JP4214094B2 - 消音器用バルブ装置 - Google Patents
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Description
そのため、エンジンの排気系に設けられる消音器においては、排気通路にバイパス経路が設けられているものがある。バイパス経路にはバルブ装置が設けられ、高速回転時にのみバイパス経路を開き通路の断面積を増大するように構成されている(例えば特許文献1参照)。
係る構成により、閉弁状態の板状弁と弁孔との接触部分において密閉性が低い部分の密閉性が向上し、排気の漏れが少なくなるので板状弁が振動して異音を発生することがなくなる。
係る構成により、前記当接部は中央寄りが下に突出した凸形状を有することになる。このように、板状弁に接する当接部の中央寄りが下に突出していれば、当接部が板状弁に当接する部分の中央寄りに偏重して押圧力が付与されることになる。
係る構成によっても、同様に、中央寄りに偏重した押圧力を付与することができる。
係る構成によれば、前記側端の部分が当接する前記板状弁に付与される押圧力よりも、前記中央部分が当接する前記板状弁に付与される押圧力のほうが大きくなる。これにより、板状弁の中央寄りに偏重した押圧力が、板バネ部材によって付与されることになる。
(消音器の説明)
まず本発明に係るバルブ装置が適用される消音器について適宜図面を参照しながら説明する。図1は、本発明のバルブ装置が適用される消音器の一例を示す断面図である。
図1に示すように、内燃機関の排気系の途中に介設される消音器1は、筒状のシェル11と、シェル11の一端と他端とを閉塞する端壁12、13とで消音器本体10が構成されている。消音器本体10は、その内部空間を第1及び第2セパレータ14、15により3つに区画され、さらに、排気流入管21、インナーパイプ22、排気流出管23の3つのパイプにより、排気ガスの通路が形成されている。
インナーパイプ22は、第1セパレータ14及び第2セパレータ15を貫通して、第1消音室31と第3消音室33を連通している。また、インナーパイプ22の第2消音室32を通過している部分の管壁には、多数の透孔22aが形成されていることで、インナーパイプ22は、排気流入管21と第2消音室32を介して連通している。
排気流出管23は、第1セパレータ14、第2セパレータ15及び端壁13を貫通して、第1消音室31と外部を連通している。
ところで、エンジンの高速回転に伴って多量の排気ガスが排気流入管21に流入すると、前記2系統だけの排気ガスの流通経路では第2及び第3消音室32,33内の排気圧が高くなり、ひいては、エンジンの出力が低下する。
次に、図2及び図3を参照してバルブ装置4について詳細に説明する。図2はバルブ装置の分解斜視図であり、図3はバルブ装置の縦断面図である。
バルブ装置4は、図2,図3に示すように、弁孔41を有する弁座42と、弁孔41を開閉するバルブである板状弁43と、板状弁43の表面と当接し板状弁43の撓み特性を調整する板バネ部材47と、板状弁43の開度を規制するストッパ部材46とを備えている。
リテーナ部42gには弁座部42cの一端側42aと同様に2つの貫通した位置決め孔42fが形成されている。
またストッパ部材46の基端部46aには弁座部42c上の位置決め孔42b,42bに対応する位置及び大きさで位置決め孔46b,46b、先端部46cにはリテーナ部42gに形成された位置決め孔42f,42fに対応する位置及び大きさで位置決め孔46d,46dが形成されている。
次に、本発明の要部となる板バネ部材47に関し、図面を参照して詳細に説明する。ここで、図4(a)は、板バネ部材47を図2のY軸方向からみた側面図であり、(b)は板バネ部材47を図2のZ軸方向からみた底面図である。また図5は、板バネ部材47が板状弁43に当接する部分を拡大して示す斜視図である。そして、図6(a)は、図5に示される当接部47cの周辺部分を拡大してY軸方向からみた側面図であり、(b)は同X軸方向からみた正面図である。なお、図4(a)は、図4(b)のA−A断面とB−B断面とを重ねて記載したものとして見ることもできる。
このように、当接部47cが凸形状の先端部分を有することにより、板状弁43は、接点Tすなわち対称軸47e側に偏重して押圧力が付与されることになる。
次に、図2を参照して、弁座42、板状弁43、ストッパ部材46、及び板バネ部材47の各部品の組立方法について簡単に説明する。
まず、前記した順に部品を重ね合わせ、それぞれの位置決め孔46d、47b、42f、及び、46b、43b、42bが重なるように位置を調整する。この際、各位置決め孔に合う太さのピンを差し込むことにより位置決めが確実になる。
そして、図2において太い破線で示した部分を溶接して、重ねられた各部品を一体的に溶接する。これらの溶接は例えばアーク溶接やレーザ溶接を利用することができる。
次に、バルブ装置4の動作について説明する。まず図1と図2を参照して、エンジンの回転数が低いうちは、第2消音室32内の排気圧は低いので、板状弁43(実線部分)は板バネ部材47によって撓むことなく弁座42と接することにより、バルブ装置4は閉じている。このとき、図2に示される弁孔41と、板状弁43とが接触する領域(二点鎖線で囲まれている領域)のうち他端側42hにおける領域を領域Qとすると、この領域Qは密閉性が低下しやすいが、図6(b)に示すように、当接部47cの凸状の先端が、板状弁43の中央部分を押圧するとなると、板バネ部材47が発揮する押圧力は、板状弁43の側端よりも中央寄りに偏重して付与されることとなり領域Qの密閉性が向上する。このため、図3の実線で示されるように板状弁43が閉じて閉弁している状態では、開口部14aから排気が外部に漏れることはない。したがって、排気の漏れに伴って発生する板状弁43の振動も生じ得ない。
次に、板バネ部材についての変形例を示す第2実施形態について図7を参照して説明する。図7(a)は、当接部57cの第2実施形態を示す斜視図、(b)は、X方向からみた正面図、(c)は板バネ部材57のD−D断面を示す断面図である。
第2実施形態における板バネ部材57は、図7(c)に示されるように、板バネ部材57の対称軸57eから側端57dに向かうに従って薄くなるように形成されているので中心部分で厚くなっている。そして、図7(a)に示されるように、当接部57cは、板バネ部材57の末端部分が湾曲して形成されているが、第1実施形態の場合とは異なり、湾曲部分の曲率半径は、板バネ部材57の幅方向(Y軸方向)に対して一定で、湾曲開始線57gは直線を示している。
次に、板バネ部材についての変形例を示す第3実施形態について図8を参照して説明する。図8(a)は、当接部67cの第3実施形態を示す斜視図、(b)は、X方向からみた正面図である。
第3実施形態における板バネ部材67の当接部67cは、図8(a)に示されるように、均一の板厚を有する板バネ部材67において、その末端部分が幅方向(Y軸方向)に対して一定の曲率半径で湾曲して形成されている。そして、当接部67cは、板バネ部材67の末端部分において、側端67d,67dよりも対称軸67e寄りの中央部分が延出するように形成されている
4 バルブ装置
41 弁孔
42c 弁座部
42g リテーナ部(延出部材)
43 板状弁
43a 固定端
43c 自由端
46 ストッパ部材
47,57 板バネ部材
47c,57c,67c 当接部
47d,57d,67d 側端
43e,47e,57e,67e 対称軸
Claims (6)
- 排気圧が所定圧に上昇したときに弁孔を開弁する消音器用バルブ装置であって、
前記弁孔を覆うように配置され、一端が固定端で他端が自由端をなし、撓変形して前記弁孔を開弁させる板状弁と、
前記板状弁に当接して、前記板状弁を閉弁させる方向へ押圧力を付与する板バネ部材と、を備え、
前記押圧力は、前記板状弁の側端よりも中央寄りに偏重して付与されることを特徴とする消音器用バルブ装置。 - 前記板バネ部材は、
前記板状弁に当接する当接部が、その中央から側端に向かうに従って曲率半径が大きくなるように湾曲して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の消音器用バルブ装置。 - 前記板バネ部材は、
その板厚が、中央から側端に向かうに従って薄くなるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の消音器用バルブ装置。 - 前記板バネ部材は、
前記板状弁に当接する当接部の末端部分が、側端よりも中央部分で延出するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の消音器用バルブ装置。 - 前記弁孔が形成される弁座部と、
この弁座部から延出して設けられる延出部材と、を備え、
前記板状弁の固定端は前記弁座部に固定され、前記板バネ部材は前記延出部材に固定されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の消音器用バルブ装置。 - 前記弁座部及び前記延出部材に両端が連結されるとともに、前記板状弁の開度を規制するストッパ部材を、さらに備えることを特徴とする請求項5に記載の消音器用バルブ装置。
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