JP4208648B2 - 帯電装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気ブラシ帯電方式の帯電装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真方式や静電記録方式を用いた画像形成装置は数多く考案されている。ここでは図2を用いて概略構成ならびに動作について簡単に説明する。
【0003】
図2に示した画像形成装置において、コピー開始信号が入力されると感光体ドラム1の表面がコロナ帯電器3により所定の電位になるように帯電される。一方、原稿台10上におかれた原稿Gに対し原稿照射用ランプ、短焦点レンズアレイ、CCDセンサーが一体のユニット9となって原稿を照射しながら走査することにより、その照明走査光の原稿面反射光が、短焦点レンズアレイによって結像されてCCDセンサーに入射される。CCDセンサーは受光部、転送部、出力部より構成されている。CCDセンサーに入射した光信号はCCD受光部において電荷信号に変換され、転送部でクロックパルスに同期して順次出力部へ転送された後、電荷信号は信号出力部において電圧信号に変換され、増幅、低インピーダンス化されてアナログ信号として外部に出力される。こうして得られたアナログ信号は周知の画像処理を行ってデジタル信号に変換されてプリンター部に転送される。プリンター部においては、上記の画像信号を受けてON、OFF発光されるLED露光手段2により、感光ドラム1面上に原稿画像に対応した静電潜像を形成する。
【0004】
次にこの静電潜像は、トナー粒子を収容した現像器4にて現像され、感光ドラム1上にトナー像を得る。このようにして感光ドラム1上に形成されたトナー像は、転写装置7によって転写材上に静電転写される。その後転写材は、静電分離されて定着器6へと搬送され、熱定着されて画像が出力される。
【0005】
一方、トナー像転写後の感光ドラム1の表面は、クリーナー5によって転写残りトナー等の付着汚染物の除去、必要に応じて像露光の光メモリを除去する前露光手段8による露光を受けて繰り返し画像形成に使用される。
【0006】
上記のような画像形成過程、すなわち電子写真画像形成装置に用いられる感光体としては、有機感光体やアモルファスシリコン系感光体(以下、「a−Si系感光体」と称する。)などがよく用いられているが、前記a−Si系感光体は、表面硬度が高いこと、半導体レーザなどに高い感度を示すこと、繰返し使用による劣化がほとんど認められないことなどから、高速複写機やレーザービームプリンタ(LBP)などの電子写真用感光体として用いられている。
【0007】
しかし、前記a−Si系感光体は、その製造方法として、ガスを高周波やマイクロ波でプラズマ化して固体化しアルミシリンダー上に堆積させて成膜するため、プラズマが均一でないと周方向に膜厚ムラや組成ムラができてしまうという問題がある。
【0008】
また、a−Si系感光体を用いた場合、有機感光体に比べて帯電後の電位減衰が暗状態でも非常に大きく、更に像露光の光メモリーによる電位減衰が増大するために前周の光メモリーを消すための帯電前の前露光手段が必要となる。このため、帯電−現像間での電位減衰は非常に大きくなり、100〜200V程度の電位減衰が生じる。このとき前述の膜厚ムラにより、周方向について10〜20V程度の電位ムラが発生してしまっていた。
【0009】
このような電位ムラが生じると、静電容量の大きなa−Si系感光体は有機感光体に比べてコントラストも小さいため影響をより受けてしまい、濃度ムラも顕著になってしまう。
【0010】
このような問題点に対して、例えば感光体に対して複数回帯電を行うという方法が有効である。前述の光メモリーによる暗減衰の増大は複数帯電を行うことにより、第1の帯電で光メモリーを大幅に軽減できるため、第2の帯電を行った後には暗減衰を少なくすることが可能となる。これに伴い、電位ゴーストや電位ムラが大幅に良化される。
【0011】
前記a−Si系感光体を帯電する方法としては、コロナ放電を用いたコロナ帯電方式、導電性ローラーを用い直接放電で帯電を行うローラー帯電方式、磁性粒子等により接触面積を充分に取り、電荷を感光体表面に直接注入することにより帯電を行う注入帯電方式などがある。中でも、コロナ帯電方式やローラー帯電方式は放電を用いるために感光体表面に放電生成物が付着しやすく、加えてa−Si系感光体が非常に高い表面硬度を持ち、磨耗しにくく感光体表面に放電生成物が残存しやすいことから、高湿環境下等で水分の吸着等によって、静電潜像が形成された感光体表面上の電荷が面方向へ移動し、それに伴う画像流れ現象が発生しやすい。
【0012】
これに対して、前記注入帯電方式は放電を積極的に用いることはせずに、感光体表面に接触した部分から直接電荷を注入する帯電方式であるため前記の画像流れといった現象は発生しにくいという特徴を持つ。
【0013】
磁気ブラシ帯電は注入帯電方式の一つであり、導電性の磁性粒子を直接マグネットに、あるいは、マグネットを内包するスリーブ上に磁気ブラシとして磁気的に拘束保持させたものであり、その磁性粒子の磁気ブラシ部を停止あるいは回転させることによって、被帯電体面を接触帯電させるものである。
【0014】
磁気ブラシ帯電は、被帯電体との接触性に優れ、安定した帯電を施すことが出来るという点から、帯電手段として好ましく用いられている。
【0015】
この電荷注入帯電方式は、被帯電体への帯電がコロナ帯電器を用いて行われるような放電現象を利用しないので、帯電に必要とされる印加帯電バイアスは所望する被帯電体表面電位分であり、オゾンの発生がない完全なオゾンレス、かつ低電力消費型帯電が可能となり、注目されてきている。
【0016】
上記のことから、a−Si系感光体への帯電の均一性に関しては、感光体に対して複数の帯電手段を配置し、かつ、画像流れや帯電安定性面から、感光体への帯電手段として磁気ブラシ注入帯電方式を用いる系が有利であるが、磁気ブラシ注入帯電方式は磁性粒子の摺擦力による感光体表層の磨耗量が大きいという問題があり、感光体の寿命を延ばすためには、感光体と磁性粒子の摺擦を極力減らす必要がある。
【0017】
磁性粒子の摺擦による感光体表面の磨耗を低減する手段の一つとして、磁性粒子担持部材上の磁性粒子コート量を極力減らす方法が考えられる。
【0018】
しかし、磁性粒子担持部材上の磁性粒子コート量が少なくなりすぎると、磁気ブラシの帯電能が低下することにより、磁気ブラシと感光体の磁性粒子担持部材上から感光体上への磁性粒子の移動、即ちキャリア付着が増大する。
【0019】
また、帯電装置のサイズをなるべく小さくするためには、同一帯電容器内に複数の磁性粒子担持部材を設けるのが好ましいが、このような帯電器構成において、感光体表面の磨耗量、磨耗ムラが悪化したり、磁性粒子担持体から磁性粒子があふれたりすることなく、長期に渡って安定した帯電を施すためには、各磁性粒子担持部材の磁性粒子担持量をコントロールする必要がある。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明では、被帯電対をより均一に帯電するための帯電手段として複数個の磁気ブラシを用いる帯電装置において、各磁性粒子担持部材の磁性粒子担持量を安定化し、感光体表面の磨耗量、磨耗ムラの悪化、および磁性粒子のあふれを防ぎ、長期に渡り、安定して作動する帯電装置を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述事情に鑑みなされたものであって、下記の構成を特徴とする帯電装置である。
【0022】
被帯電体に磁性粒子を備える磁気ブラシを接触させて被帯電体を帯電するために、第1の磁性粒子担持部材と、前記第1の磁性粒子担持部材と前記被帯電体のニップ部における磁性粒子の搬送方向に対して前記第1の磁性粒子担持部材よりも上流に設けられた第2の磁性粒子担持部材と、前記第2の磁性粒子担持体上の磁性粒子量を規制する規制部材と、を有し、
前記第1の磁性粒子担持部材と前記第2の磁性粒子担持部材は、互いが対向する部分において逆方向に回転をする帯電装置において、
前記磁性粒子は前記第1の磁性粒子担持部材と前記第2の磁性粒子担持部材において共有して使用され、
前記第2の磁性粒子担持部材の前記被帯電体とのニップ部における磁性粒子担持量(mg/cm 2 )が、前記第1の磁性粒子担持部材の前記被帯電体とのニップ部における磁性粒子担持量(mg/cm 2 )よりも大きい、ここで、前記磁性粒子担持量の測定方法は、前記被帯電体、前記第1の磁性粒子担持体、および第2の磁性粒子担持体とを、5秒間回転させた後、停止させ、前記ニップ部における磁性粒子を回収することで単位面積辺りの磁性粒子担持量(mg/cm 2 )を求めることを特徴とする帯電装置。
【0023】
上記の帯電装置の構成により、各磁性粒子担持部材上の磁性粒子コート量を安定化し、感光体表面の磨耗量、磨耗ムラの悪化、および磁性粒子のあふれを防止することが出来、長期に渡って安定して作動する帯電装置を実現出来る。
【0024】
【発明の実施の形態】
(実施例1)
まず図3に、本実施例において用いた画像形成装置について模式的に示す。本実施例では、従来の例である図2のコロナ帯電器の替わりに、図4、図5に示すような構成の磁気ブラシ帯電器を被帯電体(像担持体)である感光体の帯電装置として用いた。感光体としては、ポジ極性のa−Si系感光体を用いた。
【0025】
磁気ブラシ帯電器は、複数の磁極を有する磁界発生部材であるマグネットの磁気拘束力により磁性粒子担持部材上に導電性の磁性粒子を拘束し磁気ブラシを形成する。磁性粒子担持部材はマグネットであっても良いし、マグネットを内包した非磁性の帯電スリーブであってもよい。磁気ブラシを停止、あるいは、回転しながら感光体に接触させ、これに電圧を印加することによって帯電が開始される。
【0026】
本実施例で用いた磁気ブラシ帯電器について、図4に示す磁気ブラシ帯電器30を例にして説明する。磁気ブラシ帯電器30は、内部に固定マグネット33が設けられ、回転自在の第1の磁性粒子担持部材である第一帯電スリーブ31と第2の磁性粒子担持部材である第2帯電スリーブ32上に、磁性粒子規制手段34によって規制された帯電用磁性粒子35が磁界によってブラシ状に形成されて、帯電スリーブ34の回転にともない帯電用磁性粒子35が搬送される。
【0027】
マグネット33は第1の磁性粒子担持部材と第2の磁性粒子担持部材の対向部において同極性の磁極が隣接する領域をそれぞれ有し、かつ第1の磁性粒子担持部材と第2の磁性粒子担持部材において磁極の極性は逆極性になるようにした。帯電用磁性粒子35は、同極同士が並ぶ、すなわち反発極付近で帯電スリーブ31,32から離れる。本実施例では、帯電用磁性粒子35が二つの帯電スリーブ31,32の間を通らず、周りを連れ回るように反発極の位置を工夫している。
【0028】
上記帯電スリーブ31,32は感光ドラム1に対しカウンター方向に回転し、帯電スリーブ31,32に、それぞれ帯電電圧を印加することにより、帯電用磁性粒子35から電荷が感光ドラム1上に与えられ、帯電電圧に対応した電位に近い値に帯電される。磁性粒子の搬送方向は図の矢印のaのようになる。
【0029】
磁気ブラシ帯電器30は、磁性粒子規制手段34と帯電スリーブ32との間隔を狭めることによって磁性粒子35のコート量を減らすことにより、摺擦力を減らし感光ドラム1の寿命を延ばすことが出来る。それと同時に磁性粒子35と感光ドラム1との接触点が減少するために帯電器の帯電能も低下するが、帯電能の低下分は複数回帯電することにより補うことができる。
【0030】
帯電用磁性粒子としては、平均粒径が10〜100μm、飽和磁化が20〜250emu/cm3、抵抗が102〜1010Ω・cmのものが好ましい。帯電能を良くするには、できるだけ抵抗の低いものを用いる方が良いが、感光ドラムにピンホールのような絶縁の欠陥が存在することを考慮すると106Ω・cm以上のものを用いることが好ましい。本実施例では、フェライト表面を酸化、還元処理して抵抗調整を行い、更にカップリング処理を施し、平均粒径が25μm、飽和磁化が200emu/cm3、抵抗が5×106Ω・cmのものを帯電用磁性粒子として用いた。
【0031】
本実施例において用いた帯電用磁性粒子35は、抵抗値は、底面積が228cm2の金属セルに帯電用磁性粒子を2g入れた後6.6kg/cm2で荷重し、100Vの電圧を印加して測定した。
【0032】
本実施例では、純粋に帯電器による削れのみを抽出するため、図3の感光ドラム1の周りは、磁気ブラシ帯電器30および前露光ランプ8のみとし、他は除去した。その模式図を図1に示す。
【0033】
前露光ランプには波長660nmのLEDを用い、前露光用電源81で20Vの電圧を印加することによって、約370Lux.sec.の光量で感光ドラム1を露光させた。
【0034】
感光ドラム1の直径はφ80mm、回転速度は400mm/secであり、第一帯電スリーブ31、第二帯電スリーブ32とも直径はφ16mmで、表面をアランダム#180でブラスト処理したものを用いた。帯電スリーブ31,32と感光ドラム1との間隙は約400μm、帯電スリーブ32と非磁性の規制ブレード34との間隙は約200μmとなるように設定し、帯電容器内には、帯電用磁性粒子を100g投入した。帯電時には、第一帯電スリーブ31には帯電バイアス装置36によって、直流電圧+600V、交流電圧300Vpp、周波数1kHzの帯電バイアスを印加し、第二帯電スリーブ32には、直流電圧+500V、交流電圧300Vpp、周波数1kHzの帯電バイアスを印加した。
【0035】
以上の条件において、A4用紙で20000枚相当の空回転耐久を行い、その前後での感光ドラム1の表層膜厚の差をドラム磨耗量として求め、第一帯電スリーブ31と帯電スリーブ32の回転速度を、それぞれ170−190,180−180,190−170,200−160[mm/sec]の4通りの組み合わせで振ったときのドラム磨耗量の違いを調べた。
【0036】
ドラム表層膜厚測定には干渉膜厚計を用い、感光ドラムの長手方向についてドラム中央部から両端に向けて4cmおきに7点、周方向について8点、計56点で膜厚測定を行った。
【0037】
上記実験によって得られた結果を図5に示す。横軸は長手位置を表し、縦軸は各長手位置でのドラム磨耗量の周方向8点の平均値を表している。凡例は第二の帯電スリーブに対する第一の帯電スリーブの相対速度差でとっている。次に、長手方向7点の平均、即ち全56点の磨耗量の平均を、第二帯電スリーブ32に対する第一帯電スリーブ31の回転速度差に応じてプロットしたものを図6に示す。この結果から、第一帯電スリーブ31の回転速度が第二帯電スリーブ32のそれよりも早いほど、ドラム磨耗量が低減することがわかった。
【0038】
次に、感光体ドラム1とのニップ部における帯電スリーブ上の磁性粒子担持量を調べるため、図9に示すような横幅40mm×縦幅12mmの窓およびφ16mmの極率を持った、測定治具40を作成し、各々の帯電スリーブの主極位置を中心としての磁性粒子担持量を測定した。測定方法は、上記の実験と同じ条件で磁気ブラシ帯電器を感光ドラムにセットし、感光ドラムおよび第一・第二帯電スリーブを所定の回転速度で5秒間回転、停止させ、その後に磁性粒子担持量の測定を行った。前記測定治具40をスリーブ上に突き当て,吸引装置41によって前記測定治具の窓内の磁性粒子を吸引し、吸引された磁性粒子量を測定治具の窓の面積で割ることによって、磁性粒子担持量を求めた。測定点としては、長手中央部とその両側8cmの三点をとり、その平均値を磁性粒子担持量とした。
【0039】
それぞれ第1の帯電スリーブと第2の帯電スリーブが170−190,180−180,190−170,200−160[mm/sec]の回転速度の組み合わせにおいて、各々の帯電スリーブの磁性粒子担持量は、58−55、55−56、52−56、50−56[mg/cm2]であった。
【0040】
第一帯電スリーブ31と第二帯電スリーブ32が等速で回転する場合、第一帯電スリーブ31と第二帯電スリーブ32の磁性粒子担持量はほぼ等しく、概ね安定した状態を保つことができている。しかし、第二帯電スリーブ32の方が第一帯電スリーブ31よりも高速になると、第一帯電スリーブ31の磁性粒子担持量が第二帯電スリーブ32のそれよりも増えることが解る。この結果、磁性粒子担持体と感光ドラム1とのニップでの摺擦力が増大し、ドラム磨耗量が増えてしまうと考えられる。
【0041】
(実施例2)
次に、実施例2について説明する。本実施例では、第一帯電スリーブ31および第二帯電スリーブ32と、感光ドラム1との間隙を250μmに狭めて、その他は実施例1と同様の条件でドラムの磨耗量の測定を行った。
【0042】
本実施例でも、実施例1と同様に、A4用紙で20000枚相当の空回転耐久を行い、その前後での感光ドラム1の表層膜厚の差をドラム磨耗量として求め、第一帯電スリーブ31と帯電スリーブ32の回転速度を、それぞれ170−190,180−180,190−170,200−160[mm/sec]の4通りの組み合わせで振ったときのドラム磨耗量の違いを調べた。
【0043】
上記実験によって得られた結果を図7に示す。横軸は長手位置を表し、縦軸は各長手位置でのドラム磨耗量の周方向8点の平均値を表している。本実施例では、第一帯電スリーブ31の回転速度が170mm/sec、第二帯電スリーブ32の回転速度が190mm/secの組み合わせでは、実験の途中で帯電用磁性粒子35があふれてしまい、破綻してしまった。次に、長手方向7点の平均、即ち全56点の磨耗量の平均を、第一帯電スリーブ31と第二帯電スリーブ32の回転速度差に対してプロットしたものを図8に示す。
【0044】
図8の結果から、第一帯電スリーブ31の回転速度が第二帯電スリーブ32のそれよりも早い程ドラム磨耗量が少なく、実施例1と同様の傾向が見られた。
【0045】
実施例1と実施例2の結果から、これらの現象のメカニズムについて以下にまとめる。
【0046】
第一帯電スリーブ31と第二帯電スリーブ32が等速で回転する場合、第一帯電スリーブ31と第二帯電スリーブ32の磁性粒子コート量はほぼ等しく、概ね安定した状態を保つことができている。しかし、第二帯電スリーブ32の方が第一帯電スリーブ31よりも高速になると、第一帯電スリーブ31の磁性粒子コート量が第二帯電スリーブ32のそれよりも増えることによって、感光ドラム1との摺擦力が増大し、その結果、ドラム磨耗量が増えてしまう。
【0047】
第一帯電スリーブ31の回転速度が、第二帯電スリーブ32のそれよりも早い方が、ドラム磨耗量が少ない。これは、第二帯電スリーブ32の磁性粒子コート量は、規制ブレード34と第二帯電スリーブ32との間隙でほぼ決まり、回転速度にほとんど依らないのに対して、第一帯電スリーブ31の磁性粒子担持量は、帯電スリーブ間の回転速度差に依り、その磁性粒子担持量が変化するためであり、回転速度差が大きいほど第一帯電スリーブ31の磁性粒子コート量が減少するため、ドラムの磨耗量もすくなくなる。
【0048】
実施例2で第一帯電スリーブ31の回転速度が170mm/sec、第二帯電スリーブ32の回転速度が190mm/secの組み合わせでは、実験の途中で帯電用磁性粒子35があふれてしまった。原因は、第一帯電スリーブ31と感光ドラム1の間隙が小さかったため、第一帯電スリーブ31に第二の帯電スリーブから運ばれてくる磁性粒子量が、第一の帯電スリーブを通過できる上限の量を超えてしまい、そのため、徐々に第一帯電スリーブ31のニップ部の磁性粒子搬送上流側に溜まってしまったことにあった。
【0049】
さらに、第一帯電スリーブ31では、帯電時に感光ドラム1との電位差によって磁性粒子が帯電スリーブ上から感光ドラム上に移動しやすいという問題もある。第一帯電スリーブ31から感光ドラム1に移動、付着し、第二帯電スリーブ32で磁気的、力学的に捕獲され、再び第一帯電スリーブ31に戻ってくる磁性粒子や、第一帯電スリーブ31と第二帯電スリーブ32との間をすり抜けてくる磁性粒子も、第一帯電スリーブ31の磁性粒子コート量が増大する一因になる。
【0050】
したがって、第一帯電スリーブ31の磁性粒子担持量を、第二帯電スリーブ32のそれよりも少なくなるよう設定するこことによって、もし第一帯電スリーブ31で磁性粒子の感光ドラム1への付着が発生したり、帯電スリーブ間を磁性粒子がすり抜けたりしたとしても、第一帯電スリーブ31のニップ部(の磁性粒子搬送上流側)に磁性粒子溜まりが発生、増大することを防ぎ、第一帯電スリーブ31の磁性粒子コート量を安定化させることができ、その結果、長期に渡って、ドラム磨耗量、磨耗ムラの悪化、および磁性粒子のあふれを防止することができる。
【0051】
本発明の重要なポイントは、磁性粒子搬送方向上流側の磁性粒子担持部材の磁性粒子担持量よりも、下流側の磁性粒子担持部材の磁性粒子担持量を少なくすることにある。例えば、第一帯電スリーブの表面を第二帯電スリーブの表面より粗くすることにより、第一帯電スリーブの粒子の搬送性を良くし、第一帯電スリーブの磁性粒子担持量を減少させる方法や、磁性粒子担持部材の表面粗さを変化させたり、担持部材内部のマグネットの位置や磁力を工夫したりすることもそのための手段の一つであり、本発明の効果を実現するための手段は前記実施例のみにとどまらない。
【0052】
【発明の効果】
以上説明のように、磁性粒子搬送方向上流の帯電スリーブの磁性粒子担持量よりも、磁性粒子搬送方向下流の帯電スリーブの磁性粒子担持量が少なくなるように設定することによって、感光ドラムの磨耗量、磨耗ムラの悪化、および磁性粒子のあふれを防ぐことができ、長期に渡って安定して作動する帯電装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例において用いた画像形成装置の模式図その1
【図2】従来例において用いた画像形成装置の模式図
【図3】本発明実施例において用いた画像形成装置の模式図その2
【図4】本発明実施例において用いた帯電装置の模式図
【図5】実施例1の結果を示す図その1
【図6】実施例1の結果を示す図その2
【図7】実施例2の結果を示す図その1
【図8】実施例2の結果を示す図その2
【図9】磁性粒子担持量測定持具
【符号の説明】
1 感光ドラム
2 露光手段
3 コロナ帯電器
30 磁気ブラシ帯電器
31 第一帯電スリーブ
32 第二帯電スリーブ
33 マグネット
34 規制ブレード
35 帯電用磁性粒子
36,37 帯電バイアス装置
4 現像装置
5 クリーナー
6 定着器
7 転写装置
8 前露光ランプ
81 前露光用電源
9 スキャナユニット
10 原稿台
40 測定持具
41 吸引装置
Claims (8)
- 被帯電体に磁性粒子を備える磁気ブラシを接触させて被帯電体を帯電するために、第1の磁性粒子担持部材と、前記第1の磁性粒子担持部材と前記被帯電体のニップ部における磁性粒子の搬送方向に対して前記第1の磁性粒子担持部材よりも上流に設けられた第2の磁性粒子担持部材と、前記第2の磁性粒子担持体上の磁性粒子量を規制する規制部材と、を有し、
前記第1の磁性粒子担持部材と前記第2の磁性粒子担持部材は、互いが対向する部分において逆方向に回転をする帯電装置において、
前記磁性粒子は前記第1の磁性粒子担持部材と前記第2の磁性粒子担持部材において共有して使用され、
前記第2の磁性粒子担持部材の前記被帯電体とのニップ部における磁性粒子担持量(mg/cm 2 )が、前記第1の磁性粒子担持部材の前記被帯電体とのニップ部における磁性粒子担持量(mg/cm 2 )よりも大きい、ここで、前記磁性粒子担持量の測定方法は、前記被帯電体、前記第1の磁性粒子担持体、および第2の磁性粒子担持体とを、5秒間回転させた後、停止させ、前記ニップ部における磁性粒子を回収することで単位面積辺りの磁性粒子担持量(mg/cm 2 )を求めることを特徴とする帯電装置。 - 前記第1の磁性粒子担持部材及び前記第2の磁性粒子担持部材は内部に複数の磁極を有する磁界発生部材を有し、前記複数の磁極は隣接して同極性の磁極が配置される領域があることを特徴とする、請求項1記載の帯電装置。
- 前記同極性の磁極が配置される領域が、第1の磁性粒子担持部材と第2の磁性粒子担持部材との対向位置にあり、かつ前記磁極の極性が第1の磁性粒子担持部材と前記第2の磁性粒子担持部材とで逆極性であることを特徴とする請求項2に記載の帯電装置。
- 前記第1の磁性粒子担持部材の回転速度V1と、前記第2の磁性粒子担持部材の回転速度V2とがV1≧V2の関係式を満たすことを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載の帯電装置。
- 前記被帯電体はアモルファスシリコン系感光体を用いることを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載の帯電装置。
- 前記帯電装置は、前記磁性粒子を被帯電体に接触させて電荷を直接注入して帯電を行なうことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか記載の帯電装置。
- 前記被帯電体は像担持体であり、前記像担持体、前記帯電装置は、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジに設けられることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか記載の帯電装置。
- 前記請求項1乃至7記載の帯電装置と、前記像担持体に対し露光を行い静電潜像を形成する像露光手段と、前記潜像を現像しトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を転写材に転写する転写手段を有し、前記被帯電体は像担持体であることを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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