JP2004069775A - 帯電ユニット及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】長期にわたって良好な画像を維持し、帯電装置の省スペース化を図った帯電ユニット及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】帯電ユニットであって、磁性粒子304を磁気的に担持し感光ドラム1を帯電する第一の磁気ブラシ帯電器30と、第一の磁気ブラシ帯電器30よりも感光ドラム1の回転方向下流側に配設され、感光ドラム1に付着した磁性粒子304を捕集し感光ドラム1を帯電する第二の磁気ブラシ帯電器31と、を備える。これにより、一つの回収手段で磁性粒子の入れ替えを行い帯電装置の省スペース化を図ることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】帯電ユニットであって、磁性粒子304を磁気的に担持し感光ドラム1を帯電する第一の磁気ブラシ帯電器30と、第一の磁気ブラシ帯電器30よりも感光ドラム1の回転方向下流側に配設され、感光ドラム1に付着した磁性粒子304を捕集し感光ドラム1を帯電する第二の磁気ブラシ帯電器31と、を備える。これにより、一つの回収手段で磁性粒子の入れ替えを行い帯電装置の省スペース化を図ることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被記録画像に対応して像担持体に形成された静電潜像を、現像剤により現像して用紙等に記録する画像形成装置に関し、特に磁気ブラシ帯電器ユニットを用いた画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真方式や静電記録方式を用いた画像形成装置は数多く考案されている。図3は、従来の画像形成装置の概略を説明するための断面構成図である。以下に、図3を用いて概略構成ならびに動作について簡単に説明する。
【0003】
図3に示した画像形成装置において、コピー開始信号が入力されると感光ドラム1の表面がコロナ帯電器3により所定の電位になるように帯電される。一方、原稿台10上におかれた原稿Gに対し、原稿照射用ランプ、短焦点レンズアレイ、CCDセンサーが一体のユニット9が、原稿を照射しながら走査することにより、その照明走査光の原稿面反射光が、短焦点レンズアレイによって結像されてCCDセンサーに入射される。
【0004】
CCDセンサーは受光部、転送部、出力部より構成されている。CCDセンサーに入射した光信号はCCD受光部において電荷信号に変換され、転送部でクロックパルスに同期して順次出力部へ転送された後、電荷信号は信号出力部において電圧信号に変換され、増幅、低インピーダンス化されてアナログ信号として外部に出力される。
【0005】
こうして得られたアナログ信号は、周知の画像処理を行ってデジタル信号に変換されプリンター部に転送される。プリンター部においては、上記の画像信号を受けてON、OFF発光されるLED露光手段2により、感光ドラム1面上に原稿画像に対応した静電潜像を形成する。
【0006】
次にこの静電潜像は、トナー粒子を収容した現像器4にて現像され、感光ドラム1上に静電潜像に従ったトナー像を得る。
【0007】
このようにして感光ドラム1上に形成されたトナー像は、転写装置7によって転写材上に静電転写される。その後転写材は、静電分離されて定着器6へと搬送され、熱定着されて画像が出力される。
【0008】
一方、トナー像転写後の感光ドラム1の表面は、クリーナー5によって転写残りトナー等の付着汚染物の除去、必要に応じて像露光の光メモリを除去する前露光手段8による露光を受けて繰り返し画像形成に使用される。
【0009】
上記のような画像形成過程、すなわち電子写真画像形成装置に用いられる感光体としては、有機感光体やアモルファスシリコン系感光体(以下、「a−Si系感光体」と称する。)などがよく用いられているが、a−Si系感光体は、表面硬度が高いこと、半導体レーザなどに高い感度を示すこと、繰り返し使用による劣化がほとんど認められないことなどから、高速複写機やレーザービームプリンタ(LBP)などの電子写真用感光体として用いられている。
【0010】
しかし、a−Si系感光体は、その製造方法として、ガスを高周波やマイクロ波でプラズマ化して固体化しアルミシリンダー上に堆積させて成膜するため、プラズマが均一でないと周方向に膜厚ムラや組成ムラができてしまう。
【0011】
また、a−Si系感光体を用いた場合、有機感光体に比べて帯電後の電位減衰が暗状態でも非常に大きく、更に像露光の光メモリによる電位減衰が増大するために前周の光メモリを消すための帯電前の前露光手段が必要となる。このため、帯電−現像間での電位減衰は非常に大きくなり、100〜200V程度の電位減衰が生じる。このとき前述の膜厚ムラにより、周方向について10〜20V程度の電位ムラが発生することがある。
【0012】
このような電位ムラが生じると、静電容量の大きなa−Si系感光体は有機感光体に比べてコントラストも小さいため影響をより受けてしまい、濃度ムラも顕著になってしまう。
【0013】
このような問題点に対して、例えば複数回帯電を行うという方法が有効である。前述の光メモリによる暗減衰の増大は複数帯電を行うことにより、第1の帯電で光メモリを大幅に軽減できるため、第2の帯電を行った後には暗減衰を少なくすることが可能となる。これにともない、電位ゴーストや電位ムラが大幅に良化される。
【0014】
a−Si系感光体を帯電する方法としては、コロナ放電を用いたコロナ帯電方式、導電性ローラーを用い直接放電で帯電を行うローラー帯電方式、磁性粒子等により接触面積を充分に取り、電荷を感光体表面に直接注入することにより帯電を行う注入帯電方式などがある。
【0015】
しかし、コロナ帯電方式やローラー帯電方式は、放電を用いるために感光体表面に放電生成物が付着しやすく、加えてa−Si系感光体が非常に高い表面硬度を持ち磨耗しにくいため、感光体表面に付着した放電生成物が残存しやすい。そのため、高湿環境下等で水分の吸着等によって、静電潜像が形成された感光体表面上の電荷が面方向へ移動し、それにともなう画像流れ現象が発生しやすいという問題がある。
【0016】
これに対して、注入帯電方式は、放電を積極的に用いることはせずに、感光体表面に接触した部分から直接電荷を注入する帯電方式であるため、前記の画像流れといった現象は発生しにくいという特徴を持つ。
【0017】
ここで、磁気ブラシ帯電器は注入帯電方式の一つであり、導電性の磁性粒子を直接マグネットに、あるいは、マグネットを内包するスリーブ上に磁気ブラシとして磁気的に拘束保持させたものであり、その磁性粒子の磁気ブラシ部を停止あるいは回転させることによって、被帯電体面を接触帯電させるものである。
【0018】
磁気ブラシ帯電器は、感光体等の被帯電体との接触性に優れ、安定した帯電を施すことができるという点から、帯電手段として好ましく用いられている。
【0019】
この電荷注入帯電方式は、被帯電体への帯電がコロナ帯電器を用いて行われるような放電現象を利用せず、帯電に必要とされる印加帯電バイアスは所望する被帯電体表面電位分であるため、オゾンの発生がない完全なオゾンレス、かつ低電力消費型帯電が可能となり、注目されてきている。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の磁気ブラシ接触帯電方式・転写方式の画像形成装置においては、画像形成を繰り返すと接触帯電部材である磁気ブラシの磁性粒子に汚染が生じ、帯電性の低下が見られるようになる。
【0021】
磁性粒子の汚染の原因は、通常用いられているトナー粒子の電気抵抗が比較的高いために、磁性粒子に対してトナー粒子の樹脂成分が融着したり、トナー粒子に外添された外添剤が付着したりすることにより発生する。この現象により磁性粒子の抵抗が上昇してしまい、被帯電体である像担持体を所望の電位に帯電出来なくなったり、帯電ムラが生じたりしてしまい、画像不良が発生してしまう。
【0022】
磁性粒子の汚染劣化に対しては、特開2001−42600号公報等に開示されているように、磁性粒子の回収、補給によるリフレッシュが効果的である。
【0023】
また、電子写真感光体をより均一に帯電するためには複数個の帯電手段を設けることが有効であることは前述の通りであるが、複数個の帯電装置を配置するためには、より多くのスペースが必要となる。
【0024】
本発明は上記の従来技術の課題を鑑みてなされたもので、その目的とするところは、長期にわたって良好な画像を維持し、帯電装置の省スペース化を図った帯電ユニット及び帯電ユニットを取り付けた画像形成装置を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明に係る帯電ユニットにあっては、
静電潜像が形成される像担持体を有する画像形成装置に取り付け可能な帯電ユニットであって、
磁性粒子を磁気的に担持し前記像担持体を帯電する第一の磁気ブラシ帯電器と、
前記帯電ユニットを前記画像形成装置に装着した場合に、前記第一の磁気ブラシ帯電器よりも前記像担持体表面の移動方向下流側に配設され、前記第一の磁気ブラシ帯電器から前記像担持体に付着した磁性粒子を捕集し、前記像担持体を帯電する第二の磁気ブラシ帯電器と、
を備えることを特徴とする。
【0026】
また、他の態様として、本発明に係る画像形成装置にあっては、
静電潜像が形成される像担持体と、
該像担持体の周囲に配設され、磁性粒子を磁気的に担持し前記像担持体を帯電する第一の磁気ブラシ帯電器と、
該第一の磁気ブラシ帯電器よりも前記像担持体表面の移動方向下流側に配設され、前記第一の磁気ブラシ帯電器から前記像担持体に付着した磁性粒子を捕集可能であり、前記像担持体を帯電する第二の磁気ブラシ帯電器と、
前記第一の磁気ブラシ帯電器及び/または前記第二の磁気ブラシ帯電器に電圧を印加する電圧印加手段と、を備え、
前記電圧印加手段により印加する電圧を制御することにより前記第一の磁気ブラシ帯電器から磁性粒子を前記像担持体に付着させる第一の制御モードを有することを特徴とする。
【0027】
静電潜像が形成される像担持体と、
該像担持体の周囲に配設され、磁性粒子を磁気的に担持し前記像担持体を帯電する第一の磁気ブラシ帯電器と、
該第一の磁気ブラシ帯電器よりも前記像担持体表面の移動方向下流側に配設され、前記第一の磁気ブラシ帯電器から前記像担持体に付着した磁性粒子を捕集可能であり、前記像担持体を帯電する第二の磁気ブラシ帯電器と、
前記第一の磁気ブラシ帯電器及び/または前記第二の磁気ブラシ帯電器に電圧を印加する電圧印加手段と、を備え、
前記電圧印加手段により印加する電圧を制御することにより前記像担持体に付着した磁性粒子を前記第二の磁気ブラシ帯電器に捕集させる第二の制御モードを有することが好適である。
【0028】
上述の構成によれば、複数の磁気ブラシ帯電器の間を上流から下流に磁性粒子を移動させるための特別な機構を必要としないため、装置の省スペース化が図られレイアウトの自由度も増すことになる。
【0029】
前記像担持体は、アモルファスシリコンを含む層を有することが好適である。
【0030】
前記第一の制御モードは、前記電圧印加手段が前記第一の磁気ブラシ帯電器に前記像担持体の帯電極性と逆極性の電圧を印加することが好適である。
【0031】
この構成によれば、像担持体に付着させるタイミング及び磁性粒子の量を簡便に制御することができる。
【0032】
前記第一の制御モードは、前記電圧印加手段が前記第一の磁気ブラシ帯電器に画像形成時よりも高い交番電圧を印加することが好適である。
【0033】
少なくとも前記第一の磁気ブラシ帯電器は、該第一の磁気ブラシ帯電器に磁性粒子を補給する補給機構を備えることが好適である。
【0034】
この構成によれば、上流の磁気ブラシ帯電器に磁性粒子を補給さえすれば、下流の磁気ブラシ帯電器に新たに補給機構を設けていなくても、像担持体を経由して磁性粒子を補給することができ、省スペースな帯電装置を提供することができる。
【0035】
少なくとも前記第二の磁気ブラシ帯電器は、該第二の磁気ブラシ帯電器から磁性粒子を回収する回収機構を備えることが好適である。
【0036】
この構成によれば、下流の磁気ブラシ帯電器から余分な磁性粒子を回収することで、上流の磁気ブラシ帯電器に新たに回収機構を設けなくてもよく、省スペースな帯電装置を提供することができる。
【0037】
また、像担持体の移動方向に対して最下流の磁気ブラシ帯電器内の磁性粒子は、上流側の帯電器から移動してくる磁性粒子の量と、回収手段によって磁気ブラシ帯電器外部に回収される磁性粒子の量の合計で磁気ブラシ帯電器内磁性粒子の量の増減が決まり、最下流の磁気ブラシ帯電器に新しい磁性粒子の補給手段を設けない場合には、その合計がほぼゼロになるように調節するとよい。
【0038】
最下流の磁気ブラシ帯電器に新しい磁性粒子の補給手段を設ける場合には、上流の磁気ブラシ帯電器から移動してくる磁性粒子量よりも、磁気ブラシ帯電器外部に回収される磁性粒子の量が多くなるように設定し、磁気ブラシ帯電器内の磁性粒子の減少分を補給手段によって適当な量が補給されるよう制御するとよい。
【0039】
特に、最下流の磁気ブラシ帯電器に新しい磁性粒子の補給手段を設けない場合、帯電装置の省スペース化が図れるが、新しい磁性粒子の補給が行われないので、最下流の帯電器の帯電性が低下しやすい。そのため、最下流の帯電器に新しい磁性粒子の補給手段を設ける場合よりも頻繁に磁性粒子の移動・回収を行うことが好ましい。
【0040】
上述したような磁気ブラシ帯電器内の磁性粒子の移動、回収の一連の流れは画像形成時以外の非画像形成時に感光体が回転している間に行われるとよい。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。また、以下の説明で一度説明した部材についての材質、形状などは、特に改めて記載しない限り初めの説明と同様のものである。
【0042】
(第1の実施の形態)
まず図1に、本実施の形態に係る画像形成装置の帯電過程部分について模式的に示す。本実施の形態では、ポジ極性のa−Si系感光ドラム1に対して、第一の帯電器として注入帯電方式の磁気ブラシ帯電器30を、第二の帯電器として同様に磁気ブラシ帯電器31を用いる。
【0043】
磁気ブラシ帯電器は、導電性の磁性粒子を直接マグネットあるいは、マグネットを内包するスリーブ上に磁気的に拘束させ、停止、あるいは、回転しながら像担持体に接触させ、これに電圧を印加することによって帯電が開始される。本実施の形態では、磁性粒子の攪拌性を向上させるため、固定マグネット302に反発極(N―N)を採用している。
【0044】
本実施の形態で用いた磁気ブラシ帯電器30は、内部に固定マグネット302が設けられている。そして、回転自在の非磁性の帯電スリーブ303上に、磁性粒子規制手段301によって規制された帯電用磁性粒子304が磁界によってブラシ状に形成される。帯電用磁性粒子304は、帯電スリーブ303の回転にともない像担持体と帯電スリーブとの対向部である帯電ニップ部に搬送され、帯電に寄与する。
【0045】
帯電スリーブ303は、帯電ニップ部において感光ドラム1の回転方向に対しカウンター方向に回転し、帯電スリーブ303に、電圧印加手段であるバイアス装置305により帯電電圧を印加することで、帯電用磁性粒子304から電荷が感光ドラム1上に与えられ、帯電電圧に対応した電位に近い値に帯電される。
【0046】
磁気ブラシ帯電器30は、磁性粒子規制手段301と帯電スリーブ303との間隔を狭め磁性粒子304のコート量を減らすことにより、摺擦力を減らし感光ドラム1の寿命を延ばすことができる。それと同時に磁性粒子304と感光ドラム1との接触点が減少するために帯電器の帯電能も低下するが、帯電能の低下分は複数回帯電することにより補うことができるため、感光ドラムの寿命を延ばすことができる。
【0047】
磁気ブラシ帯電器31についても、構成、作用は上記磁気ブラシ帯電器30と同様である。
【0048】
本実施の形態に用いられている帯電用磁性粒子としては、平均粒径が10〜100μm、飽和磁化が20〜250emu/cm3、抵抗が1〜108Ω・m(102〜1010Ω・cm)のものが好ましく、感光ドラムにピンホールのような絶縁の欠陥が存在することを考慮すると104Ω・m(106Ω・cm)以上のものを用いることが好ましい。
【0049】
第一の磁気ブラシ帯電器30には、新しい磁性粒子を補給するための補給経路306と、図示していないスクリュー等を利用した補給手段を設け、第二の磁気ブラシ帯電器31には、帯電器内の磁性粒子を外部に回収するためのスクリュー等を利用した回収手段317、回収経路318を設けた。回収手段317は通常反時計回りに回転するが、磁性粒子を回収するときは時計回りに回転し、回収経路318を通して余分な磁性粒子を外部に排出する。
【0050】
これにより、トナー汚染等により帯電能力が低下した磁性粒子が第二の磁気ブラシ帯電器31内に蓄積されるのを防ぐことができ、第一の磁気ブラシ帯電器30から補給される新たな磁性粒子により像担持体の帯電を行うことができる。更に、磁気ブラシ帯電器から磁性粒子を感光体上に付着させることによって減少した、像担持体表面の移動方向に対して上流側の磁気ブラシ帯電器内の磁性粒子量は、スクリューなどを利用した磁性粒子の補給手段によって適当な量を補給されることで補われ、帯電器内の磁性粒子量が常に安定して保たれるようにする。
【0051】
また、画像出力時には、磁気ブラシ帯電器30、磁気ブラシ帯電器31に正の極性のバイアスを印加することによって、ドラム表面電位を均一帯電させる。
【0052】
しかし、画像形成を繰り返すことによって、磁気ブラシ帯電器30、磁気ブラシ帯電器31内の磁性粒子の、トナーや外添剤の混入による汚染劣化が進行するため、磁性粒子の汚染劣化が帯電性に実用上において影響を及ぼす前に、磁性粒子の入れ替えモードを作動させることが好ましい。
【0053】
入れ替えモードは、主に第一の磁気ブラシ帯電器30から磁性粒子を感光ドラム1に付着させる第一の制御モードと、感光ドラムに付着した磁性粒子を第二の磁気ブラシ帯電器31に捕集させる第二の制御モードと、を含み、所定のタイミングで、作動するようにする。ここで、所定のタイミングとしては、一定枚数の画像形成を行った場合、所定のトナー量を消費した場合、ユーザーによる操作がなされた場合等があり、これらの条件を検知した場合に前記第一の制御モードを作動させるようにしてもよい。
【0054】
次に、第一の制御モードについてより具体的に説明する。本実施の形態の場合、まず、画像形成後の感光ドラム1の回転時に、感光ドラムの帯電極性である正極性と逆極性である負の直流電圧、または、画像形成時に印加する交流電圧より高い交流電圧を磁気ブラシ帯電器30に印加することによって、磁性粒子304を感光ドラム1の表面上に付着させ、減少した分の磁性粒子を補給手段によって補う。特に、感光ドラムの削れや安定性を考慮すると、負の直流電圧を印加するのが好ましい。
【0055】
なお、本実施の形態では、感光ドラムに帯電極性が正極性であるa−Si系感光ドラムを用いているが、もちろん本願発明はこれに限られるものではなく、負極性のa−Si系感光ドラムや有機感光ドラムについても適宜適用できるものである。この場合、磁気ブラシ帯電器30に印加する電圧の極性は正極性となる。
【0056】
次に、第二の制御モードについて説明する。第一の制御モードにより感光ドラム1に付着した磁性粒子304は、感光ドラム1の回転により第二の磁気ブラシ帯電器31と感光ドラム1との帯電ニップ部に移動し、第二の磁気ブラシ帯電器31に磁気的に捕集される。そして、捕集された磁性粒子304は、第二の磁気ブラシ帯電器31において感光ドラム1を帯電する。
【0057】
本実施の形態においては、磁性粒子を捕集し続けると第二の磁気ブラシ帯電器31内の磁性粒子があふれてしまうので、余分な磁性粒子は回収手段317を時計回りに回転させることによって、回収経路318を通して外部に排出される。また、本実施の形態では、第二の制御モードでは、磁気的に捕集する場合について説明したが、これに限られるものではなく、より確実に捕集するために電圧印加手段により感光ドラム1と帯電スリーブ313との間に磁性粒子304を捕集するためのバイアスを印加してもよい。
【0058】
上記のように、磁気ブラシ帯電器中の汚染された磁性粒子の入れ替えは所定のタイミングで行われることになる。ここで、磁性粒子の入れ替えは磁性粒子の帯電性の低下を防止するものであるが、帯電性の低下の程度はクリーナー部をすり抜ける外添剤やトナーの量などによるため、帯電性の低下を電位センサーなどで検知し、あるレベルまで帯電性が低下した後に磁性粒子を入れ替えてもよい。
【0059】
(第2の実施の形態)
次に、第1の実施の形態の構成に加えて、磁気ブラシ帯電器31に新しい磁性粒子を補給するための補給経路316と図示していない補給手段を設けた例を図2に示す。
【0060】
本実施の形態も第1の実施の形態と同様に、画像出力時には、磁気ブラシ帯電器30、磁気ブラシ帯電器31に正の極性のバイアスを印加することによって、ドラム表面電位を均一帯電させる。
【0061】
しかし、画像形成を繰り返すことによって、磁気ブラシ帯電器30、磁気ブラシ帯電器31内の磁性粒子の、トナーや外添剤の混入による汚染劣化が進行するため、磁性粒子304の汚染劣化が帯電性に実用上において影響を及ぼす前に、帯電キャリアの入れ替えモードを作動させることが好ましい。
【0062】
まず、画像形成後の感光ドラム1の回転時に、磁気ブラシ帯電器30に負のバイアスまたは高い交流電圧を印加することによって、磁性粒子を感光ドラム1の表面上に付着させ、減少した分の磁性粒子を補給経路306を通じて補給手段によって補う。
【0063】
付着した磁性粒子は磁気ブラシ帯電器31に捕集され、余分な磁性粒子は回収手段317を時計回りに回転させることによって、回収経路318を通して外部に排出され、減少した分の磁性粒子を補給経路316を通じて補給手段によって補う。
【0064】
上記のように、磁気ブラシ帯電器30だけでなく、磁気ブラシ帯電器31にも新しい磁性粒子を補給することによって、第1の実施の形態よりも効率よく磁気ブラシ帯電器の帯電性を回復し、維持することができる。
【0065】
また、上記第1、第2の実施の形態においては、磁気ブラシ帯電器の構成や、磁性粒子の補給および回収の経路・手段は一例であり、その経路・手段はどのような構成でも構わない。例えば、磁気ブラシ帯電器の帯電スリーブ内のマグネットが反発極を持たない帯電手段でもよいし、帯電スリーブではなく、マグネットを用い、マグネット上に直接磁性粒子を担持、回転させて感光体への接触帯電を行うような帯電手段でもよい。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、磁性粒子を補給することで長期にわたって良好な画像を維持し、一つの回収手段で複数の磁気ブラシ帯電器における磁性粒子の入れ替えを行うことで省スペース化を図った帯電ユニット及び画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る帯電装置の概略断面図である。
【図2】第2の実施の形態に係る帯電装置の概略断面図である。
【図3】従来の画像形成装置の概略構成断面図である。
【符号の説明】
1 感光ドラム
2 露光手段
3 コロナ帯電器
4 現像器
5 クリーナー
6 定着器
7 転写装置
8 前露光手段
30 ,31 磁気ブラシ帯電器
301,311 磁性粒子規制手段
302,312 固定マグネット
303,313 帯電スリーブ
304,314 帯電用磁性粒子
305,315 バイアス装置
306,316 補給手段
317 回収手段
318 磁性粒子回収経路
【発明の属する技術分野】
本発明は、被記録画像に対応して像担持体に形成された静電潜像を、現像剤により現像して用紙等に記録する画像形成装置に関し、特に磁気ブラシ帯電器ユニットを用いた画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真方式や静電記録方式を用いた画像形成装置は数多く考案されている。図3は、従来の画像形成装置の概略を説明するための断面構成図である。以下に、図3を用いて概略構成ならびに動作について簡単に説明する。
【0003】
図3に示した画像形成装置において、コピー開始信号が入力されると感光ドラム1の表面がコロナ帯電器3により所定の電位になるように帯電される。一方、原稿台10上におかれた原稿Gに対し、原稿照射用ランプ、短焦点レンズアレイ、CCDセンサーが一体のユニット9が、原稿を照射しながら走査することにより、その照明走査光の原稿面反射光が、短焦点レンズアレイによって結像されてCCDセンサーに入射される。
【0004】
CCDセンサーは受光部、転送部、出力部より構成されている。CCDセンサーに入射した光信号はCCD受光部において電荷信号に変換され、転送部でクロックパルスに同期して順次出力部へ転送された後、電荷信号は信号出力部において電圧信号に変換され、増幅、低インピーダンス化されてアナログ信号として外部に出力される。
【0005】
こうして得られたアナログ信号は、周知の画像処理を行ってデジタル信号に変換されプリンター部に転送される。プリンター部においては、上記の画像信号を受けてON、OFF発光されるLED露光手段2により、感光ドラム1面上に原稿画像に対応した静電潜像を形成する。
【0006】
次にこの静電潜像は、トナー粒子を収容した現像器4にて現像され、感光ドラム1上に静電潜像に従ったトナー像を得る。
【0007】
このようにして感光ドラム1上に形成されたトナー像は、転写装置7によって転写材上に静電転写される。その後転写材は、静電分離されて定着器6へと搬送され、熱定着されて画像が出力される。
【0008】
一方、トナー像転写後の感光ドラム1の表面は、クリーナー5によって転写残りトナー等の付着汚染物の除去、必要に応じて像露光の光メモリを除去する前露光手段8による露光を受けて繰り返し画像形成に使用される。
【0009】
上記のような画像形成過程、すなわち電子写真画像形成装置に用いられる感光体としては、有機感光体やアモルファスシリコン系感光体(以下、「a−Si系感光体」と称する。)などがよく用いられているが、a−Si系感光体は、表面硬度が高いこと、半導体レーザなどに高い感度を示すこと、繰り返し使用による劣化がほとんど認められないことなどから、高速複写機やレーザービームプリンタ(LBP)などの電子写真用感光体として用いられている。
【0010】
しかし、a−Si系感光体は、その製造方法として、ガスを高周波やマイクロ波でプラズマ化して固体化しアルミシリンダー上に堆積させて成膜するため、プラズマが均一でないと周方向に膜厚ムラや組成ムラができてしまう。
【0011】
また、a−Si系感光体を用いた場合、有機感光体に比べて帯電後の電位減衰が暗状態でも非常に大きく、更に像露光の光メモリによる電位減衰が増大するために前周の光メモリを消すための帯電前の前露光手段が必要となる。このため、帯電−現像間での電位減衰は非常に大きくなり、100〜200V程度の電位減衰が生じる。このとき前述の膜厚ムラにより、周方向について10〜20V程度の電位ムラが発生することがある。
【0012】
このような電位ムラが生じると、静電容量の大きなa−Si系感光体は有機感光体に比べてコントラストも小さいため影響をより受けてしまい、濃度ムラも顕著になってしまう。
【0013】
このような問題点に対して、例えば複数回帯電を行うという方法が有効である。前述の光メモリによる暗減衰の増大は複数帯電を行うことにより、第1の帯電で光メモリを大幅に軽減できるため、第2の帯電を行った後には暗減衰を少なくすることが可能となる。これにともない、電位ゴーストや電位ムラが大幅に良化される。
【0014】
a−Si系感光体を帯電する方法としては、コロナ放電を用いたコロナ帯電方式、導電性ローラーを用い直接放電で帯電を行うローラー帯電方式、磁性粒子等により接触面積を充分に取り、電荷を感光体表面に直接注入することにより帯電を行う注入帯電方式などがある。
【0015】
しかし、コロナ帯電方式やローラー帯電方式は、放電を用いるために感光体表面に放電生成物が付着しやすく、加えてa−Si系感光体が非常に高い表面硬度を持ち磨耗しにくいため、感光体表面に付着した放電生成物が残存しやすい。そのため、高湿環境下等で水分の吸着等によって、静電潜像が形成された感光体表面上の電荷が面方向へ移動し、それにともなう画像流れ現象が発生しやすいという問題がある。
【0016】
これに対して、注入帯電方式は、放電を積極的に用いることはせずに、感光体表面に接触した部分から直接電荷を注入する帯電方式であるため、前記の画像流れといった現象は発生しにくいという特徴を持つ。
【0017】
ここで、磁気ブラシ帯電器は注入帯電方式の一つであり、導電性の磁性粒子を直接マグネットに、あるいは、マグネットを内包するスリーブ上に磁気ブラシとして磁気的に拘束保持させたものであり、その磁性粒子の磁気ブラシ部を停止あるいは回転させることによって、被帯電体面を接触帯電させるものである。
【0018】
磁気ブラシ帯電器は、感光体等の被帯電体との接触性に優れ、安定した帯電を施すことができるという点から、帯電手段として好ましく用いられている。
【0019】
この電荷注入帯電方式は、被帯電体への帯電がコロナ帯電器を用いて行われるような放電現象を利用せず、帯電に必要とされる印加帯電バイアスは所望する被帯電体表面電位分であるため、オゾンの発生がない完全なオゾンレス、かつ低電力消費型帯電が可能となり、注目されてきている。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の磁気ブラシ接触帯電方式・転写方式の画像形成装置においては、画像形成を繰り返すと接触帯電部材である磁気ブラシの磁性粒子に汚染が生じ、帯電性の低下が見られるようになる。
【0021】
磁性粒子の汚染の原因は、通常用いられているトナー粒子の電気抵抗が比較的高いために、磁性粒子に対してトナー粒子の樹脂成分が融着したり、トナー粒子に外添された外添剤が付着したりすることにより発生する。この現象により磁性粒子の抵抗が上昇してしまい、被帯電体である像担持体を所望の電位に帯電出来なくなったり、帯電ムラが生じたりしてしまい、画像不良が発生してしまう。
【0022】
磁性粒子の汚染劣化に対しては、特開2001−42600号公報等に開示されているように、磁性粒子の回収、補給によるリフレッシュが効果的である。
【0023】
また、電子写真感光体をより均一に帯電するためには複数個の帯電手段を設けることが有効であることは前述の通りであるが、複数個の帯電装置を配置するためには、より多くのスペースが必要となる。
【0024】
本発明は上記の従来技術の課題を鑑みてなされたもので、その目的とするところは、長期にわたって良好な画像を維持し、帯電装置の省スペース化を図った帯電ユニット及び帯電ユニットを取り付けた画像形成装置を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明に係る帯電ユニットにあっては、
静電潜像が形成される像担持体を有する画像形成装置に取り付け可能な帯電ユニットであって、
磁性粒子を磁気的に担持し前記像担持体を帯電する第一の磁気ブラシ帯電器と、
前記帯電ユニットを前記画像形成装置に装着した場合に、前記第一の磁気ブラシ帯電器よりも前記像担持体表面の移動方向下流側に配設され、前記第一の磁気ブラシ帯電器から前記像担持体に付着した磁性粒子を捕集し、前記像担持体を帯電する第二の磁気ブラシ帯電器と、
を備えることを特徴とする。
【0026】
また、他の態様として、本発明に係る画像形成装置にあっては、
静電潜像が形成される像担持体と、
該像担持体の周囲に配設され、磁性粒子を磁気的に担持し前記像担持体を帯電する第一の磁気ブラシ帯電器と、
該第一の磁気ブラシ帯電器よりも前記像担持体表面の移動方向下流側に配設され、前記第一の磁気ブラシ帯電器から前記像担持体に付着した磁性粒子を捕集可能であり、前記像担持体を帯電する第二の磁気ブラシ帯電器と、
前記第一の磁気ブラシ帯電器及び/または前記第二の磁気ブラシ帯電器に電圧を印加する電圧印加手段と、を備え、
前記電圧印加手段により印加する電圧を制御することにより前記第一の磁気ブラシ帯電器から磁性粒子を前記像担持体に付着させる第一の制御モードを有することを特徴とする。
【0027】
静電潜像が形成される像担持体と、
該像担持体の周囲に配設され、磁性粒子を磁気的に担持し前記像担持体を帯電する第一の磁気ブラシ帯電器と、
該第一の磁気ブラシ帯電器よりも前記像担持体表面の移動方向下流側に配設され、前記第一の磁気ブラシ帯電器から前記像担持体に付着した磁性粒子を捕集可能であり、前記像担持体を帯電する第二の磁気ブラシ帯電器と、
前記第一の磁気ブラシ帯電器及び/または前記第二の磁気ブラシ帯電器に電圧を印加する電圧印加手段と、を備え、
前記電圧印加手段により印加する電圧を制御することにより前記像担持体に付着した磁性粒子を前記第二の磁気ブラシ帯電器に捕集させる第二の制御モードを有することが好適である。
【0028】
上述の構成によれば、複数の磁気ブラシ帯電器の間を上流から下流に磁性粒子を移動させるための特別な機構を必要としないため、装置の省スペース化が図られレイアウトの自由度も増すことになる。
【0029】
前記像担持体は、アモルファスシリコンを含む層を有することが好適である。
【0030】
前記第一の制御モードは、前記電圧印加手段が前記第一の磁気ブラシ帯電器に前記像担持体の帯電極性と逆極性の電圧を印加することが好適である。
【0031】
この構成によれば、像担持体に付着させるタイミング及び磁性粒子の量を簡便に制御することができる。
【0032】
前記第一の制御モードは、前記電圧印加手段が前記第一の磁気ブラシ帯電器に画像形成時よりも高い交番電圧を印加することが好適である。
【0033】
少なくとも前記第一の磁気ブラシ帯電器は、該第一の磁気ブラシ帯電器に磁性粒子を補給する補給機構を備えることが好適である。
【0034】
この構成によれば、上流の磁気ブラシ帯電器に磁性粒子を補給さえすれば、下流の磁気ブラシ帯電器に新たに補給機構を設けていなくても、像担持体を経由して磁性粒子を補給することができ、省スペースな帯電装置を提供することができる。
【0035】
少なくとも前記第二の磁気ブラシ帯電器は、該第二の磁気ブラシ帯電器から磁性粒子を回収する回収機構を備えることが好適である。
【0036】
この構成によれば、下流の磁気ブラシ帯電器から余分な磁性粒子を回収することで、上流の磁気ブラシ帯電器に新たに回収機構を設けなくてもよく、省スペースな帯電装置を提供することができる。
【0037】
また、像担持体の移動方向に対して最下流の磁気ブラシ帯電器内の磁性粒子は、上流側の帯電器から移動してくる磁性粒子の量と、回収手段によって磁気ブラシ帯電器外部に回収される磁性粒子の量の合計で磁気ブラシ帯電器内磁性粒子の量の増減が決まり、最下流の磁気ブラシ帯電器に新しい磁性粒子の補給手段を設けない場合には、その合計がほぼゼロになるように調節するとよい。
【0038】
最下流の磁気ブラシ帯電器に新しい磁性粒子の補給手段を設ける場合には、上流の磁気ブラシ帯電器から移動してくる磁性粒子量よりも、磁気ブラシ帯電器外部に回収される磁性粒子の量が多くなるように設定し、磁気ブラシ帯電器内の磁性粒子の減少分を補給手段によって適当な量が補給されるよう制御するとよい。
【0039】
特に、最下流の磁気ブラシ帯電器に新しい磁性粒子の補給手段を設けない場合、帯電装置の省スペース化が図れるが、新しい磁性粒子の補給が行われないので、最下流の帯電器の帯電性が低下しやすい。そのため、最下流の帯電器に新しい磁性粒子の補給手段を設ける場合よりも頻繁に磁性粒子の移動・回収を行うことが好ましい。
【0040】
上述したような磁気ブラシ帯電器内の磁性粒子の移動、回収の一連の流れは画像形成時以外の非画像形成時に感光体が回転している間に行われるとよい。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。また、以下の説明で一度説明した部材についての材質、形状などは、特に改めて記載しない限り初めの説明と同様のものである。
【0042】
(第1の実施の形態)
まず図1に、本実施の形態に係る画像形成装置の帯電過程部分について模式的に示す。本実施の形態では、ポジ極性のa−Si系感光ドラム1に対して、第一の帯電器として注入帯電方式の磁気ブラシ帯電器30を、第二の帯電器として同様に磁気ブラシ帯電器31を用いる。
【0043】
磁気ブラシ帯電器は、導電性の磁性粒子を直接マグネットあるいは、マグネットを内包するスリーブ上に磁気的に拘束させ、停止、あるいは、回転しながら像担持体に接触させ、これに電圧を印加することによって帯電が開始される。本実施の形態では、磁性粒子の攪拌性を向上させるため、固定マグネット302に反発極(N―N)を採用している。
【0044】
本実施の形態で用いた磁気ブラシ帯電器30は、内部に固定マグネット302が設けられている。そして、回転自在の非磁性の帯電スリーブ303上に、磁性粒子規制手段301によって規制された帯電用磁性粒子304が磁界によってブラシ状に形成される。帯電用磁性粒子304は、帯電スリーブ303の回転にともない像担持体と帯電スリーブとの対向部である帯電ニップ部に搬送され、帯電に寄与する。
【0045】
帯電スリーブ303は、帯電ニップ部において感光ドラム1の回転方向に対しカウンター方向に回転し、帯電スリーブ303に、電圧印加手段であるバイアス装置305により帯電電圧を印加することで、帯電用磁性粒子304から電荷が感光ドラム1上に与えられ、帯電電圧に対応した電位に近い値に帯電される。
【0046】
磁気ブラシ帯電器30は、磁性粒子規制手段301と帯電スリーブ303との間隔を狭め磁性粒子304のコート量を減らすことにより、摺擦力を減らし感光ドラム1の寿命を延ばすことができる。それと同時に磁性粒子304と感光ドラム1との接触点が減少するために帯電器の帯電能も低下するが、帯電能の低下分は複数回帯電することにより補うことができるため、感光ドラムの寿命を延ばすことができる。
【0047】
磁気ブラシ帯電器31についても、構成、作用は上記磁気ブラシ帯電器30と同様である。
【0048】
本実施の形態に用いられている帯電用磁性粒子としては、平均粒径が10〜100μm、飽和磁化が20〜250emu/cm3、抵抗が1〜108Ω・m(102〜1010Ω・cm)のものが好ましく、感光ドラムにピンホールのような絶縁の欠陥が存在することを考慮すると104Ω・m(106Ω・cm)以上のものを用いることが好ましい。
【0049】
第一の磁気ブラシ帯電器30には、新しい磁性粒子を補給するための補給経路306と、図示していないスクリュー等を利用した補給手段を設け、第二の磁気ブラシ帯電器31には、帯電器内の磁性粒子を外部に回収するためのスクリュー等を利用した回収手段317、回収経路318を設けた。回収手段317は通常反時計回りに回転するが、磁性粒子を回収するときは時計回りに回転し、回収経路318を通して余分な磁性粒子を外部に排出する。
【0050】
これにより、トナー汚染等により帯電能力が低下した磁性粒子が第二の磁気ブラシ帯電器31内に蓄積されるのを防ぐことができ、第一の磁気ブラシ帯電器30から補給される新たな磁性粒子により像担持体の帯電を行うことができる。更に、磁気ブラシ帯電器から磁性粒子を感光体上に付着させることによって減少した、像担持体表面の移動方向に対して上流側の磁気ブラシ帯電器内の磁性粒子量は、スクリューなどを利用した磁性粒子の補給手段によって適当な量を補給されることで補われ、帯電器内の磁性粒子量が常に安定して保たれるようにする。
【0051】
また、画像出力時には、磁気ブラシ帯電器30、磁気ブラシ帯電器31に正の極性のバイアスを印加することによって、ドラム表面電位を均一帯電させる。
【0052】
しかし、画像形成を繰り返すことによって、磁気ブラシ帯電器30、磁気ブラシ帯電器31内の磁性粒子の、トナーや外添剤の混入による汚染劣化が進行するため、磁性粒子の汚染劣化が帯電性に実用上において影響を及ぼす前に、磁性粒子の入れ替えモードを作動させることが好ましい。
【0053】
入れ替えモードは、主に第一の磁気ブラシ帯電器30から磁性粒子を感光ドラム1に付着させる第一の制御モードと、感光ドラムに付着した磁性粒子を第二の磁気ブラシ帯電器31に捕集させる第二の制御モードと、を含み、所定のタイミングで、作動するようにする。ここで、所定のタイミングとしては、一定枚数の画像形成を行った場合、所定のトナー量を消費した場合、ユーザーによる操作がなされた場合等があり、これらの条件を検知した場合に前記第一の制御モードを作動させるようにしてもよい。
【0054】
次に、第一の制御モードについてより具体的に説明する。本実施の形態の場合、まず、画像形成後の感光ドラム1の回転時に、感光ドラムの帯電極性である正極性と逆極性である負の直流電圧、または、画像形成時に印加する交流電圧より高い交流電圧を磁気ブラシ帯電器30に印加することによって、磁性粒子304を感光ドラム1の表面上に付着させ、減少した分の磁性粒子を補給手段によって補う。特に、感光ドラムの削れや安定性を考慮すると、負の直流電圧を印加するのが好ましい。
【0055】
なお、本実施の形態では、感光ドラムに帯電極性が正極性であるa−Si系感光ドラムを用いているが、もちろん本願発明はこれに限られるものではなく、負極性のa−Si系感光ドラムや有機感光ドラムについても適宜適用できるものである。この場合、磁気ブラシ帯電器30に印加する電圧の極性は正極性となる。
【0056】
次に、第二の制御モードについて説明する。第一の制御モードにより感光ドラム1に付着した磁性粒子304は、感光ドラム1の回転により第二の磁気ブラシ帯電器31と感光ドラム1との帯電ニップ部に移動し、第二の磁気ブラシ帯電器31に磁気的に捕集される。そして、捕集された磁性粒子304は、第二の磁気ブラシ帯電器31において感光ドラム1を帯電する。
【0057】
本実施の形態においては、磁性粒子を捕集し続けると第二の磁気ブラシ帯電器31内の磁性粒子があふれてしまうので、余分な磁性粒子は回収手段317を時計回りに回転させることによって、回収経路318を通して外部に排出される。また、本実施の形態では、第二の制御モードでは、磁気的に捕集する場合について説明したが、これに限られるものではなく、より確実に捕集するために電圧印加手段により感光ドラム1と帯電スリーブ313との間に磁性粒子304を捕集するためのバイアスを印加してもよい。
【0058】
上記のように、磁気ブラシ帯電器中の汚染された磁性粒子の入れ替えは所定のタイミングで行われることになる。ここで、磁性粒子の入れ替えは磁性粒子の帯電性の低下を防止するものであるが、帯電性の低下の程度はクリーナー部をすり抜ける外添剤やトナーの量などによるため、帯電性の低下を電位センサーなどで検知し、あるレベルまで帯電性が低下した後に磁性粒子を入れ替えてもよい。
【0059】
(第2の実施の形態)
次に、第1の実施の形態の構成に加えて、磁気ブラシ帯電器31に新しい磁性粒子を補給するための補給経路316と図示していない補給手段を設けた例を図2に示す。
【0060】
本実施の形態も第1の実施の形態と同様に、画像出力時には、磁気ブラシ帯電器30、磁気ブラシ帯電器31に正の極性のバイアスを印加することによって、ドラム表面電位を均一帯電させる。
【0061】
しかし、画像形成を繰り返すことによって、磁気ブラシ帯電器30、磁気ブラシ帯電器31内の磁性粒子の、トナーや外添剤の混入による汚染劣化が進行するため、磁性粒子304の汚染劣化が帯電性に実用上において影響を及ぼす前に、帯電キャリアの入れ替えモードを作動させることが好ましい。
【0062】
まず、画像形成後の感光ドラム1の回転時に、磁気ブラシ帯電器30に負のバイアスまたは高い交流電圧を印加することによって、磁性粒子を感光ドラム1の表面上に付着させ、減少した分の磁性粒子を補給経路306を通じて補給手段によって補う。
【0063】
付着した磁性粒子は磁気ブラシ帯電器31に捕集され、余分な磁性粒子は回収手段317を時計回りに回転させることによって、回収経路318を通して外部に排出され、減少した分の磁性粒子を補給経路316を通じて補給手段によって補う。
【0064】
上記のように、磁気ブラシ帯電器30だけでなく、磁気ブラシ帯電器31にも新しい磁性粒子を補給することによって、第1の実施の形態よりも効率よく磁気ブラシ帯電器の帯電性を回復し、維持することができる。
【0065】
また、上記第1、第2の実施の形態においては、磁気ブラシ帯電器の構成や、磁性粒子の補給および回収の経路・手段は一例であり、その経路・手段はどのような構成でも構わない。例えば、磁気ブラシ帯電器の帯電スリーブ内のマグネットが反発極を持たない帯電手段でもよいし、帯電スリーブではなく、マグネットを用い、マグネット上に直接磁性粒子を担持、回転させて感光体への接触帯電を行うような帯電手段でもよい。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、磁性粒子を補給することで長期にわたって良好な画像を維持し、一つの回収手段で複数の磁気ブラシ帯電器における磁性粒子の入れ替えを行うことで省スペース化を図った帯電ユニット及び画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る帯電装置の概略断面図である。
【図2】第2の実施の形態に係る帯電装置の概略断面図である。
【図3】従来の画像形成装置の概略構成断面図である。
【符号の説明】
1 感光ドラム
2 露光手段
3 コロナ帯電器
4 現像器
5 クリーナー
6 定着器
7 転写装置
8 前露光手段
30 ,31 磁気ブラシ帯電器
301,311 磁性粒子規制手段
302,312 固定マグネット
303,313 帯電スリーブ
304,314 帯電用磁性粒子
305,315 バイアス装置
306,316 補給手段
317 回収手段
318 磁性粒子回収経路
Claims (8)
- 静電潜像が形成される像担持体を有する画像形成装置に取り付け可能な帯電ユニットであって、
磁性粒子を磁気的に担持し前記像担持体を帯電する第一の磁気ブラシ帯電器と、
前記帯電ユニットを前記画像形成装置に装着した場合に、前記第一の磁気ブラシ帯電器よりも前記像担持体表面の移動方向下流側に配設され、前記第一の磁気ブラシ帯電器から前記像担持体に付着した磁性粒子を捕集可能であり、前記像担持体を帯電する第二の磁気ブラシ帯電器と、
を備えることを特徴とする帯電ユニット。 - 静電潜像が形成される像担持体と、
該像担持体の周囲に配設され、磁性粒子を磁気的に担持し前記像担持体を帯電する第一の磁気ブラシ帯電器と、
該第一の磁気ブラシ帯電器よりも前記像担持体表面の移動方向下流側に配設され、前記第一の磁気ブラシ帯電器から前記像担持体に付着した磁性粒子を捕集可能であり、前記像担持体を帯電する第二の磁気ブラシ帯電器と、
前記第一の磁気ブラシ帯電器及び/または前記第二の磁気ブラシ帯電器に電圧を印加する電圧印加手段と、を備え、
前記電圧印加手段により印加する電圧を制御することにより前記第一の磁気ブラシ帯電器から磁性粒子を前記像担持体に付着させる第一の制御モードを有することを特徴とする画像形成装置。 - 静電潜像が形成される像担持体と、
該像担持体の周囲に配設され、磁性粒子を磁気的に担持し前記像担持体を帯電する第一の磁気ブラシ帯電器と、
該第一の磁気ブラシ帯電器よりも前記像担持体表面の移動方向下流側に配設され、前記第一の磁気ブラシ帯電器から前記像担持体に付着した磁性粒子を捕集可能であり、前記像担持体を帯電する第二の磁気ブラシ帯電器と、
前記第一の磁気ブラシ帯電器及び/または前記第二の磁気ブラシ帯電器に電圧を印加する電圧印加手段と、を備え、
前記電圧印加手段により印加する電圧を制御することにより前記像担持体に付着した磁性粒子を前記第二の磁気ブラシ帯電器に捕集させる第二の制御モードを有することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。 - 前記像担持体は、アモルファスシリコンを含む層を有することを特徴とする請求項2または3に記載の画像形成装置。
- 前記第一の制御モードは、前記電圧印加手段が前記第一の磁気ブラシ帯電器に前記像担持体の帯電極性と逆極性の電圧を印加することを特徴とする請求項2、3または4に記載の画像形成装置。
- 前記第一の制御モードは、前記電圧印加手段が前記第一の磁気ブラシ帯電器に画像形成時よりも高い交番電圧を印加することを特徴とする請求項2または4に記載の画像形成装置。
- 少なくとも前記第一の磁気ブラシ帯電器は、該第一の磁気ブラシ帯電器に磁性粒子を補給する補給機構を備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 少なくとも前記第二の磁気ブラシ帯電器は、該第二の磁気ブラシ帯電器から磁性粒子を回収する回収機構を備えることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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