JP4207800B2 - 車両ホイール検査装置及び方法 - Google Patents

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本発明は車両ホイールの検査装置及び方法に関し、特に車両のキャスタ角を検出する技術に関する。
車両のホイールアライメントには、キャンバ角やキャスタ角、トー角等がある。これらのうち、キャンバ角は図9に示されるように、車両正面から見たときのタイヤの鉛直線からの傾き角で定義される。車両正面からみてタイヤがハの字型になる場合、ネガティブキャンバ、逆ハの字型(V字型)になる場合ポジティブキャンバという。一般の乗用車では、ステアリングを軽くするためにポジティブキャンバを使用する場合が多い。但し、キャンバ角を設けすぎると、直線でタイヤが斜めになっているため加減速時の性能低下を招くおそれがある。
キャスタ角は図10に示されるように、車両側面からみたときの操舵軸の鉛直線からの傾き角で定義される。キャスタ角を大きくすると、操舵されたときにタイヤの縁が車体を持ち上げることになり、車体の重さで操舵角を戻すことになるため直進性が向上する。
ホイールアライメントでは、車両を所定の検査ステージに乗り入れ、キャンバ角検査ユニットをホイールに取り付けてキャンバ角を検出する。キャンバ角とキャスタ角との間には所定の関係式が存在することから、この関係式を用いて検出キャンバ角からキャスタ角を算出し、所定の許容範囲内にあるか否かを検査する。
以下の文献には、車両のトー角を検出する技術が開示されている。
特開平5−18738号公報
キャスタ角は所定の関係式、具体的には車両を左右に所定角だけ操舵したときのキャンバ角で算出されるが、所定角だけ操舵した場合には車両にロール(車両前後の中心軸回りの回転)が生じ、このため操舵状態で検出されたキャンバ角には本来のキャンバ角に対して誤差を含むことになり、この誤差を有するキャンバ角から算出されるキャスタ角も誤差を有し、高精度な検査が困難となる問題があった。
本発明の目的は、キャンバ角からキャスタ角を算出する際に、高精度にキャスタ角を算出し、もって車両ホイールアライメントの精度を向上させることができる装置及び方法を提供することにある。
本発明は、車両のキャンバ角に基づいてキャスタ角を算出することで車両ホイールを検査する車両ホイール検査装置であって、前記キャンバ角を検出する手段と、前記車両のロール角を検出する手段と、前記キャンバ角及び前記ロール角に基づき前記キャスタ角を演算する手段とを有する。
本発明の一つの実施形態では、前記演算する手段は、前記ロール角がゼロとした場合の前記キャンバ角と前記キャスタ角の所定の関係式に基づき前記キャスタ角を演算する。前記ロール角と前記キャスタ角の補正値との対応関係を記憶する記憶手段を備え、前記演算する手段は、前記関係式に基づき算出された前記キャスタ角を、前記ロール角に対応する補正値で補正する。
また、本発明は、車両のキャンバ角に基づいてキャスタ角を算出することで車両ホイールを検査する車両ホイール検査装置であって、前記キャンバ角を検出する手段と、前記車両の車種情報を入力する手段と、前記車種情報と前記車両を所定角度だけ操舵した場合の前記車両のロール角との対応関係を記憶する記憶手段と、前記キャンバ角及び前記車種情報に対応する前記ロール角に基づき前記キャスタ角を演算する手段とを有する。
また、本発明は、車両のキャンバ角に基づいてキャスタ角を算出することで車両ホイールを検査する車両ホイール検査装置であって、前記キャンバ角を検出する手段と、前記車両の車種情報を入力する手段と、前記車種情報と前記車両を所定角度だけ操舵した場合の前記車両のキャンバ角誤差との対応関係を記憶する記憶手段と、前記キャンバ角及び前記車種情報に対応する前記キャンバ角誤差に基づき前記キャスタ角を演算する手段とを有する。
また、本発明は、車両のキャンバ角に基づいてキャスタ角を算出することで車両ホイールを検査する車両ホイール検査装置であって、前記キャンバ角を検出する手段と、前記車両の車種情報を入力する手段と、前記車種情報と前記車両を所定角度だけ操舵した場合の前記車両のキャスタ角誤差との対応関係を記憶する記憶手段と、前記キャンバ角及び前記車種情報に対応する前記キャスタ角誤差に基づき前記キャスタ角を演算する手段とを有する。
また、本発明は、車両ホイールのキャスタ角を検査する方法であって、前記車両のキャンバ角を検出するステップと、前記車両のロール角を検出するステップと、記憶装置に記憶された所定の関係式を用いて演算装置により前記キャスタ角を演算するステップであって、前記キャンバ角から前記キャスタ角を演算し、得られたキャスタ角を前記ロール角を用いて補正するステップと、補正された前記キャスタ角を出力装置に出力するステップとを有する。
また、本発明は、車両ホイールのキャスタ角を検査する方法であって、前記車両のキャンバ角を検出するステップと、前記車両の車種情報を入力するステップと、前記車種情報と前記車両を所定角度だけ操舵した場合の前記車両のロール角との対応関係を記憶する第1記憶装置にアクセスしてロール角を読み出すステップと、第2記憶装置に記憶された所定の関係式を用いて演算装置により前記キャスタ角を演算するステップであって、前記キャンバ角から前記キャスタ角を演算し、得られたキャスタ角を前記ロール角を用いて補正するステップと、補正された前記キャスタ角を出力装置に出力するステップとを有する。
また、本発明は、車両ホイールのキャスタ角を検査する方法であって、前記車両のキャンバ角を検出するステップと、前記車両の車種情報を入力するステップと、前記車種情報と前記車両を所定角度だけ操舵した場合の前記車両のキャンバ角誤差との対応関係を記憶する第1記憶装置にアクセスしてキャンバ角誤差を読み出すステップと、第2記憶装置に記憶された所定の関係式を用いて演算装置により前記キャスタ角を演算するステップであって、前記キャンバ角から前記キャスタ角を演算し、得られたキャスタ角を前記キャンバ角誤差を用いて補正するステップと、補正された前記キャスタ角を出力装置に出力するステップとを有する。
また、本発明は、車両ホイールのキャスタ角を検査する方法であって、前記車両のキャンバ角を検出するステップと、前記車両の車種情報を入力するステップと、前記車種情報と前記車両を所定角度だけ操舵した場合の前記車両のキャンバ角誤差との対応関係を記憶する第1記憶装置にアクセスしてキャスタ誤差を読み出すステップと、第2記憶装置に記憶された所定の関係式を用いて演算装置により前記キャスタ角を演算するステップであって、前記キャンバ角から前記キャスタ角を演算し、得られたキャスタ角を前記キャスタ角誤差を用いて補正するステップと、補正された前記キャスタ角を出力装置に出力するステップとを有する。
このように、本発明では、所定角度だけ操舵したときのキャンバ角に基づいてキャスタ角を算出する際に、操舵に伴い生じる車両のロールを考慮に入れてキャスタ角を補正する。したがって、本発明では簡易な構成でかつ高精度にキャスタ角を算出することができる。
本発明によれば、キャンバ角に基づいてキャスタ角を高精度に算出することができ、これを用いて車両ホイールの検査、アライメントを効率的かつ正確に行うことができる。
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。
図1には、本実施形態に係る車両ホイール検査装置の構成が示されている。車両ホイール検査装置は、ディスプレイを含む本体ユニット10、車両100のキャンバ角を検出するキャンバ角検出ユニット12、及び車両100のロール角を検出する傾斜計14を含んで構成される。
車両ホイール検査装置は、所定の検査ステージに配置される。車両100が検査ステージに乗り入れ、ホイールアライメントの準備が完了した後に、キャンバ角検出ユニット12により車両のキャンバ角を検出する。検出されたキャンバ角は本体ユニット10に供給され、ディスプレイ等に出力される。次に、キャスタ角測定ステップに移行し、車両100を左右に所定角度だけ操舵し、操舵した状態におけるキャンバ角をキャンバ角検出ユニット12で検出する。検出されたキャンバ角は本体ユニット10に供給される。一方、操舵した状態における車両100のロール角を傾斜計14で検出する。検出されたロール角は本体ユニット10に供給される。
本体ユニット10は、所定角度だけ操舵した状態におけるキャンバ角とキャスタ角との関係を規定する関係式を予めメモリに記憶しており、この関係式を用いて操舵状態における検出キャンバ角からキャスタ角を演算により算出する。但し、既述したように操舵状態では車両100にロールが生じ、キャンバ角にも誤差が含まれているから、所定の関係式に基づき算出されたキャスタ角にも誤差が含まれている。そこで、本体ユニット10は、算出されたキャスタ角をさらに検出ロール角を用いて補正し、高精度なキャスタ角を算出する。
以下、キャスタ角算出の詳細について説明する。
キャスタ角をK、車両を右にT1°、左にT2°だけ操舵したときのキャンバ角をそれぞれC1、C2、キングピン角(車両正面から見たときの操舵軸と鉛直線とのなす角)をSとすると、一般に以下の関係がある。
tanK=(sinC1−sinC2)/(cosC2sinT2−cosC1sinT1)−(cosC2cosT2−cosC1cosT1)・tanS/(cosC2sinT2−cosC1sinT1) ・・・(1)
通常、キャンバ角は小さく、cosC1=cosC2≒1と近似できるから、上式(1)は、次のように近似できる。
tanK=(sinC1−sinC2)/(sinT2−sinT1)−(cosT2−cosT1)・tanS/(sinT2−sinT1) ・・・(2)
左右の操舵角T1、T2を同一角度とすると、cosT2=cosT1であるから、(2)式は、
tanK=(sinC1−sinC2)/(sinT2−sinT1) ・・・(3)
となる。C、Tの単位は°であり、これをラジアンに換算して近似式を用いると、sinC1≒(π/180)C1、sinC2≒(π/180)C2、sinT1≒(π/180)T1、sinT2≒(π/180)T2、tanK≒(π/180)Kであるから、(3)式より、
K=(180/π)・(C1−C2)/(T2−T1) ・・・(4)
が得られる。(4)式が操舵状態におけるキャンバ角とキャスタ角との関係を規定する関係式である。
例えば、操舵角を左右に10°とすると、T2=10°、T1=−10°であるから、(4)式より、
K=(180/π)・(C1−C2)/20
=2.86(C1−C2) ・・・(5)
となる。本体ユニット10は、左右に10°だけ操舵したときにキャンバ角検出ユニット12で検出されるキャンバ角C1、C2を入力し、(5)式に基づいてキャスタ角Kを算出する。
ところが、(5)式は車両100にロールが生じていないことを前提としており、操舵に伴い図2に示すように車両100にはロールが生じ(図2(a)は操舵前、(b)は操舵後の状態を示す)、これによりキャンバ角C1、C2にも誤差が生じる。ロールによりキャンバ角C1、C2に誤差ΔC1、ΔC2が生じると、(5)式から分かるようにキャスタ角誤差ΔK=2.86(ΔC1−ΔC2)が生じる。
そこで、本体ユニット10は、予めロール角とキャスタ角誤差との関係を検出してメモリに記憶しておき、傾斜計14で検出されたロール角に対応するキャスタ角誤差、すなわちキャスタ角補正値を読み出し、この補正値を用いてキャスタ角を補正する。
図3には、車両ホイール検査装置1の構成ブロック図が示されている。本体ユニット10は、制御部10a、補正量記憶部10b及び出力部10cを有する。
制御部10aは、具体的にはマイクロコンピュータで構成され、キャンバ角検出ユニット12からのキャンバ角、傾斜計14からのロール角を入力する。さらに、車両情報入力部16から車両100の車種やタイヤサイズ、メーカ等のデータを入力する。なお、車両情報入力部16は、本体ユニット10に一体形成されたキーボードで構成してもよく、本体ユニット10から分離独立され、検査者が携帯できる操作パッドとして構成してもよい。後者の場合、操作パッドから入力された車種やタイヤサイズ、メーカ等のデータは有線あるいは無線により本体ユニット10に送信され制御部10aに供給される。制御部10aは、(5)式を記憶するROMを備え、検出キャンバ角に基づき(5)式を用いてキャスタ角を算出する。このキャスタ角は、ロールを考慮しない仮のキャスタ角である。次に、制御部10aは、補正量記憶部10bにアクセスし、検出ロール角に対応する補正量を読み出し、仮算出したキャスタ角をこの補正量で補正し、最終的なキャスタ角を算出する。制御部10aは、算出したキャスタ角を出力部10cに出力する。
補正量記憶部10bは、検出ロール角とキャスタ角補正量との対応関係をテーブル形式で記憶する。例えば、ロール角5’のときは補正量30’、ロール角10’のときは補正量35’等である。ロール角に対応する補正量は、予めロールが生じている状態のキャスタ角を別の方法(例えば3次元測定機による測定)で検出しておき、(5)式で算出されたキャスタ角と当該別の方法で検出された高精度なキャスタ角とを比較し、両者の相違をロール角毎に算出しテーブルとして記憶させておけばよい。
出力部10cは、例えば液晶ディスプレイ等で構成され、制御部10aで算出されたキャスタ角を表示する。
図4及び図5には、出力部10cに表示されるキャンバ角及びキャスタ角の一例が示されている。図4はキャンバ角の表示例、図5はキャスタ角の表示例である。図4において、前輪左のキャンバ角、前輪右のキャンバ角、後輪左のキャンバ角、後輪右のキャンバ角が数値で示されている。また、図5において、前輪左のキャスタ角、前輪右のキャスタ角が数値で示されている。検査者は出力部10cに表示された数値を視認することで、車両100のキャンバ角及びキャスタ角が許容範囲内にあるか否かを容易に検査することができ、許容範囲内にあるようにホイールを調整する。
図6には、本実施形態の処理フローチャートが示されている。まず、車両100を検査ステージに乗り入れた後、検査者は車両情報入力部16から検査すべき車両100のメーカ、車種、タイヤサイズその他を入力する(S101)。入力されたデータは、制御部10aに供給される。これらのデータは検査すべき車両を特定するための基礎データであり、その他にFF/FR、2WD/4WDなどを入力してもよい。
次に、車両100を左に10°だけ操舵し(S102)、この状態でキャンバ角C1を検出する(S103)。検出されたキャンバ角C1は制御部10aに供給される。次に、車両100を右に10°だけ操舵し(S104)、キャンバ角C2を検出する(S105)。検出されたキャンバ角C2は制御部10aに供給される。制御部10aは、キャンバ角C1、C2に基づき、ROMに記憶された(5)式を用いてキャスタ角Kを仮算出する(S106)。算出されたキャスタ角Kは制御部10aのRAMに記憶される。
キャスタ角を仮算出した後、制御部10aは補正量記憶部10bにアクセスし、左右に10°操舵したときのロール角(左に操舵したときのロール角あるいは右に操舵したときのロール角のいずれでもよく、あるいは左右に操舵したときのロール角の平均値でもよい)に対応する補正量をテーブルから読み出すことでキャスタ角補正量を設定する(S107)。補正量を設定した後、RAMに記憶されたキャスタ角Kを読み出した補正量で補正する(S108)。具体的には、キャスタ角Kに補正量ΔKを加算することでキャスタ角Kを補正する。補正後のキャスタ角は最終的なキャスタ角として出力部10cに出力され表示される(S109)。
なお、本実施形態では、補正量記憶部10bにロール角とキャスタ角補正量との対応関係を規定するテーブルを記憶しているが、ロール角とキャンバ角の誤差との対応関係を規定するテーブルを記憶してもよい。例えば、ロール角5’のときにキャンバ角誤差5’等である。キャンバ角誤差は左右のタイヤ毎に規定してもよい。キャンバ角誤差が設定されると、(5)式に基づいてキャスタ角誤差が算出できる。すなわち、例えばキャンバ角誤差が左右でそれぞれ6’存在する場合、キャスタ角誤差は2.86×(6’+6’)=34’であり、(5)式に基づき算出された仮のキャスタ角にこの34’を加算することで補正し、最終的なキャスタ角を得ることができる。
図7には、この場合の処理フローチャートが示されている。まず、メーカ、車種、タイヤサイズ等を入力し(S201)、ステアリングを左に10°操舵して(S202)、キャンバ角C1及びこのときのロール角R1を検出する(S203)。検出されたキャンバ角C1及びロール角R1は制御部10aに供給される。次に、ステアリングを右に10°操舵して(S204)、キャンバ角C2及びこのときのロール角R2を検出する(S205)。検出されたキャンバ角C2及びロール角R2は制御部10aに供給される。制御部10aは、検出されたキャンバ角C1、C2に基づき、(5)式を用いてキャスタ角Kを仮算出する(S206)。
キャスタ角Kを仮算出した後、制御部10aは補正量記憶部10bにアクセスし、ロール角R1に対応するキャンバ角誤差ΔC1及びロール角R2に対応するキャンバ角誤差ΔC2を読み出し設定する(S207)。すなわち、補正量記憶部10bには、種々のロール角の場合に生じるキャンバ角誤差が測定されテーブルとして記憶されており、制御部10aはこのテーブルを用いてS203及びS205で検出されたキャンバ角C1、C2に含まれているであろう誤差を設定する。
キャンバ角誤差ΔC1、ΔC2を設定した後、制御部10aはROMに記憶されている(5)式に関連する関係式、すなわちキャンバ角誤差によるキャスタ角誤差ΔK=2.86(ΔC1−ΔC2)を用いてキャスタ角誤差ΔKを算出する(S208)。このキャスタ角誤差ΔKはキャスタ角補正量として用いられ、制御部10aはキャスタ角Kにキャスタ角補正量ΔKを加算することでキャスタ角Kを補正する(S209)。補正されたキャスタ角は出力部10cに出力され表示される(S210)。
なお、本願出願人は、3次元測定機で高精度にキャスタ角を検出した場合の検出値と、従来のアライメントテスタでキャンバ角を検出し、(5)式を用いて算出したキャスタ角との間の誤差と、S208で算出した誤差ΔK、すなわち補正量とがほぼ一致することを確認している。具体的には、ある車両について3次元測定機で測定したキャスタ角と(5)式で算出したキャスタ角との間には約33’の誤差があり、このときのロール角R1、R2に対応するキャンバ角誤差はそれぞれΔC1=5’、ΔC2=6’であって、誤差はΔK=2.86×(5’+6’)=31’となって両者はほぼ一致することを確認している。
一方、操舵したときのロール角、及びロール角に対応する補正量は、車両100の車種やタイヤサイズ毎にほぼ一定となる傾向があるから、補正量記憶部10bにロール角と補正量との対応関係ではなく車種やタイヤサイズ、メーカと補正量との対応関係をテーブルとして記憶してもよい。この場合、メーカ、車種、タイヤサイズを特定すればロール角は定まるから、傾斜計14は不要となる。すなわち、制御部10aは、車両情報入力部16から入力された車種、タイヤサイズ、メーカのデータから対応する補正量を読み出し、(5)式により算出された仮キャスタ角を補正すればよい。
図8には、この場合の処理フローチャートが示されている。まず、メーカ、車種、タイヤサイズを入力する(S301)。既述の実施形態では、これらのデータは検査すべき車両100を特定するための基礎データであったが、この例では補正量を設定するためのデータとして機能する。次に、ステアリングを左に10°だけ操舵して(S302)、キャンバ角C1を検出する(S303)。このときのロール角は検出しない。さらに、ステアリングを右に10°だけ操舵して(S304)、キャンバ角C2を検出する(S305)。制御部10aは、キャンバ角C1、C2に基づき、(5)式を用いてキャスタ角Kを仮算出する(S306)。
次に、制御部10aは補正量記憶部10bにアクセスし、S301で入力したメーカ、車種、タイヤサイズに対応する補正量を読み出して設定する(S307)。補正量記憶部10bには、予めメーカ、車種、タイヤサイズ毎に左右に10°操舵したときのキャスタ角補正量が予め測定されテーブルとして記憶されており、制御部10aはこのテーブルを用いて補正量を設定する。補正量を設定した後、制御部10aは仮算出したキャスタ角Kを補正量で補正し(S308)、最終的なキャスタ角を出力部10cに出力する(S309)。
補正量記憶部10bにメーカ、車種、タイヤサイズ毎のキャスタ角補正量をテーブルとして記憶するのではなく、メーカ、車種、タイヤサイズ毎のロール角を第1テーブルとして記憶するとともに、ロール角と補正量との関係を第2テーブルとして記憶してもよい。この場合、S307の処理では、まず第1テーブルを用いてロール角を読み出し、第2テーブルを用いて当該ロール角に対応する補正量を読み出し設定することになる。
また、補正量記憶部10bにメーカ、車種、タイヤサイズ毎のキャスタ角補正量をテーブルとして記憶するのではなく、メーカ、車種、タイヤサイズ毎のキャンバ角誤差をテーブルとして記憶してもよい。この場合、S307の処理では、まずテーブルを用いてキャンバ角誤差を読み出し、このキャンバ角誤差を用いてキャスタ角ΔKをΔK=2.86(ΔC1−ΔC2)により演算して補正量を設定することになる。
本実施形態で用いることのできるテーブルをまとめて例示すると、以下の通りである。
(1)ロール角−キャスタ角補正量のテーブル
(2)ロール角−キャンバ角誤差のテーブル
(3)メーカ、車種、タイヤサイズ−キャスタ角補正量のテーブル
(4)メーカ、車種、タイヤサイズ−キャンバ角誤差のテーブル
(5)メーカ、車種、タイヤサイズ−ロール角の第1テーブル及びロール角−キャスタ角補正量の第2テーブル
(6)メーカ、車種、タイヤサイズ−ロール角の第1テーブル及びロール角−キャンバ角誤差の第2テーブル
なお、(5)式を記憶するメモリ(ROM)と上記のテーブルを記憶するメモリは同一であってもよく異なっていても良い。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず種々の変更が可能である。
例えば、本実施形態ではステアリングを左右に10°だけ操舵したときのキャンバ角を用いてキャスタ角を算出しているが、ステアリングを左右に10°以外に操舵したとき、例えば20°だけ操舵したときのキャンバ角を用いてキャスタ角を算出してもよい。この場合、(4)式においてT2=20°、T1=−20°を代入すると、
K=(180/π)・(C1−C2)/40
=1.43(C1−C2) ・・・(6)
となる。したがって、(5)式の代わりに(6)式を用いてキャスタ角を算出すればよい。また、キャンバ角誤差からキャスタ角補正量を算出する場合には、ΔK=1.43(ΔC1−ΔC2)により算出すればよい。
また、本実施形態では、車両を特定するデータとしてメーカ、車種、タイヤサイズを用いているが、車種のみ、あるいは車種とタイヤサイズのみを用いてもよい。
実施形態の全体構成図である。 車両のロール説明図である。 実施形態の構成ブロック図である。 キャンバ角の出力画面説明図である。 キャスタ角の出力画面説明図である。 実施形態の処理フローチャートである。 実施形態の他の処理フローチャートである。 実施形態のさらに他の処理フローチャートである。 キャンバ角の説明図である。 キャスタ角の説明図である。
符号の説明
10 本体ユニット、12 キャンバ角検出ユニット、14 傾斜計、16 車両情報入力部。

Claims (10)

  1. 車両のキャンバ角に基づいてキャスタ角を算出することで車両ホイールを検査する車両ホイール検査装置であって、
    前記キャンバ角を検出する手段と、
    前記車両のロール角を検出する手段と、
    前記キャンバ角及び前記ロール角に基づき前記キャスタ角を演算する手段と、
    を有することを特徴とする車両ホイール検査装置。
  2. 請求項1記載の装置において、
    前記演算する手段は、前記ロール角がゼロとした場合の前記キャンバ角と前記キャスタ角の所定の関係式に基づき前記キャスタ角を演算するものであり、さらに、
    前記ロール角と前記キャスタ角の補正値との対応関係を記憶する記憶手段
    を有し、前記演算する手段は、前記関係式に基づき算出された前記キャスタ角を、前記ロール角に対応する補正値で補正することを特徴とする車両ホイール検査装置。
  3. 請求項1記載の装置において、
    前記演算する手段は、前記ロール角がゼロとした場合の前記キャンバ角と前記キャスタ角の所定の関係式に基づき前記キャスタ角を演算するものであり、さらに、
    前記ロール角と前記キャンバ角の誤差との対応関係を記憶する記憶手段
    を有し、前記演算する手段は、前記関係式に基づき算出された前記キャスタ角を、前記ロール角に対応する前記キャンバ角誤差から得られる補正値で補正することを特徴とする車両ホイール検査装置。
  4. 車両のキャンバ角に基づいてキャスタ角を算出することで車両ホイールを検査する車両ホイール検査装置であって、
    前記キャンバ角を検出する手段と、
    前記車両の車種情報を入力する手段と、
    前記車種情報と前記車両を所定角度だけ操舵した場合の前記車両のロール角との対応関係を記憶する記憶手段と、
    前記キャンバ角及び前記車種情報に対応する前記ロール角に基づき前記キャスタ角を演算する手段と、
    を有することを特徴とする車両ホイール検査装置。
  5. 車両のキャンバ角に基づいてキャスタ角を算出することで車両ホイールを検査する車両ホイール検査装置であって、
    前記キャンバ角を検出する手段と、
    前記車両の車種情報を入力する手段と、
    前記車種情報と前記車両を所定角度だけ操舵した場合の前記車両のキャンバ角誤差との対応関係を記憶する記憶手段と、
    前記キャンバ角及び前記車種情報に対応する前記キャンバ角誤差に基づき前記キャスタ角を演算する手段と、
    を有することを特徴とする車両ホイール検査装置。
  6. 車両のキャンバ角に基づいてキャスタ角を算出することで車両ホイールを検査する車両ホイール検査装置であって、
    前記キャンバ角を検出する手段と、
    前記車両の車種情報を入力する手段と、
    前記車種情報と前記車両を所定角度だけ操舵した場合の前記車両のキャスタ角誤差との対応関係を記憶する記憶手段と、
    前記キャンバ角及び前記車種情報に対応する前記キャスタ角誤差に基づき前記キャスタ角を演算する手段と、
    を有することを特徴とする車両ホイール検査装置。
  7. 車両ホイールのキャスタ角を検査する方法であって、
    前記車両のキャンバ角を検出するステップと、
    前記車両のロール角を検出するステップと、
    記憶装置に記憶された所定の関係式を用いて演算装置により前記キャスタ角を演算するステップであって、前記キャンバ角から前記キャスタ角を演算し、得られたキャスタ角を前記ロール角を用いて補正するステップと、
    補正された前記キャスタ角を出力装置に出力するステップと、
    を有することを特徴とする車両ホイール検査方法。
  8. 車両ホイールのキャスタ角を検査する方法であって、
    前記車両のキャンバ角を検出するステップと、
    前記車両の車種情報を入力するステップと、
    前記車種情報と前記車両を所定角度だけ操舵した場合の前記車両のロール角との対応関係を記憶する第1記憶装置にアクセスしてロール角を読み出すステップと、
    第2記憶装置に記憶された所定の関係式を用いて演算装置により前記キャスタ角を演算するステップであって、前記キャンバ角から前記キャスタ角を演算し、得られたキャスタ角を前記ロール角を用いて補正するステップと、
    補正された前記キャスタ角を出力装置に出力するステップと、
    を有することを特徴とする車両ホイール検査方法。
  9. 車両ホイールのキャスタ角を検査する方法であって、
    前記車両のキャンバ角を検出するステップと、
    前記車両の車種情報を入力するステップと、
    前記車種情報と前記車両を所定角度だけ操舵した場合の前記車両のキャンバ角誤差との対応関係を記憶する第1記憶装置にアクセスしてキャンバ角誤差を読み出すステップと、
    第2記憶装置に記憶された所定の関係式を用いて演算装置により前記キャスタ角を演算するステップであって、前記キャンバ角から前記キャスタ角を演算し、得られたキャスタ角を前記キャンバ角誤差を用いて補正するステップと、
    補正された前記キャスタ角を出力装置に出力するステップと、
    を有することを特徴とする車両ホイール検査方法。
  10. 車両ホイールのキャスタ角を検査する方法であって、
    前記車両のキャンバ角を検出するステップと、
    前記車両の車種情報を入力するステップと、
    前記車種情報と前記車両を所定角度だけ操舵した場合の前記車両のキャンバ角誤差との対応関係を記憶する第1記憶装置にアクセスしてキャスタ誤差を読み出すステップと、
    第2記憶装置に記憶された所定の関係式を用いて演算装置により前記キャスタ角を演算するステップであって、前記キャンバ角から前記キャスタ角を演算し、得られたキャスタ角を前記キャスタ角誤差を用いて補正するステップと、
    補正された前記キャスタ角を出力装置に出力するステップと、
    を有することを特徴とする車両ホイール検査方法。
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