JP4208981B2 - 光吸収性反射防止体とその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光吸収性反射防止体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ディスプレイの表示部などの反射防止と電磁波遮蔽は、基体側から、可視光に実質的に透明な低屈折率誘電体膜、高屈折率誘電体膜、高屈折率導電体膜を積層することにより達成されていた(特開昭60−168102)。しかしこの多層構成の反射防止膜においては、低反射となる波長範囲を広くするためには、反射防止膜を構成する層の数を増す必要があり、これに伴って製造コストが大きくなるという問題があった。
【0003】
また、上述の反射防止と電磁波遮蔽を達成するための膜構成をきわめて単純にしたものとして、基体側から光吸収性膜とシリカ膜を積層した2層の反射防止膜も提案(DE3942990)されているが、この窒化チタン層などの光吸収性膜とシリカ膜とからなる2層構成の光吸収性反射防止膜を用いても、得られる光吸収性反射防止体の低反射の波長領域は狭く、その反射防止特性は不充分であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、単純な層構成で、充分な反射防止特性を発現する光吸収性反射防止体およびその製造方法の提供を目的とする。
本発明は、また、単純な層構成で耐熱性に優れた光吸収性反射防止体およびその製造方法の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、基体上に、基体側から、幾何学的膜厚が5〜25nmの酸窒化チタン膜と、幾何学的膜厚が70〜130nmのシリカを主成分とする膜とがこの順に形成され、シリカを主成分とする膜側からの入射光の反射を低減させる光吸収性反射防止体であって、前記酸窒化チタンにおける酸素のチタンに対する原子数比が0.11以上、0.33未満であることを特徴とする光吸収性反射防止体(以下、第1の発明という)を提供する。
【0006】
本発明は、また、基体上に、基体側から、幾何学的膜厚が15〜30nmの酸窒化チタン膜と、幾何学的膜厚が10〜30nmであり屈折率が1.7以上であって可視光に実質的に透明である誘電体膜と、幾何学的膜厚が50〜90nmのシリカを主成分とする膜とがこの順に形成され、シリカを主成分とする膜側からの入射光の反射を低減させる光吸収性反射防止体であって、前記酸窒化チタンにおける酸素のチタンに対する原子数比が0.11以上、0.33未満であることを特徴とする光吸収性反射防止体(以下、第2の発明という)を提供する。
【0007】
本発明の光吸収性反射防止体は酸窒化チタン層を含んでおり、この酸窒化チタンに含まれる酸素の量を変化させると、その屈折率nと消衰係数kは変化し、これに伴って、低反射となる波長範囲も変化する。つまり、酸窒化チタン中の酸素量を調整することにより、反射防止性能を向上しうる。本発明における最も単純な膜構成は、第1の発明に示すように、酸素含有量を最適とした酸窒化チタン膜とシリカを主成分とする膜とからなる2層構成である。
【0008】
2層の膜構成で、その2つの層に可視光に実質的に透明である誘電体膜を用いた反射防止体においては、ある特定の波長(設計波長と呼ばれる)における反射率をゼロにするように各々の層の屈折率と膜厚を決めうる。しかし、設計波長以外の波長では、反射率が急激に増加する、いわゆる「Vコート」となり、広い波長範囲において低反射とはならない。
【0009】
本発明のように、有限の消衰係数を持った物質、つまり、光吸収性物質を用いると2層構成であっても広い波長範囲において低反射となる反射防止体を形成できる。その光吸収性物質の屈折率と消衰係数の波長依存性(波長分散)は、その膜厚が決まれば決定される。つまり、屈折率と消衰係数の両方の波長分散が同時に最も望ましいものとなる光吸収性物質を用いることが本発明の要点である。
【0010】
本発明では、広い波長範囲において低反射となる反射防止体に用いる光吸収性物質として酸窒化チタンを見出し、さらに、その酸素含有量が特定範囲にあることが低反射波長範囲を広くするためには肝要であることを見出した。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明においては、後述するように、実用的な、低反射の波長範囲の広い反射防止体を得るうえで、酸窒化チタンにおける酸素のチタンに対する原子数比は0.11以上、0.33未満であることが重要である。より低反射能が要求される場合は、酸素のチタンに対する原子数比は、0.14〜0.28、特に0.16〜0.26であることが好ましい。
【0012】
本発明において用いるシリカを主成分とする膜としては、導電性のシリコンターゲットを酸化性ガスの存在下で直流スパッタして得られる膜がある。シリカを主成分とする膜の形成法としては、特に限定されず、CVD法やスパッタ法などの乾式法や、スプレー法、スピンコート法、ディップ法などの湿式法を採用できる。スパッタ法としては、高周波(RF)スパッタ法や直流反応性スパッタ法が挙げられる。
【0013】
直流反応性スパッタ法を用いる場合は、シリコンターゲットに導電性を付与するため、ホウ素、リン、またはアルミニウムなどの金属が混入される。その結果、得られるシリカにもこれらの元素が不純物として混入するが、本発明におけるシリカとは、シリカとほぼ同じ屈折率を持つもののことである。
【0014】
第1の発明においては、幾何学的膜厚が5〜25nmの酸窒化チタン膜と、幾何学的膜厚が70〜130nmのシリカを主成分とする膜とを用いることが重要である。
【0015】
酸窒化チタン膜の膜厚が5nm未満では低反射となる波長領域は広がるが、反射率が大きくなり、また、25nm超では低反射となる波長領域は狭くなり、さらに膜厚を大きくすると反射率は大きくなる。
【0016】
また、シリカを主成分とする膜の膜厚を小さくすると低反射となる波長範囲は低波長領域になり、シリカを主成分とする膜の膜厚を大きくすると低反射となる波長範囲は長波長領域になる。つまり、低反射となる波長領域を可視光領域とするためには、シリカを主成分とする膜の膜厚を70〜130nmの範囲にすることが必要となる。酸窒化チタン膜の幾何学的膜厚は、7〜20nm、特に8〜15nmが好ましい。この範囲に酸窒化チタン膜の膜厚を限定することにより、低反射となる波長領域は広がり、かつ、反射率も低くできる。
【0017】
シリカを主成分とする膜の幾何学的膜厚は、80〜100nmが好ましい。この膜厚範囲とすることにより、低反射となる波長領域は、可視光領域の中央付近になり、反射防止体としてはさらに性能が向上する。
【0018】
第2の発明においては、幾何学的膜厚が15〜30nmの酸窒化チタン膜と、幾何学的膜厚が10〜30nmであり屈折率が1.7以上であって可視光に実質的に透明である誘電体膜と、幾何学的膜厚が50〜90nmのシリカを主成分とする膜とを用いることが重要である。前記誘電体膜としては、酸化チタン膜などが挙げられる。
【0019】
第1の発明においては、酸窒化チタン膜と前記シリカを主成分とする膜との間に、幾何学的膜厚が1〜20nmの、金属または金属窒化物を主成分とする層が形成されていることが好ましい。また、第2の発明においては、酸窒化チタン膜と前記誘電体膜との間に、幾何学的膜厚が1〜20nmの、金属または金属窒化物を主成分とする層が形成されていることが好ましい。
【0020】
光吸収膜とシリカ膜との間に、光吸収性膜の酸化を防止する層(以下、バリア層という)として前記の金属または金属窒化物を主成分とする層を挿入することにより、成膜時の酸化を防いだり、耐熱性を向上させたりしうる。
【0021】
この種のバリア層は、銀膜を使用したいわゆるLow−Eガラスにおいては広く実施されており、銀膜上に続いて形成される酸化膜の成膜時に、銀膜が酸化されることを防ぐ目的で、バリア層を形成することが示されている(USP4548691および特開昭59−165001)。このように、このバリア層は、その下に形成されている別の層の酸化を防ぐために形成される薄膜であり、光学的には意味を持たない(すなわち、反射防止特性や可視光線透過率にほとんど影響を与えない)ものである。また、光学的には意味を持たせないことが重要である。
【0022】
このバリア層の膜厚は本来の反射防止性能を損なわないために20nm以下であることが望ましい。また、このバリア層の膜厚が1nm未満では耐熱性の向上が不充分となる。したがって、1〜20nmの膜厚のバリア層を挿入すると耐熱性を効果的に向上させうることから好ましい。
【0023】
上述したように、バリア層は、光学的には意味を持たないことが重要なので、バリア層が光吸収性(例えば光吸収性の窒化シリコン)である場合は、厚みは約5nm以下にすべきである。
【0024】
透明なバリア層を用いる場合は、この層の屈折率により許容される膜厚が異なる。屈折率が約2.0の材料(例えば窒化シリコンや窒化アルミニウム)を用いた場合に最も許容膜厚が大きくなり、約20nm以下のバリア層を下層の光吸収膜と上層の誘電体膜との間に、低反射特性を維持しながら挿入できる。
【0025】
バリア層として、クロム、モリブデン、タングステン、バナジウム、ニオブ、タンタル、亜鉛、ニッケル、パラジウム、白金、アルミニウム、インジウム、スズおよびシリコンからなる群の1種以上の金属を主成分とする膜もしくはこれらの窒化物を主成分とする膜、または、チタン、ジルコニウムおよびハフニウムからなる群の1種以上の金属を主成分とする膜、を用いると、充分な酸化防止性能の向上と、優れた反射防止特性の維持を両立させうるので好ましい。特に、シリコンまたはシリコン窒化物を主成分とする層が好ましい。
【0026】
シリコンとシリコン窒化物が酸化される場合には、他の多くの金属や金属窒化物において見られるような表面から酸素が深さ方向に濃度勾配をもって拡散していく酸化機構(酸化機構A)でなく、表面から1原子層ずつ酸化物層が形成されていく酸化機構(酸化機構B)を示す。
【0027】
酸窒化チタンは、シリカを主成分とする膜の成膜時に、またはその後の熱処理時に酸化される可能性がある。シリコンまたはシリコン窒化物は、酸窒化チタンの酸化を防止するために用いられ、このために、シリコンまたはシリコン窒化物は、部分酸化物あるいは酸窒化シリコンとなることがある。
【0028】
前述した酸化機構Aにおいては、金属または金属窒化物が完全に酸化される以前においても酸窒化チタンが酸化されていく可能性があるのに比べ、後者の酸化機構Bを示すシリコンまたはシリコン窒化物は、完全に酸化されるまでは酸窒化チタンを酸化から守りうる。
【0029】
反射防止体の光学性能に影響を与えないように、酸化後の状態を見込んでシリコンまたはシリコン窒化物を主成分とする層の膜厚を設定することもできる。可視光に対し透明なシリコン窒化物は、反射防止体の光学特性にほとんど影響を与えないことから膜厚を大きくでき、酸窒化チタンの酸化を効果的に防げるので好ましい。
【0030】
本発明は、また、基体上に、基体側から、幾何学的膜厚が5〜25nmの酸窒化チタン膜と、幾何学的膜厚が70〜130nmのシリカを主成分とする膜とがこの順に形成され、シリカを主成分とする膜側からの入射光の反射を低減させる光吸収性反射防止体の製造方法であって、前記酸窒化チタンを、チタンを主成分とするターゲットを用いてスパッタ法により形成し、酸素のチタンに対する原子数比を0.11以上、0.33未満とすることを特徴とする光吸収性反射防止体の製造方法を提供する。
【0031】
本発明は、また、基体上に、基体側から、幾何学的膜厚が15〜30nmの酸窒化チタン膜と、幾何学的膜厚が10〜30nmであり屈折率が1.7以上であって可視光に実質的に透明である誘電体膜と、幾何学的膜厚が50〜90nmのシリカを主成分とする膜とがこの順に形成され、シリカを主成分とする膜側からの入射光の反射を低減させる光吸収性反射防止体の製造方法であって、前記酸窒化チタンを、チタンを主成分とするターゲットを用いてスパッタ法により形成し、酸素のチタンに対する原子数比を0.11以上、0.33未満とすることを特徴とする光吸収性反射防止体の製造方法を提供する。
【0032】
酸窒化チタンの形成法としては、特に限定されず、CVD法やスパッタ法などを採用できる。スパッタ法としては、RFスパッタ法や直流反応性スパッタ法が挙げられる。特に、直流反応性スパッタ法を用い、スパッタガスとして、窒素、希ガスおよび酸化性ガスからなる混合ガスを用いることが好ましい。
【0033】
直流反応性スパッタ法は、CVD法のように基体を加熱する必要がなく、また、成膜過程における基体の温度上昇もRFスパッタ法に比較して小さいために、基体として使用できる物質の制限が小さく、さらに、大面積の基体に反射防止体を形成するのも容易である。
【0034】
また、成膜時のチタンターゲットへの投入電力に対応してガスの組成比を調整でき、結果として、酸窒化チタンにおける酸素のチタンに対する原子比を調整できることから、窒素、希ガスおよび酸化性ガスの混合ガスを用いることが好ましい。
【0035】
酸化性ガスとしては、酸素、オゾン、一酸化窒素、二酸化窒素、亜酸化窒素、二酸化炭素および水からなる群から選ばれる1種以上のガスを用いることが好ましい。その理由は、これらのガスが、得られる膜に酸素原子を導入するうえで、酸窒化チタンに含まれる酸素のチタンに対する原子数比を最適にするように調整することが容易となる酸化性ガスだからである。
【0036】
光吸収性反射防止体の低反射となる波長領域が広くなる酸窒化チタンを得るうえで、チタンターゲットに投入する電力の範囲が広くなり、酸窒化チタンの成膜がより容易になることから、前記混合ガスとして、酸素を含有しかつ酸素の含有量が5体積%以下であるガスを用いることが好ましい。この混合ガス中の酸素含有量は、2体積%以下がより好ましく、1.2体積%以下がさらに好ましい。
【0037】
本発明に用いる基体としては、ガラス、プラスチック、プラスチックフィルムなどが挙げられる。具体的には、ディスプレイ用の表示部を構成するガラス、プラスチック、プラスチックフィルムなどや、建築物や自動車などの移動体の窓部を構成するガラス、プラスチック、プラスチックフィルムなどが挙げられる。また、展示物などの収納物を保護し、かつ、視認性を確保する部分を構成するガラス、プラスチック、プラスチックフィルムなども挙げられる。プラスチック、プラスチックフィルムの材料としてはPET(ポリエチレンテレフタレート)などが挙げられる。
【0038】
好適な応用例として、本発明の光吸収性反射防止体をCRTの前面発光板(パネル)として用いた場合が挙げられる。本発明における光吸収性反射防止膜をこうしたパネルに成膜後、CRTを構成するほかの2つの構成部材であるファンネルと電子銃を、低融点粉末ガラスを接着剤として用いて加熱し、パネルに融着する必要がある。この加熱融着工程は、約450℃の温度にこれら構成部材を密着した状態で30分間維持するものであり、CRTの完成のためには、この工程を2回行う必要がある。この加熱融着工程において、本発明におけるバリア層は、酸窒化チタン膜の酸化を防止する役目を負うことになる。
【0039】
【実施例】
以下の例において、酸窒化チタンに含まれる酸素のチタンに対する原子数比はESCAとヘリウムのラザフォード散乱法から求めた。この手順を以下に詳しく述べる。ラザフォード散乱法のための試料として、グラファイト基板上に酸窒化チタンを100nm成膜し、この上に、酸化防止と汚染防止のために窒化シリコンを10nm成膜した。この試料について入射エネルギー2.3MeVを持つ質量数4のHe正イオンによる後方散乱強度のエネルギー分光を行い、酸素のチタンに対する原子数比を求めた。この値の誤差は、通常10%以内である。
【0040】
一方、ラザフォード散乱法において用いた酸窒化チタンと同じ成膜条件でソーダライムガラス上に酸窒化チタンを20nm成膜し、この上に、窒化シリコンを3nm成膜したものを用意し、これをアルゴンイオンで4分間スパッタすることにより、汚染されていない酸窒化チタンを真空中で露出させ、この表面の組成分析をESCAにより行った。このESCAにより得られた酸素に対するチタンの原子数比とラザフォード散乱により得られた酸素に対するチタンの原子数比との比を求め、ESCAにより得られた酸素に対するチタンの原子数比を補正するための係数として用いた。
【0041】
ESCAでは、アルゴンイオンのスパッタによる表面反応層と汚染層の除去が必要となるが、この処理により、酸素のチタンに対する原子数比は、実際のものより小さくなる。また、さらに、このスパッタの時間とともに酸素のチタンに対する原子数比は徐々に小さくなる。したがって以下の例における酸窒化チタンの酸素に対するチタンの原子数比は、各々の例の条件で前記同様に、ソーダライムガラス上に酸窒化チタン20nm、窒化シリコン3nmをこの順に成膜し、アルゴンイオンによるスパッタを4分間行って、ESCAにより組成分析し、先に求めた補正係数を用いて求めた。
【0042】
また、低反射波長範囲の大小を判定するために、反射率が0.6%となる低波長側の波長で、高波長側の波長を除したものをバンド幅比と定義し、これを求めた。
【0043】
(例1)
成膜室を2μTorrまで排気した後、窒素ガス濃度10体積%、酸素ガス濃度0.69体積%、残部アルゴンガスからなるスパッタガスを成膜室に導入し、20cm×7cm×0.5cmの大きさのチタンターゲットに0.26kWの電力を投入して、直流反応性スパッタ法により膜厚9nmの酸窒化チタンをソーダライムガラス平板上に形成した。
【0044】
次に、窒素ガス濃度30体積%、残部アルゴンガスからなるスパッタガスを用いて、20cm×7cm×0.5cmの大きさのn型シリコンターゲットに0.39kWの電力を投入して、直流反応性スパッタ法により膜厚5nmの窒化シリコンを形成した。
【0045】
次に、酸素ガス濃度60体積%、残部アルゴンガスからなるスパッタガスを用いて、20cm×7cm×0.5cmの大きさのn型シリコンターゲットに0.77kWの電力を投入して、直流反応性スパッタ法により膜厚90nmのシリカを形成した。
【0046】
得られた試料の酸窒化チタンに含まれる酸素のチタンに対する原子数比は0.21であった。得られた試料の膜の形成されていないガラス面に黒色塗料を塗布し、膜の形成されている側の分光反射率を測定した。得られた分光反射率を図1に示す。バンド幅比は1.71であった。このように、低反射波長範囲のきわめて広い光吸収性反射防止体が得られた。
【0047】
(例2(比較例))
酸窒化チタン形成工程のスパッタガスとして、窒素ガス濃度10体積%、酸素ガス濃度0.69体積%、残部アルゴンガスからなるスパッタガスに代えて、窒素ガス濃度10体積%、残部アルゴンガスからなるスパッタガスを用いた以外は例1と同様にして、膜厚9nmの窒化チタンをソーダライムガラス平板上に形成した。次に、例1と同様にして、膜厚5nmの窒化シリコンと膜厚90nmのシリカをこの順序で形成した。
【0048】
得られた試料の窒化チタンにも酸素が微量含まれ、その酸素のチタンに対する原子数比は0.09であった。例1と同様にして測定した、膜の形成されている側の分光反射率を図2に示す。バンド幅比は1.464であった。例1と比べれば、スパッタガス中に酸素を混入しなければ、低反射性能が不充分であることがわかる。
【0049】
(例3(比較例))
酸窒化チタン形成工程のスパッタガスとして、窒素ガス濃度10体積%、酸素ガス濃度0.69体積%、残部アルゴンガスからなるスパッタガスに代えて、窒素ガス濃度10体積%、酸素ガス濃度1.85体積%、残部アルゴンガスからなるスパッタガスを用いた以外は例1と同様にして、膜厚9nmの酸窒化チタンをソーダライムガラス平板上に形成した。次に、例1と同様にして、膜厚5nmの窒化シリコンと膜厚90nmのシリカを形成した。
【0050】
得られた試料の酸窒化チタンに含まれる酸素のチタンに対する原子数比は0.78であった。例1と同様にして測定した、膜の形成されている側の分光反射率を図3に示す。バンド幅比は1.091であった。例1と比べれば、酸窒化チタンに含まれる酸素濃度が適当でない酸窒化チタンを光吸収性物質として用いると得られる光吸収性反射防止体の低反射範囲は狭く、低反射性能が不充分であることがわかる。
【0051】
(例4)
酸窒化チタン形成工程のスパッタガスとして、窒素ガス濃度10体積%とし、酸素ガス濃度を各種濃度に変化させ、残部アルゴンガスとしたスパッタガスを用いた以外は例1と同様にして各種光吸収性反射防止体を得た。
【0052】
得られた試料の酸窒化チタンに含まれる酸素のチタンに対する原子数比、バンド幅比を求め、縦軸をバンド幅比とし、横軸を酸素のチタンに対する原子数比として図4にプロットした。なお、図4には、例1〜3の値も併せてプロットしてある。
【0053】
図4より、酸窒化チタンに含まれる酸素のチタンに対する原子数比の増加とともに、バンド幅比はいったん増加した後に減少する、すなわち、低反射範囲は広くなった後に再び狭くなることがわかる。このことから、光吸収性反射防止体の所望の低反射性能に応じて、酸窒化チタンに含まれる酸素が特定の範囲になるように酸窒化チタンを形成する必要があることがわかる。
【0054】
図4より、低反射の波長範囲の広い、すなわち、バンド幅比が1.5以上となる反射防止体に用いられる酸窒化チタンの酸素原子数のチタン原子数に対する比は0.11〜0.33となる。
【0055】
より低反射能が要求される用途に対しては、さらに低反射の波長領域の広い、すなわち、バンド幅比が1.60以上となる酸窒化チタンが用いられ、酸素原子数のチタン原子数に対する比は0.14〜0.28となる。
【0056】
さらにより厳しい低反射能が要求される用途に対しては、さらに低反射の波長領域の広い、すなわち、バンド幅比が1.65以上となる酸窒化チタンが用いられ、酸素原子数のチタン原子数に対する比は0.16〜0.26となる。
【0057】
得られた光吸収性反射防止体の可視光透過率を測定したところ、図7のようになった。図7より、酸窒化チタンに含まれる酸素のチタンに対する原子数比の増加に伴い、光吸収性反射防止体の可視光透過率は、単調に増加していることがわかる。
【0058】
(例5)
例1と同様にして、膜厚9nmの酸窒化チタンをソーダライムガラス平板上に形成した。次に、酸素ガス濃度60体積%、残部アルゴンガスからなるスパッタガスを用いて、20cm×7cm×0.5cmの大きさのn型シリコンターゲットに0.34kWの電力を投入して、膜厚90nmのシリカを形成した。
【0059】
得られた試料の酸窒化チタンに含まれる酸素のチタンに対する原子数比は0.25であった。例1と同様にして測定した、膜の形成されている側の分光反射率を図5に示す。バンド幅比は1.649であった。このように、低反射波長範囲のきわめて広い光吸収性反射防止体が得られた。例1と比較して、例5の低反射領域はわずかに狭いが、これは、酸窒化チタンが、シリカの成膜時に若干酸化されたためと考えられる。
【0060】
(例6)
成膜室を2μTorrまで排気した後、窒素ガス濃度10体積%、酸素ガス濃度0.69体積%、残部アルゴンガスからなるスパッタガスを成膜室に導入し、20cm×7cm×0.5cmの大きさのチタンターゲットに0.26kWの電力を投入して、直流反応性スパッタ法により膜厚15nmの酸窒化チタンをソーダライムガラス平板上に形成した。
【0061】
次に、窒素ガス濃度30体積%、残部アルゴンガスからなるスパッタガスを用いて、20cm×7cm×0.5cmの大きさのn型シリコンターゲットに0.39kWの電力を投入して、直流反応性スパッタ法により膜厚5nmの窒化シリコンを形成した。
【0062】
次に、酸素ガス濃度40体積%、残部アルゴンガスからなるスパッタガスを用いて、20cm×7cm×0.5cmの大きさのチタンターゲットに、0.77kWの電力を投入して、直流反応性スパッタ法により膜厚18nmの酸化チタンを形成した。
【0063】
次に、酸素ガス濃度60体積%、残部アルゴンガスからなるスパッタガスを用いて、20cm×7cm×0.5cmの大きさのn型シリコンターゲットに0.77kWの電力を投入して、直流反応性スパッタ法により膜厚63nmのシリカを形成した。
【0064】
得られた試料の酸窒化チタンに含まれる酸素のチタンに対する原子数比は0.21であった。例1と同様にして測定した、膜の形成されている側の分光反射率を図6に示す。バンド幅比は1.800であった。このように、低反射波長範囲のきわめて広い光吸収性反射防止体が得られた。
【0065】
(例7)
成膜室を4μTorrまで排気した後、窒素ガス濃度10体積%、酸素ガス濃度0.69体積%、残部アルゴンガスからなるスパッタガスを成膜室に導入し、200cm×70cm×1.2cmの大きさのチタンターゲットに26kWの電力を投入して、直流反応性スパッタ法により膜厚9nmの酸窒化チタンをCRTのパネル上に形成した。
【0066】
次に、窒素ガス濃度30体積%、残部アルゴンガスからなるスパッタガスを用いて、200cm×70cm×1cmの大きさのn型シリコンターゲットに39kWの電力を投入して、直流反応性スパッタ法により膜厚5nmの窒化シリコンを形成した。
【0067】
次に、酸素ガス濃度60体積%、残部アルゴンガスからなるスパッタガスを用いて、200cm×70cm×1cmの大きさのn型シリコンターゲットに77kWの電力を投入して、直流反応性スパッタ法により膜厚90nmのシリカを形成した。
得られた試料の酸窒化チタンに含まれる酸素のチタンに対する原子数比は0.21であった。
【0068】
CRTを完成させるべく、450℃の大気中に30分置く熱処理を2回繰り返した。熱処理後、膜の形成されている側の分光反射率を測定したが、熱処理前後でほとんど変化しないことが確認された。
この結果から、本発明の光吸収性反射防止体は、充分な耐熱性を持っていることがわかる。
【0069】
【発明の効果】
本発明の光吸収性反射防止体は、単純な層構成で、充分な反射防止特性を発現する。また、耐熱性に優れている。本発明の光吸収性反射防止体は、特に、CRT用パネルやCRTの前面に取り付けられるテレパネルとして好ましく用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】例1の分光反射率を示すグラフ。
【図2】例2の分光反射率を示すグラフ。
【図3】例3の分光反射率を示すグラフ。
【図4】例1〜4の酸窒化チタンに含まれる酸素のチタンに対する原子数比とバンド幅比との関係を示すグラフ。
【図5】例5の分光反射率を示すグラフ。
【図6】例6の分光反射率を示すグラフ。
【図7】酸素のチタンに対する原子数比と可視光透過率との関係を示すグラフ。
Claims (10)
- 基体上に、基体側から、幾何学的膜厚が5〜25nmの酸窒化チタン膜と、幾何学的膜厚が70〜130nmのシリカを主成分とする膜とがこの順に形成され、シリカを主成分とする膜側からの入射光の反射を低減させる光吸収性反射防止体であって、前記酸窒化チタンにおける酸素のチタンに対する原子数比が0.11以上、0.3未満であることを特徴とする光吸収性反射防止体。
- 前記酸窒化チタン膜と前記シリカを主成分とする膜との間に、幾何学的膜厚が1〜20nmであって金属または金属窒化物を主成分とする層が形成されている請求項1記載の光吸収性反射防止体。
- 基体上に、基体側から、幾何学的膜厚が15〜30nmの酸窒化チタン膜と、幾何学的膜厚が10〜30nmであり屈折率が1.7以上であって可視光に実質的に透明である誘電体膜と、幾何学的膜厚が50〜90nmのシリカを主成分とする膜とがこの順に形成され、シリカを主成分とする膜側からの入射光の反射を低減させる光吸収性反射防止体であって、前記酸窒化チタンにおける酸素のチタンに対する原子数比が0.11以上、0.3未満であることを特徴とする光吸収性反射防止体。
- 前記酸窒化チタン膜と前記誘電体膜との間に、幾何学的膜厚が1〜20nmであって金属または金属窒化物を主成分とする層が形成されている請求項3記載の光吸収性反射防止体。
- 前記金属または金属窒化物を主成分とする層が、シリコンまたはシリコン窒化物を主成分とする層である請求項2または4記載の光吸収性反射防止体。
- 基体上に、基体側から、幾何学的膜厚が5〜25nmの酸窒化チタン膜と、幾何学的膜厚が70〜130nmのシリカを主成分とする膜とがこの順に形成され、シリカを主成分とする膜側からの入射光の反射を低減させる光吸収性反射防止体の製造方法であって、前記酸窒化チタンを、チタンを主成分とするターゲットを用いてスパッタ法により形成し、酸素のチタンに対する原子数比を0.11以上、0.3未満とすることを特徴とする光吸収性反射防止体の製造方法。
- 基体上に、基体側から、幾何学的膜厚が15〜30nmの酸窒化チタン膜と、幾何学的膜厚が10〜30nmであり屈折率が1.7以上であって可視光に実質的に透明である誘電体膜と、幾何学的膜厚が50〜90nmのシリカを主成分とする膜とがこの順に形成され、シリカを主成分とする膜側からの入射光の反射を低減させる光吸収性反射防止体の製造方法であって、前記酸窒化チタンを、チタンを主成分とするターゲットを用いてスパッタ法により形成し、酸素のチタンに対する原子数比を0.11以上、0.3未満とすることを特徴とする光吸収性反射防止体の製造方法。
- 前記酸窒化チタンの形成法として直流反応性スパッタ法を用い、スパッタガスとして窒素、希ガスおよび酸化性ガスからなる混合ガスを用いる請求項6または7記載の光吸収性反射防止体の製造方法。
- 前記酸化性ガスとして、酸素、オゾン、一酸化窒素、二酸化窒素、亜酸化窒素、二酸化炭素および水からなる群から選ばれる1種以上のガスを用いる請求項8記載の光吸収性反射防止体の製造方法。
- 前記混合ガスとして、酸素を含有しかつ酸素の含有量が5体積%以下であるガスを用いる請求項8記載の光吸収性反射防止体の製造方法。
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