JPH08160149A - 地震判別推論装置およびこれを用いたガスメータ - Google Patents

地震判別推論装置およびこれを用いたガスメータ

Info

Publication number
JPH08160149A
JPH08160149A JP29821394A JP29821394A JPH08160149A JP H08160149 A JPH08160149 A JP H08160149A JP 29821394 A JP29821394 A JP 29821394A JP 29821394 A JP29821394 A JP 29821394A JP H08160149 A JPH08160149 A JP H08160149A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
earthquake
time
inference
disturbance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP29821394A
Other languages
English (en)
Inventor
Keiichi Fujiwara
啓一 藤原
Hideki Muraoka
東樹 村岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Omron Corp
Original Assignee
Omron Corp
Omron Tateisi Electronics Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Omron Corp, Omron Tateisi Electronics Co filed Critical Omron Corp
Priority to JP29821394A priority Critical patent/JPH08160149A/ja
Publication of JPH08160149A publication Critical patent/JPH08160149A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Volume Flow (AREA)
  • Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)
  • Geophysics And Detection Of Objects (AREA)
  • Emergency Alarm Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】地震の判別精度を高めて誤判別および誤判別に
基づくガスの遮断を防止する。 【構成】感震器8のON/OFF信号から外乱に起因す
る固有振動周波数のON/OFF信号を外乱信号除去手
段12で除去した後に、推論手段13によって地震であ
るか否かを推論し、あるいは、感震器8のON/OFF
信号から振動波形が乱れる初期のON/OFF信号を除
去した後に、推論手段13によって地震であるか否かを
推論する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、地震や衝撃などの振動
が加わったときに、地震であるか否かを判別推論する地
震判別推論装置および該装置を内蔵して地震発生時にガ
スの供給を遮断するガスメータに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、LPGや都市ガスなどのガスメ
ータでは、感震器を内蔵し、この感震器のON/OFF
信号に基づいて地震を検出し、地震の発生時には、ガス
の供給を遮断するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、感震器のO
N/OFF信号が、地震に起因するものであるのか、あ
るいは、一般的な外乱による衝撃に起因するものである
のかの判別は、容易ではない。このため、従来のガスメ
ータでは、例えば、ガスボンベの交換の際の衝撃あるい
は猫が飛び乗った際の衝撃などによっても地震であると
して誤判別し、ガスの供給を遮断してしまう場合があっ
た。
【0004】本発明は、上述の点に鑑みて為されたもの
であって、地震の判別精度を高めた地震判別推論装置お
よびこの装置を用いたガスメータを提供することを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明では、上述の目的
を達成するために、次のように構成している。
【0006】すなわち、請求項第1項記載の本発明の地
震判別推論装置は、振動波形に対応するON/OFF信
号を出力するON/OFF信号出力手段を備え、地震で
あるか否かを判別推論する地震判別推論装置であって、
予め特定されている当該装置の設置状態における固有振
動周波数に基づいて、前記ON/OFF信号出力手段か
ら入力されるON/OFF信号の内、前記固有振動周波
数に対応するON/OFF信号を除去して出力する外乱
信号除去手段と、外乱信号除去手段からのON/OFF
信号に基づいて、地震であるか否かを推論する推論手段
とを備えている。
【0007】請求項第2項記載の本発明の地震判別推論
装置は、請求項第1項記載の地震判別推論装置におい
て、前記固有振動周波数を予め特定するためのテストモ
ードを設定するモード設定手段を備え、前記外乱信号除
去手段は、前記テストモードにおけるON/OFF信号
出力手段からのON/OFF信号に基づいて、前記固有
振動周波数を特定するものである。
【0008】請求項第3項記載の本発明の地震判別推論
装置は、振動波形に対応するON/OFF信号を出力す
るON/OFF信号出力手段と、前記ON/OFF信号
出力手段から入力される前記ON/OFF信号の内、初
期の所定期間に亘るON/OFF信号を除去して出力す
る初期信号除去手段と、初期信号除去手段からのON/
OFF信号に基づいて、地震であるか否かを推論する推
論手段とを備えている。
【0009】請求項第4項記載の本発明のガスメータ
は、請求項第1項ないし第3項のいずれかに記載の地震
判別推論装置を備えるとともに、地震であるとの推論結
果に応答してガスの供給を遮断するものである。
【0010】
【作用】請求項第1項記載の地震判別推論装置によれ
ば、設置状態における地震判別推論装置の固有振動周波
数を予め特定しておき、ON/OFF信号出力手段のO
N/OFF信号から前記固有振動周波数に対応するON
/OFF信号を除去することにより、外乱衝撃に起因す
るON/OFF信号を除去できることになり、地震であ
るか否かの推論を精度よく行えることになる。
【0011】請求項第2項記載の地震判別推論装置によ
れば、テストモードを設定することにより、外乱信号除
去手段は、テストモードにおけるON/OFF信号出力
手段からのON/OFF信号に基づいて、固有振動周波
数を特定するので、実際の設置状態に応じた固有振動周
波数が特定されることになる。
【0012】請求項第3項記載の地震判別推論装置によ
れば、衝撃が印加された直後のような乱れた振動波形に
基づく初期のON/OFF信号は除去するので、地震で
あるか否かの推論を精度よく行えることになる。
【0013】請求項第4項記載のガスメータによれば、
請求項第1項ないし第3項のいずれかに記載の地震判別
推論装置からの精度の高い推論結果に応じて、地震の発
生時には、ガスの供給を遮断できることになる。
【0014】
【実施例】以下、図面によって本発明の実施例につい
て、詳細に説明する。
【0015】図1は、本発明の一実施例に係るガスメー
タの設置状態を示す外観斜視図である。
【0016】ガスメータ1の正面には、計量したガス量
を表示する表示部2が設けられており、このガスメータ
1の上端部は、地中から延びる2つの配管31,32に接
続支持されており、各配管31,32は、支柱ユニット4
に固定的に取り付けられている。この支柱ユニット4の
垂直に延びる2本の支柱4a,4bの下部は、図2に示
されるように、地中に埋設されている。
【0017】各配管31,32は、その途中が分岐されて
おり、フレキシブルな分岐配管51,52が、2つのLP
ガスのガスボンベ61,62にそれぞれ接続されている。
【0018】この実施例のガスメータ1は、地震や衝撃
による振動が加わったときに、地震であるか否かを推論
する地震判別推論装置を内蔵するとともに、この地震判
別推論装置で地震であると推論されたときに、ガスの供
給を遮断する遮断弁を内蔵している。
【0019】図3は、ガスメータ1に内蔵された地震判
別推論装置7のブロック図である。この実施例の地震判
別推論装置7は、振動によってON/OFF信号を出力
するON/OFF信号出力手段としての感震器8と、マ
イクロコンピュータ9と、後述のテストモードを設定す
るモード設定手段10とを備えており、マイクロコンピ
ュータ9は、感震器8からのON/OFF信号をサンプ
リングするサンプリング手段11と、後述のようにして
外乱によるON/OFF信号を除去する外乱信号除去手
段12と、この外乱信号除去手段12からのON/OF
F信号に基づいて、地震であるか否かを推論する推論手
段13としての機能を備えている。
【0020】推論手段13は、ON/OFF信号に基づ
いて、ON周期、ON時間総和およびON時間最大値の
3つの特徴量を抽出する特徴量抽出部14と、これら特
徴量に基づいて、地震であるか否かをON周期毎にファ
ジィ推論する推論部15とを有する。
【0021】感震器8は、図4(A)に示されるような
振動波形に対して、予め定められているしきい値を越え
た点をON点として、図4(B)に示されるようなON
/OFF信号を出力するものである。
【0022】サンプリング手段11は、所定のサンプリ
ング周期、例えば、10msecで感震器8からのON
/OFF信号をサンプリングする。
【0023】外乱信号除去手段12は、サンプリング手
段11からのON/OFF信号のデータの内、衝撃など
の外乱に起因するON/OFF信号のデータを除去して
出力する。
【0024】ここで、外乱に起因するON/OFF信号
除去の基本的な原理について説明する。
【0025】例えば、図5に示されるように、質量Wの
物体を長さLの支持部材16で支持した1自由度系の振
動モデルに衝撃を加えた場合には、その衝撃による固有
振動周波数fは、次式で示される。
【0026】
【数1】
【0027】但し、k=ばね定数 =3EI/L3 このような固有振動周波数での振動は、あらゆる構造物
について生じるものであり、支持ユニット4で支持され
たガスメータ1に外乱による衝撃が加わった場合にも生
じるものであるが、その固有振動周波数は、ガスメータ
1の質量、支持ユニット4の長さ、配管の長さ、固定の
方法等の設置状態によって相違するものである。 そこ
で、設置状態におけるガスメータ1の固有振動周波数を
予め特定しておき、感震器8のON/OFF信号から前
記固有振動周波数に対応するON/OFF信号を除去す
ることにより、外乱衝撃に起因するON/OFF信号を
除去できることになり、地震であるか否かの推論を精度
よく行えることになる。
【0028】ガスメータ1の固有振動周波数の特定は、
コンピュータによるシュミレーション演算によって行う
ことも可能であるが、この実施例では、実際に一定の衝
撃をガスメータ1に加え、そのときの固有振動周波数を
測定するようにしている。
【0029】再び、図3を参照して、この実施例では、
予め固有振動周波数を特定するためのテストモードをモ
ード設定手段10によって設定する。このテストモード
の設定は、基本的には、ガスメータ1が最初に設置され
た際に行われるものであり、このテストモードにおいて
は、ガスメータ1に対して、一定の衝撃、例えば、ゴム
ハンマーで殴打したり、あるいは、テンションゲージで
一定の力を印加して解除し、固有振動を生じさせる。
【0030】この実施例では、モード設定手段10によ
るテストモードの設定は、例えば、図6のガスメータ1
の破断斜視図に示されるように、カバー17の内部の両
端子181,182間を、該カバー17を取り外して短絡
させることによって行われる。すなわち、この実施例で
は、カバー17の内部に設けられている端子181,1
2がモード設定手段10としての機能を有する。な
お、他の実施例として、前記カバー17内部あるいは不
用意に操作されない位置に、モード設定用のスイッチ等
を設けるようにしてもよい。
【0031】外乱信号除去手段12は、このテストモー
ドにおける前記一定の衝撃に対応するサンプリング手段
11からのON/OFF信号のデータに基づいて、ガス
メータ1の設置状態における固有振動周波数を特定す
る。
【0032】図7は、このテストモードにおける処理の
手順を示すフローチャートであり、先ず、ON/OFF
信号のサンプリング処理を行い(ステップn1)、サン
プリングされた振動波形を確認し(ステップn2)、O
N時間が前回のON時間と同じであるか否かを判断し
(ステップn3)、同じであるときには、OFF時間が
前回のOFF時間と同じであるか否かを判断し(ステッ
プn4)、同じであるときには、固有振動周波数の特定
を行う(ステップn5)。
【0033】この実施例では、固有振動周波数を、ON
時間およびOFF時間として特定するものである。
【0034】なお、ステップn3,n4において、ON
時間およびOFF時間を、前回と比較するのは、振動波
形が安定したことを確認するためである。すなわち、衝
撃の印加直後には、振動波形が安定せず、正確な固有振
動周波数の特定ができないためである。
【0035】次に、テストモードが解除されて通常モー
ドが設定されている状態では、外乱信号除去手段12
は、サンプリングされたON/OFF信号のデータから
予め特定された固有振動周波数に対応するON/OFF
信号のデータを除去して推論手段13に出力する。
【0036】この実施例では、テストモードで特定され
た固有振動周波数に対応するON時間およびOFF時間
に、サンプリング誤差等を考慮して所定の時間範囲を設
け、このON時間範囲およびOFF時間範囲に入るON
/OFF信号は、外乱衝撃によるON/OFF信号であ
るとして除外するのである。
【0037】図8は、この通常モードにおける処理の手
順を示すフローチャートであり、先ず、ON/OFF信
号のサンプリング処理を行い(ステップn1)、サンプ
リングされた振動波形を確認し(ステップn2)、ON
時間が、テストモードで予め特定された固有振動周波数
に対応する所定のON時間範囲内であるか否かを判断し
(ステップn3)、ON時間範囲内であるときには、O
FF時間が、テストモードで予め特定された固有振動周
波数に対応する所定のOFF時間範囲内であるか否かを
判断し(ステップn4)、OFF時間範囲内であるとき
には、外乱衝撃によるON/OFF信号であるとしてス
テップn1に戻る。
【0038】ステップn3,n4において、固有振動周
波数に対応する所定のON時間範囲内あるいはOFF時
間範囲内にないときには、外乱衝撃によるON/OFF
信号ではないとして、推論手段13に与え、推論手段1
3では、後述のようにして地震判定処理を行う(ステッ
プn5)。
【0039】推論手段13は、以上のようにして外乱衝
撃に起因するON/OFF信号が除去されたON/OF
F信号に基づいて、ON周期、ON時間総和およびON
時間最大値の3つの特徴量を特徴量抽出部14で抽出
し、これら特徴量に基づいて、地震であるか否かをON
周期毎に推論部15でファジィ推論する。
【0040】なお、これらの特徴量は、最初のON信号
が入力された時点からON信号が順次入力される各時点
までにサンプリングしたデータに基づくものであり、前
記各時点において、対応する特徴量に基づいて推論を行
うものである。すなわち、特徴量は、ON信号が入力さ
れる度に、最初のON信号が入力された時点からのデー
タに基づいて順次更新されていくものである。
【0041】特徴量抽出部14は、図4に示される感震
器8のON/OFF信号からON周期、ON時間総和
(=ON時間1+ON時間2+ON時間3+…)および
ON時間最大値の3つの特徴量を、ON信号が与えられ
る度にデータサンプリングして抽出するものであり、特
に、この実施例では、ON周期については、ON周期
(短、中、長)の発生度数を特徴量としている。
【0042】すなわち、この実施例では、以下の5つの
特徴量を抽出するものである。
【0043】ON時間総和 ON時間最大値 ON周期(短)発生度数=ON周期が140msec
未満の発生回数 ON周期(中)発生度数=ON周期が140msec
〜400msec未満の発生回数 ON周期(長)発生度数=ON周期が400msec
以上の発生回数 このように、ON時間総和(ON時間の合計)、ON時
間最大値およびON周期発生度数を特徴量として抽出す
るのは、次のような理由に基づくものである。
【0044】先ず、ON時間総和は、振動の継続時間を
表す指標となるものであり、感震器から出力されるON
時間は、所定加速度以上の速度ということができ、この
とき、次式に示されるように、ON時間総和は、振動エ
ネルギーと相関があることになり、したがって、ON時
間総和は、振動の強さを表す指標となる。
【0045】E=(1/2)mV2 (E:エネルギ
m:質量 V:速度) E∝V2 また、ON時間最大値は、半周期当たりの揺れの強さを
表すものであり、直下型地震の場合には、振動の継続時
間は、比較的短く半周期当たりのエネルギが大きいこと
から特徴量とするものである。
【0046】さらに、感震器から出力されるON周期か
ら所定の加速度以上の周波数帯域(周期帯域)を大局的
に把握することが可能となる。
【0047】このON周期は、振動周期の1/2となる
ので、ON周期が140msec未満のON周期(短)
は、振動周期=0.28秒未満(周波数=3.6Hz以
上)の帯域に対応し、この帯域は、地震波と衝撃波の一
部重なった帯域となり、ON周期が140msec以上
400msec未満のON周期(中)は、振動周期=
0.28秒〜0.8秒(周波数=1.25Hz〜3.5
Hz)の帯域に対応し、地震波の卓越周波数が最も多く
なる、いわば、地震波の中心周波数帯域となり、ON周
期が400msec以上のON周期(長)は、振動周期
0.8秒(周波数=1.25Hz)以上の帯域となり、
軟弱地盤における地震波の応答および超高層ビルの応答
周期(周波数)の帯域となる。
【0048】次に、かかる特徴量に基づく、ファジィ推
論について説明する。
【0049】図9は、上述の5つの特徴量のメンバーシ
ップ関数を示している。
【0050】同図(A)はON時間総和のメンバーシッ
プ関数を示しており、「短」、「中」および「長」の3
つのラベルを有しており、「短」は、ON時間総和が1
40msec未満に対応し、「中」は、ON時間総和が
140msec以上400msec未満に対応し、
「長」は、ON時間総和が400msec以上に対応す
る。
【0051】例えば、ON時間総和が、140msec
未満の値であったとすると、ラベル「短」の適合度は、
「1」となり、ラベル「中」および「長」の適合度は、
「0」となる。
【0052】同図(B)はON周期(短)発生度数のメ
ンバーシップ関数を示しており、「少」および「多」の
2つのラベルを有しており、「少」は、ON周期(短)
の発生度数の3回以下に対応し、「多」は、ON周期
(短)の発生度数の4回以上に対応する。例えば、ON
周期(短)発生度数が、3回以下の値であったとする
と、ラベル「少」の適合度は、「1」となり、ラベル
「多」の適合度は、「0」となる。
【0053】同図(C)はON周期(中)発生度数のメ
ンバーシップ関数を示しており、「少」および「多」の
2つのラベルを有しており、「少」は、ON周期(中)
の発生度数の7回以下に対応し、「多」は、ON周期
(中)の発生度数の8回以上に対応する。例えば、ON
周期(中)発生度数が、7回以下の値であったとする
と、ラベル「少」の適合度は、「1」となり、ラベル
「多」の適合度は、「0」となる。
【0054】同図(D)は、ON周期(長)発生度数の
メンバーシップ関数を示しており、「少」および「多」
の2つのラベルを有しており、「少」は、ON周期
(長)の発生度数の3回以下に対応し、「多」は、ON
周期(長)の発生度数の4回以上に対応する。例えば、
ON周期(長)発生度数が、3回以下の値であったとす
ると、ラベル「少」の適合度は、「1」となり、ラベル
「多」の適合度は、「0」となる。
【0055】同図(E)は、ON時間最大値のメンバー
シップ関数を示しており、「短」および「長」の2つの
ラベルを有しており、「短」は、ON時間最大値が20
0msec未満に対応し、「長」は、ON時間最大値が
200msec以上に対応する。例えば、ON時間最大
値が、200msec未満の値であったとすると、ラベ
ル「短」の適合度は、「1」となり、ラベル「長」の適
合度は、「0」となる。
【0056】図10は、地震判別の推論ルールを示す図
である。
【0057】この実施例では、以下の7つのルールによ
って地震であるか否かを判別するものである。
【0058】ルール1. if ON時間総和が短 and ON周期(短)発生
度数が少 andON周期(中)発生度数が多 then 地震 ルール2. if ON時間総和が短 and ON周期(短)発生
度数が少 andON周期(長)発生度数が多 then 地震 ルール3. if ON時間総和が中 and ON周期(中)発生
度数が少then 地震 ルール4. if ON時間総和が中 and ON周期(短)発生
度数が少 andON周期(中)発生度数が多 then 地震 ルール5. if ON時間総和が中 and ON周期(短)発生
度数が少 andON周期(長)発生度数が多 then 地震 ルール6. if ON時間総和が長 and ON周期(長)発生
度数が多 then 地震 ルール7. if ON周期(短)発生度数が多 and ON周期
(中)発生度数が多and ON時間最大値が長 then 地震 すなわち、この実施例では、上述のメンバーシップ関数
により求めた1,0の適合度(グレード)をこれらのル
ールに従って論理積演算を行ってその結果が1となった
ときは、地震、0となったときには、地震でないとする
ものである。
【0059】次に、これらのルールがどのような地震を
想定して規定されているかを以下に説明する。
【0060】先ず、ルール1およびルール2は、比較的
柔らかい地盤での地震を想定したものであり、ON時間
総和は短いけれども、ON周期(中)の発生度数が多い
ことから地震の典型的な周波数成分を有した振動と考え
られる。なお、誤動作を回避するために、ON周期
(短)発生度数の少との論理積をとっている。
【0061】ルール3は、直下型地震を想定したもので
あり、ON周期(中)発生度数が少で、かつ、ON時間
総和が中であるから、振動数は少ないものの、ON時間
総和が中位ということから、単位周期当たりの揺れが強
く危険であると考えられる。
【0062】ルール4およびルール5は、比較的震源が
遠くて強い地震を想定したものであり、振動周期が中か
ら長であり、ON時間総和が中位であるということから
継続時間の長い地震であり、危険な地震と考えられる。
なお、震源が遠い場合その反射波・揺れの強さにより振
動が長くなるものである。また、誤動作を回避するため
に、ON周期(短)発生度数の少との論理積をとってい
る。
【0063】ルール6は、軟弱地盤での地震および高層
ビルにおける地震揺れを想定したものであり、ON時間
総和が長く、ON周期(長)発生度数が多いことから非
常に大きなエネルギーの振動であると考えられる。
【0064】ルール7は、固い地盤での地震および非常
に被害の大きな地震を想定したものであり、振動の揺れ
成分が広い帯域に亘って発生し、かつON時間最大値が
大きいことから非常に大きな地震であると考えられる。
【0065】次に、以上の構成を有する地震判別推論装
置の通常モードにおける動作を図11のフローチャート
および図12のタイミングチャートに基づいて説明す
る。
【0066】この地震判別推論装置では、感震器8から
ON信号が与えられる度に、すなわち、ON周期毎に、
データをサンプリングし、固有振動周波数に対応するO
N/OFF信号が除去された後に、上述の特徴量を抽出
し、推論を行うものである。すなわち、ON信号が与え
られる度に、最初のON信号が入力された時点からのデ
ータに基づいて特徴量が順次新たに更新され、この更新
された特徴量に基づいて推論を行うものである。さら
に、この実施例では、最初のON信号が与えられてから
5秒経過したときに、データのサンプリングおよび推論
を打ち切ってクリア状態として、改めて処理を最初から
開始するものであり、また、最後にON信号が与えられ
てから2.5秒以上経過しても新たなON信号が与えら
れないときには、推論を終了するものである。
【0067】先ず、感震器8がONして最初のON信号
が与えられると(ステップn1)、上述の5秒のタイマ
をスタートさせ(ステップn2)、この5秒のタイマま
たは2.5秒のタイマがタイムアップしたか否かを判断
し(ステップn3)、タイムアップしたときには、地震
でないとして終了し、タイムアップしていないときに
は、感震器8がONしたか否か判断し(ステップn
4)、感震器8がONしてON信号が与えられると、
2.5秒のタイマを更新し(ステップn5)、データの
サンプリングを、例えば、10msec以下のサンプリ
ング周期で行い(ステップn6)、固有振動周波数に対
応するON/OFF信号のサンプリングデータを除去し
た後に、上述の特徴量を抽出し(ステップn7)、抽出
した特徴量に基づいて、上述のようにして推論し(ステ
ップn8)、地震であるか否か判断し(ステップn
9)、地震であるときには、対応する出力を与え、地震
でないときには、ステップn3に戻る。なお、地震であ
るとの推論結果に基づいて、遮断弁が閉じられてガスの
供給が遮断される。
【0068】以上のように、設置状態におけるガスメー
タ1の固有振動周波数を予め特定しておき、感震器8の
ON/OFF信号から外乱衝撃に起因する固有振動周波
数に対応するON/OFF信号を除去して地震であるか
否かの推論を行うので、地震の判別精度を高めることが
可能となり、例えば、ガスボンベの交換の際の衝撃ある
いは猫が飛び乗った際の衝撃などの外乱によって地震で
あると誤判別することが有効に防止される。
【0069】さらに、この実施例では、地震波/衝撃波
の卓越周期に着目し、振動周期に対応するON周期を特
徴量としているので、地震以外の衝撃による誤判別を一
層低減できるものであり、また、振動エネルギと比例関
係にあるON時間総和および半周期当たりの振動の強さ
に対応するON時間最大値を特徴量としているので、危
険な振動も判別できることになる。
【0070】図13は、本発明の他の実施例のブロック
図であり、上述の実施例に対応する部分には、同一の参
照符号を付す。
【0071】この実施例の地震判別推論装置は、上述の
実施例の外乱信号除去手段12およびモード設定手段1
0に代えて、衝撃が印加された直後の所定期間に亘るO
N/OFF信号を除去して出力する初期信号除去手段1
9を設けている。
【0072】衝撃が印加された直後は、振動波形が乱れ
るので、かかる振動波形に基づいて、地震であるか否か
の判定を行うと、その判定精度が低下することになるの
で、この実施例では、最初のON/OFF信号から所定
期間に亘るON/OFF信号を除去するものである。
【0073】この所定期間は、振動波形が安定し、しか
も、地震時の判定に影響を与えない範囲で実験的に定め
られるものであり、この実施例では、例えば1秒間とし
ている。
【0074】図14は、この初期信号除去手段19によ
る初期信号除去の処理の手順を示すフローチャートであ
り、先ず、サンプリング処理を行い(ステップn1)、
最初の振動波形から1秒以上経過したか否かを判断し
(ステップn2)、経過していないときには、ステップ
n1に戻ってサンプリング処理を行い、経過していると
きには、推論手段13にON/OFF信号のサンプリン
グデータを与え、処理を継続する(ステップn3)。
【0075】その他の構成は、上述の実施例と同様であ
る。
【0076】なお、上述の各実施例では、外乱信号除去
手段12および初期信号除去手段19を、それぞれ個別
に設けたけれども、本発明の他の実施例として、両手段
12,19を併せて設け、初期信号を除去するととも
に、外乱信号を除去して一層精度の高い判定を行うよう
にしてもよい。
【0077】上述の実施例では、外乱信号除去手段12
は、固有振動周波数に対応するON時間およびOFF時
間に基づいて外乱信号を除去したけれども、本発明の他
の実施例として、固有振動周波数に対応する周期に基づ
いて外乱信号を除去してもよく、あるいは、固有振動周
波数に対応するON時間、OFF時間および周期の少な
くとも一つに基づいて外乱信号を除去するように構成し
てもよい。
【0078】例えば、固有振動周波数に対応するON周
期に基づいて、外乱信号を除去する場合には、予め特定
した固有振動周波数が、例えば6Hzであるとすると、
周期T=166.7msであり、理想的な感震器のON
周期T/2=83.3msとなるはずであるが、減衰振
動によるONパルス幅の変化やサンプリングによるON
周期データのばらつきを考慮して、例えば 70ms<ON周期<100ms の条件を満たす場合には、外乱信号として除去するので
ある。
【0079】上述の実施例では、推論手段13は、ON
周期、ON時間総和およびON時間最大値の3つの特徴
量に基づいて推論を行ったけれども、本発明の他の実施
例として、これらの内の少なくとも一つの特徴量に基づ
いて推論してもよく、あるいは、上記特徴量に限らず、
ON時間あるいはOFF時間を特徴量として抽出して地
震であるか否かを推論してもよい。
【0080】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、設置状態
における地震判別推論装置の固有振動周波数を予め特定
しておき、ON/OFF信号出力手段のON/OFF信
号から外乱衝撃に起因する前記固有振動周波数に対応す
るON/OFF信号を除去して推論を行い、あるいは、
衝撃が印加された直後のような乱れた振動波形に基づく
初期のON/OFF信号は除去して推論を行うので、地
震であるか否かの推論を精度よく行えることになり、従
来のような誤判別および誤判別に基づくガスの遮断を有
効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のガスメータの設置状態を示
す斜視図である。
【図2】図1の支持ユニットの設置方法を示す斜視図で
ある。
【図3】図1のガスメータに内蔵された地震判別推論装
置のブロック図である。
【図4】振動波形に対応する感震器の出力を示す図であ
る。
【図5】固有振動周波数を説明するための振動モデルを
示す図である。
【図6】ガスメータの拡大斜視図である。
【図7】動作説明に供するフローチャートである。
【図8】動作説明に供するフローチャートである。
【図9】各特徴量のメンバーシップ関数を示す図であ
る。
【図10】推論のルールを示す図である。
【図11】動作説明に供するフローチャートである。
【図12】動作説明に供するタイミングチャートであ
る。
【図13】本発明の他の実施例のブロック図である。
【図14】動作説明に供するフローチャートである。
【符号の説明】
1 ガスメータ 4 支持ユニット 7 地震判別推論装置 8 感震器 9 マイクロコンピュータ 10 モード設定手段 12 外乱信号除去手段 13 推論手段 19 初期信号除去手段

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動波形に対応するON/OFF信号を
    出力するON/OFF信号出力手段を備え、地震である
    か否かを判別推論する地震判別推論装置であって、 予め特定されている当該装置の設置状態における固有振
    動周波数に基づいて、前記ON/OFF信号出力手段か
    ら入力されるON/OFF信号の内、前記固有振動周波
    数に対応するON/OFF信号を除去して出力する外乱
    信号除去手段と、 外乱信号除去手段からのON/OFF信号に基づいて、
    地震であるか否かを推論する推論手段と、 を備えることを特徴とする地震判別推論装置。
  2. 【請求項2】 前記固有振動周波数を予め特定するため
    のテストモードを設定するモード設定手段を備え、 前記外乱信号除去手段は、前記テストモードにおけるO
    N/OFF信号出力手段からのON/OFF信号に基づ
    いて、前記固有振動周波数を特定するものである前記請
    求項第1項に記載の地震判別推論装置。
  3. 【請求項3】 振動波形に対応するON/OFF信号を
    出力するON/OFF信号出力手段と、 前記ON/OFF信号出力手段から入力される前記ON
    /OFF信号の内、初期の所定期間に亘るON/OFF
    信号を除去して出力する初期信号除去手段と、 初期信号除去手段からのON/OFF信号に基づいて、
    地震であるか否かを推論する推論手段と、 を備えることを特徴とする地震判別推論装置。
  4. 【請求項4】 前記請求項第1項ないし第3項のいずれ
    かに記載の地震判別推論装置を備えるとともに、地震で
    あるとの推論結果に応答してガスの供給を遮断すること
    を特徴とするガスメータ。
JP29821394A 1994-12-01 1994-12-01 地震判別推論装置およびこれを用いたガスメータ Pending JPH08160149A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29821394A JPH08160149A (ja) 1994-12-01 1994-12-01 地震判別推論装置およびこれを用いたガスメータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29821394A JPH08160149A (ja) 1994-12-01 1994-12-01 地震判別推論装置およびこれを用いたガスメータ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08160149A true JPH08160149A (ja) 1996-06-21

Family

ID=17856686

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29821394A Pending JPH08160149A (ja) 1994-12-01 1994-12-01 地震判別推論装置およびこれを用いたガスメータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08160149A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001325683A (ja) * 2000-05-15 2001-11-22 Matsushita Electric Ind Co Ltd ガス保安システム
JP2012202940A (ja) * 2011-03-28 2012-10-22 Ishii Iron Works Co Ltd 衝撃振動抑制装置を備えたガスメータ
JP2019090706A (ja) * 2017-11-15 2019-06-13 矢崎エナジーシステム株式会社 ガスメータ

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001325683A (ja) * 2000-05-15 2001-11-22 Matsushita Electric Ind Co Ltd ガス保安システム
JP4626011B2 (ja) * 2000-05-15 2011-02-02 パナソニック株式会社 ガス保安システム
JP2012202940A (ja) * 2011-03-28 2012-10-22 Ishii Iron Works Co Ltd 衝撃振動抑制装置を備えたガスメータ
JP2019090706A (ja) * 2017-11-15 2019-06-13 矢崎エナジーシステム株式会社 ガスメータ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6196335B1 (en) Enhancement of drill bit seismics through selection of events monitored at the drill bit
EP0361216B1 (en) Loose rock detector
CN110953487B (zh) 一种管道泄漏检测方法及设备
JP4503068B2 (ja) 緊急遮断システム及び緊急遮断システムの使用方法
JP3958538B2 (ja) コンクリート打音検査方法、及びコンクリート打音検査装置
CN106845429A (zh) 振动信号分级判断识别方法、落石能量规模计算方法、落石危险预警方法
JP2007198813A (ja) 震度計
US20220260737A1 (en) Seismic observation device, seismic observation method, and recording medium in which seismic observation program is recorded
TWI809293B (zh) 地震觀測裝置、地震觀測方法以及記錄地震觀測程式的記錄媒體
JPH08160149A (ja) 地震判別推論装置およびこれを用いたガスメータ
CN108682101A (zh) 基于双门限法的振动光纤入侵事件检测方法
JPH0720248A (ja) 地震判別推論装置
JP3350830B2 (ja) 地震判別方法および装置
JPH08145776A (ja) 地震判別推論装置
JPH0389124A (ja) 感震器
JPH08145775A (ja) 地震判別推論装置
KR100365139B1 (ko) 지진파 수신 장치
JPH09229757A (ja) 感震装置
JP2021071332A (ja) 地震動の到達判定方法、地震動の到達判定システム
JPH09133774A (ja) 地震検出装置
JP2002071446A (ja) 発破爆ごう検知装置
JPH09280940A (ja) 感震装置
JP4211090B2 (ja) 地震検出装置
De Stefano et al. SHM on historical heritage. Robust methods to face large uncertainties
JPH09145444A (ja) ガスメータ並びにその衝撃検出方法及びその制御方法