JP4207814B2 - トランス−1,4−ポリブタジエンの製造方法 - Google Patents

トランス−1,4−ポリブタジエンの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、トランス−1,4−ポリブタジエンの新規な製造方法に関する。
ブタジエンは、重合触媒によって種々のミクロ構造を有するポリマ−が得られることが知られている。トランス−1,4結合を多く含むポリブタジエンは、固相転移現象を生じる結晶性ポリマ−であり、なかでも、95%以上のトランス結合を含むポリブタジエンは、固相転移現象に伴う体積変化や熱授受が顕著であって、例えば特開平9−268208(特許文献1)記載のような蓄熱材料としての利用が可能である。このような高トランスポリブタジエンは、バナジウム触媒を用いて製造することができる。
また、米国特許USP3219650(特許文献2)には、触媒として3塩化バナジウム、助触媒としてトリイソブチルアルミニウム(TIBA)を用い、アミン化合物を添加して、イソオクタン溶媒中で、1,3−ブタジエンを重合するトランス−1,4−ポリブタジエンの製造法が記載されている。しかしながら、この製造方法におけるポリマ−収量(バナジウム触媒原子あたりのポリブタジエン生成量)はたかだか6g/mmolであり、また、触媒活性(1時間あたり、バナジウム触媒あたりのポリブタジエン生成量)は0.5g/mmol/h以下であり、改善が求められていた。
また、米国特許USP3222333(特許文献3)には、触媒としてジイソプロピルサリチル酸バナジウム、助触媒としてエチルアルミニウムセスキクロリド(EASC)を用い、ベンゼン溶媒中、温度5℃で1,3−ブタジエンを重合して、トランス結合含有率100%のトランス−1,4−ポリブタジエンを得る製造法が記載されている。この製造方法によるポリマ−収量は200g/mmol、触媒活性は100g/mmol/hである。しかしながら、この製造方法は触媒の調製工程が複雑であり、また、当該活性は冷却設備を必要とする反応温度条件で得られており、改善が求められていた。
また、米国特許USP3550158(特許文献4)には、窒素置換した密閉容器中に触媒として3塩化バナジウム,4塩化バナジウム,あるいはオキシ3塩化バナジウムを、助触媒としてトリエチルアルミニウム(TEA)を導入し、無水ヘプタン中溶媒中で、あるいはバルク重合法により1,3−ブタジエンを重合することにより、高トランス−1,4−ポリブタジエン分画を含むポリブタジエンを得る製造法が記載されている。しかしながら、この製造方法におけるポリマ−収量はたかだか15g/mmol以下であり、また、触媒活性は1g/mmol/h以下であり、改善が求められていた。
また、米国特許USP3268500(特許文献5)には、予め窒素置換した容器中で、触媒としてバナジウムトリアセチルアセトネ−ト、助触媒としてエチルアルミニウムジクロライド(DEAC)を、溶媒として乾燥ベンゼンを用いて1,3−ブタジエンを重合して、トランス結合含有率100%のトランス−1,4−ポリブタジエンを得る製造法が記載されている。また、バナジウムと有機アルミニウムの比率(実施例3)および触媒とモノマ−の添加順序(実施例5)が、収量に影響を及ぼすことが記載されている。しかしながら、この製造方法におけるポリマ−収量はたかだか63g/mmol以下であり、また、触媒活性は110g/mmol/h以下であり、改善が求められていた。
また、特開昭51−37977(特許文献6)には、触媒としてバナジウムトリアセチルアセトネ−ト、助触媒としてDEACを用い、トリクロル酢酸を添加して、無水トルエン溶媒中で1,3−ブタジエンを重合するトランス−1,4−ポリブタジエンの製造法が記載されている。この製造方法によるポリマ−収量は760g/mmol、触媒活性は760g/mmol/hである。しかしながら、この製造方法は、劇物であり腐食性のトリクロル酢酸を使用するため、工業化が難しく、改善が求められていた。
また、Ricciらによる報文(Macromolecular Chemistry and Physics誌195, p1389−1397 1994年)(非特許文献1)には、触媒としてバナジウムトリアセチルアセトネ−ト、助触媒としてメチルアルミノキサン(MAO)を用い、トルエン中で1,3−ブタジエンを重合するトランス−1,4−ポリブタジエンの製造法が記載されている。しかしながら、この製造法は、高価なMAOを使用する上、工業化に適した反応温度である20℃におけるこの製造方法によるポリマ−収量はたかだか76g/mmol、触媒活性は76g/mmol/h、であって、改善が求められていた。
また、本出願人による特開平9−268208(特許文献1)には、十分に窒素置換した反応容器中で、バナジウムトリアセチルアセトネ−トを触媒、EASCを助触媒、トルエンを溶媒として用い、1,3−ブタジエンを重合して、トランス結合含有率100%のトランス−1,4−ポリブタジエンを得る製造法が記載されている。この製造方法によるポリマ−収量は最大で218g/mmol、触媒活性も218g/mmol/hである。しかしながら、この製造方法は、触媒として比較的高価なバナジウムトリアセチルアセトネ−トを要し、また、バナジウム化合物に対してモル比で100倍以上もの助触媒を使用するため、反応廃液に含まれる未反応の助触媒を多量に処理するための工程が必要となり、改善が求められていた。
また、本出願人による特開2001−048918(特許文献7)には、塩化マグネシウムに担持したバナジウムトリアセチルアセトネ−トを触媒、EASCを助触媒として用い、気相重合法により1,3−ブタジエンを重合して、トランス結合含有率100%のトランス−1,4−ポリブタジエンを得る製造法が記載されている。この製造方法によるポリマ−収量は最大で126g/mmol、触媒活性は1517g/mmol/hである。しかしながら、この製造方法は、担持触媒製造工程を必要とし、また製品ポリマ−中に担体の破片が残ることから、より簡便な製造方法が求められていた。
以上に記載のように、高トランスポリブタジエンは、バナジウム触媒を用いて製造できることが知られるが、従来技術では、活性の向上が求められるか、あるいは活性が比較的高い場合には、より扱いやすくより安価な薬品をより少量を用いる製造方法が求められていた。
他方、コバルト化合物を用いた1,3−ブタジエンの重合によるシス−1,4−ポリブタジエンの製造においては、特公昭38−1243(特許文献8)に記載されたように、痕跡量の水の添加が、生産速度およびシス結合含有量の向上をもたらすことが知られている。
しかしながら、バナジウム化合物を用いたトランス−1,4−ポリブタジエンの製造に関しては、前述のとおり、重合に無水溶媒を用いることや容器を予め窒素置換することが一般的であり、重合系に水分を添加した例は知られていない。
また、前述のRicciらによる報文(非特許文献1)では、水とトリアルキルアルミニウムとの重縮合化合物であるMAOを助触媒として用いることが記載されている。しかしながら、MAOは水とトリアルキルアルミニウムとを、氷点下などの極めて温和な条件下で反応させることにより得られる化合物 (例えばSinnら, The Role of MAO−Activators, p57−82 in Ziegler Catalysts Springer 1995)(非特許文献2) であり、1,3−ブタジエンの高トランス重合反応の系内で生成させた例は無い。また、ハロゲン元素を含む有機アルミニウム化合物と水との接触で得られた化合物を、1,3−ブタジエンの高トランス重合に用いた例も無い。
前述米国特許USP3268500に記載のように、バナジウム化合物を触媒として用いたトランス−1,4−ポリブタジエンの製造における活性およびトランス結合含有量に影響を及ぼす要因として、バナジウム化合物と助触媒との組成比が知られている。また、Monakovらによる報文(Radical o Ion Reactions, p135−147 2001年)(非特許文献3)には、助触媒である有機アルミ化合物とバナジウム化合物とのモル比、触媒成分の接触順序と条件、重合時間、および重合温度が記載されている。しかしながら、トランス−1,4−ポリブタジエンの製造系への水の添加による有益な効果は知られていない。
特開平9−268208号公報 USP3219650 USP3222333 USP3550158 USP3268500 特開昭51−37977号公報 特開2001−48918号公報 特公昭38−1243号公報 Macromolecular Chemistry and Physics誌 Vol.195, p1389−1397(1994) The Role of MAO−Activators,p57−82 in Ziegler Catalysts Springer (1995) Radical o Ion Reactions, p135−147(2001)
従来技術によるトランス−1,4−ポリブタジエンの製造方法は、活性の向上が求められるか、あるいは活性が比較的高い場合には、より扱いやすくより安価な薬品をより少量を用いる製造方法が求められていた。
本発明は、活性が高く、プロセスが簡便な、トランス−1,4−ポリブタジエンの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、(A)ハロゲン含有バナジウム化合物、(B)RAlXであらわされるハロゲン含有アルミニウム化合物および(C)水からなる触媒を用いて1,3−ブタジエンを重合することを特徴とするトランス−1,4−ポリブタジエンの製造方法であって、
(B)成分中のアルミニウム(Al)原子と、(A)成分中の(V原子)の比率が50〜2であり、
(B)成分中のアルキル基(R)と(C)水の水素(H)原子との比率R/Hが2〜6であることを特徴とするトランス−1,4−ポリブタジエンの製造方法に関する。
また、本発明は、トランス−1,4−ポリブタジエンのトランス結合含有率が95%以上であることを特徴とする上記のトランス−1,4−ポリブタジエンの製造方法に関する。
また、本発明は、製造されたトランス−1,4−ポリブタジエンの一次相転移に伴う相転移熱量が60J/g以上であることを特徴とする上記のトランス−1,4−ポリブタジエンの製造方法に関する。
また、本発明は、(A)含ハロゲンバナジウム化合物が、オキシ三塩化バナジウムであることを特徴とする上記のトランス−1,4−ポリブタジエンの製造方法に関する。
本発明は、触媒活性が高く、プロセスが簡便な、トランス−1,4−ポリブタジエンの製造方法を提供することができる。
(A)ハロゲン含有バナジウム化合物としては、四塩化バナジウム、三塩化バナジウム、オキシ三塩化バナジウム、三塩化バナジウムTHF錯体、オキシ三塩化バナジウムTHF錯体、四弗化バナジウム、三弗化バナジウム、オキシ三弗化バナジウム、三沃化バナジウムなどが好ましいが、三塩化バナジウム、オキシ三塩化バナジウムがとくに好ましい。
(B)成分のRAlXであらわされるハロゲン含有アルミニウム化合物としては、ジエチルアルミニウムクロライド、ジメチルアルミニウムクロライド、ジメチルアルミニウムブロマイド、ジエチルアルミニウムブロマイド、ジエチルアルミニウムアイオダイド、ジブチルアルミニウムクロライド、ジブチルアルミニウムブロマイド、ジブチルアルミニウムアイオダイドなどのジアルキルアルミニウムハロゲン化物、などが挙げられるが、中でも、ジエチルアルミニウムクロライドがとくに好ましい。
(A)成分のバナジウム化合物の使用量は、ブタジエン1モルに対し、通常、バナジウム化合物が1×10−7〜1×10−2モルであり、好ましくは1×10−6〜1×10−3モルの範囲である。
(B)成分のハロゲン含有アルミニウム化合物の使用量は、(B)成分中のAl原子と、(A)成分中のV原子との比(Al/V)が、2〜50の範囲となる量が好ましく、3〜40となる量がさらに好ましく、4〜20となる量が特に好ましい。
(C)成分である水の使用量は、成分中のアルキル基(R)と(C)水の水素()原子との比率R/が2〜6となる量が好ましく、2.4〜4となる量がさらに好ましい。

触媒成分の添加順序に特に制限は無いが、(A)成分を最後に添加することが望ましい。また、不活性溶媒中で(B)成分と(C)成分とを予め混合熟成して用いることもできる。触媒成分の添加及び混合熟成は、5〜60℃、好ましくは10〜40℃で行うことができる。また、ブタジエンモノマ−は、触媒各成分の添加の間、前後、あるいは同時に添加することができる。
本発明の1,3−ブタジエンの重合に用いることのできる重合法としては、塊状重合、溶液重合、などを挙げることができる。溶液重合での溶媒としては、トルエン、ベンゼン、キシレン等の芳香族系炭化水素、n−ヘキサン、ブタン、ヘプタン、ペンタン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素、ミネラルスピリット、ソルベントナフサ、ケロシン等の炭化水素系溶媒や、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒等が挙げられる。また、1,3−ブタジエンそのものを重合溶媒としてもよい。また、重合系内にトランス−1,4−ポリブタジエン以外のポリマ−が存在してもよい。
1,3−ブタジエンには、活性および生成ポリマ−の物性を損なわない範囲で、4−ビニルシクロヘキセンやアセチレン誘導体などの不純物が含まれていても良い。
本発明の重合においては、公知の分子量調節剤を使用することができる。
本発明の重合においては、ポリマ−物性を損なわない範囲において、少量の、オレフィンや環状オレフィン、共役ジエン、又は非共役ジエンのうちの1種以上との共重合を行ってもよい。オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、ノルボルネン、シクロペンテン、トリメチルビニルシラン、アクリロニトリルなどが挙げられる。共役ジエンとしては、イソプレン、2,3−ジメチルブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、4−メチル−1,3−ペンタジエン、2,4−ヘキサジエンなどが挙げられる。非共役ジエンとしては、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、1、7−オクタジエンあるいは1,5−ヘキサジエンなどが挙げられる。
各々の重合方法においては、通常、重合時間が1分〜12時間、好ましくは5分〜4時間、さらに好ましくは10分から2時間で行うことができる。
各々の重合方法においては、重合温度が−10〜80℃、好ましくは−0℃〜60℃、さらに好ましくは10℃〜40℃で行うことができる。
本発明により製造されるトランス−1,4−ポリブタジエンは、ポリマ−鎖のブタジエン単位中におけるトランス−1,4結合の比率(トランス含量)がIRスペクトル、あるいは1H−NMR、13C−NMR 等スペクトルからの算出で、95モル%以上、好ましくは97%以上、さらに好ましくは99%以上である。トランス結合以外のブタジエンユニットの構造は、1,2−ビニル結合であっても、シス結合であっても良いが、シス結合が多いほうが好ましい。
また、物性を損なわない範囲において、ポリマ−鎖中にコモノマ−単位を含むことができるが、コモノマ−単位の量はブタジエン単位とのモル比で30%を超えないことが好ましい。
本発明により製造されるトランス−1,4−ポリブタジエンの特性として、昇温時の結晶転移に伴う吸熱ΔHtr(J/g)は、60〜160が好ましく、さらに90〜160が好ましく、120〜160が特に好ましい。また、昇温時の一次転移温度は、50〜80℃である。また、昇温時の結晶転移に伴うDSC吸熱ピ−クは、分裂の無い単一ピ−クであることが好ましい。
本発明により製造されるトランス−1,4−ポリブタジエンの融点は、100〜170℃である。一次転移現象を利用した機能材として利用する場合、ポリマ−が変形する融点と相転移温度との温度差が大きいことが好ましい。すなわち、融点は120〜170℃であることが好ましい。また、融解熱量は30〜70J/gであるが、高い結晶化度を示す50〜70J/gが好ましい。
本発明により製造されるトランス−1,4−ポリブタジエンの重量平均分子量Mwには、特に制限は無いが、好ましくは1万〜90万、さらに好ましくは3万〜20万である。ここで重量平均分子量とは、スチレンを標準物質としゲル浸透クロマトグラフィ−(GPC)により、溶媒としてo−ジクロロベンゼンを用いて求めたものである。また、数平均分子量Mnは、好ましくは5000〜30万、さらに好ましくは1万〜10万である。また、分子量分布(Mw/Mn)は、1〜30であるが、好ましくは1〜10、さらに好ましくは1〜3である。
本発明の結晶性ポリマ−は、ペレット、薄板、金属板とのラミネ−ション、中空糸、構造材、キャストフィルム等への成形加工が可能である。また、ペレット、あるいは成形体等として熱媒体と接触させて使用することが可能である。また、相転移現象を示さない他のポリマ−と混合して使用しても良い。
また、本発明のトランス−1,4−ポリブタジエンは、有機あるいは無機のフィラ−を、混練、溶剤キャスト、あるいはフィラ−の存在下での重合などの方法により複合化して用いても良い。
本発明のトランス−1,4−ポリブタジエンは、熱エネルギ−の蓄積材料、熱刺激緩和材料、PTC材料などに用いることができる。
実施例において、「ポリマ−収量」とは、オキシ三塩化バナジウムVOCl3含有触媒のバナジウム金属成分1mmol当たりの生成ポリマ−収量(g)である。また、「触媒活性」とは、バナジウム金属成分1mmol当たりの生成ポリマ−収量(g)を反応時間(h)で除した値である。
「重量平均分子量」は以下のように求めた。スチレンを標準物質としWaters製150C型(カラムは昭和電工製ShodexHT−806M2本、プレカラムとしてShodexHT−800P1本を使用)のゲル浸透クロマトグラフィ−(GPC)により、溶媒o−ジクロロベンゼン、カラム温度135℃で、同一条件で標準ポリスチレンの測定を行い校正曲線を作成し校正して求めたGPC 曲線より求めたものを示す。
「トランス−1,4結合の含有量」(trans)、「シス−1,4結合の含有量」(cis)、「ビニル−1,2結合の含有量」(vinyl)および「エチレン含有量」(C2)は、日本電子製EX−400を用いて測定したC13−NMRスペクトルにおける各ピ−クの強度比から算出した。
「結晶相転移点」、「結晶相転移熱」は以下のように求めた。セイコ−インスツルメンツ株式会社製SSC5200の示差走査型熱量計(DSC)を用い、アルミ製サンプルパンに試料約5mgを入れシ−ルしたものを、窒素雰囲気下、200℃10分加熱することにより完全に融解させた後、−5℃/分で−30℃まで降温し再結晶化した。このポリマ−を10℃/分で昇温し、結晶転移に伴う吸熱ピ−クの最大値を示す温度を結晶転移温度(Ttr)、結晶転移による吸熱量の単位ポリマ−量当りの総量を結晶転移熱量(ΔHtr)とした。また、結晶融解に伴う吸熱ピ−クの最大値を示す温度を融点(Tm)、結晶融解に伴う吸熱量の単位ポリマ−量当りの総量を融解熱量(ΔHf)とした。
水分量の測定は、微量水分測定装置(平沼産業社製 AQ−7)を用い,電量滴定法にて求めた。(同装置では、試料中の水分を沃素と反応させ、反応物が電極上で直ちに分解して沃素が再生されることを利用し、「ファラデ−の法則」から水と反応した沃素量を求めることで、有機溶媒中の微量の水分を定量する。)
(実施例1〜7,比較例1〜4)
内容量2Lの加圧重合装置を、内部にオキシ三塩化バナジウム(0.3mmol/0.2M脱水トルエン溶液)を封入したガラスアンプルを固定設置した後密閉した。同装置の内部を十分に窒素置換した後、乾燥トルエンと、飽和濃度(420ppm)の水分を含有するトルエンとを所定の比率で導入してトルエン溶媒の総量を800mlとした後、全トルエン中の水分量を測定した。次いでブタジエン200ml(水分含有量約6ppm)を導入し,さらに助触媒であるジエチルアルミニウムクロライド(DEAC:1Mトルエン溶液)1.5mmolを加えた。反応容器内を35℃に加温した後、触媒ガラスアンプルを破砕することで重合を開始した。重合操作は,窒素雰囲気下35℃で15分間、密閉式にて行った。反応は、エタノ−ル5mlの注入により重合反応を停止させた後,全反応溶液を1Lのエタノ−ル(老化防止剤イルガノックス1076 700ppm添加物)中に加え,ポリマ−を析出させ回収した。回収したポリマ−は,エタノ−ル洗浄後,乾燥させた。
実施例1〜7では、いずれも、120g/mmolV/h以上の触媒活性が得られているのに対し、系への水分添加量が過剰である比較例1〜3、不足である比較例4では、触媒活性は101g/mmolV/h以下であった。(表1および2に結果を示す。)
Figure 0004207814

Figure 0004207814
(実施例8〜10,比較例5)
助触媒の添加量が3.0mmolであることと、重合系内の水分量が異なる他は、実施例1と同様にして行った。実施例8〜10では、いずれも、150g/mmolV/hの触媒活性が得られているのに対し、水分添加量が不足である比較例5では、触媒活性は126g/mmolV/hであった。(表3,表4に結果を示す。)
(実施例11)
触媒を導入した後に、助触媒を添加したことを除き、実施例1と同様に行った。触媒活性は114g/mmolV/hであり、比較例1〜4よりも高かった。(表3,表4に結果を示す。)
(実施例12〜13)
重合温度が異なることを除いて、実施例4と同様に行った。(表3に結果を示す。)
(実施例14)
触媒を導入する前に、コモノマ−として気相分圧0.05MPaのエチレンを導入したことを除いて、実施例4と同様に行った。(表3,表4に結果を示す。)
Figure 0004207814
Figure 0004207814
実施例1のDSCチャ−トである。

Claims (4)

  1. (A)ハロゲン含有バナジウム化合物、(B)RAlX (ここで、Rはアルキル基を、Xはハロゲン原子を示す。)であらわされるハロゲン含有アルミニウム化合物および(C)水からなる触媒を用いて1,3−ブタジエンを重合することを特徴とするトランス−1,4−ポリブタジエンの製造方法であって、
    (B)成分中のアルミニウム(Al)原子と、(A)成分中の(V原子)の比率Al/V(モル比)が50〜2であり、
    (B)成分中のアルキル基(R)と(C)水の水素(H)原子との比率R/H(モル比)2.3〜6であることを特徴とするトランス−1,4−ポリブタジエンの製造方法。
  2. トランス−1,4−ポリブタジエンのトランス結合含有率が95%以上であることを特徴とする請求項に記載のトランス−1,4−ポリブタジエンの製造方法。
  3. 製造されたトランス−1,4−ポリブタジエンの一次相転移に伴う相転移熱量が60J/g以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のトランス−1,4−ポリブタジエンの製造方法。
  4. (A)含ハロゲンバナジウム化合物が、オキシ三塩化バナジウムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のトランス−1,4−ポリブタジエンの製造方法。
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