JP4211943B2 - ガス栓 - Google Patents
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しかし、この発明は、火災が発生した時に、開放しているガス栓を自動的に閉止すると云うもので、これも火災時の安全対策となるが、低融点金属チップ72あるいは回動スプリング50を組み付ける必要があり、コスト的に不利である。また、既設のガス栓に対して低融点チップ72や回動スプリング50を組み込むことはできないため、この発明は新規に製作するガス栓にのみ適用ができ、既設のものには適用できない。
特許文献3の発明においては、シール穴24a´付の封印部材24を加工し、これを本体1にねじ込んだりするために、構造が複雑化し、コストもかかる。
特許文献4の発明の場合、キャップ5及びこのキャップ5を外嵌したりするための加工と組み立てに手数がかかり、コスト高となる。
その他、断面倒V字状のパッキンを本体とハンドル間に組み込んで防水を図る提案もあるが、この場合、パッキンは上下2点でシールを行う構造のために、ハンドルの開閉の頻度が高かったり、経年的な劣化により、密着力が減退してシール性能が低下すると云う問題がある。
本発明は、斯る点に鑑みて提案されるものであって、その目的は、防水性能に優れたガス栓を提供することである。
前記の目的を達成するために、本発明の第2の態様は、 ガス栓本体に形成された逆円錐形状のテーパー穴内に組み付けられた栓体をハンドルで開閉する方式のガス栓であって、前記栓体とハンドル間にスプリングを介装し、常時このスプリングの力で栓体をテーパー穴の摺動面に密着するように構成したガス栓において、ガス栓本体の上口の外周面にL型の段部を形成すると共にこの段部に外側から対向するようにハンドルの裾縁の内周面に逆L型の切欠部を形成し、この段部と切欠部によりガス栓本体の上口とハンドルの裾縁間に四角形状のパッキン室を形成し、このパッキン室内には、内周面中央に凹部を形成し、外周面中央に凸部を形成した防水パッキンが挿入されていて、ハンドルをガス栓に組み付けた状態において、防水パッキンの上面はパッキン室の上面及び面取り部に密着し、内周面は上口の外周面に2点で密着すると共に下面はパッキン室の下面に密着し、外周面の凸部はハンドル側の裾縁の内周面に密着することによって、ハンドル側及びガス栓本体側において夫々3点で密着し、合計6点シール構造となっていること、を特徴としている。
本発明の第1、第2の態様においては、前記防水パッキンの上下面を平滑に形成することが望ましい。
また、防水パッキンは、ガス栓本体に対してハンドルを締め込むことにより圧迫され、この圧迫により外周面がより外側に膨出することから、密着度が高まる。
図1〜図3は、この発明に係るガス栓の一実施の形態を示すものであり、図1はガス栓の断面図、図2は図1のA−A´線断面図、図3(A)は熱膨張材が膨張する前(通常時)の説明図、(B)は熱膨張材が膨張し、栓体を浮上させた状態(火災時)の説明図である。まず、火災発生時に、熱膨張材の膨張作用で栓体を浮上させて固着を防ぐためのガス栓の構造を説明する。
14はハンドル8に取り付けられたストッパーねじであって、このストッパーねじ14の先端は上口5の上縁を180°切り欠いて形成した回転角15内に位置し、180°の部分で栓体6は全閉、90°つまり中間の位置で全開となるようにハンドル8の回転を規制している。
21は栓体6の下面6bに形成された熱膨張材組込穴22内にケース23を用いて組み込まれた熱膨張材である。
この熱膨張材21は、現在防火区画措置具等に使用されている市販のもので十分あり、例えば熱膨張黒鉛あるいは熱膨張ゴム等として市販されているものを使用することができる。
あるいは図7(A)(B)に示すように、ガス流路2のガス管接続口3、3aが90°方向を向くように形成されたガス栓においては、テーパー穴4と栓体6間に対向させて段部4d、6dを形成し、この間に熱膨張材21を組み込んでも良い。
図8に示す試験体100に組み込まれているスプリング13の取付荷重は5.47kgfであり、この荷重以上の力が熱膨張材21の膨張力に求められる。そこで、図8(A)に示すスプリング13付の試験体100を製作し、(B)の状態で400℃及び600℃の加熱を行い、熱膨張材21をH膨張させ、この時の膨張力を測定したところ、400℃で7.6kgf、600℃で8.8kgfの荷重が得られた。この荷重は、スプリングの荷重5.47kgfよりも十分に大きく、火災時に十分に機能することが確認できた。この時の測定結果を表1に示す。
一方、熱膨張材21を装入しないガス栓を同一条件で実験したところ、200kgf・cmの力でも回転しなかった。
以上の実験例からも、本発明を実施することにより、火災発生時において、ガス栓を簡単に閉止できることが確認できた。
図11は防水パッキン16の平面部、図12は正面図、図13はC−C´線拡大断面図であって、この防水パッキン16は上下面16a、16bは平滑で、内周面に凹部16dを形成し、外周面に凸部16cを形成した構成である。図14(A)は防水パッキン16を組み込んだ状態、(B)はハンドル8をガス栓本体1に締め付けることにより、防水パッキン16が変形し、パッキン室20内において、防水パッキン16はハンドル8の裾縁18側にはa、b、cの3点で密着し、ガス栓本体1側にはd、e、fの3点で密着し、合計6点での密着となることから、ガス栓本体1の上口5aとハンドル8の裾縁18間を完全に防水する。
よって、上記6点シールにより、シール性能は従来例に比較して格段に向上する。
4 テーパー穴
6 栓体
8 ハンドル
13 スプリング
16 防水パッキン
Claims (3)
- ガス栓本体に形成された逆円錐形状のテーパー穴内に組み付けられた栓体をハンドルで開閉する方式のガス栓であって、前記栓体とハンドル間にスプリングを介装し、常時このスプリングの力で栓体をテーパー穴の摺動面に密着するように構成したガス栓において、ガス栓本体の上口の外周面にL型の段部を形成すると共に、この段部に外側から対向するようにハンドルの裾縁の内周面に逆L型の切欠部を形成し、この段部と切欠部によりガス栓本体の上口とハンドルの裾縁間に四角形状のパッキン室を形成し、このパッキン室内には、内周面中央に凹部を形成し、外周面中央に凸部を形成した防水パッキンが挿入されていて、ハンドルをガス栓に組み付けた状態において、防水パッキンの上面はパッキン室の上面に密着し、下面はパッキン室の下面に密着し、外周面の凸部はハンドル側の裾縁の内周面に密着した3点シール構造となっていること、を特徴とするガス栓。
- ガス栓本体に形成された逆円錐形状のテーパー穴内に組み付けられた栓体をハンドルで開閉する方式のガス栓であって、前記栓体とハンドル間にスプリングを介装し、常時このスプリングの力で栓体をテーパー穴の摺動面に密着するように構成したガス栓において、ガス栓本体の上口の外周面にL型の段部を形成すると共にこの段部に外側から対向するようにハンドルの裾縁の内周面に逆L型の切欠部を形成し、この段部と切欠部によりガス栓本体の上口とハンドルの裾縁間に四角形状のパッキン室を形成し、このパッキン室内には、内周面中央に凹部を形成し、外周面中央に凸部を形成した防水パッキンが挿入されていて、ハンドルをガス栓に組み付けた状態において、防水パッキンの上面はパッキン室の上面及び裾縁の内周面とパッキン室の上面との交差部に形成された面取り部に密着し、内周面は上口の外周面に2点で密着すると共に下面はパッキン室の下面に密着し、外周面の凸部はハンドル側の裾縁の内周面に密着することによって、ハンドル側及びガス栓本体側において夫々3点で密着し、合計6点シール構造となっていること、を特徴とするガス栓。
- 請求項1又は2のガス栓において、前記防水パッキンの上下面を平滑に形成したことを特徴とするガス栓。
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