JP4212753B2 - 縦型熱処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、縦型熱処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスの製造においては、被処理体例えば半導体ウエハに酸化、拡散、CVD、アニールなどの処理を施すために、半導体製造装置の一つとして縦型熱処理装置が使用されている。この縦型熱処理装置は、図5に示すように、内管2aと外管2bを有する二重管構造の処理容器1の下部に炉口4、ガス導入部5および排気部6を設け、その炉口4からウエハwを収容すると共に炉口4を開閉可能な蓋体13により密閉してウエハwに所定の熱処理例えばCVDによる成膜処理を施すように構成されている。
【0003】
前記処理容器1は、下部に炉口4、ガス導入部5および排気部6を有するマニホールド7を備え、このマニホールド7の上端部に前記外管2bが接合支持され、マニホールド7内に前記内管2aが内管支持部材10を介して支持されている。前記内管2aの下端部とマニホールド7の間は、内管支持部材10により塞がれている。また前記蓋体13には、ウエハwを回転するための回転テーブル18が回転軸17aを有する回転導入部17を介して設けられ、この回転テーブル18上に多数枚のウエハwを上下方向に所定間隔で配列搭載したボート15が保温筒16を介して載置されている。マニホールド7の下端部と蓋体13の間には、気密材例えばOリング14が設けられている。
【0004】
このように構成された縦型熱処理装置においては、ガス導入部5より処理容器1の内管2a内に導入された処理ガスが内管2a内を下方から上方へ流れてボート15上の各ウエハwに供給された後、内管2aと外管2bの間の環状排気通路3を上方から下方へ流れて排気部6より排気されるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記縦型熱処理装置においては、処理容器1内における処理ガス流の上流側にウエハwの汚染源となり得るOリング14や回転導入部17が存在している。Oリング14は、処理容器1内の減圧によりアウトガスを発生することが考えられ、回転導入部17は、機械的摩擦によりパーティクル(塵粒子)を発生することが考えられる。このため、これらの汚染源が処理ガス流の上流にあることから、汚染物質が処理ガスと一緒にウエハに供給されてしまい、ウエハを汚染する恐れがあった。
【0006】
本発明は、前記事情を考慮してなされたもので、処理容器内における処理ガス流の上流側にある汚染源から被処理体を隔離して被処理体の汚染を防止することができる縦型熱処理装置を提供することを目的とする。
【0007】
本発明のうち、請求項1の発明は、内管と外管を有する二重管構造の処理容器の下部に炉口、ガス導入部および排気部を設け、その炉口から被処理体を収容すると共に炉口を開閉可能な蓋体により密閉して被処理体に所定の熱処理を施す縦型熱処理装置において、前記蓋体に前記内管の下端部を閉塞する閉塞部材を設け、該閉塞部材と前記蓋体の間の空間部が前記排気部と連通されていることを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1記載の縦型熱処理装置において、前記処理容器が、下部に炉口、ガス導入部および排気部を有するマニホールドを備え、このマニホールドの上端部に前記外管が支持され、マニホールド内に前記内管がその下端部を前記閉塞部材と対向させた状態で支持されていることを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1記載の縦型熱処理装置において、前記蓋体には、前記被処理体を回転するための回転軸を有する回転導入部が設けられ、その回転軸が前記閉塞部材を貫通し、回転軸の上端部に回転テーブルが設けられていることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項2記載の縦型熱処理装置において、前記マニホールドと前記外管とが、石英製であり、且つ一体に形成されていることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を添付図面に基いて詳述する。図1は本発明の第1の実施の形態を示す縦型熱処理装置の縦断面図、図2は図1の要部断面図、図3は内管支持部を説明するマニホールドの横断面図である。
【0012】
図1において、1は被処理体例えば半導体ウエハwを収容して所定の処理ガス雰囲気下で所定の熱処理例えば減圧CVDを施すための縦型の熱処理炉を構成する処理容器(チャンバ)である。この処理容器1は、主として、石英製の反応管(プロセスチューブ)2により構成されている。特に、この反応管2は、同心状に配置した内管2aと外管2bの二重管構造とされている。
【0013】
内管2aは、上端および下端が開口されている。外管2bは、上端が閉塞され、下端が開口されている。外管2bの下端部には、フランジ部2fが形成されている。内管2aは、実質的な処理空間を形成しており、内管2aと外管2bとの間の環状空間が処理ガスの排気通路3を形成している。
【0014】
処理容器1の下部には、炉口4、ガス導入部5および排気部6が設けられている。本実施の形態の処理容器1は、下部に、炉口4、ガス導入部5および排気部6を有するマニホールド7を備えている。このマニホールド7は、耐熱性および耐食性を有する材料例えばステンレス鋼により前記外管2bとほぼ同径の短管状に形成されており、その上端部には前記外管2bの下端フランジ部2fを接合支持するためのフランジ部7fが形成されている。マニホールド7の上端フランジ部7f上面には、外管2bの下端フランジ部2fが気密材例えばフッ素系のOリング8を介して載置され、フランジ押え9により接合固定されている。
【0015】
また、マニホールド7内には、前記内管2aがその下端部を後述の閉塞部材19と対向するように内管支持部材10を介して支持されている。この内管支持部材10は、図3に示すように、マニホールド7の内周に周方向に沿って適宜間隔で鍔状に複数例えば3つ突設された係止部10aと、これら係止部10aと対応するように前記内管2aの外周に周方向に沿って適宜間隔で鍔状に複数例えば3つ突設された被係止部10bとから主に構成されている。マニホールド7内に内管2aを支持する場合には、内管2aの被係止部10bを、下方からマニホールド7の係止部10a間の切欠部10cを通過させ、内管2aを回動し、被係止部10bを係止部10a上に位置させて係止させればよい。
【0016】
前記マニホールド7の管壁(側部)には、内管2a内の下方に処理ガスや不活性ガスを導入するガス導入管5aを有するガス導入部5が設けられていると共に、前記排気通路3を介して処理容器1内を排気するための短管状の排気部6が設けられている。前記ガス導入管5aの先端部は、後述する閉塞部材19や回転テーブル18と干渉しないように内管2aの管壁(側部)を貫通して内管2a内に挿入されていることが好ましい。
【0017】
ガス導入部5は、ガス種に応じて複数設けられおり、ガス導入部5には図示しないガス供給系が接続されている。前記排気部6には、処理容器1内を所定の減圧ないし真空度に減圧排気可能な図示しない減圧ポンプおよび排気弁を備えた排気系が接続されている。図示例の場合、内管支持部材10を基準として、下方にガス導入管5aが、上方に排気部6が配されている。
【0018】
マニホールド7は、処理容器1を下方から挿通する開口部10aを有するベースプレート11の下部に図示しない取付部材を介して取付けられている。また、ベースプレート11の上部には、炉(処理容器1)内を所定の温度に加熱制御可能な円筒状のヒータ12が設置されている。
【0019】
一方、処理容器1の下方には、炉口4を密閉する開閉可能な蓋体13が図示しない昇降機構により昇降可能に設けられている。蓋体13は、例えばステンレス鋼により形成されている。この蓋体13には、マニホールド7の下部開口端との間を気密にシールするための気密材例えばフッ素系のOリング14が設けられている。この蓋体13の上部には、多数例えば150枚程度のウエハwを水平状態で上下方向に所定間隔で支持搭載する石英製のボート15が炉口4の断熱手段である石英製の保温筒16を介して載置されるようになっている。
【0020】
本実施の形態では、ウエハwを面内均一に熱処理するために、蓋体13に回転導入部17を介して回転テーブル18を設け、この回転テーブル18上に保温筒16を介してボート15を載置するように構成されている。前記回転導入部17は、図示しないモータによって回転駆動される垂直の回転軸17aを有し、この回転軸17aを蓋体13の中央部に垂直に貫通させた状態で回転導入部17が蓋体13の下面に取付けられている。回転導入部17は、回転軸17aの貫通部をシールするために不活性ガス例えば窒素ガスを導入する不活性ガス導入管部17bを備えている。
【0021】
このように構成された縦型熱処理装置においては、蓋体13に設けられたOリング14や回転導入部17が処理ガスの流れの上流側に位置していることから、ウエハwの汚染源となり得る。そこで、これらの汚染源からウエハwを隔離してウエハwの汚染を防止するために、前記蓋体13には、図1ないし図2に示すように、その炉口密閉時に内管2aの下端部(下部開口端)を閉塞する例えば石英製の閉塞部材19が設けられている。
【0022】
この閉塞部材は19、内管2aの下部開口端に当接してこれを塞ぐために、例えば円板状に形成されている。また、閉塞部材19は、蓋体13が炉口4を密閉した時に、丁度内管2aの下部開口端に当接するように、蓋体13の上部に複数の支柱(スぺーサ)20を介して取付けられている。また、前記閉塞部材19の上方に回転テーブル18を配置するために、前記回転導入部17の回転軸17aは、閉塞部材19を貫通しており、この閉塞部材19を貫通した回転軸17aの上端部に前記回転テーブル18が取付けられている。閉塞部材19には、回転軸17aが緩く貫通する貫通孔19aが形成されている。
【0023】
前記汚染源からのアウトガスやパーティクル等の汚染物質を内管2a内のウエハwと接触させることなく直接排気部6より排気するために、前記閉塞部材19と蓋体13の間の空間部21は、内管支持部材10の切欠部10cを通して排気部6と連通されている。
【0024】
次に、以上の構成からなる縦型熱処理装置の作用を述べる。昇降機構により蓋体13を上昇させてボート15および保温筒16を処理容器1内に搬入すると共に炉口4を蓋体13で密閉する。この時、蓋体13に設けられた閉塞部材19によって内管2aの下端部が閉塞される。そして、先ず、排気部6の排気系を介して処理容器1内を減圧排気すると共に、ガス導入部5のガス導入管5a等を介して処理容器1内に不活性ガス例えば窒素(N2)ガスを導入して処理容器1内をパージする。
【0025】
次に、ヒータ12の作動により処理容器1内のウエハwを所定の熱処理温度に加熱昇温させると共に、ガス供給系からガス導入部5のガス導入管5aを介して処理容器1内のウエハwに所定の処理ガスを供給し、所定の熱処理例えば減圧CVDによる成膜処理を行う。熱処理が終了したら、ヒータ12の作動および処理ガスの供給を停止し、不活性ガスを導入して処理容器1内をパージした後、処理容器1内を常圧に復帰させてから蓋体13を降下させてボート15および保温筒16を処理容器1外に搬出すればよい。
【0026】
前記構成からなる縦型熱処理装置によれば、内管2aと外管2bを有する二重管構造の処理容器1の下部に炉口4、ガス導入部5および排気部6を設け、その炉口4からウエハwを収容すると共に炉口4を開閉可能な蓋体13により密閉してウエハwに所定の熱処理を施す縦型熱処理装置において、前記蓋体13に前記内管2aの下端部を閉塞する閉塞部材19を設けているため、処理容器1内における処理ガス流の上流側にある汚染源からウエハwを隔離してウエハwの汚染を抑制ないし防止することができる。
【0027】
しかも、前記閉塞部材19と蓋体13の間の空間部21が前記排気部6と連通されているため、汚染源からのアウトガスやパーティクル等の汚染物質を内管2a内のウエハwに接触させることなく排気部6より直接排気することができ、ウエハwの汚染を更に十分に防止することが可能となる。
【0028】
また、前記処理容器1が、下部に炉口4、ガス導入部5および排気部6を有するマニホールド7を備え、このマニホールド7の上端部に前記外管2bが支持され、マニホールド7内に前記内管2aがその下端部を前記閉塞部材19と対向させた状態で支持されているため、内管2aの下端部を閉塞部材19で確実に閉塞することができ、処理容器1内における処理ガス流の上流側にある汚染源からウエハwを確実に隔離することができる。
【0029】
更に、前記蓋体13には前記ウエハwを回転するための回転軸17aを有する回転導入部17が設けられ、その回転軸17aが前記閉塞部材19を貫通し、回転軸17aの上端部に回転テーブル18が設けられているため、閉塞部材19と干渉せずにウエハwを容易に回転させることができ、ウエハwの面内均一な熱処理が可能となる。
【0030】
図4は、本発明の第2の実施の形態を示す縦型熱処理装置の要部縦断面図である。この図4の実施の形態において、前記図1の実施の形態と同一部分は、同一参照符号を付して説明を省略し、異なる部分について説明を加える。図4に示すように、内管2aの下端部を閉塞する閉塞部材19は、マニホールド7の排気部6とほぼ同じ高さに配置されており、回転導入部17の回転軸17aには、蓋体13および閉塞部材19の回転軸貫通部を覆うべく蓋体13の上面および閉塞部材19の下面に位置される鍔状の覆い部22a,22bが設けられている。
【0031】
また、内管2aの支持部材10は、ガス導入部5および排気部6よりも上方に配置されている。閉塞部材19と蓋体13の間の空間部21は、排気部6に直接連通しており、内管2aと外管2bの間の環状排気通路3は、内管支持部材10の切欠部10c(図3参照)を介して排気部6に連通されている。回転テーブル上18には保温筒を介さずにボート15が直接載置され、回転テーブル18の下方には、炉口断熱手段として、抵抗発熱体からなる平面状の加熱板23が配置されている。この加熱板23は、蓋体13から閉塞部材19を貫通するように立設された通電用の支柱24を介して支持されている。この図4の実施の形態においても、図1に実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0032】
以上、本発明の実施の形態を図面により詳述してきたが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲での種々の設計変更等が可能である。例えば、本発明の縦型熱処理装置は、CVD以外に、例えば酸化、拡散、アニール等の処理に適するように構成されていてもよい。また、被処理体としては、半導体ウエハ以外に、例えばガラス基板等がであってもよい。閉塞部材としては、石英以外に、例えば炭化珪素(SiC)により形成されていてもよい。前記実施の形態では、マニホールドが外管とは別体に形成されているが、マニホールドを石英製にすることにより外管と一体形成されていてもよい。また、図5に示すように、内管支持部材が内管の下端部を支持している場合には、閉塞部材が内管支持部材の下面に当接して(すなわち内管支持部材を介して)内管の下端部を閉塞するように構成されていてもよい。
【0033】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、次のような効果を奏することができる。
【0034】
(1)請求項1の発明によれば、内管と外管を有する二重管構造の処理容器の下部に炉口、ガス導入部および排気部を設け、その炉口から被処理体を収容すると共に炉口を開閉可能な蓋体により密閉して被処理体に所定の熱処理を施す縦型熱処理装置において、前記蓋体に前記内管の下端部を閉塞する閉塞部材を設け、該閉塞部材と前記蓋体の間の空間部が前記排気部と連通されているため、処理容器内における処理ガス流の上流側にある汚染源から被処理体を隔離して汚染源からのアウトガスやパーティクル等を被処理体に接触させることなく排気部より直接排気することができ、被処理体の汚染を防止することができる。
【0036】
(2)請求項2の発明によれば、前記処理容器が、下部に炉口、ガス導入部および排気部を有するマニホールドを備え、このマニホールドの上端部に前記外管が支持され、マニホールド内に前記内管がその下端部を前記閉塞部材と対向させた状態で支持されているため、内管の下端部を閉塞部材で確実に閉塞することができ、処理容器内における処理ガス流の上流側にある汚染源から被処理体を確実に隔離することができる。
【0037】
(3)請求項3の発明によれば、前記蓋体には前記被処理体を回転するための回転軸を有する回転導入部が設けられ、その回転軸が前記閉塞部材を貫通し、回転軸の上端部に回転テーブルが設けられているため、閉塞部材と干渉せずに被処理体を容易に回転させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す縦型熱処理装置の縦断面図である。
【図2】図1の要部断面図である。
【図3】内管支持部を説明するマニホールドの横断面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態を示す縦型熱処理装置の要部縦断面図である。
【図5】従来の縦型熱処理装置を示す要部縦断面図である。
【符号の説明】
w 半導体ウエハ(被処理体)
1 処理容器
2a 内管
2b 外管
4 炉口
5 ガス導入部
6 排気部
7 マニホールド
13 蓋体
17 回転導入部
17a 回転軸
18 回転テーブル
19 閉塞部材
Claims (4)
- 内管と外管を有する二重管構造の処理容器の下部に炉口、ガス導入部および排気部を設け、その炉口から被処理体を収容すると共に炉口を開閉可能な蓋体により密閉して被処理体に所定の熱処理を施す縦型熱処理装置において、前記蓋体に前記内管の下端部を閉塞する閉塞部材を設け、該閉塞部材と前記蓋体の間の空間部が前記排気部と連通されていることを特徴とする縦型熱処理装置。
- 前記処理容器が、下部に炉口、ガス導入部および排気部を有するマニホールドを備え、このマニホールドの上端部に前記外管が支持され、マニホールド内に前記内管がその下端部を前記閉塞部材と対向させた状態で支持されていることを特徴とする請求項1記載の縦型熱処理装置。
- 前記蓋体には、前記被処理体を回転するための回転軸を有する回転導入部が設けられ、その回転軸が前記閉塞部材を貫通し、回転軸の上端部に回転テーブルが設けられていることを特徴とする請求項1記載の縦型熱処理装置。
- 前記マニホールドと前記外管とが、石英製であり、且つ一体に形成されていることを特徴とする請求項2記載の縦型熱処理装置。
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