JP4210028B2 - 液体噴射装置のメンテナンス方法及び画像形成装置 - Google Patents

液体噴射装置のメンテナンス方法及び画像形成装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、被処理材料に液体を噴霧して塗布するための複数の小ノズル孔が詰まるのを防止する機能を有する液体噴射装置における、液体噴射装置のメンテナンス方法及び画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、特開平10−239824号に例示された、感光材料と受像材料とを用いて画像形成処理を行う画像形成装置が提案されている。
【0003】
この画像形成装置は、画像形成用処理液の塗布装置で被塗布材料である感光材料に処理液である画像形成用処理液(ここでは水)を塗布する液処理を施した後、感光材料に受像材料を重ね合わせた状態で熱現像転写部により加熱し、感光材料を熱現像すると共に受像材料へ画像を転写して、所定の画像を受像材料に形成(記録)する熱現像転写処理を行う。
【0004】
この画像形成装置では、感光材料に非接触で処理液を塗布する為、図15及び図16に例示する画像形成用処理液の塗布装置510を用いている。
【0005】
この画像形成用処理液の塗布装置510は、一対の駆動ローラ542に巻き掛けた無端搬送ベルト544上に感光材料516を載置して搬送しながら、感光材料516の上表面に液体噴射装置512で処理液を噴霧して塗布する。
【0006】
さらに、この画像形成用処理液の塗布装置510は、処理液を塗布した感光材料516を無端搬送ベルト544上に載置して所定時間搬送する間に、無端搬送ベルト544の下部から加熱プレート546で所定温度に加熱して感光材料516の液処理を実行する。
【0007】
このとき、液体噴射装置512は、図示しない流体回路で処理液の供給を受けながら、処理液を噴霧して感光材料516に塗布する。
【0008】
このため、液体噴射装置512は、その内部に設けた液室521A内に、流体回路で処理液が供給される。そして、液室521Aの底部に配置したノズル板522を振動させることにより、液室521A内の液体の圧力が高まったときにノズル板522に線状に並ぶよう穿孔した多数のノズル孔524(図16に示す)から液滴を噴射する。
【0009】
この液体噴射装置512用の流体回路は、液体噴射装置512で液滴を噴射する使用時に液室521A内に処理液を充填し、大気圧に対して負圧となる所定負圧力を保持しながら処理液の供給を継続する。
【0010】
これと共に、液体噴射装置512の動作を一時停止したときは、液室521A内の処理液が所定負圧力となる状態を維持してノズル孔524から処理液が漏れ出さないようにする。
【0011】
また、液体噴射装置512の使用終了時には、液室521A内の処理液を抜き取るように構成する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような液体噴射装置512は、薬剤を溶媒に溶解させた画像形成用処理液を噴射して被塗布材料に処理液を塗布するのにも使用される。このように使用される液体噴射装置512では、その動作の一時停止のときに各ノズル孔524の小孔内に表面張力で維持された処理液の液面が臨んでいるので、このノズル孔524内の液面から処理液の溶媒が蒸発して、ノズル孔524の口周りに処理液の溶質が析出する。
【0013】
また、液体噴射装置512の液室521A内から処理液を抜き取った液体噴射装置512の使用終了後でも同様に、各ノズル孔524の小孔部分に表面張力で残留している処理液の液面から処理液の溶媒が蒸発して、ノズル孔524の口周りに処理液の溶質が析出する。
【0014】
このような液体噴射装置512では、相当量の薬剤を溶解した処理液を使用する場合は溶質が析出してノズル孔524を狭めたり塞いだりして液体噴射装置512を駆動しても溶質が析出して塞がれたノズル孔524から処理液を噴射できなくなる場合がある。
【0015】
このため、作業員が、液体噴射装置512の動作が所定時間継続したとき又は液体噴射装置512の動作が停止されてから所定時間経過した時等の必要時に、ノズル孔524に析出した溶質を取り除くよう液体噴射装置512のノズル孔524部分を洗浄して、全ての微細なノズル孔524が貫通しする良好な状態を維持するため面倒なメンテナンス作業が必要になる。
【0016】
本発明は上記事実を考慮し、ノズル孔が塞がらないように自動的に洗浄可能な機能を備えた液体噴射装置において、必要時にメンテナンス動作を自動的に実行可能にし、作業性を向上させた液体噴射装置のメンテナンス方法及び画像形成装置を新たに提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の液体噴射装置のメンテナンス方法は、圧電素子で加振して液体を噴射するノズル孔部分を持つ液室内に液体を充填して使用待ちの状態とし、前記使用待ちの状態から一定時間が経過したことを検知した時点で、前記ノズル孔部分における前記液室内に充填された前記液体に接している内側の部分と反対側の外側の部分を液体に浸漬した待機状態とし、前記待機状態のままでいる時間を計測して一定時間が経過したことを検知した時点で、前記ノズル孔部分に接する前記液体を、前記圧電素子で通常の液体噴霧時の周波数よりも高い周波数で加振して、前記ノズル孔部分を洗浄するクリーニング処理を実行することを特徴とする。
【0018】
上述のようなメンテナンス方法によれば、ノズル孔部分を、その液室に向いた内側から外部に向いた外側に渡って処理液又は洗浄液等を存在させ、ノズル孔部分が乾燥しないように保管できる。各ノズル孔部分内に液体の溶質が析出するのを抑制して各ノズル孔部分が塞がらないようにし、次に液室内の液体をノズル孔部分から噴射する動作を行う際、ノズル孔部分から液体を適切に噴射可能とする。さらに、圧電素子の加振によって、ノズル孔部分の孔内に付着した析出物等が洗浄されて取り除かれる。
【0019】
このため液体噴射装置を閉散処理に用いても、この液体噴射装置のメンテナンス用制御方法によりメンテナンスを自動的に実行してノズル孔の目詰まりを防止し、液体噴射装置の良好な使用状態を維持できる。
【0020】
本発明の請求項2に記載の液体噴射装置のメンテナンス方法は、前記ノズル孔部分を洗浄するときに、前記ノズル孔部分が浸漬されている液体の温度を上げることを特徴とする。
【0021】
上述のようなメンテナンス方法によれば、ノズル孔部分の内周部に析出した溶質が溶解し易くなるので、ノズル孔の目詰まりを防止できる。
【0022】
よって、液体噴射装置を長期に渡って液体の噴射動作を行わせないまま保管しても、各ノズル孔内に液体の溶質が析出するのを抑制して各ノズル孔が塞がらないようにし、次に液室内の液体をノズル孔から噴射する動作を行う際、ノズル孔から液体を適切に噴射可能とする。
【0023】
このため液体噴射装置を閉散処理に用いても、この液体噴射装置のメンテナンス用制御方法によりメンテナンスを自動的に実行してノズル孔の目詰まりを防止し、液体噴射装置の良好な使用状態を維持できる。
【0024】
本発明の請求項3に記載の液体噴射装置のメンテナンス方法は、前記ノズル孔部分を洗浄する前に、前記液室を上下反転させることを特徴とする。
【0025】
上述のようなメンテナンス方法によれば、ノズルを覆うキャップを用いる事無くノズル孔部分を待機状態とし、さらにクリーニング処理可能となる。
【0026】
よって、液体噴射装置における液体の噴射動作を再開したとき各ノズル孔が洗浄された直後の状態であるので、次に液室内の液体をノズル孔から噴射する動作を行う際、ノズル孔から液体を適切に噴射可能とする。
【0027】
このため液体噴射装置を閉散処理に用いても、この液体噴射装置のメンテナンス用制御方法によりメンテナンスを自動的に実行してノズル孔の目詰まりを防止し、液体噴射装置の良好な使用状態を維持できる。
【0028】
本発明の請求項4に記載の画像形成装置は、室に充填された液体を圧電素子で加振してノズル孔部分から噴射して画像を形成する液体噴射装置と、前記液室の外側で前記ノズル孔部分を液体に浸漬させる浸漬手段と、前記ノズル孔部分に接する前記液体を、前記圧電素子で通常の液体噴霧時の周波数よりも高い周波数で加振するクリーニング手段と、前記液室内に液体を充填した時点から所定時間が経過したことを検知して、前記クリーニング手段を作動させる制御手段と、を有することを特徴とする。
【0029】
上述のような画像形成装置によれば、制御手段が、液体噴射装置の液室内に液体を充填した時点から所定時間が経過したことを検知して、クリーニング手段を作動させる。クリーニング手段は、ノズル孔部分又はノズル孔部分に接する液体を、圧電素子で通常の液体噴霧時の周波数よりも高い周波数で加振する。これにより、液体がノズル孔部分を通過する方向に流動して、ノズル孔部分の内周部に付着した析出物等を押し流すようにして良好に洗浄する。
【0030】
よって、液体噴射装置による液体の噴射動作の継続中に各ノズル孔が目詰まりするのを防止し、液体噴射装置のメンテナンスを自動的に実行してノズル孔の目詰まりを防止し、液体噴射装置の良好な使用状態を維持できる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の液体噴射装置に係わる第1実施の形態につき図1乃至図8によって説明する。
【0032】
(液体噴射装置)
この液体噴射装置312は、その液室321A内に液体を供給する為の図示しない流体回路部と相俟って液体の塗布装置を構成する。
【0033】
この液体噴射装置312は、図5乃至図8に示すところから分かるように、略直方体の装置本体の内部に長手方向に沿って液室321Aが設けられている。また、この装置本体の底面部には、液室321Aにおける隔壁の一部となるノズル板322が配設されている。
【0034】
すなわち、液体噴射装置312は、装置本体の構造部材に、その長手方向に沿って底面に開放する長溝を形成し、その底面の開口を、弾性変形可能な長方形状の薄板を屈曲して形成したノズル板322で塞いで、一体構造に構成する。
【0035】
この液体噴射装置312における装置本体の構造部材は、一対のフレーム部材314を重ね合わせて図示しないボルトでねじ止めすることにより構成する。
【0036】
各フレーム部材314は、左右対称に形成され、それぞれてこ板320、側壁312A、支持部312B及び頂壁312Cが一体に形成されている。
【0037】
各てこ板320は、矩形長板状に形成され、液体噴射装置312の各側壁312Aの下部に一体に形成された細幅で弾性変形可能な支持部312Bで支持されるように、各支持部312Bに一体に続けて形成されている。
【0038】
各フレーム部材314は、各側壁312Aの上部に一対の頂壁312Cを一体に形成する。この各頂壁312Cの一部は、両横側に突出する形状とされており、この突出した頂壁312Cの下側と、てこ板320の外側端部との間に、アクチュエータとなる複数の圧電素子326(本実施の形態では、片側に3本づつ)の両端部が接着されて架設されている。
【0039】
液体噴射装置312では、ノズル板322が、その直線状に並ぶノズル孔324郡を設けた部分を外側へ向けて台形状に突出させるよう形成され、直線状に並んだノズル孔324郡の長手方向と平行な両側部を、それぞれ図8に示すように一対のてこ板320に接着剤等で貼着して配置されている。
【0040】
このノズル板322には、液室321A内に満たされた処理液(画像形成用薬剤を溶かした液体)を噴射するための複数のノズル孔324(例えば直径数10μm)が、一定の間隔で直線状に並べて穿孔されている。
【0041】
この液体噴射装置312は、その底面部における直線状に並んだ複数のノズル孔324が、例えば図6乃至図8に示す感光材料16の搬送方向Aと交差する方向に合わせて配置され、直線状に並んだ複数のノズル孔324が感光材料16の幅方向全体に渡って対応するよう設定されている。これによって後述するように、これらノズル孔324から液室321A内の処理液が、搬送される感光材料16の全面に塗布可能となる。
【0042】
また図5及び図6に示すように、ノズル板322の長手方向両端部と一対のフレーム部材314両端部とで区画された各部分には、それぞれ薄肉の封止板328を貼着する。
【0043】
この封止板328は、ノズル板322の各端部と一対のフレーム部材314の各端部との間に渡って塗布した、例えばシリコンゴム系の接着剤である弾性接着剤によって貼着されている。
【0044】
これにより、ノズル板322の両端の動きを阻害せずに、封止板328と、ノズル板322の各端部と、一対のフレーム部材314の各端部との間が弾性的に密封されることになる。
【0045】
この液体噴射装置312は、その長手方向両端部の各封止板328に、それぞれ液室321Aに連通する導液管331、347が配設されている。なお、フレーム部材314の両端部に、液室321A内に連通する各導液管を設けても良い。
【0046】
このように構成された液体噴射装置312は、その各圧電素子326に電源から通電されると、図8に示すように圧電素子326が伸び、てこ板320を支持部312B廻りに回動させる。これにより圧電素子326が、ノズル板322を弾性変形させながらノズル板322の中央部を矢印B方向に沿って上昇させ、液室321A内の処理液の圧力を高めて、直線状に並んだ複数のノズル孔324から少量の処理液Lを一括して線状に噴射させる。
【0047】
(液体噴射装置のキャップ)
図3及び図4の概略斜視図に示すように、液体噴射装置312の霧化動作を行わない不使用時に、ノズル孔324部分を密閉状態にカバーするためのキャップ351を用意する。
【0048】
このキャップ351は、ノズル孔324部分に処理液の溶質が析出するのを防止する待機状態を実現する手段と、ノズル孔324部分を洗浄するための洗浄手段(クリーニング手段)を兼ねる断面略U字状の皿状の部材で、その開口の周端部に液体噴射装置312に密着するための密閉パッキン353を設けて構成されている。
【0049】
そして、キャップ351は、図示しない待機動作用の駆動装置によって液体噴射装置312における不使用のときの所要時にノズル孔324部分を内包するようにカバーする位置に移動され、また液体噴射装置312が処理液霧化動作を行うときには動作の邪魔とならないようにノズル孔324の下方に離脱するよう移動されてノズル孔324から噴射され感光材料16に付着されなかった処理液の液滴受けとして用いられるように装着される。
【0050】
またキャップ351は、待機動作用の駆動装置によって、液体噴射装置312のノズル孔324部分をカバーする位置に移動された状態で、図示しないが、キャップ351の内部に処理液又は必要に応じて洗浄液等を充填してノズル孔324部分を処理液又は洗浄液等に浸漬可能に構成する。なお図示しないが、キャップ351には、ノズル孔324部分が処理液又は洗浄液等に浸漬された待機状態となったことを検出する検出手段を装着する。
【0051】
これと共に、キャップ351又は待機動作用の駆動装置には、キャップ351内に貯まった処理液又は洗浄液等を所定の廃液場所へ廃液可能なように、配管及びポンプを設けて構成する。
(液体噴射ヘッド拭取り手段)
図3及び図4に示すようにクリーニング手段の一つとして、液体噴射ヘッド拭取り手段を設けることができる。この液体噴射ヘッド拭取り手段は、キャップ351に対し、矩形に形成されたゴム製の拭取り部材357を、図示しない駆動装置でノズル孔324の列に沿う方向に往復するよう駆動操作可能に装着して構成する。
【0052】
この拭取り部材357は、キャップ351の皿状の内部でノズル孔324の列に沿って駆動されることにより、拭取り部材357の一部がノズル板322におけるノズル孔324の列部分の外側面に摺接して、処理液又は洗浄液等に浸漬されたとき等にノズル孔324の外側部分に付着した液滴を拭取る。
【0053】
(液体噴射装置の流体回路部)
上述のように構成された液体噴射装置312の液室321A内には、図示しない流体回路部によって処理液を供給する。
【0054】
この液体噴射装置312用の流体回路部は、液体噴射装置312で液滴を噴射する使用時に液室321A内に液体を充填し、所定の負圧値の圧力を保持しながら液体の供給を継続する機能を有する。
【0055】
この液体噴射装置312用の流体回路部は、液体噴射装置312から所定距離下方の位置に処理液を貯留するメインタンク及びサブタンクとを配置し、これらのメインタンク及びサブタンクと液体噴射装置312との間を管路で接続する。さらに流体回路部は、その管路の中間部に可変容量ポンプを介在させて送液量を調整しながらメインタンク内に臨む吸液口からサブタンク内に臨む排液口まで処理液を送液可能に構成する。
【0056】
このメインタンクは、処理液を貯留し、保管しておくために大型の容器に構成されている。
【0057】
またサブタンクは、液体噴射装置312に処理液を一定の圧力で供給するためのもので、比較的小型の容器に構成されている。このサブタンクには、その内部に貯留された処理液の液面を液体噴射装置312に対して一定の高さ位置に設定する液面位置設定手段として、サブタンク内に処理液を供給してオーバフローさせメインタンクに戻す構成を設ける。
【0058】
この液体噴射装置312用の流体回路部では、可変容量ポンプをコントローラで駆動若しくは停止又は送液量の変更調整を制御すると共に、流体回路部の管路の随所に設置された図示しないバルブを開閉制御することにより、液体噴射装置312の液室321A内に処理液を供給し、又は液室321A内から処理液を排液可能に構成されている。
【0059】
(液体の塗布装置の作用及び動作)
次に、上述のように構成した液体噴射装置312を利用した塗布装置の機構上の作用及び動作について説明する。
【0060】
この塗布装置では、使用前の状態においては、液体噴射装置312の液室321A内に処理液が充填されていない空の状態にある。
【0061】
次に、塗布装置310は、その使用を開始するために、液体噴射装置312の液室321A内に液体を充填する。この場合には塗布装置310は、図示しない流体回路部の所定の開閉弁を開き、可変容量ポンプを駆動して、処理液を液室321A内に充填して準備状態とする。
【0062】
なお、準備状態へ移行する際には、液体噴射装置312は、その動作を停止され、かつ液体噴射装置312にキャップ351を被せておき、処理液を液室321Aに通す際に複数のノズル孔324から処理液が漏れた場合でもキャップ351で受けて、液体噴射装置312から処理液を塗布する対象物側に不用意に処理液が付着するのを防止する。
【0063】
次に、塗布装置310を準備状態から使用状態に移行させる場合について説明する。
【0064】
この場合には、まず、塗布装置310は、流体回路部における所定の開閉弁を閉じる。すると、液体噴射装置312の液室321A内部の処理液は、サブタンクの液面からの高さに比例した所定値の負圧となる。
【0065】
このように液室321A内が所定値の負圧となっても、液体噴射装置312の各ノズル孔324の部分で処理液の表面張力が働くので、各ノズル孔324から空気が液室321A内に逆流することを防止できる。これと共に、液室321A内が所定値の負圧となるので、各ノズル孔324から処理液が漏れ出すことを防止できる。
【0066】
そして、所定の開閉弁が閉じられることにより、各ノズル孔324から処理液が漏れ出すことが無い状態において、液体噴射装置312に被せられているキャップ351を図示しない待機動作用の駆動装置で取り外して回避位置に移動する。
【0067】
これと共に、塗布装置310は、可変容量ポンプを駆動し、液体噴射装置312が噴射する処理液の量より多い量の処理液をメインタンクからサブタンクに供給する。これにより、サブタンクは、液体噴射装置312の駆動中では常に処理液が堰からオーバフロウする状態となり、サブタンク内の液面の高さが一定となる。
【0068】
よって、サブタンクの液面から液体噴射装置312までの高さを常に一定に保つことができるので、液室321A内の負圧を常に所定の一定値に保持して、液体噴射装置312から処理液を適正に噴射可能な状態を安定して維持できる。
【0069】
この塗布装置310では、前述のような操作により使用状態としてから、液体噴射装置312を駆動し、処理液の塗布動作を実行する。
(待機状態を実現する手段の作用及び動作)
次に、塗布装置310の処理液の塗布動作を終了してから一定時間放置する場合には、液体噴射装置312と可変容量ポンプとを停止する。これと共に、回避位置にあるキャップ351を図示しない待機動作用の駆動装置で液体噴射装置312に被せる。
【0070】
このときキャップ351は、その開口の周端部の密閉パッキン353を液体噴射装置312に密着させて被せるので、液体噴射装置312の複数のノズル孔324を設けた部分が密閉パッキン353内に密閉される。さらに、キャップ351内に処理液を充填してノズル孔324の部分を処理液に浸漬してノズル孔324部分に溶質の析出を防止する待機状態にセットして、次の使用時まで待機する。このようにすることにより、ノズル孔324部分で溶媒が蒸発して溶質が析出するのを防止できる。
【0071】
なお、キャップ351内に処理液を充填した場合には、次に塗布装置310を使用する前に、キャップ351内の処理液を排液してから、ノズル孔324部分を液体噴射ヘッド拭取り手段としての拭取り部材357を駆動してノズル孔324の外側部分に付着している液滴を拭取る。
(液体噴射装置のクリーニング手段の作用及び動作)
次に、液体噴射装置312のノズル孔324に、例えば図10に示すように溶質Yが析出したときに、これをクリーニング(洗浄)する場合について説明する。
【0072】
この場合には、前述のように塗布装置310を使用状態にし、液体噴射装置312のノズル孔324部分をキャップ351で密閉状態にカバーし、さらにキャップ351内に処理液又は洗浄液等を充填してノズル孔324部分を処理液又は洗浄液等の中に浸漬した状態にセットする。
【0073】
これによりノズル孔324部分は、その液室321Aに向いた内側から外部に向いた外側に渡って処理液又は洗浄液等が存在する状態となる。
【0074】
次に、液体噴射装置312の複数の圧電素子326を、通常の処理液噴霧時では数10Hzの周波数で駆動するところを、同じ駆動回路を利用して数KHzの周波数で駆動する。なお、通常の処理液噴霧時における数10Hzの周波数で駆動して洗浄しても良い。
【0075】
すると、ノズル板322の高い振動により、ノズル孔324部分は、その液室321Aに向いた内側と外部に向いた外側とに渡って処理液又は洗浄液等が存在するため、処理液又は洗浄液等が各ノズル孔324を高速で往復するよう流通するから、ノズル孔324の孔内に析出している溶質Yが処理液又は洗浄液等との抵抗によって図9に示すように洗浄されて取り除かれる。
【0076】
なお、この洗浄動作の際に、キャップ351内に処理液を満たして洗浄作業を行えば、次に処理液を噴霧する動作に移るとき液室321A内の処理液を入れ替えなくても良いから、ノズル孔324の洗浄動作から速やかに処理液の噴霧動作に移行できて便利である。
【0077】
さらに、上述した洗浄動作から処理液の噴霧動作に移行する場合には、キャップ351内に貯まった処理液又は洗浄液等を所定の廃液場所へ廃液してから、液体噴射ヘッド拭取り手段の一つである拭取り部材357によって、ノズル孔324の外側部分に付着している液滴を拭取り、次の処理液の噴霧動作に備える。
【0078】
また、液体噴射装置312のノズル孔324をクリーニングする他の手段として、キャップ351内に処理液又は洗浄液等を充填しノズル孔324部分を処理液又は洗浄液等の中に浸漬した状態で、キャップ351内の処理液又は洗浄液等に別途用意した図示しない超音波振動子等で超音波振動を加えて、ノズル孔324の孔内に析出している溶質を洗浄して取り除くように構成しても良い。
【0079】
さらに、ノズル孔324を洗浄する際に、キャップ351内の処理液若しくは洗浄液等、又は液室321A内の処理液等の温度を上げて、析出した溶質がより溶解し易いようにしても良い。
【0080】
前述のような液体噴射装置312は、ノズル孔324の部分に析出した溶質Yをクリーニングするメンテナンス作業を装置自体が行えるので、メンテナンス作業を自動的に行ってノズル孔324の目詰まりを防止する作業の効率を向上できる。
【0081】
次に、クリーニング処理を終える等して待機状態にある塗布装置310の使用を再開する場合には、可変容量ポンプを駆動する。これと共に、液体噴射装置312に被せられているキャップ351を図示しない待機動作用の駆動装置で取り外して回避位置に移動する。
【0082】
そして、塗布装置310は、液体噴射装置312を駆動し、処理液の塗布動作を再開する。
【0083】
次に、塗布装置310の処理液の塗布動作を終了する場合には、液体噴射装置312と可変容量ポンプとを停止する。これと共に、回避位置にあるキャップ351を図示しない待機動作用の駆動装置で液体噴射装置312に被せる。
【0084】
さらに、塗布装置310は、流体回路部の所定の開閉弁を大気に開放することにより、液室321A内に空気を入れ、これと入れ替えに液室321A内の処理液をメインタンク及びサブタンクに戻す。
【0085】
これにより、塗布装置310は、流体回路部と液室321Aとの中を空にした状態で、次の使用時まで待機する。なお、塗布装置310の使用を再開する場合には、前述と同様の操作で動作状態とし、塗布装置310の使用を再開する。
【0086】
次に、上述のように構成された本第1実施の形態に係る塗布装置310における液体噴射装置のメンテナンス用制御方法について説明する。この液体噴射装置のメンテナンス用制御方法を実行する制御部は、図2にその要部を例示するように構成する。
【0087】
この制御部のCPU(中央処理装置)100には、ROM102とRAM104が接続されている。さらに、CPU100には、ドライバ106を介して待機動作用の駆動装置108を接続し、さらにまたドライバ110を介してクリーニング動作用の駆動装置112を接続する。
【0088】
また、CPU100には、入・出力ポート114を介して、時間を計測する第1のタイマ116、第2のタイマ118、第3のタイマ120を接続する。これと共に、CPU100には、入・出力ポート114を介して、待機状態検出手段122と、手操作入力部124とをそれぞれ接続して、メンテナンス用制御部の要部を構成する。
【0089】
次に、上述のように構成された塗布装置310に係わるメンテナンス用制御部に関する作用及び制御動作を図1のフローチャートによって説明する。
【0090】
この塗布装置310では、使用者が手操作入力部124を操作して装置のメインスイッチがオン操作される以前は、液体噴射装置312の液室321A内に処理液が充填されておらず空になっている使用前の状態にある。
【0091】
この状態において、ステップ130で、使用者が手操作入力部124を操作して装置のメインスイッチがオン操作されるとステップ134へ進み、流体回路部を操作して液体噴射装置312の液室321A内に処理液を充填し、ステップ138へ進む。なお、このとき液体噴射装置312のノズル孔324部分には、キャップ351が被さった使用待ちの状態にある。
【0092】
また、塗布装置310が使用前の状態の場合には、ステップ130で装置のメインスイッチがオフであると判断されるとステップ132へ進み、塗布装置310が使用前の状態にあると判断してから、ステップ130へ戻ることにより、塗布装置310の使用待ちの状態を継続する。
【0093】
ここで、塗布装置310が一旦使用されたときの何れかの状態の場合には、ステップ130で使用者が手操作入力部124を操作して装置のメインスイッチがオフにされたと判断されると、ステップ132へ進み、塗布装置310が一旦使用されたときの状態にあると判断して、ステップ136へ進み、塗布装置310の動作を停止し、この後塗布装置310の液室321A内から処理液を抜き取る。
【0094】
これと共に液体噴射装置312のノズル孔324部分には、キャップ351を被せて、使用前の状態に復帰させ、塗布装置310に係わるメンテナンス用制御部に関する制御動作を終了する。
【0095】
次に、塗布装置310のメインスイッチがオン操作され、液体噴射装置312が使用待ちの状態において、ステップ138で使用者が手操作入力部124を操作したことによって液体噴射装置312の操作入力信号が検出されたと判断されると、ステップ140へ進み第1のタイマ116と第2のタイマ118とを初期化しステップ142へ進む。
【0096】
ステップ142では、待機状態か否かを判断し、待機状態でない場合は、ステップ144へ進み第3のタイマ120が規定時間に達しているか否かを判断する。
【0097】
そして、ステップ144で規定時間に達していないと判断した場合には、ステップ152へ進み、キャップ351を回避位置に回避動作させてから、液体噴射装置312に噴射動作をさせ、感光材料16に処理液を塗布する動作を開始し、ステップ154へ進む。
【0098】
ステップ154では、液体噴射装置312を所定時間動作させてから、液体噴射装置312の噴射動作を停止し、ステップ156へ進んで第1のタイマ116と第2のタイマ118とのカウントを開始させてステップ158へ進む。
【0099】
次に、ステップ138で液体噴射装置312の操作入力信号が検出されないと判断された場合は、ステップ158へ進む。
【0100】
ステップ158では、第1タイマ116が規定時間に達しているか否かを判断する。
【0101】
そして、ステップ158で規定時間に達していないと判断した場合には、ステップ138へ戻る。このようにしてステップ158で規定時間に達するまで待ち、ステップ158で規定時間に達したと判断するに至ると、ステップ160へ進み、第2のタイマ118が規定時間に達しているか否かを判断する。
【0102】
ここで、ステップ160で規定時間に達していないと判断した場合には、ステップ162へ進み、待機状態処理を実行してからステップ130へ戻る。
【0103】
この待機状態処理では、CPU100がドライバ106へ信号を送り、待機動作用の駆動装置108を駆動することにより、キャップ351を液体噴射装置312のノズル孔324の部分に被せ、さらにキャップ351内に処理液を供給し、待機状態検出手段122で処理液が適切な量キャップ351内に充填されたことを検出した時点で処理液の供給を停止し、ノズル孔324部分を処理液に浸漬させる。
【0104】
次に、ステップ142で塗布装置310が待機状態にあることを検出した場合、又はステップ144で規定時間に達している(液体噴射装置で液体を噴射する動作が一定時間継続した)と判断した場合には、ステップ146へ進み、クリーニング処理を実行する。
【0105】
このクリーニング処理では、液体噴射装置312の待機状態、すなわちノズル孔324部分の一方の側面を液室321A内の処理液に浸漬すると共にノズル孔324部分の他方の側面をキャップ351内の処理液に浸漬させた状態で、CPU100がドライバ110へ信号を送ってクリーニング動作用の駆動装置112を駆動することにより液体噴射装置312の複数の圧電素子326を、通常の処理液噴霧時における数10Hzの周波数、又は数KHzの周波数で所定時間駆動して洗浄する。
【0106】
これによりノズル板322は、高い振動数で振動して、ノズル孔324の孔内に析出している溶質を処理液又は洗浄液等との抵抗によって洗浄して取り除くことができる。
【0107】
また、このステップ146のクリーニング処理では、ノズル孔324の洗浄動作の後、キャップ351内の処理液を排液して拭取り部材357でノズル孔324の部分を拭った後、キャップ351を回避位置に移動して、液体噴射装置312を使用可能な状態にし、ステップ148へ進む。
【0108】
ステップ148では、第3のタイマ120を初期化してステップ150へ進み第3のタイマ120のカウント動作を開始させてから、前述したステップ152へ進んで液体噴射装置312の霧化動作を開始する。
【0109】
次に、ステップ160で規定時間に達したと判断した場合には、ステップ164へ進み、前述したステップ146と同等のクリーニング処理を実行して、ステップ166へ進み、第2のタイマ118を初期化してステップ168へ進み第2のタイマ118のカウント動作を開始させてから、前述したステップ162へ進んで液体噴射装置312をクリーニング状態から待機状態へ移行させた後ステップ130へ戻るという処理動作を行う。
【0110】
上述のような図1のフローチャートに例示する如き塗布装置310に係わるメンテナンス用の制御動作を行うことによって、液体噴射装置312の液室321A内に処理液を充填した状態で液体噴射装置312が使用されるまで待つ場合には、液体噴射装置312が所定時間(例えば、液体噴射装置312のノズル孔324が外気と接触することにより乾燥して処理液の溶質が析出し始める時間より短い所定時間)不使用のまま放置されると、待機状態とする。
【0111】
この待機状態では、液体噴射装置312のノズル孔324部分をキャップ351で密閉状態にカバーする。さらに、キャップ351内に処理液又は洗浄液等を充填してノズル孔324部分を処理液又は洗浄液等の中に浸漬する。すなわち、ノズル孔324部分の液室321Aに向いた内側から外部に向いた外側に渡って処理液又は洗浄液等が存在し、ノズル孔324部分を乾燥しないように保管する。
【0112】
次に、待機状態にある液体噴射装置312を、処理液を噴射させるために使用状態に移行させるとき、若しくは液体噴射装置312の待機状態が所定時間(例えば、処理液に浸漬している状態でノズル孔324部分に溶質がくっ付き易くなったり、析出し始める時間より短い所定時間)継続したとき、又は液体噴射装置312のノズル孔324から処理液を噴射する使用状態が所定時間(例えば、処理液をノズル孔324から噴射している状態でノズル孔324部分に溶質が析出し始める時間より短い所定時間)継続したときに、クリーニング処理を実行する。
【0113】
このクリーニング処理では、液体噴射装置312のノズル孔324部分をキャップ351で密閉状態にカバーし、キャップ351内に処理液又は洗浄液等を充填してノズル孔324部分を処理液又は洗浄液等の中に浸漬した状態において、液体噴射装置312の複数の圧電素子326を、通常の処理液噴霧時における数10Hzの周波数、又は数KHzの周波数で駆動する。
【0114】
これにより、ノズル板322の高い振動により、ノズル孔324の孔内に析出している溶質を処理液又は洗浄液等との抵抗によって洗浄して取り除けるので、液体噴射装置312は、処理液の噴射動作を常に適切に実行できる。
【0115】
よって液体噴射装置312は、ノズル孔324の部分に析出した溶質を洗浄するメンテナンスを自動的に行えるので、例えば、液体噴射装置312が薬剤を含む処理液を噴射して塗布する動作が数時間を開けて間欠的に行われるためにノズル孔324部分が乾燥されて溶質が析出し易くなる、いわゆる閉散処理に用いられても、逐次メンテナンスを自動的に行ってノズル孔324の目詰まりを防止でき、良好な使用状態を維持できる。
【0116】
(第2実施の形態)
次に、本発明の液体噴射装置に係わる第2実施の形態につき図11乃至図13によって説明する。本第2実施の形態では、キャップ351を用いる事無くノズル孔324部分を待機状態とし、さらにクリーニング処理可能にする。
【0117】
このため本第2実施の形態で用いる液体噴射装置312は、そのノズル板322の直線状に並ぶノズル孔324郡を設けた部分を内側へ向けて断面台形状に凹ませて所定量の液体を貯留可能な洗浄手段(クリーニング手段)の一部としての貯留部330を構成する。なお、この洗浄手段の一部としての貯留部330は、ノズル板322の直線状に並ぶノズル孔324郡を設けた部分を囲む一連の壁を廻らせて形成しても良い。
【0118】
さらに、この液体噴射装置312は、洗浄手段の一部として貯留部330内に処理液又は洗浄液等をノズル孔324又は別途設けた図示しない注液口若しくは排液口を通じて充填し、さらに排液可能に構成する。
【0119】
さらに図13に示すように、貯留部330の長手方向両端部には、それぞれ待機状態となったことを検出する検出手段としての液検出センサ359を配置する。この2個の液検出センサ359は電極であって、貯留部330内が空のときと貯留部330内に処理液が充填されたときの電気抵抗値の変化を検出して、待機状態となったことを検出可能に構成されている。なお、この2個の液検出センサ359は、処理液が満たされる部分における離れた任意の2箇所に配置して用いることができる。
【0120】
また、この液検出センサ359は、処理液が満たされる部分に、処理液に浸かると抵抗値が変化するサーミスタタイプのセンサを貼り付けて用いることもできる。
【0121】
また、この液体噴射装置312は、図11に示すノズル孔324を下方に向けた使用状態と、図12に示すノズル孔324部分を上方に向けて貯留部330内に液体を貯留可能な洗浄状態との間を移動操作可能なように、回転支持機構によって回動操作可能に構成されている。
【0122】
(液体噴射装置の回転支持機構)
この回転支持機構を構成するため、塗布装置310の本体機台側に、大径の外歯歯車の一部として扇形に構成された固定歯車部366が固定されている。この固定歯車部366の中心には、腕部材368の一方の端部が軸ピン370で同芯となるよう軸着されている。
【0123】
この腕部材368の他方の端部には、軸孔372が穿孔され、この軸孔372に小径の外歯歯車である被動歯車374の軸棒376が軸着されている。このように腕部材368の自由端に軸着された被動歯車374は、固定歯車部366の外歯歯車上を噛合しながら転動するよう配置されている。
【0124】
さらに被動歯車374の軸棒376は液体噴射装置312のフレーム314における各封止板328を設けた各端部に固着され、被動歯車374と液体噴射装置312とが一体的に回動するよう構成されている。
【0125】
(回転支持機構のカム機構)
また、腕部材368を回動操作するための駆動操作手段としてカム機構が配置されている。このカム機構の従動節を構成するため、腕部材368の長手方向上側部には、断面逆L字状に延出する従動側辺378が一体に形成されている。
【0126】
また、カム機構の原動節として、円板状のカム板の偏心位置に回転駆動軸382を固着した板カム380が構成され、この板カム380はその外周を従動側辺378の下面に摺接させるよう配置されている。
【0127】
(液体噴射装置の使用状態)
上述のように回転支持機構によって支持された液体噴射装置312は、図11に示す使用状態において、板カム380の外周上の回転駆動軸382との距離が接近した所定位置で従動側辺378に当接して腕部材368が支持され、さらに腕部材368に軸支された被動歯車374が固定歯車部366に噛合してその回動が制止されることによって、この使用状態が保持されている。
【0128】
(液体噴射装置の洗浄状態)
次に、液体噴射装置312のノズル孔324部分を洗浄する場合には、この液体噴射装置312を上下反転した洗浄状態の姿勢とする。このため、図11に示す使用状態から図示しない駆動源の出力によって回転駆動軸382と一体の板カム380を180度回動する。
【0129】
すると板カム380は、その外周を従動側辺378に摺接させながら回動し、その外周の回転駆動軸382からの距離が大きくなる所定位置で従動側辺378に当接し腕部材368を支持する状態に至る。この板カム380の回動により、腕部材368が回動され、固定歯車部366に噛合する被動歯車374と一体に液体噴射装置312が180度回動された図12に示す逆さ向きの洗浄状態の姿勢とされる。
【0130】
この図12に示す洗浄状態の姿勢において、液体噴射装置312の貯留部330内に処理液(洗浄液、水又は処理液の溶媒等を用いることも可能である。)を充填する場合には、ノズル孔324から処理液を流出させ、又は液体噴射装置312に設けた図示しない注液口から処理液等を注入し、液検出センサ359で処理液が所定量満たされたこと検出するまで充填して満杯とする。
【0131】
次に、液体噴射装置312のノズル孔324部分を洗浄する動作を行う。このノズル孔324部分の洗浄動作は、液体噴射装置312が逆さに向けられて貯留部330内に処理液又は洗浄液等を貯留した状態で、ノズル孔324部分を処理液又は洗浄液等の中に浸漬する。これによりノズル孔324部分は、その内側と外側とに処理液又は洗浄液等が存在することになる。
【0132】
次に、液体噴射装置312の複数の圧電素子326を、通常の処理液噴霧時における数10Hzの周波数、又は数KHzの周波数で駆動して洗浄する。
【0133】
すると、ノズル板322の高い振動により、ノズル孔324の孔内に析出している溶質が処理液又は洗浄液等との抵抗によって洗浄されて取り除かれる。
【0134】
なお、液体噴射装置312の貯留部330の処理液又は洗浄液等に別途用意した図示しない超音波振動子等で超音波振動を加えて、ノズル孔324の孔内に析出している溶質を洗浄して取り除くように構成しても良い。
【0135】
次に、液体噴射装置312の貯留部330内に残留している処理液又は洗浄液等をノズル孔324から、又は液体噴射装置312に設けた図示しない排液口から排液する。
【0136】
次に、塗布装置310の使用を開始するときには、回転支持機構を前述とは逆に動作させることにより、液体噴射装置312を図12に示す洗浄状態から図11に示す使用状態の姿勢へ戻す。そして、液体噴射装置312は、図示しない液体噴射ヘッド拭取り手段によってノズル孔324の外側部分に付着している液滴を拭取られ、次の処理液の噴霧動作に備える。
【0137】
また、本第2実施の形態における塗布装置310では、前述した図1及び図2に示す液体噴射装置のメンテナンス用制御方法を利用することができる。このメンテナンス用制御方法を利用する場合には、液体噴射装置312を処理液の噴霧が可能な使用状態と、ノズル孔324部分を上方に向けて貯留部330内に液体を貯留可能な洗浄状態との間を移動させる動作を、待機動作用の駆動装置としての回転支持機構によって行わせる。
【0138】
また、液体噴射装置312の貯留部330内に処理液を充填して満杯となったことを待機状態検出手段としての液検出センサ359で検出して、待機状態となったことを検知する。
【0139】
なお、本第2実施の形態における以上説明した以外の構成、作用、及び効果は前述した第1実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0140】
(画像形成装置)
次に、前述した第1又は第2実施の形態における塗布装置310を利用した画像形成装置の一例を、図14の概略図により説明する。まず、画像の原稿をスキャナ等で入力し、画像処理して、露光部18の作動準備を整える。
【0141】
次に原稿の画像を感光材料16に形成する指令が装置本体の図示しない制御部へ入力されると、制御部の指令により給紙部12が作動され、帯状の感光材料16が搬送路14上へ送り出される。このように搬送路14上へ所定長さ送り出された感光材料16は、カッタ38で所定の大きさに切断され露光部18へ送られる。
【0142】
次に露光部18では、感光材料16の片面の乳剤面16A上へ所要の原稿画像を露光してから現像処理部20へ送る。現像処理部20では、塗布装置310で感光材料16の乳剤面16A上に現像用の処理液(現像用の薬剤を溶媒に溶解させた処理液等)を塗布し、所定温度の温間を作る処理温調部355の搬送路14上を搬送する間に現像処理し、余った現像用の処理液をローラ367で絞ってから安定化部24へ送る。
【0143】
次に安定化部24では、感光材料16の乳剤面16A上にシャワー装置52によって安定化液をかけ、搬送路14上を搬送する間に安定化処理(脱銀処理)した後、絞りローラ56で感光材料16に付着した残留安定化液を絞り落とし、洗浄部25へ送る。
【0144】
洗浄部25では、感光材料16の乳剤面16Aをシャワー装置58によって水洗して薬剤成分を除去した後、絞りローラ60で感光材料16に付着した水洗水を絞り落としてから感光材料16を乾燥部26へ送る。
【0145】
乾燥部26では、搬送路14上の所定範囲をカバー部材64で覆い、このカバー部材64の内部で温風を感光材料16の乳剤面16A上に吹き付けて乾燥させ、かつ所定温度に加熱したヒートローラ66を感光材料16に転接させて乾燥させながら搬送路14上を搬送する間に乾燥する。そして、乾燥した感光材料16を、画像が形成された完成品として排出口から受け皿上へ送出し画像形成処理の一連の制御動作を完了する。
【0146】
このような塗布装置310は、感光材料16の表面に非接触で微量の処理液を均等に素早く塗布できるので、画像形成装置に用いて好適である。
【0147】
なお、この塗布装置310は、現像機における印画紙への現像液の塗布、印刷機の浸し水の塗布、塗工機等へ応用することができる。
【0148】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の液体噴射装置によれば、ノズル孔が塞がらないようにするメンテナンス動作を必要時に自動的に実行することにより液体噴射装置で液体を噴射する動作を常に適切に実行可能な状態を維持できるから、液体噴射装置で閉散処理を行うような場合でも、メンテナンスの行き届いた液体噴射装置で良好に処理液の塗布を実行できるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液体噴射装置のメンテナンス用制御方法に係わるフローチャートである。
【図2】本発明の液体噴射装置のメンテナンス用制御方法を実行する制御部の要部を例示するブロック図である。
【図3】本発明の液体噴射装置のメンテナンス用制御方法を実行する第1実施の形態の液体噴射装置におけるキャップを外した使用状態を示す概略斜視図である。
【図4】本発明の液体噴射装置のメンテナンス用制御方法を実行する第1実施の形態の液体噴射装置におけるキャップを嵌めた待機状態を示す概略斜視図である。
【図5】本発明の液体噴射装置のメンテナンス用制御方法を実行する第1実施の形態の液体噴射装置を取り出して示す斜視図である。
【図6】本発明の液体噴射装置のメンテナンス用制御方法を実行する第1実施の形態に係わる液体噴射装置の下を感光材料が搬送される状態を示す底面図である。
【図7】本発明の液体噴射装置のメンテナンス用制御方法を実行する第1実施の形態に係わる液体噴射装置の図6のVII−VII線による断面図である。
【図8】本発明の液体噴射装置のメンテナンス用制御方法を実行する第1実施の形態に係わる液体噴射装置から処理液を噴射する状態を図7に対応した断面で示す断面図である。
【図9】本発明の液体噴射装置のメンテナンス用制御方法を実行する第1実施の形態に係わる液体噴射装置のノズル板のノズル孔部分を断面で示す要部拡大断面斜視図である。
【図10】本発明の液体噴射装置のメンテナンス用制御方法を実行する第1実施の形態に係わる液体噴射装置のノズル板のノズル孔部分に溶質が析出した状態を断面で示す要部拡大断面斜視図である。
【図11】本発明の液体噴射装置のメンテナンス用制御方法を実行する第2実施の形態に係わる液体噴射装置を使用状態に支持した回転支持機構の部分を取り出して示す正面図である。
【図12】本発明の液体噴射装置のメンテナンス用制御方法を実行する第2実施の形態に係わる液体噴射装置を待機状態に支持した図11に対応する回転支持機構の部分を取り出して示す正面図である。
【図13】本発明の液体噴射装置のメンテナンス用制御方法を実行する第2実施の形態に係わる液体噴射装置を取り出して示す斜視図である。
【図14】本発明の液体噴射装置のメンテナンス用制御方法を実行する第1又は第2実施の形態に係る液体噴射装置を利用した画像形成装置を例示する概略説明図である。
【図15】従来の画像形成用処理液の塗布装置における使用状態を例示する概略構成図である。
【図16】従来の画像形成装置に設けたノズル孔部分を取り出して示す要部正面である。
【符号の説明】
16 感光材料
100 CPU
108 待機動作用の駆動装置
112 クリーニング動作用の駆動装置
116 第1のタイマ
118 第2のタイマ
120 第3のタイマ
122 待機状態検出手段
124 手操作入力部
310 塗布装置
312 液体噴射装置
321A 液室
322 ノズル板
324 ノズル孔
326 圧電素子
330 貯留部
351 キャップ
353 密閉パッキン
357 拭取り部材
359 液検出センサ

Claims (4)

  1. 圧電素子で加振して液体を噴射するノズル孔部分を持つ液室内に液体を充填して使用待ちの状態とし、
    前記使用待ちの状態から一定時間が経過したことを検知した時点で、前記ノズル孔部分における前記液室内に充填された前記液体に接している内側の部分と反対側の外側の部分を液体に浸漬した待機状態とし、
    前記待機状態のままでいる時間を計測して一定時間が経過したことを検知した時点で、前記ノズル孔部分に接する前記液体を、前記圧電素子で通常の液体噴霧時の周波数よりも高い周波数で加振して、前記ノズル孔部分を洗浄するクリーニング処理を実行することを特徴とする液体噴射装置のメンテナンス方法。
  2. 前記ノズル孔部分を洗浄するときに、前記ノズル孔部分が浸漬されている液体の温度を上げることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置のメンテナンス方法。
  3. 前記ノズル孔部分を洗浄する前に、前記液室を上下反転させることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置のメンテナンス方法。
  4. 液室に充填された液体を圧電素子で加振してノズル孔部分から噴射して画像を形成する液体噴射装置と、
    前記液室の外側で前記ノズル孔部分を液体に浸漬させる浸漬手段と、
    前記ノズル孔部分に接する前記液体を、前記圧電素子で通常の液体噴霧時の周波数よりも高い周波数で加振するクリーニング手段と、
    前記液室内に液体を充填した時点から所定時間が経過したことを検知して、前記クリーニング手段を作動させる制御手段と、
    を有することを特徴とする画像形成装置。
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