JP4210478B2 - 多ディンプル構造マイクロカプセルの製造方法 - Google Patents

多ディンプル構造マイクロカプセルの製造方法 Download PDF

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  • Manufacturing Of Micro-Capsules (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多ディンプル構造で樹脂製のマイクロカプセル、その様なマイクロカプセルの製造方法、その様なマイクロカプセルの用途に関する。
【0002】
【従来の技術】
マイクロカプセルは、固体状、液体状および気体状の芯物質(内包物とも言う)を薄い皮膜の壁材(カプセル壁とも言う)により被膜した微小な容器であり、不安定な物質の保護、反応性物質の隔離、内包物の拡散性の制御などの機能を有する。例えば、特開昭63−166429号公報、特開平2−15006号公報、特開平6−106047号公報に、徐放性のマイクロカプセルが記載されており、徐放性マイクロカプセルに限らず広範な開発が行われ実用化されている。
【0003】
しかしながら、マイクロカプセルの用途分野が広がるに伴い、マイクロカプセルに要求される性能は更に広範囲で高度なものとなり、用途分野によっては、徐放特性、溶出特性およびマイクロカプセル強度などの要求性能を実現できない場合があった。
【0004】
例えば、徐放性マイクロカプセルの場合、カプセル樹脂壁の緻密性を制御することにより、所望の徐放特性を実現する。この場合、カプセル樹脂壁は分子レベルでの網目の働きをしており、カプセル樹脂壁の緻密性はカプセル樹脂壁を形成する硬化物の架橋密度などにより制御できる。よって、例えば、内包物の溶出が速い徐放性マイクロカプセルが必要な場合、架橋密度を低下させれば良いと考えられる。
【0005】
しかしながら、実際に架橋密度を低下させるとマイクロカプセルの強度が低下するため、十分に架橋密度を低下させることができず、所望の溶出特性を実現できない場合があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上の様な状況に鑑み、従来のマイクロカプセルでは実現が困難な、徐放特性、溶出特性およびマイクロカプセル強度の実現を、本発明の目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明によれば、複数のディンプルがカプセル樹脂壁の内表面および外表面の少なくとも何れか一方に形成されている多ディンプル構造マイクロカプセルの製造方法であって、
前記カプセル樹脂壁は、前記カプセル樹脂壁の第1原料を含む第1液媒体と、分配係数(1−オクタノール/水)log Pが−3〜7である親疎水両性物質とを少なくとも用いて形成され、
前記カプセル樹脂壁は、前記第1原料と強く結合する第1界面活性剤と、前記第1原料と弱く結合する第2界面活性剤とを更に用いて形成され、
前記強い結合は共有結合であり、前記弱い結合はイオン結合と分子間力による結合との少なくとも何れか一方であり、
前記第1原料がトリメチロールメラミンを含み、前記第1界面活性剤がスチレン−無水マレイン酸共重合体の無水マレイン酸の部分加水分解による開環物であり、前記第2界面活性剤がドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムである
多ディンプル構造マイクロカプセルの製造方法が提供される。
【0008】
従来の徐放性マイクロカプセルのカプセル樹脂壁には、ディンプルの様な略円形の凹部は実質的に存在していない。一方、本発明のマイクロカプセルのカプセル樹脂壁には、ディンプル様の略円形の凹部が多数存在するため、例えば徐放性マイクロカプセル等に使用した場合、主にディンプルを浸透して内包物が徐放される。ディンプルが存在している部分のカプセル樹脂壁は、ディンプルが存在していない部分のカプセル樹脂壁よりも薄いため、多量の内包物がディンプルを浸透して徐放される。従って、カプセル樹脂壁にディンプルを形成することにより、内包物の溶出速度を上昇できる。また、カプセル樹脂壁にディンプルを形成することにより内包物の溶出速度を十分上昇できるため、カプセル樹脂壁の架橋密度を低下させる必要はない。よって、十分なマイクロカプセル強度を保持した状態で、内包物の溶出速度を十分上昇できる。例えば、この様にして、従来では実現が困難な、徐放特性、溶出特性およびマイクロカプセル強度を実現できる。
【0009】
また、カプセル樹脂壁の単位外表面積当たりのディンプルの平均密度を制御することにより、従来では実現が困難な、徐放特性、溶出特性およびマイクロカプセル強度を実現できる。
【0010】
また、カプセルの平均粒子径を制御することにより、従来では実現が困難な、徐放特性、溶出特性およびマイクロカプセル強度を実現できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
【0012】
(多ディンプル構造マイクロカプセルの構造)
図1には、電子顕微鏡写真に基づき、実際に製造された多ディンプル構造マイクロカプセルの様子を示した。カプセル樹脂壁には、ディンプル様の略円形の凹部が多数存在している。
【0013】
図2(a)にはディンプルの平面図を、図2(b)にはディンプルの断面図を、それぞれ示した。ディンプルは周縁10が略円形の凹部であり、周縁径はφである。
【0014】
図1の場合、多ディンプル構造マイクロカプセルのカプセルの平均粒子径は5μm、ディンプルの平均周縁径は0.1μm、写真で見える面に存在するディンプルは40個、従って、ディンプルの総数は80個であるので、ディンプルの平均密度は1.1個/μm2である。これらの数値は、多ディンプル構造マイクロカプセルの電子顕微鏡写真を用いて計測し、計測結果を数平均して求められる。
【0015】
また、マイクロカプセルの平均粒子径は、例えばCoulter Electronics社(英国)製コールターマルチサイダーを用いて測定することもできる。
【0016】
ディンプルの平均周縁径は、内包物の保持性および放出性、カプセル強度、製造の容易性などの観点から、0.001μm以上が好ましく、0.01μm以上がより好ましく、0.05μm以上が更に好ましく、一方、5μm以下が好ましく、1μm以下がより好ましく、0.5μm以下が更に好ましい。
【0017】
ディンプルの平均密度は、内包物の保持性および放出性、カプセル強度、製造の容易性などの観点から、0.01個/μm2以上が好ましく、0.05個/μm2以上がより好ましく、0.1個/μm2以上が更に好ましく、一方、100個/μm2以下が好ましく、50個/μm2以下がより好ましく、10個/μm2以下が更に好ましい。
【0018】
カプセルの平均粒子径は、内包物の保持性および放出性、カプセル強度、製造の容易性などの観点から、0.01μm以上が好ましく、0.1μm以上がより好ましく、0.5μm以上が更に好ましく、一方、500μm以下が好ましく、100μm以下がより好ましく、50μm以下が更に好ましい。
【0019】
より具体的には、マイクロカプセルトナー等として使用する場合、カプセルの平均粒子径は、普通5〜15μmとされ、トナーを使用しない画像形成用マイクロカプセル等として使用する場合、カプセルの平均粒子径は、普通1〜10μmとされ、特に、感熱方式および感圧方式で用いられる画像形成用マイクロカプセル等の場合、マイクロカプセルの平均粒子径は、普通1〜5μmとされる。
【0020】
また、マイクロカプセルの強度は、取扱い時にマイクロカプセルが破壊されない程度以上とし、マイクロカプセルを使用する用途に応じて所定の範囲内とする。
【0021】
マイクロカプセルの強度は、カプセル樹脂壁の平均壁厚に依存するため、カプセル樹脂壁の平均壁厚も注意深く所定の範囲内とする。カプセル樹脂壁の平均壁厚は、マイクロカプセルをエポキシ樹脂中などで固定し、切断して、断面を電子顕微鏡で観察することにより計測できる。この様にして計測されるカプセル樹脂壁の平均壁厚は、0.0001μm以上が好ましく、0.001μm以上がより好ましく、0.005μm以上が更に好ましく、一方、5μm以下が好ましく、1μm以下がより好ましく、0.5μm以下が更に好ましい。
【0022】
また、マイクロカプセル内包物の保持性および放出性は、マイクロカプセルの内包物がマイクロカプセルの外部に溶出または放出される様子を追跡することにより、検討できる。この溶出試験の外部物質としては、水および水溶液などの水系物質;IPA、酢酸エチル、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、THF、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロルメタン、ヘキサン、MEK、アセトン、アセトニトリル、DMSO、DMF、ピリジン等の有機系物質などを使用できる。
【0023】
溶出試験の結果は、マイクロカプセルの内包物、溶出試験の外部物質、温度および時間などに強く依存する。特に外部物質の性質に左右され、適当な外部物質を選択することにより、例えば、カプセル樹脂壁にディンプルが存在していることを確認できる。即ち、同一の内包物のマイクロカプセルを、カプセル樹脂壁にディンプルが生じる条件と、ディンプルが生じない条件とで作製する。そして、得られたマイクロカプセルを、例えばTHF等の適当な外部物質に、それぞれ浸漬し例えば40℃等の適当な温度で内包物が溶出する挙動を追跡する。この結果、例えば30分の溶出試験で、外部に放出された内包物を定量すれば、ディンプルの有無を確認できる。例えば、ディンプルが形成されているマイクロカプセルの場合、内包物の90質量%以上が放出されるのに対し、ディンプルが形成されていないマイクロカプセルの場合、放出量は5質量%以下となる。
【0024】
(多ディンプル構造マイクロカプセルの製造方法)
多ディンプル構造マイクロカプセルは、界面重合法、in situ重合法、液中硬化被覆法、コアセルベーション法などの主に化学反応を利用する方法により製造できるが、得られる多ディンプル構造マイクロカプセルの構造を精密に制御できる等の理由から、界面重合法およびin situ重合法が好ましい。
【0025】
界面重合法においては、マイクロカプセルの内部媒体とマイクロカプセルの外部媒体との何れにもカプセル樹脂壁の原料が存在しており、マイクロカプセルの内部媒体に含まれる原料とマイクロカプセルの外部媒体に含まれる原料とが反応してカプセル樹脂壁が形成される。
【0026】
一方、in situ重合法においては、マイクロカプセルの内部媒体とマイクロカプセルの外部媒体との何れか一方のみにカプセル樹脂壁の原料が存在しており、マイクロカプセルの内部媒体に含まれる原料のみが反応してカプセル樹脂壁が形成されか、マイクロカプセルの外部媒体に含まれる原料のみが反応してカプセル樹脂壁が形成される。
【0027】
以上の様な重合法において、カプセル樹脂壁の第1原料を含む第1液媒体と、親疎水両性物質とを少なくとも用いる。親疎水両性物質は、親水性液媒体と疎水性液媒体の何れにも適度の相溶性を有する両性物質である。この様な両性化合物が、マイクロカプセルの内部媒体とマイクロカプセルの外部媒体との少なくとも何れか一方に存在していると、カプセル樹脂壁の原料が重合してカプセル樹脂壁を形成する際に、両性化合物が内部媒体相と外部媒体相との相間を移動し、重合が抑制される。このため、重合が抑制された部分のカプセル樹脂壁が薄くなり、得られるカプセル樹脂壁にディンプルが形成されると考えられる。
【0028】
なお、内部媒体が疎水的な場合は外部媒体は親水的であり、外部媒体が疎水的な場合は内部媒体は親水的である。そして、親疎水両性物質の親水性および疎水性の程度は、例えば、分配係数(1−オクタノール/水)log Pにより定量化できる。高品位の多ディンプル構造マイクロカプセルを得るためには、親疎水両性物質の分配係数として−3以上が好ましく、−2以上がより好ましく、−1以上が更に好ましく、一方、7以下が好ましく、4以下がより好ましく、1以下が更に好ましい。なお、1−オクタノール/水に関する分配係数(log P)は、JIS Z 7260に準拠して測定される。
【0029】
この様な親疎水両性物質の中でも、ラクタム、イミド及び炭素環系ケトンの少なくとも何れかの構造を含む化合物が好ましい。
【0030】
ラクタム構造を含む化合物としては、β−プロピオラクタム、β−プロピオラクタムの誘導体、β−プロピオラクタム構造を含む化合物;2−ピロリドン、2−ピロリドンの誘導体、2−ピロリドン構造を含む化合物;2−ピペリドン、2−ピペリドンの誘導体、2−ピペリドン構造を含む化合物;ε−カプロラクタム(log P:−0.l9)、ε−カプロラクタムの誘導体、ε−カプロラクタム構造を含む化合物などを使用できる。
【0031】
また、イミド構造を含む化合物としては、スクシンイミド、スクシンイミドの誘導体、スクシンイミド構造を含む化合物;グルタルイミド、グルタルイミドの誘導体、グルタルイミド構造を含む化合物;フタルイミド、フタルイミドの誘導体、フタルイミド構造を含む化合物などを使用できる。
【0032】
また、炭素環系ケトン構造を含む化合物としては、シクロペンタノン、シクロペンタノンの誘導体、シクロペンタノン構造を含む化合物;シクロヘキサノン(log P:5.43)、シクロヘキサノンの誘導体、シクロヘキサノン構造を含む化合物などを使用できる。
【0033】
更に、イミド構造および炭素環系ケトン構造を含む化合物としては、シクロヘキシミド(log P:0.55)、シクロヘキシミドの誘導体、シクロヘキシミド構造を含む化合物などを使用できる。
【0034】
また、カプセル樹脂壁の第1原料100質量部に対する親疎水両性物質の量は、3質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましく、10質量部以上が更に好ましく、一方、65質量部以下が好ましく、50質量部以下がより好ましく、35質量部以下が更に好ましい。
【0035】
なお、マイクロカプセルの内包物に高純度が要求される場合には、第1液媒体がマイクロカプセルの外部媒体であることが好ましい。この場合、マイクロカプセルの外部媒体のみに原料が存在し、この原料が反応してカプセル樹脂壁が形成されるため、マイクロカプセルの内部に未反応の原料は残存せず、反応副生物も存在しない。
【0036】
また、界面重合法を採用する場合には、第1原料と反応してカプセル樹脂壁を構成する第2原料を含む第2液媒体を更に使用する。この場合、第1液媒体がマイクロカプセルの外部媒体であれば、第2液媒体はマイクロカプセルの内部媒体となる。
【0037】
カプセル樹脂壁としては熱軟化性および熱硬化性の何れでも良く、カプセル内包物の性質、所望のマイクロカプセルの構造などを考慮して選択する。中でも、マイクロカプセルの構造を制御し易いなどの理由から、尿素樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、ウレタン−尿素樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリスルホンアミド樹脂、ポリスルホネート樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、フェノール樹脂などが好ましく、必要に応じて2種類以上の樹脂を併用できる。
【0038】
具体的には、例えば、カプセル樹脂壁を尿素樹脂から作製する場合、メチロール化尿素系化合物を用いたin situ重合法、尿素系化合物とホルムアルデヒドとを用いた界面重合法、ハロゲン化カルボニル化合物とアミン類とを用いた界面重合法などにより作製できる。
【0039】
また、カプセル樹脂壁をメラミン樹脂から作製する場合、メチロール化メラミン系化合物を用いたin situ重合法、メラミン系化合物とホルムアルデヒドとを用いた界面重合法などにより作製できる。
【0040】
また、カプセル樹脂壁をポリウレタン樹脂から作製する場合、イソシアネート化合物とヒドロキシル化合物とを用いた界面重合法、カルボニルモノオキシ化合部とアミン類とを用いた界面重合法、アミノ−カルボニルモノオキシ化合部を用いたin situ重合法などにより作製できる。
【0041】
また、カプセル樹脂壁をウレタン−尿素樹脂から作製する場合、イソシアネート化合物と水とを用いた界面重合法、イソシアネート化合物とアミン類とを用いた界面重合法などにより作製できる。
【0042】
また、カプセル樹脂壁をポリアミド樹脂から作製する場合、アミノ酸誘導体を用いたin situ重合法、カルボン酸誘導体とアミン類とを用いた界面重合法などにより作製できる。
【0043】
また、カプセル樹脂壁をポリエステル樹脂から作製する場合、カルボン酸誘導体とヒドロキシル化合物とを用いた界面重合法などにより作製できる。
【0044】
また、カプセル樹脂壁をポリエーテル樹脂から作製する場合、カルボン酸誘導体とヒドロキシル化合物とを用いた界面重合法などにより作製できる。
【0045】
また、カプセル樹脂壁をポリオレフィン樹脂から作製する場合、エチレン、プロピレン、スチレン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、酢酸ビニル、スチレン−ジビニルベンゼン等を用いたin situ重合法などにより作製できる。
【0046】
また、カプセル樹脂壁をポリスルホンアミド樹脂から作製する場合、スルホン酸誘導体とアミン類とを用いた界面重合法などにより作製できる。
【0047】
また、カプセル樹脂壁をポリスルホネート樹脂から作製する場合、スルホン酸誘導体とヒドロキシル化合物とを用いた界面重合法などにより作製できる。
【0048】
また、カプセル樹脂壁をエポキシ樹脂から作製する場合、エポキシドとヒドロキシル化合物とを用いた界面重合法、エポキシドとアミン類とを用いた界面重合法などにより作製できる。
【0049】
また、カプセル樹脂壁をポリカーボネート樹脂から作製する場合、ヒドロキシ化合物とハロゲン化カルボニル化合物とを用いた界面重合法などにより作製できる。
【0050】
また、カプセル樹脂壁をフェノール樹脂から作製する場合、芳香族ヒドロキシ化合物とホルムアルデヒドとを用いた界面重合法、尿素系化合物と芳香族ヒドロキシ化合物とを用いた界面重合法などにより作製できる。
【0051】
なお、カプセル樹脂壁の原料としては、上記以外にも、ポリイソシアネート、ポリイソチオシアネート、ポリアミン、ポリカルボン酸、多塩基酸クロライド、酸無水物、エポキシ化合物、ポリオール、(メタ)アクリル化合物、ポリサルファイド、有機アミン類、酸アミド類、水溶性エポキシ化合物、フェノール類、ホルマリン、ホスゲン、スピロアセタール系複素環状アミン、アルデヒド等も使用できる。
【0052】
以上に記載したカプセル樹脂壁のうち、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂およびフェノール樹脂などは熱硬化性樹脂である。また、ポリウレタン樹脂、ウレタン−尿素樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリスルホンアミド樹脂、ポリスルホネート樹脂およびポリカーボネート樹脂などは熱軟化性樹脂である。これらの樹脂のうち、熱硬化性樹脂は熱軟化性樹脂と比べ硬度が高いため、カプセル樹脂壁が熱硬化性樹脂から形成されている場合、カプセル樹脂壁に多数のディンプルを形成してもカプセル強度を大きく低下することなく内包物の放出性を向上できる。この様な観点から、熱硬化性樹脂の中でも、例えばメラミン樹脂が好ましい。
【0053】
なお、以上に説明してきたカプセル化反応において、反応温度は、普通50〜100℃とされる。
【0054】
(界面活性剤の併用)
更に良好な多ディンプル構造マイクロカプセルを作製するために、必要に応じて、界面活性剤を併用できる。界面活性剤を併用することにより、ディンプルに加え、更に1個以上の孔を形成できる。孔はカプセル樹脂壁を貫通しており、孔を形成することにより、マイクロカプセルの性能の範囲を広げることができる。
【0055】
具体的には、カプセル樹脂壁の第1原料を含む第1液媒体と、第1原料と強く結合する第1界面活性剤と、第1原料と弱く結合する第2界面活性剤とを少なくとも用いる。この様に、カプセル樹脂壁の原料を、カプセル樹脂壁の原料との結合力が異なる2種類の界面活性剤を用いて重合する。この場合、原料との結合力が弱い界面活性剤が存在する位置で形成されたカプセル樹脂壁は、重合終了後にマイクロカプセルから脱落すると考えられる。この結果、カプセル樹脂壁が脱落した位置に、孔およびディンプルが形成されると考えられる。
【0056】
この様な機構において、良好な多ディンプル構造マイクロカプセルを形成する観点から、界面活性剤とカプセル樹脂壁原料との強い結合は共有結合であることが好ましく、弱い結合はイオン結合と分子間力による結合との少なくとも何れか一方であるが好ましい。この場合、得られるカプセル樹脂壁には界面活性剤が共有結合しているため、カプセル樹脂壁の特性の自由度を広げることができる。
【0057】
また、同様の観点から、カプセル樹脂壁の第1原料100質量部に対する第1界面活性剤の量は、10質量部以上が好ましく、15質量部以上がより好ましく、25質量部以上が更に好ましく、一方、80質量部以下が好ましく、60質量部以下がより好ましく、45質量部以下が更に好ましい。
【0058】
また、カプセル樹脂壁の第1原料100質量部に対する第2界面活性剤の量は、0.4質量部以上が好ましく、1.0質量部以上がより好ましく、1.5質量部以上が更に好ましく、一方、15.4質量部以下が好ましく、9.6質量部以下がより好ましく、5.8質量部以下が更に好ましい。
【0059】
また、第1界面活性剤の量と第2界面活性剤の量との比として、第1界面活性剤100質量部に対して、第2界面活性剤は、1質量部以上が好ましく、3質量部以上がより好ましく、6質量部以上が更に好ましく、一方、40質量部以下が好ましく、25質量部以下がより好ましく、15質量部以下が更に好ましい。
【0060】
なお、カプセル化反応の際の全体に対して、第1界面活性剤の使用量は0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、一方、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。また、第2界面活性剤の使用量は0.005質量%以上が好ましく、0.01質量%以上がより好ましく、一方、1質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましい。
【0061】
一方、カプセル樹脂壁の第1原料を含む第1液媒体と、第1原料と親和性を有する重合体界面活性剤と、第1原料と親和性を有する単量体界面活性剤とを少なくとも用いることもできる。この様に、カプセル樹脂壁の原料を、分子量が異なる2種類の界面活性剤を用いて重合する。この場合、低分子量の界面活性剤は高分子量の界面活性剤と比較してアンカー効果が低いため、低分子量の界面活性剤が存在する位置で形成されたカプセル樹脂壁は、重合終了後にマイクロカプセルから脱落すると考えられる。この結果、カプセル樹脂壁が脱落した位置に、孔およびディンプルが形成されると考えられる。
【0062】
この様な機構において、良好な多ディンプル構造マイクロカプセルを形成する観点から、重合体界面活性剤の重量平均分子量は1,000〜1000,000であることが好ましく、単量体界面活性剤の分子量は100〜1,000であることが好ましい。
【0063】
また、カプセル樹脂壁原料は重合体界面活性剤と共有結合していることが好ましい。この場合、得られるカプセル樹脂壁には界面活性剤が共有結合しているため、カプセル樹脂壁の特性の自由度を広げることができる。
【0064】
また、カプセル樹脂壁の第1原料100質量部に対する重合体界面活性剤の量は、10質量部以上が好ましく、15質量部以上がより好ましく、25質量部以上が更に好ましく、一方、80質量部以下が好ましく、60質量部以下がより好ましく、45質量部以下が更に好ましい。
【0065】
また、カプセル樹脂壁の第1原料100質量部に対する単量体界面活性剤の量は、0.4質量部以上が好ましく、1.0質量部以上がより好ましく、1.5質量部以上が更に好ましく、一方、15.4質量部以下が好ましく、9.6質量部以下がより好ましく、5.8質量部以下が更に好ましい。
【0066】
また、重合体界面活性剤の量と単量体界面活性剤の量との比として、重合体界面活性剤100質量部に対して、単量体界面活性剤は、1質量部以上が好ましく、3質量部以上がより好ましく、6質量部以上が更に好ましく、一方、40質量部以下が好ましく、25質量部以下がより好ましく、15質量部以下が更に好ましい。
【0067】
なお、カプセル化反応の際の全体に対して、重合体界面活性剤の使用量は0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、一方、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。また、単量体界面活性剤の使用量は0.005質量%以上が好ましく、0.01質量%以上がより好ましく、一方、1質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましい。
【0068】
なお、必要に応じて、3種以上の界面活性剤を使用できる。
【0069】
界面活性剤は特に制限されず、アニオン性単量体、カチオン性単量体、ノニオン性単量体、アニオン性重合体、カチオン性重合体、ノニオン性重合体の何れでも使用できる。中でも、乳化能が高い、カプセル内包物の保護性が高い、カプセル樹脂壁の凝集性に優れる、カプセル樹脂壁形成反応を阻害しない等の理由から、アニオン性単量体、アニオン性重合体などが好ましい。
【0070】
具体的には、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルフォン酸塩、ポリオキシエチレン硫酸塩、エチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリビニルアルコール、ヘキサエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カイゼン、アラビアゴム、ゼラチン、ロート油などを使用する。
【0071】
例えば、トリメチロールメラミンからin situ重合法によりカプセル樹脂壁を形成する際には、第1界面活性剤としてスチレン−無水マレイン酸共重合体の無水マレイン酸の部分加水分解による開環物などが好ましく、第2界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等が好ましい。スチレン−無水マレイン酸共重合体の無水マレイン酸部分加水分解開環物を使用すると、開環により生成したカルボキシル基は水相に配向し、トリメチロールメラミンを凝集し更にアミド結合を形成する。また、スチレン−無水マレイン酸共重合体の無水マレイン酸の部分加水分解による開環物は高分子量であるため、十分なアンカー効果を有する。一方、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムは分子間力によりトリメチロールメラミンを凝集するが、反応することはなく共有結合しない。また、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムは低分子量であるため、アンカー効果が弱く、重合反応終了後に脱落する。
【0072】
以上の様な観点から、無水マレイン酸の開環率は30〜80%が好ましい。
【0073】
なお、開環により生成したカルボキシル基は、トリメチロールメラミンの自己縮合反応を酸性触媒として加速するので更に好ましい。
【0074】
以上の様な方法により作製される多ディンプル構造マイクロカプセルには、製造条件を操作することにより、必要に応じて、ディンプルに加え、更に1個以上の貫通孔を形成できる。貫通孔を形成することにより、マイクロカプセルの性能の範囲を広げることができる。
【0075】
(多ディンプル構造マイクロカプセルの内部媒体)
マイクロカプセルの内部媒体としては可塑剤などが使用され、内包物の性質、マイクロカプセルの要求性能、マイクロカプセルの用途分野などを考慮して選択されるが、良好な多ディンプル構造マイクロカプセルを作製する観点から、ジメチルフタレート(DMP)、ジエチルフタレート(DEP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジヘプチルフタレート(DHP)、ジ−2−エチルヘキシルフタレート(DOP)、ジ−n−オクチルフタレート、ジイソデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソノニルフタレート、エチルフタリルエチルグリコレート等のフタル酸エステル類;トリメチルホスフェート(TMP)、トリエチルホスフェート(TEP)、トリブチルホスフェート(TBP)、トリ−2−エチルヘキシルホスフェート(TOP)、トリブトキシエチルホスフェート、トリオレイルホスフェート、トリフェニルホスフェート(TPP)、トリクレジルホスフェート(TCP)、トリキシレニルホスフェート(TXP)、クレジルジフェニルホスフェート(CDP)、キシレニルジフェニルホスフェート(XDP)、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート等のリン酸エステル類;トリ−2−エチルヘキシルトリメリテート等のトリメリット酸エステル類;ブチルベンゾエート、ヘキシルベンゾエート等の安息香酸エステル類;サリチル酸イソアミル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸メチル、サリチル酸エチル等のサリチル酸エステル類;ジメチルアジペート(DMA)、ジイソブチルアジペート(DIBA)、ジブチルアジペート(DBA)、ジ−2−エチルヘキシルアジペート(DOA)、ジイソデシルアジペート、ジブチルジグリコールアジペート、ジブチルジグリコールアジペート、ジ−2−エチルヘキシルアゼテート、ジメチルセバケート、ジブチルセバケート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート、メチルアセチルリシノレート等の脂肪酸エステル類;フマル酸ジブチル、マロン酸ジエチル、しゅう酸ジメチル等の脂肪族ジカルボン酸エステル類;o−アセチルトリエチルシトレート等のクエン酸エステル類;メチルナフタレン、ジメチルナフタレン、モノイソプロピルナフタレン、ジイソプロピルナフタレン等のアルキルナフタレン類;o−メチルジフェニルエーテル、m−メチルジフェニルエーテル、p−メチルジフェニルエーテル等のアルキルジフェニルエーテル類;N,N−ジメチルラウリロアミド、N−ブチルベンゼンスルホンアミド等の高級脂肪酸または芳香族スルホン酸のアミド化合物類;トリオクチルトリメリテート等のトリメリット酸エステル類;ジメチルジフェニルメタン等のジアリールメタン、1−フェニル−1−メチルフェニルエタン、1−ジメチルフェニル−1−フェニルエタン、1−エチルフェニル−1−フェニルエタン等のジアリールエタン等のジアリールアルカン類;塩素化パラフィン類;アクリル酸エステル系重合性化合物、アクリルアミド系重合性化合物、メタクリル酸系重合性化合物、メタクリル酸エステル系重合性化合物、メタクリルアミド系重合性化合物、無水マレイン酸系重合性化合物、マレイン酸エステル系重合性化合物、スチレン系重合性化合物、ビニルエーテル系重合性化合物、ビニルエステル系重合性化合物、アリルエーテル系重合性化合物などのビニル重合性媒体などを使用する。
【0076】
以上の様な可塑剤の中でも、親疎水両性物質を使用する場合は、親疎水両性物質の溶解度などの観点から、ジメチルフタレート(DMP)、ジエチルフタレート(DEP)、ブチルベンジルフタレート、エチルフタリルエチルグリコレート、トリメチルホスフェート(TMP)、トリブチルホスフェート(TBP)、トリクレジルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート等が好ましい。
【0077】
(多ディンプル構造マイクロカプセルの用途)
本発明の多ディンプル構造マイクロカプセルは、発色剤、顕色剤、呈色剤、消色剤、インク、インキ、ワックス、可塑剤、トナー、顔料、染料、色素、表示剤、液晶物質、磁性剤、電気泳動剤などを内包させることにより、画像形成剤などとして好適に使用できる。また、薬剤、抗生物質、殺虫剤、酵素、農薬、除草剤、肥料、接着剤、蓄熱剤、食材、飼料、香料、マスキング剤、香辛料、金属系粉体、金属系物質、有機化合物、無機化合物、塩などを内包させることにより、医農薬、建築材料、衛生剤、食品、触媒、農業剤、畜産剤、水産剤などとして好適に使用できる。
【0078】
【実施例】
以下、実施例および比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に制限されるものではない。なお、特に明記しない限り、試薬等は市販の高純度品を使用した。
【0079】
参考例1)多ディンプル構造マイクロカプセル1
ジメチルフタレート180質量部にシクロヘキシミド20質量部を溶解した。一方、スチレン−無水マレイン酸共重合体の無水マレイン酸の部分加水分解による開環物(重量平均分子量:350,000、無水マレイン酸の開環率:70%)15質量部を、水285質量部に溶解した。この水溶液に、先に得られたシクロヘキシミド含有のジブチルフタレートを混合し、ホモミキサーを用いて3分間、乳化した。得られた乳化液にトリメチロールメラミン初期重合物(住友化学社製、商品名:スミレーズレジン607)65質量部を混合し、プロペラ型攪拌機を用いて80℃で2時間攪拌して、カプセル化反応を行い、多ディンプル構造マイクロカプセル1を得た。
【0080】
得られた多ディンプル構造マイクロカプセル1を電子顕微鏡により観察したところ、カプセル樹脂壁には多数のディンプルが形成されていることが分かった。カプセルの平均粒子径は5μm、ディンプルの平均周縁径は0.1μm、カプセル1個当たりの平均ディンプルは79個でありディンプルの平均密度は1.1個/μm2であった。
【0081】
また、カプセル樹脂壁の平均壁厚は0.2μmであり、多ディンプル構造マイクロカプセル1は十分な強度を有していた。
【0082】
更に、40℃で30分のTHF、IPA、n−ヘキサン及びアセトニトリルに対する溶出試験を行ったところ、内包物の93質量%、91質量%、1質量%、98質量%が、それぞれ溶出した。
【0083】
(実施例)多ディンプル構造マイクロカプセル2
上記の水溶液にドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1質量部を混合した以外は多ディンプル構造マイクロカプセル1と同様にして、多ディンプル構造マイクロカプセル2を製造する。得られる多ディンプル構造マイクロカプセル2を電子顕微鏡により観察すると、カプセル樹脂壁にはディンプルに加え、多数の貫通孔が形成されていることが分かる。
【0084】
(比較例1)マイクロカプセル1
シクロヘキシミドを使用しないこと以外は多ディンプル構造マイクロカプセル1と同様にして、マイクロカプセル1を製造した。
【0085】
得られたマイクロカプセル1を電子顕微鏡により観察したところ、カプセル樹脂壁にディンプルは形成されていなかった。
【0086】
得られたマイクロカプセル1を電子顕微鏡により観察したところ、カプセル樹脂壁に貫通孔は形成されていなかった。また、40℃で30分のTHF、IPA、n−ヘキサン及びアセトニトリルに対する溶出試験を行ったところ、内包物の1質量%、2質量%、1質量%、100質量%が、それぞれ溶出した。
【0087】
【発明の効果】
カプセル壁の内表面および外表面の少なくとも何れか一方に複数のディンプルを有し、ディンプルの平均周縁径は0.001〜5μmであり、カプセル樹脂壁の単位表面積当たりのディンプルの平均密度は0.01〜100個/μm2であり、カプセルの平均粒子径は0.01〜500μmである多ディンプル構造マイクロカプセルを使用すれば、従来では実現が困難な、徐放特性、溶出特性およびマイクロカプセル強度を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】得られた多ディンプル構造マイクロカプセルの電子顕微鏡写真のスケッチである。
【図2】ディンプルの構造を説明するための模式図である。
【符号の説明】
10 周縁
φ 周縁径

Claims (3)

  1. 複数のディンプルがカプセル樹脂壁の内表面および外表面の少なくとも何れか一方に形成されている多ディンプル構造マイクロカプセルの製造方法であって、
    前記カプセル樹脂壁は、前記カプセル樹脂壁の第1原料を含む第1液媒体と、分配係数(1−オクタノール/水)log Pが−3〜7である親疎水両性物質とを少なくとも用いて形成され、
    前記カプセル樹脂壁は、前記第1原料と強く結合する第1界面活性剤と、前記第1原料と弱く結合する第2界面活性剤とを更に用いて形成され、
    前記強い結合は共有結合であり、前記弱い結合はイオン結合と分子間力による結合との少なくとも何れか一方であり、
    前記第1原料がトリメチロールメラミンを含み、前記第1界面活性剤がスチレン−無水マレイン酸共重合体の無水マレイン酸の部分加水分解による開環物であり、前記第2界面活性剤がドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムである
    多ディンプル構造マイクロカプセルの製造方法
  2. 前記親疎水両性物質は、カプセル樹脂壁の形成時にマイクロカプセルの内部媒体相とマイクロカプセルの外部媒体相とを移動する相間移動物質であることを特徴とする請求項記載の多ディンプル構造マイクロカプセルの製造方法
  3. 前記親疎水両性物質は、ラクタム、イミド及び炭素環系ケトンの少なくとも何れかの構造を含むことを特徴とする請求項又は記載の多ディンプル構造マイクロカプセルの製造方法
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