JP4208228B2 - 空気調和機のファン用ブラシレスモータの駆動装置 - Google Patents

空気調和機のファン用ブラシレスモータの駆動装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、少なくともブラシレスモータの起動前に、ステータ巻線に電流を供給してロータを制動、停止させる空気調和機のファン用ブラシレスモータの駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
空気調和機のファンを駆動するモータとしてブラシレスモータが多く用いられるようになった。室外ファンは有風時に回転し、その回転方向及び速度は一様ではない。空気調和機の運転開始時に、室外ファンが回転していた場合には、その制動、停止、位置決めを行ってから起動させなければならない。
【0003】
ブラシレスモータは、その回転子の磁極位置を検出するための検出器を必要とする。室外ファンの制動、停止、位置決めにはこの検出器の出力に基づいてその方向及び回転数を検知し、これに応じてステータ巻線の電流を制御していた。しかし、検出器として3個のホール素子を用いていたため、複雑な制御を余儀なくされ、これがコストを高騰させる一因になっていた。また、制動、停止、位置決めに際してステータ巻線に直流の電流を流していたが、この方法ではロータを形成する永久磁石が減磁したり、ステータ巻線に電流を流す駆動回路を破壊するような過大な電流が流れたりする可能性があった。
【0004】
そこで、例えば、特開2000−125584号公報には、ブラシレスモータを駆動するために、複数のスイッチング素子が3相ブリッジ接続されてなるインバータ回路を用い、ブラシレスモータの起動前にインバータ回路の正電圧側及び負電圧側のいずれか一方の1つの相のスイッチング素子をPWM通電すると共に、いずれか他方の残りの2つの相のスイッチング素子をPWM通電してロータを制動、停止、位置決めすることが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ブラシレスモータのロータ磁極を形成する永久磁石には、フェライト磁石と希土類磁石とがあり、このうち、希土類磁石は高価であるため、空気調和機のファン用モータとしてはフェライト磁石が多く使用される。一般に、フェライト磁石は低温の温度特性が悪く、低温時にステータに大きな電流を流すと減磁しやすく、特に、室外ファン用においては冬季に低外気温(0℃以下)で起動させることを余儀なくされ、このような状態で通常の起動制御を実行すると減磁を生じることがあり得る。
【0006】
特開2000−125584号公報に記載されたものは、インバータ回路の正電圧側及び負電圧側のいずれか一方の1つの相のスイッチング素子をPWM通電すると共に、いずれか他方の残りの2つの相のスイッチング素子をPWM通電してロータに制動を加える際、PWM通電のデューティ比は固定であった。このPWM通電のデューティ比は、通常の温度において制限電流に治まる値に設定されているが、上述したような低温状態において常温時と同じデューティ比でPWM通電した場合、ステータの巻線抵抗が低くなっているために電流が大きくなり、フェライト磁石の低温の温度特性が悪いことと相俟って、減磁が生じ易いという問題があった。
【0007】
本発明は上記の事情を考慮してなされたもので、その目的は雰囲気温度が低い場合にファンが外的な要因によって回転している場合でも、制動、停止に伴う減磁を未然に防止することのできる空気調和機のファン用ブラシレスモータの駆動装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、圧縮機、四方弁、室内熱交換器、室外熱交換器が接続された冷凍サイクルと、この室外熱交換器に送風する室外ファンと、複数のスイッチング素子が3相ブリッジ接続され、前記室外ファンを駆動するブラシレスモータのステータ巻線に電流を供給するインバータ回路と、前記ブラシレスモータのロータの磁極位置を検出するホール素子と、空気調和機の運転開始時の前記ブラシレスモータの起動前に、前記ホール素子の出力信号に同期させて、前記インバータ回路の正電圧側及び負電圧側のいずれか一方の1つの相のスイッチング素子といずれか他方の残りの2つの相のスイッチング素子とを通電すると共に、正電圧側及び負電圧側の少なくとも一方をPWM通電してロータを制動、停止させる制御手段とを備える空気調和機のファン用ブラシレスモータの駆動装置において、
前記制御手段は、さらに、徐霜モード運転の終了時の前記ブラシレスモータの起動前においてもロータを制動、停止させると共に、その際、空気調和機の運転開始時の前記ブラシレスモータの起動前の制動と比較して、徐霜モード運転の終了時のPWM通電のデューティ比を小さくすることを特徴とする空気調和機のファン用ブラシレスモータの駆動装置として構成される。
【0014】
ここで、室外熱交換器35の熱交換を促進するために室外ファンモータ1によって駆動される室外ファン1Fが設けられている。室外ファンモータ1はフェライト磁石で磁極が形成されたロータを有するブラシレスモータが使用され、このロータの磁極位置を検出するためにホールIC2が内部に装着されている。また、室外ファンモータ1のステータ巻線に3相電力を供給するインバータ回路3を備え、このインバータ回路3は単相の交流電源11の交流を直流に変換し、さらに、直流をPWM波形でなる疑似3相交流に変換して室外ファンモータ1に供給する。また、変流器5Aを付帯し、室外ファンモータ1の電流を検出する電流検出回路5、室外熱交換器35の温度を検出する温度センサS1及び外気温を検出する温度センサS2の各出力信号に基づいて、インバータ回路3、四方弁32及び膨張弁34を制御する室外制御装置10が設けられている。
【0015】
一方、室内熱交換器33の熱交換を促進するために室内ファンモータ6によって駆動される、室内ファン6Fが設けられている。この室内ファンモータ6もフェライト磁石で磁極が形成されたロータを有するブラシレスモータが使用され、その速度を制御するためのインバータ回路7を備えている。この場合、図面の簡易化のために、室内ファンモータ6の磁極位置を検出するホールICは省略している。インバータ回路7は単相の交流電源11の交流を直流に変換し、さらに、直流をPWM波形でなる疑似3相交流に変換して室内ファンモータ6に供給する。また、室内熱交換器33の温度を検出する温度センサS3、室内温度を検出する温度センサS4の各検出値に基づいて、室内制御装置20がインバータ回路7を制御するようになっている。なお、室外制御装置10と室内制御装置20とは相互に情報を交換する信号線によって接続されている。
【0016】
次に、図1に示した空気調和機の動作について説明する。図示を省略したリモコン装置から運転モード及び室温等の設定信号が室内制御装置20に送信される。このとき、運転モードが暖房であると室外制御装置10が四方弁32に通電して矢印A方向に冷媒を循環させる経路を形成する。これによって、室内熱交換器33が凝縮器として、室外熱交換器35が蒸発器としてそれぞれ機能する暖房運転が可能になる。また、室内制御装置20がインバータ回路7を制御する一方、室外制御装置10がインバータ回路3を制御して、それぞれ室外ファンモータ1及び室内ファンモータ6にPWM電流を供給する。この場合、室外制御装置10が室外ファンモータ1を回転させるのに先立ち、室外ファン1Fが回転中であれば、ホールIC2の出力信号に基づいて室外ファンモータ1の制動、停止、位置決めの制御を行う。この制動、停止の制御の詳細については後述する。なお、位置決めについては、特開2000−125584号公報に記載されているのでその説明を省略する。
【0017】
一方、室内制御装置20はリモコン装置で設定された室温と温度センサS4で検出された室温との差に応じて圧縮機31の回転数を演算し、その演算結果を室外制御装置10に送信する。室外制御装置10はこの回転数に従って圧縮機31の回転数を制御すると共に、室外ファンモータ1の回転数を制御する。また、室外制御装置10は温度センサS1によって検出される室外熱交換器35の温度等に応じて膨張弁34の開度を制御する一方、四方弁32の通電を遮断して徐霜モードで運転したりする。なお、室内制御装置20が温度センサS3の温度検出信号に基づいて室内熱交換器33の過熱防止の制御等を行うが、これらの制御は各種提案されて公知であるのでそれらの説明を省略する。
【0018】
図2は本発明に係る空気調和機のファン用ブラシレスモータの駆動装置の第1の実施形態の構成を示す回路図である。同図において、室外ファンモータ(以下、図面を含めてブラシレスモータと略記する)1のU相、V相、W相の各ステータ巻線が星型結線され、さらに、ステータにはホールIC2が設けられている。このうち、ステータ巻線U,V,Wの外部接続導線はインバータ回路3に接続され、ホールIC2の電流供給及び検出信号導線は制御装置10に接続されている。
【0019】
インバータ回路3はスイッチング素子としてFET(Field Effect Transistor )でなるトランジスタFu,Fv,Fw,Fx,Fy,Fzが3相ブリッジ接続されている。すなわち、トランジスタFu及びFxの直列接続回路と、トランジスタFv及びFyの直列接続回路と、トランジスタFw及びFzの直列接続回路とが並列接続され、その一端がスイッチ4を介して図示省略の直流電源(DC280V)の正極に接続され、他端が直流電源の負極に接続されている。これらのトランジスタFu,Fv,Fw,Fx,Fy,Fzには環流用のダイオードDu,Dv,Dw,Dx,Dy,Dzがそれぞれ逆並列に接続されている。
【0020】
また、トランジスタFu,Fv,Fw,Fx,Fy,Fzの各ゲートには、ホトカプラでなる駆動回路B,B,B,B,B,Bが接続されている。
【0021】
これらの駆動回路の動作電力を供給するために、1次側が単相の交流電源11に接続されたトランス12と、このトランス12の2次側に直列接続されたダイオードD01及び平滑用のコンデンサC01とでなる半波整流回路を備えている。そして、コンデンサC01の正極が直流電源の負電圧側の駆動回路B,B,Bの一端にそれぞれ接続され、コンデンサC01の負極が駆動回路B,B,Bの他端にそれぞれ接続されると共に、トランジスタFx,Fy,Fzの各ソース(負電圧側)に接続されている。また、直流電源の正電圧側の駆動回路B,B,Bにはそれぞれ駆動電力を蓄えるコンデンサC02,C03,C04が並列接続され、その正極は逆流防止用のダイオードD02,D03,D04を介して、電流制限用の抵抗Rの一端に接続されている。この抵抗Rの他端は半波整流回路を構成するコンデンサC01の正極に接続されている。また、コンデンサC02,C03,C04の負極はトランジスタFu,Fv,Fwの各ソースに接続されている。
【0022】
一方、トランジスタFu及びFx、Fv及びFy、Fw及びFzの相互接続点にそれぞれブラシレスモータ1のステータ巻線U,V,Wの各外部接続導線が接続されている。また、ブラシレスモータ1に設けられたホールIC2の信号出力導線が制御装置10を構成するMCU(マイクロコンピュータユニット)100に接続され、このMCU100から出力される制御信号G,G,G,G,G,Gをそれぞれ駆動回路B,B,B,B,B,Bに加えるように構成されている。さらに、インバータ回路3の直流電流経路に変流器5Aが設けられ、電流検出回路5が電流検出信号を室外制御装置10に加える構成になっている。
【0023】
上記のように構成された本実施形態の動作について以下に説明する。
トランジスタFu,Fv,Fw,Fx,Fy,Fzが3相ブリッジ接続されたインバータ回路3の直流入力端子間に図示省略の直流電源のDC280Vの電圧が印加される。ここで、トランジスタFu,Fv,Fwをインバータ回路の正電圧側のスイッチング素子と称し、トランジスタFx,Fy,Fzをインバータ回路の負電圧側のスイッチング素子と称することとする。交流電源11はAC100Vで、トランス12はこの電圧を例えばAC5Vに降圧する。降圧された交流はダイオードD01及びコンデンサC01でなる半波整流回路によって整流平滑され、得られた直流電圧が負電圧側のスイッチング素子としてのトランジスタFx,Fy,Fzをそれぞれ駆動する駆動回路B,B,Bの両端に印加される。
【0024】
一方、正電圧側のスイッチング素子としてのトランジスタFu,Fv,Fwを駆動する駆動回路B,B,Bにそれぞれ並列接続されたコンデンサC02,C03,C04は負電圧側のスイッチング素子がオン状態になったとき、抵抗Rを介して、コンデンサC01の両端電圧によって順次に充電(チャージアップ)される。インバータ回路3の起動前であれば、トランジスタFx,Fy,Fzを一斉にオン状態にすることによって、コンデンサC02,C03,C04は全て充電される。これによってトランジスタFu,Fv,Fw,Fx,Fy,Fzの駆動回路B,B,B,B,B,Bの動作が可能になる。これらの駆動回路に並列接続されたコンデンサの充電回路はチャージポンプ方式として知られ、例えば、特開平9−37587号公報に記載されているのでその詳しい動作説明を省略するが、少なくとも通常運転時には各スイッチング素子に対する通電パターンによってコンデンサC02,C03,C04は充電される。
【0025】
次に、空気調和機の起動前に、風によって回転していた室外ファンは、これを一旦停止させ、位置決めをする必要がある。そのために、ブラシレスモータ1に制動、停止動作をさせる必要がある。
【0026】
この場合、MCU100が制御信号G,G,G,G,G,Gをそれぞれ駆動回路B,B,B,B,B,Bに加えることによって、図3に示すように、例えば、正電圧側のU相のトランジスタFu及びW相のトランジスタFw、負電圧側のトランジスタFyの全てをPWM通電するか、あるいは、正電圧側及び負電圧側のいずれか一方を連続通電し、他方をPWM通電してPWM電流をステータ巻線U,V,Wに流し、所定の方向の磁界を発生させてロータを停止させる。本明細書ではこれを直流励磁通電パターンによる制動と称する。この直流励磁通電パターンによる制動はPWM電流を流すため、駆動回路及びモータに過度の負担をかけることなく、しかも、永久磁石の減磁を抑える効果がある。
【0027】
ところで、ブラシレスモータ1のロータにフェライト磁石を用いた場合、フェライト磁石は低温の温度特性が悪く、低温時にステータに大きな電流を流すと減磁しやすい。本実施形態は、ブラシレスモータ1の雰囲気温度が、例えば、0℃を超えるときPWM通電のデューティ比を大きくして迅速に制動、停止させ、0℃以下の低温時には、PWM通電のデューティ比を小さくして、フェライト磁石の減磁を防止しながら制動、停止させるようにしている。
【0028】
図4はこのことを説明するために、雰囲気温度をパラメータとして、PWM通電のデューティ比と、ステータ巻線に流れる電流、すなわち、モータ電流との関係を示した線図である。ここで、ブラシレスモータ1の雰囲気温度が0℃よりも高い、例えば、5℃においては特性線Pに示すようにPWM通電のデューティ比の増大に応じてモータ電流は直線的に増大する。これに対して、ブラシレスモータ1の雰囲気温度が0℃よりも低い、例えば、−3℃においては巻線抵抗の減少に応じてモータ電流が増大するため、特性線Qに示すようにPWM通電のデューティ比の増大に応じて直線的に増大し、恰も、特性線Pを左側に平行移動したような特性を有する。つまり、PWM通電のデューティ比を小さくしても同じ大きさの電流が流れる。このことから明らかなように、ブラシレスモータ1の雰囲気温度が−3℃であるときに、雰囲気温度が5℃である場合と同様なデューティ比でPWM通電をすると過大な電流が流れてフェライト磁石を減磁させる虞れがある。
【0029】
そこで、本実施形態では、ブラシレスモータ1の雰囲気温度Tが0℃を超えるとき、電流制限値ILA以下の電流IAに抑えるようにPWM通電のデューティ比をD1に設定し、ブラシレスモータ1の雰囲気温度Tが0℃よりも低いとき、電流制限値ILB(<ILA)以下の電流IBに抑えるようにPWM通電のデューティ比をD2(<D1)に設定する。
【0030】
図5は上述した直流励磁通電の関係を示す波形図であり、図中(a)は雰囲気温度Tが0℃を超える場合に、正電圧側のU相のトランジスタFu及びW相のトランジスタFwをPWM通電し、負電圧側のV相のトランジスタFyを連続通電する制動、停止制御を期間Pに亘って実施する場合に、デューティ比D1=W1/Qで直流励磁通電することを示し、これに対して図中(b)は雰囲気温度Tが0℃よりも低下した場合に、正電圧側のU相のトランジスタFu及びW相のトランジスタFwをPWM通電し、負電圧側のV相のトランジスタFyを連続通電する制動、停止制御を期間Pに亘って実施する場合に、デューティ比D2=W2/Qで直流励磁通電することを示している。ここで、W1>W2の関係にあり、従って、D1>D2の関係を以て、雰囲気温度が0℃を超える範囲で許容電流ILA以下の電流IAを流すデューティ比D1でのPWM通電が行われ、雰囲気温度が0℃よりも低い範囲で許容電流ILB以下の電流IBに抑えるデューティ比D2でのPWM通電が行われる。
【0031】
かくして、第1の実施形態によれば、雰囲気温度が低い場合にファンが外的な要因によって回転している場合でも、制動、停止に伴う減磁を未然に防止することができる。
【0032】
なお、上記実施形態は起動時にブラシレスモータ1の雰囲気温度Tが0℃よりも低い場合にPWM通電のデューティ比を小さくしたが、暖房モード運転中になされる除霜モード運転を終了した直後の雰囲気温度は0℃以下と考えられる。従って、この時点においても室外ファン1Fが回転していた場合には、PWM通電のデューティ比を小さくした直流励磁通電をする必要がある。
【0033】
図6は起動時及び除霜復帰時を含めた制動、停止制御に対応するMCU100の具体的な処理手順を示すフローチャートである。ここでは、先ず、ステップ111にて運転が開始されたか否かを判定し、運転開始と判断した場合にはステップ112で雰囲気温度Tが0℃を超えているか否かを判定し、0℃を超えているときはステップ113にてPWM通電のデューティ比をD1に設定し、ステップ114で制動、停止制御を含む起動制御を実行してステップ111以下の処理を繰り返す。なお、ステップ111で運転開始ではないと判定されたときは、ステップ115にて除霜運転の終了、すなわち、除霜復帰か否かを判定し、除霜復帰であればステップ116にてPWM通電のデューティ比をD2に設定し、ステップ114で制動、停止制御を含む起動制御を実行する。また、ステップ112で雰囲気温度Tが0℃を超えていないと判定した場合もまた、ステップ116にてPWM通電のデューティ比をD2に設定し、ステップ114で制動、停止制御を含む起動制御を実行する。なお、ステップ115で除霜復帰でないと判定した場合にはステップ117にてその他の通常制御を実行してステップ111の処理に戻る。
【0034】
図6に示したMCU100の処理によって、起動時の雰囲気温度が0℃を超える場合にPWM通電のデューティ比をD1とした直流励磁が行われ、起動時の雰囲気温度が0℃以下の場合及び除霜復帰時にPWM通電のデューティ比をD2(<D2)とした直流励磁が行われ、これによって、制動、停止に伴う減磁を未然に防止することができる。
【0035】
なお、第1の実施の形態では雰囲気温度Tが0℃を超えるか否かによりデューティ比をD1にするかD2にするかを決定したが、これらのデューティ比は電流の許容値以下に余裕を持って設定した固定値であった。つまり、雰囲気温度がかなり下がった場合にも過電流にならないことを保証する値であった。このため、制動、停止の制御が長引く傾向にある。この制動、停止の制御時間を短縮する1つの手法として、図4中の電流の許容値ILA又はILBに近づけたデューティ比に設定することが考えられる。
【0036】
図7はこのような考えに基づく第2の実施形態として、MCU100にその機能を持たせたフローチャートである。この場合、先ず、ステップ121にて運転が開始されたか否かを判定し、運転開始と判断した場合にはステップ122で雰囲気温度Tが0℃を超えているか否かを判定し、0℃を超えているときはステップ123にて電流制限値IsをI1(大)に設定する。一方、ステップ121で運転開始ではないと判定したときは、ステップ124にて除霜運転の終了、すなわち、除霜復帰か否かを判定し、除霜復帰であればステップ125にて電流制限値IsをI2(小)に設定する。ステップ122で雰囲気温度Tが0℃を超えていないと判定した場合もまた、ステップ125にて電流制限値IsをI2(小)に設定する。
【0037】
次に、ステップ127では2つの電流制限値よりも値の小さい電流に対応するデューティ比dに設定して制動、停止制御を実行し、ステップ128にてそのときの電流Iを検出する。次いで、ステップ129では電流検出値Iがそれぞれの雰囲気温度に対応する電制限値Isを超えるか否かを判定する。ここで、電流検出値Iが電流制限値Isを超えていない場合にはステップ130にて、PWM通電のデューティ比をΔdだけ増加し、反対に、電流検出値Iが電流制限値Isを超えている場合にはステップ131にて、PWM通電のデューティ比をΔdだけ減少してそれぞれ制動、停止制御を実行する。次に、ステップ132でファンが停止したか否か、すなわち、制動、停止制御を終了したか否かを判定し、終了しておればステップ133にて起動制御を開始し、終了していなければステップ128以降の処理を繰り返す。なお、ステップ124で除霜復帰でないと判定した場合にはステップ126にてその他の通常制御を実行してステップ121の処理に戻る。
【0038】
かくして、図7にMCU100の処理手順を示した第2の実施形態によっても、第1の実施形態と同様に、雰囲気温度が低い場合にファンが外的な要因によって回転している場合でも、制動、停止に伴う減磁を未然に防止することができ、しかも雰囲気温度に対応して許容電流に最も近い電流での直流励磁通電が行われるため、制動、停止制御の時間を短縮することができる。
【0039】
ところで、第2の実施の形態においては、雰囲気温度が0℃を超えているか否かにより、電流制限値Isを2種類に設定したが、雰囲気温度に関係なく、電流制限値Isを設定し、常に、この電流制限値Isより僅かに低い電流を流して直流励磁通電することも可能である。
【0040】
なお、上記の各実施形態では雰囲気温度が0℃を超えるか否かというように、雰囲気温度の変動範囲を2つに区分けしたが、この変動範囲をさらに多くに区分けして、雰囲気温度が低くなるに従ってPWM通電のデューティ比を小さくすることにより、制動、停止制御の時間を最短にすることができる。
【0041】
また、上記の各実施形態では有風時にファンが回転する室外ファンモータを制御対象としたが、一般家庭用のものより容量の大きい空気調和機にあっては、起動時に室内ファンモータが回転している場合がある。この室内ファンモータがブラシレスモータである場合には、図6又は図7に示した処理を実行することによって上述したと同様な制動、停止制御ができる。なお、室内ファンモータの制御に当たっては、図6のステップ115及び図7のステップ124に示した除霜復帰の判定処理は不要になる。
【0042】
さらにまた、上記の各実施形態では、3相ブリッジ接続されたインバータ回路3のうち、正電圧側のU相のトランジスタFu及びW相のトランジスタFwをPWM通電すると共に、負電圧側のV相のトランジスタFyを連続通電して直流励磁を実行したが、これらのトランジスタの全てをPWM通電しても、あるいは、U相のトランジスタFu及びW相のトランジスタFwを連続通電すると共に、V相のトランジスタFyをPWM通電しても上述したと同様な直流励磁をすることが可能である。また、通電相の組み合わせを変えて上述したと同様な直流励磁をすることも可能である。
【0043】
また、上記の各実施形態では、制動、停止の対象とするファンの雰囲気温度を検出する温度センサS2を設けたが、制動、停止対象のブラシレスモータが室外ファン用であるとき、室外熱交換器の温度センサを代用し、制動、停止対象のブラシレスモータが室内ファン用であるとき、室内熱交換器の温度センサを代用することもできる。
【0044】
【発明の効果】
以上の説明によって明らかなように、本発明によれば、雰囲気温度が低い場合にファンが外的な要因によって回転している場合でも、制動、停止に伴う減磁を未然に防止することのできる空気調和機のファン用ブラシレスモータの駆動装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する空気調和機の制御部の概略構成を、冷凍サイクル系統と併せて示したブロック回路図。
【図2】本発明に係る空気調和機のファン用ブラシレスモータの駆動装置の第1の実施形態の構成を示す回路図。
【図3】本発明の第1の実施形態の動作を説明するための、直流励磁通電パターンの説明図。
【図4】本発明の第1の実施形態の動作を説明するために、雰囲気温度をパラメータとして、PWM通電のデューティ比とモータ電流との関係を示した線図
【図5】本発明の第1の実施形態の動作を説明するために、制動、停止制御の通電波形を示した図。
【図6】本発明の第1の実施形態を説明するために、MCUの具体的処理手順を示したフローチャート。
【図7】本発明の第2の実施形態を説明するために、MCUの具体的処理手順を示したフローチャート。
【符号の説明】
1 室外ファンモータ(ブラシレスモータ)
2 ホールIC
3,7 インバータ回路
4 スイッチ
5 電流検出回路
6 室内ファンモータ
10 室外制御装置
11 交流電源
12 トランス
31 圧縮機
32 四方弁
33 室内熱交換器
34 膨張弁
35 室外熱交換器
100 MCU
Fu,Fv,Fw,Fx,Fy,Fz トランジスタ(FET)
〜B 駆動回路
01〜C04 コンデンサ

Claims (1)

  1. 圧縮機、四方弁、室内熱交換器、室外熱交換器が接続された冷凍サイクルと、この室外熱交換器に送風する室外ファンと、複数のスイッチング素子が3相ブリッジ接続され、前記室外ファンを駆動するブラシレスモータのステータ巻線に電流を供給するインバータ回路と、前記ブラシレスモータのロータの磁極位置を検出するホール素子と、空気調和機の運転開始時の前記ブラシレスモータの起動前に、前記ホール素子の出力信号に同期させて、前記インバータ回路の正電圧側及び負電圧側のいずれか一方の1つの相のスイッチング素子といずれか他方の残りの2つの相のスイッチング素子とを通電すると共に、正電圧側及び負電圧側の少なくとも一方をPWM通電してロータを制動、停止させる制御手段とを備える空気調和機のファン用ブラシレスモータの駆動装置において、
    前記制御手段は、さらに、徐霜モード運転の終了時の前記ブラシレスモータの起動前においてもロータを制動、停止させると共に、その際、空気調和機の運転開始時の前記ブラシレスモータの起動前の制動と比較して、徐霜モード運転の終了時のPWM通電のデューティ比を小さくすることを特徴とする空気調和機のファン用ブラシレスモータの駆動装置。
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