JP4210352B2 - 化粧料塗布用具の評価法 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、化粧料塗布用具の評価法及び敏感肌又は損傷肌の人に好適な化粧料塗布用具に関する。
【0002】
【従来の技術】
美しく装いたい気持ちは人間だれしも抱いている願望であり、これが故に紀元前の昔よりメークアップ化粧が行われてきている。メークアップ化粧はベンガラ等の顔料を直に顔に塗布することより始まって、顔料に加えて水、多価アルコール、界面活性剤、油性成分を配合したファンデーションが発明され、更に、これらのファンデーションについて、簡便性を考慮し、油性成分と粉体又は/及び表面処理粉体を配合したルースパウダー状、プレストパウダー状、オイルゲル状或いはオイルゲルとプレストパウダーの中間に位置するモイスト状のものが登場し、現在はこれらのタイプのものが全盛となっている。又、これ以外にも、メークアップ化粧料としては、チークカラーやアイカラー、ハイライト等が同様の形態で開発されている。この様な形態のメークアップ化粧料に於いて、近年敏感肌の人或いはアトピー性皮膚炎などで皮膚に損傷のある人に於いて、プレストパウダー状のファンデーション等を使用すると、刺激を感じるという訴えが時としてあることが指摘されている。この様な場合には化粧料の使用の中止などの手段で対応しており、敏感肌の人或いはアトピー性皮膚炎などで皮膚に損傷のある人はメークアップ化粧料を使用できない場合が少なくなかった。又、この様な刺激発現のメカニズムについては全く知られていなかった。更に、メークアップ化粧料のニーズに於いて、どの様な人でも安心してメークアップ化粧を行うための手段及びメークアップによる刺激発現などの好ましくない現象を未然に防ぐ手段の開発が求められていたが、まだこの様な手段は得られていなかった。一方、ファンデーションなどのメークアップ化粧料に於いて、それを塗布する際に使用する、パフや刷毛などの化粧用具が、刺激発現と関係ありそうな指摘はされていたが、このことについて何も明確な検討は為されていなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこの様な状況に鑑みて為されたものであり、どの様な人でも安心してメークアップ化粧を行うための手段及びメークアップによる刺激発現などの好ましくない現象を未然に防ぐ手段を提供することを課題とする。
【0004】
【課題の解決手段】
この様な状況に鑑みて、本発明者等はどの様な人でも安心してメークアップ化粧を行うための手段及びメークアップによる刺激発現などの好ましくない現象を未然に防ぐ手段を求めて鋭意研究努力を重ねた結果、メークアップ化粧料使用時に敏感肌の人などに稀に出現する刺激発現に対して、塗布に用いる化粧用具の要因が大きいことを見いだした。更に、塗布用具による刺激発現を推測しうる手段を求めて研究を重ねた結果、皮膚上を化粧料塗布用具で擦過し、化粧料塗布用具に付着した角層又はその断片の量を指標とすることにより、この様な刺激発現の推測・予測が可能であること及びこの評価法に於いて角層の剥離面積が擦過皮膚の面積に対して1%未満であれば刺激発現の可能性が極めて低いことを見いだし発明を完成させるに至った。以下、本発明について、実施の形態を中心に詳細に説明する。
【0005】
【発明の実施の形態】
(1)化粧料塗布用具の刺激発現への影響
化粧料塗布用具の刺激発現に及ぼす影響を調べる為に、次に示す処方のファンデーションを作成した。ファンデーションは、粉体成分をヘンシェルミキサーで低速混合し、0.1mm丸穴スクリーンを装着したパルベライザーで粗粉砕し、ヘンシェルミキサーで高速混合しながら油脂成分を滴下コーティングし、1mmヘリングボーンスクリーンを装着したパルベライザーで仕上げ粉砕し、金皿に詰め加圧成形して作成した。このファンデーションについて、植毛パフ、9種のウレタンパフを用いて敏感肌の人40名に1週間づつそれぞれ使用して貰い、刺激の発現の有無についてアンケートで答えて貰った。結果を表1に示す。これより同じファンデーションであってもその塗布用具によって刺激発現が大きく異なってくるのが判る。
【0006】
(ファンデーションの処方)
シリカ−酸化鉄コーティングチタニアマイカ 16 重量部
シリコーン処理マイカ 14 重量部
シリコーン処理セリサイト 15 重量部
ポリメチルシルセスキオキサン 4 重量部
シリコーン処理チタンマイカ 18 重量部
シリコーン処理二酸化チタン 12 重量部
シリコーン処理タルク 3 重量部
シリコーン処理黄色酸化鉄 2 重量部
シリコーン処理ベンガラ 1 重量部
シリカゲル 5 重量部
ジメチコン 10 重量部
【0007】
【表1】
【0008】
(2)本発明の化粧料塗布用具の評価法
上記の如く、化粧料の刺激発現にパフ等の化粧料塗布用具の影響が大きいことが判った。この刺激発現と化粧料塗布用具の関係を的確に推測する手段を求めたところ、後記実施例に示すように、皮膚上を化粧料塗布用具で擦過し、化粧料塗布用具に付着した角層又はその断片の量が刺激発現と深く係わっていることが判明した。ここで、この評価法であるが、次のようなステップで行えばよい。1)化粧料塗布用具で皮膚上を擦過する。この時、使用する皮膚の部位は特段の限定はないが、種々の用具の比較を行うためには広い部位が好ましく、この様な部位としては、前腕内側部が好ましい。又、擦過回数は10回〜30回が好ましく、15回〜25回が更に好ましい。この時擦過は力を入れずに同じ力で擦過するのが好ましい。この時、擦過によって化粧料塗布用具に角層が剥離して付着するがこれを計数又は面積測定すればよい。これを計数又は面積測定するには、セロハンテープなどで転写し、顕微鏡下計数すれば正確に計数すれことが出来るし、面積測定であれば、この顕微鏡画像をビデオなどに取り込んで画像解析すれば正確に面積測定することが出来る。この剥離量の測定は計数、面積測定何れも可能であるが、剥離の仕方によって数は異なるので面積測定を指標として用いるのが好ましい。又、予め擦過する部位の角層をヘマトキシリンやエオシンのような染色剤で染色しておくと角層を明確に感知出来るので好ましい。面積として擦過皮膚面積の1%未満であれば極めて刺激発現の可能性の低い化粧料塗布用具と言うことが出来、特に好ましい。本発明の評価法が適用できる化粧料塗布用具としては、パフ、刷毛、チップ等が挙げられ、パフに適用するのが特に好ましい。又、この評価法が適用できる用具で塗布される化粧料としては、ファンデーション、プレストパウダー、ルースパウダー、ダスティングパウダー、チークカラー、アイカラーなどが挙げられ、特にファンデーションが好ましく例示される。即ち、本発明の化粧料塗布用具の評価法はファンデーションの塗布用具の評価に特に好ましい。特にその中でも敏感肌用或いは損傷肌用のファンデーションの塗布に使用する塗布用具の評価に用いることが、刺激発現によるトラブルを防ぐ有効な手段になるので好ましい。
【0009】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明について更に詳細に説明するが、本発明がこれら実施例にのみ限定を受けないことは言うまでもない。
【0010】
<実施例1>
上記、発明の実施の形態で、刺激発現について調べたパフについて、本発明の評価法による評価を行った。即ち、前腕内側部に3cm×3cmの部位を作成し、これをヘマトキシリンとエオシンで染色し、この部位をこれらのパフで前腕内側部を一定方向に20回力を加えずに擦過し、パフの表面をセロハンテープで5回軽くストリッピングし、このセロハンテープの顕微鏡像をビデオ画像として取り込み、画像解析により剥離した角層の面積を算出した。この面積を9cm2で除し100を乗じ剥離角層面積百分率とした。結果を表2に示す。この結果より、本発明の評価法より算出された角層剥離面積百分率と刺激発現可能性が良く相関していることが判る。(相関係数0.96)又、角層剥離面積百分率が1%未満であれば刺激発現可能性が極めて低いことも判る。
【0011】
【表2】
【0012】
<実施例2>
実施例1同様アイカラー用のチップについても評価をしてみた。評価したチップの種類は4種類であり、チップについては1cm×3cmの部位を20回同様に擦過した。結果を表3に示す。この中で角層剥離面積百分率が1%未満であった、チップ2を用いて、下記に示す処方のアイカラーを敏感肌の人20名に2週間使用して貰ったところ、刺激を感じた人は皆無であった。これより、本発明の評価法で角層剥離面積百分率が1%未満であれば、安全に使用できることが判る。
【0013】
【表3】
【0014】
(アイカラー)
クロイゾネブルー 20重量部
クロイゾネレッド 10重量部
セリサイト 20重量部
虹彩箔(赤) 10重量部
虹彩箔(青) 20重量部
タルク 10重量部
ジメチコン 10重量部
【0015】
<実施例3>
実施例1及び2同様チークカラー用の刷毛についても評価をしてみた。評価した刷毛の種類は5種類であり、刷毛については2cm×3cmの部位を20回同様に擦過した。結果を表4に示す。これらの刷毛は何れも角層剥離面積百分率が1%未満であった。このうち最も角層剥離面積百分率の大きかった刷毛3で下記の処方のチークカラーを敏感肌の人20名に2週間使用して貰ったところ、刺激を感じた人は皆無であった。これより、本発明の評価法で角層剥離面積百分率が1%未満であれば、安全に使用できることが判る。
【0016】
【表4】
【0017】
【発明の効果】
本発明によれば、どの様な人でも安心してメークアップ化粧を行うための手段及びメークアップによる刺激発現などの好ましくない現象を未然に防ぐ手段を提供することができる。
Claims (6)
- 前腕内側部に設けた擦過部位を化粧料塗布用具で擦過し、
化粧料塗布用具に付着した角層又はその断片を回収し、
回収した角層又はその断片の面積の総和を、顕微鏡画像より算出し、
該面積の総和について、擦過部位の面積に対する百分率を算出し、
該百分率が1未満である場合に、前記化粧料塗布用具は刺激発現可能性が極めて低いと評価することを特徴とする、化粧料塗布用具の評価法。 - 前記擦過の回数が10〜30回であることを特徴とする、請求項1に記載の化粧料塗布用具の評価法。
- 前記擦過部位を予めヘマトキシリン又はエオシンで染色しておくことを特徴とする、請求項1又は2に記載の化粧料塗布用具の評価法。
- 前記化粧料塗布用具がパフであることを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載の化粧料塗布用具の評価法。
- 前記化粧料塗布用具がファンデーションの塗布用具であることを特徴とする、請求項1〜4の何れか一項に記載の化粧料塗布用具の評価法。
- 化粧料塗布時の刺激発現を未然に防ぐための請求項1〜5の何れか一項に記載の化粧料塗布用具の評価法の使用。
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1997
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