以下、本発明が適用された記録媒体について、図面を参照しながら説明する。
以下に説明する実施例は、例えばコンパクト・ディスク−ディジタル・オーディオ(Compact Disc−Digital Audio、以下CD−DAという。)、CD−G(Graphic)、ビデオCD等からオーディオ・データやビデオ・データを再生する再生装置に、本発明を適用したものであり、ビデオCDについては所謂プレイバック・コントロール(Playback control、以下、PBCともいう。)機能を備えたものである。
説明は以下の順序で行うものとする。
I.ビデオCDのデータ構造
1.データ形態
a.ビデオ・データ
b.オーディオ・データ
c.管理データ
2.トラック構造
3.セクタ構造
4.ディスク上の配置
5.TOC及びサブコード
6.ディレクトリ構造
7.ビデオCDデータ・トラック
a.基本ボリューム記述子(PVD)
b.ビデオCDインフォメーション
b1.ディスク・インフォメーション
b2.エントリ・テーブル
b3.リストIDオフセット・テーブル
b4.プレイ・シーケンス・ディスクリプタ(PSD)
* プレイ・リスト
* セレクション・リスト
* エンド・リスト
c.セグメント・プレイ・アイテム
II.プレイバック・コントロール
1.リスト構造
2.具体例
III.再生装置の具体的な構成
1.外観
2.具体的な回路構成
IV.PBC動作時のランダム再生動作
I.ビデオCDのデータ構造
1.データ形態
ビデオCDの規格は、高能率符号化技術として標準化されたMPEG(Moving Picture Experts Group)方式を用いて符号化されたビデオ・データやオーディオ・データを60分以上、所謂CD−ROMフォーマットで光ディスクに記録し、記録されたオーディオ・データ、ビデオ・データを光ディスクから再生して、動画像のビデオ信号及びオーディオ信号を出力することができるようにしたものである。これにより、ビデオCD規格の光ディスクは、音楽、映画、カラオケ等の家庭用ソフトウェアとして有用なものとなると共に、さらに、静止画も組み合わせて教育ソフトウェア、電子出版ソフトウェア、ゲーム・ソフトウェア等にも対応可能なものとなる。
このビデオCD規格では、動画像データについてはMPEG方式によってデータ圧縮を行い、オーディオ・データに対しても、通常のCD−ROMフォーマットにおける1.4Mbpsの約1/6(224kbps)の圧縮率の符号化を施して、光ディスクにオーディオ・データとビデオ・データを時分割多重記録するようになっている。さらに、所定の領域には再生に必要な管理データが記録されている。
a.ビデオ・データ
図1にビデオCDにおけるCD−ROM XAフォーマットを示す。
ビデオ・データとオーディオ・データの記録フォーマットとしては、図1に示すように、ビデオ・データに1.152Mビット/秒が割り当てられ、オーディオ・データに64k〜384kビット/秒が割り当てられている。ビデオ・データ(動画)の画素数は、例えば図2に示すように、NTSC(National Television System Committee)方式のビデオ信号(29.97Hz)及びフィルム(23.976Hz)の場合は352×240画素であり、PAL(Phase Alternation by Line System)方式のビデオ信号(25Hz)の場合は352×288画素である。
一方、静止画の画素数は、NTSC方式の場合、標準レベルで352×240画素、高精細レベルで704×480画素であり、PAL方式の場合は、標準レベルで352×288画素、高精細レベルで704×576画素である。
MPEG方式に準拠したビデオ・データ(動画像データ)の圧縮符号化は、以下のように行われる。圧縮前のビデオ信号をNTSC方式とすると、このビデオ信号は、30フレーム/秒(あるいは60フィールド/秒)のビデオ信号より構成される。
MPEG方式では、例えば1フレーム(以下、ピクチャという)のビデオ・データを、横方向に22ブロック、縦方向に15ブロックの合計330ブロックに分割して、各ブロックのビデオ・データをDCT変換(Discrete Cosine Transfer)し、さらにビット数を減らすために、DCT係数の高域成分を0にする再量子化を行う。そして、各ブロックのDCT係数を画面左上となるDCT係数からジグザグとなるように並び替えた後、ランレングス・コーディング(Run Length Coding)を行ってさらにビット数の圧縮を行うようにしている。
このように圧縮処理されるビデオ信号の各ピクチャにおいて、あるピクチャに対して時間的に前後するピクチャでは、それらの映像情報は、非常に相関性があり、MPEG方式では、この相関性を利用して、さらに情報量の圧縮が行われる。MPEG方式では、圧縮度の異なる3種類のピクチャが設けられている。これらのピクチャは、Iピクチャ(Intra-coded Picture)、Pピクチャ(Predictive-coded Picture)、Bピクチヤ(Bidirectionally predictive-coded Picture)と呼ばれる。
そして、1秒間に存在する30枚のフレーム(ピクチャ)は、一般的に、例えば図3Aに示すように、Iピクチヤ、Pピクチヤ、Bピクチャとして配置される。具体的には、15フレーム間隔でIピクチャI1、I2が配置され、また、8枚のPピクチャP1〜P8及び20枚のBピクチャB1〜B20がそれぞれ配置される。あるIピクチャから次のIピクチャの前のピクチャに至る区間は、GOP(Group of Picture)と呼ばれる。
Iピクチャの画像データは、そのピクチャ内の画素データを、上述したようにDCT変換により符号化して生成される。
Pピクチャの画像データは、最も近いIピクチャ又はPピクチャに基づいて動き補償予測符号化されて生成される。例えば図3Bに示すように、PピクチャP1の画像データはIピクチャI1に基づいて、また、PピクチャP2の画像データはPピクチャP1に基づいて生成される。このため、Pピクチャは、Iピクチャよりも更に圧縮されたものとなる。なお、Pピクチャは順次前のIピクチャ又はPピクチャに基づいて成されるため、基礎となる前のピクチャにエラーが生ずると、そのエラーは伝搬してしまうことになる。
Bピクチャの画像データは、過去及び未来の両方のIピクチャ又はPピクチャに基づいて動き補償予測符号化されて生成される。例えば図3Cに示すように、BピクチャB1、B2の画像データは、IピクチャI1とPピクチャP1に基づいて生成され、BピクチャB3、B4の画像データは、PピクチャP1とPピクチャP2に基づいて生成される。Bピクチャは、上述した3種類のピクチャの中で最も圧縮された画像データとなる。また、他のピクチャのリファレンスとはならないため、エラーが伝搬されることはない。
MPEGのアルゴリズムでは、Iピクチャの位置やその周期を製作者側で任意に選択することが許されており、この選択はランダム・アクセスやシーン・カット等の事情から決定される。例えばランダム・アクセスを重視すれば、上述の図3Aに示すように、少なくとも1秒間に2枚のIピクチャが必要となる。
さらに、Pピクチャ、Bピクチャの頻度も任意に選択可能であり、これはビデオ・データをMPEG方式に準拠して符号化するエンコーダのメモリ容量等に応じて設定されるものである。
また、MPEG方式におけるエンコーダは、デコーダにおいて復号化の効率が良くなるように画像データのビット・ストリームを再配置して出力するようにしている。例えば、表示すべきフレーム順序(デコーダ出力順序)は、上述した図3Aの下部に示すように、フレーム番号どおりであるが、デコーダがBピクチャを再合成するためには、Bピクチャの復号化の時点でリフアレンスとなる時間的に後のPピクチャが必要となる。このためエンコーダ側では、例えば図3Dに示すフレーム順序を、例えば図3Eに示すように、PピクチャP1をBピクチャB1の前に並べ換えて、画像データのビット・ストリームとして伝送するようにしている。
b.オーディオ・データ
MPEGのオーディオ・データのフォーマットは、32k〜448kbit/秒までの広範囲な符号化速度に対応している。ただし、ソフトウェアの簡易制作と高音質化を鑑みて、トラック#2以降の動画像のトラックについては、224kbit/秒としている。また、標本化周波数は、CD−DAと同様に44.1kHzである。
c.管理データ
ビデオCDには、ビデオ・データ、オーディオ・データ等のプログラムの他に、これらの再生動作の各種コントロールを行う管理データが記録される。
すなわち、CD−DAと同様にTOC(Table of Contents)及びサブコードが記録されて、トラック(プログラム)数、各トラックの開始位置を示す絶対時間等が示されている。
さらに、ビデオCDでは、後述するように、トラック#1がビデオCDデータ・トラックとして用いられ、各種管理情報が記録される。後述するプレイバック・コントロール動作も、ビデオCDデータ・トラック内のデータを用いて実現される。これらの管理データについては、それぞれ後に詳述する。
2.トラック構造
例えば1曲の音楽、1本の映画等のプログラム単位のビデオ・データ及びオーディオ・データが記録されるトラックのデータ構造を、図4に示す。
CD−DAのようにトラック・ナンバで検索することを想定し、トラックの先頭には150セクタのポーズ・マージンが設けられている。さらに、ポーズ・マージンに続く15セクタはフロント・マージンとされ、また、トラックの最後の15セクタはリア・マージンとされて、空データ領域とされている。
フロント・マージンとリア・マージンの間が、MPEG方式に準拠した符号則によって符号化されたデータが記録されるMPEGデータ領域とされる。このMPEGデータ領域には、上述の図4に示すように、ビデオ・データが記録されたセクタVとオーディオ・データが記録されたセクタAが、平均して6:1の比率で配置される。すなわち、インターリーブされたビデオ・データ及びオーディオ・データが時分割的に多重化されて記録される。
3.セクタ構造
トラック内における1つのデータ単位となるセクタの構造を図5に示す。
図5Aは、セクタの基本構成を示す図である。1セクタは、パック・ヘッダとパケット・データからなるパックにより形成される。
具体的には、セクタの先頭には、12バイトのパック・ヘッダが設けられ、残りの2312バイトが1パケットとされる。
パック・ヘッダには、4バイトのパック・スタート・コードが配され、続いて、5バイトのシステム・クロック・リファレンス(System Clock Reference、以下、SCRという。)が設けられ、最後に3バイトのMUXレートが設けられる。
システム・クロック・リファレンス(SCR)は、一種の絶対時間を意味するコードであり、このSCRを基準として後述する画像出力開始時刻(Presentation Time Stamp、以下PTSという。)が決められる。
SCRは、SCR(i)=C+i*1200で表される。ここで、iはビデオ・データ・ストリーム内でのセクタのインデックス・ナンバであり、これは先頭のフロント・マージン部分では0とされている。Cは定数で常に0である。また、1200は、75Hzセクタで90kHzのシステム・クロックを刻んだときの値(90000/75=1200)である。
なお、このパック・ヘッダは、ビデオ・データの全てのセクタVにおいて設けられている。
1パックで構成されるセクタには、このようなパック・ヘッダが設けられるが、セクタがビデオ・データを記録するセクタVの場合、パック・ヘッダに続く2312バイトのパケットは、例えば図5Bに示すように構成される。
すなわち、パック・ヘッダに続いて、18バイトのパケット・ヘッダが設けられている。このパケット・ヘッダの先頭の3バイトは、パケット・スタート・コードとされる。そして、1バイトのID、2バイトのパケット長、2バイトのSTD(System Target Decoder)、5バイトのPTS、5バイトのDTS(Decoding Time Stamp)が記録される。画像出力開始時刻であるPTSは、ビデオ・データがオーディオ・データと同期をとるようにセットされる。また、DTSはデコード開始時刻を示すものである。 このパケット・ヘッダに続く2294バイトがビデオ・パケットとされ、実際のビデオ・データが記録される。すなわち、上述したIピクチャ、Pピクチャ、Bピクチャのビデオ・データ・ストリームが記録される。
なお、ビデオ・セクタVが連続している区間においては、最初のビデオ・セクタVでは、ビデオ・パケットは上述のように2294バイトとされるが、以降の連続するビデオ・セクタVでは、パケット・ヘッダにおけるSTDを省略でき、ビデオ・パケットは2296バイトに拡張される。
セクタがオーディオ・データを記録するセクタAとされる場合は、パック・ヘッダに続く2312バイトのパケットは、例えば図5Cに示すように構成される。
すなわち、ビデオ・セクタVと同様に、パック・ヘッダに続いて、パケット・ヘッダが設けられるが、このパケット・ヘッダは、3バイトのパケット・スタート・コード、1バイトのID、2バイトのパケット長、2バイトのSTD、5バイトのPTSの合計13バイトで構成される。
そして、オーディオ・パケットとして2279バイトが割り当てられ、このオーディオ・パケットに圧縮されたオーディオ・データが記録される。このオーディオ・パケットの後ろに20バイトの空きエリアを付加して2324バイトの1パック(1セクタ)が構成される。
セクタは、このように構成されており、このなかで同期のための時間情報はSCR、DTS、PTSである。すなわち、1つのトラックには、上述の図4に示すように、ビデオ・セクタVとオーディオ・セクタAが時系列的に並ぶため、ビデオ・データとオーディオ・データの同期をとる必要があるが、この同期処理のためにSCR、DTS、PTSが用いられる。
すなわち、SCRを基準クロックとして、各セクタにおいてDTSによりビデオ・パケット又はオーディオ・パケットのデコードを開始する時刻が示される。さらに、PTSで出力(画像表示又は音声出力)を行う時刻が示される。
このようにビデオ・セクタVのビデオ・データとオーディオ・セクタAのオーディオ・データは、これらの時間情報により互いに同期がとれる。
4.ディスク上の配置
CD−DA及びビデオCDのディスク上のデータ構造を図6に示す。
CD−DAでは、例えば図6Aに示すように、光ディスクの最内周側にリードイン・エリア(Lead-in Area)が設けられ、ここにTOCデータが記録されている。TOCデータとしては、各トラック(プログラム)の開始位置やトラック数、演奏時間等が記録されている。
リードイン・エリアに続くトラック#1〜#nにオーディオ・データが記録される。そして、最外周位置にリードアウト・エリア(Lead-out Area)が設けられている。各トラックには、サンプリング周波数が44.1kHzで、16ビット量子化されたオーディオ・データがサブコード・データと共に記録される。
一方、ビデオCDでは、例えば図6Bに示すように、CD−DAとほぼ同様に、光ディスクの最内周側にリードイン・エリアが設けられており、ここにTOCデータが記録されている。リードイン・エリアに続くトラック#1〜#nにビデオ・データが記録される。そして、最外周位置にリードアウト・エリアが設けられている。
ただし、ビデオCDの場合、トラック#1は、実際のビデオ・データ又はオーディオ・データの記録には用いられず、ビデオCDデータ・トラックとして使用されている。そして、トラック#2〜#nに実際のビデオ・データ、オーディオ・データが記録される。すなわち、トラック#2〜#nは、上述の図5で説明したようなビデオ・セクタV及びオーディオ・セクタAにより、上述した図4に示すように構成されている。
また、ビデオCDの場合、オーディオ・データのみが記録されたトラックを設けることもでき、その場合は、CD−DAと同様のサンプリング周波数が44.1kHzで、16ビット量子化されたオーディオ・データが記録される。
なお、CD−DA、ビデオCDのいずれも、トラック(プログラム)数は最大で99まである。したがって、CD−DAの場合、最大99曲、ビデオCDの場合、最大98シーケンスが記録できる。ここで、シーケンスとは、動画の連続した1つの区切りのことであり、例えばカラオケ等の画像が記録されていた場合、1曲(1トラック)が1シーケンスであり、また、映画の場合は、通常1枚の光ディスクが1シーケンスとなる。
トラック#1を用いたビデオCDデータ・トラックには、上述した図6Bの下段に示すように、基本ボリューム記述子(PVD)、カラオケ・ベーシック・インフォメーション・エリア、ビデオCDインフォメーション・エリア、セグメント・プレイ・アイテム・エリア、その他のファイル(CD−Iアプリケーション・プログラム等)・エリアが設けられている。これらの詳細については後述する。
5.TOC及びサブコード
ビデオCD及びCD−DAにおけるリードイン・エリアに記録されるTOC及びサブコードについて説明する。
ビデオCD及びCD−DAに記録されるデータの最小単位は1フレームである。98フレームで1ブロックが構成される。
1フレームは、図7に示すように、588ビットで構成され、先頭24ビットが同期データ、続く14ビットがサブコード・データ・エリアとされる。そして、その後にデータ及びパリティが配される。
この構成のフレームが98フレームで1ブロックが構成され、98個のフレームから取り出されたサブコード・データが集められて、例えば図8Aに示すように、1ブロックのサブコード・データが形成される。
ブロックの先頭の第1、第2のフレーム(フレーム98n+1、フレーム98n+2)のサブコード・データは、同期パターンとされている。そして、第3フレームから第98フレーム(フレーム98n+3〜98n+98)までのサブコード・データにより、各96ビットのPチャンネル、Qチャンネル、Rチャンネル、Sチャンネル、Tチャンネル、Uチャンネル、Vチャンネル、Wチャンネルのデータが形成される。
これらのチャンネルのうちのPチャンネルとQチャンネルのデータが、アクセス等の管理のためには用いられる。ただし、Pチャンネル・データは、トラックとトラックの間のポーズ部分を示しているのみで、より細かい制御はQチャンネル・データによって行われる。
具体的には、96ビットのQチャンネル・データ(ビットQ1〜Q96)は、例えば図8Bに示すように、構成される。
すなわち、ビットQ1〜Q4の4ビットは、コントロール・データとされ、オーディオのチャンネル数、エンファシス、CD−ROMの識別等に用いられる。
例えば、4ビットのコントロール・データは、次のように定義される。
”0***”・・・2チャンネル・オーディオ
”1***”・・・4チャンネル・オーディオ
”*0**”・・・CD−DA
”*1**”・・・CD−ROM
”**0*”・・・ディジタル・コピー不可
”**1*”・・・ディジタル・コピー可
”***0”・・・プリエンファシスなし
”***1”・・・プリエンファシスあり
ここで、”****”は2進数を表し、*は0、1の何れでもよいことを表す。
次に、ビットQ5〜Q8の4ビットは、アドレスとされ、このアドレスはサブQデータのコントロール・ビットとされている。
この4ビットのアドレス4が”0001”である場合は、続くビットQ9〜Q80のサブQデータは、オーディオQデータであることを示し、また”0100”である場合は、続くビットQ9〜Q80のサブQデータがビデオQデータであることを示している。
そして、ビットQ9〜Q80の72ビットはサブQデータとされ、残りのビットQ81〜Q96はCRCとされる。
リードイン・エリアにおいては、そこに記録されているサブQデータがTOC情報である。すなわち、リードイン・エリアに記録されているQチャンネル・データにおけるビットQ9〜Q80からなる72ビットのサブQデータは、例えば図9Aに示すように、トラック・ナンバ等の情報を示している。このサブQデータは、各々8ビットからなっている。
すなわち、リードイン・エリアには、まずトラック・ナンバが記録されている。リードイン・エリアでは、このトラック・ナンバは、’00’(’**’は、2進化10進数を表す。)に固定される。
トラック・ナンバに続いて、ポイント(POINT)が記録され、さらに、トラック内の経過時間として分(MIN)、秒(SEC)、フレーム番号(FRAME)が記録されている。
さらに、PMIN、PSEC、PFRAMEが記録されるが、これらのPMIN、PSEC、PFRAMEは、POINTの値によってその意味が決定される。
具体的には、POINTの値が’01’〜’99’のときは、その値はトラック・ナンバを意味し、この場合、PMIN、PSEC、PFRAMEは、そのトラック・ナンバを有するトラックのスタート・ポイントの絶対時間アドレスを示す分、秒、フレーム番号である。
POINTの値が’A0’のときは、PMINは、最初のトラックのトラック・ナンバを表す。また、PSECの値によってCD−DA、CD−I、CD−ROM(XA仕様)の区別がなされる。
POINTの値が’A1’のときは、PMINは、最後のトラックのトラック・ナンバを表す。
POINTの値が’A2’のときは、PMIN、PSEC、PFRAMEは、リードアウト・エリアのスタート・ポイントを絶対時間アドレスとして示す。
例えば6つのトラック(プログラム)が記録された光ディスクの場合、このようなサブQデータからなるTOCとしては、例えば図10のようなデータが記録されていることになる。
具体的には、トラック・ナンバTNOは、全て’00’である。
ブロックNOは、上述のように、98フレームからなるブロック・データとして読み込まれた1単位のサブQデータのナンバを示している。
各TOCデータは、それそれ3ブロックにわたって同一内容が記録されている。POINTの値が’01’〜’06’の場合、PMIN、PSEC、PFRAMEは、トラック#1〜#6の各スタート・ポイントを示している。
そして、POINTの値が’A0’の場合、PMINは、最初のトラック・ナンバとして’01’を示している。また、PSECは、上述したように、光ディスクの種類を識別する値であり、この光ディスクがCD−ROM(XA仕様)の場合は、図示するように、PSEC=’20’である。CD−DAの場合は’00’、CD−Iの場合は’10’である。
そして、POINTの値が’A1’に対応するPMINは、最後のトラックのトラック・ナンバであり、POINTの値が’A2’に対応するPMIN、PSEC、PFRAMEは、リードアウト・エリアのスタート・ポイントを示す。
ブロックn+27以降は、ブロックn〜n+26の内容が再び繰り返して記録されている。
トラック#1〜#n及びリードアウト・エリアにおいては、そこに記録されているサブQデータは、例えば図9Bに示すようになっている。
まず、トラック・ナンバが記録される。すなわち、トラック#1〜#nに対して、トラック・ナンバは’01’〜’99’の何れかの値となる。またリードアウト・エリアでは、トラック・ナンバは’AA’とされる。
トラック・ナンバに続いて、インデックスとして各トラックをさらに細分化することができる情報が記録される。
そして、トラック内の経過時間として分(MIN)、秒(SEC)、フレーム番号(FRAME)が記録される。さらに、AMIN、ASEC、AFRAMEとして、絶対時間アドレスが分(AMIN)、秒(ASEC)、フレーム番号(AFRAME)として記録されている。
6.ディレクトリ構造
ビデオCDのディレクトリ構造を図11に示す。
図6Bに示したビデオCDのディレクトリは、図11に示すように、ビデオCDディレクトリ、MPEGオーディオ/ビデオ、CD−DA、セグメント、CD−I、カラオケ、EXTとなっている。
ビデオCDディレクトリは、上述の図6Bに示すトラック#1内におけるビデオCDインフォメーション・エリアに記録されるものであり、ディスク・インフォメーション、エントリ・テーブル、リストIDオフセット・テーブル、プレイ・シーケンス・ディスクリプタが設けられている。これら各々については後述する。
MPEGオーディオ/ビデオは、オーディオ/ビデオのシーケンス・データであり、すなわち最大99トラックが記録できるビデオCDでは、トラック#2〜#99までの最大98個のシーケンス・データとなる。
セグメントは、最大で1980個のセグメント・プレイ・アイテム#1〜#1980であり、これらはトラック#1内のセグメント・プレイ・アイテム・エリアに記録される。
さらに、トラック#1内におけるCD−Iアプリケーション・プログラムは、そのディレクトリ・ファイルが、CD−Iとして、ディレクトリ構造に組み込まれ、また、カラオケ・ベーシック・インフォメーション・エリアが使用される場合は、そのディレクトリ・ファイルが、カラオケとして、ディレクトリ構造に組み込まれる。
オーディオ・データのみが記録されたトラックを設ける場合は、そのディレクトリ・ファイルが、CD−DAとして、ディレクトリ構造に組み込まれ、また、PSD X.VCD及びLOT X.VCDが使用される場合は、そのディレクトリ・ファイルが、EXTとして、ディレクトリ構造に組み込まれる。
7.ビデオCDデータ・トラック
ビデオCDにおいては、上述したように、トラック#1がビデオCDデータ・トラックとして使用される。
そして、図6を用いて説明したように、このトラック#1の領域に基本ボリューム記述子(PVD)、カラオケ・ベーシック・インフォメーション・エリア、ビデオCDインフォメーション・エリア、セグメント・プレイ・アイテム・エリア、その他のファイル(CD−Iアプリケーション・プログラム等)が記録される。
上述の図6Bに示すように、PVDは、ディスク上の絶対時間アドレス00:02:16(分:秒:フレーム番号)の位置から配置される。
また、カラオケ・ベーシック・インフォメーション・エリアは、絶対時間アドレス00:03:00の位置から配置される。
ビデオCDインフォメーション・エリアは、絶対時間アドレス00:04:00の位置から配置される。
そして、セグメント・プレイ・アイテム・エリアはビデオCDインフォメーション・エリア内で示される位置から、またCD−Iアプリケーション・プログラムはPVD内で示される位置からそれぞれ配置される。
a.基本ボリューム記述子(PVD)
ディスク上の絶対時間アドレス00:02:16の位置から配置される基本ボリューム記述子(PVD)の構造を図12に示す。
まず、ボリューム構造スタンダードIDとしてCD001h(hは、16進数を表す。)データが記録される。続いて、システム認識子、ボリューム認識子、アルバムのボリューム数、アルバム・セット・シーケンス番号が記録される。1つのアルバムは1枚の光ディスクから構成される場合と複数の光ディスクから成る場合があるが、アルバムのボリューム数は、その1つのアルバムにおける光ディスクの数となる。そして、そのうちの何枚目のディスクであるかがアルバム・セット・シーケンス番号とされる。
アルバム・セット・シーケンス番号に続いて、論理ブロック・サイズ、パス・テーブル、パス・テーブルのアドレス、ルート・ディレクトリ・レコードが記録される。
また、アルバム認識子としてディスク・タイトルが記録され、続いて発行者、著者名が記録される。
さらに、アプリケーション認識子としてCD−Iのアプリケーション・ネームが記録される。
アプリケーション認識子に続いて、コピーライト・ファイル名、要約ファイル名、目録ファイル名、製作日時、修正日時、満期日時、有効日時、ファイル構造スタンダード・バージョン番号、最後にXAラベル・コードが記録される。
b.ビデオCDインフォメーション
上述したように、ディスク上の絶対時間アドレス00:04:00の位置から、ビデオCDインフォメーションが記録される。
このビデオCDインフォメーションは、例えば図13に示すように、ディスク・インフォメーション、エントリ・テーブル、リストIDオフセット・テーブル、プレイ・シーケンス・ディスクリプタ(PSD)からなる。これらは、上述の図11に示したビデオCDディレクトリにおける各ファイル構成となっている。
ディスク・インフォメーションは、ビデオCDインフォメーションの先頭位置である絶対時間アドレス00:04:00から配置される。エントリ・テーブルは、絶対時間アドレス00:04:01から配置される。リストIDオフセット・テーブルは、絶対時間アドレス00:04:02から絶対時間アドレス00:04:33までの位置に配置される。プレイ・シーケンス・ディスクリプタ(PSD)は、絶対時間アドレス00:04:34から配置され、最大で絶対時間アドレス00:07:64までである。
b1.ディスク・インフォメーション
ここで、絶対時間アドレス00:04:00から配置されるディスク・インフォメーションについて説明する。ディスク・インフォメーションの構造を、図14に示す。
第1〜8バイト目にビデオCDのシステム認識子が記録される。
第9〜10バイト目の2バイトに、バージョン番号が記録される。このバージョン番号は、例えばバージョン2.0の場合には、0200hである。
第11〜26バイト目の16バイトに、各光ディスクに固有に与えられているアルバム認識子が記録される。
第27〜28バイト目の2バイトに、アルバムでのボリューム数が記録され、続く2バイトに、アルバム・セット・シーケンス番号が記録される。上述したように、アルバムのボリューム数は、1つのアルバムを記録した光ディスクの枚数であり、アルバム・セット・シーケンス番号は、そのうちの何枚目の光ディスクであるかを示すものである。
第31〜43バイト目の13バイトに、動画トラックのサイズ・マップが記録される。このサイズ・マップは、各トラック#2〜#99に記録されているデータがNTSC方式の信号であるかPAL方式の信号であるかを判別するデータである。具体的には、13バイトのうちの最初のバイトのLSBはトラック#2を示し、ここから最後のバイトのビットb1までで、各1ビットでトラック#99までのデータが記録される。各トラックに対応するビットについて0であればNTSCを、また1であればPALを示す。
第44バイト目の1バイトに、ステータス・フラグが記録される。この1バイト、すなわちビットb0(LSB)〜b7(MSB)のうち、ビットb0がカラオケ・ベーシック・インフォメーションのフラグとされる。具体的には、ビットb0が0であればカラオケ・ベーシツク・インフォメーションは存在せず、一方、1であれば絶対時間アドレス00:03:00のセクタからカラオケ・ベーシック・インフォメーションが記録されていることが示される。
第45〜48バイト目の4バイトに、プレイ・シーケンス・ディスクリプタ(PSD)のバイト・サイズが記録される。PSDは、上述の図13に示すように、絶対時間アドレス00:04:34から最大で絶対時間アドレス00:07:64までに記録され、バイト・サイズは可変長である。このため、PSDのバイト・サイズがここに記録される。後述するが、PSDは、プレイバック・コントロールに用いる複数のリスト(セレクション・リスト、プレイ・リスト、エンド・リスト)からなり、各リストがPSDとして記録される。なお、PSDが存在しないとき、すなわちプレイバック・コントロール機能が付加されてない光ディスクの場合は、これらの4バイトは、全て00hとされる。
第49〜51バイト目の3バイトに、ファースト・セグメント・アドレスが記録される。上述した図6Bの説明において、セグメント・プレイ・アイテム・エリアのスタート・ポイントはビデオCDインフォメーション・エリアに記録されると述べたが、この3バイトがそれに相当する。セグメント・プレイ・アイテムの詳細については後述するが、最大1980個のセグメント・プレイ・アイテムを、上述の図6Bに示したセグメント・プレイ・アイテム・エリアに記録することができる。それぞれのセグメント・プレイ・アイテムの内容は、プレイバック・コントロール等に用いられるビデオ・データやオーディオ・データからなる。
第52バイト目の1バイトに、オフセット乗数が記録される。このオフセット乗数は、PSD内における各リストのアドレス算出に用いられる乗数であり、例えば8に固定されている。
第53〜54バイト目の2バイトに、リストIDの数が記録される。このリストIDの数は、後述するリストIDオフセット・テーブルに記録されている有効なリストIDの数を示すものである。
第55〜56バイト目の2バイトに、セグメント・プレイ・アイテム・エリアに記録されているセグメント・プレイ・アイテムの数が記録される。
第57〜2036バイト目の1980バイトに、セグメント・プレイ・アイテム・コンテンツ・テーブルが記録される。このセグメント・プレイ・アイテム・コンテンツ・テーブルは、セグメント・プレイ・アイテム・エリアに記録されている各セグメント・プレイ・アイテムの属性を示すものである。すなわち、それそれのセグメント・プレイ・アイテムは、セグメント・プレイ・アイテム#1〜#1980として最大で1980個記録され、セグメント・プレイ・アイテム・コンテンツ・テーブルは、例えば図15に示すように、各セグメント・プレイ・アイテム#1〜#1980にそれそれ対応した1バイトの属性データからなっている。
具体的には、属性データは、1バイトの各ビット(ビットb0〜b7)に対して次のように定義されている。ただし、ビットb6、ビットb7は未定義である。
ビットb1、b0
”00”・・・MPEGオーディオ・データがない
”01”・・・モノラル・オーディオ・データ
”10”・・・ステレオ・オーディオ・データ
”11”・・・デュアル・チャンネル・オーディオ・データ
ビットb4〜b2
”000”・・・MPEGビデオ・データがない
”001”・・・NTSCサイズの標準レベルの静止画像データ
”010”・・・NTSCサイズの高精細レベルの静止画像データ
”011”・・・NTSCサイズの動画像データ
”100”・・・未使用
”101”・・・PALサイズの標準レベルの静止画像データ
”110”・・・PALサイズの標準レベル及び高精細レベル
の静止画像データ
”111”・・・PALサイズの動画像データ
ビットb5
”0”・・・単独アイテム又は連続アイテムの先頭アイテム
”1”・・・連続アイテムのうちの第2以降のアイテム
このようなセグメント・プレイ・アイテム・コンテンツ・テーブルに続く、ディスク・インフォメーションの第2037〜2048バイト目までは未定義とされている。
b2.エントリ・テーブル
上述の図13に示すように、ビデオCDインフォメーション・エリアには、絶対時間アドレス00:04:01からエントリ・テーブルが配置されている。
このエントリ・テーブルにおいて、オーディオ/ビデオ・シーケンス内の所定のポイントをスタート・ポイントとしてエントリしておくことができる。
したがって、このエントリ・テーブルには、エントリ・ファイルであることを示すID、バージョン番号、エントリ数等が記録され、実際のエントリ・ポイントとしては最大500個のエントリが記録される。すなわちエントリ#0〜#499までを設定できる。
1つのエントリは、4バイトで構成され、そのうちの1バイトでトラック・ナンバが示され、残りの3バイトでセクタ・アドレス、すなわちASEC、AMIN、AFRAMEが示される。
b3.リストIDオフセット・テーブル
ビデオCDインフォメーション・エリアの絶対時間アドレス00:04:02から00:04:33までのセクタには、リストIDオフセット・テーブルが配される。
後述するPSDに記録されるプレイ・リストやセレクション・リストは、それぞれに固有のリストIDが付されている。このリストIDオフセット・テーブルには、PSDにおける各リストの位置を示すオフセット量が示されている。そして、ユーザが再生したい所望のリストを指定したとき、このビデオCDを再生する再生装置は、リストIDオフセット・テーブルを参照することにより、指定されたリストのPSD内における位置を把握し、リスト内容を実行させることができる。
リストIDオフセット・テーブルは、例えば図16に示すように、最大32セクタで構成され、各オフセット量が2バイトで示されており、64k個のオフセットが表現される。
後述するPSDのエリアは、絶対時間アドレス00:04:34から最大で絶対時間アドレス00:07:64までとされ、すなわち最大で3秒31フレームのエリアとなる。これは256セクタに相当する。256セクタは512kバイトである。
リストIDオフセット・テーブルで表現される64kのオフセットに8を乗じた数は512kバイトとなる。この8は、上述の図14に示すディスク・インフォメーションの第52バイト目のオフセット乗数である。
すなわち、1オフセットが8バイトに相当し、したがって、オフセット値にオフセット乗数8を乗じることにより、PSDエリアにおける所定の位置を、PSD先頭位置(オフセット0000hの位置)からのバイト・ポジションとして示すことができる。
リストIDオフセット・テーブルには、上述の図16に示すように、まずスタート・アップ・オフセットが記録される。このスタート・アップ・オフセットは、0000hの値に固定されている。
上述の図16はリストIDの数がn個の場合を示す図であり、リストID1〜nに対するそれぞれのオフセット値が示される。
なお、必ずPSDの先頭に配されるリストID1については、オフセット値は、0000hの値に固定されている。
また、未使用のリストIDに対して、オフセット値はFFFFhとされる。
b4.プレイ・シーケンス・ディスクリプタ(PSD)
絶対時間アドレス00:04:34からPSDが設けられる。
このPSDにはプレイ・リスト、セレクション・リスト、エンド・リストが記録されている。これらのリストは、後述するプレイバック・コントロールに用いられるもので、再生内容や階層分岐を示すデータが記録されている。
プレイ・リストは、下階層への分岐のためのデータ(以下、選択メニューという。)を含まず、一連の再生すべき内容を指定するリストである。
一方、セレクション・リストは、下階層への分岐のための選択メニューを含むリストである。
なお、最初に再生されるべきリスト(プレイ・リスト又はセレクション・リスト)はリストID1とされ、PSDの先頭位置(オフセット0000hの位置)に記録される。
* プレイ・リスト
一連の再生すべき内容を指定するプレイ・リストは、例えば図17に示すように構成されている。
すなわち、1バイトのプレイ・リスト・ヘッダが設けられ、プレイ・リストであることが示される。
プレイ・リスト・ヘッダに続いて、ナンバ・オブ・アイテムとして、このプレイ・リストに記録されているプレイ・アイテムの数が記録される。プレイ・アイテムは、再生すべき内容を示すデータであり、プレイ・アイテム#1ナンバ〜プレイ・アイテム#Nナンバとして、そのプレイ・アイテムを指定するデータがプレイ・リストに記録される。
このナンバ・オブ・アイテムに続いて、各リストに固有の2バイトのリストIDが記録される。
リストIDに続いて、それぞれ2バイトからなるプリビアス・リスト・オフセット、ネクスト・リスト・オフセット、リターン・リスト・オフセットが記録される。
プリビアス・リスト・オフセットは、プリビアス操作がなされた場合に進むべきリストの位置(オフセット)を示しているものである。例えば、リストが階層化される場合等において、プリビアス・リスト・オフセットによって1段上位のリストの位置が指定されていれば、ユーザは、プリビアス操作を行うことによって前のリストに基づいた動作状態に戻すことができる。
プリビアス・リスト・オフセットがFFFFhであるときは、プリビアス動作は禁じられる。
ネクスト・リスト・オフセットは、当該プレイ・リストによって指定された再生動作が終了した際、又はネクスト操作がなされた際に、連続して進むべきリストの位置を示している。ネクスト・リスト・オフセットがFFFFhであるときは、ネクスト動作は禁止される。
リターン・リスト・オフセットは、リターン操作がなされた場合に進むべきリストの位置を示しているものである。例えば、リストが階層化される場合等において、リターン・リスト・オフセットで最上位のリストの位置が指定されていれば、ユーザは、リターン操作を行うことにより、一気に最上位のリストに基づいた動作状態まで戻すことができる。
リターン・リスト・オフセットに続いて、2バイトのプレイング・タイム、1バイトのプレイ・アイテム・ウェイト・タイム、1バイトのオート・ポーズ・ウェイト・タイムが記録される。
プレイング・タイムは、このプレイ・リストに基づく再生動作のセクタ数を示す。
プレイ・アイテム・ウェイト・タイムは、各プレイ・アイテムの再生終了時の待機時間を示している。具体的には、00h−FEhによって待機時間0〜2000秒が示される。FFhの場合は、ユーザの操作を待つものとされる。
オート・ポーズ・ウェイト・タイムは、オート・ポーズ動作における待機時間を示している。
最後に、再生されるべきプレイ・アイテム#1〜#Nについてのナンバが各2バイトで記録される。
このプレイ・アイテム・ナンバ(以下、PINともいう。)は、例えば図18に示すように定義されている。
PIN=0又は1のときは、そのプレイ・アイテムは何も再生しないものとされる。
PIN=2〜99のときは、そのPINはトラック・ナンバを示す。例えばPIN=5であれば、そのプレイ・アイテムはトラック#5を再生するプレイ・アイテムとなる。
PIN=100〜599のときは、そのPINから100を減算した値(PIN−100)が、エントリ・テーブルにおけるエントリを示す。エントリ・テーブルは、上述したように、エントリ#0〜#499として最大500個のエントリ・ポイントを示すことができ、(PIN−100)の値によって#1〜#500の何れかのエントリ・ナンバが指定される。
PIN=1000〜2979のときは、そのPINから999を減算した値(PIN−999)が、セグメント・プレイ・アイテムのナンバを示す。セグメント・プレイ・アイテム・エリアには、上述したように、セグメント・プレイ・アイテム#1〜#1980として最大1980個のセグメント・プレイ・アイテムを記録でき、(PIN−999)の値よって#1〜#1980の何れかのセグメント・プレイ・アイテムが指定される。
PIN=600〜999及びPIN=2980〜65535は未定義である。
例えば、プレイ・リストにおいて3つのプレイ・アイテムが記録され、プレイ・アイテム#1ナンバが4、プレイ・アイテム#2ナンバが1001、プレイ・アイテム#3ナンバが102であったとすると、このプレイ・リストによって実行される再生動作は、まずトラック#4が再生され、続いてセグメント・プレイ・アイテム#2が再生され、最後にエントリ#3に基づいたエントリ・ポイントからの再生が行われることになる。
* セレクション・リスト
セレクション・リストは、例えば表示画面に選択メニューを表示し、ユーザに進行すべき動作を選択させるためのリストであり、このセレクション・リストは、例えば図19に示すように構成されている。
すなわち、1バイトのセレクション・リスト・ヘッダが設けられ、セレクション・リストであることが示される。
セレクション・リスト・ヘッダに続いて、未使用の1バイトをおいて、このセレクション・リストにおける1バイトの選択肢数が記録される。選択肢数は最大99個である。
次に、選択肢の最初のナンバが記録される。この選択肢の最初のナンバは、通常は1であるが、設定すべき選択肢が多く、このため複数のセレクション・リストを用いる場合は、2つ目以降のセレクション・リストでは、そのリストにおける最初の選択肢ナンバとなる。
選択肢の最初のナンバに続いて、各リストに固有の2バイトのリストIDが記録される。
このリストID続いて、プレイ・リストと同様に、それそれ2バイトからなるプリビアス・リスト・オフセット、ネクスト・リスト・オフセット、リターン・リスト・オフセットが記録される。
プリビアス・リスト・オフセットは、プリビアス操作がなされた場合に進むべきリストの位置(オフセット)を示し、またプリビアス・リスト・オフセットがFFFFhであるときは、プリビアス動作は禁じられる。
また、ネクスト・リスト・オフセットは、ネクスト操作がなされた際に、連続して進むべきセレクション・リストの位置を示している。連続して進むべきリストが存在しない場合は、ネクスト・リスト・オフセットはFFFFhとされる。
さらに、リターン・リスト・オフセットはリターン操作がなされた場合に進むべきリストの位置を示している。
そして、複数のセレクション・リストで1つの選択が行われるように設定されている場合、これらが効果的に用いられる。例えば、選択肢が12個設定され、3つのセレクション・リストでそれぞれ各4つずつ選択肢が設定される場合は、プリビアス・リスト・オフセットとネクスト・リスト・オフセットで各セレクション・リストを前後に連続させることにより、ユーザはプリビアス操作又はネクスト操作で所望の選択肢を探していくことができる。
リターン・リスト・オフセットに続いて、2バイトのデフォルト・リスト・オフセットが記録される。これはユーザが選択を行わずに実行操作を行った場合に進むべきリストの位置を示している。
また、2バイトのタイムアウト・リスト・オフセットが記録される。これはユーザが再生されて表示されている選択メニューに対して何等入力操作を行わずに所定時間経過した場合の進むべきリストの位置を示している。タイムアウト・リスト・オフセットがFFFFhである場合は、入力が行われずに所定時間経過した時点で、選択メニューに示された選択肢の中からランダムに特定の選択肢が選択されて、そのリストに進むことになる。
タイムアウト・リスト・オフセットに続いて、1バイトからなるタイムアウトまでのウェイト・タイムが記録される。ユーザによる入力がなされないまま、ここに記録されたウェイト・タイムを経過すると、上述したタイムアウト・リスト・オフセットに進むことになる。
タイムアウトまでのウェイト・タイムに記録される値は、例えば図20に示すように定義されている。
記録されているウェイト・タイム値が00h(0)であるときは、待機時間はなしとされる。
記録されているウェイト・タイム値が01h(1)〜3Ch(60)のいずれかであるときは、その数値はそのまま秒を示すことになる。例えばウェイト・タイム値が30であれば、30秒が待機時間とされる。
記録されているウェイト・タイム値が3Dh(61)であるときは、待機時間は70秒、3Eh(62)であるときは待機時間は80秒とされる。すなわち61以上のウェイト・タイム値nについては、(n−60)×10+60秒という定義で待機時間が表現されている。そして、ウェイト・タイム値がFEhであるときは、最大の待機時間となり、すなわちFEhは254であるので、待機時間は2000(=(254−60)×10+60)秒となる。
ウェイト・タイム値がFFhであるときは、そのセレクション・リストに基づいた動作状態は、入力があるまでずっとそのまま待機するものとされる。
タイムアウトまでのウェイト・タイムに続いて、1バイトのループ・カウント及びジャンプ・タイミングが記録される。ループ・カウントは、このリストにおけるプレイ・アイテムの繰り返し再生回数を示す。また、ジャンプ・タイミングは、選択操作がなされた後の次のリストに進むタイミングを示す。
このループ・カウント及びジャンプ・タイミングに続いて、2バイトのプレイ・アイテム・ナンバ(PIN)が記録される。PINは、このセレクション・リストの実行状態において再生されるべきプレイ・アイテムを、上述の図18に示す定義により示している。セレクション・リストで再生されるものは、通常、メニューを画面に表示するための静止画像データである。このため、セグメント・プレイ・アイテムとしてメニュー用のビデオ・データが記録されており、各セレクション・リストにおいて特定のセグメント・プレイ・アイテムが指定される場合が多い。
例えばこのセレクション・リストに対応するメニュー画面用のデータがセグメント・プレイ・アイテム#4として記録されている場合は、PINは1003となる。
セレクション・リストにはこのように1つのPINが設けられる。
最後に、実際に選択肢内の選択によって実行される動作を示すために、それぞれ2バイトからなるセレクション#BSNオフセット〜セレクション#(BSN+NOS−1)オフセットが記録される。なお、BSNはセレクション・リストの4バイト目に記録される選択肢の最初のナンバであり、NOSはセレクション・リストの3バイト目に記録される選択肢数である。したがって、選択肢1〜4を有するセレクション・リストでは、セレクション#1オフセット〜セレクション#4オフセットが記録されている。
これらのセレクション・オフセットは、その選択肢が選択された場合に進むべきリスト(セレクション・リスト又はプレイ・リスト)の位置を示す。
例えば、メニュー表示に対してユーザが選択肢2を選択した場合は、セレクション#2オフセットに示されたリストに進むことを指定する。
* エンド・リスト
エンド・リストはアプリケーションの終端を示す。エンド・リストは8バイトとされ、1バイトがエンド・リスト・ヘッダ、7バイトがそれそれ00hとされている。
c.セグメント・プレイ・アイテム
上述の図6に示すように、ビデオCDデータ・トラックには、セグメント・プレイ・アイテム・エリアが設けられる。セグメント・プレイ・アイテム・エリアのスタート・ポイントは、上述の図14に示すように、ディスク・インフォメーションの第49〜51バイト目の3バイトに示される。
セグメント・プレイ・アイテムは、セグメント・プレイ・アイテム・エリアに最大で1980個記録することができる。
そして、各セグメント・プレイ・アイテムは、それぞれ静止画像データ、動画像データ、オーディオ・データ等で自由に生成することができる。
1つのセグメントは150セクタで構成される。そして、各セグメント・プレイ・アイテムは、単独アイテムとして再生されるデータとしてもよいし、複数で連続的に再生されるアイテムとしてもよい。
各セグメント・プレイ・アイテムは、図15を用いて説明したように、ディスク・インフォメーションにおける第57〜2036バイト目のセグメント・プレイ・アイテム・コンテンツ・テーブルにより、そのデータ属性が示される。
このセグメント・プレイ・アイテムを用いて、上述したようにセレクション・リストのメニュー画面等を用意することができる。
II.プレイバック・コントロール(PBC)
1.リスト構造
上述のようにプレイ・リスト及びセレクション・リストをビデオCDに予め記録することにより、ビデオCDを再生する再生装置では、プレイバック・コントロールを実現することができる。すなわち、ビデオCDは、動画、静止画及び音声を組み合わせた簡易な対話型ソフトウェアとして機能する。
具体的には、ビデオCDでは、セグメント・プレイ・アイテム・エリアに、セグメント・プレイ・アイテムとして、幾つかのメニュー画面の静止画像データを記録し、セレクション・リストによって幾つかの分岐再生を可能とすると共に、分岐によって選ばれたプレイ・アイテムをプレイ・リストに従って再生することができる。換言すると、ビデオCDは、セレクション・リストとプレイ・リストによって階層化されたディスクリプション・ファイルを形成し、ユーザの選択に応じて下位の階層に進み、所要の再生動作を実行できるようにしたものである。
基本的なリスト構造としては、最上位にセレクション・リストを配し、そのセレクション・リストの選択肢として、幾つかのプレイ・リストを配している。例えば、上述したセレクション・リストのセレクション#1オフセット〜セレクション#3オフセットとして、それそれ特定のプレイ・リストを指定する。そして、再生装置は、セレクション・リストに基づいて、メニューを画面に表示して、ユーザにメニューの選択を行わせる。
ユーザが例えばセレクション#3を選択したら、再生装置は、セレクション#3オフセットに示されるプレイ・リストに進み、そのプレイ・リストのプレイ・アイテム#1ナンバ〜プレイ・アイテム#Nナンバとして示されるデータを再生する。例えば進んだプレイ・リストに1つのプレイ・アイテム#1ナンバとしてトラック#5が指定されていたら、再生装置は、トラック#5の再生を実行する。
2.具体例
再生装置のこのようなプレイバック・コントロール動作の具体例を、図21及び図22を用いて説明する。この具体例では、ビデオCDを英会話レッスンのソフトウェアとしたものである。
今、ビデオCDインフォメーション・エリア内における絶対時間アドレス00:04:34の位置からのプレイ・シーケンス・ディスクリプタ(PSD)として、例えば図21に示すように、セレクション・リストとプレイ・リストが記録されているとする。すなわち、セレクション・リストS1、S2、プレイ・リストP1〜P5が記録されている。
各リストには、それそれ図22に示すように、リストIDが付されている。すなわち、リストIDとして、セレクション・リストS1に対しては0001h、セレクション・リストS2に対しては0002h、プレイ・リストP1に対しては0005h、プレイ・リストP2に対しては0006h、プレイ・リストP3に対しては0007h、プレイ・リストP4に対しては0003h、プレイ・リストP5に対しては0004hが記録されている。
再生装置は、プレイバック・コントロール動作に入ると、まずリストIDが0001hであるセレクション・リストS1を再生して実行する。
具体的には、再生装置は、セレクション・リストS1に基づいて、そこに記録されているプレイ・アイテム・ナンバ(PIN)を再生する。このPINには、1000という値が記録されている。この1000は、上述の図18に示すように、セグメント・プレイ・アイテム#1を示す数値であり、再生装置は、セグメント・プレイ・アイテム・エリアに記録されているセグメント・プレイ・アイテム#1を再生する。
このセグメント・プレイ・アイテム#1には、上述の図22に示すように、英語レッスンのコースを選択するメニュー画像PB1を表示するための静止画像データが記録されており、再生装置は、メニュー画像PBIを表示する。
セレクション・リストS1には3つの選択肢に対応するセレクション#1オフセット〜セレクション#3オフセットが記録されており、再生装置は、セグメント・プレイ・アイテム#1に基づいて、3つの選択肢からなるメニューを表示する。なお、図中のSel#Nは、セレクション#Nオフセットを示すものとする。
このメニュー画像PB1に対して、ユーザは所望の選択肢ナンバを入力することになる。例えば、ユーザが選択肢ナンバ1を入力したとすると、再生装置は、セレクション#1オフセットに示されたリストの再生を行う。セレクション#1オフセットは0004hであり、再生装置は、この数値にオフセット乗数8を乗じることにより、0020hを算出する。この値は、PSD内におけるセレクション・リストS2の位置をバイト数で示すオフセット(以下、オフセット・バイトという。)である。
そして、セレクション・リストS2におけるPINには1001という値が示されている。すなわち、このPINは、セグメント・プレイ・アイテム#2を示している。これによって、再生装置は、セグメント・プレイ・アイテム#2を再生する。
このセグメント・プレイ・アイテム#2には、例えば英語レッスンの上級コースにおけるレッスンコース1〜3を選択するメニュー画像PB6を表示するための静止画像データが記録されており、再生装置は、メニュー画像PB6を表示する。
このメニュー画像PB6に対して、ユーザが、例えば上級コースのレッスン1を選択するために選択肢ナンバ1を入力すると、再生装置は、セレクション・リストS2におけるセレクション#1オフセットに示されたリストの再生を行う。セレクション#1オフセットは0008hであり、再生装置は、この数値にオフセット乗数8を乗じることにより、0040hを算出する。そして、再生装置は、0040h、すなわちプレイ・リストP1を再生する。
このプレイ・リストP1には、PIN#1として2が記録され、すなわちトラック#2が指定されている。また、PIN#2として3が記録され、トラック#3が指定されている。したがって、再生装置は、このプレイ・リストP1の実行において、まずトラック#2を再生して、動画像PB7を表示すると共に、動画像PB7に対応した音声の出力を行う。このトラック#2から再生された動画像PB7及び音声は、上級コース・レッスン1に対応する動画像及び音声である。
再生装置は、トラック#2の再生を終了すると、続いてトラック#3を再生して、動画像PB8の表示及び音声の出力を行う。
一方、セレクション・リストS2に基づいてメニュー画像PB6を表示しているときに、ユーザが選択肢ナンバ2を入力すると、再生装置は、セレクション・リストS2におけるセレクション#2オフセットに示されたリスト、すなわちプレイ・リストP2を再生する。
このプレイ・リストP2には、PIN#1として1002が記録されており、すなわちセグメント・プレイ・アイテム#3が指定されている。したがって、再生装置は、プレイ・リストP2の実行において、セグメント・プレイ・アイテム#3を再生して、例えば静止画像PB9を表示すると共に、静止画像PB9に対応した音声の出力を行う。この静止画像PB9及び音声は、例えば上級コース・レッスン2におけるスライド・ショウの静止画像と音声である。
また、セレクション・リストS2に基づいてメニュー画像PB6を表示しているときに、ユーザが選択肢ナンバ3を入力すると、再生装置は、セレクション・リストS2におけるセレクション#3オフセットに示されたリスト、すなわちプレイ・リストP3を再生する。
このプレイ・リストP3には、PIN#1として8が記録されており、すなわちトラック#8が指定されている。そして、このトラック#8が、例えばディジタル・オーディオ・データのみのトラックであったとすると、再生装置は、上級コース・レッスン3として、トラック#8を再生し、音声(PB10)のみを出力する。
次に、最初のセレクション・リストS1に基づいたメニュー画像PB1を表示しているときに、ユーザが中級コースである選択肢ナンバ2を入力したとすると、再生装置は、セレクション・リストS1におけるセレクション#2オフセットに示されたリスト、すなわちプレイ・リストP4を再生する。
このプレイ・リストP4には、PIN#1として4が記録され、すなわちトラック#4が指定され、またPIN#2として5が記録され、トラック#3が指定されている。したがって、再生装置は、プレイ・リストP4の実行において、まずトラック#4を再生して、動画像PB2の表示及び音声の出力を行い、続いてトラック#5を再生して、動画像PB3の表示及び音声の出力を行う。これらの動画像及び音声は、中級コースの動画像及び音声である。
また、最初のセレクション・リストS1に基づいたメニュー画像PB1を表示しているときに、ユーザが初級コースである選択肢ナンバ3を入力したとすると、再生装置は、セレクション・リストS1におけるセレクション#3オフセットに示されたリスト、すなわちプレイ・リストP5を再生する。
このプレイ・リストP5には、PIN#1として6が記録され、すなわちトラック#6が指定され、またPIN#2として7が記録され、すなわちトラック#7が指定されている。したがって、再生装置は、プレイ・リストP5の実行において、まずトラック#6を再生して、動画像PB4の表示及び音声の出力を行い、続いてトラック#7を再生して、動画像PB5の表示及び音声の出力を行う。
これらの動画像及び音声は、初級コースの動画像及び音声である。
なお、上述したように、プレイ・リスト、セレクション・リストにはプリビアス・リスト・オフセット、ネクスト・リスト・オフセット、リターン・リスト・オフセットを記録することができ、また、セレクション・リストには加えてデフォルト・リスト・オフセット、タイムアウト・リスト・オフセットを記録することができる。これらのオフセットに基づき、再生装置は、ユーザの操作等に応じて、リストの進行や後退等を実行することができる。
例えば、プレイ・リストP1のプリビアス・リスト・オフセットとして0004hが記録されていれば、プレイ・リストP1の動作中にユーザがプリビアス操作を行えば、再生装置は、オフセットが0004h、すなわちオフセット・バイト0020hであるセレクション・リストS2に戻ることになる。
以上の例のように、プレイバック・コントロールによってビデオCDを簡易な対話型ソフトウェアとすることができ、このような機能により、ビデオCDは、音楽や映画だけでなく、教育用、ゲーム用、電子出版等の広範囲のアプリケーションに用いることができる。
III.再生装置の具体的な構成
1.外観
次に、以上のようなビデオCDを再生する本発明を適用したビデオCDプレーヤについて説明する。
このビデオCDプレーヤは、例えばビデオCDやCD−DAを5枚収納し、これらを選択的に再生できるものであり、所謂チェンジャを備えたビデオCDプレーヤである。
このビデオCDプレーヤは、例えば図23に示すように、本体1の正面パネルに設けられ、前面側にディスク・トレイ30が引き出されるディスク装填部2を備える。ディスク・トレイ30は、例えば図24に示すように、5つの搭載位置301〜305を有し、それぞれの搭載位置301〜305には光ディスクを平面的に並べて搭載することができ、ルーレット状に回転することにより、再生される光ディスクを選択するようになっている。
また、本体1の正面パネルには、表示部3が設けられている。この表示部3は、例えば液晶パネルからなり、このビデオCDプレーヤの動作状態、モード、選択されている光ディスクのナンバ、演奏時間等を表示する。
さらに、この正面パネルには、ユーザが操作するための各種キーが設けられている。具体的には、電源オン/オフ・キー4、再生キー5、一時停止キー6、停止キー7、イジェクト・キー8が設けられている。再生キー5は、上述したプレイバック・コントロール動作の際の選択キーを兼ねている。
また、正面パネルには、ディスク選択キー9が設けられている。このディスク選択キー9は、D1〜D5の5つのキーからなり、各キーが、ディスク・トレイ30の搭載位置301〜305に対応している。例えばD1のキーが押されると、ディスク・トレイ30の搭載位置301に搭載されている光ディスクが、後述する光学ヘッド34の位置にローディングされ、この光ディスクが再生される。
また、正面パネルには、AMS(Auto Music Sensor)操作のための後方頭出しキー10、前方頭出しキー11が設けられている。前方頭出しキー10は、トラック・ナンバの小さい方向への頭出しキーであり、前方頭出しキー11は、トラック・ナンバの大きい方向への頭出しキーである。また、後方頭出しキー10は、プリビアス・キーを兼ねており、上述したプレイバック・コントロール動作の際のプリビアス操作のためにも用いられる。さらに、前方頭出しキー11は、ネクスト・キーを兼ねており、プレイバック・コントロール動作の際のネクスト操作のためにも用いられる。
また、正面パネルには、リターン・キー12が設けられており、このリターン・キー12は、プレイバック・コントロール動作の際のリターン操作のために用いられる。
また、正面パネルには、+/−選択キー13が設けられており、この+/−選択キー13は、プレイバック・コントロール動作の際のメニュー画面上での選択操作に用いられる。すなわち、メニュー画面に対して+/−選択キー13を用いて選択肢番号を選択していき、ある選択肢番号を指定した時点で再生キー5で選択の操作を行うことで、メニューに対する選択が完了されることになる。
また、正面パネルには、ディスク・スキップ・キー14、ディスク・イクスチェンジ・キー15、通常再生モード・キー16、シャッフル再生モード・キー17、プログラム再生モード・キー18、PBCオフ・キー19が設けられている。通常再生モード・キー16〜PBCオフ・キー19は、プレイ・モードの選択キーであり、例えば、プレイバック・コントロール機能が付加されたビデオCDが再生される際には、通常再生モード・キー16を押すと、このビデオCDプレーヤは、自動的にプレイバック・コントロール動作に入る。また、例えばプレイバック・コントロール動作中において、PBCオフ・キー19が押されると、ビデオCDプレーヤは、PBCモードによるメニュー再生動作から通常の連続再生動作に移る。すなわち、PBCオフ・キー19は、PBCモードをオフとするためのキーである。
また、正面パネルには、ダイジェスト・キー20、ダイジェスト・モード・キー21が設けられている。ダイジェスト・キー20は、収納されている各光ディスクについてのダイジェストを表示させるためのものである。また、ダイジェスト・モード・キー21は、プレイバック・コントロール機能が付加されたビデオCDについてのダイジェスト映像をメニュー画像とするか、トラック内の映像とするかを選択することができるようになっている。
また、正面パネルには、ブック・マーク登録キー22、ブック・マーク再生キー23が設けられている。そして、再生中にユーザがブック・マーク登録キー22を押すことにより、その再生地点(以下、ブック・マーク・ポイントという。)が登録される。その後は、ブック・マーク再生キー23を押すことで、そのブック・マーク・ポイントから再生させることができる。例えばブック・マーク登録キー22により1つの光ディスクについて5箇所のブック・マーク・ポイントを指定して登録することができる。
そして、ブック・マーク再生キー23を押してから、登録されたブック・マーク・ポイントのうちの1つを選択すると、そのポイントから再生が開始される。登録されたブック・マーク・ポイントの選択には、例えば+/−選択キー13と再生キー5が用いられる。
また、正面パネルには、赤外線受信部24が設けられており、赤外線受信部24は、例えばリモート・コマンダから赤外線によって送信されるコマンド信号を受信し、このコマンド信号を操作情報として、後述するシステム・コントローラ53に供給する。
2.具体的な回路構成
ビデオCDプレーヤは、例えば図24に示すように、上記ディスク・トレイ30を回転駆動するモータ31と、上記ディスク・トレイ30の搭載位置301〜305の何れが光学ヘッド34の位置にあるかを検出するディスク位置センサ32と、光ディスクを回転駆動するスピンドル・モータ33と、光ディスクからビデオ・データ等の情報を再生するための光学ヘッド34と、上記光学ヘッド34を光ディスクの径方向に駆動するスレッド機構35と、上記光学ヘッド34でからの再生RF信号を増幅すると共にトラッキング・エラー信号等を生成するRFアンプ36と、上記RFアンプ36からのトラッキング・エラー信号に基づいて光学ヘッド34のトラッキング制御等を行うサーボ回路37と、上記RFアンプ36からの再生RF信号を復調するデコーダ部38と、上記デコーダ部38からの情報をCD−ROMフォーマットに従ってデコードするCD−ROMデコーダ39と、上記CD−ROMデコーダ39からのオーディオ・データをデコードするMPEGオーディオ・デコーダ40と、オーディオ・データを一旦記憶するオーディオRAM41と、上記CD−ROMデコーダ39からのビデオ・データをデコードするMPEGビデオ・デコーダ42と、ビデオ・データを一旦記憶するビデオRAM43と、上記デコーダ部38とMPEGオーディオ・デコーダ40からの各オーディオ・データを切り換え選択する切換スイッチ44、上記切換スイッチ44からのオーディオ・データをアナログのオーディオ信号に変換するD/A変換器45と、上記MPEGビデオ・デコーダ42からのビデオ・データを赤、緑、青(Red、Green、Blue、以下、RGBという。)のビデオ信号に変換するD/A変換器47と、上記D/A変換器47からのビデオ信号をコンポジット・ビデオ信号に変換するRGB/NTSCエンコーダ48と、RGB/NTSCエンコーダ48と後述するCD−Gデコーダ52からの各コンポジット・ビデオ信号を切り換え選択する切換スイッチ49と、所謂スーパー・イン・ポーズ表示を行うためのOSD処理部50と、上記デコーダ部38からの静止画像データをコンポジット・ビデオ信号に変換するCD−Gデコーダ52と、上記CD−ROMデコーダ39からのプレイバック・コントロールのための情報等に基づいて上述した各回路を制御するシステム・コントローラ53と、上記システム・コントローラ53での処理結果等を記憶するRAM54と、上記RAM54に電流を供給するバック・アップ電源55と、上記各種操作キー5〜23からなる操作部56とを備える。
そして、5枚の光ディスクを搭載できるように搭載位置301〜305を有するディスク・トレイ30はモータ31によって回転され、この回転動作によってある1つの搭載位置が光学ヘッド34の位置に送られる。すなわち、その搭載位置30に積載されている光ディスクが光学ヘッド34の位置にローディングされる。ディスク位置センサ32は、どの搭載位置30が光学ヘッド34の位置にあるかを検出し、検出結果をシステム・コントローラ53に供給する。これにより、システム・コントローラ53は、現在のローディング状態、すなわちどの搭載位置30が光学ヘッド34の位置にあるかを把握する。
ローディングされた光ディスクは、所謂チャッキングされた後、スピンドル・モータ33によって回転駆動される。そして、その光ディスクは、回転されながら光学ヘッド34によってレーザ光が照射され、その反射光によって情報が読み取られる。
具体的には、光学ヘッド34は、例えばレーザ・ダイオード、偏向ビーム・スプリッタ、対物レンズ34a等からなる光学系、反射光を検出するためのディテクタ等を備える。対物レンズ34aは、所謂2軸機構34bによって光ディスク径方向及び光ディスクに接離する方向、すなわち光軸方向に変位可能に保持されている。また、光学ヘッド34は、スレッド機構によって光ディスク径方向に駆動される。
光学ヘッド34は、ディテクタにより、光ディスクに記録されているオーディオ・データ等の情報に応じた再生RF信号等を検出して、RFアンプ36に供給する。RFアンプ36は、再生RF信号を増幅すると共に、ディテクタの各出力を演算処理することにより、トラッキング・エラー信号、フォーカス・エラー信号等を生成する。そして、増幅された再生RF信号はデコーダ部38に供給され、トラッキング・エラー信号、フォーカス・エラー信号はサーボ回路37に供給される。
サーボ回路37は、RFアンプ36から供給されるトラッキング・エラー信号、フォーカス・エラー信号、システム・コントローラ53から供給されるトラック・ジャンプ指令、アクセス指令、スピンドル・モータ33の回転速度検出情報等に基づいて、各種サーボ駆動信号を発生し、これらのサーボ駆動信号によって2軸機構34b及びスレッド機構35を制御して、フォーカス及びトラッキング制御を行う。また、サーボ回路37は、例えば光ディスクが一定線速度(Constant Liner Velocity)で回転するように、スピンドル・モータ33を制御する。
デコーダ部38は、RFアンプ36から供給される再生RF信号を2値化してオーディオ・データ、ビデオ・データ等を再生すると共に、それらに例えばEFM復調(Eight-Fourteen Demodulation)処理やCIRC(Cross Interleaved Reed-Solomon Code)等を用いたエラー訂正処理を施す。そして、例えば再生されている光ディスクがビデオCD等のCD−ROMの範中に入るものである場合は、デコーダ部38は、得られるオーディオ・データ、ビデオ・データ等をCD−ROMデコーダ39に供給し、再生中の光ディスクがCD−DAの場合には、得られるオーディオ・データを切換スイッチ44に、ビデオ・データをCD−Gデコーダ52に供給する。また、デコーダ部38は、再生したP、Qチャンネル・サブコード・データをシステム・コントローラ53に供給する。
CD−ROMデコーダ39は、再生中の光ディスクが例えばビデオCDである場合は、デコーダ部38から供給されるオーディオ・データ、ビデオ・データ等をCD−ROMフォーマットに従ってデコードする。そして、CD−ROMデコーダ39によってデコードされたオーディオ・データ、ビデオ・データは、それそれMPEGオーディオ・デコーダ40、MPEGビデオ・デコーダ42に供給され、また、CD−ROMデコーダ39によってデコードされた情報のうち、上述したプレイバック・コントロールのための情報等の各種ディスク情報はシステム・コントローラ53に供給され、システム・コントローラ53のRAM53aに一旦記憶される。
MPEGオーディオ・デコーダ40は、CD−ROMデコーダ39から供給されるオーディオ・データを、オーディオRAM41を用いながら所定タイミングでデコードして、切換スイッチ44に供給する。
切換スイッチ44は、システム・コントローラ53の制御の下に、再生される光ディスクの種別に応じて切り換えられる切換スイッチである。例えば再生されている光ディスクがCD−DAであった場合は、光ディスクの再生データとしては、デコーダ部38から、EFM復調処理やエラー訂正処理等のデコード処理が施されたオーディオ・データが得られる。したがって、CD−DA再生中には、システム・コントローラ53は、切換スイッチ44の選択端子を端子t1に接続させる。これにより、デコーダ部38からのオーディオ・データがD/A変換器45に供給される。そして、D/A変換器45は、オーディオ・データをアナログのオーディオ信号に変換し、オーディオ出力端子46を介して後段の例えばモニタ装置等の外部機器に出力する。
一方、再生中の光ディスクがビデオCDであった場合は、オーディオ・データは、MPEGオーディオ・デコーダ40から得られる。したがって、ビデオCD再生中には、システム・コントローラ53は、切換スイツチ44の選択端子を端子t2に接続させる。これにより、MPEGオーディオ・デコーダ40からのオーディオ・データがD/A変換器45に供給される。そして、D/A変換器45は、オーディオ・データをオーディオ信号に変換し、オーディオ出力端子46を介して外部機器に出力する。
MPEGビデオ・デコーダ42は、ビデオCDの再生の際にCD−ROMデコーダ39から供給されるビデオ・データを、ビデオRAM43を用いながら所定タイミングでデコードし、得られるRGBのビデオ・データをD/A変換器47に供給する。
D/A変換器47は、MPEGビデオ・デコーダ42から供給されるビデオ・データをアナログ信号に変換し、得られるRGBのビデオ信号をRGB/NTSCエンコーダ48に供給する。RGB/NTSCエンコーダ48は、このRGBのビデオ信号をNTSC方式のコンポジット・ビデオ信号に変換して、切換スイッチ49の端子t2に供給する。
切換スイッチ49も、システム・コントローラ53の制御の下に、再生される光ディスクの種別に応じて切り換えられる切換スイッチである。例えばビデオCDの再生の際には、光ディスクの再生データとして、MPEGビデオ・デコーダ42からRGBのビデオ・データが得られる。したがって、ビデオCDの再生中には、システム・コントローラ53は、切換スイッチ49の選択端子を端子t2に接続させており、切換スイッチ49は、RGB/NTSCエンコーダ48からのコンポジット・ビデオ信号をOSD処理部50に供給する。OSD処理部50は、このコンポジット・ビデオ信号に対して、システム・コントローラ53からの指示に基づき所定のスーパー・イン・ポーズ処理を行い、ビデオ出力端子51を介してモニタ装置等の外部機器に供給する。
一方、再生される光ディスクがCD−DAであって、しかもそれがCD−Gであった場合は、光ディスクのサブコードのR−Wチャンネルから静止画像データ(静止画のビデオ・データ)が読み出される。したがって、CD−Gデコーダ52は、デコーダ部38から供給される静止画像データをデコードして、得られるNTSC方式のコンポジット・ビデオ信号(静止画)を切換スイッチ49の端子t1に供給する。CD−DA再生中には、システム・コントローラ53は、切換スイッチ49の選択端子を端子t1に接続されており、切換スイッチ49は、CD−Gデコーダ52からのコンポジット・ビデオ信号を、OSD処理部50、ビデオ出力端子51を介して外部機器に供給する。
RAM54は、バック・アップ電源55によりメモリ・データのバック・アップがとられている。このRAM54には、ブック・マーク・ポイントの登録データ等、電源オフの際に消失させてはならないデータが記憶される。もちろん、RAM54の代わりに、EEP−ROM等を用いてもよい。
操作部56は、上述の図23に示した各種操作キー5〜23と、赤外線受信部24(及びリモート・コマンダ)に相当し、ユーザの操作に応じた信号をシステム・コントローラ53に供給する。光ディスクの再生動作を行う際には、光ディスクに記録されている管理情報、すなわちTOCやサブコード・データが読み出され、システム・コントローラ53は、デコーダ部38から給される管理情報に応じて、例えば表示部3に再生時間の表示等を行う。
IV.PBC動作時のランダム再生動作
上述したように、CDプレーヤ等の従来の再生装置では、ユーザがランダム再生を指示する操作ボタンを押したら、内部の乱数発生器によって発生した乱数に応じた番号のプログラムを再生するようになっているが、ユーザの操作無しに自動的にプログラムの再生を行わず、また、再生されるプログラムが重複したり、1回目のランダム再生と2回目のランダム再生において、プログラムの再生順序が同じである等、再生順序に面白みがないという問題があった。本実施例のビデオCDプレーヤでは、このようなプログラムのランダム再生において、プログラムの選択がなるべく万遍なく行われるようにしている。
以下、この動作について説明する。
図21、22を用い、プレイバック・コントロールの動作について具体例をあげて説明したが、ここでは説明上、図25に示すような単純なリスト構成のディレクトリを用いることにする。すなわち、セレクション・リストS1について、5つの選択肢が用意され、それぞれの選択肢でプレイ・リストP1〜P5が指定されるものとする。図26は、このディレクトリを図22の表記に準じて示したものある。
セレクション・リストS1に対するリストIDは、0001hであるとする。また、このセレクション・リストS1には、図19で説明したタイムアウト・リスト・オフセット(TL−OF)としてFFFFhが記されており、すなわちタイムアウトに応じて選択肢のランダムな選択を行うことが指定されているものとする。さらに、タイムアウトまでのウェイト・タイム(W−TO)の値は30であり、すなわち30秒の待機時間が指定されているものとする。また、セレクション#BSNオフセットとして、Sel#1〜Sel#5が用意され、5つの選択肢を有するものとする。そして、Sel#1〜Sel#5は、それそれプレイ・リストP1〜P5を指定しているものとする。
また、プレイ・リストP1では、プレイ・アイテム・ナンバPIN#1としてトラック(プログラム)#2が指定されているものとする。同様に、それぞれプレイ・アイテム・ナンバPIN#1として、プレイ・リストP2ではトラック#3が指定され、プレイ・リストP3ではトラック#4が指定され、プレイ・リストP4ではトラック#5が指定され、プレイ・リストP5ではトラック#6が指定されているものとする。
また、全てのプレイ・リストP1〜P5では、ネクスト・リスト・オフセット(NL−OF)として、セレクション・リストS1が指定されているものとする。すなわち、各プレイ・リストによって指定されたトラックの再生動作が終了した後は、セレクション・リストS1に戻るようになっているものとする。
このようなリスト構造では、セレクション・リストS1が機能している時点でユーザが何も操作を行わずに30秒経過してしまった場合、プレイ・リストP1〜P5のいずれかがランダムに選択される。そして、選択されたプレイ・リストによって指定されたトラックの再生が行われ、そのトラックの再生が終了したら再びセレクション・リストS1に戻ることになるが、ここでもユーザが何も操作せずに30秒経過した場合、再びプレイ・リストP1〜P5のいずれかがランダムに選択されることになる。
ここで、このリスト構造を例として用いながら、プログラム(トラック)の再生におけるシステム・コントローラ53の制御動作を、図27を用いて説明する。
プレイバック・コントロール動作において、システム・コントローラ53は、ステップF101でセレクション・リストS1かを判定し、該当するときはステップF102に進み、該当しないときはステップF115に進む。
ステップF102において、システム・コントローラ53は、そのセレクション・リストのプレイ・アイテム・ナンバ(PIN)に基づいた再生を行い、ステップF103に進む。具体的には、図26の例では、セレクション・リストS1のPINは1000であり、システム・コントローラ53は、セグメント・プレイ・アイテム#1を再生して、上述の図26に示すように、5つの選択肢を有するメニューを表示する。
ステップF103において、システム・コントローラ53は、セレクション・リストS1にタイムアウトが指定されているかを判定し、該当するときはステップF105に進み、該当しないときはステップF114に進む。具体的には、タイムアウトまでのウェイト・タイム(W−TO)の値がFFhであった場合は、タイムアウトの指定がなされていないので、システム・コントローラ53は、ステップF114に進み、ユーザの選択操作があるまで待機、すなわちユーザの入力があるまでメニュー表示を続ける。そして、ステップF114において、システム・コントローラ53は、ユーザが選択操作を行うと、ステップF115に進み、選択されたプレイ・リスト又は下層のセレクション・リストに応じた再生動作を実行する。
一方、セレクション・リストS1においてタイムアウトまでのウエイト・タイム(W−TO)の値が01h−FEhであった場合は、タイムアウトの指定がされているので、システム・コントローラ53は、ステップF105に進む。図26の例では、セレクション・リストS1に30秒という時間が指定されている。
ステップF105において、システム・コントローラ53は、例えばその内部にタイマを備え、このタイマとウェイト・タイムの値を比較して、タイムアウトに達したかを判定し、該当するときはステップF106に進み、該当しないときはステップF113に進む。
ステップF113において、システム・コントローラ53は、ユーザが選択操作を行ったかを判定し、該当するときはステップF115に進み、該当しないときはステップF105に戻る。具体的には、例えば、ユーザが30秒経過する前に選択肢2を選択すると、システム・コントローラ53は、ステップF115に進み、リスト内容を実行する。すなわち、システム・コントローラ53は、選択肢2であるSel#2によりプレイ・リストP2に進み、そこでPIN#1として指定されているトラック#3の再生を実行する。
一方、ステップF105において、タイムアウトとなるまで操作がなされなかった場合は、ステップF106において、システム・コントローラ53は、ランダム指定がなされているか判定し、該当するときはステップF107に進み、該当しないときはステップF115に進む。具体的には、 タイムアウト・リスト・オフセット(TL−OF)がFFFFhである場合は、ランダム指定がされている。なお、タイムアウト・リスト・オフセット(TL−OF)としてあるリストが指定されていた場合は、ランダム指定ではなく、システム・コントローラ53は、ステップF115に進み、その指定されたリストによる再生動作を実行する。図26の例では、ランダム指定がされている。
ステップF107において、システム・コントローラ53は、このセレクション・リストS1についてのランダム指定用ビット・マップを確認した後、ステップF108に進む。ここで、ランダム指定用ビット・マップとは、システム・コントローラ53がRAM53a内に作成して保持するものである。具体的には、システム・コントローラ53は、例えば図28Aに示すように、RAM53a内にリストIDを記憶するエリアを設け、これに続いて各1ビットでSel#1〜Sel#99に対応するエリアを設ける。すなわち、システム・コントローラ53は、セレクション・リストで設定可能な選択肢数に対応した99ビット分の領域を用意する。この領域は13バイトの領域で構成でき、システム・コントローラ53は、1つのセレクション・リストに対応して1つのビット・マップを形成する。
ステップF108において、システム・コントローラ53は、現在のセレクション・リストのリストIDが付されているランダム指定用ビット・マップがRAM53aに存在(記憶)されているかを判定し、該当するときはステップF109に進み、該当しないときは、すなわちそのセレクション・リストについての動作中にステップF107以降の処理に進んだことが過去にない場合は、ステップF110に進む。
ステップF110おいて、システム・コントローラ53は、ランダム指定用ビット・マップをRAM53a内に設けると共に、ランダム指定用ビット・マップを初期化した後、ステップF111に進む。具体的には、システム・コントローラ53は、例えば図28Aに示すように、RAM53a内にエリアを設け、存在する選択肢に対応したビットを1とする初期設定を行う。例えば図26のセレクション・リストS1の場合は、選択肢としてSel#1〜Sel#5が存在するので、例えば図28Bに示すように、それらに対応する5つのビットを1として、ランダム指定用ビット・マップを初期化する。なお、ランダム指定用ビット・マップをRAM54に記憶するようにしてもよい。
ステップF111において、システム・コントローラ53は、ランダム指定用ビット・マップにおいて1とされているビットの中からランダムに1つのビットを選択し、ステップF112に進む。具体的には、システム・コントローラ53は、Sel#1〜Sel#5のうちから、例えば乱数やM系列ジェネレータによって発生された数値を用いてランダムに1つの選択肢を選択する。
ステップF112において、システム・コントローラ53は、選択した選択肢に対するビットを0とし、ステップF115に進む。そして、このステップF115において、システム・コントローラ53は、その選択肢に応じたリスト内容を実行する。
例えばステップF111でSel#2が選択されたとすると、ステップF112で、例えば図28Cに示すように、Sel#2に対応するビットが0とされ、続いてステップF115では、プレイ・リストP2の内容、すなわちトラック#3の再生が実行される。
ここで、プレイ・リストP2の内容であるトラック#3の再生が終了したとすると、図26の例では、システム・コントローラ53は、再びセレクション・リストS1に戻り、すなわちステップF101からステップF102に進み、メニューの表示を行う。
そして、またユーザが選択操作を何も行わなかった場合は、システム・コントローラ53は、30秒後にステップF107に進むことになる。この場合は、既にセレクション・リストS1に対応するランダム指定用ビット・マップがRAM53aに存在するので、システム・コントローラ53は、ステップF108からステップF109に進む。
ステップF109において、システム・コントローラ53は、過去のランダム指定動作で全ての選択肢が選択されたかを判定し、該当しないときはステップF111に進み、該当するときはステップF110に進む。具体的には、選択された選択肢については対応するビットが0とされるため、システム・コントローラ53は、ランダム指定用ビット・マップのSel#1〜Sel#99までの全ビットが0であるかを判定する。例えば図28Cに示すように、Sel#2に対応するビットのみが0の場合は、過去にSel#2のみが選択されており、システム・コントローラ53は、ステップF111に進む。そして、ステップF111において、システム・コントローラ53は、このランダム指定用ビット・マップに基づいて、Sel#のランダムな選択を行う。具体的には、システム・コントローラ53は、ビットが1ある選択肢の中から1つを選択する。すなわち、図28Cに示す場合は、システム・コントローラ53は、Sel#2を除外してSel#の選択を行う。
そして、ステップF111において、例えばSel#4が選択されると、例えば図28Dに示すように、Sel#4に対応するビットが0とされ(ステップF112)、続いてプレイ・リストP4によりトラック#5の再生が実行される(ステップF1F115)。
以降同様に、セレクション・リストS1についてランダム選択動作が実行される場合は、その時点のランダム指定用ビット・マップにおいてビットが1とされている選択肢の中からランダムな選択が行われる。
ランダム選択動作によりSel#1〜Sel#5について一通り選択が行われた時点では、ランダム指定用ビット・マップの状態は、例えば図28Eに示すように、各ビットが全て0となる。この状態において、システム・コントローラ53の処理がステップF108以降に進んだ場合は、処理はステップF109からステップF110に進むことになり、ここでは再び初期化が行われる。すなわち、ランダム指定用ビット・マップは、図28Bの状態にされる。そして、ステップF111以降の処理が同様に実行される。
以上のように本実施例では、あるセレクション・リストからランダム選択が実行される場合は、ランダム指定用ビット・マップによって過去の選択状況を覚えておき、選択されていないものの中から選択を行うようにしているため、同じ内容が何度も選択されることを防止することができる。
この場合、ランダム指定用ビット・マップをRAM53aに記憶するようにした場合は、電源オンとされてから電源オフとされるまでの期間においてランダム選択によって各リストを万遍なく選択することができることになり、またRAM54に記憶するようにすれば、電源オン/オフにかかわらず過去の選択状態を確認して選択できることになる。
なお、本発明は、上述の実施例に限定されるものではなく、各種の再生装置においても適用できる。また、処理例も図27以外に、例えばタイムアウト指定の有無の判定ステップF103とタイムアウトの判定ステップF105を図27から除いて、単に、ランダム指定か否かを判定するようにしてもよい。
34 光学ヘッド、 37 サーボ回路、 38 デコーダ部、 40 MPEGオーディオ・デコーダ、 42 MPEGビデオ・デコーダ、 45 D/A変換器、 53 システム・コントローラ