JP4211239B2 - 自動変速機のセレクト装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動変速機のセレクト装置に係り、特にキーインタロック機構が備えられた自動変速機のセレクト装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両には、搭載した内燃機関の駆動力を走行条件に応じて所要に変換して取出すために、自動変速機や手動変速機が備えられている。
【0003】
自動変速機を備えた車両において、自動変速機のセレクト装置には、セレクトレバーの動きを規制するデテント機構や、エンジンの始動時の誤作動防止のために、セレクトレバーがパーキング位置以外にあるときに、イグニションキーが「ACC」の位置から「LOCK」の位置に動けなくするように(イグニションキーがキーシリンダから抜けない状態にする)、キーインタロック機構が設けられている。
【0004】
図9、14に示す如く、車両102においては、ステアリングホイール104を備えたステアリングコラム106に、イグニションキー108を入出させるキーシリンダ110を取り付け、このキーシリンダ110にキーインタロック機構112のキーインタロックケーブル114の一端側を連結し、このキーインタロックケーブル114の他端側を、図15に示す如く、セレクト装置116のキーインタロックカム118に接続している。
【0005】
このセレクト装置116には、図15、16に示す如く、キーインタロック機構112のキーインタロックカム118やデテント機構120のデテントプレート122が設けられている。つまり、図15に示す如く、車両部材124にベースプレート126が立設して取り付けられ、このベースプレート126にはセレクトレバー128の下側の一端側がレバー揺動軸130によって揺動可能に軸支して設けられ、このセレクトレバー128の上側の他端側にはセレクトノブ(図示せず)が装着して設けられ、また、セレクトレバー128にはスプリング(図示せず)によって常時セレクトノブ側に付勢されるとともにこのセレクトノブに装着されたノブボタン(図示せず)の押し込み操作によってセレクトレバー128の軸方向に移動するデテントピン132がセレクトレバー128の軸心に対して直交して挿入して設けられている。また、デテント機構120のデテントプレート122には、図16に示す如く、デテントピン132が係合離脱可能な複数のポジション溝として、ニュートラル溝134−Nの一側に複数段の前進用溝であるドライブ用溝134−Dと低速用溝134−Lとを順次に形成するとともに、ニュートラル溝134−Nの他側にリバース用溝134−Rとパーキング用溝134−Pとを順次に形成したデテント開口136が形成されている。
【0006】
デテントピン132は、ノブボタンの操作によって、デテントプレート122の複数のポジション溝134に選択的に係合離脱し、セレクトレバー128の位置を各セレクト位置に規制している。
【0007】
また、ベースプレート126には、図15に示す如く、中央部位がカム回動軸138で回動可能に軸支されるとともに、外周部位にはセレクトレバー128が最端部位のパーキング位置にあるときに、デテントピン132と係合する凹所のピン係合部140と一端側がキーシリンダ110に連結されたキーインタロックケーブル114の他端側を接続するケーブル接続部142とを有するキーインタロックカム118が設けられている。これにより、キーインタロックカム118がデテントピン132の作動(移動)によって回動され、キーインタロックケーブル114を介してキーシリンダ110を作動させている。
【0008】
一方、キーシリンダ110側においては、図14に示す如く、中央部位が支持軸144に回動可能に軸支され、一端側にキーインタロックケーブル114が連結具114Aによって連結されるとともに他端側にはキーシリンダ110のスライド部材146に接続されるリンク部材148が設けられている。このリンク部材148は、キーインタロックケーブル114の作動方向を反転して、スライド部材146を軸方向に移動させるものである。
【0009】
図10、11に示す如く、スライド部材146の端部は、キー回転軸150に直交する軸方向からキーシリンダ110に挿入されるロック部材152の一端側に直交して当接され、このロック部材152をキーシリンダ110内に入出移動させる。
【0010】
そして、このロック部材152がキーシリンダ110内に挿入されると、このロック部材152の他端側がキー回転面の「ACC」の位置に突設された突起部154に当接し、イグニションキー108を「ACC」の位置から「LOCK」の位置への回転を不可とする(図11参照)。
【0011】
図13においては、セレクト装置116を工場で組み付けるために、セレクトレバー128をニュートラル位置「N」に限定し、イグニションキー108を「ACC」の位置にし、キーインタロックケーブル114を折り曲げないように、以下の順序で組み付ける。
【0012】
つまり、図14に示す如く、キーシリンダ110側において、キーインタロックケーブル114の一端側のケーブル端部であるシリンダ側ケーブルエンド156−1をリンク部材148に挿入した後、キーインタロックケーブル114のシリンダ側ケーブルエンド156−1に固定したケーブル側取付部114Bをキーシリンダ110側にケーブル固定スクリュ158で固定し、この時、図15に示す如く、セレクト装置116側においては、ケーブルブラケット160を手で回らないように固定して組み付け、この組み付け後に、キーインタロックケーブル114のインナケーブルを動かし、リンク部材148がスムーズに作動することを確認し、キーインタロックケーブル114を配索する。
【0013】
また、図15に示す如く、キーインタロックカム118をX方向に規制されるまで回し、カム位置固定用治具162をキーインタロックカム118とカムブラケット164の治具挿入用穴166に通して固定し、そして、他端側のケーブル端部であるカム側ケーブルエンド156−2をキーインタロックカム118にワンタッチ式で押し付けて固定し、確実に挿入されていることを確認し、そして、ケーブルブラケット160をケーブル固定用スタッドボルト168に通し、板バネ170によってケーブルブラケット160がY方向へ押し付けられていることを確認し、更に、この状態で、Z方向にしっかりと、ケーブルブラケット160を押さえ付け、ケーブル固定用ナット172で固定し、そして、カム位置固定用治具162を治具挿入用穴166から抜き取り、セレクトレバー128をパーキング位置「P」にして、ノブボタンでキーインタロックカム118がスムーズに作動することを確認する。
【0014】
このような自動変速機のキーインタロック装置としては、例えば、特開平6−313472公報、特開平9−71143号公報、特開平10−157479号公報、特開平11−342759号公報に開示されている。特開平6−313472公報に記載のものは、ロックレバーが、アクチュエータによって回動するように構成され、ポジションピンの下降を規制するロック部と、キーロックレバーを回動させる連係手段と、サポートレバーロック手段とからなり、キーロックケーブルがロックされている状態、つまり、ポジションピンがパーキング位置にある状態で、ポジションピンを押し下げようとする荷重は、ロックレバーに加わるだけで、キーロックレバーには僅かな荷重しか加わるだけにし、キーロックケーブルを作動させず、キーインタロック機構の誤動作を防止するものである。特開平9−71143号公報に記載のものは、車両の組立時には、セレクトレバーをニュートラル位置にシフトさせた状態でのシフトロックプレートを、セレクトレバーがパーキング位置にシフトしている状態と同一の姿勢に拘束し、車両の組立終了後には、簡単な操作でシフトロックプレートの拘束を解除させ、車輪の片側のみをコンベアに乗せた状態での車両の移動を可能としたものである。特開平10−157479号公報に記載のものは、セレクト装置に設けたブラケットにアウタケーシングを取り付ける際に、アウタケーシングの直線部の廻り止め部をブラケットの端縁に当接して取り付けさせ、アウタケーシングの直線部によってケーブルストローク時のインナケーブルの首折れを防止するものである。特開平11−342759号公報に記載のものは、キーインタロック機構にケーブルが使用され、デテントピンの「ACC」から「LOCK」への回転切り替え点位置がケーブル調整によって決められるが、二段形状のソレノイドカムを使用したシフトロック機構を併設し、調整不良等で切り替え点が下方に位置した場合でも、デテントピンの移動を規制し、セレクトレバーのパーキング位置からリバース位置への規制を確実に行わせるものである。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来、図9〜15に示すようなキーインタロック機構112において、セレクト装置116側に配設したキーインタロックカム118とキーシリンダ110側に配設したリンク部材148との間をキーインタロックケーブル114で接続しているので、キーインタロックケーブル114の組み付け時に、セレクト装置116のキーインタロックカム118側とキーシリンダ110のリンク部材148側とを同期させるケーブル調整が必要である。
【0016】
このケーブル調整は、通常の車両整備時に、セレクトレバー128がパーキング位置「P」で実施されるが、セレクト装置116の工場での組み付け時には、セレクトレバー128が装着される車両が組立ラインに設置したコンベアで自動搬送されており、車両の片側の前後車輪がコンベアに載置されるとともに、他側の前後車輪が床面を転動するようになっているので、セレクトレバー128をニュートラル位置「N」にした状態で実施する必要があり、以下の手順で実施している。
【0017】
先ず、イグニションキー108の位置を「ACC」の位置として、キーシリンダ110内でキーインタロック機構112を作動させた状態とし、リンク部材148にキーインタロックケーブル114を接続する。次に、セレクトレバー128をニュートラル位置「N」とし、キーインタロックカム118を、セレクトレバー128がパーキング位置「P」にあり且つデテントピン132が作動して最大角度に回転された位置に、カム位置固定用治具162によって固定する。そして、この状態において、キーインタロックカム118とキーインタロックケーブル114のインナケーブルに遊びがない状態とし、アウタケーブルを、ベースプレート126にケーブル固定用ナット172で固定する。
【0018】
しかしながら、このケーブル調整の手順では、セレクトレバー128がニュートラル位置「N」でキーインタロックカム118の位置を固定するカム位置固定用治具162が必要になるとともに、その調整手順が複雑であり、組付作業性が低下するという不都合があった。
【0019】
つまり、キーインタロックカム118は、セレクトレバー128の位置がパーキング位置「P」でのみデテントピン132と係合し、且つ、このデテントピン132が作動された場合のみ、キーシリンダ110の作動角度まで回動されるが、セレクトレバー128をパーキング位置以外のセレクト位置としてニュートラル位置「N」にセレクトした場合には、キーインタロックカム118をキーシリンダ110の作動角度に保持する機構がなかったので、キーインタロックカム118にキーインタロックケーブル114を接続した場合に、先ず、イグニションキー108側を「ACC」位置の状態(キーインタロック作動状態)で、キーシリンダ110側にキーインタロックケーブル114を接続するとともに、セレクトレバー128の位置をニュートラル位置「N」にした状態では、キーインタロックカム118をカム位置固定用治具162でキーシリンダ110の作動角度に保持しておき、キーインタロックケーブル114に弛みを生じさせることなく、組付ける調整方法が必要であり、改善が望まれていた。
【0020】
【課題を解決するための手段】
そこで、この発明は、上述の不都合を除去するために、車両前後方向に延びるセレクトレバーをこのセレクトレバーの下部且つ長手方向中央部に配設されるレバー揺動軸によってベースプレートに揺動可能に軸支し、前記セレクトレバーの車両後方側端部にノブボタンを備えたセレクトノブを配設し、前記ノブボタンの操作によって車両前方へ移動するデテントピンを前記セレクトレバーの前記レバー揺動軸より車両前方側に配設し、前記デテントピンの近傍に配設されるとともに前記デテントピンの軸心と平行に延びるカム回動軸に前記デテントピンの移動によって回動されるキーインタロックカムを支持し、このキーインタロックカムの外周部にキーシリンダと連絡するキーインタロックケーブルを接続し、前記セレクトレバーの外周面に前記カム回動軸と軸線が平行なガイドピンを突出させる一方、前記キーインタロックカムにはこのキーインタロックカムがキーインタロック機構の作動する位置に回動された場合に前記ガイドピンと係合する円弧状のガイド溝を形成し、前記キーインタロック機構が作動した状態で前記セレクトレバーがパーキング位置から他のセレクト位置に移動された場合、前記ガイドピンと前記ガイド溝とによって前記キーインタロックカムを前記キーインタロック機構が作動する角度に保持する自動変速機のセレクト装置において、前記ガイドピンを前記セレクトレバーの軸線上で前記デテントピンの車両前方側に配設し、前記セレクトレバーがパーキング位置にある場合にこのセレクトレバーの下部に隣接し且つ車両前後方向で前記ガイドピンより前記レバー揺動軸側の位置に前記カム回動軸を配設し、前記キーインタロックカムの下縁部に前記キーインタロックケーブルを接続する一方、前記キーインタロックカムの上縁部に前記デテントピンを挟む一対の突部を設け、これら突部のうち前記デテントピンの車両前方側に位置する突部に前記ガイド溝を車両後方側の突部の外周を覆う状態で配設し、前記キーインタロックカムの回動によって前記ガイド溝を前記セレクトレバーに沿って車両後方に延びる位置から前記ガイドピンと係合する位置に回動させるようにしたことを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
この発明は、キーインタロックケーブルの組み付け時に、キーインタロックカムをキーシリンダの作動角度に保持する治具を不要とし、部品点数を低減するとともに、キーインタロックケーブルの調整作業を簡単に実施することができ、キーインタロックケーブルの組付作業性を向上することができる。
【0022】
【実施例】
以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細且つ具体的に説明する。図1〜6は、この発明の第1実施例を示すものである。図2において、2は自動変速機が備えられた車両(図示せず)のインストルメントパネル、4は車室、6は車両部材、8はセレクト装置である。
【0023】
車両において、図6に示す如く、従来と同様に、ステアリングコラム10には、イグニションキー12を入出させるキーシリンダ14が取り付けられている。このキーシリンダ14側にあっては、キーシリンダ側取付部16と後述するキーインタロックケーブル72に固定したケーブル側取付部18とが設けられているとともに、中央部位が支持軸20に回動可能に軸支され、一端側にケーブル連結部22が連結具22Aによって連結されるとともに他端側にはキーシリンダ14内のスライド部材24に接続されたリンク部材26が設けられている。また、ケーブル取付部18は、ケーブル固定スクリュ28によってキーシリンダ側取付部16に設けられる。リンク部材26は、後述するキーインタロックケーブル72の作動方向を反転して、スライド部材24を軸方向に移動させるものである。キーシリンダ14の内部構造は、従来の構造と同じなので、ここでは、その説明を省略する。
【0024】
セレクト装置8は、図1、2に示す如く、車両部材6に取り付けられたベースプレート30に揺動可能に軸支して設けられたセレクトレバー32を有している。このセレクトレバー32のレバー軸34は、パイプ状に形成され、途中がベースプレート30の軸保持部36に支持したレバー揺動軸38の外周面に固定され、このレバー揺動軸38から車両前方側に直線状に延設する基端部34Aと、インストルメントパネル2から車両後方側の車室4側に延出して湾曲した湾曲部34Bと、車両後方側で少し斜め上方に指向した先端部34Cとからなる。このレバー軸34の先端部34Cには、ノブボタン40を装着したセレクトノブ42が取り付けられている。レバー軸34の湾曲部34Bは、シフトブーツ44で覆われている。
【0025】
また、ベースプレート30には、図5に示す如く、デテント機構46のデテントプレート48が設けられている。このデテントプレート48には、複数のポジション溝として、ニュートラル溝50−Nの一側に複数段の前進用溝であるドライブ用溝50−Dと低速用溝50−Lとを順次に形成さするとともに、ニュートラル溝50−Nの他側にリバース用溝50−Rとパーキング用溝50−Pとを順次に形成したデテント開口52が形成されている。
【0026】
また、デテント機構46には、デテントピン54が備えられている。このデテントピン54は、レバー軸34を軸支するレバー揺動軸38よりも車両前方側で且つ直線状の基端部34Aの略中間部位において、この基端部34の軸方向で且つレバー軸34の軸心CL上で所定に長く形成されたピン移動用長孔56内にレバー軸34の軸方向と直交する径方向に指向して基端部34Aの両外周面から突出してレバー軸34に設けられ、常時セレクトノブ42側にスプリング(図示せず)によって付勢されているとともに、ノブボタン40の動作によってピン移動用長孔56内で往復動される。
【0027】
更に、セレクト装置8には、キーインタロック機構58が設けられる。このキーインタロック機構58においては、デテント機構46のデテントピン54近傍で、キーインタロックカム60を回動可能に軸支するカム回動軸62がベースプレート30に取り付けられている。図1に示す如く、このカム回動軸62の軸心は、デテントピン54の軸心と平行に配設されている。
【0028】
キーインタロックカム60の外周部位には、セレクトレバー32がパーキング位置「P」にあるときにデテントピン54に係合するピン係合部64と、ケーブル接続部66とが設けられている。ピン係合部64は、カム回動軸62の上方で、一側突部68と他側突部70との間で凹所に形成されている。ケーブル接続部66は、カム回動軸62の下方で、突出して形成されている。このケーブル接続部66には、キーインタロックケーブル72の一端部の一端側接続部72Aが接続される。このキーインタロックケーブル72は、インナケーブルとアウタケーブルとからなり、車両前方側で斜め下方に指向してベースプレート30に固定されたケーブル固定ブラケット74で保持されるとともに、ベースプレート30に折り曲げられたケーブル保持片76に保持ナット78で保持され、一方、図6に示す如く、他端側接続部72Bがリンク部材26に連結されている。これにより、デテントピン54の作動に連係してキーインタロックカム60が回動されると、キーインタロックケーブル72を介してキーシリンダ14のスライド部材24を作動させるものである。
【0029】
また、セレクトレバー32のレバー軸34のデテントピン54よりも車両前方側の基端部34Aのレバー外周面には、キーインタロックカム60のカム回動軸62の軸心と平行な円筒状のガイドピン80が突出して設けられる。つまり、このガイドピン80は、セレクトレバー32のパイプ状に形成されたレバー軸34上に直接突出して設けられる。
【0030】
図1に示す如く、キーインタロックカム60の外周部位の上側の他側突部70には、上方で車室4側に円弧状に所定に延長するガイド形成部82が連設される。このガイド形成部82には、レバー軸34のレバー外周面側で、ガイドピン80がセレクトレバー32の揺動操作に伴って移動する円弧状の軌跡に対して半径方向で一定の隙間Sを有する外周壁84と内周壁86とで円弧状のガイド溝88を形成しているとともに、ガイドピン80側に幅広の溝入口88Aを形成している。また、ガイド溝88は、カム回動軸62の回動中心からの距離がデテントピン54との当接部90から離間する外周部位に形成されている。更に、キーインタロックカム60は、デテントピン54との当接面92が、ガイド溝88を形成する円弧状の内周壁86の外面に連続する面に形成されている。
【0031】
これにより、セレクトレバー32がパーキング位置「P」にあり且つセレクトノブ42のノブボタン40の操作によってデテントピン54が作動された場合に、デテントピン54にキーインタロックカム60がキーシリンダ14の作動角度θまで回転されるとともに、ガイド溝88がガイドピン80と係合して、セレクトレバー32がパーキング位置「P」から他のセレクト位置としてのニュートラル位置「N」に移動された場合には、キーインタロックカム60をキーシリンダ14の作動角度θに保持されるものである。
【0032】
次に、この第1実施例の作用を説明する。
【0033】
セレクト装置8の工場での組み付けのために、セレクトレバー32をニュートラル位置「N」に限定し、イグニションキー12をキーシリンダ14の「ACC」の位置にし、キーインタロックケーブル72を折り曲げないように、以下の順序で組み付ける。
【0034】
先ず、図6に示す如く、キーインタロックケーブル72の他側接続部72Bをリンク部材26に連結した後、キーインタロックケーブル72に固定したケーブル取付部18をケーブル固定スクリュ28でキーシリンダ側取付部16に固定し、キーインタロックケーブル72のインナケーブルを動かし、リンク部材26がスムーズに作動することを確認し、キーインタロックケーブル72を配索する。
【0035】
一方、図1、2に示す如く、セレクトレバー32のレバー軸34のレバー外周面にはキーインタロックカム60のカム回動軸62の軸心と平行な円筒状のガイドピン80が突出して設けられ、セレクトレバー32がパーキング位置から他のセレクト位置に揺動されると、ガイドピン80がセレクトレバー32のレバー揺動軸38を中心に円弧状の軌跡上を移動し、また、キーインタロックカム60の中心部位がカム回動軸62によってベースプレート30に回動可能に軸支されるとともに、キーインタロックカム60の外周部位にはガイドピン80の円弧状の軌跡に対応して半径方向で一定の隙間Sを有する外周壁84と内周壁86とで形成された円弧状のガイド溝88とセレクトレバー32がパーキング位置にある場合にデテントピン54に係合するピン係合部64とキーインタロックケーブル72のケーブル接続部66とが設けられる。
【0036】
そして、図3に示す如く、セレクトレバー32がパーキング位置「P」にあり且つセレクトレバー32のセレクトノブ42に装着されたノブボタン40が押し込まれるように操作されると、デテントピン54がセレクトレバー32の軸方向に移動され、キーインタロックカム60の外周部位のピン係合部64を介して、キーインタロックカム60をキーシリンダ14の作動角度θまで回転させ、一方、ガイド溝88もキーインタロックカム60のカム回動軸62を中心に回転し、ガイド溝88の溝入口88Aがセレクトレバー32のガイドピン80と係合する位置に移動し、この状態から、図4に示す如く、セレクトレバー32がパーキング位置以外のセレクト位置としてのニュートラル位置「N」に揺動されると、ガイドピン80とガイド溝88とが係合され、キーインタロックカム60をキーシリンダ14の作動角度θに保持する。
【0037】
これにより、セレクト装置8の組立ライン上で、キーインタロックカム60のケーブル接続部66にキーインタロックケーブル72を接続するときに、従来、面倒な手順を実施していたが、この実施例においては、セレクトレバー32がニュートラル位置「N」にあっても、キーインタロックカム60がキーシリンダ14の作動角度θに保持されているので、この状態で、キーインタロックケーブル72をキーインタロックカム60に組み付け可能となり、従来、必要であったキーインタロックカム60を固定する治具が不要になり、部品点数を低減するとともに、キーインタロックケーブル72の組付作業を簡略させ、その組付作業性を向上することができる。つまり、セレクトレバー32がパーキング位置「P」で且つデテントピン54が作動した場合に、キーインタロックカム60に設けたガイド溝88がセレクトレバー32側のガイドピン80に係合するとともに、セレクトレバー32をパーキング位置「P」から他のセレクト位置であるニュートラル位置「N」へ移動した場合にも、常時、キーシリンダ14の作動角度θを保持しているので、キーインタロックケーブル72の組み付け時に、キーインタロックカム60をキーシリンダ14の作動角度θに保持するカム位置固定用治具を不要とし、部品点数を低減するとともに、キーインタロックケーブル72の調整作業を簡単に実施することができ、その組付作業性を向上することができる。
【0038】
また、キーインタロックカム60には、カム回動軸62の回動中心からの距離がデテントピン54との当接部90から離間する外周部位に、ガイド溝88を形成していることから、寸法の大きい円弧状のガイド溝88をキーインタロックカム60のカム回動軸62に対してデテントピン54より外周側に配置して、キーインタロックカム60を小型化することができるとともに、ガイド溝88の位置の自由度が大きくなり、レイアウト上有利とすることができる。
【0039】
更に、キーインタロックカム60は、デテントピン54との当接面92が、ガイド溝88の円弧状の内周壁86の外面に連続する面に形成されていることから、ガイド溝88の円弧状の内周面とデテントピン54との当接面92の距離を短く設定することができ、キーインタロックカム60をコンパクトに形成することができる。
【0040】
更にまた、ガイドピン80を、セレクトレバー32のパイプ状に形成されたレバー軸34上に直接突出して設けていることから、ガイドピン80を、別途の取付用のブラケットを介さずに、直接的にセレクトレバー32のパイプ状のレバー軸34上に設けることができ、別途にブラケットを不要とし、部品点数を低減するとともに、重量及びコストを低減することができる。
【0041】
図7は、この発明の特別構成であり、第2実施例を示すものである。
【0042】
以下の実施例においては、上述の第1実施例と同一機能を果す箇所には同一符号を付して説明する。
【0043】
この第2実施例の特徴とするところは、以下の点にある。即ち、ガイド溝88の円弧状の外周壁84の内面には、各セレクトレバー32の各セレクト位置でガイドピン80が係合するように、リバース位置でのリバース溝94Rと、ニュートラル位置でのニュートラル溝94Nと、ドライブ位置でのドライブ溝94Dと、ロー位置でのロー溝94Lとを形成した。
【0044】
この第2実施例の構成によれば、ガイドピン80が各セレクト位置で各溝94に係合するので、セレクトレバー32に節度感を出すことができ、別途の節度機構わ不要とし、構成が簡単で、廉価とすることができる。
【0045】
図8は、この発明の特別構成であり、第3実施例を示すものである。
【0046】
この第3実施例の特徴とするところは、以下の点にある。即ち、キーインタロックカム60のキーシリンダ14の作動角度θのパーキング位置「P」とニュートラル位置「N」とに対応させて、カム保持機構96を設けた。このカム保持機構96は、キーインタロックカム60の例えば他側突部70の端部位に取り付けたスプリング96Aと、このスプリング96Aの付勢力によってベースプレート30側で外側の径方向に押圧されるボール96Bと、セレクトレバー32がパーキング位置「P」及びニュートラル位置「N」でこのボール96Bが係合するように、ベースプレート30に形成したパーキング側ボール受け溝98P及びニュートラル側ボール受け溝98Nとからなる。
【0047】
この第3実施例の構成によれば、キーインタロックカム60がパーキング位置「P」のときに、カム保持機構96のボール96Bがベースプレート30のパーキング側ボール受け溝98Pに係合してキーインタロックカム60を保持するとともに、キーインタロックカム60がニュートラル位置「N」に回動したときには、カム保持機構96のボール96Bがベースプレート30のニュートラル側ボール受け溝98Nに係合してキーインタロックカム60を保持する。これにより、セレクトレバー32がニュートラル位置「N」にあっても、キーインタロックカム60をキーシリンダ14の作動角度θに保持することができ、構成が簡単で、キーインタロックカム60の大型化を防止するとともに、キーインタロックカム60を所定位置で確実に保持することができる。
【0048】
【発明の効果】
以上詳細な説明から明らかなようにこの発明によれば、キーインタロックケーブルの組み付け時に、キーインタロックカムをキーシリンダの作動角度に保持する治具を不要とし、部品点数を低減するとともに、キーインタロックケーブルの調整作業を簡単に実施することができ、その組付作業性を向上し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2のセレクト装置の要部拡大側面図である。
【図2】セレクトレバーがパーキング位置でデテントピンが非作動時のセレクト装置の側面図である。
【図3】セレクトレバーがパーキング位置でデテントピンが作動時のセレクト装置の側面図である。
【図4】セレクトレバーがニュートラル位置のセレクト装置の側面図である。
【図5】デテントプレートの側面図である。
【図6】キーシリンダを取り付けたステアリングコラムの斜視図である。
【図7】第2実施例においてガイド溝部位の側面図である。
【図8】第3実施例においてキーインタロックカム部位の側面図である。
【図9】従来において車両のステアリングコラム部位の側面図である。
【図10】従来においてキーインタロック作動時のキーシリンダの断面図である。
【図11】従来においてキーインタロック非作動時のキーシリンダの断面図である。
【図12】従来においてキーインタロック非作動時のセレクト装置の側面図である。
【図13】従来においてカム位置固定用治具を利用したキーインタロックケーブルの組立時の側面図である。
【図14】従来においてキーシリンダを取り付けたステアリングコラムの斜視図である。
【図15】従来においてカム位置固定用治具を利用したキーインタロックケーブルの組立時の側面図である。
【図16】従来においてデテントプレートの側面図である。
【符号の説明】
2 インストルメントパネル
4 車室
6 車両部材
8 セレクト装置
10 ステアリングコラム
14 キーシリンダ
30 ベースプレート
32 セレクトレバー
34 レバー軸
38 レバー揺動軸
42 セレクトノブ
46 デテント機構
48 デテントプレート
54 デテントピン
58 キーインタロック機構
60 キーインタロックカム
62 カム回動軸
72 キーインタロックケーブル
80 ガイドピン
84 外周壁
86 内周壁
88 ガイド溝
Claims (1)
- 車両前後方向に延びるセレクトレバーをこのセレクトレバーの下部且つ長手方向中央部に配設されるレバー揺動軸によってベースプレートに揺動可能に軸支し、前記セレクトレバーの車両後方側端部にノブボタンを備えたセレクトノブを配設し、前記ノブボタンの操作によって車両前方へ移動するデテントピンを前記セレクトレバーの前記レバー揺動軸より車両前方側に配設し、前記デテントピンの近傍に配設されるとともに前記デテントピンの軸心と平行に延びるカム回動軸に前記デテントピンの移動によって回動されるキーインタロックカムを支持し、このキーインタロックカムの外周部にキーシリンダと連絡するキーインタロックケーブルを接続し、前記セレクトレバーの外周面に前記カム回動軸と軸線が平行なガイドピンを突出させる一方、前記キーインタロックカムにはこのキーインタロックカムがキーインタロック機構の作動する位置に回動された場合に前記ガイドピンと係合する円弧状のガイド溝を形成し、前記キーインタロック機構が作動した状態で前記セレクトレバーがパーキング位置から他のセレクト位置に移動された場合、前記ガイドピンと前記ガイド溝とによって前記キーインタロックカムを前記キーインタロック機構が作動する角度に保持する自動変速機のセレクト装置において、前記ガイドピンを前記セレクトレバーの軸線上で前記デテントピンの車両前方側に配設し、前記セレクトレバーがパーキング位置にある場合にこのセレクトレバーの下部に隣接し且つ車両前後方向で前記ガイドピンより前記レバー揺動軸側の位置に前記カム回動軸を配設し、前記キーインタロックカムの下縁部に前記キーインタロックケーブルを接続する一方、前記キーインタロックカムの上縁部に前記デテントピンを挟む一対の突部を設け、これら突部のうち前記デテントピンの車両前方側に位置する突部に前記ガイド溝を車両後方側の突部の外周を覆う状態で配設し、前記キーインタロックカムの回動によって前記ガイド溝を前記セレクトレバーに沿って車両後方に延びる位置から前記ガイドピンと係合する位置に回動させるようにしたことを特徴とする自動変速機のセレクト装置。
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