JP5366264B2 - ステレオカメラシステム及び該システムを備える車両 - Google Patents
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Description
ステレオカメラシステムは、2台のカメラによって得られた2つの画像の視差を利用して距離を算出する。このため、2台のカメラ間の相対的な位置関係にずれがあると、正しい距離を求めることができない。また、当初、2台のカメラ間の相対的な位置関係にずれが無いとしても、部品の経時的な変形等によりずれが生じてしまう。
例えば、特許文献1が開示するステレオカメラシステムでは、2台のカメラ間の位置姿勢を規定するキャリブレーションパラメータのずれに基づくキャリブレーションずれが、既知特徴又は自然特徴を用いて補正される。
自然特徴は、撮影された画像内から抽出される特徴であり、自然特徴間の幾何学的距離等の性質は、予め既知ではない。
解決手段1:本発明の一態様によれば、第1カメラ、第2カメラ、並びに、第1カメラ及び第2カメラが設置される基台を有するステレオカメラユニットと、前記第1カメラが出力する第1画像データ及び前記第2カメラが出力する第2画像データの少なくとも一方に位置補正処理を行ったうえで、前記第1画像データ及び第2画像データに基づき、前記第1画像データ及び前記第2画像データ中の物体の距離を判定する制御装置とを備えるステレオカメラシステムであって、前記第1カメラ及び前記第2カメラの視野に、前記ステレオカメラユニットの一部がそれぞれ含まれ、前記制御装置は、前記第1画像データ及び前記第2画像データに含まれる前記ステレオカメラユニットの一部の画像に対応するデータに基づいて前記位置補正処理を行うことを特徴とするステレオカメラシステムが提供される。
このステレオカメラシステムは、外部の物体を位置補正処理に使用しないので、位置補正処理に用いられる物体の幾何学的情報を、使用環境に応じて変更する必要がない。
一方、ステレオカメラユニットの一部の幾何学的情報は既知であり、外部の物体を位置補正処理に用いる場合と同様に、高精度にて位置補正処理が実行される。
従って、第2カメラに対する第1カメラの位置関係のずれ、及び、第2カメラに対する第1カメラの位置関係のずれが直接的且つ確実に把握され、位置補正処理がより高精度にて行われる。
解決手段3のステレオカメラシステムでは、筐体とは輝度の異なるキャリブレーションマークを用いることによって、第1カメラ及び第2カメラの筐体の色や形状に関係なく、位置補正処理が高精度にて行われる。
解決手段4のステレオカメラシステムでは、第1カメラ及び第2カメラの画角が180°を超えていることによって、簡単な構成にて、第1カメラ及び第2カメラの視野に、他方の一部が含まれる。
図1は、車両10に適用された一実施形態のステレオカメラシステム100の概略的な構成を示している。
ステレオカメラシステム100は、第1カメラ20a、第2カメラ20bb、基台30、制御装置40、画像表示装置50、及び、必要に応じてスピーカー60を有する。
第1カメラ20a及び第2カメラ20bは、撮像素子を有するデジタルカメラであり、撮影範囲に対応するデジタルの第1画像データ及び第2画像データをそれぞれ生成する。
図2に示したように、第1カメラ20a及び第2カメラ20bは、互いに平行になるように基台30に固定され、基台30が車両に固定される。第1カメラ20a、第2カメラ20b、及び、基台30は、1つのステレオカメラユニット70を構成している。
図4に示したように、第1カメラ20aの視野には、第2カメラ20bの一部が含まれており、第2カメラ20bの視野には、第1カメラ20aの一部が含まれている。
なお、図4では、第2カメラ20b及び第1カメラ20aの一部の画像のみを示し、他の画像は省略した。
制御装置40は、例えば、マイクロコンピュータによって構成され、CPU(中央演算処理装置)及びメモリ等を含む。制御装置40は、第1カメラ20a及び第2カメラ20bに電気的に接続されており、第1カメラ20aによって撮影された画像のデータ(第1画像データ)及び第2カメラ20bによって撮影された画像のデータ(第2画像データ)を読み込む。
また、制御装置40は、警報表示として、例えば、障害物を囲む赤枠を画像表示装置50に表示させる。
そして、このずれに起因して、第1画像データ及び第2画像データが回転してしまう。なお、第1画像データ及び第2画像データが回転するとは、第1画像データ及び第2画像データの画像が回転するということである。
以下、上述した一実施形態のステレオカメラシステム100の動作について、説明する。図5は、制御装置40が実行する、後方監視用のプログラムを概略的に示すフローチャートである。後方監視用のプログラムは、例えば、車両10のギアがバックギアに設定されたときに実行される。
かくして制御装置40は、ギアがバックギアに設定されている間、上述したステップS10〜S50及び必要に応じてS60を繰り返し実行する。
図6は、第1画像データのための補正用パラメータ決定プログラムを概略的に示すフローチャートである。補正用パラメータ決定プログラムは、例えば、車両10のエンジンが起動されると実行される。
そして、制御装置40は、第1画像データから、第2カメラ20bの筐体及び筐体の近傍が写っている領域のデータ(第1領域データ)を抽出する(ステップS120)。第1領域データの抽出は、第2カメラ20bの筐体が外れていなければよく、例えば、図4の右側の画像のうち、左端側のデータが第1領域データとして抽出される。
図7は、第2画像データのための補正用パラメータ決定プログラムを概略的に示すフローチャートである。第2画像データのための補正用パラメータ決定プログラムも、例えば、車両10のエンジンが起動されると実行される。
そして、制御装置40は、第2画像データから、第1カメラ20aの筐体及び筐体の近傍が写っている領域のデータ(第2領域データ)を抽出する(ステップS220)。第2領域データの抽出は、第1カメラ20aの筐体が外れていなければよく、例えば、図4の左側の画像のうち、右端側のデータが第2領域データとして抽出される。
図8は、ロール角補正用パラメータ決定ルーチンS140の内容を概略的に示すフローチャートである。
図8に示したように、ロール角補正用パラメータ決定ルーチンS140では、まず制御装置40は、現在のロール角補正用パラメータθrを読み込む(ステップS300)。初めてロール角補正用パラメータ決定ルーチンS140を行うときには、現在のロール角補正用パラメータθrは、予め設定された適当な初期値である。
ロール角補正用パラメータ決定ループS310では、変数は、ロール角補正用パラメータθrであり、変数の初期値としては、例えば、現在のロール角補正用パラメータθrが用いられる。変数の増分、即ち変化量Δθrは、例えば−1.0°,−0.5°,0.5°,1.0°である。なお、初期値も含めると、変化量Δθrは、−1.0°,0.5°,0°,0.5°,1.0°である。
つまり、輝度差ΔIを用いて判定用データと基準データの間のパターンの類似度を判定し、類似度が高くなると、ロール角補正用パラメータ決定ループS310が終了する。
図9は、ピッチ角補正用パラメータ決定ルーチンS150の内容を概略的に示すフローチャートである。
図9に示したように、ピッチ角補正用パラメータ決定ルーチンS150では、まず制御装置40は、現在のピッチ角補正用パラメータθpを読み込む(ステップS400)。初めてピッチ角補正用パラメータ決定ルーチンS150を行うときには、現在のピッチ角補正用パラメータθpは、予め設定された適当な初期値である。
ピッチ角補正用パラメータ決定ループS410では、変数は、ピッチ角補正用パラメータθpであり、変数の初期値としては、例えば、現在のピッチ角補正用パラメータθpが用いられる。変数の増分、即ち変化量Δθpは、例えば−1.0°,−0.5°,0.5°,1.0°である。なお、初期値も含めると、変化量Δθpは、−1.0°,0.5°,0°,0.5°,1.0°である。
つまり、輝度差ΔIを用いて判定用データと基準データの間のパターンの類似度を判定し、類似度が高くなると、ピッチ角補正用パラメータ決定ループS410が終了する。
図10は、ヨー角補正用パラメータ決定ルーチンS160の内容を概略的に示すフローチャートである。
図10に示したように、ヨー角補正用パラメータ決定ルーチンS160では、まず制御装置40は、現在のヨー角補正用パラメータθyを読み込む(ステップS500)。初めてヨー角補正用パラメータ決定ルーチンS160を行うときには、現在のヨー角補正用パラメータθyは、予め設定された適当な初期値である。
ヨー角補正用パラメータ決定ループS510では、変数は、ヨー角補正用パラメータθyであり、変数の初期値としては、例えば、現在のヨー角補正用パラメータθyが用いられる。変数の増分、即ち変化量Δθyは、例えば、−1.0°,−0.5°,0.5°,1.0°である。なお、初期値も含めると、変化量Δθyは、−1.0°,0.5°,0°,0.5°,1.0°である。
つまり、輝度差ΔIを用いて判定用データと基準データの間のパターンの類似度を判定し、類似度が高くなると、ヨー角補正用パラメータ決定ループS510が終了する。
一方、第2カメラ20b及び第1カメラ20aの一部の幾何学的情報は既知であり、外部の物体を位置補正処理に用いる場合と同様に、高精度にて位置補正処理S30が実行される。
更に、上述した一実施形態のステレオカメラシステム100では、第1カメラ20a及び第2カメラ20bの画角が180°を超えていることによって、簡単な構成にて、第1カメラ20a及び第2カメラ20bの視野に、他方の一部が含まれる。
その上、上述した一実施形態のステレオカメラシステム100が適用された車両10によれば、第1カメラ20a及び第2カメラ20cの画角は広いため、車両10の後尾の側方に存在する障害物も検出され、安全な運転が実現される。
また、上述した一実施形態においては、第1カメラ20a及び第2カメラ20bの各々のX軸、Y軸及びZ軸を中心とした回転変位に基づく誤差を補正するようにしたが、これに限られるものではなく、第1カメラ20a及び第2カメラ20bの各々のX軸、Y軸及びZ軸に沿った平行変位に基づく誤差を補正するようにしてもよい。
なお、ドット22の数、大きさ、形状、及び、配列は適当に選択することができる。
なお当然のことながら、この場合の基準データは、第1カメラ80aと第2カメラ80bが理想的に平行なときの、ステレオカメラユニット70の一部の画像に対応するデータである。
この場合、人の要求に応じて、いつでも、ロール角補正用パラメータθr、ピッチ角補正用パラメータθp、及び、ヨー角補正用パラメータθpが決定・更新可能である。このため、いつでも必要なときに高精度にて位置補正処理S30が行われ、ステレオカメラシステム100が直ぐに使用に供される。
なお、入力装置90は、制御装置40又は画像表示装置50に一体に組み込まれていてもよい。
なお、ステレオカメラシステム100がカーナビゲーションシステムと画像表示装置50を共有している場合には、制御装置40は、車両10のギアがバックギアに設定されたときのみ、第1画像データ又は第2画像データを画像表示装置50に表示させ、それ以外のときは、カーナビゲーションシステムが地図等を画像表示装置50に表示させるようにしてもよい。
最後に本発明に係るステレオカメラシステムは、車両の前方監視に使用してもよいのは勿論、車両以外にも適用可能であり、例えば、工場の生産ラインにおいて、製品の形状検査等に用いてもよい。
10 車両
20a 第1カメラ
20b 第2カメラ
30 基台
40 制御装置
50 画像表示装置
70 ステレオカメラユニット
Claims (6)
- 第1カメラ、第2カメラ、並びに、第1カメラ及び第2カメラが設置される基台を有するステレオカメラユニットと、
前記第1カメラが出力する第1画像データ及び前記第2カメラが出力する第2画像データの少なくとも一方に位置補正処理を行ったうえで、前記第1画像データ及び第2画像データに基づき、前記第1画像データ及び前記第2画像データ中の物体の距離を判定する制御装置とを備えるステレオカメラシステムであって、
前記第1カメラ及び前記第2カメラの視野に、前記ステレオカメラユニットの一部がそれぞれ含まれ、
前記制御装置は、前記第1画像データ及び前記第2画像データに含まれる前記ステレオカメラユニットの一部の画像に対応するデータに基づいて前記位置補正処理を行う
ことを特徴とするステレオカメラシステム。 - 前記第1カメラの視野に、前記ステレオカメラユニットの一部として前記第2カメラの一部が含まれ、
前記第2カメラの視野に、前記ステレオカメラユニットの一部として前記第1カメラの一部が含まれ、
前記制御装置は、
前記第1画像データに含まれる前記第2カメラの一部の画像に対応するデータに基づき、前記第1画像データに位置補正処理を行い、
前記第2画像データに含まれる前記第1カメラの一部の画像に対応するデータに基づき、前記第2画像データに位置補正処理を行う
ことを特徴とする請求項1記載のステレオカメラシステム。 - 前記第1カメラ及び前記第2カメラのうち少なくとも一方の筐体には、他方のカメラの視野に含まれる部位に、前記筐体とは輝度の異なるキャリブレーションマークが付与されている
ことを特徴とする請求項2に記載のステレオカメラシステム。 - 前記第1カメラ及び第2カメラの画角は180°を超えていることを特徴とする請求項2又は3に記載のステレオカメラシステム。
- 前記制御装置は、外部からの命令に基づいて、前記位置補正処理に使用される補正用パラメータを前記ステレオカメラユニットの一部の画像に対応するデータに基づいて演算することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載のステレオカメラシステム。
- 請求項5に記載のステレオカメラシステムを備える車両であって、
前記外部からの命令は、人によって入力されるか、前記車両のエンジンの起動に連動して入力されるか、又は、前記車両のギアの変更に連動して入力されることを特徴とする車両。
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