JP4210985B2 - 乳化状スープの濁り及び風味の増強法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、家畜由来の骨部位を水性媒体中で煮沸して得られる骨抽出液を安定な乳化状態に保ち、濁り、風味の増強されたスープに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に工業的に豚骨スープなどの骨抽出物を用いた乳化状スープを調製する場合、油、調味料などの原料を沸騰しない条件下でディスパーサー等の剪断乳化装置を用いて混合乳化する方法が用いられる。
【0003】
また、工場で大量生産された豚骨スープなどの骨抽出物を用いた乳化状スープは、濃縮、殺菌、包装、保存、流通などの工程を経て、飲食店に供給され、そこで、希釈、加熱、調味などの最終的な調理を行ってスープに仕上げる場合がある。
【0004】
市販されている即席ラーメンに用いられている豚骨スープなどは、調理時に熱水に混合して乳化状スープを得るのが一般的である。豚骨スープなどの骨抽出物を用いたスープの製造工程では、原材料に含まれる油性成分を製品中に均一に分散させ、安定に乳化させておくことが好ましい態様である。
【0005】
豚骨ラーメン用のスープのように、油性成分の含有量が多い場合、油性成分をスープ中に均一に分散もしくは乳化させるために、従来から合成化合物からなる乳化剤あるいは分散剤を添加することは広く行われている。しかしながら、合成化合物からなる乳化剤や分散剤は、安全性の観点から自由に用いることは出来ず、食品添加物として認定されたものであっても使用量、使用方法に制限があり、また風味の点からもスープ本来の風味を損なうという欠点があった。
【0006】
そのため、天然原料由来の乳化剤としてスープ溶液中に存在する油性成分とほぼ同量のゼラチンを添加しておき、豚骨ラーメン用の希釈用スープを薄めてスープを作ったときに、このゼラチンの乳化特性によって油性成分がスープ中に均一に分散されるようにしているものもある。しかし、ゼラチンだけではスープ中に油性成分を均一に乳化もしくは分散させる能力が十分でなく、ディスパーサー等の剪断乳化装置を用いて乳化処理を施した場合も、スープの表面に油が浮いてしまうという問題が生じた。ゼラチンの添加量を増やせば、ある程度は油性成分に対する乳化能力を向上させることができるが、ゼラチンの添加量があまり増えると、ゼラチン特有の強い臭いや味がスープにつくことになり、スープ本来の風味を損なうという新たな欠点が生じた。また、ゼラチンの添加量が増えると、スープの温度が下がったときに、ゼラチンがゲル化してしまい、スープの舌触りや風味が悪くなるという問題も生じた。
【0007】
又、酸処理ゼラチンとアルカリ処理ゼラチンをある重量比率で混合し、乳化剤が添加され油性成分を含む材料のpHを、両者の等電点の間の値に設定することによって、油性成分を良好に乳化させることを可能とした方法が提案されている(特許文献1参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開平5−3772号公報
【0009】
しかし、この場合も使用するゼラチンについて予め酸・アルカリ処理しておく必要があること、混合比やpHが限定されることなどから、使い勝手という点ではなお改良の余地がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は豚骨スープのような油性成分を多量に含む乳化状スープを製造する際に、油性成分が均一に乳化もしくは分散された、乳白色の良好な濁りを付与するとともに、スープ本来の持つ良好な風味を発揮できる乳化状スープを提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意研究した結果、ヘモグロビンやミオグロビンが上記目的に合致し、油性成分を多量に含む骨抽出液の乳化を促進し、しかも風味を増強する作用を有することに着目し、ヘモグロビン、ミオグロビンまたはそれらを含有する素材を、該骨抽出液に添加することにより、良好な濁りと乳化状スープ独特の風味が増強することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0015】
本発明の第1は、家畜由来の骨部位を水性媒体中で煮沸し、発生したアクを取り除くアク抜き処理を施して得られる骨抽出液から家畜の骨部位を除いた後にヘモグロビン及び/又はミオグロビンを添加混合するか、もしくはアク抜き処理を施してあるヘモグロビン及び/又はミオグロビンを含有する畜肉エキス又は魚肉エキスを添加混合し、ヘモグロビン及び/又はミオグロビンの量が鉄含有換算で0.001〜100ppmとなるようにして加熱処理することを特徴とする乳化状スープの濁り及び風味の増強法である。
【0016】
本発明の第2は、家畜由来の骨部位を水性媒体中で煮沸し、発生したアクを取り除くアク抜き処理を施して得られる骨抽出液から家畜の骨部位を除いた後、容器内に充填、密封し、50℃以下で保管された骨抽出液にヘモグロビン及び/又はミオグロビンを添加混合するか、もしくはアク抜き処理を施してあるヘモグロビン及び/又はミオグロビンを含有する畜肉エキス又は魚肉エキスを添加混合し、ヘモグロビン及び/又はミオグロビンの量が鉄含有換算で0.001〜100ppmとなるようにして70〜120℃で加熱することを特徴とする乳化状スープの濁り及び風味の増強法である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明では家畜由来の骨部位を使用するが、その中でもコストや安定供給の点から豚骨、牛骨、鶏骨等を使用するのが良く、常法により0.5〜500倍重量の水に浸漬して0.1〜100時間煮沸して骨抽出液である乳化状スープを調製する。調製過程中に発生するアクはその都度できるだけ取り除かれる。
【0018】
骨抽出液が調製されたならば、骨抽出液から家畜の骨部位を除いた後、該骨抽出液に含まれる油性成分を安定な乳化状態に保持するために、ヘモグロビン及び/又はミオグロビンを添加混合するか、もしくはアク抜きを施してあるヘモグロビン及び/又はミオグロビンを含有する畜肉エキス又は魚肉エキスを添加混合する。
【0019】
ところで、ヘモグロビンは哺乳動物の血液中に約32〜34%含まれている。他方、ミオグロビンは食肉の赤身に多く含まれており、胸最長筋のミオグロビン含量は豚が0.06%、牛が0.50%、馬が0.80%であると報告されている。
【0020】
ビーフエキスなどの畜肉エキスや魚肉エキスにはこれらのタンパク質が含まれているため、ヘモグロビンやミオグロビンの精製品を用いなくても、これらのタンパク質を含む畜肉エキス、魚肉エキス等を用いても良い。畜肉エキスの添加は、特に乳化状スープ独特の風味の増強効果をもたらすので、好ましい。
【0021】
畜肉エキス、魚肉エキスはヘモグロビン及び/又はミオグロビンを含むものであれば限定されないが、特に赤味を含む肉由来の畜肉エキス、その中でも、牛、豚、鶏由来やマグロやカツオなどの魚由来が好ましい。また本発明で畜肉エキス、魚肉エキスを用いるとアクの発生を抑制されることも利点である。
【0022】
骨抽出物を用いた乳化状スープの調製の際には、豚骨や牛骨などの骨部位には生肉や生血が残存している場合がある。この場合もこれらの生肉や生血が骨と同時に水性媒体に投入され煮られることで、ヘモグロビンやミオグロビンが溶出し乳化状スープの濁りや風味の増強に寄与をする。しかしこの場合には、生肉や生血の残存量にばらつきがあるため、ヘモグロビンやミオグロビンの量を一定にしてスープを調製することは困難である。また、骨の煮だし初期に大量のアクが生成し、風味に悪影響を与えるので、それを適宜除去する操作が必要となるが、その際にヘモグロビンやミオグロビンも同時に取り除かれてしまう。
【0023】
本発明において重要なことは、豚骨や牛骨などの骨部位にヘモグロビンやミオグロビンを含む生肉や生血が残存しているか否かに関わりなく、骨部位以外にヘモグロビン及び/またはミオグロビン、もしくはヘモグロビン及び/またはミオグロビンを含有する畜肉エキス又は魚肉エキスを添加することである。
【0024】
豚骨や牛骨などの骨部位にヘモグロビンやミオグロビンを含む生肉や生血が残存している場合は、アク抜き処理を施して調製した骨抽出液から家畜の骨部位を除いた後、ヘモグロビンやミオグロビンを添加することにより濁りや風味が更に良好な状態になる。また添加する時期もコントロールできるためアクを低減させ濁りや風味のみを好みの程度にコントロールできる。血抜き工程を経て豚骨や牛骨などの骨部位にヘモグロビンやミオグロビンを含む生肉や生血が残存していない場合はヘモグロビンやミオグロビンの添加量を適宜調節することにより濁りや風味を好みの程度にコントロールできる。
【0025】
本発明においてヘモグロビン、ミオグロビンまたはそれらを含有する畜肉エキス又は魚肉エキスを添加する時期は特に限定されない。骨部位の抽出を行う加熱初期、加熱途中、調製後のスープに添加して再加熱というようにいろいろなケースが可能であり、いずれのケースも効果が認められた。しかしながら加熱の初期段階からヘモグロビン、ミオグロビンを加えるとアクとりによってヘモグロビン、ミオグロビンが取り除かれる可能性があり、またアクの発生原因となることもある。その場合は、骨部位の煮だし初期で大量に発生するアクを取り除いた後に入れると良い。
【0026】
水性媒体中で骨部位の抽出操作を行い、アク抜き処理を施して得られた骨抽出液から家畜の骨部位を除去してから容器内に充填、密封され、50℃以下の温度、例えば室温もしくは0〜5℃のチルド帯もしくは冷凍帯の温度で一旦保管された骨抽出液を使用してもよく、この場合、容器を開封して取り出された骨抽出液にヘモグロビン及び/又はミオグロビンを添加混合するか、もしくはアク抜き処理を施してあるヘモグロビン及び/又はミオグロビンを含有する畜肉エキス又は魚肉エキスを添加混合し、ヘモグロビン及び/又はミオグロビンの量が鉄含有換算で0.001〜100ppmとなるようにして70〜120℃で加熱すれば、ヘモグロビン、ミオグロビンによる乳化が効果的に行われる。
【0027】
添加濃度はヘモグロビン、ミオグロビンを鉄含有換算で0.001〜100ppm、好ましくは0.01〜10ppmが適当である。
【0028】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
【0029】
実施例1
[豚骨スープの調製法]
スープの原料となる豚骨には血や肉が付着しており、定量性を出すためにそれらを洗浄し、血抜き工程を経た後にスープを製造した。
【0030】
豚骨(豚ゲンコツ)6kgを直径30cmのアルミ鍋に投入し、水道水6kgを加えて強火で加熱し、30分間沸騰させ、お湯を捨てることで血抜き工程とした。この血抜き工程で骨の周りに付着していた血や骨が減少していることが肉眼で確認された。残った骨を2つ割にした後、イオン交換水12kgを加えて強火で加熱した。また、加熱中は丁寧にアクを取り蒸発分のイオン交換水は適宜補填した。8時間後、ふるいでろ過し、スープ12.5kgが得られた(豚骨スープ1)。
【0031】
[ヘモグロビン、ミオグロビン添加が豚骨スープの官能(濁り、風味)に与える影響]
豚骨スープ1:20gにヘモグロビン(Hb)、ミオグロビン(Mb)を鉄含有換算でHbは0.16,0.31,0.79ppm、Mbは0.18,0.35,0.89ppm添加した後、更に4時間加熱したものについて濁りと風味について官能評価した。その結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
官能評価の記号は、豚骨スープ1に比べ、+−:やや強い、+:強い、++:非常に強いことを示す。
【0034】
[ヘモグロビン、ミオグロビンの添加が豚骨スープのBrix(固形分含量)、濁度、粒子経(粒度分布)に与える影響]
豚骨スープ1:20mlにヘモグロビンを鉄含有換算で0.16,0.31,0.79ppmをそれぞれ添加し、100℃で加熱した。それぞれ経時的にサンプリングし、Brix、濁度および粒子径(粒度分布)を測定した。
【0035】
BrixはATAGO社製,「糖度計PR−101」を用いて測定した。
【0036】
濁度は分光光度計(ファルマシアバイオテック社製,「ULTROAPEC 4000」)を用いて波長660nmにて吸光度を測定することにより算出した。
粒子径はHORIBA製,「LA700」を用いて光散乱法により測定した。
【0037】
ヘモグロビンの添加量、加熱時間を変化させてもBRIX(固形分含量)はほとんど変化しなかった。
【0038】
図1に豚骨スープに対するヘモグロビンの添加量を変えて2時間加熱したときの濁度の変化を示す。
【0039】
また光散乱による脂肪球の粒子径の測定では、タンパクの凝集が見られたサンプル以外については、タンパクを添加して加熱しても大きな変化はなかった。また光学顕微鏡で観察しても加熱前後で粒子径に大きな変化は認められなかった。
【0040】
ところで、濁度は乳化の度合いと相関を持つが、ヘモグロビンを水溶液中で単独加熱しても濁度はほとんど上昇しなかった。よってヘモグロビンは、豚骨脂肪球の形成に影響を与えることが判明した。
【0041】
また本実施例に用いた豚骨スープ1の上層には油層が存在していたが、ヘモグロビン、ミオグロビンを添加して加熱した後は油層部分の減少が観察されたことから、ヘモグロビンやミオグロビンは豚骨スープに残存する未乳化の油脂を新たに乳化させることが判明した。
【0042】
ミオグロビンについてもヘモグロビンと同様、豚骨スープ1:20mlにミオグロビンを鉄含有換算で0.18,0.35,0.89ppmを添加し、100℃で加熱し、それぞれ経時的にサンプリングし、Brix(固形分含量)、濁度および粒子径(粒度分布)を測定した。結果はヘモグロビンと同様であった。
【0043】
[ヘモグロビン添加の有無、時期が豚骨スープの濁度に与える影響]
上記豚骨スープ1の製法に準じ、豚骨(豚ゲンコツ)1.5kgを直径21cmのアルミ鍋に投入し、水道水1.5kgを加えて強火で加熱し、30分間沸騰させ、お湯を捨てることで血抜き工程とした。この血抜き工程で骨の周りに付着していた血や骨が減少していることが肉眼で確認された。残った骨を2つ割にした後、イオン交換水3kgを加えて強火で加熱した。また、加熱中は丁寧にアクを取り蒸発分のイオン交換水は適宜補填した。8時間後、ふるいでろ過し、スープ2.9kgが得られた。(豚骨スープ2:未添加品)また、ヘモグロビンを加熱開始時に鉄含有換算で0.31ppm添加したスープ(豚骨スープ3:加熱開始時添加品)および4時間後に0.31ppm添加したスープ(豚骨スープ4:4時間後添加品)も同時に調製した。
【0044】
図2に豚骨スープへのヘモグロビンの添加時期を変えてスープを調製したときの加熱時間と濁度の関係を示した。
【0045】
その結果、ヘモグロビンを添加しなかった未添加品は途中で濁度の上昇が鈍化したが、ヘモグロビンを鉄含有換算で0.31ppm添加したものは濁度の上昇が未添加品と比較して速かった。また、4時間後に添加したものは、添加後に急激に濁度が上昇し、最終的には加熱初期に添加したものとほぼ同等になった。
【0046】
[ヘモグロビン、ミオグロビン含有素材(各種エキス類)が豚骨スープの官能(風味)、濁度に与える影響]
豚骨スープ1:20gに各種エキス類を添加して加熱し、経時的に官能評価と濁度測定を行った。用いたエキスは「アリアケポークストックAJ−1」(商品名、アリアケ食品社製)、「YSKビーフエキスY」(商品名、焼津水酸化学社製)、「SPIチキンエキス」(商品名、SPI−DIANA社製)、「Bordonビーフエキス」(商品名、Bordon社製)であった。また添加量は0.25〜1.0%とし、1〜6時間加熱を行った。
結果を表2に示す。
【0047】
【表2】
【0048】
ここで官能評価の記号は、豚骨スープ1に比べて、◎:非常に好ましい獣臭、○:好ましい獣臭、△:普通の獣臭、×:好ましくない獣臭を示す。
【0049】
表2の結果より、これらのエキスを添加して加熱した場合、濁度はコントロールである豚骨スープ1よりすべて高い数値となった。また豚骨スープの好ましい獣臭が強くなり、コクが感じられるものが存在した。
【0050】
実施例2
次に、血抜きしていない豚骨スープを以下の方法で調製した。
血抜きしていない豚骨(豚ゲンコツ)6kgを2つ割にして、直径30cmのアルミ鍋に投入し、イオン交換水12kgを加えて強火で加熱した。また、加熱中は丁寧にアクを取り蒸発分のイオン交換水は適宜補填した。8時間後、ふるいでろ過し、スープ11.7kgが得られた(血抜きなし豚骨スープ)。
【0051】
[豚骨スープの濁度測定および官能評価]
調製したスープの濁度を分光光度計(ファルマシアバイオテック社製,「ULTROAPEC 4000」)を用いて波長660nmにて吸光度を測定することにより算出した。
【0052】
その結果、血抜きなし豚骨スープが7.3、豚骨スープ1が4.3であった。また肉眼による観察でも血抜きなし豚骨スープの方が白く濁っていた。
【0053】
また調製した豚骨スープ92gを加温し、味の素(株)社製,「妃湯−醤油だれ」8gと混合して官能評価に供した(n=5)。
【0054】
その結果、血抜きなし豚骨スープを用いた混合品は特有の「獣臭」、「厚み」、「濃厚感」が強く、それに比べると豚骨スープ1を用いた混合品の方は「獣臭」が弱く、「厚み」、「濃厚感」もやや弱かった。
【0055】
また血抜きなし豚骨スープについても血抜きした豚骨スープ1と同様、ヘモグロビン、ミオグロビンの添加の効果を調べたところ、血抜きした豚骨スープ1と同様の傾向が見られた。
【0056】
【発明の効果】
本発明により、骨抽出液にヘモグロビン、ミオグロビンまたはこれらを含有する畜肉エキス又は魚肉エキスを添加することによって良好な乳化安定性と風味を有する乳化状スープ製品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 豚骨スープに対するヘモグロビンの添加量を変えて2時間加熱したときの濁度の変化を示す図面。
【図2】 豚骨スープへのヘモグロビンの添加時期を変えてスープを調製したときの加熱時間と豚骨スープの濁度の関係を示す図面。
Claims (2)
- 家畜由来の骨部位を水性媒体中で煮沸し、発生したアクを取り除くアク抜き処理を施して得られる骨抽出液から家畜の骨部位を除いた後にヘモグロビン及び/又はミオグロビンを添加混合するか、もしくはアク抜き処理を施してあるヘモグロビン及び/又はミオグロビンを含有する畜肉エキス又は魚肉エキスを添加混合し、ヘモグロビン及び/又はミオグロビンの量が鉄含有換算で0.001〜100ppmとなるようにして加熱処理することを特徴とする乳化状スープの濁り及び風味の増強法。
- 家畜由来の骨部位を水性媒体中で煮沸し、発生したアクを取り除くアク抜き処理を施して得られる骨抽出液から家畜の骨部位を除いた後、容器内に充填、密封し、50℃以下で保管された骨抽出液にヘモグロビン及び/又はミオグロビンを添加混合するか、もしくはアク抜き処理を施してあるヘモグロビン及び/又はミオグロビンを含有する畜肉エキス又は魚肉エキスを添加混合し、ヘモグロビン及び/又はミオグロビンの量が鉄含有換算で0.001〜100ppmとなるようにして70〜120℃で加熱することを特徴とする乳化状スープの濁り及び風味の増強法。
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