JP4213463B2 - 衛生装置用カートリッジ - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、衛生装置のためのカートリッジに関する。
【０００２】
【関連技術】
制御エレメントを衛生装置のためにカートリッジ内に配置、すなわち内蔵することは既知である。カートリッジは、通常、ベースによって閉鎖されたハウジングを含んでいる。ベースは、カートリッジ内部と装置ハウジングの水通路との間の液体接続を形成している。装置ハウジングは、このようなカートリッジハウジングのための容器を含むようにデザインされている。
【０００３】
衛生装置のためのカートリッジは既知である（ＤＥ１９９０１８５１）。このカートリッジの場合、ディスク制御が設けられ、その制御ディスクは分散ハウジングの助けをかりて回転されている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、限られたスペースの中で異なる使用可能性を有するカートリッジを提供することである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するため、本発明は請求項１の構成を有するカートリッジを提供する。本発明の更なる改良は、従属する請求項の客体を構成し、その表現は、要約のそれと同じく、本明細書の内容の各部に言及されている。
【０００６】
【発明の実施の態様】
カートリッジは、カートリッジハウジングとその中に配置されるディスク制御部を含んでいる。カートリッジは、付加的に、少なくとも２つの異なる出口の間でカートリッジの中に水を流入し流出させるスイッチングデバイスを有する。スイッチングデバイスは、２つの出口が互いに完全に分離され得るように、又は２つの出口の所定の重なりが可能であるように、デザインされ得る。
【０００７】
特に、本発明の更なる実施例に拠れば、スイッチングデバイスは、ディスク制御部に一体化される。これは、カートリッジの単純な構成と同時に、スペースはそれほど要求されないことを意味する。
【０００８】
本発明の更なる発展によれば、ディスク制御部の分散ディスク内における少なくとも２つの異なる出口のための出口開口が、円内に配置され、温水及び冷水のための入口開口がこの円の外側に配置される。明らかに逆の配置も可能である。これは、異なる水通路を容易に分離可能にしている。
【０００９】
本発明の更なる発展によれば、分散ディスク内の出口開口は扇形（円形セクターともいう）として構成される。
【００１０】
分散ディスク内の温水及び冷水のための入口開口は、一定幅を有する弓状スロットとして構成される。
【００１１】
２つのディスクからなる制御部の場合、分散ディスクの用語は、カートリッジハウジング内に固定されて配置された制御ディスクを意味すると理解され、可動の制御ディスクが制御ディスクと呼ばれる。
【００１２】
本発明によれば、制御ディスク内にあってカートリッジ水出口に通じる入口開口は、弓状スロットとして構成され、このエッジは分散ディスク内の入口開口のエッジと一致する。
【００１３】
制御ディスク内の入口開口のアーク長さは、分散ディスク内の入口開口のアーク長さと比較して２倍大きくすることが可能である。こうして、制御ディスクのより大きな回転の場合であっても、入口開口との接続を生成し維持することが可能である。
【００１４】
本発明によれば、制御ディスクは２つの別体の出口開口を有することが可能であり、これらは制御ディスク内又は上流に接続され、可動制御ディスクの２つの出口開口がカートリッジ内の単一の水通路に接続されるようになっている。こうして、出口開口は両方ともカートリッジを離れる水の動作に晒される。
【００１５】
制御ディスクの２つの出口開口は、扇形であることも可能である。扇形の扇角は好ましくはほぼ４５°である。
【００１６】
本発明の更なる発展によれば、制御ディスクの入口開口は、カートリッジ内のサーモスタティックバルブに通じており、混合水を運ぶその出口は、制御ディスクの出口開口に接続されている。
【００１７】
本発明によれば、制御ディスクの出口開口は、分散ディスクの出口開口と同じ大きさ及び形状を有し得る。
【００１８】
本発明により提案されたカートリッジは、サーモスタティックバルブの出口をヘッドシャワー、ハンドシャワー及びサイドシャワー上に設置したりその間でスイッチするのに用いられ得る。ディスク制御部は、同時に、異なる出口のための量制御を含んでいる。カートリッジは、それが異なる出口をニュートラル位置から回転により右又は左へ開放するように構成され得る。ニュートラル位置は、そこでバルブが閉鎖される位置である。
【００１９】
本発明の更なる構成、詳細及び有利性は、以下の好ましい実施例と添付図面の記載から理解され得る。
【００２０】
【実施例】
図１は、本発明によるカートリッジの構造を、装置の軸を通る軸方向断面において示すものである。カートリッジは、シリンダ状スリーブとして構成されるカートリッジハウジング１を含む。それは、その外側とその内側の両方に、肩２，３を有する。外側の肩２の助けをかりて、例えば、ネジ５によりネジ止めされるプレート４の助けをかりて、カートリッジハウジング１を装置ボディ内に固定可能である。これは図１下部左側に図示されている。カートリッジハウジング１は、保護スリーブ６により囲まれていて、これは光学的にカートリッジを囲んでいる。保護スリーブ６は、カートリッジを操作するために使用される制御グリップ８のエッジ７の下で延びている。
【００２１】
カートリッジハウジング１は、カートリッジベース９により閉鎖されていて、これはロッキング舌１０の助けをかりてカートリッジハウジングに動かないように取り付けられている。カートリッジベースは、シール１２により囲まれた貫通開口１１を含んでいる。それは装置ハウジング内の開口への接続を形成している。
【００２２】
カートリッジベースの上に、カートリッジハウジング１は固定制御ディスク１３を含んでいる。これは分散ディスクとも呼ばれ、通常セラミック材料から形成される。カートリッジベース９から離れたその頂上表面は、制御表面を形成し、その上に可動制御ディスク１４が水平に載っている。開口を通じて固定分散ディスク１３と可動制御ディスク１４が通っていて、以下に詳細に説明されている。
制御ディスク１４内の開口は、カートリッジ内の水通路に通じるチャンネル１５、１６に接続されている。更なる水通路は、図１の断面図においては見られない。図示された実施例において、カートリッジは、チャンネル１５及び対応する更なるチャンネルを通って、温水又は冷水がサーモスタティックバルブに流れるように構成されており、ここからそれは混合水としてチャンネル１６を通じてディスク制御部へ逆に流れる。
【００２３】
図２ａ及び２ｂは、それぞれ、上向きと下向きに傾斜した方式で可動制御ディスク１４を示している。制御ディスク１４は、単一開口として下側に出ている中央開口１７を含んでいるが、これは制御表面に配置される頂上側において、２つの別体の出口開口１８を形成し、それぞれ閉じた外周を有している。図示された実施例のように、制御ディスクを通じて、２つの開口１９が弓状スロットの形で一定幅で延びている。両方の開口の外側と内側の両方は、それぞれ、ディスク１４の中心に関する円形シリンダの上にある。
【００２４】
図３から６は、分散ディスク１３とその上に位置する可動制御ディスク１４の相互配置を線図で示したものである。開口のアウトラインが、制御面、すなわち可動制御ディスク１４が分散ディスク１３の上に配置される平面においてその形で示されている。
【００２５】
分散ディスク内では、３つの出口開口２０、２１、２２が形成され、各場合においてこれらはほぼ４５°の扇角を有する扇形（円形セクターともいう）である。それらの弓状の周囲は、第１半径を有する円上に位置している。
【００２６】
この円の外側で直径上に向き合う方式で、２つの入口開口２３，２４が形成され、その１つが冷水のための入口開口、他方が温水のための入口開口となっている。入口開口２３，２４と出口開口２０から２２の位置が分離しているため、入口開口から出口開口へ直接水が流れることができない。
【００２７】
制御ディスク１４は、直径上に位置する２つの弓状入口開口１９を有し、これらは弓状スロットとして構成される。これらのエッジ、すなわち外側エッジと内側エッジは、分散ディスク１３の入口開口２３，２４の外側エッジと内側エッジと同一円上に位置しているが、そのアーク長さは幾分より大きい。２つの弓状スロットに対して、２つの更なる弓状入口開口２５が接続されており、これらは同じ幅と配置を有するが、アーク長さはより短い。図３から分かるように、この位置において開口の重なりは無い。制御ディスク１４の２つの別体の出口開口１８も出口開口２０、２１、２２と一致しないような方法で配置される。こうして、図３はカートリッジの閉鎖位置を示している。
【００２８】
もしグリップ８の助けをかりて制御ディスクがいま図３の位置から反時計回りに回転されるなら、徐々に制御ディスク入口開口２５が分散ディスク入口開口２３，２４と一致していき、同時に、２つの出口開口１８のうちの１つが、ハンドシャワーに通じる分散ディスク出口開口２０と一致する。この位置は、図４に示されている。同時に、制御ディスクに接続されているストップ２６は、ハウジングストップ２７上に係合する。
【００２９】
しかしながら、もし制御ディスク１４が図３のニュートラル位置から時計回りに回転されるなら、まず入口開口２３，２４が制御ディスク入口開口１９に接続され、同時に出口開口１８のうちの１つが、サイドシャワーに通じる分散ディスク出口開口２１に接続される図５の位置に到達する。もし、制御ディスクが再び時計回りに回転されるなら、図６の位置に到達し、そこで制御ディスク１４の出口開口１８のうちの１つが例えばヘッドシャワーに通じる分散ディスクの出口開口２２と接続される。この位置は、カウンター表面２８上のストップ２６の係合部によっても境界づけられている。
【００３０】
図３から６の実施例においては、ニュートラル及びそれゆえの閉鎖位置は、２つの開口位置の間にあるが、図７から１０は、図７による閉鎖及びニュートラル位置が動作パスの１つの端部である実施例の対応する位置を示している。
【００３１】
２つの連続して配置された入口開口１９、２５の代わりに、図７から１０の実施例の制御ディスク３４では、貫通した入口開口３９がある。図７の位置において、出口開口と入口開口の一致はない。もし制御ディスク３４が反時計回りに回転されるなら、入口開口２３，２４と制御ディスクの入口開口３９の間で一致が起こり、加えて制御ディスク３４の出口開口１８のうちの１つがハンドシャワーに通じる出口開口２０と一致する。
【００３２】
更なる反時計周りの回転で、他の制御ディスク出口開口１８とヘッドシャワーに通じる出口開口２２が一致する。
【００３３】
更なる回転で、図１０の位置になり、そこでサイドシャワーが接続される。
【００３４】
図１１は、図３に対応していて、そこでは可動制御ディスクも２つの出口開口１８、１８ａを有し、その１つ１８ａは他方より大きな扇形に延びている。図１１は、放射状に更に外側に位置する入口開口２３，２４と、固定制御ディスクの出口開口２０，２１，２２が閉鎖される位置を示している。もしいま可動制御ディスクが図１２のように反時計回りに回転されるなら、固定制御ディスクの１つの出口開口２２は、可動制御ディスクの出口開口１８ａと一致することになり、同時に第２の出口開口１８が固定制御ディスクの出口開口２０と一致することになる。こうして、この状態で水は開口２０及び２２を通じて外向きに流れる。
【００３５】
しかしながら、もし可動制御ディスクが、図１１の閉鎖位置から図１３のそれに時計回りに回転されるなら、固定制御ディスクの開口２１が開放され、この状態で水が混合カートリッジから第２の出口の外へ流れることができるようになっている。例えば、図１２ではハンドシャワーが、図１３ではもう１つのシャワーが接続される。更なる時計周りの回転において、図１４の位置が生じ、そこでは固定制御ディスクの開口２１と開口２２が入口開口に接続されている。ここでシャワーは両方とも同時に作動状態になる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 サーモスタティックバルブの長手方向断面の配置を示す線図。
【図２】 ディスク制御部の可動制御ディスクの上側と下側を示す斜視図。
【図３】 第１実施例のディスク制御部の協調を１つの位置で示す線図。
【図４】 第１実施例のディスク制御部の協調を別の位置で示す線図。
【図５】 第１実施例のディスク制御部の協調を更に別の位置で示す線図。
【図６】 第１実施例のディスク制御部の協調を更に別の位置で示す線図。
【図７】 第２実施例の１つの位置を示す概念図。
【図８】 第２実施例の別の位置を示す概念図。
【図９】 第２実施例の更に別の位置を示す概念図。
【図１０】 第２実施例の更に別の位置を示す概念図。
【図１１】 更なる実施例において大幅に単純化した形での１つの位置を示す。
【図１２】 更なる実施例において大幅に単純化した形での別の位置を示す。
【図１３】 更なる実施例において大幅に単純化した形での更に別の位置を示す。
【図１４】 更なる実施例において大幅に単純化した形での更に別の位置を示す。

Claims (8)

1. 衛生装置用のカートリッジであって、
   １．１ カートリッジハウジング（１）と、
   １．２ ディスク制御部と、そのディスク制御部内に配置されて固定された分散ディスク（１３）及び回転可能な制御ディスク（１４、３４）と、
   １．３ ディスク制御部内に一体化されていて、少なくとも２つの異なる出口の間のスイッチを行うスイッチングデバイスと、これが、
   １．４ 制御ディスク（１４、３４）内に、少なくとも１つの入口開口及び少なくとも１つの出口開口を有することと、各出口のために少なくとも１つの出口開口が分散ディスク（１３）内で各々開口することと、を含むカートリッジであって、
   １．５ 回転可能な制御ディスク（１４、３４）内の複数の入口開口（１９、２５、及び３９）が、カートリッジ内に配置されたサーモスタティックバルブへの入口となっていて、
   １．６ サーモスタティックバルブの出口が、回転可能な制御ディスク（１４、３４）の出口開口（１８）に接続されており、
   １．７ 分散ディスク（１３）内の複数の出口開口（２０、２１、２２）が、複数の扇形として形成されていることを特徴とするカートリッジ。
2. ディスク制御部の分散ディスク（１３）内において、複数の異なる出口のための複数の出口開口（２０、２１、２２）が、円の中に配置されていて、冷水及び温水のための複数の入口開口（２３、２４）が、この円の外側に配置されていることを特徴とする請求項１に記載のカートリッジ。
3. 分散ディスク（１３）内の複数の入口開口（２３、２４）が、一定幅の複数の弓状スリットとして形成されていることを特徴とする請求項１又は２に記載のカートリッジ。
4. 複数の入口開口（１９、２５、及び３４）が、制御ディスク（１４、３４）内で複数の弓状スリットとして形成されていて、これらの複数のエッジが、分散ディスク（１３）内の複数の入口開口（２３、２４）の複数のエッジと一致していることを特徴とする請求項１〜３のいずれか１項に記載のカートリッジ。
5. 制御ディスク（１４、３４）内の入口開口（１９、３４）のアーク長さが、分散ディスク（１３）内の複数の入口開口（２３、２４）のアーク長さの少なくとも２倍大きいことを特徴とする請求項４に記載のカートリッジ。
6. 制御ディスク（１４）が、２つの別体の出口開口（１８）を有していて、これらが制御ディスクの内部又は前方で相互に接続されていることを特徴とする請求項１〜５のいずれか１項に記載のカートリッジ。
7. 制御ディスク（１４）の２つの出口開口（１８）が、扇形状を有することを特徴とする請求項６に記載のカートリッジ。
8. 制御ディスク（１４、３４）の複数の出口開口が、分散ディスク（１３）の複数の出口開口（２０、２１、及び２２）と同じ大きさ及び形状を有することを特徴とする請求項１〜７のいずれか１項に記載のカートリッジ。

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