分間還流した。室温まで冷却後、エタノールの大部分を減圧下に除去した。水性混合物をエーテルで2回抽出し、合わせた有機層を、水および飽和塩化ナトリウム溶液で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過し、濃縮して赤色がかった油状物を得て、これをカラムクロマトグラフィー(8→15%酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、5−イソプロポキシ−β−テトラロン(1.37g、収率65%)を無色油状物として得た。1H NMR(CDCl3):δ7.16(1H,t,フェニル),6.78(1H,d,フェニル),6.71(1H,d,フェニル),4.53(1H,m,iPrのCH),3.56(2H,s,ベンジル性),3.08(2H,t,ベンジル性),2.50(2H,t),1.37(6H,d,iPrの2CH3)。
【0430】
工程4:
【0431】
【化153】
Figure 0004217069
【0432】
密封した厚壁耐圧フラスコ中の、5−イソプロポキシ−β−テトラロン(1.37g、6.71mmol)、シアン化カリウム(660mg、10.1mmol)、炭酸アンモニウム(3.87g、40.3mmol)、エタノール(44ml)および水(9ml)の混合物を、80℃の油浴中で42時間加熱した。室温まで冷却後、スラリーを氷水中に注ぎ込み、室温で2〜3時間撹拌した。濾過し、続いて風乾して、ヒダントインY(1.64g、89%)を得た。
【0433】
工程5:
【0434】
【化154】
Figure 0004217069
【0435】
密封した厚壁耐圧フラスコ中の、ヒダントインY(1.64g、5.98mmol)とBa(OH)2・H2O(5.66g、29.9mmol)を水(25ml)中に含む混合物を、100℃の油浴中で70時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、激しい撹拌下に4N硫酸を用いてpH約7に中和した。懸濁液を沸騰している水浴中で1時間撹拌し、室温まで冷却した。1N水酸化ナトリウム溶液で塩基性にし、白色懸濁液を濾過し、沈殿を水で濯いだ。合わせた濾液と洗浄液を、減圧下に約75mlまで濃縮した。濃塩酸溶液で中和して、白色沈殿を得、これを濾過し、水で洗い、風乾してラセミ5−イソプロポキシ−2−アミノテトラリン−2−カルボン酸(3.48g、湿っていて無機塩を含む、>定量的収率)を得た。LRMS(エレクトロスプレー):C1419NO3についての計算値:249;実測値:248(M−H)。
【0436】
工程6:
【0437】
【化155】
Figure 0004217069
【0438】
ラセミ5−イソプロポキシ−2−アミノテトラリン−2−カルボン酸(3.48g、理論値5.98mmol)、トリエチルアミン(1.10ml、7.89mmol)、9−フルオレニルメチルスクシンイミジルカーボネート(Fmoc−OSu、2.62g、7.77mmol)を、アセトニトリル(30ml)と水(30ml)中に含む混合物を、室温で1日間撹拌した。反応液をTLC分析すると、出発物質のアミノ酸の存在が示された。9−フルオレニルメチルスクシンイミジルカーボネート(500mg)を添加し、混合物を室温でさらに1日撹拌した。反応混合物を減圧下に濃縮してアセトニトリルの大部分を除去し、10%クエン酸水溶液でpH約3まで酸性にし、白色エマルションを塩化メチレンで3回抽出した。合わせた有機層を、水およびブラインで洗い、硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過し、濃縮して粗油状物を得て、これをカラムクロマトグラフィー(1→2→5→8%メタノール/塩化メチレンで溶離)により精製して、ラセミFmoc−5−イソプロポキシ−2−アミノテトラリン−2−カルボン酸(0.50g、2工程での収率18%)を白色固体として得た。HRMS(FAB):C2930NO5(M+H)についての計算値:472.2124;実測値:472.2117。
【0439】
実施例14
Fmoc−(D,L)−5−メチル−2−アミノテトラリン−2−カルボン酸(Fmoc−(D,L)5−MeAtc−OH)の調製
【0440】
工程1:
【0441】
【化156】
Figure 0004217069
【0442】
2−メチルヒドロケイ皮酸(3.0g、18.3mmol)、塩化オキサリル(3.19ml、36.6mmol)および塩化メチレン(30ml)の混合物を氷浴中で冷却し、N,N−ジメチルホルムアミド(0.14ml、1.81mmol)を滴下した。混合物を室温で一夜撹拌した。減圧下に濃縮して、3−(2−メチルフェニル)プロパノイルクロリドを得て、これを塩化メチレン中に取り込み、粗生成物として次の工程で用いた。
【0443】
工程2:
【0444】
【化157】
Figure 0004217069
【0445】
前記酸クロリド(粗生成物、18.3mmol)の塩化メチレン溶液を、ジアゾメタン(1−メチル−3−ニトロ−1−ニトロソグアニジン11.9gから得られた)の、氷浴中で冷却されたエーテル(80ml)溶液にゆっくり添加した。次に混合物を室温まで暖め、一夜撹拌した。混合物を減圧下に濃縮し、カラムクロマトグラフィー(10→20%酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、1−ジアゾ−4−(2−メチルフェニル)ブタン−2−オン(2.08g、2工程で60%)を、淡黄色油状物として得た。
【0446】
工程3:
【0447】
【化158】
Figure 0004217069
【0448】
酢酸ロジウム(II)二量体(24mg、0.109mmol)を塩化メチレン(200ml)中に含む還流下の混合物に、1−ジアゾ−4−(2−メチルフェニル)ブタン−2−オン(2.08g、11.1mmol)の塩化メチレン(50ml)溶液に、180分間かけてゆっくり添加した。添加完了後、混合物をさらに20分間還流した。混合物を室温まで冷却し、トリフルオロ酢酸(2.40ml)を添加し、混合物を室温で1時間撹拌した。反応液を飽和重炭酸ナトリウム溶液でクエンチした。層を分離し、塩化メチレン層を飽和重炭酸ナトリウム溶液でもう一度洗った。合わせた水層を塩化メチレンで逆抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下に濃縮して褐色の粗油状物を得た。カラムクロマトグラフィー(15%酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、5−メチル−β−テトラロン(1.48g、収率84%)を淡褐色油状物として得た。1H NMR(CDCl3):δ6.90〜7.20(3H,m,フェニル),3.58(2H,s,ベンジル性),3.03(2H,t,ベンジル性),2.55(2H,t),2.34(3H,s,CH3)。
【0449】
工程4:
【0450】
【化159】
Figure 0004217069
【0451】
密封した厚壁耐圧フラスコ中の、5−メチル−β−テトラロン(1.48g、9.24mmol)、シアン化カリウム(902mg、13.9mmol)、炭酸アンモニウム(5.33g、55.5mmol)、エタノール(45ml)および水(9ml)の混合物を、80℃の油浴中で3日間加熱した。室温まで冷却後、スラリーを氷水中に注ぎ込み、室温で2〜3時間撹拌した。濾過し、続いて風乾して、ヒダントインZ(1.81g、収率85%)をベージュ色固体として得た。1H NMR(DMSO−d6):δ10.66(1H,ブロード s,NH),8.22(1H,ブロードs,NH),6.85〜7.05(3H,m,フェニル),2.17(3H,s,CH3)。
【0452】
工程5:
【0453】
【化160】
Figure 0004217069
【0454】
密封した厚壁耐圧フラスコ中の、ヒダントインZ(1.80g、7.82mmol)およびBa(OH)2・H2O(7.40g、39.1mmol)を水(28ml)中に含む混合物を、125℃の油浴中で88時間加熱した。反応混合物を、室温まで冷却し、激しい撹拌下に4N硫酸を用いてpH約3まで酸性にした。懸濁液を沸騰している水浴中で1時間撹拌し、室温まで冷却した。白色懸濁液を濾過し、沈殿を水で濯いだ。合わせた濾液と洗浄液を、減圧下に約50mlまで濃縮した。濃水酸化アンモニウム溶液で中和して、白色沈殿を得、これを濾過し、水で洗い、風乾して、ラセミ5−メチル−2−アミノテトラリン−2−カルボン酸(1.05g、収率65%)をベージュ色固体として得た。LRMS(エレクトロスプレー):C1215NO2についての計算値:205;実測値:206(M+H)。
【0455】
工程6:
【0456】
【化161】
Figure 0004217069
【0457】
ラセミ5−メチル−2−アミノテトラリン−2−カルボン酸(1.05g、5.12mmol)、トリエチルアミン(0.93ml、6.67mmol)および9−フルオレニルメチルスクシンイミジルカーボネート(Fmoc−OSu、2.24g、6.64mmol)を、アセトニトリル(30ml)と水(30ml)中に含む混合物を、室温で2日間撹拌した。反応液をTLC分析すると、出発物質のアミノ酸の存在が示された。9−フルオレニルメチルスクシンイミジルカーボネート(520mg)を添加し、混合物を室温でさらに24時間撹拌した。反応混合物を減圧下に濃縮してアセトニトリルの大部分を除去し、10%クエン酸水溶液でpH約3まで酸性にし、白色エマルションを塩化メチレンで2回抽出した。合わせた有機層を、水およびブラインで洗い、硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過し、濃縮して、粗油状物を得て、これをカラムクロマトグラフィー(2→5→8%メタノール/塩化メチレンで溶離)により精製して、ラセミFmoc−5−メチル−2−アミノテトラリン−2−カルボン酸(1.62g、収率74%)を、淡褐色固体として得た。HRMS(FAB):C2726NO4(M+H)についての計算値:428.1862;実測値:428.1844。
【0458】
実施例15
Fmoc−(D,L)−5−エチル−2−アミノテトラリン−2−カルボン酸(Fmoc−(D,L)5−EtAtc−OH)の調製
【0459】
工程1:
【0460】
【化162】
Figure 0004217069
【0461】
3−(2−エチルフェニル)プロピオン酸(1−エチル−2−ヨードベンゼンから3工程で調製、4.24g、23.8mmol)、塩化チオニル(9.50ml、130mmol)およびトルエン(100ml)の混合物を、2時間還流した。減圧下に濃縮して、3−(2−エチルフェニル)プロパノイルクロリドを得、これを塩化メチレン中に取り込み、粗生成物として次の工程で用いた。
【0462】
工程2:
【0463】
【化163】
Figure 0004217069
【0464】
3−(2−エチルフェニル)プロパノイルクロリド(粗生成物、23.8mmol)を塩化メチレン中に含む溶液を、ジアゾメタン(1−メチル−3−ニトロ−1−ニトロソグアニジン15.6gから得られた)の氷浴中で冷却されたエーテル(100ml)溶液に、ゆっくり添加した。次に混合物を室温まで暖め、一夜撹拌した。混合物を減圧下に濃縮し、カラムクロマトグラフィー(10→20%酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、1−ジアゾ−4−(2−エチルフェニル)ブタン−2−オン(3.47g、2工程で72%)を得た。1H NMR(CDCl3):δ7.1〜7.25(4H,m,フェニル),5.21(1H,ブロードs,ジアゾ),2.97(2H,m,エチルのCH2),1.20(3H,t,CH3)。
【0465】
工程3:
【0466】
【化164】
Figure 0004217069
【0467】
酢酸ロジウム(II)二量体(38mg、0.172mmol)を塩化メチレン(300ml)中に含む還流下の混合物に、1−ジアゾ−4−(2−エチルフェニル)ブタン−2−オン(3.47g、17.2mmol)の塩化メチレン(50ml)溶液を、90分間かけてゆっくり添加した。添加完了後、混合物をさらに20分間還流した。混合物を室温まで冷却し、トリフルオロ酢酸(3.75ml)を添加し、混合物を室温で1時間撹拌した。反応液を飽和重炭酸ナトリウム溶液でクエンチした。層を分離し、塩化メチレン層を飽和重炭酸ナトリウム溶液でもう一度洗った。合わせた水層を塩化メチレンで逆抽出した。合わせた有機層を、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下に濃縮して、粗5−エチル−β−テトラロン(3.09g、>定量的収量)を、赤褐色油状物として得た。化合物をさらに精製することなく、次の工程に用いた。1H NMR(CDCl3):δ6.9〜7.2(3H,m,フェニル),3.58(2H,s,ベンジル性),3.08(2H,s,ベンジル性),2.70(2H,q,エチルのCH2),2.52(2H,t,ベンジル性),1.20(3H,t,エチルのCH3)。
【0468】
工程4:
【0469】
【化165】
Figure 0004217069
【0470】
密封した厚壁耐圧フラスコ中の、5−エチル−β−テトラロン(3.09g、17.7mmol)、シアン化カリウム(1.73g、26.6mmol)、炭酸アンモニウム(10.2g、106mmol)、エタノール(80ml)および水(16ml)の混合物を、80℃の油浴中で48時間加熱した。室温まで冷却後、白色スラリーを氷水中に注ぎ込み、室温で2〜3時間撹拌した。濾過し、続いて風乾してヒダントインAA(3.85g、2工程で収率92%)を淡ベージュ色固体として得た。1H NMR(DMSO−d6):δ10.67(1H,ブロード s,NH),8.26(1H,ブロード s,NH),6.8〜7.1(3H,m,フェニル),1.13(3H,t,CH3)。LRMS(エレクトロスプレー):C141622についての計算値:244;実測値:243(M−H)
【0471】
工程5:
【0472】
【化166】
Figure 0004217069
【0473】
密封した厚壁耐圧フラスコ中の、ヒダントインAA(1.00g、4.09mmol)およびBa(OH)2・H2O(4.00g、21.1mmol)を水(20ml)中に含む混合物を、125℃の油浴中で48時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、激しい撹拌下に4N硫酸を用いてpH約3まで酸性にした。懸濁液を、沸騰している水浴中で2時間撹拌し、室温まで冷却した。白色懸濁液を濾過し、沈殿を水で濯いだ。合わせた濾液と洗浄液を、減圧下に約50mlまで濃縮した。濃水酸化アンモニウム溶液で中和して、白色沈殿を得て、これを濾過し、水で洗い、減圧下に一夜乾燥して、ラセミ5−エチル−2−アミノテトラリン−2−カルボン酸(796mg、収率89%)を得た。LRMS(エレクトロスプレー):C1317NO2についての計算値:219;実測値:220(M+H)。
【0474】
工程6:
【0475】
【化167】
Figure 0004217069
【0476】
ラセミ5−エチル−2−アミノテトラリン−2−カルボン酸(765mg、3.49mmol)、トリエチルアミン(1.0ml、7.17mmol)、9−フルオレニルメチルスクシンイミジルカーボネート(Fmoc−OSu、1.79g、5.31mmol)を、アセトニトリル(40ml)と水(40ml)中に含む混合物を、室温で2日間撹拌した。反応混合物を減圧下に濃縮してアセトニトリルの大部分を除去し、10%クエン酸水溶液でpH約3まで酸性にし、白色エマルションを塩化メチレンで2回、酢酸エチルで2回抽出した。塩化メチレン抽出物を水およびブラインで洗い、硫酸マグネシウムで乾燥した。酢酸エチル抽出物を、水およびブラインで洗い、硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過し、濃縮して粗油状物を得て、これをカラムクロマトグラフィー(2→5→8%メタノール/塩化メチレンで溶離)により精製して、ラセミFmoc−5−エチル−2−アミノテトラリン−2−カルボン酸(330mg、収率21%)を白色固体として得た。HRMS(FAB):C2828NO4(M+H)についての計算値:442.2018;実測値:442.2010
【0477】
実施例16
Fmoc−(D,L)−5−イソプロピル−2−アミノテトラリン−2−カルボン酸(Fmoc−(D,L)5−iPrAtc−OH)の調製
【0478】
工程1:
【0479】
【化168】
Figure 0004217069
【0480】
3−(2−イソプロピルフェニル)プロピオン酸(1−イソプロピル−2−ヨードベンゼンから3工程で調製,2.01g,10.5mmol)、塩化チオニル(4.30ml,59.0mmol)およびトルエン(40ml)の混合物を、2時間還流した。減圧下に濃縮して3−(2−イソプロピルフェニル)プロパノイルクロリドを得て、これを塩化メチレンに取り込み、粗生成物として次の工程に用いた。
【0481】
工程2:
【0482】
【化169】
Figure 0004217069
【0483】
3−(2−イソプロピルフェニル)プロパノイルクロリド(粗生成物、10.5mmol)の塩化メチレン溶液を、ジアゾメタン(1−メチル−3−ニトロ−1−ニトロソグアニジン6.95gから得た)の氷浴中で冷却されたエーテル(50ml)溶液にゆっくり添加した。次に、混合物を室温まで暖め、一夜撹拌した。混合物を減圧下に濃縮し、カラムクロマトグラフィー(20%酢酸エチル/ヘキサン)で精製して、1−ジアゾ−4−(2−イソプロピルフェニル)ブタン−2−オン(1.87g、2段階で82%)を淡黄色油状物として得た。1H NMR(CDCl3):δ7.10〜7.30(4H,m,フェニル),5.21(1H,ブロードs,ジアゾ),3.15(1H,m,iPrのCH),3.00(2H,t,ベンジル性),2.57(2H,m),1.24(6H,d,iPrの2CH3)。
【0484】
工程3:
【0485】
【化170】
Figure 0004217069
【0486】
酢酸ロジウム(II)二量体(20mg、0.091mmol)を塩化メチレン(160ml)中に含む還流下の混合物に、1−ジアゾ−4−(2−ブロモフェニル)ブタン−2−オン(1.87g、8.65mmol)の塩化メチレン(25ml)溶液を60分間かけてゆっくり添加した。添加完了後、混合物をさらに15分間還流した。混合物を室温まで冷却し、トリフルオロ酢酸(1.90ml)を添加し、混合物を室温で45分間撹拌した。反応液を飽和重炭酸ナトリウム溶液でクエンチした。層を分離し、塩化メチレン層を飽和重炭酸ナトリウム溶液でもう一度洗った。合わせた水層を塩化メチレンで逆抽出した。合わせた有機層を、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下に濃縮して、褐色の粗油状物を得た。カラムクロマトグラフィー(5%酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、5−イソプロピル−β−テトラロン(1.57g、収率96%)を淡黄色油状物として得た。1H NMR(CDCl3)δ6.93〜7.22(3H,m,フェニル),3.59(2H,s,ベンジル性),3.24(1H,m,iPrのCH),3.12(2H,t,ベンジル性),2.52(2H,t),1.27(6H,d,iPrの2CH3)。
【0487】
工程4:
【0488】
【化171】
Figure 0004217069
【0489】
密封した厚壁耐圧フラスコ中の、5−イソプロピル−β−テトラロン(1.57g、8.34mmol)、シアン化カリウム(0.82g、12.6mmol)、炭酸アンモニウム(4.81g、50.1mmol)、エタノール(40ml)および水(10ml)の混合物を、80℃の油浴中で48時間加熱した。室温まで冷却後、褐色スラリーを氷水中に注ぎ込み、室温で2時間撹拌した。濾過し、続いて風乾して、粗ヒダントインBBをベージュ色固体として得て、これをさらに精製することなく次の工程に用いた。1H NMR(DMSO−d6)δ10.69(1H,ブロード s,NH),8.30(1H,ブロード s,NH),6.85〜7.32(3H,m,フェニル),1.15(6H,t,CH3)。LRMS(エレクトロスプレー):C151822についての計算値:258;実測値:539(2M+Na)。
【0490】
工程5:
【0491】
【化172】
Figure 0004217069
【0492】
密封した厚壁耐圧フラスコ中の、ヒダントインBB(粗生成物、理論値8.34mmol)とBa(OH)2・H2O(7.90g、41.7mmol)を水(40ml)中に含む混合物を、125℃の油浴中で38時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、激しい撹拌下に4N硫酸を用いてpH約3まで酸性にした。懸濁液を、沸騰している水浴中で2時間撹拌し、室温まで冷却した。白色懸濁液を濾過し、沈殿を水で濯いだ。合わせた濾液と洗浄液を、減圧下に約50mlまで濃縮した。濃水酸化アンモニウム溶液で中和して、白色沈殿を得て、これを濾過し、水で洗い、減圧下に一夜乾燥して、ラセミ5−イソプロピル−2−アミノテトラリン−2−カルボン酸(1.23g、2工程の収率63%)をベージュ色固体として得た。LRMS(エレクトロスプレー):C1419NO2についての計算値:233;実測値:232(M−H)。
【0493】
工程6:
【0494】
【化173】
Figure 0004217069
【0495】
ラセミ5−イソプロピル−2−アミノテトラリン−2−カルボン酸(250mg、1.07mmol)、トリエチルアミン(1.2ml、8.61mmol)、9−フルオレニルメチルスクシンイミジルカーボネート(Fmoc−OSu、2.70g、8.00mmol)を、アセトニトリル(30ml)と水(30ml)中に含む混合物を、室温で2日間撹拌した。反応混合物を減圧下に濃縮してアセトニトリルの大部分を除去し、10%クエン酸水溶液でpH約3まで酸性にし、白色エマルションを酢酸エチルで抽出した。有機層を、水およびブラインで洗い、硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過し、濃縮して粗油状物を得、これをカラムクロマトグラフィー(2→5→8%メタノール/塩化メチレンで溶離)により精製して、ラセミFmoc−5−イソプロピル−2−アミノテトラリン−2−カルボン酸(208mg、収率43%)を灰色がかった白色泡状物として得た。HRMS(FAB):C2930NO4(M+H)についての計算値:456.2175;実測値:456.2184。
【0496】
実施例17
Fmoc−4−アミノ−1−フェニルピペリジン−4−カルボン酸(Fmoc−Appc−OH)の調製
【0497】
工程1:
【0498】
【化174】
Figure 0004217069
【0499】
ヨードベンゼン(6.37g、3.5mL、31.2mmol)、1,4−ジオキサ−8−アザスピロ〔4.5〕デカン(10.32g、9.3mL、72.2mmol、2.3当量)およびナトリウムtert−ブトキシド(8.0g、83.3mmol、2.7当量)の無水ジオキサン(120mL)溶液に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(91mg、0.1mmol)およびトリ−o−トリルホスフィン(180mg、0.591mmol)を添加した。反応液を90℃で26時間加熱した。得られた反応混合物を濃縮して溶媒を除去した。残渣を水で処理し、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を一緒にし、ブラインで洗い、Na2SO4で乾燥し、濃縮して褐色油状物を得た。この粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc、95/5→75/25)により精製して、純生成物CCを微黄色固体(6.08g、89%)として得た。1H NMR(CDCl3)7.25(ddt,2H),6.95(dd,2H),6.84(t,1H),4.00(s,4H),3.32(t,4H)および1.84(t,4H);MS(エレクトロスプレー)m/e 220(M+H),C1317NO2についての計算値:219。
【0500】
工程2:
【0501】
【化175】
Figure 0004217069
【0502】
ケタールCC(3.22g、15.16mmol)のアセトン(100mL)溶液に、6N塩酸(150mL)を添加し、反応液を還流下に一夜加熱した。得られた反応混合物を濃縮して溶媒を除去した。残渣をEtOAcに取り込み、6NのNaOH水溶液で中和した。層を分離し、水層をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗い、Na2SO4で乾燥し、濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc、80/20→60/40)により精製して、生成物DDを黄色油状物(2.58g、97%)として得た。MS(エレクトロスプレー)m/e 176(M+H)、C1113NOについての計算値:175。
【0503】
工程3:
【0504】
【化176】
Figure 0004217069
【0505】
ガラス耐圧瓶中の、ケトンDD(2.53g、14.46mmol)をエタノール(75mL)と水(25mL)に含む溶液に、炭酸アンモニウム(12.9g、134.3mmol、9当量)およびシアン化カリウム(2.11g、32.5mmol、2当量)を添加した。混合物を80〜90℃で18時間加熱した。冷却した反応混合物を減圧下に濃縮し、残渣を水で処理し、EtOAcで抽出(4回)した。合わせた有機抽出物を水で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、濃縮して分光分析的に純粋なヒダントインEEを白色固体(3.36g、収率95%)として得た。MS(エレクトロスプレー)m/e 246(M+H)、C131532についての計算値:245。
【0506】
工程4:
【0507】
【化177】
Figure 0004217069
【0508】
ヒダントインEE(3.36g)をNaOH水溶液(6N、100mL)中に懸濁させ、130℃で2〜3日加熱した。加水分解が完了(HPLCによる)したとき、反応混合物を濃HClで中和して、僅かに酸性(pH約6)にした。得られるスラリーを濾過し、水で洗い、乾燥して4−アミノ−1−フェニルピペリジン−4−カルボン酸(APPC)を白色固体として得て(5.26g、収率>100%、湿っていて無機塩を含む)、これはHPLCでシングルピークを示し、次の工程に直接用いた。MS(エレクトロスプレー)m/ e221(M+H)、C121622についての計算値:220。
【0509】
工程5:
【0510】
【化178】
Figure 0004217069
【0511】
直前の工程からの4−アミノ−1−フェニルピペリジン−4−カルボン酸(APPC)を、ジオキサン(80mL)と10%Na2CO3(40ml)中に懸濁し、Fmoc−Cl(5.3g、20.57mmol、1.5当量)を添加し、一夜激しく撹拌した。次に、反応混合物を濃縮してジオキサンを除去し、6N HClで中和して僅かに酸性(pH6)にし、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗い、Na2SO4で乾燥した。溶媒を除去して粗生成物を得、これを次にフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc〜CH2Cl2/MeOH)により精製して、純Fmoc−APPC(4.91g、2工程からの全収率:81%)を得た。1H NMR(DMSO−d6)7.88(d,2H),7.74(d,2H),7.19〜7.42(m,8H),4.20〜4.31(m,3H);HRMS m/z 465.1788、C272624Naについての計算値:465.1791。
【0512】
実施例18
Fmoc−4−アミノ−1−(4−メチルフェニル)ピペリジン−4−カルボン酸(Fmoc−4−MeAppc−OH)の調製
【0513】
工程1:
【0514】
【化179】
Figure 0004217069
【0515】
4−ヨードトルエン(2.12g、9.7mmol)、1,4−ジオキサ−8−アザスピロ〔4.5〕デカン(2.8mL、21.82mmol、2.2当量)およびナトリウムtert−ブトキシド(2.6g、27.08mmol、2.8当量)の無水ジオキサン(40mL)溶液に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(44.4mg、0.0485mmol)およびトリ−o−トリルホスフィン(59.0mg、0.194mmol)を添加した。反応液を90℃で26時間加熱した。得られる反応混合物を濃縮して溶媒を除去した。残渣を水で処理し、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を一緒にし、ブラインで洗い、Na2SO4で乾燥し、濃縮して褐色油状物を得た。この粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc、95/5→75/25)により精製して、純生成物FFを微黄色固体(1.937g、85%)として得た。1H NMR(CDCl3)7.06(d,2H),6.87(d,2H),3.99(s,4H),3.26(t,4H),2.26(s,3H)および1.85(t,4H)。
【0516】
工程2:
【0517】
【化180】
Figure 0004217069
【0518】
ケタールFF(1.58g、6.79mmol)のアセトン(50mL)溶液に、6N塩酸(25mL)を添加し、反応液を還流下に一夜加熱した。得られた反応混合物を濃縮して溶媒を除去した。残渣をEtOAcに取り込み、6NのNaOH水溶液で中和した。層を分離し、水層をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を、ブラインで洗い、Na2SO4で乾燥し、濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc、90/10→70/30)により精製して、生成物GGを黄色油状物(1.27g、98%)として得た。MS(エレクトロスプレー)m/e 190(M+H)、C1215NOについての計算値:189。
【0519】
工程3:
【0520】
【化181】
Figure 0004217069
【0521】
ガラス耐圧瓶中の、ケトンGG(1.17g、6.18mmol)のエタノール(60mL)と水(20mL)中の溶液に、炭酸アンモニウム(4.74g、49.44mmol、8当量)およびシアン化カリウム(1.01g、15.54mmol、2.5当量)を添加した。混合物を90℃で22時間加熱した。冷却した反応混合物を減圧下に濃縮し、残渣を水で処理し、EtOAcで抽出(4回)した。合わせた有機抽出物を水で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、濃縮して分光分析的に純粋なヒダントインHHを、白色固体(1.554g、収率97%)として得た。MS(エレクトロスプレー)m/e 260(M+H)、C141732についての計算値:259。
【0522】
工程4:
【0523】
【化182】
Figure 0004217069
【0524】
ヒダントインHH(1.502g)をNaOH水溶液(6N、40mL)中に懸濁させ、130℃で4日間加熱した。加水分解が完了(HPLCによる)したとき、反応混合物を濃HClで中和して、僅かに酸性(pH約6)にした。得られたスラリーを濾過し、水で洗い、乾燥して、4−アミノ−1−(4−メチルフェニル)ピペリジン−4−カルボン酸(4−MeAPPC)を白色固体として得て(2.10g、収率>100%、湿っていて無機塩を含む)、これはHPLCでシングルピークを示し、次の工程に直接用いた。MS(エレクトロスプレー)m/e 235(M+H)、C131822についての計算値:234。
【0525】
工程5:
【0526】
【化183】
Figure 0004217069
【0527】
直前の工程からの粗4−アミノ−1−(4−メチルフェニル)ピペリジン−4−カルボン酸(4−MeAPPC)を、ジオキサン(80mL)と10%Na2CO3(40ml)の水溶液中に懸濁し、Fmoc−Cl(2.2g、8.59mmol、1.5当量)を添加し、一夜激しく撹拌した。次に、反応混合物を濃縮してジオキサンを除去し、6N HClで中和して僅かに酸性(pH6)にし、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を、ブラインで洗い、Na2SO4で乾燥した。溶媒を除去して、粗生成物を得て、これを次にフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc〜CH2Cl2/MeOH)により精製して、純Fmoc−4−MeAPPC(2.16g、2工程からの全収率:82%)を得た。1H NMR(DMSO−d6):7.88(d,2H),7.72(d,2H),7.39(t,2H),7.30(td,2H),6.99(d,2H),6.82(d,2H),2.18(s,3H);MS(エレクトロスプレー)m/e 457(M+H),C282824についての計算値:456。
【0528】
実施例19
Fmoc−4−アミノ−1−(4−クロロフェニル)ピペリジン−4−カルボン酸(Fmoc−4−ClAppc−OH)の調製
【0529】
工程1:
【0530】
【化184】
Figure 0004217069
【0531】
1−クロロ−4−ヨードベンゼン(2.38g、10.0mmol)、1,4−ジオキサ−8−アザスピロ〔4.5〕デカン(3.1mL、3.44g、24.0mmol、2.4当量)およびナトリウムtert−ブトキシド(2.68g、28.0mmol、2.8当量)の無水ジオキサン(40mL)溶液に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(45.5mg、0.0497mmol)およびトリ−o−トリルホスフィン(61mg、0.20mmol)を添加した。反応液を90℃で9時間加熱した。得られた反応混合物を濃縮して溶媒を除去した。残渣を水で処理し、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を一緒にし、ブラインで洗い、Na2SO4で乾燥し、濃縮して褐色油状物を得た。この粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc、95/5→75/25)により精製して、純生成物IIを微黄色固体(2.17g、86%)として得た。1H NMR(CDCl3)7.18(dt,2H),6.85(dt,2H),3.98(s,4H),3.28(t,4H)および1.82(t,4H)。
【0532】
工程2:
【0533】
【化185】
Figure 0004217069
【0534】
ケタールII(2.123g、8.39mmol)のアセトン(75mL)溶液に、6N塩酸(30mL)を添加し、反応液を還流下に一夜加熱した。得られた反応混合物を濃縮して溶媒を除去した。残渣をEtOAcに取り込み、6NのNaOH水溶液で中和した。層を分離し、水層をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を、ブラインで洗い、Na2SO4で乾燥し、濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc、95/5→70/30)で精製して、生成物JJを黄色油状物(1.515g、86%)として得た。MS(エレクトロスプレー)m/e 210(M+H)、C1112ClNOについての計算値:209。
【0535】
工程3:
【0536】
【化186】
Figure 0004217069
【0537】
ガラス耐圧瓶中の、ケトンJJ(1.465g、6.986mmol)のエタノール(75mL)と水(25mL)中の溶液に、炭酸アンモニウム(5.36g、55.88mmol、8当量)およびシアン化カリウム(1.135g、17.46mmol、2.5当量)を添加した。混合物を80〜90℃で18時間加熱した。冷却した反応混合物を減圧下に濃縮し、残渣を水で処理し、EtOAcで抽出(4回)した。合わせた有機抽出物を水で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、濃縮して、分光分析的に純粋なヒダントインKKを白色固体(1.817g、収率93%)として得た。MS(エレクトロスプレー)m/e 280(M+H)、C1314ClN32についての計算値:279。
【0538】
工程4:
【0539】
【化187】
Figure 0004217069
【0540】
ヒダントインKK(1.768g)をNaOH水溶液(6N、50mL)中に懸濁させ、130℃で4日間加熱した。加水分解が完了(HPLCによる)したとき、反応混合物を濃HClで中和して、僅かに酸性(pH約6)にした。得られたスラリーを濾過し、水で洗い、乾燥して、4−アミノ−1−(4−クロロフェニル)ピペリジン−4−カルボン酸(4−ClAPPC)を白色固体として得て(2.05g、収率>100%、湿っていて無機塩を含む)、これはHPLCでシングルピークを示し、次の工程に直接用いた。MS(エレクトロスプレー)m/e 253(M+H)、C1215ClN22についての計算値:254。
【0541】
工程5:
【0542】
【化188】
Figure 0004217069
【0543】
直前の工程からの4−アミノ−1−(4−クロロフェニル)ピペリジン−4−カルボン酸(4−ClAPPC)を、ジオキサン(100mL)と10%Na2CO3(50ml)の水溶液中に懸濁し、Fmoc−Cl(2.0g、7.75mmol、1.2当量)で処理し、一夜激しく撹拌した。次に、反応混合物を濃縮してジオキサンを除去し、6N HClで中和して僅かに酸性(pH6)にし、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を、ブラインで洗い、Na2SO4で乾燥した。溶媒を除去して粗生成物を得て、これを次にフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc〜CH2Cl2/MeOH)により精製して、純Fmoc−4−ClAPPC(1.18g、2工程の全収率:81%)を得た。
【0544】
【表23】
Figure 0004217069
【0545】
実施例20
Fmoc−4−アミノ−1−(4−フェノキシフェニル)ピペリジン−4−カルボン酸(Fmoc−4−PhOAppc−OH)の調製
【0546】
工程1:
【0547】
【化189】
Figure 0004217069
【0548】
1−ヨード−4−フェノキシベンゼン(3.15g、10.6mmol)、1,4−ジオキサ−8−アザスピロ〔4.5〕デカン(3.3mL、3.66g、25.6mmol、2.4当量)とナトリウムtert−ブトキシド(2.85g、29.7mmol、2.8当量)の無水ジオキサン(40mL)溶液に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(48.5mg、0.053mmol)およびトリ−o−トリルホスフィン(64mg、0.4mmol)を添加した。反応液を90℃で9時間加熱した。得られた反応混合物を濃縮して溶媒を除去した。残渣を水で処理し、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を一緒にし、ブラインで洗い、Na2SO4で乾燥し、濃縮して褐色油状物を得た。この粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc、95/5→80/20)により精製して、純生成物LLを微黄色固体(2.805g、85%)として得た。1H NMR(CDCl3)7.26〜7.32(m,2H),7.03(t,1H),6.92〜6.97(m,6H),4.00(s,4H),3.26(t,4H),1.86(t,4H)。
【0549】
工程2:
【0550】
【化190】
Figure 0004217069
【0551】
ケタールLL(2.755g、8.86mmol)のアセトン(90mL)溶液に、6N塩酸(45mL)を添加し、反応液を還流下に一夜加熱した。得られる反応混合物を濃縮して溶媒を除去した。残渣をEtOAcで希釈し、6NのNaOH水溶液で中和した。層を分離し、水層をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を、ブラインで洗い、Na2SO4で乾燥し、濃縮して粗生成物を得て、これをフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc、90/10→70/30)で精製して、生成物MMを黄色油状物(2.21g、93%)として得た。MS(エレクトロスプレー)m/e 268(M+H)、C1717ClNO2についての計算値:267。
【0552】
工程3:
【0553】
【化191】
Figure 0004217069
【0554】
ガラス耐圧瓶中の、ケトンMM(2.01g、7.52mmol)のエタノール(80mL)と水(25mL)中の溶液に、炭酸アンモニウム(5.78g、60.0mmol、8当量)およびシアン化カリウム(1.22g、18.80mmol、2.5当量)を添加した。混合物を80〜90℃で18時間加熱した。冷却した反応混合物を減圧下に濃縮し、残渣を水で処理し、EtOAcで抽出(4回)した。合わせた有機抽出物を、水で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、濃縮して、分光分析的に純粋なヒダントインNNを、白色固体(2.34g、収率95%)として得た。MS(エレクトロスプレー)m/e 338(M+H)、C191933についての計算値:337。
【0555】
工程4:
【0556】
【化192】
Figure 0004217069
【0557】
ヒダントインNN(2.28g、6.76mmol)をNaOH水溶液(6N、60mL)中に懸濁させ、130℃で4日間加熱した。加水分解が完了(HPLCによる)したとき、反応混合物を濃HClで中和して、僅かに酸性(pH約6)にした。得られたスラリーを濾過し、水で洗い、乾燥して、4−アミノ−1−(4−フェノキシフェニル)ピペリジン−4−カルボン酸(4−PhOAPPC)を白色固体として得(2.53g、収率>100%、湿っていて無機塩を含む)、これはHPLCでシングルピークを示し、次の工程に直接用いた。MS(エレクトロスプレー)m/e 313(M+H)、C182023についての計算値:312。
【0558】
工程5:
【0559】
【化193】
Figure 0004217069
【0560】
直前の工程からの粗4−アミノ−1−(4−フェノキシフェニル)ピペリジン−4−カルボン酸(4−PhOAPPC)を、ジオキサン(50L)と10%Na2CO3(50ml)の水溶液中に懸濁し、一夜激しく撹拌した。反応混合物を濃縮してジオキサンを除去し、6N HClで中和して僅かに酸性(pH6)にし、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を、ブラインで洗い、Na2SO4で乾燥した。溶媒を除去して粗生成物を得て、これを次にフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc〜CH2Cl2/MeOH)により精製して、純Fmoc−4−PhOAPPC(2.18g、2工程の全収率:60%)を得た。
【0561】
【表24】
Figure 0004217069
【0562】
実施例21
Fmoc−4−アミノ−1−(2−メチルフェニル)ピペリジン−4−カルボン酸(Fmoc−2−MeAppc−OH)の調製
【0563】
工程1:
【0564】
【化194】
Figure 0004217069
【0565】
2−ヨードトルエン(4.36g、2.5mL、20.0mmol)、1,4−ジオキサ−8−アザスピロ〔4.5〕デカン(6.88g、6.2mL、48.1mmol、2.4当量)およびナトリウムtert−ブトキシド(5.3g、55.2mmol、2.8当量)の無水ジオキサン(80mL)溶液に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(91mg、0.1mmol)およびトリ−o−トリルホスフィン(122mg、0.4mmol)を添加した。反応液を90℃で26時間加熱した。得られた反応混合物を濃縮して溶媒を除去した。残渣を水で処理し、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を一緒にし、ブラインで洗い、Na2SO4で乾燥し、濃縮して褐色油状物を得た。この粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc、95/5→75/25)により精製して、純生成物OOを微黄色固体(2.66g、57%)として得た。1H NMR(CDCl3)7.12〜7.18(m,2H),6.94〜7.06(m,2H),4.01(s,4H),2.98(t,4H)および1.88(t,4H)。
【0566】
工程2:
【0567】
【化195】
Figure 0004217069
【0568】
ケタールOO(2.66g、11.4mmol)のアセトン(70mL)溶液に、6N塩酸(35mL)を添加し、反応液を一夜85℃で加熱した。得られた反応混合物を濃縮して溶媒を除去した。残渣をEtOAcで希釈し、NaOH水溶液(6N)で中和した。層を分離し、水層をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を、ブラインで洗い、Na2SO4で乾燥し、濃縮した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc、90/10→70/30)で精製して、生成物PPを黄色油状物(2.04g、95%)として得た。MS(エレクトロスプレー)m/e 190(M+H)、C1215NOについての計算値:189。
【0569】
工程3:
【0570】
【化196】
Figure 0004217069
【0571】
ガラス耐圧瓶中の、ケトンPP(1.54g、8.15mmol)のエタノール(60mL)と水(20mL)中の溶液に、炭酸アンモニウム(4.69g、48.9mmol、6当量)およびシアン化カリウム(800g、12.2mmol、1.5当量)を添加した。混合物を80〜90℃で18時間加熱した。冷却した反応混合物を氷水(300ml)に添加し、30分間激しく撹拌した。得られた沈殿を吸引濾過し、水で完全に洗い、乾燥して、ヒダントインQQを白色固体(2.01g、収率95%)として得た。MS(エレクトロスプレー)m/e 260(M+H)、C141732についての計算値:259。
【0572】
工程4:
【0573】
【化197】
Figure 0004217069
【0574】
ヒダントインQQ(1.07g、4.13mmol)を無水THF(25mL)中に含む懸濁液に、ピロ炭酸ジ−tert−ブチル(2.25g、10.32mmol、2.5当量)、トリエチルアミン(0.63mL、460mg、4.54mmol、1.1当量)およびDMAP(36mg、0.29mmol)を順次添加した。添加から約15分後、反応液は透明な黄色溶液に変化し、これを室温で一夜撹拌した。反応混合物を減圧下に濃縮して固形物を得、これを次にEtOAc(300mL)に取り込み、1N HCl(3×30mL)、飽和Na2CO3水溶液(2×30mL)およびブライン(2×30mL)で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮した。淡黄色の粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc、90/10→80/20)により精製して、純ビス−BocヒダントインRRを白色固体として得た(1.71g、90%)。MS(エレクトロスプレー)m/e 460(M+H)、C243336についての計算値:459。
【0575】
工程5:
【0576】
【化198】
Figure 0004217069
【0577】
ビス−BocヒダントインRR(1.71g、3.72mmol)をDME(23mL)に溶解して、透明溶液を得た。この溶液に1N NaOH(33mL、33mmol)を添加し、反応液を室温で一夜撹拌して、かなり透明な混合物を得た。HPLCは、反応の完了を示した。反応混合物を、減圧下に濃縮してDMEを除去し、Et2Oで抽出した。精製することなく、得られた4−アミノ−1−(2−メチルフェニル)ピペリジン−4−カルボン酸(2−MeAPPC)を含む水層を、6N HClで処理して、pHを11〜12に調節した。この溶液(30mL)を1,4−ジオキサン(30mL)で希釈し、Fmoc−Cl(1.28g、4.96mmol、1.3当量)を添加し、室温で一夜撹拌した。反応混合物を、減圧下に濃縮してジオキサンを除去し、1N HClで中和し、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を、ブラインで洗い、無水Na2SO4で乾燥し、濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc→CH2Cl2/MeOH)で精製して、粗生成物Fmoc−2−MeAPPCを白色固体として得た(1.09g、ビス−BocヒダントインRRからの収率64%)。
【0578】
【表25】
Figure 0004217069
【0579】
実施例22
Fmoc−4−アミノ−1−(2−イソプロピルフェニル)ピペリジン−4−カルボン酸(Fmoc−2−iPrAppc−OH)の調製
【0580】
工程1:
【0581】
【化199】
Figure 0004217069
【0582】
1−ヨード−2−イソプロピルベンゼン(10.0g、40.7mmol)、1,4−ジオキサ−8−アザスピロ〔4.5〕デカン(12.0mL、13.3g、93.0mmol、2.3当量)およびナトリウムtert−ブトキシド(10.0g、104.2mmol、2.6当量)の無水ジオキサン(160mL)溶液に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(180mg、0.197mmol)およびトリ−o−トリルホスフィン(244mg、0.80mmol)を添加した。反応液を90℃で26時間加熱した。得られた反応混合物を濃縮して溶媒を除去し、水で処理し、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を一緒にし、ブラインで洗い、Na2SO4で乾燥し、濃縮して、褐色油状物を得た。この粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc、95/5→75/25)により精製して、純生成物SSを微黄色固体(3.61g、収率35%)を得た。MS m/z 262(M+H)、C1623NO2についての計算値:261。
【0583】
工程2:
【0584】
【化200】
Figure 0004217069
【0585】
ケタールSS(3.24g、12.4mmol)のアセトン(90mL)溶液に、6N塩酸(45mL)を添加し、反応液を一夜還流下に加熱した。得られた反応混合物を濃縮して溶媒を除去し、残渣をEtOAcで希釈し、NaOH水溶液(6N)で中和した。層を分離し、水層をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を、ブラインで洗い、Na2SO4で乾燥し、濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc、90/10→70/30)で精製して、生成物TTを黄色油状物(2.42g、89%)として得た。1H NMR(CDCl3):7.27(m,1H),7.04〜7.19(m,3H),3.58(m,1H),3.20(t,4H),2.60(t,4H)および1.25(d,6H);MS m/z 218(M+H)、C1419NOについての計算値:217
【0586】
工程3:
【0587】
【化201】
Figure 0004217069
【0588】
ガラス耐圧瓶中の、ケトンTT(2.30g、10.6mmol)のエタノール(90mL)と水(20mL)中の溶液に、炭酸アンモニウム(8.1g、84.3mmol、8当量)およびシアン化カリウム(1.72g、26.5mmol、2.5当量)を添加した。混合物を80〜90℃で18時間加熱した。冷却した反応混合物を氷水(400ml)に添加し、30分間激しく撹拌した。得られた沈殿を吸引濾過し、水で完全に洗い、乾燥して、ヒダントインUUを白色固体(2.78g、収率91%)として得た。MS m/z 288(M+H)、C162132についての計算値:287。
【0589】
工程4:
【0590】
【化202】
Figure 0004217069
【0591】
ヒダントインUU(2.74g、9.54mmol)を無水THF(100mL)中に含む懸濁液に、ピロ炭酸ジ−tert−ブチル(5.2g、24.24mmol、2.5当量)、トリエチルアミン(1.5mL、1.07g、10.5mmol、1.1当量)およびDMAP(46mg、0.29mmol)を順次添加した。添加から約15分後、反応液は透明な黄色溶液に変化し、これを室温で一夜撹拌した。反応混合物を減圧下に濃縮して固形物を得て、これを次にEtOAc(300mL)に取り込み、ブライン(3×30mL)で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮した。淡黄色の粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc、90/10→80/20)により精製して、純ビス−BocヒダントインVVを白色固体として得た(4.39g、収率94%)。MS m/z 488(M+H)、C263736についての計算値:487。
【0592】
工程5:
【0593】
【化203】
Figure 0004217069
【0594】
ビス−BocヒダントインVV(2.34g、4.8mmol)をDME(30mL)に溶解して、透明溶液を得た。この溶液に1N NaOH(45mL、45mmol)を添加し、反応液を室温で一夜撹拌して、かなり透明な混合物を得た。HPLCは、反応の完了を示した。反応混合物を減圧下に濃縮してDMEを除去し、Et2Oで抽出した。精製することなく、得られた4−アミノ−1−(2−イソプロピルフェニル)ピペリジン−4−カルボン酸(2−iPrAPPC)を含む水層に、6N HClを添加して、pHを11〜12に調節した。この溶液(約45mL)を1,4−ジオキサン(45mL)で希釈し、Fmoc−Cl(1.78g、6.89mmol、1.5当量)を添加し、室温で一夜撹拌した。反応混合物を減圧下に濃縮してジオキサンを除去し、1N HClで中和し、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を、ブラインで洗い、無水Na2SO4で乾燥し、濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc→CH2Cl2/MeOH)で精製して、純生成物Fmoc−2−iPrAPPCを白色固体として得た(1.46g、ビス−Bocヒダントインからの収率63%)。HRMS m/z 507.2263、C303224Naについての計算値:507.2260。
【0595】
実施例23
Fmoc−4−アミノ−1−(3−メチルフェニル)ピペリジン−4−カルボン酸(Fmoc−3−MeAppc−OH)の調製
【0596】
工程1:
【0597】
【化204】
Figure 0004217069
【0598】
3−ヨードトルエン(4.36g、2.6mL、20.0mmol)、1,4−ジオキサ−8−アザスピロ〔4.5〕デカン(6.88g、6.2mL、48.1mmol、2.4当量)およびナトリウムtert−ブトキシド(5.3g、55.2mmol、2.8当量)の無水ジオキサン(80mL)溶液に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(91mg、0.1mmol)およびトリ−o−トリルホスフィン(122mg、0.4mmol)を添加した。反応液を90℃で26時間加熱した。得られた反応混合物を濃縮して溶媒を除去した。残渣を水で処理し、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を一緒にし、ブラインで洗い、Na2SO4で乾燥し、濃縮して褐色油状物を得た。この粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc、95/5→75/25)により精製して、純生成物WWを微黄色固体(3.21g、収率69%)として得た。
【0599】
工程2:
【0600】
【化205】
Figure 0004217069
【0601】
ケタールWW(1.25g、5.36mmol)のアセトン(20mL)溶液に、6N塩酸(10mL)を添加し、反応液を一夜還流下に加熱した。得られた反応混合物を濃縮して溶媒を除去した。残渣をEtOAcで希釈し、NaOH水溶液(6N)で中和した。層を分離し、水層をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を、ブラインで洗い、Na2SO4で乾燥し、濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc、90/10→70/30)で精製して、生成物XXを黄色油状物(843mg、収率83%)として得た。MS m/z 190(M+H)、C1215NOについての計算値:189。
【0602】
工程3:
【0603】
【化206】
Figure 0004217069
【0604】
ガラス耐圧瓶中の、ケトンXX(763g、4.03mmol)のエタノール(45mL)と水(15mL)中の溶液に、炭酸アンモニウム(3.09g、32.21mmol、8当量)およびシアン化カリウム(675mg、10.38mmol、2.5当量)を添加した。混合物を80〜90℃で18時間加熱した。冷却した反応混合物を氷水(200ml)に添加し、30分間激しく撹拌した。得られた沈殿を吸引濾過し、水で完全に洗い、乾燥して、ヒダントインYYを白色固体(930mg、収率89%)として得た。MS m/z 260(M+H)、C141732についての計算値:259。
【0605】
工程4:
【0606】
【化207】
Figure 0004217069
【0607】
ヒダントインYY(780mg、3.012mmol)を無水THF(22mL)中に含む懸濁液に、ピロ炭酸ジ−tert−ブチル(1.64g、7.52mmol、2.5当量)、トリエチルアミン(0.42mL、305mg、3.01mmol、1.0当量)およびDMAP(20mg、0.164mmol)を順次添加した。添加から約5分後、反応液は透明な黄色溶液に変化し、これを室温で一夜撹拌した。反応混合物を減圧下に濃縮して固形物を得て、これを次にEtOAc(300mL)に取り込み、ブライン(3×30mL)で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮した。淡黄色の粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc、90/10→80/20)により精製して、純ビス−BocヒダントインZZを白色固体として得た(1.37g、定量的)。HRMS m/z 482.2261(M+Na)、C243336Naについての計算値:482.2267。
【0608】
工程5:
【0609】
【化208】
Figure 0004217069
【0610】
ビス−BocヒダントインZZ(1.29g、2.818mmol)をDME(20mL)に溶解して、透明溶液を得た。この溶液に1N NaOH(25mL、25mmol)を添加し、反応液を室温で一夜撹拌して、かなり透明な混合物を得た。HPLCは、反応の完了を示した。反応混合物を減圧下に濃縮してDMEを除去し、Et2Oで抽出した。精製することなく、得られた4−アミノ−1−(3−メチルフェニル)ピペリジン−4−カルボン酸(3−MeAPPC)を含む水層に、6N HClを添加して、pHを11〜12に調節した。次にこの溶液(約30mL)を1,4−ジオキサン(30mL)で希釈し、Fmoc−Cl(1.46g、5.65mmol、2.0当量)で処理し、室温で一夜撹拌した。反応混合物を減圧下に濃縮してジオキサンを除去し、1N HClで中和し、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を、ブラインで洗い、無水Na2SO4で乾燥し、濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc→CH2Cl2/MeOH)で精製して、純生成物Fmoc−3−MeAPPCを白色固体として得た(1.002g、ビス−Bocヒダントインからの収率78%)。HRMS m/z 479.1940(M+Na)、C282824Naについての計算値:479.1947。
【0611】
実施例24
Fmoc−4−アミノ−1−(3−メトキシフェニル)ピペリジン−4−カルボン酸(Fmoc−3−MeOAppc−OH)の調製
【0612】
工程1:
【0613】
【化209】
Figure 0004217069
【0614】
3−ヨードアニソール(4.68g、2.4mL、20.0mmol)、1,4−ジオキサ−8−アザスピロ〔4.5〕デカン(6.2mL、6.88g、48.1mmol、2.4当量)およびナトリウムtert−ブトキシド(5.3g、55.2mmol、2.8当量)の無水ジオキサン(80mL)溶液に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(91mg、0.1mmol)およびトリ−o−トリルホスフィン(122mg、0.4mmol)を添加した。反応液を90℃で26時間加熱した。得られた反応混合物を濃縮して溶媒を除去し、残渣を水で処理し、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を一緒にし、ブラインで洗い、Na2SO4で乾燥し、濃縮して褐色油状物を得た。この粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc、95/5→75/25)により精製して、純生成物AAAを微黄色固体(3.10g、収率62%)として得た。MS m/z(M+H)、250(M+H)、C1419NO3についての計算値:249。
【0615】
工程2:
【0616】
【化210】
Figure 0004217069
【0617】
ケタールAAA(3.10g、12.45mmol)のアセトン(90mL)溶液に、6N塩酸(45mL)を添加し、反応液を一夜還流下に加熱した。得られた反応溶液を濃縮して溶媒を除去した。残渣をEtOAcで希釈し、NaOH水溶液(6N)で中和した。層を分離し、水層をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を、ブラインで洗い、Na2SO4で乾燥し、濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc、90/10→70/30)で精製して、生成物BBBを黄色油状物(2.53g、収率99%)として得た。1H NMR(CDCl3):7.20(m,1H),6.58(d,1H),6.39〜6.56(m,2H),3.80(s,3H),3.59(m,4H)および2.58(m,4H)。
【0618】
工程3:
【0619】
【化211】
Figure 0004217069
【0620】
ガラス耐圧瓶中の、ケトンBBB(1.81g、8.82mmol)をエタノール(60mL)と水(20mL)中の溶液に、炭酸アンモニウム(6.77g、70.52mmol、8当量)およびシアン化カリウム(1.14g、17.6mmol、2.0当量)を添加した。混合物を80〜90℃で18時間加熱した。冷却した反応混合物を氷水(200ml)に添加し、30分間激しく撹拌した。得られた沈殿を吸引濾過し、水で完全に洗い、乾燥して、ヒダントインCCCを白色固体(2.23g、収率92%)として得た。MS m/z 276(M+H)、C141733についての計算値:275。
【0621】
工程4:
【0622】
【化212】
Figure 0004217069
【0623】
ヒダントインCCC(1.10g、4.00mmol)を無水THF(50mL)中に含む懸濁液に、ピロ炭酸ジ−tert−ブチル(2.18g、10.0mmol、2.5当量)、トリエチルアミン(0.62mL、445mg、4.4mmol、1.1当量)およびDMAP(20mg、0.164mmol)を順次添加した。添加から約15分後、反応液は透明な黄色溶液に変化し、これを室温で一夜撹拌した。反応混合物を減圧下に濃縮して固形物を得て、これを次にEtOAc(300mL)に取り込み、ブライン(3×30mL)で洗い、無水Na2SO4で乾燥し、減圧下に濃縮した。淡黄色の粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc、90/10→80/20)により精製して、純ビス−BocヒダントインDDDを白色固体として得た(1.90g、定量的)。1H NMR(CDCl3):7.16(t,1H),6.57(d,1H),6.24(s,1H),6.19(d,1H),3.77(s,3H),1.58(s,9H),1.42(s,9H);MS m/z 476(M+H)、C243337についての計算値:475。
【0624】
工程5:
【0625】
【化213】
Figure 0004217069
【0626】
ビス−BocヒダントインDDD(1.06g、2.23mmol)をDME(20mL)に溶解して、透明溶液を得た。この溶液に1N NaOH(20mL、20mmol)を添加し、反応液を室温で一夜撹拌して、かなり透明な混合物を得た。HPLCは、反応の完了を示した。反応混合物を減圧下に濃縮してDMEを除去し、Et2Oで抽出した。精製することなく、得られた4−アミノ−1−(3−メトキシフェニル)ピペリジン−4−カルボン酸(3−MeOAPPC)を含む水層に、6N HClを添加して、pHを11〜12に調節した。この溶液(35mL)を1,4−ジオキサン(35mL)で希釈し、Fmoc−Cl(755mg、2.93mmol、1.3当量)を添加し、室温で一夜撹拌した。反応混合物を減圧下に濃縮してジオキサンを除去し、1N HClで中和し、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を、ブラインで洗い、無水Na2SO4で乾燥し、濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc→CH2Cl2/MeOH)で精製して、純生成物Fmoc−3−MeOAPPCを白色固体として得た(668mg、ビス−BocヒダントインDDDからの収率63%)。
【0627】
【表26】
Figure 0004217069
【0628】
実施例25
Fmoc−1−アミノ−4−シクロヘキシルシクロヘキサン−1−カルボン酸(Fmoc−Achc−OH)の調製
【0629】
工程1:
【0630】
【化214】
Figure 0004217069
【0631】
密封した厚壁耐圧フラスコ中の、4−シクロヘキシルシクロヘキサノン(3.00g、16.6mmol)、シアン化カリウム(1.63g、25.0mmol)、炭酸アンモニウム(9.59g、99.8mmol)、エタノール(75ml)および水(15ml)の混合物を、80℃の油浴中で15時間加熱した。室温まで冷却後、白色スラリーを氷水中に注ぎ込み、室温で2〜3時間撹拌した。濾過し、続いて風乾して、ヒダントインEEE(6.10g、湿ったまま、収率>100%)を白色固体として得た。1H NMR(DMSO−d6)δ10.52(1H,ブロード,NH),8.43(1H,ブロード s,NH),0.80〜1.80(20H,m).LRMS(APCI):C142222についての計算値:250;実測値:249(M−H)、251(M+H)。
【0632】
工程2:
【0633】
【化215】
Figure 0004217069
【0634】
密封した厚壁耐圧フラスコ中の、ヒダントインEEE(1.39g、5.55mmol)および6N水酸化ナトリウム溶液(50ml)の混合物を、130℃の油浴中で2日間加熱した。反応混合物を氷浴中で冷却し、濃塩酸を用いてpH約7に中和した。白色スラリーを濾過し、沈殿を水で濯いで、粗1−アミノ−4−シクロヘキシルシクロヘキサン−1−カルボン酸(48.3g、湿っていて無機塩を含む、収率>100%)を得た。LRMS(エレクトロスプレー):C1323NO2についての計算値:225;実測値:226(M+H)
【0635】
工程3:
【0636】
【化216】
Figure 0004217069
【0637】
粗1−アミノ−4−シクロヘキシルシクロヘキサン−1−カルボン酸(48.3g、理論値5.55mmol)、トリエチルアミン(1.0ml、7.17mmol)、9−フルオレニルメチルスクシンイミジルカーボネート(Fmoc−OSu、2.43g、7.20mmol)を、アセトニトリル(75ml)と水(75ml)中に含む混合物を、室温で24時間撹拌した。反応混合物を減圧下に濃縮してアセトニトリルの大部分を除去し、10%クエン酸水溶液でpH約3まで酸性にし、白色エマルションを塩化メチレンで3回抽出した。合わせた有機層を、水およびブラインで洗い、硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過し、濃縮して粗油状物を得て、これをカラムクロマトグラフィー(1→5→8%メタノール/塩化メチレンで溶離)により精製して、Fmoc−1−アミノ−4−トランス−シクロヘキシルシクロヘキサン−1−カルボン酸(250mg、2工程の収率10%)を得た。HRMS(FAB):C2834NO4(M+H)についての計算値:448.2488;実測値:448.2497。
【0638】
実施例26
Fmoc−1−アミノ−4,4−ジフェニルシクロヘキサン−1−カルボン酸(Fmoc−Adpc−OH)の調製
【0639】
工程1:
【0640】
【化217】
Figure 0004217069
【0641】
密封した厚壁耐圧フラスコ中の、4,4−ジフェニルシクロヘキサン(Freeman,P.K.ら、J.Org.Chem.1989年、第54巻、782〜789頁の手順に従って、4,4−ジフェニルシクロヘキサンの水素化により調製)(1.55g、6.19mmol)、シアン化カリウム(0.65g、9.97mmol)、炭酸アンモニウム(3.60g、37.5mmol)、エタノール(48ml)および水(12ml)の混合物を、80℃の油浴中で24時間加熱した。室温まで冷却後、白色スラリーを氷水中に注ぎ込み、室温で2〜3時間撹拌した。濾過し、風乾して、ヒダントインFFF(1.89g、収率95%)を白色固体として得た。1H NMR(DMSO−d6)δ10.57(1H,ブロード,NH),8.59(1H,ブロードs,NH),7.00〜7.50(10H,m,フェニル)。LRMS(エレクトロスプレー):C202022についての計算値:320;実測値:319(M−H)。
【0642】
工程2:
【0643】
【化218】
Figure 0004217069
【0644】
密封した厚壁耐圧フラスコ中の、ヒダントインFFF(1.88g、5.87mmol)、水酸化バリウム一水和物(5.60g、29.6mmol)および水(100ml、希釈用)の混合物を、105℃の油浴中で2日間加熱した。さらなる水酸化バリウム一水和物(5.60g、29.6mmol)を添加し、混合物を105℃の油浴中でさらに24時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、激しい撹拌下に4N硫酸を用いてpH約3まで酸性にした。懸濁液を、沸騰している水浴中で2時間撹拌し、室温まで冷却した。白色懸濁液を濾過し、沈殿を水で濯いだ。合わせた濾液と洗浄液を、減圧下に約30mlまで濃縮した。濃水酸化アンモニウム溶液で中和して、白色沈殿を得て、これを濾過し、水で洗い、減圧下に一夜乾燥して、粗1−アミノ−4,4−ジフェニルシクロヘキサン−1−カルボン酸(0.52g、収率30%)を白色固体として得た。LRMS(エレクトロスプレー)C1921NO2についての計算値:295;実測値:294(M−H)、296(M+H)。
【0645】
工程3:
【0646】
【化219】
Figure 0004217069
【0647】
1−アミノ−4,4−ジフェニルシクロヘキサン−1−カルボン酸(510mg、1.73mmol)、トリエチルアミン(0.37ml、2.65mmol)、9−フルオレニルメチルスクシニルイミジルカーボネート(Fmoc−OSu、880mg、2.61mmol)をアセトニトリル(25ml)および水(25ml)中に含む混合物を、室温で一夜撹拌した。反応液をTLC分析すると、出発物質のアミノ酸の存在が示された。9−フルオレニルメチルスクシンイミジルカーボネート(200mg)およびアセトニトリル(5ml)を添加し、混合物を室温でさらに24時間撹拌した。反応混合物を減圧下に濃縮してアセトニトリルの大部分を除去し、10%クエン酸水溶液でpH約3まで酸性にし、白色エマルションを塩化メチレンで3回抽出した。合わせた有機層を、水およびブラインで洗い、硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過し、濃縮して粗油状物を得て、これをカラムクロマトグラフィー(1→4→8%メタノール/塩化メチレンで溶離)により精製して、Fmoc−1−アミノ−4,4−ジフェニルシクロヘキサン−1−カルボン酸(350mg、収率39%)を白色固体として得た。HRMS(FAB):C3432NO4(M+H)についての計算値:518.2331;実測値:518.231。
【0648】
実施例27
Fmoc−1−アミノ−4−トランス−t−ブチルシクロヘキサン−1−カルボン酸(Fmoc−Abc−OH)の調製
【0649】
工程1:
【0650】
【化220】
Figure 0004217069
【0651】
密封した厚壁耐圧フラスコ中の、4−t−ブチルシクロヘキサン(2.00g、13.0mmol)、シアン化カリウム(1.27g、19.5mmol)、炭酸アンモニウム(7.48g、77.8mmol)、エタノール(60ml)および水(12ml)の混合物を、80℃の油浴中で15時間加熱した。室温まで冷却後、白色スラリーを氷水中に注ぎ込み、室温で2〜3時間撹拌した。濾過して、ヒダントインGGG(2.78g、収率96%)を白色固体として得て、これを粗生成物として、次の工程で用いた。1H NMR(DMSO−d6)δ10.52(1H,ブロード,NH),8.50(1H,ブロード s,NH),0.81(9H,s,t−Bu)。
【0652】
工程2:
【0653】
【化221】
Figure 0004217069
【0654】
密封した厚壁耐圧フラスコ中の、ヒダントインGGG(2.78g、12.4mmol)、水酸化バリウム一水和物(11.74g、62.0mmol)および水(50ml)の混合物を、120℃の油浴中で2日間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、激しい撹拌下に4N硫酸を用いてpH約3まで酸性にした。懸濁液を、沸騰している水浴中で1時間撹拌し、室温まで冷却した。白色懸濁液を濾過し、沈殿を水で濯いだ。合わせた濾液と洗浄液を、減圧下に約30mlまで濃縮した。濃水酸化アンモニウム溶液で中和して、白色沈殿を得て、これを濾過し、水で洗い、減圧下に一夜乾燥して、1−アミノ−4−トランス−t−ブチルシクロヘキサン−1−カルボン酸(2.10g、収率85%)を白色固体として得た。
【0655】
工程3:
【0656】
【化222】
Figure 0004217069
【0657】
粗1−アミノ−4−トランス−t−ブチルシクロヘキシル−1−カルボン酸(2.10g、10.54mmol)と9−フルオレニルメチルスクシニルイミジルカーボネート(Fmoc−OSu、6.33g、7.20mmol)を、ジオキサン(150ml)と10%炭酸ナトリウム溶液(120ml)中に含む混合物を、室温で24時間撹拌した。反応混合物を減圧下に濃縮してジオキサンの大部分を除去し、3N HClでpH約3まで酸性にし、白色エマルションを塩化メチレンで2回抽出した。合わせた有機層を、水およびブラインで洗い、硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過し、濃縮して粗生成物を得て、これをカラムクロマトグラフィー(1→4→5%メタノール/塩化メチレンで溶離)により精製して、Fmoc−1−アミノ−4−トランス−t−ブチルシクロヘキサン−1−カルボン酸(1.42g、収率32%)を得た。HRMS(FAB):C2632NO4(M+H)についての計算値:422.2331;実測値:422.23。
【0658】
実施例28
3S,2S−Fmoc−(L)−βメチル(Nin−Mes)トリプトファン、Fmoc−(L)−β−Me(Nin−Mes)Trp−OHの調製
【0659】
工程1:
【0660】
【化223】
Figure 0004217069
【0661】
トランス−3−インドールアリール酸(15.0g、0.08mole)の無水THF(350mL)溶液に、1.6M n−BuLiヘキサン溶液125mLを、−78℃でゆっくり添加した。得られた懸濁液を−78℃で1時間撹拌した。次に、2−メシチレンスルホニルクロリド(21.9g、0.1mole)の無水THF(50mL)中に含む溶液を、ゆっくり添加した。混合物を室温まで暖め、一夜撹拌した。混合物を飽和NH4Cl水溶液に注いだ。層を分離し、水層をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を除去すると、粗生成物HHH 14.1gが得られ、これをさらに精製することなく次の工程に用いた。1H NMR分析は、2−メシチレンスルホン酸を含有していることを示した。1H NMR(CD3OD)δ7.57(s,1H),7.42(d,1H),7.15〜7.30(m,3H),7.02(s,2H),6.54(d,1H),6.36(d,1H),2.52(s,9H),2.30(s,3H)。
【0662】
工程2:
【0663】
【化224】
Figure 0004217069
【0664】
N−2−メシチレンスルホニル−トランス−3−インドールアリール酸(3.26g、8.8mmol)の無水THF(140mL)溶液に、−78℃でトリエチルアミン3.7mL(3当量)およびMe3CCOCl 2.17mL(2当量)を添加した。得られた混合物を−78℃で15分間撹拌し、0℃で1.5時間撹拌した。混合物を−78℃まで冷却し、ここに1.6M n−BuLiヘキサン溶液5.5mLを添加し、次に、(R)−4−フェニル−2−オキサゾリジノンおよびn−BuLiをTHF中に含む混合物((R)−4−フェニル−2−オキサゾリジノン(2.87g、17.6mmol)を無水THF 70mL中に含む溶液に、1.6M n−BuLiヘキサン溶液11mLを−78℃で添加することにより調製)を、カニューレを介して添加した。得られた混合物を−78℃で2時間撹拌し、室温で一夜撹拌した。反応液をNH4Cl水溶液(100mL)でクエンチした。有機溶媒を減圧下に除去した後、水性残渣をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を硫化ナトリウムで乾燥した。濾過し、濃縮して粗生成物を得て、これをフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、1:4)で精製して、生成物IIIを淡褐色ガム状物として得た(収率63%(2.86g))。LR−エレクトロスプレー:C292625Sについての計算値:514、実測値:m/z 515(M+H)。
【0665】
工程3:
【0666】
【化225】
Figure 0004217069
【0667】
CuBr・Me2S(0.84g、4.08mmol)および硫化ジメチル(5mL)の無水THF(10mL)中の溶液に、3M CH3MgBrエーテル溶液(1.36mL)を−4℃で添加した。10分間撹拌した後、無水THF(8mL)中の前記生成物(1.4g、2.72mmol)を添加した。得られた混合物を、−4℃で1時間撹拌し、室温で6時間撹拌した。−78℃に冷却後、N−ブロモスクシンイミド1.45g(8.16mmol)を無水THF(15mL)中に含む混合物を添加した。混合物を−78℃で30分間撹拌し、室温で一夜撹拌した。混合物をブライン100mL中に注ぎ、EtOAc(2×100mL)で抽出した。有機層を硫化ナトリウムで乾燥した。濾過し、濃縮して粗生成物を得て、これをフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、1:4)で精製して、生成物JJJを淡褐色ガム状物として得た(収率46%(0.77g))。
【0668】
【表27】
Figure 0004217069
【0669】
工程4:
【0670】
【化226】
Figure 0004217069
【0671】
前記ブロミドJJJ(0.72g、1.18mmol)を、アセトニトリル10mL中のテトラ−n−ブチルアンモニウムアジド(1.68g、5.9mmol)およびナトリウムアジド(77mg、1.18mmol)と混合し、室温で6時間撹拌した。混合物をNH4Cl水溶液100mLに注ぎ、EtOAc(2×100mL)で抽出した。有機層を硫化ナトリウムで乾燥した。濾過し、濃縮して粗生成物を得て、これをフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/CH2Cl2/ヘキサン、1:2:5)で精製して、生成物KKKを淡褐色ガム状物として得た(収率82%(0.55g))。
【0672】
【表28】
Figure 0004217069
【0673】
工程5:
【0674】
【化227】
Figure 0004217069
【0675】
前述のアジドKKK(0.55g、0.96mmol)、水(4mL)およびTHF(12mL)の混合物に、30%H22 0.65mLを0℃で添加し、次に、水1mL中のLiOH 48mg(2当量)を添加した。得られた混合物を0℃で2時間撹拌した。反応液を水6mL中のNa2SO3(1g)でクエンチした。混合物を室温でさらに30分間撹拌した。有機溶媒を除去した後、水溶液を飽和NaHCO3溶液10mLで希釈し、EtOAc(2×30mL)で抽出した。濾過し、濃縮して粗生成物を得て、これをフラッシュクロマトグラフィー(HOAc/MeOH/EtOAc、1:10:100)により精製して、生成物LLLを灰色がかった白色固体として得た(収率83%(0.34g))。LR−エレクトロスプレー:C212244Sについての計算値:426、実測値:m/z 425(M−H)。
【0676】
工程6:
【0677】
【化228】
Figure 0004217069
【0678】
前記アジド酸LLL(0.34g、0.8mmol)をメタノール20mLに溶解した。溶液に、炭素担持10%Pd 170mgを添加した。得られた混合物をH2(バルーン)雰囲気下に、室温で3時間撹拌した。濾過および濃縮後、粗生成物をTHF(12mL)と水(4mL)の混合溶媒に溶解した。混合物にNaHCO3(254mg、3mmol)およびFmoc−OSu(540mg、1.6mmol)を添加した。得られた混合物を、室温で18時間撹拌した。飽和NH4Cl溶液30mLで希釈し、EtOAc(2×30mL)で抽出した。濾過し、濃縮して粗生成物を得て、これをフラッシュクロマトグラフィー(HOAc/MeOH/EtOAc、1:10:100)により精製して、生成物3S,2S−Fmoc−(L)−βメチル(Nin−Mes)トリプトファンを、灰色がかった白色固体として得た(収率50%(0.25g))。LR−エレクトロスプレー:C363426Sについての計算値:622、実測値:m/z 621(M−H)。
【0679】
実施例29
Fmoc−リンカー−BHA樹脂の調製
ベンズヒドリルアミンコポリスチレン−1%ジビニルベンゼン架橋樹脂(10.0g、9.3当量、100〜200ASTMメッシュ、Advanced ChemTech製)を、CH2Cl2 100mL中で膨潤させ、濾過し、CH2Cl2、6%DIPEA/CH2Cl2(2回)およびCH2Cl2(2回)のそれぞれ100mLで順次洗った。樹脂を、25%DMF/CH2Cl2 100mL中のp−〔(R,S)−α−〔1−(9H−フルオレン−9−イル)メトキシホルムアミド〕−2,4−ジメトキシベンジル〕フェノキシ酢酸(Fmoc−リンカー)(7.01g、13.0mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(2.16g、16.0mmol)およびジイソプロピルカルボジイミド(2.04ml、13.0mmol)により、室温で24時間処理した。樹脂を濾過し、CH2Cl2(2回)、イソプロパノール(2回)、DMFおよびCH2Cl2(3回)のそれぞれ100mlで順次洗った。カイゼルニンヒドリン分析は、ネガティブであった。樹脂を減圧下に乾燥して、Fmoc−リンカー−BHA樹脂16.12gを得た。この樹脂の一部(3.5mg)をFmoc脱保護に付し、定量的UV分析は、0.56mmol/gの負荷を示した。
【0680】
実施例30
Ac−Nle−シクロ(Asp−Lys)−Asp−His−(D)Phe−Arg−Trp−Lys−NH2の調製
【0681】
【化229】
Figure 0004217069
【0682】
実施例29からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(720mg、0.4mmol)を、先に記載されたプロトコール1を用いて固相合成に付した。すべてのカップリングは、カップリング剤としてのDMF中のHBTUおよび塩基としてのDIPEA(3当量)を用いて行った。7回のカップリングサイクルを行い、その各1サイクルは、Fmoc−Lys(Boc)(565mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Trp(520mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Arg(Pmc)(800mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−(D)Phe(480mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−His(Trt)(600mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、0.6mmol)、Fmoc−Asp(OBut)(500mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Nle(430mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)を用いた。ペプチド樹脂をプロトコール1の工程1〜5に付し、CH2Cl2で洗い(3回)、6%DIPEA/CH2Cl2中の無水酢酸1mLで30分間処理した。樹脂を濾過し、CH2Cl2(2回)、イソプロパノール、およびCH2Cl2(3回)のそれぞれ50mlで順次洗った。樹脂を減圧下に乾燥して、Ac−ヘプタペプチド樹脂1.2gを得た。Ac−ヘプタペプチド樹脂を、室温で、エタンジチオール100μL、硫化ジメチル100μL、アニソール250μLおよびトリフルオロ酢酸10mLで180分間処理した。樹脂を濾去し、TFA約2mlで洗い、濾液を冷たいエチルエーテル中で沈殿させた。沈殿を遠心分離し、エーテル層をデカンテーションした。残渣を2倍または3倍体積のEt2Oで洗い、再び遠心分離し、粗線状生成物を減圧下に乾燥して、灰色がかった白色固体250mgを得た。粗ペプチドを、精製することなく環化に付した。
【0683】
粗線状ペプチド250mgをDMF250mlに溶解し、N−メチルモルホリン600μLを添加して、見掛けのpHを8.0とした。BOP 300mgを添加し、HPLCで環化をモニターした。典型的には、環化は18〜24時間で完了した。水10mlを添加して反応を停止し、DMFを減圧下に蒸発させ、得られる反応混合物をHPLCで精製した。
【0684】
この粗環状材料を、Vydac C18−カラム(2.5×20cm)上の分取HPLCで精製し、20〜60%B(緩衡液A:0.1%TFA/H2O、緩衡液B:0.1%TFA/CH3CN)の線形勾配で90分間溶離し、流速を8ml/minとし、検出を280nmで行った。主なピークは、集めた画分の分析的HPLC分析によりカットし、貯留し、凍結乾燥して、白色無定形粉末60mg(15%)を得た。この化合物は、HPLCによると均質であった。LR−エレクトロスプレー:C5069159計算値:1024、実測値:m/z(1025 M+H)。
【0685】
実施例31
ペンタ−シクロ(Asp−Lys)−Asp−Apc−(D)Phe−Arg−Trp−Lys−NH2の調製
【0686】
【化230】
Figure 0004217069
【0687】
実施例29からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(720mg、0.4mmol)を、先に記載されたプロトコール1を用いて固相合成に付した。すべてのカップリングは、カップリング剤としてのDMF中のHBTUおよび塩基としてのDIPEA(3当量)を用いて行った。6回のカップリングサイクルを行い、その各1サイクルは、Fmoc−Lys(Boc)(565mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Trp(520mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Arg(Pmc)(800mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−(D)Phe(480mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Apc(550mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Asp(OBut)(500mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)を用いた。ペプチド樹脂をプロトコール1の工程1〜5に付し、CH2Cl2で洗い(3回)、6%DIPEA/CH2Cl2中の吉草酸無水物2mLで30分間処理した。樹脂を濾過し、CH2Cl2(2回)、イソプロパノール、およびCH2Cl2(3回)のそれぞれ50mlで順次洗った。樹脂を減圧下に乾燥して、ペンチルヘキサペプチド樹脂1.0gを得た。
【0688】
ペンチルヘキサペプチド樹脂を、室温で、エタンジチオール100μL、硫化ジメチル100μL、アニソール250μLおよびトリフルオロ酢酸10mLで、180分間処理した。樹脂を濾去し、TFA約2mlで洗い、濾液を冷たいエチルエーテル中で沈殿させた。沈殿を遠心分離し、エーテル層をデカンテーションした。残渣を2倍または3倍体積のEt2Oで洗い、再び遠心分離し、粗線状生成物を減圧下に乾燥して、灰色がかった白色固体220mgを得た。粗ペプチドを、精製することなく環化に付した。粗線状ペプチド220mgをDMF 220mlに溶解し、N−メチルモルホリン500μLを添加して見掛けのpHを8.0とした。BOP 280mgを添加し、HPLCで環化をモニターした。典型的には、環化は18〜24時間で完了した。水10mlを添加して反応を停止し、DMFを減圧下に蒸発させ、得られる反応混合物をHPLCで精製した。
【0689】
この粗環状材料を、Vydac C18−カラム(2.5×20cm)上の分取HPLCで精製し、20〜60%B(緩衡液A:0.1%TFA/H2O、緩衡液B:0.1%TFA/CH3CN)の線形勾配で90分間溶離し、流速を8ml/minとし、検出を280nmで行った。主なピークは、集めた画分の分析的HPLC分析によりカットし、貯留し、凍結乾燥して、白色無定形粉末53mg(13%)を得た。この化合物はHPLCによると均質であった。LR−エレクトロスプレー:C5472128計算値:1017、実測値:m/z(1018 M+H)。
【0690】
実施例32
ペンタ−シクロ(Asp−Lys)−Asp−Apc−(D)Phe−Arg−(2)Nal−Lys−NH2の調製
【0691】
【化231】
Figure 0004217069
【0692】
実施例29からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(720mg、0.4mmol)を、先に記載されたプロトコール1を用いて固相合成に付した。すべてのカップリングは、カップリング剤としてのDMF中のHBTUおよび塩基としてのDIPEA(3当量)を用いて行った。6回のカップリングサイクルを行い、その各1サイクルは、Fmoc−Lys(Boc)(565mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc(2)Nal(530mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Arg(Pmc)(800mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−(D)Phe(480mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Apc(550mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Asp(OBut)(500mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)を用いた。ペプチド樹脂をプロトコール1の工程1〜5に付し、CH2Cl2で洗い(3回)、6%DIPEA/CH2Cl2中の吉草酸無水物2mLで30分間処理した。樹脂を濾過し、CH2Cl2(2回)、イソプロパノール、およびCH2Cl2(3回)のそれぞれ50mlで順次洗った。樹脂を減圧下に乾燥して、ペンチルヘキサペプチド樹脂1.1gを得た。
【0693】
ペンチルヘキサペプチド樹脂を、室温で、エタンジチオール100μL、硫化ジメチル100μL、アニソール250μLおよびトリフルオロ酢酸10mLで180分間処理した。樹脂を濾去し、TFA約2mlで洗い、濾液を冷たいエチルエーテル中で沈殿させた。沈殿を遠心分離し、エーテル層をデカンテーションした。残渣を2倍または3倍体積のEt2Oで洗い、再び遠心分離し、粗線状生成物を減圧下に乾燥して、灰色がかった白色固体220mgを得た。粗ペプチドを、精製することなく環化に付した。
【0694】
粗線状ペプチド240mgをDMF 220mlに溶解し、N−メチルモルホリン500μLを添加して見掛けのpHを8.0とした。BOP 280mgを添加し、HPLCで環化をモニターした。典型的には、環化は18〜24時間で完了した。水10mlを添加して反応を停止し、DMFを減圧下に蒸発させ、得られる反応混合物をHPLCで精製した。
【0695】
この粗環状材料を、Vydac C18−カラム(2.5×20cm)上の分取HPLCで精製し、20〜60%B(緩衡液A:0.1%TFA/H2O、緩衡液B:0.1%TFA/CH3CN)の線形勾配で90分間溶離し、流速を8ml/minとし、検出を280nmで行った。主なピークは、集めた画分の分析的HPLC分析によりカットし、貯留し、凍結乾燥して、白色無定形粉末55mg(14%)を得た。この化合物はHPLCによると均質であった。LR−エレクトロスプレー:C5473118計算値:1028、実測値:m/z(1029 M+H)。
【0696】
実施例33
ペンタ−シクロ(Asp−Lys)−Asp−Apc−(D)Phe−Arg−N−メチル(2)Nal−Lys−NH2の調製
【0697】
【化232】
Figure 0004217069
【0698】
実施例29からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(720mg、0.4mmol)を、先に記載のプロトコール1を用いて固相合成に付した。すべてのカップリングは、カップリング剤としてのDMF中のHBTUおよび塩基としてのDIPEA(3当量)を用いて行った。2回のカップリングサイクルを行い、その各1サイクルは、Fmoc−Lys(Boc)(565mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc(2)Nal(530mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)を用いた。
【0699】
2−Nal残基からFmocを除去した後、得られるアミンを、DMF中の塩基としての2−ニトロベンゼンスルホニルクロリド(5当量、426mg、1.93mmol)およびDIPEA(5当量)を用いて、その2−ニトロベンゼンスルホニル誘導体に転換した。DMF(6×30ml)、続いてCH2Cl2(3×30ml)を用いて洗浄を行い、樹脂を減圧下に乾燥した。得られたスルホンアミドを、THF中のトリフェニルホスフィン(5当量、505mg、1.93mmol)、N,N−ジエチルアゾジカルボキシレート(5当量、303μL、1.93mmol)およびメタノール(10当量、156μL、3.85mmol)を用いてメチル化に付した。THF(6×30ml)、続いてCH2Cl2(5×30ml)を用いて洗浄を行い、樹脂を減圧下に乾燥した。次に、2−ニトロベンゼンスルホニル基を、DMF中の1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデカ−7−エン(3当量,173μL、1.16mmol)、2−メルカプトエタノール(5当量、135μL、1.93mmol)を用いて除去した。DMF(3×30ml)、イソプロパノール(3×30ml)、続いてエチルエーテル(3×30ml)を用いて洗浄を行ない、樹脂を減圧下に乾燥した。得られたN−Me−2−Nal樹脂を、4回のカップリングサイクルに付し、各1回のサイクルは、Fmoc−Arg(Pmc)(800mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−(D)Phe(480mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Apc(550mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Asp(OBut)(500mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)を用いた。ペプチド樹脂をプロトコール1の工程1〜5に付し、CH2Cl2で洗い(3回)、6%DIPEA/CH2Cl2中の吉草酸無水物2mLで30分間処理した。樹脂を濾過し、CH2Cl2(2回)、イソプロパノール、およびCH2Cl2(3回)のそれぞれ50mlで順次洗った。樹脂を減圧下に乾燥して、ペンチルヘキサペプチド樹脂1.2gを得た。
【0700】
ペンチルヘキサペプチド樹脂を、室温で、エタンジチオール100μL、硫化ジメチル100μL、アニソール250μLおよびトリフルオロ酢酸10mLで、180分間処理した。樹脂を濾去し、TFA約2mlで洗い、濾液を冷たいエチルエーテル中で沈殿させた。沈殿を遠心分離し、エーテル層をデカンテーションした。残渣を2倍または3倍体積のEt2Oで洗い、再び遠心分離し、粗線状生成物を減圧下に乾燥して、灰色がかった白色固体235mgを得た。粗ペプチドを、精製することなく環化に付した。
【0701】
粗線状ペプチド235mgをDMF 220mlに溶解し、N−メチルモルホリン500μLを添加して見掛けのpHを8.0とした。BOP 280mgを添加し、HPLCで環化をモニターした。典型的には、環化は18〜24時間で完了した。水10mlを添加して反応を停止し、DMFを減圧下に蒸発させ、得られる反応混合物をHPLCで精製した。
【0702】
この粗環状材料を、Vydac C18−カラム(2.5×20cm)上の分取HPLCで精製し、20〜60%B(緩衡液A:0.1%TFA/H2O、緩衡液B:0.1%TFA/CH3CN)の線形勾配で90分間溶離し、流速を8ml/minとし、検出を280nmで行った。主なピークは、集めた画分の分析的HPLC分析によりカットし、貯留し、凍結乾燥して、白色無定形粉末43mg(10%)を得た。この化合物はHPLCによると均質であった。LR−エレクトロスプレー:C5775118計算値:1042、実測値:m/z(1043 M+H)。
【0703】
実施例34
シクロ(コハク酸−Lys)−コハク酸−Apc−(D)Phe−Arg−Trp−Lys−NH2の調製
【0704】
【化233】
Figure 0004217069
【0705】
実施例29からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(720mg、0.4mmol)を、先に記載のプロトコール1を用いて固相合成に付した。すべてのカップリングは、カップリング剤としてのDMF中のHBTUおよび塩基としてのDIPEA(3当量)を用いて行った。6回のカップリングサイクルを行い、その各1サイクルは、Fmoc−Lys(Boc)(565mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Trp(520mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Arg(Pmc)(800mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−(D)Phe(480mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Apc(550mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、0.6mmol)、DMF中の無水コハク酸(600mg、6mmol)とDIPEA 1.1mlを用いた。
【0706】
樹脂を濾過し、CH2Cl2(2回)、イソプロパノール、およびCH2Cl2(3回)のそれぞれ50mlで順次洗った。樹脂を減圧下に乾燥して、ペンタペプチド樹脂1.0gを得た。ペンタペプチド樹脂を、室温で、エタンジチオール100μL、硫化ジメチル100μL、アニソール250μLおよびトリフルオロ酢酸10mLで180分間処理した。樹脂を濾去し、TFA約2mlで洗い、濾液を冷たいエチルエーテル中で沈殿させた。沈殿を遠心分離し、エーテル層をデカンテーションした。残渣を2倍または3倍体積のEt2Oで洗い、再び遠心分離し、粗線状生成物を減圧下に乾燥して、灰色がかった白色固体220mgを得た。粗ペプチドを、精製することなく環化に付した。
【0707】
粗線状ペプチド220mgをDMF 220mlに溶解し、N−メチルモルホリン500μLを添加して見掛けのpHを8.0とした。BOP 280mgを添加し、HPLCで環化をモニターした。典型的には、環化は18〜24時間で完了した。水10mlを添加して反応を停止し、DMFを減圧下に蒸発させ、得られた反応混合物をHPLCで精製した。
【0708】
この粗環状材料を、Vydac C18−カラム(2.5×20cm)上の分取HPLCで精製し、20〜60%B(緩衡液A:0.1%TFA/H2O、緩衡液B:0.1%TFA/CH3CN)の線形勾配で90分間溶離し、流速を8ml/minとし、検出を280nmで行った。主なピークは、集めた画分の分析的HPLC分析によりカットし、貯留し、凍結乾燥して、白色無定形粉末40mg(11%)を得た。この化合物はHPLCによると均質であった。LR−エレクトロスプレー:C4963117計算値:918、実測値:m/z(919 M+H)。
【0709】
実施例35
シクロ(マレイン酸−Lys)−マレイン酸−Apc−(D)Phe−Arg−Trp−Lys−NH2の調製
【0710】
【化234】
Figure 0004217069
【0711】
実施例29からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(720mg、0.4mmol)を、先に記載のプロトコール1を用いて固相合成に付した。すべてのカップリングは、カップリング剤としてのDMF中のHBTUおよび塩基としてのDIPEA(3当量)を用いて行った。6回のカップリングサイクルを行い、その各1サイクルは、Fmoc−Lys(Boc)(565mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Trp(520mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Arg(Pmc)(800mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−(D)Phe(480mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Apc(550mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、0.6mmol)、DMF中の無水マレイン酸(600mg、6mmol)にHOBT(800mg、6mmol)を加え、DIPEAは加えず用いた。樹脂を濾過し、CH2Cl2(2回)、イソプロパノール、およびCH2Cl2(3回)のそれぞれ50mlで順次洗った。樹脂を減圧下に乾燥して、ペンタペプチド樹脂1.0gを得た。ペンタペプチド樹脂を、室温で、エタンジチオール100μL、硫化ジメチル100μL、アニソール250μLおよびトリフルオロ酢酸10mLで180分間処理した。樹脂を濾去し、TFA約2mlで洗い、濾液を冷たいエチルエーテル中で沈殿させた。沈殿を遠心分離し、エーテル層をデカンテーションした。残渣を2倍または3倍体積のEt2Oで洗い、再び遠心分離し、粗生成物を減圧下に乾燥して、灰色がかった白色固体230mgを得た。粗ペプチドを、精製することなく環化に付した。
【0712】
粗線状ペプチド230mgをDMF 220mlに溶解し、N−メチルモルホリン500μLを添加して見掛けのpHを8.0とした。BOP 280mgを添加し、HPLCで環化をモニターした。典型的には、環化は18〜24時間で完了した。水10mlを添加して反応を停止し、DMFを減圧下に蒸発させ、得られる反応混合物をHPLCで精製した。
【0713】
この粗環状材料を、Vydac C18−カラム(2.5×20cm)上の分取HPLCで精製し、20〜60%B(緩衡液A:0.1%TFA/H2O、緩衡液B:0.1%TFA/CH3CN)の線形勾配で90分間溶離し、流速を8ml/minとし、検出を280nmで行った。主なピークは、集めた画分の分析的HPLC分析によりカットし、貯留し、凍結乾燥して:白色無定形粉末38mg(11%)を得た。この化合物はHPLCによると均質であった。LR−エレクトロスプレー:C4961117計算値:916、実測値:m/z(917 M+H)。
【0714】
実施例36
シクロ(フタル酸−Lys)−フタル酸−Apc−(D)Phe−Arg−Trp−Lys−NH2の調製
【0715】
【化235】
Figure 0004217069
【0716】
実施例29からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(720mg、0.4mmol)を、先に記載のプロトコール1を用いて固相合成に付した。すべてのカップリングは、カップリング剤としてのDMF中のHBTUおよび塩基としてのDIPEA(3当量)を用いて行った。6回のカップリングサイクルを行い、その各1サイクルは、Fmoc−Lys(Boc)(565mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Trp(520mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Arg(Pmc)(800mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−(D)Phe(480mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Apc(550mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、0.6mmol)、DMF中の無水フタル酸(660mg、6mmol)にDIPEA 1.1mlを加えて用いた。
【0717】
樹脂を濾過し、CH2Cl2(2回)、イソプロパノール、およびCH2Cl2(3回)のそれぞれ50mlで順次洗った。樹脂を減圧下に乾燥して、ペンタペプチド樹脂1.0gを得た。ペンタペプチド樹脂を、室温で、エタンジチオール100μL、硫化ジメチル100μL、アニソール250μLおよびトリフルオロ酢酸10mLで180分間処理した。樹脂を濾去し、TFA約2mlで洗い、濾液を冷たいエチルエーテル中で沈殿させた。沈殿を遠心分離し、エーテル層をデカンテーションした。残渣を2倍または3倍体積のEt2Oで洗い、再び遠心分離し、粗線状生成物を減圧下に乾燥して、灰色がかった白色固体220mgを得た。粗ペプチドを、精製することなく環化に付した。
【0718】
粗線状ペプチド220mgをDMF 220mlに溶解し、N−メチルモルホリン500μLを添加して見掛けのpHを8.0とした。BOP 280mgを添加し、HPLCで環化をモニターした。典型的には、環化は18〜24時間で完了した。水10mlを添加して反応を停止し、DMFを減圧下に蒸発させ、得られた反応混合物をHPLCで精製した。
【0719】
この粗環状材料を、Vydac C18−カラム(2.5×20cm)上の分取HPLCで精製し、20〜60%B(緩衡液A:0.1%TFA/H2O、緩衡液B:0.1%TFA/CH3CN)の線形勾配で90分間溶離し、流速を8ml/minとし、検出を280nmで行った。主なピークは、集めた画分の分析的HPLC分析によりカットし、貯留し、凍結乾燥して、白色無定形粉末35mg(10%)を得た。この化合物はHPLCによると均質であった。LR−エレクトロスプレー:C5363117計算値:966、実測値:m/z(967 M+H)。
【0720】
実施例37
ペンタ−シクロ(Asp−Lys)−Asp−4−OHApc−(D)Phe−Arg−Trp−Lys−NH2の調製
【0721】
【化236】
Figure 0004217069
【0722】
実施例29からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(720mg、0.4mmol)を、先に記載のプロトコール1を用いて固相合成に付した。すべてのカップリングは、カップリング剤としてのDMF中のHBTUおよび塩基としてのDIPEA(3当量)を用いて行った。6回のカップリングサイクルを行い、その各1サイクルは、Fmoc−Lys(Boc)(565mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Trp(520mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Arg(Pmc)(800mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−(D)Phe(480mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−4−OHApc(565mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Asp(OBut)(500mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)を用いた。ペプチド樹脂をプロトコール1の工程1〜5に付し、CH2Cl2で洗い(3回)、6%DIPEA/CH2Cl2中の吉草酸無水物2mLで30分間処理した。樹脂を濾過し、CH2Cl2(2回)、イソプロパノール、およびCH2Cl2(3回)のそれぞれ50mlで順次洗った。樹脂を減圧下に乾燥して、ペンチルヘキサペプチド樹脂1.1gを得た。
【0723】
ペンチルヘキサペプチド樹脂を、室温で、エタンジチオール100μL、硫化ジメチル100μL、アニソール250μLおよびトリフルオロ酢酸10mLで180分間処理した。樹脂を濾去し、TFA約2mlで洗い、濾液を冷たいエチルエーテル中で沈殿させた。沈殿を遠心分離し、エーテル層をデカンテーションした。残渣を2倍または3倍体積のEt2Oで洗い、再び遠心分離し、粗線状生成物を減圧下に乾燥して、灰色がかった白色固体225mgを得た。粗ペプチドを、精製することなく環化に付した。
【0724】
粗線状ペプチド225mgをDMF 220mlに溶解し、N−メチルモルホリン500μLを添加して見掛けのpHを8.0とした。BOP 280mgを添加し、HPLCで環化をモニターした。典型的には、環化は18〜24時間で完了した。水10mlを添加して反応を停止し、DMFを減圧下に蒸発させ、得られた反応混合物をHPLCで精製した。
【0725】
この粗環状材料を、Vydac C18−カラム(2.5×20cm)上の分取HPLCで精製し、20〜60%B(緩衡液A:0.1%TFA/H2O、緩衡液B:0.1%TFA/CH3CN)の線形勾配で90分間溶離し、流速を8ml/minとし、検出を280nmで行った。主なピークは、集めた画分の分析的HPLC分析によりカットし、貯留し、凍結乾燥して、白色無定形粉末55mg(13%)を得た。この化合物はHPLCによると均質であった。LR−エレクトロスプレー:C5472129計算値:1033、実測値:m/z(1034 M+H)。
【0726】
実施例38
ペンタ−シクロ(Asp−Lys)−Asp−4−MeOApc−(D)Phe−Arg−Trp−Lys−NH2の調製
【0727】
【化237】
Figure 0004217069
【0728】
実施例29からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(720mg、0.4mmol)を、先に記載のプロトコール1を用いて固相合成に付した。すべてのカップリングは、カップリング剤としてのDMF中のHBTUおよび塩基としてのDIPEA(3当量)を用いて行った。6回のカップリングサイクルを行い、その各1サイクルは、Fmoc−Lys(Boc)(565mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Trp(520mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Arg(Pmc)(800mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−(D)Phe(480mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−4−MeOApc(600mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、0.6mmol)、Fmoc−Asp(OBut)(500mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)を用いた。ペプチド樹脂をプロトコール1の工程1〜5に付し、CH2Cl2で洗い(3回)、6%DIPEA/CH2Cl2中の吉草酸無水物2mLで30分間処理した。樹脂を濾過し、CH2Cl2(2回)、イソプロパノール、およびCH2Cl2(3回)のそれぞれ50mlで順次洗った。樹脂を減圧下に乾燥して、ペンチルヘキサペプチド樹脂1.1gを得た。
【0729】
ペンチルヘキサペプチド樹脂を、室温で、エタンジチオール100μL、硫化ジメチル100μL、アニソール250μLおよびトリフルオロ酢酸10mLで180分間処理した。樹脂を濾去し、TFA約2mlで洗い、濾液を冷たいエチルエーテル中で沈殿させた。沈殿を遠心分離し、エーテル層をデカンテーションした。残渣を2倍または3倍体積のEt2Oで洗い、再び遠心分離し、粗線状生成物を減圧下に乾燥して、灰色がかった白色固体235mgを得た。粗ペプチドを、精製することなく環化に付した。
【0730】
粗線状ペプチド235mgをDMF 220mlに溶解し、N−メチルモルホリン500μLを添加して見掛けのpHを8.0とした。BOP 280mgを添加し、HPLCで環化をモニターした。典型的には、環化は18〜24時間で完了した。水10mlを添加して反応を停止し、DMFを減圧下に蒸発させ、得られた反応混合物をHPLCで精製した。
【0731】
この粗環状材料を、Vydac C18−カラム(2.5×20cm)上の分取HPLCで精製し、20〜60%B(緩衡液A:0.1%TFA/H2O、緩衡液B:0.1%TFA/CH3CN)の線形勾配で90分間溶離し、流速を8ml/minとし、検出を280nmで行った。主なピークは、集めた画分の分析的HPLC分析によりカットし、貯留し、凍結乾燥して、白色無定形粉末49mg(12%)を得た。この化合物はHPLCによると均質であった。LR−エレクトロスプレー:C5574129計算値:1047、実測値:m/z(1048 M+H)。
【0732】
実施例39
ペンタ−シクロ(Asp−Lys)−Asp−4−EtOApc−(D)Phe−Arg−Trp−Lys−NH2の調製
【0733】
【化238】
Figure 0004217069
【0734】
実施例29からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(720mg、0.4mmol)を、先に記載のプロトコール1を用いて固相合成に付した。すべてのカップリングは、カップリング剤としてのDMF中のHBTUおよび塩基としてのDIPEA(3当量)を用いて行った。6回のカップリングサイクルを行い、その各1サイクルは、Fmoc−Lys(Boc)(565mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Trp(520mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Arg(Pmc)(800mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−(D)Phe(480mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−4−EtOApc(640mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、0.6mmol)、Fmoc−Asp(OBut)(500mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)を用いた。ペプチド樹脂をプロトコール1の工程1〜5に付し、CH2Cl2で洗い(3回)、6%DIPEA/CH2Cl2中の吉草酸無水物2mLで30分間処理した。樹脂を濾過し、CH2Cl2(2回)、イソプロパノール、およびCH2Cl2(3回)のそれぞれ50mlで順次洗った。樹脂を減圧下に乾燥して、ペンチルヘキサペプチド樹脂1.2gを得た。
【0735】
ペンチルヘキサペプチド樹脂を、室温で、エタンジチオール100μL、硫化ジメチル100μL、アニソール250μLおよびトリフルオロ酢酸10mLで180分間処理した。樹脂を濾去し、TFA約2mlで洗い、濾液を冷たいエチルエーテル中で沈殿させた。沈殿を遠心分離し、エーテル層をデカンテーションした。残渣を2倍または3倍体積のEt2Oで洗い、再び遠心分離し、粗線状生成物を減圧下に乾燥して、灰色がかった白色固体235mgを得た。粗ペプチドを、精製することなく環化に付した。
【0736】
粗線状ペプチド235mgをDMF 220mlに溶解し、N−メチルモルホリン500μLを添加して見掛けのpHを8.0とした。BOP 280mgを添加し、HPLCで環化をモニターした。典型的には、環化は18〜24時間で完了した。水10mlを添加して反応を停止し、DMFを減圧下に蒸発させ、得られた反応混合物をHPLCで精製した。
【0737】
この粗環状材料を、Vydac C18−カラム(2.5×20cm)上の分取HPLCで精製し、20〜60%B(緩衡液A:0.1%TFA/H2O、緩衡液B:0.1%TFA/CH3CN)の線形勾配で90分間溶離し、流速を8ml/minとし、検出を280nmで行った。主なピークは、集めた画分の分析的HPLC分析によりカットし、貯留し、凍結乾燥して、白色無定形粉末60mg(14%)を得た。この化合物はHPLCによると均質であった。LR−エレクトロスプレー:C5676129計算値:1061、実測値:m/z(1062 M+H)。
【0738】
実施例40
ペンタ−シクロ(Asp−Lys)−Asp−4−iPrOApc−(D)Phe−Arg−Trp−Lys−NH2の調製
【0739】
【化239】
Figure 0004217069
【0740】
実施例29からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(720mg、0.4mmol)を、先に記載のプロトコール1を用いて固相合成に付した。すべてのカップリングは、カップリング剤としてのDMF中のHBTUおよび塩基としてのDIPEA(3当量)を用いて行った。6回のカップリングサイクルを行い、その各1サイクルは、Fmoc−Lys(Boc)(565mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Trp(520mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Arg(Pmc)(800mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−(D)Phe(480mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−4−iPrOApc(660mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、0.6mmol)、Fmoc−Asp(OBut)(500mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)を用いた。ペプチド樹脂をプロトコール1の工程1〜5に付し、CH2Cl2で洗い(3回)、6%DIPEA/CH2Cl2中の吉草酸無水物2mLで30分間処理した。樹脂を濾過し、CH2Cl2(2回)、イソプロパノール、およびCH2Cl2(3回)のそれぞれ50mlで順次洗った。樹脂を減圧下に乾燥して、ペンチルヘキサペプチド樹脂1.2gを得た。
【0741】
ペンチルヘキサペプチド樹脂を、室温で、エタンジチオール100μL、硫化ジメチル100μL、アニソール250μLおよびトリフルオロ酢酸10mLで180分間処理した。樹脂を濾去し、TFA約2mlで洗い、濾液を冷たいエチルエーテル中で沈殿させた。沈殿を遠心分離し、エーテル層をデカンテーションした。残渣を2倍または3倍体積のEt2Oで洗い、再び遠心分離し、粗線状生成物を減圧下に乾燥して、灰色がかった白色固体260mgを得た。粗ペプチドを、精製することなく環化に付した。
【0742】
粗線状ペプチド260mgをDMF 220mlに溶解し、N−メチルモルホリン500μLを添加して見掛けのpHを8.0とした。BOP 280mgを添加し、HPLCで環化をモニターした。典型的には、環化は18〜24時間で完了した。水10mlを添加して反応を停止し、DMFを減圧下に蒸発させ、得られた反応混合物をHPLCで精製した。
【0743】
この粗環状材料を、Vydac C18−カラム(2.5×20cm)上の分取HPLCで精製し、20〜60%B(緩衡液A:0.1%TFA/H2O、緩衡液B:0.1%TFA/CH3CN)の線形勾配で90分間溶離し、流速を8ml/minとし、検出を280nmで行った。主なピークは、集めた画分の分析的HPLC分析によりカットし、貯留し、凍結乾燥して、白色無定形粉末63mg(15%)を得た。この化合物はHPLCによると均質であった。LR−エレクトロスプレー:C5778129計算値:1075、実測値:m/z(1076 M+H)。
【0744】
実施例41
ペンタ−シクロ(Asp−Lys)−Asp−3−MeOApc−(D)Phe−Arg−Trp−Lys−NH2の調製
【0745】
【化240】
Figure 0004217069
【0746】
実施例29からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(720mg、0.4mmol)を、先に記載のプロトコール1を用いて固相合成に付した。すべてのカップリングは、カップリング剤としてのDMF中のHBTUおよび塩基としてのDIPEA(3当量)を用いて行った。6回のカップリングサイクルを行い、その各1サイクルは、Fmoc−Lys(Boc)(565mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Trp(520mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Arg(Pmc)(800mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−(D)Phe(480mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−3−MeOApc(600mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、0.6mmol)、Fmoc−Asp(OBut)(500mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)を用いた。ペプチド樹脂をプロトコール1の工程1〜5に付し、CH2Cl2で洗い(3回)、6%DIPEA/CH2Cl2中の吉草酸無水物2mLで30分間処理した。樹脂を濾過し、CH2Cl2(2回)、イソプロパノール、およびCH2Cl2(3回)のそれぞれ50mlで順次洗った。樹脂を減圧下に乾燥して、ペンチルヘキサペプチド樹脂1.1gを得た。
【0747】
ペンチルヘキサペプチド樹脂を、室温で、エタンジチオール100μL、硫化ジメチル100μL、アニソール250μLおよびトリフルオロ酢酸10mLで180分間処理した。樹脂を濾去し、TFA約2mlで洗い、濾液を冷たいエチルエーテル中で沈殿させた。沈殿を遠心分離し、エーテル層をデカンテーションした。残渣を2倍または3倍体積のEt2Oで洗い、再び遠心分離し、粗線状生成物を減圧下に乾燥して、灰色がかった白色固体235mgを得た。粗ペプチドを、精製することなく環化に付した。
【0748】
粗線状ペプチド235mgをDMF 220mlに溶解し、N−メチルモルホリン500μLを添加して見掛けのpHを8.0とした。BOP 280mgを添加し、HPLCで環化をモニターした。典型的には、環化は18〜24時間で完了した。水10mlを添加して反応を停止し、DMFを減圧下に蒸発させ、得られた反応混合物をHPLCで精製した。
【0749】
この粗環状材料を、Vydac C18−カラム(2.5×20cm)上の分取HPLCで精製し、20〜60%B(緩衡液A:0.1%TFA/H2O、緩衡液B:0.1%TFA/CH3CN)の線形勾配で90分間溶離し、流速を8ml/minとし、検出を280nmで行った。主なピークは、集めた画分の分析的HPLC分析によりカットし、貯留し、凍結乾燥して、白色無定形粉末49mg(12%)を得た。この化合物はHPLCによると均質であった。LR−エレクトロスプレー:C5574129計算値:1047、実測値:m/z(1048 M+H)。
【0750】
実施例42
ペンタ−シクロ(Asp−Lys)−Asp−4−ClApc−(D)Phe−Arg−Trp−Lys−NH2の調製
【0751】
【化241】
Figure 0004217069
【0752】
実施例29からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(720mg、0.4mmol)を、先に記載のプロトコール1を用いて固相合成に付した。すべてのカップリングは、カップリング剤としてのDMF中のHBTUおよび塩基としてのDIPEA(3当量)を用いて行った。6回のカップリングサイクルを行い、その各1サイクルは、Fmoc−Lys(Boc)(565mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Trp(520mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Arg(Pmc)(800mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−(D)Phe(480mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−4−ClApc(560mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Asp(OBut)(500mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)を用いた。ペプチド樹脂をプロトコール1の工程1〜5に付し、CH2Cl2で洗い(3回)、6%DIPEA/CH2Cl2中の吉草酸無水物2mLで30分間処理した。樹脂を濾過し、CH2Cl2(2回)、イソプロパノール、およびCH2Cl2(3回)のそれぞれ50mlで順次洗った。樹脂を減圧下に乾燥して、ペンチルヘキサペプチド樹脂1.0gを得た。
【0753】
ペンチルヘキサペプチド樹脂を、室温で、エタンジチオール100μL、硫化ジメチル100μL、アニソール250μLおよびトリフルオロ酢酸10mLで180分間処理した。樹脂を濾去し、TFA約2mlで洗い、濾液を冷たいエチルエーテル中で沈殿させた。沈殿を遠心分離し、エーテル層をデカンテーションした。残渣を2倍または3倍体積のEt2Oで洗い、再び遠心分離し、粗線状生成物を減圧下に乾燥して、灰色がかった白色固体230mgを得た。粗ペプチドを、精製することなく環化に付した。
【0754】
粗線状ペプチド230mgをDMF 220mlに溶解し、N−メチルモルホリン500μLを添加して見掛けのpHを8.0とした。BOP 280mgを添加し、HPLCで環化をモニターした。典型的には、環化は18〜24時間で完了した。水10mlを添加して反応を停止し、DMFを減圧下に蒸発させ、得られた反応混合物をHPLCで精製した。
【0755】
この粗環状材料を、Vydac C18−カラム(2.5×20cm)上の分取HPLCで精製し、20〜60%B(緩衡液A:0.1%TFA/H2O、緩衡液B:0.1%TFA/CH3CN)の線形勾配で90分間溶離し、流速を8ml/minとし、検出を280nmで行った。主なピークは、集めた画分の分析的HPLC分析によりカットし、貯留し、凍結乾燥して、白色無定形粉末49mg(12%)を得た。この化合物はHPLCによると均質であった。LR−エレクトロスプレー:C5471128計算値:1051、実測値:m/z(1052 M+H)。
【0756】
実施例43
ペンタ−シクロ(Asp−Lys)−Asp−4−MeApc−(D)Phe−Arg−Trp−Lys−NH2の調製
【0757】
【化242】
Figure 0004217069
【0758】
実施例29からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(720mg、0.4mmol)を、先に記載のプロトコール1を用いて固相合成に付した。すべてのカップリングは、カップリング剤としてのDMF中のHBTUおよび塩基としてのDIPEA(3当量)を用いて行った。6回のカップリングサイクルを行い、その各1サイクルは、Fmoc−Lys(Boc)(565mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Trp(520mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Arg(Pmc)(800mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−(D)Phe(480mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−4−MeApc(590mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、0.6mmol)、Fmoc−Asp(OBut)(500mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)を用いた。ペプチド樹脂をプロトコール1の工程1〜5に付し、CH2Cl2で洗い(3回)、6%DIPEA/CH2Cl2中の吉草酸無水物2mLで30分間処理した。樹脂を濾過し、CH2Cl2(2回)、イソプロパノール、およびCH2Cl2(3回)のそれぞれ50mlで順次洗った。樹脂を減圧下に乾燥して、ペンチルヘキサペプチド樹脂1.2gを得た。
【0759】
ペンチルヘキサペプチド樹脂を、室温で、エタンジチオール100μL、硫化ジメチル100μL、アニソール250μLおよびトリフルオロ酢酸10mLで180分間処理した。樹脂を濾去し、TFA約2mlで洗い、濾液を冷たいエチルエーテル中で沈殿させた。沈殿を遠心分離し、エーテル層をデカンテーションした。残渣を2倍または3倍体積のEt2Oで洗い、再び遠心分離し、粗線状生成物を減圧下に乾燥して、灰色がかった白色固体240mgを得た。粗ペプチドを、精製することなく環化に付した。
【0760】
粗線状ペプチド240mgをDMF 220mlに溶解し、N−メチルモルホリン500μLを添加して見掛けのpHを8.0とした。BOP 280mgを添加し、HPLCで環化をモニターした。典型的には、環化は18〜24時間で完了した。水10mlを添加して反応を停止し、DMFを減圧下に蒸発させ、得られた反応混合物をHPLCで精製した。
【0761】
この粗環状材料を、Vydac C18−カラム(2.5×20cm)上の分取HPLCで精製し、20〜60%B(緩衡液A:0.1%TFA/H2O、緩衡液B:0.1%TFA/CH3CN)の線形勾配で90分間溶離し、流速を8ml/minとし、検出を280nmで行った。主なピークは、集めた画分の分析的HPLC分析によりカットし、貯留し、凍結乾燥して、白色無定形粉末55mg(14%)を得た。この化合物はHPLCによると均質であった。LR−エレクトロスプレー:C5574128計算値:1031、実測値:m/z(1032 M+H)。
【0762】
実施例44
ペンタ−シクロ(Glu−Lys)−Glu−Apc−(D)Phe−Arg−Trp−Lys−NH2の調製
【0763】
【化243】
Figure 0004217069
【0764】
実施例29からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(720mg、0.4mmol)を、先に記載のプロトコール1を用いて固相合成に付した。すべてのカップリングは、カップリング剤としてのDMF中のHBTUおよび塩基としてのDIPEA(3当量)を用いて行った。6回のカップリングサイクルを行い、その各1サイクルは、Fmoc−Lys(Boc)(565mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Trp(520mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Arg(Pmc)(800mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−(D)Phe(480mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Apc(550mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、0.6mmol)、Fmoc−Glu(OBut)(510mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)を用いた。ペプチド樹脂をプロトコール1の工程1〜5に付し、CH2Cl2で洗い(3回)、6%DIPEA/CH2Cl2中の吉草酸無水物2mLで30分間処理した。樹脂を濾過し、CH2Cl2(2回)、イソプロパノール、およびCH2Cl2(3回)のそれぞれ50mlで順次洗った。樹脂を減圧下に乾燥して、ペンチルヘキサペプチド樹脂1.1gを得た。
【0765】
ペンチルヘキサペプチド樹脂を、室温で、エタンジチオール100μL、硫化ジメチル100μL、アニソール250μLおよびトリフルオロ酢酸10mLで180分間処理した。樹脂を濾去し、TFA約2mlで洗い、濾液を冷たいエチルエーテル中で沈殿させた。沈殿を遠心分離し、エーテル層をデカンテーションした。残渣を2倍または3倍体積のEt2Oで洗い、再び遠心分離し、粗線状生成物を減圧下に乾燥して、灰色がかった白色固体255mgを得た。粗ペプチドを、精製することなく環化に付した。
【0766】
粗線状ペプチド255mgをDMF 220mlに溶解し、N−メチルモルホリン500μLを添加して見掛けのpHを8.0とした。BOP 280mgを添加し、HPLCで環化をモニターした。典型的には、環化は18〜24時間で完了した。水10mlを添加して反応を停止し、DMFを減圧下に蒸発させ、得られた反応混合物をHPLCで精製した。
【0767】
この粗環状材料を、Vydac C18−カラム(2.5×20cm)上の分取HPLCで精製し、20〜60%B(緩衡液A:0.1%TFA/H2O、緩衡液B:0.1%TFA/CH3CN)の線形勾配で90分間溶離し、流速を8ml/minとし、検出を280nmで行った。主なピークは、集めた画分の分析的HPLC分析によりカットし、貯留し、凍結乾燥して、白色無定形粉末60mg(15%)を得た。この化合物はHPLCによると均質であった。LR−エレクトロスプレー:C5574128計算値:1031、実測値:m/z(1032 M+H)。
【0768】
実施例45
ペンタ−シクロ(Asp−Orn)−Asp−Apc−(D)Phe−Arg−Trp−Orn−NH2の調製
【0769】
【化244】
Figure 0004217069
【0770】
実施例29からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(720mg、0.4mmol)を、先に記載のプロトコール1を用いて固相合成に付した。すべてのカップリングは、カップリング剤としてのDMF中のHBTUおよび塩基としてのDIPEA(3当量)を用いて行った。6回のカップリングサイクルを行い、その各1サイクルは、Fmoc−Orn(Boc)(550mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Trp(520mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Arg(Pmc)(800mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−(D)Phe(480mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Apc(550mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、0.6mmol)、Fmoc−Asp(OBut)(500mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)を用いた。ペプチド樹脂をプロトコール1の工程1〜5に付し、CH2Cl2で洗い(3回)、6%DIPEA/CH2Cl2中の吉草酸無水物2mLで30分間処理した。樹脂を濾過し、CH2Cl2(2回)、イソプロパノール、およびCH2Cl2(3回)のそれぞれ50mlで順次洗った。樹脂を減圧下に乾燥して、ペンチルヘキサペプチド樹脂1.15gを得た。
【0771】
ペンチルヘキサペプチド樹脂を、室温で、エタンジチオール100μL、硫化ジメチル100μL、アニソール250μLおよびトリフルオロ酢酸10mLで180分間処理した。樹脂を濾去し、TFA約2mlで洗い、濾液を冷たいエチルエーテル中で沈殿させた。沈殿を遠心分離し、エーテル層をデカンテーションした。残渣を2倍または3倍体積のEt2Oで洗い、再び遠心分離し、粗線状生成物を減圧下に乾燥して、灰色がかった白色固体240mgを得た。粗ペプチドを、精製することなく環化に付した。
【0772】
粗線状ペプチド240mgをDMF 220mlに溶解し、N−メチルモルホリン500μLを添加して見掛けのpHを8.0とした。BOP 280mgを添加し、HPLCで環化をモニターした。典型的には、環化は18〜24時間で完了した。水10mlを添加して反応を停止し、DMFを減圧下に蒸発させ、得られた反応混合物をHPLCで精製した。
【0773】
この粗環状材料を、Vydac C18−カラム(2.5×20cm)上の分取HPLCで精製し、20〜60%B(緩衡液A:0.1%TFA/H2O、緩衡液B:0.1%TFA/CH3CN)の線形勾配で90分間溶離し、流速を8ml/minとし、検出を280nmで行った。主なピークは、集めた画分の分析的HPLC分析によりカットし、貯留し、凍結乾燥して、白色無定形粉末53mg(13%)を得た。この化合物はHPLCによると均質であった。LR−エレクトロスプレー:C5370128計算値:1003、実測値:m/z(1004 M+H)。
【0774】
実施例46
ペンタ−シクロ(Asp−Dbr)−Asp−Apc−(D)Phe−Arg−Trp−Dbr−NH2の調製
【0775】
【化245】
Figure 0004217069
【0776】
実施例29からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(720mg、0.4mmol)を、先に記載のプロトコール1を用いて固相合成に付した。すべてのカップリングは、カップリング剤としてのDMF中のHBTUおよび塩基としてのDIPEA(3当量)を用いて行った。6回のカップリングサイクルを行い、その各1サイクルは、Fmoc−Dbr(Boc)(540mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Trp(520mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Arg(Pmc)(800mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−(D)Phe(480mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Apc(550mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、0.6mmol)、Fmoc−Asp(OBut)(500mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)を用いた。ペプチド樹脂をプロトコール1の工程1〜5に付し、CH2Cl2で洗い(3回)、6%DIPEA/CH2Cl2中の吉草酸無水物2mLで30分間処理した。樹脂を濾過し、CH2Cl2(2回)、イソプロパノール、およびCH2Cl2(3回)のそれぞれ50mlで順次洗った。樹脂を減圧下に乾燥して、ペンチルヘキサペプチド樹脂1.10gを得た。
【0777】
ペンチルヘキサペプチド樹脂を、室温で、エタンジチオール100μL、硫化ジメチル100μL、アニソール250μLおよびトリフルオロ酢酸10mLで180分間処理した。樹脂を濾去し、TFA約2mlで洗い、濾液を冷たいエチルエーテル中で沈殿させた。沈殿を遠心分離し、エーテル層をデカンテーションした。残渣を2倍または3倍体積のEt2Oで洗い、再び遠心分離し、粗線状生成物を減圧下に乾燥して、灰色がかった白色固体220mgを得た。粗ペプチドを、精製することなく環化に付した。
【0778】
粗線状ペプチド220mgをDMF 220mlに溶解し、N−メチルモルホリン500μLを添加して見掛けのpHを8.0とした。BOP 280mgを添加し、HPLCで環化をモニターした。典型的には、環化は18〜24時間で完了した。水10mlを添加して反応を停止し、DMFを減圧下に蒸発させ、得られた反応混合物をHPLCで精製した。
【0779】
この粗環状材料を、Vydac C18−カラム(2.5×20cm)上の分取HPLCで精製し、20〜60%B(緩衡液A:0.1%TFA/H2O、緩衡液B:0.1%TFA/CH3CN)の線形勾配で90分間溶離し、流速を8ml/minとし、検出を280nmで行った。主なピークは、集めた画分の分析的HPLC分析によりカットし、貯留し、凍結乾燥して、白色無定形粉末35mg(9%)を得た。この化合物はHPLCによると均質であった。LR−エレクトロスプレー:C5268128計算値:989実測値:m/z(990 M+H)。
【0780】
実施例47
ペンタ−シクロ(Asp−Dpr)−Asp−Apc−(D)Phe−Arg−Trp−Dpr−NH2の調製
【0781】
【化246】
Figure 0004217069
【0782】
実施例29からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(720mg、0.4mmol)を、先に記載のプロトコール1を用いて固相合成に付した。すべてのカップリングは、カップリング剤としてのDMF中のHBTUおよび塩基としてのDIPEA(3当量)を用いて行った。6回のカップリングサイクルを行い、その各1サイクルは、Fmoc−Dpr(Boc)(530mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Trp(520mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Arg(Pmc)(800mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−(D)Phe(480mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Apc(550mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、0.6mmol)、Fmoc−Asp(OBut)(500mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)を用いた。ペプチド樹脂をプロトコール1の工程1〜5に付し、CH2Cl2で洗い(3回)、6%DIPEA/CH2Cl2中の吉草酸無水物2mLで30分間処理した。樹脂を濾過し、CH2Cl2(2回)、イソプロパノール、およびCH2Cl2(3回)のそれぞれ50mlで順次洗った。樹脂を減圧下に乾燥して、ペンチルヘキサペプチド樹脂1.0gを得た。
【0783】
ペンチルヘキサペプチド樹脂を、室温で、エタンジチオール100μL、硫化ジメチル100μL、アニソール250μLおよびトリフルオロ酢酸10mLで180分間処理した。樹脂を濾去し、TFA約2mlで洗い、濾液を冷たいエチルエーテル中で沈殿させた。沈殿を遠心分離し、エーテル層をデカンテーションした。残渣を2倍または3倍体積のEt2Oで洗い、再び遠心分離し、粗線状生成物を減圧下に乾燥して、灰色がかった白色固体200mgを得た。粗ペプチドを、精製することなく環化に付した。
【0784】
粗線状ペプチド200mgをDMF 220mlに溶解し、N−メチルモルホリン500μLを添加して見掛けのpHを8.0とした。BOP 280mgを添加し、HPLCで環化をモニターした。典型的には、環化は18〜24時間で完了した。水10mlを添加して反応を停止し、DMFを減圧下に蒸発させ、得られた反応混合物をHPLCで精製した。
【0785】
この粗環状材料を、Vydac C18−カラム(2.5×20cm)上の分取HPLCで精製し、20〜60%B(緩衡液A:0.1%TFA/H2O、緩衡液B:0.1%TFA/CH3CN)の線形勾配で90分間溶離し、流速を8ml/minとし、検出を280nmで行った。主なピークは、集めた画分の分析的HPLC分析によりカットし、貯留し、凍結乾燥して、白色無定形粉末30mg(8%)を得た。この化合物はHPLCによると均質であった。LR−エレクトロスプレー:C5166128計算値:975、実測値:m/z(976 M+H)。
【0786】
実施例48
Ac−シクロ(Asp−Dpr)−Asp−Apc−(D)Phe−Arg−Trp−Dpr−NH2の調製
【0787】
【化247】
Figure 0004217069
【0788】
実施例29からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(720mg、0.4mmol)を、先に記載のプロトコール1を用いて固相合成に付した。すべてのカップリングは、カップリング剤としてのDMF中のHBTUおよび塩基としてのDIPEA(3当量)を用いて行った。6回のカップリングサイクルを行い、その各1サイクルは、Fmoc−Dpr(Boc)(530mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Trp(520mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Arg(Pmc)(800mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−(D)Phe(480mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Apc(550mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、0.6mmol)、Fmoc−Asp(OBut)(500mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)を用いた。ペプチド樹脂をプロトコール1の工程1〜5に付し、CH2Cl2で洗い(3回)、6%DIPEA/CH2Cl2中の吉草酸無水物2mLで30分間処理した。樹脂を濾過し、CH2Cl2(2回)、イソプロパノール、およびCH2Cl2(3回)のそれぞれ50mlで順次洗った。樹脂を減圧下に乾燥して、アセチルヘキサペプチド樹脂1.1gを得た。
【0789】
アセチルヘキサペプチド樹脂を、室温で、エタンジチオール100μL、硫化ジメチル100μL、アニソール250μLおよびトリフルオロ酢酸10mLで180分間処理した。樹脂を濾去し、TFA約2mlで洗い、濾液を冷たいエチルエーテル中で沈殿させた。沈殿を遠心分離し、エーテル層をデカンテーションした。残渣を2倍または3倍体積のEt2Oで洗い、再び遠心分離し、粗線状生成物を減圧下に乾燥して、灰色がかった白色固体200mgを得た。粗ペプチドを、精製することなく環化に付した。
【0790】
粗線状ペプチド210mgをDMF 220mlに溶解し、N−メチルモルホリン500μLを添加して見掛けのpHを8.0とした。BOP 280mgを添加し、HPLCで環化をモニターした。典型的には、環化は18〜24時間で完了した。水10mlを添加して反応を停止し、DMFを減圧下に蒸発させ、得られた反応混合物をHPLCで精製した。
【0791】
この粗環状材料を、Vydac C18−カラム(2.5×20cm)上の分取HPLCで精製し、20〜60%B(緩衡液A:0.1%TFA/H2O、緩衡液B:0.1%TFA/CH3CN)の線形勾配で90分間溶離し、流速を8ml/minとし、検出を280nmで行った。主なピークは、集めた画分の分析的HPLC分析によりカットし、貯留し、凍結乾燥して、白色無定形粉末28mg(8%)を得た。この化合物はHPLCによると均質であった。LR−エレクトロスプレー:C4860128計算値:933、実測値:m/z(934 M+H)。
【0792】
実施例49
シクロ(フタル酸−Dpr)−フタル酸−Apc−(D)Phe−Arg−Trp−Dpr−NH2の調製
【0793】
【化248】
Figure 0004217069
【0794】
実施例29からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(720mg、0.4mmol)を、先に記載のプロトコール1を用いて固相合成に付した。すべてのカップリングは、カップリング剤としてのDMF中のHBTUおよび塩基としてのDIPEA(3当量)を用いて行った。6回のカップリングサイクルを行い、その各1サイクルは、Fmoc−Dpr(Boc)(530mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Trp(520mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Arg(Pmc)(800mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−(D)Phe(480mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Apc(550mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、0.6mmol)、DMF中の無水フタル酸(660mg、6mmol)にDIPEA 1.1mlを加えて用いた。樹脂を濾過し、CH2Cl2(2回)、イソプロパノール、およびCH2Cl2(3回)のそれぞれ50mlで順次洗った。樹脂を減圧下に乾燥して、ペンタペプチド樹脂1.0gを得た。
【0795】
ペンタペプチド樹脂を、室温で、エタンジチオール100μL、硫化ジメチル100μL、アニソール250μLおよびトリフルオロ酢酸10mLで180分間処理した。樹脂を濾去し、TFA約2mlで洗い、濾液を冷たいエチルエーテル中で沈殿させた。沈殿を遠心分離し、エーテル層をデカンテーションした。残渣を2倍または3倍体積のEt2Oで洗い、再び遠心分離し、粗線状生成物を減圧下に乾燥して、灰色がかった白色固体220mgを得た。粗ペプチドを、精製することなく環化に付した。
【0796】
粗線状ペプチド220mgをDMF 220mlに溶解し、N−メチルモルホリン500μLを添加して見掛けのpHを8.0とした。BOP 280mgを添加し、HPLCで環化をモニターした。典型的には、環化は18〜24時間で完了した。水10mlを添加して反応を停止し、DMFを減圧下に蒸発させ、得られた反応混合物をHPLCで精製した。
【0797】
この粗環状材料を、Vydac C18−カラム(2.5×20cm)上の分取HPLCで精製し、20〜60%B(緩衡液A:0.1%TFA/H2O、緩衡液B:0.1%TFA/CH3CN)の線形勾配で90分間溶離し、流速を8ml/minとし、検出を280nmで行った。主なピークは、集めた画分の分析的HPLC分析によりカットし、貯留し、凍結乾燥して、白色無定形粉末30mg(8%)を得た。この化合物はHPLCによると均質であった。LR−エレクトロスプレー:C5057117計算値:924、実測値:m/z(925 M+H)。
【0798】
実施例50
シクロ(コハク酸−Dpr)−コハク酸−Apc−(D)Phe−Arg−Trp−Dpr−NH2の調製
【0799】
【化249】
Figure 0004217069
【0800】
実施例29からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(720mg、0.4mmol)を、先に記載のプロトコール1を用いて固相合成に付した。すべてのカップリングは、カップリング剤としてのDMF中のHBTUおよび塩基としてのDIPEA(3当量)を用いて行った。6回のカップリングサイクルを行い、その各1サイクルは、Fmoc−Dpr(Boc)(530mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Trp(520mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Arg(Pmc)(800mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−(D)Phe(480mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Apc(550mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、0.6mmol)、DMF中の無水コハク酸(600mg、6mmol)にDIPEA 1.1mlを加えて用いた。樹脂を濾過し、CH2Cl2(2回)、イソプロパノール、およびCH2Cl2(3回)のそれぞれ50mlで順次洗った。樹脂を減圧下に乾燥して、ペンタペプチド樹脂1.0gを得た。
【0801】
ペンタペプチド樹脂を、室温で、エタンジチオール100μL、硫化ジメチル100μL、アニソール250μLおよびトリフルオロ酢酸10mLで180分間処理した。樹脂を濾去し、TFA約2mlで洗い、濾液を冷たいエチルエーテル中で沈殿させた。沈殿を遠心分離し、エーテル層をデカンテーションした。残渣を2倍または3倍体積のEt2Oで洗い、再び遠心分離し、粗線状生成物を減圧下に乾燥して、灰色がかった白色固体220mgを得た。粗ペプチドを、精製することなく環化に付した。
【0802】
粗線状ペプチド220mgをDMF 220mlに溶解し、N−メチルモルホリン500μLを添加して見掛けのpHを8.0とした。BOP 280mgを添加し、HPLCで環化をモニターした。典型的には、環化は18〜24時間で完了した。水10mlを添加して反応を停止し、DMFを減圧下に蒸発させ、得られた反応混合物をHPLCで精製した。
【0803】
この粗環状材料を、Vydac C18−カラム(2.5×20cm)上の分取HPLCで精製し、20〜60%B(緩衡液A:0.1%TFA/H2O、緩衡液B:0.1%TFA/CH3CN)の線形勾配で90分間溶離し、流速を8ml/minとし、検出を280nmで行った。主なピークは、集めた画分の分析的HPLC分析によりカットし、貯留し、凍結乾燥して、白色無定形粉末31mg(8%)を得た。この化合物はHPLCによると均質であった。LR−エレクトロスプレー:C4657117計算値:876、実測値:m/z(877 M+H)。
【0804】
実施例51
シクロ(マレイン酸−Dpr)−マレイン酸−Apc−(D)Phe−Arg−Trp−Dpr−NH2の調製
【0805】
【化250】
Figure 0004217069
【0806】
実施例29からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(720mg、0.4mmol)を、先に記載のプロトコール1を用いて固相合成に付した。すべてのカップリングは、カップリング剤としてのDMF中のHBTUおよび塩基としてのDIPEA(3当量)を用いて行った。6回のカップリングサイクルを行い、その各1サイクルは、Fmoc−Dpr(Boc)(530mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Trp(520mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Arg(Pmc)(800mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−(D)Phe(480mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Apc(550mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、0.6mmol)、DMF中の無水マレイン酸(600mg、6mmol)にHOBT(800mg、6mmol)を加えDIPEAは加えないで用いた。樹脂を濾過し、CH2Cl2(2回)、イソプロパノール、およびCH2Cl2(3回)のそれぞれ50mlで順次洗った。樹脂を減圧下に乾燥して、ペンタペプチド樹脂1.0gを得た。
【0807】
ペンタペプチド樹脂を、室温で、エタンジチオール100μL、硫化ジメチル100μL、アニソール250μLおよびトリフルオロ酢酸10mLで180分間処理した。樹脂を濾去し、TFA約2mlで洗い、濾液を冷たいエチルエーテル中で沈殿させた。沈殿を遠心分離し、エーテル層をデカンテーションした。残渣を2倍または3倍体積のEt2Oで洗い、再び遠心分離し、粗線状生成物を減圧下に乾燥して、灰色がかった白色固体230mgを得た。粗ペプチドを、精製することなく環化に付した。
【0808】
粗線状ペプチド230mgをDMF 220mlに溶解し、N−メチルモルホリン500μLを添加して見掛けのpHを8.0とした。BOP 280mgを添加し、HPLCで環化をモニターした。典型的には、環化は18〜24時間で完了した。水10mlを添加して反応を停止し、DMFを減圧下に蒸発させ、得られた反応混合物をHPLCで精製した。
【0809】
この粗環状材料を、Vydac C18−カラム(2.5×20cm)上の分取HPLCで精製し、20〜60%B(緩衡液A:0.1%TFA/H2O、緩衡液B:0.1%TFA/CH3CN)の線形勾配で90分間溶離し、流速を8ml/minとし、検出を280nmで行った。主なピークは、集めた画分の分析的HPLC分析によりカットし、貯留し、凍結乾燥して、白色無定形粉末28mg(8%)を得た。この化合物はHPLCによると均質であった。LR−エレクトロスプレー:C4655117計算値:874、実測値:m/z(875 M+H)。
【0810】
実施例52
ペンタ−シクロ(Asp−Lys)−Asp−Apc−(D)Phe−Cit−Trp−Lys−NH2の調製
【0811】
【化251】
Figure 0004217069
【0812】
実施例29からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(720mg、0.4mmol)を、先に記載のプロトコール1を用いて固相合成に付した。すべてのカップリングは、カップリング剤としてのDMF中のHBTUおよび塩基としてのDIPEA(3当量)を用いて行った。6回のカップリングサイクルを行い、その各1サイクルは、Fmoc−Lys(Boc)(565mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Trp(520mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Cit(480mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−(D)Phe(480mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Apc(550mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、0.6mmol)、Fmoc−Asp(OBut)(500mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)を用いた。ペプチド樹脂をプロトコール1の工程1〜5に付し、CH2Cl2で洗い(3回)、6%DIPEA/CH2Cl2中の吉草酸無水物2mLで30分間処理した。樹脂を濾過し、CH2Cl2(2回)、イソプロパノール、およびCH2Cl2(3回)のそれぞれ50mlで順次洗った。樹脂を減圧下に乾燥して、ペンチルヘキサペプチド樹脂1.3gを得た。
【0813】
ペンチルヘキサペプチド樹脂を、室温で、エタンジチオール100μL、硫化ジメチル100μL、アニソール250μLおよびトリフルオロ酢酸10mLで180分間処理した。樹脂を濾去し、TFA約2mlで洗い、濾液を冷たいエチルエーテル中で沈殿させた。沈殿を遠心分離し、エーテル層をデカンテーションした。残渣を2倍または3倍体積のEt2Oで洗い、再び遠心分離し、粗線状生成物を減圧下に乾燥して、灰色がかった白色固体300mgを得た。粗ペプチドを、精製することなく環化に付した。
【0814】
粗線状ペプチド300mgをDMF 220mlに溶解し、N−メチルモルホリン500μLを添加して見掛けのpHを8.0とした。BOP 280mgを添加し、HPLCで環化をモニターした。典型的には、環化は18〜24時間で完了した。水10mlを添加して反応を停止し、DMFを減圧下に蒸発させ、得られた反応混合物をHPLCで精製した。
【0815】
この粗環状材料を、Vydac C18−カラム(2.5×20cm)上の分取HPLCで精製し、20〜60%B(緩衡液A:0.1%TFA/H2O、緩衡液B:0.1%TFA/CH3CN)の線形勾配で90分間溶離し、流速を8ml/minとし、検出を280nmで行った。主なピークは、集めた画分の分析的HPLC分析によりカットし、貯留し、凍結乾燥して、白色無定形粉末80mg(20%)を得た。この化合物はHPLCによると均質であった。LR−エレクトロスプレー:C5471119計算値:1018、実測値:m/z(1019 M+H)。
【0816】
実施例53
ペンタ−シクロ(Asp−Lys)−Asp−Apc−(D)Phe−Ala−Trp−Lys−NH2の調製
【0817】
【化252】
Figure 0004217069
【0818】
実施例29からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(720mg、0.4mmol)を、先に記載のプロトコール1を用いて固相合成に付した。すべてのカップリングは、カップリング剤としてのDMF中のHBTUおよび塩基としてのDIPEA(3当量)を用いて行った。6回のカップリングサイクルを行い、その各1サイクルは、Fmoc−Lys(Boc)(565mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Trp(520mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Ala(380mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−(D)Phe(480mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Apc(550mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、0.6mmol)、Fmoc−Asp(OBut)(500mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)を用いた。ペプチド樹脂をプロトコール1の工程1〜5に付し、CH2Cl2で洗い(3回)、6%DIPEA/CH2Cl2中の吉草酸無水物2mLで30分間処理した。樹脂を濾過し、CH2Cl2(2回)、イソプロパノール、およびCH2Cl2(3回)のそれぞれ50mlで順次洗った。樹脂を減圧下に乾燥して、ペンチルヘキサペプチド樹脂1.4gを得た。
【0819】
ペンチルヘキサペプチド樹脂を、室温で、エタンジチオール100μL、硫化ジメチル100μL、アニソール250μLおよびトリフルオロ酢酸10mLで180分間処理した。樹脂を濾去し、TFA約2mlで洗い、濾液を冷たいエチルエーテル中で沈殿させた。沈殿を遠心分離し、エーテル層をデカンテーションした。残渣を2倍または3倍体積のEt2Oで洗い、再び遠心分離し、粗線状生成物を減圧下に乾燥して、灰色がかった白色固体330mgを得た。粗ペプチドを、精製することなく環化に付した。
【0820】
粗線状ペプチド330mgをDMF 220mlに溶解し、N−メチルモルホリン500μLを添加して見掛けのpHを8.0とした。BOP 280mgを添加し、HPLCで環化をモニターした。典型的には、環化は18〜24時間で完了した。水10mlを添加して反応を停止し、DMFを減圧下に蒸発させ、得られた反応混合物をHPLCで精製した。
【0821】
この粗環状材料を、Vydac C18−カラム(2.5×20cm)上の分取HPLCで精製し、20〜60%B(緩衡液A:0.1%TFA/H2O、緩衡液B:0.1%TFA/CH3CN)の線形勾配で90分間溶離し、流速を8ml/minとし、検出を280nmで行った。主なピークは、集めた画分の分析的HPLC分析によりカットし、貯留し、凍結乾燥して、白色無定形粉末87mg(20%)を得た。この化合物はHPLCによると均質であった。LR−エレクトロスプレー:C516598計算値:932、実測値:m/z(933 M+H)。
【0822】
実施例54
Ac−Nle−シクロ(Cys−Cys)−Cys−Apc−(D)Phe−Arg−Trp−Cys−NH2の調製
【0823】
【化253】
Figure 0004217069
【0824】
実施例29からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(720mg、0.4mmol)を、先に記載のプロトコール1を用いて固相合成に付した。すべてのカップリングは、カップリング剤としてのDMF中のHBTUおよび塩基としてのDIPEA(3当量)を用いて行った。7回のカップリングサイクルを行い、その各1サイクルは、Fmoc−Cys(Trt)(710mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Trp(520mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Arg(Pmc)(800mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−(D)Phe(480mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Apc(550mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、0.6mmol)、Fmoc−Cys(Trt)(710mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Nle(430、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)を用いた。ペプチド樹脂をプロトコール1の工程1〜5に付し、CH2Cl2で洗い(3回)、6%DIPEA/CH2Cl2中の吉草酸無水物1mLで30分間処理した。樹脂を濾過し、CH2Cl2(2回)、イソプロパノール、およびCH2Cl2(3回)のそれぞれ50mlで順次洗った。樹脂を減圧下に乾燥して、Ac−ヘプタペプチド樹脂1.2gを得た。
【0825】
Ac−ヘプタペプチド樹脂を、室温で、エタンジチオール100μL、硫化ジメチル100μL、アニソール250μLおよびトリフルオロ酢酸10mLで180分間処理した。樹脂を濾去し、TFA約2mlで洗い、濾液を冷たいエチルエーテル中で沈殿させた。沈殿を遠心分離し、エーテル層をデカンテーションした。残渣を2倍または3倍体積のEt2Oで洗い、再び遠心分離し、粗線状生成物を減圧下に乾燥して、灰色がかった白色固体250mgを得た。
【0826】
この粗線状ペプチドを、Vydac C18−カラム(2.5×20cm)上の分取HPLCで精製し、20〜60%B(緩衡液A:0.1%TFA/H2O、緩衡液B:0.1%TFA/CH3CN)の線形勾配で90分間溶離し、流速を8ml/minとし、検出を280nmで行った。主なピークは、集めた画分の分析的HPLC分析によりカットし、貯留し、凍結乾燥して、精製された線状ペプチド45mgを得た。
【0827】
精製された線状ペプチドをDMSO 2mlに溶解し、水500mlで希釈し、NH4OHでpHを8.0に調節した。O2を溶液に吹き込み、HPLCで環化をモニターした。典型的には、環化は24〜48時間で完了した。溶液を凍結乾燥し、材料をCH3COOHに溶解し、Vydac C18−カラム(2.5×20cm)上の分取HPLCに付し、20〜60%B(緩衡液A:0.1%TFA/H2O、緩衡液B:0.1%TFA/CH3CN)の線形勾配で90分間溶離し、流速を8ml/minとし、検出を280nmで行った。主なピークは、集めた画分の分析的HPLC分析によりカットし、貯留し、凍結乾燥して、精製された環状ペプチド20mg(4.7%)を得た。この化合物はHPLCによると均質であった。LR−エレクトロスプレー:C53701282計算値:1067、実測値:m/z(1068 M+H)。
【0828】
実施例55
ペンタ−シクロ(Asp−Lys)−Asp−(D,L)−Atc−(D)Phe−Arg−Trp−Lys−NH2の調製
【0829】
【化254】
Figure 0004217069
【0830】
実施例29からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(720mg、0.4mmol)を、先に記載のプロトコール1を用いて固相合成に付した。すべてのカップリングは、カップリング剤としてのDMF中のHBTUおよび塩基としてのDIPEA(3当量)を用いて行った。6回のカップリングサイクルを行い、その各1サイクルは、Fmoc−Lys(Boc)(565mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Trp(520mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Arg(Pmc)(800mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−(D)Phe(480mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−(D,L)−Atc(510mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、0.6mmol)、Fmoc−Asp(OBut)(500mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)を用いた。ペプチド樹脂をプロトコール1の工程1〜5に付し、CH2Cl2で洗い(3回)、6%DIPEA/CH2Cl2中の吉草酸無水物2mLで30分間処理した。樹脂を濾過し、CH2Cl2(2回)、イソプロパノール、およびCH2Cl2(3回)のそれぞれ50mlで順次洗った。樹脂を減圧下に乾燥して、ペンチルヘキサペプチド樹脂1.15gを得た。
【0831】
ペンチルヘキサペプチド樹脂を、室温で、エタンジチオール100μL、硫化ジメチル100μL、アニソール250μLおよびトリフルオロ酢酸10mLで180分間処理した。樹脂を濾去し、TFA約2mlで洗い、濾液を冷たいエチルエーテル中で沈殿させた。沈殿を遠心分離し、エーテル層をデカンテーションした。残渣を2倍または3倍体積のEt2Oで洗い、再び遠心分離し、粗線状生成物を減圧下に乾燥して、灰色がかった白色固体245mgを得た。粗ペプチドを精製することなく環化に付した。
【0832】
粗線状ペプチド250mgをDMF 220mlに溶解し、N−メチルモルホリン500μLを添加して見掛けのpHを8.0とした。BOP 280mgを添加し、HPLCで環化をモニターした。典型的には、環化は18〜24時間で完了した。水10mlを添加して反応を停止し、DMFを減圧下に蒸発させ、得られた反応混合物をHPLCで精製した。
【0833】
この粗環状材料を、Vydac C18−カラム(2.5×20cm)上の分取HPLCで精製し、20〜60%B(緩衡液A:0.1%TFA/H2O、緩衡液B:0.1%TFA/CH3CN)の線形勾配で90分間溶離し、流速を8ml/minとし、検出を280nmで行った。主なピークは、集めた画分の分析的HPLC分析によりカットし、貯留し、凍結乾燥して、白色無定形粉末55mg(14%)を得た。この化合物はHPLCによると均質であった。LR−エレクトロスプレー:C5268128計算値:989、実測値:m/z(990 M+H)。
【0834】
実施例56
ペンタ−(Asp−Lys)−Asp−5−BrAtc−(D)Phe−Arg−Trp−Lys−NH2の調製(ピーク1)
【0835】
【化255】
Figure 0004217069
【0836】
実施例29からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(720mg、0.4mmol)を、先に記載のプロトコール1を用いて固相合成に付した。すべてのカップリングは、カップリング剤としてのDMF中のHBTUおよび塩基としてのDIPEA(3当量)を用いて行った。6回のカップリングサイクルを行い、その各1サイクルは、Fmoc−Lys(Boc)(565mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Trp(520mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Arg(Pmc)(800mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−(D)Phe(480mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−5−Br−(D,L)Atc(620mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、0.6mmol)、Fmoc−Asp(OBut)(500mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)を用いた。ペプチド樹脂をプロトコール1の工程1〜5に付し、CH2Cl2で洗い(3回)、6%DIPEA/CH2Cl2中の吉草酸無水物2mLで30分間処理した。樹脂を濾過し、CH2Cl2(2回)、イソプロパノール、およびCH2Cl2(3回)のそれぞれ50mlで順次洗った。樹脂を減圧下に乾燥して、ペンチルヘキサペプチド樹脂1.1gを得た。
【0837】
ペンチルヘキサペプチド樹脂を、室温で、エタンジチオール100μL、硫化ジメチル100μL、アニソール240μLおよびトリフルオロ酢酸10mLで180分間処理した。樹脂を濾去し、TFA約2mlで洗い、濾液を冷たいエチルエーテル中で沈殿させた。沈殿を遠心分離し、エーテル層をデカンテーションした。残渣を2倍または3倍体積のEt2Oで洗い、再び遠心分離し、粗線状生成物を減圧下に乾燥して、灰色がかった白色固体240mgを得た。粗ペプチドを精製することなく環化に付した。
【0838】
粗線状ペプチド240mgをDMF 220mlに溶解し、N−メチルモルホリン500μLを添加して見掛けのpHを8.0とした。BOP 280mgを添加し、HPLCで環化をモニターした。典型的には、環化は18〜24時間で完了した。水10mlを添加して反応を停止し、DMFを減圧下に蒸発させ、得られた反応混合物をHPLCで精製した。
【0839】
この粗環状材料を、Vydac C18−カラム(2.5×20cm)上の分取HPLCで精製し、20〜60%B(緩衡液A:0.1%TFA/H2O、緩衡液B:0.1%TFA/CH3CN)の線形勾配で90分間溶離し、流速を8ml/minとし、検出を280nmで行った。第1の主なピークは、集めた画分の分析的HPLC分析によりカットし、貯留し、凍結乾燥して、白色無定形粉末26mg(6%)を得た。この化合物はHPLCによると均質であった。LR−エレクトロスプレー:C5267128Br計算値:1068、実測値:m/z(1069 M+H)。
【0840】
実施例57
ペンタ−(Asp−Lys)−Asp−5−BrAtc−(D)Phe−Arg−Trp−Lys−NH2の調製(ピーク2)
【0841】
【化256】
Figure 0004217069
【0842】
実施例29からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(720mg、0.4mmol)を、先に記載のプロトコール1を用いて固相合成に付した。すべてのカップリングは、カップリング剤としてのDMF中のHBTUおよび塩基としてのDIPEA(3当量)を用いて行った。6回のカップリングサイクルを行い、その各1サイクルは、Fmoc−Lys(Boc)(565mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Trp(520mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Arg(Pmc)(800mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−(D)Phe(480mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−5−Br−(D,L)Atc(620mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、0.6mmol)、Fmoc−Asp(OBut)(500mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)を用いた。ペプチド樹脂をプロトコール1の工程1〜5に付し、CH2Cl2で洗い(3回)、6%DIPEA/CH2Cl2中の吉草酸無水物2mLで30分間処理した。樹脂を濾過し、CH2Cl2(2回)、イソプロパノール、およびCH2Cl2(3回)のそれぞれ50mlで順次洗った。樹脂を減圧下に乾燥して、ペンチルヘキサペプチド樹脂1.1gを得た。
【0843】
ペンチルヘキサペプチド樹脂を、室温で、エタンジチオール100μL、硫化ジメチル100μL、アニソール250μLおよびトリフルオロ酢酸10mLで180分間処理した。樹脂を濾去し、TFA約2mlで洗い、濾液を冷たいエチルエーテル中で沈殿させた。沈殿を遠心分離し、エーテル層をデカンテーションした。残渣を2倍または3倍体積のEt2Oで洗い、再び遠心分離し、粗線状生成物を減圧下に乾燥して、灰色がかった白色固体240mgを得た。粗ペプチドを精製することなく環化に付した。
【0844】
粗線状ペプチド240mgをDMF 220mlに溶解し、N−メチルモルホリン500μLを添加して見掛けのpHを8.0とした。BOP 280mgを添加し、HPLCで環化をモニターした。典型的には、環化は18〜24時間で完了した。水10mlを添加して反応を停止し、DMFを減圧下に蒸発させ、得られた反応混合物をHPLCで精製した。
【0845】
この粗環状材料を、Vydac C18−カラム(2.5×20cm)上の分取HPLCで精製し、20〜60%B(緩衡液A:0.1%TFA/H2O、緩衡液B:0.1%TFA/CH3CN)の線形勾配で90分間溶離し、流速を8ml/minとし、検出を280nmで行った。第2の主なピークは、集めた画分の分析的HPLC分析によりカットし、貯留し、凍結乾燥して、白色無定形粉末20mg(5%)を得た。この化合物はHPLCによると均質であった。LR−エレクトロスプレー:C5267128Br計算値:1068、実測値:m/z(1069 M+H)。
【0846】
実施例58
ペンタ(Asp−Lys)−Asp−5−ClAtc−(D)Phe−Arg−Trp−Lys−NH2の調製(ピーク1)
【0847】
【化257】
Figure 0004217069
【0848】
実施例29からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(720mg、0.4mmol)を、先に記載のプロトコール1を用いて固相合成に付した。すべてのカップリングは、カップリング剤としてのDMF中のHBTUおよび塩基としてのDIPEA(3当量)を用いて行った。6回のカップリングサイクルを行い、その各1サイクルは、Fmoc−Lys(Boc)(565mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Trp(520mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Arg(Pmc)(800mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−(D)Phe(480mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−5−Cl(D,L)Atc(560mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、0.6mmol)、Fmoc−Asp(OBut)(500mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)を用いた。ペプチド樹脂をプロトコール1の工程1〜5に付し、CH2Cl2で洗い(3回)、6%DIPEA/CH2Cl2中の吉草酸無水物2mLで30分間処理した。樹脂を濾過し、CH2Cl2(2回)、イソプロパノール、およびCH2Cl2(3回)のそれぞれ50mlで順次洗った。樹脂を減圧下に乾燥して、ペンチルヘキサペプチド樹脂1.2gを得た。
【0849】
ペンチルヘキサペプチド樹脂を、室温で、エタンジチオール100μL、硫化ジメチル100μL、アニソール250μLおよびトリフルオロ酢酸10mLで180分間処理した。樹脂を濾去し、TFA約2mlで洗い、濾液を冷たいエチルエーテル中で沈殿させた。沈殿を遠心分離し、エーテル層をデカンテーションした。残渣を2倍または3倍体積のEt2Oで洗い、再び遠心分離し、粗線状生成物を減圧下に乾燥して、灰色がかった白色固体250mgを得た。粗ペプチドを精製することなく環化に付した。
【0850】
粗線状ペプチド250mgをDMF 220mlに溶解し、N−メチルモルホリン500μLを添加して見掛けのpHを8.0とした。BOP 280mgを添加し、HPLCで環化をモニターした。典型的には、環化は18〜24時間で完了した。水10mlを添加して反応を停止し、DMFを減圧下に蒸発させ、得られた反応混合物をHPLCで精製した。
【0851】
この粗環状材料を、Vydac C18−カラム(2.5×20cm)上の分取HPLCで精製し、20〜60%B(緩衡液A:0.1%TFA/H2O、緩衡液B:0.1%TFA/CH3CN)の線形勾配で90分間溶離し、流速を8ml/minとし、検出を280nmで行った。第1の主なピークは、集めた画分の分析的HPLC分析によりカットし、貯留し、凍結乾燥して、白色無定形粉末24mg(6%)を得た。この化合物はHPLCによると均質であった。LR−エレクトロスプレー:C5267128Cl計算値:1024、実測値:m/z(1025 M+H)。
【0852】
実施例59
ペンタ(Asp−Lys)−Asp−5−ClAtc−(D)Phe−Arg−Trp−Lys−NH2の調製(ピーク2)
【0853】
【化258】
Figure 0004217069
【0854】
実施例29からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(720mg、0.4mmol)を、先に記載のプロトコール1を用いて固相合成に付した。すべてのカップリングは、カップリング剤としてのDMF中のHBTUおよび塩基としてのDIPEA(3当量)を用いて行った。6回のカップリングサイクルを行い、その各1サイクルは、Fmoc−Lys(Boc)(565mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Trp(520mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Arg(Pmc)(800mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−(D)Phe(480mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−5−Cl−(D,L)Atc(560mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、0.6mmol)、Fmoc−Asp(OBut)(500mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)を用いた。ペプチド樹脂をプロトコール1の工程1〜5に付し、CH2Cl2で洗い(3回)、6%DIPEA/CH2Cl2中の吉草酸無水物2mLで30分間処理した。樹脂を濾過し、CH2Cl2(2回)、イソプロパノール、およびCH2Cl2(3回)のそれぞれ50mlで順次洗った。樹脂を減圧下に乾燥して、ペンチルヘキサペプチド樹脂1.2gを得た。ペンチルヘキサペプチド樹脂を、室温で、エタンジチオール100μL、硫化ジメチル100μL、アニソール250μLおよびトリフルオロ酢酸10mLで180分間処理した。樹脂を濾去し、TFA約2mlで洗い、濾液を冷たいエチルエーテル中で沈殿させた。沈殿を遠心分離し、エーテル層をデカンテーションした。残渣を2倍または3倍体積のEt2Oで洗い、再び遠心分離し、粗線状生成物を減圧下に乾燥して、灰色がかった白色固体250mgを得た。粗ペプチドを精製することなく環化に付した。
【0855】
粗線状ペプチド250mgをDMF 220mlに溶解し、N−メチルモルホリン500μLを添加して見掛けのpHを8.0とした。BOP 280mgを添加し、HPLCで環化をモニターした。典型的には、環化は18〜24時間で完了した。水10mlを添加して反応を停止し、DMFを減圧下に蒸発させ、得られた反応混合物をHPLCで精製した。
【0856】
この粗環状材料を、Vydac C18−カラム(2.5×20cm)上の分取HPLCで精製し、20〜60%B(緩衡液A:0.1%TFA/H2O、緩衡液B:0.1%TFA/CH3CN)の線形勾配で90分間溶離し、流速を8ml/minとし、検出を280nmで行った。第2の主なピークは、集めた画分の分析的HPLC分析によりカットし、貯留し、凍結乾燥して、白色無定形粉末20mg(4%)を得た。この化合物はHPLCによると均質であった。LR−エレクトロスプレー:C5267128Cl計算値:1024、実測値:m/z(1025 M+H)。
【0857】
実施例60
ペンタ(Asp−Lys)−Asp−5−MeO−(D,L)Atc−(D)Phe−Arg−Trp−Lys−NH2の調製
【0858】
【化259】
Figure 0004217069
【0859】
実施例29からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(720mg、0.4mmol)を、先に記載のプロトコール1を用いて固相合成に付した。すべてのカップリングは、カップリング剤としてのDMF中のHBTUおよび塩基としてのDIPEA(3当量)を用いて行った。6回のカップリングサイクルを行い、その各1サイクルは、Fmoc−Lys(Boc)(565mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Trp(520mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Arg(Pmc)(800mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−(D)Phe(480mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−5−MeO−(D,L)Atc(600mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、0.6mmol)、Fmoc−Asp(OBut)(500mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)を用いた。ペプチド樹脂をプロトコール1の工程1〜5に付し、CH2Cl2で洗い(3回)、6%DIPEA/CH2Cl2中の吉草酸無水物2mLで30分間処理した。樹脂を濾過し、CH2Cl2(2回)、イソプロパノール、およびCH2Cl2(3回)のそれぞれ50mlで順次洗った。樹脂を減圧下に乾燥して、ペンチルヘキサペプチド樹脂1.2gを得た。
【0860】
ペンチルヘキサペプチド樹脂を、室温で、エタンジチオール100μL、硫化ジメチル100μL、アニソール250μLおよびトリフルオロ酢酸10mLで180分間処理した。樹脂を濾去し、TFA約2mlで洗い、濾液を冷たいエチルエーテル中で沈殿させた。沈殿を遠心分離し、エーテル層をデカンテーションした。残渣を2倍または3倍体積のEt2Oで洗い、再び遠心分離し、粗線状生成物を減圧下に乾燥して、灰色がかった白色固体250mgを得た。粗ペプチドを精製することなく環化に付した。
【0861】
粗線状ペプチド250mgをDMF 220mlに溶解し、N−メチルモルホリン500μLを添加して見掛けのpHを8.0とした。BOP 280mgを添加し、HPLCで環化をモニターした。典型的には、環化は18〜24時間で完了した。水10mlを添加して反応を停止し、DMFを減圧下に蒸発させ、得られた反応混合物をHPLCで精製した。
【0862】
この粗環状材料を、Vydac C18−カラム(2.5×20cm)上の分取HPLCで精製し、20〜60%B(緩衡液A:0.1%TFA/H2O、緩衡液B:0.1%TFA/CH3CN)の線形勾配で90分間溶離し、流速を8ml/minとし、検出を280nmで行った。主なピークは、集めた画分の分析的HPLC分析によりカットし、貯留し、凍結乾燥して、白色無定形粉末55mg(13%)を得た。この化合物はHPLCによると均質であった。LR−エレクトロスプレー:C5370129計算値:1019、実測値:m/z(1020 M+H)。
【0863】
実施例61
ペンタ(Asp−Lys)−Asp−5−EtO−(D,L)Atc−(D)Phe−Arg−Trp−Lys−NH2の調製
【0864】
【化260】
Figure 0004217069
【0865】
実施例29からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(720mg、0.4mmol)を、先に記載のプロトコール1を用いて固相合成に付した。すべてのカップリングは、カップリング剤としてのDMF中のHBTUおよび塩基としてのDIPEA(3当量)を用いて行った。6回のカップリングサイクルを行い、その各1サイクルは、Fmoc−Lys(Boc)(565mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Trp(520mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Arg(Pmc)(800mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−(D)Phe(480mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−5−EtO−(D,L)Atc(620mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、0.6mmol)、Fmoc−Asp(OBut)(500mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)を用いた。ペプチド樹脂をプロトコール1の工程1〜5に付し、CH2Cl2で洗い(3回)、6%DIPEA/CH2Cl2中の吉草酸無水物2mLで30分間処理した。樹脂を濾過し、CH2Cl2(2回)、イソプロパノール、およびCH2Cl2(3回)のそれぞれ50mlで順次洗った。樹脂を減圧下に乾燥して、ペンチルヘキサペプチド樹脂1.3gを得た。
【0866】
ペンチルヘキサペプチド樹脂を、室温で、エタンジチオール100μL、硫化ジメチル100μL、アニソール250μLおよびトリフルオロ酢酸10mLで180分間処理した。樹脂を濾去し、TFA約2mlで洗い、濾液を冷たいエチルエーテル中で沈殿させた。沈殿を遠心分離し、エーテル層をデカンテーションした。残渣を2倍または3倍体積のEt2Oで洗い、再び遠心分離し、粗線状生成物を減圧下に乾燥して、灰色がかった白色固体260mgを得た。粗ペプチドを精製することなく環化に付した。
【0867】
粗線状ペプチド260mgをDMF 220mlに溶解し、N−メチルモルホリン500μLを添加して見掛けのpHを8.0とした。BOP 280mgを添加し、HPLCで環化をモニターした。典型的には、環化は18〜24時間で完了した。水10mlを添加して反応を停止し、DMFを減圧下に蒸発させ、得られた反応混合物をHPLCで精製した。
【0868】
この粗環状材料を、Vydac C18−カラム(2.5×20cm)上の分取HPLCで精製し、20〜60%B(緩衡液A:0.1%TFA/H2O、緩衡液B:0.1%TFA/CH3CN)の線形勾配で90分間溶離し、流速を8ml/minとし、検出を280nmで行った。主なピークは、集めた画分の分析的HPLC分析によりカットし、貯留し、凍結乾燥して、白色無定形粉末55mg(13%)を得た。この化合物はHPLCによると均質であった。LR−エレクトロスプレー:C5472129計算値:1033、実測値:m/z(1034 M+H)。
【0869】
実施例62
ペンタ(Asp−Lys)−Asp−5−iPrO−(D,L)Atc−(D)Phe−Arg−Trp−Lys−NH2の調製
【0870】
【化261】
Figure 0004217069
【0871】
実施例29からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(720mg、0.4mmol)を、先に記載のプロトコール1を用いて固相合成に付した。すべてのカップリングは、カップリング剤としてのDMF中のHBTUおよび塩基としてのDIPEA(3当量)を用いて行った。6回のカップリングサイクルを行い、その各1サイクルは、Fmoc−Lys(Boc)(565mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Trp(520mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Arg(Pmc)(800mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−(D)Phe(480mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−5−iPrO−(D,L)Atc(620mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、0.6mmol)、Fmoc−Asp(OBut)(500mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)を用いた。ペプチド樹脂をプロトコール1の工程1〜5に付し、CH2Cl2で洗い(3回)、6%DIPEA/CH2Cl2中の吉草酸無水物2mLで30分間処理した。樹脂を濾過し、CH2Cl2(2回)、イソプロパノール、およびCH2Cl2(3回)のそれぞれ50mlで順次洗った。樹脂を減圧下に乾燥して、ペンチルヘキサペプチド樹脂1.2gを得た。
【0872】
ペンチルヘキサペプチド樹脂を、室温で、エタンジチオール100μL、硫化ジメチル100μL、アニソール250μLおよびトリフルオロ酢酸10mLで180分間処理した。樹脂を濾去し、TFA約2mlで洗い、濾液を冷たいエチルエーテル中で沈殿させた。沈殿を遠心分離し、エーテル層をデカンテーションした。残渣を2倍または3倍体積のEt2Oで洗い、再び遠心分離し、粗線状生成物を減圧下に乾燥して、灰色がかった白色固体250mgを得た。粗ペプチドを精製することなく環化に付した。
【0873】
粗線状ペプチド250mgをDMF 220mlに溶解し、N−メチルモルホリン500μLを添加して見掛けのpHを8.0とした。BOP 280mgを添加し、HPLCで環化をモニターした。典型的には、環化は18〜24時間で完了した。水10mlを添加して反応を停止し、DMFを減圧下に蒸発させ、得られた反応混合物をHPLCで精製した。
【0874】
この粗環状材料を、Vydac C18−カラム(2.5×20cm)上の分取HPLCで精製し、20〜60%B(緩衡液A:0.1%TFA/H2O、緩衡液B:0.1%TFA/CH3CN)の線形勾配で90分間溶離し、流速を8ml/minとし、検出を280nmで行った。主なピークは、集めた画分の分析的HPLC分析によりカットし、貯留し、凍結乾燥して、白色無定形粉末58mg(13%)を得た。この化合物はHPLCによると均質であった。LR−エレクトロスプレー:C5574129計算値:1047、実測値:m/z(1048 M+H)。
【0875】
実施例63
ペンタ(Asp−Lys)−Asp−5−Me−(D,L)Atc−(D)Phe−Arg−Trp−Lys−NH2の調製
【0876】
【化262】
Figure 0004217069
【0877】
実施例29からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(720mg、0.4mmol)を、先に記載のプロトコール1を用いて固相合成に付した。すべてのカップリングは、カップリング剤としてのDMF中のHBTUおよび塩基としてのDIPEA(3当量)を用いて行った。6回のカップリングサイクルを行い、その各1サイクルは、Fmoc−Lys(Boc)(565mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Trp(520mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Arg(Pmc)(800mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−(D)Phe(480mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−5−Me−(D,L)Atc(590mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、0.6mmol)、Fmoc−Asp(OBut)(500mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)を用いた。ペプチド樹脂をプロトコール1の工程1〜5に付し、CH2Cl2で洗い(3回)、6%DIPEA/CH2Cl2中の吉草酸無水物2mLで30分間処理した。樹脂を濾過し、CH2Cl2(2回)、イソプロパノール、およびCH2Cl2(3回)のそれぞれ50mlで順次洗った。樹脂を減圧下に乾燥して、ペンチルヘキサペプチド樹脂1.2gを得た。
【0878】
ペンチルヘキサペプチド樹脂を、室温で、エタンジチオール100μL、硫化ジメチル100μL、アニソール250μLおよびトリフルオロ酢酸10mLで180分間処理した。樹脂を濾去し、TFA約2mlで洗い、濾液を冷たいエチルエーテル中で沈殿させた。沈殿を遠心分離し、エーテル層をデカンテーションした。残渣を2倍または3倍体積のEt2Oで洗い、再び遠心分離し、粗線状生成物を減圧下に乾燥して、灰色がかった白色固体260mgを得た。粗ペプチドを精製することなく環化に付した。
【0879】
粗線状ペプチド260mgをDMF 220mlに溶解し、N−メチルモルホリン500μLを添加して見掛けのpHを8.0とした。BOP 280mgを添加し、HPLCで環化をモニターした。典型的には、環化は18〜24時間で完了した。水10mlを添加して反応を停止し、DMFを減圧下に蒸発させ、得られた反応混合物をHPLCで精製した。
【0880】
この粗環状材料を、Vydac C18−カラム(2.5×20cm)上の分取HPLCで精製し、20〜60%B(緩衡液A:0.1%TFA/H2O、緩衡液B:0.1%TFA/CH3CN)の線形勾配で90分間溶離し、流速を8ml/minとし、検出を280nmで行った。主なピークは、集めた画分の分析的HPLC分析によりカットし、貯留し、凍結乾燥して、白色無定形粉末62mg(13%)を得た。この化合物はHPLCによると均質であった。LR−エレクトロスプレー:C5370128計算値:1003、実測値:m/z(1004 M+H)。
【0881】
実施例64
ペンタ(Asp−Lys)−Asp−5−Et−(D,L)Atc−(D)Phe−Arg−Trp−Lys−NH2の調製
【0882】
【化263】
Figure 0004217069
【0883】
実施例29からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(720mg、0.4mmol)を、先に記載のプロトコール1を用いて固相合成に付した。すべてのカップリングは、カップリング剤としてのDMF中のHBTUおよび塩基としてのDIPEA(3当量)を用いて行った。6回のカップリングサイクルを行い、その各1サイクルは、Fmoc−Lys(Boc)(565mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Trp(520mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Arg(Pmc)(800mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−(D)Phe(480mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−5−Et−(D,L)Atc(600mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、0.6mmol)、Fmoc−Asp(OBut)(500mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)を用いた。ペプチド樹脂をプロトコール1の工程1〜5に付し、CH2Cl2で洗い(3回)、6%DIPEA/CH2Cl2中の吉草酸無水物2mLで30分間処理した。樹脂を濾過し、CH2Cl2(2回)、イソプロパノール、およびCH2Cl2(3回)のそれぞれ50mlで順次洗った。樹脂を減圧下に乾燥して、ペンチルヘキサペプチド樹脂1.3gを得た。
【0884】
ペンチルヘキサペプチド樹脂を、室温で、エタンジチオール100μL、硫化ジメチル100μL、アニソール250μLおよびトリフルオロ酢酸10mLで180分間処理した。樹脂を濾去し、TFA約2mlで洗い、濾液を冷たいエチルエーテル中で沈殿させた。沈殿を遠心分離し、エーテル層をデカンテーションした。残渣を2倍または3倍体積のEt2Oで洗い、再び遠心分離し、粗線状生成物を減圧下に乾燥して、灰色がかった白色固体245mgを得た。粗ペプチドを精製することなく環化に付した。
【0885】
粗線状ペプチド245mgをDMF 220mlに溶解し、N−メチルモルホリン500μLを添加して見掛けのpHを8.0とした。BOP 280mgを添加し、HPLCで環化をモニターした。典型的には、環化は18〜24時間で完了した。水10mlを添加して反応を停止し、DMFを減圧下に蒸発させ、得られた反応混合物をHPLCで精製した。
【0886】
この粗環状材料を、Vydac C18−カラム(2.5×20cm)上の分取HPLCで精製し、20〜60%B(緩衡液A:0.1%TFA/H2O、緩衡液B:0.1%TFA/CH3CN)の線形勾配で90分間溶離し、流速を8ml/minとし、検出を280nmで行った。主なピークは、集めた画分の分析的HPLC分析によりカットし、貯留し、凍結乾燥して、白色無定形粉末55mg(12%)を得た。この化合物はHPLCによると均質であった。LR−エレクトロスプレー:C5472128計算値:1017、実測値:m/z(1018 M+H)。
【0887】
実施例65
ペンタ(Asp−Lys)−Asp−5−iPr−(D,L)Atc−(D)Phe−Arg−Trp−Lys−NH2の調製
【0888】
【化264】
Figure 0004217069
【0889】
実施例29からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(720mg、0.4mmol)を、先に記載のプロトコール1を用いて固相合成に付した。すべてのカップリングは、カップリング剤としてのDMF中のHBTUおよび塩基としてのDIPEA(3当量)を用いて行った。6回のカップリングサイクルを行い、その各1サイクルは、Fmoc−Lys(Boc)(565mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Trp(520mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Arg(Pmc)(800mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−(D)Phe(480mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−5−iPr−(D,L)Atc(600mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、0.6mmol)、Fmoc−Asp(OBut)(500mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)を用いた。ペプチド樹脂をプロトコール1の工程1〜5に付し、CH2Cl2で洗い(3回)、6%DIPEA/CH2Cl2中の吉草酸無水物2mLで30分間処理した。樹脂を濾過し、CH2Cl2(2回)、イソプロパノール、およびCH2Cl2(3回)のそれぞれ50mlで順次洗った。樹脂を減圧下に乾燥して、ペンチルヘキサペプチド樹脂1.2gを得た。
【0890】
ペンチルヘキサペプチド樹脂を、室温で、エタンジチオール100μL、硫化ジメチル100μL、アニソール250μLおよびトリフルオロ酢酸10mLで180分間処理した。樹脂を濾去し、TFA約2mlで洗い、濾液を冷たいエチルエーテル中で沈殿させた。沈殿を遠心分離し、エーテル層をデカンテーションした。残渣を2倍または3倍体積のEt2Oで洗い、再び遠心分離し、粗線状生成物を減圧下に乾燥して、灰色がかった白色固体245mgを得た。粗ペプチドを精製することなく環化に付した。
【0891】
粗線状ペプチド245mgをDMF 220mlに溶解し、N−メチルモルホリン500μLを添加して見掛けのpHを8.0とした。BOP 280mgを添加し、HPLCで環化をモニターした。典型的には、環化は18〜24時間で完了した。水10mlを添加して反応を停止し、DMFを減圧下に蒸発させ、得られた反応混合物をHPLCで精製した。
【0892】
この粗環状材料を、Vydac C18−カラム(2.5×20cm)上の分取HPLCで精製し、20〜60%B(緩衡液A:0.1%TFA/H2O、緩衡液B:0.1%TFA/CH3CN)の線形勾配で90分間溶離し、流速を8ml/minとし、検出を280nmで行った。主なピークは、集めた画分の分析的HPLC分析によりカットし、貯留し、凍結乾燥して、白色無定形粉末54mg(13%)を得た。この化合物はHPLCによると均質であった。LR−エレクトロスプレー:C5574128計算値:1031、実測値:m/z(1032 M+H)。
【0893】
実施例66
ペンタ(Asp−Lys)−Asp−5−BrAtc−(D)Phe−Cit−Trp−Lys−NH2の調製(ピーク1)
【0894】
【化265】
Figure 0004217069
【0895】
実施例29からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(720mg、0.4mmol)を、先に記載のプロトコール1を用いて固相合成に付した。すべてのカップリングは、カップリング剤としてのDMF中のHBTUおよび塩基としてのDIPEA(3当量)を用いて行った。6回のカップリングサイクルを行い、その各1サイクルは、Fmoc−Lys(Boc)(565mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Trp(520mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Cit(480mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−(D)Phe(480mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−5−Br−(D,L)Atc(620mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、0.6mmol)、Fmoc−Asp(OBut)(500mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)を用いた。ペプチド樹脂をプロトコール1の工程1〜5に付し、CH2Cl2で洗い(3回)、6%DIPEA/CH2Cl2中の吉草酸無水物2mLで30分間処理した。樹脂を濾過し、CH2Cl2(2回)、イソプロパノール、およびCH2Cl2(3回)のそれぞれ50mlで順次洗った。樹脂を減圧下に乾燥して、ペンチルヘキサペプチド樹脂1.2gを得た。
【0896】
ペンチルヘキサペプチド樹脂を、室温で、エタンジチオール100μL、硫化ジメチル100μL、アニソール250μLおよびトリフルオロ酢酸10mLで180分間処理した。樹脂を濾去し、TFA約2mlで洗い、濾液を冷たいエチルエーテル中で沈殿させた。沈殿を遠心分離し、エーテル層をデカンテーションした。残渣を2倍または3倍体積のEt2Oで洗い、再び遠心分離し、粗線状生成物を減圧下に乾燥して、灰色がかった白色固体260mgを得た。粗ペプチドを精製することなく環化に付した。
【0897】
粗線状ペプチド240mgをDMF 220mlに溶解し、N−メチルモルホリン500μLを添加して見掛けのpHを8.0とした。BOP 280mgを添加し、HPLCで環化をモニターした。典型的には、環化は18〜24時間で完了した。水10mlを添加して反応を停止し、DMFを減圧下に蒸発させ、得られた反応混合物をHPLCで精製した。
【0898】
この粗環状材料を、Vydac C18−カラム(2.5×20cm)上の分取HPLCで精製し、20〜60%B(緩衡液A:0.1%TFA/H2O、緩衡液B:0.1%TFA/CH3CN)の線形勾配で90分間溶離し、流速を8ml/minとし、検出を280nmで行った。第1の主なピークは、集めた画分の分析的HPLC分析によりカットし、貯留し、凍結乾燥して、白色無定形粉末24mg(5.6%)を得た。この化合物はHPLCによると均質であった。LR−エレクトロスプレー:C5266119Br計算値:1069、実測値:m/z(1070 M+H)。
【0899】
実施例67
ペンタ(Asp−Lys)−Asp−5−BrAtc−(D)Phe−Cit−Trp−Lys−NH2の調製(ピーク2)
【0900】
【化266】
Figure 0004217069
【0901】
実施例29からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(720mg、0.4mmol)を、先に記載のプロトコール1を用いて固相合成に付した。すべてのカップリングは、カップリング剤としてのDMF中のHBTUおよび塩基としてのDIPEA(3当量)を用いて行った。6回のカップリングサイクルを行い、その各1サイクルは、Fmoc−Lys(Boc)(565mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Trp(520mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Cit(480mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−(D)Phe(480mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−5−Br−(D,L)Atc(620mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、0.6mmol)、Fmoc−Asp(OBut)(500mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)を用いた。ペプチド樹脂をプロトコール1の工程1〜5に付し、CH2Cl2で洗い(3回)、6%DIPEA/CH2Cl2中の吉草酸無水物2mLで30分間処理した。樹脂を濾過し、CH2Cl2(2回)、イソプロパノール、およびCH2Cl2(3回)のそれぞれ50mlで順次洗った。樹脂を減圧下に乾燥して、ペンチルヘキサペプチド樹脂1.1gを得た。
【0902】
ペンチルヘキサペプチド樹脂を、室温で、エタンジチオール100μL、硫化ジメチル100μL、アニソール240μLおよびトリフルオロ酢酸10mLで180分間処理した。樹脂を濾去し、TFA約2mlで洗い、濾液を冷たいエチルエーテル中で沈殿させた。沈殿を遠心分離し、エーテル層をデカンテーションした。残渣を2倍または3倍体積のEt2Oで洗い、再び遠心分離し、粗線状生成物を減圧下に乾燥して、灰色がかった白色固体240mgを得た。粗ペプチドを精製することなく環化に付した。
【0903】
粗線状ペプチド240mgをDMF 220mlに溶解し、N−メチルモルホリン500μLを添加して見掛けのpHを8.0とした。BOP 280mgを添加し、HPLCで環化をモニターした。典型的には、環化は18〜24時間で完了した。水10mlを添加して反応を停止し、DMFを減圧下に蒸発させ、得られた反応混合物をHPLCで精製した。
【0904】
この粗環状材料を、Vydac C18−カラム(2.5×20cm)上の分取HPLCで精製し、20〜60%B(緩衡液A:0.1%TFA/H2O、緩衡液B:0.1%TFA/CH3CN)の線形勾配で90分間溶離し、流速を8ml/minとし、検出を280nmで行った。第2の主なピークは、集めた画分の分析的HPLC分析によりカットし、貯留し、凍結乾燥して、白色無定形粉末22mg(4.8%)を得た。この化合物はHPLCによると均質であった。LR−エレクトロスプレー:C5266119Br計算値:1069、実測値:m/z(1070 M+H)。
【0905】
実施例68
ペンタ(Asp−Lys)−Asp−5−ClAtc−(D)Phe−Cit−Trp−Lys−NH2の調製(ピーク1)
【0906】
【化267】
Figure 0004217069
【0907】
実施例29からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(720mg、0.4mmol)を、先に記載のプロトコール1を用いて固相合成に付した。すべてのカップリングは、カップリング剤としてのDMF中のHBTUおよび塩基としてのDIPEA(3当量)を用いて行った。6回のカップリングサイクルを行い、その各1サイクルは、Fmoc−Lys(Boc)(565mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Trp(520mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Cit(480mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−(D)Phe(480mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−5−Cl−(D,L)Atc(560mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、0.6mmol)、Fmoc−Asp(OBut)(500mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)を用いた。ペプチド樹脂をプロトコール1の工程1〜5に付し、CH2Cl2で洗い(3回)、6%DIPEA/CH2Cl2中の吉草酸無水物2mLで30分間処理した。樹脂を濾過し、CH2Cl2(2回)、イソプロパノール、およびCH2Cl2(3回)のそれぞれ50mlで順次洗った。樹脂を減圧下に乾燥して、ペンチルヘキサペプチド樹脂1.2gを得た。
【0908】
ペンチルヘキサペプチド樹脂を、室温で、エタンジチオール100μL、硫化ジメチル100μL、アニソール250μLおよびトリフルオロ酢酸10mLで180分間処理した。樹脂を濾去し、TFA約2mlで洗い、濾液を冷たいエチルエーテル中で沈殿させた。沈殿を遠心分離し、エーテル層をデカンテーションした。残渣を2倍または3倍体積のEt2Oで洗い、再び遠心分離し、粗線状生成物を減圧下に乾燥して、灰色がかった白色固体245mgを得た。粗ペプチドを精製することなく環化に付した。
【0909】
粗線状ペプチド245mgをDMF 220mlに溶解し、N−メチルモルホリン500μLを添加して見掛けのpHを8.0とした。BOP 280mgを添加し、HPLCで環化をモニターした。典型的には、環化は18〜24時間で完了した。水10mlを添加して反応を停止し、DMFを減圧下に蒸発させ、得られた反応混合物をHPLCで精製した。
【0910】
この粗環状材料を、Vydac C18−カラム(2.5×20cm)上の分取HPLCで精製し、20〜60%B(緩衡液A:0.1%TFA/H2O、緩衡液B:0.1%TFA/CH3CN)の線形勾配で90分間溶離し、流速を8ml/minとし、検出を280nmで行った。第2の主なピークは、集めた画分の分析的HPLC分析によりカットし、貯留し、凍結乾燥して、白色無定形粉末22mg(5.8%)を得た。この化合物はHPLCによると均質であった。LR−エレクトロスプレー:C5266119Cl計算値:1024、実測値:m/z(1025 M+H)。
【0911】
実施例69
ペンタ(Asp−Lys)−Asp−5−ClAtc−(D)Phe−Cit−Trp−Lys−NH2の調製(ピーク2)
【0912】
【化268】
Figure 0004217069
【0913】
実施例29からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(720mg、0.4mmol)を、先に記載のプロトコール1を用いて固相合成に付した。すべてのカップリングは、カップリング剤としてのDMF中のHBTUおよび塩基としてのDIPEA(3当量)を用いて行った。6回のカップリングサイクルを行い、その各1サイクルは、Fmoc−Lys(Boc)(565mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Trp(520mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Cit(480mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−(D)Phe(480mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−5−Cl−(D,L)Atc(560mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、0.6mmol)、Fmoc−Asp(OBut)(500mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)を用いた。ペプチド樹脂をプロトコール1の工程1〜5に付し、CH2Cl2で洗い(3回)、6%DIPEA/CH2Cl2中の吉草酸無水物2mLで30分間処理した。樹脂を濾過し、CH2Cl2(2回)、イソプロパノール、およびCH2Cl2(3回)のそれぞれ50mlで順次洗った。樹脂を減圧下に乾燥して、ペンチルヘキサペプチド樹脂1.2gを得た。
【0914】
ペンチルヘキサペプチド樹脂を、室温で、エタンジチオール100μL、硫化ジメチル100μL、アニソール250μLおよびトリフルオロ酢酸10mLで180分間処理した。樹脂を濾去し、TFA約2mlで洗い、濾液を冷たいエチルエーテル中で沈殿させた。沈殿を遠心分離し、エーテル層をデカンテーションした。残渣を2倍または3倍体積のEt2Oで洗い、再び遠心分離し、粗線状生成物を減圧下に乾燥して、灰色がかった白色固体250mgを得た。粗ペプチドを精製することなく環化に付した。
【0915】
粗線状ペプチド250mgをDMF 220mlに溶解し、N−メチルモルホリン500μLを添加して見掛けのpHを8.0とした。BOP 280mgを添加し、HPLCで環化をモニターした。典型的には、環化は18〜24時間で完了した。水10mlを添加して反応を停止し、DMFを減圧下に蒸発させ、得られた反応混合物をHPLCで精製した。
【0916】
この粗環状材料を、Vydac C18−カラム(2.5×20cm)上の分取HPLCで精製し、20〜60%B(緩衡液A:0.1%TFA/H2O、緩衡液B:0.1%TFA/CH3CN)の線形勾配で90分間溶離し、流速を8ml/minとし、検出を280nmで行った。第2の主なピークは、集めた画分の分析的HPLC分析によりカットし、貯留し、凍結乾燥して、白色無定形粉末20mg(5.4%)を得た。この化合物はHPLCによると均質であった。LR−エレクトロスプレー:C5266119Cl計算値:1024、実測値:m/z(1025 M+H)。
【0917】
実施例70
Ac−Nle−シクロ(Cys−Cys)−Cys−(D,L)Atc−(D)Phe−Arg−Trp−Cys−NH2の調製
【0918】
【化269】
Figure 0004217069
【0919】
実施例29からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(720mg、0.4mmol)を、先に記載のプロトコール1を用いて固相合成に付した。すべてのカップリングは、カップリング剤としてのDMF中のHBTUおよび塩基としてのDIPEA(3当量)を用いて行った。7回のカップリングサイクルを行い、その各1サイクルは、Fmoc−Cys(Trt)(710mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Trp(520mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Arg(Pmc)(800mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−(D)Phe(480mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−(D,L)Atc(550mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、0.6mmol)、Fmoc−Cys(Trt)(710mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Nle(430mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)を用いた。ペプチド樹脂をプロトコール1の工程1〜5に付し、CH2Cl2で洗い(3回)、6%DIPEA/CH2Cl2中の吉草酸無水物1mLで30分間処理した。樹脂を濾過し、CH2Cl2(2回)、イソプロパノール、およびCH2Cl2(3回)のそれぞれ50mlで順次洗った。樹脂を減圧下に乾燥して、Ac−ヘプタペプチド樹脂1.0gを得た。
【0920】
アセチル−ヘプタペプチド樹脂を、室温で、エタンジチオール100μL、硫化ジメチル100μL、アニソール250μLおよびトリフルオロ酢酸10mLで180分間処理した。樹脂を濾去し、TFA約2mlで洗い、濾液を冷たいエチルエーテル中で沈殿させた。沈殿を遠心分離し、エーテル層をデカンテーションした。残渣を2倍または3倍体積のEt2Oで洗い、再び遠心分離し、粗線状生成物を減圧下に乾燥して、灰色がかった白色固体240mgを得た。
【0921】
この粗線状ペプチドを、Vydac C18−カラム(2.5×20cm)上の分取HPLCで精製し、20〜60%B(緩衡液A:0.1%TFA/H2O、緩衡液B:0.1%TFA/CH3CN)の線形勾配で90分間溶離し、流速を8ml/minとし、検出を280nmで行った。主なピークは、集めた画分の分析的HPLC分析によりカットし、貯留し、凍結乾燥して、精製された線状ペプチド55mgを得た。
【0922】
精製された線状ペプチドをDMSO 2mlに溶解し、水500mlで希釈し、NH4OHでpHを8.0に調節した。O2を溶液に吹き込み、HPLCで環化をモニターした。典型的には、環化は24〜48時間で完了した。溶液を凍結乾燥し、材料をCH3COOHに溶解し、Vydac C18−カラム(2.5×20cm)上の分取HPLCに付し、20〜60%B(緩衡液A:0.1%TFA/H2O、緩衡液B:0.1%TFA/CH3CN)の線形勾配で90分間溶離し、流速を8ml/minとし、検出を280nmで行った。主なピークは、集めた画分の分析的HPLC分析によりカットし、貯留し、凍結乾燥して、精製された環状ペプチド20mg(5.0%)を得た。この化合物はHPLCによると均質であった。LR−エレクトロスプレー:C51661282計算値:1039、実測値:m/z(1040 M+H)。
【0923】
実施例71
ペンタ−シクロ(Cys−Cys)−Cys−5−Br(D,L)Atc−(D)Phe−Arg−Trp−Cys−NH2の調製
【0924】
【化270】
Figure 0004217069
【0925】
実施例29からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(720mg、0.4mmol)を、先に記載のプロトコール1を用いて固相合成に付した。すべてのカップリングは、カップリング剤としてのDMF中のHBTUおよび塩基としてのDIPEA(3当量)を用いて行った。7回のカップリングサイクルを行い、その各1サイクルは、Fmoc−Cys(Trt)(710mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Trp(520mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Arg(Pmc)(800mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−(D)Phe(480mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−5−BrAtc(620mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、0.6mmol)、Fmoc−Cys(Trt)(710mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)を用いた。ペプチド樹脂をプロトコール1の工程1〜5に付し、CH2Cl2で洗い(3回)、6%DIPEA/CH2Cl2中の吉草酸無水物1mLで30分間処理した。樹脂を濾過し、CH2Cl2(2回)、イソプロパノール、およびCH2Cl2(3回)のそれぞれ50mlで順次洗った。樹脂を減圧下に乾燥して、Ac−ヘプタペプチド樹脂1.1gを得た。
【0926】
ペンチルヘキサペプチド樹脂を、室温で、エタンジチオール100μL、硫化ジメチル100μL、アニソール250μLおよびトリフルオロ酢酸10mLで180分間処理した。樹脂を濾去し、TFA約2mlで洗い、濾液を冷たいエチルエーテル中で沈殿させた。沈殿を遠心分離し、エーテル層をデカンテーションした。残渣を2倍または3倍体積のEt2Oで洗い、再び遠心分離し、粗線状生成物を減圧下に乾燥して、灰色がかった白色固体240mgを得た。
【0927】
この粗線状ペプチドを、Vydac C18−カラム(2.5×20cm)上の分取HPLCで精製し、20〜60%B(緩衡液A:0.1%TFA/H2O、緩衡液B:0.1%TFA/CH3CN)の線形勾配で90分間溶離し、流速を8ml/minとし、検出を280nmで行った。主なピークは、集めた画分の分析的HPLC分析によりカットし、貯留し、凍結乾燥して、精製された線状ペプチド50mgを得た。
【0928】
精製された線状ペプチドをDMSO 2mlに溶解し、水500mlで希釈し、NH4OHでpHを8.0に調節した。O2を溶液に吹き込み、HPLCで環化をモニターした。典型的には、環化は24〜48時間で完了した。溶液を凍結乾燥し、材料をCH3COOHに溶解し、Vydac C18−カラム(2.5×20cm)上の分取HPLCに付し、20〜60%B(緩衡液A:0.1%TFA/H2O、緩衡液B:0.1%TFA/CH3CN)の線形勾配で90分間溶離し、流速を8ml/minとし、検出を280nmで行った。主なピークは、集めた画分の分析的HPLC分析によりカットし、貯留し、凍結乾燥して、精製された環状ペプチド22mg(5.2%)を得た。この化合物はHPLCによると均質であった。LR−エレクトロスプレー:C48601172計算値:1047、実測値:m/z(1048 M+H)。
【0929】
実施例72
ペンタ−シクロ(Asp−Lys)−Asp−Appc−(D)Phe−Arg−Trp−Lys−NH2の調製
【0930】
【化271】
Figure 0004217069
【0931】
実施例29からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(720mg、0.4mmol)を、先に記載のプロトコール1を用いて固相合成に付した。すべてのカップリングは、カップリング剤としてのDMF中のHBTUおよび塩基としてのDIPEA(3当量)を用いて行った。6回のカップリングサイクルを行い、その各1サイクルは、Fmoc−Lys(Boc)(565mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Trp(520mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Arg(Pmc)(800mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−(D)Phe(480mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Appc(550mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、0.6mmol)、Fmoc−Asp(OBut)(500mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)を用いた。ペプチド樹脂をプロトコール1の工程1〜5に付し、CH2Cl2で洗い(3回)、6%DIPEA/CH2Cl2中の吉草酸無水物2mLで30分間処理した。樹脂を濾過し、CH2Cl2(2回)、イソプロパノール、およびCH2Cl2(3回)のそれぞれ50mlで順次洗った。樹脂を減圧下に乾燥して、ペンチルヘキサペプチド樹脂1.2gを得た。
【0932】
ペンチルヘキサペプチド樹脂を、室温で、エタンジチオール100μL、硫化ジメチル100μL、アニソール250μLおよびトリフルオロ酢酸10mLで180分間処理した。樹脂を濾去し、TFA約2mlで洗い、濾液を冷たいエチルエーテル中で沈殿させた。沈殿を遠心分離し、エーテル層をデカンテーションした。残渣を2倍または3倍体積のEt2Oで洗い、再び遠心分離し、粗線状生成物を減圧下に乾燥して、灰色がかった白色固体245mgを得た。粗ペプチドを精製することなく環化に付した。
【0933】
粗線状ペプチド245mgをDMF 220mlに溶解し、N−メチルモルホリン500μLを添加して見掛けのpHを8.0とした。BOP 280mgを添加し、HPLCで環化をモニターした。典型的には、環化は18〜24時間で完了した。水10mlを添加して反応を停止し、DMFを減圧下に蒸発させ、得られた反応混合物をHPLCで精製した。
【0934】
この粗環状材料を、Vydac C18−カラム(2.5×20cm)上の分取HPLCで精製し、20〜60%B(緩衡液A:0.1%TFA/H2O、緩衡液B:0.1%TFA/CH3CN)の線形勾配で90分間溶離し、流速を8ml/minとし、検出を280nmで行った。主なピークは、集めた画分の分析的HPLC分析によりカットし、貯留し、凍結乾燥して、白色無定形粉末57mg(14%)を得た。この化合物はHPLCによると均質であった。LR−エレクトロスプレー:C5371138計算値:1018、実測値:m/z(1019 M+H)。
【0935】
実施例73
ペンタ−シクロ(Asp−Lys)−Asp−2−MeAppc−(D)Phe−Arg−Trp−Lys−NH2の調製
【0936】
【化272】
Figure 0004217069
【0937】
実施例29からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(720mg、0.4mmol)を、先に記載のプロトコール1を用いて固相合成に付した。すべてのカップリングは、カップリング剤としてのDMF中のHBTUおよび塩基としてのDIPEA(3当量)を用いて行った。6回のカップリングサイクルを行い、その各1サイクルは、Fmoc−Lys(Boc)(565mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Trp(520mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Arg(Pmc)(800mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−(D)Phe(480mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−2−MeAppc(570mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、0.6mmol)、Fmoc−Asp(OBut)(500mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)を用いた。ペプチド樹脂をプロトコール1の工程1〜5に付し、CH2Cl2で洗い(3回)、6%DIPEA/CH2Cl2中の吉草酸無水物2mLで30分間処理した。樹脂を濾過し、CH2Cl2(2回)、イソプロパノール、およびCH2Cl2(3回)のそれぞれ50mlで順次洗った。樹脂を減圧下に乾燥して、ペンチルヘキサペプチド樹脂1.2gを得た。
【0938】
ペンチルヘキサペプチド樹脂を、室温で、エタンジチオール100μL、硫化ジメチル100μL、アニソール250μLおよびトリフルオロ酢酸10mLで180分間処理した。樹脂を濾去し、TFA約2mlで洗い、濾液を冷たいエチルエーテル中で沈殿させた。沈殿を遠心分離し、エーテル層をデカンテーションした。残渣を2倍または3倍体積のEt2Oで洗い、再び遠心分離し、粗線状生成物を減圧下に乾燥して、灰色がかった白色固体250mgを得た。粗ペプチドを精製することなく環化に付した。
【0939】
粗線状ペプチド250mgをDMF 220mlに溶解し、N−メチルモルホリン500μLを添加して見掛けのpHを8.0とした。BOP 280mgを添加し、HPLCで環化をモニターした。典型的には、環化は18〜24時間で完了した。水10mlを添加して反応を停止し、DMFを減圧下に蒸発させ、得られた反応混合物をHPLCで精製した。
【0940】
この粗環状材料を、Vydac C18−カラム(2.5×20cm)上の分取HPLCで精製し、20〜60%B(緩衡液A:0.1%TFA/H2O、緩衡液B:0.1%TFA/CH3CN)の線形勾配で90分間溶離し、流速を8ml/minとし、検出を280nmで行った。主なピークは、集めた画分の分析的HPLC分析によりカットし、貯留し、凍結乾燥して、白色無定形粉末61mg(15%)を得た。この化合物はHPLCによると均質であった。LR−エレクトロスプレー:C5473138計算値:1032、実測値:m/z(1033 M+H)。
【0941】
実施例74
ペンタ−シクロ(Asp−Lys)−Asp−2−iPrAppc−(D)Phe−Arg−Trp−Lys−NH2の調製
【0942】
【化273】
Figure 0004217069
【0943】
実施例29からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(720mg、0.4mmol)を、先に記載のプロトコール1を用いて固相合成に付した。すべてのカップリングは、カップリング剤としてのDMF中のHBTUおよび塩基としてのDIPEA(3当量)を用いて行った。6回のカップリングサイクルを行い、その各1サイクルは、Fmoc−Lys(Boc)(565mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Trp(520mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Arg(Pmc)(800mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−(D)Phe(480mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−2−iPrAppc(600mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、0.6mmol)、Fmoc−Asp(OBut)(500mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)を用いた。ペプチド樹脂をプロトコール1の工程1〜5に付し、CH2Cl2で洗い(3回)、6%DIPEA/CH2Cl2中の吉草酸無水物2mLで30分間処理した。樹脂を濾過し、CH2Cl2(2回)、イソプロパノール、およびCH2Cl2(3回)のそれぞれ50mlで順次洗った。樹脂を減圧下に乾燥して、ペンチルヘキサペプチド樹脂1.2gを得た。
【0944】
ペンチルヘキサペプチド樹脂を、室温で、エタンジチオール100μL、硫化ジメチル100μL、アニソール250μLおよびトリフルオロ酢酸10mLで180分間処理した。樹脂を濾去し、TFA約2mlで洗い、濾液を冷たいエチルエーテル中で沈殿させた。沈殿を遠心分離し、エーテル層をデカンテーションした。残渣を2倍または3倍体積のEt2Oで洗い、再び遠心分離し、粗線状生成物を減圧下に乾燥して、灰色がかった白色固体245mgを得た。粗ペプチドを精製することなく環化に付した。
【0945】
粗線状ペプチド245mgをDMF 220mlに溶解し、N−メチルモルホリン500μLを添加して見掛けのpHを8.0とした。BOP 280mgを添加し、HPLCで環化をモニターした。典型的には、環化は18〜24時間で完了した。水10mlを添加して反応を停止し、DMFを減圧下に蒸発させ、得られた反応混合物をHPLCで精製した。
【0946】
この粗環状材料を、Vydac C18−カラム(2.5×20cm)上の分取HPLCで精製し、20〜60%B(緩衡液A:0.1%TFA/H2O、緩衡液B:0.1%TFA/CH3CN)の線形勾配で90分間溶離し、流速を8ml/minとし、検出を280nmで行った。主なピークは、集めた画分の分析的HPLC分析によりカットし、貯留し、凍結乾燥して、白色無定形粉末52mg(14%)を得た。この化合物はHPLCによると均質であった。LR−エレクトロスプレー:C5677138計算値:1060、実測値:m/z(1061 M+H)。
【0947】
実施例75
ペンタ−シクロ(Asp−Lys)−Asp−3−MeAppc−(D)Phe−Arg−Trp−Lys−NH2の調製
【0948】
【化274】
Figure 0004217069
【0949】
実施例29からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(720mg、0.4mmol)を、先に記載のプロトコール1を用いて固相合成に付した。すべてのカップリングは、カップリング剤としてのDMF中のHBTUおよび塩基としてのDIPEA(3当量)を用いて行った。6回のカップリングサイクルを行い、その各1サイクルは、Fmoc−Lys(Boc)(565mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Trp(520mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Arg(Pmc)(800mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−(D)Phe(480mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−3−MeAppc(570mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、0.6mmol)、Fmoc−Asp(OBut)(500mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)を用いた。ペプチド樹脂をプロトコール1の工程1〜5に付し、CH2Cl2で洗い(3回)、6%DIPEA/CH2Cl2中の吉草酸無水物2mLで30分間処理した。樹脂を濾過し、CH2Cl2(2回)、イソプロパノール、およびCH2Cl2(3回)のそれぞれ50mlで順次洗った。樹脂を減圧下に乾燥して、ペンチルヘキサペプチド樹脂1.2gを得た。
【0950】
ペンチルヘキサペプチド樹脂を、室温で、エタンジチオール100μL、硫化ジメチル100μL、アニソール250μLおよびトリフルオロ酢酸10mLで180分間処理した。樹脂を濾去し、TFA約2mlで洗い、濾液を冷たいエチルエーテル中で沈殿させた。沈殿を遠心分離し、エーテル層をデカンテーションした。残渣を2倍または3倍体積のEt2Oで洗い、再び遠心分離し、粗線状生成物を減圧下に乾燥して、灰色がかった白色固体248mgを得た。粗ペプチドを精製することなく環化に付した。
【0951】
粗線状ペプチド248mgをDMF 220mlに溶解し、N−メチルモルホリン500μLを添加して見掛けのpHを8.0とした。BOP 280mgを添加し、HPLCで環化をモニターした。典型的には、環化は18〜24時間で完了した。水10mlを添加して反応を停止し、DMFを減圧下に蒸発させ、得られた反応混合物をHPLCで精製した。
【0952】
この粗環状材料を、Vydac C18−カラム(2.5×20cm)上の分取HPLCで精製し、20〜60%B(緩衡液A:0.1%TFA/H2O、緩衡液B:0.1%TFA/CH3CN)の線形勾配で90分間溶離し、流速を8ml/minとし、検出を280nmで行った。主なピークは、集めた画分の分析的HPLC分析によりカットし、貯留し、凍結乾燥して、白色無定形粉末55mg(14%)を得た。この化合物はHPLCによると均質であった。LR−エレクトロスプレー:C5473138計算値:1032、実測値:m/z(1033 M+H)。
【0953】
実施例76
ペンタ−シクロ(Asp−Lys)−Asp−4−MeAppc−(D)Phe−Arg−Trp−Lys−NH2の調製
【0954】
【化275】
Figure 0004217069
【0955】
実施例29からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(720mg、0.4mmol)を、先に記載のプロトコール1を用いて固相合成に付した。すべてのカップリングは、カップリング剤としてのDMF中のHBTUおよび塩基としてのDIPEA(3当量)を用いて行った。6回のカップリングサイクルを行い、その各1サイクルは、Fmoc−Lys(Boc)(565mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Trp(520mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Arg(Pmc)(800mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−(D)Phe(480mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−4−MeAppc(570mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、0.6mmol)、Fmoc−Asp(OBut)(500mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)を用いた。ペプチド樹脂をプロトコール1の工程1〜5に付し、CH2Cl2で洗い(3回)、6%DIPEA/CH2Cl2中の吉草酸無水物2mLで30分間処理した。樹脂を濾過し、CH2Cl2(2回)、イソプロパノール、およびCH2Cl2(3回)のそれぞれ50mlで順次洗った。樹脂を減圧下に乾燥して、ペンチルヘキサペプチド樹脂1.2gを得た。
【0956】
ペンチルヘキサペプチド樹脂を、室温で、エタンジチオール100μL、硫化ジメチル100μL、アニソール250μLおよびトリフルオロ酢酸10mLで180分間処理した。樹脂を濾去し、TFA約2mlで洗い、濾液を冷たいエチルエーテル中で沈殿させた。沈殿を遠心分離し、エーテル層をデカンテーションした。残渣を2倍または3倍体積のEt2Oで洗い、再び遠心分離し、粗線状生成物を減圧下に乾燥して、灰色がかった白色固体254mgを得た。粗ペプチドを精製することなく環化に付した。
【0957】
粗線状ペプチド254mgをDMF 220mlに溶解し、N−メチルモルホリン500μLを添加して見掛けのpHを8.0とした。BOP 280mgを添加し、HPLCで環化をモニターした。典型的には、環化は18〜24時間で完了した。水10mlを添加して反応を停止し、DMFを減圧下に蒸発させ、得られた反応混合物をHPLCで精製した。
【0958】
この粗環状材料を、Vydac C18−カラム(2.5×20cm)上の分取HPLCで精製し、20〜60%B(緩衡液A:0.1%TFA/H2O、緩衡液B:0.1%TFA/CH3CN)の線形勾配で90分間溶離し、流速を8ml/minとし、検出を280nmで行った。主なピークは、集めた画分の分析的HPLC分析によりカットし、貯留し、凍結乾燥して、白色無定形粉末57mg(14%)を得た。この化合物はHPLCによると均質であった。LR−エレクトロスプレー:C5473138計算値:1032、実測値:m/z(1033 M+H)。
【0959】
実施例77
ペンタ−シクロ(Asp−Lys)−Asp−4−ClAppc−(D)Phe−Arg−Trp−Lys−NH2の調製
【0960】
【化276】
Figure 0004217069
【0961】
実施例29からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(720mg、0.4mmol)を、先に記載のプロトコール1を用いて固相合成に付した。すべてのカップリングは、カップリング剤としてのDMF中のHBTUおよび塩基としてのDIPEA(3当量)を用いて行った。6回のカップリングサイクルを行い、その各1サイクルは、Fmoc−Lys(Boc)(565mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Trp(520mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Arg(Pmc)(800mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−(D)Phe(480mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−4−ClAppc(580mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、0.6mmol)、Fmoc−Asp(OBut)(500mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)を用いた。ペプチド樹脂をプロトコール1の工程1〜5に付し、CH2Cl2で洗い(3回)、6%DIPEA/CH2Cl2中の吉草酸無水物2mLで30分間処理した。樹脂を濾過し、CH2Cl2(2回)、イソプロパノール、およびCH2Cl2(3回)のそれぞれ50mlで順次洗った。樹脂を減圧下に乾燥して、ペンチルヘキサペプチド樹脂1.2gを得た。
【0962】
ペンチルヘキサペプチド樹脂を、室温で、エタンジチオール100μL、硫化ジメチル100μL、アニソール250μLおよびトリフルオロ酢酸10mLで180分間処理した。樹脂を濾去し、TFA約2mlで洗い、濾液を冷たいエチルエーテル中で沈殿させた。沈殿を遠心分離し、エーテル層をデカンテーションした。残渣を2倍または3倍体積のEt2Oで洗い、再び遠心分離し、粗生成物を減圧下に乾燥して、灰色がかった白色固体250mgを得た。粗ペプチドを精製することなく環化に付した。
【0963】
粗線状ペプチド250mgをDMF 220mlに溶解し、N−メチルモルホリン500μLを添加して見掛けのpHを8.0とした。BOP 280mgを添加し、HPLCで環化をモニターした。典型的には、環化は18〜24時間で完了した。水10mlを添加して反応を停止し、DMFを減圧下に蒸発させ、得られた反応混合物をHPLCで精製した。
【0964】
この粗環状材料を、Vydac C18−カラム(2.5×20cm)上の分取HPLCで精製し、20〜60%B(緩衡液A:0.1%TFA/H2O、緩衡液B:0.1%TFA/CH3CN)の線形勾配で90分間溶離し、流速を8ml/minとし、検出を280nmで行った。主なピークは、集めた画分の分析的HPLC分析によりカットし、貯留し、凍結乾燥して、白色無定形粉末55mg(14%)を得た。この化合物はHPLCによると均質であった。LR−エレクトロスプレー:C5370138Cl計算値:1032、実測値:m/z(1033 M+H)。
【0965】
実施例78
ペンタ−シクロ(Asp−Lys)−Asp−4−PhAppc−(D)Phe−Arg−Trp−Lys−NH2の調製
【0966】
【化277】
Figure 0004217069
【0967】
実施例29からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(720mg、0.4mmol)を、先に記載のプロトコール1を用いて固相合成に付した。すべてのカップリングは、カップリング剤としてのDMF中のHBTUおよび塩基としてのDIPEA(3当量)を用いて行った。6回のカップリングサイクルを行い、その各1サイクルは、Fmoc−Lys(Boc)(565mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Trp(520mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Arg(Pmc)(800mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−(D)Phe(480mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−4−PhAppc(650mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、0.6mmol)、Fmoc−Asp(OBut)(500mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)を用いた。ペプチド樹脂をプロトコール1の工程1〜5に付し、CH2Cl2で洗い(3回)、6%DIPEA/CH2Cl2中の吉草酸無水物2mLで30分間処理した。樹脂を濾過し、CH2Cl2(2回)、イソプロパノール、およびCH2Cl2(3回)のそれぞれ50mlで順次洗った。樹脂を減圧下に乾燥して、ペンチルヘキサペプチド樹脂1.2gを得た。
【0968】
ペンチルヘキサペプチド樹脂を、室温で、エタンジチオール100μL、硫化ジメチル100μL、アニソール250μLおよびトリフルオロ酢酸10mLで180分間処理した。樹脂を濾去し、TFA約2mlで洗い、濾液を冷たいエチルエーテル中で沈殿させた。沈殿を遠心分離し、エーテル層をデカンテーションした。残渣を2倍または3倍体積のEt2Oで洗い、再び遠心分離し、粗線状生成物を減圧下に乾燥して、灰色がかった白色固体270mgを得た。粗ペプチドを精製することなく環化に付した。
【0969】
粗線状ペプチド270mgをDMF 220mlに溶解し、N−メチルモルホリン500μLを添加して見掛けのpHを8.0とした。BOP 280mgを添加し、HPLCで環化をモニターした。典型的には、環化は18〜24時間で完了した。水10mlを添加して反応を停止し、DMFを減圧下に蒸発させ、得られた反応混合物をHPLCで精製した。
【0970】
この粗環状材料を、Vydac C18−カラム(2.5×20cm)上の分取HPLCで精製し、20〜60%B(緩衡液A:0.1%TFA/H2O、緩衡液B:0.1%TFA/CH3CN)の線形勾配で90分間溶離し、流速を8ml/minとし、検出を280nmで行った。主なピークは、集めた画分の分析的HPLC分析によりカットし、貯留し、凍結乾燥して、白色無定形粉末58mg(13%)を得た。この化合物はHPLCによると均質であった。LR−エレクトロスプレー:C5975139計算値:1110、実測値:m/z(1111 M+H)。
【0971】
実施例79
ペンタ−(Asp−Lys)−Asp−3−MeO−Appc−(D)Phe−Arg−Trp−Lys−NH2の調製
【0972】
【化278】
Figure 0004217069
【0973】
実施例29からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(720mg、0.4mmol)を、先に記載のプロトコール1を用いて固相合成に付した。すべてのカップリングは、カップリング剤としてのDMF中のHBTUおよび塩基としてのDIPEA(3当量)を用いて行った。6回のカップリングサイクルを行い、その各1サイクルは、Fmoc−Lys(Boc)(565mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Trp(520mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Arg(Pmc)(800mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−(D)Phe(480mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−3−MeOAppc(580mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、0.6mmol)、Fmoc−Asp(OBut)(500mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)を用いた。ペプチド樹脂をプロトコール1の工程1〜5に付し、CH2Cl2で洗い(3回)、6%DIPEA/CH2Cl2中の吉草酸無水物2mLで30分間処理した。樹脂を濾過し、CH2Cl2(2回)、イソプロパノール、およびCH2Cl2(3回)のそれぞれ50mlで順次洗った。樹脂を減圧下に乾燥して、ペンチルヘキサペプチド樹脂1.2gを得た。
【0974】
ペンチルヘキサペプチド樹脂を、室温で、エタンジチオール100μL、硫化ジメチル100μL、アニソール250μLおよびトリフルオロ酢酸10mLで180分間処理した。樹脂を濾去し、TFA約2mlで洗い、濾液を冷たいエチルエーテル中で沈殿させた。沈殿を遠心分離し、エーテル層をデカンテーションした。残渣を2倍または3倍体積のEt2Oで洗い、再び遠心分離し、粗線状生成物を減圧下に乾燥して、灰色がかった白色固体250mgを得た。粗ペプチドを精製することなく環化に付した。
【0975】
粗線状ペプチド250mgをDMF 220mlに溶解し、N−メチルモルホリン500μLを添加して見掛けのpHを8.0とした。BOP 280mgを添加し、HPLCで環化をモニターした。典型的には、環化は18〜24時間で完了した。水10mlを添加して反応を停止し、DMFを減圧下に蒸発させ、得られた反応混合物をHPLCで精製した。
【0976】
この粗環状材料を、Vydac C18−カラム(2.5×20cm)上の分取HPLCで精製し、20〜60%B(緩衡液A:0.1%TFA/H2O、緩衡液B:0.1%TFA/CH3CN)の線形勾配で90分間溶離し、流速を8ml/minとし、検出を280nmで行った。主なピークは、集めた画分の分析的HPLC分析によりカットし、貯留し、凍結乾燥して、白色無定形粉末54mg(13%)を得た。この化合物はHPLCによると均質であった。LR−エレクトロスプレー:C5473139計算値:1048、実測値:m/z(1049 M+H)。
【0977】
実施例80
ペンタ−シクロ(Asp−Lys)−Asp−4−Adpc−(D)Phe−Arg−Trp−Lys−NH2の調製
【0978】
【化279】
Figure 0004217069
【0979】
実施例29からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(720mg、0.4mmol)を、先に記載のプロトコール1を用いて固相合成に付した。すべてのカップリングは、カップリング剤としてのDMF中のHBTUおよび塩基としてのDIPEA(3当量)を用いて行った。6回のカップリングサイクルを行い、その各1サイクルは、Fmoc−Lys(Boc)(565mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Trp(520mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Arg(Pmc)(800mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−(D)Phe(480mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Adpc(620mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、0.6mmol)、Fmoc−Asp(OBut)(500mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)を用いた。ペプチド樹脂をプロトコール1の工程1〜5に付し、CH2Cl2で洗い(3回)、6%DIPEA/CH2Cl2中の吉草酸無水物2mLで30分間処理した。樹脂を濾過し、CH2Cl2(2回)、イソプロパノール、およびCH2Cl2(3回)のそれぞれ50mlで順次洗った。樹脂を減圧下に乾燥して、ペンチルヘキサペプチド樹脂1.1gを得た。
【0980】
ペンチルヘキサペプチド樹脂を、室温で、エタンジチオール100μL、硫化ジメチル100μL、アニソール250μLおよびトリフルオロ酢酸10mLで180分間処理した。樹脂を濾去し、TFA約2mlで洗い、濾液を冷たいエチルエーテル中で沈殿させた。沈殿を遠心分離し、エーテル層をデカンテーションした。残渣を2倍または3倍体積のEt2Oで洗い、再び遠心分離し、粗線状生成物を減圧下に乾燥して、灰色がかった白色固体242mgを得た。粗ペプチドを精製することなく環化に付した。
【0981】
粗線状ペプチド242mgをDMF 220mlに溶解し、N−メチルモルホリン500μLを添加して見掛けのpHを8.0とした。BOP 280mgを添加し、HPLCで環化をモニターした。典型的には、環化は18〜24時間で完了した。水10mlを添加して反応を停止し、DMFを減圧下に蒸発させ、得られた反応混合物をHPLCで精製した。
【0982】
この粗環状材料を、Vydac C18−カラム(2.5×20cm)上の分取HPLCで精製し、20〜60%B(緩衡液A:0.1%TFA/H2O、緩衡液B:0.1%TFA/CH3CN)の線形勾配で90分間溶離し、流速を8ml/minとし、検出を280nmで行った。主なピークは、集めた画分の分析的HPLC分析によりカットし、貯留し、凍結乾燥して、白色無定形粉末48mg(11%)を得た。この化合物はHPLCによると均質であった。LR−エレクトロスプレー:C6076128計算値:1093、実測値:m/z(1094 M+H)。
【0983】
実施例81
ペンタ−シクロ(Asp−Lys)−Asp−Achc−(D)Phe−Arg−Trp−Lys−NH2の調製
【0984】
【化280】
Figure 0004217069
【0985】
実施例29からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(720mg、0.4mmol)を、先に記載のプロトコール1を用いて固相合成に付した。すべてのカップリングは、カップリング剤としてのDMF中のHBTUおよび塩基としてのDIPEA(3当量)を用いて行った。6回のカップリングサイクルを行い、その各1サイクルは、Fmoc−Lys(Boc)(565mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Trp(520mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Arg(Pmc)(800mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−(D)Phe(480mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Achc(560mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、0.6mmol)、Fmoc−Asp(OBut)(500mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)を用いた。ペプチド樹脂をプロトコール1の工程1〜5に付し、CH2Cl2で洗い(3回)、6%DIPEA/CH2Cl2中の吉草酸無水物2mLで30分間処理した。樹脂を濾過し、CH2Cl2(2回)、イソプロパノール、およびCH2Cl2(3回)のそれぞれ50mlで順次洗った。樹脂を減圧下に乾燥して、ペンチルヘキサペプチド樹脂1.1gを得た。
【0986】
ペンチルヘキサペプチド樹脂を、室温で、エタンジチオール100μL、硫化ジメチル100μL、アニソール250μLおよびトリフルオロ酢酸10mLで180分間処理した。樹脂を濾去し、TFA約2mlで洗い、濾液を冷たいエチルエーテル中で沈殿させた。沈殿を遠心分離し、エーテル層をデカンテーションした。残渣を2倍または3倍体積のEt2Oで洗い、再び遠心分離し、粗線状生成物を減圧下に乾燥して、灰色がかった白色固体250mgを得た。粗ペプチドを精製することなく環化に付した。
【0987】
粗線状ペプチド250mgをDMF 220mlに溶解し、N−メチルモルホリン500μLを添加して見掛けのpHを8.0とした。BOP 280mgを添加し、HPLCで環化をモニターした。典型的には、環化は18〜24時間で完了した。水10mlを添加して反応を停止し、DMFを減圧下に蒸発させ、得られた反応混合物をHPLCで精製した。
【0988】
この粗環状材料を、Vydac C18−カラム(2.5×20cm)上の分取HPLCで精製し、20〜60%B(緩衡液A:0.1%TFA/H2O、緩衡液B:0.1%TFA/CH3CN)の線形勾配で90分間溶離し、流速を8ml/minとし、検出を280nmで行った。主なピークは、集めた画分の分析的HPLC分析によりカットし、貯留し、凍結乾燥して、白色無定形粉末52mg(13%)を得た。この化合物はHPLCによると均質であった。LR−エレクトロスプレー:C5478128計算値:1023、実測値:m/z(1024 M+H)。
【0989】
実施例82
ペンタ−シクロ(Asp−Lys)−Asp−Abc−(D)Phe−Arg−Trp−Lys−NH2の調製
【0990】
【化281】
Figure 0004217069
【0991】
実施例29からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(720mg、0.4mmol)を、先に記載のプロトコール1を用いて固相合成に付した。すべてのカップリングは、カップリング剤としてのDMF中のHBTUおよび塩基としてのDIPEA(3当量)を用いて行った。6回のカップリングサイクルを行い、その各1サイクルは、Fmoc−Lys(Boc)(565mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Trp(520mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Arg(Pmc)(800mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−(D)Phe(480mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Abc(530mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、0.6mmol)、Fmoc−Asp(OBut)(500mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)を用いた。ペプチド樹脂をプロトコール1の工程1〜5に付し、CH2Cl2で洗い(3回)、6%DIPEA/CH2Cl2中の吉草酸無水物2mLで30分間処理した。樹脂を濾過し、CH2Cl2(2回)、イソプロパノール、およびCH2Cl2(3回)のそれぞれ50mlで順次洗った。樹脂を減圧下に乾燥して、ペンチルヘキサペプチド樹脂13gを得た。
【0992】
ペンチルヘキサペプチド樹脂を、室温で、エタンジチオール100μL、硫化ジメチル100μL、アニソール250μLおよびトリフルオロ酢酸10mLで180分間処理した。樹脂を濾去し、TFA約2mlで洗い、濾液を冷たいエチルエーテル中で沈殿させた。沈殿を遠心分離し、エーテル層をデカンテーションした。残渣を2倍または3倍体積のEt2Oで洗い、再び遠心分離し、粗線状生成物を減圧下に乾燥して、灰色がかった白色固体255mgを得た。粗ペプチドを精製することなく環化に付した。
【0993】
粗線状ペプチド255mgをDMF 220mlに溶解し、N−メチルモルホリン500μLを添加して見掛けのpHを8.0とした。BOP 280mgを添加し、HPLCで環化をモニターした。典型的には、環化は18〜24時間で完了した。水10mlを添加して反応を停止し、DMFを減圧下に蒸発させ、得られた反応混合物をHPLCで精製した。
【0994】
この粗環状材料を、Vydac C18−カラム(2.5×20cm)上の分取HPLCで精製し、20〜60%B(緩衡液A:0.1%TFA/H2O、緩衡液B:0.1%TFA/CH3CN)の線形勾配で90分間溶離し、流速を8ml/minとし、検出を280nmで行った。主なピークは、集めた画分の分析的HPLC分析によりカットし、貯留し、凍結乾燥して、白色無定形粉末58mg(14%)を得た。この化合物はHPLCによると均質であった。LR−エレクトロスプレー:C5276128計算値:997、実測値:m/z(998 M+H)。
【0995】
実施例83
ペンタ−シクロ(Asp−Lys)−Asp−Apc−(D)Phe−Arg−(2S,3S)βメチル−Trp−Lys−NH2の調製
【0996】
【化282】
Figure 0004217069
【0997】
実施例29からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(720mg、0.4mmol)を、先に記載のプロトコール1を用いて固相合成に付した。すべてのカップリングは、カップリング剤としてのDMF中のHBTUおよび塩基としてのDIPEA(3当量)を用いて行った。6回のカップリングサイクルを行い、その各1サイクルは、Fmoc−Lys(Boc)(565mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−(2S,3S)βメチル(nMes)Trp(616mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Arg(Pmc)(800mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−(D)Phe(480mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Apc(550mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)、Fmoc−Asp(OBut)(500mg、1.2mmol)およびHBTU(452mg、1.2mmol)を用いた。ペプチド樹脂をプロトコール1の工程1〜5に付し、CH2Cl2で洗い(3回)、6%DIPEA/CH2Cl2中の吉草酸無水物2mLで30分間処理した。樹脂を濾過し、CH2Cl2(2回)、イソプロパノール、およびCH2Cl2(3回)のそれぞれ50mlで順次洗った。樹脂を減圧下に乾燥して、ペンチルヘキサペプチド樹脂1.0gを得た。
【0998】
ペンチルヘキサペプチド樹脂を、0℃で、エタンジチオール100μL、硫化ジメチル100μL、アニソール250μLおよびHF10mLで60分間処理した。HFを蒸発させて、樹脂を酢酸エチルで洗い、濾過し、TFA約5mlで洗い、濾液を冷たいエチルエーテル中で沈殿させた。沈殿を遠心分離し、エーテル層をデカンテーションした。残渣を2倍または3倍体積のEt2Oで洗い、再び遠心分離し、粗線状生成物を減圧下に乾燥して、灰色がかった白色固体180mgを得た。粗ペプチドを精製することなく環化に付した。
【0999】
粗線状ペプチド180mgをDMF 220mlに溶解し、N−メチルモルホリン500μLを添加して見掛けのpHを8.0とした。BOP 280mgを添加し、HPLCで環化をモニターした。典型的には、環化は18〜24時間で完了した。水10mlを添加して反応を停止し、DMFを減圧下に蒸発させ、得られた反応混合物をHPLCで精製した。
【1000】
この粗環状材料を、Vydac C18−カラム(2.5×20cm)上の分取HPLCで精製し、20〜60%B(緩衡液A:0.1%TFA/H2O、緩衡液B:0.1%TFA/CH3CN)の線形勾配で90分間溶離し、流速を8ml/minとし、検出を280nmで行った。主なピークは、集めた画分の分析的HPLC分析によりカットし、貯留し、凍結乾燥して、白色無定形粉末40mg(10%)を得た。この化合物はHPLCによると均質であった。LR−エレクトロスプレー:C5574128計算値:1031、実測値:m/z(1032 M+H)。
【1001】
生物学的活性実施例
実施例A:作動薬アッセイ
方法
説明:MC−4受容体またはMC−1受容体をトランスフェクトしたHEK293細胞を、96ウエルプレートで成長させた。細胞を、100nMのNDP−αMSHまたはスクリーニング化合物で刺激した。細胞から環状AMPを抽出し、濃度を、Biotrak−cAMPアッセイを用いて測定した。作動薬は、cAMPの増加を引き起こす化合物と認識した。
【1002】
細胞培養:MC−4受容体またはMC−1受容体をトランスフェクトしたHEK293細胞を、10%FCSおよびG418 500μg/mlを補ったD−MEM中、75cmフラスコで培養した。細胞をトリプシン処理し、96ウエル平底組織培養処理プレートに1:3に分割した。コンフルエンスで細胞を刺激した(2〜4日)。
【1003】
cAMP反応:100%DMSO中に連続的に希釈した化合物を、さらに10%FBSおよび0.1mM IBMXを含むD−MEM中で、1:200に希釈した(希釈化合物2.5μl+培地500μl)。非刺激細胞については、DMSO 2.5μlを培地500μlに添加した。NDP−αMSH刺激細胞については、100%DMSO中の20μM NDP−αMSH 2.5μlを培地500μlに添加した(最終濃度:100nM)。DMSOの最終濃度はすべてのウエルにおいて0.5%であった。
【1004】
注意:各サンプルは、別のプレートで2回実施した。
【1005】
培養培地を、コンフルエントの96ウエルから除去し、前記希釈材料200μlと共に適切なウエル内に置き換えた。プレートを室温で1時間インキュベートした。培地を除去し、プレートを、PBS 200μlで1回洗った。CAMPを、70%エタノール60μlを添加して抽出した(冷蔵庫内に貯蔵)。30分の抽出時間後、エタノール抽出物10μlを、cAMPアッセイプレートに移し、またはサンプルをcAMPアッセイが行われるまで−20℃で貯蔵した。
【1006】
cAMPアッセイ:抽出されたサンプルおよびキットに含まれるすべての試薬を、室温に調整した。96ウエル光学プレートに、エタノール抽出物10μl、アッセイ緩衝液40μl、〔125I〕cAMP 50μl、抗血清50μlおよびSPAビード50μlを添加した。添加後の合計ウエル体積は200μlであった。プレートを密封し、室温で15〜20時間インキュベートした。SPAビードにカップリングしている〔125I〕cAMPを、各プレートをPackard TopCount(商標)上で2分間数えることにより測定した。
【1007】
注意:各プレートは、非刺激細胞用の対照サンプル、および刺激細胞用のNDP−αMSHを含んでいた。
【1008】
結果を以下の表Iに示す。
【1009】
【表29】
Figure 0004217069
Figure 0004217069
Figure 0004217069
【1010】
実施例B:注射溶液は、以下の組成をとり得る。
式Iで示される化合物 3.0mg
ゼラチン 150.0mg
フェノール 4.7mg
注射溶液用の水 1.0mlにする量

Claims (48)

  1. 下記式:
    Figure 0004217069
    (式中、
    1およびR12は、XおよびYと一緒になってフェニル環を形成し、XはCであり、YはCであるか、あるいは、
    1は、水素、
    Figure 0004217069
    であり;そして
    12は、水素であり、XおよびYは、それぞれCであり、XとYとの間の結合は二重結合であるか、またはXおよびYは、それぞれCHであり、XとYとの間の結合は一重結合であり;
    2は、1〜5個の炭素原子を有するアルキル、2〜5個の炭素原子を有するアルケニル、または2〜5個の炭素原子を有するアルキニルであり;
    14は、1〜5個の炭素原子を有するアルキルであり;
    nは、0または1であり;そして
    Qは、
    Figure 0004217069
    であり(式中、R3、R4およびR5は、独立して水素、ハロ、1〜4個の炭素原子を有するアルキル、ヒロドキシ、または1〜4個の炭素原子を有するアルコキシであり、ここで、R4が水素でない場合、R3およびR5はいずれも水素であり;そしてR6は、水素、1〜3個の炭素原子を有するアルキル、1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ、フェノキシまたはハロであり;R11およびR13は、それぞれ独立して水素、3または4個の炭素原子を有するアルキル、5または6個の炭素原子を有するシクロアルキルであるか、あるいはR11およびR13は、いずれもフェニルである);
    7は、OまたはNHであり;
    8は、水素またはメチルであり;
    9は、
    Figure 0004217069
    であり;
    10は、水素またはメチルであり;
    pは、0または1であり;
    mは、0、1、2または3であり;
    Zは、
    Figure 0004217069
    であり;そして
    17は、水素または1〜6個の炭素原子を有するアルキルである)
    の化合物、ならびに薬学的に許容されるその塩。
  2. 下記式:
    Figure 0004217069
    (式中、
    1およびR12は、XおよびYと一緒になってフェニル環を形成し、XはCであり、YはCであるか、あるいは、
    1は、水素、
    Figure 0004217069
    であり;そして
    12は、水素であり、XおよびYは、それぞれCであり、XとYとの間の結合は二重結合であるか、またはXおよびYは、それぞれCHであり、XとYとの間の結合は一重結合であり;
    2は、1〜5個の炭素原子を有するアルキル、2〜5個の炭素原子を有するアルケニル、または2〜5個の炭素原子を有するアルキニルであり;
    14は、1〜5個の炭素原子を有するアルキルであり;
    nは、0または1であり;
    3、R4およびR5は、独立して水素、ハロ、1〜4個の炭素原子を有するアルキル、ヒロドキシまたは1〜4個の炭素原子を有するアルコキシであり、ここで、R4が水素でない場合、R3およびR5はいずれも水素であり;
    7は、OまたはNHであり;
    8は、水素またはメチルであり;
    9は、
    Figure 0004217069
    であり;
    10は、水素またはメチルであり;
    pは、0または1であり;
    mは、0、1、2または3であり;
    Zは、
    Figure 0004217069
    であり;そして
    17は、水素または1〜6個の炭素原子を有するアルキルである)
    の化合物、ならびに、薬学的に許容されるその塩。
  3. XおよびYが、それぞれCHであり、XとYとの間の結合が一重結合であり;Zが、
    Figure 0004217069
    であり;
    7が、Oであり;
    1が、
    Figure 0004217069
    であり;
    2が、1〜5個の炭素原子を有するアルキルであり;そして
    10およびR12が、いずれも水素である、
    請求項2記載の化合物。
  4. ペンタ−シクロ(Asp−Lys)−Asp−Apc−(D)Phe−Cit−Trp−Lys−NH2である、請求項3記載の化合物。
  5. Zが、
    Figure 0004217069
    であり;
    7が、NHであり;
    1が、水素、
    Figure 0004217069
    であり;
    2が、1〜5個の炭素原子を有するアルキルであり;そして
    10およびR12が、いずれも水素であり;かつ
    nおよびR14が、請求項2に定義されたとおりである、
    請求項2記載の化合物。
  6. XおよびYが、それぞれCHであり、XとYとの間の結合が一重結合であり;nが0であり;そしてR9が、
    Figure 0004217069
    である、
    請求項5記載の化合物。
  7. ペンタ−シクロ(Asp−Lys)−Asp−Apc−(D)Phe−Arg−(2)Nal−Lys−NH2またはペンタ−シクロ(Asp−Lys)−Asp−Apc−(D)Phe−Arg−N−メチル(2)Nal−Lys−NH2である、請求項6記載の化合物。
  8. Zが、
    Figure 0004217069
    であり;
    7が、NHであり;R1が、
    Figure 0004217069
    であり;
    2が、1〜5個の炭素原子を有するアルキルであり;R10およびR12が、いずれも水素であり;R9が、
    Figure 0004217069
    であり;そして
    17が、請求項2に定義されたとおりである、
    請求項5記載の化合物。
  9. XおよびYが、それぞれCHであり、XとYとの間の結合が一重結合であり;R3、R4およびR5のうち1個が水素、ハロまたは1〜4個の炭素原子を有するアルキルであり、残りが水素である、請求項5記載の化合物。
  10. Figure 0004217069
    である、請求項9記載の化合物。
  11. XおよびYが、それぞれCHであり、XとYとの間の結合が一重結合であり;R1が、
    Figure 0004217069
    であり;
    3、R4およびR5のうち1個が1〜4個の炭素原子を有するアルコキシであり、残りが水素であり;nが、0である、請求項8記載の化合物。
  12. Figure 0004217069
    である、請求項11記載の化合物。
  13. 1、R3、R4、R5、R8およびR10が、それぞれ水素であり;
    7が、NHであり;
    9が、
    Figure 0004217069
    であり;
    pが、0であり;そしてR17が、請求項2に定義されたとおりである、
    請求項8記載の化合物。
  14. Figure 0004217069
    である、請求項13記載の化合物。
  15. 1およびR12が、XおよびYと一緒になってフェニル環を形成する、請求項2記載の化合物。
  16. シクロ(フタル酸−Lys)−フタル酸−Apc−(D)Phe−Arg−Trp−Lys−NH2もしくはシクロ(フタル酸−Dpr)フタル酸−Apc−(D)Phe−Arg−Trp−Dpr−NH2、またはAc−Nle−シクロ(Cys−Cys)−Cys−Apc−(D)Phe−Arg−Trp−Cys−NH2である、請求項15記載の化合物。
  17. 下記式:
    Figure 0004217069
    (式中、
    1は、水素、
    Figure 0004217069
    であり;
    2は、1〜5個の炭素原子を有するアルキル、2〜5個の炭素原子を有するアルケニル、または2〜5個の炭素原子を有するアルキニルであり;
    14は、1〜5個の炭素原子を有するアルキルであり;
    nは、0または1であり;
    6は、水素、1〜3個の炭素原子を有するアルキル、1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ、フェノキシまたはハロであり;
    7は、OまたはNHであり;
    8は、水素またはメチルであり;
    9は、
    Figure 0004217069
    であり;
    10は、水素またはメチルであり;
    pは、0または1であり;
    mは、0、1、2または3であり;そして
    Zは、
    Figure 0004217069
    であり;かつ
    17は、水素または1〜6個の炭素原子を有するアルキルである)
    の化合物、ならびに、薬学的に許容されるその塩。
  18. Zが、
    Figure 0004217069
    であり;
    7が、NHであり;
    1が、
    Figure 0004217069
    であり;
    2が、1〜5個の炭素原子を有するアルキルであり;
    8およびR10が、それぞれ水素であり;そして
    9が、
    Figure 0004217069
    であり;かつ
    17が、請求項17に定義されたとおりである、
    請求項17記載の化合物。
  19. 6が、水素または1〜3個の炭素原子を有するアルキルである、請求項18記載の化合物。
  20. Figure 0004217069
    である、請求項19記載の化合物。
  21. 6が、ハロである、請求項17記載の化合物。
  22. ペンタ−シクロ(Asp−Lys)−Asp−4−ClAppc−(D)Phe−Arg−Trp−Lys−NH2である、請求項21記載の化合物。
  23. 6が、1〜3個の炭素原子を有するアルコキシまたはフェノキシである、請求項18記載の化合物。
  24. ペンタ−シクロ(Asp−Lys)−Asp−4−PhOAppc−(D)Phe−Arg−Trp−Lys−NH2またはペンタ−シクロ(Asp−Lys)−Asp−3−MeO−Appc−(D)Phe−Arg−Trp−Lys−NH2である、請求項23記載の化合物。
  25. 下記式:
    Figure 0004217069
    (式中、
    1は、水素、
    Figure 0004217069
    であり;
    2は、1〜5個の炭素原子を有するアルキル、2〜5個の炭素原子を有するアルケニル、または2〜5個の炭素原子を有するアルキニルであり;
    14は、1〜5個の炭素原子を有するアルキルであり;
    nは、0または1であり;
    11およびR13は、それぞれ独立して水素、3個もしくは4個の炭素原子を有するアルキル、または5個もしくは6個の炭素原子を有するシクロアルキルであるか、あるいはR11およびR13は、いずれもフェニルであり;
    7は、OまたはNHであり;
    8は、水素またはメチルであり;
    9は、
    Figure 0004217069
    であり;
    10は、水素またはメチルであり;
    pは、0または1であり;
    mは、0、1、2または3であり;そして
    Zは、
    Figure 0004217069
    であり;かつ
    17は、水素または1〜6個の炭素原子を有するアルキルである)
    の化合物、ならびに、薬学的に許容されるその塩。
  26. Zが、
    Figure 0004217069
    であり;
    7が、NHであり;
    1が、
    Figure 0004217069
    であり;
    2が、1〜5個の炭素原子を有するアルキルであり;
    8およびR10が、それぞれ水素であり;そして
    9が、
    Figure 0004217069
    であり;かつ
    17が、水素または1〜6個の炭素原子を有するアルキルである、
    請求項25記載の化合物。
  27. 11およびR13のうち1個が、3個もしくは4個の炭素原子を有するアルキル、または5個もしくは6個の炭素原子を有するシクロアルキルであり、他が水素である、請求項26記載の化合物。
  28. ペンタ−シクロ(Asp−Lys)−Asp−Achc−(D)Phe−Arg−Trp−Lys−NH2またはペンタ−シクロ(Asp−Lys)−Asp−Abc−(D)Phe−Arg−Trp−Lys−NH2である、請求項27記載の化合物。
  29. 11およびR13が、いずれもフェニルである、請求項26記載の化合物。
  30. ペンタ−シクロ(Asp−Lys)−Asp−4−Adpc−(D)Phe−Arg−Trp−Lys−NH2である、請求項29記載の化合物。
  31. 下記式:
    Figure 0004217069
    (式中、
    1は、水素、
    Figure 0004217069
    であり;
    2は、1〜5個の炭素原子を有するアルキル、2〜5個の炭素原子を有するアルケニル、または2〜5個の炭素原子を有するアルキニルであり;
    14は、1〜5個の炭素原子を有するアルキルであり;
    nは、0または1であり;
    3、R4、R5およびR6のうち1個が、水素、ハロ、1〜3個の炭素原子を有するアルキル、または1〜3個の炭素原子を有するアルコキシであり、残りが、水素であり;
    7は、OまたはNHであり;
    8は、水素またはメチルであり;
    9は、
    Figure 0004217069
    であり;
    10は、水素またはメチルであり;
    pは、0または1であり;
    mは、0、1、2または3であり;そして
    Zは、
    Figure 0004217069
    であり;かつ
    17は、水素または1〜6個の炭素原子を有するアルキルである)
    の化合物、ならびに、薬学的に許容されるその塩。
  32. Zが、
    Figure 0004217069
    であり;
    1が、
    Figure 0004217069
    であり;
    2が、1〜5個の炭素原子を有するアルキルであり;
    3、R4、R5、R8およびR10が、それぞれ水素であり;
    6が、水素、ハロ、1〜3個の炭素原子を有するアルキル、または1〜3個の炭素原子を有するアルコキシであり;そして
    9が、
    Figure 0004217069
    であり;かつ
    17が、請求項31に定義されたとおりである、
    請求項31記載の化合物。
  33. 7が、NHである、請求項32記載の化合物。
  34. 6が、水素または1〜3個の炭素原子を有するアルキルである、請求項32記載の化合物。
  35. Figure 0004217069
    である、請求項34記載の化合物。
  36. 6が、ハロである、請求項31〜33のいずれか1項記載の化合物。
  37. ペンタ−シクロ(Asp−Lys)−Asp−5−BrAtc−(D)Phe−Arg−Trp−Lys−NH2またはペンタ−シクロ(Asp−Lys)−Asp−5−ClAtc−(D)Phe−Arg−Trp−Lys−NH2である、請求項36記載の化合物。
  38. 6が、1〜3個の炭素原子を有するアルコキシである、請求項31〜33のいずれか1項記載の化合物。
  39. ペンタ−シクロ(Asp−Lys)−Asp−5−MeO−(D,L)Atc−(D)Phe−Arg−Trp−Lys−NH2、ペンタ−シクロ(Asp−Lys)−Asp−5−EtO−(D,L)Atc−(D)Phe−Arg−Trp−Lys−NH2またはペンタ−シクロ(Asp−Lys)−Asp−5−iPrO−(D,L)Atc−(D)Phe−Arg−Trp−Lys−NH2である、請求項38記載の化合物。
  40. 7が、Oであり、R6が、ハロである、請求項31または32記載の化合物。
  41. ペンタ−シクロ(Asp−Lys)−Asp−5−BrAtc−(D)Phe−Cit−Trp−Lys−NH2またはペンタ−シクロ(Asp−Lys)−Asp−5−ClAtc−(D)Phe−Cit−Trp−Lys−NH2である、請求項40記載の化合物。
  42. Zが、−S−S−であり;
    1が、
    Figure 0004217069
    であり;
    3、R4、R5、R8およびR10が、水素であり;
    6が、水素またはハロであり;
    7が、NHであり;そして
    9が、
    Figure 0004217069
    であり;ここでR17は、前述のとおりである、
    請求項31記載の化合物。
  43. Figure 0004217069
    である、請求項42記載の化合物。
  44. 前駆体線状ペプチドのZ位において、ラクタム結合またはジスルフィド結合を形成することにより、式:
    Figure 0004217069
    (式中、R1〜R12、m、p、Q、X、YおよびZは、請求項1〜43に定義されたとおりである)
    の化合物を製造する方法。
  45. 請求項1〜43のいずれか1項記載の化合物、および治療に不活性な担体を含む、肥満の治療および/または予防用の薬学的組成物。
  46. 請求項1〜43のいずれか1項記載の化合物を使用する、肥満の治療および/または予防用の薬剤を調製する方法。
  47. 請求項44記載の方法により製造される、請求項1〜43のいずれか1項記載の化合物。
  48. 治療活性物質として用いるための、請求項1〜43のいずれか1項記載の化合物。
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