JP4216108B2 - 車両用収納式座席 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、車両、特に鉄道車両に適した収納式座席に関する。
【0002】
【従来技術およびその問題点】
近年、鉄道車両、特に通勤時に使用される電車において、いわゆるラッシュ時などの混雑時には大量輸送を可能とし、混雑時以外はできるだけ多くの乗客に座席を提供するために、混雑時には収納でき、混雑時以外は使用可能にできる収納式座席が使用されている。
【0003】
この種の収納式座席は、座面の収納および使用状態へのセットは、乗務員のスイッチ操作による一括制御が望まれる。そこで、収納時には座面を収納位置まで上げ、使用時には座面を使用位置まで降ろす電動収納装置を備えた収納式座席が開発されている。
しかしながら、乗客が車両に乗っているときに電動収納装置に座面を収納位置から使用位置まで降ろす収納解除動作を開始させると、座面が使用位置まで完全に降りる前に、乗客が座面を引っ張って強制的に降ろそうとしたり、座面に座ってしまうことがある。このような負荷が座面にかかると、電動収納装置が動作不良を起こしたり、破損したりする虞れがあった。
【0004】
そこで本件出願人は、座面部を収納位置にロックした状態で電動収納装置が収納解除状態まで戻り、座面部の引出しによって電動収納装置に負荷がかからない収納解除状態になってから、ロック手段を電動で解除して座面部の引出しを可能にする車両用収納式座席を開発した(特許文献1)。この公知技術では、座面部を駆動する電動手段とは別個にロック手段を駆動する電動手段を設けていた。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−287577号公報
【0006】
【発明の目的】
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたもので、単独の電動手段により、電動収納装置に過負荷をかけることなく、座面部の使用および収納を可能にする車両用収納式座席を提供することを目的とする。
【0007】
【発明の概要】
この目的を達成する請求項1記載の発明は、車両内に設置される収納式座席であって、車両に固定された座席フレームと、該座席フレームに枢着され、前記車両の床面と略垂直な収納位置と略平行な使用位置とに回動移動可能な座面部と、前記座面部を前記使用位置から収納位置まで拘束して回動させる収納動作、および前記座面部が収納位置から使用位置まで回転するのを許容する使用位置まで、前記座面部を拘束しないで収納解除動作をする電動収納手段と、前記座面部を前記収納位置において係止する座面部係止手段と、前記電動収納手段の収納解除動作により前記座面部がほぼ使用位置まで回動可能になった後の前記電動収納手段の収納解除動作により駆動され、前記座面部係止手段の係止を解除する係止解除連動手段とを備えたことに特徴を有する。
この車両用収納式座席によれば、収納状態において電動収納手段が収納解除動作すると、座面部が使用位置まで電動収納手段に拘束されないで回動可能な状態になった後に、電動収納手段に駆動された係止解除連動手段を介して座面部係止手段による座面部の係止を解除するので、利用者が座面部を引き出しても電動収納手段に過負荷が働くことが無く、電動収納手段が破損したり、故障したりするおそれが無い車両用収納式座席を、単一の電動手段によって実現した。
【0008】
実際的には、前記電動収納手段は、モータと、該モータによって回動駆動され、前記座面部の枢着部近傍に設けられた連係部材に当接して前記座面部を使用位置から収納位置まで回動させる駆動部材を備え、前記モータが前記収納動作するときは、前記駆動部材を使用位置方向から前記連係部材に当接させて前記座面部を前記収納位置まで回動し、前記収納解除動作するときは、前記駆動部材が連係部材から使用位置方向に離反して前記座面部が収納位置まで回動するのを許容する構成とする。
前記係止解除連動手段は、一方の端部が前記座面部係止機構に連結され、他方の端部が前記駆動部材を回動させる回動軸に連結され、該回動軸の回動に連動して前記座面係止機構を駆動し、前記駆動部材が収納位置にあるときは前記座面部係止機構を自由状態とし、前記駆動部材が前記使用位置にあるときは前記座面部係止機構を係止解除状態に保持する可撓性のケーブルを備える。
係止解除連動手段として可撓性のケーブルを使用したので、引き回しが容易になり、設計、組み立ておよび調整が容易になる。なお、自由状態とは、座面部係止機構が係止状態と係止解除状態の間を移行できる状態である。
さらに前記座面部収納係止手段は、前記座席フレームに対して固定され、前記座面部に設けられた係止部材に前記収納位置において係合して前記座面部を収納位置に係止する係止位置と該係止部材を解放する解放位置とに移動可能なかんぬき部材と、該かんぬき部材を常時前記係止位置方向に移動付勢するばね部材を備え、該かんぬき部材の後端部に前記ケーブルの一方の端部が連結される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下図面に基づいて本発明を説明する。図1および図2は、本発明を適用した鉄道車両用収納式座席の一実施の形態を、使用状態及び収納状態で示す斜視図である。この収納式座席10は、車両の床面に固定された座席フレームに支持された座面部13、背摺り部15および左右一対の肘掛部17を備えている。この座席フレームは、公知の通り、暖房器を内蔵した脚部および脚部の左右に固定された支柱部を備えている。この脚部の前面に踏込板19が装着され、左右の支柱部には袖カバー21が装着されている。両袖カバー21の上面には、この収納式座席10が使用禁止であるのか、使用可能であるのかを表示する使用可否表示灯23が装着されている。使用可否表示灯23は、例えば、使用できない状態のときは使用不可ランプ、例えば赤色ランプで使用不可の文字または収納状態の図形を表示し、使用できる状態のときは使用ランプ、例えば緑または青ランプで使用可能の文字または使用位置の図形を表示してそれぞれの状態を乗客に知らせる。また、使用可否表示灯23は、ランプの近傍に、「使用可」、「使用不可」の文字を記載してランプの点灯および文字によって認識可能な構成にしてもよい。
【0010】
本発明の実施の形態の収納式座席10は、座面部13を使用位置から収納位置に移動させる電動収納手段と、座面部13を収納位置で係止(ロック)する座面部係止手段とを備えている。図2に示した収納状態にある収納式座席10を図1に示した使用可能な使用状態にするときには、座面部係止手段が座面部13を収納位置に係止した状態で、電動収納手段が使用位置方向に作動し、座面部13を使用位置まで引き出せる使用位置まで作動したときに、係止解除連動手段の作用により座面部係止手段が座面部13の係止を解除する。この座面部係止手段の解除動作により、収納位置の座面部13を使用位置まで引き出せる使用可能状態になる。つまり利用者は、この使用可能状態の座面部13を使用位置まで引き出して(倒して)着座することができる(図1参照)。
【0011】
一方、座面部13を収納するときは、電動収納手段に収納動作するように通電して、座面部13を収納位置まで回転させる。座面部が収納位置まで回動すると、座面部が座面部係止手段によって係止され、図2に示した収納状態に保持される。
【0012】
この実施の形態によれば、収納状態にある座席を使用可能にするときに、電動収納手段が収納解除動作している間は座面部係止手段が座面部13を収納位置に係止しているので、乗客が座面部13を使用位置方向に引いてもその力は座面部係止手段に作用するだけで電動収納手段に作用することがなく、電動収納手段が破損したり、故障したりするおそれが無い。
【0013】
この収納式座席10の詳細について、さらに図3から図11を参照して説明する。図3は、座面部13の主要部の構成を分解して示す斜視図である。座面部13は、座面フレーム31と、この座面フレーム31に装着された座面用シートクッション32と、座面用シートクッション32の底面に装着された、収納状態において収納式座席10の外観を形成する化粧板32a(図2参照)により主要部が構成されている。
【0014】
座面フレーム31は、その後部の左右側面に座面軸34が固定され、この座面軸34が、座面ヒンジブラケット41の軸受け42に挿入され、座面軸34を軸として座面ヒンジブラケット41に回動自在に枢支されている。この座面ヒンジブラケット41は、座席フレームの左右の柱状部を構成するベースプレートフレーム11に固定されている。ベースプレートフレーム11は、通常、図示しない車両の床面に固定される。
【0015】
一方の軸受け42から突出した座面軸34の先端部には、連係部材としてのロックブラケット35が固定されている。ロックブラケット35、座面軸34および座面フレーム31は一体化されていて、ロックブラケット35が回転すると、座面軸34および座面フレーム31も一体に回転する。
【0016】
さらに座面フレーム31の後部フレーム31aの端部には、座面部13が使用位置に引き出されたときに、座面部13の先端縁部が使用位置よりも下がらないように規制するストッパブラケット33が固定されている(図9、図11参照)。このストッパブラケット33が、使用位置において座面ヒンジブラケット41に固定されたストッパ43に当接して、座面部13を車両の床面と略平行な角度(使用位置)に保持する。
【0017】
収納式座席10の右側部には、座面部13を使用位置から収納位置に回動収納させる電動収納手段として、電動収納装置50が備えられている。電動収納装置50は、減速機構を備えたトルクモータ51と、このトルクモータ51の減速駆動軸52に固定された駆動レバー53を備えている。トルクモータ51は、モータブラケット12に固定され、このモータブラケット12を介して、駆動レバー53の先端部がロックブラケット35と対向するように位置決めされてベースプレートフレーム11に固定されている。
【0018】
駆動レバー53には回動軸心から離反した先端部に駆動ピン53aが突設されている。一方ロックブラケット35には、この駆動ピン53aが当接する当接部35aが設けられている。駆動ピン53aは、駆動レバー53が使用位置から収納位置方向に回転、つまり収納動作したときに当接部35aに当接し、これを押して座面部13を使用位置から収納位置方向に回動させる。
【0019】
また、座面フレーム31の後部フレーム31aのほぼ中央には、座面フレーム31を収納位置に係止する係止ブラケット37が突設されている。座席フレームの脚部11aには、座面フレーム31が収納位置にあるときに係止ブラケット37と係合して座面フレーム31を収納位置に係止する座面部係止手段としてラッチ機構60が固定されている。このラッチ機構60は、係止ブラケット37と係合するかんぬき61を備えている。このかんぬき61は、ラッチホルダー64内に収納され係合位置と係合解除位置との間でスライド自在に保持され、さらにラッチホルダー64内に収納されたばね65によって、先端部が係止ブラケット37と係合する突出方向に常時移動付勢されている。
【0020】
また、かんぬき61には、後端部からロッド62が嵌入され、ラッチホルダー64から突出したロッド62の端部に連係金具63が固定されている。連係金具63と減速駆動軸52とが、係止解除連動手段を構成する可撓性のワイヤーで連結されている。
本実施の形態では、ワイヤーとして、インナーワイヤー66が筒状のアウターケーブル67に摺動自在に挿通されたものを使用している。アウターケーブル67の一方の端部から突出したインナーワイヤー66の一方の端部が連結金具63に連結され、アウターケーブル67の他方の端部から突出したインナーワイヤー66の他方の端部が減速駆動軸52に連結され、巻きついている。
【0021】
インナーワイヤー66の一方の端部は、連係金具63に形成された穴63aに挿通され、先端部にカシメ固定された玉部66aによって連結金具63に連結されている。つまり、図6に示したロック状態からインナーワイヤー66がアウターケーブル67内に引き込まれると、玉部66aが連結金具63に当接して連結金具63を一緒に、つまりかんぬき61を係止解除位置方向に移動させる(図5参照)。さらに図6に示したロック状態からかんぬき61が係止解除方向に押し込まれると、連結金具63は玉部66aに拘束されず、穴63aがインナーワイヤー66と非接触で、または摺接しながら移動する。つまり本実施例の座面部係止機構60は、係止状態では、かんぬき61が係止位置と係止解除位置との間を移動することができる。
【0022】
アウターケーブル67の一方の端部は、かんぬき61の近傍に、脚部11aに固定されたアングル69にダブルナット68aにより固定されている。アウターケーブル67の他方の端部は、減速駆動軸52の近傍において、ベースプレートフレーム11に固定されたアングル59にダブルナット68bにより固定されている。
【0023】
このインナーワイヤー66は、減速駆動軸52が収納解除回動(使用位置方向に回動)すると減速駆動軸52に巻き上げられて他方の端部側がアウターケーブル67から引き出され、一方の端部側がアウターケーブル67に引き込まれる。つまり、インナーワイヤー66の一方の端部をアウターケーブル67内に引き込んで、かんぬき61をばね65に抗して係止解除方向にスライドさせる。
【0024】
一方、減速駆動軸52が収納回転(収納位置方向に回動)すると、減速駆動軸52に巻き付いたインナーワイヤー66の巻きが解かれて緩み、一方の端部がアウターケーブル67の一方の端部から引き出しが自由になり、かんぬき61がばね65の付勢力によって係止位置方向に移動する。座面部12が収納位置近傍に近づいたころ、かんぬき61は、ばね65の付勢力に抗して係止解除方向に移動可能な自由状態になっている。
【0025】
かんぬき61の先端部には、係止ブラケット37と機械的作用による係合を可能にする傾斜面61aが形成されている。つまり座面部13が使用位置から収納位置方向に回動してきたときに、係止ブラケット37の先端部が傾斜面61aに摺接して、かんぬき61をばね65の付勢力に抗してラッチホルダー64内に押し込む。そして、座面部13が収納位置に達したときまたはやや収納位置を越えたときに、係止ブラケット37の先端部が傾斜面61aの先端部を越えて傾斜面61aから離反し、かんぬき61がばね65の付勢力によりラッチホルダー64から突出して背面61bが係止ブラケット37と係合(当接)し、座面部13が使用位置方向に回動するのを阻止するように形成されている。
【0026】
このようにかんぬき61が係止ブラケット37と係合した収納状態においてトルクモータ51に収納解除動作するように通電されると、インナーワイヤー66の巻き上げによってかんぬき61がラッチホルダー64内に引き込まれ、座面部13がほぼ収納位置に達したときにかんぬき61と係止ブラケット37との係合が解除される。したがって、駆動レバー53が座面部13が使用位置まで回動するのを許容する使用位置に至る前はかんぬき61が係止ブラケット37との係合状態を維持するので座面部13を使用位置方向に回転させることができないが、駆動レバー53が座面部13が使用位置まで回動するのを許容する使用位置に至ったときにはかんぬき61と係止ブラケット37との係合も解除されるので、座面部13を使用位置まで回動させることが可能になる。
【0027】
また、この実施形態では、かんぬき61が係止解除位置に移動したとき、または駆動レバー53が使用可能位置まで移動したときは、これを図示しない検知手段が検知して、使用可否表示灯23に使用可能表示である旨を表示させる。この使用可能表示は、消費電力削減等のために、座面部13が使用位置まで引き出されたことを検知して消灯させることが望ましい。
【0028】
図示実施の形態の収納式座席10は、座面部13の移動に連動して、背摺り部15および肘掛部17が収納位置と使用位置とに移動する構成である。図9および図10は、座面部13と背摺り部15および肘掛部17を連動するリンク機構の一実施例である。
【0029】
背摺り部15は、その上端部において、ベースプレートフレーム11に軸71を介して回動自在に軸支され、肘掛部17は、その後端部において、ベースプレートフレーム11に固定された肘掛ブラケット73に軸74を介して回動自在に軸支されている。座面部13と背摺り部15とは、湾曲したリンクプレート36を介してリンクされ、座面部13と肘掛部17は、座面部13のロックブラケット35と肘掛部17に固定されたリンクアーム75とを接続する連結棒76でリンクされている。これらのリンク機構によって背摺り部15および肘掛部17は、座面部13の収納位置、使用位置への移動に連動して、図2、図10に示す収納位置、図1、図11に示す使用位置まで連動移動する。なお、本発明は、背摺り部15および肘掛部17を有しない座面部13だけの腰掛けにも適用できる。
【0030】
また、座面部13のロックプレート35とブラケット73とに取り付けられたガススプリング72は、収納位置にある座面部13および背摺り部15を収納位置方向に付勢するとともに、座面部13が急激に回転しないように速度調整する機能を有する。この構成によれば、座面部13が収納状態にあるときに電動収納装置50が収納解除動作して減速駆動軸52および駆動レバー53が使用位置まで回動すると、かんぬき61がインナーワイヤー66により引かれて係止ブラケット37から外れるが(図5、図8参照)、座面部13はガススプリング72の作用により自重では収納位置から回転しないので、振動等があっても急激に使用位置まで倒れることがないが、利用者は座面部13を使用位置まで引き出して着席することができる。
【0031】
ガススプリング72は、座面部13および背摺り部15を使用位置方向に付勢する構成にすることもできる。この構成によれば、座面部13が収納位置にあるとき(図2)に電動収納装置50が収納解除動作して減速駆動軸52および駆動レバー53が使用位置まで回動し、かんぬき61がインナーワイヤー66により引かれて係止ブラケット37から外れると、ガススプリング72の付勢力によって座面部13が収納位置から使用位置まで速度制御されて回転し、背摺り部15および肘掛部17も使用位置まで回転して、図1に示す使用状態になる。
【0032】
次に、この収納式座席10の収納解除動作、収納動作および利用者の手動操作をさらに詳細に、図6乃至図11を参照して説明する。図6は使用状態における要部を示す正面図、図7は、図4の矢線VII-VIIから見た収納状態における座面部係止機構の要部断面図、図8、図9は、同矢線VII-VII方向に見たリクライニング装置50の要部断面図であって、図8は収納状態、図9は使用状態を示している。また、図10は収納式座席10の左側の主要機構を示す側面図、図11は収納式座席10の右側の主要機構を示す側面図である。
【0033】
収納式座席10が図2、図7、図8、図10に示した収納状態にあるときは、係止ブラケット37がかんぬき61と係合しているので、座面部13は収納位置に係止され、使用位置方向への引出しができない。
【0034】
この収納状態にある収納式座席10を使用可能にするときは、先ず電動収納装置50のトルクモータ51に収納解除動作するように通電される。すると、減速回動軸52および駆動レバー53が使用位置方向に回転し、駆動ピン53aが当接部35aから離反しながらインナーワイヤー66がかんぬき61を係止解除方向に引く。そうして、減速駆動軸52および駆動レバー53が、座面部13が使用位置まで回動するのを許容する位置まで回転すると、かんぬき61は、係止ブラケット37との係合が解除される位置まで引かれているので、座面部13は使用位置まで回動可能な係止解除状態になっている。なお、減速駆動軸52および駆動レバー53が使用位置まで回動すると、トルクモータ51への通電が遮断され、使用可否表示ランプ23は使用可能表示して乗客に、その座面部13を引出して着座可能であることを知らせる。
【0035】
使用者が座面部12を使用位置方向に回動させると、背摺り部15および肘掛部17も連動して、使用位置方向に回動移動する。
使用状態は、図1、図3、図9、図11に示した通りである。使用状態においては、ストッパブラケット33がストッパ43に当接していて、座面部13が使用位置から下がらないように規制されている。ラッチ機構60は、使用状態の間は常に係止解除状態に保持されるので、座面部13は何時でも収納位置から使用位置まで引き出して使用することができる。また、手動で収納位置まで戻すこともできる。
【0036】
このように本発明の実施の形態の収納式座席10によれば、収納状態にあるときに電動収納装置50を収納解除動作させると、電動収納装置50が使用状態まで回動する動作に連動してかんぬき61が係止解除位置方向に移動し、電動収納装置50がほぼ使用状態に達したときにかんぬき61が座面部13のロックを解除するので、座面部13を引き出す操作が電動収納装置50に作用することがない。したがって、この座面部13を引き出す際には電動収納装置50に何ら外力が働かないので、電動収納装置50が破損したり、故障したりすることがない。しかも、使用位置にある座面部13に収納方向に回動させる外力が働いても電動収納装置50には作用しないので、電動収納装置50が破損したり、故障したりすることがない。
【0037】
収納式座席10が使用状態にあるときに電動収納装置50が収納動作すると、つまりトルクモータ51が収納回動して減速駆動軸52および駆動レバー53が収納位置方向に回動すると、駆動レバー53の駆動ピン53aがロックブラケット35の当接部35aに当接し、収納位置方向に押して、座面部13を収納位置方向に回動させ、座面部13に連動させて背摺り部15および肘掛部17を収納位置方向に回動移動させる。
さらに減速駆動軸32の収納位置方向への回動によりインナーワイヤー66が緩み、かんぬき61がばね65の付勢力により係止位置方向に突出する。そうして座面部13が収納位置近傍まで回動した頃に、係止ブラケット37の先端部がかんぬき61の傾斜面61aを押し下げる。さらに収納位置または収納位置をやや越える位置まで回動すると、傾斜面61aを乗り越えてかんぬき61がばね65の付勢力により突出して係止ブラケット37が使用位置方向に回動するのを阻止する。
【0038】
なお、この実施形態では、1個の電動収納装置50で1個のラッチ機構60を連動駆動する構成としたが、ケーブルを複数本減速駆動軸52に連結することにより、複数のラッチ機構60を連動動作させることができる。この実施形態によれば、複数の座面部それぞれを、独立して収納位置から使用位置まで引き出すことが可能になる。
【0039】
図12には、本発明の実施の形態に適用した遠隔制御装置の一実施の形態をブロック図で示した。制御回路81には、各収納式座席10の収納動作、収納解除動作を一括して遠隔制御する収納スイッチ82aおよび収納解除スイッチ82bを備えた操作基盤82が接続されている。
【0040】
操作基盤82の収納解除スイッチ82bからオン信号(収納解除信号)を受けると制御回路81は、電動収納装置50に収納解除信号を送って、トルクモータ51を使用位置方向に収納解除回動させて、電動収納装置50と座面部13との連係を断つとともに、インナーワイヤー66を介してかんぬき61を係止解除方向に引き、駆動レバー53が使用位置に達した頃に係止が解除される。制御回路81は、駆動レバー53が使用位置に達したことをセンサまたは過負荷検知器等によって検知すると、トルクモータ51を停止させるとともに、使用可否表示ランプ23に使用可能表示をさせる。
【0041】
この座面部係止解除動作により、利用者は座面部13を引き出して座ることが可能になる。ここで利用者が座面部13に加える力は電動収納装置50には干渉しないので、電動収納装置50が破損したり、故障したりすることがない。
座面部13が使用位置まで引き出されたら、使用可否表示ランプ23の表示は不要になるので、使用可否表示ランプ23を消灯させてよい。
【0042】
操作基盤82の収納スイッチ82aからオン信号(収納信号)を受けると制御回路81は、各収納式座席10の電動収納装置50に収納動作信号を送って、トルクモータ51を収納位置方向に収納回動させる。すると、座面部13が収納位置まで回転し、係止ブラケット37がラッチ機構60のかんぬき61に係合して、収納位置にラッチされる。制御回路81は、駆動レバー53が収納位置に達したことをセンサまたは過負荷検知器等によって検知すると、トルクモータ51を停止させるとともに、使用可否表示ランプ23に使用不可表示をさせる。
【0043】
なお、図には1組の収納式座席10を示したが、通常、1車両には2組以上設置され、複数車両が連結されて一編成を構成する。これら全ての収納式座席の電動収納装置50の制御は、運転室または車掌室に設けた遠隔制御装置によって一括制御できる。また、遠隔制御装置は、車両毎に設けることもできる。
【0044】
【発明の効果】
以上の説明から明らかな通り本発明によれば、収納状態において電動収納手段が収納解除動作すると、座面部係止手段が座面部を係止した状態を維持し、座面部が使用位置へ回動するのを許容する状態になった後に、電動収納手段に駆動された連動手段を介して座面部係止手段が座面部の係止を解除するので、利用者が座面部を引き出しても電動収納手段に過負荷が働くことがなく、電動収納手段が破損したり、故障したりするおそれが無い収納式座席を、単一の電動手段によって実現した。本発明は、座面部の収納と座面部係止手段の係止解除の動力を電動収納手段が兼ねているので、電動手段の個数が減少してコストダウンが図られ、また制御も容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した収納式座席の一実施の形態を、使用状態で示す斜視図である。
【図2】同収納式座席の一実施の形態を、収納状態で示す斜視図である。
【図3】同収納式座席の主要構成部材を分解して示す図である。
【図4】同収納式座席の使用状態における座面部係止機構周辺の構造を示す正面図である。
【図5】同収納式座席の主要構成部材を示す、使用状態の斜視図である。
【図6】同収納式座席の主要構成部材を示す、収納状態の斜視図である。
【図7】図4の矢線VII-VII方向に見た、収納状態における係止機構を示す図である。
【図8】図4の矢線VII-VII方向に見た、収納状態における電動収納装置周辺図である。
【図9】図4の矢線VII-VII方向に見た、使用状態における電動収納装置周辺図である。
【図10】同収納式座席の収納状態における主要機構を示す側面図である。
【図11】同収納式座席の使用状態における主要機構を示す側面図である。
【図12】同収納式座席の制御系の実施の形態をブロックで示す図である。
【符号の説明】
10 収納式座席
11 ベースプレートフレーム
12 モータブラケット
13 座面部
15 背摺り部
17 肘掛部
19 踏込板
21 袖カバー
31 座面フレーム
32 座面用シートクッション
33 ストッパブラケット
35 ロックブラケット
35a 当接部
37 係止ブラケット
43 ストッパ
50 電動収納装置(電動収納手段)
51 トルクモータ
52 減速駆動軸
53 駆動レバー
53a 駆動ピン
60 座面部ラッチ機構(座面部係止手段)
61 かんぬき
62 ロッド
63 連結金具
64 ラッチホルダー
65 ばね
66 インナーワイヤー
67 アウターケーブル

Claims (4)

  1. 車両内に設置される収納式座席であって、
    車両に固定される座席フレームと、
    該座席フレームに枢着され、前記車両の床面と略垂直な収納位置と略平行な使用位置とに回動移動可能な座面部と、
    前記座面部を前記使用位置から収納位置まで拘束して回動させる収納動作、および前記座面部が収納位置から使用位置まで回転するのを許容する使用位置まで前記座面部を拘束しないで収納解除動作をする電動収納手段と、
    前記座面部を前記収納位置において係止する座面部係止手段と、
    前記電動収納手段の収納解除動作により前記座面部がほぼ使用位置まで回動可能になった後の前記電動収納手段の収納解除動作により駆動され、前記座面部係止手段の係止を解除する係止解除連動手段と、を備えたことを特徴とする車両用収納式座席。
  2. 請求項1記載の車両用収納式座席において、前記電動収納手段は、モータと、該モータによって回動駆動され、前記座面部の枢着部近傍に設けられた連係部材に当接して前記座面部を使用位置から収納位置まで回動させる駆動部材を備え、
    前記モータが前記収納動作するときは、前記駆動部材を使用位置方向から前記連係部材に当接させて前記座面部を前記収納位置まで回動し、前記収納解除動作するときは、前記駆動部材が連係部材から使用位置方向に離反して前記座面部が収納位置まで回動するのを許容する車両用収納式座席。
  3. 請求項2記載の車両用収納式座席において、前記係止解除連動手段は、一方の端部が前記座面部係止機構に連結され、他方の端部が前記駆動部材を回動させる回動軸に連結され、該回動軸の回動に連動して前記座面係止機構を駆動し、前記駆動部材が収納位置にあるときは前記座面部係止機構を自由状態とし、前記駆動部材が前記使用位置にあるときは前記座面部係止機構を係止解除状態に保持する可撓性のケーブルを備えたことを特徴とする車両用収納式座席。
  4. 請求項3記載の車両用収納式座席において、前記座面部収納係止手段は、前記座席フレームに対して固定され、前記座面部に設けられた係止部材に前記収納位置において係合して前記座面部を収納位置に係止する係止位置と該係止部材を解放する解放位置とに移動可能なかんぬき部材と、該かんぬき部材を常時前記係止位置方向に移動付勢するばね部材を備え、該かんぬき部材の後端部に前記ケーブルの一方の端部が連結されている車両用収納式座席。
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