JPH10295438A - 化粧料塗布用具の評価法 - Google Patents

化粧料塗布用具の評価法

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JPH10295438A
JPH10295438A JP12791097A JP12791097A JPH10295438A JP H10295438 A JPH10295438 A JP H10295438A JP 12791097 A JP12791097 A JP 12791097A JP 12791097 A JP12791097 A JP 12791097A JP H10295438 A JPH10295438 A JP H10295438A
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ゆかり 坂崎
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和博 西方
Kiyomi Takahashi
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 本発明は、どの様な人でも安心してメークア
ップ化粧を行うための手段及びメークアップによる刺激
発現などの好ましくない現象を未然に防ぐ手段を提供す
ることを課題とする。 【解決手段】 皮膚上を化粧料塗布用具で擦過し、化粧
料塗布用具に付着した角層又はその断片の量を指標とす
る、化粧料塗布用具の評価法。本発明によれば、どの様
な人でも安心してメークアップ化粧を行うための手段及
びメークアップによる刺激発現などの好ましくない現象
を未然に防ぐ手段を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、化粧料塗布用具の
評価法及び敏感肌又は損傷肌の人に好適な化粧料塗布用
具に関する。
【0002】
【従来の技術】美しく装いたい気持ちは人間だれしも抱
いている願望であり、これが故に紀元前の昔よりメーク
アップ化粧が行われてきている。メークアップ化粧はベ
ンガラ等の顔料を直に顔に塗布することより始まって、
顔料に加えて水、多価アルコール、界面活性剤、油性成
分を配合したファンデーションが発明され、更に、これ
らのファンデーションについて、簡便性を考慮し、油性
成分と粉体又は/及び表面処理粉体を配合したルースパ
ウダー状、プレストパウダー状、オイルゲル状或いはオ
イルゲルとプレストパウダーの中間に位置するモイスト
状のものが登場し、現在はこれらのタイプのものが全盛
となっている。又、これ以外にも、メークアップ化粧料
としては、チークカラーやアイカラー、ハイライト等が
同様の形態で開発されている。この様な形態のメークア
ップ化粧料に於いて、近年敏感肌の人或いはアトピー性
皮膚炎などで皮膚に損傷のある人に於いて、プレストパ
ウダー状のファンデーション等を使用すると、刺激を感
じるという訴えが時としてあることが指摘されている。
この様な場合には化粧料の使用の中止などの手段で対応
しており、敏感肌の人或いはアトピー性皮膚炎などで皮
膚に損傷のある人はメークアップ化粧料を使用できない
場合が少なくなかった。又、この様な刺激発現のメカニ
ズムについては全く知られていなかった。更に、メーク
アップ化粧料のニーズに於いて、どの様な人でも安心し
てメークアップ化粧を行うための手段及びメークアップ
による刺激発現などの好ましくない現象を未然に防ぐ手
段の開発が求められていたが、まだこの様な手段は得ら
れていなかった。一方、ファンデーションなどのメーク
アップ化粧料に於いて、それを塗布する際に使用する、
パフや刷毛などの化粧用具が、刺激発現と関係ありそう
な指摘はされていたが、このことについて何も明確な検
討は為されていなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこの様な状況
に鑑みて為されたものであり、どの様な人でも安心して
メークアップ化粧を行うための手段及びメークアップに
よる刺激発現などの好ましくない現象を未然に防ぐ手段
を提供することを課題とする。
【0004】
【課題の解決手段】この様な状況に鑑みて、本発明者等
はどの様な人でも安心してメークアップ化粧を行うため
の手段及びメークアップによる刺激発現などの好ましく
ない現象を未然に防ぐ手段を求めて鋭意研究努力を重ね
た結果、メークアップ化粧料使用時に敏感肌の人などに
稀に出現する刺激発現に対して、塗布に用いる化粧用具
の要因が大きいことを見いだした。更に、塗布用具によ
る刺激発現を推測しうる手段を求めて研究を重ねた結
果、皮膚上を化粧料塗布用具で擦過し、化粧料塗布用具
に付着した角層又はその断片の量を指標とすることによ
り、この様な刺激発現の推測・予測が可能であること及
びこの評価法に於いて角層の剥離面積が擦過皮膚の面積
に対して1%未満であれば刺激発現の可能性が極めて低
いことを見いだし発明を完成させるに至った。以下、本
発明について、実施の形態を中心に詳細に説明する。
【0005】
【発明の実施の形態】
(1)化粧料塗布用具の刺激発現への影響 化粧料塗布用具の刺激発現に及ぼす影響を調べる為に、
次に示す処方のファンデーションを作成した。ファンデ
ーションは、粉体成分をヘンシェルミキサーで低速混合
し、0.1mm丸穴スクリーンを装着したパルベライザ
ーで粗粉砕し、ヘンシェルミキサーで高速混合しながら
油脂成分を滴下コーティングし、1mmヘリングボーン
スクリーンを装着したパルベライザーで仕上げ粉砕し、
金皿に詰め加圧成形して作成した。このファンデーショ
ンについて、植毛パフ、9種のウレタンパフを用いて敏
感肌の人40名に1週間づつそれぞれ使用して貰い、刺
激の発現の有無についてアンケートで答えて貰った。結
果を表1に示す。これより同じファンデーションであっ
てもその塗布用具によって刺激発現が大きく異なってく
るのが判る。
【0006】 (ファンデーションの処方) シリカ−酸化鉄コーティングチタニアマイカ 16 重量部 シリコーン処理マイカ 14 重量部 シリコーン処理セリサイト 15 重量部 ポリメチルシルセスキオキサン 4 重量部 シリコーン処理チタンマイカ 18 重量部 シリコーン処理二酸化チタン 12 重量部 シリコーン処理タルク 3 重量部 シリコーン処理黄色酸化鉄 2 重量部 シリコーン処理ベンガラ 1 重量部 シリカゲル 5 重量部 ジメチコン 10 重量部
【0007】
【表1】
【0008】(2)本発明の化粧料塗布用具の評価法 上記の如く、化粧料の刺激発現にパフ等の化粧料塗布用
具の影響が大きいことが判った。この刺激発現と化粧料
塗布用具の関係を的確に推測する手段を求めたところ、
後記実施例に示すように、皮膚上を化粧料塗布用具で擦
過し、化粧料塗布用具に付着した角層又はその断片の量
が刺激発現と深く係わっていることが判明した。ここ
で、この評価法であるが、次のようなステップで行えば
よい。1)化粧料塗布用具で皮膚上を擦過する。この
時、使用する皮膚の部位は特段の限定はないが、種々の
用具の比較を行うためには広い部位が好ましく、この様
な部位としては、前腕内側部が好ましい。又、擦過回数
は10回〜30回が好ましく、15回〜25回が更に好
ましい。この時擦過は力を入れずに同じ力で擦過するの
が好ましい。この時、擦過によって化粧料塗布用具に角
層が剥離して付着するがこれを計数又は面積測定すれば
よい。これを計数又は面積測定するには、セロハンテー
プなどで転写し、顕微鏡下計数すれば正確に計数すれこ
とが出来るし、面積測定であれば、この顕微鏡画像をビ
デオなどに取り込んで画像解析すれば正確に面積測定す
ることが出来る。この剥離量の測定は計数、面積測定何
れも可能であるが、剥離の仕方によって数は異なるので
面積測定を指標として用いるのが好ましい。又、予め擦
過する部位の角層をヘマトキリンやエオシンのような染
色剤で染色しておくと角層を明確に感知出来るので好ま
しい。面積として擦過皮膚面積の1%未満であれば極め
て刺激発現の可能性の低い化粧料塗布用具と言うことが
出来、特に好ましい。本発明の評価法が適用できる化粧
料塗布用具としては、パフ、刷毛、チップ等が挙げら
れ、パフに適用するのが特に好ましい。又、この評価法
が適用できる用具で塗布される化粧料としては、ファン
デーション、プレストパウダー、ルースパウダー、ダス
ティングパウダー、チークカラー、アイカラーなどが挙
げられ、特にファンデーションが好ましく例示される。
即ち、本発明の化粧料塗布用具の評価法はファンデーシ
ョンの塗布用具の評価に特に好ましい。特にその中でも
敏感肌用或いは損傷肌用のファンデーションの塗布に使
用する塗布用具の評価に用いることが、刺激発現による
トラブルを防ぐ有効な手段になるので好ましい。
【0009】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明について更に詳
細に説明するが、本発明がこれら実施例にのみ限定を受
けないことは言うまでもない。
【0010】<実施例1>上記、発明の実施の形態で、
刺激発現について調べたパフについて、本発明の評価法
による評価を行った。即ち、前腕内側部に3cm×3c
mの部位を作成し、これをヘマトキシリンとエオシンで
染色し、この部位をこれらのパフで前腕内側部を一定方
向に20回力を加えずに擦過し、パフの表面をセロハン
テープで5回軽くストリッピングし、このセロハンテー
プの顕微鏡像をビデオ画像として取り込み、画像解析に
より剥離した角層の面積を算出した。この面積を9cm
2で除し100を乗じ剥離角層面積百分率とした。結果
を表2に示す。この結果より、本発明の評価法より算出
された角層剥離面積百分率と刺激発現可能性が良く相関
していることが判る。(相関係数0.96)又、角層剥
離面積百分率が1%未満であれば刺激発現可能性が極め
て低いことも判る。
【0011】
【表2】
【0012】<実施例2>実施例同様アイカラー用のチ
ップについても評価をしてみた。評価したチップの種類
は4種類であり、チップについては1cm×3cmの部
位を20回同様に擦過した。結果を表3に示す。この中
で角層剥離面積百分率が1%未満であった、チップ2を
用いて、下記に示す処方のアイカラーを敏感肌の人20
名に2週間使用して貰ったところ、刺激を感じた人は皆
無であった。これより、本発明の評価法で角層剥離面積
百分率が1%未満であれば、安全に使用できることが判
る。
【0013】
【表3】
【0014】 (アイカラー) クロイゾネブルー 20重量部 クロイゾネレッド 10重量部 セリサイト 20重量部 虹彩箔(赤) 10重量部 虹彩箔(青) 20重量部 タルク 10重量部 ジメチコン 10重量部
【0015】<実施例3>実施例同様チークカラー用の
刷毛についても評価をしてみた。評価した刷毛の種類は
5種類であり、刷毛については2cm×3cmの部位を
20回同様に擦過した。結果を表4に示す。これらの刷
毛は何れも角層剥離面積百分率が1%未満であった。こ
のうち最も角層剥離面積百分率の大きかった刷毛3で下
記の処方のチークカラーを敏感肌の人20名に2週間使
用して貰ったところ、刺激を感じた人は皆無であった。
これより、本発明の評価法で角層剥離面積百分率が1%
未満であれば、安全に使用できることが判る。
【0016】
【表4】
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、どの様な人でも安心し
てメークアップ化粧を行うための手段及びメークアップ
による刺激発現などの好ましくない現象を未然に防ぐ手
段を提供することができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 皮膚上を化粧料塗布用具で擦過し、化粧
    料塗布用具に付着した角層又はその断片の量を指標とす
    る、化粧料塗布用具の評価法。
  2. 【請求項2】 角層又はその断片量が、元の擦過される
    皮膚面積に対する面積百分率であることを特徴とする、
    請求項1に記載の評価法。
  3. 【請求項3】 化粧料塗布用具がファンデーション用で
    あることを特徴とする、請求項1又は2に記載の評価
    法。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の評価法に於いて、剥離
    する角層又はその断片の面積が擦過される皮膚の全表面
    積に対して1%未満である、化粧料塗布用具。
  5. 【請求項5】 ファンデーション用であることを特徴と
    する、請求項4に記載の化粧料塗布用具。
  6. 【請求項6】 敏感肌又は損傷肌用である、請求項1又
    は5に記載の化粧料塗布用具。
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