JPH1096801A - 光吸収性反射防止体およびその製造方法 - Google Patents

光吸収性反射防止体およびその製造方法

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JPH1096801A
JPH1096801A JP9155412A JP15541297A JPH1096801A JP H1096801 A JPH1096801 A JP H1096801A JP 9155412 A JP9155412 A JP 9155412A JP 15541297 A JP15541297 A JP 15541297A JP H1096801 A JPH1096801 A JP H1096801A
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film
light
absorbing
copper
alloy
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JP9155412A
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English (en)
Inventor
Hisashi Osaki
壽 大崎
Takuji Oyama
卓司 尾山
Yuuko Tachibana
ゆう子 橘
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低反射の波長範囲の広い反射防止体を簡単な膜
構成で得る。 【解決手段】低反射となる波長範囲が広くなるような、
ある特定の波長分散を持つ屈折率と消衰係数を示す光吸
収物質を用いた光吸収性反射防止体とその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光吸収性反射防止
体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ディスプレイの表示部などの反射
防止と電磁波遮蔽は、基体側から、可視光に実質的に透
明な低屈折率誘電体膜、高屈折率誘電体膜、高屈折率導
電体膜を積層することにより達成されていた(特開昭6
0−168102)が、この多層構成の反射防止膜にお
いては、低反射となる波長範囲を広くするためには、反
射防止膜を構成する層の数を増す必要があり、これに伴
って製造コストが大きくなるという問題があった。
【0003】また、上に述べた反射防止と電磁波遮蔽を
達するための膜構成をきわめて単純にしたものとして、
基体側から光吸収性膜とシリカ膜を積層した2層の反射
防止膜が提案されている(DE3942990)が、こ
の光吸収性膜である窒化チタン膜とシリカ膜とからなる
2層構成の光吸収性反射防止膜を用いても、得られる光
吸収性反射防止体の低反射の波長領域は狭く、その反射
防止特性は不充分であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、単純な層構
成で充分な反射防止特性を発現する光吸収性反射防止体
およびその製造方法の提供を目的とする。
【0005】本発明は、また、単純な層構成で耐熱性に
優れた光吸収性反射防止体およびその製造方法の提供を
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、基体上に、基
体側から、光吸収膜、可視光に対し実質的に透明な誘電
体膜がこの順に形成され、該誘電体膜側からの入射光の
反射を低減させる光吸収性反射防止体において、該光吸
収膜の複素光学定数をn−ik(屈折率n、消衰係数
k)、幾何学的膜厚をdとし、該誘電体膜の屈折率をn
2 、幾何学的膜厚をd2 とし、波長400nmでのkを
400 、波長700nmでのkをk700 、波長400n
mでのnをn400 、波長400nmでのnをn700
し、nave =(n400 +n700 )/2、kave =(k
400 +k700 )/2、ndif =n400 −n700 、kdif
=k700 −k400 、関数f(n2 )=1.6n2 −2.
2としたときに、該光吸収膜の光学定数が次式をいずれ
も満たすことを特徴とする光吸収性反射防止体を提供す
る。
【0007】
【数2】ndif >0.5 kdif >0.5 f(n2 )−0.2<naveave d/d2 <f(n
2 )+0.2
【0008】本発明においては、光吸収性物質として、
屈折率nと消衰係数kが、前式に示すようなある特定の
波長依存性(波長分散)を持つ物質を用いることが重要
である。本発明者らは、鋭意研究の結果、屈折率nと消
衰係数kが、前式に示すようなある特定の波長依存性
(波長分散)を持つ物質を光吸収膜に用いることで、低
反射となる波長範囲が広くなるような光吸収性反射防止
体を構成できることを新規に見いだした。
【0009】本発明における最も単純な膜構成は、この
光吸収膜と可視光に実質的に透明な誘電体膜とからなる
2層構成である。2層の膜構成で、その2つの層に可視
光に実質的に透明である誘電体膜を用いた反射防止体に
おいては、ある特定の波長(設計波長と呼ばれる)にお
ける反射率をゼロにするように各々の層の屈折率と膜厚
を決定できる。しかし、設計波長以外の波長では、反射
率が急激に増加する、いわゆる「Vコート」となり、広
い波長範囲において低反射とはならない。
【0010】本発明のように、有限の消衰係数を持った
物質、つまり、光吸収性物質を用いると2層構成であっ
ても広い波長範囲において低反射となる反射防止体を形
成できる。その光吸収性物質の屈折率と消衰係数の波長
依存性(波長分散)は、その膜厚が決まれば決定され
る。つまり、屈折率と消衰係数の両方の波長分散が同時
に最も望ましいものとなる光吸収性物質を用いることが
本発明の要点である。
【0011】本発明において用いる光吸収膜の材質とし
ては、屈折率nと消衰係数kが前式を満足するかぎり特
に限定されない。例えば、金属、合金、または、これら
の窒化物、酸窒化物、炭化物、炭窒化物を使用できる。
【0012】前記光吸収膜として金を含有する光吸収膜
を用いかつ前記誘電体として屈折率が1.3〜2.5の
誘電体膜を用いた場合、光吸収膜の幾何学的膜厚が1〜
8nmでありかつ誘電体膜の幾何学的膜厚が40〜11
0nmであることが好ましい。光吸収膜の幾何学的膜厚
が1nm未満では、反射率の波長依存性は小さくなり、
Vコートではなくなる傾向にあるが、可視光領域全体に
おける反射率が大きくなり、また、8nm超にすると、
反射率が大きく、また、低反射の波長範囲が狭くなる。
【0013】金を含有する光吸収膜は、金膜、金を50
重量%以上含む合金膜、該合金の窒化物膜、該合金の酸
窒化物膜、該合金の炭化物膜または該合金の炭窒化物膜
であることが好ましい。ここで、金、または、金を50
重量%以上含む合金(以下、金合金と呼ぶ)を用いた場
合は、幾何学的膜厚は、2〜5nm、特に、2.5〜
3.5nmであることが好ましい。
【0014】幾何学的膜厚が2nm未満では低反射とな
る波長領域は広がるが、反射率が大きくなり、また、5
nm超では低反射となる波長領域は狭くなり、さらに膜
厚を大きくすると反射率は大きくなる。この性質から、
金、金合金の膜厚を2〜5nm、さらに好ましくは、
2.5〜3.5nmとすることにより、光吸収性反射防
止体の反射率は低くなり、さらに、低反射となる波長範
囲は広くなる。
【0015】また、金合金の窒化物を光吸収膜として用
いる場合、光吸収性反射防止体の反射率を低くしかつ低
反射となる波長範囲を広くするためには、金合金の窒化
の程度が増すにつれ、その膜厚を大きくする必要が生じ
る。ただし、8nm超の膜厚にすると、反射率が大き
く、また、低反射の波長範囲が狭くなるので、8nm以
下とすることが好ましい。同様のことが金合金の酸窒化
物、炭化物、炭窒化物を用いた際にも見られる。
【0016】一方、前記誘電体膜の膜厚を小さくすると
光吸収性反射防止体の低反射となる波長領域は低波長領
域になり、膜厚を大きくすると長波長領域になる。この
ため、誘電体の膜厚は、40〜110nmとすることに
より、低反射の波長領域は可視光領域となり、反射防止
体としての機能が好ましくなる。ただし、最適の膜厚
は、誘電体の屈折率に依存し、用いる誘電体によって、
その値は異なることとなるが、屈折率が1.3〜2.5
の範囲においては、最適の膜厚は40〜110nmの範
囲に存在する。
【0017】金膜を用いると、金が化合物を作り難いた
め、例えば、反応性スパッタ法により光吸収性反射防止
体を製造する場合でも、金膜の形成において、酸化性、
または、窒化性ガスなどをスパッタガスとして使用でき
る。この性質のため、これに続く、誘電体膜の形成の際
に必要とされるスパッタガスを用いて、1つの成膜室に
おいて、スパッタガスの交換を行わずに2層の光吸収性
反射防止体が形成でき、製造コストが低くなるため好ま
しい。
【0018】また、金、金合金を用いた反射防止膜の吸
収率は10%程度であり、これにより、製造コストの低
い単純な層構成でありながら、透過率の高い反射防止体
が得られる。
【0019】また、金合金の、窒化物、酸窒化物、炭化
物または炭窒化物を用いることにより、反射防止膜の吸
収率を容易に調整できる。すなわち、金合金に対して、
窒化、酸窒化、炭化、炭窒化の程度を増すことにより、
得られる反射防止膜の吸収率が高くなる。したがって、
窒化、酸窒化、炭化、炭窒化の程度を制御することによ
り、得られる反射防止膜の吸収率を所望の値に制御でき
る。
【0020】一方、前記光吸収膜として銅を含有する光
吸収膜を用いかつ前記誘電体として屈折率が1.3〜
2.5の誘電体膜を用いた場合、光吸収膜の幾何学的膜
厚が1〜8nmでありかつ誘電体膜の幾何学的膜厚が4
0〜110nmであることが好ましい。光吸収膜の幾何
学的膜厚が1nm未満では、反射率の波長依存性は小さ
くなり、Vコートではなくなる傾向にあるが、可視光領
域全体における反射率が大きくなり、また、8nm超に
すると、反射率が大きく、また、低反射の波長範囲が狭
くなる。
【0021】銅を含有する光吸収膜は、銅膜、銅窒化物
膜、銅酸窒化物膜、銅炭化物膜、銅炭窒化物膜、銅を5
0重量%以上含む合金膜、該合金の窒化物膜、該合金の
酸窒化物膜、該合金の炭化物膜または該合金の炭窒化物
膜であることが好ましい。特に、銅膜または銅を50重
量%以上含む合金膜であることが好ましい。
【0022】ここで、銅、または、銅を50重量%以上
含む合金(以下、銅合金と呼ぶ)を用いた場合は、幾何
学的膜厚は2〜5nm、特に、2.5〜3.5nmであ
ることが好ましい。
【0023】幾何学的膜厚が2nm未満では低反射とな
る波長領域は広がるが、反射率が大きくなり、また、5
nm超では低反射となる波長領域は狭くなり、さらに膜
厚を大きくすると反射率は大きくなる。この性質から、
銅、銅合金の膜厚を2〜5nm、さらに好ましくは、
2.5〜3.5nmとすることにより、光吸収性反射防
止体の反射率は低くなり、さらに、低反射となる波長範
囲は広くなる。
【0024】また、銅の窒化物、銅合金の窒化物を光吸
収膜として用いる場合、光吸収性反射防止体の反射率を
低くしかつ低反射となる波長範囲を広くするためには、
銅、銅合金の窒化の程度が増すにつれ、その膜厚を大き
くする必要が生じる。ただし、8nm超の膜厚にする
と、反射率が大きく、また、低反射の波長範囲が狭くな
るので、8nm以下とすることが好ましい。同様のこと
が銅、銅合金の、酸窒化物、炭化物、炭窒化物を用いた
際にも見られる。
【0025】一方、前記誘電体の膜厚を小さくすると光
吸収性反射防止体の低反射となる波長領域は低波長領域
になり、膜厚を大きくすると長波長領域になる。このた
め、誘電体の膜厚は、40〜110nmとすることによ
り、低反射の波長領域は可視光領域となり、反射防止体
としての機能が好ましくなる。ただし、最適の膜厚は、
誘電体の屈折率に依存し、用いる誘電体によって、その
値は異なることとなるが、屈折率が1.3〜2.5の範
囲においては、最適の膜厚は40〜110nmの範囲に
存在する。
【0026】また、銅、銅合金を用いた反射防止膜の吸
収率は10%程度であり、これにより、製造コストの低
い単純な層構成でありながら、透過率の高い反射防止体
が得られる。
【0027】また、銅、銅合金の窒化物、酸窒化物、炭
化物、または、炭窒化物を用いることにより、反射防止
膜の吸収率を容易に調整できる。すなわち、銅、銅合金
に対して、窒化、酸窒化、炭化、炭窒化の程度を増すこ
とにより、得られる反射防止膜の吸収率が高くなる。し
たがって、窒化、酸窒化、炭化、炭窒化の程度を制御す
ることにより、得られる反射防止膜の吸収率を所望の値
に制御できる。
【0028】本発明において、誘電体膜は、シリカを主
成分とする膜が好ましい。誘電体の屈折率に応じて、用
いるべき光吸収物質の屈折率、消衰係数の最適の波長分
散が決定されてくるが、シリカの屈折率は1.45〜
1.49程度であり、このとき、金を含む光吸収物質や
銅を含む光吸収物質など多くの光吸収物質を使用でき
る。また、シリカは、化学的、機械的にも安定であり、
光吸収性反射防止体の最外層として用いるのは好まし
い。シリカを主成分とする膜としては、導電性のシリコ
ンターゲットを酸化性ガスの存在下でDCスパッタして
得られる膜がある。
【0029】シリカを主成分とする膜の形成法として
は、特に限定されず、CVD法やスパッタ法などの乾式
法や、スプレー法、スピンコート法、ディップ法などの
湿式法を採用できる。スパッタ法としては、高周波(R
F)スパッタ法や直流反応性スパッタ法が挙げられる。
【0030】直流反応性スパッタ法を用いる場合は、シ
リコンターゲットに導電性を付与するため、ホウ素、リ
ンまたはアルミニウムなどの金属が混入される。その結
果、得られるシリカにもこれらの元素が不純物として混
入するが、本発明におけるシリカとは、シリカとほぼ同
じ屈折率を持つもののことである。
【0031】シリカを主成分とする膜の幾何学的膜厚
は、60〜100nmが好ましい。この膜厚範囲とする
ことにより、低反射となる波長領域は、可視光領域の中
央付近になり、反射防止体としてはさらに性能の良いも
のとなる。
【0032】前記光吸収膜と前記誘電体膜との間に、幾
何学的膜厚が1〜20nmの、金属または金属窒化物を
主成分とする層が形成されることが好ましい。光吸収膜
と誘電体膜との間に光吸収膜の酸化を防止する層(以
下、バリア層という)として前記の金属または金属窒化
物を主成分とする層を挿入することにより、成膜時の酸
化を防いだり、耐熱性を向上させることができる。
【0033】この種のバリア層は、銀膜を使用したいわ
ゆるLow−Eガラスにおいては広く実施されており、
例えば、USP4548691および特開昭59−16
5001には、銀膜上に続いて形成される酸化膜の成膜
時に、銀膜が酸化されることを防ぐ目的で、バリア層を
形成することが示されている。このように、このバリア
層は、その下に形成されている別の層の酸化を防ぐため
に形成される薄膜であり、光学的には意味を持たない
(すなわち、反射防止特性や可視光線透過率にほとんど
影響を与えない)ものである。また、光学的には意味を
持たせないことが重要である。
【0034】このバリア層の膜厚は本来の反射防止性能
を損なわないために20nm以下であることが望まし
い。また、このバリア層の膜厚が1nm未満では耐熱性
の向上が不充分となる。したがって、1〜20nmの膜
厚のバリア層を挿入すると耐熱性を効果的に向上させう
ることから好ましい。
【0035】上述したように、バリア層は、光学的には
意味を持たないことが重要なので、バリア層が光吸収性
(例えば光吸収性の窒化シリコン)である場合は、厚み
は約5nm以下にすべきである。
【0036】透明なバリア層を用いる場合は、この層の
屈折率により許容される膜厚が異なる。屈折率が約2.
0の材料(例えば窒化シリコンや窒化アルミニウム)を
用いた場合に最も許容膜厚が大きくなり、約20nmま
でのバリア層を下層の光吸収膜と上層の誘電体膜との間
に、低反射特性を維持しながら挿入できる。
【0037】バリア層としては、クロム、モリブデン、
タングステン、バナジウム、ニオブ、タンタル、亜鉛、
ニッケル、パラジウム、白金、アルミニウム、インジウ
ム、スズおよびシリコンからなる群の1種以上の金属を
主成分とする膜もしくはこれらの窒化物を主成分とする
膜、または、チタン、ジルコニウムおよびハフニウムか
らなる群の1種以上の金属を主成分とする膜、を用いる
と、充分な酸化防止性能の向上と、優れた反射防止特性
の維持を両立させうるので好ましい。特に、シリコンま
たはシリコン窒化物を主成分とする層が好ましい。
【0038】シリコンとシリコン窒化物が酸化される場
合は、他の多くの金属や金属窒化物において見られるよ
うな表面から酸素が深さ方向に濃度勾配をもって拡散し
ていく酸化機構(酸化機構A)でなく、表面から1原子
層ずつ酸化物層が形成されていく酸化機構(酸化機構
B)を示す。
【0039】光吸収膜は、シリカを主成分とする膜の成
膜時、またはその後の熱処理時に酸化される可能性があ
る。シリコンまたはシリコン窒化物は、光吸収膜の酸化
を防止するために用いられ、このために、シリコンまた
はシリコン窒化物は、部分酸化物あるいは酸窒化シリコ
ンとなることがある。
【0040】前述した酸化機構Aにおいては、金属また
は金属窒化物が完全に酸化される以前においても光吸収
膜が酸化していく可能性があるのに比べ、後者の酸化機
構Bを示すシリコンまたはシリコン窒化物は、完全に酸
化されるまでは光吸収膜を酸化から守りうる。
【0041】反射防止体の光学性能に影響を与えないよ
うに、酸化後の状態を見込んでシリコンまたはシリコン
窒化物を主成分とする層の膜厚を設定することもでき
る。可視光に対し透明なシリコン窒化物は、反射防止体
の光学特性にほとんど影響を与えないことから膜厚を大
きくでき、光吸収膜の酸化を効果的に防げるので好まし
い。
【0042】本発明は、また、基体上に、基体側から、
光吸収膜、可視光に対し実質的に透明な誘電体膜をこの
順に形成し、該誘電体側からの入射光の反射を低減させ
る光吸収性反射防止体を製造する方法において、光吸収
膜として、幾何学的膜厚が1〜8nmの金を含有する光
吸収膜または幾何学的膜厚が1〜8nmの銅を含有する
光吸収膜を形成し、誘電体膜として、屈折率が1.3〜
2.5で幾何学的膜厚が40〜110nmの誘電体膜を
形成することを特徴とする光吸収性反射防止体の製造方
法を提供する。
【0043】光吸収膜の形成法としては、特に限定され
ず、CVD法やスパッタ法などを採用できる。スパッタ
法としては、高周波(RF)スパッタ法や直流スパッタ
法が挙げられる。直流スパッタ法は、CVD法のように
基体を加熱する必要がなく、また、成膜過程における基
体の温度上昇もRFスパッタ法に比較して小さいため
に、基体として使用できる物質の制限が小さく、さら
に、大面積の基体に反射防止体を形成するのも容易であ
る。
【0044】以上は2層構成の光吸収性反射防止体につ
いて説明したが、金を含有する光吸収膜と前記誘電体と
の間に、幾何学的膜厚が10〜30nmであり、その屈
折率が1.5〜2.6でかつ可視光に実質的に透明であ
る物質からなる層が形成された3層構成の光吸収性反射
防止体、あるいは、銅を含有する光吸収膜と前記誘電体
膜との間に、幾何学的膜厚が10〜30nmであり、そ
の屈折率が1.5〜2.6でかつ可視光に実質的に透明
である物質からなる層が形成された3層構成の光吸収性
反射防止体も提案できる。この場合光吸収膜と前記の屈
折率が1.5〜2.6でかつ可視光に実質的に透明であ
る物質からなる層との間にバリア層を設けることができ
る。
【0045】本発明に用いる基体としては、ガラス、プ
ラスチック、プラスチックフィルムなどが挙げられる。
具体的には、ディスプレイ用の表示部を構成するガラ
ス、プラスチック、プラスチックフィルムなどや、建築
物や自動車などの移動体の窓部を構成するガラス、プラ
スチック、プラスチックフィルムなどが挙げられる。ま
た、展示物などの収納物を保護し、かつ、視認性を確保
する部分を構成するガラス、プラスチック、プラスチッ
クフィルムなども挙げられる。プラスチック、プラスチ
ックフィルムの材料としてはPET(ポリエチレンテレ
フタレート)などが挙げられる。
【0046】好適な応用例として、本発明の光吸収性反
射防止体をCRTの前面発光板(パネル)として用いた
場合が挙げられる。本発明における光吸収性反射防止膜
をかかるパネルに成膜後、CRTを構成するほかの2つ
の構成部材であるファンネルと電子銃を、低融点粉末ガ
ラスを接着剤として用いて、加熱し、パネルに融着する
必要がある。この加熱融着工程は、おおよそ450℃の
温度にこれら構成部材を密着した状態で30分間維持す
るものであり、CRTの完成のためには、この工程を2
回行う必要がある。この加熱融着工程において、本発明
におけるバリア層は、光吸収膜の酸化を防止する役目を
負うことになる。
【0047】
【実施例】
(実施例1)アルゴンからなるスパッタガスを成膜室に
導入し、直径4インチ、厚さ0.5cmの大きさの金タ
ーゲットに30Wの電力を投入して、膜厚3nmの金
(光吸収膜)をソーダライムガラス平板上に形成した。
【0048】次に、酸素ガスをスパッタガスとして、直
径4インチ、厚さ0.5cmの大きさのn型シリコンタ
ーゲットに440Wの電力を投入して、直流反応性スパ
ッタにより膜厚85nmのシリカ(誘電体膜)を形成し
た。
【0049】得られた試料の膜の形成されていないガラ
ス面に黒色塗料を塗布し、膜の形成されている側の分光
反射率を測定した。得られた分光反射率を図1に示す。
また、低反射波長範囲の大小を判定するために、反射率
が0.6%となる低波長側の波長で、高波長側の波長を
除したものをバンド幅比と定義した。このバンド幅比
は、1.58であった。このように、低反射波長範囲の
きわめて広い光吸収性反射防止体が得られた。図2に金
の屈折率と消衰係数の波長分散のグラフを示す。なお、
このグラフにおいては、黒丸が屈折率、白丸が消衰係数
を示し、以下も同様である。
【0050】また、実施例1の光吸収性反射防止体につ
いて、ndif 、kdif 、naveave d/d2 −(f
(n2 )−0.2)(表ではX−(f(n2 )−0.
2)で示す)およびf(n2 )+0.2−naveave
d/d2 (表ではf(n2 )+0.2−Xで示す)の計
算結果を表3に示す。以下、実施例2〜6および比較例
1〜13についても同様の計算結果を表3に示す。
【0051】(実施例2)アルゴンガスをスパッタガス
として成膜室に導入し、43.2cm×12.7cm×
1.0cmの大きさの銅ターゲットに0.2kWの電力
を投入して、膜厚3nmの銅(光吸収膜)をソーダライ
ムガラス平板上に形成した。
【0052】続いて、窒素ガス濃度が30体積%であ
る、窒素とアルゴンの混合ガスをスパッタガスとして、
43.2cm×12.7cm×1.0cmの大きさのn
型シリコンターゲットに1.0kWの電力を投入して、
直流反応性スパッタにより膜厚5nmの窒化シリコン
(バリア層)を形成した。
【0053】次に、酸素ガスをスパッタガスとして、4
3.2cm×12.7cm×1.0cmの大きさのn型
シリコンターゲットに3.0kWの電力を投入して、直
流反応性スパッタにより膜厚70nmのシリカ(誘電体
膜)を形成した。
【0054】実施例1と同様にして測定した、膜の形成
されている側の分光反射率を図3に示す。バンド幅比
は、1.73であった。図4に銅の屈折率と消衰係数の
波長分散のグラフを示す。
【0055】(実施例3)表1に示す材料とスパッタ条
件を用い、実施例2と同様にして、ソーダライムガラス
平板上に、光吸収膜、バリア層および誘電体膜を順次成
膜した。
【0056】実施例1と同様にして測定した、膜の形成
されている側の分光反射率を図5に示す。バンド幅比
は、1.59であった。図6に実施例3において形成し
た銅窒化物薄膜の屈折率と消衰係数の波長分散のグラフ
を示す。
【0057】なお、表1の膜の種類において、CuNX
は銅の窒化物膜、Cu−Alは銅とアルミニウムとから
なる合金膜、(Cu−Al)NX は銅とアルミニウムと
からなる合金の窒化物膜、Cu−Znは銅と亜鉛とから
なる合金膜、SiNX はシリコンの窒化物膜を意味す
る。
【0058】表1の膜の形成に用いたターゲットの種類
において、90Cu−7Alは90重量%の銅と7重量
%のアルミニウムとからなる合金、65Cu−35Zn
は65重量%の銅と35重量%の亜鉛とからなる合金、
n−Siはn型シリコンを意味する。
【0059】表1の膜形成時のスパッタ条件において、
0.1N2 −Arは窒素ガス濃度が10体積%となるよ
うにアルゴンガスで希釈したスパッタガス、0.3N2
−Arは窒素ガス濃度が30体積%となるようにアルゴ
ンガスで希釈したスパッタガス、0.5N2 −Arは窒
素ガス濃度が50体積%となるようにアルゴンガスで希
釈したスパッタガスを意味する。
【0060】(比較例1)表1に示す材料とスパッタ条
件を用い、実施例2と同様にして、ソーダライムガラス
平板上に、光吸収膜、バリア層および誘電体膜を順次成
膜した。実施例1と同様にして測定した、膜の形成され
ている側の分光反射率を図7に示す。図8に比較例1に
おいて形成した銅窒化物薄膜の屈折率と消衰係数の波長
分散のグラフを示す。
【0061】(比較例2)表1に示す材料とスパッタ条
件を用い、実施例2と同様にして、ソーダライムガラス
平板上に、光吸収膜、バリア層および誘電体膜を順次成
膜した。実施例1と同様にして測定した、膜の形成され
ている側の分光反射率を図9に示す。
【0062】(比較例3)表1に示す材料とスパッタ条
件を用い、実施例2と同様にして、ソーダライムガラス
平板上に、光吸収膜、バリア層および誘電体膜を順次成
膜した。実施例1と同様にして測定した、膜の形成され
ている側の分光反射率を図10に示す。
【0063】比較例1〜3より、窒素ガス濃度が50体
積%である、窒素とアルゴンの混合ガスをスパッタガス
として形成した銅窒化物を用いることによっては、低反
射の波長範囲の広い反射防止体を形成しえないことがわ
かる。また、得られた銅窒化物の屈折率と消衰係数の波
長分散は、光吸収性反射防止体を得るための条件を満足
していないこともわかる。
【0064】(比較例4)表1に示す材料とスパッタ条
件を用い、実施例2と同様にして、ソーダライムガラス
平板上に、光吸収膜、バリア層および誘電体膜を順次成
膜した。実施例1と同様にして測定した、膜の形成され
ている側の分光反射率を図11に示す。図12に比較例
4において形成した銅窒化物薄膜の屈折率と消衰係数の
波長分散のグラフを示す。
【0065】(比較例5)表1に示す材料とスパッタ条
件を用い、実施例2と同様にして、ソーダライムガラス
平板上に、光吸収膜、バリア層および誘電体膜を順次成
膜した。実施例1と同様にして測定した、膜の形成され
ている側の分光反射率を図13に示す。
【0066】(比較例6)表1に示す材料とスパッタ条
件を用い、実施例2と同様にして、ソーダライムガラス
平板上に、光吸収膜、バリア層および誘電体膜を順次成
膜した。実施例1と同様にして測定した、膜の形成され
ている側の分光反射率を図14に示す。
【0067】比較例4〜6より、窒素ガスをスパッタガ
スとして形成した銅窒化物を用いることによっては、低
反射の波長範囲の広い反射防止体を形成しえないことが
わかる。また、得られた銅窒化物の屈折率と消衰係数の
波長分散は、光吸収性反射防止体を得るための条件を満
たしていないこともわかる。
【0068】(実施例4)表1に示す材料とスパッタ条
件を用い、実施例2と同様にして、ソーダライムガラス
平板上に、光吸収膜、バリア層および誘電体膜を順次成
膜した。実施例1と同様にして測定した、膜の形成され
ている側の分光反射率を図15に示す。バンド幅比は、
1.71であった。図16に90重量%の銅と7重量%
のアルミニウムよりなる合金の薄膜の屈折率と消衰係数
の波長分散のグラフを示す。
【0069】(実施例5)表1に示す材料とスパッタ条
件を用い、実施例2と同様にして、ソーダライムガラス
平板上に、光吸収膜、バリア層および誘電体膜を順次成
膜した。実施例1と同様にして測定した、膜の形成され
ている側の分光反射率を図17に示す。バンド幅比は、
1.76であった。図18に実施例5の90重量%の銅
と7重量%のアルミニウムよりなる合金の窒化物の薄膜
の屈折率と消衰係数の波長分散のグラフを示す。
【0070】(比較例7)表1に示す材料とスパッタ条
件を用い、実施例2と同様にして、ソーダライムガラス
平板上に、光吸収膜、バリア層および誘電体膜を順次成
膜した。実施例1と同様にして測定した、膜の形成され
ている側の分光反射率を図19に示す。図20に比較例
7の90重量%の銅と7重量%のアルミニウムよりなる
合金の窒化物の薄膜の屈折率と消衰係数の波長分散のグ
ラフを示す。
【0071】(比較例8)表1に示す材料とスパッタ条
件を用い、実施例2と同様にして、ソーダライムガラス
平板上に、光吸収膜、バリア層および誘電体膜を順次成
膜した。実施例1と同様にして測定した、膜の形成され
ている側の分光反射率を図21に示す。バンド幅比は、
1.49であった。
【0072】比較例7〜8より、窒素ガス濃度が50体
積%である、窒素とアルゴンの混合ガスをスパッタガス
として形成した銅とアルミニウムの合金の窒化物を用い
ることによっては、低反射の波長範囲の広い反射防止体
を形成しえないことがわかる。また、得られた銅とアル
ミニウムの合金の窒化物の屈折率と消衰係数の波長分散
は、光吸収性反射防止体を得るための条件を満たしてい
ないこともわかる。
【0073】(比較例9)表1に示す材料とスパッタ条
件を用い、実施例2と同様にして、ソーダライムガラス
平板上に、光吸収膜、バリア層および誘電体膜を順次成
膜した。実施例1と同様にして測定した、膜の形成され
ている側の分光反射率を図22に示す。図23に比較例
9の90重量%の銅と7重量%のアルミニウムよりなる
合金の窒化物の薄膜の屈折率と消衰係数の波長分散のグ
ラフを示す。
【0074】(比較例10)表1に示す材料とスパッタ
条件を用い、実施例2と同様にして、ソーダライムガラ
ス平板上に、光吸収膜、バリア層および誘電体膜を順次
成膜した。実施例1と同様にして測定した、膜の形成さ
れている側の分光反射率を図24に示す。バンド幅比
は、1.40であった。
【0075】比較例9〜10より、窒素ガスをスパッタ
ガスとして形成した銅とアルミニウムの合金の窒化物を
用いることによっては、低反射の波長範囲の広い反射防
止体を形成しえないことがわかる。また、得られた銅と
アルミニウムの合金の窒化物の屈折率と消衰係数の波長
分散は、光吸収性反射防止体を得るための条件を満たし
ていないこともわかる。
【0076】(実施例6)表1に示す材料とスパッタ条
件を用い、実施例2と同様にして、ソーダライムガラス
平板上に、光吸収膜、バリア層および誘電体膜を順次成
膜した。実施例1と同様にして測定した、膜の形成され
ている側の分光反射率を図25に示す。バンド幅比は、
1.62であった。図26に65重量%の銅と35重量
%の亜鉛よりなる合金の薄膜の屈折率と消衰係数の波長
分散のグラフを示す。
【0077】(比較例11)表1に示す材料とスパッタ
条件を用い、実施例2と同様にして、ソーダライムガラ
ス平板上に、光吸収膜、バリア層および誘電体膜を順次
成膜した。実施例1と同様にして測定した、膜の形成さ
れている側の分光反射率を図27に示す。図28に銀薄
膜の屈折率と消衰係数の波長分散のグラフを示す。
【0078】(比較例12)表1に示す材料とスパッタ
条件を用い、実施例2と同様にして、ソーダライムガラ
ス平板上に、光吸収膜、バリア層および誘電体膜を順次
成膜した。実施例1と同様にして測定した、膜の形成さ
れている側の分光反射率を図29に示す。
【0079】(比較例13)表1に示す材料とスパッタ
条件を用い、実施例2と同様にして、ソーダライムガラ
ス平板上に、光吸収膜、バリア層および誘電体膜を順次
成膜した。実施例1と同様にして測定した、膜の形成さ
れている側の分光反射率を図30に示す。
【0080】比較例11〜13より、たとえ貴金属を用
いたとしても銀のような屈折率と消衰係数の波長分散を
持ったものでは、低反射性能が不充分であることがわか
る。
【0081】(実施例7)実施例4、実施例5、比較例
8、比較例10において得られた光吸収性反射防止体
を、大気中で、450℃に30分間置く加熱処理を2回
実施し、実施例1と同様にして、膜の形成されている側
の分光反射率を求め、バンド幅比を求めた。各光吸収性
反射防止体の加熱処理前後のバンド幅比を表2にまとめ
る。
【0082】ただし、比較例10については、加熱処理
後の光吸収性反射防止体の可視光波長領域の反射率が
0.6%を超えているために、バンド幅比は1.0とな
る。
【0083】表2より、実施例4のように90重量%の
銅と7重量%のアルミニウムよりなる合金を光吸収性膜
として用いるよりも、実施例5のようにかかる合金の窒
化物を光吸収性膜として用いた方が低反射となる波長範
囲が広くなり、反射防止体として優れたものが得られる
ことがわかる。耐熱性についても実施例5のようにかか
る合金の窒化物を光吸収性膜として用いた方が優れる。
【0084】合金、または、合金の窒化が進んだ窒化物
を用いたものの耐熱性は劣り、反射防止性能と耐熱性の
双方において、最適となる合金の窒化の程度が存在する
ことがわかる。
【0085】(実施例8)成膜室を4μTorrまで排
気した後、窒素ガス濃度が10体積%となるようにアル
ゴンで希釈したスパッタガスを成膜室に導入し、200
cm×70cm×1.2cmの大きさの90重量%の銅
と7重量%のアルミニウムよりなる合金ターゲットに
7.7kWの電力を投入して、膜厚3nmの銅とアルミ
ニウムとからなる合金の窒化物膜(光吸収膜)をCRT
のパネル上に形成した。
【0086】次に、窒素ガス濃度30体積%、残部アル
ゴンガスからなるスパッタガスを用いて、200cm×
70cm×1cmの大きさのn型シリコンターゲットに
26kWの電力を投入して、直流反応性スパッタ法によ
り膜厚5nmの窒化シリコンを形成した。
【0087】次に、酸素ガス濃度60体積%、残部アル
ゴンガスからなるスパッタガスを用いて、200cm×
70cm×1cmの大きさのn型シリコンターゲットに
77kWの電力を投入して、直流反応性スパッタ法によ
り膜厚70nmのシリカを形成した。バンド幅比は、
1.76であった。
【0088】CRTを完成させるべく、450℃の大気
中に30分置く熱処理を2回繰り返した。熱処理後、膜
の形成されている側の分光反射率を測定したが、熱処理
前後でほとんど変化しないことが確認された。この結果
から、本発明の光吸収性反射防止体は、充分な耐熱性を
有することがわかる。
【0089】
【表1】
【0090】
【表2】
【0091】
【表3】
【0092】
【発明の効果】本発明の光吸収性反射防止体は、単純な
層構成で充分な反射防止特性を発現する。また、耐熱性
に優れる。本発明の光吸収性反射防止体は、特に、CR
T用パネルやCRTの前面に取り付けられるテレパネル
として好ましく用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の分光反射率を示すグラフ。
【図2】金の屈折率と消衰係数の波長分散を示すグラ
フ。
【図3】実施例2の分光反射率を示すグラフ。
【図4】銅の屈折率と消衰係数の波長分散を示すグラ
フ。
【図5】実施例3の分光反射率を示すグラフ。
【図6】実施例3の銅窒化物の屈折率と消衰係数の波長
分散を示すグラフ。
【図7】比較例1の分光反射率を示すグラフ。
【図8】比較例1の銅窒化物の屈折率と消衰係数の波長
分散を示すグラフ。
【図9】比較例2の分光反射率を示すグラフ。
【図10】比較例3の分光反射率を示すグラフ。
【図11】比較例4の分光反射率を示すグラフ。
【図12】比較例4の銅窒化物の屈折率と消衰係数の波
長分散を示すグラフ。
【図13】比較例5の分光反射率を示すグラフ。
【図14】比較例6の分光反射率を示すグラフ。
【図15】実施例4の分光反射率を示すグラフ。
【図16】90重量%の銅と7重量%のアルミニウムよ
りなる合金の薄膜の屈折率と消衰係数の波長分散を示す
グラフ。
【図17】実施例5の分光反射率を示すグラフ。
【図18】実施例5の90重量%の銅と7重量%のアル
ミニウムよりなる合金の窒化物の薄膜の屈折率と消衰係
数の波長分散を示すグラフ。
【図19】比較例7の分光反射率を示すグラフ。
【図20】比較例7の90重量%の銅と7重量%のアル
ミニウムよりなる合金の窒化物の薄膜の屈折率と消衰係
数の波長分散を示すグラフ。
【図21】比較例8の分光反射率を示すグラフ。
【図22】比較例9の分光反射率を示すグラフ。
【図23】比較例9の90重量%の銅と7重量%のアル
ミニウムよりなる合金の窒化物の薄膜の屈折率と消衰係
数の波長分散を示すグラフ。
【図24】比較例10の分光反射率を示すグラフ。
【図25】実施例6の分光反射率を示すグラフ。
【図26】65重量%の銅と35重量%の亜鉛よりなる
合金の薄膜の屈折率と消衰係数の波長分散を示すグラ
フ。
【図27】比較例11の分光反射率を示すグラフ。
【図28】銀の屈折率と消衰係数の波長分散を示すグラ
フ。
【図29】比較例12の分光反射率を示すグラフ。
【図30】比較例13の分光反射率を示すグラフ。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基体上に、基体側から、光吸収膜、可視光
    に対し実質的に透明な誘電体膜がこの順に形成され、該
    誘電体膜側からの入射光の反射を低減させる光吸収性反
    射防止体において、 該光吸収膜の複素光学定数をn−ik(屈折率n、消衰
    係数k)、幾何学的膜厚をdとし、該誘電体膜の屈折率
    をn2 、幾何学的膜厚をd2 とし、波長400nmでの
    kをk400 、波長700nmでのkをk700 、波長40
    0nmでのnをn400 、波長400nmでのnをn700
    とし、nave =(n400 +n700 )/2、kave =(k
    400 +k700 )/2、ndif =n400 −n700 、kdif
    =k700−k400 、関数f(n2 )=1.6n2 −2.
    2としたときに、該光吸収膜の光学定数が次式をいずれ
    も満たすことを特徴とする光吸収性反射防止体。 【数1】ndif >0.5 kdif >0.5 f(n2 )−0.2<naveave d/d2 <f(n
    2 )+0.2
  2. 【請求項2】前記光吸収膜は、金を含有する光吸収膜で
    あり、前記誘電体膜が、屈折率が1.3〜2.5の誘電
    体膜であって、光吸収膜の幾何学的膜厚が1〜8nmで
    あり、かつ誘電体膜の幾何学的膜厚が40〜110nm
    である請求項1記載の光吸収性反射防止体。
  3. 【請求項3】金を含有する光吸収膜は、金膜、金を50
    重量%以上含む合金膜、該合金の窒化物膜、該合金の酸
    窒化物膜、該合金の炭化物膜または該合金の炭窒化物膜
    である請求項2記載の光吸収性反射防止体。
  4. 【請求項4】金を含有する光吸収膜は、金膜または金を
    50重量%以上含む合金膜である請求項2記載の光吸収
    性反射防止体。
  5. 【請求項5】前記光吸収膜が、銅を含有する光吸収膜で
    あり、前記誘電体膜が、屈折率が1.3〜2.5の誘電
    体膜であって、光吸収膜の幾何学的膜厚が1〜8nmで
    あり、かつ誘電体膜の幾何学的膜厚が40〜110nm
    である請求項1記載の光吸収性反射防止体。
  6. 【請求項6】銅を含有する光吸収膜が、銅膜、銅窒化物
    膜、銅酸窒化物膜、銅炭化物膜、銅炭窒化物膜、銅を5
    0重量%以上含む合金膜、該合金の窒化物膜、該合金の
    酸窒化物膜、該合金の炭化物膜または該合金の炭窒化物
    膜である請求項5記載の光吸収性反射防止体。
  7. 【請求項7】銅を含有する光吸収膜が、銅膜または銅を
    50重量%以上含む合金膜である請求項5記載の光吸収
    性反射防止体。
  8. 【請求項8】前記光吸収膜と前記誘電体膜との間に、幾
    何学的膜厚が1〜20nmの、金属または金属窒化物を
    主成分とする層が形成されている請求項2〜7のいずれ
    か1項記載の光吸収性反射防止体。
  9. 【請求項9】金属または金属窒化物を主成分とする層
    が、シリコンまたはシリコン窒化物を主成分とする層で
    ある請求項8記載の光吸収性反射防止体。
  10. 【請求項10】前記誘電体膜は、シリカを主成分とする
    膜である請求項2〜9のいずれか1項記載の光吸収性反
    射防止体。
  11. 【請求項11】基体上に、基体側から、光吸収膜、可視
    光に対し実質的に透明な誘電体膜をこの順に形成し、該
    誘電体側からの入射光の反射を低減させる光吸収性反射
    防止体を製造する方法において、光吸収膜として、幾何
    学的膜厚が1〜8nmの金を含有する光吸収膜または幾
    何学的膜厚が1〜8nmの銅を含有する光吸収膜を形成
    し、誘電体膜として、屈折率が1.3〜2.5で幾何学
    的膜厚が40〜110nmの誘電体膜を形成することを
    特徴とする光吸収性反射防止体の製造方法。
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