JP4211090B2 - 地震検出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はガス遮断装置を内蔵したガスメータ等に取り付けられ、地震による振動を検知する地震検出装置に関し、さらに詳しくはその信号処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
危険性の高いガス事故を未然に防ぐため過去より種々の安全装置が利用されており、中でもガスの異常使用およびガス漏れ時等を検知しガスを遮断するガス遮断装置を内蔵したガスメータが注目されている。
【0003】
特に、電池電源とマイクロコンピュータと電磁遮断弁を内蔵し、マイクロコンピュータによりガスの使用状態を判断し異常のある場合は遮断弁によりガスを遮断するガスメータ(以下マイコンメータという)は安全性、経済性、ガス配管への取り付けの利便性などに優れているため全所帯に普及することを目指して取り組みが実施されるに至っている。
【0004】
一方、日本では地震が多発しており大きな被害が発生している。この地震によるガス事故の発生を未然に防止する目的で、前述のマイコンメータに感震器を内蔵しその信号判定を行い、「地震」であると判定した場合に遮断弁を閉止する地震検出装置が発明・考案され、実用化されている。
【0005】
以下従来の技術について図面に基づいて説明する。
【0006】
図12は従来の地震検出装置の一実施例の形態を示したものである。感震器1は一定の底面傾斜を有するポット電極2、その中に封入したボール接点3、ボール接点3の上部に設けている傘状電極4から成っている。ポット電極3の底面は規定以上の加速度が印加された場合、ボール接点3が動き出すようにその中央部の座の接触径と傾斜角度が調整されている。感震器1が加振され規定より大きな加速度が加わった場合、このボール接点3がポット電極4の中央部の座より動きだし、ポット電極2の底面に沿って振動運動を開始する。このとき、傘状電極4にボール接点3が接触し、ポット電極と傘状電極4が導通状態となり、端子5A、5B間にON信号を発生する。そして振動が収まると斜面の傾斜により生ずる重力分力によりボール接点3が傘状電極4より離れポット電極2の底面中央に戻り信号はOFFの状態になる。
【0007】
感震器1に加わる加速度が地震波のような繰り返し振動であれば、このボール接点3の運動も地震波の周波数とその加速度の大きさに合わせた振動運動を行い、ボール接点3は傘状電極4と接触・離脱を繰り返し、振動周期や加速度が大きければ継続時間が長く小さければ短いON信号を、端子5A、5B間に地震の振動に対応して出力する。
【0008】
このようにボール接点3の力学的運動を電気的ON・OFF信号に変換することにより、感震器1は地震波の加速度の周波数と大きさに対応した周期と継続・間隔時間を有するON・OFF信号を発生する。
【0009】
このON・OFF信号を信号処理部6に入力し「地震」であるか否かを判定する。図13に、従来の信号処理部6の信号処理方法の一実施の形態を示す。感震器1が出力した初回のON・OFF信号を信号処理部6が取り込むと(P31)、初回信号入力より規定時間t7以内であるかどうかを確認した後(P22)、まずON信号の継続時間L1を測定し(P23)信号の継続時間がある定められた時間L2以上あるか否かを判定する(P24)。次にOFF信号の継続時間L2を同様にある定められた時間L4以上あるか否かを判定する(P25、26)。
【0010】
このON・OFF信号が規定の条件を満たさない場合は、図13に示すフローで計測開始点に戻りON・OFF信号の継続時間を再び計測をやり直す(P32)。
【0011】
このON・OFF信号の継続時間が両方とも規定の条件を満たす場合、有効信号と判定して(P26)その数をNとしてカウントする(P27)。そして有効信号数MがON信号検出時点から予め所定の時間t7内に、予め所定の信号数M0に達した場合(P28)、信号処理部6はこの一連のON・OFF信号を地震によって発生したものと判断し感震信号を成立させ(P29)、例えばガス遮断弁を閉弁する信号を出力する(P30)。
【0012】
図14に感震信号の成立条件を示した模式図を示す。横軸に時間、縦軸に信号のON・OFFを取っている。ON信号の継続時間とOFF信号の継続時間の繰り返し計測を行い、規定の継続ON時間L1と規定のOFF時間L2の条件を満たす有効信号の数Mをカウントする。規定時間t7内に規定の有効信号数M0に達した場合、信号処理部6が感震信号を発するのを示している。
【0013】
現状の感震器は日本の震度階において震度5、ピーク加速度値で表現すると約80から250galの危険とされる「強震」より作動し信号を発するように調整されている。また実際の従来の地震判定ロジックに用いられる規定値は、一般的に約1から5Hzと低周波振動である地震波をとらえるため、継続ON時間L1を約30から50msec、間隔OFF時間L3を約30から50msec、規定有効信号数M0を3から5パルス、また地震の継続時間を考慮し規定有効時間t7を約1から3secとしていることが多い。
【0014】
次に実際に前記マイコンガス遮断装置を有するマイコンメータ内部に内蔵された感震器の作動を説明する。
【0015】
図15は地震が発生した時の感震器1に加わる加速度波形と感震器1が信号処理部6に送る出力信号の相関を示した一例を示す。横軸は時間で、縦軸はそれぞれ感震器1に印加された加速度と、感震器1が信号処理部6に送る信号を模式的にON・OFFで示している。
【0016】
一般に地震による振動の加速度の周波数は低周波で、約1から5Hzの間の周波数の加速度が支配的であり、このとき感震器1は図15に示すように地震波の加速度周期に従った低い周期で信号を出力する。この信号出力は前記の図12の信号処理部6に入力し、図13に示した判定ロジックに従い「地震」か否かが判定されるが、地震波の場合は周期が低くOFF時間が比較的長く、かつ地震波の加速度の大きさが十分大きい場合はON時間も長くなり、前記所定の継続ON時間L1と規定のOFF時間L2の条件を満たす有効信号が多く発生するため、信号処理部6はこの振動を「地震」と判断する。そして信号処理部6が「地震」であると判断した場合は特定の出力信号、例えばガス遮断弁を閉弁する信号を出力する。
【0017】
次に設置された感震器に「地震」ではなく「衝撃」が印加した場合について説明する。マイコンメータに加わる「衝撃」とは具体的には、人や物が誤ってマイコンメータ本体や配管に衝突する場合や、またLPG用マイコンメータではLPGボンベ交換時にLPGボンベが配管に衝突する事を指し、日常的に発生している。
【0018】
図16は実際の市場におけるマイコンメータの設置方法の一実施の形態を示した図である。感震器1はマイコンメータ21の本体に内蔵されている。通常マイコンメータ21は剛性を有する壁22などに取り付け部23で固定した配管24により地面25に対し固定される。配管24は地面25からの振動加速度をマイコンメータ21内部の感震器1に伝える媒体であるため高い剛性が求められるが、実際の現場では配管24のコストやガスメータ取り付け利便性より弾性を有する金属製のパイプが広く使用されている。よって配管24の取り付け部23から上部は単振動を行う振動系を形成する場合があり、その影響を受けにくくするため配管24の長さは規制されている。実際の現場では取り付け部23より配管24の最上部までの長さを配管長Aと呼び、マイコンメータ21の取り付け規定ではこの配管長Aは約1mを越えないように規定され、振動系の固有振動数が10HZ以上となるように設置している。これは配管24の振動の固有周期を地震波の周期の1から5Hzよりはずし、マイコンメータ21本体に強い衝撃が加わっても地震波と区別が出来るようにするための配慮である。この状態でマイコンメータ21本体に強い衝撃が印加した場合を想定する。
【0019】
図17は取り付け規定に基づき設置されたマイコンメータ21本体に強い衝撃が印加したときの感震器1に加わる加速度波形と感震器1が信号処理部6に送る出力信号を示した一例を示す。横軸は時間で、縦軸はそれぞれ感震器1に印加された加速度と、感震器1が信号処理部6に送る信号を模式的にON・OFFで示している。
【0020】
前述のように弾性を有する金属パイプ配管24でマイコンメータ21は固定されているため、マイコンメータ21本体に強い衝撃、約1G(約1000gal)以上の加速度が加わると配管24の取り付け部23から上部は単振動を行う。この単振動は配管長Aに反比例した固有周期の減衰していく単振動であるが、前述のように規定ではこの配管長Aは約1mを越えないように配管され、固有振動数が10Hz以上となるように設置されている。従って感震器1が出力するON・OFF信号の発生周期も高くなり、ON信号の継続時間L1とOFF信号の間隔時間L2が、前記所定の継続ON時間L3と規定のOFF時間L4の条件を満たすことがないため、有効信号が全く発生しないので信号処理部6はこの振動を「地震」では無いと判断する。この場合信号処理部6は前記のような特定の出力信号、例えばガス遮断弁を閉弁する信号は出力しない。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この感震器の出力信号に影響を与えるマイコンメータの設置条件や配管方法は前述のように約1m以下の短い配管長で剛体の壁や地盤に確実に固定することと規定されているが、実際の現場においては1mを越える長い配管長を施したり、2本の配管のうちの1本だけを固定する片持ち固定、軒下のぶら下げ固定、軟弱な壁への固定など、きわめて不確実な固定を行う施工例があるのが実状である。そのため上記従来の構成の地震検出装置では、信号処理部が感震器が出力したON・OFF信号を取り込んで、信号発生時点から規定の時間内に、規定の継続時間を有するON信号と規定の間隔時間を有するOFF信号を備えた有効信号の数が規定の数だけ発生するか否かで、感震器が受けた振動が「地震」であるか否かを判定しているため、感震器を内蔵したマイコンメータの設置状態が規定の条件から外れる場合に「地震ではない振動」、すなわち「衝撃」を受けた時も信号処理部が「地震」と誤判定する場合があり、マイコンメータに内蔵されるガス遮断弁を誤作動させガスの不要な供給停止を起こし問題となる場合がある。
【0022】
図18に感震器1を内蔵したマイコンメータ21の設置状態が取り付け規定の条件から外れる場合、具体的には配管長が1mを越える長さのマイコンメータ21に、強い「衝撃」、約1G(約980gal)以上の加速度、を受けた時の、感震器1に加わる加速度波形と感震器1が信号処理部6に送る出力信号を示した一例を示す。横軸は時間で、縦軸はそれぞれ感震器1に印加された加速度と、感震器1が信号処理部6に送る信号を模式的にON・OFFで示している。
【0023】
まず感震器1に加わる加速度、つまり衝撃が印加されたあとのマイコンメータ21の本体の挙動を説明する。前述のように弾性を有する金属パイプ配管24でマイコンメータ21は固定されているため、マイコンメータ21本体に強い衝撃が加わると配管24の取り付け部23から上部は配管長Aに反比例した固有周期の減衰単振動を行こなう。衝撃を印加した直後は振動系は比較的短い周期の振動を保つが、減衰して行くにつれてその振動系固有の周期となり、この例の場合は配管長Aが1mを越えているので固有周期が長くなり、約5Hzの減衰単振動を行うようになる。
【0024】
この時の感震器1から発生する信号は、マイコンメータ21の本体の挙動に合わせ衝撃が印加された直後は比較的周波数の高く継続・間隔時間の短いON・OFF信号を発生するため前述の信号処理部6は「地震」と判断しない。しかし振動系が減衰するにつれて振動の周波数が約5Hzと低くなるため、地震の振動周期と等しくなり継続・間隔時間の長いON・OFF信号である有効信号が発生してしまうため、信号処理部6は前記の判定ロジックに基づきこの地震でない振動である「衝撃」を「地震」と判定してしまう。そして信号処理部6は特定の信号(例えば、ガス遮断弁を閉弁する信号)を出力し、マイコンメータ21に内蔵されたガス遮断弁が作動しガスの供給を止めてしまう。このような不測のガス供給停止が発生すればガスの利用者はその利便性を大きく失うことになる。
【0025】
本発明はこのような従来の課題に鑑み、衝撃が印加された直後の感震器から発生する特徴的な信号を分析し、印加された振動が「衝撃」であるか否かを判定する信号処理ロジックを備え、衝撃が印加されたとき「地震」と誤判定しない地震検出装置を内蔵したマイコンメータを提供するものである。
【0026】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の地震検出装置では、地震波や衝撃波等の力学的振動の強さと周期を電気的にオン・オフ信号に変換する感震器と、オン信号の入力開始より所定の計測時間内で、地震波判定の場合より短く設定した継続時間を有するのオン・オフ信号の合計回数を計測し所定の回数に達した場合には、前記感震器に入力された振動は「衝撃」による振動と判定し、「衝撃」による振動と判定した時点より所定の時間は信号の処理判定を中断する信号処理部を有する構成としている。
【0027】
この本発明によれば、感震器に衝撃が加わった時にそれが「衝撃」によることを検知し、「地震」によるものではないと判定する地震検出装置を得ることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明は、地震波や衝撃波等の力学的振動の加速度の強さと周期を電気的にON・OFF信号に変換する感震器と、前記感震器からのオン・オフ信号を処理する信号処理部とからなり、信号処理部は振動入力時に前記感震器からの電気的信号を受け取り、ON信号の入力開始より所定の計測時間内で、地震波判定の場合より短く設定した所定の継続時間を有するのON信号とオフ信号の合計回数を計測し、計測したON信号とオフ信号の合計回数が前記感震器の出力特性やマイコンメータを設置する振動系に合わせ最適調整可能な所定の回数に達した場合には、前記感震器に入力した振動は衝撃による振動と判定する信号処理部を有したものであり、感震器に衝撃が印加された直後に感震器が出力する地震波に比して周波数の高く、継続時間の短い特徴的なON・OFF信号を捉えることが可能となり、感震器が受けた振動が「衝撃」によるもの判定できるという作用を有している。
【0029】
た、信号処理部は衝撃判定部と地震判定部と衝撃解除判定部とからなり、前記衝撃判定部は「衝撃」による振動と判定後は、前記感震器よりON・OFF信号が再び入力しても所定の時間は信号の処理判定を中断し、加えてON・OFF信号が所定時間入力しなかった場合に判定処理を再開することを特徴としたものであり、「衝撃」による振動と判定した時点よりON信号が入力しても所定の時間は信号の処理判定を中断するので、前述の感震器を内蔵するマイコンメータの設置状態が規定より外れているような軟弱な固定方法の場合においても、衝撃印加から後に振動系が地震の低い振動周期まで減衰し地震の時に発生する信号を感震器が出力し始めても「地震」によるものと誤判定しないという作用を有する。加えて衝撃判定した時点よりON信号が所定時間入力しなかった場合に判定処理を再開する信号処理を行い、衝撃による振動が収まった後は衝撃判定を解除し、自動的にその後の感震器の信号処理を再開する作用も有する。
【0030】
た、信号処理部の衝撃判定部は前記感震器の出力特性やマイコンメータを設置する振動系に合わせ最適調整可能なパラメータのオン信号時間とオフ信号時間と計測時間とを有し、オン信号の入力開始より所定の計測時間内で、所定の継続時間を有するオン信号と所定の継続時間を有するオフ信号を検出できなかった場合には、感震器に入力した振動は「衝撃」による振動と判定できるという作用を有している。
【0031】
【実施例】
以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。
【0032】
(実施例1)
基本的な構成は図12に示した従来例と同様に感震器1と信号処理部6よりなり、地震波や衝撃波の加速度の振動周期と大きさを電気的なON・OFF信号に変換する感震器1の構成や原理についても従来と同等のため説明は省略する。
【0033】
図1に実施例一の地震検出装置の感震器1からのON・OFF信号を処理する信号処理部6の動作、信号処理の基本ロジックを示す。感震器1が発したON信号が信号処理部6に入力すると、各カウンターをクリアーし最初の信号入力からの経過時間t1を計測するタイマーが起動する(P1、P2、P3)。そしてON信号の継続時間L1とOFF信号の継続時間L2を計測し(P4)、継続時間L1及びL2 が所定の時間L0に対して短いかどうかの判定を行い(P5)、短かければ有効ON信号または有効OFF信号とみなしその数N1 を加算し(P6)、長ければ無効信号とし次のON信号またはOFF信号の継続時間の計測を行う(P2へもどる)。なお有効ON信号またはOFF信号を定める継続時間L1、L2は、前述した低周波である地震波の判定ロジックにおける有効ON信号の継続時間に対して、比較的短く設定している。このように感震器1が送る一連のON信号の有効ON信号と有効OFF信号の合計数N1のカウントを行い、最初のON信号の入力時点から所定の時間t0内に、有効信号の数N1が所定の数N0に達した場合に(P7)、衝撃信号成立すなわち信号処理部6は前記感震器1に入力した振動は「衝撃」による振動と判定する(P8)ロジックをとっている。
【0034】
図2に衝撃信号の成立条件を示した模式図を示す。横軸に時間、縦軸に信号のON・OFFを取っている。所定時間t0以内に所定の継続時間L0を有する有効信号が所定の数N0に達した場合、信号処理部6が衝撃信号を発するのを示している。
【0035】
次に更に具体的に本実施例の地震検出装置を、各パラメータの設定を行い、図16に示したようにマイコンメータに組み込み実際に配管した場合の動作について説明する。本実施例では地震検出装置の衝撃実験を実施し各パラメータの設定値を決定したが、有効ON信号を定める継続時間L1及び有効OFF信号を定める継続時間L2は、前述した様に低周波である地震波の判定ロジックが有効ON・OFF信号の継続時間を約30から50msecとしたのに対して、5msec以下と比較的小さく設定している。また所定の有効信号の数N0は10回、信号入力からの所定の計測時間L0を1secとしている。
【0036】
図3に規定の取り付け規定に基づき設置したマイコンメータ本体に強い衝撃が印加されたときの感震器1に加わる加速度波形と感震器1が信号処理部6に送る出力信号を示した一例を示す。この時の配管長Aはマイコンメータ設置規定内である1m以下である。横軸は時間で、縦軸はそれぞれ感震器1に印加された加速度と、感震器1が信号処理部6に送る信号を模式的にON・OFFで示している。
【0037】
前述のようにマイコンメータ21本体に強い衝撃が加わると、配管24の取り付け部23から上部は地震の時よりも比較的高い周波数の単振動を行う。この単振動は配管長Aに反比例した固有周期を有した減衰単振動であるが、衝撃波が印加された直後の固有周期の周波数に同調するまでの間は固有周期より高周波の振動を行うため、感震器1は非常に周波数の高く継続時間も短いON信号を出力する。本実施例では有効ON信号の継続時間L0 を5msec以下と地震波判定のそれより比較的小さく設定し、衝撃判定を行う上での信号入力からの所定の計測時間t0 を1secと設定しているため、この衝撃印加直後の感震器1が出力する特徴的な高い周波数の短い継続時間のON・OFF信号を検知することが可能で、信号処理部6はこの振動を衝撃が印加されたことによって発生した振動と判断、衝撃信号を出力する。
【0038】
次に地震が発生した場合の本実施例の地震検出装置の動作について説明する。
【0039】
図4にマイコンメータ21本体に地震波が印加されたときの感震器1に加わる加速度波形と感震器1が信号処理部6に送る出力信号を示した一例を示す。前述のように地震による振動の加速度の周波数は低周波で、約1から5Hzの間の周波数の加速度が支配的であり、このとき感震器1は図4に示すように地震波の加速度周期に従った低い周期で信号を出力する。この信号出力は信号処理部6に入力するが、地震波の場合は周期が低くON・OFF時間が数10msecと比較的長いため、衝撃と判断する有効信号と見なされず信号処理部6はこの振動を衝撃が印加されたことによって発生した振動ではないと(P8b)判断、衝撃信号を出力しない。
【0040】
このように本発明の実施例の地震検出装置は上記の構成により、感震器が出力する信号を取り込み、ON信号入力開始からの所定の計測時間に、地震判定の場合より比較的短く所定の継続時間を有するON・OFF信号の数を計測し、所定の回数に達するかどうかという判定処理を行うので、衝撃を受けたとき感震器が出力する特徴的な高い周波数の短い継続時間のON・OFF信号を検出し、感震器が受けた振動が「衝撃」によるものか否かを判定できるものである。
【0041】
尚、本実施例では衝撃を判定する有効信号の所定継続時間をL0を5msec以下と設定したが、この数値は感震器の出力特性に合わせて調整できる。すなわち異なった出力特性の感震器であっても、衝撃判定の有効信号を決めるON信号の継続時間L0の値を地震の判定の場合よりも小さく取るという条件で調整すれば、前記判定ロジックにより衝撃を判定することが可能である。また衝撃判定を行う上での信号入力からの所定の計測時間t1を1sec、有効信号の数N1を10回と設定したが、使用する感震器の出力特性やマイコンメータを設置する振動系に合わせ最適の調整を行えば、更に優れた衝撃を検出・判定する能力を得ることができる。
【0042】
(実施例2)
以下、本発明の請求項2に記載の地震検出装置について、図面を参照しながら説明する。基本的な構成は実施例1と同様に従来例の構成である図12中の感震器1と信号処理部6よりなり、感震器1の構成や原理については従来と同等のため説明は省略する。
【0043】
図5に本実施例の地震検出装置の感震器1からのON・OFF信号を処理する信号処理部6の動作、信号処理の基本ロジックを示す。図中の波線で囲まれた部分(P9)は前記実施の形態1の信号処理ロジックで、感震器1が発した最初のON信号が入力され(P1)、前述の判定ロジックに基づき「衝撃」か否かの判定を行い(P10)、感震器1に印加した振動は「衝撃」による振動と判定する場合衝撃信号が成立する(P8)。この衝撃信号成立を受けて信号処理部6では以後入力してくる感震器1からの信号の地震判定を中断する(P12)。そして衝撃信号が成立してからまたは最後のON・OFF信号が入力してからの経過時間t4を計測するタイマーが作動し始める(P13)。衝撃信号成立後は感震器1からの信号に対しては「地震」であるか否かの判定は行わず、ただON・OFF信号の変化があるか否かの観測・判定を行う(P14)。
【0044】
衝撃信号成立後に感震器1からのON・OFF信号がある場合は、経過時間t4を計測するタイマーのクリアーを行ってから(P15)、再度ON信号の観測に移る(P14へもどる)。t4が所定時間t5に達している場合には信号処理部6は衝撃が印加されてから十分な時間が経過し感震器1に衝撃が印加されたことによって発生する信号は収まったと判断し、衝撃信号の成立解除を行い(P17)、感震器1からの信号の地震判定を再開し(P19)、以降に入力される信号については新たな判定を行う(P9へもどる)。また、感震器1に印加した振動が「衝撃」による振動でないと判定した場合は、感震器1からの信号に対しては「地震」であるか否かの判定は行い。衝撃有無の判定の解除は「衝撃」判定時と同様に感震器1からのON・OFF信号がある場合は、経過時間t4を計測するタイマーのクリアーを行ってから(P15)、再度ON信号の観測に移る(P14へもどる)。t4が所定時間t5に達している場合には信号処理部6は地震波が印加されてから十分な時間が経過し感震器1に地震波が印加されたことによって発生する信号は収まったと判断し、衝撃信号の不成立解除を行い(P17)、以降に入力される信号については新たな判定を行う(P9へもどる)。
【0045】
次に具体的に本実施例の地震検出装置を、各パラメータの設定を行い、マイコンメータに組み込み実際に配管した場合の動作について説明する。本実施例においても、地震検出装置の衝撃実験を実施し各パラメータの設定値を決定したが、衝撃の判定に用いるパラメータは実施例一と同一の有効ON信号及び有効OFF信号を定める継続時間L1、L2は5msec以下、所定の有効信号の数N0 は10回、信号入力からの所定の計測時間L0 を1secとした。そして衝撃信号成立からもしくは成立以降の最後のON・OFF信号が無くなってからの所定時間すなわちOFF信号の所定時間t5を5secと設定した。
【0046】
まず取り付け規定に基づき設置したマイコンメータ本体に強い「衝撃」が印加された場合を説明する。図3に示したように本実施例では衝撃印加直後の感震器1が出力する特徴的な高い周波数の短い継続時間のON信号を検知し、信号処理部6はこの振動を「衝撃」が印加されたことによって発生した振動と判断、衝撃信号が成立し地震判定を中止する。よって衝撃信号成立以降、感震器1の信号が消滅して5秒間は信号の処理を行わないため、感震器1の出力信号を「地震」によるものと誤判断しない。そのため例えばガス遮断弁を誤作動させてしまうことがない。
【0047】
次に「地震」が発生した場合の本実施例の地震検出装置の動作について説明する。実施例一に説明した図4に示すように、地震波の場合は周期が低くON・OFF時間が数10msecと比較的長いため、実施例の場合と同様に信号処理部6はこの振動を「衝撃」が印加されたことによって発生した振動ではないと判断し衝撃信号が成立しないため地震判定には全く影響を与えることがない。
【0048】
最後に本実施例の有効性が最も顕著に現れる、マイコンメータの設置状態が規定の条件から外れる場合、すなわちマイコンメータを取り付けが剛性を有さない場合、強い「衝撃」を受けた時の本実施例の地震検出装置の動作について説明する。
【0049】
図6に感震器を内蔵したマイコンメータ21の設置状態が規定の条件から外れる場合、具体例として配管長Aが1mを越える長さのマイコンメータに、強い衝撃、約1G(約980gal)以上の加速度を受けた時の一例を示す。前述のように、衝撃が印加されるとマイコンメータ21本体を支える配管24の取り付け部23から上部は配管長Aに反比例した固有周期の減衰単振動を行こなう。衝撃を印加した直後は振動系は比較的短い周期の振動を保つが、減衰して行くにつれてその振動系固有の周期となり、この例の場合は配管長Aが1mを越えているので固有周期が長くなり、約5HZの減衰単振動を行うようになる。
【0050】
この時の感震器1から発生する信号は、衝撃波が印加された直後の固有周期の周波数に同調するまでの間は固有周期より高周波の振動を行うため、感震器1は非常に周波数の高く継続時間も数msec以下と短いON・OFF信号が出力する。その後振動系が減衰するにつれて振動の周波数が約5Hzと低くなるため、地震の振動周期と等しくなり地震の時と同様な継続・間隔時間が数10msecと長いON・OFF信号が発生するようになる。
【0051】
本実施例では実施例1と同一の「衝撃」を判定する信号処理ロジックを有しているので、この衝撃印加直後の感震器1が出力する特徴的な高い周波数の短い継続時間のON・OFF信号を検知を行い、衝撃印加直後に信号処理部6はこの振動を「衝撃」が印加されたことによって発生した振動と判断し衝撃信号が成立する。そしてこの衝撃信号成立を受けて、信号処理部6では以後入力してくる感震器1からの信号の地震判定を中止し衝撃信号成立後は感震器1からの信号に対しては「地震」であるか否かの判定は行わないため、振動系が低い固有周期まで減衰して地震の時と同様な継続・間隔時間が長いON・OFF信号が発生するようになってもこの信号を「地震」であると誤判定をしない。そのため、従来の地震検出装置のように信号処理部より特定の出力信号(例えば、ガス遮断弁を閉弁する出力信号)を出力し、マイコンメータ21に内蔵されたガス遮断弁が作動しガスの供給を止めてしまうことはない。また5秒以上の間感震器1からのON・OFF信号が無くなった場合は、信号処理部6は感震器1に衝撃による信号の発生は終息したと判断し、衝撃信号の成立解除を行い感震器1からの信号の判定を再開する信号処理方法を採っているため、衝撃による振動中または直後に地震が発生したとしても自動的に地震の判定に移ることができる。
【0052】
尚本実施例の効果を説明するために、設置が規定の条件から外れた配管長Aが1mを越える長さのマイコンメータに強い衝撃を受けた場合を具体例としたが、衝撃印加直後の感震器が出力する衝撃波に特徴的な高い周波数の短い継続時間のON・OFF信号を検知を行い地震判定を中止する信号処理方法を採っているため、その後の振動系の挙動や感震器からの信号に影響されないので、2本の配管のうち1本だけを固定する片持ち配管、軒下ぶら下がり配管、軟弱地盤・壁への取り付けなどのきわめて不安定な固定方法に対しても有効である。
【0053】
また本実施例では地震判定を再開する時期を決定する最後のON信号がOFFになってからの所定時間t5を5secと設定したが、マイコンメータを設置する振動系に合わせ最適の調整を行えば、更に優れた衝撃を検出・判定する能力を得ることができる。
【0054】
次に図7に本発明の請求項2に記載の他の実施例である地震検出装置の、感震器からのON・OFF信号を処理する信号処理部の動作、信号処理の基本ロジックを示す。図中の波線で囲まれた信号処理部P9は前記実施例1にて説明した実施例の信号処理部で、感震器が発したON・OFF信号が信号処理部に入力し前述の判定ロジックに基づき「衝撃」か否かの判定を行う。またその下の波線で囲まれた信号処理部P20は前記実施例2にて説明した信号処理部の成立した衝撃信号を解除するための信号処理部である。さらに右上側の波線で囲まれた信号処理部P20bは前記実施例2にて説明した信号処理部の不成立した衝撃判定を解除するための信号処理部である。そして図中右下側に記した波線で囲まれた信号処理部P21は前記従来の技術として説明した「地震」を判定する信号処理部である。個々の信号処理部の動作・処理方法は前記と全く同様のため説明は省略し、衝撃判定部(P9、P20、P20b)と地震判定部(P21)との結合部分についてのみ説明する。
【0055】
感震器1からの初回のON信号が信号処理部6に入力すると、最初の信号入力からの経過時間t1 を計測するタイマーが作動し始まる(P1)。そしてその経過時間t1が衝撃判定のための所定時間t0内であればON・OFF信号の継続時間L1、L2を計測し(P2、P3)、継続時間L1またはL2 が衝撃判定のための所定の時間L0 に対して短いかどうかの判定を行う(P5)。このとき入力した信号がこの条件を満たせば、「衝撃」を判定するための有効信号であると判定し衝撃判定を行う(P6)。一方判定する経過時間t1が所定時間t0を越えている場合(P3)、または継続時間L1またはL2 が所定の時間L0 に対して長いと判定した場合は(P5)、入力した信号は「衝撃」の有効信号ではないと判定し、信号処理は地震判定部(P21)に移り、前述の信号処理方法に則り「地震」か否かを判定する。このように信号処理部6は感震器1から入力してくる信号に対し、初回信号入力からの経過時間t1とON・OFF信号の継続時間L1、L2を測定・判定し、信号を衝撃判定部(P9、P20、P20b)と地震判定部(P21)に振り分ける。そして入力した信号を「衝撃」と判定した場合は地震判定を中断し、「地震」と判断した場合は信号を出力し、例えばガス遮断弁を作動させガスを遮断する。
【0056】
以上に記したように、実施例2で先に説明した衝撃を検出する信号処理部を従来の地震を検出する信号処理部に組み込んで、「衝撃」と「地震」を同時に判定する信号処理が実施可能である。
【0057】
(実施例3)
以下、本発明の請求項3に記載の地震検出装置について、図8を参照しながら説明する。基本的な構成は実施例1と同様に従来例の構成である図12中の感震器1と信号処理部6よりなり、感震器1の構成や原理については従来と同等のため説明は省略する。感震器1が発したON信号が信号処理部6に入力すると、各カウンターをクリアーし最初の信号入力からの経過時間t1 を計測するタイマーが起動する(P1、P2、P3)。そしてON信号の継続時間L1 とOFF信号の継続時間L2を計測し(P4)、ON信号の継続時間L1が所定時間LHi以上を(P31)検出したとき所定時間以上のON有り(P32)をセットする。また、OFF信号の継続時間L2 が所定の時間Llow 以上(P34)を検出した場合には所定時間以上のOFF有り(P35)をセットする。また、上記条件を満足さない場合は、次のON信号またはOFF信号の継続時間の計測を行う(P2へもどる)。このように最初のON信号の入力時点から所定の時間t0 内に、所定時間以上のON有りと所定時間以上のOFF有りが成立しなかった場合に(P36)、衝撃信号成立すなわち信号処理部6は前記感震器1に入力した振動は「衝撃」による振動と判定する(P8)ロジックをとっている。
【0058】
次に具体的に本実施例の地震検出装置を、各パラメータの設定を行い、図16に示したようにマイコンメータに組み込み実際に配管した場合の動作について説明する。本実施例では地震検出装置の衝撃実験を実施し各パラメータの設定値を決定したが、有効ON信号を定める継続時間L1及び有効OFF信号を定める継続時間L2は、前述した様に低周波である地震波の判定ロジックが有効ON・OFF信号の継続時間を約30から50msecとしたのに対して、L1は40msec以上、L2は80msec以上と設定している。また信号入力からの所定の計測時間L0を1secとしている。
【0059】
尚、本具体実施例では衝撃を判定する有効信号の所定継続時間をLHiを40msec以上、Llowを80msec以上と設定したが、この数値は感震器の出力特性に合わせて調整できる。すなわち異なった出力特性の感震器であっても、衝撃判定の有効信号を決めるON信号の継続時間LHi及びOFF信号の継続時間Llowの値を調整すれば、前記判定ロジックにより衝撃を判定することが可能である。
【0060】
また衝撃判定を行う上での信号入力からの所定の計測時間t1を1secと設定したが、使用する感震器の出力特性やマイコンメータを設置する振動系に合わせ最適の調整を行えば、更に優れた衝撃を検出・判定する能力を得ることができる。
【0061】
(実施例4)
本発明の請求項4に記載の地震検出装置について、図9を参照しながら説明する。基本的な構成は実施例1と同様に従来例の構成である図12中の感震器1と信号処理部6よりなり、感震器1の構成や原理については従来と同等のため説明は省略する。感震器1が発したON信号が信号処理部6に入力すると、各カウンターをクリアーし最初の信号入力からの経過時間t1を計測するタイマーが起動する(P1、P2、P3)。そしてON信号の継続時間L1とOFF信号の継続時間L2を計測し(P4)、ON信号の継続時間L1が所定時間LHi以上を(P31)検出しその後のOFF信号の継続時間L2 が所定の時間Llow 以上(P34)を検出した場合には所定時間のON・OFF信号有り(P40)をセットする。
【0062】
また、上記条件を満足さない場合は、次のON信号をON信号が成立していればOFF信号の継続時間の計測を行う(P2へもどる)。このように最初のON信号の入力時点から所定の時間t0 内に、所定時間以上のON・OFF有りが成立しなかった場合に(P40b)、衝撃信号成立すなわち信号処理部6は前記感震器1に入力した振動は「衝撃」による振動と判定する(P8)ロジックをとっている。
【0063】
次に具体的に本実施例の地震検出装置を、各パラメータの設定を行い、図16に示したようにマイコンメータに組み込み実際に配管した場合の動作について説明する。本実施例では地震検出装置の衝撃実験を実施し各パラメータの設定値を決定したが、有効ON信号を定める継続時間L1及び有効OFF信号を定める継続時間L2 は、前述した様に低周波である地震波の判定ロジックが有効ON・OFF信号の継続時間を約30から50msecとしたのに対して、L1は40msec以上、L2は80msec以上と設定している。また信号入力からの所定の計測時間L0を1secとしている。
【0064】
尚、本実施例では衝撃を判定する有効信号の所定継続時間をLHiを40msec以上、Llowを80msec以上と設定したが、この数値は感震器の出力特性に合わせて調整できる。すなわち異なった出力特性の感震器であっても、衝撃判定の有効信号を決めるON信号の継続時間LHi及びOFF信号の継続時間Llowの値を調整すれば、前記判定ロジックにより衝撃を判定することが可能である。また衝撃判定を行う上での信号入力からの所定の計測時間t1を1secと設定したが、使用する感震器の出力特性やマイコンメータを設置する振動系に合わせ最適の調整を行えば、更に優れた衝撃を検出・判定する能力を得ることができる。
【0065】
(実施例5)
本発明の請求項5に記載の地震検出装置について、図10を参照しながら説明する。基本的な構成は実施例1と同様に従来例の構成である図12中の感震器1と信号処理部6よりなり、感震器1の構成や原理については従来と同等のため説明は省略する。感震器1が発したON信号が信号処理部6に入力すると、各カウンターをクリアーし最初の信号入力からの経過時間t1を計測するタイマーが起動する(P1、P2、P3)。そしてON信号の継続時間L1とOFF信号の継続時間L2を計測し(P4)、継続時間L1及びL2 が所定の時間L0に対して短いかどうかの判定を行い(P5)、短かければ有効ON信号または有効OFF信号とみなしその数N1 を加算し(P6)、長ければ無効信号とし右の点線で囲まれた第二の衝撃判定に移る。第二の衝撃判定は先程のON信号の継続時間L1が所定時間LHi以上を(P31)検出したとき所定時間以上のON有り(P32)をセットする。
【0066】
また、OFF信号の継続時間L2が所定の時間Llow以上(P34)を検出した場合にはON有りが成立している場合に限って所定時間以上のOFF有り(P35)をセットする。また、上記条件を満足しない場合は次のON信号またはOFF信号の継続時間の計測を行う(P2へもどる)。なお有効ON信号またはOFF信号を定める継続時間L1、L2は、前述した低周波である地震波の判定ロジックにおける有効ON、OFF信号の継続時間と同等に設定している。このように感震器1が送る一連のON信号の有効ON信号と有効OFF信号の合計数N1のカウントを行い、最初のON信号の入力時点から所定の時間t0内に、有効信号の数N1が所定の数N0に達しない場合(P7)かつ所定の時間t0内に、所定時間以上のON有りと所定時間以上のOFF有りが成立しなかった場合に(P36)、衝撃信号成立すなわち信号処理部6は前記感震器1に入力した振動は「衝撃」による振動と判定する(P8)ロジックをとっている。
【0067】
次に具体的に本実施例の地震検出装置を、各パラメータの設定を行い、図16に示したようにマイコンメータに組み込み実際に配管した場合の動作について説明する。本実施例では地震検出装置の衝撃実験を実施し各パラメータの設定値を決定したが、有効ON信号を定める継続時間L1及び有効OFF信号を定める継続時間L2は、前述した様に低周波である地震波の判定ロジックが有効ON・OFF信号の継続時間を約30から50msecとしたのに対して、L0は40msec以下のON・OFF回数を5回または、L1は40msec以上、L2は80msec以上と設定している。また信号入力からの所定の計測時間L0を1secとしている。
【0068】
尚、本実施例では衝撃を判定する有効信号の所定継続時間をL0を40msec以下、ON・OFF回数を5回、LHiを40msec以上、Llowを80msec以上と設定したが、この数値は感震器の出力特性に合わせて調整できる。すなわち異なった出力特性の感震器であっても、衝撃判定の有効信号を決めるON・OFF信号の継続時間L0とON・OFF回数N0とON信号の継続時間LHi及びOFF信号の継続時間Llowの値を調整すれば、前記判定ロジックにより衝撃を判定することが可能である。また衝撃判定を行う上での信号入力からの所定の計測時間t1を1secと設定したが、使用する感震器の出力特性やマイコンメータを設置する振動系に合わせ最適の調整を行えば、更に優れた衝撃を検出・判定する能力を得ることができる。
【0069】
(実施例6)
本発明の請求項6に記載の地震検出装置について、図11を参照しながら説明する。基本的な構成は実施例1と同様に従来例の構成である図12中の感震器1と信号処理部6よりなり、感震器1の構成や原理については従来と同等のため説明は省略する。感震器1が発したON信号が信号処理部6に入力すると、各カウンターをクリアーし最初の信号入力からの経過時間t1を計測するタイマーが起動する(P1、P2、P3)。そしてON信号の継続時間L1とOFF信号の継続時間L2より(P4)、ON・OFF信号の周期すなわち周波数を測定(P60)し所定値以上の周波数であれば衝撃信号成立(P8)とする。また、上記条件を満足さない場合は、次のON信号またはOFF信号の継続時間の計測を行う(P2へもどる)。このように最初のON信号の入力時点から所定の時間t0 内に、所定周波数以上のON・OFF信号が成立した場合に(P61)、衝撃信号成立すなわち信号処理部6は前記感震器1に入力した振動は「衝撃」による振動と判定する(P8)ロジックをとっている。
【0070】
次に具体的に本実施例の地震検出装置を、各パラメータの設定を行い、図16に示したようにマイコンメータに組み込み実際に配管した場合の動作について説明する。本実施例では地震検出装置の衝撃実験を実施し各パラメータの設定値を決定したが、衝撃信号かを判定する感震器信号の周波数F1は5Hz以上と設定している。また信号入力からの所定の計測時間L0 を3secとしている。
【0071】
尚、本実施例では衝撃を判定する感震器信号の所定周波数をF1を5Hz、以上と設定したが、この数値は感震器の出力特性に合わせて調整できる。すなわち異なった出力特性の感震器であっても、衝撃判定の感震器信号の周波数F1の値を調整すれば、前記判定ロジックにより衝撃を判定することが可能である。また衝撃判定を行う上での信号入力からの所定の計測時間t1 を3secと設定したが、使用する感震器の出力特性やマイコンメータを設置する振動系に合わせ最適の調整を行えば、更に優れた衝撃を検出・判定する能力を得ることができる。
【0072】
【発明の効果】
以上のように本発明の地震検出装置によれば以下の効果がある。
【0073】
本発明の地震検出装置は、感震器が出力する信号を取り込み、ON信号入力開始からの所定の計測時間に、地震判定の場合より比較的短く所定の継続時間を有するON・OFF信号の数を計測し、所定の回数に達するかどうかという判定処理を行うので、衝撃を受けたとき感震器が出力する特徴的な高い周波数の短い継続時間のON・OFF信号を検出するため、従来の地震検出装置では検出できなかった受けた振動が「衝撃」によるものか否かという判定が可能となるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1における地震検出装置の信号処理部の基本ロジックを示すフローチャート
【図2】 同装置の信号処理部の衝撃信号成立条件を説明する図
【図3】 マイコンメータ本体に強い衝撃が印加された時に感震器に加わる加速度と出力信号及び同装置の信号処理方法を示す図
【図4】 マイコンメータに地震波が印加された時に感震器に加わる加速度と出力信号及び同装置の信号処理方法を示す図
【図5】 本発明の実施例2における地震検出装置の信号処理部の基本ロジックを示すフローチャート
【図6】 配管長が1mを越えて設置したマイコンメータ本体に強い衝撃が印加された時に感震器に加わる加速度と出力信号及び同装置の信号処理方法を示す図
【図7】 本発明の実施例2における別の地震検出装置の信号処理部の基本ロジックを示すフローチャート
【図8】 本発明の実施例3における地震検出装置の信号処理部の基本ロジックを示すフローチャート
【図9】 本発明の実施例4における地震検出装置の信号処理部の基本ロジックを示すフローチャート
【図10】 本発明の実施例5における地震検出装置の信号処理部の基本ロジックを示すフロチャート
【図11】 本発明の実施例6における地震検出装置の信号処理部の基本ロジックを示すフロチャート
【図12】 従来の地震検出装置の構成を示した断面図
【図13】 同装置の信号処理部の基本ロジックを示すフローチャート
【図14】 同装置の信号処理部の感震信号成立条件を説明する図
【図15】 マイコンメータに地震波が印加された時に感震器に加わる加速度と出力信号及び同装置の信号処理方法を示す図
【図16】 マイコンメータの設置状態を示す正面及び側面図
【図17】 マイコンメータ本体に強い衝撃が印加された時に感震器に加わる加速度と出力信号、及び従来の地震検出装置の信号処理方法を示す図
【図18】 配管長が1mを越えて設置したマイコンメータ本体に強い衝撃が印加された時に感震器に加わる加速度と出力信号及び同装置の信号処理方法を示す図
【符号の説明】
1 感震器
6 信号処理部

Claims (1)

  1. 地震波や衝撃波等の力学的振動の加速度の強さと周期を電気的にオン・オフ信号に変換する感震器と、前記感震器からのオン・オフ信号を処理する信号処理部とからなり、信号処理部は振動入力時に前記感震器からの電気的信号を受信し、オン信号の入力開始より所定の計測時間内のオン信号とオフ信号の合計回数を計測し、この合計回数が前記感震器の出力特性やマイコンメータを設置する振動系に合わせ最適調整可能な所定の回数に達した場合には、前記感震器に入力した振動は衝撃による振動と判定する信号処理部を有する地震検出装置において、
    前記信号処理部は衝撃判定部と地震判定部と衝撃解除判定部とからなり、前記衝撃判定部は衝撃による振動と判定後は、前記感震器よりオン・オフ信号が再び入力しても所定の時間は信号の処理判定を中断し、オン・オフ信号が所定時間入力しなかった場合には判定処理を再開し、かつ、
    前記信号処理部の前記衝撃判定部は前記感震器の出力特性やマイコンメータを設置する振動系に合わせ最適調整可能なパラメータのオン信号時間とオフ信号時間と計測時間とを有し、オン信号の入力開始より所定の計測時間内で、所定の継続時間を有するオン信号と所定の継続時間を有するオフ信号を検出できなかった場合には、前記感震器に入力した振動は衝撃による振動と判定する、
    地震検出装置。
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