JP4210022B2 - 多重伝送装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の信号を光伝送する多重伝送装置に関し、より特定的には、同一もしくは類似の信号でありながら、位相の異なる複数の信号を、それぞれ光信号に変換し、合波することにより、1本の光ファイバで伝送する多重伝送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図15は、従来の多重伝送装置の構成を示したブロック図である。図15において、本多重伝送装置は、第1および第2の合波部15011および15012と、第1および第2の光送信部15021および15022と、光合波部1503と、光伝送路1504と、光分波部1505と、第1および第2の光受信部15061および15062と、遅延制御部1507と、合波部1508とを備えている。
【0003】
上記のように構成された多重伝送装置について、その動作を説明する。第1および第2の合波部15011および15012は、外部より供給される複数の電気信号(例えば、アンテナにおいて受信されたRF信号等)を合波し、出力する。
【0004】
ここで、第1および第2の合波部15011および15012へ入力される電気信号は、互いの周波数や変調形式、変調情報等の信号パラメータが等しいものの、互いの位相が異なる信号であるものとする。このような信号としては、例えば、同一の信号源から出力されながら、第1および第2の合波部15011および15012へ到達するまでの伝搬時間が異なる結果、互いに位相差を生じる信号等が考えられる。
【0005】
図15において、第1および第2の合波部15011および15012には、それぞれ2つの電気信号が入力される。第1の合波部15011には、周波数がfaであって、位相角が0の第1の信号Sa(以後、第1の主要素信号と呼ぶ)と、周波数がfbであって、位相角が0の第2の信号Sb(以後、第2の主要素信号と呼ぶ)とが入力される。第2の合波部15012には、周波数がfaであって、位相角が+τ1(τ1の位相遅れを表す)の第1の信号Sa(以後、第1の副要素信号と呼ぶ)と、周波数がfbであって、位相角が−τ2(τ2の位相進みを表す)の第2の信号Sb(以後、第2の副要素信号と呼ぶ)とが入力される。なお、以下では、第1の主要素信号および副要素信号を総称して第1の要素信号と呼称し、第2の主要素信号および副要素信号を総称して第2の要素信号と呼称するものとする。
【0006】
図15において、以上の各信号は、Sa@fa(0)、Sb@fb(0)、Sa@fa(τa)、Sb@fb(τb)と表記されている。記号「@」は、属性を示す識別記号であって、記号の前を信号名とし、記号の後を信号のパラメータとする。信号のパラメータは、周波数および位相角であって、かっこの中が位相角を表している。
【0007】
なお、上記の位相角は、いずれも伝搬遅延時間に換算することができるので、これと同義であるものとする。また、第1および第2の主要素信号をまとめて、主信号群と呼び、第1および第2の副要素信号をまとめて、副信号群と呼ぶものとする。
【0008】
第1の光送信部15021は、第1の合波部15011に対応して設けられ、第1の合波部15011から出力される主信号群を、波長λ1を有する第1の光信号に変換して出力する。同様に、第2の光送信部15022は、第2の合波部15012に対応して設けられ、第2の合波部15012から出力される副信号群を、波長λ2を有する第2の光信号に変換して出力する。
【0009】
光合波部1503は、第1および第2の光送信部15021および15022から出力されるそれぞれの光信号を合波し、光伝送路1504へ送出する。光分波部1505は、光伝送路1504を介して伝送される光信号を波長によって2つに分離する。分離された光信号は、波長λ1を有する第1の光信号と、波長λ2を有する第2の光信号としてそれぞれ出力される。
【0010】
第1の光受信部15061は、光分波部1505から出力される第1の光信号が入力される。第1の光受信部15061は、入力された第1の光信号を自乗検波することによって、電気信号(主信号群)に変換して出力する。同様に、第2の光受信部15062は、光分波部1505から出力される第2の光信号が入力される。第2の光受信部15062は、入力された第2の光信号を自乗検波することによって、電気信号(副信号群)に変換して出力する。
【0011】
遅延制御部1507は、第1の光受信部15061から出力される主信号群に対して、所定の時間遅延τxを与えた後、出力する。合波部1508は、遅延制御部1507から出力される時間遅延を与えられた主信号群と、第2の光受信部15062から出力される副信号群とを合波し、出力する。
【0012】
以上のように構成された多重伝送装置について、遅延制御部1507における時間遅延τxの設定方法と、時間遅延を設定する本装置の動作原理およびその効果について、具体例と共に以下にに説明する。
【0013】
図16は、本装置の適用例の一つであって、フェイズドアレイ型アンテナの受信システムの構成を簡略化して示したものである。図16において、本装置は、フェイズドアレイ型アンテナのアンテナエレメントである第1および第2のアンテナエレメント16011および16012と、第1および第2の伝送路16041および16042と、遅延制御部1507と、合波部1508とを備えている。
【0014】
ここで、図16における第1および第2のアンテナエレメント16011および16012は、図15における第1および第2の合波部15011および15012に対応する。また、図16における第1および第2の伝送路16041および16042は、図15における第1の光送信部15021から第1の光受信部15061までの第1の光信号の伝搬経路および第2の光送信部15022から第2の光受信部15062までの第2の光信号の伝搬経路がそれぞれ簡略化されて対応する。なお、遅延制御部1507および合波部1508は、同一の構成部であって、同一の番号を付して示されている。
【0015】
図16における第1および第2のアンテナエレメント16011および16012にそれぞれ入力される第1および第2の要素信号は、図15における第1の合波部15011に入力される第1および第2の主要素信号と、第2の合波部15012に入力される第1および第2の副要素信号と同様である。すなわち、これらの主要素信号と副要素信号とは、それぞれ信号源を共有する同一の信号であるが、信号源と第1および第2のアンテナエレメント16011および16012との物理的な配置に起因して、互いに位相の異なる信号となる。
【0016】
例えば、第1のアンテナエレメント16011に入力される第1の主要素信号に対して、第2のアンテナエレメント16012に入力される第1の副要素信号は、共に第1の要素信号Saではあるが、伝搬経路がより長くなることによって、伝搬時間差+τaに相当する位相遅れを有する信号となる。
【0017】
逆に、第1のアンテナエレメント16011に入力される第2の主要素信号に対して、第2のアンテナエレメント16012に入力される第2の副要素信号は、共に第2の要素信号Sbではあるが、伝搬経路がより短く、当該伝搬時間差−τbに相当する位相進みを有する信号である。
【0018】
第1および第2のアンテナエレメント16011および16012に入力された各要素信号は、それぞれが合波されて、対応する第1および第2の伝送路16021および16022を伝搬後、合波部1508によって合成される。
【0019】
ここで、周波数や変調形式、変調情報等の信号パラメータが等しい2つの信号を合成する場合には、信号の位相が互いに同相であれば、合成後に出力される信号の振幅は2倍となる。これに対して、合成される信号の位相が互いに異なる場合には、両信号は相殺しあって、合成後に出力される信号のレベルは低下し、あるいは全く出力されなくなる。
【0020】
図16(または図15)に示される本装置では、以上のような原理を利用するために、第1の伝送路1604中に遅延制御部1507を挿入して、時間遅延τxを付与する。本装置は、この時間遅延τxを調整することによって、第1または第2の要素信号のいずれか一方を、合波部1508より選択的に出力することができる。
【0021】
例えば、時間遅延τxは、第1の合波部15011(または第1のアンテナエレメント16011)に入力される第1の主要素信号を基準とした、第2の合波部15012(または第2のアンテナエレメント16012)に入力される第1の副要素信号の伝搬時間差+τaに一致するように調整される。このことにより、本装置は、第1の要素信号を選択出力することができる。あるいは、時間遅延τxは、第1の合波部15011(または第1のアンテナエレメント16011)に入力される第2の主要素信号を基準とした、第2の合波部15012(または第2のアンテナエレメント16012)に入力される第2の副要素信号の伝搬時間差−τbに一致するように調整される。このことにより、本装置は、第2の要素信号を選択出力することができる。
【0022】
なお、合波部(またはアンテナエレメント)の数は、2つに限られるものではなく、必要に応じて、より多くを設置することが可能である。その場合には、合波部またはアンテナエレメントの数に対応した伝送路および遅延制御部を備える必要がある。
【0023】
以上のように、従来の多重伝送装置では、互いに位相差を有する要素信号を複数含む信号群に対して、各信号群に対応して設けられた複数の経路を経てそれぞれ伝送した後、これらを合成して出力する。このような構成において、各経路の伝搬時間を適当に制御、調整することにより、所定の位相差を有する要素信号のみを選択的に抽出することができる。より具体的には、フェイズドアレイアンテナの受信システムに用いられる場合、本装置は、アンテナの電波受信角度(指向性)を、容易に制御することができる。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の多重伝送装置は、互いに位相差を有する要素信号を複数含む信号群を光信号に変換して伝送後、各光信号を分離し、それぞれ電気信号に再変換し、各遅延時間を調整した後、これらを合成するような上記の構成を有するので、各光信号毎に、光電気変換用の光受信器が複数必要となる。その結果、装置コストが上昇することになる。また、フェイズドアレイ型アンテナの受信システムに用いられる場合には、複数の光源がアンテナ側に設置されることになるので、アンテナ設備のコストが上昇し、システムの経済性が著しく損なわれることになる。
【0025】
さらに、上記の構成において、選択抽出できる要素信号は1つに限られる。したがって、フェイズドアレイ型アンテナの受信システムにおける電波の受信角度は、遅延制御部における遅延時間を変化させることにより時間的に掃引できるものの、瞬時的には1方向に限定される。したがって、アンテナの使用効率、光伝送路の伝送効率は、共に低くなるという特有の課題を有している。
【0026】
そこで、本発明の目的は、光電気変換用の光受信器の数を低減し、また、光源の設置位置の変更等による低コスト化を実現し、あるいは、複数の要素信号を同時に抽出することができる高効率なフェイズドアレイ型アンテナの受信システムを実現する多重伝送装置を提供することである。
【0027】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
第1の発明は、位相が異なる複数の信号を光信号に変換して伝送し、所望の信号のみを抽出することができる多重伝送装置であって、
所定の周波数fxの主局発信号を出力する信号源と、
信号源から出力される主局発信号に対して、所定の時間遅延τxを与えて、第1の副局発信号として出力する第1の遅延制御部と、
信号源から出力される主局発信号を、波長λ1の第1の光信号に変換し、出力する第1の光送信部と、
第1の遅延制御部から出力される第1の副局発信号を、波長λ2の第2の光信号に変換し、出力する第2の光送信部と、
第1の光送信部から出力される第1の光信号と、第2の光送信部から出力される第2の光信号とを合波し、出力する第1の光合波部と、
第1の光合波部から出力される光信号を伝送する第1の光伝送路と、
第1の光伝送路によって伝送される光信号を波長毎に分離し、第1および第2の光信号を、それぞれ出力する光分波部と、
所定の周波数faの第1の主要素信号と、所定の周波数fbの第2の主要素信号とを合波し、主信号群として出力する第1の合波部と、
第1の主要素信号に所定の時間遅延τaが与えられた第1の副要素信号と、第2の主要素信号に所定の時間遅延τbが与えられた第2の副要素信号とを合波し、第1の副信号群として出力する第2の合波部と、
第1の合波部から出力される主信号群によって、光分波部から出力される第1の光信号を変調し、出力する第1の光変調部と、
第2の合波部から出力される第1の副信号群によって、光分波部から出力される第2の光信号を変調し、出力する第2の光変調部と、
第1の光変調部から出力される第1の光信号と、第2の光変調部から出力される第2の光信号とを合波し、出力する第2の光合波部と、
第2の光合波部から出力される光信号を伝送する第2の光伝送路と、
第2の光伝送路によって伝送される光信号を自乗検波し、第1の主要素信号および副要素信号、または第2の主要素信号および副要素信号のいずれか一方に一意に対応する信号を出力する光受信部とを備える。
【0028】
上記第1の発明では、それぞれ異なる位相を有するような2つの信号群を、それぞれ波長の異なる光信号として合波、伝送し、各波長の光信号に対して、所望の要素信号間の位相差を有する複数の局発信号による予変調をそれぞれ施すことにより、所望の要素信号を抽出する多重伝送装置を低コストに実現できる。
【0029】
第2の発明は、第1の発明において、
信号源から出力される主局発信号に対して、他とは異なる時間遅延を与えて、第2の副局発信号として出力する1つ以上の第2の遅延制御部と、
対応する第2の遅延制御部から出力される第2の副局発信号を、他とは異なる波長の第3の光信号に変換し出力する1つ以上の第3の光送信部と、
第1の主要素信号に対して他とは異なる時間遅延が与えられた第3の副要素信号と、第2の主要素信号に対して他とは異なる時間遅延が与えられた第4の副要素信号とを合波し、第2の副信号群として出力する1つ以上の第3の合波部と、
対応する第3の合波部から出力される第2の副信号群によって、光分波部から出力される第3の光信号を変調し、出力する1つ以上の第3の光変調部とをさらに備え、
第1の光合波部は、第1の光送信部から出力される第1の光信号と、第2の光送信部から出力される第2の光信号と、さらに1つ以上の第3の光送信部から出力される第3の光信号とを合波して出力し、
光分波部は、第1の光伝送路によって伝送される光信号を波長毎に分離し、第1および第2の光信号と、さらに1つ以上の第3の光信号とをそれぞれ出力し、
第2の光合波部は、第1の光変調部から出力される第1の光信号と、第2の光変調部から出力される第2の光信号と、さらに1つ以上の第3の光変調部から出力される第3の光信号とを合波して出力し、
光受信部は、第2の光伝送路によって伝送される光信号を自乗検波し、第1の主要素信号(および第1および第3の副要素信号)、または第2の主要素信号(および第2および第4の副要素信号)のいずれか1つに一意に対応する信号を出力することを特徴とする。
【0030】
上記2の発明では、より多くの信号群を光により多重伝送し、各光信号について、局発信号による予変調を施すことにより、より高精度かつ高品質に、所望の要素信号を抽出する多重伝送装置を実現できる。
【0031】
第3の発明は、第1の発明において、
第1の遅延制御部は、所定の時間遅延τxが、第1または第2の主要素信号に対する第1または第2の副要素信号の時間遅延τaまたはτbのいずれか一方に等しくなるように設定され、
光受信部は、第1の主要素信号および副要素信号を周波数│fx−fa│に変換した信号、または第2の主要素信号および副要素信号を周波数│fx−fb│に変換した信号のいずれか一方を出力することを特徴とする。
【0032】
上記第3の発明では、それぞれ異なる位相を有するような2つの信号群を、それぞれ波長の異なる光信号として合波、伝送し、各波長の光信号に対して、所望の要素信号間の位相差を有する複数の局発信号による予変調をそれぞれ施すことにより、所望の要素信号を、局発信号との差ビート周波数成分に変換し、抽出する多重伝送装置を低コストに実現できる。
【0033】
第4の発明は、第3の発明において、
第1の主要素信号および副要素信号の周波数faと、第2の主要素信号および副要素信号の周波数fbとは、一致することを特徴とする。
【0034】
上記第4の発明では、要素信号が同一周波数で、それぞれ異なる位相を有するような2つの信号群を、それぞれ波長の異なる光信号として合波、伝送し、各波長の光信号に対して、所望の要素信号間の位相差を有する複数の局発信号による予変調をそれぞれ施すことにより、いずれの所望の要素信号を、同一の周波数成分に変換し、抽出する多重伝送装置を低コストに実現できる。
【0035】
第5の発明は、第4の発明において、
信号源は、所定の周波数fxが、第1の主要素信号および副要素信号の周波数fa(または第2の主要素信号および副要素信号の周波数fb)の2倍になるように設定され、
光受信部は、第1の主要素信号および副要素信号に対応する周波数faの信号、または第2の主要素信号および副要素信号に対応する周波数fbの信号のいずれか一方を出力することを特徴とする。
【0036】
上記第5の発明では、2つの要素信号が同一周波数で、それぞれ異なる位相を有するような2つの信号群を、それぞれ波長の異なる光信号として合波、伝送し、各波長の光信号に対して、要素信号間の位相差を有し、2倍の周波数の複数の局発信号による予変調をそれぞれ施すことにより、所望の要素信号の周波数を変化させることなく、抽出する多重伝送装置を低コストに実現できる。
【0037】
第6の発明は、第1の発明において、
第1および第2の主要素信号および副要素信号は、いずれも角度変調信号であることを特徴とする。
【0038】
上記第6の発明では、要素信号の変調形式として、周波数変調(FM)を含む角度変調を採用することにより、所望の要素信号以外の要素信号による妨害および干渉を抑圧し、高品質に抽出する多重伝送装置を低コストに実現できる。
【0039】
第7の発明は、第3の発明において、
第1および第2の主要素信号および副要素信号は、いずれも振幅シフトキーイング(ASK:Amplitude Shift Keying)変調信号であって、
信号源は、所定の周波数fxが、第1の主要素信号および副要素信号の周波数faまたは第2の主要素信号および副要素信号の周波数fbのいずれか一方に等しくなるように設定され、
光受信部は、第1または第2の主要素信号および副要素信号のいずれか一方を復調して、対応するベースバンド信号を出力することを特徴とする。
【0040】
上記第7の発明では、要素信号の変調形式として、振幅シフトキーイング(ASK)を採用し、局発信号の周波数を所望の要素信号の周波数に一致させることにより、所望の要素信号のベースバンド情報を、抽出する多重伝送装置を低コストに実現できる。
【0041】
第8の発明は、第1の発明において、
第1の遅延制御部は、所定の時間遅延τxが、第1または第2の主要素信号に対する第1または第2の副要素信号の時間遅延τaまたはτbのいずれか一方と同量かつ逆符号になるように設定され、
光受信部は、第1の主要素信号および副要素信号を周波数fx+faに変換した信号、または第2の主要素信号および副要素信号を周波数fx+fbに変換した信号のいずれか一方を出力することを特徴とする。
【0042】
上記第8の発明では、第1の発明の構成において、、所望の要素信号を、局発信号との和ビート周波数成分に変換し、抽出する多重伝送装置を低コストに実現できる。
【0043】
第9の発明は、第1の発明において、
信号源は、所定の逆拡散符号Cxを元信号とした周波数fxの変調信号を出力し、
第1の主要素信号および副要素信号は、ベースバンド信号Daを所定の拡散符号Caによってスペクトル拡散した変調信号であり、
第2の主要素信号および副要素信号は、ベースバンド信号Dbを所定の拡散符号Cbによってスペクトル拡散した変調信号であることを特徴とする。
【0044】
上記第9の発明では、第1の発明における構成において、要素信号としてスペクトル拡散信号を採用することにより、所望の要素信号のベースバンド情報を抽出する多重伝送装置を低コストに実現できる。
【0045】
第10の発明は、第9の発明において、
信号源は、所定の逆拡散符号Cxが、第1の主要素信号および副要素信号の拡散符号Caまたは第2の主要素信号および副要素信号の拡散符号Cbに対する逆拡散符号に設定され、
第1の遅延制御部は、所定の時間遅延τxが、第1または第2の主要素信号に対する第1または第2の副要素信号の時間遅延τaまたはτbのいずれか一方に等しくなるように設定され、
光受信部は、第1の主要素信号および副要素信号をスペクトル逆拡散し、周波数│fx−fa│に変換した信号、または第2の主要素信号および副要素信号をスペクトル逆拡散し、周波数│fx−fb│に変換した信号のいずれか一方を出力することを特徴とする。
【0046】
上記第10の発明では、第9の発明における構成において、所望の要素信号のベースバンド情報を、局発信号との差ビート周波数成分に変換し、抽出する多重伝送装置を低コストに実現できる。
【0047】
第11の発明は、第10の発明において、
第1の主要素信号および副要素信号の周波数faと、第2の主要素信号および副要素信号の周波数fbとは、一致することを特徴とする。
【0048】
上記第11の発明では、第9の発明における構成において、いずれの所望の要素信号のベースバンド情報を、同一の周波数に変換し、抽出する多重伝送装置を低コストに実現できる。
【0049】
第12の発明は、第11の発明において、
信号源は、所定の周波数fxが、第1の主要素信号および副要素信号の周波数fa(または第2の主要素信号および副要素信号の周波数fb)の2倍になるように設定され、
光受信部は、第1の主要素信号および副要素信号をスペクトル逆拡散した周波数faの信号、または第2の主要素信号および副要素信号をスペクトル逆拡散した周波数fbの信号のいずれか一方を出力することを特徴とする。
【0050】
上記第12の発明では、第9の発明における構成において、所望の要素信号の周波数を変化させることなく、該ベースバンド情報を抽出する多重伝送装置を低コストに実現できる。
【0051】
第13の発明は、第9の発明において、
信号源は、所定の逆拡散符号Cxが、第1の主要素信号および副要素信号の拡散符号Caまたは第2の主要素信号および副要素信号の拡散符号Cbに対する逆拡散符号に設定され、
第1の遅延制御部は、所定の時間遅延τxが、第1または第2の主要素信号に対する第1または第2の副要素信号の時間遅延τaまたはτbのいずれか一方と同量かつ逆符号になるように設定され、
光受信部は、第1の主要素信号および副要素信号をスペクトル逆拡散し、周波数fx+faに変換した信号、または第2の主要素信号および副要素信号をスペクトル逆拡散し、周波数fx+fbに変換した信号のいずれか一方を出力することを特徴とする。
【0052】
上記第13の発明では、第9の発明における構成において、所望の要素信号を、局発信号との和ビート周波数成分に変換し、抽出する多重伝送装置を低コストに実現できる。
【0053】
第14の発明は、位相が異なる複数の信号を光信号に変換して伝送し、所望の信号を同時に抽出することができる多重伝送装置であって、
所定の周波数fxの第1の主局発信号を出力する第1の信号源と、
所定の周波数fyの第2の主局発信号を出力する第2の信号源と、
第1の信号源から出力される第1の主局発信号に対して、所定の時間遅延τxを与えて、第1の副局発信号として出力する第1の遅延制御部と、
第2の信号源から出力される第2の主局発信号に対して、所定の時間遅延τyを与えて、第2の副局発信号として出力する第2の遅延制御部と、
第1の信号源から出力される第1の主局発信号と、第2の信号源から出力される第2の主局発信号とを合波し、主局発信号群として出力する第3の合波部と、
第1の遅延制御部から出力される第1の副局発信号と、第2の遅延制御部から出力される第2の副局発信号とを合波し、第1の副局発信号群として出力する第4の合波部と、
第3の合波部から出力される主局発信号群を、波長λ1の第1の光信号に変換し、出力する第1の光送信部と、
第4の合波部から出力される第1の副局発信号群を、波長λ2の第2の光信号に変換し、出力する第2の光送信部と、
第1の光送信部から出力される第1の光信号と、第2の光送信部から出力される第2の光信号とを合波し、出力する第1の光合波部と、
第1の光合波部から出力される光信号を伝送する第1の光伝送路と、
第1の光伝送路によって伝送される光信号を波長毎に分離し、第1および第2の光信号を、それぞれ出力する光分波部と、
所定の周波数faの第1の主要素信号と、所定の周波数fbの第2の主要素信号とを合波し、主信号群として出力する第1の合波部と、
第1の主要素信号に所定の時間遅延τaが与えられた第1の副要素信号と、第2の主要素信号に所定の時間遅延τbが与えられた第2の副要素信号とを合波し、第1の副信号群として出力する第2の合波部と、
第1の合波部から出力される主信号群によって、光分波部から出力される第1の光信号を変調し、出力する第1の光変調部と、
第2の合波部から出力される第1の副信号群によって、光分波部から出力される第2の光信号を変調し、出力する第2の光変調部と、
第1の光変調部から出力される第1の光信号と、第2の光変調部から出力される第2の光信号とを合波し、出力する第2の光合波部と、
第2の光合波部から出力される光信号を伝送する第2の光伝送路と、
第2の光伝送路によって伝送される光信号を自乗検波し、第1の主要素信号および副要素信号と、第2の主要素信号および副要素信号との双方に一意に対応する信号を出力する光受信部と、
光受信部から出力される信号を、第1の主要素信号および副要素信号と、第2の主要素信号および副要素信号とのそれぞれに一意に対応する各信号成分のみを透過するように分離し、出力する透過部とを備える。
【0054】
上記第14の発明では、それぞれ異なる位相を有するような2つの信号群を、それぞれ波長の異なる光信号として合波、伝送し、各波長の光信号に対して、所望の要素信号間の位相差を有する要素局発信号からなる複数の局発信号群による予変調をそれぞれ施すことにより、複数の所望の要素信号を同時に抽出する多重伝送装置を低コストに実現できる。
【0055】
第15の発明は、第12の発明において、
所定の周波数を有する第3の主局発信号を出力する1つ以上の第3の信号源と、
対応する第3の信号源から出力される第3の主局発信号に対して、他とは異なる時間遅延を与えて、第3の副局発信号として出力する1つ以上の第3の遅延制御部とをさらに備え、
第3の合波部は、第1の信号源から出力される第1の主局発信号と、第2の信号源から出力される第2の主局発信号と、さらに1つ以上の第3の信号源から出力される第3の主局発信号とを合波し、主局発信号群として出力し、
第4の合波部は、第1の遅延制御部から出力される第1の副局発信号と、第2の遅延制御部から出力される第2の副局発信号と、さらに1つ以上の第3の遅延制御部から出力される第3の副局発信号とを合波し、第1の副局発信号群として出力し、
第1の合波部は、所定の周波数faの第1の主要素信号と、所定の周波数fbの第2の主要素信号と、さらに所定の周波数を有する1つ以上の第3の主要素信号とを合波し、主信号群として出力し、
第2の合波部は、第1の主要素信号に所定の時間遅延τaが与えられた第1の副要素信号と、第2の主要素信号に所定の時間遅延τbが与えられた第2の副要素信号と、さらに対応する第3の主要素信号に他とは異なる所定の時間遅延が与えられた1つ以上の第3の副要素信号とを合波し、第1の副信号群として出力し、
光受信部は、第2の光伝送路によって伝送される光信号を自乗検波し、第1の主要素信号および副要素信号と、第2の主要素信号および副要素信号と、1つ以上の第3の主要素信号および副要素信号とに一意に対応する信号を出力し、
透過部は、光受信部から出力される信号を、第1の主要素信号および副要素信号と、第2の主要素信号および副要素信号と、1つ以上の第3の主要素信号および副要素信号とのそれぞれに一意に対応する各信号成分のみを透過するように分離し、出力することを特徴とする。
【0056】
上記第15の発明では、それぞれ異なる位相を有するような3つ以上のの信号群を、それぞれ波長の異なる光信号として合波、伝送し、各波長の光信号に対して、所望の要素信号間の位相差を有する要素局発信号からなる複数の局発信号群による予変調をそれぞれ施すことにより、複数の所望の要素信号を、同時に抽出する多重伝送装置を低コストに実現できる。
【0057】
第16の発明は、第14の発明において、
第1の信号源から出力される第1の主局発信号に対して、他とは異なる時間遅延を与えて、第3の副局発信号として出力する1つ以上の第3の遅延制御部と、第2の信号源から出力される第2の主局発信号に対して、他とは異なる時間遅延を与えて、第4の副局発信号として出力する1つ以上の第4の遅延制御部と、対応する第3の遅延制御部から出力される第3の副局発信号と、対応する第4の遅延制御部から出力される第4の副局発信号とを合波し、第2の副局発信号群として出力する1つ以上の第5の合波部と、
対応する第5の合波部から出力される第2の副局発信号群を、他とは異なる波長の第3の光信号に変換し出力する1つ以上の第3の光送信部と、
第1の主要素信号に対して他とは異なる時間遅延が与えられた第3の副要素信号と、第2の主要素信号に対して他とは異なる時間遅延が与えられた第4の副要素信号とを合波し、第2の副信号群として出力する1つ以上の第6の合波部と、
対応する第6の合波部から出力される第2の副信号群によって、光分波部から出力される第3の光信号を変調し、出力する1つ以上の第3の光変調部とをさらに備え、
第1の光合波部は、第1の光送信部から出力される第1の光信号と、第2の光送信部から出力される第2の光信号と、さらに1つ以上の第3の光送信部から出力される第3の光信号とを合波して出力し、
光分波部は、第1の光伝送路によって伝送される光信号を波長毎に分離し、第1および第2の光信号と、さらに1つ以上の第3の光信号とをそれぞれ出力し、第2の光合波部は、第1の光変調部から出力される第1の光信号と、第2の光変調部から出力される第2の光信号と、さらに1つ以上の第3の光変調部から出力される第3の光信号とを合波して出力し、
光受信部は、第2の光伝送路によって伝送される光信号を自乗検波し、第1の主要素信号(および第1および第3の副要素信号)と、第2の主要素信号(および第2および第4の副要素信号)とのそれぞれに一意に対応する信号を出力し、透過部は、光受信部から出力される信号を、第1の主要素信号(および第1および第3の副要素信号)と、第2の主要素信号(および第2および第4の副要素信号)とのそれぞれに一意に対応する各信号成分のみを透過するように分離し、出力することを特徴とする。
【0058】
上記第16の発明では、より多くの信号群を光により多重伝送し、各光信号について、局発信号による予変調を施すことにより、より高精度かつ高品質に、所望の要素信号を抽出する多重伝送装置を実現できる。
【0059】
第17の発明は、第14の発明において、
第1の遅延制御部は、所定の時間遅延τxが、第1の主要素信号に対する第1の副要素信号の時間遅延τaに等しくなるように設定され、
第2の遅延制御部は、所定の時間遅延τyが、第2の主要素信号に対する第2の副要素信号の時間遅延τbに等しくなるように設定され、
光受信部は、第1の主要素信号および副要素信号を周波数│fx−fa│に変換した信号と、第2の主要素信号および副要素信号を周波数│fx−fb│に変換した信号とを含む信号を出力することを特徴とする。
【0060】
上記第17の発明では、第14の発明の構成において、複数の所望の要素信号を、該局発信号とのビート周波数成分に変換し、同時に抽出する多重伝送装置を低コストに実現できる。
【0061】
第18の発明は、第17の発明において、
第1の主要素信号および副要素信号の周波数faと、第2の主要素信号および副要素信号の周波数fbとは、一致することを特徴とする。
【0062】
上記第18の発明では、第14の発明の構成において、いずれの複数の所望の要素信号を、同一の周波数成分に変換し、抽出する多重伝送装置を低コストに実現できる。
【0063】
第19の発明は、第17の発明において、
第1および第2の主要素信号および副要素信号は、いずれも角度変調信号であることを特徴とする。
【0064】
上記第19の発明では、要素信号の変調形式として、周波数変調(FM)を含む角度変調を採用することにより、所望の要素信号以外の要素信号による妨害および干渉を抑圧し、高品質に抽出する多重伝送装置を低コストに実現できる。
【0065】
第20の発明は、第14の発明において、
第1の遅延制御部は、所定の時間遅延τxが、第1の主要素信号に対する第1の副要素信号の時間遅延τaと同量かつ逆符号になるように設定され、
第2の遅延制御部は、所定の時間遅延τyが、第2の主要素信号に対する第2の副要素信号の時間遅延τbに等しくなるように設定され、
光受信部は、第1の主要素信号および副要素信号を周波数fx+faに変換した信号と、第2の主要素信号および副要素信号を周波数fx+fbに変換した信号とを含む信号を出力することを特徴とする。
【0066】
上記第20の発明では、第14の発明における構成において、所望の要素信号を、局発信号との和ビート周波数成分に変換し、抽出する多重伝送装置を低コストに実現できる。
【0067】
第21の発明は、第14の発明において、
第1の信号源は、所定の逆拡散符号Cxを元信号とした周波数fxの変調信号を出力し、
第2の信号源は、所定の逆拡散符号Cyを元信号とした周波数fyの変調信号を出力し、
第1の主要素信号および副要素信号は、ベースバンド信号Daを所定の拡散符号Caによってスペクトル拡散した変調信号であり、
第2の主要素信号および副要素信号は、ベースバンド信号Dbを所定の拡散符号Cbによってスペクトル拡散した変調信号であることを特徴とする。
【0068】
上記第21の発明では、第14の発明の構成において、要素信号としてスペクトル拡散信号を採用し、複数の所望の要素信号のベースバンド情報を、同時に抽出する多重伝送装置を低コストに実現できる。
【0069】
第22の発明は、第21の発明において、
第1の信号源は、所定の逆拡散符号Cxが、第1の主要素信号および副要素信号の拡散符号Caに対する逆拡散符号に設定され、
第2の信号源は、所定の逆拡散符号Cxが、第2の主要素信号および副要素信号の拡散符号Cbに対する逆拡散符号に設定され、
第1の遅延制御部は、所定の時間遅延τxが、第1の主要素信号に対する第1の副要素信号の時間遅延τaに等しくなるように設定され、
第2の遅延制御部は、所定の時間遅延τyが、第2の主要素信号に対する第2の副要素信号の時間遅延τbに等しくなるように設定され、
光受信部は、第1の主要素信号および副要素信号をスペクトル逆拡散し、周波数│fx−fa│に変換した信号と、第2の主要素信号および副要素信号をスペクトル逆拡散し、周波数│fx−fb│に変換した信号との双方を含む信号を出力することを特徴とする。
【0070】
上記第22の発明では、第14の発明における構成において、所望の要素信号のベースバンド情報を、局発信号との差ビート周波数成分に変換し、抽出する多重伝送装置を低コストに実現できる。
【0071】
第23の発明は、第22の発明において、
第1の主要素信号および副要素信号の周波数faと、第2の主要素信号および副要素信号の周波数fbとは、一致することを特徴とする。
【0072】
上記第23の発明では、第22の発明の構成において、いずれの複数の所望の要素信号を、同一の周波数成分に変換し、抽出する多重伝送装置を低コストに実現できる。
【0073】
第24の発明は、第22の発明において、
拡散符号Caと拡散符号Cbとは、一致することを特徴とする。
【0074】
上記第24の発明では、第22の発明における構成において、拡散符号が一致している場合であっても、所望の要素信号のベースバンド情報を、局発信号との差ビート周波数成分に変換し、抽出する多重伝送装置を低コストに実現できる。
【0075】
第25の発明は、第21の発明において、
第1の信号源は、所定の逆拡散符号Cxが、第1の主要素信号および副要素信号の拡散符号Caに対する逆拡散符号に設定され、
第2の信号源は、所定の逆拡散符号Cxが、第2の主要素信号および副要素信号の拡散符号Cbに対する逆拡散符号に設定され、
第1の遅延制御部は、所定の時間遅延τxが、第1の主要素信号に対する第1の副要素信号の時間遅延τaとは同量かつ逆符号になるように設定され、
第2の遅延制御部は、所定の時間遅延τyが、第2の主要素信号に対する第2の副要素信号の時間遅延τbとは同量かつ逆符号になるように設定され、
光受信部は、第1の主要素信号および副要素信号をスペクトル逆拡散し、周波数fx+faに変換した信号と、第2の主要素信号および副要素信号をスペクトル逆拡散し、周波数fx+fbに変換した信号との双方を含む信号を出力することを特徴とする。
【0076】
上記第25の発明では、第14の発明における構成において、所望の要素信号のベースバンド情報を、局発信号との和ビート周波数成分に変換し、抽出する多重伝送装置を低コストに実現できる。
【0077】
第26の発明は、位相が異なる複数の信号を光信号に変換して伝送し、所望の信号のみを抽出することができる多重伝送装置であって、
所定の周波数fxの主局発信号を出力する信号源と、
信号源から出力される主局発信号に対して、所定の時間遅延τxを与えて、第1の副局発信号として出力する第1の遅延制御部と、
信号源から出力される主局発信号を、波長λ1の第1の光信号に変換し、出力する第1の光送信部と、
第1の遅延制御部から出力される第1の副局発信号を、波長λ2の第2の光信号に変換し、出力する第2の光送信部と、
第1の光送信部から出力される第1の光信号と、第2の光送信部から出力される第2の光信号とを合波し、出力する第1の光合波部と、
第1の端子に入力される光信号を透過して、第2の端子から出力すると共に、第2の端子に入力される光信号を透過して、第3の端子から出力する性質を有し、第1の端子に接続される光合波部から出力される光信号を透過し、第2の端子から出力する第1の光合分波部と、
第1の光合分波部における第2の端子に接続されて、光信号を双方向に伝送する光伝送路と、
第4の端子に入力される光信号を波長毎に分離し、それぞれ第5および第6の端子から出力すると共に、第5および第6の端子に入力される光信号を合波し、第4の端子から出力する性質を有し、第4の端子に接続される光伝送路を介して第1の光合分波部における第2の端子から出力される光信号を波長毎に分離し、第1の光信号を第5の端子から出力し、第2の光信号を第6の端子から出力する第2の光合分波部と、
所定の周波数faの第1の主要素信号と、所定の周波数fbの第2の主要素信号とを合波し、主信号群として出力する第1の合波部と、
第1の主要素信号に所定の時間遅延τaが与えられた第1の副要素信号と、第2の主要素信号に所定の時間遅延τbが与えられた第2の副要素信号とを合波し、第1の副信号群として出力する第2の合波部と、
第1の合波部から出力される主信号群によって、第2の光合分波部における第5の端子から出力される第1の光信号を変調すると共に、これを反射し、第2の光合分波部における第5の端子に入力する第1の光変調部と、
第2の合波部から出力される第1の副信号群によって、第2の光合分波部における第6の端子から出力される第2の光信号を変調すると共に、これを反射し、第2の光合分波部における第6の端子に入力する第2の光変調部と、
第1の光合分波部における第3の端子から出力される光信号を自乗検波し、第1の主要素信号および副要素信号、または第2の主要素信号および副要素信号のいずれか一方に一意に対応する信号を出力する光受信部とを備える。
【0078】
上記第26の発明では、それぞれ異なる位相を有するような2つの信号群を、それぞれ波長の異なる光信号として合波、伝送し、各波長の光信号に対して、所望の要素信号間の位相差を有する複数の局発信号による予変調をそれぞれ施す構成において、反射型光変調器を用いて、2つの信号群をそれぞれ光信号に変換し、1本の光ファイバを双方向伝送に使用することにより、より簡単な装置構成により、所望の要素信号を抽出する多重伝送装置をさらに低コストに実現できる。
【0079】
第27の発明は、位相が異なる複数の信号を光信号に変換して伝送し、所望の信号のみを抽出することができる多重伝送装置であって、
所定の周波数faの第1の主要素信号と、所定の周波数fbの第2の主要素信号とを合波し、主信号群として出力する第1の合波部と、
第1の主要素信号に所定の時間遅延τaが与えられた第1の副要素信号と、第2の主要素信号に所定の時間遅延τbが与えられた第2の副要素信号とを合波し、第1の副信号群として出力する第2の合波部と、
第1の合波部から出力される主信号群を、波長λ1の第1の光信号に変換し、出力する第1の光送信部と、
第2の合波部から出力される第1の副信号群を、波長λ2の第2の光信号に変換し、出力する第2の光送信部と、
第1の光送信部から出力される第1の光信号と、第2の光送信部から出力される第2の光信号とを合波し、出力する第1の光合波部と、
第1の光合波部から出力される光信号を伝送する光伝送路と、
光伝送路によって伝送される光信号を波長毎に分離し、第1および第2の光信号を、それぞれ出力する光分波部と、
所定の周波数fxの主局発信号を出力する信号源と、
信号源から出力される主局発信号に対して、所定の時間遅延τxを与えて、第1の副局発信号として出力する第1の遅延制御部と、
信号源から出力される主局発信号によって、光分波部から出力される第1の光信号を変調し、出力する第1の光変調部と、
第1の遅延制御部から出力される第1の副局発信号によって、光分波部から出力される第2の光信号を変調し、出力する第2の光変調部と、
第1の光変調部から出力される第1の光信号と、第2の光変調部から出力される第2の光信号とを合波し、出力する第2の光合波部と、
第2の光合波部から出力される光信号を自乗検波し、第1の主要素信号および副要素信号、または第2の主要素信号および副要素信号のいずれか一方に一意に対応する信号を出力する光受信部とを備える。
【0080】
上記第27の発明では、それぞれ異なる位相を有するような2つの信号群を、それぞれ波長の異なる光信号として合波、伝送し、各波長の光信号に対して、所望の要素信号間の位相差を有する複数の局発信号による再変調をそれぞれ施すことにより、所望の要素信号を抽出する多重伝送装置を実現できる。
【0081】
第28の発明は、第27の発明において、
第1の主要素信号に対して他とは異なる時間遅延が与えられた第3の副要素信号と、第2の主要素信号に対して他とは異なる時間遅延が与えられた第4の副要素信号とを合波し、第2の副信号群として出力する1つ以上の第3の合波部と、
対応する第3の合波部から出力される第2の副信号群を、他とは異なる波長の第3の光信号に変換し出力する1つ以上の第3の光送信部と、
信号源から出力される主局発信号に対して、他とは異なる時間遅延を与えて、第2の副局発信号として出力する1つ以上の第2の遅延制御部と、
対応する第2の遅延制御部から出力される第2の副局発信号によって、光分波部から出力される第3の光信号を変調し、出力する1つ以上の第3の光変調部とをさらに備え、
第1の光合波部は、第1の光送信部から出力される第1の光信号と、第2の光送信部から出力される第2の光信号と、さらに1つ以上の第3の光送信部から出力される第3の光信号とを合波して出力し、
光分波部は、光伝送路によって伝送される光信号を波長毎に分離し、第1および第2の光信号と、さらに1つ以上の第3の光信号とをそれぞれ出力し、
第2の光合波部は、第1の光変調部から出力される第1の光信号と、第2の光変調部から出力される第2の光信号と、さらに1つ以上の第3の光変調部から出力される第3の光信号とを合波して出力し、
光受信部は、第2の光合波部から出力される信号を自乗検波し、第1の主要素信号(および第1および第3の副要素信号)、または第2の主要素信号(および第2および第4の副要素信号)のいずれか1つに一意に対応する信号を出力することを特徴とする。
【0082】
上記第28の発明では、より多くの信号群を光により多重伝送し、各光信号について、局発信号による再変調を施すことにより、より高精度かつ高品質に、所望の要素信号を抽出する多重伝送装置を実現できる。
【0083】
第29の発明は、第27の発明において、
信号源は、所定の逆拡散符号Cxを元信号とした周波数fxの変調信号を出力し、
第1の主要素信号および副要素信号は、ベースバンド信号Daを所定の拡散符号Caによってスペクトル拡散した変調信号であり、
第2の主要素信号および副要素信号は、ベースバンド信号Dbを所定の拡散符号Cbによってスペクトル拡散した変調信号であることを特徴とする。
【0084】
上記第29の発明では、第27の発明における構成において、要素信号としてスペクトル拡散信号を採用することにより、所望の要素信号のベースバンド情報を抽出する多重伝送装置を低コストに実現できる。
【0085】
第30の発明は、位相が異なる複数の信号を光信号に変換して伝送し、所望の信号を同時に抽出することができる多重伝送装置であって、
所定の周波数faの第1の主要素信号と、所定の周波数fbの第2の主要素信号とを合波し、主信号群として出力する第1の合波部と、
第1の主要素信号に所定の時間遅延τaが与えられた第1の副要素信号と、第2の主要素信号に所定の時間遅延τbが与えられた第2の副要素信号とを合波し、第1の副信号群として出力する第2の合波部と、
第1の合波部から出力される主信号群を、波長λ1の第1の光信号に変換し、出力する第1の光送信部と、
第2の合波部から出力される第1の副信号群を、波長λ2の第2の光信号に変換し、出力する第2の光送信部と、
第1の光送信部から出力される第1の光信号と、第2の光送信部から出力される第2の光信号とを合波し、出力する第1の光合波部と、
第1の光合波部から出力される光信号を伝送する光伝送路と、
光伝送路によって伝送される光信号を波長毎に分離し、第1および第2の光信号を、それぞれ出力する光分波部と、
所定の周波数fxの第1の主局発信号を出力する第1の信号源と、
所定の周波数fyの第2の主局発信号を出力する第2の信号源と、
第1の信号源から出力される第1の主局発信号に対して、所定の時間遅延τxを与えて、第1の副局発信号として出力する第1の遅延制御部と、
第2の信号源から出力される第2の主局発信号に対して、所定の時間遅延τyを与えて、第2の副局発信号として出力する第2の遅延制御部と、
第1の信号源から出力される第1の主局発信号と、第2の信号源から出力される第2の主局発信号とを合波し、主局発信号群として出力する第3の合波部と、
第1の遅延制御部から出力される第1の副局発信号と、第2の遅延制御部から出力される第2の副局発信号とを合波し、第1の副局発信号群として出力する第4の合波部と、
第3の合波部から出力される主局発信号群によって、光分波部から出力される第1の光信号を変調し、出力する第1の光変調部と、
第4の合波部から出力される第1の副局発信号群によって、光分波部から出力される第2の光信号を変調し、出力する第2の光変調部と、
第1の光変調部から出力される第1の光信号と、第2の光変調部から出力される第2の光信号とを合波し、出力する第2の光合波部と、
第2の光合波部から出力される光信号を自乗検波し、第1の主要素信号および副要素信号と、第2の主要素信号および副要素信号との双方に一意に対応する信号を出力する光受信部と、
光受信部から出力される信号を、第1の主要素信号および副要素信号と、第2の主要素信号および副要素信号とのそれぞれに一意に対応する各信号成分のみを透過するように分離し、出力する透過部とを備える。
【0086】
上記第30の発明では、それぞれ異なる位相を有するような2つの信号群を、それぞれ波長の異なる光信号として合波、伝送し、各波長の光信号に対して、所望の要素信号間の位相差を有する要素局発信号からなる複数の局発信号群による再変調をそれぞれ施すことにより、複数の所望の要素信号を同時に抽出する多重伝送装置を実現できる。
【0087】
第31の発明は、第30の発明において、
所定の周波数を有する第3の主局発信号を出力する1つ以上の第3の信号源と、
第1の合波部は、所定の周波数faの第1の主要素信号と、所定の周波数fbの第2の主要素信号と、さらに所定の周波数を有する1つ以上の第3の主要素信号とを合波し、主信号群として出力し、
第2の合波部は、第1の主要素信号に所定の時間遅延τaが与えられた第1の副要素信号と、第2の主要素信号に所定の時間遅延τbが与えられた第2の副要素信号と、さらに対応する第3の主要素信号に他とは異なる所定の時間遅延が与えられた1つ以上の第3の副要素信号とを合波し、第1の副信号群として出力し、
第3の合波部は、第1の信号源から出力される第1の主局発信号と、第2の信号源から出力される第2の主局発信号と、さらに1つ以上の第3の信号源から出力される第3の主局発信号とを合波し、主局発信号群として出力し、
第4の合波部は、第1の遅延制御部から出力される第1の副局発信号と、第2の遅延制御部から出力される第2の副局発信号と、さらに1つ以上の第3の遅延制御部から出力される第3の副局発信号とを合波し、第1の副局発信号群として出力し、
対応する第3の信号源から出力される第3の主局発信号に対して、他とは異なる時間遅延を与えて、第3の副局発信号として出力する1つ以上の第3の遅延制御部とをさらに備え、
光受信部は、第2の光合波部から出力される光信号を自乗検波し、第1の主要素信号および副要素信号と、第2の主要素信号および副要素信号と、1つ以上の第3の主要素信号および副要素信号とに一意に対応する信号を出力し、
透過部は、光受信部から出力される信号を、第1の主要素信号および副要素信号と、第2の主要素信号および副要素信号と、1つ以上の第3の主要素信号および副要素信号とのそれぞれに一意に対応する各信号成分のみを透過するように分離し、出力することを特徴とする。
【0088】
上記第31の発明では、それぞれ異なる位相を有するような3つ以上の信号群を、それぞれ波長の異なる光信号として合波、伝送し、各波長の光信号に対して、所望の要素信号間の位相差を有する要素局発信号からなる複数の局発信号群による再変調をそれぞれ施すことにより、複数の所望の要素信号を同時に抽出する多重伝送装置を低コストで実現できる。
【0089】
第32の発明は、第30の発明において、
第1の主要素信号に対して他とは異なる時間遅延が与えられた第3の副要素信号と、第2の主要素信号に対して他とは異なる時間遅延が与えられた第4の副要素信号とを合波し、第2の副信号群として出力する1つ以上の第6の合波部と、
対応する第6の合波部から出力される第2の副信号群を、他とは異なる波長の第3の光信号に変換し出力する1つ以上の第3の光送信部と、
第1の信号源から出力される第1の主局発信号に対して、他とは異なる時間遅延を与えて、第3の副局発信号として出力する1つ以上の第3の遅延制御部と、
第2の信号源から出力される第2の主局発信号に対して、他とは異なる時間遅延を与えて、第4の副局発信号として出力する1つ以上の第4の遅延制御部と、
対応する第3の遅延制御部から出力される第3の副局発信号と、対応する第4の遅延制御部から出力される第4の副局発信号とを合波し、第2の副局発信号群として出力する1つ以上の第5の合波部と、
対応する第5の合波部から出力される第2の副局発信号群によって、光分波部から出力される第3の光信号を変調し、出力する1つ以上の第3の光変調部とをさらに備え、
第1の光合波部は、第1の光送信部から出力される第1の光信号と、第2の光送信部から出力される第2の光信号と、さらに1つ以上の第3の光送信部から出力される第3の光信号とを合波して出力し、
光分波部は、光伝送路によって伝送される光信号を波長毎に分離し、第1および第2の光信号と、さらに1つ以上の第3の光信号とをそれぞれ出力し、
第2の光合波部は、第1の光変調部から出力される第1の光信号と、第2の光変調部から出力される第2の光信号と、さらに1つ以上の第3の光変調部から出力される第3の光信号とを合波して出力し、
光受信部は、第2の光合波部から出力される光信号を自乗検波し、第1の主要素信号(および第1および第3の副要素信号)と、第2の主要素信号(および第2および第4の副要素信号)とのそれぞれに一意に対応する信号を出力し、
透過部は、光受信部から出力される信号を、第1の主要素信号(および第1および第3の副要素信号)と、第2の主要素信号(および第2および第4の副要素信号)とのそれぞれに一意に対応する各信号成分のみを透過するように分離し、出力することを特徴とする。
【0090】
上記第32の発明では、より多くの信号群を光により多重伝送し、各光信号について、局発信号による予変調を施すことにより、より高精度かつ高品質に、所望の要素信号を抽出する多重伝送装置を実現できる。
【0091】
第33の発明は、位相が異なる複数の信号を光信号に変換して伝送し、所望の信号を抽出することができる多重伝送方法であって、
複数の主要素信号と、対応する主要素信号に対してそれぞれ異なる位相差が与えられた複数の副要素信号とを、それぞれ波長が異なる複数の光信号に変換するステップと、
各光信号を、主局発信号と、副要素信号に与えられた位相差と等しくなるような位相差を主局発信号に与えて生成される副局発信号とによって、それぞれ予変調または再変調するステップと、
光信号を自乗検波し、光信号から所望の主要素信号および副要素信号を変換して抽出するステップとを備える。
【0092】
上記第33の発明では、それぞれ異なる位相を有する複数の信号群を、それぞれ波長の異なる光信号として合波、伝送し、各波長の光信号に対して、所望の要素信号間の位相差を有する複数の局発信号による予変調ないし再変調をそれぞれ施すことにより、所望の要素信号を抽出する多重伝送方法を実現することができる。
【0093】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る多重伝送装置について、図1にその構成を示すと共に、以下に説明する。図1において、本多重伝送装置は、信号源101と、遅延制御部102と、第1および第2の光送信部1031および1032と、第1の光合波部104と、第1の光伝送路1051と、光分波部106と、第1および第2の合波部1071および1072と、第1および第2の光変調部1081および1082と、第2の光合波部109と、第2の光伝送路1052と、光受信部110とを備えている。
【0094】
なお、図1において、Sa@fa(0)、Sb@fb(0)、Sa@fa(τa)、Sb@fb(τb)と表記されている各信号は、前述した図15における各信号と同じである。また、本装置をフェイズドアレイ型アンテナの受信システムの構成に適用できることについては、図16において前述したとおりである。
【0095】
次に、図1に示す本実施形態の動作を説明する。信号源101は、所定の周波数fxの局発信号を出力する。遅延制御部102は、信号源101から出力される局発信号(主局発信号)に対して、所定の時間遅延(位相差)τxを付与し、副局発信号として出力する。
【0096】
第1の光送信部1031は、信号源101から出力される主局発信号を、波長λ1の第1の光信号に変換して出力する。第2の光送信部1032は、遅延制御部102から出力される副局発信号を、波長λ2の第2の光信号に変換して出力する。
【0097】
第1の光合波部104は、第1および第2の光送信部1031および1032から出力される第1および第2の光信号を合波し、第1の光伝送路1051へ送出する。光分波部106は、第1の光伝送路1051を介して伝送される光信号を波長毎に分離し、波長λ1の第1の光信号と、波長λ2の第2の光信号を、それぞれ出力する。
【0098】
第1の合波部1071は、周波数faの第1の主要素信号Saと、周波数fbの第2の主要素信号Sbとを合波して出力する。第2の合波部1072は、第1の合波部1071に入力される第1の主要素信号に対して位相差(遅延時間差)τaを有する第1の副要素信号と、第2の主要素信号に対して位相差τbを有する第2の副要素信号とを合波して出力する。
【0099】
第1および第2の光変調部1081および1082は、第1および第2の合波部1071および1072に対応して設けられ、光分波部106から出力される第1および第2の光信号が入力される。また、第1および第2の光変調部1081および1082は、それぞれ対応する第1および第2の合波部1071および1072から出力される信号(主要素信号群および副要素信号群)によって、光分波部106から出力される第1および第2の光信号を変調して出力する。
【0100】
第2の光合波部109は、第1および第2の光変調部1081および1082から出力される第1および第2の光信号を合波し、第2の光伝送路1052へ送出する。
【0101】
光受信部110は、自乗検波特性を有し、第2の光伝送路1052を介して伝送される光信号を電気信号に再変換し、第1または第2の要素信号をそれぞれ周波数変換して得られる信号Sa’またはSb’を出力する。なお、第1の主要素信号および副要素信号を総称して第1の要素信号と呼称し、第2の主要素信号および副要素信号を総称して第2の要素信号と呼称することは前述したとおりである。
【0102】
ここで、本多重伝送装置の動作について、さらに詳しく説明する。まず、第1の光送信部1031は、主局発信号(周波数fx)を用いて、第1の光信号に予め変調を施す。その後、第1の光変調部1081は、第1の主要素信号(周波数fa)および第2の主要素信号(周波数fb)を用いて、変調された第1の光信号に対してさらに変調を施す。このことにより、光受信部110は、自乗検波動作によって、伝送されてきた光信号をそれぞれ差周波成分である周波数│fx−fa│および│fx−fb│の電気信号に変換して、出力する。図2は、これらの信号の周波数スペクトルを例示した図である。
【0103】
同様に、第2の光信号に搬送された第1および第2の副要素信号も、光受信部110において、それぞれ周波数│fx−fa│および│fx−fb│に変換されて、出力される。
【0104】
なお、以上においては、第1および第2の要素信号は、それぞれ第1および第2の光送信部1031および1032における変調周波数と、第1および第2の光変調部1081および1082における変調周波数との差周波成分(例えば、│fx−fa│、または│fx−fb│等)に変換されて出力される場合について説明した。しかし、第1および第2の要素信号の周波数変換成分は、和周波(例えば、fx+fa、またはfx+fb)にも同時に発生している。したがって、この成分を抽出することによっても、全く同様の動作および効果を実現することが可能である。
【0105】
ここで、光受信部110から出力される第1または第2の主要素信号および副要素信号の各位相は、第1および第2の光送信部1031および1032に各々入力される主局発信号および副局発信号の位相と、第1および第2の光変調部1081および1082に各々入力される第1または第2の主要素信号および副要素信号の位相とによって決定される。
【0106】
例えば、第1の光送信部1031に入力される主局発信号の位相を0とし、第1の光変調部1081に入力される第1の主要素信号の位相を0とする。そうすると、光受信部110から出力される(周波数変換された)第1の主要素信号の位相は0となる。また、第2の光送信部1032に入力される副局発信号の位相をτxとし、第2の光変調部1082に入力される第1の副要素信号の位相をτaとする。そうすると、光受信部110から出力される第1の副要素信号の位相はτx−τaとなる。
【0107】
そこで、光受信部110から出力される第1の主要素信号および副要素信号が、互いに同相となるように、遅延制御部102における時間遅延τxを調整する。このように調整すれば、本装置は、第1の要素信号を抽出することができる。または、光受信部110から出力される第2の主要素信号および副要素信号が、互いに同相となるように、遅延制御部102における時間遅延τxを調整する。このように調整すれば、本装置は、第2の要素信号を抽出することができる。
【0108】
もちろん、以上のように上記の信号間の位相が同相になるように調整する場合、同相の信号同士は強め合うとしても、同相でない信号同士が必ずしも消滅するわけではない。しかし、少なくとも光受信部110から出力される第1および第2の要素信号の信号レベルには差が生じるので、本装置は、大きなレベルを有する信号の方を容易に抽出することができる。
【0109】
次に、第1および第2の要素信号(主要素信号および副要素信号の双方を含む)の周波数配置について、図2を参照しながら説明する。一般に、複数の信号を多重伝送する場合には、伝送後の各信号の抽出と、干渉による品質劣化を防ぐため、それぞれの占有周波数帯域が互いに重ならないように設定される。例えば、図2(a)に示されるように、第1および第2の要素信号の各占有周波数帯域は、互いに一致しないように設定される。図2(a)において、第1の要素信号の周波数faと第2の要素信号の周波数fbとは、一致しない。
【0110】
これに対して、本装置においては、上述した図2(a)の場合はもちろん、図2(b)に示されように、第1および第2の要素信号の占有周波数帯を互いに一致させ、あるいはその一部を重複させることが可能である。即ち、上述したように、信号の位相領域の相関性を利用して、複数の要素信号から所定の要素信号の抽出を行う動作により、たとえ、第1および第2の要素信号の周波数が一致する場合(fa=fb)においても、第1の主要素信号および副要素信号の間の位相差τaと、第2の主要素信号および副要素信号の間の位相差τbとが異なる限り、時間遅延τxを適当に調整して、どちらか一方を抽出することができる。
【0111】
また、以上の場合には、第1および第2の要素信号のいずれを選択する場合にも、光受信部110から出力される(周波数変換された)第1および第2の要素信号の占有周波数帯域は同一(│fx−fa│=│fx−fb│)となる。したがって、本装置の構成は、光受信部110の後段に接続される図示されていない信号処理装置等の構成を簡単化することができ、また、その要求性能を緩和することができる。
【0112】
さらに、本装置における局発信号の周波数fxについて説明する。図2(a)に示すように、局発信号の周波数fxは、第1および第2の要素信号のいずれにも一致しないように設定される。そして、局発信号によって、それぞれの要素信号は、周波数│fx−fa│および│fx−fb│の信号に変換されて抽出される。
【0113】
ここで、図3に示すように、局発信号の周波数fxを、第1および第2の要素信号の周波数の2倍(fx=2fa=2fb)になるように設定することにより、光受信部110から出力される(周波数変換された)第1および第2の要素信号の各周波数を、周波数変換前と同一(│fx−fa│=│fx−fb│=fa=fb)にすることができる。したがって、このような構成によれば、光受信部110の後段に接続される図示されない信号処理装置等の構成をさらに簡単化することができ、また、システム全体の整合性を高めることができる。
【0114】
次に、本構成において取り扱われる、変調形式について説明する。第1および第2の要素信号については、AMや、QPSK等いかなる変調形式をも用いることができる。もっとも、変調形式として角度変調、すなわち周波数変調(FM)または位相変調(PM)を採用した場合には、FM信号等に特有の不要信号成分に対する閾値現象を利用することができる。したがって、本装置は、抽出すべき要素信号に対するもう一方の不要な要素信号の妨害や干渉を抑圧することができる。
【0115】
また、変調形式として振幅シフトキーイング(ASK:Amplitude Shift Keying)変調を採用した場合には、第1または第2の要素信号のベースバンド情報(DaまたはDb)を簡易な構成によって抽出することができる。
【0116】
すなわち、局発信号について、時間遅延τxを適当に調整すると共に、図4に示すように、周波数fxを、第1または第2の要素信号の周波数(faまたはfb)のいずれかに一致するように設定する。そうすれば、局発信号と第1または第2の要素信号との周波数差はなくなるので、これらの信号を自乗検波すればベースバンド信号が生じることになる。このことにより、本装置は、光受信部110から、ASK変調信号(第1または第2の要素信号)の元信号であるベースバンド情報を取り出すことができる。
【0117】
また、図2(b)に示されるような第1および第2の要素信号の周波数が互いに一致する場合(fa=fb)には、局発信号の周波数fxも、第1の要素信号の周波数fa(または第2の要素信号の周波数fb)に予め一致させる。そして、時間遅延τxのみを調整すれば、第1または第2の要素信号のベースバンド情報(DaまたはDb)を簡易な構成によって抽出することができる。
【0118】
以上説明したように、第1の実施形態に係る多重伝送装置によれば、互いに異なる位相の要素信号を複数含む信号群をそれぞれ光信号に変換し、合波した光信号を伝送後、電気信号に再変換する構成において、各光信号を、所定の位相差を有する同一の局発信号で予め変調することにより、光受信器を1つのみ使用し、光源を合波部(アンテナ)近傍に設置しない構成により、装置の低コスト化を実現しながら、複数の要素信号(信号群)から、所望の要素信号のみを周波数変換して選択的に抽出することができる。
【0119】
また、要素信号の占有周波数帯域が互いに一致もしくは重複する場合においても、所望の要素信号のみを周波数変換して選択的に抽出し、あるいは、局発信号の周波数を適当に設定することにより、所望の要素信号の周波数を、周波数変換前と同一に維持しながら抽出し、システムの整合性を高めることができる。
【0120】
さらに、要素信号の変調形式として、FM変調を採用することにより、抽出すべき要素信号以外の要素信号による妨害や干渉を抑圧し、所望の要素信号を高品質に抽出することができる。また、ASK変調を採用することにより、局発信号の周波数を、抽出すべき要素信号の周波数に一致させて、所望の要素信号を復調し、対応するベースバンド情報を直接抽出することができる。
【0121】
なお、以上では、2つの要素信号(第1および第2の主要素信号および副要素信号)が第1および第2の合波部1071および1072へ入力される場合について説明した。しかし、入力される要素信号の数は3つ以上であってもよい。そのような場合であっても、各主要素信号および対応する副要素信号の間の位相差がそれぞれ異なる限り、時間遅延τxを適当に調整して、任意の要素信号を抽出することができる。
【0122】
また、第1および第2の合波部1071および1072を含む合波部(アンテナエレメント)の数は3つ以上であってもよい。すなわち、本装置は、1つ以上の遅延制御部と、光送信部と、合波部と、光変調部とをさらに備えてもよい。以下、これらの本装置にさらに追加される構成部の動作を説明する。
【0123】
まず、追加される遅延制御部は、信号源101から出力される電気信号の位相を遅延制御部102とは異なるように遅延させる。追加される光送信部は、当該追加される遅延制御部から入力された電気信号を他とは異なる光波長を有する第3の光信号に変換して第1の光合波部104へ出力する。追加される合波部は、他とは位相のみが異なる2つの信号を装置外部より入力されてそれらを合波する。追加される変調部は、当該追加される合波部からの電気信号に基づいて、光分波部106から分岐されて入力された第3の光信号を変調し、第2の光合波部109へ出力する。
【0124】
以上のように構成すれば、本装置は、各合波部に入力される位相のみが異なる各要素信号が光受信部110において互いに強め合うように、それぞれの時間遅延を適当に調整して、任意の要素信号をより高精度かつ高品質に抽出することができる。
【0125】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る多重伝送装置について、図5にその構成を示すと共に、以下に説明する。図5において、本多重伝送装置は、逆拡散信号源501と、遅延制御部102と、第1および第2の光送信部1031および1032と、第1の光合波部104と、第1の光伝送路1051と、光分波部106と、第1および第2の合波部1071および1072と、第1および第2の光変調部1081および1082と、第2の光合波部109と、第2の光伝送路1052と、光受信部110とを備えている。
【0126】
図5の本多重伝送装置は、前述した図1の多重伝送装置に対して、信号源101に替えて逆拡散信号源501を備え、第1および第2の要素信号としてスペクトル拡散信号が入力される点が異なる。
【0127】
なお、図5において、Sa@[Ca(Da)]fa(0)、Sb@[Cb(Db)]fb(0)、Sa[Ca(Da)]@fa(τa)、Sb[Cb(Db)]@fb(τb)と表記されている各信号は、前述した図1における各信号に準じて表記されている。ただし、これらの要素信号は、スペクトル拡散信号であって、[]内には対応する信号の拡散符号(CaないしCb)および搬送されるデータ(DaないしDb)が表されている。
【0128】
次に、図5に示す本装置の動作を説明する。本装置の構成は、前述の第1の実施形態に係る多重伝送装置に準ずるため、同一の動作を行う構成部については、同一の番号を付して、その説明を省略し、相違点のみを以下に説明する。
【0129】
本多重伝送装置は、第1および第2の要素信号として、スペクトル拡散信号を使用する。ここで、スペクトル拡散信号としては、一般的なCDMA(CodeDivision Multiple Access)信号等を想定する。また、第1の要素信号は、ベースバンド情報Daを拡散符号Caによりスペクトル拡散した信号Saとし、第2の要素信号は、ベースバンド情報Dbを拡散符号Cbによりスペクトル拡散した信号Sbとする。さらに、逆拡散信号源501は、所定の逆拡散符号Cxによる所定の周波数fxの変調信号を出力する。
【0130】
ただし、以下の説明においては、上述の拡散符号CaとCbとは等しいものとする。もちろん、特定のエリア内において、複数のスペクトル拡散信号の拡散符号は、一致しないように設定されるのが通常である。しかし、例えば、隣接する2つのエリアの境界付近では、双方のエリアから同一の拡散符号を有する2つのスペクトル拡散信号が同時に到来することは十分に考えられる。このような場合に、逆拡散信号源501における逆拡散符号Cxを調整することによっては、同一の拡散符号を有する2つのスペクトル拡散符号を選択して復調することができない。
【0131】
そこで、所定の逆拡散符号Cxを拡散符号Ca(=Cb)の逆拡散符号Ca-1に設定し、かつ、遅延制御部102において、所定の時間遅延τxを第1の主要素信号と副要素信号との間の位相差τaに一致させる。このことにより、本装置は、第1の要素信号をスペクトル逆拡散して、図6に示されるように、周波数│fx−fa│において第1の要素信号のベースバンド情報Daを光受信部110から出力する。
【0132】
同様に、所定の逆拡散符号Cxを拡散符号Cb(=Ca)の逆拡散符号Cb-1に設定し、かつ、遅延制御部102において、所定の時間遅延τxを第2の主要素信号と副要素信号との間の位相差τbに一致させる。このことにより、本装置は、第2の要素信号をスペクトル逆拡散して、図6に示されるように、周波数│fx−fb│において第2の要素信号のベースバンド情報Dbを光受信部110から出力する。
【0133】
また、図2(b)において前述したように、第1および第2の要素信号の占有周波数帯域が互いに一致ないし重複する場合であっても、同様である。すなわち、たとえ、図6(b)に示されるように第1および第2の要素信号の周波数が一致する場合(fa=fb)においても、第1の主要素信号および副要素信号の間の位相差τaと、第2の主要素信号および副要素信号の間の位相差τbとが異なる限り、時間遅延τxを適当に調整して、どちらか一方を抽出することができる。
【0134】
したがって、第1または第2の要素信号のいずれを選択する場合にも、光受信部110から出力される(周波数変換された)第1および第2の要素信号の周波数は一致する(│fx−fa│=│fx−fb│)。このことにより、光受信部110の後段に接続される図示されていない信号処理装置等の構成を簡単化することができ、またその要求性能を緩和することができる。
【0135】
なお、第1および第2の要素信号の周波数変換成分は、和周波(例えば、fx+fa、またはfx+fb)にも同時に発生しているので、この成分を抽出することによっても、全く同様の動作および効果を実現することが可能であることは前述したとおりである。
【0136】
また、拡散符号CaとCbとが等しくない場合には、遅延制御部102において、所定の時間遅延τxをτaまたはτbに一致させ、かつ、所定の逆拡散符号Cxを拡散符号Caの逆拡散符号Ca-1または拡散符号Cbの逆拡散符号Cb-1に設定する。このことにより、本装置は、第1または第2の要素信号をスペクトル逆拡散して、図6に示されるように、周波数│fx−fa│または│fx−fb│において第1または第2の要素信号のベースバンド情報DaまたはDbを光受信部110から出力することができる。
【0137】
もちろん、このような場合には所定の時間遅延τxをτaまたはτbに正確に一致させなくとも、逆拡散符号の設定を変更することによって第1または第2の要素信号のベースバンド情報DaまたはDbを光受信部110から出力することができることがある。しかし、このような場合でも、時間遅延τxを適切に調整すれば、不要な信号を抑圧して、その干渉を排除することができるので、復調が容易になる効果を得ることができる。
【0138】
次に、図3の場合と同様に、逆拡散信号の所定の周波数fxについて、図7に示すように、第1および第2の要素信号の周波数の2倍(fx=2fa=2fb)になるように設定する。このように設定すれば、光受信部110から出力される(周波数変換された)第1および第2の要素信号の周波数を、周波数変換前と同一(│fx−fa│=│fx−fb│=fa=fb)にすることができる。したがって、このような構成によれば、光受信部110の後段に接続される図示されていない信号処理装置等の構成をさらに簡単化することができ、また、システムの整合性を高めることができる。
【0139】
以上説明したように、第2の実施形態に係る多重伝送装置によれば、互いに異なる位相の要素信号としてスペクトル拡散信号を含む信号群(スペクトル拡散信号群)をそれぞれ光信号に変換し、合波した光信号を伝送後、電気信号に再変換する構成において、各光信号を、所定の逆拡散符号に基づく所定の位相差を有する同一の変調信号で予め変調することにより、光受信器を1つのみ使用し、光源を合波部(アンテナ)近傍に設置しない構成により、装置の低コスト化を実現しながら、スペクトル拡散信号群から、所望のスペクトル拡散信号のみを逆拡散し、ベースバンド情報を選択的に抽出することができる。
【0140】
また、スペクトル拡散信号の占有周波数帯域が互いに一致もしくは重複する場合においても、所望のスペクトル拡散信号のみを逆拡散してベースバンド情報を選択的に抽出し、あるいは、逆拡散信号の周波数を適当に設定することにより、所望のスペクトル拡散信号の周波数を、周波数変換前と同一に維持しながら抽出して、システムの整合性を高めることができる。
【0141】
なお、第1および第2の合波部1071および1072へ入力される要素信号の数は3つ以上であってもよく、また、第1および第2の合波部1071および1072を含む合波部(アンテナエレメント)の数は3つ以上であってもよいことは前述したとおりである。
【0142】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係る多重伝送装置について、図8にその構成を示すと共に、以下に説明する。図8において、本多重伝送装置は、第1および第2の信号源8011および8012と、第1および第2の遅延制御部8021および8022と、第3および第4の合波部8031および8032と、第1および第2の光送信部1031および1032と、第1の光合波部104と、第1の光伝送路1051と、光分波部106と、第1および第2の合波部1071および1072と、第1および第2の光変調部1081および1082と、第2の光合波部109と、第2の光伝送路1052と、光受信部110と、透過部804とを備えている。
【0143】
図8の本多重伝送装置は、前述した図1の多重伝送装置に対して、信号源および遅延制御部を複数組(図8中では2組)有し、第3および第4の合波部8031および8032と、透過部804とを新たに備える点が異なる。
【0144】
次に、図8に示される本多重伝送装置の動作を説明する。本装置の構成は、前述の第1の実施形態に係る多重伝送装置に準ずるため、同一の動作を行う構成部に関しては、同一の番号を付して、その説明を省略し、相違点のみを以下に説明する。
【0145】
本多重伝送装置において、第1の信号源8011は、周波数fxの第1の局発信号(主局発信号)を出力し、対応して設けられた第1の遅延制御部8021は、所定の時間遅延τxを付与して、第1の副局発信号として出力する。同様に、第2の信号源8012は、周波数fyの第2の局発信号(主局発信号)を出力し、対応して設けられた第2の遅延制御部8022は、所定の時間遅延τyを付与して、第2の副局発信号として出力する。
【0146】
第3の合波部8031は、第1および第2の信号源8011および8012から出力される第1および第2の主局発信号を合波し、第1の光送信部1031へ出力する。第4の合波部8032は、第1および第2の遅延制御部8021および8022から出力される第1および第2の副局発信号を合波し、第2の光送信部1032へ出力する。
【0147】
第1の光送信部1031は、第3の合波部8031から入力された局発信号群を第1の光信号に変換し、第2の光送信部1032は、第4の合波部8032から入力された副局発信号群を第2の光信号に変換して、それぞれ第1の光合波部104へ出力する。それらの光信号は、第1の光合波部104において合波され、第1および第2の光伝送路1051および1052等を介して光受信部110に入力され、電気信号に再変換されて、第1および第2の要素信号をそれぞれ周波数変換して得られる信号Sa’およびSb’として出力される。透過部804は、光受信部110から出力されるこれらの電気信号のうち、異なる所定の周波数成分のみをそれぞれ透過して、別々に出力する。
【0148】
以上のように、本多重伝送装置は、前述の第1の実施形態に係る多重伝送装置とは異なり、2つずつの局発信号および副局発信号を使用し、これらの周波数および位相角を制御することによって特有の効果を得ることができる。そこで、本実施形態における多重伝送装置の動作とその効果について、さらに詳しく説明する。
【0149】
まず、第1の光送信部1031は、第1の主局発信号(周波数fx)を用いて、第1の光信号に予め変調を施す。その後、第1の光変調部1081は、第1の主要素信号(周波数fa)および第2の主要素信号(周波数fb)を用いて、変調された第1の光信号に対してさらに変調を施す。このことにより、光受信部110は、自乗検波動作によって、伝送されてきた光信号をそれぞれ差周波成分である周波数│fx−fa│および│fx−fb│の電気信号に変換して、出力する。図9は、これらの信号の周波数スペクトルを例示した図である。
【0150】
同様に、第2の光信号に搬送された第1および第2の副要素信号も、光受信部110において、それぞれ周波数│fx−fa│および│fx−fb│に変換されて、出力される。
【0151】
ここで、光受信部110から出力される周波数変換された第1の主要素信号および副要素信号の位相が互いに同相となるように、第1の遅延制御部8021において時間遅延τxを調整する。このことにより、光受信部110において、(周波数変換された)第1の要素信号を抽出することができる。また、光受信部110から出力される周波数変換された第2の主要素信号および副要素信号が互いに同相となるように、第2の遅延制御部8022において時間遅延τyを調整する。このことにより、光受信部110において、(周波数変換された)第2の要素信号を抽出することができる。
【0152】
即ち、本多重伝送装置は、信号源と遅延制御部を各々2つずつ備え、時間遅延τxおよびτyを独立に制御することによって、第1および第2の要素信号を同時に抽出することができる。例えば、透過部804は、周波数│fx−fa│に変換された第1の要素信号と、周波数│fy−fb│に変換された第2の要素信号をそれぞれ透過して、別々に出力する。
【0153】
なお、第1および第2の要素信号の周波数変換成分は、和周波(例えば、fx+fa、またはfx+fb)にも同時に発生しているので、この成分を抽出することによっても、全く同様の動作および効果を実現することが可能であることは前述したとおりである。
【0154】
また、図2(b)において前述したように、第1および第2の要素信号の占有周波数帯域が互いに一致ないし重複する場合には、本多重伝送装置においても格別の効果が認められる。すなわち、たとえ、図9(b)に示されるように第1および第2の要素信号の周波数が一致する場合(fa=fb)においても、第1の主要素信号および副要素信号の間の位相差τaと、第2の主要素信号および副要素信号の間の位相差τbとが異なる限り、時間遅延τxを適当に調整して、どちらか一方を抽出することができる。さらに、本装置は、第1および第2の局発信号の周波数fxおよびfyを異なるように設定することができるので、光受信部110から出力される(周波数変換された)第1および第2の要素信号の周波数が一致しないように調整することができる。したがって、本装置は、透過部804から両信号を同時に出力することができる。
【0155】
次に、本実施形態に係る多重伝送装置の別例として、第1および第2の信号源8011および8012に替えて第1および第2の逆拡散信号源を備え、第1および第2の要素信号としてスペクトル拡散信号を使用する構成がある。
【0156】
このような構成は、図1の多重伝送装置に対する図5の多重伝送装置の関係と同様であるので、図示しないが、以下にその動作を説明する。ここで、第1の要素信号は、ベースバンド情報Daを拡散符号Caによりスペクトル拡散した信号Saとし、第2の要素信号は、ベースバンド情報Dbを拡散符号Cbによりスペクトル拡散した信号Sbとする。また、第1の逆拡散信号源は、所定の逆拡散符号Cxによる所定の周波数fxの変調信号(第1の逆拡散信号)を出力し、第2の逆拡散信号源は、所定の逆拡散符号Cyによる所定の周波数fyの変調信号(第2の逆拡散信号)を出力する。
【0157】
ここで、図5の多重伝送装置の場合と同様に、拡散符号CaはCbに等しいとすると、第1の逆拡散信号に付与する所定の時間遅延τxを第1の主要素信号と副要素信号の間の位相差τaに一致させ、第2の逆拡散信号に付与する所定の時間遅延τyを第2の主要素信号と副要素信号の間の位相差τbに一致させる。このことにより、第1の要素信号をスペクトル逆拡散して、周波数│fx−fa│において第1の要素信号のベースバンド情報Daを、第2の要素信号をスペクトル逆拡散して、周波数│fy−fb│において第2の要素信号のベースバンド情報Dbを、それぞれ光受信部110から同時に出力することができる。図10(a)は、以上のような各信号の周波数配置を説明するための模式図である。
【0158】
さらに、図5の多重伝送装置の場合と同様に、拡散符号CaとCbとは等しくないとすると、所定の時間遅延τxをτaに一致させ、所定の時間遅延τyをτbに一致させ、かつ、所定の逆拡散符号Cxを第1の要素信号の拡散符号Caの逆拡散符号Ca-1となるように設定し、所定の逆拡散符号Cyを第2の要素信号の拡散符号Cbの逆拡散符号Cb-1となるように設定する。このことにより、上述の場合と同様に第1の要素信号のベースバンド情報Daおよび第2の要素信号のベースバンド情報Dbを得ることができる。
【0159】
また、第1および第2の要素信号の周波数が互いに一致する場合においても、図10(b)に示すように、第1および第2の逆拡散信号の周波数fxおよびfyが一致しないように設定することにより、光受信部110から出力される(スペクトル逆拡散された)第1および第2の要素信号(ベースバンド情報)の周波数を異なるように調整することができる。したがって、本装置は、透過部804から両信号を同時に出力することができる。
【0160】
以上説明したように、第3の実施形態に係る多重伝送装置によれば、互いに異なる位相の要素信号を複数含む信号群をそれぞれ光信号に変換し、合波した光信号を伝送後、電気信号に再変換する構成において、互いに所定の位相差の要素局発信号を複数含む局発信号群で予め変調することにより、光受信器を1つのみ使用し、光源を合波部(アンテナ)近傍に設置しない構成により、装置の低コスト化を実現しながら、信号群から、複数の所望の要素信号を周波数変換して同時に抽出することができる。
【0161】
また、要素信号の占有周波数帯域が互いに一致もしくは重複する場合においても、局発信号の周波数を適当に設定することにより、複数の所望の要素信号を、それぞれ異なる周波数に変換して、同時に抽出することができる。
【0162】
さらに、要素信号として、スペクトル拡散信号を使用し、局発信号群に替えて、所定の逆拡散符号に基づく変調信号群で予め変調することにより、スペクトル拡散信号群から、所望のスペクトル拡散信号のみを逆拡散し、ベースバンド情報を選択的に抽出することができる。
【0163】
なお、第1および第2の合波部1071および1072へ入力される要素信号の数(以下、自然数Mとする)は3つ以上であってもよいことは前述したとおりである。
【0164】
また、第3または第4の合波部8031または8032へ入力される局発信号の数(以下、自然数Nとする)は3つ以上であってもよい。すなわち、本装置は、他とは異なる周波数の局発信号を生成して第3の合波部8031へ出力する1つ以上の信号源と、当該信号源から出力される局発信号の位相を他とは異なるように遅延させて第4の合波部8032へ出力する1つ以上の遅延制御部とをさらに備えてもよい。このような場合に、本装置は、信号源および遅延制御部の数NとMとの関係がN<Mであれば、全M個の要素信号の内、N個のみを同時に抽出することが可能となり、また、N=Mであれば、全ての要素信号を同時に抽出することが可能となる。
【0165】
また、第1および第2の合波部1071および1072を含む合波部(アンテナエレメント)の数(以下、自然数Pとする)は3つ以上であってもよい。すなわち、本装置は、1つ以上の遅延制御部と、局発側の合波部と、光送信部と、アンテナエレメントに対応する合波部と、光変調部とをさらに備えてもよい。以下、これらの本装置にさらに追加される構成部の動作を説明する。
【0166】
まず、追加される遅延制御部は、対応する第1または第2の信号源8011または8012から出力される電気信号の位相を第1または第2の遅延制御部8021または8022とは異なるように遅延させる。また、追加される局発側の合波部は、追加される当該それぞれの遅延制御部から入力された信号を合波する。追加される光送信部は、当該追加される合波部から入力された電気信号を他とは異なる光波長を有する光信号に変換して第1の光合波部104へ出力する。追加されるアンテナエレメントに対応する合波部は、他とは位相のみが異なる2つの信号を装置外部より入力されてそれらを合波する。追加される光変調部は、当該追加される合波部からの電気信号に基づいて、光分波部106から分岐されて入力された光信号を変調し、第2の光合波部109へ出力する。
【0167】
以上のように構成すれば、本装置は、各合波部に入力される位相のみが異なる各要素信号が光受信部110において互いに強め合うように、それぞれの時間遅延を適当に調整して、各要素信号をより高精度かつ高品質に、同時に抽出することができる。
【0168】
なお、上記のNおよびPが双方とも3以上であってよいことは言うまでもない。また、各信号源がそれぞれ逆拡散信号源であってもよいことは前述したとおりである。
【0169】
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態に係る多重伝送装置について、図11にその構成を示すと共に、以下に説明する。図11において、本多重伝送装置は、信号源101と、遅延制御部102と、第1および第2の光送信部1031および1032と、第1の光合波部104と、第1の光合分波部1105と、光伝送路1051と、第2の光合分波部1106と、第1および第2の合波部1071および1072と、第3および第4の光変調部11081および11082と、光受信部110とを備えている。
【0170】
本装置は、図1の装置に対して、光分波部106に替えて第2の光合分波部1106を備える。また、本装置は、第1および第2の光変調部1081および1082に替えて第3および第4の光変調部11081および11082を備える。さらに、本装置は、第1の光合分波部1105を新たに備え、第2の光合波部109および第2の光伝送路1052が省略され、光受信部110等の接続関係が変更された点が異なる。なお、図11の光伝送路1051は、図1の第1の光伝送路1051と同じである。
【0171】
次に、図11に示す本多重伝送装置の動作を説明する。本装置の構成は、前述の第1の実施形態に係る多重伝送装置に準ずるため、同一の動作を行う構成部に関しては、同一の番号を付して、その説明を省略し、相違点のみを以下に説明する。
【0172】
第3および第4の光変調部11081および11082は、それぞれ第1および第2の合波部1071および1072から出力される信号群を用いて、第2の光合分波部1106から出力される第1および第2の光信号をそれぞれ変調する。その後、第3および第4の光変調部11081および11082は、変調された光信号を変調前の光信号が入力された方向に向かって反射し、第2の光合分波部1106へ入力する。したがって、光伝送路1051において、第1の光合分波部1105から第2の光合分波部1106へ伝送される第1および第2の光信号と、第2の光合分波部1106から第1の光合分波部1105へ伝送される変調された第1および第2の光信号とが互いに逆方向かつ同時に通過することになる。
【0173】
第2の光合分波部1106は、第3および第4の光変調部11081および11082によって変調された後に反射されてくる第1および第2の光信号を合波し、光伝送路1051へと送出する。
【0174】
第1の光合分波部1105は、3つの端子を有しており、第1の端子に接続された光合波部104から出力される光信号を、第2の端子に接続される光伝送路1051へ送出する。さらに、第1の光合分波部1105は、第2の端子に接続される光伝送路1051を介して第2の光合分波部1106から入力する光信号を、第3の端子に接続された光受信部110へ出力する。
【0175】
以上説明したように、第4の実施形態に係る多重伝送装置によれば、互いに異なる位相の要素信号を複数含む信号群をそれぞれ光信号に変換し、合波した光信号を伝送後、電気信号に再変換する構成において、往復する光信号の伝送路として1つの光ファイバを共用することにより、装置の低コスト化を実現しながら、信号群から、所望の要素信号のみを周波数変換して選択的に抽出することができる。
【0176】
なお、本実施形態に係る多重伝送装置は、図5の多重伝送装置と同様に、信号源101に替えて逆拡散信号源を備え、要素信号としてスペクトル拡散信号を使用する構成も考えられる。また、本装置は、図8の多重伝送装置と同様に、複数の信号源(または逆拡散信号源)および遅延制御部を備える構成も考えられる。さらに、上述のMとNとPのいずれか1つまたは2つ、ないしそれら全てが3以上である構成も考えられる。しかし、これらの構成および動作については、前述したとおりであるので説明は省略する。
【0177】
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態に係る多重伝送装置について、図12にその構成を示すと共に、以下に説明する。図12において、本実施形態の多重伝送装置は、第1および第2の合波部12071および12072と、第1および第2の光送信部12081および12082と、第1の光合波部1206と、光伝送路1205と、光分波部1204と、信号源1201と、遅延制御部1202と、第1および第2の光変調部12031および12032と、第2の光合波部1209と、光受信部1210とを備えている。
【0178】
図12における本多重伝送装置は、図1の多重伝送装置に対して、第1および第2の光送信部と、第1および第2の光変調部の位置関係を入れ替えた場合にほぼ相当する構成である。すなわち、本装置の構成をフェイズドアレイ型アンテナの受信システムに適用した場合において、本装置は、アレイアンテナエレメント側に光源である第1および第2の光送信部12081および12082が設けられる点が、図1の構成とは異なる。
【0179】
次に、図12に示される本装置の動作を説明する。第1の合波部12071は、周波数faの第1の主要素信号Saと、周波数fbの第2の主要素信号Sbとを合波して出力する。第2の合波部12072は、第1の合波部12071に入力される第1および第2の主要素信号に対して、それぞれ位相差(遅延時間差)τaおよびτbを有する第1および第2の副要素信号を合波して出力する。
【0180】
第1の光送信部12081は、第1の合波部12071から出力される信号群を、波長λ1の第1の光信号に変換して出力する。同様に、第2の光送信部12082は、第2の合波部12072から出力される信号群を、波長λ2の第2の光信号に変換して出力する。
【0181】
第1の光合波部1206は、第1および第2の光送信部12081および12082から出力される第1および第2の光信号を合波し、光伝送路1205へ送出する。光分波部1204は、光伝送路1205を介して伝送される光信号を所定の波長毎に分離し、波長λ1の第1の光信号と、波長λ2の第2の光信号とを、それぞれ出力する。
【0182】
信号源1201は、所定の周波数fxの局発信号を出力する。遅延制御部1202は、信号源1201から出力される局発信号(主局発信号)に対して、所定の時間遅延τxを付与して、副局発信号として出力する。
【0183】
第1光変調部12031は、信号源1201から出力される主局発信号によって、光分波部1204から出力される第1の光信号を変調して出力する。同様に、第2の光変調部12032は、遅延制御部1202から出力される副局発信号によって、光分波部1204から出力される第2の光信号を変調して出力する。
【0184】
第2の光合波部1209は、第1および第2の光変調部12031および12032から出力される第1および第2の光信号を合波して出力する。光受信部1210は、自乗検波特性を有し、第2の光合波部1209から出力される光信号を電気信号に再変換し、第1または第2の要素信号をそれぞれ周波数変換して得られる信号Sa’またはSb’を出力する。
【0185】
次に、本多重伝送装置の動作とその効果について、さらに詳しく説明する。上述のように、本装置は、第1の実施形態に係る図1の多重伝送装置に対して、第1および第2の光送信部と、第1および第2の光変調部の設置位置を入れ替えた構成に相当し、その効果はほぼ同様である。
【0186】
即ち、図1の多重伝送装置の構成においては、まず、信号源および遅延制御部から出力された局発信号を、第1および第2の光送信部により、第1および第2の光信号に変換して送出する。その後、図1の装置は、第1および第2の合波部から出力された信号群を用いて、それぞれ第1および第2の光変調部により再変調し、この光信号を自乗検波する構成であった。
【0187】
これに対して、本多重伝送装置では、まず、第1および第2の合波部12071および12072から出力される信号群を、第1および第2の光信号に変換して送出する。その後、本装置は、信号源1201および遅延制御部1202から出力される局発信号を用いて、それぞれ第1および第2の光変調部12031および12032により再変調し、この光信号を自乗検波する構成である。
【0188】
従って、例えば、第1の光信号に着目すると、本装置は、第1の合波部12071から出力される信号群による変調の後に、信号源1201からの局発信号による変調が行われるが、図1の装置は、その変調手順が、相前後して入れ替わるのみである。そのことから、両装置において、結果として得られる(光受信部に入力される)光信号には、差異はなく、前述した図2等のように配置される。
【0189】
さらに詳細に説明すると、第1の光送信部12081において、第1の光信号に変換される第1の主要素信号(周波数fa)および第2の主要素信号(周波数fb)は、第1の光変調部12031において主局発信号(周波数fx)によって第1の光信号に再変調を施される。このことにより、これらの信号は、光受信部1210において、その自乗検波動作によって、それぞれ周波数│fx−fa│および│fx−fb│に変換されて出力される。同様に、第2の光信号に変換される第1および第2の副要素信号も、光受信部1210において、それぞれ周波数│fx−fa│および│fx−fb│に変換されて出力される。
【0190】
なお、和周波(例えば、fx+fa、またはfx+fb)の成分を抽出することによっても、全く同様の動作および効果を実現することが可能であることは前述したとおりである。
【0191】
ここで、光受信部1210から出力される第1(または第2)の主要素信号および第1(または第2)の副要素信号の各位相は、第1および第2の光送信部12081および12082に各々入力される第1(または第2)の主要素信号および第1(または第2)の副要素信号の位相と、第1および第2の光変調部12031および12032に各々入力される主局発信号および副局発信号の位相とによって決定される。
【0192】
そこで、光受信部1210から出力される第1の主要素信号と第1の副要素信号とが互いに同相となるように、遅延制御部1202において時間遅延τxを調整する。このことにより、本装置は、第1の要素信号を抽出することができる。また、光受信部1210から出力される第2の主要素信号と第2の副要素信号とが、互いに同相となるように時間遅延τxを調整する。このことにより、本装置は、第2の要素信号を抽出することができる。
【0193】
なお、本多重伝送装置において、第1および第2の信号の周波数faおよびfb、あるいは局発信号の周波数fxの配置等は、前述の第1の実施形態に係る多重伝送装置の場合に準ずる。すなわち、局発信号の周波数fxを、第1および第2の要素信号の周波数の2倍(fx=2fa=2fb)になるように設定すれば、同様の効果を得ることができる。また、変調形式として周波数変調(FM)を採用する場合も同様である。さらに、変調形式としてASK変調を採用した場合には、第1または第2の要素信号のベースバンド情報(DaまたはDb)を簡易な構成によって抽出することができることも同様である。
【0194】
以上説明したように、第5の実施形態に係る多重伝送装置によれば、互いに異なる位相の要素信号を複数含む信号群をそれぞれ光信号に変換し、合波した光信号を伝送後、電気信号に再変換する構成において、各光信号を、所定の位相差を有する同一の局発信号で再変調することにより、光受信器を1つのみ使用する構成によって装置の低コスト化を実現しながら、信号群から、所望の要素信号のみを周波数変換して選択的に抽出することができる。
【0195】
なお、第1および第2の合波部12071および12072へ入力される要素信号の数は3つ以上であってもよいことは第1の実施形態において前述したとおりである。
【0196】
(第6の実施形態)
本発明の第6の実施形態に係る多重伝送装置について、図13にその構成を示すと共に、以下に説明する。図13において、本多重伝送装置は、第1および第2の合波部12071および12072と、第1および第2の光送信部12081および12082と、第1の光合波部1206と、光伝送路1205と、光分波部1204と、逆拡散信号源1301と、遅延制御部1202と、第1および第2の光変調部12031および12032と、第2の光合波部1209と、光受信部1210とを備えている。
【0197】
また、本装置は、図12の装置構成に対して、信号源1201に替えて逆拡散信号源1301を備え、第1および第2の要素信号としてスペクトル拡散信号を使用する点が異なる。
【0198】
次に、図13に示す本多重伝送装置の動作を説明する。本装置の構成は、前述した図12に示される第5の実施形態に係る多重伝送装置に準ずるため、同一の動作を行うブロックに関しては、同一の番号を付して、その説明を省略し、相違点のみを以下に説明する。
【0199】
本多重伝送装置は、第1および第2の要素信号として、スペクトル拡散信号を使用する。即ち、第1の要素信号は、ベースバンド情報Daを拡散符号Caによってスペクトル拡散した信号Saであるものとし、第2の要素信号は、ベースバンド情報Dbを拡散符号Cbによってスペクトル拡散した信号Sbであるものとする。また、逆拡散信号源1301は、所定の逆拡散符号Cxによる所定の周波数fxの変調信号を出力する。
【0200】
ここで、図5の多重伝送装置の場合と同様に、拡散符号CaはCbに等しいとすると、所定の逆拡散符号Cxを拡散符号Ca(=Cb)の逆拡散符号Ca-1に設定し、かつ、遅延制御部1202において、所定の時間遅延τxを第1の主要素信号と副要素信号との間の位相差τaに一致させる。このことにより、本装置は、周波数│fx−fa│において第1の要素信号のベースバンド情報Daを光受信部1210から出力する。
【0201】
同様に、所定の逆拡散符号Cxを拡散符号Cb(=Ca)の逆拡散符号Cb-1に設定し、かつ、遅延制御部1202において、所定の時間遅延τxを第2の主要素信号と副要素信号との間の位相差τbに一致させる。このことにより、本装置は、周波数│fx−fb│において第2の要素信号のベースバンド情報Dbを光受信部110から出力する。
【0202】
また、拡散符号CaとCbとが等しくない場合には、遅延制御部1202において、所定の時間遅延τxをτaまたはτbに一致させ、かつ、所定の逆拡散符号Cxを拡散符号Caの逆拡散符号Ca-1または拡散符号Cbの逆拡散符号Cb-1に設定する。このことにより、本装置は、周波数│fx−fa│または│fx−fb│において第1または第2の要素信号のベースバンド情報DaまたはDbを光受信部110から出力することができる。
【0203】
なお、和周波(例えば、fx+fa、またはfx+fb)の成分を抽出することによっても、全く同様の動作および効果を実現することが可能であることは前述したとおりである。
【0204】
以上説明したように、第6の実施形態に係る多重伝送装置によれば、互いに異なる位相の要素信号としてスペクトル拡散信号を複数含むスペクトル拡散信号群をそれぞれ光信号に変換し、合波した光信号を伝送後、電気信号に再変換する構成において、各光信号を、所定の逆拡散符号に基づく所定の位相差を有する同一の変調信号で再変調することにより、光受信器を1つのみ使用する構成により、装置の低コスト化を実現しながら、スペクトル拡散信号群から、所望のスペクトル拡散信号のみを逆拡散し、ベースバンド情報を選択的に抽出することができる。
【0205】
なお、第1および第2の合波部12071および12072へ入力される要素信号の数は3つ以上であってもよいことは第1の実施形態において前述したとおりである。
【0206】
(第7の実施形態)
本発明の第7の実施形態に係る多重伝送装置について、図14にその構成を示すと共に、以下に説明する。図14において、本多重伝送装置は、第1および第2の合波部12071および12072と、第1および第2の光送信部12081および12082と、第1の光合波部1206と、光伝送路1205と、光分波部1204と、第1および第2の信号源14011および14012と、第1および第2の遅延制御部14021および14022と、第3および第4の合波部14031および14032と、第1および第2の光変調部12031および12032と、第2の光合波部1209と、光受信部1210と、透過部1404とを備えている。
【0207】
本装置は、図12の装置に対して、信号源、遅延制御部を複数組(図14中では2組)有し、第3および第4の合波部14031および14032と、透過部1404とを新たに備える点が異なる。
【0208】
次に、図14に示される本装置の動作を説明する。本多重伝送装置の構成は、前述した図12における第5の実施形態に係る多重伝送装置に準ずるため、同一の動作を行うブロックに関しては、同一の番号を付して、その説明を省略し、相違点のみを以下に説明する。
【0209】
本装置において、第1の信号源14011は、周波数fxの第1の局発信号(主局発信号)を出力し、対応して設けられた第1の遅延制御部14021は、所定の時間遅延τxを付与して、第1の副局発信号として出力する。
【0210】
同様に、第2の信号源14012は、周波数fyの第2の局発信号(主局発信号)を出力し、対応して設けられた第2の遅延制御部14022は、所定の時間遅延τyを付与して、第2の副局発信号として出力する。
【0211】
第3の合波部14031は、第1および第2の信号源14011および14012から出力される第1および第2の主局発信号を合波して、第1の光変調部12031へ出力する。また、第4の合波部14032は、第1および第2の遅延制御部14021および14022から出力される第1および第2の副局発信号を合波して、第2の光変調部12032へ出力する。
【0212】
第1および第2の光変調部12031および12032によって再変調された第1および第2の光信号は、合波されて、光受信部1210に入力される。光受信部1210は、入力された光信号を電気信号に再変換し、第1および第2の要素信号をそれぞれ周波数変換して得られる信号Sa’およびSb’を出力する。透過部1404は、光受信部1210から出力される電気信号について、所定の周波数成分のみを透過し、出力する。
【0213】
次に、本多重伝送装置の動作とその効果について、さらに詳しく説明する。第1の光送信部12081において、第1の光信号に変換される第1の主要素信号(周波数fa)および第2の主要素信号(周波数fb)は、第1の光変調部12031において、第1の主局発信号(周波数fx)によって第1の光信号に再変調を施され、さらに、光受信部1210の自乗検波動作によって、それぞれ周波数│fx−fa│および│fx−fb│に変換される。同様に、第2の光信号に変換される第1および第2の副要素信号も、光受信部1210において、それぞれ周波数│fy−fa│および│fy−fb│に変換される。
【0214】
ここで、光受信部1210から出力される第1の主要素信号および副要素信号が互いに同相となるように、第1の遅延制御部14021は、時間遅延τxを調整する。このことにより、(周波数変換された)第1の要素信号を抽出することができる。同様に、光受信部1210から出力される第2の主要素信号および副要素信号が互いに同相となるように、第2の遅延制御部14022は、時間遅延τyを調整する。このことにより、(周波数変換された)第2の要素信号を抽出することができる。
【0215】
即ち、本多重伝送装置では、信号源および遅延制御部を各2つずつ備え、時間遅延τx、τyを独立に制御することによって、第1および第2の要素信号を同時に抽出することができる。そこで例えば、透過部1404は、周波数│fx−fa│に変換された第1の要素信号と、周波数│fy−fb│に変換された第2の要素信号をそれぞれ透過し、出力する。
【0216】
また、第3の実施形態に係る多重伝送装置において前述したように、本多重伝送装置は、第1および第2の信号源14011および14012に替えて第1および第2の逆拡散信号源を備え、第1および第2の要素信号としてスペクトル拡散信号を使用する構成であってもよい。
【0217】
以上説明したように、第7の発明によれば、互いに異なる位相の要素信号を複数含む信号群をそれぞれ光信号に変換し、合波した光信号を伝送後、電気信号に再変換する構成において、各光信号を、互いに所定の位相差の要素局発信号を複数含む局発信号群で再変調することにより、光受信器を1つのみ使用する構成により、装置の低コスト化を実現しながら、信号群から、複数の所望の要素信号を周波数変換して同時に抽出することができる。
【0218】
なお、第1および第2の合波部12071および12072へ入力される要素信号の数Mは3つ以上であってもよいことは前述したとおりである。また、第3または第4の合波部14031または14032へ入力される局発信号の数Nは3つ以上であってもよい。さらに、第1および第2の合波部12071および12072を含む合波部(アンテナエレメント)の数Pは3つ以上であってもよい。もちろん、MとNとPのいずれか1つまたは2つ、ないしそれら全てが3以上であってもよい。また、それぞれの信号源が逆拡散信号源であってもよいことは前述したとおりである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る多重伝送装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る伝送信号の周波数配置を説明するための模式図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る局発信号の周波数配置を説明するための模式図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る伝送信号の変調形式に依存した局発信号の周波数配置を説明するための模式図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る多重伝送装置の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る伝送信号の周波数配置を説明するための模式図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る逆拡散信号の周波数配置を説明するための模式図である。
【図8】本発明の第3の実施形態に係る多重伝送装置の構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の第3の実施形態に係る伝送信号の周波数配置を説明するための模式図である。
【図10】本発明の第3の実施形態に係る伝送信号の周波数に依存した逆拡散信号の周波数配置を説明するための模式図である。
【図11】本発明の第4の実施形態に係る多重伝送装置の構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の第5の実施形態に係る多重伝送装置の構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の第6の実施形態に係る多重伝送装置の構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の第7の実施形態に係る多重伝送装置の構成を示すブロック図である。
【図15】従来の多重伝送装置の構成を示すブロック図である。
【図16】従来の多重伝送装置の基本動作原理を説明するための模式図である。
【符号の説明】
101 信号源
102 遅延制御部
1031 第1の光送信部
1032 第2の光送信部
104 光合波部
1051 第1の光伝送路
106 光分波部
1071 第1の合波部
1072 第2の合波部
1081 第1の光変調部
1082 第2の光変調部
109 第2の光合波部
1052 第2の光伝送路
110 光受信部
501 逆拡散信号源
8011 第1の信号源
8012 第2の信号源
8021 第1の遅延制御部
8022 第2の遅延制御部
8031 第3の合波部
8032 第4の合波部
804 透過部
1105 第1の光合分波部
1106 第2の光合分波部
11081 第1の光変調部
11082 第2の光変調部
12071 第1の合波部
12072 第2の合波部
12081 第1の光送信部
12082 第2の光送信部
1206 第1の光合波部
1205 光伝送路
1204 光分波部
12031 第1の光変調部
12032 第2の光変調部
1202 遅延制御部
1201 信号源
1209 第2の光合波部
1210 光受信部
1301 逆拡散信号源
14011 第1の信号源
14012 第2の信号源
14021 第1の遅延制御部
14022 第2の遅延制御部
14031 第3の合波部
14032 第4の合波部
1404 透過部

Claims (33)

  1. 位相が異なる複数の信号を光信号に変換して伝送し、所望の信号のみを抽出することができる多重伝送装置であって、
    所定の周波数fxの主局発信号を出力する信号源と、
    前記信号源から出力される前記主局発信号に対して、所定の時間遅延τxを与えて、第1の副局発信号として出力する第1の遅延制御部と、
    前記信号源から出力される前記主局発信号を、波長λ1の第1の光信号に変換し、出力する第1の光送信部と、
    前記第1の遅延制御部から出力される前記第1の副局発信号を、波長λ2の第2の光信号に変換し、出力する第2の光送信部と、
    前記第1の光送信部から出力される前記第1の光信号と、前記第2の光送信部から出力される前記第2の光信号とを合波し、出力する第1の光合波部と、
    前記第1の光合波部から出力される光信号を伝送する第1の光伝送路と、
    前記第1の光伝送路によって伝送される光信号を波長毎に分離し、前記第1および第2の光信号を、それぞれ出力する光分波部と、
    所定の周波数faの第1の主要素信号と、所定の周波数fbの第2の主要素信号とを合波し、主信号群として出力する第1の合波部と、
    前記第1の主要素信号に所定の時間遅延τaが与えられた第1の副要素信号と、前記第2の主要素信号に所定の時間遅延τbが与えられた第2の副要素信号とを合波し、第1の副信号群として出力する第2の合波部と、
    前記第1の合波部から出力される前記主信号群によって、前記光分波部から出力される前記第1の光信号を変調し、出力する第1の光変調部と、
    前記第2の合波部から出力される前記第1の副信号群によって、前記光分波部から出力される前記第2の光信号を変調し、出力する第2の光変調部と、
    前記第1の光変調部から出力される前記第1の光信号と、前記第2の光変調部から出力される前記第2の光信号とを合波し、出力する第2の光合波部と、
    前記第2の光合波部から出力される光信号を伝送する第2の光伝送路と、
    前記第2の光伝送路によって伝送される光信号を自乗検波し、前記第1の主要素信号および副要素信号、または前記第2の主要素信号および副要素信号のいずれか一方に一意に対応する信号を出力する光受信部とを備える、多重伝送装置。
  2. 前記信号源から出力される前記主局発信号に対して、他とは異なる時間遅延を与えて、第2の副局発信号として出力する1つ以上の第2の遅延制御部と、
    対応する前記第2の遅延制御部から出力される前記第2の副局発信号を、他とは異なる波長の第3の光信号に変換し出力する1つ以上の第3の光送信部と、
    前記第1の主要素信号に対して他とは異なる時間遅延が与えられた第3の副要素信号と、前記第2の主要素信号に対して他とは異なる時間遅延が与えられた第4の副要素信号とを合波し、第2の副信号群として出力する1つ以上の第3の合波部と、
    対応する前記第3の合波部から出力される前記第2の副信号群によって、前記光分波部から出力される前記第3の光信号を変調し、出力する1つ以上の第3の光変調部とをさらに備え、
    前記第1の光合波部は、前記第1の光送信部から出力される前記第1の光信号と、前記第2の光送信部から出力される前記第2の光信号と、さらに1つ以上の前記第3の光送信部から出力される前記第3の光信号とを合波して出力し、
    前記光分波部は、前記第1の光伝送路によって伝送される光信号を波長毎に分離し、前記第1および第2の光信号と、さらに1つ以上の前記第3の光信号とをそれぞれ出力し、
    前記第2の光合波部は、前記第1の光変調部から出力される前記第1の光信号と、前記第2の光変調部から出力される前記第2の光信号と、さらに1つ以上の前記第3の光変調部から出力される前記第3の光信号とを合波して出力し、
    前記光受信部は、前記第2の光伝送路によって伝送される光信号を自乗検波し、前記第1の主要素信号(および第1および第3の副要素信号)、または前記第2の主要素信号(および第2および第4の副要素信号)のいずれか1つに一意に対応する信号を出力することを特徴とする、請求項1に記載の多重伝送装置。
  3. 前記第1の遅延制御部は、前記所定の時間遅延τxが、前記第1または第2の主要素信号に対する前記第1または第2の副要素信号の時間遅延τaまたはτbのいずれか一方に等しくなるように設定され、
    前記光受信部は、前記第1の主要素信号および副要素信号を周波数│fx−fa│に変換した信号、または前記第2の主要素信号および副要素信号を周波数│fx−fb│に変換した信号のいずれか一方を出力することを特徴とする、請求項1に記載の多重伝送装置。
  4. 前記第1の主要素信号および副要素信号の周波数faと、前記第2の主要素信号および副要素信号の周波数fbとは、一致することを特徴とする、請求項3に記載の多重伝送装置。
  5. 前記信号源は、前記所定の周波数fxが、前記第1の主要素信号および副要素信号の周波数fa(または前記第2の主要素信号および副要素信号の周波数fb)の2倍になるように設定され、
    前記光受信部は、前記第1の主要素信号および副要素信号に対応する周波数faの信号、または前記第2の主要素信号および副要素信号に対応する周波数fbの信号のいずれか一方を出力することを特徴とする、請求項4に記載の多重伝送装置。
  6. 前記第1および第2の主要素信号および副要素信号は、いずれも角度変調信号であることを特徴とする、請求項3に記載の多重伝送装置。
  7. 前記第1および第2の主要素信号および副要素信号は、いずれも振幅シフトキーイング(ASK:Amplitude Shift Keying)変調信号であって、
    前記信号源は、前記所定の周波数fxが、前記第1の主要素信号および副要素信号の周波数faまたは前記第2の主要素信号および副要素信号の周波数fbのいずれか一方に等しくなるように設定され、
    前記光受信部は、前記第1または第2の主要素信号および副要素信号のいずれか一方を復調して、対応するベースバンド信号を出力することを特徴とする、請求項3に記載の多重伝送装置。
  8. 前記第1の遅延制御部は、前記所定の時間遅延τxが、前記第1または第2の主要素信号に対する前記第1または第2の副要素信号の時間遅延τaまたはτbのいずれか一方と同量かつ逆符号になるように設定され、
    前記光受信部は、前記第1の主要素信号および副要素信号を周波数fx+faに変換した信号、または前記第2の主要素信号および副要素信号を周波数fx+fbに変換した信号のいずれか一方を出力することを特徴とする、請求項1に記載の多重伝送装置。
  9. 前記信号源は、所定の逆拡散符号Cxを元信号とした周波数fxの変調信号を出力し、
    前記第1の主要素信号および副要素信号は、ベースバンド信号Daを所定の拡散符号Caによってスペクトル拡散した変調信号であり、
    前記第2の主要素信号および副要素信号は、ベースバンド信号Dbを所定の拡散符号Cbによってスペクトル拡散した変調信号であることを特徴とする、請求項1に記載の多重伝送装置。
  10. 前記信号源は、所定の逆拡散符号Cxが、前記第1の主要素信号および副要素信号の拡散符号Caまたは前記第2の主要素信号および副要素信号の拡散符号Cbに対する逆拡散符号に設定され、
    前記第1の遅延制御部は、前記所定の時間遅延τxが、前記第1または第2の主要素信号に対する前記第1または第2の副要素信号の時間遅延τaまたはτbのいずれか一方に等しくなるように設定され、
    前記光受信部は、前記第1の主要素信号および副要素信号をスペクトル逆拡散し、周波数│fx−fa│に変換した信号、または前記第2の主要素信号および副要素信号をスペクトル逆拡散し、周波数│fx−fb│に変換した信号のいずれか一方を出力することを特徴とする、請求項9に記載の多重伝送装置。
  11. 前記第1の主要素信号および副要素信号の周波数faと、前記第2の主要素信号および副要素信号の周波数fbとは、一致することを特徴とする請求項10に記載の多重伝送装置。
  12. 前記信号源は、前記所定の周波数fxが、前記第1の主要素信号および副要素信号の周波数fa(または前記第2の主要素信号および副要素信号の周波数fb)の2倍になるように設定され、
    前記光受信部は、前記第1の主要素信号および副要素信号をスペクトル逆拡散した周波数faの信号、または前記第2の主要素信号および副要素信号をスペクトル逆拡散した周波数fbの信号のいずれか一方を出力することを特徴とする、請求項11に記載の多重伝送装置。
  13. 前記信号源は、所定の逆拡散符号Cxが、前記第1の主要素信号および副要素信号の拡散符号Caまたは前記第2の主要素信号および副要素信号の拡散符号Cbに対する逆拡散符号に設定され、
    前記第1の遅延制御部は、前記所定の時間遅延τxが、前記第1または第2の主要素信号に対する前記第1または第2の副要素信号の時間遅延τaまたはτbのいずれか一方と同量かつ逆符号になるように設定され、
    前記光受信部は、前記第1の主要素信号および副要素信号をスペクトル逆拡散し、周波数fx+faに変換した信号、または前記第2の主要素信号および副要素信号をスペクトル逆拡散し、周波数fx+fbに変換した信号のいずれか一方を出力することを特徴とする、請求項9に記載の多重伝送装置。
  14. 位相が異なる複数の信号を光信号に変換して伝送し、所望の信号を同時に抽出することができる多重伝送装置であって、
    所定の周波数fxの第1の主局発信号を出力する第1の信号源と、
    所定の周波数fyの第2の主局発信号を出力する第2の信号源と、
    前記第1の信号源から出力される前記第1の主局発信号に対して、所定の時間遅延τxを与えて、第1の副局発信号として出力する第1の遅延制御部と、
    前記第2の信号源から出力される前記第2の主局発信号に対して、所定の時間遅延τyを与えて、第2の副局発信号として出力する第2の遅延制御部と、
    前記第1の信号源から出力される前記第1の主局発信号と、前記第2の信号源から出力される前記第2の主局発信号とを合波し、主局発信号群として出力する第3の合波部と、
    前記第1の遅延制御部から出力される前記第1の副局発信号と、前記第2の遅延制御部から出力される前記第2の副局発信号とを合波し、第1の副局発信号群として出力する第4の合波部と、
    前記第3の合波部から出力される前記主局発信号群を、波長λ1の第1の光信号に変換し、出力する第1の光送信部と、
    前記第4の合波部から出力される前記第1の副局発信号群を、波長λ2の第2の光信号に変換し、出力する第2の光送信部と、
    前記第1の光送信部から出力される前記第1の光信号と、前記第2の光送信部から出力される前記第2の光信号とを合波し、出力する第1の光合波部と、
    前記第1の光合波部から出力される光信号を伝送する第1の光伝送路と、
    前記第1の光伝送路によって伝送される光信号を波長毎に分離し、前記第1および第2の光信号を、それぞれ出力する光分波部と、
    所定の周波数faの第1の主要素信号と、所定の周波数fbの第2の主要素信号とを合波し、主信号群として出力する第1の合波部と、
    前記第1の主要素信号に所定の時間遅延τaが与えられた第1の副要素信号と、前記第2の主要素信号に所定の時間遅延τbが与えられた第2の副要素信号とを合波し、第1の副信号群として出力する第2の合波部と、
    前記第1の合波部から出力される前記主信号群によって、前記光分波部から出力される前記第1の光信号を変調し、出力する第1の光変調部と、
    前記第2の合波部から出力される前記第1の副信号群によって、前記光分波部から出力される前記第2の光信号を変調し、出力する第2の光変調部と、
    前記第1の光変調部から出力される前記第1の光信号と、前記第2の光変調部から出力される前記第2の光信号とを合波し、出力する第2の光合波部と、
    前記第2の光合波部から出力される光信号を伝送する第2の光伝送路と、
    前記第2の光伝送路によって伝送される光信号を自乗検波し、前記第1の主要素信号および副要素信号と、前記第2の主要素信号および副要素信号との双方に一意に対応する信号を出力する光受信部と、
    前記光受信部から出力される信号を、前記第1の主要素信号および副要素信号と、前記第2の主要素信号および副要素信号とのそれぞれに一意に対応する各信号成分のみを透過するように分離し、出力する透過部とを備える、多重伝送装置。
  15. 所定の周波数を有する第3の主局発信号を出力する1つ以上の第3の信号源と、
    対応する前記第3の信号源から出力される前記第3の主局発信号に対して、他とは異なる時間遅延を与えて、第3の副局発信号として出力する1つ以上の第3の遅延制御部とをさらに備え、
    前記第3の合波部は、前記第1の信号源から出力される前記第1の主局発信号と、前記第2の信号源から出力される前記第2の主局発信号と、さらに1つ以上の前記第3の信号源から出力される前記第3の主局発信号とを合波し、主局発信号群として出力し、
    前記第4の合波部は、前記第1の遅延制御部から出力される前記第1の副局発信号と、前記第2の遅延制御部から出力される前記第2の副局発信号と、さらに1つ以上の前記第3の遅延制御部から出力される前記第3の副局発信号とを合波し、第1の副局発信号群として出力し、
    前記第1の合波部は、所定の周波数faの第1の主要素信号と、所定の周波数fbの第2の主要素信号と、さらに所定の周波数を有する1つ以上の第3の主要素信号とを合波し、主信号群として出力し、
    前記第2の合波部は、前記第1の主要素信号に所定の時間遅延τaが与えられた第1の副要素信号と、前記第2の主要素信号に所定の時間遅延τbが与えられた第2の副要素信号と、さらに対応する前記第3の主要素信号に他とは異なる所定の時間遅延が与えられた1つ以上の第3の副要素信号とを合波し、第1の副信号群として出力し、
    前記光受信部は、前記第2の光伝送路によって伝送される光信号を自乗検波し、前記第1の主要素信号および副要素信号と、前記第2の主要素信号および副要素信号と、1つ以上の前記第3の主要素信号および副要素信号とに一意に対応する信号を出力し、
    前記透過部は、前記光受信部から出力される信号を、前記第1の主要素信号および副要素信号と、前記第2の主要素信号および副要素信号と、1つ以上の前記第3の主要素信号および副要素信号とのそれぞれに一意に対応する各信号成分のみを透過するように分離し、出力することを特徴とする、請求項14に記載の多重伝送装置。
  16. 前記第1の信号源から出力される前記第1の主局発信号に対して、他とは異なる時間遅延を与えて、第3の副局発信号として出力する1つ以上の第3の遅延制御部と、
    前記第2の信号源から出力される前記第2の主局発信号に対して、他とは異なる時間遅延を与えて、第4の副局発信号として出力する1つ以上の第4の遅延制御部と、
    対応する前記第3の遅延制御部から出力される前記第3の副局発信号と、対応する前記第4の遅延制御部から出力される第4の副局発信号とを合波し、第2の副局発信号群として出力する1つ以上の第5の合波部と、
    対応する前記第5の合波部から出力される前記第2の副局発信号群を、他とは異なる波長の第3の光信号に変換し出力する1つ以上の第3の光送信部と、
    前記第1の主要素信号に対して他とは異なる時間遅延が与えられた第3の副要素信号と、前記第2の主要素信号に対して他とは異なる時間遅延が与えられた第4の副要素信号とを合波し、第2の副信号群として出力する1つ以上の第6の合波部と、
    対応する前記第6の合波部から出力される前記第2の副信号群によって、前記光分波部から出力される前記第3の光信号を変調し、出力する1つ以上の第3の光変調部とをさらに備え、
    前記第1の光合波部は、前記第1の光送信部から出力される前記第1の光信号と、前記第2の光送信部から出力される前記第2の光信号と、さらに1つ以上の前記第3の光送信部から出力される前記第3の光信号とを合波して出力し、
    前記光分波部は、前記第1の光伝送路によって伝送される光信号を波長毎に分離し、前記第1および第2の光信号と、さらに1つ以上の第3の光信号とをそれぞれ出力し、
    前記第2の光合波部は、前記第1の光変調部から出力される前記第1の光信号と、前記第2の光変調部から出力される前記第2の光信号と、さらに1つ以上の前記第3の光変調部から出力される前記第3の光信号とを合波して出力し、
    前記光受信部は、前記第2の光伝送路によって伝送される光信号を自乗検波し、前記第1の主要素信号(および第1および第3の副要素信号)と、前記第2の主要素信号(および第2および第4の副要素信号)とのそれぞれに一意に対応する信号を出力し、
    前記透過部は、前記光受信部から出力される信号を、前記第1の主要素信号(および第1および第3の副要素信号)と、前記第2の主要素信号(および第2および第4の副要素信号)とのそれぞれに一意に対応する各信号成分のみを透過するように分離し、出力することを特徴とする、請求項14に記載の多重伝送装置。
  17. 前記第1の遅延制御部は、前記所定の時間遅延τxが、前記第1の主要素信号に対する前記第1の副要素信号の時間遅延τaに等しくなるように設定され、
    前記第2の遅延制御部は、前記所定の時間遅延τyが、前記第2の主要素信号に対する前記第2の副要素信号の時間遅延τbに等しくなるように設定され、
    前記光受信部は、前記第1の主要素信号および副要素信号を周波数│fx−fa│に変換した信号と、前記第2の主要素信号および副要素信号を周波数│fx−fb│に変換した信号とを含む信号を出力することを特徴とする、請求項14に記載の多重伝送装置。
  18. 前記第1の主要素信号および副要素信号の周波数faと、前記第2の主要素信号および副要素信号の周波数fbとは、一致することを特徴とする、請求項17に記載の多重伝送装置。
  19. 前記第1および第2の主要素信号および副要素信号は、いずれも角度変調信号であることを特徴とする、請求項17に記載の多重伝送装置。
  20. 前記第1の遅延制御部は、前記所定の時間遅延τxが、前記第1の主要素信号に対する前記第1の副要素信号の時間遅延τaとは同量かつ逆符号になるように設定され、
    前記第2の遅延制御部は、前記所定の時間遅延τyが、前記第2の主要素信号に対する前記第2の副要素信号の時間遅延τbと同量かつ逆符号になるように設定され、
    前記光受信部は、前記第1の主要素信号および副要素信号を周波数fx+faに変換した信号と、前記第2の主要素信号および副要素信号を周波数fx+fbに変換した信号とを含む信号を出力することを特徴とする、請求項14に記載の多重伝送装置。
  21. 前記第1の信号源は、所定の逆拡散符号Cxを元信号とした周波数fxの変調信号を出力し、
    前記第2の信号源は、所定の逆拡散符号Cyを元信号とした周波数fyの変調信号を出力し、
    前記第1の主要素信号および副要素信号は、ベースバンド信号Daを所定の拡散符号Caによってスペクトル拡散した変調信号であり、
    前記第2の主要素信号および副要素信号は、ベースバンド信号Dbを所定の拡散符号Cbによってスペクトル拡散した変調信号であることを特徴とする、請求項14に記載の多重伝送装置。
  22. 前記第1の信号源は、所定の逆拡散符号Cxが、前記第1の主要素信号および副要素信号の拡散符号Caに対する逆拡散符号に設定され、前記第2の信号源は、所定の逆拡散符号Cxが、前記第2の主要素信号および副要素信号の拡散符号Cbに対する逆拡散符号に設定され、
    前記第1の遅延制御部は、前記所定の時間遅延τxが、前記第1の主要素信号に対する前記第1の副要素信号の時間遅延τaに等しくなるように設定され、
    前記第2の遅延制御部は、前記所定の時間遅延τyが、前記第2の主要素信号に対する前記第2の副要素信号の時間遅延τbに等しくなるように設定され、
    前記光受信部は、前記第1の主要素信号および副要素信号をスペクトル逆拡散し、周波数│fx−fa│に変換した信号と、前記第2の主要素信号および副要素信号をスペクトル逆拡散し、周波数│fx−fb│に変換した信号との双方を含む信号を出力することを特徴とする、請求項21に記載の多重伝送装置。
  23. 前記第1の主要素信号および副要素信号の周波数faと、前記第2の主要素信号および副要素信号の周波数fbとは、一致することを特徴とする、請求項22に記載の多重伝送装置。
  24. 前記拡散符号Caと前記拡散符号Cbとは、一致することを特徴とする、請求項22に記載の多重伝送装置。
  25. 前記第1の信号源は、所定の逆拡散符号Cxが、前記第1の主要素信号および副要素信号の拡散符号Caに対する逆拡散符号に設定され、前記第2の信号源は、所定の逆拡散符号Cxが、前記第2の主要素信号および副要素信号の拡散符号Cbに対する逆拡散符号に設定され、
    前記第1の遅延制御部は、前記所定の時間遅延τxが、前記第1の主要素信号に対する前記第1の副要素信号の時間遅延τaとは同量かつ逆符号になるように設定され、
    前記第2の遅延制御部は、前記所定の時間遅延τyが、前記第2の主要素信号に対する前記第2の副要素信号の時間遅延τbとは同量かつ逆符号になるように設定され、
    前記光受信部は、前記第1の主要素信号および副要素信号をスペクトル逆拡散し、周波数fx+faに変換した信号と、前記第2の主要素信号および副要素信号をスペクトル逆拡散し、周波数fx+fbに変換した信号との双方を含む信号を出力することを特徴とする、請求項21に記載の多重伝送装置。
  26. 位相が異なる複数の信号を光信号に変換して伝送し、所望の信号のみを抽出することができる多重伝送装置であって、
    所定の周波数fxの主局発信号を出力する信号源と、
    前記信号源から出力される前記主局発信号に対して、所定の時間遅延τxを与えて、第1の副局発信号として出力する第1の遅延制御部と、
    前記信号源から出力される前記主局発信号を、波長λ1の第1の光信号に変換し、出力する第1の光送信部と、
    前記第1の遅延制御部から出力される前記第1の副局発信号を、波長λ2の第2の光信号に変換し、出力する第2の光送信部と、
    前記第1の光送信部から出力される前記第1の光信号と、前記第2の光送信部から出力される前記第2の光信号とを合波し、出力する第1の光合波部と、
    第1の端子に入力される光信号を透過して、第2の端子から出力すると共に、前記第2の端子に入力される光信号を透過して、第3の端子から出力する性質を有し、前記第1の端子に接続される前記光合波部から出力される光信号を透過し、前記第2の端子から出力する第1の光合分波部と、
    前記第1の光合分波部における前記第2の端子に接続されて、光信号を双方向に伝送する光伝送路と、
    第4の端子に入力される光信号を波長毎に分離し、それぞれ第5および第6の端子から出力すると共に、前記第5および第6の端子に入力される光信号を合波し、前記第4の端子から出力する性質を有し、前記第4の端子に接続される前記光伝送路を介して前記第1の光合分波部における前記第2の端子から出力される光信号を波長毎に分離し、前記第1の光信号を前記第5の端子から出力し、前記第2の光信号を前記第6の端子から出力する第2の光合分波部と、
    所定の周波数faの第1の主要素信号と、所定の周波数fbの第2の主要素信号とを合波し、主信号群として出力する第1の合波部と、
    前記第1の主要素信号に所定の時間遅延τaが与えられた第1の副要素信号と、前記第2の主要素信号に所定の時間遅延τbが与えられた第2の副要素信号とを合波し、第1の副信号群として出力する第2の合波部と、
    前記第1の合波部から出力される前記主信号群によって、前記第2の光合分波部における前記第5の端子から出力される前記第1の光信号を変調すると共に、これを反射し、前記第2の光合分波部における前記第5の端子に入力する第1の光変調部と、
    前記第2の合波部から出力される前記第1の副信号群によって、前記第2の光合分波部における前記第6の端子から出力される前記第2の光信号を変調すると共に、これを反射し、前記第2の光合分波部における前記第6の端子に入力する第2の光変調部と、
    前記第1の光合分波部における前記第3の端子から出力される光信号を自乗検波し、前記第1の主要素信号および副要素信号、または前記第2の主要素信号および副要素信号のいずれか一方に一意に対応する信号を出力する光受信部とを備える、多重伝送装置。
  27. 位相が異なる複数の信号を光信号に変換して伝送し、所望の信号のみを抽出することができる多重伝送装置であって、
    所定の周波数faの第1の主要素信号と、所定の周波数fbの第2の主要素信号とを合波し、主信号群として出力する第1の合波部と、
    前記第1の主要素信号に所定の時間遅延τaが与えられた第1の副要素信号と、前記第2の主要素信号に所定の時間遅延τbが与えられた第2の副要素信号とを合波し、第1の副信号群として出力する第2の合波部と、
    前記第1の合波部から出力される前記主信号群を、波長λ1の第1の光信号に変換し、出力する第1の光送信部と、
    前記第2の合波部から出力される前記第1の副信号群を、波長λ2の第2の光信号に変換し、出力する第2の光送信部と、
    前記第1の光送信部から出力される前記第1の光信号と、前記第2の光送信部から出力される前記第2の光信号とを合波し、出力する第1の光合波部と、
    前記第1の光合波部から出力される光信号を伝送する光伝送路と、
    前記光伝送路によって伝送される光信号を波長毎に分離し、前記第1および第2の光信号を、それぞれ出力する光分波部と、
    所定の周波数fxの主局発信号を出力する信号源と、
    前記信号源から出力される前記主局発信号に対して、所定の時間遅延τxを与えて、第1の副局発信号として出力する第1の遅延制御部と、
    前記信号源から出力される前記主局発信号によって、前記光分波部から出力される前記第1の光信号を変調し、出力する第1の光変調部と、
    前記第1の遅延制御部から出力される前記第1の副局発信号によって、前記光分波部から出力される前記第2の光信号を変調し、出力する第2の光変調部と、
    前記第1の光変調部から出力される前記第1の光信号と、前記第2の光変調部から出力される前記第2の光信号とを合波し、出力する第2の光合波部と、
    前記第2の光合波部から出力される光信号を自乗検波し、前記第1の主要素信号および副要素信号、または前記第2の主要素信号および副要素信号のいずれか一方に一意に対応する信号を出力する光受信部とを備える、多重伝送装置。
  28. 前記第1の主要素信号に対して他とは異なる時間遅延が与えられた第3の副要素信号と、前記第2の主要素信号に対して他とは異なる時間遅延が与えられた第4の副要素信号とを合波し、第2の副信号群として出力する1つ以上の第3の合波部と、
    対応する前記第3の合波部から出力される前記第2の副信号群を、他とは異なる波長の第3の光信号に変換し出力する1つ以上の第3の光送信部と、
    前記信号源から出力される前記主局発信号に対して、他とは異なる時間遅延を与えて、第2の副局発信号として出力する1つ以上の第2の遅延制御部と、
    対応する前記第2の遅延制御部から出力される前記第2の副局発信号によって、前記光分波部から出力される前記第3の光信号を変調し、出力する1つ以上の第3の光変調部とをさらに備え、
    前記第1の光合波部は、前記第1の光送信部から出力される前記第1の光信号と、前記第2の光送信部から出力される前記第2の光信号と、さらに1つ以上の前記第3の光送信部から出力される前記第3の光信号とを合波して出力し、
    前記光分波部は、前記光伝送路によって伝送される光信号を波長毎に分離し、前記第1および第2の光信号と、さらに1つ以上の前記第3の光信号とをそれぞれ出力し、
    前記第2の光合波部は、前記第1の光変調部から出力される前記第1の光信号と、前記第2の光変調部から出力される前記第2の光信号と、さらに1つ以上の前記第3の光変調部から出力される前記第3の光信号とを合波して出力し、
    前記光受信部は、前記第2の光合波部から出力される信号を自乗検波し、前記第1の主要素信号(および第1および第3の副要素信号)、または前記第2の主要素信号(および第2および第4の副要素信号)のいずれか1つに一意に対応する信号を出力することを特徴とする、請求項27に記載の多重伝送装置。
  29. 前記信号源は、所定の逆拡散符号Cxを元信号とした周波数fxの変調信号を出力し、
    前記第1の主要素信号および副要素信号は、ベースバンド信号Daを所定の拡散符号Caによってスペクトル拡散した変調信号であり、
    前記第2の主要素信号および副要素信号は、ベースバンド信号Dbを所定の拡散符号Cbによってスペクトル拡散した変調信号であることを特徴とする、請求項27に記載の多重伝送装置。
  30. 位相が異なる複数の信号を光信号に変換して伝送し、所望の信号を同時に抽出することができる多重伝送装置であって、
    所定の周波数faの第1の主要素信号と、所定の周波数fbの第2の主要素信号とを合波し、主信号群として出力する第1の合波部と、
    前記第1の主要素信号に所定の時間遅延τaが与えられた第1の副要素信号と、前記第2の主要素信号に所定の時間遅延τbが与えられた第2の副要素信号とを合波し、第1の副信号群として出力する第2の合波部と、
    前記第1の合波部から出力される前記主信号群を、波長λ1の第1の光信号に変換し、出力する第1の光送信部と、
    前記第2の合波部から出力される前記第1の副信号群を、波長λ2の第2の光信号に変換し、出力する第2の光送信部と、
    前記第1の光送信部から出力される前記第1の光信号と、前記第2の光送信部から出力される前記第2の光信号とを合波し、出力する第1の光合波部と、
    前記第1の光合波部から出力される光信号を伝送する光伝送路と、
    前記光伝送路によって伝送される光信号を波長毎に分離し、前記第1および第2の光信号を、それぞれ出力する光分波部と、
    所定の周波数fxの第1の主局発信号を出力する第1の信号源と、
    所定の周波数fyの第2の主局発信号を出力する第2の信号源と、
    前記第1の信号源から出力される前記第1の主局発信号に対して、所定の時間遅延τxを与えて、第1の副局発信号として出力する第1の遅延制御部と、
    前記第2の信号源から出力される前記第2の主局発信号に対して、所定の時間遅延τyを与えて、第2の副局発信号として出力する第2の遅延制御部と、
    前記第1の信号源から出力される前記第1の主局発信号と、前記第2の信号源から出力される前記第2の主局発信号とを合波し、主局発信号群として出力する第3の合波部と、
    前記第1の遅延制御部から出力される前記第1の副局発信号と、前記第2の遅延制御部から出力される前記第2の副局発信号とを合波し、第1の副局発信号群として出力する第4の合波部と、
    前記第3の合波部から出力される前記主局発信号群によって、前記光分波部から出力される前記第1の光信号を変調し、出力する第1の光変調部と、
    前記第4の合波部から出力される前記第1の副局発信号群によって、前記光分波部から出力される前記第2の光信号を変調し、出力する第2の光変調部と、
    前記第1の光変調部から出力される前記第1の光信号と、前記第2の光変調部から出力される前記第2の光信号とを合波し、出力する第2の光合波部と、
    前記第2の光合波部から出力される光信号を自乗検波し、前記第1の主要素信号および副要素信号と、前記第2の主要素信号および副要素信号との双方に一意に対応する信号を出力する光受信部と、
    前記光受信部から出力される信号を、前記第1の主要素信号および副要素信号と、前記第2の主要素信号および副要素信号とのそれぞれに一意に対応する各信号成分のみを透過するように分離し、出力する透過部とを備える、多重伝送装置。
  31. 所定の周波数を有する第3の主局発信号を出力する1つ以上の第3の信号源と、
    対応する前記第3の信号源から出力される前記第3の主局発信号に対して、他とは異なる時間遅延を与えて、第3の副局発信号として出力する1つ以上の第3の遅延制御部とをさらに備え、
    前記第1の合波部は、所定の周波数faの第1の主要素信号と、所定の周波数fbの第2の主要素信号と、さらに所定の周波数を有する1つ以上の第3の主要素信号とを合波し、主信号群として出力し、
    前記第2の合波部は、前記第1の主要素信号に所定の時間遅延τaが与えられた第1の副要素信号と、前記第2の主要素信号に所定の時間遅延τbが与えられた第2の副要素信号と、さらに対応する前記第3の主要素信号に他とは異なる所定の時間遅延が与えられた1つ以上の第3の副要素信号とを合波し、第1の副信号群として出力し、
    前記第3の合波部は、前記第1の信号源から出力される前記第1の主局発信号と、前記第2の信号源から出力される前記第2の主局発信号と、さらに1つ以上の前記第3の信号源から出力される前記第3の主局発信号とを合波し、主局発信号群として出力し、
    前記第4の合波部は、前記第1の遅延制御部から出力される前記第1の副局発信号と、前記第2の遅延制御部から出力される前記第2の副局発信号と、さらに1つ以上の前記第3の遅延制御部から出力される前記第3の副局発信号とを合波し、第1の副局発信号群として出力し、
    前記光受信部は、前記第2の光合波部から出力される光信号を自乗検波し、前記第1の主要素信号および副要素信号と、前記第2の主要素信号および副要素信号と、1つ以上の前記第3の主要素信号および副要素信号とに一意に対応する信号を出力し、
    前記透過部は、前記光受信部から出力される信号を、前記第1の主要素信号および副要素信号と、前記第2の主要素信号および副要素信号と、1つ以上の前記第3の主要素信号および副要素信号とのそれぞれに一意に対応する各信号成分のみを透過するように分離し、出力することを特徴とする、請求項30に記載の多重伝送装置。
  32. 前記第1の主要素信号に対して他とは異なる時間遅延が与えられた第3の副要素信号と、前記第2の主要素信号に対して他とは異なる時間遅延が与えられた第4の副要素信号とを合波し、第2の副信号群として出力する1つ以上の第6の合波部と、
    対応する前記第6の合波部から出力される前記第2の副信号群を、他とは異なる波長の第3の光信号に変換し出力する1つ以上の第3の光送信部と、
    前記第1の信号源から出力される前記第1の主局発信号に対して、他とは異なる時間遅延を与えて、第3の副局発信号として出力する1つ以上の第3の遅延制御部と、
    前記第2の信号源から出力される前記第2の主局発信号に対して、他とは異なる時間遅延を与えて、第4の副局発信号として出力する1つ以上の第4の遅延制御部と、
    対応する前記第3の遅延制御部から出力される前記第3の副局発信号と、対応する前記第4の遅延制御部から出力される第4の副局発信号とを合波し、第2の副局発信号群として出力する1つ以上の第5の合波部と、
    対応する前記第5の合波部から出力される前記第2の副局発信号群によって、前記光分波部から出力される前記第3の光信号を変調し、出力する1つ以上の第3の光変調部とをさらに備え、
    前記第1の光合波部は、前記第1の光送信部から出力される前記第1の光信号と、前記第2の光送信部から出力される前記第2の光信号と、さらに1つ以上の前記第3の光送信部から出力される前記第3の光信号とを合波して出力し、
    前記光分波部は、前記光伝送路によって伝送される光信号を波長毎に分離し、前記第1および第2の光信号と、さらに1つ以上の第3の光信号とをそれぞれ出力し、
    前記第2の光合波部は、前記第1の光変調部から出力される前記第1の光信号と、前記第2の光変調部から出力される前記第2の光信号と、さらに1つ以上の前記第3の光変調部から出力される前記第3の光信号とを合波して出力し、
    前記光受信部は、前記第2の光合波部から出力される光信号を自乗検波し、前記第1の主要素信号(および第1および第3の副要素信号)と、前記第2の主要素信号(および第2および第4の副要素信号)とのそれぞれに一意に対応する信号を出力し、
    前記透過部は、前記光受信部から出力される信号を、前記第1の主要素信号(および第1および第3の副要素信号)と、前記第2の主要素信号(および第2および第4の副要素信号)とのそれぞれに一意に対応する各信号成分のみを透過するように分離し、出力することを特徴とする、請求項30に記載の多重伝送装置。
  33. 位相が異なる複数の信号を光信号に変換して伝送し、所望の信号を抽出することができる多重伝送方法であって、
    複数の主要素信号と、対応する前記主要素信号に対してそれぞれ異なる位相差が与えられた複数の副要素信号とを、それぞれ波長が異なる複数の光信号に変換するステップと、
    前記各光信号を、主局発信号と、前記副要素信号に与えられた位相差と等しくなるような位相差を前記主局発信号に与えて生成される副局発信号とによって、それぞれ予変調または再変調するステップと、
    前記光信号を自乗検波し、前記光信号から所望の主要素信号および副要素信号を変換して抽出するステップとを含む、多重伝送方法。
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