JP4212042B2 - 超磁歪材料の熱処理方法 - Google Patents

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本発明は、例えば合金粉末の成形体を焼結用治具に載置して焼結する磁歪材料の焼結方法等に適用して好適な磁歪材料の熱処理方法に関する。
Tb−Dy−Fe系金属間化合物等からなる超磁歪材料は、従来のフェライト系磁歪材料等に比べて高い磁歪特性を有することから、近年、その需要は益々拡大する傾向にある。具体的な用途としては、リニアアクチュエータ、振動子、圧力トルクセンサ、振動センサ、ジャイロセンサ等である。リニアアクチュエータや振動子等に用いた場合、磁歪素子は、付与する磁界の変化に伴い寸法が変化し、駆動力を発生する。圧力トルクセンサ、振動センサ、ジャイロセンサ等に用いた場合、磁歪素子は、外部から加わる力の変化に伴い透磁率が変化し、これをセンシングすることで圧力、トルク、振動等が検出される。
このような超磁歪材料の製造法としては、単結晶育成法が有効であることが従来から知られているが、単結晶育成法は極めて生産性が低く、形状の自由度も大幅に制限されるという欠点がある。そこで、単結晶育成法の欠点を改善し、低コストな製造が可能なことから、現在では粉末冶金法が採用されている。粉末冶金法による焼結体は、基本的には、原料合金粉末を秤量及び混合し、所定の形状に加圧成形し、得られた成形体について焼結を行い、必要に応じて後加工処理を施すことにより製造される。
ただし、磁歪材料の製造に粉末冶金法を採用した場合、焼結体の密度を大きくすることが課題であり、そのための技術が提案されている(例えば、特許文献1等を参照)。特許文献1記載の発明では、焼結体の原料の一部(Dy及びFe)に予め水素吸蔵処理を施すこと、焼結体の原料の他の一部(Fe)に予め還元処理を施すこと、及び焼結時の焼結炉内の雰囲気として水素ガス及び不活性ガスの混合ガスを使用することにより、不活性ガス単独の雰囲気で焼結する場合に比べて緻密な焼結体を得るようにしている。磁歪材料を高密度焼結体とすれば、高温大気中での磁歪特性等の特性劣化を少なくすることができる。
特開2003−3203号公報
ところで、磁歪材料の原料である成形体の焼結を行う際には、一般にセッター、サヤ、トレイ、こう鉢等の焼結用治具を使用し、この焼結用治具上に成形体を載置した状態で、真空雰囲気、不活性ガス雰囲気又は還元性ガス雰囲気下で焼結を行う。そして、焼結用治具の構成材料としては、従来からカーボン、ZrO2、Al23、SiO2等が広く使用されている。
この時、焼結用治具は、焼結時に成形体と直接接触するため、これを構成する構成材料には、耐熱性を有すること、焼結時に成形体と反応しないこと、成形体に変形を起こさせないこと、高い機械的強度を有すること等の特性が要求される。
しかしながら、従来から焼結用治具に用いられている上記のような材料は、真空雰囲気、不活性ガス雰囲気又は還元性ガス雰囲気で焼結を行う場合、成形体との反応性が高く、得られる磁歪材料の特性を低下させるという問題がある。例えばカーボンは、成形体の構成材料と反応して、磁歪材料の特性を劣化させるおそれがある。また、ZrO2、Al23等は、多孔質であるため表面に酸素ガス、水分ガス、炭酸ガス等の不純物ガスを吸着しやすいという問題があり、焼結時にこの不純物ガスが放出されることにより希土類元素を酸化し、希土類元素酸化物を生成する。このため、磁歪材料の特性が大幅に劣化してしまう。SiO2は焼結用治具として比較的良好な材料であるが、割れ易い等の欠点があり、また、非常に高価であり製造コストがかさむという問題もある。
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、成形体と熱処理治具との反応や熱処理治具からの残留ガス放出を抑制することができ、優れた特性の磁歪材料の製造(熱処理や焼結等)を安価に行うことが可能な磁歪材料の熱処理方法を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明の磁歪材料の熱処理方法は、希土類元素としてTb及びDyを含有するとともに遷移金属を含有する成形体を熱処理用治具に載置し、前記成形体を熱処理する磁歪材料の熱処理方法であって、前記熱処理用治具は、Dy を主成分として構成されることを特徴とする。
本発明では、熱処理対象である成形体に含まれる希土類元素と、成形体を載置する熱処理用治具に含まれる希土類元素の酸化物とで、希土類元素の種類を一致させることが重要である。成形体に用いられる希土類元素のうち、少なくとも一種の酸化物を熱処理用治具の主成分として用いることにより、焼結時の熱処理用治具と成形体との反応が確実に抑制される。この結果、磁歪材料における特性劣化が抑えられる。また、希土類元素含有酸化物は機械的強度が高く、比較的安価であるため、これを主成分として用いた焼結用治具は、成形体との反応が抑えられるばかりでなく、機械的強度、耐熱性に優れ、磁歪材料の低コストな製造を可能とする。
さらに、本発明の磁歪材料の熱処理方法においては、前記構成に加えて熱処理用治具の相対密度が80%以上であることを追加の構成要件とするが、これにより、熱処理治具の気孔率が低くなり、残留ガスの放出が抑制される。また、真空、不活性ガス雰囲気、還元性ガス雰囲気下では、熱処理治具が割れやすくなるが、前記相対密度とすることにより、強度が向上し、割れの発生も解消される。
なお、本明細書における熱処理とは、成形体を加熱処理する熱処理全般を包含する概念であり、化学反応を伴う焼成や焼結等を含む。
本発明の磁歪材料の熱処理方法によれば、成形体を載置する熱処理用治具が成形体に含まれる希土類元素と同一の希土類元素の酸化物により構成されるので、焼結時等の熱処理時における熱処理用治具と成形体との反応を抑制することができ、優れた特性の磁歪材料を製造することができる。また、本発明の磁歪材料の熱処理方法によれば、機械的強度が高く、耐熱性及び低コストな熱処理用治具を用いているので、磁歪材料の製造コストを低減することができる。
さらに、本発明の磁歪材料の熱処理方法によれば、熱処理用治具の相対密度を80%以上にすることにより、熱処理治具からの残留ガス放出を抑制することができ、熱処理治具の割れ等も解消することができるので、得られる磁歪材料の特性向上や製造コスト低減等において、より一層の効果を得ることができる。
以下、本発明を適用した磁歪材料の熱処理方法について、図面を参照して詳細に説明する。なお、ここでは合金(金属)の粉末を加圧成形した後、成形体を熱処理用治具に載置して焼結する場合を例にして説明するが、本発明が焼結に限られるものではなく、熱処理全般に適用し得ることは言うまでもない。
先ず、本実施形態の熱処理方法(焼結方法)により製造される磁歪材料について説明する。粉末冶金法を用いて製造される磁歪材料は、例えばRTy(ここで、Rは1種類以上の希土類元素、Tは1種類以上の遷移金属であり、yは1<y<4である。)で示される組成の合金粉を焼結することによって得られる。
ここで、Rは、Yを含むランタノイド系列、アクチノイド系列の希土類元素から選択される1種以上を表している。これらの中で、Rとしては、特にNd、Pr、Sm、Tb、Dy、Ho等の希土類元素が好ましく、Tb、Dyがより一層好ましく、これらを混合して用いることができる。Tは、1種以上の遷移金属を表している。これらの中で、Tとしては、特に、Fe、Co、Ni、Mn、Cr、Mo等の遷移金属が好ましく、これらを混合して用いることができる。
RTyで表される合金のうち、y=2であるRT2ラーベス型金属間化合物は、キュリー温度が高く、磁歪値が大きいため、磁歪素子に適する。ここで、yが1以下では、焼結後の熱処理でRT相が析出して磁歪値が低下する。また、yが4以上では、RT3相又はRT6相が多くなり、磁歪値が低下する。このため、RT2がリッチな相を多くするために、yは1<y<4の範囲が好ましい。
Rは、2種以上の希土類元素を混合してもよく、特に、TbとDyを混合して用いることが好ましい。具体的には、TbaDy(1-a)で表される合金で、aは0.27<a≦0.50の範囲にあることが一層好ましい。これにより、(TbaDy(1-a))Tyなる合金で、飽和磁歪定数が大きく、大きな磁歪値が得られる。ここで、aが0.27以下では室温以下では十分な磁歪値を示さず、逆に0.50を越えると室温付近では十分な磁歪値を示さない。
Tは、特にFeが好ましく、FeはTb、Dyと(Tb、Dy)Fe2金属間化合物を形成して、大きな磁歪値を有し磁歪特性の高い焼結体が得られる。このときに、Feの一部をCo、Niで置換してもよいが、Coは磁気異方性を大きくするものの、透磁率を低くし、また、Niはキュリー温度を下げ、結果として常温・高磁場での磁歪値を低下させる。したがって、Feは70重量%以上であることが好ましく、80重量%以上であることがより好ましい。
次に、磁歪材料の製造方法について説明する。図1は、粉末冶金法による磁歪材料(焼結体)の製造プロセスの一例を示すものである。図1に示すように、磁歪材料は、基本的には、3種類の原料A,B,Cをそれぞれ前処理した後、秤量、混合及び粉砕処理、成形、焼結等の工程を経ることによって製造される。
原料の一部である原料Aは、所定組成で構成されたTb−Dy−Fe系合金を所定条件で熱処理(アニール)を行った後、粉砕処理をする。原料BとしてDy2Feなる組成を有する合金を水素吸蔵処理後、粉砕処理をする。原料Cとして、Feを水素ガス雰囲気中で酸素を除去する還元処理を行う。
ここで、これら合金粉の一部は、水素吸蔵処理されることが好ましい。合金粉に水素を吸蔵させることにより、歪みが生じ、その内部応力によって割れが生ずる。このために、混合された合金粉は、成形体を形成する時に圧力を受け、内部で粉砕されて細かくなり、焼結したときに緻密な高密度焼結体を得ることができる。さらに、Tb、Dy等の希土類元素は酸化されやすいために、わずかな酸素があっても表面に融点の高い酸化膜を形成して焼結の進行を抑制するが、水素を吸蔵することで、酸化され難くなるという利点もある。水素吸蔵処理される合金粉としては、例えばDyb(1-b)で表され、bが0.37≦b≦1.00である組成であることが好ましい。式中Tは、Fe単独でも、Feの一部をCo、Niで置換されたものでもよい。したがって、前述の原料の中で、原料Bを水素吸蔵処理される合金粉とするのが最適である。
次に、前述の原料A、原料B及び原料Cを所定量秤量して粉砕・混合処理し、これを磁場中で成形して成形体を作製する。このとき、混合後の原料合金粉全体の組成は、例えばTb0.3Dy0.7Fe1.88とする。
続いて、成形体を焼結炉内に入れ、所定の条件で熱処理し、焼結を行うことにより、焼結体を作製する。焼結は、成形体を焼結炉に入れた後に所定温度まで昇温する昇温過程、所定の温度(安定温度)をほぼ一定に保持する過程、及び降温過程を経ることにより行われる。
昇温過程での昇温速度は、3〜20℃/分で行うことが好ましい。昇温速度が3℃/分未満では生産性が低く、昇温速度が20℃/分を越えると炉中で成形した原料粉末の温度が均一にならず、偏析や異相が生じるおそれがあるからである。
また、安定温度は、1150〜1240℃の範囲とすることが好ましい。安定温度が1150℃未満であると、内部歪みを除去するために安定時間を長時間必要とするため非効率となり、逆に安定温度が1240℃を越えると、RTyで表される合金の融点に近くなるため焼結体自体が溶融するおそれや、RT3相等の異相が析出するおそれがあるからである。
焼結の雰囲気については、基本的にはアルゴンガス等の不活性ガスを単独で用いた不活性ガス雰囲気で実施するが、焼結の途中で不活性ガスとともに水素ガスを焼結炉内に導入することにより、焼結の一部を水素ガス及び不活性ガスを含む混合雰囲気で実施することが好ましい。具体的には、先ず、焼結炉内を不活性ガス単独雰囲気として昇温することにより、成形体(水素吸蔵処理を行った原料合金粉等)に含まれる水素ガスを完全に放出させる。次に、水素ガスの導入を開始して焼結炉内を水素ガス及び不活性ガスの混合ガス雰囲気とすることにより、原料合金粉末を活性化させる。ここで水素ガス及び不活性ガスの混合ガス雰囲気とすることが、焼結体の高密度化で重要である。最後に水素ガスの導入を停止して再び焼結炉内を不活性ガス単独雰囲気とし、焼結を完了する。
以上の焼結処理中、昇温過程の650℃以上の温度区間、及び1150℃以上1240℃以下の安定温度区間の少なくとも一方は、焼結炉内を水素ガス及び不活性ガスの混合ガス雰囲気とする。具体的には、水素ガス:アルゴン(Ar)ガス=X:100−Xと表したときに、X(体積%)を、0<X<50とすることが好ましい。アルゴンガスは不活性ガスであり、希土類元素Rを酸化することがないので、水素ガスと混合して還元作用を有する雰囲気を得ることができる。還元作用を得るためには、X(体積%)は0より大きくすることが好ましく、また、水素ガスが過剰になると還元作用が飽和するため、X<50であることが好ましい。また、昇温過程の650?以上の温度区間において、水素ガス及び不活性ガスの混合ガス雰囲気とすることで、残留する微量の酸素による酸化を防止することができる。
特に、焼結時の温度及び雰囲気制御については、図2に示すように、水素ガスの導入開始温度を900℃〜1000℃とすることが好ましく、また、水素ガスの導入終了温度を1150℃〜1200℃とすることが好ましい。さらに、水素ガスとアルゴンガスとの混合比率を、体積比で水素ガス:アルゴン(Ar)ガス=X:100−Xと表したときに、10<X<50とすることがより好ましい。
なお、焼結を全て不活性ガス単独雰囲気で実施することも考えられるが、不活性ガスだけでは、高密度化が難しいだけでなく、完全に酸素を除去することが難しく、焼結体の磁気特性を大幅に低下させる。希土類元素Rは、酸素と極めて容易に反応して安定な希土類酸化物を形成するが、この希土類酸化物は、低い磁性を有するものの、実用上の磁性材料になるような磁気特性を示さないためである。したがって、希土類元素の酸化を防止する観点から、水素ガス及び不活性ガスの混合ガス雰囲気で焼結を行うことが好ましい。また、焼結対象によって焼結時の雰囲気は任意に変更でき、例えば真空雰囲気であってもかまわない。
本発明では、成形体の焼結を行う際に、図3に示すような熱処理用治具(焼結用治具)1と成形体2とを組み合わせて焼結を行う。ここで用いる熱処理用治具1は、成形体2が含有する希土類元素のうち、少なくとも1種の希土類元素の酸化物を主成分として含有するものである。例えば成形体2がTb−Dy−Fe系希土類金属間化合物の原料合金粉末を成形してなる成形体である場合、焼結用治具1は、Tb、Dyのうち少なくとも一方の酸化物を主成分として含み、この場合Dyの酸化物であるDy23を主成分として含有することが好ましい。希土類元素の酸化物を主成分とする熱処理用治具は、簡易な製造法である乾式成形法等によって製造することができ、安価である。図3においては、熱処理用治具1として、成形体2を載置するための凹部を有するセッターを図示したが、本発明で用いる熱処理用治具は、セッターに限らず、サヤ、トレイ、こう鉢等であってもよい。
以上のように、希土類元素を含む成形体と、成形体の含有する希土類元素の少なくとも1種の希土類元素の酸化物を含む熱処理用治具とを組み合わせて焼結を行うことにより、成形体と熱処理用治具とが焼結時に反応して成形体に悪影響を及ぼすおそれがなくなり、特性劣化の小さい磁歪材料を得ることができる。また、希土類元素の酸化物を主成分とする熱処理用治具は、SiO2を主成分とする熱処理用治具等と比較して安価であるため、磁歪材料を低コストにて製造することができる。また、希土類元素の酸化物を主成分とする熱処理用治具は、(機械的強度や)耐熱性に優れるという利点も有する。
なお、使用する熱処理用治具の相対密度は、熱処理用治具から放出される不純物ガスによる成形体の汚染を防止する観点から、80%以上であることが好ましい。より好ましくは、相対密度90%以上である。相対密度が80%未満である場合、気孔率が高くなり、熱処理用治具が大気中の水分ガス、酸素ガス、炭酸ガスを吸着しやすくなる。この結果、焼結時の真空雰囲気、又は還元性ガス雰囲気において吸着した不純物ガスが放出され、成形体を汚染して特性劣化を引き起こすおそれがあるためである。
また、熱処理用治具の機械的強度を向上する点から見た場合も、焼結用治具の相対密度が80%以上であることが好ましい。真空雰囲気、不活性ガス雰囲気又は還元性ガス雰囲気下での焼結では熱処理用治具が割れやすいので、焼結時の割れを防止する程度の機械的強度を得るためには熱処理用治具の相対密度を80%以上とすることが好ましく、相対密度を90%以上とすることがより好ましい。
次に、本発明の具体的な実施例について、実験結果を基に説明する。
<磁歪材料の焼結>
本実施例では、Tb−Dy−Fe系原料合金粉の成形体を熱処理用治具上に載置して焼結し、磁歪材料を作製した。作製した磁歪材料は、Tb−Dy−Fe系金属間化合物からなる磁歪材料である。
先ず、原料Aは、所定組成で構成されたTb−Dy−Fe系合金を所定条件で熱処理(アニール)を行った後、粉砕処理をした。原料BとしてDy2Feなる組成を有する合金を水素吸蔵処理後、粉砕処理をした。原料Cとして、Feを水素ガス雰囲気中で酸素を除去する還元処理を行った。
次いで、得られた各原料A、B、Cを秤量した後、粉砕・混合処理し、全体の組成がTb0.3Dy0.7Fe1.88である原料合金粉を得た。そして、得られた原料合金粉を型に入れ、8kOeの磁場中で成形し、成形体を得た。成形体は、円柱状とし、直径6〜10mm、長さ30mmとした。
次に、図4に示すように、平板状の熱処理治具11上に前記成形体12を載置し、焼結を行った。熱処理治具11の外形寸法は、30mm×40mm×5mm(厚さt)である。焼結は、成形体12を熱処理治具11に載置して昇温し、1150℃〜1240℃の安定温度区間で焼成を行い、焼結体を得た。焼結は、真空焼成、還元ガス雰囲気(H2/Arガス)、不活性ガス雰囲気(Arガス)の3種類の雰囲気中で行った。
<熱処理治具の材質による特性の相違>
前述の焼結方法に従い、熱処理治具11の材質を変えて成形体12を焼結した。熱処理治具11の材質としては、希土類を含まない材料系(成形体とは異なる材料系)であるカーボン、ZrO2、Al23、MgO、希土類元素含有酸化物であるTb47−Dy23複合酸化物、Dy23である。
希土類を含まない材料系からなる熱処理治具を用いて得られた磁歪材料の磁歪特性(1kOe)及び特性規格値を満たすか否かについて、表1に示す。同様に、希土類元素含有酸化物からなる熱処理治具を用いて得られた磁歪材料の磁歪特性(1kOe)及び特性規格値を満たすか否かについて、表2に示す。なお、特性規格値を満たすか否かは、1000ppmを基準とし、これ以上である場合をOK、1000ppm未満である場合をNGとした。
Figure 0004212042
Figure 0004212042
表1から明らかなように、成形体(磁歪材料)と異なる材料系である希土類を含まない材料系の熱処理用治具を使用した場合には、いずれも磁歪特性が低く、特性規格値を満たすものは見られなかった。これに対して、表2から明らかなように、成形体に含まれる希土類元素のうちの1つと同じ希土類元素の酸化物材料であるTb47−Dy23複合酸化物及びDy23で構成された熱処理用治具を使用した場合には、磁歪材料の特性劣化が見られず、特性規格値を満たすことが確認された。また、Tb47−Dy23複合酸化物とDy23とを比較すると、Dy23において、より良好な効果が得られた。
本発明の焼結体の製造プロセスの一例を示すフローチャートである。 焼結時の焼結温度の経時変化及び雰囲気を説明するための模式図である。 本発明の磁歪材料の焼結方法を説明するための概略断面図である。 実施例における焼結状態を示す概略断面図である。
符号の説明
1,11 熱処理用治具、2,12 成形体

Claims (5)

  1. 希土類元素としてTb及びDyを含有するとともに遷移金属を含有する成形体を熱処理用治具に載置し、前記成形体を熱処理する磁歪材料の熱処理方法であって、
    前記熱処理用治具は、Dy を主成分として構成されることを特徴とする磁歪材料の熱処理方法。
  2. 前記熱処理を真空、不活性ガス雰囲気、還元性ガス雰囲気のいずれかで行うことを特徴とする請求項1記載の磁歪材料の熱処理方法。
  3. 前記熱処理用治具の相対密度が80%以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の磁歪材料の熱処理方法。
  4. 前記相対密度が90%以上であることを特徴とする請求項3記載の磁歪材料の熱処理方法。
  5. 前記熱処理が、焼結又は焼成であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の磁歪材料の熱処理方法。
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