JP4207879B2 - 可変バルブ機構の異常判定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、吸気バルブのリフト時間面積を可変とする可変バルブ機構の異常の有無を判定する可変バルブ機構の異常判定装置に関する。
近年、吸気バルブの最大リフト量や作動角を、即ち吸気バルブのリフト時間面積(開弁から閉弁までのバルブリフト量のクランク角積分値)を可変とする可変バルブ機構が実用されている(例えば特許文献1参照)。こうした可変バルブ機構を備える内燃機関では、機関運転状態に応じて吸気バルブのリフト時間面積を適宜調整することで、機関性能の更なる向上が図られている。
上記特許文献1に記載の可変バルブ機構は、吸気バルブと同バルブを開閉駆動するカムシャフトとの間の動力伝達経路上に介在される仲介部材と、リフト時間面積を変更すべく仲介部材を変位させるアクチェータとを備えている。仲介部材は各気筒毎に個別に設けられており、アクチェータからの動力は共通の可動シャフトを介して各仲介部材に伝達されるようになっている。そしてこの動力伝達に基づく各仲介部材の変位を通じて各吸気バルブのリフト時間面積が変更される。
特開2001−263015号公報
こうした可変バルブ機構において固着等の異常が発生し、リフト時間面積の指令値と実値とが一致しない状態となると、所望とする吸入空気量が得られなくなる等の不具合が生じる。こうした可変バルブ機構の異常の検出は、実際の吸気バルブのリフト態様を実測すれば可能であるが、そのためには特段にセンサが必要になり、コスト増を招いてしまう。
例えば上記特許文献1に記載の可変バルブ機構においては、リフト時間面積の変更に係る可動シャフトの移動量を検出するためのセンサを設け、この移動量の検出を通じて吸気バルブのリフト態様を把握するようにしている。これにより、各バルブ毎にそのリフト態様を実測するセンサを個別に設けた場合に比較してセンサの数を減らすことができるようになる。
ところがこの構成では、仮に仲介部材と可動シャフトとの連係部分が損傷するなどして同仲介部材の変位量と可動シャフトの移動量との相関関係に異常を来すような状態となると、上記センサを通じてリフト態様を正確に把握することができなくなり、可変バルブ機構における異常の有無の判定を正確に行うことが困難となる。
本発明は、こうした実状に鑑みてなされたものであって、その解決しようとする課題は、より簡易に可変バルブ機構の異常の有無を判定することのできる可変バルブ機構の異常判定装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する
請求項に係る発明は、内燃機関の吸気バルブのリフト時間面積を可変とする可変バルブ機構の異常の有無を判定する可変バルブ機構の異常判定装置であって、前記吸気バルブのリフト時間面積が変更されるように前記可変バルブ機構に駆動指令を発しつつ、同駆動指令の変更に伴う吸入空気量(実絶対量)の変化をなくすべく前記駆動指令における指令値の変更量に基づきスロットル開度を調整し、その後の吸入空気量(実絶対量)に変化が生じたことをもって前記異常有りと判定することをその要旨とする。
同構成によれば、上記リフト時間面積の変更に伴う吸入空気量(実絶対量)の変化をなくすべくスロットル開度の調整が行われる。例えば、可変バルブ機構に異常が生じて駆動指令に応じたリフト時間面積の変更が行われなくなったときには、上記スロットル開度の調整を上記駆動指令における指令値の変更量に基づいて行ったのでは吸入空気量(実絶対量)を一定に保持することができなくなる、即ちその後の吸入空気量(実絶対量)に変化が生じることとなる。本発明では、こうした吸入空気量(実絶対量)の変化の有無に基づいて可変バルブ機構における異常の有無が判定される。
このように本発明においては、吸入空気量の検出結果に基づいて上記判定が行われる。従って、上記判定を行うに際し、吸入空気量の検出のために用いられる既存のセンサによる検出結果の流用を図ることで、上記判定用のセンサを特段に設ける必要がなくなる。
また、吸入空気量の検出結果に基づいて上記判定を行うようにしたことから、例えば上記特許文献1に記載の構成のような、リフト時間面積を変更すべく駆動されるアクチェータと吸気バルブとの間の動力伝達経路上に介在される複数の連係した部材のうち、どの部材同士の相関関係(変位量等に関しての相関関係)に異常が発生しても正確に上記判定を行うことができるようになる。
なお、本発明における「リフト時間面積」は、開弁から閉弁までのバルブリフト量のクランク角積分値を指している。このリフト時間面積の変更は、例えば、吸気バルブの最大リフト量や作動角(これらの双方でもよくどちらか一方でもよい)の変更を通じて行われる。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明において、前記駆動指令に応じて吸入空気量(実絶対量)が増大したときには、その増大に応じて点火時期を遅角することをその要旨とする。
同構成によれば、上記駆動指令に応じた吸入空気量(実絶対量)の増大に伴う内燃機関の出力(トルク)の増大が抑制される。即ち、上記判定時における過剰な出力の発生が抑えられる。
(第1実施形態)
以下、本発明を自動車に搭載される多気筒型内燃機関における可変バルブ機構の異常判定装置に具体化した第1実施形態を図1〜図5に従って説明する。
図1に示すように、内燃機関11の各燃焼室(図では一箇所のみ図示)12には、吸気通路13を通じて空気が吸入されるとともに燃料噴射弁14から燃料が噴射供給される。この空気と燃料とからなる混合気に対し点火プラグ15による点火が行われると、同混合気が燃焼してピストン16が往復移動し、機関出力軸であるクランクシャフト17が回転する。そして、燃焼後の混合気は排気として各燃焼室12から排気通路18に送り出され、同通路18に設けられた触媒コンバータ19によって浄化される。
内燃機関11において、燃焼室12と吸気通路13との間は吸気バルブ21の開閉動作によって連通・遮断され、燃焼室12と排気通路18との間は排気バルブ22の開閉動作によって連通・遮断される。これら吸気バルブ21及び排気バルブ22は、クランクシャフト17の回転が伝達される吸気カムシャフト23及び排気カムシャフト24の回転に伴い開閉動作する。
吸気カムシャフト23と吸気バルブ21との間には、同バルブ21の最大リフト量、及び作動角(即ち吸気バルブ21を開閉させる吸気カムの作用角)を可変とする可変バルブ機構31が設けられている。これら最大リフト量及び作動角は、電子制御装置41からの指令信号(駆動指令)に基づく可変バルブ機構31の駆動を通じて可変制御される。
こうした可変バルブ機構31の駆動による上記最大リフト量及び作動角の変更態様を図2に示す。同図に示す特性曲線から分かるように、上記最大リフト量と作動角とは互いに同期して変化するものであって、例えば作動角が小さくなるほど最大リフト量も小さくなってゆく。この作動角が小さくなるということは、吸気バルブ21の開弁時期と閉弁時期とが互いに近寄るということであり、吸気バルブ21の開弁期間が短くなるということを意味する。なお本実施形態では、可変バルブ機構31の駆動を通じて上記最大リフト量及び作動角が同図の各特性曲線の間で連続的に変更され得るようになっている。
こうした可変バルブ機構31を通じて本実施形態では、燃焼室12に吸入される空気量の調節(吸入空気量調節)が、内燃機関11の負荷等、機関運転状態に応じた上記最大リフト量及び作動角の可変制御に基づいて行われるようになっている。即ち、例えば、上記可変制御を通じて上記最大リフト量及び作動角を小さくすることで、燃焼室12内に吸入される空気量を低減するようにしている。この場合、スロットルバルブを絞ることで吸入空気量を低減する態様と比較してポンピングロスを小さくすることができ、即ち内燃機関11における出力のロスを抑えることが可能となり、燃費を向上させることができるようになる。
次に、内燃機関11の制御装置における電気的構成(制御系統)について詳述する(図1参照)。
上記した電子制御装置41は、内燃機関11の運転制御を司る機関制御システムの一部をなすものである。この電子制御装置41を通じて内燃機関11における燃料噴射弁14の燃料噴射制御、点火プラグ15の点火時期制御、上記最大リフト量及び作動角の可変制御等が行われる。
電子制御装置41は、クランク角センサ45からの信号に基づきクランクシャフト17の回転速度(機関回転速度)を算出する。また、電子制御装置41は、吸気通路13に設けられたエアフローメータ47からの信号に基づき、吸気通路13を介して燃焼室12に吸入される空気量(吸入空気量)の実測値(実吸入空気量即ち吸入空気量の実絶対量)を算出する。これにより得られた実吸入空気量データは、上記燃料噴射制御における燃料噴射量の決定等に利用される。
電子制御装置41は、上記最大リフト量及び作動角を可変制御すべく、その指令値(絶対量)を可変バルブ機構31に対して出力する。なお、以下では便宜上、上記最大リフト量及び作動角に関する指令値を、単に「指令値」と称する。
電子制御装置41に設けられたROMには、上記指令値とこれに応じた吸入空気量の理論値(理論絶対量)との関係についての制御マップが予め格納されている。この制御マップには、様々な機関回転速度条件下における上記の関係が記述されている。これにより電子制御装置41は、例えば、内燃機関11がアイドル運転等の定常運転状態にあるとき、クランク角センサ45からの機関回転速度情報に基づいて、上記指令値に応じた吸入空気量の理論絶対量を算出することができるようになっている。また、電子制御装置41は、上記指令値の変更量に応じた吸入空気量の変化の理論値(理論変化量)を算出することができるようになっている。
このように構成された本可変バルブ機構31の異常判定装置においては、上記実吸入空気量の推移に基づいて同機構31の異常の有無を判定するようにしている。更に詳述すると、本実施形態における上記異常の有無の判定(以下、これを異常判定と称する)は、上記駆動指令における上記指令値の変更量に応じた吸入空気量の理論変化量と実変化量(変化量の実値)との比較に基づいて行われる。
図3に、定常運転時の或る機関回転速度(例えばアイドル運転時の機関回転速度)における上記指令値と吸入空気量との関係の一例を示す。同図において実線で示される曲線100は上記指令値に応じた吸入空気量の理論絶対量に関するものである。破線で示される曲線100maxは上記指令値と実吸入空気量との関係に関する正常範囲(正常とみなすことの可能な範囲)の上限として設定されたものであり、同じく曲線100minはその下限として設定されたものである。
本実施形態では、上記指令値を所定量だけ変更した際における吸入空気量の実変化量と理論変化量との差の絶対値、即ち上記指令値の変更量に応じた吸入空気量の実変化量と理論変化量との差の絶対値が所定の基準値Aよりも大となったとき、これを「可変バルブ機構31に異常有り」と判定するようになっている。
即ち、上記指令値の所定変更量daに応じた吸入空気量の実変化量が、例えば、同図に一点鎖線で例示される実測値曲線101における実変化量ds1のように、理論値曲線100における理論変化量ds0に対して、下限曲線100minのそれを超えて小となったとき「可変バルブ機構31に異常有り」と判定される。この異常は、上記指令値を増大方向又は減少方向に変更した際のその変更量に対して、吸入空気量の実変化量が過小となってしまうものである。
また、上記指令値の所定変更量daに応じた吸入空気量の実変化量が、例えば、同じく一点鎖線で例示される実測値曲線102における実変化量ds2のように、理論値曲線100における理論変化量ds0に対して、上限曲線100maxのそれを超えて大となったとき「可変バルブ機構31に異常有り」と判定される。この異常は、上記指令値を増大方向又は減少方向に変更した際のその変更量に対して、吸入空気量の実変化量が過大となってしまうものである。
これらに対し、上記指令値の所定変更量daに応じた吸入空気量の実変化量が、上限曲線100maxに関してのもの以下であって且つ下限曲線100minに関してのもの以上であれば、即ち上記正常範囲に対応するものであれば「可変バルブ機構31に異常無し」と判定される。
以下、こうした異常判定処理等の手順について図4及び図5のフローチャートを参照して説明する。これら制御ルーチンは電子制御装置41を通じて例えば所定時間毎の時間割り込みにて実行される。
先ず、図4の異常判定処理に関する制御ルーチンについて説明する。
この制御ルーチンでは先ず、上記指令値を変更するにあたっての前提条件が成立しているか否かの判断がなされる(ステップS110)。上記前提条件としては、例えば、内燃機関11がアイドル運転のような定常運転状態にあること等、上記異常判定を行うのに適した状態にあることが挙げられる。このステップS110処理は、上記前提条件が成立した旨の判断がなされる(ステップS110:YES)まで繰り返し実行される。
そして上記前提条件が成立するに伴い処理がステップS120に移行される。ここでは、上記指令値がその時点でのものから所定量(例えば上記変更量da)だけ増大方向に変更されるとともに、その指令値での駆動指令が可変バルブ機構31に対して発せられる。そして処理がステップS130に移行されて増大指令フラグが「1」に設定される。
次のステップS140では、上記指令値の変更がなされてからの経過時間が所定に至ったか否かが判断される。この判断の基準となる所定の時間は、上記駆動指令がなされてから可変バルブ機構31においてその駆動が開始されるまでの応答遅れ等を考慮して設定されている。そしてこの経過時間が所定に至った旨の判断がなされると(ステップS140:YES)、異常判定を下すのに充分な時間が経過したものとして、処理がステップS150に移行される。
このステップS150では、上記指令値の変更量に応じた吸入空気量の理論変化量と実変化量との差の絶対値が所定の基準値Aよりも大であるか否かが判断される。そしてこの判断結果がYES、即ち上記差の絶対値が基準値Aよりも大である旨のものであるときには、上記指令値の変更量に応じた吸入空気量の実変化量が、例えば上限曲線100maxに関するものよりも大、或いは下限曲線100minに関するものよりも小であるとして可変バルブ機構31に異常有りと判定される(ステップS160)。
一方、ステップS150での判断結果がNO、即ち上記差の絶対値が基準値A以下である旨のものであるときには、上記指令値の変更量に応じた吸入空気量の実変化量が、例えば上記正常範囲に対応するものであるとして可変バルブ機構31に異常無しと判定される(ステップS170)。
そして次に、上記指令値が上記変更前の値、或いは機関運転状態等から決定される通常の値に復帰され(ステップS180)、上記増大指令フラグが「0」に設定され(ステップS190)た後、本制御ルーチンが終了される。
このようにして、吸入空気量の推移に基づく可変バルブ機構31の異常判定がなされる。
なお、本実施形態では、上記指令値の増大方向への変更に伴う実吸入空気量の増大によって排気性状が悪化したりすることのないように、燃料噴射弁14における燃料噴射量が上記実吸入空気量等に応じて適切に制御されるようになっている。従って、上記のように通常の吸入空気量調節時よりも実吸入空気量が増加すると、その分、内燃機関11においては出力(トルク)が増大することとなり、この増大が過剰となると運転者に違和感を与える等の懸念が生じる。
そこで本実施形態では、上記駆動指令に応じて実吸入空気量が増大したときには、その増大に応じて点火プラグ15における点火時期を遅角するようにこれを制御するようにしている。以下、こうした点火時期制御の処理手順について図5のフローチャートを参照して説明する。
この制御ルーチンでは先ず、上記増大指令フラグに「1」が設定されているか否か、即ち上記指令値の増大がなされたか否かが判断される(ステップS510)。そしてこの判断結果がYESの場合、処理がステップS520に移行されて吸入空気量の実絶対量が増大したか否かが判断される。即ち、上記図3の異常判定処理における指令値の増大によって吸入空気量の実絶対量の増大が生じたか否かが判断される。
そしてこの判断結果がYES、即ち上記吸入空気量の実絶対量の増大が生じた旨の判断がなされた場合には、処理がステップS530に移行され、上記吸入空気量の実絶対量の増大に応じて上記点火時期が遅角される。この処理において上記点火時期は、例えば、上記吸入空気量の実変化量が大きいほど通常の点火時期からの遅角量が大きくなるように制御される。
他方、ステップS510或いはステップS520における判断結果がNOであった場合には、上記した点火時期の遅角は実行されることなく、ステップS540において、機関運転状態等に応じた通常の点火時期が設定されることとなる。
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態によれば、吸気バルブ21の最大リフト量及び作動角を変更させるように可変バルブ機構31に駆動指令を発した際の吸入空気量(実値)の推移に基づいて同機構31の異常の有無が判定される。従って、上記判定を行うに際し、吸入空気量の検出のために用いられる既存のセンサ(例えばエアフローメータ47)による検出結果の流用を図ることで、上記判定用のセンサを特段に設ける必要がなくなる。
また、例えば上記特許文献1に記載の構成のような、最大リフト量等を変更すべく駆動されるアクチェータと吸気バルブとの間の動力伝達経路上に介在される複数の連係した部材のうち、どの部材同士の相関関係(変位量等に関しての相関関係)に異常が発生しても正確に上記判定を行うことができるようになる。
(2)上記駆動指令に応じて実吸入空気量が増大したときには、その増大に応じて点火時期が遅角される。これによれば、上記駆動指令に応じた実吸入空気量の増大に伴う内燃機関11の出力(トルク)の増大が抑制される。即ち、上記判定時における過剰な出力の発生が抑えられる。
(第2実施形態)
この第2実施形態は、可変バルブ機構31における異常の有無の判定を、上記駆動指令における指令値(絶対量)に応じた吸入空気量の理論絶対量と実絶対量との比較に基づいて行うようにしたものであり、その他の点では第1実施形態と同様の構成になっている。
図6に、定常運転時の或る機関回転速度(例えばアイドル運転時の機関回転速度)における上記指令値と吸入空気量との関係の一例を示す。同図において実線で示される曲線200は上記指令値に応じた吸入空気量の理論絶対量に関するものである。破線で示される曲線200maxは上記指令値と実吸入空気量との関係に関する正常範囲(正常とみなすことの可能な範囲)の上限として設定されたものであり、同じく曲線200minはその下限として設定されたものである。なお、同図において理論値曲線200と上限曲線200maxとは、同一の指令値に対応する吸入空気量どうしの差が一定となるように設定されている。理論値曲線200と下限曲線200minとについても上記同様に、同一の指令値に対応する吸入空気量どうしの差が一定となるように設定されている。
本実施形態では、上記指令値に応じた吸入空気量の理論絶対量と実絶対量との差の絶対値が所定の基準値Bよりも大となったとき、これを「可変バルブ機構31に異常有り」と判定するようになっている。因みに、本実施形態においてはこの基準値Bが、上限曲線200maxにおける任意の指令値に対応する吸入空気量から、理論値曲線200における上記と同一の指令値に対応する吸入空気量を減じたときの差と等しく設定されている。また同様に、基準値Bは理論値曲線200における任意の指令値に対応する吸入空気量から、下限曲線200minにおける上記と同一の指令値に対応する吸入空気量を減じたときの差と等しく設定されている。
即ち、例えば、同図に示すように上記指令値を任意の値から変更(図ではドットS1に対応する指令値から変更量db分増大)した後、吸入空気量の実絶対量が上記正常範囲から外れていれば「可変バルブ機構31に異常有り」と判定される。例えば同図にドットS2で示す状態に関しては、同一の指令値に対応する吸入空気量の実絶対量が上限曲線200maxについてのそれよりも大となっており、即ち、上記変更後の指令値に応じた吸入空気量の実絶対量が過大となっている。また、ドットS3で示す状態に関しては、上記指令値に対応する吸入空気量の実絶対量が下限曲線200minについてのそれよりも小となっており、即ち、上記変更後の指令値に応じた吸入空気量の実絶対量が過小となっている。即ちこれら上記指令値の変更後における吸入空気量の実絶対量がドットS2,S3で示す状態にあるときには上記異常有りと判定される。
これに対し、ドットS4で示す状態に関しては、上記指令値に対応する吸入空気量の実絶対量が上限曲線200maxについてのそれ以下であり且つ下限曲線200minについてのそれ以上となっており、この場合には「可変バルブ機構31に異常なし」と判定される。
なお、上記のように上記指令値に応じた吸入空気量の理論絶対量と実絶対量との比較に基づいて上記異常判定を行う場合には、上述したような指令値の変更を行わずとも同判定を行うことが可能である。しかし本実施形態では、上記指令値の変更を行わない、いわば「静状態」での異常判定では看過され兼ねない異常の検出を可能とすべく、上記指令値の変更を行った上での異常判定を行うようにしている。即ち、例えば、ドットS1で示すような正常状態が長期間継続されている最中に可変バルブ機構31において固着等の異常が生じた場合、上記「静状態」での異常判定ではこの異常を検出することができない。その点、本実施形態のように上記指令値をこのドットS1の状態から変更しその後の吸入空気量の実絶対量を参照することで、こうした異常の検出(「異常有り」との判定)が可能となる。
以下、電子制御装置41を通じて例えば所定時間毎の時間割り込みにて実行される本実施形態の異常判定処理等の手順について図5及び図7のフローチャートを参照して説明する。
先ず、図7の異常判定処理に関する制御ルーチンについて説明する。本制御ルーチンにおける各ステップ処理はステップS250を除いて図4のものと同様となっている。
即ち、各ステップS210,S220,S230,S240,S260,S270,S280,S290の処理は同順に、図4の各ステップS110,S120,S130,S140,S160,S170,S180,S190の各処理と同様のものとなっている。
従って、本制御ルーチンでは、ステップS250において吸入空気量の理論絶対量と実絶対量との差の絶対値が所定の基準値Bよりも大きいか否かの判断がなされ、この判断結果がYESならば可変バルブ機構31に「異常有り」と判定され、NOならば「異常なし」と判定される。
そして上記第1実施形態と同様に、図5に示す点火時期制御処理の実行を通じて、上記駆動指令に応じた実吸入空気量の増大に伴う内燃機関11の出力(トルク)の増大を抑制するようにしている。
本実施形態においても、上記の(1)及び(2)と同様の効果を得ることができる。
(第3実施形態)
この第3実施形態は、上記最大リフト量及び作動角の可変制御を通じた吸入空気量調節に併せてスロットル開度の調整を通じた吸入空気量調節が行われるとともに、上記異常判定の態様についてもこれらをふまえたものとなっている点が上記第1及び第2実施形態と異なっている。従って以下では、主にこうした相違点について説明することとし、第1及び第2実施形態と共通する構成部分については図面上に同一符号を付して重複した説明を省略する。
図8に示すように、本実施形態の内燃機関11においては、吸気通路13の途中にスロットルバルブ51が設けられ、電子制御装置41から発せられる駆動指令に基づいてスロットル開度が調整されるようになっている。本実施形態では、上記した最大リフト量及び作動角の可変制御と併せ、このスロットル開度の調整を通じて吸入空気量が調節されるようになっている。
更に本実施形態において電子制御装置41は、例えば上述の前提条件(内燃機関11が定常運転状態にあること等)の成立した状態において、上記最大リフト量及び作動角が変更されるように上記指令値を変更した場合に、実吸入空気量が一定に保持されるように上記指令値の変更量に基づいてスロットル開度を調整するようになっている。こうした最大リフト量及び作動角の可変制御とスロットル開度の調整との双方による吸入空気量調節は、例えば、実吸入空気量を一定に保ちつつ吸気通路13におけるスロットルバルブ51よりも下流側の領域の圧力を変更する場合等に行われる。
このようにして本実施形態では、上記最大リフト量及び作動角の変更に伴う実吸入空気量の変化をなくすべくスロットル開度の調整が行われる。こうした内燃機関11においては、例えば可変バルブ機構31に異常が無ければ上記指令値が変更されても実吸入空気量は一定に保持されるようになる。しかし、例えば、可変バルブ機構31に異常が生じて駆動指令に応じた上記最大リフト量及び作動角の変更が行われなくなったときには、スロットル開度の調整を上記指令値の変更量に基づいて行ったのでは実吸入空気量を一定に保持することができなくなる、即ちその後の実吸入空気量に変化が生じることとなる。本実施形態では、こうした実吸入空気量の変化の有無に基づいて上記異常判定が行われるようになっている。
以下、電子制御装置41を通じて例えば所定時間毎の時間割り込みにて実行される本実施形態の異常判定処理等の手順について図5及び図9のフローチャートを参照して説明する。なお、上記スロットル開度の調整に関しての処理は、電子制御装置41を通じて例えば所定時間毎の時間割り込みにて、図5及び図9に示す処理と並行して実行される。
先ず、図9の異常判定処理に関する制御ルーチンについて説明する。本制御ルーチンにおける各ステップ処理はステップS350を除いて図4のものと同様となっている。
即ち、各ステップS310,S320,S330,S340,S360,S370,S380,S390の処理は同順に、図4の各ステップS110,S120,S130,S140,S160,S170,S180,S190の各処理と同様のものとなっている。
従って、本制御ルーチンでは、ステップS350において吸入空気量の実絶対量に変化があったか否かの判断がなされ、この判断結果がYESならば可変バルブ機構31に「異常有り」と判定され、NOならば「異常なし」と判定される。
そして上記第1及び第2実施形態と同様に、図5に示す点火時期制御処理の実行を通じて、実吸入空気量が増大した場合における内燃機関11の出力(トルク)の増大を抑制するようにしている。
本実施形態では、上記の(1)及び(2)と同様の効果を得ることができる。
なお、実施の形態は前記に限定されるものではなく、例えば、以下の様態としてもよい。
・上記各実施形態では、上記指令値を増大方向に変更したときの吸入空気量(実値)の推移に基づいて上記異常判定を行うようにしたが、これに限らず、上記指令値を減少方向に変更したときの上記推移に基づいて行うようにしてもよい。
・上記第1実施形態では、上記指令値の変更量に応じた吸入空気量の理論変化量と実変化量との比較に基づいて上記異常判定を行うようにしたが、これに限らず、上記指令値の変更量に対する吸入空気量の実変化量の比(例えば図3における「ds1/da」や「ds2/da」の値等)に基づいて行うようにしてもよい。この場合、例えば、上記指令値の変更量に対する吸入空気量の実変化量の比が所定の範囲(例えば上記正常範囲に対応する範囲)から外れたとき可変バルブ機構31に異常有りと判定される。
第1実施形態の可変バルブ機構に適用される異常判定装置の概略構成図。 第1実施形態における吸気バルブのリフト量と作動角との関係を示す図。 第1実施形態における指令値と吸入空気量との関係を示す図。 第1実施形態における異常判定処理のフローチャート。 第1実施形態における点火時期制御処理のフローチャート。 第2実施形態における指令値と吸入空気量との関係を示す図。 第2実施形態における異常判定処理のフローチャート。 第3実施形態の可変バルブ機構に適用される異常判定装置の概略構成図。 第3実施形態における異常判定処理のフローチャート。
符号の説明
11…内燃機関、21…吸気バルブ、31…可変バルブ機構、41…電子制御装置、51…スロットルバルブ。

Claims (2)

  1. 内燃機関の吸気バルブのリフト時間面積を可変とする可変バルブ機構の異常の有無を判定する可変バルブ機構の異常判定装置であって、
    前記吸気バルブのリフト時間面積が変更されるように前記可変バルブ機構に駆動指令を発しつつ、同駆動指令の変更に伴う吸入空気量の変化をなくすべく前記駆動指令における指令値の変更量に基づきスロットル開度を調整し、その後の吸入空気量に変化が生じたことをもって前記異常有りと判定する
    ことを特徴とする可変バルブ機構の異常判定装置。
  2. 前記駆動指令に応じて吸入空気量が増大したときには、その増大に応じて点火時期を遅角する
    請求項1に記載の可変バルブ機構の異常判定装置。
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