JP6971038B2 - 燃料電池シール材用組成物、燃料電池用シール材および燃料電池 - Google Patents
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Description
[1]エチレンに由来する構造単位、炭素数3〜20のα−オレフィンに由来する構造単位、および環状非共役ポリエンに由来する構造単位を有するエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)と、キノンジオキシム系架橋剤(B)とを含有する燃料電池シール材用組成物。
[2]前記[1]に記載の組成物から形成された燃料電池用シール材。
[3]前記[2]に記載の燃料電池用シール材を有する燃料電池。
〔燃料電池シール材用組成物〕
本発明の燃料電池シール材用組成物は、以下に説明するエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)と、キノンジオキシム系架橋剤(B)とを含有する。したがって、前記組成物は、架橋可能な組成物である。以下、前記エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)を単に「共重合体(A)」ともいう。
共重合体(A)は、エチレンに由来する構造単位、炭素数3〜20のα−オレフィンに由来する構造単位、および環状非共役ポリエンに由来する構造単位を有する。なお、炭素数3〜20のα−オレフィンおよび環状非共役ポリエンとしてはそれぞれを、1種のみ用いても、2種以上用いてもよい。すなわち、共重合体(A)は、エチレンに由来する構造単位、少なくとも1種類の炭素数3〜20のα−オレフィンに由来する構造単位、および少なくとも1種類の環状非共役ポリエンに由来する構造単位を有する。
炭素数3〜20のα−オレフィンとしては、例えば、直鎖状または分岐状のα−オレフィンが挙げられる。前記α−オレフィンの炭素数は、得られる架橋体の低温および高温でのゴム弾性に優れ、シール性が高くなる点、また組成物の押出性能の点から、より好ましくは4〜20、さらに好ましくは4〜10である。
α−オレフィンは1種単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。
環状非共役ポリエンとしては、非共役不飽和結合を2個以上有する環状化合物が制限なく使用でき、例えば、式[C1]で表される化合物が挙げられる。
nは、0〜2の整数である。
R10、R11、R12およびR13は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、ケイ素含有基、窒素含有基、酸素含有基、ハロゲン原子またはハロゲン含有基であり、前記炭化水素基は二重結合を有していてもよい。
(i)R10〜R13の少なくとも1つは、二重結合を1つ以上有する炭化水素基である。
(ii)R10〜R13までの任意の2つの置換基が互いに結合して環を形成し、
前記環が二重結合を含んでいる。
(iii)R10とR11とで、またはR12とR13とでアルキリデン基を形成している。
(iv)R10とR12とが、またはR11とR13とが互いに結合して二重結合を形成している。
環状非共役ポリエンは1種単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。
共重合体(A)は、エチレンに由来する構造単位(a)と炭素数3〜20のα−オレフィンに由来する構造単位(b)とのモル比[(a)/(b)]が、通常は50/50〜80/20、好ましくは55/45〜80/20、より好ましくは60/40〜80/20である。モル比が前記範囲にあると、耐熱老化性、強度特性およびゴム弾性に優れるとともに、耐寒性および加工性に優れた成形体を提供できる組成物が得られる。
ここで[E]、[X]および[Y]は、それぞれ、エチレン、炭素数3〜20のα−オレフィンおよび環状非共役ポリエンのモル分率を示し、[EX]はエチレン−炭素数3〜20のα−オレフィンダイアッド連鎖分率を示す。
エチレン・プロピレン・ENB共重合体、
エチレン・1−ブテン・ENB共重合体、
エチレン・1−ペンテン・ENB共重合体、
エチレン・1−ヘキセン・ENB共重合体、
エチレン・1−へプテン・ENB共重合体、
エチレン・1−オクテン・ENB共重合体、
エチレン・1−ノネン・ENB共重合体、
エチレン・1−デセン・ENB共重合体、
エチレン・プロピレン・1−オクテン・ENB共重合体、
エチレン・1−ブテン・1−オクテン・ENB共重合体、
エチレン・プロピレン・ENB・VNB共重合体、
エチレン・1−ブテン・ENB・VNB共重合体、
エチレン・1−ペンテン・ENB・VNB共重合体、
エチレン・1−ヘキセン・ENB・VNB共重合体、
エチレン・1−へプテン・ENB・VNB共重合体、
エチレン・1−オクテン・ENB・VNB共重合体、
エチレン・1−ノネン・ENB・VNB共重合体、
エチレン・1−デセン・ENB・VNB共重合体、
エチレン・1−ブテン・1−オクテン・ENB・VNB共重合体
が挙げられる。
共重合体(A)およびキノンジオキシム系架橋剤(B)を含有する本発明の組成物は、連続押出性等の連続架橋性に優れている。また、共重合体(A)をキノンジオキシム系架橋剤(B)により架橋すると、耐熱性、耐寒性、耐候性に優れた架橋体を得ることができる。
共重合体(A)は、エチレン、炭素数3〜20のα−オレフィンおよび環状非共役ポリエンを、メタロセン触媒(メタロセン化合物)を用いて重合して得られた共重合体であることが好ましい。このような共重合体(A)は、キノンジオキシム系架橋剤(B)に対する架橋効率が優れており、得られる架橋体は低温から高温にかけて圧縮永久歪が小さいためシール性に優れている。
架橋メタロセン化合物(a)は、式[I]で表される。
炭素数1〜20の炭化水素基としては、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20の環状飽和炭化水素基、炭素数2〜20の鎖状不飽和炭化水素基、炭素数3〜20の環状不飽和炭化水素基が例示される。また、R1からR6までの隣接した置換基が互いに結合して環を形成する場合であれば、炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数6〜20のアリーレン基等が例示される。
R5およびR6は、重合活性の向上、生成する共重合体の高分子量化、環状非共役ポリエンの共重合性能の向上という観点から、アリール基および置換アリール基から選ばれる基であることが好ましく、同一の基であることがより好ましく、同一の置換アリール基であることがさらに好ましい。置換アリール基における置換基は、窒素含有基および酸素含有基から選ばれる基であることが好ましい。置換アリール基は、窒素含有基および酸素含有基から選ばれる基を含む置換フェニル基であることがさらに好ましい。
ハロゲン原子および炭素数1〜20の炭化水素基の詳細は、上述のとおりである。Qがハロゲン原子である場合は、塩素原子が好ましい。Qが炭素数1〜20の炭化水素基である場合は、炭化水素基の炭素数は1〜7であることが好ましい。
〈有機金属化合物(b−1)〉
有機金属化合物(b−1)として、下記一般式[b-1-1]〜[b-1-3]のような周期律表第1、2族および第12、13族の有機金属化合物などを例示することができる。
(式[b-1-1]中、RaおよびRbは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3の数であり、かつm+n+p+q=3である。)で表される有機アルミニウム化合物。このような化合物として、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリn−オクチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム、トリシクロアルキルアルミニウム、イソブチルアルミニウムジクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、メチルアルミニウムジクロリド、ジメチルアルミニウムクロリド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドを例示することができる。
(式[b-1-2]中、M2はLi、NaまたはKを示し、Raは炭素数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基である。)で表される周期律表第1族金属とアルミニウムとの錯アルキル化物。このような化合物として、LiAl(C2H5)4、LiAl(C7H15)4などを例示することができる。
(式[b-1-3]中、RaおよびRbは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、M3はMg、ZnまたはCdである。)で表される周期律表第2族または第12族金属を有するジアルキル化合物。
有機金属化合物(b−1)は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
有機アルミニウムオキシ化合物(b−2)は、メチルアルミノキサン、修飾メチルアルミノキサンなどの従来公知のアルミノキサンであってもよく、また特開平2−78687号公報に例示されているようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物であってもよい。
架橋メタロセン化合物(a)と反応してイオン対を形成する化合物(b−3)(以下「イオン化イオン性化合物」ともいう)としては、特開平1−501950号公報、特開平1−502036号公報、特開平3−179005号公報、特開平3−179006号公報、特開平3−207703号公報、特開平3−207704号公報、USP−5321106号などに記載されたルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合物およびカルボラン化合物などを挙げることができる。さらに、ヘテロポリ化合物およびイソポリ化合物も挙げることができる。イオン化イオン性化合物(b−3)は、1種単独でまたは2種以上組み合せて用いられる。
イオン性化合物としては、例えば、式[b-3-1]で表される化合物が挙げられる。
前記重合触媒は、担体(c)を含んでもよい。架橋メタロセン化合物(a)および/または化合物(b)は、担体(c)に担持された形態で用いてもよい。担体(c)としては、例えば、無機または有機の化合物であって、顆粒状ないしは微粒子状の固体が挙げられる。
担体(c)の具体例としては、例えば、国際公開第2014/050816号の段落[0150]〜[0162]に記載された化合物が挙げられる。
エチレン、α−オレフィンおよび環状非共役ポリエンを共重合させる際、重合触媒を構成する各成分の使用法、添加順序は任意に選ばれるが、以下の方法が例示される。
(1)前記化合物(a)を単独で重合器に添加する方法。
(2)前記化合物(a)および前記化合物(b)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(3)前記化合物(a)を前記担体(c)に担持した触媒成分と、前記化合物(b)とを任意の順序で重合器に添加する方法。
(4)前記化合物(b)を前記担体(c)に担持した触媒成分と、前記化合物(a)とを任意の順序で重合器に添加する方法。
(5)前記化合物(a)と前記化合物(b)とを前記担体(c)に担持した触媒成分を重合器に添加する方法。
化合物(b)が担持されている上記(4)、(5)の各方法においては、必要に応じて担持されていない化合物(b)を、任意の順序で添加してもよい。この場合、化合物(b)は、担体(c)に担持されている化合物(b)と同一でも異なっていてもよい。
本発明の組成物は、共重合体(A)以外に、他のポリマー(AA)を含有してもよい。
架橋が必要な他のポリマーとしては、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム等の架橋性ゴムが挙げられる。架橋が不要な他のポリマーとしては、例えば、スチレンとブタジエンとのブロック共重合体(SBS)、ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレン(SEBS)、ポリスチレン−ポリ(エチレン−プロピレン)−ポリスチレン(SEPS)等のスチレン系熱可塑性エラストマー(TPS)、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、塩ビ系エラストマー(TPVC)、エステル系熱可塑性エラストマー(TPC)、アミド系熱可塑性エラストマー(TPA)、ウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)、その他の熱可塑性エラストマー(TPZ)等のエラストマーが挙げられる。
他のポリマー(AA)は、共重合体(A)100質量部に対して、通常は100質量部以下、好ましくは80質量部以下の量で配合することができる。
キノンジオキシム系架橋剤(B)としては、例えば、p−ベンゾキノンジオキシム、p,p’−ジベンゾイルキノンジオキシム、テトラクロロベンゾキノンジオキシム、ポリ(p−ジニトロソベンゾキノンジオキシム)が挙げられる。これらの中でも、生産性(架橋速度)の点で、p−ベンゾキノンジオキシム、p,p’−ジベンゾイルキノンジオキシムが好ましい。
架橋剤として、キノンジオキシム系架橋剤(B)とともに、有機過酸化物(C)を用いることが好ましい。キノンジオキシム系架橋剤(B)単独では架橋が遅いことがあるため、前記(B)および(C)の併用系が好ましい。
本発明では、上述したように架橋剤として硫黄系化合物を使用しないことが好ましい。硫黄系化合物(加硫剤)としては、例えば、硫黄、塩化硫黄、二塩化硫黄、モルフォリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、ジチオカルバミン酸セレンが挙げられる。
本発明の組成物は、目的に応じて添加剤、例えば、架橋助剤、軟化剤、補強剤、無機充填剤、老化防止剤、加工助剤、活性剤、吸湿剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、着色剤、滑剤、増粘剤および発泡剤から選ばれる少なくとも1種を含有してもよい。また。それぞれの添加剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
架橋剤として有機過酸化物(C)を用いる場合、架橋助剤を併用することが好ましい。
架橋助剤としては、例えば、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等のアクリル系架橋助剤;ジアリルフタレート、トリアリルイソシアヌレート等のアリル系架橋助剤;マレイミド系架橋助剤;ジビニルベンゼン;酸化亜鉛または亜鉛華(例えば、「ZnO#1・酸化亜鉛2種」(ハクスイテック(株)製)、「META−Z102」(井上石灰工業(株)製))、酸化マグネシウム等の金属酸化物が挙げられる。
軟化剤としては、例えば、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン油、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリン等の石油系軟化剤;コールタール等のコールタール系軟化剤;ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、大豆油、ヤシ油等の脂肪油系軟化剤;蜜ロウ、カルナウバロウ等のロウ類;ナフテン酸、パイン油、ロジンまたはその誘導体;テルペン樹脂、石油樹脂、クマロンインデン樹脂等の合成高分子物質;ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート等のエステル系軟化剤;その他、マイクロクリスタリンワックス、液状ポリブタジエン、変性液状ポリブタジエン、炭化水素系合成潤滑油、トール油、サブ(ファクチス)が挙げられ、これらのうちでは、石油系軟化剤が好ましく、プロセスオイルが特に好ましい。
補強剤および無機充填剤としては、例えば、未処理のカーボンブラック、シランカップリング剤で表面処理したカーボンブラック等のカーボンブラック、シリカ、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、活性化炭酸カルシウム等の炭酸カルシウム、微粉タルク、微粉ケイ酸、クレーが挙げられる。
本発明の組成物に、老化防止剤(安定剤)を配合することにより、これから形成される成形体の寿命を長くすることができる。このような老化防止剤として、従来公知の老化防止剤、例えば、アミン系老化防止剤、フェノール系老化防止剤、イオウ系老化防止剤がある。
加工助剤としては、一般に加工助剤としてゴムに配合されるものを広く用いることができる。加工助剤としては、例えば、リシノール酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸等の脂肪酸、および脂肪酸誘導体が挙げられ、脂肪酸誘導体としては、例えば、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸塩、リシノール酸エステル、ステアリン酸エステル、パルチミン酸エステル、ラウリン酸エステル類等の脂肪酸エステル類、N−置換脂肪酸アミドが挙げられる。これらのうちでは、ステアリン酸が好ましい。
活性剤としては、例えば、ジ−n−ブチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、モノエラノールアミン等のアミン類;ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、レシチン、トリアリルートメリレート、脂肪族カルボン酸または芳香族カルボン酸の亜鉛化合物等の活性剤;過酸化亜鉛調整物;クタデシルトリメチルアンモニウムブロミド、合成ハイドロタルサイト、特殊四級アンモニウム化合物が挙げられる。
吸湿剤としては、例えば、酸化カルシウム、シリカゲル、硫酸ナトリウム、モレキュラーシーブ、ゼオライト、ホワイトカーボンが挙げられる。
本発明の組成物からなる架橋体は、非発泡体であってもよいし、発泡体であってもよい。発泡体形成に際して発泡剤を使用することができ、例えば、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム等の無機系発泡剤;N,N’−ジニトロテレフタルアミド、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン等のニトロソ化合物;アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾシクロヘキシルニトリル、アゾジアミノベンゼン、バリウムアゾジカルボキシレート等のアゾ化合物;ベンゼンスルフォニルヒドラジド、トルエンスルフォニルヒドラジド、p,p’−オキシビス(ベンゼンスルフォニルヒドラジド)ジフェニルスルフォン−3,3’−ジスルフェニルヒドラジド等のスルフォニルヒドラジド化合物;カルシウムアジド、4,4’−ジフェニルスルホニルアジド、パラトルエンスルホニルアジド等のアジド化合物が挙げられる。
本発明の架橋可能な組成物は、共重合体(A)と、キノンジオキシム系架橋剤(B)と、必要に応じて配合されるその他の成分とを、例えば、ミキサー、ニーダー、ロール等の混練機を用いて所望の温度で混練することにより調製することができる。
本発明の燃料電池用シール材は、本発明の組成物より形成された架橋体からなり、燃料電池用ガスケット等として用いることができる。本発明の燃料電池用シール材の形状としては、例えば、Oリング状、Vリング状、棒状、シート状、ブロック状が挙げられる。
本発明の燃料電池としては、例えば、固体高分子型燃料電池が挙げられる。
燃料電池の基本単位である単セルは、例えば、電解質膜と、一対の電極(燃料極、酸素極)と、セパレータと、フレームと、本発明のシール材(ガスケット)とを有する。
本発明のシール材の適用箇所は、燃料電池の種類および構造等により様々である。シール部位としては、例えば、電解質膜とセパレータとの間、電解質膜とフレームとの間、単セル内でMEAを挟んで対向するセパレータとセパレータとの間、MEAを支持するフレームとセパレータとの間、積層方向に隣接する単セルの隣り合うセパレータとセパレータとの間、水素等の燃料ガスの供給部が挙げられる。
〔合成例1〕
攪拌翼を備えた容積300Lの重合器を用いて、連続的に、エチレン、1−ブテン、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)の重合反応を95℃にて行った。
EPT14030:三井化学(株)製、エチレン・プロピレン・ENB共重合体(EPDM)、エチレン含量=51.1質量%、ENB含量=8.1質量%、ヨウ素価=22(g/100g)、ムーニー粘度ML(1+4)100℃=27
エチレンに由来する構造単位、炭素数3〜20のα−オレフィンに由来する構造単位および環状非共役ポリエンに由来する構造単位のモル量は、1H−NMRスペクトルメーターによる強度測定によって求めた。
共重合体のヨウ素価は、滴定法により求めた。
共重合体のムーニー粘度ML(1+4)100℃は、ムーニー粘度計((株)島津製作所製SMV202型)を用いて、JIS K6300(1994)に準じて測定した。
o−ジクロロベンゼン−d4/ベンゼン−d6(4/1[v/v])を測定溶媒とし、測定温度120℃にて、13C−NMRスペクトル(100MHz、日本電子製ECX400P)を測定し、前記式(Ia)に基づき、B値を算出した。
[実施例1]
MIXTRON BB MIXER(神戸製鋼所社製、BB−2型、容積1.7L、ローター2WH)を用いて、エチレン・プロピレン・ENB共重合体(EPT14030:三井化学(株)製)100部に対して、架橋助剤として「酸化亜鉛2種」(ハクスイテック(株)製)を5部、加工助剤として「ステアリン酸つばき」(登録商標;日油(株)製)を1部、補強剤としてカーボンブラック「旭#50HG」(旭カーボン(株)製)を20部、無機充填剤として炭酸カルシウム「ホワイトンSB赤」(備北粉化工業(株)製)を50部、吸湿剤として酸化カルシウム「VESTA−18」(井上石灰工業(株)製)を5部、軟化剤として「ダイアナプロセスオイルPW−100」(出光興産(株)製)を0部の配合量で配合した後に混練し、配合物1を得た。
次いで、配合物1が温度40℃となったことを確認した後、6インチロールを用いて、配合物1に、架橋剤としてp−ベンゾキノンジオキシム「バルノックGM」(大内新興化学工業(株)製)を1部、p,p’−ジベンゾイルキノンジオキシム「バルノックDGM」(大内新興化学工業(株)製)を5部、およびジクミルペルオキシド「DCP−40C」(化薬アグゾ(株)製)を2部の配合量で添加して混練し、配合物2を得た。
配合組成を表2に記載したとおりに変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例2〜4それぞれについて、配合物1〜2を得た。実施例1と同様にして、シート、試験片を作成し、各種評価を行った。
MIXTRON BB MIXER(神戸製鋼所社製、BB−2型、容積1.7L、ローター2WH)を用いて、エチレン・プロピレン・ENB共重合体(EPT14030:三井化学(株)製)100部に対して、架橋助剤として「酸化亜鉛2種」(ハクスイテック(株)製)を5部、加工助剤として「ステアリン酸つばき」(登録商標;日油(株)製)を1部、補強剤としてカーボンブラック「旭#60」(旭カーボン(株)製)を80部、軟化剤として「ダイアナプロセスオイルPS−430」(出光興産(株)製)を50部の配合量で配合した後に混練し、配合物1を得た。
次いで、配合物1が温度40℃となったことを確認した後、6インチロールを用いて、配合物1に、加硫促進剤としてMBT「サンセラーM」(三新化学工業(株)製)を0.5部、TMTD「サンセラーTT」(三新化学工業(株)製)を1部、および架橋剤として「硫黄」(純正化学(株)製)を1.5部の配合量で添加して混練し、配合物2を得た。
以降は実施例1と同様にしてシート、試験片を作成し、各種評価を行った。
配合組成を表2に記載したとおりに変更したこと以外は比較例1と同様にして、配合物1〜2を得た。実施例1と同様にしてシート、試験片を作成し、各種評価を行った。
〔ムーニー粘度〕
実施例・比較例で得られた配合物1のムーニー粘度ML(1+4)100℃は、ムーニー粘度計((株)島津製作所製SMV202型)を用いて、JIS K6300(1994)に準じて測定した。
実施例・比較例で得られた配合物2を用いて、架橋測定装置:MDR2000(ALPHA TECHNOLOGIES社製)により、架橋速度(TC90)を以下のとおり測定した。
実施例・比較例で得られた厚さ2mmの架橋ゴムシートの平らな部分を重ねて厚さ12mmのシートとし、JIS K6253に従い、硬度(JIS−A)を測定した。
実施例・比較例で得られた厚さ2mmの架橋ゴムシートについて、JIS K6251に従い、測定温度23℃、引張速度500mm/分の条件で引張試験を行い、伸び率が25%、50%、100%、200%および300%であるときの引張応力(25%モジュラス(M25)、50%モジュラス(M50)、100%モジュラス(M100)、200%モジュラス(M200)、300%モジュラス(M300))、破断時強度(TB)ならびに破断伸び(EB)を測定した。
実施例・比較例で得られた圧縮永久歪(CS)測定用試験片について、JIS K6262(1997)に従って、70℃または−40℃×22時間処理後の圧縮永久歪を測定した。
実施例・比較例で得られた厚さ2mmの架橋ゴムシートの架橋密度νは、下記の平衡膨潤を利用したFlory−Rehnerの式(1)から算出した。式(1)中のVRは前記シートを37℃×72hの条件でトルエン抽出して求めた。EPDMにおけるμも0.49である。
実施例・比較例で得られた厚さ2mmの架橋ゴムシート表面を、エタノールを含ませた脱脂綿を用いて5回以上洗浄した。なお、1回の洗浄ごとにエタノールを含ませた脱脂綿を新たに調製して用いた。続いて、前記シートを乾燥させた後、X線光電子分光法(XPS)によりSSI社製のSSX−100型を用いて、元素組成を求めた。X線源は単色化AlKαを用いた。積算回数は200回で行なった。
Claims (3)
- エチレンに由来する構造単位、炭素数3〜20のα−オレフィンに由来する構造単位、および環状非共役ポリエンに由来する構造単位を有するエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)と、
キノンジオキシム系架橋剤(B)と
を含有し、前記炭素数3〜20のα−オレフィンは1−ブテンである燃料電池シール材用組成物。 - 請求項1に記載の組成物から形成された燃料電池用シール材。
- 請求項2に記載の燃料電池用シール材を有する燃料電池。
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